(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0011】
図1は、情報提供システム100の一例を概略的に示す。情報提供システム100は、ICタグ60が設置された点字ブロック50、情報提供装置200、通信装置300及びタグ読取装置400を有する杖500を備える。
【0012】
点字ブロック50は、歩道及び公共建築物等に敷設された視覚障害者誘導用のブロックである。点字ブロック50には、例えば、移動の方向を示す線状ブロック及び格子状の点が突起となっていて注意喚起及び警告を示す点状ブロック等の種類がある。
【0013】
本実施形態における点字ブロック50には、ICタグ60が設置される。ICタグ60は、点字ブロック50に埋設されていてよい。また、ICタグ60は、点字ブロック50の表面に取り付けられていてもよい。ICタグ60は、ICタグ60を識別するタグ識別情報を格納する。
【0014】
杖500は、例えば、白杖である。杖500の先端に、タグ読取装置400が取り付けられていてよい。タグ読取装置400は、杖500の先端に埋設されていてもよい。タグ読取装置400は、ICタグ60からタグ識別情報を読み取る。タグ読取装置400は、例えば、アンテナコイルによって発生した磁界によりICタグ60に電力を供給して、ICタグ60からタグ識別情報を読み取る。
【0015】
タグ読取装置400は、ICタグ60から読み取ったタグ識別情報を通信装置300に送信する。通信装置300は、例えば、杖500を使用する使用者80が所持するモバイル機器である。通信装置300は、携帯電話及びタブレット端末等であってよい。
【0016】
タグ読取装置400は、読み取ったタグ識別情報を、杖500を介して通信装置300に送信してよい。杖500と通信装置300とは、無線通信によって通信接続されてよい。杖500と通信装置300とは、例えば、Bluetooth(登録商標)及びWi−Fi(登録商標)等によって、通信接続される。杖500と通信装置300とは有線ケーブルを介して通信接続されてもよい。また、通信装置300を杖500に対して装着可能にすることによって、通信装置300と杖500とが通信接続されてもよい。
【0017】
なお、タグ読取装置400は、読み取ったタグ識別情報を、杖500を介さずに通信装置300に送信してもよい。例えば、通信装置300とタグ読取装置400とは、Bluetooth及びWi−Fi等によって、通信接続される。
【0018】
通信装置300は、無線基地局20及びネットワーク10を介して情報提供装置200と通信する。ネットワーク10は、例えば、電話網及びインターネットを含む。通信装置300は、タグ読取装置400がICタグ60から読み取ったタグ識別情報を、情報提供装置200に送信する。
【0019】
情報提供装置200は、通信装置300から受信したタグ識別情報に基づいて、当該タグ識別情報に対応するICタグ60が設置された点字ブロック50の場所に関連する提供情報を通信装置300に送信する。また、情報提供装置200は、通信装置300から受信したタグ識別情報及びタグ読取装置400の移動方向に基づいて、タグ読取装置400の移動方向に対応する提供情報を通信装置300に送信する。タグ読取装置400の移動方向とは、使用者80の移動方向であってよい。
【0020】
例えば、
図1に例示する分岐点の点字ブロック50に設置されたICタグ60のタグ識別情報を情報提供装置200が受信した場合に、情報提供装置200は、タグ読取装置400の移動方向が第1の移動方向82である場合と、第2の移動方向84である場合とで、異なる提供情報を通信装置300に送信する。具体例として、情報提供装置200は、タグ読取装置400の移動方向が第1の移動方向82である場合、第1の移動方向82からみて左方向にある施設について、当該施設が左方向にある旨を示す提供情報を通信装置300に送信する。そして、タグ読取装置400の移動方向が第2の移動方向84である場合、情報提供装置200は、当該施設が右方向にある旨を示す提供情報を通信装置300に送信する。これにより、点字ブロック50が設置された場所を起点とした各方向の情報を、使用者80の移動方向に合わせて適切に提供することができる。
【0021】
図2は、情報提供装置200の機能構成の一例を概略的に示す。情報提供装置200は、タグ識別情報受信部202、タグ識別情報格納部204、配置対応データ格納部206、移動方向判定部208、提供情報格納部210、提供情報選択部212及び提供情報送信部214を備える。
【0022】
タグ識別情報受信部202は、タグ識別情報を受信する。タグ識別情報格納部204は、タグ識別情報受信部202が受信したタグ識別情報を格納する。タグ識別情報格納部204は、通信装置300を識別できる通信装置識別情報に対応付けて、タグ識別情報を格納してよい。また、タグ識別情報格納部204は、タグ識別情報を受信した日時をタグ識別情報に対応付けて格納してよい。
【0023】
配置対応データ格納部206は、タグ識別情報と、当該タグ識別情報によって識別されるICタグが設置された点字ブロック50の配置に関する配置情報とを対応付けた配置対応データを格納する。配置対応データは、複数のタグ識別情報のそれぞれに対応する複数の配置情報を含む。
【0024】
配置情報は、2つのタグ識別情報が特定された場合に、その2つのタグ識別情報によって識別されるICタグ60が設置された2つの点字ブロック50の位置関係を示す情報であってよい。例えば、配置情報は、地図データ上における点字ブロック50の配置を示す情報である。すなわち、配置情報は、タグ識別情報によって識別されるICタグ60が設置された点字ブロック50の地図データにおける位置を示す情報であってよい。
【0025】
移動方向判定部208は、タグ読取装置400の移動方向を判定する。移動方向判定部208は、タグ識別情報受信部202が受信したタグ識別情報と、当該タグ識別情報を読み取る前にタグ読取装置400が読み取ったタグ識別情報とに基づいて、タグ読取装置400の移動方向を判定してよい。移動方向判定部208は、タグ識別情報受信部202から、タグ識別情報と当該タグ識別情報を送信した通信装置300の通信装置識別情報とを受信し、当該通信装置識別情報に対応付けられたタグ識別情報のうち、最新の日時が対応付けられたタグ識別情報を特定することにより、当該タグ識別情報を読み取る前にタグ読取装置400が読み取ったタグ識別情報を特定してよい。
【0026】
移動方向判定部208は、タグ識別情報受信部202が受信したタグ識別情報及び当該タグ識別情報に対応付けられた配置情報と、タグ識別情報受信部202が受信したタグ識別情報を読み取る前にタグ読取装置400が読み取ったタグ識別情報に対応付けられた配置情報とに基づいて、タグ読取装置400の移動方向を判定してよい。
【0027】
また、移動方向判定部208は、タグ識別情報受信部202が受信したタグ識別情報と、当該タグ識別情報を読み取る前にタグ読取装置400が読み取ったタグ識別情報を演算することによって、タグ読取装置400の移動方向を判定してもよい。例えば、一の点字ブロック50に対して、当該点字ブロック50に設置されたICタグ60のタグ識別情報との差分が1となるタグ識別情報を格納したICタグ60を、当該点字ブロック50の第1の方向側に配置された点字ブロック50に設置する。また、当該点字ブロック50に設置されたICタグ60のタグ識別情報との差分が2となるタグ識別情報を格納したICタグ60を、当該点字ブロック50の第2の方向側に配置された点字ブロック50に設置する。当該点字ブロック50に設置されたICタグ60のタグ識別情報との差分が3となるタグ識別情報を格納したICタグ60を、当該点字ブロック50の第3の方向側に配置された点字ブロック50に設置する。当該点字ブロック50に設置されたICタグ60のタグ識別情報との差分が4となるタグ識別情報を格納したICタグ60を、当該点字ブロック50の第4の方向側に配置された点字ブロック50に設置する。そして、移動方向判定部208は、タグ識別情報受信部202が受信したタグ識別情報から、当該タグ識別情報を読み取る前にタグ読取装置400が読み取ったタグ識別情報を減算した結果に基づいて、第1の方向、第2の方向、第3の方向及び第4の方向のうち一の方向を選択する。
【0028】
提供情報格納部210は、複数のタグ識別情報のそれぞれについて、タグ読取装置400の複数の移動方向毎に異なる提供情報を格納する。例えば、提供情報格納部210は、タグ読取装置400の第1の移動方向に対応付けて第1の提供情報を格納し、第2の移動方向に対応付けて第2の提供情報を格納し、第3の移動方向に対応付けて第3の提供情報を格納し、第4の方向に対応付けて第4の提供情報を格納する。
【0029】
提供情報選択部212は、タグ識別情報受信部202が受信したタグ識別情報及び移動方向判定部208が判定したタグ読取装置400の移動方向に基づいて、提供情報格納部210に格納された提供情報から、通信装置300に提供する提供情報を選択する。提供情報選択部212は、タグ識別情報受信部202が受信したタグ識別情報に対応付けられた、タグ読取装置400の複数の移動方向のそれぞれに対応する提供情報から、移動方向判定部208が判定した移動方向に対応する提供情報を選択してよい。提供情報送信部214は、提供情報選択部212が選択した提供情報を、通信装置300に送信する。
【0030】
図3は、通信装置300の機能構成の一例を概略的に示す。通信装置300は、タグ識別情報受信部302、タグ識別情報送信部304、提供情報受信部306、提供情報出力部308及び入力受付部310を備える。
【0031】
タグ識別情報受信部302は、点字ブロック50に設置されたICタグ60からタグ読取装置400によって読み取られたタグ識別情報を、タグ読取装置400から受信する。
【0032】
タグ識別情報送信部304は、タグ識別情報受信部302が受信したタグ識別情報を情報提供装置200に送信する。タグ識別情報送信部304は、タグ識別情報を、通信装置300を介して情報提供装置200に送信してよい。タグ識別情報送信部304は、タグ識別情報を、通信装置300を介さずに情報提供装置200に送信してもよい。
【0033】
提供情報受信部306は、情報提供装置200から提供情報を受信する。提供情報受信部306は、タグ読取装置400が、タグ識別情報受信部302が送信したタグ識別情報と、当該タグ識別情報を読み取る前にタグ読取装置400が読み取ったタグ識別情報とに基づいて判定したタグ読取装置400の移動方向と、タグ識別情報受信部302が送信したタグ識別情報とに基づいて選択した提供情報を、情報提供装置200から受信してよい。
【0034】
提供情報出力部308は、提供情報受信部306が受信した提供情報を出力する。提供情報出力部308は、提供情報を音声出力してよい。また、提供情報出力部308は、提供情報を表示出力してもよい。
【0035】
入力受付部310は、例えば、使用者80からの入力を受け付ける。入力受付部310は、通信装置300が備える不図示のタッチパネル及び入力ボタン等に対する入力を受け付けてよい。また、入力受付部310は、杖500から入力情報を受信することによって、入力を受け付けてもよい。入力受付部310は、杖500が使用者80から受け付けた入力に対応する入力情報を、杖500から受信してよい。
【0036】
提供情報出力部308は、入力受付部310が受け付けた入力に応じて、提供情報を出力してよい。提供情報出力部308は、例えば、提供情報受信部306が複数の提供情報を受信した場合に、複数の提供情報のうち、入力受付部310が受け付けた入力に対応する提供情報を選択して出力する。また、提供情報出力部308は、入力受付部310が受け付けた入力に応じて、提供情報の出力を制御してもよい。例えば、提供情報出力部308は、入力受付部310が受け付けた入力に応じて、提供情報を出力する音量を変更する。
【0037】
図4は、提供情報格納部210が格納する提供情報テーブル220の一例を概略的に示す。提供情報格納部210は、複数のタグ識別情報のそれぞれに対応する複数の提供情報テーブル220を格納してよい。
図4は、例示する点字ブロック51、点字ブロック52、点字ブロック53及び点字ブロック54のうち、点字ブロック51に設置されたICタグ60のタグ識別情報に対応付けられた提供情報テーブル220の一例を示す。
【0038】
提供情報テーブル220は、移動方向欄222及び提供情報欄224を有する。移動方向欄222には、タグ読取装置400の移動方向が登録される。提供情報欄224には、移動方向欄222に登録された移動方向に対応する提供情報が登録される。
【0039】
提供情報欄224には、複数の提供情報が登録されてよい。提供情報欄224には、点字ブロック51の場所についての情報である場所情報が登録されてよい。例えば、点字ブロック51の場所が○○駅の北口改札である場合、「ここは○○駅の北口改札です」という情報が登録される。
【0040】
また、提供情報欄224には、移動方向欄222に登録された移動方向に対する相対方向に対応する提供情報が登録されてよい。例えば、移動方向に対する直進方向に駅ビルがある場合、「直進方向に駅ビルがあります」という情報が登録される。また、例えば、移動方向に対する左方向にバス停及びタクシー乗り場がある場合、「左方向にバス停、タクシー乗り場があります」という情報が登録される。また、例えば、移動方向に対する右方向が行き止まりである場合、「右方向は行き止まりです」という情報が登録される。また、例えば、移動方向に対する後方に改札口がある場合、「後方に改札口があります」という情報が登録される。
【0041】
情報提供装置200は、通信装置300から、タグ識別情報とタグ読取装置400の移動方向とを受信した場合、受信したタグ識別情報に対応する提供情報テーブル220から、受信した移動方向に対応する複数の提供情報を通信装置300に送信してよい。通信装置300は、情報提供装置200から受信した複数の提供情報を順に出力してよい。また、通信装置300は、複数の提供情報のうち、使用者80による指示に対応する提供情報を出力してもよい。
【0042】
図5は提供情報格納部210が格納する提供情報テーブル220の他の一例を概略的に示す。ここでは、
図4と異なる点を主に説明する。
図5に示す提供情報テーブル220は、移動方向欄222と、場所欄232、直進方向欄234、左方向欄236、右方向欄238及び後方欄240を含む提供情報欄230とを有する。
【0043】
場所欄232は、点字ブロック51の場所についての情報である場所情報が登録されてよい。直進方向欄234には、移動方向欄222に登録された移動方向に対する直進方向の情報が登録されてよい。左方向欄236には、移動方向欄222に登録された移動方向に対する左方向の情報が登録されてよい。右方向欄238には、移動方向欄222に登録された移動方向に対する右方向の情報が登録されてよい。後方欄240には、移動方向欄222に登録された移動方向に対する後方の情報が登録されてよい。
【0044】
情報提供装置200は、通信装置300から、タグ識別情報とタグ読取装置400の移動方向とを受信した場合、受信したタグ識別情報に対応する提供情報テーブル220から、受信した移動方向に対応する複数の提供情報を通信装置300に送信してよい。また、情報提供装置200は、通信装置300から、移動方向に対する相対方向を受信した場合、移動方向に対応する複数の提供情報から、受信した相対方向に対応する提供情報を選択して、通信装置300に送信してもよい。通信装置300は、入力受付部310が受け付けた移動方向に対応する相対方向を示す入力情報を、情報提供装置200に送信してよい。情報提供装置200は、例えば、通信装置300から移動方向Aを受信した場合であって、相対方向として直進方向を受信した場合、「駅ビル」を通信装置300に送信する。
【0045】
通信装置300は、情報提供装置200から受信した複数の提供情報を順に出力してよい。また、通信装置300は、複数の提供情報のうち、使用者80により入力された相対方向に対応する提供情報を出力してもよい。
【0046】
図6は、杖500の機能構成の一例を概略的に示す。杖500は、本体部502及び把持部504を備える。本体部502の先端には、タグ読取装置400が取り付けられる。本体部502は、無線通信部506を有する。
【0047】
無線通信部506は、通信装置300と無線通信する。無線通信部506は、Bluetooth及びWi−Fi等によって、通信装置300と無線通信してよい。なお、ここでは、杖500が無線通信部506を備える場合を例に挙げて説明するが、これに限らず、杖500は、有線によって通信装置300と通信する有線通信部を有してもよい。また、杖500は、通信装置300を装着可能な装着部を備え、装着部に装着された通信装置300と通信してもよい。
【0048】
把持部504は、入力部510及び入力ボタン520を有する。入力部510は、圧力センサ512、514、516、518を含む。圧力センサ512、514、516、518のそれぞれは、把持部504上の、使用者80の人差し指、中指、薬指、小指の位置に対応する位置に配置されてよい。杖500は、圧力センサ512、514、516、518のいずれかに圧力が加わった場合に、圧力が加わった圧力センサに対応する情報を、入力情報として入力受付部310に送信してよい。
【0049】
圧力センサ512、514、516、518のそれぞれに対応する情報は、移動方向に対する相対方向を示してよい。例えば、圧力センサ512が左方向に対応し、圧力センサ514が直進方向に対応し、圧力センサ516が後方に対応し、圧力センサ518が右方向に対応する。通信装置300は、圧力センサ512、514、516、518によって入力された相対方向に従って、複数の提供情報から出力する提供情報を選択してよい。また、通信装置300は、圧力センサ512、514、516、518によって入力された相対方向を情報提供装置200に送信して、送信した相対方向に対応する提供情報を受信してもよい。
【0050】
入力ボタン520は、第1入力ボタン522及び第2入力ボタン524を含む。第1入力ボタン522及び第2入力ボタン524は、把持部504の側面に配置されてよい。第1入力ボタン522及び第2入力ボタン524は、使用者80の親指によって押下可能な位置に配置されてよい。
【0051】
杖500は、第1入力ボタン522が押下された場合、第1入力ボタン522に対応する情報を入力情報として入力受付部310に送信する。また、杖500は、第2入力ボタン524が押下された場合、第2入力ボタン524に対応する情報を入力情報として入力受付部310に送信する。提供情報出力部308は、杖500から受信した入力情報に基づいて、提供情報の出力を制御してよい。例えば、第1入力ボタン522に対応する情報を受信した場合、提供情報出力部308は、提供情報を音声出力する音量を大きくする。また、例えば、第2入力ボタン524に対応する情報を受信した場合、提供情報出力部308は、提供情報を音声出力する音量を小さくする。
【0052】
図7は、情報提供装置200による処理の流れの一例を概略的に示す。ここでは、情報提供装置200が、タグ識別情報を待ち受けている状態を開始状態として説明する。
図7に示す各処理は、情報提供装置200が備える制御部が主体となって実行される。
【0053】
ステップ702(ステップをSと省略して記載する場合がある。)では、タグ識別情報受信部202がタグ識別情報、通信装置識別情報及び日時を受信する。S704では、タグ識別情報格納部204が、S702で受信したタグ識別情報及び日時を、受信した通信装置識別情報に対応付けて格納する。
【0054】
S706では、S702で受信したタグ識別情報が、情報提供用のタグ識別情報であるか否かを判定する。情報提供装置200は、複数のタグ識別情報のそれぞれに対して、情報提供用のタグ識別情報であるか否かを示すデータを予め対応付けておいてよい。例えば、点状ブロックのタグ識別情報に情報提供用のタグ識別情報であることを示すデータが対応付けられ、線状ブロックの識別情報に情報提供用のタグ識別情報でないことを示すデータが対応付けられる。複数のタグ識別情報に対する、情報提供用のタグ識別情報であるか否かを示すデータは、情報提供装置200の管理者等によって設定されてもよい。例えば、情報提供装置200の管理者は、連続して配置される点字ブロック50の全てを情報提供用とするのではなく、複数個に1つの割合で情報提供用とできる。
【0055】
S706で、情報提供用のタグ識別情報であると判定された場合、S708に進み、情報提供用のタグ識別情報でないと判定された場合、S718に進む。S708では、移動方向判定部208がタグ読取装置400の移動方向を判定する。S710では、提供情報選択部212が、S702で受信したタグ識別情報に対応する場所情報を通信装置300に送信する。
【0056】
S712では、通信装置300から、移動方向に対する相対方向を示す入力情報を受信したか否かを判定する。入力情報を受信したと判定した場合、S714に進み、入力情報を受信したと判定されなかった場合、S718に進む。
【0057】
S714では、提供情報選択部212が、S708で判定した移動方向に対応する複数の提供情報から、受信した入力情報が示す相対方向に対応する提供情報を選択する。S716では、S714で提供情報選択部212が選択した提供情報を、提供情報送信部214が通信装置300に送信する。
【0058】
S718では、処理の終了が指示されたか否かを判定する。処理の終了が指示されたと判定されなかった場合、S720に進む。S720では、タグ識別情報受信部202が、S702で受信した通信装置識別情報と同一の通信装置識別情報と、タグ識別情報とを受信したか否かを判定する。受信しなかったと判定された場合、S712に戻り、受信したと判定された場合、S704に戻る。S718で、処理の終了が指示されたと判定された場合、処理を終了する。
【0059】
図8は、線状ブロックのタグ識別情報に対応付けられた提供情報テーブル220の一例を概略的に示す。線状ブロックのタグ識別情報に対応付けられた提供情報テーブル220の提供情報欄224には、場所情報として、移動方向Aの方向にある施設等と、移動方向Bの方向にある施設等との間であることを示す情報が登録されてよい。例えば、移動方向Aの方向に駅ビルがあり、移動方向Bの方向に改札口がある場合、駅ビルと改札口の間であることを示す場所情報が登録される。これにより、改札口から駅ビルに移動する使用者80に対して、進行方向が間違っていないことを知らせることができる。
【0060】
以上の説明において、情報提供装置200の各部は、ハードウエアにより実現されてもよく、ソフトウエアにより実現されてもよい。また、ハードウエアとソフトウエアとの組み合わせにより実現されてもよい。また、プログラムが実行されることにより、コンピュータが、情報提供装置200として機能してもよい。プログラムは、コンピュータ読み取り可能な媒体又はネットワークに接続された記憶装置から、情報提供装置200の少なくとも一部を構成するコンピュータにインストールされてよい。
【0061】
コンピュータにインストールされ、コンピュータを本実施形態に係る情報提供装置200として機能させるプログラムは、CPU等に働きかけて、コンピュータを、情報提供装置200の各部としてそれぞれ機能させる。これらのプログラムに記述された情報処理は、コンピュータに読込まれることにより、ソフトウエアと情報提供装置200のハードウエア資源とが協働した具体的手段として機能する。
【0062】
また、通信装置300の各部は、ハードウエアにより実現されてもよく、ソフトウエアにより実現されてもよい。また、ハードウエアとソフトウエアとの組み合わせにより実現されてもよい。また、プログラムが実行されることにより、コンピュータが、通信装置300として機能してもよい。プログラムは、コンピュータ読み取り可能な媒体又はネットワークに接続された記憶装置から、通信装置300の少なくとも一部を構成するコンピュータにインストールされてよい。
【0063】
コンピュータにインストールされ、コンピュータを本実施形態に係る通信装置300として機能させるプログラムは、CPU等に働きかけて、コンピュータを、通信装置300の各部としてそれぞれ機能させる。これらのプログラムに記述された情報処理は、コンピュータに読込まれることにより、ソフトウエアと通信装置300のハードウエア資源とが協働した具体的手段として機能する。
【0064】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【0065】
特許請求の範囲、明細書、および図面中において示した装置、システム、プログラム、および方法における動作、手順、ステップ、および段階などの各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」などと明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、および図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」などを用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。