特許第6042352号(P6042352)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6042352新規四座配位白金錯体
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6042352
(24)【登録日】2016年11月18日
(45)【発行日】2016年12月14日
(54)【発明の名称】新規四座配位白金錯体
(51)【国際特許分類】
   C07F 15/00 20060101AFI20161206BHJP
   C07F 19/00 20060101ALI20161206BHJP
   C07F 7/18 20060101ALI20161206BHJP
   C09K 11/06 20060101ALI20161206BHJP
   H01L 51/50 20060101ALI20161206BHJP
【FI】
   C07F15/00 FCSP
   C07F19/00
   C07F7/18 U
   C09K11/06 660
   H05B33/14 B
【請求項の数】10
【全頁数】195
(21)【出願番号】特願2013-555578(P2013-555578)
(86)(22)【出願日】2012年2月23日
(65)【公表番号】特表2014-507444(P2014-507444A)
(43)【公表日】2014年3月27日
(86)【国際出願番号】US2012026396
(87)【国際公開番号】WO2012116231
(87)【国際公開日】20120830
【審査請求日】2014年8月22日
(31)【優先権主張番号】61/445,864
(32)【優先日】2011年2月23日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】61/547,461
(32)【優先日】2011年10月14日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】503055897
【氏名又は名称】ユニバーサル ディスプレイ コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】100107515
【弁理士】
【氏名又は名称】廣田 浩一
(74)【代理人】
【識別番号】100107733
【弁理士】
【氏名又は名称】流 良広
(74)【代理人】
【識別番号】100115347
【弁理士】
【氏名又は名称】松田 奈緒子
(72)【発明者】
【氏名】チュアンジュン・シャ
(72)【発明者】
【氏名】ウォルター・イェーガー
(72)【発明者】
【氏名】デーヴィッド・ゼナン・リ
(72)【発明者】
【氏名】ジェームズ・フィオルデリソ
(72)【発明者】
【氏名】ビン・マ
(72)【発明者】
【氏名】ゼイナブ・エルシェナウィ
(72)【発明者】
【氏名】スマン・レイェク
(72)【発明者】
【氏名】エドワード・バロン
(72)【発明者】
【氏名】グレッグ・コッタス
(72)【発明者】
【氏名】ジェイソン・ブルックス
【審査官】 早乙女 智美
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−267245(JP,A)
【文献】 特開2009−266943(JP,A)
【文献】 特開2009−267244(JP,A)
【文献】 特開2009−272339(JP,A)
【文献】 特開2005−317516(JP,A)
【文献】 国際公開第2008/072538(WO,A1)
【文献】 特表2010−527944(JP,A)
【文献】 特許第4564585(JP,B2)
【文献】 国際公開第2010/068876(WO,A1)
【文献】 特表2009−526071(JP,A)
【文献】 特開2009−076865(JP,A)
【文献】 国際公開第2010/118026(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C09K 11/06
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記の式を有することを特徴とする化合物。
【化1】
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(式中、Aは5員の炭素環又はヘテロ環であり、Bは5員又は6員の炭素環又はヘテロ環であり;
A−Bは、1つの共有結合と1つの配位結合を介してPtと結合し;
Xは、BR、NR、PR、O、S、Se、C=O、S=O、SO、CRR’、SiRR’及びGeRR’からなる群から選択され;
R及びR’は、独立して、水素、重水素、ハライド、アルキル、シクロアルキル、ヘテロアルキル、アリールアルキル、アルコキシ、アリールオキシ、アミノ、シリル、アルケニル、シクロアルケニル、ヘテロアルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、アシル、カルボニル、カルボン酸、エステル、ニトリル、イソニトリル、スルファニル、スルフィニル、スルフォニル、及びホスフィノからなる群から選択され;
はモノ、又はジ置換を表し、Rはモノ、ジ又はトリ置換を表す。
、R及びRは、独立して、水素、重水素、ハライド、アルキル、シクロアルキル、ヘテロアルキル、アリールアルキル、アルコキシ、アリールオキシ、アミノ、シリル、アルケニル、シクロアルケニル、ヘテロアルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、アシル、カルボン酸、エステル、ニトリル、及びイソニトリルからなる群から選択され;
、R及びRのうち2つの隣接する置換基は、結合して縮合環を形成していてもよく;
及びRのうちの少なくともいずれかは、下記の置換基であり;
【化2】
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(式中、R’及びR’は、独立して、アルキル、及びアリールから選択され;
Cは、更に置換されていてもよい5員又は6員の炭素環又はヘテロ環である))
【請求項2】
下記の化合物からなる群から選択される請求項1に記載の化合物。
【化3】
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(式中、R’’、R’’及びR’’は、モノ、ジ、トリ又はテトラ置換を表し;
R’’、R’’及びR’’は、独立して、水素、重水素、ハライド、アルキル、シクロアルキル、ヘテロアルキル、アリールアルキル、アルコキシ、アリールオキシ、アミノ、シリル、アルケニル、シクロアルケニル、ヘテロアルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、アシル、カルボン酸、エステル、ニトリル、及びイソニトリルからなる群から選択され;
R’’、R’’及びR’’のうちの2つの隣接する置換基は、結合して縮合環を形成していてもよい)
【請求項3】
A−Bが下記からなる群から選択される請求項1に記載の化合物。
【化4】
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(R、R、R及びRは、モノ、ジ、トリ又はテトラ置換を表し;
、R、R及びRは、独立して、水素、重水素、ハライド、アルキル、シクロアルキル、ヘテロアルキル、アリールアルキル、アルコキシ、アリールオキシ、アミノ、シリル、アルケニル、シクロアルケニル、ヘテロアルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、アシル、カルボン酸、エステル、ニトリル、及びイソニトリルからなる群から選択され;
、R、R及びRのうちの2つの隣接する置換基は、結合して縮合環を形成していてもよい。
【請求項4】
下記からなる群から選択される請求項1に記載の化合物。
【化5】
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【化6】
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【化7】
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【化8】
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【請求項5】
下記からなる群から選択される請求項1に記載の化合物。
【化9】
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【化10】
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【化11】
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【化12】
[この文献は図面を表示できません]
【化13】
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【化14】
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【化15】
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【化16】
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【化17】
[この文献は図面を表示できません]
【化18】
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【化19】
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【化20】
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【化21】
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【化22】
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【化23】
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【化24】
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【請求項6】
有機発光デバイスを含むデバイスであって、
アノードと、
カソードと、
前記アノードと前記カソードとの間に配置された有機層とを更に含み、
前記有機層は、請求項1〜5のいずれかに記載の式を有する化合物を含むことを特徴とするデバイス。
【請求項7】
下記の式を有する化合物。
【化25】
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(式中、環A及び環Bはそれぞれ独立して5員又は6員の炭素環又はヘテロ環であり;
及びLは、独立して、単結合、BR、NR、PR、O、S、Se、C=O、S=O、SO、CRR’、SiRR’及びGeRR’からなる群から選択され;
及びZは、独立して、窒素原子又は炭素原子であり;
、及びRは、モノ、又はジ置換を表し、
、R、及びRは、モノ、ジ、トリ又はテトラ置換を表し;
R、R’、R、R、R、R及びRは、独立して、水素、重水素、ハライド、アルキル、シクロアルキル、ヘテロアルキル、アリールアルキル、アルコキシ、アリールオキシ、アミノ、シリル、アルケニル、シクロアルケニル、ヘテロアルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、アシル、カルボン酸、エステル、ニトリル、及びイソニトリルからなる群から選択され;
R、R’、R、R、R、R及びRのうちの2つの隣接する置換基は、結合して縮合環を形成していてもよい)
【請求項8】
化合物が下記の式を有する請求項7に記載の化合物。
【化26】
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(式中、R’は、水素、重水素、ハライド、アルキル、シクロアルキル、ヘテロアルキル、アリールアルキル、アルコキシ、アリールオキシ、アミノ、シリル、アルケニル、シクロアルケニル、ヘテロアルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、アシル、カルボン酸、エステル、ニトリル、及びイソニトリルからなる群から選択される)
【請求項9】
化合物が下記の式を有する請求項7に記載の化合物。
【化27】
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(式中、R’は、水素、重水素、ハライド、アルキル、シクロアルキル、ヘテロアルキル、アリールアルキル、アルコキシ、アリールオキシ、アミノ、シリル、アルケニル、シクロアルケニル、ヘテロアルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、アシル、カルボン酸、エステル、ニトリル、及びイソニトリルからなる群から選択される)
【請求項10】
化合物が下記からなる群から選択される請求項7に記載の化合物。
【化28】
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【化29】
[この文献は図面を表示できません]
【化30】
[この文献は図面を表示できません]
【化31】
[この文献は図面を表示できません]
【化32】
[この文献は図面を表示できません]
【化33】
[この文献は図面を表示できません]
【化34】
[この文献は図面を表示できません]
【化35】
[この文献は図面を表示できません]
【化36】
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【化37】
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【化38】
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【化39】
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【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連技術の相互参照
本願は、35U.S.C 119(e)に基づく、2011年2月23日出願の米国特許出願第61/445,864及び2011年10月14日出願の米国特許出願第61/547,461の利益を主張し、これら出願の全体を本明細書に各種目的のために参照により援用する。
【0002】
特許請求されている発明は、大学・企業の共同研究契約の下記の当事者:University of Michigan、Princeton University、University of Southern California、及びUniversal Display Corporationの理事らの1又は複数によって、その利益になるように、且つ/又は関連して為されたものである。該契約は、特許請求されている発明が為された日付以前に発効したものであり、特許請求されている発明は、該契約の範囲内で行われる活動の結果として為されたものである。
【0003】
本発明は、有機発光デバイス(OLED)に関する。より具体的には、本発明は、ツイストした(ねじれた)アリール置換基を含むリン光性四座配位白金材料に関する。更に、本発明は、イミダゾ[1,2−f]フェナントリジン部分を含む四座配位白金(II)化合物に関する。これらの化合物をOLEDに用いることにより、向上した性能を有するデバイスを提供することができる。
【背景技術】
【0004】
有機材料を利用する光電子デバイスは、いくつもの理由から、次第に望ましいものとなりつつある。そのようなデバイスを作製するために使用される材料の多くは比較的安価であるため、有機光電子デバイスは無機デバイスを上回るコスト優位性の可能性を有する。加えて、柔軟性等の有機材料の固有の特性により、該材料は、フレキシブル基板上での製作等の特定用途によく適したものとなり得る。有機光電子デバイスの例は、有機発光デバイス(OLED)、有機光トランジスタ、有機光電池及び有機光検出器を含む。OLEDについて、有機材料は従来の材料を上回る性能の利点を有し得る。例えば、有機発光層が光を放出する波長は、概して、適切なドーパントで容易に調整され得る。
【0005】
OLEDはデバイス全体に電圧が印加されると光を放出する薄い有機膜を利用する。OLEDは、フラットパネルディスプレイ、照明及びバックライティング等の用途において使用するためのますます興味深い技術となりつつある。数種のOLED材料及び構成は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、特許文献1、特許文献2及び特許文献3において記述されている。
【0006】
リン光性発光分子の1つの用途は、フルカラーディスプレイである。そのようなディスプレイの業界標準は、「飽和(saturated)」色と称される特定の色を放出するように適合された画素を必要とする。特に、これらの標準は、飽和した赤色、緑色及び青色画素を必要とする。色は、当技術分野において周知のCIE座標を使用して測定することができる。
【0007】
緑色発光分子の一例は、下記の構造:
【化1】
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を有する、Ir(ppy)と表示されるトリス(2−フェニルピリジン)イリジウムである。
【0008】
この図面及び本明細書における後出の図面中で、本発明者らは、窒素から金属(ここではIr)への配位結合を直線として描写する。
【0009】
本明細書において使用される場合、用語「有機」は、有機光電子デバイスを製作するために使用され得るポリマー材料及び小分子有機材料を含む。「小分子」は、ポリマーでない任意の有機材料を指し、且つ「小分子」は実際にはかなり大型であってよい。小分子は、いくつかの状況において繰り返し単位を含み得る。例えば、長鎖アルキル基を置換基として使用することは、「小分子」クラスから分子を排除しない。小分子は、例えばポリマー骨格上のペンダント基として、又は該骨格の一部として、ポリマーに組み込まれてもよい。小分子は、コア部分上に構築された一連の化学的シェルからなるデンドリマーのコア部分として役立つこともできる。デンドリマーのコア部分は、蛍光性又はリン光性小分子発光体であってよい。デンドリマーは「小分子」であってよく、OLEDの分野において現在使用されているデンドリマーはすべて小分子であると考えられている。
【0010】
本明細書において使用される場合、「頂部」は基板から最遠部を意味するのに対し、「底部」は基板の最近部を意味する。第一層が第二層「の上に配置されている」と記述される場合、第一層のほうが基板から遠くに配置されている。第一層が第二層「と接触している」ことが指定されているのでない限り、第一層と第二層との間に他の層があってもよい。例えば、間に種々の有機層があるとしても、カソードはアノード「の上に配置されている」と記述され得る。
【0011】
本明細書において使用される場合、「溶液プロセス可能な」は、溶液又は懸濁液形態のいずれかの液体媒質に溶解、分散若しくは輸送することができ、且つ/又は該媒質から堆積することができるという意味である。
【0012】
配位子は、該配位子が発光材料の光活性特性に直接寄与していると考えられる場合、「光活性」と称され得る。配位子は、該配位子が発光材料の光活性特性に寄与していないと考えられる場合には「補助」と称され得るが、補助配位子は、光活性配位子の特性を変化させることができる。
【0013】
本明細書において使用される場合、当業者には概して理解されるであろう通り、第一の「最高被占分子軌道」(HOMO)又は「最低空分子軌道」(LUMO)エネルギー準位は、第一のエネルギー準位が真空エネルギー準位に近ければ、第二のHOMO又はLUMOエネルギー準位「よりも大きい」又は「よりも高い」。イオン化ポテンシャル(IP)は、真空準位と比べて負のエネルギーとして測定されるため、より高いHOMOエネルギー準位は、より小さい絶対値を有するIP(あまり負でないIP)に相当する。同様に、より高いLUMOエネルギー準位は、より小さい絶対値を有する電子親和力(EA)(あまり負でないEA)に相当する。頂部に真空準位がある従来のエネルギー準位図において、材料のLUMOエネルギー準位は、同じ材料のHOMOエネルギー準位よりも高い。「より高い」HOMO又はLUMOエネルギー準位は、「より低い」HOMO又はLUMOエネルギー準位よりもそのような図の頂部に近いように思われる。
【0014】
本明細書において使用される場合、当業者には概して理解されるであろう通り、第一の仕事関数がより高い絶対値を有するならば、第一の仕事関数は第二の仕事関数「よりも大きい」又は「よりも高い」。仕事関数は概して真空準位と比べて負数として測定されるため、これは「より高い」仕事関数が更に負であることを意味する。頂部に真空準位がある従来のエネルギー準位図において、「より高い」仕事関数は、真空準位から下向きの方向に遠く離れているものとして例証される。故に、HOMO及びLUMOエネルギー準位の定義は、仕事関数とは異なる慣例に準ずる。
【0015】
OLEDについての更なる詳細及び上述した定義は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる特許文献4において見ることができる。
【発明の概要】
【0016】
ツイストしたアリール置換基を含むリン光性四座配位白金化合物が提供される。前記化合物は、下記の式を有する。
【化2】
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【0017】
A及びBは、それぞれ独立して、5員又は6員の炭素環又はヘテロ環からなる群から選択される。A−Bは、1つの共有結合と1つの配位結合を介してPtと結合する。X及びYは、独立して、BR、NR、PR、O、S、Se、C=O、S=O、SO、CRR’、SiRR’及びGeRR’からなる群から選択される。X及びYのうちの少なくともいずれかは、A−Bと2−フェニルイミダゾールとの間の結合を形成する。R及びR’は、独立して、水素、重水素、ハライド、アルキル、シクロアルキル、ヘテロアルキル、アリールアルキル、アルコキシ、アリールオキシ、アミノ、シリル、アルケニル、シクロアルケニル、ヘテロアルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、アシル、カルボニル、カルボン酸、エステル、ニトリル、イソニトリル、スルファニル、スルフィニル、スルフォニル、ホスフィノ及びこれらの組み合わせからなる群から選択される。R及びRは、モノ、ジ又はトリ置換を表す。R、R及びRは、独立して、水素、重水素、ハライド、アルキル、シクロアルキル、ヘテロアルキル、アリールアルキル、アルコキシ、アリールオキシ、アミノ、シリル、アルケニル、シクロアルケニル、ヘテロアルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、アシル、カルボニル、カルボン酸、エステル、ニトリル、イソニトリル、スルファニル、スルフィニル、スルフォニル、ホスフィノ及びこれらの組み合わせからなる群から選択される。R、R及びRのうち2つの隣接する置換基は、結合して縮合環を形成していてもよい。R及びRのうちの少なくともいずれかは、下記の置換基である。
【化3】
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【0018】
R’及びR’は、独立して、水素、重水素、ハライド、アルキル、シクロアルキル、ヘテロアルキル、アリールアルキル、アルコキシ、アリールオキシ、アミノ、シリル、アルケニル、シクロアルケニル、ヘテロアルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、アシル、カルボニル、カルボン酸、エステル、ニトリル、イソニトリル、スルファニル、スルフィニル、スルフォニル、ホスフィノ及びこれらの組み合わせからなる群から選択される。R’及びR’のうちの少なくともいずれかは、水素と重水素のいずれでもない。Cは、更に置換されていてもよい5員又は6員の炭素環又はヘテロ環である。Cは、ベンゼンであることが好ましい。
【0019】
1つの態様において前記化合物は、下記の式を有する。
【化4】
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【0020】
他の態様において前記化合物は、下記の式を有する。
【化5】
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【0021】
更に他の態様において前記化合物は、下記の式を有する。
【化6】
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【0022】
1つの態様においては、R’及びR’のうちの少なくともいずれかがアルキルであり、R’及びR’のうちの他方が水素又は重水素である。他の態様においては、R’及びR’のうちの少なくともいずれかが、2個以上の炭素原子を有するアルキルであり、R’及びR’のうちの他方が水素又は重水素である。更に他の態様においては、R’及びR’のうちの少なくともいずれかが、3個以上の炭素原子を有するアルキルであり、R’及びR’のうちの他方が水素又は重水素である。
【0023】
1つの態様においては、R’及びR’がそれぞれアルキルである。他の態様においては、R’及びR’がそれぞれ2個以上の炭素原子を有するアルキルである。更に他の態様においては、R’及びR’がそれぞれ3個以上の炭素原子を有するアルキルである。
【0024】
1つの態様においては、R’及びR’のうちの少なくともいずれかがアリールであり、R’及びR’のうちの他方が水素又は重水素である。他の態様においては、R’及びR’のうちのいずれかがアルキルであり、R’及びR’のうちの他方がアリールである。更に他の態様においては、R’及びR’のそれぞれがアリールである。
【0025】
1つの態様においては、前記化合物は、下記の化合物からなる群から選択される。
【化7】
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【0026】
R’’、R’’及びR’’は、モノ、ジ、トリ又はテトラ置換を表す。R’’、R’’及びR’’は、独立して、水素、重水素、ハライド、アルキル、シクロアルキル、ヘテロアルキル、アリールアルキル、アルコキシ、アリールオキシ、アミノ、シリル、アルケニル、シクロアルケニル、ヘテロアルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、アシル、カルボニル、カルボン酸、エステル、ニトリル、イソニトリル、スルファニル、スルフィニル、スルフォニル、ホスフィノ及びこれらの組み合わせからなる群から選択される。R’’、R’’及びR’’のうちの2つの隣接する置換基は、結合して縮合環を形成していてもよい。
【0027】
他の態様においては、前記化合物は、下記の化合物からなる群から選択される式を有する。
【化8】
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【0028】
R’’、R’’及びR’’は、モノ、ジ、トリ又はテトラ置換を表す。R’’、R’’及びR’’は、独立して、水素、重水素、ハライド、アルキル、シクロアルキル、ヘテロアルキル、アリールアルキル、アルコキシ、アリールオキシ、アミノ、シリル、アルケニル、シクロアルケニル、ヘテロアルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、アシル、カルボニル、カルボン酸、エステル、ニトリル、イソニトリル、スルファニル、スルフィニル、スルフォニル、ホスフィノ及びこれらの組み合わせからなる群から選択される。R’’、R’’及びR’’のうちの2つの隣接する置換基は、結合して縮合環を形成していてもよい。
【0029】
他の態様においては、A−Bは、下記からなる群から選択される。
【化9】
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【0030】
、R、R及びRは、モノ、ジ、トリ又はテトラ置換を表す。R、R、R及びRは、独立して、水素、重水素、ハライド、アルキル、シクロアルキル、ヘテロアルキル、アリールアルキル、アルコキシ、アリールオキシ、アミノ、シリル、アルケニル、シクロアルケニル、ヘテロアルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、アシル、カルボニル、カルボン酸、エステル、ニトリル、イソニトリル、スルファニル、スルフィニル、スルフォニル、ホスフィノ及びこれらの組み合わせからなる群から選択される。R、R、R及びRのうちの2つの隣接する置換基は、結合して縮合環を形成していてもよい。Rは、A−Bと2−フェニルイミダゾールを結合させる連結基であってもよい。
【0031】
具体的且つ非限定的な前記白金錯体の例を示す。1つの態様においては、前記化合物は、前記化合物1G〜化合物42Gからなる群から選択される。白金化合物の具体的な構造としては、前記化合物1〜化合物166が挙げられるが、これらに限定されない。
【0032】
更に、有機発光デバイスを含む第1のデバイスも提供される。前記有機発光デバイスは、アノードと、カソードと、前記アノードと前記カソードとの間に配置された有機層とを更に含む。前記有機層は、下記の式を有する化合物を含む。
【化10】
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【0033】
A及びBは、それぞれ独立して、5員又は6員の炭素環又はヘテロ環からなる群から選択される。A−Bは、1つの共有結合と1つの配位結合を介してPtと結合する。X及びYは、独立して、BR、NR、PR、O、S、Se、C=O、S=O、SO、CRR’、SiRR’及びGeRR’からなる群から選択される。X及びYのうちの少なくともいずれかは、A−Bと2−フェニルイミダゾールとの間の結合を形成する。R及びR’は、独立して、水素、重水素、ハライド、アルキル、シクロアルキル、ヘテロアルキル、アリールアルキル、アルコキシ、アリールオキシ、アミノ、シリル、アルケニル、シクロアルケニル、ヘテロアルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、アシル、カルボニル、カルボン酸、エステル、ニトリル、イソニトリル、スルファニル、スルフィニル、スルフォニル、ホスフィノ及びこれらの組み合わせからなる群から選択される。R及びRは、モノ、ジ又はトリ置換を表す。R、R及びRは、独立して、水素、重水素、ハライド、アルキル、シクロアルキル、ヘテロアルキル、アリールアルキル、アルコキシ、アリールオキシ、アミノ、シリル、アルケニル、シクロアルケニル、ヘテロアルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、アシル、カルボニル、カルボン酸、エステル、ニトリル、イソニトリル、スルファニル、スルフィニル、スルフォニル、ホスフィノ及びこれらの組み合わせからなる群から選択される。R、R及びRのうち2つの隣接する置換基は、結合して縮合環を形成していてもよい。R及びRのうちの少なくともいずれかは、下記の置換基である。
【化11】
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【0034】
R’及びR’は、独立して、水素、重水素、ハライド、アルキル、シクロアルキル、ヘテロアルキル、アリールアルキル、アルコキシ、アリールオキシ、アミノ、シリル、アルケニル、シクロアルケニル、ヘテロアルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、アシル、カルボニル、カルボン酸、エステル、ニトリル、イソニトリル、スルファニル、スルフィニル、スルフォニル、ホスフィノ及びこれらの組み合わせからなる群から選択される。R’及びR’のうちの少なくともいずれかは、水素と重水素のいずれでもない。Cは、更に置換されていてもよい5員又は6員の炭素環又はヘテロ環である。Cは、ベンゼンであることが好ましい。
【0035】
式Iを有する化合物についての上述した各具体的態様を、前記第1のデバイスに用いられる場合の式Iを有する化合物にも適用することができる。特に、上述したような、式Iを有する化合物のR’、R’、A、B、C、X、Y、R’’、R’’、R’’、式II、式III、式IV、式V、式VI、式VII、式VIII、式IX、式X、式XI、A−B、R、R、R及びRの各具体的態様を、前記第1のデバイスに用いる式Iを有する前記化合物にも適用することができる。
【0036】
具体的且つ非限定的な前記白金錯体を含むデバイスの例を示す。1つの態様においては、前記化合物は、化合物1G〜化合物42Gからなる群から選択される。係るデバイスに用いることができる白金化合物の具体的な構造としては、化合物1〜化合物166が挙げられるが、これらに限定されない。
【0037】
1つの態様においては、前記有機層が発光層であり、前記化合物が発光性ドーパントである。他の態様においては、前記有機層は、ホストを更に含む。
【0038】
1つの態様においては、前記ホストは、下記からなる群から選択される化学基の少なくとも1つを含む化合物である。
【化12】
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【0039】
R’’’、R’’’、R’’’、R’’’、R’’’、R’’’及びR’’’は、それぞれ独立して、水素、重水素、ハライド、アルキル、シクロアルキル、ヘテロアルキル、アリールアルキル、アルコキシ、アリールオキシ、アミノ、シリル、アルケニル、シクロアルケニル、ヘテロアルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、アシル、カルボニル、カルボン酸、エステル、ニトリル、イソニトリル、スルファニル、スルフィニル、スルフォニル、ホスフィノ及びこれらの組み合わせからなる群から選択される。kは、0から20の整数である。X、X、X、X、X、X、X及びXは、それぞれ独立して、CH及びNからなる群から選択される。
【0040】
1つの態様においては、前記ホストは、ベンゾ縮合チオフェン又はベンゾ縮合フランを含むトリフェニレンを含む化合物である。前記化合物における任意の置換基は、C2n+1、OC2n+1、OAr、N(C2n+1、N(Ar)(Ar)、CH=CH−C2n+1、C≡CHC2n+1、Ar、Ar−Ar及びC2n−Arからなる群から選択される非縮合置換基であるか、又は無置換である。nは、1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10である。Ar及びArは、独立して、ベンゼン、ビフェニル、ナフタレン、トリフェニレン、カルバゾール、及びそれらのヘテロ芳香族類似体からなる群から選択される。前記ホストは、下記の式を有することが好ましい。
【化13】
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【0041】
更に他の態様においては、前記ホストは、金属錯体である。更なる態様においては、前記金属錯体は、下記からなる群から選択される。
【化14】
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【0042】
(O−N)は、原子O及びNに配位された金属を有する二座配位子である。Lは補助配位子である。mは、1から金属に結合し得る配位子の最大数までの整数値である。前記ホストは、金属8−ヒドロキシキノレートであることが好ましい。
【0043】
1つの態様においては、前記第1のデバイスは、消費者製品である。他の態様においては、前記第1のデバイスは、有機発光デバイスである。
【0044】
イミダゾ[1,2−f]フェナントリジン部分を含む四座配位白金(II)化合物が提供される。前記化合物は、下記の式を有する。
【化15】
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【0045】
環A及び環Bはそれぞれ独立して5員又は6員の炭素環又はヘテロ環である。L及びLは、独立して、単結合、BR、NR、PR、O、S、Se、C=O、S=O、SO、CRR’、SiRR’及びGeRR’からなる群から選択される。Z及びZは、独立して、窒素原子又は炭素原子である。R、R、R、R及びRは、モノ、ジ、トリ又はテトラ置換を表す。R、R’、R、R、R、R及びRは、独立して、水素、重水素、ハライド、アルキル、シクロアルキル、ヘテロアルキル、アリールアルキル、アルコキシ、アリールオキシ、アミノ、シリル、アルケニル、シクロアルケニル、ヘテロアルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、アシル、カルボニル、カルボン酸、エステル、ニトリル、イソニトリル、スルファニル、スルフィニル、スルフォニル、ホスフィノ及びこれらの組み合わせからなる群から選択される。R、R’、R、R、R、R及びRのうちの2つの隣接する置換基は、結合して縮合環を形成していてもよい。
【0046】
1つの態様において、Lは、BR、NR、PR、O、S、Se、C=O、S=O、SO、CRR’、SiRR’及びGeRR’からなる群から選択される。
【0047】
1つの態様においては、Rは、アリール又は置換アリールである。他の態様においては、Rは、2,6−ジ置換アリールである。
【0048】
は、下記の置換基であることが好ましい。
【化16】
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R’及びR’は、独立して、水素、重水素、ハライド、アルキル、シクロアルキル、ヘテロアルキル、アリールアルキル、アルコキシ、アリールオキシ、アミノ、シリル、アルケニル、シクロアルケニル、ヘテロアルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、アシル、カルボニル、カルボン酸、エステル、ニトリル、イソニトリル、スルファニル、スルフィニル、スルフォニル、ホスフィノ及びこれらの組み合わせからなる群から選択される。R’及びR’のうちの少なくともいずれかは、水素と重水素のいずれでもない。Cは、更に置換されていてもよい5員又は6員の炭素環又はヘテロ環である。
【0049】
1つの態様においては、R、R’、R、R、R、R及びRのうちの2つの隣接する置換基が結合することにより、少なくとも1つの縮合環が形成される。他の態様においては、R又はR’は、R又はRと結合して縮合環を形成する。
【0050】
1つの態様においては、下記の配位子:
【化17】
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は、下記:
【化18】
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の三重項エネルギーと同等以上の三重項エネルギーを有する。
【0051】
1つの態様においては、前記化合物は、下記の式を有する。
【化19】
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【0052】
1つの態様においては、前記化合物は、下記の式を有する。
【化20】
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【0053】
R’は、水素、重水素、ハライド、アルキル、シクロアルキル、ヘテロアルキル、アリールアルキル、アルコキシ、アリールオキシ、アミノ、シリル、アルケニル、シクロアルケニル、ヘテロアルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、アシル、カルボニル、カルボン酸、エステル、ニトリル、イソニトリル、スルファニル、スルフィニル、スルフォニル、ホスフィノ及びこれらの組み合わせからなる群から選択される。
【0054】
更に他の態様においては、前記化合物は、下記の式を有する。
【化21】
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【0055】
R’は、水素、重水素、ハライド、アルキル、シクロアルキル、ヘテロアルキル、アリールアルキル、アルコキシ、アリールオキシ、アミノ、シリル、アルケニル、シクロアルケニル、ヘテロアルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、アシル、カルボニル、カルボン酸、エステル、ニトリル、イソニトリル、スルファニル、スルフィニル、スルフォニル、ホスフィノ及びこれらの組み合わせからなる群から選択される。
【0056】
更に他の態様においては、前記化合物は、下記の式を有する。
【化22】
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【0057】
は、モノ、ジ、トリ又はテトラ置換を表す。R’及びRは、独立して、水素、重水素、ハライド、アルキル、シクロアルキル、ヘテロアルキル、アリールアルキル、アルコキシ、アリールオキシ、アミノ、シリル、アルケニル、シクロアルケニル、ヘテロアルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、アシル、カルボニル、カルボン酸、エステル、ニトリル、イソニトリル、スルファニル、スルフィニル、スルフォニル、ホスフィノ及びこれらの組み合わせからなる群から選択される。
【0058】
1つの態様においては、前記化合物は、下記の式を有する。
【化23】
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【0059】
は、モノ、ジ、トリ又はテトラ置換を表す。R’及びRは、独立して、水素、重水素、ハライド、アルキル、シクロアルキル、ヘテロアルキル、アリールアルキル、アルコキシ、アリールオキシ、アミノ、シリル、アルケニル、シクロアルケニル、ヘテロアルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、アシル、カルボニル、カルボン酸、エステル、ニトリル、イソニトリル、スルファニル、スルフィニル、スルフォニル、ホスフィノ及びこれらの組み合わせからなる群から選択される。
【0060】
更に他の態様においては、前記化合物は、下記の式を有する。
【化24】
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【0061】
は、モノ、ジ、トリ又はテトラ置換を表す。R’及びRは、独立して、水素、重水素、ハライド、アルキル、シクロアルキル、ヘテロアルキル、アリールアルキル、アルコキシ、アリールオキシ、アミノ、シリル、アルケニル、シクロアルケニル、ヘテロアルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、アシル、カルボニル、カルボン酸、エステル、ニトリル、イソニトリル、スルファニル、スルフィニル、スルフォニル、ホスフィノ及びこれらの組み合わせからなる群から選択される。
【0062】
更なる態様においては、前記化合物は、下記の式を有する。
【化25】
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【0063】
は、モノ、ジ、トリ又はテトラ置換を表す。Rは、独立して、水素、重水素、ハライド、アルキル、シクロアルキル、ヘテロアルキル、アリールアルキル、アルコキシ、アリールオキシ、アミノ、シリル、アルケニル、シクロアルケニル、ヘテロアルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、アシル、カルボニル、カルボン酸、エステル、ニトリル、イソニトリル、スルファニル、スルフィニル、スルフォニル、ホスフィノ及びこれらの組み合わせからなる群から選択される。
【0064】
他の態様においては、前記化合物は、下記の式を有する。
【化26】
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【0065】
更に他の態様においては、前記化合物は、下記の式を有する。
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【0066】
R’は、独立して、水素、重水素、ハライド、アルキル、シクロアルキル、ヘテロアルキル、アリールアルキル、アルコキシ、アリールオキシ、アミノ、シリル、アルケニル、シクロアルケニル、ヘテロアルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、アシル、カルボニル、カルボン酸、エステル、ニトリル、イソニトリル、スルファニル、スルフィニル、スルフォニル、ホスフィノ及びこれらの組み合わせからなる群から選択される。
【0067】
更なる態様においては、前記化合物は、下記の式を有する。
【化27】
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【0068】
前記四座配位白金(II)化合物の具体的且つ非限定的な例を示す。1つの態様においては、前記化合物は、下記からなる群から選択される。
【化28】
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【化29】
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【化30】
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【化31】
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【化32】
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【化33】
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【化34】
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【化35】
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【化36】
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【化37】
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【化38】
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【化39】
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【化40】
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【化41】
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【化42】
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【化43】
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【化44】
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【化45】
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【化46】
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【化47】
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【化48】
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【0069】
更に第1のデバイスが提供される。前記第1のデバイスは、有機発光デバイスを含む。前記第1の有機発光デバイスは、アノードと、カソードと、前記アノードと前記カソードとの間に配置された有機層とを更に含む。前記有機層は、下記の式を有する化合物を含む。
【化49】
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【0070】
環A及び環Bはそれぞれ独立して5員又は6員の炭素環又はヘテロ環である。L及びLは、独立して、単結合、BR、NR、PR、O、S、Se、C=O、S=O、SO、CRR’、SiRR’及びGeRR’からなる群から選択される。Z及びZは、独立して、窒素原子又は炭素原子である。R、R、R、R及びRは、モノ、ジ、トリ又はテトラ置換を表す。R、R’、R’、R’、R’、R’、R、R、R、R及びRは、独立して、水素、重水素、ハライド、アルキル、シクロアルキル、ヘテロアルキル、アリールアルキル、アルコキシ、アリールオキシ、アミノ、シリル、アルケニル、シクロアルケニル、ヘテロアルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、アシル、カルボニル、カルボン酸、エステル、ニトリル、イソニトリル、スルファニル、スルフィニル、スルフォニル、ホスフィノ及びこれらの組み合わせからなる群から選択される。R、R’、R、R、R、R及びRのうちの2つの隣接する置換基は、結合して縮合環を形成していてもよい。
【0071】
式I’を有する化合物についての上述した各具体的態様を、前記第1のデバイスに用いられる式Iを有する化合物にも適用することができる。特に、式I’を有する化合物の環A、環B、L、L、R、R’、R’、R’、R’、R、R、R、R、R、R、式I’〜式XI’及び化合物1’〜237’を、前記第1のデバイスに用いられる式Iを有する化合物にも適用することができる。
【0072】
1つの態様においては、Lは、BR、NR、PR、O、S、Se、C=O、S=O、SO、CRR’、SiRR’及びGeRR’からなる群から選択される。
【0073】
1つの態様においては、前記有機層が発光層であり、前記化合物が発光性ドーパントである。他の態様においては、前記有機層は、ホストを更に含む。
【0074】
1つの態様においては、前記ホストは、カルバゾール、ジベンゾチオフェン、ジベンゾフラン、アザカルバゾール、アザ−ジベンゾチオフェン及びアザ−ジベンゾフランからなる群から選択される少なくとも1つの基を含む有機分子を含む。
【0075】
更に他の態様においては、前記ホストは、下記の式を有する。
【化50】
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【0076】
更なる態様においては、前記ホストは金属錯体である。
【0077】
1つの態様においては、前記有機層が発光層であり、前記化合物が非発光性ドーパントである。
【0078】
1つの態様においては、前記第1のデバイスは、消費者製品である。他の態様においては、前記第1のデバイスは、有機発光デバイスである。更に他の態様においては、前記第1のデバイスは、照明パネルを含む。
【図面の簡単な説明】
【0079】
図1図1は、有機発光デバイスを示す。
【0080】
図2図2は、別個に設けられた電子輸送層がない逆構造有機発光デバイスを表す。
【0081】
図3図3は、ツイストしたアリール基を有する四座配位白金錯体を表す。
【0082】
図4図4は、イミダゾ[1,2−f]フェナントリジン部分を含む四座配位白金(II)化合物を示す。
【発明を実施するための形態】
【0083】
概して、OLEDは、アノード及びカソードの間に配置され、それらと電気的に接続された少なくとも1つの有機層を含む。電流が印加されると、アノードが正孔を注入し、カソードが電子を有機層(複数可)に注入する。注入された正孔及び電子は、逆帯電した電極にそれぞれ移動する。電子及び正孔が同じ分子上に局在する場合、励起エネルギー状態を有する局在電子正孔対である「励起子」が形成される。光は、励起子が緩和した際に、光電子放出機構を介して放出される。いくつかの事例において、励起子はエキシマー又はエキサイプレックス上に局在し得る。熱緩和等の無輻射機構が発生する場合もあるが、概して望ましくないとみなされている。
【0084】
初期のOLEDは、例えば、参照によりその全体が組み込まれる米国特許第4,769,292号において開示されている通り、その一重項状態から光を放出する発光分子(「蛍光」)を使用していた。蛍光発光は、概して、10ナノ秒未満の時間枠で発生する。
【0085】
ごく最近では、三重項状態から光を放出する発光材料(「リン光」)を有するOLEDが実証されている。参照によりその全体が組み込まれる、Baldoら、「Highly Efficient Phosphorescent Emission from Organic Electroluminescent Devices」、395巻、151〜154、1998;(「Baldo−I」)及びBaldoら、「Very high−efficiency green organic light emitting devices based on electrophosphorescence」、Appl.Phys.Lett.、75巻、3号、4〜6(1999)(「Baldo−II」)。リン光については、参照により組み込まれる米国特許第7,279,704号5〜6段において更に詳細に記述されている。
【0086】
図1は、有機発光デバイス100を示す。図は必ずしも一定の縮尺ではない。デバイス100は、基板110、アノード115、正孔注入層120、正孔輸送層125、電子ブロッキング層130、発光層135、正孔ブロッキング層140、電子輸送層145、電子注入層150、保護層155及びカソード160を含み得る。カソード160は、第一の導電層162及び第二の導電層164を有する複合カソードである。デバイス100は、記述されている層を順に堆積させることによって製作され得る。これらの種々の層の特性及び機能並びに材料例は、参照により組み込まれるUS7,279,704、6〜10段において更に詳細に記述されている。
【0087】
これらの層のそれぞれについて、更なる例が利用可能である。例えば、フレキシブル及び透明基板−アノードの組合せは、参照によりその全体が組み込まれる米国特許第5、844、363号において開示されている。p−ドープされた正孔輸送層の例は、参照によりその全体が組み込まれる米国特許出願公開第2003/0230980号において開示されている通りの、50:1のモル比でm−MTDATAをF.置換(sub).4−TCNQにドープしたものである。発光材料及びホスト材料の例は、参照によりその全体が組み込まれるThompsonらの米国特許第6,303,238号において開示されている。n−ドープされた電子輸送層の例は、参照によりその全体が組み込まれる米国特許出願公開第2003/0230980号において開示されている通りの、1:1のモル比でBPhenにLiをドープしたものである。参照によりその全体が組み込まれる米国特許第5,703,436号及び同第5,707,745号は、上を覆う透明の、導電性の、スパッタリング蒸着したITO層を持つMg:Ag等の金属の薄層を有する複合カソードを含むカソードの例を開示している。ブロッキング層の理論及び使用は、参照によりその全体が組み込まれる米国特許第6,097,147号及び米国特許出願公開第2003/0230980号において更に詳細に記述されている。注入層の例は、参照によりその全体が組み込まれる米国特許出願公開第2004/0174116号において提供されている。保護層についての記述は、参照によりその全体が組み込まれる米国特許出願公開第2004/0174116号において見ることができる。
【0088】
図2は、反転させたOLED200を示す。デバイスは、基板210、カソード215、発光層220、正孔輸送層225、及びアノード230を含む。デバイス200は、記述されている層を順に堆積させることによって製作され得る。最も一般的なOLED構成はアノードの上に配置されたカソードを有し、デバイス200はアノード230の下に配置されたカソード215を有するため、デバイス200は「反転させた」OLEDと称されることがある。デバイス100に関して記述されたものと同様の材料を、デバイス200の対応する層において使用してよい。図2は、いくつかの層が如何にしてデバイス100の構造から省略され得るかの一例を提供するものである。
【0089】
図1及び2において例証されている単純な層構造は、非限定的な例として提供されるものであり、本発明の実施形態は多種多様な他の構造に関連して使用され得ることが理解される。記述されている特定の材料及び構造は、事実上例示的なものであり、他の材料及び構造を使用してよい。機能的なOLEDは、記述されている種々の層を様々な手法で組み合わせることによって実現され得るか、又は層は、設計、性能及びコスト要因に基づき、全面的に省略され得る。具体的には記述されていない他の層も含まれ得る。具体的に記述されているもの以外の材料を使用してよい。本明細書において提供されている例の多くは、単一材料を含むものとして種々の層を記述しているが、ホスト及びドーパントの混合物等の材料の組合せ、又はより一般的には混合物を使用してよいことが理解される。また、層は種々の副層を有してもよい。本明細書における種々の層に与えられている名称は、厳しく限定することを意図するものではない。例えば、デバイス200において、正孔輸送層225は正孔を輸送し、正孔を発光層220に注入し、正孔輸送層又は正孔注入層として記述され得る。一実施形態において、OLEDは、カソード及びアノードの間に配置された「有機層」を有するものとして記述され得る。有機層は単層を含んでいてよく、又は、例えば図1及び2に関して記述されている通りの異なる有機材料の多層を更に含んでいてよい。
【0090】
参照によりその全体が組み込まれるFriendらの米国特許第5,247,190号において開示されているもののようなポリマー材料で構成されるOLED(PLED)等、具体的には記述されていない構造及び材料を使用してもよい。更なる例として、単一の有機層を有するOLEDが使用され得る。OLEDは、例えば、参照によりその全体が組み込まれるForrestらの米国特許第5,707,745号において記述されている通り、積み重ねられてよい。OLED構造は、図1及び2において例証されている単純な層構造から逸脱してよい。例えば、基板は、参照によりその全体が組み込まれる、Forrestらの米国特許第6,091,195号において記述されている通りのメサ構造及び/又はBulovicらの米国特許第5,834,893号において記述されている通りのくぼみ構造等、アウトカップリングを改良するための角度のついた反射面を含み得る。
【0091】
別段の規定がない限り、種々の実施形態の層のいずれも、任意の適切な方法によって堆積され得る。有機層について、好ましい方法は、参照によりその全体が組み込まれる米国特許第6,013,982号及び同第6,087,196号において記述されているもの等の熱蒸着、インクジェット、参照によりその全体が組み込まれるForrestらの米国特許第6,337,102号において記述されているもの等の有機気相堆積(OVPD)、並びに参照によりその全体が組み込まれる米国特許出願第10/233,470号において記述されているもの等の有機気相ジェットプリンティング(OVJP)による堆積を含む。他の適切な堆積法は、スピンコーティング及び他の溶液ベースのプロセスを含む。溶液ベースのプロセスは、好ましくは、窒素又は不活性雰囲気中で行われる。他の層について、好ましい方法は熱蒸着を含む。好ましいパターニング法は、参照によりその全体が組み込まれる米国特許第6,294,398号及び同第6,468,819号において記述されているもの等のマスク、冷間圧接を経由する堆積、並びにインクジェット及びOVJD等の堆積法のいくつかに関連するパターニングを含む。他の方法を使用してもよい。堆積する材料は、特定の堆積法と適合するように修正され得る。例えば、分枝鎖状又は非分枝鎖状であり、且つ好ましくは少なくとも3個の炭素を含有するアルキル及びアリール基等の置換基は、溶液プロセシングを受ける能力を増強するために、小分子において使用され得る。20個以上の炭素を有する置換基を使用してよく、3〜20個の炭素が好ましい範囲である。非対称構造を持つ材料は、対称構造を有するものよりも良好な溶液プロセス性を有し得、これは、非対称材料のほうが再結晶する傾向が低くなり得るからである。溶液プロセシングを受ける小分子の能力を増強するために、デンドリマー置換基が使用され得る。
【0092】
本発明の実施形態に従って製作されたデバイスは、フラットパネルディスプレイ、コンピュータモニター、テレビ、掲示板、屋内若しくは屋外照明及び/又は信号送信用のライト、ヘッドアップディスプレイ、完全透明ディスプレイ、フレキシブルディスプレイ、レーザープリンター、電話、携帯電話、パーソナルデジタルアシスタント(PDA)、ラップトップコンピュータ、デジタルカメラ、カムコーダー、ファインダー、マイクロディスプレイ、車、大面積壁、劇場又はスタジアムのスクリーン、或いは看板を含む多種多様な消費者製品に組み込まれ得る。パッシブマトリックス及びアクティブマトリックスを含む種々の制御機構を使用して、本発明に従って製作されたデバイスを制御することができる。デバイスの多くは、摂氏18度から摂氏30度、より好ましくは室温(摂氏20〜25度)等、ヒトに快適な温度範囲内での使用が意図されている。
【0093】
本明細書において記述されている材料及び構造は、OLED以外のデバイスにおける用途を有し得る。例えば、有機太陽電池及び有機光検出器等の他の光電子デバイスが、該材料及び構造を用い得る。より一般的には、有機トランジスタ等の有機デバイスが、該材料及び構造を用い得る。
【0094】
ハロ、ハロゲン、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、アルキニル、アリルキル、複素環式基、アリール、芳香族基及びヘテロアリールの用語は当技術分野において公知であり、参照により本明細書に組み込まれるUS7,279,704の31〜32段において定義されている。
【0095】
最初のPHOLEDは、白金錯体、即ち2,3,7,8,12,13,17,18−オクタエチル−21H,23H−ホスフィン白金(II)(PtOEP)を用いたものであった。Nature,1998,395,151を参照。しかしながら、白金錯体は、最新のPHOLEDにおいては、実用性を見出していない。一般に、白金(II)錯体は、イリジウム錯体に比べて、比較的長い励起状態寿命と低量子効率を有する。更に、白金(II)錯体は、平面四角形状をとり、この形状は、エキシマー形成を引き起こすことが多い。その結果、OLEDにおいて高ドープ濃度で発光スペクトルはブロードになる。そのため、例えば、デバイス効率、ライン形状、及び/又は寿命などのデバイスの性能及び特性のある側面において、依然として問題が残る。
【0096】
二座配位及び三座配位のPt(II)錯体は、これまで十分に研究されている。しかしながら、これらの錯体のOLEDにおける実際の適用は、限定的であり、その1つの理由としては、これらの錯体が熱安定性とデバイス安定性に乏しいことにある。更に、四座配位Pt(II)錯体が文献に報告されている。例えば、US7501190;US7771845;US7781074;US2007103060;US20060202197;及びUS20080036373などを参照。しかしながら、これらの化合物を含むデバイスの幾つかは、高ドープ濃度でエキシマーを形成する。例えば、Inorg.Chem.2010,49,5107などを参照。そのため、これまでに報告されている白金錯体は、大きな制約を有している場合がある。本明細書に提供される化合物は、励起状態寿命が短く、量子効率が高く、エキシマー形成が最小限に抑えられ、デバイス寿命が長いPt(II)錯体である。
【0097】
ツイストした(ねじれた)アリール基を有する四座配位白金化合物が本明細書に提供される(図3に記載)。これらの化合物は、OLEDに有利に用いることができ、高効率、細いライン形状、及び/又は長寿命を示すデバイスを提供する。何ら理論に拘束されるものではないが、これらの化合物のツイストしたアリール基が、有利な特性を提供することができ、四座配位子が更なる有利な特性を提供することができると考えられる。特に、前記ツイストしたアリール基は、エキシマー形成を防ぎ効率を上げることができると考えられる。更に、前記ツイストしたアリール基は、昇華性を向上させることができると考えられる。一方、前記四座配位子は、安定性を提供することができると考えられる。上記に基づくと、前記ツイストしたアリール基と前記四座配位子を同一化合物中に組み合わせることで、向上したデバイス効率、ライン形状及び寿命を提供することができる。
【0098】
ツイストしたアリール置換基を含むリン光性四座配位白金化合物が提供される。前記化合物は、下記の式を有する。
【化51】
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【0099】
A及びBは、それぞれ独立して、5員又は6員の炭素環又はヘテロ環からなる群から選択される。A−Bは、1つの共有結合と1つの配位結合を介してPtと結合する。X及びYは、独立して、BR、NR、PR、O、S、Se、C=O、S=O、SO、CRR’、SiRR’及びGeRR’からなる群から選択される。X及びYのうちの少なくともいずれかは、A−Bと2−フェニルイミダゾールとの間の結合を形成する。R及びR’は、独立して、水素、重水素、ハライド、アルキル、シクロアルキル、ヘテロアルキル、アリールアルキル、アルコキシ、アリールオキシ、アミノ、シリル、アルケニル、シクロアルケニル、ヘテロアルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、アシル、カルボニル、カルボン酸、エステル、ニトリル、イソニトリル、スルファニル、スルフィニル、スルフォニル、ホスフィノ及びこれらの組み合わせからなる群から選択される。R及びRは、モノ、ジ又はトリ置換を表す。R、R及びRは、独立して、水素、重水素、ハライド、アルキル、シクロアルキル、ヘテロアルキル、アリールアルキル、アルコキシ、アリールオキシ、アミノ、シリル、アルケニル、シクロアルケニル、ヘテロアルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、アシル、カルボニル、カルボン酸、エステル、ニトリル、イソニトリル、スルファニル、スルフィニル、スルフォニル、ホスフィノ及びこれらの組み合わせからなる群から選択される。R、R及びRのうち2つの隣接する置換基は、結合して縮合環を形成していてもよい。R及びRのうちの少なくともいずれかは、下記の置換基である。
【化52】
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【0100】
R’及びR’は、独立して、水素、重水素、ハライド、アルキル、シクロアルキル、ヘテロアルキル、アリールアルキル、アルコキシ、アリールオキシ、アミノ、シリル、アルケニル、シクロアルケニル、ヘテロアルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、アシル、カルボニル、カルボン酸、エステル、ニトリル、イソニトリル、スルファニル、スルフィニル、スルフォニル、ホスフィノ及びこれらの組み合わせからなる群から選択される。R’及びR’のうちの少なくともいずれかは、水素と重水素のいずれでもない。Cは、更に置換されていてもよい5員又は6員の炭素環又はヘテロ環である。Cは、ベンゼンであることが好ましい。
【0101】
R’及びR’のうちの少なくともいずれかが水素と重水素のいずれでもないので、C環は、面外にツイストする(即ち、ツイストしたアリール)。ツイストしたアリール基は、固体状態での充填を低減すると共にイミダゾール環を酸化から防ぐことができる。ツイストしたアリール、即ち、C環を有することにより、前記化合物は、エキシマー形成が低減され、効率が上昇し、及び/又は昇華性が向上する。
【0102】
式I中、X及びYに用いられる点線は、結合が形成されていてもいなくてもよいことを示す。上述のように、X及びYのうちの少なくともいずれかは、配位子A−Bと2−フェニルイミダゾールとの間の結合を形成する。例えば、Xのみが配位子A−Bと2−フェニルイミダゾールとの間の結合を形成してもよい。或いは、Yのみが配位子A−Bと2−フェニルイミダゾールとの間の結合を形成してもよい。更に、幾つかの実施形態においては、X及びYの両方がそれぞれ配位子A−Bと2−フェニルイミダゾールとの間の結合を形成してもよい。
【0103】
1つの態様において前記化合物は、下記の式を有する。
【化53】
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【0104】
他の態様において前記化合物は、下記の式を有する。
【化54】
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【0105】
更に他の態様において前記化合物は、下記の式を有する。
【化55】
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【0106】
1つの態様においては、R’及びR’のうちの少なくともいずれかがアルキルであり、R’及びR’のうちの他方が水素又は重水素である。他の態様においては、R’及びR’のうちの少なくともいずれかが、2個以上の炭素原子を有するアルキルであり、R’及びR’のうちの他方が水素又は重水素である。更に他の態様においては、R’及びR’のうちの少なくともいずれかが、3個以上の炭素原子を有するアルキルであり、R’及びR’のうちの他方が水素又は重水素である。
【0107】
1つの態様においては、R’及びR’がそれぞれアルキルである。他の態様においては、R’及びR’がそれぞれ2個以上の炭素原子を有するアルキルである。更に他の態様においては、R’及びR’がそれぞれ3個以上の炭素原子を有するアルキルである。
【0108】
1つの態様においては、R’及びR’のうちの少なくともいずれかがアリール、R’及びR’のうちの他方が水素又は重水素である。他の態様においては、R’及びR’のうちのいずれかがアルキルであり、R’及びR’のうちの他方がアリールである。更に他の態様においては、R’及びR’のそれぞれがアリールである。
【0109】
1つの態様においては、前記化合物は、下記の式を有する。
【化56】
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【0110】
R’’、R’’及びR’’は、モノ、ジ、トリ又はテトラ置換を表す。R’’、R’’及びR’’は、独立して、水素、重水素、ハライド、アルキル、シクロアルキル、ヘテロアルキル、アリールアルキル、アルコキシ、アリールオキシ、アミノ、シリル、アルケニル、シクロアルケニル、ヘテロアルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、アシル、カルボニル、カルボン酸、エステル、ニトリル、イソニトリル、スルファニル、スルフィニル、スルフォニル、ホスフィノ及びこれらの組み合わせからなる群から選択される。R’’、R’’及びR’’のうちの2つの隣接する置換基は、縮合して環を形成していてもよい。
【0111】
他の態様においては、前記化合物は、下記の化合物からなる群から選択される式を有する。
【化57】
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【0112】
R’’、R’’及びR’’は、モノ、ジ、トリ又はテトラ置換を表す。R’’、R’’及びR’’は、独立して、水素、重水素、ハライド、アルキル、シクロアルキル、ヘテロアルキル、アリールアルキル、アルコキシ、アリールオキシ、アミノ、シリル、アルケニル、シクロアルケニル、ヘテロアルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、アシル、カルボニル、カルボン酸、エステル、ニトリル、イソニトリル、スルファニル、スルフィニル、スルフォニル、ホスフィノ及びこれらの組み合わせからなる群から選択される。R’’、R’’及びR’’のうちの2つの隣接する置換基は、縮合して環を形成していてもよい。
【0113】
本明細書において、用語A−Bは、Ptに結合される二座配位子を意味する。A−Bは、部分Aと部分Bを含み、上述したように、A及びBは、5員又は6員の炭素環又はヘテロ環からなる群から選択される。部分A及び部分Bは、互いに結合してA−B配位子を形成する。A−Bは、1つの共有結合と1つの配位結合を介してPtと結合する。
【0114】
本明細書に記述されるように、A−Bの構造は、3本又は4本の点線を含み、これらはそれぞれ異なる結合点を示す。イミダゾール環のNへテロ原子からの点線は、Ptとの結合点を表す。イミダゾール環のCからの点線は、Yとの結合点を表す(例えば、4本の点線を有するA−Bの構造例の最も上方にある点線)。下方の炭素環の上方の点線は、Ptとの結合点を表す。下方の炭素環の下方の点線は、Xとの結合点を表す。
【0115】
他の態様においては、A−Bは、下記からなる群から選択される。
【化58】
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【0116】
、R、R及びRは、モノ、ジ、トリ又はテトラ置換を表す。R、R、R及びRは、独立して、水素、重水素、ハライド、アルキル、シクロアルキル、ヘテロアルキル、アリールアルキル、アルコキシ、アリールオキシ、アミノ、シリル、アルケニル、シクロアルケニル、ヘテロアルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、アシル、カルボニル、カルボン酸、エステル、ニトリル、イソニトリル、スルファニル、スルフィニル、スルフォニル、ホスフィノ及びこれらの組み合わせからなる群から選択される。R、R、R及びRのうちの2つの隣接する置換基は、結合して縮合環を形成していてもよい。Rは、A−Bと2−フェニルイミダゾールを結合させる連結基であってもよい。
【0117】
前記白金錯体の一般的な構造の例を示す。1つの態様においては、前記化合物は、下記からなる群から選択される。
【化59】
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【化60】
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【化61】
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【化62】
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【化63】
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【0118】
前記白金錯体の具体例としては、下記の化合物が挙げられるが、これらに限定されない。
【化64】
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【化65】
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【化66】
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【化67】
[この文献は図面を表示できません]
【化68】
[この文献は図面を表示できません]
【化69】
[この文献は図面を表示できません]
【化70】
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【化71】
[この文献は図面を表示できません]
【化72】
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【化73】
[この文献は図面を表示できません]
【化74】
[この文献は図面を表示できません]
【化75】
[この文献は図面を表示できません]
【化76】
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【化77】
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【化78】
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【化79】
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【化80】
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【化81】
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【化82】
[この文献は図面を表示できません]
【化83】
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【化84】
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【化85】
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【0119】
更に、有機発光デバイスを含む第1のデバイスも提供される。前記有機発光デバイスは、アノードと、カソードと、前記アノードと前記カソードとの間に配置された有機層とを更に含む。前記有機層は、下記の式を有する化合物を含む。
【化86】
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【0120】
A及びBは、それぞれ独立して、5員又は6員の炭素環又はヘテロ環からなる群から選択される。A−Bは、1つの共有結合と1つの配位結合を介してPtと結合する。X及びYは、独立して、BR、NR、PR、O、S、Se、C=O、S=O、SO、CRR’、SiRR’及びGeRR’からなる群から選択される。X及びYのうちの少なくともいずれかは、A−Bと2−フェニルイミダゾールとの間の結合を形成する。R及びR’は、独立して、水素、重水素、ハライド、アルキル、シクロアルキル、ヘテロアルキル、アリールアルキル、アルコキシ、アリールオキシ、アミノ、シリル、アルケニル、シクロアルケニル、ヘテロアルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、アシル、カルボニル、カルボン酸、エステル、ニトリル、イソニトリル、スルファニル、スルフィニル、スルフォニル、ホスフィノ及びこれらの組み合わせからなる群から選択される。R及びRは、モノ、ジ又はトリ置換を表す。R、R及びRは、独立して、水素、重水素、ハライド、アルキル、シクロアルキル、ヘテロアルキル、アリールアルキル、アルコキシ、アリールオキシ、アミノ、シリル、アルケニル、シクロアルケニル、ヘテロアルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、アシル、カルボニル、カルボン酸、エステル、ニトリル、イソニトリル、スルファニル、スルフィニル、スルフォニル、ホスフィノ及びこれらの組み合わせからなる群から選択される。R、R及びRのうち2つの隣接する置換基は、結合して縮合環を形成していてもよい。R及びRのうちの少なくともいずれかは、下記の置換基である。
【化87】
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【0121】
R’及びR’は、独立して、水素、重水素、ハライド、アルキル、シクロアルキル、ヘテロアルキル、アリールアルキル、アルコキシ、アリールオキシ、アミノ、シリル、アルケニル、シクロアルケニル、ヘテロアルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、アシル、カルボニル、カルボン酸、エステル、ニトリル、イソニトリル、スルファニル、スルフィニル、スルフォニル、ホスフィノ及びこれらの組み合わせからなる群から選択される。R’及びR’のうちの少なくともいずれかは、水素と重水素のいずれでもない。Cは、更に置換されていてもよい5員又は6員の炭素環又はヘテロ環である。Cは、ベンゼンであることが好ましい。
【0122】
1つの態様において前記化合物は、下記の式を有する。
【化88】
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【0123】
他の態様において前記化合物は、下記の式を有する。
【化89】
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【0124】
更に他の態様において前記化合物は、下記の式を有する。
【化90】
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【0125】
1つの態様においては、R’及びR’のうちの少なくともいずれかがアルキルであり、R’及びR’のうちの他方が水素又は重水素である。他の態様においては、R’及びR’のうちの少なくともいずれかが、2個以上の炭素原子を有するアルキルであり、R’及びR’のうちの他方が水素又は重水素である。更に他の態様においては、R’及びR’のうちの少なくともいずれかが、3個以上の炭素原子を有するアルキルであり、R’及びR’のうちの他方が水素又は重水素である。
【0126】
1つの態様においては、R’及びR’がそれぞれアルキルである。他の態様においては、R’及びR’がそれぞれ2個以上の炭素原子を有するアルキルである。更に他の態様においては、R’及びR’がそれぞれ3個以上の炭素原子を有するアルキルである。
【0127】
1つの態様においては、R’及びR’のうちの少なくともいずれかがアリール、R’及びR’のうちの他方が水素又は重水素である。他の態様においては、R’及びR’のそれぞれがアリールである。更に他の態様においては、R’及びR’のうちのいずれかがアルキルであり、R’及びR’のうちの他方がアリールである。
【0128】
1つの態様においては、前記化合物は、下記の式を有する。
【化91】
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【0129】
R’’、R’’及びR’’は、モノ、ジ、トリ又はテトラ置換を表す。R’’、R’’及びR’’は、独立して、水素、重水素、ハライド、アルキル、シクロアルキル、ヘテロアルキル、アリールアルキル、アルコキシ、アリールオキシ、アミノ、シリル、アルケニル、シクロアルケニル、ヘテロアルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、アシル、カルボニル、カルボン酸、エステル、ニトリル、イソニトリル、スルファニル、スルフィニル、スルフォニル、ホスフィノ及びこれらの組み合わせからなる群から選択される。R’’、R’’及びR’’のうちの2つの隣接する置換基は、結合して縮合環を形成していてもよい。
【0130】
他の態様においては、前記化合物は、下記の化合物からなる群から選択される式を有する。
【化92】
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【0131】
R’’、R’’及びR’’は、モノ、ジ、トリ又はテトラ置換を表す。R’’、R’’及びR’’は、独立して、水素、重水素、ハライド、アルキル、シクロアルキル、ヘテロアルキル、アリールアルキル、アルコキシ、アリールオキシ、アミノ、シリル、アルケニル、シクロアルケニル、ヘテロアルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、アシル、カルボニル、カルボン酸、エステル、ニトリル、イソニトリル、スルファニル、スルフィニル、スルフォニル、ホスフィノ及びこれらの組み合わせからなる群から選択される。R’’、R’’及びR’’のうちの2つの隣接する置換基は、結合して縮合環を形成していてもよい。
【0132】
他の態様においては、A−Bは、下記からなる群から選択される。
【化93】
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【0133】
、R、R及びRは、モノ、ジ、トリ又はテトラ置換を表す。R、R、R及びRは、独立して、水素、重水素、ハライド、アルキル、シクロアルキル、ヘテロアルキル、アリールアルキル、アルコキシ、アリールオキシ、アミノ、シリル、アルケニル、シクロアルケニル、ヘテロアルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、アシル、カルボニル、カルボン酸、エステル、ニトリル、イソニトリル、スルファニル、スルフィニル、スルフォニル、ホスフィノ及びこれらの組み合わせからなる群から選択される。R、R、R及びRのうちの2つの隣接する置換基は、結合して縮合環を形成していてもよい。Rは、A−Bと2−フェニルイミダゾールを結合させる連結基であってもよい。
【0134】
具体的且つ非限定的な前記白金錯体を含むデバイスの例を示す。1つの態様においては、化合物は、前記化合物1G〜化合物42Gからなる群から選択される。係るデバイスに用いることができる白金化合物の具体的な構造としては、前記化合物1〜化合物166が挙げられるが、これらに限定されない。
【0135】
1つの態様においては、前記有機層が発光層であり、前記化合物が発光性ドーパントである。他の態様においては、前記有機層は、ホストを更に含む。
【0136】
1つの態様においては、前記ホストは、下記からなる群から選択される化学基の少なくとも1つを含む化合物である。
【化94】
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【0137】
R’’’、R’’’、R’’’、R’’’、R’’’、R’’’及びR’’’は、それぞれ独立して、水素、重水素、ハライド、アルキル、シクロアルキル、ヘテロアルキル、アリールアルキル、アルコキシ、アリールオキシ、アミノ、シリル、アルケニル、シクロアルケニル、ヘテロアルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、アシル、カルボニル、カルボン酸、エステル、ニトリル、イソニトリル、スルファニル、スルフィニル、スルフォニル、ホスフィノ及びこれらの組み合わせからなる群から選択される。kは、0から20の整数である。X、X、X、X、X、X、X及びXは、それぞれ独立して、CH及びNからなる群から選択される。
【0138】
1つの態様においては、前記ホストは、ベンゾ縮合チオフェン又はベンゾ縮合フランを含むトリフェニレンを含む化合物である。前記化合物における任意の置換基は、C2n+1、OC2n+1、OAr、N(C2n+1、N(Ar)(Ar)、CH=CH−C2n+1、C≡CHC2n+1、Ar、Ar−Ar及びC2n−Arからなる群から選択される非縮合置換基であるか、又は無置換である。nは、1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10である。Ar及びArは、独立して、ベンゼン、ビフェニル、ナフタレン、トリフェニレン、カルバゾール、及びそれらのヘテロ芳香族類似体からなる群から選択される。前記ホストは、下記の式を有することが好ましい。
【化95】
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【0139】
更に他の態様においては、前記ホストは、金属錯体である。更なる態様においては、前記金属錯体は、下記からなる群から選択される。
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【0140】
(O−N)は、原子O及びNに配位された金属を有する二座配位子である。Lは補助配位子である。mは、1から金属に結合し得る配位子の最大数までの整数値である。前記ホストは、金属8−ヒドロキシキノレートであることが好ましい。
【0141】
1つの態様においては、前記第1のデバイスは、消費者製品である。他の態様においては、前記第1のデバイスは、有機発光デバイスである。
【0142】
新規なクラスの四座配位白金(II)化合物が提供される(図3に記載)。前記化合物は、イミダゾ[1,2−f]フェナントリジン部分を含む。前記四座配位白金とイミダゾ[1,2−f]フェナントリジン部分は、向上した効率と向上した青色発光とをそれぞれ提供し、これらの化合物をOLEDでの使用に特に好適にする。
【0143】
最初に提示されたPHOLEDは、白金錯体、2,3,7,8,12,13,17,18−オクタエチル−21H,23H−ホスフィン白金(II)(PtOEP)を含んでいたが、白金錯体は、最新のPHOLEDにおいては、実用性を見出していない(Nature,1998,395,151を参照)。イリジウム錯体に比べて、白金(II)錯体は、一般に、比較的長い励起状態寿命と低量子効率を有する。更に、白金(II)錯体は、平面四角形状をとり、この形状は、エキシマー形成を引き起こすことが多い。そのため、OLEDにおいて高ドープ濃度でこれらの化合物の発光スペクトルはブロードになる。
【0144】
二座配位及び三座配位のPt(II)錯体が報告されているが、一般に、これらの化合物のOLEDにおける適用は限定的である。これらの錯体は、熱安定性とデバイス安定性に乏しいことが多く、このことが、これらのOLEDへの適用を限定している。
【0145】
四座配位Pt(II)錯体もまた、文献に開示されているが、二座配位及び三座配位のPt(II)錯体と同様に、これらの四座配位Pt(II)錯体のOLEDにおける適用も限定的である。
【0146】
上述したように、本明細書に提供される四座配位白金(II)錯体は、幾つかの有利な特徴を有する。第1に、四座配位白金は、イリジウムに比べて潜在的な利点をもたらす。例えば、Ir(ppy)などのトリス(シクロメタル化)イリジウム化合物のチューニングは、配位子が複数存在するので困難となり得る。電子的チューニングは、一般に、金属に結合した配位子の置換により行われるが、置換基の増加は、昇華温度を上昇させる。トリス(シクロメタル化)イリジウム化合物は、高分子量を有するので、置換基の数及び種類は、昇華温度(例えば、350℃未満)によって制限される。しかしながら、白金四座配位化合物の場合を更にチューニングすることは、より実現可能性が高い。白金四座配位化合物は、配位子の数がより少ないので、より低分子量である。したがって、より多くの置換基と、より高分子量の各種置換基をシクロメタル化配位子に加えることができる。第2に、四座配位白金錯体はまた、イリジウム錯体よりも優れた熱安定性を有する。四座配位白金錯体では、1つの配位子が金属に4箇所で結合しているが、イリジウム錯体の二座配位子は、金属との結合部位が2箇所しか有さない。第3に、白金化合物は、そのイリジウム化合物の類似体に比べて、上昇した光酸化安定性を示す。最後に、前記イミダゾ[1,2−f]フェナントリジン部分は、向上した青色を提供することができる高三重項エネルギーを有する。
【0147】
上記に基づくと、本発明化合物のこれらの特徴は、これらの化合物をOLEDでの使用に特に好適にする有利な特性を提供することができる。例えば、前記化合物は、向上した青色発光と向上した効率とを提供することができる。
【0148】
イミダゾ[1,2−f]フェナントリジン部分を含む四座配位白金(II)化合物が提供される。前記化合物は、下記の式を有する。
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【0149】
環A及び環Bはそれぞれ独立して5員又は6員の炭素環又はヘテロ環である。L及びLは、独立して、単結合、BR、NR、PR、O、S、Se、C=O、S=O、SO、CRR’、SiRR’及びGeRR’からなる群から選択される。何ら理論に拘束されるものではないが、イミダゾ[1,2−f]フェナントリジン配位子とA−B配位子とをイミダゾ[1,2−f]フェナントリジンのフェニル環とA−BのB環を介して結合させること、即ち、Lを介して結合させることが、化合物の安定性と光発光量子効率を向上させると考えられる。
【0150】
及びZは、独立して、窒素原子又は炭素原子である。R、R、R、R及びRは、モノ、ジ、トリ又はテトラ置換を表す。R、R’、R、R、R、R及びRは、独立して、水素、重水素、ハライド、アルキル、シクロアルキル、ヘテロアルキル、アリールアルキル、アルコキシ、アリールオキシ、アミノ、シリル、アルケニル、シクロアルケニル、ヘテロアルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、アシル、カルボニル、カルボン酸、エステル、ニトリル、イソニトリル、スルファニル、スルフィニル、スルフォニル、ホスフィノ及びこれらの組み合わせからなる群から選択される。R、R’、R、R、R、R及びRのうちの2つの隣接する置換基は、結合して縮合環を形成していてもよい。
【0151】
各置換基は、式I’で表される構造に結合する点を1つ以上有していてもよい。結合点が複数ある場合には、縮合環又はより複雑な構造が形成される。複数の結合点は、同一のR基内にあってもよいし、異なるR基にそれぞれ存在していてもよい。例えば、同一のR基内の場合には、Rは、式I’の適切なフェニルと縮合したフェニル基を表す。
【化96】
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【0152】
異なるR基にそれぞれ存在する場合には、例えば、R及びRは、式I’の2つの異なるフェニル環に結合したアルキル鎖を表す。
【化97】
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【0153】
より一般的には、式I’の構造は、任意の態様で更に置換されていてもよいことが意図される。
【0154】
1つの態様においては、Lは、単結合、BR、NR、PR、O、S、Se、C=O、S=O、SO、CRR’、SiRR’及びGeRR’からなる群から選択される。何ら理論に拘束されるものではないが、A−B配位子における環Aと環Bとの間の単結合は、望ましくない赤色シフトした発光、即ち、低エネルギー発光の原因となると考えられる。例えば、A−B配位子としてフェニルピリジンを有する化合物は、LがBR、NR、PR、O、S、Se、C=O、S=O、SO、CRR’、SiRR’及びGeRR’から選択される化合物(例えば、LがOである化合物1又はLがNである化合物2)よりも赤色にシフトした発光色を有する。
【0155】
1つの態様においては、Rは、アリール又は置換アリールである。他の態様においては、Rは、2,6−ジ置換アリールである。
【0156】
は、下記の置換基であることが好ましい。
【化98】
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R’及びR’は、独立して、水素、重水素、ハライド、アルキル、シクロアルキル、ヘテロアルキル、アリールアルキル、アルコキシ、アリールオキシ、アミノ、シリル、アルケニル、シクロアルケニル、ヘテロアルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、アシル、カルボニル、カルボン酸、エステル、ニトリル、イソニトリル、スルファニル、スルフィニル、スルフォニル、ホスフィノ及びこれらの組み合わせからなる群から選択される。R’及びR’のうちの少なくともいずれかは、水素と重水素のいずれでもない。Cは、更に置換されていてもよい5員又は6員の炭素環又はヘテロ環である。
【0157】
1つの態様においては、R、R’、R、R、R、R及びRのうちの2つの隣接する置換基が結合することにより、少なくとも1つの縮合環が形成される。他の態様においては、R又はR’は、R又はRと結合して縮合環を形成する。前記隣接する置換基が結合して環を形成すると、これらの置換基が自由に回転しないのでA−B配位子の剛性が高くなる。何ら理論に拘束されるものではないが、隣接する置換基が結合して縮合環を形成すること起因してA−B配位子の剛性が高くなることにより、スペクトルが狭くなると考えられる。
【0158】
1つの態様においては、下記の配位子:
【化99】
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は、下記:
【化100】
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の三重項エネルギーと同等以上の三重項エネルギーを有する。
【0159】
1つの態様においては、前記化合物は、下記の式を有する。
【化101】
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【0160】
1つの態様においては、前記化合物は、下記の式を有する。
【化102】
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【0161】
R’は、水素、重水素、ハライド、アルキル、シクロアルキル、ヘテロアルキル、アリールアルキル、アルコキシ、アリールオキシ、アミノ、シリル、アルケニル、シクロアルケニル、ヘテロアルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、アシル、カルボニル、カルボン酸、エステル、ニトリル、イソニトリル、スルファニル、スルフィニル、スルフォニル、ホスフィノ及びこれらの組み合わせからなる群から選択される。
【0162】
更に他の態様においては、前記化合物は、下記の式を有する。
【化103】
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【0163】
R’は、水素、重水素、ハライド、アルキル、シクロアルキル、ヘテロアルキル、アリールアルキル、アルコキシ、アリールオキシ、アミノ、シリル、アルケニル、シクロアルケニル、ヘテロアルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、アシル、カルボニル、カルボン酸、エステル、ニトリル、イソニトリル、スルファニル、スルフィニル、スルフォニル、ホスフィノ及びこれらの組み合わせからなる群から選択される。
【0164】
更に他の態様においては、前記化合物は、下記の式を有する。
【化104】
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【0165】
は、モノ、ジ、トリ又はテトラ置換を表す。R’及びRは、独立して、水素、重水素、ハライド、アルキル、シクロアルキル、ヘテロアルキル、アリールアルキル、アルコキシ、アリールオキシ、アミノ、シリル、アルケニル、シクロアルケニル、ヘテロアルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、アシル、カルボニル、カルボン酸、エステル、ニトリル、イソニトリル、スルファニル、スルフィニル、スルフォニル、ホスフィノ及びこれらの組み合わせからなる群から選択される。
【0166】
1つの態様においては、前記化合物は、下記の式を有する。
【化105】
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【0167】
は、モノ、ジ、トリ又はテトラ置換を表す。Rは、独立して、水素、重水素、ハライド、アルキル、シクロアルキル、ヘテロアルキル、アリールアルキル、アルコキシ、アリールオキシ、アミノ、シリル、アルケニル、シクロアルケニル、ヘテロアルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、アシル、カルボニル、カルボン酸、エステル、ニトリル、イソニトリル、スルファニル、スルフィニル、スルフォニル、ホスフィノ及びこれらの組み合わせからなる群から選択される。
【0168】
更に他の態様においては、前記化合物は、下記の式を有する。
【化106】
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【0169】
は、モノ、ジ、トリ又はテトラ置換を表す。Rは、独立して、水素、重水素、ハライド、アルキル、シクロアルキル、ヘテロアルキル、アリールアルキル、アルコキシ、アリールオキシ、アミノ、シリル、アルケニル、シクロアルケニル、ヘテロアルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、アシル、カルボニル、カルボン酸、エステル、ニトリル、イソニトリル、スルファニル、スルフィニル、スルフォニル、ホスフィノ及びこれらの組み合わせからなる群から選択される。
【0170】
更なる態様においては、前記化合物は、下記の式を有する。
【化107】
[この文献は図面を表示できません]
【0171】
は、モノ、ジ、トリ又はテトラ置換を表す。Rは、独立して、水素、重水素、ハライド、アルキル、シクロアルキル、ヘテロアルキル、アリールアルキル、アルコキシ、アリールオキシ、アミノ、シリル、アルケニル、シクロアルケニル、ヘテロアルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、アシル、カルボニル、カルボン酸、エステル、ニトリル、イソニトリル、スルファニル、スルフィニル、スルフォニル、ホスフィノ及びこれらの組み合わせからなる群から選択される。
【0172】
他の態様においては、前記化合物は、下記の式を有する。
【化108】
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【0173】
更に他の態様においては、前記化合物は、下記の式を有する。
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【0174】
R’は、独立して、水素、重水素、ハライド、アルキル、シクロアルキル、ヘテロアルキル、アリールアルキル、アルコキシ、アリールオキシ、アミノ、シリル、アルケニル、シクロアルケニル、ヘテロアルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、アシル、カルボニル、カルボン酸、エステル、ニトリル、イソニトリル、スルファニル、スルフィニル、スルフォニル、ホスフィノ及びこれらの組み合わせからなる群から選択される。
【0175】
更なる態様においては、前記化合物は、下記の式を有する。
【化109】
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【0176】
前記四座配位白金(II)化合物の具体的且つ非限定的な例を示す。1つの態様においては、前記化合物は、化合物1’から241’からなる群から選択される。
【0177】
更に、第1のデバイスが提供される。前記第1のデバイスは、有機発光デバイスを含む。前記第1の有機発光デバイスは、アノードと、カソードと、前記アノードと前記カソードとの間に配置された有機層とを更に含む。前記有機層は、下記の式を有する化合物を含む。
【化110】
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【0178】
環A及び環Bはそれぞれ独立して5員又は6員の炭素環又はヘテロ環である。L及びLは、独立して、単結合、BR、NR、PR、O、S、Se、C=O、S=O、SO、CRR’、SiRR’及びGeRR’からなる群から選択される。Z及びZは、独立して、窒素原子又は炭素原子である。R、R、R、R及びRは、モノ、ジ、トリ又はテトラ置換を表す。R、R’、R’、R’、R’、R’、R、R、R、R及びRは、独立して、水素、重水素、ハライド、アルキル、シクロアルキル、ヘテロアルキル、アリールアルキル、アルコキシ、アリールオキシ、アミノ、シリル、アルケニル、シクロアルケニル、ヘテロアルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、アシル、カルボニル、カルボン酸、エステル、ニトリル、イソニトリル、スルファニル、スルフィニル、スルフォニル、ホスフィノ及びこれらの組み合わせからなる群から選択される。R、R’、R、R、R、R及びRのうちの2つの隣接する置換基は、結合して縮合環を形成していてもよい。
【0179】
式I’を有する化合物についての上述した各具体的態様を、前記第1のデバイスに用いられる式I’を有する化合物にも適用することができる。特に、上述したような、式I’を有する化合物の環A、環B、L、L、R、R’、R’、R’、R’、R’、R、R、R、R、R、R、式I’〜XI’及び化合物1’〜241’の具体的態様を、前記第1のデバイスに用いられる式I’を有する前記化合物にも適用することができる。
【0180】
1つの態様においては、Lは、単結合、BR、NR、PR、O、S、Se、C=O、S=O、SO、CRR’、SiRR’及びGeRR’からなる群から選択される。
【0181】
1つの態様においては、前記有機層が発光層であり、前記化合物が発光性ドーパントである。他の態様においては、前記有機層は、ホストを更に含む。
【0182】
1つの態様においては、前記ホストは、カルバゾール、ジベンゾチオフェン、ジベンゾフラン、アザカルバゾール、アザ−ジベンゾチオフェン及びアザ−ジベンゾフランからなる群から選択される少なくとも1つの基を含む有機分子を含む。
【0183】
更に他の態様においては、前記ホストは、下記の式を有する。
【化111】
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【0184】
更なる態様においては、前記ホストは金属錯体である。
【0185】
1つの態様においては、前記有機層が発光層であり、前記化合物が非発光性ドーパントである。
【0186】
1つの態様においては、前記第1のデバイスは、消費者製品である。他の態様においては、前記第1のデバイスは、有機発光デバイスである。更に他の態様においては、前記第1のデバイスは、照明パネルを含む。
【0187】
他の材料との組合せ
有機発光デバイス中の特定の層に有用として本明細書において記述されている材料は、デバイス中に存在する多種多様な他の材料と組み合わせて使用され得る。例えば、本明細書において開示されている発光性ドーパントは、多種多様なホスト、輸送層、ブロッキング層、注入層、電極、及び存在し得る他の層と併せて使用され得る。以下で記述又は参照される材料は、本明細書において開示されている化合物と組み合わせて有用となり得る材料の非限定的な例であり、当業者であれば、組み合わせて有用となり得る他の材料を特定するための文献を容易に閲覧することができる。
HIL/HTL:
【0188】
本発明の実施形態において使用される正孔注入/輸送材料は特に限定されず、その化合物が正孔注入/輸送材料として典型的に使用されるものである限り、任意の化合物を使用してよい。材料の例は、フタロシアニン又はポルフィリン誘導体;芳香族アミン誘導体;インドロカルバゾール誘導体;フッ化炭化水素を含有するポリマー;伝導性ドーパントを持つポリマー;PEDOT/PSS等の導電性ポリマー;ホスホン酸及びシラン誘導体等の化合物に由来する自己集合モノマー;MoO等の金属酸化物誘導体;1,4,5,8,9,12−ヘキサアザトリフェニレンヘキサカルボニトリル等のp型半導体有機化合物;金属錯体、並びに架橋性化合物を含むがこれらに限定されない。
【0189】
HIL又はHTL中に使用される芳香族アミン誘導体の例は、下記の一般構造:
【化112】
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を含むがこれらに限定されない。
【0190】
ArからArのそれぞれは、ベンゼン、ビフェニル、トリフェニル、トリフェニレン、ナフタレン、アントラセン、フェナレン、フェナントレン、フルオレン、ピレン、クリセン、ペリレン、アズレン等の芳香族炭化水素環式化合物からなる群;ジベンゾチオフェン、ジベンゾフラン、ジベンゾセレノフェン、フラン、チオフェン、ベンゾフラン、ベンゾチオフェン、ベンゾセレノフェン、カルバゾール、インドロカルバゾール、ピリジルインドール、ピロロジピリジン、ピラゾール、イミダゾール、トリアゾール、オキサゾール、チアゾール、オキサジアゾール、オキサトリアゾール、ジオキサゾール、チアジアゾール、ピリジン、ピリダジン、ピリミジン、ピラジン、トリアジン、オキサジン、オキサチアジン、オキサジアジン、インドール、ベンズイミダゾール、インダゾール、インドキサジン、ベンゾオキサゾール、ベンズイソオキサゾール、ベンゾチアゾール、キノリン、イソキノリン、シンノリン、キナゾリン、キノキサリン、ナフチリジン、フタラジン、プテリジン、キサンテン、アクリジン、フェナジン、フェノチアジン、フェノキサジン、ベンゾフロピリジン、フロジピリジン、ベンゾチエノピリジン、チエノジピリジン、ベンゾセレノフェノピリジン及びセレノフェノジピリジン等の芳香族複素環式化合物からなる群;並びに芳香族炭化水素環式基及び芳香族複素環式基から選択される同じ種類又は異なる種類の基である2から10個の環式構造単位からなる群から選択され、且つ、直接的に、又は酸素原子、窒素原子、硫黄原子、ケイ素原子、リン原子、ホウ素原子、鎖構造単位及び脂肪族環式基の少なくとも1つを介して、互いに結合している。ここで、各Arは、水素、重水素、ハライド、アルキル、シクロアルキル、ヘテロアルキル、アリールアルキル、アルコキシ、アリールオキシ、アミノ、シリル、アルケニル、シクロアルケニル、ヘテロアルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、アシル、カルボニル、カルボン酸、エステル、ニトリル、イソニトリル、スルファニル、スルフィニル、スルフォニル、ホスフィノ及びこれらの組み合わせからなる群から選択される置換基によって更に置換されている。
【0191】
一態様において、ArからArは、
【化113】
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からなる群から独立に選択される。
【0192】
kは1から20までの整数であり;XからXはCH又はNであり;Arは、上記で定義したものと同じ基を有する。
【0193】
HIL又はHTL中に使用される金属錯体の例は、下記の一般式:
【化114】
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を含むがこれに限定されない。
【0194】
Mは、40より大きい原子量を有する金属であり;(Y−Y)は二座配位子であり、Y及びYは、C、N、O、P及びSから独立に選択され;Lは補助配位子であり;mは、1から金属に付着し得る配位子の最大数までの整数値であり;且つ、m+nは、金属に付着し得る配位子の最大数である。
【0195】
一態様において、(Y−Y)は2−フェニルピリジン誘導体である。
【0196】
別の態様において、(Y−Y)はカルベン配位子である。
【0197】
別の態様において、Mは、Ir、Pt、Os及びZnから選択される。
【0198】
更なる態様において、金属錯体は、Fc/Fcカップルに対して、溶液中で約0.6V未満の最小酸化電位を有する。
ホスト:
【0199】
本発明の幾つかの実施形態における有機ELデバイスの発光層は、発光材料として少なくとも金属錯体を含むことが好ましく、前記金属錯体をドーパント材料として用いるホスト材料を含んでいてもよい。前記ホスト材料の例は、特に限定されず、ホストの三重項エネルギーがドーパントのものより大きい限り、任意の金属錯体又は有機化合物を使用してよい。
【0200】
ホスト材料として使用される金属錯体の例は、下記の一般式:
【化115】
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を有することが好ましい。
【0201】
Mは金属であり;(Y−Y)は二座配位子であり、Y及びYは、C、N、O、P及びSから独立に選択され;Lは補助配位子であり;mは、1から金属に付着し得る配位子の最大数までの整数値であり;且つ、m+nは、金属に付着し得る配位子の最大数である。
【0202】
一態様において、金属錯体は、
【化116】
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である。
【0203】
(O−N)は、原子O及びNに配位された金属を有する二座配位子である。
【0204】
別の態様において、Mは、Ir及びPtから選択される。
【0205】
更なる態様において、(Y−Y)はカルベン配位子である。
【0206】
ホスト材料として使用される有機化合物の例は、ベンゼン、ビフェニル、トリフェニル、トリフェニレン、ナフタレン、アントラセン、フェナレン、フェナントレン、フルオレン、ピレン、クリセン、ペリレン、アズレン等の芳香族炭化水素環式化合物からなる群;ジベンゾチオフェン、ジベンゾフラン、ジベンゾセレノフェン、フラン、チオフェン、ベンゾフラン、ベンゾチオフェン、ベンゾセレノフェン、カルバゾール、インドロカルバゾール、ピリジルインドール、ピロロジピリジン、ピラゾール、イミダゾール、トリアゾール、オキサゾール、チアゾール、オキサジアゾール、オキサトリアゾール、ジオキサゾール、チアジアゾール、ピリジン、ピリダジン、ピリミジン、ピラジン、トリアジン、オキサジン、オキサチアジン、オキサジアジン、インドール、ベンズイミダゾール、インダゾール、インドキサジン、ベンゾオキサゾール、ベンズイソオキサゾール、ベンゾチアゾール、キノリン、イソキノリン、シンノリン、キナゾリン、キノキサリン、ナフチリジン、フタラジン、プテリジン、キサンテン、アクリジン、フェナジン、フェノチアジン、フェノキサジン、ベンゾフロピリジン、フロジピリジン、ベンゾチエノピリジン、チエノジピリジン、ベンゾセレノフェノピリジン及びセレノフェノジピリジン等の芳香族複素環式化合物からなる群;並びに芳香族炭化水素環式基及び芳香族複素環式基から選択される同じ種類又は異なる種類の基であり、且つ、直接的に、又は酸素原子、窒素原子、硫黄原子、ケイ素原子、リン原子、ホウ素原子、鎖構造単位及び脂肪族環式基の少なくとも1つを介して互いに結合している2から10個の環式構造単位からなる群から選択される材料を含む。各基は、水素、重水素、ハライド、アルキル、シクロアルキル、ヘテロアルキル、アリールアルキル、アルコキシ、アリールオキシ、アミノ、シリル、アルケニル、シクロアルケニル、ヘテロアルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、アシル、カルボニル、カルボン酸、エステル、ニトリル、イソニトリル、スルファニル、スルフィニル、スルフォニル、ホスフィノ及びこれらの組み合わせからなる群から選択される置換基によって更に置換されている。
【0207】
一態様において、ホスト化合物は、分子中に下記の群:
【化117】
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の少なくとも1つを含有する。
【0208】
からRは、独立して、水素、重水素、ハライド、アルキル、シクロアルキル、ヘテロアルキル、アリールアルキル、アルコキシ、アリールオキシ、アミノ、シリル、アルケニル、シクロアルケニル、ヘテロアルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、アシル、カルボニル、カルボン酸、エステル、ニトリル、イソニトリル、スルファニル、スルフィニル、スルフォニル、ホスフィノ及びこれらの組み合わせからなる群から選択される。それがアリール又はヘテロアリールである場合、上記で言及したArのものと同様の定義を有する。
【0209】
kは0から20までの整数である。
【0210】
からXはCH又はNから選択される。
HBL:
【0211】
正孔ブロッキング層(HBL)を使用して、発光層から出る正孔及び/又は励起子の数を低減させることができる。デバイスにおけるそのようなブロッキング層の存在は、ブロッキング層を欠く同様のデバイスと比較して大幅に高い効率をもたらし得る。また、ブロッキング層を使用して、発光をOLEDの所望の領域に制限することもできる。
【0212】
一態様において、前記HBL中に使用される前記化合物は、上述したホストとして使用されるものと同じ分子を含有する。
【0213】
別の態様において、前記HBL中に使用される前記化合物は、分子中に下記の群:
【化118】
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の少なくとも1つを含有する。
【0214】
kは0から20までの整数であり;Lは補助配位子であり、mは1から3までの整数である。
ETL:
【0215】
電子輸送層(ETL)は、電子を輸送することができる材料を含み得る。電子輸送層は、真性である(ドープされていない)か、又はドープされていてよい。ドーピングを使用して、伝導性を増強することができる。ETL材料の例は特に限定されず、電子を輸送するために典型的に使用されるものである限り、任意の金属錯体又は有機化合物を使用してよい。
【0216】
一態様において、前記ETL中に使用される前記化合物は、分子中に下記の群:
【化119】
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の少なくとも1つを含有する。
【0217】
は、水素、重水素、ハライド、アルキル、シクロアルキル、ヘテロアルキル、アリールアルキル、アルコキシ、アリールオキシ、アミノ、シリル、アルケニル、シクロアルケニル、ヘテロアルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、アシル、カルボニル、カルボン酸、エステル、ニトリル、イソニトリル、スルファニル、スルフィニル、スルフォニル、ホスフィノ及びこれらの組み合わせからなる群から選択される。それがアリール又はヘテロアリールである場合、上記で言及したArのものと同様の定義を有する。
【0218】
ArからArは、上記で言及したArのものと同様の定義を有しする。
【0219】
kは0から20までの整数である。
【0220】
からXはCH又はNから選択される。
【0221】
別の態様において、前記ETL中に使用される金属錯体は、下記の一般式:
【化120】
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を含有するがこれらに限定されない。
【0222】
(O−N)又は(N−N)は、原子O、N又はN、Nに配位された金属を有する二座配位子であり;Lは補助配位子であり;mは、1から金属に付着し得る配位子の最大数までの整数値である。
【0223】
OLEDデバイスの各層中に使用される任意の上記で言及した化合物において、水素原子は、部分的に又は完全に重水素化されていてよい。
【0224】
本明細書において開示されている材料に加えて且つ/又はそれらと組み合わせて、多くの正孔注入材料、正孔輸送材料、ホスト材料、ドーパント材料、励起子/正孔ブロッキング層材料、電子輸送及び電子注入材料がOLEDにおいて使用され得る。OLED中で本明細書において開示されている材料と組み合わせて使用され得る材料の非限定的な例を、以下の表1に収載する。表1は、材料の非限定的なクラス、各クラスについての化合物の非限定的な例、及び該材料を開示している参考文献を収載する。
【表1-1】
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【表1-2】
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【表1-3】
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【表1-4】
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【表1-5】
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【表1-6】
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【表1-7】
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【表1-8】
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【表1-9】
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【表1-10】
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【表1-11】
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【表1-12】
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【表1-13】
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【表1-14】
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【表1-15】
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【表1-16】
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【表1-17】
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【表1-18】
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【実施例】
【0225】
合成例
化合物3の合成
【化121】
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【0226】
3−(1−(3,5−ジイソプロピル−[1,1’−ビフェニル]−4−イル)−1H−イミダゾール−2−イル)−N−(3−(1−(3,5−ジイソプロピル−[1,1’−ビフェニル]−4−イル)−1H−イミダゾール−2−イル)フェニル)−N−フェニルアニリンの合成。2−(3−ブロモフェニル)−1−(3,5−ジイソプロピル−[1,1’−ビフェニル]−4−イル)−1H−イミダゾール(2.496g、5.43mmol)、Pd(dba)(0.045g、0.049mmol)、ジシクロヘキシル(2’,6’−ジメトキシ−[1,1’−ビフェニル]−2−イル)ホスフィン(0.081g、0.198mmol)及びナトリウムt−ブトキシド(0.712g、7.41mmol)を、100mLのキシレン中で混合した。この溶液に20分間窒素を吹き込み、アニリン(0.23g、2.470mmol)を添加した。反応物を6時間還流加熱した。TLCによって、反応が行われたことが示された。反応物をセライトで濾過し、溶媒を蒸発させた。残渣をセライト(登録商標)にコーティングし、1:1ヘキサン/酢酸エチルでカラム精製した。1.5g(収率71%)の生成物が得られた。
【化122】
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【0227】
化合物3の合成。テトラクロロ白金酸カリウム(0.425g、1.023mmol)と3−(1−(3,5−ジイソプロピル−[1,1’−ビフェニル]−4−イル)−1H−イミダゾール−2−イル)−N−(3−(1−(3,5−ジイソプロピル−[1,1’−ビフェニル]−4−イル)−1H−イミダゾール−2−イル)フェニル)−N−フェニルアニリン(0.87g、1.023mmol)とを80mLの酢酸中で混合し、2日間激しく加熱還流させた。緑色の沈殿物が形成された。反応物を室温まで冷却し、セライト(登録商標)パッドで濾過した。化合物をメタノールですすぎ、次いで、DCMに溶解させ、セライト(登録商標)にコーティングした。化合物を2:3DCM/ヘキサンでカラム精製した。0.5g(収率47%)の生成物が得られた。
【0228】
化合物5の合成
【化123】
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【0229】
4−ブロモ−2,6−ジイソプロピルアニリンの合成。NBS(24.59g、137mmol)のDMF(160mL)溶液を、0℃〜5℃の2,6−ジイソプロピルアニリン(25g、137mmol)のDMF(300mL)溶液に20分間窒素雰囲気下でゆっくりと添加した。反応混合物を0℃〜5℃で撹拌した。反応が完了した後、水を添加し、油懸濁液を室温で撹拌した。水層をデカントし、残りの油状物を酢酸エチルに溶解させた。有機層を分離し、水及びブラインで洗浄した。蒸発により薄茶色の油状物(35.1g、収率100%)が得られた。
【化124】
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【0230】
3,5−ジイソプロピル−[1,1’−ビフェニル]−4−アミンの合成。室温のトルエン:水(10:1、1400mL)中4−ブロモ−2,6−ジイソプロピルアニリン(35.1g、137mmol)と、リン酸三カリウム一水和物(126g、548mmol)と、2−ジシクロ−ヘキシルホスフィノ−2’,6’−ジメトキシビフェニル[S−Phos](2.250g、5.48mmol)との混合物に、乾燥窒素ガスを40分間吹き込んだ。次いで、Pd(dba)(1.255g、1.370mmol)を上記混合物に添加した。反応物を窒素雰囲気下で還流させ、GC−MSによってモニタリングした。一晩還流させた後、反応が完了した。反応混合物を冷却し、有機層を分離し、水(3×)で洗浄し、セライト(登録商標)床で濾過した。真空下でトルエンを除去して、粗油状物を得、これを、溶出剤としてヘキサン/AcOEt:9/1〜85/15を用いてシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製した。純画分を蒸留して、油状物として標題化合物を得た(17.43g、収率50%)。
【化125】
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【0231】
N−(3,5−ジイソプロピル−[1,1’−ビフェニル]−4−イル)−3−メトキシベンズアミドの合成。3−メトキシベンゾイルクロリド(7.54mL、55.3mmol)のDCM(ジクロロメタン)(50mL)溶液を、0℃の3,5−ジイソプロピル−[1,1’−ビフェニル]−4−アミン(10g、39.5mmol)とピリジン(5.43mL、67.1mmol)とのDCM(100mL)撹拌溶液にゆっくりと添加した。次いで、混合物を加温し、室温で一晩撹拌した。反応が完了した後、反応混合物に水を添加した。水性混合物をDCMで抽出し、DCM層を分離し、水(2×)、NaCO水溶液、水(2×)、及びブラインで洗浄し、無水NaSOで乾燥させた。濾過及び蒸発によってオフホワイトの固体を得、これをヘキサン/DCM(2/8)(v/v)から再結晶化させて、純白の固体(9.93g、65%)を得た。
【化126】
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【0232】
1−(3,5−ジイソプロピル−[1,1’−ビフェニル]−4−イル)−2−(3−メトキシフェニル)−1H−イミダゾールの合成。五塩化リン(V)(7.99g、38.4mmol)を、窒素雰囲気下で室温にて撹拌しながらN−(3,5−ジイソプロピル−[1,1’−ビフェニル]−4−イル)−3−メトキシベンズアミド(9.92g、25.6mmol)のキシレン(260mL)溶液にゆっくりと添加した。反応混合物を1.5時間130℃〜135℃(油浴温度)まで加熱した。キシレン(約200mL)を140℃で除去して、粗油状物を得、これを氷浴で0℃まで冷却した。120mLのTHFを添加した。この冷THF溶液に、50分間2,2−ジメトキシエタンアミン(55.8mL、512mmol)のTHF(140mL)溶液を滴下した。反応混合物を加温し、室温で一晩撹拌した。反応混合物を真空下で濃縮し、THF(260mL)を添加した。未溶解固体(2,2−ジメトキシエタンアミンHCl塩)を濾過によって除去した。32mLの6.0N HClを濾液に添加し、混合物を3時間90℃で加熱した。反応混合物を冷却し、NaCO水溶液でpH11まで中和した。THFを真空下で除去し、残りの水性混合物をAcOEt(3×350mL)で抽出した。合わせたAcOEt抽出物を水及びブラインで洗浄し、次いで、溶出剤としてヘキサン/AcOEt:7/3を用いてシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製した。純画分を合わせ、濃縮して、オフホワイトの固体を得た(5.6g、53%)。
【化127】
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【0233】
3−(1−(3,5−ジイソプロピル−[1,1’−ビフェニル]−4−イル)−1H−イミダゾール−2−イル)フェノールの合成。1−(3,5−ジイソプロピル−[1,1’−ビフェニル]−4−イル)−2−(3−メトキシフェニル)−1H−イミダゾール(5.57g、13.57mmol)と塩酸ピリジン(9.41g、81mmol)との混合物を13時間200℃で撹拌しながら縮合させた。反応が完了した後、混合物を水とAcOEtとの間で分配した。AcOEt層を分離し、水(3×)及びブラインで洗浄し、次いで、溶出剤としてDCM/MeOH(96/4)を用いてシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、オフホワイトの固体を得た(5.12g、95%)。
【化128】
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【0234】
N−(3,5−ジイソプロピル−[1,1’−ビフェニル]−4−イル)−3−ヨードベンズアミドの合成。塩化オキサリル(2.66mL、30.4mmol)を、3−ヨード安息香酸(6.98g、27.6mmol)のDCM(140mL)懸濁液に室温で窒素雰囲気下にて滴下した。次いで、混合物を4時間室温で撹拌した。反応が完了した後、溶媒を真空下で除去して、残渣(3−ヨードベンゾイルクロリド)を得、これを高真空下で乾燥させ、更に精製することなしに用いた。この残渣をDCM(25mL)に溶解させ、0℃の3,5−ジイソプロピル−[1,1’−ビフェニル]−4−アミン(5.0g、19.73mmol)とピリジン(2.71mL、33.5mmol)とのDCM(50mL)撹拌溶液にゆっくりと添加した。次いで、混合物を加温し、室温で一晩撹拌した。反応が完了した後、水を添加した。水性混合物をDCMで抽出した。DCM層を分離し、水(2×)及びブラインで洗浄し、次いで、無水NaSOで乾燥させた。濾過及び蒸発によってオフホワイトの固体を得、これをDCM中10%ヘキサンから再結晶させて、標題化合物を得た(5.3g、55%)。
【化129】
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【0235】
1−(3,5−ジイソプロピル−[1,1’−ビフェニル]−4−イル)−2−(3−ヨードフェニル)−1H−イミダゾールの合成。1−(3,5−ジイソプロピル−[1,1’−ビフェニル]−4−イル)−2−(3−メトキシフェニル)−1H−イミダゾールの合成に記載したのと実質的に同じ方法で、N−(3,5−ジイソプロピル−[1,1’−ビフェニル]−4−イル)−3−ヨードベンズアミド及び2,2−ジメトキシエタンアミンから標題化合物を調製した。
【化130】
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【0236】
2,2’−(オキシビス(3,1−フェニレン))ビス(1−(3,5−ジイソプロピル−[1,1’−ビフェニル]−4−イル)−1H−イミダゾール)の合成。DMSO(45mL)中3−(1−(3,5−ジイソプロピル−[1,1’−ビフェニル]−4−イル)−1H−イミダゾール−2−イル)フェノール(3.12g、7.87mmol)と、1−(3,5−ジイソプロピル−[1,1’−ビフェニル]−4−イル)−2−(3−ヨードフェニル)−1H−イミダゾール(3.98g、7.87mmol)と、ヨウ化銅(I)(0.15g、0.787mmol)と、ピコリン酸(2.91g、23.61mmol)と、リン酸カリウム(8.35g、39.3mmol)との混合物を窒素雰囲気下で100℃にて加熱した。反応の進行をHPLC(C18、水中95%MeCN、1.0mL/分)によってモニタリングした。4日間後のHPLCにより、約70%が所望の生成物であることが示された。所望の生成物が増加しなくなるまで、反応の後処理を行った。pHが約10になるまで5%炭酸ナトリウム水溶液を反応混合物に添加した。得られた固体を濾過によって単離し、水(3×)で洗浄した。この粗混合物をアルミニウムカラムクロマトグラフィー(溶出剤:DCM/MeOH:99/1〜9/5)によって精製し、次いで、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出剤:ヘキサン/アセトン:7/3)によって精製して、薄黄色の固体を得た(3.6g、収率59%)。
【化131】
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【0237】
化合物5の合成。2,2’−(オキシビス(3,1−フェニレン))ビス(1−(3,5−ジイソプロピル−[1,1’−ビフェニル]−4−イル)−1H−イミダゾール)(2.5g、3.23mmol)及びテトラクロロ白金酸カリウム(1.339g、3.23mmol)を酢酸(50mL)に添加した。反応物に20分間窒素を吹き込み、次いで、3日間140℃(油浴温度)まで加熱した。固体を濾過によって収集し、1:1ジクロロメタン及びヘキサンでカラム精製して、所望の生成物を得た(1.0g、収率32%)
化合物162の合成
【化132】
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【0238】
2−(3−メトキシ−5−メチルフェニル)−4,4,5,5,−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロランの合成。密封可能な容器に、1−メトキシ−3−メチルベンゼン(10.32mL、82mmol)、4,4’−ジ−t−ブチル−2,2’−ビピリジン(0.220g、0.819mmol)、4,4,4’,4’,5,5,5’,5’−オクタメチル−2,2’−ビ(1,3,2−ジオキサボロラン)(15.59g、61.4mmol)、[Ir(cod)OMe](0.271g、0.409mmol)及び150mLのTHFを添加した。容器を密封し、一晩80℃まで加熱した。溶媒を蒸発させ、残渣を次の工程でそのまま用いた。収量は15.23gであると推定された。
【化133】
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【0239】
3−メトキシ−5−メチルベンゾニトリルの合成。密封可能な容器に、2−(3−メトキシ−5−メチルフェニル)−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン(15.23g、61.4mmol)、硝酸銅(II)三水和物(29.7g、123mmol)、シアン化亜鉛(21.62g、184mmol)、フッ化セシウム(9.32g、61.4mmol)、メタノール107mL及び水43mLを添加した。容器を密封し、一晩100℃まで加熱した。反応混合物を冷却し、不溶性の茶褐色の固体を濾過し、酢酸エチルで洗浄した。濾液に水を添加し、層を分離した。水層を酢酸エチルで抽出した。有機層を水、ブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、蒸発させた。0%〜10%酢酸エチル/ヘキサンで溶出するカラムクロマトグラフィーによって残渣を精製した(3.7g、41%)
【化134】
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【0240】
N−(2,6−ジイソプロピルフェニル)−3−メトキシ−5−メチルベンズイミドアミドの合成。500mLの3つ口丸底フラスコに、2,6−ジイソプロピルアニリン(4.82g、27.2mmol)及び100mLのトルエンを添加した。溶液を窒素下で氷浴中にて冷却し、滴下漏斗を介してトリメチルアルミニウム(トルエン中2.0M、19mL、38.1mmol)を滴下した。反応混合物を2時間室温で撹拌した。次に、50mLトルエン中3−メトキシ−5−メチルベンゾニトリル(5.20g、35.3mmol)を添加し、反応混合物を窒素下で一晩70℃まで加熱した。反応混合物を氷浴で冷却し、シリカゲルの2:1ジクロロメタン/メタノール(v/v)撹拌スラリーに注いだ。シリカゲルを濾取し、ジクロロメタン及びメタノールで洗浄した。濾液を蒸発させたところ、固体が残った。ヘキサンを溶媒に添加し、固体を濾取し、ヘキサンで洗浄した(5.83g、66%)。
【化135】
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【0241】
1−(2,6−ジイソプロピルフェニル)−2−(3−メトキシ−5−メチルフェニル)−1H−イミダゾールの合成。250mLの丸底フラスコ内で、N−(2,6−ジイソプロピルフェニル)−3−メトキシ−5−メチルベンズイミドアミド(5.83g、17.97mmol)、重炭酸ナトリウム(3.02g、35.9mmol)、2−クロロアセトアルデヒド(50%、4.56mL、35.9mmol)及び80mLの2−プロパノールを混合した。反応混合物を窒素下で3時間加熱還流させた。反応混合物を水及び酢酸エチルで希釈した。層を分離し、水層を酢酸エチルで抽出した。有機層を10%LiCl溶液、ブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、蒸発させたところ、茶色の油状物が残った。20%酢酸エチル/ヘキサンで溶出するカラムクロマトグラフィーによって前記油状物を精製した(5.78g、92%)。
【化136】
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【0242】
3−(1−(2,6−ジイソプロピルフェニル)−1H−イミダゾール−2−イル)−5−メチルフェノールの合成。250mLの丸底フラスコに、1−(2,6−ジイソプロピルフェニル)−2−(3−メトキシ−5−メチルフェニル)−1H−イミダゾール(5.24g、15.04mmol)及び塩酸ピリジン(13.90g、120mmol)を添加した。反応混合物を窒素下で190℃まで加熱した。4時間後、反応混合物を冷却し、水を添加した。灰色の固体を濾取し、水で洗浄した。固体を真空下で乾燥させた(4.36g、87%)。
【化137】
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【0243】
1−(2,6−ジイソプロピルフェニル)−2−(3−(3−(1−(2,6−ジイソプロピルフェニル)−1H−イミダゾール−2−イル)−5−メチルフェノキシ)フェニル)−1H−イミダゾールの合成。300mLの3つ口丸底フラスコに、3−(1−(2,6−ジイソプロピルフェニル)−1H−イミダゾール−2−イル)−5−メチルフェノール(2.5g、7.47mmol)、2−(3−ブロモフェニル)−1−(2,6−ジイソプロピルフェニル)−1H−イミダゾール(3.15g、8.22mmol)、ピコリン酸(1.380g、11.21mmol)、ヨウ化銅(I)(0.427g、2.242mmol)、リン酸三カリウム一水和物(6.02g、26.2mmol)、100mLのDMSOを添加した。混合物に窒素を直接吹き込み、次いで、窒素下で一晩200℃まで加熱した。反応混合物を酢酸エチル及び水で希釈し、セライトで濾過した。層を分離し、水層を酢酸エチルで抽出した。有機層を10%LiCl、ブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、蒸発させたところ、残渣が残った。40%及び50%酢酸エチル/ヘキサンで溶出するカラムクロマトグラフィーによって前記残渣を精製した(1.95g、41%)。
【化138】
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【0244】
化合物162の合成。300mLの3つ口丸底フラスコに、1−(2,6−ジイソプロピルフェニル)−2−(3−(3−(1−(2,6−ジイソプロピルフェニル)−1H−イミダゾール−2−イル)−5−メチルフェノキシ)フェニル)−1H−イミダゾール(2.30g、3.61mmol)及び反応物質1(1.363g、3.28mmol)を添加した。混合物に窒素を直接吹き込んだ。反応混合物を2日間窒素下で一晩140℃まで加熱した。反応混合物を冷却し、ヘキサンで希釈した。黄色の固体を濾取し、先ずヘキサンで洗浄し、次いで、濾過フラスコを取り替え、固体をメタノールで洗浄した。50%ジクロロメタン/ヘキサンで溶出するカラムクロマトグラフィーによって前記固体を精製した。また、メタノール洗浄液は、その中に生成物を有していたので、メタノールを蒸発させ、50%ジクロロメタン/ヘキサンで溶出するカラムクロマトグラフィーによって残渣を精製した。物質を合わせ、乾燥させ、270℃で一晩昇華させた(0.52g、19%)。
【0245】
化合物163の合成
【化139】
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【0246】
2−(3−メトキシ−5−ブロモフェニル)−4,4,5,5,−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロランの合成。密封可能な250mLの厚壁フラスコに、1−ブロモ−3−メトキシベンゼン(20g、105mmol)、4,4’−ジ−t−ブチル−2,2’−ビピリジン(0.281g、1.048mmol)、4,4,4’,4’,5,5,5’,5’−オクタメチル−2,2’−ビ(1,3,2−ジオキサボロラン)(19.96g、79mmol)、[Ir(COD)OMe](0.347g、0.524mmol)(CODは、シクロオクタジエンである)及び200mLのTHFを添加し、19時間80℃まで加熱した。反応物を氷で冷却し、ゆっくりと開封した。溶媒を蒸発させ、物質を次の反応で直接用いた。生成物をGCによって確認した。
【化140】
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【0247】
3−メトキシ−5−ブロモベンゾニトリルの合成。密封可能なフラスコに、前述の反応で得られた混合物、フッ化セシウム(13.35g、88mmol)、シアン化亜鉛(28.1g、240mmol)及びCu(NO3HO(38.6g、160mmol)出発物質と、メタノール125mL及び水50mL(比2.5:1)とを添加し、一晩100℃で加熱した。生成物をGCによって確認した。メタノールから再結晶化させた後、8.5gの生成物が得られ、次の工程で直接用いた。
【化141】
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【0248】
5−メトキシ−[1,1’−ビフェニル]−3−カルボニトリルの合成:3−ブロモ−5−メトキシベンゾニトリル(8.3g、39.1mmol),ジシクロヘキシル(2’,6’−ジメトキシ−[1,1’−ビフェニル]−2−イル)ホスフィン(S−Phos)(1.286g、3.13mmol)、フェニルボロン酸(5.84g、47.0mmol)、Pd(dba)及び200mLのトルエンをフラスコに入れ、一晩還流させた。反応物を冷却し、200mLの酢酸エチルを添加した。粗混合物をシリカゲルプラグに通し、生成物をGCによって確認した。真空下で蒸留した後、7.5gの白色の生成物が得られた。
【化142】
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【0249】
N−(2,6−ジイソプロピルフェニル)−5−メトキシ−[1,1’−ビフェニル]−3−カルボキシイミドアミド。500mLの3つ口フラスコに、2,6−ジイソプロピルアニリン(4.99g、27.3mmol)及び100mLのトルエンを入れた。混合物を氷浴で冷却した。トリメチルアルミニウム(20.48mL、41.0mmol)を、滴下漏斗を介して滴下した。反応混合物を2時間室温で撹拌した。次いで、トルエン50mLに溶解している5−メトキシ−[1,1’−ビフェニル]−3−カルボニトリル(6.0g、28.7mmol)を前記混合物に添加した。反応混合物を窒素雰囲気下で一晩70℃まで加熱した。前記反応混合物を氷浴で冷却し、それを、DCM及びメタノール(DCM:メタノールの比2:1)と混合されたシリカゲルに注いだ。スラリーを撹拌し、濾過し、DCM及びメタノールで洗浄した。溶媒を蒸発させた。溶媒を蒸発させた後に残る固体を150mLのヘキサンに添加し、混合物を撹拌した。前記混合物を濾過し、ヘキサンで洗浄した。溶媒を除去した後、次の工程用の6.8gの生成物を得た。
【化143】
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【0250】
1−(2,6−ジイソプロピルフェニル)−2−(5−メトキシ−[1,1’−ビフェニル]−3−イル)−1H−イミダゾールの合成。250mLの丸底フラスコ内で、2−クロロアセトアルデヒド(5.36g、34.2mmol)、NaHCO(2.87g、34.2mmol)、N−(2,6−ジイソプロピルフェニル)−5−メトキシ−[1,1’−ビフェニル]−3−カルボキシイミドアミド(6.6g、17.08mmol)を混合し、100mLのイソプロピルアミンを添加した。反応混合物を3時間加熱還流させた。前記反応混合物を水及び酢酸エチルで希釈した。層を分離し、水層を酢酸エチルで抽出した。溶媒としてヘキサン中10%酢酸エチルを用いてシリカゲルカラムクロマトグラフィーにかけた後、6.9gの生成物が得られた。
【化144】
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【0251】
5−(1−(2,6−ジイソプロピルフェニル)−1H−イミダゾール−2−イル)−[1,1’−ビフェニル]−3−オールの合成。250mLの丸底フラスコに、1−(2,6−ジイソプロピルフェニル)−2−(5−メトキシ−[1,1’−ビフェニル]−3−イル)−1H−イミダゾール(6.9g、16.81mmol)及び塩酸ピリジン(15.85g、134mmol)を添加した。反応混合物を窒素雰囲気下で190℃まで加熱した。4時間後、反応混合物を冷却し、水を添加した。灰色の固体を濾取し、水で洗浄した。固体を真空下で乾燥させたところ、5.7gの生成物が得られた。
【化145】
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【0252】
2,2’−(オキシビス([1,1’−ビフェニル]−5,3−ジイル))ビス(1−2,6ジイソプロピルフェニル)−1−H−イミダゾール)の合成。250mLの3つ口丸底フラスコに、5−(1−(2,6−ジイソプロピルフェニル)−1H−イミダゾール−2−イル)−[1,1’−ビフェニル]−3−オール(2.5g、6.30mmol)、2−(5−ブロモ−1,1’−ビフェニル]−3−イル)−1−(2,6−ジイソプロピルフェニル)−1−H−イミダゾール(3.19g、6.49mmol)、ピコリン酸(1.164g、9.46mmol)、ヨウ化銅(I)(0.427g、2.242mmol)、リン酸三カリウム一水和物(5.02g、22.07mmol)、100mLのDMSOを添加した。混合物に窒素を直接吹き込み、次いで、窒素下で一晩190℃まで加熱した。反応混合物を酢酸エチル及び水で希釈し、セライト(登録商標)で濾過した。層を分離し、水層を酢酸エチルで抽出した。有機層を10%LiCl、ブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、蒸発させたところ、残渣が残った。25%酢酸エチル/ヘキサンで溶出するカラムクロマトグラフィーによって前記残渣を精製した(3.45g、70.6%)。
【化146】
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【0253】
化合物163の合成。300mLの3つ口丸底フラスコに、2,2’−(オキシビス([1,1’−ビフェニル]−5,3−ジイル))ビス(1−2,6ジイソプロピルフェニル)−1−H−イミダゾール)(3.4g、4.39mmol)及びテトラクロロ白金酸カリウム(1.734g、4.18mmol)を添加した。混合物に30分間窒素を直接吹き込んだ。反応混合物を2日間窒素下で一晩140℃まで加熱した。反応混合物を冷却し、ヘキサンで希釈した。黄色の固体を濾取し、先ずヘキサンで洗浄し、次いで、濾過フラスコを取り替え、固体をメタノールで洗浄した。50%ジクロロメタン/ヘキサンで溶出するカラムクロマトグラフィーによって前記固体を精製して、2.8g(収率69.2%)の純生成物を得、これをLC−MSによって確認した。
【0254】
化合物30の合成
【化147】
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【0255】
2−(3−メトキシフェニル)ピリジンの合成。1Lの3つ口丸底フラスコに、2−ブロモピリジン(12.07mL、127mmol)、(3−メトキシフェニル)ボロン酸(24.04g、158mmol)、リン酸三カリウム一水和物(87g、380mmol)、ジシクロヘキシル(2’,6’−ジメトキシ−[1,1’−ビフェニル]−2−イル)ホスフィン(S−phos)(2.079g、5.06mmol)、トルエン450mL及び水45mLを添加した。混合物に窒素を直接吹き込んだ。Pd(dba)(1.159g、1.266mmol)を添加し、反応混合物を窒素下で一晩加熱還流させた。前記反応混合物を水で希釈し、層を分離した。水層を酢酸エチルで抽出した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、蒸発させた。20%酢酸エチルで溶出するカラムクロマトグラフィーによって粗物質を精製して、黄色の液体を得た(21.5g、92%)。
【化148】
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【0256】
3−(ピリジン−2−イル)フェノールの合成。500mLの丸底フラスコに、2−(3−メトキシフェニル)ピリジン(21.3g、115mmol)及び塩酸ピリジン(107.5g、930mmol)を添加した。反応混合物を窒素下で8時間190℃まで加熱した。前記反応混合物を僅かに冷却し、水を添加した。混合物を一晩撹拌した。10%水酸化ナトリウム溶液を用いて溶液のpHを7に調整し、ジクロロメタンで3回抽出した。有機層を10%LiCl溶液、ブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、蒸発させた。残渣をクーゲルロールで蒸留して、残りのピリジンを除去した(18g、91%)。
【化149】
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【0257】
2−(3−(3−(1−(2,6−ジイソプロピル)−1H−イミダゾール−2−イル)フェノキシ)フェニル)ピリジンの合成。250mLの3つ口丸底フラスコに、3−(ピリジン−2−イル)フェノール(0.983g、5.74mmol)、2−(3−ブロモフェニル)−1−(2,6−ジイソプロピルフェニル)−1H−イミダゾール(2.2g、5.74mmol)、ピコリン酸(1.060g、8.61mmol)、ヨウ化銅(I)(0.328g、1.722mmol)、リン酸三カリウム一水和物(4.63g、20.09mmol)及び70mLのDMSOを添加した。混合物を窒素でパージし、窒素下で一晩200℃まで加熱した。冷却した反応混合物を酢酸エチル及び水で希釈し、層を分離した。水層を酢酸エチルで抽出した。有機層を10%LiCl溶液、ブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、蒸発させたところ、茶色の油状物が残った。30%及び40%酢酸エチル/ヘキサンで溶出するカラムクロマトグラフィーによって前記油状物を精製した(2.07g、76%)。
【化150】
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【0258】
化合物30の合成。500mLの丸底フラスコに、2−(3−(3−(1−(2,6−ジイソプロピルフェニル)−1H−イミダゾール−2−イル)フェノキシ)フェニル)ピリジン(2.07g、4.37mmol)、テトラクロロ白金酸カリウム(1.649g、3.97mmol)及び80mLの酢酸を添加した。混合物に30分間窒素を吹き込み、次いで、窒素下で一晩140℃まで加熱した。2日間後、冷却した反応混合物を濾過したところ、黄色の固体が残り、これをヘキサンで洗浄した(2.61g)。50%及び60%ジクロロメタン/ヘキサンで溶出するカラムクロマトグラフィーによって前記固体を精製した。物質を一晩290℃で昇華させた(1g、38%)。
【0259】
化合物161の合成
【化151】
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【0260】
2−(3−ブロモ−5−メチルフェニル)−4,4,5,5,−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロランの合成。密封可能な容器に、1−ブロモ−3−メチルベンゼン(20g、117mmol)、4,4’−ジ−t−ブチル−2,2’−ビピリジン(0.314g、1.169mmol)、4,4,4’,4’,5,5,5’,5’−オクタメチル−2,2’−ビ(1,3,2−ジオキサボロラン)(22.27g、88mmol)、[Ir(COD)OMe](0.388g、0.585mmol)及び160mLのTHFを添加した。容器を密封し、一晩80℃まで加熱した。溶媒を蒸発させ、残渣を次の工程でそのまま用いた。収量は、26.1gであると推定された。
【化152】
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3−ブロモ−5−メチルベンゾニトリルの合成。密封可能な容器に、2−(3−ブロモ−5−メチルフェニル)−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン(26.1g、88mmol)、硝酸銅(II)三水和物(42.5g、176mmol)、シアン化亜鉛(31.0g、264mmol)、フッ化セシウム(13.35g、88mmol)、125mLのメタノール及び50mLの水を添加した。容器を密封し、5時間100℃まで加熱した。反応混合物を冷却し、不溶性の茶褐色の固体を濾過し、酢酸エチル及び水で洗浄した。層を分離し、水層を酢酸エチルで抽出した。有機層をブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、蒸発させた。5%及び10%酢酸エチル/ヘキサンで溶出するカラムクロマトグラフィーによって残渣を精製した(3.4g、20%)。
【化153】
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【0261】
3−ブロモ−N−(2,6−ジイソプロピルフェニル)−5−メチルベンズイミドアミドの合成。250mLの3つ口丸底フラスコに、2,6−ジイソプロピルアニリン(2.365g、13.34mmol)及び70mLのトルエンを添加した。溶液を窒素下にて氷浴で冷却し、滴下漏斗を介してトリメチルアルミニウム(トルエン中2.0M、9.34mL、18.68mmol)を滴下した。反応混合物を2時間室温で撹拌した。次に、30mLのトルエン中3−ブロモ−5−メチルベンゾニトリル(3.4g、17.34mmol)を添加し、反応混合物を窒素下で一晩70℃まで加熱した。前記反応混合物を氷浴で冷却し、シリカゲルの2:1ジクロロメタン/メタノール(v/v)撹拌スラリーに注いだ。シリカゲルを濾取し、ジクロロメタン及びメタノールで洗浄した。濾液を蒸発させたところ、固体が残った。ヘキサンを溶媒に添加し、固体を濾取し、ヘキサンで洗浄した(2.92g、59%)。
【化154】
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【0262】
2−(3−ブロモ−5−メチルフェニル)−1−(2,6−ジイソプロピルフェニル)−1H−イミダゾールの合成。250mLの丸底フラスコに、3−ブロモ−N−(2,6−ジイソプロピルフェニル)−5−メチルベンズイミドアミド(2.92g、7.82mmol)、2−クロロアセトアルデヒド(50%、2.456g、15.64mmol)、重炭酸ナトリウム(1.314g、15.64mmol)、60mLの2−プロパノールを添加した。反応混合物を窒素下で一晩加熱還流させた。前記反応混合物を冷却し、酢酸エチル及び水で希釈した。層を分離し、水層を酢酸エチルで抽出した。有機層を10%LiCl溶液、ブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、蒸発させた。15%及び20%酢酸エチル/ヘキサンで溶出するカラムクロマトグラフィーによって物質を精製して、所望の生成物を得た(2.45g、79%)。
【化155】
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【0263】
2,2’−(オキシビス(3−メチル−5,1−フェニレン))ビス(1−(2,6−ジイソプロピルフェニル)−1H−イミダゾールの合成。125mLの3つ口丸底フラスコに、3−(1−(2,6−ジイソプロピルフェニル)−1H−イミダゾール−2−イル)−5−メチルフェノール(0.979g、2.93mmol)、2−(3−ブロモ−5−メチルフェニル)−1−(2,6−ジイソプロピルフェニル)−1H−イミダゾール(1.28g、3.22mmol)、ピコリン酸(0.541g、4.39mmol)、ヨウ化銅(I)(0.167g、0.879mmol)、リン酸三カリウム一水和物(2.360g、10.25mmol)及び50mLのDMSOを添加した。混合物に窒素を直接吹き込み、窒素下で一晩200℃まで加熱した。反応混合物を酢酸エチル及び水で希釈した。混合物をセライト(登録商標)で濾過し、酢酸エチル及び水で洗浄した。層を分離し、水層を酢酸エチルで抽出した。有機層をブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、蒸発させたところ、残渣が残った。30%酢酸エチル/ヘキサン〜酢酸エチルで溶出するカラムクロマトグラフィーによって前記残渣を精製して所望の生成物を得た(0.98g、51%)。
【化156】
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【0264】
化合物161の合成。250mLの丸底フラスコに、2,2’−(オキシビス(3−メチル−5,1−フェニレン))ビス(1−(2,6−ジイソプロピルフェニル)−1H−イミダゾール)(1.6g、2.458mmol)、テトラクロロ白金酸カリウム(0.928g、2.235mmol)及び40mLの酢酸を添加した。混合物に30分間窒素を吹き込んだ。反応混合物を3日間140℃まで加熱した。反応物を冷却し、ヘキサンで希釈した。黄色の固体を濾取し、ヘキサンで洗浄した。1:1ジクロロメタン/ヘキサンで溶出するカラムクロマトグラフィーによって物質を精製して、白金錯体を得た(0.2g、10%)。
【0265】
化合物164の合成
【化157】
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【0266】
2,2’−(オキシビス(3−フェニル−5,1−フェニレン))ビス(1−(2,6−ジイソプロピルフェニル)−1H−イミダゾールの合成。125mLの3つ口丸底フラスコに、3−(1−(2,6−ジイソプロピルフェニル)−1H−イミダゾール−2−イル)フェノール(2g、6.24mmol)、2−(5−ブロモ−(1,1−ビフェニル−3−イル)−メチルフェニル)−1H−イミダゾール(2.87g、6.24mmol)、ピコリン酸(0.119g、0.624mmol)、ヨウ化銅(I)(0.154g、0.624mmol)、リン酸三カリウム一水和物(2.65g、12.48mmol)及び50mLのDMSOを添加した。混合物に窒素を直接吹き込み、窒素下で一晩200℃まで加熱した。反応混合物を酢酸エチル及び水で希釈した。混合物をセライト(登録商標)で濾過し、酢酸エチル及び水で洗浄した。層を分離し、水層を酢酸エチルで抽出した。有機層をブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、蒸発させたところ、残渣が残った。30%酢酸エチル/ヘキサンで溶出するカラムクロマトグラフィーによって前記残渣を精製して、2.6g(収率60%)の生成物を得た。
【化158】
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【0267】
化合物164の合成。250mLの丸底フラスコに、1−(2,6−ジイソプロピルフェニル)−2−(3−((5−(1−(2,6−ジイソプロピルフェニル)−1H−イミダゾール−2−イル)−[1,1’−ビフェニル]−3−イル)オキシ)フェニル)−1H−イミダゾール(2.5g、3.58mmol)、テトラクロロ白金酸カリウム(1.35g、3.25mmol)及び100mLの酢酸を添加した。混合物に30分間窒素を吹き込んだ。反応混合物を3日間140℃まで加熱した。反応物を冷却した。生成物は、酢酸に可溶性であった。溶媒を蒸発させた。30%ジクロロメタン/ヘキサンで溶出するカラムクロマトグラフィーによって物質を精製して、所望の生成物を得た(0.3g、10%)。
【0268】
化合物165の合成
【化159】
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【0269】
3−メトキシ−N−(o−トリル)ベンズアミドの合成。500mLの3つ口丸底フラスコに、o−トルイジン(4.50g、42.0mmol)及び150mLのトルエンを添加した。溶液を窒素下で氷浴中にて冷却した。トリメチルアルミニウム(トルエン中2.0M、29.4mL、58.8mmol)を、滴下漏斗を介して滴下した。反応混合物を窒素下で2時間室温にて撹拌した。次に、50mLのトルエン中3−メトキシベンゾニトリル(7.27g、54.6mmol)を添加し、反応混合物を窒素下で一晩70℃まで加熱した。前記反応混合物を氷浴中にて冷却し、シリカゲルの2:1ジクロロメタン/メタノール撹拌スラリーに注いだ。シリカゲルを濾過し、ジクロロメタン及びメタノールで洗浄した。濾液を蒸発させたところ、固体が残った。前記固体をヘキサンを用いて粉砕し、濾過し、ヘキサンで洗浄した(6g、59%)。
【化160】
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【0270】
2−(3−メトキシフェニル)−1−(o−トリル)−1H−イミダゾールの合成。500mLの丸底フラスコに、3−メトキシ−N−(o−トリル)ベンズイミドアミド(6g、24.97mmol)、2−クロロアセトアルデヒド(6.34mL、49.9mmol)、重炭酸ナトリウム(4.20g、49.9mmol)及び100mLの2−プロパノールを添加した。反応混合物を窒素下で加熱還流させた。前記反応混合物を濃縮し、水を添加し、混合物を酢酸エチルで3回抽出した。有機抽出物を硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、蒸発させた。40%酢酸エチル/ヘキサンで溶出するカラムクロマトグラフィーによって残渣を精製した(5.58g、85%)。
【化161】
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【0271】
3−(1−(o−トリル)−1H−イミダゾール−2−イル)フェノールの合成。500mLの丸底フラスコに、2−(3−メトキシフェニル)−1−(o−トリル)−1H−イミダゾール(5.58g、21.11mmol)及び塩酸ピリジン(19.52g、169mmol)を添加した。反応混合物を5時間200℃まで加熱した。反応物を僅かに冷却し、水を添加し、氷浴中にて冷却した。混合物を窒素下で一晩撹拌した。灰色の固体を濾取し、水で洗浄し、加熱しながら真空下で乾燥させて、2.4gの固体を得た。濾液を、10%水酸化ナトリウム溶液を用いてpH7に調整したところ、溶液から生成物が更に沈殿した。固体を濾取し、水で洗浄し、乾燥させて、1.85gの生成物を得た(4.25g、80%)。
【化162】
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【0272】
3−ヨード−N−(o−トリル)ベンズアミドの合成。500mLの3つ口丸底フラスコに、o−トルイジン(3.60g、33.6mmol)及び150mLのトルエンを添加した。溶液を、窒素下で氷浴中にて冷却した。トリメチルアルミニウム(トルエン中2.0M、23.51mL、47.0mmol)を、滴下漏斗を介して滴下した。反応混合物を2時間室温で撹拌した。次に、トルエン(50mL)中3−ヨードベンゾニトリル(10g、43.7mmol)を添加し、反応混合物を窒素下で一晩70℃まで加熱した。反応混合物を氷浴中にて冷却し、シリカゲルの2:1ジクロロメタン/メタノール撹拌スラリーに注いだ。シリカゲルを濾取し、ジクロロメタン及びメタノールで洗浄した。濾液を蒸発させたところ、残渣が残った。固体をヘキサンを用いて粉砕し、濾過し、ヘキサンで洗浄した(7.77g、69%)。
【化163】
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【0273】
2−(3−ヨードフェニル)−1−(o−トリル)−1H−イミダゾールの合成。500mLの丸底フラスコに、3−ヨード−N−(o−トリル)ベンズイミドアミド(7.77g、23.11mmol)、2−クロロアセトアルデヒド(5.87mL、46.2mmol)、重炭酸ナトリウム(3.88g、46.2mmol)、及び100mLの2−プロパノールを添加した。反応混合物を5時間窒素下で加熱還流させた。前記反応混合物を濃縮し、水を添加し、混合物を酢酸エチルで3回抽出した。有機抽出物を硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、蒸発させた。40%及び50%酢酸エチル/ヘキサンで溶出するカラムクロマトグラフィーによって残渣を精製した(4.6g、55%)。
【化164】
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【0274】
2,2’−(オキシビス(3,1−フェニレン))ビス(1−(o−トリル)−1H−イミダゾール)の合成。250mLの丸底フラスコに、3−(1−(o−トリル)−1H−イミダゾール−2−イル)フェノール(2.009g、8.03mmol)、2−(3−ヨードフェニル)−1−(o−トリル)−1H−イミダゾール(3.18g、8.83mmol)、ピコリン酸(1.482g、12.04mmol)、ヨウ化銅(I)(0.459g、2.408mmol)、リン酸三カリウム一水和物(6.47g、28.1mmol)、及び80mLのDMSOを添加した。混合物に窒素を直接吹き込み、窒素下で一晩150℃まで加熱した。反応混合物を室温まで冷却し、水を添加し、酢酸エチルで2回抽出し、硫酸マグネシウムで抽出物を乾燥させ、濾過し、蒸発させた。80%酢酸エチル/ヘキサンで溶出するカラムクロマトグラフィーによって残渣を精製した(2.12g、55%)。
【化165】
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【0275】
化合物165の合成。250mLの丸底フラスコに、2,2’−(オキシビス(3,1−フェニレン))ビス(1−(o−トリル)−1H−イミダゾール)(2.08g、4.31mmol)、テトラクロロ白金酸カリウム(1.626g、3.92mmol)及び80mLの酢酸を添加した。反応混合物に30分間窒素を吹き込み、次いで、窒素下で2日間140℃まで加熱した。反応混合物を冷却し、橙色の固体を濾取した。前記固体を、15%トリエチルアミン/ヘキサンで前処理したカラムを用いてカラムクロマトグラフィーによって2回精製した。最初のカラムは、70%ジクロロメタン/ヘキサンで溶出し、2回目のカラムは、50%ジクロロメタン/ヘキサンで溶出した(0.09g、3%)。
【0276】
化合物29の合成
【化166】
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【0277】
N−フェニル−3−(ピリジン−2−イル)アニリンの合成。2−(3−ブロモフェニル)ピリジン(4g、17.09mmol)、Pd(dba)(0.156g、0.171mmol)、ジシクロヘキシル(2’,6’−ジメトキシ−[1,1’−ビフェニル]−2−イル)ホスフィン(S−Phos)(0.281g、0.683mmol)及びナトリウムt−ブトキシド(2.463g、25.6mmol)を100mLのキシレン中で混合した。溶液に20分間窒素を吹き込んだ。アニリン(2.387g、25.6mmol)を添加した。反応物を6時間加熱還流させた。室温まで冷却した後、ジクロロメタンを添加した。混合物をセライト(登録商標)で濾過した。次いで、溶媒を蒸発させた。残渣をセライト(登録商標)にコーティングし、1:5ヘキサン/酢酸エチルでカラム精製して、薄黄色の固体としてN−フェニル−3−(ピリジン−2−イル)アニリン(3.6g、14.62mmol、収率86%)を得た。
【化167】
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【0278】
3−(1−(2,6−ジイソプロピルフェニル)−1H−イミダゾール−2−イル)−N−フェニル−N−(3−(ピリジン−2−イル)フェニル)アニリンの合成。2−(3−ブロモフェニル)−1−(2,6−ジイソプロピルフェニル)−1H−イミダゾール(2.8g、7.30mmol)、Pd(dba)(0.067g、0.073mmol)、ジシクロヘキシル(2’,6’−ジメトキシ−[1,1’−ビフェニル]−2−イル)ホスフィン(S−Phos)(0.120g、0.292mmol)及びナトリウムt−ブトキシド(1.053g、10.96mmol)を100mLのキシレン中で混合した。溶液に20分間窒素を吹き込んだ。N−フェニル−3−(ピリジン−2−イル)アニリン(1.979g、8.03mmol)を添加した。反応物を6時間加熱還流させた。室温まで冷却した後、ジクロロメタンを添加した。混合物をセライト(登録商標)で濾過した。次いで、溶媒を蒸発させた。残渣をセライト(登録商標)にコーティングし、ヘキサン/酢酸エチル(3:1)でカラム精製して、3−(1−(2,6−ジイソプロピルフェニル)−1H−イミダゾール−2−イル)−N−フェニル−N−(3−(ピリジン−2−イル)フェニル)アニリンを得た(3.66g、6.67mmol、収率91%)。
【化168】
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【0279】
化合物29の合成。3−(1−(2,6−ジイソプロピルフェニル)−1H−イミダゾール−2−イル)−N−フェニル−N−(3−(ピリジン−2−イル)フェニル)アニリン(2.85g、5.19mmol)及びテトラクロロ白金酸カリウム(2.156g、5.19mmol)を100mLの酢酸中で混合した。混合物に20分間窒素を吹き込んだ。反応混合物を3日間140℃まで加熱した。冷却した後、水を添加した。固体を濾過によって収集し、溶媒として2:1のジクロロメタン及びヘキサンを用いてカラムによって精製して、白金錯体を得た(1.2g、1.618mmol、収率31.1%)。
【0280】
化合物166の合成
【化169】
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【0281】
2−ニトロ−[1,1’−ビフェニル]−4−カルボニトリルの合成。4−クロロ−3−ニトロベンゾニトリル(10g、54.8mmol)、フェニルボロン酸(8.68g、71.2mmol)、Pddba(1.002g、1.096mmol)、及び2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,6’−ジメトキシビフェニル(S−Phos)(1.797g、4.38mmol)を500mLの3つ口フラスコに入れた。次いで、トルエン(250mL)を反応混合物に入れ、次いで、60mLの水に溶解しているリン酸三カリウム一水和物(35.3g、153mmol)を入れた。この混合物を窒素で脱気し、次いで、一晩加熱還流させた。反応混合物を室温まで冷却し、次いで、水で分配した。トルエン層を硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、真空下で乾燥させた。この粗残渣を、溶出剤として15%〜35%酢酸エチル/ヘキサンを用いてシリカゲルカラムに通した。生成物画分を合わせ、真空下で溶媒を除去した。この粗生成物を、酢酸エチル/ヘキサンを用いて粉砕した。生成物である2−ニトロ−[1,1’−ビフェニル]−4−カルボニトリル(8.87g、39.6mmol、収率72.2%)を、濾過を介して黄色の固体として単離した。
【化170】
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【0282】
9H−カルバゾール−2−カルボニトリルの合成。2−ニトロ−[1,1’−ビフェニル]−4−カルボニトリル(8.87g、39.6mmol)及びトリフェニルホスフィン(25.9g、99mmol)を、90mLの1,2−ジクロロベンゼンを含む反応フラスコに入れた。この混合物を撹拌し、24時間加熱還流させた。反応混合物を50mLのトルエンで希釈し、次いで、中性アルミナカラムに直接ロードした。前記カラムを100%トルエン、次いで、5%酢酸エチル/トルエン(v/v)で溶出した。生成物画分を合わせ、真空下で濃縮した。次いで、この生成物を、シリカゲルカラムに通し、先ず80%〜99%DCM/ヘキサン、次いで5%酢酸エチル/DCMで溶出した。生成物である9H−カルバゾール−2−カルボニトリル(2.75g、14.31mmol、収率36.2%)を薄茶褐色として単離した。
【化171】
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【0283】
9−(3−(1−(2,6−ジイソプロピルフェニル)−1H−イミダゾール−2−イル)フェニル)−9H−カルバゾール−2−カルボニトリルの合成。2−(3−ブロモフェニル)−1−(2,6−ジイソプロピルフェニル)−1H−イミダゾール(4.39g、11.45mmol)、9H−カルバゾール−2−カルボニトリル(2g、10.40mmol)、Pddba(0.333g、0.364mmol)及び2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,6’ジメトキシビフェニル(S−Phos)(0.597g、1.457mmol)を、300mLのm−キシレンを含む反応フラスコに入れた。乳鉢と乳棒とを用いて無水リン酸三カリウム(3.86g、18.21mmol)を微粉に粉砕し、次いで、反応混合物に添加した。前記反応混合物を窒素で脱気し、次いで、5 1/2日間加熱還流させた。この二相混合物をセライト(登録商標)のプラグに通して、幾つかの不溶性の物質を除去した。有機層を分離し、硫酸マグネシウムで乾燥させた。有機物を濾過し、真空下で濃縮した。25%酢酸エチル/10%DCM/ヘキサンを用いてシリカゲルカラムに粗残渣を通した。生成物画分から、茶褐色の固体として9−(3−(1−(2,6−ジイソプロピルフェニル)−1H−イミダゾール−2−イル)フェニル)−9H−カルバゾール−2−カルボニトリルが得られた(収率93.4%)。
【化172】
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【0284】
N−(2,6−ジイソプロピルフェニル)−9−(3−(1−(2,6−ジイソプロピルフェニル)−1H−イミダゾール−2−イル)フェニル)−9H−カルバゾール−2−カルボキシイミドアミド:2,6−ジイソプロピルアニリン(3.5g、19.74mmol)を、100mLのトルエンを含む反応フラスコに入れた。この混合物を0℃まで冷却し、次いで、15分間トルエン中2.0Mトリメチルアルミニウム(18mL、36.0mmol)を滴下した。冷却浴を除去し、反応混合物を2 1/2日間室温で撹拌した。9−(3−(1−(2,6−ジイソプロピルフェニル)−1H−イミダゾール−2−イル)フェニル)−9H−カルバゾール−2−カルボニトリル(8.35g、16.88mmol)を、20mLのトルエンと共に反応混合物でスラリー化した。反応混合物を90℃の浴温で2 1/2日間加熱した。反応混合物を室温まで冷却し、次いで、メタノール50mL/DCM100mL/シリカゲル50gの冷混合物に少しずつ添加した。この混合物を室温で1/2時間撹拌し、次いで、セライト(登録商標)のパッドで濾過した。濾液を濃縮し、真空下で乾燥させたところ、黄色の泡状固体として所望のアミジン生成物が残った。(11.3g、16.84mmol、収率100%)。
【化173】
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【0285】
2−(1−(2,6−ジイソプロピルフェニル)−1H−イミダゾール−2−イル)−9−(3−(1−(2,6−ジイソプロピルフェニル)−1H−イミダゾール−2−イル)フェニル)−9H−カルバゾールの合成。アミジン中間体(11.3g、16.84mmol)、2−クロロアセトアルデヒド(5.5g、35.0mmol)及び重炭酸ナトリウム(3.6g、42.9mmol)を、150mLの2−プロパノールを含む反応フラスコに入れた。この反応混合物を撹拌し、48時間加熱還流させた。反応混合物を300mLの水で希釈し、次いで、3×300mLの酢酸エチルで抽出した。これら抽出物を合わせ、硫酸マグネシウムで乾燥させた。前記抽出物を濾過し、真空下で蒸発させた。粗残渣を7%〜30%アセトン/DCMを用いてシリカゲルカラムに通した。生成物画分から、薄茶褐色の固体として2−(1−(2,6−ジイソプロピルフェニル)−1H−イミダゾール−2−イル)−9−(3−(1−(2,6−ジイソプロピルフェニル)−1H−イミダゾール−2−イル)フェニル)−9H−カルバゾール(6.1g、8.77mmol、収率52.0%)が得られた。
【化174】
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【0286】
化合物166の合成。2−(1−(2,6−ジイソプロピルフェニル)−1H−イミダゾール−2−イル)−9−(3−(1−(2,6−ジイソプロピルフェニル)−1H−イミダゾール−2−イル)フェニル)−9H−カルバゾール(2.93g、4.21mmol)と、白金(II)アセチルアセトネート(0.828g、2.11mmol)と、10滴のトリデカンとを反応容器に入れた。この混合物を排気し、窒素を導入し、次いで、230℃の砂浴温度で38時間加熱した。反応物を室温まで冷却し、粗残渣を、20%トリエチルアミン/ヘキサンで前処理したシリカゲルカラムに通した。前記カラムを30%DCM/ヘキサンで溶出して、所望の白金錯体を得た(1.87g、収率100%)。
【0287】
化合物50の合成
【化175】
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【0288】
2−(3−クロロフェニル)キノリンの合成。2−クロロキノリン(9.25g、56.5mmol)、(3−クロロフェニル)ボロン酸(9.28g、59.4mmol)、Pd(PPh(1.634g、1.413mmol)を、300mLの1,2−ジメトキシエタンを含む反応フラスコに入れた。炭酸ナトリウム(14.98g、141mmol)を50mLの水に溶解させ、反応フラスコに入れた。次いで、前記反応フラスコを排気し、窒素を導入し、次いで、20時間加熱還流させた。有機層を分離し、硫酸マグネシウムで乾燥させた。有機物を濾過し、真空下でストリッピングした。粗残渣を、5%〜25%酢酸エチル/ヘキサンを用いてシリカゲルカラムに通して、白色の固体として2−(3−クロロフェニル)キノリン(10.5g、収率77%)を得た。
【化176】
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【0289】
N−フェニル−3−(キノリン−2−イル)アニリンの合成。アニリン(2.75g、29.6mmol)、2−(3−クロロフェニル)キノリン(5.25g、21.90mmol)、ナトリウムt−ブトキシド(3.36g、35.0mmol)、Pddba(0.501g、0.548mmol)、及び2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,6’−ジメトキシビフェニル(S−Phos)(0.898g、2.190mmol)を、200mLのトルエンを含む反応フラスコに入れた。この混合物を排気し、窒素を導入し、次いで、20時間加熱還流させた。反応混合物を室温まで冷却し、次いで、200mLの水で希釈した。トルエン層を分離し、水性物を100mLのトルエンで抽出した。有機抽出物を合わせ、真空下で除去した。粗残渣を、75%DCM/ヘキサンを用いてシリカゲルカラムに通し、次いで、1%〜5%酢酸エチル/DCMを用いてシリカゲルカラムに通した。透明な生成物画分を合わせ、真空下で溶媒を除去して、N−フェニル−3−(キノリン−2−イル)アニリン(3g、10.12mmol、収率46.2%)を得た。
【化177】
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【0290】
3−(1−(2,6−ジイソプロピルフェニル)−1H−イミダゾール−2−イル)−N−フェニル−N−(3−(キノリン−2−イル)フェニル)アニリンの合成。N−フェニル−3−(キノリン−2−イル)アニリン(3g、10.12mmol)、ナトリウムt−ブトキシド(1.555g、16.20mmol)、2−(3−ブロモフェニル)−1−(2,6−ジイソプロピルフェニル)−1H−イミダゾール(4.07g、10.63mmol)、Pddba(0.232g、0.253mmol)及び2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,6’−ジメトキシビフェニル(S−Phos)(0.415g、1.012mmol)を、250mLのトルエンを含む反応容器に入れた。この混合物を排気し、窒素を導入した。次いで、反応混合物を20時間加熱還流させた。前記反応混合物を室温まで冷却し、次いで、200mLの水で希釈した。トルエン層を分離し、水性物を100mLのトルエンで抽出した。有機抽出物を合わせ、真空下で除去した。粗残渣を、5%〜25%酢酸エチル/DCMを用いてシリカゲルカラムに通して、黄色の泡状固体として3−(1−(2,6−ジイソプロピルフェニル)−1H−イミダゾール−2−イル)−N−フェニル−N−(3−(キノリン−2−イル)フェニル)アニリン(5.5g、収率91%)を得た。
【化178】
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【0291】
化合物50の合成。3−(1−(2,6−ジイソプロピルフェニル)−1H−イミダゾール−2−イル)−N−フェニル−N−(3−(キノリン−2−イル)フェニル)アニリン(4.5g、7.52mmol)及びテトラクロロ白金酸カリウム(II)(2.58g、7.67mmol)を、150mLの酢酸を含む反応容器に入れた。この混合物を窒素で1/2時間脱気し、次いで、30時間加熱還流させた。酢酸を真空下でストリッピングし、酢酸エチルを用いて粗生成物を粉砕した。この粗生成物をDCMに溶解させ、重炭酸ナトリウムで洗浄した。有機物を硫酸マグネシウムで乾燥させ、次いで、濾過し、セライト(登録商標)に吸収させた。セライト(登録商標)材料を、10%トリエチルアミン/ヘキサンで前処理したシリカゲルカラムで洗浄した。前記カラムを40%〜60%DCM/ヘキサンで溶出した。最も透明な生成物画分を合わせ、真空下でストリッピングして、暗赤色の固体を得た。この物質をDCM/ヘキサンから4回再結晶化させ、次いで、真空下で昇華させて、所望の白金錯体を得た(1.3g、21.9%)。
【0292】
化合物37の合成
【化179】
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【0293】
1−(3−メトキシフェニル)イソキノリンの合成。1−クロロイソキノリン(7g、42.8mmol)、(3−メトキシフェニル)ボロン酸(8.78g、57.8mmol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)パラジウム(0)(0.783g、0.856mmol)及び2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,6’−ジメトキシビフェニル(S−Phos)(1.403g、3.42mmol)を、250mLのトルエンを含む反応容器に入れた。最後に、リン酸三カリウム一水和物(29.5g、128mmol)を60mLの水に溶解させ、反応混合物に入れた。反応物を窒素ガスで脱気し、次いで、18時間加熱還流させた。反応混合物を室温まで冷却し、トルエン層を分離し、硫酸マグネシウムで乾燥させた。有機物を濾過し、真空下でストリッピングした。25%〜35%酢酸エチル/ヘキサンを用いてシリカゲルクロマトグラフィーによって粗残渣を精製して、粘稠な黄色の油状物として9.4g(93%)の1−(3−メトキシフェニル)イソキノリンを得た。
【化180】
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【0294】
3−(イソキノリン−1−イル)フェノールの合成。1−(3−メトキシフェニル)イソキノリン(9.4g、40.0mmol)及び塩酸ピリジン(42g、363mmol)を、180℃〜190℃の油浴中で5時間加熱した。反応混合物を約150℃まで冷却し、次いで、200mLの水をゆっくりと反応混合物に添加し、それにつれて、前記反応混合物の温度は室温まで低下し続けた。酢酸エチル(200mL)を反応混合物に添加し、この混合物を室温で撹拌した。濾過を介して茶褐色の固体(5.25g)を単離し、真空下で乾燥させた。酢酸エチル部分を分離し、硫酸マグネシウムで乾燥させた。この混合物を濾過し、真空下でストリッピングした。この残渣を酢酸エチルを用いて粉砕し、真空下で濾過した。この固体を5.25gの茶褐色の固体と合わせて、3−(イソキノリン−1−イル)フェノール(6.3g、28.5mmol、収率71.3%)を得た。
【化181】
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【0295】
1−(3−(3−(1−(2,6−ジイソプロピルフェニル)−1H−イミダゾール−2−イル)フェノキシ)フェニル)イソキノリンの合成。3−(イソキノリン−1−イル)フェノール(1.5g、6.78mmol)、炭酸カリウム(2.5g、18.12mmol)、2−(3−ブロモフェニル)−1−(2,6−ジイソプロピルフェニル)−1H−イミダゾール(2.60g、6.78mmol)、ヨウ化銅(I)(0.039g、0.203mmol)及び第二鉄アセチルアセトネート(0.144g、0.407mmol)を、45mLのDMFを含む反応フラスコに入れた。この不均質な混合物を窒素で脱気し、次いで、2 1/2日間135℃〜140℃で加熱した。反応混合物をセライト(登録商標)パッドで濾過し、前記パッドを酢酸エチルですすいだ。濾液を300mLの水で希釈した。次いで、この混合物を2×200mLの酢酸エチルで抽出した。これら抽出物を硫酸マグネシウムで乾燥させ、次いで、濾過し、真空下でストリッピングした。粗残渣を、7%〜15%のアセトン/DCMを用いてシリカゲルカラムに通した。最も透明な画分を合わせ、真空下でストリッピングして、薄茶褐色の固体として1−(3−(3−(1−(2,6−ジイソプロピルフェニル)−1H−イミダゾール−2−イル)フェノキシ)フェニル)イソキノリン(1.45g、収率40.8%)を得た。
【化182】
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【0296】
化合物37の合成。1−(3−(3−(1−(2,6−ジイソプロピルフェニル)−1H−イミダゾール−2−イル)フェノキシ)フェニル)イソキノリン(1.45g、2.77mmol)及びテトラクロロ白金酸カリウム(II)(0.94g、2.79mmol)を、75mLの氷酢酸を含む反応フラスコに入れた。反応混合物を窒素で脱気し、次いで、3日間加熱還流させた。反応混合物を室温まで冷却した。酢酸の大部分を真空下で除去した。残渣を200mLの酢酸エチルに溶解させ、重炭酸ナトリウム水溶液で洗浄した。有機物を硫酸マグネシウムで乾燥させ、次いで、濾過し、真空下でストリッピングした。粗残渣を、60%DCM/ヘキサンを用いてシリカゲルカラムに通した。最も透明な画分を合わせ、溶媒を除去し、物質を真空下で昇華させて、所望の白金錯体を得た(0.75g、収率37.5%)。
【0297】
化合物36の合成
【化183】
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【0298】
2−((3−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル)アミノ)ベンゼン−1−イリウムの合成。3−ブロモ−N−フェニルアニリン(6g、24.18mmol)、4,4,4’,4’,5,5,5’,5’−オクタメチル−2,2’−ビ(1,3,2−ジオキサボロラン)(8.29g、32.6mmol)、Pddba(0.443g、0.484mmol)及び2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,6’−ジメトキシビフェニル(S−Phos)(0.793g、1.935mmol)及び酢酸カリウム(2.78g、28.3mmol)を、200mLの1,4−ジオキサンを含む反応容器に入れた。この混合物を脱気し、窒素雰囲気下に置いた。次いで、混合物を一晩還流させた。反応混合物を室温まで冷却し、次いで、300mLの水で希釈した。この混合物を酢酸エチルで抽出した。この抽出物を硫酸マグネシウムで乾燥させ、次いで、濾過し、真空下でストリッピングした。粗残渣を、2%〜15%酢酸エチル/ヘキサンを用いてシリカゲルカラムに通した。最も透明な生成物画分を合わせ、真空下でストリッピングして、黄色の油状物として2−((3−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル)アミノ)ベンゼン−1−イリウム(4.3g、収率60.7%)を得た。
【化184】
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【0299】
2−((3−(イソキノリン−1−イル)フェニル)アミノ)ベンゼン−1−イリウムの合成。1−クロロイソキノリン(2.000g、12.22mmol)、2−((3−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル)アミノ)ベンゼン−1−イリウム(4.3g、14.67mmol)、Pddba(0.224g、0.244mmol)及び2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,6’−ジメトキシビフェニル(S−Phos)(0.401g、0.978mmol)を、200mLのトルエンを含む反応フラスコに入れた。リン酸三カリウム一水和物(7.31g、31.8mmol)を30mLの水に溶解させ、反応フラスコに入れた。この混合物を窒素で脱気し、18時間加熱還流させた。トルエン層を分離し、真空下で乾燥させた。粗残渣を、5%〜65%酢酸エチル/ヘキサンを用いてシリカゲルに通した。最も透明な画分を合わせ、真空下でストリッピングして、2−((3−(イソキノリン−1−イル)フェニル)アミノ)ベンゼン−1−イリウム(1.65g、収率45.9%)を得た。
【化185】
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【0300】
3−(1−(2,6−ジイソプロピルフェニル)−1H−イミダゾール−2−イル)−N−(3−(イソキノリン−1−イル)フェニル)−N−フェニルアニリンの合成。3−(イソキノリン−1−イル)−N−フェニルアニリン(1.65g、5.57mmol)、2−(3−ブロモフェニル)−1−(2,6−ジイソプロピルフェニル)−1H−イミダゾール(2.256g、5.89mmol)、ナトリウムt−ブトキシド(0.802g、8.35mmol)、Pddba(0.102g、0.111mmol)及び2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,6’−ジメトキシビフェニル(S−Phos)(0.184g、0.449mmol)を、150mLのトルエンを含む反応容器に入れた。この混合物を排気し、窒素を導入した。次いで、反応混合物を18時間加熱還流させた。反応混合物を室温まで冷却し、次いで、75mLの水で希釈した。次いで、この混合物をセライト(登録商標)のパッドで濾過した。トルエン層を分離し、硫酸マグネシウムで乾燥させた。有機物を濾過し、真空下でストリッピングした。粗残渣を、2%〜40%の酢酸エチル/DCMを用いてシリカゲルに通して、3−(1−(2,6−ジイソプロピルフェニル)−1H−イミダゾール−2−イル)−N−(3−(イソキノリン−1−イル)フェニル)−N−フェニルアニリン(2.60g、4.34mmol、収率78%)を得た。
【化186】
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【0301】
化合物36の合成。3−(1−(2,6−ジイソプロピルフェニル)−1H−イミダゾール−2−イル)−N−(3−(イソキノリン−1−イル)フェニル)−N−フェニルアニリン(2.65g、4.43mmol)及びテトラクロロ白金酸カリウム(II)(1.526g、4.53mmol)を、80mLの酢酸を含む反応フラスコに入れた。この混合物を30分間窒素で脱気し、次いで、2 1/2日間加熱還流させた。反応混合物を真空下でストリッピングした。粗生成物を酢酸エチルに溶解させ、次いで、重炭酸ナトリウム水溶液で洗浄した。有機物を硫酸マグネシウムで乾燥させ、次いで、濾過し、真空下でストリッピングした。粗残渣を、先ず、50%DCM/ヘキサンを用いてシリカゲルカラムに通し、次いで、20%トリエチルアミン/ヘキサンで処理したシリカゲルカラムに通した。このカラムを35%DCM/ヘキサンで溶出した。溶媒を除去し、所望の生成物を真空下で昇華させて、所望の白金錯体を得た(0.50g、0.631mmol、収率14%)。
【0302】
化合物Dの合成
【化187】
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【0303】
3−ヨード−N−フェニルベンズイミドアミドの合成。500mLの3つ口丸底フラスコに、アニリン(3.13g、33.6mmol)及び150mLのトルエンを添加した。溶液を窒素下で氷浴中にて冷却した。次に、トリメチルアルミニウムのトルエン溶液を滴下漏斗を介して滴下し(2.0M、23.5mL、47.0mmol)、反応混合物を2時間室温で撹拌した。次に、トルエン(50mL)中3−ヨードベンゾニトリル(10g、44mmol)を添加し、反応混合物を窒素下で一晩70℃まで加熱した。前記反応混合物を氷浴中にて冷却し、次いで、シリカゲルの2:1ジクロロメタン/メタノール撹拌スラリーに注いだ。シリカゲルを濾取し、ジクロロメタン及びメタノールで洗浄した。濾液を蒸発させたところ、固体が残り、これをヘキサンを用いて粉砕し、濾過し、更にヘキサンで洗浄し、乾燥させた(7.84g、73%)。
【化188】
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【0304】
2−(3−ヨードフェニル)−1−フェニル−1H−イミダゾールの合成。500mLの丸底フラスコに、3−ヨード−N−フェニルベンズイミドアミド(7.84g、24.34mmol)、2−クロロアセトアルデヒド溶液(50%、6.7mL、48.7mmol)、重炭酸ナトリウム(4.09g、48.7mmol)及び150mLの2−プロパノールを添加した。反応混合物を窒素下で3時間加熱還流させた。溶媒を真空下で除去し、残渣を酢酸エチルに溶解させた。酢酸エチル溶液を水、ブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、蒸発させた。残渣を、20%〜40%酢酸エチル/ヘキサンで溶出するカラムクロマトグラフィーによって精製した(4.67g、55%)。
【化189】
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【0305】
3−メトキシ−N−フェニルベンズイミドアミドの合成。500mLの3つ口丸底フラスコに、アニリン(5.38g、57.8mmol)及び150mLのトルエンを添加した。溶液を窒素下で氷浴中にて冷却した。次に、トルエン中トリメチルアルミニウムを滴下漏斗を介して滴下し(2.0M、40.4mL、81mmol)、反応混合物を2時間室温で撹拌した。次に、トルエン(50mL)中3−メトキシベンゾニトリル(10g、75mmol)を添加し、反応混合物を窒素下で一晩70℃まで加熱した。前記反応混合物を氷浴中にて冷却し、次いで、シリカゲルの2:1ジクロロメタン/メタノール撹拌スラリーに注いだ。シリカゲルを濾取し、ジクロロメタン及びメタノールで洗浄した。濾液を蒸発させたところ、固体が残り、これをヘキサンを用いて粉砕し、濾過し、更にヘキサンで洗浄し、乾燥させて、所望の生成物を得た(7.81g、60%)。
【化190】
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【0306】
2−(3−メトキシフェニル)−1−フェニル−1H−イミダゾールの合成。500mLの丸底フラスコに、3−メトキシ−N−フェニルベンズイミドアミド(7.81g、34.5mmol)、2−クロロアセトアルデヒド溶液(50%、9.4mL、69mmol)、重炭酸ナトリウム(5.80g、69mmol)及び150mLの2−プロパノールを添加した。反応混合物を窒素下で3時間加熱還流させた。溶媒を真空下で除去し、残渣を酢酸エチルに溶解させた。酢酸エチル溶液を水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、蒸発させた。50%及び100%酢酸エチル/ヘキサンで溶出するカラムクロマトグラフィーによって残渣を精製して、純生成物を得た(6.52g、75%)。
【化191】
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【0307】
3−(1−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)フェノールの合成。500mLの丸底フラスコに、2−(3−メトキシフェニル)−1−フェニル−1H−イミダゾール(6.52g、26.0mmol)及び塩酸ピリジン(24.08g、208mmol)を添加した。反応混合物を窒素下で3時間200℃まで加熱した。反応混合物を室温まで冷却し、固体を水に添加した。水性混合物を、水酸化ナトリウム溶液を用いてpH7に調整した。灰色の固体を濾取し、水で洗浄し、乾燥させた(5.38g、83%)。
【化192】
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【0308】
2,2’−(オキシビス(3,1−フェニレン))ビス(1−フェニル−1H−イミダゾール)の合成。500mLの3つ口丸底フラスコに、3−(1−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)フェノール(3.05g、12.26mmol)、2−(3−ヨードフェニル)−1−フェニル−1H−イミダゾール(4.67g、13.49mmol)、ピコリン酸(2.27g、18.40mmol)、ヨウ化銅(I)(0.70g、3.68mmol)、リン酸三カリウム一水和物(9.88g、42.9mmol)及び200mLのDMSOを添加した。混合物に窒素を直接吹き込み、3時間200℃まで加熱し、次いで、窒素下で一晩120℃で加熱した。冷却した反応混合物を酢酸エチル及び水で希釈した。混合物をセライト(登録商標)で濾過し、セライト(登録商標)を酢酸エチル及び水で洗浄した。層を分離し、水層を酢酸エチルで抽出した。有機層をブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、蒸発させた。酢酸エチルで溶出するカラムクロマトグラフィーによって残渣を精製して、純生成物を得た(2.4g、43%)。
【化193】
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【0309】
化合物Dの合成。500mLの丸底フラスコに、2,2’−(オキシビス(3,1−フェニレン))ビス(1−フェニル−1H−イミダゾール)2.4g、5.28mmol)、テトラクロロ白金酸カリウム(1.99g、4.8mmol)及び100mLの酢酸を添加した。混合物に窒素を20分間吹き込んだ。反応混合物を3日間窒素下で140℃まで加熱した。反応混合物を室温まで冷却し、固体を濾取し、ヘキサンで洗浄した。粗固体を、70%ジクロロメタン/ヘキサンで溶出するカラムクロマトグラフィーによって精製した。カラムを20%トリエチルアミン/ヘキサンで前処理し、次いで、使用前にヘキサンですすいだ。物質を一晩300℃で昇華させて、化合物Dを得た(0.96g、31%)。
【0310】
化合物Eの合成
【化194】
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【0311】
(E)−3−ブロモ−N’−フェニルベンズイミドアミドの合成。アニリン(5.12g、55.0mmol)を、100mLのトルエンを含む反応フラスコに入れた。この溶液を、湿潤氷浴を用いて冷却した。トリメチルアルミニウムの2.0Mトルエン溶液(41.2mL、82mmol)を、冷却した反応混合物に15分間滴下した。冷却浴を除去し、反応混合物を2時間室温で撹拌した。3−ブロモベンゾニトリル(10.01g、55mmol)を80mLのトルエンに溶解させ、反応混合物に滴下した。次いで、前記反応混合物を18時間75℃で撹拌した。前記反応混合物を室温まで冷却し、次いで、75gのシリカゲル及び150mLのメタノール/300mLのDCMを含むビーカーにゆっくりと注いだ。この混合物を30分間室温で撹拌し、次いで、セライト(登録商標)のパッドで濾過した。前記パッドをDCM/メタノールですすいだ。濾液を真空下でストリッピングし、粗残渣をヘキサンを用いて粉砕して、(E)−3−ブロモ−N’−フェニルベンズイミドアミド(6.95g、25.3mmol、45.9%)を得た。
【化195】
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【0312】
2−(3−ブロモフェニル)−1−フェニル−1H−イミダゾールの合成。(E)−3−ブロモ−N’−フェニルベンズイミドアミド(6.95g、25.3mmol)、2−クロロアセトアルデヒド(6.94g、44.2mmol)及び重炭酸ナトリウム(5.30g、63.1mmol)を、200mLの2−プロパノールを含む反応フラスコに入れた。この反応混合物を18時間加熱還流させた。前記反応混合物を室温まで冷却し、200mLの水で希釈し、次いで、酢酸エチルで抽出した。抽出物を塩化リチウム水溶液で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させた。次いで、これら乾燥抽出物を濾過し、真空下でストリッピングした。粗残渣を、30%〜35%酢酸エチル/ヘキサンを用いてシリカゲルカラムに通して、2−(3−ブロモフェニル)−1−フェニル−1H−イミダゾール(2.8g、9.36mmol、収率37%)を得た。
【化196】
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【0313】
N−フェニル−3−(1−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)アニリンの合成。2−(3−ブロモフェニル)−1−フェニル−1H−イミダゾール(5.7g、19.05mmol)、アニリン(0.85g、9.13mmol)、ナトリウムt−ブトキシド(2.55g、26.6mmol)、Pddba(0.167g、0.183mmol)及び2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,6’−ジメトキシビフェニル(S−Phos)(0.299g、0.730mmol)を、150mLのm−キシレンを含む反応フラスコに入れた。この混合物を1日間加熱還流させた。反応混合物を100mLの水で希釈し、次いで、セライト(登録商標)のパッドで濾過した。m−キシレン層を分離し、硫酸マグネシウムで乾燥させた。有機物を濾過し、真空下でストリッピングした。粗残渣を、10%〜30%アセトン/DCMを用いてシリカゲルカラムに通して、N−フェニル−3−(1−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)アニリン(1.72g、5.5mmol、収率60.6%)を得た。
【化197】
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【0314】
N−フェニル−3−(1−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)−N−(3−(1−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)フェニル)アニリンの合成。ナトリウムt−ブトキシド(1.082g、11.27mmol)、N−フェニル−3−(1−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)アニリン(2.45g、7.87mmol)、2−(3−ブロモフェニル)−1−フェニル−1H−イミダゾール(2.1g、7.04mmol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)パラジウム(0)(Pddba)(0.161g、0.176mmol)及び2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,6’−ジメトキシビフェニル(S−Phos)(0.289g、0.704mmol)を、100mLのトルエンを含む反応容器に入れた。この混合物を窒素で脱気し、次いで、24時間加熱還流させた。反応混合物を室温まで冷却し、次いで、100mLの水で分配した。トルエン層を分離し、水性物を更なる100mLのトルエンで抽出した。トルエン抽出物を合わせ、硫酸マグネシウムで乾燥させ、次いで、濾過し、真空下でストリッピングした。粗残渣を、シリカゲルカラム(15%〜30%アセトン/DCM)に通し、必要に応じて、中性アルミナクロマトグラフィー(7%〜10%酢酸エチル/DCM)を用いて精製して、N−フェニル−3−(1−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)−N−(3−(1−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)フェニル)アニリン(1.35g、2.55mmol、36.2%)を得た。
【化198】
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【0315】
化合物Eの合成。N−フェニル−3−(1−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)−N−(3−(1−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)フェニル)アニリン(1.35g、2.55mmol)及びテトラクロロ白金酸カリウム(II)(0.876g、2.60mmol)を、75mLの酢酸を含む反応容器に入れた。この混合物を窒素で20分間パージし、2日間加熱還流させた。反応混合物を真空下でストリッピングした。粗反応混合物を酢酸エチルに溶解させ、次いで、重炭酸ナトリウム水溶液で洗浄した。次いで、有機物を硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、真空下でストリッピングした。10%トリエチルアミン/ヘキサンで洗浄したシリカゲルカラムに粗残渣を通した。40%〜60%DCM/ヘキサンでカラムを溶出した。最も透明な生成物画分を合わせ、溶媒を真空下で除去した。次いで、この生成物を真空下で昇華させて、所望の白金錯体を得た(0.5g、0.692mmol、収率27.2%)。
【化199】
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【0316】
2−(2−メトキシビニル)−1,3−ジメチルベンゼンの合成。(メトキシメチル)トリフェニル−ホスホニウムクロリド(34.3g、100mmol)をTHF(100mL)に溶解させ、得られた溶液を−78℃まで冷却した。次いで、温度を−70℃〜−78℃で維持しながら、LiHMDS(100mL、100mmol)(THF中1.0M)を30分間滴下した。冷却浴を除去し、反応物を0℃まで加温した後、−78℃まで再冷却した。2,6−ジメチルベンズアルデヒド(11.18g、83mmol)を100mLのTHFに溶解させ、温度を−70℃〜−78℃で維持しながら30分間反応混合物に滴下した。次いで、前記反応混合物を一晩室温までゆっくりと加温した後、NHCl(飽和)でクエンチし、エーテル(3×100mL)で抽出した。有機層を水及び10%LiCl(水溶液)で洗浄し、乾燥させ、ロータリーエバポレーターにかけて、薄橙色の液体を得た。粗物質を、8/2 ヘキサン/DCMを用いてシリカゲルでクロマトグラフィーにかけて、13.2gの無色の油状物を得た。bulb−to−bulb蒸留(130℃、200mbar)によって、GC/MS及びNMRによって確認したところ、シス異性体とトランス異性体との混合物として11.2g(83%)の2−(2−メトキシビニル)−1,3−ジメチルベンゼンを得た。前記混合物を、更に精製することなしに用いた。
【化200】
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【0317】
2−(2,6−ジメチルフェニル)アセトアルデヒドの合成。濃HCl(35mL、420mmol)を水(55mL)にゆっくりと添加し、次いで、ジオキサン(35mL)中2−(2−メトキシビニル)−1,3−ジメチルベンゼン(11.2g、69.0mmol)を1度に添加した。二相混合物を16時間加熱還流し、室温まで冷却し、酢酸エチル(3×100mL)で抽出した。硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で溶媒を除去した後、粗物質をbulb−to−bulb蒸留(100℃、93mbar)によって精製して、白色の固体として8.8g(86%)の2−(2,6−ジメチルフェニル)アセトアルデヒドを得た。生成物をGC/MS及びNMRによって確認した。
【化201】
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【0318】
2−ブロモ−2−(2,6−ジメチルフェニル)アセトアルデヒドの合成。2−(2,6−ジメチルフェニル)−アセトアルデヒド(4.4g、29.7mmol)をDCM(30mL)及びジオキサン(50mL)に溶解させ、臭素(1.7mL、32.7mmol)のDCM(30mL)溶液を室温で滴下した。反応の完了をGC/MSによって確認した。完了した際、チオ硫酸ナトリウム水溶液を添加し、10分間撹拌した。層を分離し、DCM(100mL)で2回洗浄し、合わせた有機物を10%LiCl水溶液(100mL)で洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で溶媒を除去して、橙色の油状物として7g(93%)の2−ブロモ−2−(2,6−ジメチルフェニル)アセトアルデヒドを得た。NMRによって生成物を確認し、これを更に精製することなしに用いた。
【化202】
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【0319】
8−メトキシフェナントリジン−6−アミンの合成。2−ブロモ−5−メトキシベンゾニトリル(1.32g、6.23mmol)、2−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)アニリン(1.36g、6.23mmol)、ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウムジクロリド(0.437g、0.623mmol)、及びリン酸カリウム一水和物(4.30g、18.68mmol)をトルエン(30mL)及び水(3mL)に添加した。反応混合物を、30分間窒素ガスを吹き込んで脱気した後、15時間窒素下で還流させた。冷却後、反応混合物をセライト(登録商標)で濾過し、有機層を酢酸エチルで抽出した。溶媒を除去した後、40mLのDCM、次いで、50mLのヘキサンを用いて粗物質を粉砕して、薄黄色の固体として8−メトキシフェナントリジン−6−アミン(0.95g、68%)を得た。生成物をGC/MS及びNMRによって確認した。
【化203】
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【0320】
11−メトキシイミダゾ[1,2−f]フェナントリジンの合成。8−メトキシフェナントリジン−6−アミン(0.95g、4.24mmol)、2−クロロアセトアルデヒド(0.807mL、12.71mmol)、及び重炭酸ナトリウム(1.25g、14.83mmol)を43mLの2−プロパノールに添加し、15時間還流させた。室温まで冷却した後、反応混合物をセライト(登録商標)で濾過した。溶媒を除去した後、50mLのヘキサンを用いて粗物質を粉砕して、オフホワイトの固体として11−メトキシイミダゾ[1,2−f]フェナントリジン(0.99g、94%)を得た。生成物をGC/MS及びNMRによって確認した。
【化204】
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【0321】
3−(2,6−ジメチルフェニル)−11−メトキシイミダゾ[1,2−f]フェナントリジンの合成。8−メトキシフェナントリジン−6−アミン(2.2g、9.8mmol)を2−プロパノール(50mL)に懸濁させ、次いで、2−プロパノール(25mL)中2−ブロモ−2−(2,6−ジメチルフェニル)アセトアルデヒド(2.2g、9.8mmol)を1度に添加した。混合物を24時間加熱還流し、次いで、60℃まで冷却した。重炭酸ナトリウム(1.6g、19.6mmol)を添加し、混合物を再度16時間加熱還流させた後、室温まで冷却した。水(100mL)及びDCM(100mL)を層に添加し、水性物をDCM(2×100mL)で洗浄し、合わせた有機物を水(2×100mL)で洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、ロータリーエバポレーターにかけて、粗固体を得、これを8/2 ヘキサン/EtOAcを用いてシリカでクロマトグラフィーにかけて、茶褐色の固体として2.3g(66%)の3−(2,6−ジメチルフェニル)−11−メトキシイミダゾ[1,2−f]フェナントリジンを得た。生成物をGC/MS及びNMRによって確認した。
【化205】
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【0322】
3−(2,6−ジブロモフェニル)−11−メトキシイミダゾ[1,2−f]フェナントリジンの合成。8−メトキシフェナントリジン−6−アミン(8.60g、36.4mmol)を、225mLのイソプロパノールに溶解している2−ブロモ−2−(2,6−ジブロモフェニル)アセトアルデヒド(13.0g、36.4mmol)の溶液に添加し、24時間還流させた。反応混合物を60℃まで冷却し、重炭酸ナトリウム(6.12g、72.9mmol)を添加した。次いで、反応混合物を更に24時間還流させた後、室温まで冷却し、セライト(登録商標)パッドで濾過した。溶媒を減圧下で除去した。粗物質を、20/80 酢酸エチル/ヘキサンを用いてシリカゲルでカラムクロマトグラフィーによって精製した。オフホワイトの固体として3−(2,6−ジブロモフェニル)−11−メトキシイミダゾ[1,2−f]フェナントリジン(12.96g、70%)を単離した。生成物をGC/MS及びNMRによって確認した。
【化206】
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【0323】
3−(2,6−ジ(プロパ−1−エン−2−イル)フェニル)−11−メトキシイミダゾ[1,2−f]フェナントリジンの合成。3−(2,6−ジブロモフェニル)−11−メトキシイミダゾ[1,2−f]フェナントリジン(6.96g、14.43mmol)、リン酸カリウム一水和物(13.30g、57.7mmol)、Pd(dba)(0.66g、0.72mmol)、2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,6’−ジメトキシビフェニル(1.19g、2.89mmol)及び4,4,5,5−テトラメチル−2−(プロパ−1−エン−2−イル)−1,3,2−ジオキサボロラン(27.1mL、144mmol)を、トルエン(130mL)及び水(15mL)に添加した。反応混合物を18時間加熱還流させた後、室温まで冷却し、セライト(登録商標)パッドで濾過した。溶媒を減圧下で除去し、DCM中1%〜8%酢酸エチルを用いてシリカゲルでカラムクロマトグラフィーによって粗物質を精製して、オフホワイトの固体として3−(2,6−ジ(プロパ−1−エン−2−イル)フェニル)−11−メトキシイミダゾ[1,2−f]フェナントリジン(3.4g、57%)を得た。生成物をGC/MS及びNMRによって確認した。
【化207】
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【0324】
3−(2,6−ジイソプロピルフェニル)−11−メトキシイミダゾ[1,2−f]フェナントリジンの合成。3−(2,6−ジ(プロパ−1−エン−2−イル)フェニル)−11−メトキシイミダゾ[1,2−f]フェナントリジン(2.46g、6.08mmol)を100mLのエタノールに溶解させ、窒素ガスを吹き込んで脱気した。10%パラジウム/炭素(1.294g、1.216mmol)及び5%白金/炭素(2.373g、0.608mmol)を、窒素ガス流下で反応混合物に添加した。反応混合物をParr水添装置で12時間50psiにて水添した。還元が完了した後、粗物質をセライト(登録商標)パッドで濾過し、濾液を減圧下で濃縮した。粗生成物を、溶出剤としてDCM/酢酸エチルを用いてシリカゲルでクロマトグラフィーにかけて、オフホワイトの固体として3−(2,6−ジイソプロピルフェニル)−11−メトキシイミダゾ[1,2−f]フェナントリジン(2.1g、85%)を得た。生成物をGC/MS及びNMRによって確認した。
【化208】
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【0325】
イミダゾ[1,2−f]フェナントリジン−11−オールの合成。11−メトキシイミダゾ[1,2−f]フェナントリジン(2.1g、8.46mmol)をDCMに溶解させ、−78℃まで冷却した。三臭化ホウ素(42.3mL、42.3mmol)を反応混合物に滴下した。添加が完了した後、反応混合物を室温にし、塩化アンモニウム飽和溶液に注いだ。固体をスラリーから濾取し、重炭酸ナトリウム飽和溶液、次いで酢酸エチルで洗浄して、オフホワイトの固体としてイミダゾ[1,2−f]フェナントリジン−11−オール(1.6g、82%)を得た。生成物をNMRによって確認した。
【化209】
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【0326】
3−(2,6−ジメチルフェニル)イミダゾ[1,2−f]フェナントリジン−11−オールの合成。3−(2,6−ジメチルフェニル)−11−メトキシイミダゾ[1,2−f]フェナントリジン(2.3g、6.53mmol)をDCMに溶解させ、−78℃まで冷却した。三臭化ホウ素(32.6mL、32.6mmol)を反応混合物に滴下した。添加が完了した後、反応混合物を室温にし、更に24時間撹拌した。反応混合物を500mLの氷−水混合物に注ぎ、有機部分を酢酸エチル(3×100mL)で抽出した。溶媒を減圧下で除去して、灰色の固体として3−(2,6−ジメチルフェニル)イミダゾ[1,2−f]フェナントリジン−11−オール(2.1g、収率95%)を得た。生成物をNMRによって確認した。
【化210】
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【0327】
3−(2,6−ジイソプロピルフェニル)イミダゾ[1,2−f]フェナントリジン−11−オールの調製。3−(2,6−ジイソプロピルフェニル)−11−メトキシイミダゾ[1,2−f]フェナントリジン(2.1g、5.1mmol)を無水DCM200mLに溶解させ、−78℃まで冷却した。三臭化ホウ素(25.7mL、25.7mmol)を激しく撹拌しながら冷溶液に滴下した。添加が完了した後、反応混合物を室温まで加温した。それを18時間撹拌し、次いで、冷水に注いだ。沈殿した固体を収集し、酢酸エチルで洗浄し、真空下で乾燥させて、白色の固体として3−(2,6−ジイソプロピルフェニル)イミダゾ[1,2−f]フェナントリジン−11−オール(2.0g、99%)を得た。生成物をNMRによって確認した。
【化211】
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【0328】
11−(3−(ピリジン−2−イルオキシ)フェノキシ)イミダゾ[1,2−f]フェナントリジンの合成。2−(3−ヨードフェノキシ)ピリジン(0.634g、2.13mmol)、イミダゾ[1,2−f]フェナントリジン−11−オール(0.5g、2.13mmol)、ヨウ化銅(I)(0.122g、0.640mmol)、ピコリン酸(0.394g、3.20mmol)及びリン酸カリウム一水和物(1.72g、7.47mmol)をDMSO70mLに添加し、窒素ガスを吹き込んで30分間脱気した。反応混合物を24時間100℃まで加熱し、室温まで冷却し、100mLの水に注いだ。有機物質を酢酸エチル(3×50mL)で抽出し、合わせた抽出物を1N NaOH(1×50mL)で洗浄し、塩化アンモニウム飽和溶液(1×50mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で溶媒を除去した。溶出剤として酢酸エチル/ヘキサンを用いてシリカゲルでカラムクロマトグラフィーによって粗物質を精製して、11−(3−(ピリジン−2−イルオキシ)フェノキシ)イミダゾ[1,2−f]フェナントリジン(0.58g、67%)を白色の固体として単離した。
【化212】
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【0329】
3−(2,6−ジメチルフェニル)−11−((9−(ピリジン−2−イル)−9H−カルバゾール−2−イル)オキシ)イミダゾ[1,2−f]フェナントリジンの合成。3−(2,6−ジメチルフェニル)イミダゾ[1,2−f]フェナントリジン−11−オール(2.0g、5.91mmol)、2−ブロモ−9−(ピリジン−2−イル)−9H−カルバゾール(2.48g、7.68mmol)、ピコリン酸(1.82g、14.8mmol)、ヨウ化銅(I)(0.563g、2.96mmol)及びリン酸カリウム一水和物(6.80g、29.6mmol)をDMSO200mLに添加し、窒素ガスを吹き込むことによって20分間脱気した。反応混合物を24時間150℃まで加熱し、室温まで冷却し、冷水に注いだ。有機物質を酢酸エチル(3×50mL)で抽出し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、溶媒を減圧下で除去した。粗物質を、酢酸エチル/ヘキサンを用いてシリカゲルでカラムクロマトグラフィーによって精製し、次いで、ヘキサンで浸出して、白色の固体として3−(2,6−ジメチルフェニル)−11−((9−(ピリジン−2−イル)−9H−カルバゾール−2−イル)オキシ)イミダゾ[1,2−f]フェナントリジン(2.1g、収率61%)を得た。
【化213】
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【0330】
3−(2,6−ジイソプロピルフェニル)−11−((9−(ピリジン−2−イル)−9H−カルバゾール−2−イル)オキシ)イミダゾ[1,2−f]フェナントリジンの合成。3−(2,6−ジイソプロピルフェニル)イミダゾ[1,2−f]フェナントリジン−11−オール(2.0g、5.1mmol)、2−ブロモ−9−(ピリジン−2−イル)−9H−カルバゾール(2.1g、6.6mmol)、ピコリン酸(1.6g、12.7mmol)、ヨウ化銅(I)(0.48g、2.5mmol)及びリン酸カリウム(5.84g、25.3mmol)をDMSO150mLに添加した。反応混合物を16時間150℃まで加熱し、室温まで冷却し、冷水に注いだ。有機物質を酢酸エチル(4×100mL)で抽出し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、溶媒を減圧下で除去した。DCM/酢酸エチルを用いてシリカゲルでカラムクロマトグラフィーによって粗物質を精製して、白色の固体として3−(2,6−ジイソプロピルフェニル)−11−((9−(ピリジン−2−イル)−9H−カルバゾール−2−イル)オキシ)イミダゾ[1,2−f]フェナントリジン(2.2g、67%)を得た。
【化214】
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【0331】
3−(2,6−ジイソプロピルフェニル)−11−((9−(4−メチルピリジン−2−イル)−9H−カルバゾール−2−イル)オキシ)イミダゾ[1,2−f]フェナントリジンの合成。3−(2,6−ジイソプロピルフェニル)イミダゾ[1,2−f]フェナントリジン−11−オール(1.5g、3.8mmol)、2−ブロモ−9−(4−メチルピリジン−2−イル)−9H−カルバゾール(1.7g、4.9mmol)、ピコリン酸(1.2g、9.5mmol)、ヨウ化銅(I)(0.36g、1.9mmol)、及びリン酸カリウム一水和物(4.4g、19.0mmol)をDMSO150mLに添加した。反応混合物を16時間150℃まで加熱し、室温まで冷却し、冷水に注いだ。有機物質を酢酸エチル(4×100mL)で抽出し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、溶媒を減圧下で除去した。粗物質を、DCM/酢酸エチルを用いてシリカゲルでカラムクロマトグラフィーによって精製して、白色の固体として3−(2,6−ジイソプロピルフェニル)−11−((9−(4−メチルピリジン−2−イル)−9H−カルバゾール−2−イル)オキシ)イミダゾ[1,2−f]フェナントリジン(1.5g、61%)を得た。
【化215】
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【0332】
化合物1’の合成。11−(3−(ピリジン−2−イルオキシ)フェノキシ)イミダゾ[1,2−f]フェナントリジン(1.6g、4.0mmol)及びテトラクロロ白金酸カリウム(1.6g、4.0mmol)を40mLの氷酢酸に添加した。反応混合物を30分間窒素ガスを吹き込んで脱気した後、48時間窒素下で還流させた。粗反応混合物を冷水に注いだ。沈殿物を濾取し、水で洗浄し、次いで、エタノールで洗浄した。得られた固体をDCMに溶解させ、NaCO飽和溶液、ブライン及び水で洗浄し、NaSOで乾燥させた。DCMを用いてシリカゲルでカラムクロマトグラフィーによって粗物質を精製して、鮮黄色の固体として化合物1’(0.39g、収率17%)を得た。
【化216】
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【0333】
化合物2’の合成。3−(2,6−ジメチルフェニル)−11−((9−(ピリジン−2−イル)−9H−カルバゾール−2−イル)オキシ)イミダゾ[1,2−f]フェナントリジン(1.0g、1.7mmol)及びテトラクロロ白金酸カリウム(0.72g、1.7mmol)を酢酸115mLに添加し、窒素ガスを吹き込んで反応混合物を脱気した。前記反応混合物を24時間還流させた後、室温まで冷却した。前記反応混合物に水を添加した。固体を濾取し、多量の水で洗浄した。溶出剤としてDCM/ヘキサンを用いてシリカゲルでカラムクロマトグラフィーによって粗固体を精製して、黄色の固体として化合物2’(0.40g、収率30%)を得た。
【化217】
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【0334】
化合物3’の合成。3−(2,6−ジイソプロピルフェニル)−11−((9−(ピリジン−2−イル)−9H−カルバゾール−2−イル)オキシ)イミダゾ[1,2−f]フェナントリジン(2.2g、3.4mmol)及びテトラクロロ白金酸カリウム(1.4g、3.4mmol)を、150mLの酢酸中で混合し、窒素ガスを吹き込んで脱気した。反応混合物を18時間還流させた後、室温まで冷却した。前記反応混合物に水を添加した。固体を濾取し、多量の水で洗浄した。溶出剤として1/1 DCM/ヘキサンを用いてシリカゲルでカラムクロマトグラフィーによって粗固体を精製して、黄色の固体として化合物3’(0.58g、収率21%)を得た。
【化218】
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【0335】
化合物4’の合成。3−(2,6−ジイソプロピルフェニル)−11−((9−(4−メチルピリジン−2−イル)−9H−カルバゾール−2−イル)オキシ)イミダゾ[1,2−f]フェナントリジン(1.50g、2.30mmol)及びテトラクロロ白金酸カリウム(0.96g、2.30mmol)を酢酸130mLに添加し、反応混合物を窒素ガスを吹き込んで脱気した。前記反応混合物を18時間還流させた後、室温まで冷却した。前記反応混合物に水を添加し、固体を濾取し、多量の水で洗浄した。溶出剤として1/1 DCM/ヘキサンを用いてシリカゲルでカラムクロマトグラフィーによって粗固体を精製して、薄黄色の固体として化合物4’(0.48g、収率24.7%)を得た。
デバイス実施例
【0336】
高真空(<10−7Torr)熱蒸着によって表2及び3のデバイス実施例を製造した。アノード電極は、1,200Åの酸化インジウムスズ(ITO)である。カソードは、10ÅのLiF、次いで、1,000ÅのAlからなっていた。製造直後に、全てのデバイスを窒素グローブボックス(<1ppmのHO及びO)内においてガラスの蓋を用いてエポキシ樹脂で封止して封入し、水分ゲッタをパッケージ内に入れた。
【0337】
表2及び3におけるデバイスの有機積層は、順次、ITO表面、正孔注入層(HIL)としての化合物B(100Å)、正孔輸送層(HTL)としての4,4’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(α−NPD)(300Å)、発光層(EML)としての化合物3でドープされた化合物A(300Å)、BLとしての化合物A(50Å)、及びETLとしてのAlq(450Å)からなっていた。
【0338】
本明細書で使用する以下の化合物は、以下の構造を有する。
【化219】
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【0339】
OLEDの発光層用の特定の発光ドーパントを提供する。これら化合物を含有するデバイスは、特に優れた性質を有する。
【0340】
デバイスの構造を表2に要約し、対応するデバイスのデータを表3に要約する。
【表2】
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表2. VTE PHOLED
【表3】
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表3. VTEデバイスデータ
【0341】
本明細書に記載するデバイスで用いられる化合物A〜Gの構造は、以下の通りである。
【化220】
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【0342】
表3から分かる通り、ドーピング濃度が上昇しても発光スペクトルは変化しなかった。これは、エキシマーが形成されなかったことを示す。これら化合物について観察されたFWHM(即ち、24nm)は、非常に狭い。一般的に、Ir系化合物について報告及び/又は観察されるFWHMは、60nm超、例えば、約60nm〜約70nmの範囲である。更に、デバイスは、非常に高い効率を示した。例えば、デバイス実施例3は、1,000ニットにおいて23%超のEQEを示した。これは、任意の報告されたPt錯体について最も高いと考えられる。一般的に、Ir系化合物は、1,000ニットにおいて約16%の効率を有する。
【0343】
表2は、化合物3、5、29、30、162、163、164、166、並びに比較化合物C、D、及びEを含有するデバイスの組成を示す。表2は、表1に記載するデバイスから得られたデバイスの結果を示す。
【0344】
発光ドーパントとして式Iで表される化合物を含有するデバイスは、半値全幅(FWHM)が狭い、デバイス効率が高い、飽和発光色、及びデバイス寿命が長い等の望ましい特徴を示した。式Iで表される化合物における適切なリガンドを選択することによって発光色を変化させて、化合物3〜化合物29等、全可視スペクトルを網羅させることができる。
【0345】
ツイストしたアリール基を導入する利点が明らかに立証された。例えば、ドーピング濃度20%で発光ドーパントとして化合物3を用いたデバイスは、動作電圧6.1Vで1,000cd/mにおいて23.1%のEQE、84.1cd/Aを達成した。更に、発光は、548nmのλmax及び24nmのFWHMを有していた。比較例9から分かる通り、化合物Eをドーパントとして用いた場合、562nmのλmax及び64nmのFWHMを示すはずである。発光はレッドシフトし、FWHMは化合物3よりも遥かに広かった。OLEDデバイスでは、FWHMが狭い方が、純粋な色を生じさせるために時に有利である。更に、デバイス効率は、1,000cd/mにおいて20.4%及び64.9cd/Aであり、23.1%及び84.1よりも遥かに低かった。また、デバイスの寿命は、比較例9の方が短かった(85時間対98時間)。
【0346】
また、化合物5と化合物Dとを比較すると改善がみられた。化合物Aを化合物5のホストとして用いた場合、三重項エネルギー準位によりホストから部分的にしかクエンチされないので、デバイス効率は低かった。化合物Fをホストとして用いた場合、化合物5は、CIE(0.255,0.604)及びFWHM50nmで1,000cd/mにおいて7.6%のEQEを示した。一方、化合物Dは、僅かに改善された効率(8.8%EQE)を示したが、飽和発光は遥かに少なく、スペクトルは広かった(CIE(0.341,0.595)、FWHM66nm)。デバイス寿命は、化合物5(実施例7)を含有するデバイスと化合物D(比較例8)を含有するデバイスとの間で同等であった(40mA/cmにおいて79時間対98時間)。
【0347】
また、デバイス実施例10及び11は、デバイス比較例1〜4よりも優れた結果を示した。化合物30を用いたデバイスは、化合物Cと比べて僅かにレッドシフトした色を示した(534nm対516nm)が、効率は遥かに高かった(9%〜11%対2.4%〜2.7%)。また、デバイス寿命は、比較例よりも長かった。したがって、ツイストしたアリール置換基を含有する式Iで表される化合物は、ツイストしたアリール置換基を有しない化合物と比べて、デバイスの特徴が改善された。
【0348】
比較デバイスデータは、Dileep A.K.VezzuらによってInorg.Chem.2010,49,5107に近年公開された結果に基づいている。前記刊行物では、化合物Cを発光体として用いていた。これらデバイスによって得られる最高の効率は、1,000ニットにおいて13%未満であった。更に、ドーピング濃度を上昇させたとき、エキシマー発光がみられた。したがって、ツイストしたアリール基を含有する本発明の化合物は、1,000ニットにおける13%未満と比べて、1,000ニットにおいて23%超というより高い効率を示し、また、ツイストしたアリール基を有しない化合物よりも狭い発光スペクトルを示した。
【0349】
高真空(<10−7Torr)熱蒸着によって表4及び5のデバイス実施例を製造した。アノード電極は、800Åの酸化インジウムスズ(ITO)である。カソードは、10ÅのLiF、次いで、1,000ÅのAlからなっていた。製造直後に、全てのデバイスを窒素グローブボックス(<1ppmのHO及びO)内においてガラスの蓋を用いてエポキシ樹脂で封止して封入し、水分ゲッタをパッケージ内に入れた。
【0350】
表4及び5におけるデバイスの有機スタックは、順次、ITO表面、正孔注入層(HIL)としてのLG101(LG Chemicalから購入)(100Å)、正孔輸送層(HTL)としてのNPD(300Å)、発光層(EML)としての10%の本発明の化合物でドープされたホスト1(300Å)、ブロッキング層(BL)としてのBL1(50Å)、及び電子輸送層(ETL)としてのAlQ(450Å)からなっていた。
【0351】
本明細書で使用する以下の化合物は、以下の構造を有する。
【化221】
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【0352】
デバイス実施例について表4に詳述し、対応するデバイスのデータを表5に要約する。Ex.は、実施例の略記である。
【表4】
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表4. VTE PHOLED
【表5】
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表5. VTEデバイスデータ
【0353】
表4及び5におけるデバイス実施例1及び2は、エキシマー形成の抑制に対する立体的な嵩高さ増加の効果を示す。両化合物は、非常に類似した77K溶液PLを有し、これは、単量体MLCT遷移がエネルギー及びライン形状において類似していることを示す。しかし、化合物2’を含有する固体状態デバイスであるデバイス実施例1は、遥かに広い電界発光及びそれに対応してCIEに対する不所望の効果を有する。ELで観察されるより低エネルギーのガウス発光は、エキシマー形成に起因する。2,6−メチル置換基をイソプロピル基で置換し、立体的なメチル基をピリジン環に付加することによって、化合物4’のようにエキシマー発光を抑制することができる。化合物4’を含有するデバイス実施例2は、460nmにλmaxを有する深青色の発光、52nmという狭いFWHM、及び改善されたCIEを示し、これらは、化合物4’に起因する単量体発光に特徴的である。
【0354】
本明細書において記述されている種々の実施形態は、単なる一例としてのものであり、本発明の範囲を限定することを意図するものではないことが理解される。例えば、本明細書において記述されている材料及び構造の多くは、本発明の趣旨から逸脱することなく他の材料及び構造に置き換えることができる。したがって、特許請求されている通りの本発明は、当業者には明らかとなるように、本明細書において記述されている特定の例及び好ましい実施形態からの変形形態を含み得る。なぜ本発明が作用するのかについての種々の理論は限定を意図するものではないことが理解される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0355】
【特許文献1】米国特許第5,844,363号明細書
【特許文献2】米国特許第6,303,238号明細書
【特許文献3】米国特許第5,707,745号明細書
【特許文献4】米国特許第7,279,704号明細書
【符号の説明】
【0356】
100 有機発光デバイス
110 基板
115 アノード
120 正孔注入層
125 正孔輸送層
130 電子ブロッキング層
135 発光層
140 正孔ブロッキング層
145 電子輸送層
150 電子注入層
155 保護層
160 カソード
162 第一の導電層
164 第二の導電層
200 反転させたOLED、デバイス
210 基板
215 カソード
220 発光層
225 正孔輸送層
230 アノード
図1
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図2
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図3
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図4
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