(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、本願に係る仲介装置、仲介方法
および仲介プログラ
ムを実施するための形態(以下、「実施形態」と呼ぶ)について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施形態により本願に係る仲介装置、仲介方法
および仲介プログラ
ムが限定されるものではない。
【0010】
〔1.仲介処理〕
まず、
図1を用いて、実施形態に係る仲介処理の一例について説明する。
図1では、実施形態に係る仲介処理の一例を示す図である。
図1では、仲介装置100によって仲介処理が行われる例を示す。
【0011】
図1の例では、ユーザ端末10は、ユーザU01によって利用される。店舗端末20は、店舗A01の店員などによって利用される。仲介装置100は、ユーザと店舗間での品物売買を仲介する。
【0012】
店舗A01は、売残り廃棄処分による損害などを避けるために、所定の時刻になると生鮮食品等の消費期限のある売残り商品を所定の時間帯だけ割引価格で販売するタイムセールを行うことがある。しかし、店舗A01は、このようなタイムセールを不定期に行うことが多い。このため、ユーザは、タイムセールが行われていれば売残り商品を購入したいという意思があったとしても、タイムセール時に店舗A01に所在しなければ購入することができない。そこで、ユーザは、発生不確定な売残り商品に対し、事前に購入予約することができれば、売残り発生時には購入することができるため便利であるし、店舗側も売残り品の販売を促進することができる。
図1に示した仲介装置100は、このような売残り商品の販売を実現する。この点について
図1を用いて説明する。
【0013】
図1に示すように、ユーザ端末10は、ユーザU01から、購入希望の売残り商品に関する各種情報を設定する操作を受け付ける。そして、ユーザ端末10は、ユーザU01から受付けた各種情報を含む購入要求を仲介装置100へ送信する(ステップS11)。例えば、購入要求として、ユーザU01によって「購入希望日:2014/2/1、店舗:店舗A01、商品:豚肉、数量:100g、価格:¥100」と設定されたとする。この場合、ユーザ端末10によって送信される購入要求は、「2014/2/1、店舗A01にて豚肉が100g売れ残った場合、¥100以下であれば購入する」という内容を示す。
【0014】
続いて、店舗端末20は、店舗A01の店員から、所定の時刻を過ぎても売残った商品と、売残った商品の割引価格などの各種情報を設定する操作を受付ける。そして、店舗端末20は、店舗A01の店員から受付けた各種情報を含む販売要求を仲介装置100へ送信する(ステップS12)。例えば、販売要求として、店舗A01によって「販売日:2014/2/1、店舗:店舗A01、商品:豚肉、数量:100g、価格:¥100」と設定されたとする。この場合、店舗端末20によって送信される販売要求は、「2014/2/1、店舗A01にて豚肉100gを割引価格¥100で販売」という内容を示す。
【0015】
仲介装置100は、店舗端末20から販売要求を受信した場合に、販売要求を満たす購入要求が存在するか否かを判定し、販売要求を満たす購入要求の送信元のユーザを購入者として決定する(ステップS13)。
図1の例では、店舗A01の販売要求に、ユーザU01の購入要求が一致するため、仲介装置100は、購入要求「購入希望日:2014/2/1、店舗:店舗A01、商品:豚肉、数量:100g、価格:¥100」に基づいて販売される豚肉の購入者をユーザU01として決定する。
【0016】
続いて、仲介装置100は、決定した購入者と、購入者の購入要求に対応する店舗との間における商品の売買に関する決済を行う(ステップS14)。
図1の例では、仲介装置100は、購入者として決定したユーザU01の購入要求に基づいて、ユーザU01と店舗A01との決済を行う。
【0017】
また、仲介装置100は、決済が完了して取引成立したことをユーザU01のユーザ端末10に専用の確認画面を通知する(ステップS15)。具体的には、
図1の例のように、仲介装置100は、ユーザ端末10に、取引内容(商品、価格など)と商品引換番号を通知する。また、仲介装置100は、上記の商品引換番号とともに取引成立したことを店舗端末20に通知する(ステップS16)。
【0018】
そして、ユーザU01は、ユーザ端末10によって仲介装置100からの取引成立通知を受けた場合に、店舗A01へ商品を引取りに向かう(ステップS17)。このとき、ユーザ端末10は、ユーザU01の操作に従って、仲介装置100から受信した商品引換番号を、画面上に表示する。これにより、ユーザU01は、店舗A01の店員に対して、商品引換番号を口頭で伝える等して、売買が成立した商品を受け取る。なお、商品との引換は、商品引換番号に限らない。例えば、仲介装置100がユーザ端末10にバーコードを通知することで、ユーザU01は、ユーザ端末10に表示されるバーコードを店員に読み込んでもらってもよい。また、ユーザU01がユーザ端末10に表示される取引成立に係る画面を店員に直接見せてもよい。
【0019】
このように、実施形態に係る仲介装置100は、所定の条件で売残り商品を購入したいというユーザU01の購入要求を店舗A01で売残りが発生する前であればいかなるときも受け付ける。そして、仲介装置100は、店舗A01から売残り商品の販売要求を受け付けると、販売要求を満たす購入要求が存在するか否かを判定し、販売要求を満たす購入要求の送信元のユーザを購入者として決定する。これにより、店舗A01は、売残り商品の販売を促進することができ、ユーザU01は、希望する売残り商品が売残った場合には、自身が希望する数量と価格で購入することができる。
【0020】
〔2.仲介システムの構成〕
次に、
図2を用いて、実施形態に係る仲介システムの構成について説明する。
図2は、実施形態に係る仲介システム1の構成例を示す図である。
図2に示すように、仲介システム1は、ユーザ端末10と、店舗端末20と、仲介装置100と、を含む。ユーザ端末10と、店舗端末20と、仲介装置100とは、ネットワークNを介して有線又は無線により通信可能に接続される。なお、
図2に示す仲介システムには、複数台のユーザ端末や、複数台の店舗端末が含まれてもよい。
【0021】
ユーザ端末10は、ユーザによって利用される端末装置である。例えば、ユーザ端末10は、スマートフォンなどの携帯電話機や、タブレット端末や、PDA(Personal Digital Assistant)や、デスクトップ型PC(Personal Computer)や、ノート型PC等である。
【0022】
店舗端末20は、店舗の店員によって利用される情報処理装置である。店舗端末20は、スマートフォンなどの携帯電話機や、タブレット端末や、PDAや、デスクトップ型PCや、ノート型PC等である。
【0023】
仲介装置100は、
図1を用いて説明したように、ユーザ端末10から受付けた購入要求と店舗端末20から受付けた販売要求に基づいて、ユーザと店舗間での商品売買を仲介する。
【0024】
〔3−1.ユーザ端末の構成〕
次に、
図3を用いて、実施形態に係るユーザ端末10について説明する。
図3は、実施形態に係るユーザ端末10の構成例を示す図である。
図3に示すように、ユーザ端末10は、通信部11と、入力部12と、出力部13と、購入要求制御部14とを有する。なお、この実施形態では、販売商品は売残り商品であるものとする。
【0025】
通信部11は、例えば、NIC(Network Interface Card)等によって実現される。そして、通信部11は、ネットワークNと有線又は無線で接続される。
【0026】
入力部12は、ユーザから各種操作を受け付ける入力装置である。例えば、入力部12は、キーボードやマウスや操作キー等によって実現される。出力部13は、各種情報を表示するための表示装置である。例えば、出力部13は、液晶ディスプレイ等によって実現される。なお、ユーザ端末10にタッチパネルが採用される場合には、入力部12と出力部13はとは一体化される。
【0027】
購入要求制御部は14は、例えば、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)等によって、ユーザ端末10内部の記憶装置に記憶されている各種プログラム(端末制御プログラムの一例)がRAMを作業領域として実行されることにより実現される。また、購入要求制御部14は、例えば、ASIC(Application Specific Circuit)等の集積回路により実現される。
【0028】
このような購入要求制御部14は、売残り商品購入要求に係る専用のアプリケーション(以下、「購入要求アプリ」と表記する場合がある」)を実行制御する。なお、購入要求アプリは、仲介装置100からダウンロードされることでユーザ端末10にインストールされてもよいし、仲介装置100以外のサーバ装置(例えば、各種アプリケーションを提供するサーバ装置)からダウンロードされることでユーザ端末10にインストールされてもよい。
【0029】
図3に示すように、購入要求制御部14は、表示制御部15と、要求部16と、受信部17とを有し、以下の説明する情報処理の機能や作用を実現または実行する。なお、購入要求制御部14の内部構成は、
図3に示した構成に限られず、後述する情報処理を行う構成であれば他の構成であってもよい。また、購入要求制御部14が有する各処理部の接続関係は、
図3に示した接続関係に限られず、他の接続関係であってもよい。
【0030】
表示制御部15は、入力部12によって受け付けられた各種操作に応じて、出力部13に各種情報を表示制御する。実施形態に係る表示制御部15は、入力部12によって受け付けられた各種操作に応じて、売残り商品購入に係る各種情報を入力するための入力画面や、ユーザと店舗間で取引が成立した際の確認画面を出力部13に表示制御する。
【0031】
ここで、
図4を用いて、表示制御部15によって表示制御されることで、出力部13に表示される入力画面について説明する。
図4は、実施形態に係る入力画面の一例を示す図である。
図4に示すように、入力画面W10は、入力欄T11〜T15を有する。
【0032】
入力欄T11は、「購入希望日」が選択されるプルダウンに該当する。ここで、「購入希望日」は、ユーザが購入希望する売残り商品に対するユーザの購入希望日を示す。ここで、売残り商品が生鮮食品である場合、売残り発生当日の品に限られるため、表示制御部15は、「当日発生した売残り商品が対象となります」といった注意書きを入力画面W10に表示してもよい。
【0033】
入力欄T12は、「店舗」が選択されるプルダウンに該当する。ここで、「店舗」は、ユーザが購入希望する売残り商品に対するユーザの購入希望店を示す。このとき、表示制御部15は、店舗名とともに店舗の所在地を入力画面W10に表示してもよい。また、表示制御部15は、店舗の地図を表示するリンクを入力画面W10に表示してもよい。これにより、表示制御部15は、ユーザに対してユーザが希望する店舗の所在地を確認させることができる。
【0034】
入力欄T13は、「商品」が選択されるプルダウンに該当する。ここでの、「商品」は、売残った場合には、ユーザが購入希望する商品品目を示す。このとき、ユーザは異なる商品であれば複数選択してもよい。また、入力欄T13には、ユーザが選択できる商品数の上限が設定されていてもよい。なお、商品によっては、複数セットの場合もある(例えば、さんま3匹パック、ビール5本詰など)。
【0035】
入力欄T14は、「数量」が入力されるテキストボックスに該当する。ここで、「数量」は、ユーザが購入希望する売残り商品に対するユーザの購入希望数を示す。そして、ユーザは、商品欄T13で選択した商品の表示形式によって数量を指定することができる。例えば、ユーザは、入力欄T13で「豚肉」を選択したとすると、入力欄T14では希望グラム数を入力すればよい。また、ユーザは、入力欄T13で「豚肉500gパック」を選択したとすると、入力欄T14では希望パック数を入力すればよい。
【0036】
入力欄T15は、「価格」が入力されるテキストボックスに該当する。ここで、「価格」は、ユーザが購入希望する売残り商品に対するユーザの希望購入価格を示す。ユーザは、商品によっては価格相場が不明な場合もあるため、表示制御部15は、入力欄T13で指定された商品の定価を入力画面W10に表示してもよい。また、ユーザが入力欄T12において店舗を指定した時点で、入力画面W10には、店舗詳細画面へのリンクが表示されてもよい。これにより、入力画面W10は、ユーザに対し店舗詳細画面から商品の定価情報を取得可能にしてもよい。なお、「価格」は、ユーザが希望する価格自体であってもよいし、定価に対する割引率であってもよい。
【0037】
なお、図示していないが、入力画面W10に「OK」ボタン等を設置し、ユーザに「OK」ボタンが押下された場合には、ユーザによって入力された各種情報を確定させてもよい。また、入力欄T12に表示される店舗情報や、入力欄T13に表示される商品情報は、図示しない所定の記憶部(メモリなど)にあらかじめ格納さていてもよい、あるいは、図示しない所定の取得部によって状況に応じて店舗端末20やネットワーク上のサーバ装置から取得されてもよい。
【0038】
要求部16は、入力部12がユーザの操作によって受け付けた入力情報を、表示制御部15を介して受け付ける。そして、要求部16は、受け付けた入力情報を仲介装置100へ送信する。具体的には、要求部16は、ユーザが購入を希望する購入希望商品と、かかる購入希望商品の価格の条件とに関する情報を含む購入要求を仲介装置100に送信する。
図4に示す例では、要求部16は、入力画面W10の各入力欄においてユーザが入力した情報とともにユーザIDを含んだ購入要求を仲介装置100に送信する。
【0039】
受信部17は、仲介装置100からユーザと店舗間で取引成立に関する情報を受信する。具体的には、受信部17は、店舗において販売される販売商品及び所定の時間帯における販売商品の販売価格に関する情報を含む販売要求を仲介装置100に送信する店舗側と購入要求に対応するユーザとの間における販売商品の売買に関する決済を行った仲介装置100から、決済に関する情報を受信する。ここで、決済に関する情報とは、例えば
図1に示す「購入希望日:2014/2/1、店舗:店舗A01、商品:豚肉、数量:100g、価格:¥100」といった購入要求のうちユーザによって設定された購入希望の売残り商品に関する情報と、ユーザが商品引取りの際に必要となる商品引換番号などを含んだ情報である。なお、前述したように商品との引換は、商品引換番号に限らない。また、受信部17は、取引成立に係る情報を
図3に図示しない所定の記憶部(メモリなど)に格納する。
【0040】
なお、上述した表示制御部15は、受信部17によって受信された取引成立に関する情報を出力部13に表示制御する。具体的には、表示制御部15は、取引成立に係る情報として商品引換番号を含む確認画面を出力部13に表示制御する。
【0041】
〔3−2.仲介装置の構成〕
次に、
図5を用いて、実施形態に係る仲介装置100について説明する。
図5は、実施形態に係る仲介装置100の構成例を示す図である。
図5に示すように、仲介装置100は、通信部110と、記憶部120と、制御部130とを有する。
【0042】
通信部110は、例えば、NIC等によって実現される。そして、通信部110は、ネットワークNと有線又は無線で接続される。
【0043】
記憶部120は、例えば、RAM、フラッシュメモリ(Flash Memory)等の半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現される。
図5に示すように、記憶部120は、ユーザ情報記憶部121、購入要求記憶部122、販売要求記憶部123とを有する。
【0044】
ユーザ情報記憶部121は、ユーザ端末10のユーザに関する各種情報を記憶する。ここで、
図6に、実施形態に係るユーザ情報記憶部121の一例を示す。
図6に示した例では、ユーザ情報記憶部121は、「ユーザID」、「氏名」、「住所」、「性別」といった項目を有する。
【0045】
「ユーザID」は、ユーザ端末10又はユーザ端末10のユーザを識別するための識別情報を示す。「氏名」は、ユーザの氏名を示す。「住所」は、ユーザの住所を示す。「性別」は、ユーザの性別を示す。なお、以下では、「ユーザID」をユーザの参照符号として用いる場合がある。例えば、ユーザID「U01」によって識別されるユーザを「ユーザU01」と表記する場合がある。
【0046】
購入要求記憶部122は、ユーザ端末10から受信した購入要求を記憶する。ここで、
図7に、実施形態に係る購入要求記憶部122の一例を示す。
図7に示す例では、購入要求記憶部122は、「購入希望日」、「ユーザID」、「受信日時」、「店舗」、「商品」、「数量」、「価格(割引率)」といった項目を有する。そして、購入要求記憶部122は、ユーザ端末10から受付けた購入要求を、購入希望日ごとに記憶する。なお、購入要求のうちユーザが購入希望する売残り商品に関する各種情報として「購入希望日」、「店舗」、「商品」、「数量」、「価格」を示したが、これに限るものではない。
【0047】
ここで、「ユーザID」は、
図6に示したユーザIDに対応する。「受信日時」は、仲介装置100が、ユーザ端末10から購入要求を受け付けた受付日時を示す。また、「購入希望日」は、
図4に示した入力欄T11にユーザによって設定された「購入希望日」に対応する。「店舗」は、
図4に示した入力欄T12にユーザによって設定された「店舗名」に対応する。「商品」は、
図4に示した入力欄T13にユーザによって設定された「商品品目」に対応する。「数量」は、
図4に示した入力欄T14にユーザによって設定された「数量」に対応する。「価格」は、
図4に示した入力欄T15にユーザによって設定された「価格(割引率)」に対応する。
【0048】
後に詳述するが、販売要求を満たす複数の購入要求が存在する場合に、仲介装置100は、各ユーザに優先順位を定めて購入者を決定することがある。このとき、優先順位の決定方法の一つとして、ユーザからの購入要求の受付順という決定方法が存在するため、購入要求記憶部122は、受付日時を記憶しておく。また、
図7に示すユーザU01のように、ユーザは、購入要求を1日に複数回設定してもよい。このとき、ユーザはそれぞれの購入要求に異なる店舗を設定してもよい。また、ユーザは、購入希望日よりも前の日に購入要求を送信してもよいし、購入希望の期間や終期を指定してもよい。購入希望日の指定自体を省略した実施も可能である。なお、購入要求受付に関して、仲介装置100、あるいは店舗端末20によってあらかじめ受付期限が設定されているものとする。
【0049】
すなわち、
図7では、ユーザU01が「2014/1/30 22:01」において「2014/1/31、店舗A01にて豚肉100gパック売れ残った場合、1個¥100以下であれば購入する」といった内容の購入要求を送信した例を示す。
【0050】
販売要求記憶部123は、店舗端末20の各店舗によって設定される販売要求を記憶する。販売要求とは、各店舗において所定の時刻を過ぎても売残った商品と、売残った商品の割引価格を含む売残り商品情報を示す。ここで、
図8に、実施形態に係る販売要求記憶部123の一例を示す。
図8に示した例では、販売要求記憶部123は、「店舗ID」、「販売日」、「商品」、「数量」、「価格(割引率)」といった項目を有する。そして、販売要求記憶部123は、店舗端末20から受付けた販売要求をそれぞれに記憶する。
【0051】
「店舗ID」は、店舗端末20を識別するための識別情報を示す。また、
図8に示す店舗A01のように、店舗は、販売要求を1日に複数回設定してもよい。これは、店舗によっては1日にタイムセールを複数回行う場合があり、店舗はタイムセールごとに販売要求を送信することが考えられるためである。なお、以下では、「店舗ID」を店舗の参照符号として用いる場合がある。例えば、店舗ID「A01」によって識別される店舗を「店舗A01」と表記する場合がある。
【0052】
「販売日」は、各店舗における売残り商品の販売日である。店舗は、生鮮食品など消費期限の短い商品に関しては、売残り発生当日に限り販売要求として仲介装置100に通知するが、飲料水など消費期限の長い商品に関しては、店舗の判断で翌日再び販売されてもよい。また、販売要求の「販売日」は、購入要求の「購入希望日」に対応する。「商品」は、店舗によってタイムセールなどの割引が行われたが所定の時刻を過ぎても売残った商品を示す。「数量」は、各売残り商品の売残った数量を示す。「価格(割引率)」は、所定の時間を過ぎても売れ残った商品の割引価格や割引率を示す。
【0053】
すなわち、
図8では、店舗A01が「2014/2/1、豚肉100gパック1個を割引価格¥100で販売」といった内容の販売要求を送信した例を示す。
【0054】
制御部130は、例えば、CPUやMPU等によって、仲介装置100の内部の記憶装置に記憶されている各種プログラム(仲介プログラムの一例に相当)がRAMを作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部130は、例えば、ASICやFPGA等の集積回路により実現される。
【0055】
図5に示すように、制御部130は、購入受付部131と、販売受付部132と、抽出部133と、決済部134と、通知部135と、算定部136とを有し、以下に説明する情報処理の機能や作用を実現または実行する。なお、制御部130の内部構成は、
図5に示した構成に限られず、後述する情報処理を行う構成であれば他の構成であってもよい。また、制御部130が有する各処理部の接続関係は、
図5に示した接続関係に限られず、他の接続関係であってもよい。
【0056】
購入受付部131は、ユーザ端末10から送信される購入要求を受け付ける。具体的には、購入受付部131は、ユーザ端末10からユーザが購入を希望する購入希望商品と、購入希望商品の価格の条件とに関する情報を含む購入要求を受け付ける。そして、購入受付部131は、受け付けた購入要求を購入要求記憶部122に格納する。このとき、購入要求記憶部122は、購入希望日ごとに各ユーザ端末10から送信される購入要求を管理する。
【0057】
販売受付部132は、店舗端末20から送信される販売要求を受け付ける。具体的には、販売受付部132は、店舗において販売される販売商品と、所定の時間帯における販売商品の販売価格とに関する情報を含む販売要求を受け付ける。そして、販売受付部132は、受け付けた販売要求を販売要求記憶部123に格納する。このとき、販売要求報記憶部は123は、各店舗端末20から送信される販売要求ごとに管理する。
【0058】
抽出部133は、売残り商品の購入者を決定する。具体的には、抽出部133は、販売受付部132が販売要求を受信した場合に、購入受付部によって受け付けられた購入要求のうち、販売受付部132によって受け付けられた販売要求に対応する購入要求を抽出する。このとき、抽出部133は、販売要求の「販売日」、「店舗」、「商品」それぞれと一致する「購入希望日」、「店舗」、「商品」が設定されている購入要求であり、かつ、販売要求の「数量」以下の「数量」が設定されている購入要求であり、かつ、販売要求の「価格」以上(割引率の場合は、販売要求の「割引率」以上)の「価格」(割引率)が設定されている購入要求を抽出する。そして、抽出部133は、抽出した購入要求の送信元のユーザを購入者として決定する。
【0059】
例えば、抽出部133は、販売要求を満たす複数の購入要求が存在する場合に、購入受付部131が、購入要求を受信した順に、決済対象の購入要求を抽出する。
図7に示した例では、ユーザU01とユーザU02は購入要求受信日時以外で同一の購入要求を示している。このとき、店舗A01の販売要求を「販売日:2011/1/31、店舗:A01、商品:豚肉100gパック、数量:1、価格:¥100」とすると、店舗A01の販売要求をユーザU01とユーザU02の両方の購入要求が満たしていることになる。つまり、1個の売残り商品に対して2人の購入者候補が存在していることになり、どちらかを購入者として決定する必要がある。このようなとき、抽出部133は、ユーザU01とユーザU02からの購入要求受信日時を比較して、購入要求受信日時の早い方のユーザU01の購入要求を優先的に決済対象の購入要求として抽出する。
【0060】
決済部134は、ユーザと店舗間での売買に関する決済を行う。具体的には、決済部134は、抽出部133によって購入要求が抽出された場合に、抽出された購入要求に対応するユーザと、販売要求に対応する店舗との間における販売商品の売買に関する決済を行う。
図1の例では、決済部134は、抽出部133によって購入者として決定されたユーザU01の購入要求に基づいて、ユーザU01と店舗A01との間で豚肉100g¥100の決済を行う。
【0061】
通知部135は、取引成立通知をユーザ端末10へ送信する。具体的には、通知部135は、決済部134によって決済が行われた場合に、取引成立した内容をユーザ端末10の受信部17へ送信する。ここで、取引成立した内容とは、例えば
図1に示すような、決済対象となった購入要求に含まれる商品情報やユーザが商品引取りの際に必要な商品引換番号などである。
【0062】
算定部136は、後述するが、ユーザが売残り商品引取りに来店した際にユーザが行った買い物よる売上金額を算定する。
【0063】
〔4.仲介システムの処理手順〕
次に、
図9を用いて、実施形態に係る仲介システムによる処理の手順について説明する。
図9は、実施形態に係る仲介システムによる処理手順を示すシーケンス図である。
【0064】
図9に示すように、ユーザ端末10は、ユーザの操作に従って、購入要求を仲介装置100に送信する(ステップS101)。
【0065】
続いて、仲介装置100は、ユーザ端末10から受信した購入要求を購入要求記憶部122に記憶する(ステップS102)。
【0066】
続いて、店舗端末20は、店員の操作に従って、販売要求を仲介装置100に送信する(ステップS103)。
【0067】
続いて、仲介装置100は、店舗端末20から受信した販売要求を販売要求記憶部123に記憶する(ステップS104)。
【0068】
そして、仲介装置100は、店舗端末20から販売要求を受信した場合に、販売要求を満たす購入要求が存在するか否かを判定する。そして、仲介装置100は、販売要求を満たす購入要求の送信元のユーザを購入者として決定する(ステップS105)。
【0069】
続いて、仲介装置100は、購入者として決定したユーザの購入要求に基づいて、ユーザと店舗間での決済を行う(ステップS106)。そして、仲介装置100は、ユーザ端末10と店舗端末20に取引成立を通知する。このとき、仲介装置100は、ユーザ端末10には、取引内容を記載した専用の確認画面を表示させる(ステップS107)。
【0070】
そして、ユーザは、ユーザ端末10によって仲介装置100からの取引成立通知を受けた場合に、ユーザ自身が商品を受け取りに店舗へ向かう(ステップS108)。このとき、ユーザ端末10は、ユーザU01の操作に従って、仲介装置100から受信した商品引換番号を、画面上に表示する。
【0071】
〔5.変形例〕
上述した実施例に係る仲介装置100は、上記実施形態以外にも種々の異なる形態にて実施されてよい。そこで、以下では、仲介装置100の他の実施例について説明する。
【0072】
〔5−1.購入者の決定(1)〕
上記実施形態では、抽出部133が、販売要求を満たす複数の購入要求が存在する場合に、購入要求を受信した順に購入要求を抽出する例を示した。しかし、抽出部133は、ユーザの所在地に基づいて、購入要求を抽出してもよい。具体的には、抽出部133は、店舗場所により近く所在地を有するユーザの購入要求を優先的に決済対象の購入要求を抽出してもよい。ここで、
図6に示す例のように、仲介装置100は、事前にユーザから住所情報を受け付けておくことで、店舗住所とユーザ所在地の位置関係を割り出してもよい。また、ユーザがユーザ端末10に位置検索アプリケーション(以下、「位置検索アプリ」と表記する場合がある)を導入している場合や、購入要求アプリが位置検索アプリ機能を有している場合には、仲介装置100は、ユーザ端末10から位置履歴を抽出し、例えば、ユーザが所定時間以上停止している位置を所在地として決定してもよい。なお、位置検索は販売受付部132が、店舗端末20から販売要求を受け付けた時点で、仲介装置100が位置検索アプリを導入しているユーザ端末10にアクセスしてもよいし、定期的に仲介装置100が位置検索アプリを導入しているユーザ端末10にアクセスしユーザの位置情報を更新してもよい。逆に、位置検索アプリを導入しているユーザ端末10が仲介装置100へ送信する形であってもよい。
【0073】
〔5−2.購入者の決定(2)〕
また、抽出部133は、販売要求を満たす複数の購入要求が存在する場合に、店舗位置とユーザの現在地に基づいて、購入要求を抽出してもよい。具体的には、抽出部133は、販売受付部132が、販売要求を受け付けた時刻において店舗場所により近く位置するユーザの購入要求を優先的に決済対象の購入要求として抽出する。この場合、ユーザ端末10には、位置検索アプリが導入されているか、購入要求アプリが位置検索アプリ機能を有している必要がある。なお、位置検索は販売受付部132が、販売要求を受け付けた時点で、仲介装置100が位置アプリを導入しているユーザ端末10にアクセスしてもよいし、定期的に仲介装置100が位置検索アプリを導入しているユーザ端末10にアクセスしユーザの位置情報を更新してもよい。逆に、位置アプリを導入しているユーザ端末10が仲介装置100へ送信する形であってもよい。
【0074】
〔5−3.購入者の決定(3)〕
抽出部133は、販売要求を満たす複数の購入要求が存在する場合に、見込購入単価が多いユーザの購入要求を優先的に決済対象の購入要求として抽出してもよい。具体的には、決済対象候補の購入要求に対応するユーザが会員登録している場合、仲介装置100は、該当店舗のサーバへアクセスし、各決済候補のユーザの過去購入履歴を取得する。そして、抽出部133は、仲介装置100が取得した各決済候補ユーザの過去購入履歴を比較し、過去において該当店舗で購入履歴が多いユーザの購入要求を優先的に決済対象の購入要求として抽出する。過去購入履歴が多いユーザは、該当店舗における常連であることが考えられる。そのため、店舗側は、常連の可能性が高い過去購入履歴が多いユーザが来店した方が、同時買いによる売り上げ向上につながるメリットがある。よって、店側の要求を反映した抽出といえる。
【0075】
〔5−4.購入者の決定(4)〕
また、抽出部133は、販売要求を満たす複数の購入要求が存在する場合に、商品重量とユーザの移動手段から決済対象の購入要求を抽出してもよい。具体的には、抽出部133は、所定の重量以上の販売商品に対する販売要求を満たす複数の購入要求が存在する場合に、購入要求に対応するユーザが前記店舗に来店する際の交通手段と、前記販売商品の重量とに基づいて、決済対象の購入要求抽出に優先順位を設定してもよい。例えば、「店舗A01、1.5リットル飲料水10本セット、1組、¥500」という販売要求に一致する購入要求が複数存在したとする。このとき、抽出部133は、販売受付部132が、販売要求を受け付けた時刻において各購入要求に対応するユーザの現在位置と移動手段を調査する。この場合、各ユーザのユーザ端末10には、位置検索アプリが導入されているか、購入要求アプリが位置検索アプリ機能を有している必要がある。
【0076】
まず、仲介装置100は、販売受付部132が、販売要求を受け付けた時刻において、店舗端末20から各ユーザの位置情報を取得し、店舗A01から所定の距離以内に位置するユーザを判定する。ここで、所定の距離とは、仲介装置100や店舗端末20によって設定されるものである。そして、店舗A01付近に現在地を有するユーザがいれば、取引成立の通知を受けた場合、店舗A01に立ち寄ることが想定される。このとき、抽出部133は、仲介装置100が取得した位置情報に基づいて、店舗A01付近に現在地を有するユーザの移動手段を判定する。例えば、定期的に位置情報を取得し、ユーザの時間経過における移動距離から判定してもよい(単位時間当たりの移動距離が所定の距離以上である場合は、移動手段は自転車や車と判定する)。また、ユーザが駅付近に位置する場合は、移動手段は電車であると判定してもよい。さらに、ユーザが高速道路など主要道路上に位置する場合は、移動手段は車であると判定してもよい。そして、店舗A01付近に現在地を有し、かつ、移動手段が車のユーザに対応する購入要求を決済多少の購入要求として抽出する。これにより、移動手段が徒歩のユーザに1.5リットル飲料水10本セットという重量級の商品が渡る事態を回避することができる。なお、位置検索は販売受付部132が、販売要求を受け付けた時点で、仲介装置100が位置検索アプリを導入しているユーザ端末10にアクセスしてもよいし、定期的に仲介装置100が位置検索アプリを導入しているユーザ端末10にアクセスしユーザの位置情報を更新してもよい。逆に、位置アプリを導入しているユーザ端末10が仲介装置100へ送信する形であってもよい。
【0077】
〔5−5.購入者の決定(5)〕
上記実施形態に係る抽出部133は、販売要求を満たす複数の購入要求が存在する場合に、優先順位に基づいて決済対象となる購入要求を抽出する例を示した。しかし、抽出部133は、販売商品を分配することで、均等に決済対象の購入要求を抽出してもよい。この点について、
図10を用いて説明する。
【0078】
図10は、変形例に係る購入要求記憶部122と販売要求記憶部123の比較の一例を示す図である。
図10に示すように、「販売日:2014/2/1、店舗:店舗a01、商品:豚肉、数量:1000g、価格:¥100/100g」といった販売要求を満たす購入要求に対応するユーザがユーザU01〜ユーザU05まで存在したとする。このとき、抽出部133は、優先順位に基づいて各ユーザに対応する購入要求から決済対象の購入要求を抽出するのではなく、均等に各ユーザに対応する購入要求から決済対象の購入要求を抽出できるように商品を分配する。分配方法としては、豚肉100gをユーザ5人に200gずつ均等分配してもよい。また、ユーザU01に500g、ユーザU02に300g、ユーザU03に200gといった形で希望数量を満たして分配し、分配できなかったユーザU04、ユーザU05関しては、次回、購入要求を出した場合には、優先的に希望数量を分配してもよい。なお、
図10に示す例では、均等分配した場合、ユーザU03以外は希望数量を満たしていないことになる。ここで、仲介装置100は、ユーザに対し、「部分買いしますか?」といった内容で同意を得るようにしてもよい。このような分配方法を採用することで、抽出部133は、購入希望商品を購入できないユーザを減らすことができる。
【0079】
〔5−6.購入者の約定制御(1)〕
上記実施形態に係る抽出部133は、販売要求を満たす複数の購入要求が存在する場合において、優先順位などを設定することにより、複数の購入要求から決済対象となる購入要求を抽出する例を示した。ここで、抽出部133は、店舗の駐車料金と購入要求に含まれるユーザの希望購入価格との間に設けられた一定の制限に基づいて、決済対象の購入要求を抽出する例について説明する。
【0080】
具体的には、店舗において購入された商品の価格に応じて変動する店舗の駐車料金と、販売商品の販売価格とに基づいて、決済対象の購入要求を抽出する。例えば、店舗A01に希望購入価格¥1,500の購入要求及び希望購入価格¥500の購入要求が存在するとする。また、店舗A01では、¥2,000以上で駐車料金が無料になるとする。このとき、仲介装置100が「駐車料金の下限額から駐車料金の半額以上の希望購入価格を抽出対象」といった制限を設定していたとすると、抽出部133は、希望購入価格¥1,500に対応する購入要求を抽出対象として残し、希望購入価格¥500に対応する購入要求を除外する。これにより、希望購入価格¥1,500を設定したユーザが、購入者として決定された場合には、残り¥500分買い物すれば駐車料金を無料にすることができる。一方、希望購入価格¥500を設定したユーザが、購入者として決定された場合には、駐車料金を無料にするには残り¥1,500分買い物する必要がある。つまり、あらかじめ仲介装置100が「駐車料金の下限額から一定額以上の希望購入価格を抽出対象」といった制限を設けておくことで、抽出部133は、ユーザに対して駐車場料金という決済金額以外の出費を軽減することができる。ここで、抽出部133は、制限を満たす購入要求が複数存在した場合には、上記優先順位をさらに適用してもよいし、制限を満たさず除外された購入要求にも上記優先順位をさらに適用してもよい。また、抽出部133は、制限を満たす購入要求が存在しない場合は、制限を無視してもよい。また、駐車料金の下限額から一定額という値設定は、店舗によって行われてもよい。さらに、仲介装置100は、あらかじめ各店舗の駐車料金情報を記憶しているものとする。
【0081】
〔5−7.購入者の約定制御(2)〕
また、抽出部133は、ユーザの交通手段と販売商品の販売価格との間に一定の制限に基づいて、決済対象の購入要求を抽出してもよい。具体的には、販売要求に対応する購入要求のうち、購入要求に対応するユーザが店舗に来店する際の交通手段と、販売商品の販売価格とに基づいて、決済対象の購入要求を抽出する。例えば、仲介装置100は、「¥500以下の販売商品は徒歩及び自転車のユーザの購入要求を対象」といった制限を設定していたとすると、抽出部133は、希望購入価格¥500以下の購入要求に対応するユーザのうち交通手段が徒歩及び自転車のユーザの購入要求を抽出対象とする。つまり、あらかじめ仲介装置100が「一定額以下の販売商品は徒歩及び自転車のユーザの購入要求を対象」といった制限を設けておくことで、抽出部133は、安い商品を自動車で(駐車料金などをかけて)引取りに来なければならなくなるといった事態を回避することができる。なお交通手段の判定は、前述したように、仲介装置100が、ユーザ端末10が有する位置検索アプリから情報を取得してもよいし、また、登録されている住所が店舗近隣であれば徒歩や自転車で来店する可能性があると判断してもよい。ここで、抽出部133は、制限を満たす購入要求が複数存在した場合には、上記優先順位をさらに適用してもよいし、制限満たさず除外された購入要求にも上記優先順位をさらに適用してもよい。また、抽出部133は、制限を満たす購入要求が存在しない場合は、制限を無視してもい。さらに、販売商品の一定額以下の値設定は、店舗によって行われてもよい。
。
【0082】
〔5−8.購入者の約定制御(3)〕
また、抽出部133は、販売要求に対応する購入要求のうち、店舗において実施されているキャンペーン対象のユーザ属性と、購入要求に対応するユーザのユーザ属性とに基づいて、決済対象の購入要求を抽出してもよい。例えば、店舗A01は、子供用品のキャンペーン中であるとする。このとき、女性でかつ子供のいるユーザが来店すれば、商品引取りの同時買いとして子供用品も購入する可能性があり、店側は子供用品の販売促進につなげることができる。すなわち、店舗A01は、自身の店舗がターゲットとしているユーザにより多く来店させるように、あらかじめ仲介装置100にユーザ属性を指定する。そして、仲介装置100がユーザの個人情報登録時などに性別や子供の有無、子供の年齢を問い合わせておくことで、抽出部133は、店舗の指定するユーザ属性に対応するユーザの購入要求を優先的に抽出する。
【0083】
〔5−9.決済手段〕
また、抽出部133は、店舗が決済手段を指定している場合、該当する決済手段(例えば、所定のサービスブランドの電子マネーなど)に対応可能なユーザの購入要求を優先的に決済対象の購入要求として抽出してもよい。仲介装置100は、ユーザの個人情報登録時などに決済手段も問い合わせる。このとき、店舗の指定する決済手段に一致するユーザの購入要求を優先的に抽出する。
【0084】
〔5−10.購入権を次席者に譲渡〕
購入受付部131は、販売要求に対応する複数の購入要求から一部の購入要求が抽出されて取引成立となった場合には、抽出された購入要求を取り消す取消要求を受け付ける。つまり、抽出部133は、決済対象となった購入要求に対応するユーザに対して、事情変更等で取引を取り消したい場合、次席者があれば、購入権を辞退し決済対象からはずれたユーザである次席者に譲渡するか否かを確認することができる。譲渡された購入権は、典型的には、辞退したユーザが抽出された際に優先順位で次席だったユーザに割り当てられる。次席だったユーザに、譲渡を受けるか否か確認するようにしてもよいし、さらに、否定された譲渡はさらなる次席者へ割り当てられる処理が、譲渡が受け入れられるまでまたは次席者が尽きるまで繰り返されるようにしてもよい。
【0085】
〔5−11.レベニューシェア〕
店舗は、売残り商品の決済が完了し、商品引取りに来店したユーザが行った買い物(同時買い)によって得られた売上げの一部を店舗の運営に関わった会社(仲介装置100の管理会社)に支払う(レベニーシェア)。例えば、店舗A01は、仲介装置100の運営会社に対して1月単位などで支払う。
【0086】
算定部136は、商品引取りの際に、ユーザが行った買い物による売上金額を算定する。例えば、店舗は、商品引取り方法として、レジ場所や引取り場所にて、仲介装置100からユーザ端末10に送信された取引成立画面に表示される識別番号などを、ユーザから店員に報告させる、または、店員が機械で取引成立画面を読み込むといった方式をとっておく。このとき、ユーザが同時に他の商品も会計依頼していれば、算定部136は、合計金額から決済額を差し引いた金額を同時買いで生じた金額として算定する。また、ユーザは、商品の引取りとは別に同時買いだけで会計を依頼した場合には、商品引取りと所定の時間以内の会計は同時買いによる売上げ金額として算定してもよい。このときの所定の時間は、仲介装置100で自由に決定されるものであってよい。これにより、算定部136は、ユーザが売残り品引取り時に行った同時買いによる売上金額を算定することができる。
【0087】
〔5−12.取引仲介〕
仲介装置100は、転売を仲介する。例えば、取引完了通画面に「転売しますか?」といった項目を設定しておくことで、ユーザが転売希望した場合には、仲介装置100は、他のユーザに転売対象の商品情報と価格を通知する。価格は転売元ユーザが自由に設定してもよいし、仲介装置100が決済額を基準に、一定の価格範囲で設定するように指示してもよい。購入希望者が現れた場合には、仲介装置100は、転売価格を転売元ユーザに戻し、転売先ユーザに課金する。また、このようにして連鎖的に転売が行われてもよい。
【0088】
〔5−13.購入要求の設定方法〕
上記の実施形態では、ユーザ端末10は、ユーザによって「購入要求アプリ」をインストールされることで、購入要求を受け付ける例や、取引成立に係る確認画面を表示する例を示した。しかし、ユーザ端末10は、「購入要求アプリ」をインストールされなくてもよい。この場合、購入要求に係る専用のウェブページが仲介装置100から配信されることで、ユーザ端末10は、ユーザの操作によってウェブページにアクセスしてもよい。そして、ユーザ端末10は、ウェブページを表示することで、ユーザからの購入要求に係る入力操作を受け付けてもよい。また、取引成立に係る確認ページの代わりに、あらかじめユーザが登録しているメールアドレス宛てに、仲介装置100が取引成立通知を送信してもよい。
【0089】
〔5−14.プログラム〕
また、上述してきた実施形態に係る仲介装置100は、例えば
図11に示すような構成のコンピュータ1000によって実現される。以下、仲介装置100を例に挙げて説明する。
図11は、仲介装置100の機能を実現するコンピュータ1000の一例を示すハードウェア構成図である。コンピュータ1000は、CPU1100、RAM1200、ROM1300、HDD1400、通信インターフェイス(I/F)1500、入出力インターフェイス(I/F)1600、及びメディアインターフェイス(I/F)1700を有する。
【0090】
CPU1100は、ROM1300又はHDD1400に格納されたプログラムに基づいて動作し、各部の制御を行う。ROM1300は、コンピュータ1000の起動時にCPU1100によって実行されるブートプログラムや、コンピュータ1000のハードウェアに依存するプログラム等を格納する。
【0091】
HDD1400は、CPU1100によって実行されるプログラム、及び、かかるプログラムによって使用されるデータ等を格納する。通信インターフェイス1500は、通信網50を介して他の機器からデータを受信してCPU1100へ送り、CPU1100が生成したデータを、通信網50を介して他の機器へ送信する。
【0092】
CPU1100は、入出力インターフェイス1600を介して、ディスプレイやプリンタ等の出力装置、及び、キーボードやマウス等の入力装置を制御する。CPU1100は、入出力インターフェイス1600を介して、入力装置からデータを取得する。また、CPU1100は、生成したデータを、入出力インターフェイス1600を介して出力装置へ出力する。
【0093】
メディアインターフェイス1700は、記録媒体1800に格納されたプログラム又はデータを読み取り、RAM1200を介してCPU1100に提供する。CPU1100は、かかるプログラムを、メディアインターフェイス1700を介して記録媒体1800からRAM1200上にロードし、ロードしたプログラムを実行する。記録媒体1800は、例えばDVD(Digital Versatile Disc)、PD(Phase change rewritable Disk)等の光学記録媒体、MO(Magneto-Optical disk)等の光磁気記録媒体、テープ媒体、磁気記録媒体、または半導体メモリ等である。
【0094】
例えば、コンピュータ1000が実施形態に係る仲介装置100として機能する場合、コンピュータ1000のCPU1100は、RAM1200上にロードされたプログラムを実行することにより、制御部130の機能を実現する。また、HDD1400には、記憶部120内のデータが格納される。コンピュータ1000のCPU1100は、これらのプログラムを、記録媒体1800から読み取って実行するが、他の例として、他の装置から、通信網50を介してこれらのプログラムを取得してもよい。
【0095】
〔5−15.その他〕
上記実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0096】
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。
【0097】
また、上述してきた各実施形態は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。
【0098】
〔6.効果〕
上述してきたように、実施形態に係る仲介装置100は、抽出部133と、決済部134と、通知部135とを有する。抽出部133は、販売要求を満たす購入要求を抽出する。決済部135は、抽出部133によって抽出された購入要求に対応するユーザと店舗間での決済を行う。通知部135は、決済対象となったユーザのユーザ端末10へ取引成立通知を送信する。
【0099】
これにより、実施形態に係る仲介装置100は、売残り発生前であればいかなるときもユーザからの購入条件を受け付けることができるので、ユーザの意図するタイミングと条件で効果的に売残り商品を販売することができる。
【0100】
また、実施形態に係る抽出部133は、販売要求に対応する購入要求のうち、購入要求が受け付けられた順番に基づいて、決済対象の購入要求を抽出する。
【0101】
これにより、実施形態に係る仲介装置100は、購入要求を入稿するタイミングがより早かったユーザほどユーザが希望する条件で売残り商品を購入させることができる。
【0102】
また、実施形態に係る抽出部133は、販売要求に対応する購入要求のうち、購入要求に対応するユーザの所在地と店舗との距離に基づいて、決済対象の購入要求を抽出する。
【0103】
これにより、実施形態に係る仲介装置100は、ユーザへの生活の利便性を高めることができる。
【0104】
また、実施形態に係る抽出部133は、販売要求に対応する購入要求のうち、購入要求に対応するユーザの現在地と店舗との距離に基づいて、決済対象の購入要求を抽出する。
【0105】
これにより、実施形態に係る仲介装置100は、ユーザが商品引取りに要する時間を短縮させることができる。
【0106】
また、実施形態に係る抽出部133は、購入要求に対応するユーザが店舗に来店する際の交通手段と、販売商品の重量とに基づいて、決済対象の購入要求を抽出する。
【0107】
これにより、実施形態に係る仲介装置100は、商品重量によるユーザへの身体的負担を軽減することができる。
【0108】
また、実施形態に係る抽出部133は、店舗において購入された商品の価格に応じて変動する店舗の駐車料金と、販売商品の販売価格とに基づいて、購入要求を抽出する。
【0109】
これにより、実施形態に係る仲介装置100は、駐車料金によるユーザへの金銭的負担を軽減することができる。
【0110】
また、実施形態に係る抽出部133は、販売要求に対応する購入要求のうち、購入要求に対応するユーザが店舗に来店する際の交通手段と、販売価格とに基づいて、決済対象の購入要求を抽出する。
【0111】
これにより、実施形態に係る仲介装置100は、交通費及び駐車料金によるユーザへの金銭的負担を軽減することができる。
【0112】
また、実施形態に係る抽出部133は、販売要求に対応する購入要求のうち、店舗において実施されているキャンペーン対象のユーザ属性と、購入要求に対応するユーザのユーザ属性とに基づいて、決済対象の購入要求を抽出する。
【0113】
これにより、実施形態に係る仲介装置100は、キャンペーン中の商品を販売促進させることができる。
【0114】
また、実施形態に係る購入受付部131は、抽出部によって販売要求に対応する複数の購入要求から一部の購入要求が抽出された場合には、抽出部によって抽出された一部の購入要求を取り消す取消要求を受け付ける。
【0115】
これにより、実施形態に係る仲介装置100は、決済対象から外れた購入要求を決済対象に繰り上げることができ、ユーザの事情変更で商品が不要になった場合でも、商品やその代金が無駄にならず活用できる。
【0116】
また、実施形態に係る算定部136は、販売商品を取得するために前記店舗に来店したユーザによって販売商品以外の他の商品が購入された場合に、他の商品の売り上げの一部を仲介費として算定する。
【0117】
これにより、実施形態に係る仲介装置100は、提携している店舗と利益を分配することができる。
【0118】
以上、本願の実施形態のいくつかを図面に基づいて詳細に説明したが、これらは例示であり、発明の開示の欄に記載の態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変形、改良を施した他の形態で本発明を実施することが可能である。
【0119】
また、上述してきた「部(section、module、unit)」は、「手段」や「回路」などに読み替えることができる。例えば、購入受付部は、購入受付手段や購入受付回路に読み替えることができる。