(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0022】
<実施の形態1>
実施の形態1に係る半導体装置およびその製造方法ならびに半導体製造用マスク、光近接処理方法においては、ランダムロジック回路に対応するランダムロジック領域において、高精度な処理を必要としない領域については低精度な処理を行うことを特徴とする。このような精度の調整は、設計レイアウトに対してOPC(Optical Proximity Correction:光近接補正)を行うことによりOPC後レイアウトを生成する既存のEDA(Electrical Design Automation)ツールにおいて設定を調整することにより実施できる。これにより、処理時間を短縮し製造コストを低減することが可能となる。
【0023】
図1は、本実施の形態に係るフォトマスクの構成を示す上面図である。
【0024】
図1(a)には、フォトマスク100の全体が示されている。フォトマスク100は、IC装置領域110とマーク/ダイシング領域120とマスク周辺領域130とからなる。IC装置領域110には、IC装置に対応する領域が描かれている。マーク/ダイシング領域120には、製造工程において用いられるマークや、ウェーハプロセス管理/ウェーハテストのためのテストパターンが搭載されている。マスク周辺領域130には、遮光帯が配置されている。
【0025】
図1(b)には、
図1(a)に示されるIC装置領域110の構成が示されている。IC装置領域110は、アレイ状にパターンが形成されており、記憶装置に対応するメモリ領域112と、メモリ領域112以外の領域でありランダムロジック回路に対応するランダムロジック領域114とからなる。
【0026】
図1(c)には、
図1(b)に示されるランダムロジック領域114の構成が示されている。ランダムロジック領域114は、自動配置配線(P&R)で論理ブロックを並べ、これらの端子を接続した形状となっている。矩形状のセル114a,114bは、論理ブロックの単位である。
図1(c)においては、低精度に処理されるセル114aと高精度に処理されるセル114bとの2種類が配置されている。
【0027】
図1(d)には、
図1(c)と同様に、
図1(b)に示されるランダムロジック領域114の構成が示されている。
図1(d)においては、細線で示され高精度に処理されるパターン114cと太線で示され低精度に処理されるパターン114dとの2種類が配置されている。
図1(d)に示されるように、各パターンは、1個のセル内に収まっていてもよく、あるいは、複数個のセルにまたがっていてもよい。例えば、低精度な処理を行う領域とは、寸法変動、マスク重ね合わせずれ等のプロセス変動が、論理、遅延等、ランダムロジック部の回路動作に与える影響が小さい領域である。
図2は、マスクを用いた半導体装置の製造方法を示すフローチャートである。
図2において、設計により得られた設計レイアウトは、光近接効果等に伴う歪みを予め見込んで補正するOPCを施されOPC後レイアウトに変換される。OPC後レイアウトはマスク上への描画のための描画データに変換された後に、マスクプロセスにおいてマスク上に描画される。描画されたマスクは、ウェーハプロセスにおいて、フォトレジストを塗布されたウェーハ上への露光により、ウェーハ上にパターン転写される。転写されたパターンを用いてエッチング等を行いウェーハを加工することにより、半導体装置が製造される。
図3は、ウェーハへの直接描画(直描)による半導体装置の製造方法を示すフローチャートである。
図3において、設計により得られた設計レイアウトは、光近接効果等に伴う歪みを予め見込んで補正するOPCを施されOPC後レイアウトに変換される。OPC後レイアウトはウェーハ上への描画のための描画データに変換された後に、ウェーハプロセスにおいて、ウェーハ上に塗布されたフォトレジストへ直接描画される。直接描画により転写されたパターンを用いてエッチング等を行いウェーハを加工することにより、半導体装置が製造される。
【0028】
次に、
図4〜6を用いて、低精度な処理を行った場合と高精度な処理を行った場合とについて、描画データの形状を説明する。
【0029】
図4は、低精度なOPC処理と高精度なOPC処理との差異を説明するための上面図である。
【0030】
図4(a)に示される設計レイアウトは、低精度な処理を行われることにより、
図4(b)に示されるOPC後レイアウトに補正される。
図4(b)に示されるOPC後レイアウトは、
図4(c)に示されるように、複数個の矩形に分割され、OPC後描画データに生成される。
図4(b)に示されるOPC後レイアウトは、
図4(a)に示される設計レイアウトに対して、エッジ毎に一律にバイアスを与えているのみであるので、頂点数は増加しない。従って、
図4(c)に示されるOPC後描画データにおいては、矩形の個数は3個と少ない。
【0031】
一方、
図4(a)に示される設計レイアウトは、高精度な処理を行われることにより、
図4(d)に示されるOPC後レイアウトに補正される。
図4(d)に示されるOPC後レイアウトは、
図4(e)に示されるように、複数個の矩形に分割され、OPC後描画データに生成される。
図4(d)に示されるOPC後レイアウトは、
図4(a)に示される設計レイアウトに対して、歪みを抑えるためにエッジを細かく分割しているので、頂点数は増加している。従って、
図4(e)に示されるOPC後描画データにおいては、矩形の個数は22個と多い。
【0032】
すなわち、低精度な処理を行う場合には、ウェーハ上の仕上がり精度は低くなるが、描画装置において描画すべき基本図形(ここでは矩形)の個数が低減できるので、処理時間を短縮し製造コストを低減することが可能となる。
【0033】
図5は、矩形状の設計レイアウトにおいてライン端の横のふくらみ不足を低減するためのOPC処理を示す上面図である。
【0034】
図5(a)に示される低精度なOPC後レイアウトは、頂点数(すなわち分割数)は少ないが、
図5(b)に示されるようにウェーハ上に仕上げられた場合には、ライン端の横のふくらみ不足はやや大きい。
【0035】
一方、
図5(c)に示される高精度なOPC後レイアウトは、頂点数(すなわち分割数)が多いが、
図5(d)に示されるようにウェーハ上に仕上げられた場合には、ライン端の横のふくらみ不足はやや小さい。
【0036】
図6は、T字型の設計レイアウトにおいてコーナーのラウンディングを低減するためのOPC処理を示す上面図である。
【0037】
図6(a)に示される低精度なOPC後レイアウトは、頂点数(すなわち分割数)は少ないが、
図6(b)に示されるようにウェーハ上に仕上げられた場合には、コーナーのラウンディングはやや大きい(矢印部分における幅の広がりが大きい)。
【0038】
一方、
図6(c)に示される高精度なOPC後レイアウトは、頂点数(すなわち分割数)は多いが、
図6(d)に示されるようにウェーハ上に仕上げられた場合には、コーナーのラウンディングはやや小さい(矢印部分における幅の広がりが小さい)。
【0039】
図7は、本実施の形態に係るOPCの処理方法の一例を示すフローチャートである。
【0040】
まず、ステップS1において、設計レイアウトが入力される。入力された設計レイアウトは所定の管理用データベース(ライブラリ)に登録される。
【0041】
次に、ステップS2に進み、ステップS1において入力された設計レイアウトを、OPCに要求される精度に応じて分類する。これにより、要求される精度が低い低精度パターンと要求される精度が高い高精度パターンとに分類が行われる。
【0042】
次に、ステップS3に進み、ステップS2において分類された低精度パターンにおいて、設定処理および補正処理を行う。具体的には、頂点数等のパラメータの決定(設定処理)を行った後に、決定された諸条件に基づきDRC(Design Rule Checker)機能やシミュレーションを用いて図形の変形(補正処理)が行われる。
【0043】
次に、ステップS4に進み、ステップS2において分類された高精度パターンにおいて、設定処理および補正処理を行う。この設定処理においては、ステップS3において設定されたパラメータを参照して、パラメータが設定される。これにより、ステップS3における設定処理がステップS4における設定処理に影響を与える場合にも、この影響に応じて適切なパラメータを設定することが可能となる。なお、具体的な処理の内容はステップS3と同様である。このようにステップS4の処理は、ステップS3の補正結果(OPC後レイアウト)を考慮して行われるが、ステップS3では、高精度の補正結果を参照することなく処理が行われるので、処理時間を短縮することができる。ここで、ステップS3とステップS4とは、入れ替えることが可能であるが、前段の処理は後段の処理結果を考慮できないので、高精度の補正処理の方を、先の結果を参照できる後段の処理として行うことが望ましい。
【0044】
次に、ステップS5に進み、ステップS3およびステップS4における補正処理により得られたOPC後レイアウトを出力する。
【0045】
以上のステップS1〜S5により、入力された設計レイアウトに基づきOPC後レイアウトを生成し出力することができる。なお、上述した処理では、ランダムロジック領域114等において同様の形状を有するレイアウトパターンであっても、異なる精度で異なる形状を有するように処理を行うことができる。また、上述においては、ステップS3で低精度な設定処理および補正処理を行った後にステップS4で高精度な設定処理および補正処理を行う場合について説明した。しかし、これに限らず、例えば、
図9を用いて後述するように、低精度な設定処理および高精度な設定処理を先に行った後に、低精度な補正処理および高精度な補正処理を一括して行ってもよい。
【0046】
図8は、高精度なOPC処理と低精度なOPC処理との差異を説明するための上面図である。
図8(a)には設計レイアウトが、
図8(b),(c)それぞれには高精度なOPC処理および低精度なOPC処理によるOPC後レイアウトが、
図8(d),(e)それぞれには高精度なOPC処理および低精度なOPC処理によるウェーハ仕上がりが、示されている。
【0047】
図8(a)に示される設計レイアウトは、高精度な処理を行われた場合には、
図8(b)に示されるOPC後レイアウトに補正される。
図8(b)に示されるOPC後レイアウトは、
図8(d)に示されるように、ウェーハ上に仕上げられる。
図8(b)に示されるOPC後レイアウトは、
図8(a)に示される設計レイアウトに対して、ライン端の後退やコーナーのラウンディング等の歪を予め見込んだ補正を行っている。従って、
図8(d)に示されるウェーハ仕上がりにおいては、ライン端の後退やコーナーのラウンディング等の歪みは小さい。
【0048】
一方、
図8(a)に示される設計レイアウトは、低精度な処理を行われた場合には、
図8(c)に示されるOPC後レイアウトに補正される。
図8(c)に示されるOPC後レイアウトは、
図8(e)に示されるように、ウェーハ上に仕上げられる。
図8(c)に示されるOPC後レイアウトは、
図8(a)に示される設計レイアウトに対して、ライン端の後退を予め見込んで一律にバイアスを与えて幅を太くしているのみである。従って、
図8(e)に示されるウェーハ仕上がりにおいては、ライン端はさほど後退していないが、
図8(d)に比べてコーナーのラウンディング等の歪みが大きく残存している。
【0049】
図9は、本実施の形態に係るOPCの処理方法の他の例を示すフローチャートである。
図9は、
図7に示されるフローチャートにおいて、ステップS3に代えてステップS3−1を、ステップS4に代えてステップS4−1,S4−2を、それぞれ行うものである。
【0050】
ステップS3−1においては、ステップS2で分類された低精度パターンにおいて、設定処理のみが行われる。また、ステップS4−1においては、ステップS2で分類された高精度パターンにおいて、設定処理のみが行われる。そして、ステップS4−2においては、低精度な補正処理および高精度な補正処理が一括して行われる。以下では、このように補正処理を一括して行う理由について説明する。
【0051】
図7に示されるフローチャートにおいては、ステップS3において低精度な設定処理および補正処理を行った後にステップS4において高精度な設定処理および補正処理を行う。従って、高精度な設定補正処理と低精度な設定補正処理とが互いに影響を与える場合においては、適切な設定処理を行うことが困難である場合がある。
【0052】
図10は、高精度な補正処理が低精度な補正処理に影響を与える場合を示す模式図である。
図10(a)においては、設計レイアウト上に、高精度な処理を必要とする設計レイアウトの領域150と低精度な処理が可能な領域160とが近接している。従って、
図7に示されるように、領域160の補正処理(ステップS3)が領域150の設定処理(ステップS4)より先に行われる場合には、
図10(b)に示されるように、OPC後レイアウトである領域160aの補正結果に阻まれ、領域150aで高精度な補正を行うことができず、領域160側に延ばすことができないので、仕上がりが後退する場合がある(領域150,160は点線でウェーハ仕上がりは曲線でそれぞれ示されている)。一方、
図9に示されるフローチャートにおいては、ステップS3−1およびステップS4−1においては設定処理のみが行われ、ステップS4−2においては各設定処理が互いに与えあう影響を参照しながら補正処理が一括して行われる。従って、
図7に示されるフローチャートに比べて、要求される精度を満たす補正が可能である。
図10(c)にその例を示す。領域150bのウェーハ仕上がりを十分な精度で行うために、領域160bの仕上がり精度を落としてこれを補っている。従って、
図9に示されるフローチャートにおいては、低精度な補正処理が、高精度な補正処理に影響を与える場合においても、適切な設定処理を行うことができる。
【0053】
なお、互いに与え合う影響を参照しながら補正処理を行う手法は、ルールベースOPCおよびモデルベースOPCいずれにおいても実施可能である。すなわち、ルールベースOPCにおいては、OPC実施前の設計レイアウトパターンを用いてパラメータが設定されるが、部分的に、OPC実施後の他のレイアウトパターンを参照してパラメータを設定することができる。また、モデルベースOPCにおいては、OPC実施後の他のレイアウトパターンを参照してパラメータを設定しシミュレーションすることができる。
【0054】
また、
図7に示されるフローチャートは、
図9に示されるフローチャートに比べて、処理の負荷は小さい。従って、例えば、領域150,160が互いに離れて配置されており高精度な設定処理が低精度な設定処理に与える影響が小さい場合等には、
図7に示されるような処理を行うことにより、OPC処理リソースを効率的に使用することが可能となる。
【0055】
図11は、本実施の形態に係るOPCの処理方法の他の例を示すフローチャートである。
図11は、
図9に示されるフローチャートにおいて、ステップS3−1に代えてステップS3−1a〜3−1cを行うものである。
【0056】
ステップS3−1aにおいては、ステップS2で分類された第1低精度パターンにおいて、設定処理および補正処理が行われる。また、ステップS3−1bにおいては、ステップS2で分類された第2低精度パターンにおいて、設定処理および補正処理が行われる。この第1低精度パターンおよび第2低精度パターンは、互いに影響を与えあうことはなく、また他のパターンの処理の影響を受けることもないので、並列して補正処理までを行うことが可能である。また、ステップS3−1cにおいては、ステップS2で分類された第3低精度パターンにおいて、設定処理が行われる。この第3低精度パターンの設定処理は、第1低精度パターンおよび第2低精度パターンの設定処理の影響を受けるので、これらの処理の後段に配置されている。また、この第3低精度パターンの設定処理はステップS4−1で行われる高精度パターンの設定処理の影響を受ける。従って、第3低精度パターンについては、ステップS3−1cにおいて設定処理のみを行い、ステップS4−1において高精度パターンの設定処理が行われた後に、ステップS4−2において、補正処理が一括して行われる。このように、他の影響を互いに受けない第1低精度パターンおよび第2低精度パターンの設定処理を並列に行うことにより、
図9に示すフローチャートよりも処理時間を短縮することができる。
【0057】
次に、
図12〜18を用いて、ランダムロジック領域114において、実際には高速トランジスタとして動作しないダミーレイアウトを抽出する手法について説明する。ダミーレイアウトには低精度な処理を行うことにより、処理時間を短縮し製造コストを低減することが可能となる。
【0058】
具体的には、ランダムロジック領域114のゲート層に対応する設計レイアウトにおいて、ゲートとして動作しない領域を抽出することにより、ダミーレイアウトを抽出できる。このダミーレイアウトとしては、局所的な面積率を一定にするために挿入されるダミーゲートや、容量、抵抗、ダイオード等の各素子が挙げられる。
【0059】
図12は、ダミーレイアウトの特徴を示す上面図である。
【0060】
トランジスタとして動作するポリシリコンなど導電材料からなりトランジスタのゲート配線として利用される導電体層(導電体領域)は、活性層(活性領域)との重なりを有する。従って、活性層との重なりを有さないレイアウトパターンに着目することにより、ダミーレイアウトを抽出することが可能となる。
【0061】
図12(a)には活性層(ハッチング部分)との重なりを有する導電体層のレイアウトが、
図12(b)には活性層との重なりを有さない導電体層のレイアウトが、それぞれ示されている。すなわち、
図12(a)に示されるレイアウトは、トランジスタとして動作するので高精度な処理が必要とされるが、
図12(b)に示されるレイアウトは、トランジスタとして動作しないので高精度な処理が必要とされない。従って、
図12(b)に示されるように活性層との重なりを有さない導電体層のレイアウトを既存のDRCツールを用いて抽出し低精度な処理を行うことにより、処理時間を短縮し製造コストを低減することが可能となる。
【0062】
また、活性層との重なりを有する導電体層であっても、コンタクトを受けるためのコンタクト用パッドを有さない場合には他層に接続されないので、トランジスタとして動作しない。従って、コンタクト用パッドを有さないレイアウトパターンに着目することにより、ダミーレイアウトを抽出することが可能となる。
【0063】
図12(c)には部分的に幅の広い端部であるコンタクト用パッドに対応するパッドパターンを有する導電体層のレイアウトが、
図12(d)にはコンタクト用パッドに対応するパッドパターンを有さない導電体層のレイアウトが、それぞれ示されている。すなわち、
図12(c)に示されるレイアウトは、トランジスタとして動作するので高精度な処理が必要とされるが、
図12(d)に示されるレイアウトは、トランジスタとして動作しないので高精度な処理が必要とされない。従って、
図12(d)に示されるようにコンタクト用パッドに対応するパッドパターンを有さない導電体層のレイアウトを既存のDRCツールを用いて抽出し低精度な処理を行うことにより、処理時間を短縮し製造コストを低減することが可能となる。なお、パターン幅が十分大きくコンタクト用パッドが不要であるようなトランジスタもあり得るが、一般に、高速動作するトランジスタは線幅が小さいので、
図12(c)に示されるように、活性層(ハッチング部分)との重なりの外に、コンタクト用パッドが必要となる。すなわち、トランジスタのゲート配線として線幅が小さい導電体のみが配置される場合においては、このような手法でダミーパターンを抽出することが可能となる。例えば高速トランジスタとは、ランダムロジック領域において、低精度領域に形成され線幅の大きいゲート長さを有する低速トランジスタよりも線幅が小さく、最小加工寸法に近いゲート長を有し、高速で動作するトランジスタをいう。
【0064】
また、活性層との重なりおよび活性層との重なりの外に形成されたコンタクト用パッドを有する導電体層であっても、コンタクト用パッドにコンタクトが接続されていない場合には他層に接続されないので、トランジスタとして動作しない。従って、コンタクトが接続されていないレイアウトパターンに着目することにより、ダミーレイアウトを抽出することが可能となる。
【0065】
図12(e)には部分的に幅の広い端部(第1幅広部)においてコンタクトに対応するパターン(太線部分)に接続された導電体層のレイアウトが、
図12(f)には部分的に幅の広い端部(第2幅広部)においてコンタクトに対応するパターンに接続されていない導電体層のレイアウトが、それぞれ示されている。すなわち、
図12(e)に示されるレイアウトは、トランジスタとして動作するので高精度な処理が必要とされるが、
図12(f)に示されるレイアウトは、トランジスタとして動作しないので高精度な処理が必要とされない。従って、
図12(e)に示されるようにコンタクトに対応するパターンに接続されない導電体層のレイアウトを既存のDRCツールを用いて抽出し低精度な処理を行うことにより、処理時間を短縮し製造コストを低減することが可能となる。さらに、
図13(a)に示されるように、活性層上の導電体層の幅が大きくその上にコンタクトのあるものは、容量として使用されている場合がある。これらもダミーレイアウトとして扱うことが可能である。
【0066】
図13(b)には、隣り合う設計セルにおいて、高精度領域170と低精度領域180とを有するOPC後レイアウトの例が示されている。
【0067】
高精度領域170には、活性領域174を横切るように形成されるゲート配線172と、活性領域174と電気的に接続するように形成されるコンタクト176とがレイアウトされている。低精度領域180には、ダミー活性領域184を横切るように形成されるダミーゲート配線182がレイアウトされている。
【0068】
活性領域174上には、ゲート絶縁膜を介して導電体層からなるゲート配線172が形成される。ゲート配線172を挟んで両側に位置する活性領域174はそれぞれソース領域/ドレイン領域となり、第1トランジスタを構成する。また、ダミー活性領域184上には、絶縁膜を介して導電体層からなるダミーゲート配線182が形成される。
【0069】
高精度領域170は、トランジスタとして動作するので、高精度なOPC処理が施され、ゲート配線172は、設計レイアウトに対して、ライン端の後退やコーナーのラウンディング等の歪みを予め見込んだ補正を行っている。低精度領域180は、トランジスタとして動作しないので、低精度なOPC処理が施され、ダミーゲート配線182には一律にバイアスを与えて幅を太くしているのみとしたり、エッジの分割を行わず、エッジ毎の低精度なOPC処理をした例である。すなわち、ゲート配線172およびダミーゲート配線182は、それぞれ端部とL字状の屈曲部とを有し、ゲート配線172の屈曲部の内径は、ダミーゲート配線182の屈曲部の内径よりも小さく、ゲート配線172の端部のふくらみは、ダミーゲート配線182の端部のふくらみよりも大きくなるように補正されている。従って、
図13(b)に示されるようにコンタクト176に対応するパターンに接続されないダミー活性領域184のレイアウトを既存のDRCツールを用いて抽出し、対応する設計セルに低精度な処理を行うことにより、処理時間を短縮し製造コストを低減することが可能となる。
【0070】
また、高精度領域170の各ゲート配線172は、略長方形の活性領域174の長辺方向に対して略垂直方向に所定の第1ピッチAで形成され、一端は互いに接続されるとともに、他端は活性領域174外で終端している。一方、低精度領域180の各ダミーゲート配線182も同様に略長方形のダミー活性領域184の長辺方向に対して略垂直方向に所定の第2ピッチBで形成され、一端は互いに接続されるとともに、他端はダミー活性領域184外で終端している。ここで、ダミーゲート配線182は、写真製版工程や、エッチング工程、平坦化工程における粗密間差の影響を抑制するために、局所的な面積率を一定にするように挿入される。従って、第1ピッチAと第2ピッチBとは近似するのが好ましく、本実施の形態では等しく形成されている。
【0071】
これらのレイアウトによって形成されたウェーハ上の仕上がりは、ゲートが終端している側(上記の他端)で比較すると、
図5で示すように、ダミーゲート配線182のふくらみは、ゲート配線172のふくらみより小さくなる。また、ゲートが互いに接続される側(上記の一端)のL字状の屈曲部のラウンディングで比較すると、
図6で示すように、ダミーゲート配線182のラウンディングは、ゲート配線172のラウンディングより大きくなっている。
【0072】
次に、
図14〜18を用いて、低精度OPCにより生成されたレイアウトの歪みについて、高精度OPCにより生成されたレイアウトの歪みとの比較により説明する。
【0073】
図14は、高精度なOPC処理と一律にバイアスを与える低精度なOPC処理との差異を説明するための上面図である。
図14(a)には設計レイアウトが、
図14(b),(c)それぞれには高精度なOPC処理および低精度なOPC処理によるOPC後レイアウトが、
図14(d),(e)それぞれには高精度なOPC処理および低精度なOPC処理によるウェーハ仕上がりが、示されている。
【0074】
図14(a)に示される設計レイアウトは、高精度な処理を行われた場合には、
図14(b)に示されるOPC後レイアウトに補正される。
図14(b)に示されるOPC後レイアウトは、
図14(d)に示されるように、ウェーハ上に仕上げられる。
図14(b)に示されるOPC後レイアウトは、
図14(a)に示される設計レイアウトに対して、ライン端の後退やコーナー部のラウンディングや近接する図形による影響等の歪みを予め見込んだ補正を行っている。従って、
図14(d)に示されるウェーハ仕上がりにおいては、ライン端の後退やコーナーのラウンディングや近接する図形による影響等の歪みは小さい。
【0075】
一方、
図14(a)に示される設計レイアウトは、ライン端部、コーナー部、近接する図形の効果が考慮されずに、一律にバイアスを与える低精度な処理を行われた場合には、
図14(c)に示されるOPC後レイアウトに補正される。
図14(c)に示されるOPC後レイアウトは、
図14(e)に示されるように、ウェーハ上に仕上げられる。
図14(c)に示されるOPC後レイアウトは、
図14(a)に示される設計レイアウトに対して、一律にバイアスを与えて幅を太くしているのみである。従って、
図14(e)に示されるウェーハ仕上がりにおいては、
図14(d)に比べて、ライン端の後退量が大きく、またライン端横のふくらみ量が小さく、コーナーのラウンディングが大きく、近接する図形による影響等の歪みが残存し、線幅もばらつくなどCD精度が低い。例えばランダムロジック部では通常最小線幅を基準とした数種類の線幅を用いることが多いが、低精度な処理を行われた領域では、線幅が不規則にばらつくことになる。
【0076】
図15は、高精度なOPC処理とエッジの分割を行わず、エッジの位置を高精度に補正する低精度なOPC処理との差異を説明するための上面図である。
図15(a)には設計レイアウトが、
図15(b),(c)それぞれには高精度なOPC処理および低精度なOPC処理によるOPC後レイアウトが、
図15(d),(e)それぞれには高精度なOPC処理および低精度なOPC処理によるウェーハ仕上がりが、示されている。
【0077】
図15(a)に示される設計レイアウトは、高精度な処理を行われた場合には、
図15(b)に示されるOPC後レイアウトに補正される。
図15(b)に示されるOPC後レイアウトは、
図15(d)に示されるように、ウェーハ上に仕上げられる。
図15(b)に示されるOPC後レイアウトは、
図15(a)に示される設計レイアウトに対して、ライン端の後退やコーナー部のラウンディングや近接する図形による影響等の歪みを予め見込んだ補正を行っている。従って、
図15(d)に示されるウェーハ仕上がりにおいては、ライン端の後退やコーナーのラウンディングや近接する図形による影響等の歪みは小さい。
【0078】
一方、
図15(a)に示される設計レイアウトは、エッジの分割を行わず、すなわちライン端、コーナー部の補正を行わずに、エッジの位置を高精度に補正する低精度な処理を行われた場合には、
図15(c)に示されるOPC後レイアウトに補正される。
図15(c)に示されるOPC後レイアウトは、
図15(e)に示されるように、ウェーハ上に仕上げられる。
図15(c)に示されるOPC後レイアウトは、
図15(a)に示される設計レイアウトに対して、エッジの分割を行わずエッジの位置を高精度に補正している。従って、
図15(e)に示されるウェーハ仕上がりにおいては、エッジ部の仕上がりは
図15(d)と同様であるが、
図15(d)に比べて、ライン端の後退量が大きく、またライン端横のふくらみ量が小さく、コーナーのラウンディングが大きい等の歪みが残存している。
【0079】
図16は、高精度なOPC処理とエッジの分割数をやや少なくする低精度なOPC処理との差異を説明するための上面図である。
図16(a)には設計レイアウトが、
図16(b),(c)それぞれには高精度なOPC処理および低精度なOPC処理によるOPC後レイアウトが、
図16(d),(e)それぞれには高精度なOPC処理および低精度なOPC処理によるウェーハ仕上がりが、示されている。
【0080】
図16(a)に示される設計レイアウトは、高精度な処理を行われた場合には、
図16(b)に示されるOPC後レイアウトに補正される。
図16(b)に示されるOPC後レイアウトは、
図16(d)に示されるように、ウェーハ上に仕上げられる。
図16(b)に示されるOPC後レイアウトは、
図16(a)に示される設計レイアウトに対して、ライン端の後退やコーナー部のラウンディングや近接する図形による影響等の歪みを予め見込んだ補正を行っている。従って、
図16(d)に示されるウェーハ仕上がりにおいては、ライン端の後退やコーナーのラウンディングや近接する図形による影響等の歪みは小さい。
【0081】
一方、
図16(a)に示される設計レイアウトは、高精度な処理に比べてエッジの分割数をやや少なくする、例えば、ハンマーヘッド、インナーハンマーヘッド、セリフ、インナーセリフなどのパターンエッジコーナー部の段数を減らしたり、自他図形を見てのエッジの分割数を減らすなどの低精度な処理を行われた場合には、
図16(c)に示されるOPC後レイアウトに補正される。
図16(c)に示されるOPC後レイアウトは、
図16(e)に示されるように、ウェーハ上に仕上げられる。
図16(c)に示されるOPC後レイアウトは、
図16(a)に示される設計レイアウトに対して、やや少ない分割数で、ライン端の後退やコーナー部のラウンディングや近接する図形による影響等の歪みを予め見込んだ補正を行っている。従って、
図16(e)に示されるウェーハ仕上がりにおいては、
図16(d)に比べて、ライン端の後退量がやや大きく、またライン端横のふくらみ量がやや小さく、コーナーのラウンディングがやや大きく、近接する図形による影響等の歪みが残存している。
【0082】
図17は、高精度なルールベースOPC処理と補正スペックをやや簡易化する(補正時に分類する図形サイズの区分の低減や、コーナー、ライン端部のエッジ分割段数低減等により)低精度なルールベースOPC処理との差異を説明するための上面図である。
図17(a)には設計レイアウトが、
図17(b),(c)それぞれには高精度なOPC処理および低精度なOPC処理によるOPC後レイアウトが、
図17(d),(e)それぞれには高精度なOPC処理および低精度なOPC処理によるウェーハ仕上がりが、示されている。
【0083】
図17(a)に示される設計レイアウトは、高精度な処理を行われた場合には、
図17(b)に示されるOPC後レイアウトに補正される。
図17(b)に示されるOPC後レイアウトは、
図17(d)に示されるように、ウェーハ上に仕上げられる。
図17(b)に示されるOPC後レイアウトは、
図17(a)に示される設計レイアウトに対して、ライン端の後退やコーナー部のラウンディングや近接する図形による影響等の歪みを予め見込んだ補正を行っている。従って、
図17(d)に示されるウェーハ仕上がりにおいては、ライン端の後退やコーナーのラウンディングや近接する図形による影響等の歪みは小さい。
【0084】
一方、
図17(a)に示される設計レイアウトは、高精度な処理に比べて補正スペックをやや簡易化する低精度な処理を行われた場合には、
図17(c)に示されるOPC後レイアウトに補正される。
図17(c)に示されるOPC後レイアウトは、
図17(e)に示されるように、ウェーハ上に仕上げられる。
図17(c)に示されるOPC後レイアウトは、
図17(a)に示される設計レイアウトに対して、やや簡易化された補正スペックで、ライン端の後退やコーナー部のラウンディングや近接する図形による影響等の歪みを予め見込んだ補正を行っている。従って、
図17(e)に示されるウェーハ仕上がりにおいては、
図17(d)に比べて、ライン端の後退量が大きく、またライン端横のふくらみ量が小さく、コーナーのラウンディングや近接する図形による影響等の歪みが残存している。
【0085】
図18は、高精度なモデルベースOPC処理と追い込みスペックをやや緩和する(閾値を下げる)低精度なモデルベースOPC処理との差異を説明するための上面図である。
図18(a)には設計レイアウトが、
図18(b),(c)それぞれには高精度なOPC処理および低精度なOPC処理によるOPC後レイアウトが、
図18(d),(e)それぞれには高精度なOPC処理および低精度なOPC処理によるウェーハ仕上がりが、示されている。
【0086】
図18(a)に示される設計レイアウトは、高精度な処理を行われた場合には、
図18(b)に示されるOPC後レイアウトに補正される。
図18(b)に示されるOPC後レイアウトは、
図18(d)に示されるように、ウェーハ上に仕上げられる。
図18(b)に示されるOPC後レイアウトは、
図18(a)に示される設計レイアウトに対して、ライン端の後退やコーナー部のラウンディングや近接する図形による影響等の歪みを予め見込んだ補正を行っている。従って、
図18(d)に示されるウェーハ仕上がりにおいては、ライン端の後退やコーナーのラウンディングや近接する図形による影響等の歪みは小さい。
【0087】
一方、
図18(a)に示される設計レイアウトは、高精度な処理に比べて追い込みスペックをやや緩和する低精度な処理を行われた場合には、
図18(c)に示されるOPC後レイアウトに補正される。
図18(c)に示されるOPC後レイアウトは、
図18(e)に示されるように、ウェーハ上に仕上げられる。
図18(c)に示されるOPC後レイアウトは、
図18(a)に示される設計レイアウトに対して、やや緩和された追い込みスペックで、ライン端の後退やコーナー部のラウンディングや近接する図形による影響等の歪みを予め見込んだ補正を行っている。従って、
図18(e)に示されるウェーハ仕上がりにおいては、
図18(d)に比べて、ライン端の後退やコーナーのラウンディングや近接する図形による影響等の歪みは残存していないが、幅がばらつく。すなわちCD(Critical Dimension)精度が低くなっている。
【0088】
なお、モデルベースOPCにおいては、モデルの精度を低くすることにより、CD精度は低下するものの、シミュレーションに要する負荷が低減できるので、OPC処理に要する時間を短縮することが可能となる。モデルの精度を低くする手法としては、階層処理で展開する距離を短くする(所定距離以内が同じであれば階層展開しない)、シミュレーションで考慮する範囲(通常はシミュレーションポイントを中心とした円の半径で表される)を小さくする、シミュレーションポイント数を減少させる、シミュレーションポイント間隔を広くする、シミュレーションモデルの式を簡略化する、等が挙げられる。
図19に、階層処理で展開する距離をライン端近傍のみ短くした例を示す。
図19(a)に、3種類の設計レイアウト例を示す。レイアウト1a〜3aは、同一の形状であるとする。レイアウト1aに対向する図形のライン端は距離d1以内の距離にあり、レイアウト2a,3aに対向する図形は距離d1より大きく距離d2以内の距離にある。階層展開距離を距離d2とした場合、レイアウト1a〜3aのOPC結果は対向する図形に応じてそれぞれ異なり、
図19(b)に示されるレイアウト1b〜3bのようになり精度は高い。一方、階層展開距離を距離d1とした場合は、レイアウト1aからは対向する図形が考慮されるのに対し、レイアウト2a,3aでは対向する図形が共になく同一の状況に置かれるとして処理が行われる。従って、
図19(c)に示されるように、レイアウト1cではレイアウト1bと同様の結果となるが、レイアウト2c,3cの結果はそれぞれレイアウト2b,3bとは異なり、且つレイアウト2cとレイアウト3cとは全く同一の形状となる。レイアウト2c,3cの精度は低くなるが、
図19(b)に比べて処理を同一としてまとめて行えるため、処理時間を短くすることができる。なお、この距離を、図形幅、図形種(エッジ、ライン端等)あるいは対向する図形幅、図形種やDRCによる分類によって行ってもよい。
【0089】
また、上述したようなモデルベースOPCにおける複数種類の低精度処理は、個別に行ってもよく、あるいは組み合わせて行ってもよい。また、DRCの基本的な機能を用いることにより、低精度処理を、チップ内での位置やランダムロジック領域内のモジュール毎に切り替えて行ってもよい。
【0090】
また、通常、OPCを行った後には、OPC仕様やOPC処理や設計レイアウトに問題がないことを確認するために、OPC後検証を行う。一般に、モデルの精度の切り替えは、DRCの基本的な機能を用いることにより、実施可能である。従って、追い込みスペックのみならず、DRCまたはシミュレーションを用いたOPC後検証においても、同様にスペックを緩和することが可能である。
【0091】
このように、本実施の形態に係る半導体装置およびその製造方法ならびに半導体製造用マスク、光近接処理方法においては、ランダムロジック回路に対応するランダムロジック領域114において、高精度な処理(第1OPC処理)を必要とする領域(第1領域)については高精度な処理を行い、高精度な処理を必要としない領域(第2領域)については低精度な処理(第2OPC処理)を行う。従って、処理時間を短縮し製造コストを低減することができる。
【0092】
図1(b)に示されるように、ランダムロジック領域114は、メモリ領域112に比べ一般に面積が大きく、また、レイアウトのバリエーションが多い。実際のランダムロジック回路において、ダミーゲートに対応するレイアウトに低精度な処理を行ったところ、全てのレイアウトに高精度な処理を行った場合に比べて、OPCに要する処理時間を40%、メモリ使用量を60%、出力データ量を80%、それぞれ低減することができた。
【0093】
また、フォトマスクの形成においては、製造コストの40%がマスク描画に伴うマスクコストに起因している。従って、フォトマスクを用いてウェーハへの転写を行う場合における製造コストを低減することが可能となる。
【0094】
また、上述の説明においては、フォトマスクを用いてウェーハへの転写を行う場合について説明したが、これに限らず、ウェーハへの直接描画(直描)において本発明を適用してもよい。この場合には、OPC後レイアウトは、マスク上にではなく直接描画装置内の記憶手段に配置される。特に、可変成形型の直接描画装置においては、描画時間が図形の個数に比例するので、本発明が有効となる。
【0095】
また、上述の説明においては、設計レイアウトからOPC後レイアウトを生成する場合について説明したが、これに限らず、OPC後レイアウトを用いてマスク描画やウェーハへの直接描画を行う場合について本発明を適用してもよい。すなわち、描画を行うときにはマスクやウェーハへの露光量の調整が必要となるが、高精度な処理が必要なレイアウトに対しては露光量の調整を高精度で行うことにより第1レイアウトを生成し、低精度な処理が可能なレイアウトに対しては露光量の調整を低精度で行うことにより第2レイアウトを生成してもよい。これにより、さらに描画時間を短縮し製造コストを低減することが可能となる。
【0096】
<実施の形態2>
実施の形態1においては、低精度な処理が可能なレイアウトとして、
図12を用いて、導電体層に含まれるダミーレイアウトを抽出する手法について説明した。実施の形態2においては、導電体層のうち、ダミーレイアウト以外のレイアウトであって、低精度な処理が可能なものについて説明する。
【0097】
実施の形態1において上述したように、トランジスタとして動作する導電体層は、活性層との重なりを有するので、ダミーレイアウトとして全ての領域に低精度な処理を行うことはできない。すなわち、導電体層のうち活性層と重なる領域は、トランジスタのゲートに使用されるので、この領域およびその近傍の領域においては、高い寸法精度が要求される。しかし、導電体層のうち活性層と重なる領域から離れた領域は、トランジスタのゲートにではなくトランジスタの接続に用いられるので、ゲートに使用される領域に比べ、要求される寸法精度は低い。従って、トランジスタとして動作する導電体層であっても、このような領域については、低精度な処理を行ってもよい。
【0098】
図20は、高精度な処理および低精度な処理それぞれについて、設計レイアウト、OPC後レイアウト、およびウェーハ仕上がりを示す図である。
【0099】
図20(a)には活性層(ハッチング部分)の近傍にL字状のコーナー(屈曲部)を有する導電体層のレイアウトが、
図20(b)には活性層の近傍にコーナーを有さない(活性層から離れてコーナーを有する)導電体層のレイアウトが、それぞれ示されている。活性層上には、ゲート絶縁膜を介して導電体層からなるゲート電極が形成され、ゲート電極を挟んで両側に位置する活性層はそれぞれソース領域/ドレイン領域となり、トランジスタを構成する。すなわち、
図20(a)に示されるレイアウト(第1トランジスタ)は、高い寸法精度を要求されるので高精度な処理が必要とされるが、
図20(b)に示されるレイアウト(第2トランジスタ)は、高い寸法精度を要求されないので高精度な処理が必要とされない。従って、
図20(b)に示されるように活性層の近傍にコーナーを有さない(例えば屈曲部からソース領域までの距離が所定の閾値より大きい)導電体層のレイアウトを既存のDRCツールを用いて抽出し低精度な処理を行うことにより、処理時間を短縮し製造コストを低減することが可能となる。
【0100】
図20(a)に示される設計レイアウトは、高精度な処理を行われた場合には、
図20(c)に示されるOPC後レイアウトに補正される。
図20(c)に示されるOPC後レイアウトは、
図20(e)に示されるように、ウェーハ上に仕上げられる。
図20(c)に示されるOPC後レイアウトは、
図20(a)に示される設計レイアウトに対して、コーナーのラウンディングの歪みを予め見込んだ補正を行っている。従って、
図20(e)に示されるウェーハ仕上がりにおいては、コーナーのラウンディングの歪みは小さい。
【0101】
一方、
図20(b)に示される設計レイアウトは、低精度な処理を行われた場合には、
図20(d)に示されるOPC後レイアウトに補正される。
図20(d)に示されるOPC後レイアウトは、
図20(f)に示されるように、ウェーハ上に仕上げられる。
図20(d)に示されるOPC後レイアウトは、
図20(b)に示される設計レイアウトに対して、コーナーのラウンディングを予め見込んだ補正を行っていない。従って、
図20(f)に示されるウェーハ仕上がりにおいては、
図20(e)に比べて、コーナーのラウンディングの歪みが少し残存している。すなわち、コーナーの内径(および外径)は、
図20(e)では、
図20(f)より小さくなる(内径x<内径y)。また、L字状のコーナーに限らず、T字状のコーナーや、配線より太いパッドを有するパターンにおいても、同様に、低精度な処理により内径および外径が大きくなる。
【0102】
すなわち、本実施の形態においては、
図20(a)に示されるような活性層の近傍にコーナーを有する導電体層のレイアウトに対しては、高い寸法精度を要求されるので高精度な処理を行う。また、
図20(b)に示されるような活性層の近傍にコーナーを有さない導電体層のレイアウトに対しては、高い寸法精度を要求されないので低精度な処理を行う。
【0103】
なお、
図20(f)には、点線で、活性層がコーナーの近傍に形成された場合について示されている。このような場合には、コーナーのラウンディングの歪みにより活性層と導電体との重なりの面積(ゲート寸法)が増加するので、トランジスタ特性のばらつきの原因となるため、低精度な処理を行うことは適切ではないことが分かる。
【0104】
このように、本実施の形態に係る半導体装置およびその製造方法ならびに半導体製造用マスク、光近接処理方法では、導電体層のうち活性層と重なる領域およびその近傍の領域においては高精度な処理を行い、導電体層のうち活性層と重なる領域から離れた領域においては低精度な処理を行う。従って、実施の形態1と同様に、処理時間を短縮し製造コストを低減することができるという効果を奏する。
【0105】
なお、このように製造されたIC装置は、活性層およびその近傍の領域においてはCD精度が高く活性層から所定の距離離れた領域においてはCD精度が低いという特徴を有する。
【0106】
また、CD精度は、導電体層の幅に依存するので、同じ精度で処理を行う場合においても、太い幅を有する導電体層において許容される誤差は比較的に大きく、細い幅を有する導電体層において許容される誤差は比較的に小さい。従って、同じ精度で処理を行う場合においても、幅が異なる複数の導電体層については、異なる処理を行ってもよい。
【0107】
<実施の形態3>
実施の形態1〜2においては、低精度な処理が可能なレイアウトとして、
図12および
図20を用いて、導電体層のうち低精度な処理が可能な領域について説明した。実施の形態3においては、活性層のうち、低精度な処理が可能な領域について説明する。
【0108】
活性層のうちコンタクトが形成される領域は、トランジスタとして用いられるので、高い寸法精度が要求される場合がある。しかし、活性層のうちコンタクトが形成されない領域は、トランジスタとして用いられず、ダミーレイアウトや、抵抗、容量、ダイオード等に用いられるので、要求される寸法精度は低い。従って、このような領域についても、低精度な処理を行ってもよい。
【0109】
図21は、高精度な処理および低精度な処理それぞれについて、設計レイアウト、OPC後レイアウト、およびウェーハ仕上がりを示す図である。
【0110】
図21(a)にはコンタクト(太線部分)が形成された活性層(ハッチング部分)のレイアウトが、
図21(b)にはコンタクトが形成されない活性層のレイアウトが、それぞれ示されている。すなわち、
図21(a)に示されるレイアウトは、高い寸法精度を要求されるので高精度な処理が必要とされるが、
図21(b)に示されるレイアウトは、高い寸法精度を要求されないので高精度な処理が必要とされない。従って、
図21(b)に示されるようにコンタクトが形成されない活性層のレイアウトを既存のDRCツールを用いて抽出し低精度な処理を行うことにより、処理時間を短縮し製造コストを低減することが可能となる。
【0111】
図21(a)に示される設計レイアウトは、高精度な処理を行われた場合には、
図21(c)に示されるOPC後レイアウトに補正される。
図21(c)に示されるOPC後レイアウトは、
図21(e)に示されるように、ウェーハ上に仕上げられる。
図21(c)に示されるOPC後レイアウトは、
図21(a)に示される設計レイアウトに対して、コーナーのラウンディングおよびエッジのずれの歪みを予め見込んだ補正を行っている。従って、
図21(e)に示されるウェーハ仕上がりにおいては、コーナーのラウンディングおよびエッジのずれの歪みは小さい。
【0112】
一方、
図21(b)に示される設計レイアウトは、低精度な処理を行われた場合には、
図21(d)に示されるOPC後レイアウトに補正される。
図21(d)に示されるOPC後レイアウトは、
図21(f)に示されるように、ウェーハ上に仕上げられる。
図21(d)に示されるOPC後レイアウトは、
図21(b)に示される設計レイアウトに対して、コーナーのラウンディングの歪みを予め見込んだ補正を行っていない。従って、
図21(f)に示されるウェーハ仕上がりにおいては、
図21(e)に比べて、コーナーのラウンディングおよびエッジのずれの歪みが少し残存している。
【0113】
従って、
図21(b)に示されるようなコンタクトが形成されない活性層のレイアウトに対しては高い寸法精度が要求されないので、このようなレイアウトに対しては低精度な処理を行うことにより、処理時間を短縮し製造コストを低減することができる。
【0114】
なお、このように製造されたIC装置は、コンタクトが形成される活性層においてはCD精度が高くコンタクトが形成されない活性層においてはCD精度が低いという特徴を有する。
【0115】
また、活性層のうち導電体層と重なる領域は、トランジスタのゲートに使用されるので、高い寸法精度が要求される。しかし、活性層のうち導電体層と重ならない領域は、ゲートに使用される領域に比べ、要求される寸法精度は低い。従って、このような領域についても、低精度な処理を行ってもよい。
【0116】
図22は、高精度な処理および低精度な処理それぞれについて、設計レイアウト、OPC後レイアウト、およびウェーハ仕上がりを示す図である。
【0117】
図22(a)には導電体層の近傍にコーナーを有する(言い換えれば、コーナーの近傍に導電体層が形成された)活性層(ハッチング部分)のレイアウトが、
図22(b)にはコーナーの近傍に導電体層を有さない活性層のレイアウトが、それぞれ示されている。すなわち、
図22(a)に示されるレイアウトは、高い寸法精度を要求されるので高精度な処理が必要とされるが、
図22(b)に示されるレイアウトは、高い寸法精度を要求されないので高精度な処理が必要とされない。従って、
図22(b)に示されるようにコーナーの近傍に導電体層との重なりを有さない活性層のレイアウトを既存のDRCツールを用いて抽出し低精度な処理を行うことにより、処理時間を短縮し製造コストを低減することが可能となる。
【0118】
図22(a)に示される設計レイアウトは、高精度な処理を行われた場合には、
図22(c)に示されるOPC後レイアウトに補正される。
図22(c)に示されるOPC後レイアウトは、
図22(e)に示されるように、ウェーハ上に仕上げられる。
図22(c)に示されるOPC後レイアウトは、
図22(a)に示される設計レイアウトに対して、コーナーのラウンディングおよび導電体層と交わらないエッジのずれの歪みを予め見込んだ補正を行っている。従って、
図22(e)に示されるウェーハ仕上がりにおいては、コーナーのラウンディングおよび導電体層と交わらないエッジのずれの歪みは小さい。
【0119】
一方、
図22(b)に示される設計レイアウトは、低精度な処理を行われた場合には、
図22(d)に示されるOPC後レイアウトに補正される。
図22(d)に示されるOPC後レイアウトは、
図22(f)に示されるように、ウェーハ上に仕上げられる。
図22(d)に示されるOPC後レイアウトは、
図22(b)に示される設計レイアウトに対して、コーナーのラウンディングおよびエッジのずれの歪みを予め見込んだ補正を行っていない。従って、
図22(f)に示されるウェーハ仕上がりにおいては、
図22(e)に比べて、コーナーのラウンディングおよびエッジのずれの歪みが少し残存している。
【0120】
従って、
図22(b)に示されるような導電体層がコーナーの近傍に形成されない活性層のレイアウトに対しては高い寸法精度が要求されないので、このようなレイアウトに対しては低精度な処理を行うことにより、処理時間を短縮し製造コストを低減することができる。
【0121】
なお、
図22(f)には、点線で、コーナーの近傍に導電体層が形成された場合について示されている。このような場合には、コーナーのラウンディングの歪みにより活性層と導電体との重なりの面積(ゲート寸法)が増加するので、トランジスタ特性のばらつきの原因となるため、低精度な処理を行うことは適切ではないことが分かる。
【0122】
なお、このように製造されたIC装置は、導電体層がコーナーの近傍に形成される活性層においてはCD精度が高く導電体層がコーナーの近傍に形成されない活性層(コーナーが導電体層から所定の距離離れた活性層)においてはCD精度が低いという特徴を有する。
【0123】
また、要求されるCD精度は、導電体層の幅に依存するので、同じ精度で処理を行う場合においても、太い幅を有する導電体層において許容される誤差は比較的に大きく、細い幅を有する導電体層において許容される誤差は比較的に小さい。従って、同じ精度で処理を行う場合においても、幅が異なる複数の導電体層の近傍にそれぞれ形成された複数の活性層については、異なる処理を行ってもよい。
【0124】
このように、本実施の形態に係る半導体装置およびその製造方法ならびに半導体製造用マスク、光近接処理方法では、活性層のうちトランジスタのゲートに使用される領域においては高精度な処理を行い、活性層のうちトランジスタのゲートに使用されない領域においては低精度な処理を行う。従って、実施の形態1〜2と同様に、処理時間を短縮し製造コストを低減することができるという効果を奏する。
【0125】
<実施の形態4>
実施の形態3においては、低精度な処理が可能なレイアウトとして、
図21および
図22を用いて、活性層のうち低精度な処理が可能な領域について説明した。実施の形態4においては、配線層(配線領域)のうち、低精度な処理が可能な領域について説明する。
【0126】
配線層のうちコンタクトまたはビア(以下ではこれらをまとめてホール層(ホール領域)と呼ぶ)が形成される領域は、配線として用いられるので、高い寸法精度が要求される。しかし、配線層のうちホール層が形成されない領域は、配線として用いられないので、要求される寸法精度は低い。従って、このような領域についても、低精度な処理を行ってもよい。
【0127】
図23は、高精度な処理および低精度な処理それぞれについて、設計レイアウト、OPC後レイアウト、およびウェーハ仕上がりを示す図である。
【0128】
図23(a)にはホール層(太線部分)が形成された配線層のレイアウトが、
図23(b)にはホール層が形成されない配線層のレイアウトが、それぞれ示されている。すなわち、
図23(a)に示されるレイアウトは、高い寸法精度を要求されるので高精度な処理が必要とされるが、
図23(b)に示されるレイアウトは、高い寸法精度を要求されないので高精度な処理が必要とされない。従って、
図23(b)に示されるようにホール層が形成されない配線層のレイアウトを既存のDRCツールを用いて抽出し低精度な処理を行うことにより、処理時間を短縮し製造コストを低減することが可能となる。
【0129】
図23(a)に示される設計レイアウトは、高精度な処理を行われた場合には、
図23(c)に示されるOPC後レイアウトに補正される。
図23(c)に示されるOPC後レイアウトは、
図23(e)に示されるように、ウェーハ上に仕上げられる。
図23(c)に示されるOPC後レイアウトは、
図23(a)に示される設計レイアウトに対して、コーナーのラウンディング、ライン端の後退およびエッジのずれの歪みを予め見込んだ補正を行っている。従って、
図23(e)に示されるウェーハ仕上がりにおいては、コーナーのラウンディングおよびエッジのずれの歪みは小さい。
【0130】
一方、
図23(b)に示される設計レイアウトは、低精度な処理を行われた場合には、
図23(d)に示されるOPC後レイアウトに補正される。
図23(d)に示されるOPC後レイアウトは、
図23(f)に示されるように、ウェーハ上に仕上げられる。
図23(d)に示されるOPC後レイアウトは、
図23(b)に示される設計レイアウトに対して、コーナーのラウンディングおよびエッジのずれの歪みを予め見込んだ補正を行っていない。従って、
図23(f)に示されるウェーハ仕上がりにおいては、
図23(e)に比べて、コーナーのラウンディングおよびエッジのずれの歪みが少し残存している。
【0131】
このように、本実施の形態に係る半導体装置およびその製造方法ならびに半導体製造用マスク、光近接処理方法では、配線層のうち配線に使用される領域においては高精度な処理を行い、配線層のうち配線に使用されない領域においては低精度な処理を行う。従って、実施の形態1〜3と同様に、処理時間を短縮し製造コストを低減することができるという効果を奏する。
【0132】
なお、このように製造されたIC装置は、ホール層が形成された配線層においてはCD精度が高くホール層が形成されない配線層においてはCD精度が低いという特徴を有する。
【0133】
また、ホール層が形成された配線層であっても、常にドレイン電位Vddまたはコレクタ電位Vccに固定されるような配線層や、ホール層を経由して他の配線層に接続されない配線層は、他の配線層に比べて要求される精度が低い。このような配線層については、低精度な処理を行うことにより、さらに処理時間を短縮し製造コストを低減することが可能となる。
【0134】
また、CD精度は、配線層の幅に依存するので、同じ精度で処理を行う場合においても、太い幅を有する配線層において許容される誤差は比較的に大きく、細い幅を有する配線層において許容される誤差は比較的に小さい。従って、同じ精度で処理を行う場合においても、幅が異なる複数の配線層については、異なる処理を行ってもよい。
【0135】
また、実施の形態2と同様に、配線層のうちホール層と重なる領域およびその近傍の領域においては高精度な処理を行い、配線層のうちホール層と重なる領域から離れた領域においては低精度な処理を行ってもよい。このように製造されたIC装置は、配線層のうちホール層と重なる領域およびその近傍の領域においてはCD精度が高く配線層のうちホール層と重なる領域から離れた領域においてはCD精度が低いという特徴を有する。すなわち、配線層のうちホール層と重なる領域およびその近傍の領域においては、ライン端の張り出し量が十分に大きくマッチ棒の先端のような形状となり、配線層のうちホール層と重なる領域から離れた領域においてはライン端の横の張り出し量が小さく尖った形状となる。
【0136】
<実施の形態5>
実施の形態4においては、低精度な処理が可能なレイアウトとして、
図23を用いて、配線層のうち低精度な処理が可能な領域について説明した。実施の形態5においては、ホール層のうち、低精度な処理が可能な領域について説明する。
【0137】
ホール層のうち配線が形成される領域は、他の層に接続されるので、高い寸法精度が要求される。しかし、ホール層のうち配線層が形成されない領域は、他層に接続されないので、要求される寸法精度は低い。従って、このような領域についても、低精度な処理を行ってもよい。
【0138】
図24は、高精度な処理および低精度な処理それぞれについて、設計レイアウト、OPC後レイアウト、およびウェーハ仕上がりを示す図である。
【0139】
図24(a)には配線層が形成されたホール層(太線部分)のレイアウトが、
図24(b)には配線層が形成されないホール層のレイアウトが、それぞれ示されている。すなわち、
図24(a)に示されるレイアウトは、高い寸法精度を要求されるので高精度な処理が必要とされるが、
図24(b)に示されるレイアウトは、高い寸法精度を要求されないので高精度な処理が必要とされない。従って、
図24(b)に示されるように配線層が形成されないホール層のレイアウトを既存のDRCツールを用いて抽出し低精度な処理を行うことにより、処理時間を短縮し製造コストを低減することが可能となる。
【0140】
図24(a)に示される設計レイアウトは、高精度な処理を行われた場合には、
図24(c)に示されるOPC後レイアウトに補正される。
図24(c)に示されるOPC後レイアウトは、
図24(e)に示されるように、ウェーハ上に仕上げられる。
図24(c)に示されるOPC後レイアウトは、
図24(a)に示される設計レイアウトに対して、エッジ位置の歪みを予め見込んだ補正を行っている。従って、
図24(e)に示されるウェーハ仕上がりにおいては、ほぼ真円形状になっており、エッジ位置の歪みは小さい。
【0141】
一方、
図24(b)に示される設計レイアウトは、低精度な処理を行われた場合には、
図24(d)に示されるOPC後レイアウトに補正される。
図24(d)に示されるOPC後レイアウトは、
図24(f)に示されるように、ウェーハ上に仕上げられる。
図24(d)に示されるOPC後レイアウトは、
図24(b)に示される設計レイアウトに対して、エッジ位置の歪みを予め見込んだ補正を行っていない。従って、
図24(f)に示されるウェーハ仕上がりにおいては、
図24(e)に比べて、エッジ位置の歪みが少し残存している(真円形状ではなく楕円形状に近くなっている)。
【0142】
このように、本実施の形態に係る半導体装置およびその製造方法ならびに半導体製造用マスク、光近接処理方法では、ホール層のうち配線層が形成された領域においては高精度な処理を行い、ホール層のうち配線層が形成されない領域においては低精度な処理を行う。従って、実施の形態1〜4と同様に、処理時間を短縮し製造コストを低減することができるという効果を奏する。
【0143】
なお、このように製造されたIC装置は、配線層が形成されたホール層においてはCD精度が高く配線層が形成されないホール層においてはCD精度が低いという特徴を有する。すなわち、配線層が形成されたホール層においては、レイアウト形状の真円度が高くなり、配線層が形成されないホール層においては、レイアウト形状の真円度が低くなる。
【0144】
また、配線層が形成されたホール層であっても、ほぼ一定電位に固定される(互いにほぼ同電位である)ホール層の個数が所定距離以内に複数ある場合には、配線層が形成された他のホール層に比べて要求される精度が低い。従って、配線層が形成されたホール層であっても、所定距離以内にある、ほぼ一定電位に固定されるホール層の数が所定の閾値より多い場合には、低精度な処理を行うことにより、さらに処理時間を短縮し製造コストを低減することが可能となる。また同様に、このようなホール層の近傍にある配線層についても、比較的要求精度が低いため、所定距離以内にある、ほぼ一定電位に固定されるホール層の数が所定の閾値より多い場合、それらから別途定める所定の距離以内にある配線層のOPC精度を低くすることにより、処理時間の短縮および製造コストの低減が可能である。例えば、
図25(a)に示される配線層は、ほぼ一定電位に固定される複数個のホール層が、隣接するホール層と所定の距離以内になるように配置されており、ライン端の後退やコーナーラウンディング等の歪みが大きくなって、一部のホール層が踏み外した場合にも、他のホール層で補完できるので、低精度な処理を行うことが可能である。一方、
図25(b)に示される配線層は、複数個の各ホール層が所定の距離以上に離れてコンタクトすべき位置に孤立して配置されているので、高精度な処理が必要となる。
【0145】
また、CD精度は、ホール層の面積に依存するので、同じ精度で処理を行う場合においても、大きい面積を有するホール層において許容される誤差は比較的に大きく、小さい面積を有するホール層において許容される誤差は比較的に小さい。従って、同じ精度で処理を行う場合においても、面積が異なる複数のホール層については、異なる処理を行ってもよい。
【0146】
以上のように、実施の形態1〜5においては、OPC処理する対象のレイアウトの層に対して、関係する他の層を参照することにより、低精度のOPC処理が可能なレイアウトを抽出することに特徴がある。
【0147】
<実施の形態6>
実施の形態1〜5においては、DRCの基本的な機能を用いることにより処理精度を低くする手法について説明した。実施の形態6においては、互いに類似した形状を有する複数種類の設計パターンを1種類のOPC後パターンに揃える(マージする)ことにより処理精度を低くする手法について説明する。
【0148】
図26は、本実施の形態に係る半導体の製造方法を示す上面図である。
【0149】
図26(a)に示されるOPC後レイアウトは、OPC後パターン201〜204から構成されている。OPC後パターン201〜204は、それぞれ、コンタクト用パッドに対応するパターンからなる部分211〜214を備えている。部分201,203,204は、互いに同一の幅を有しているが、部分202は、部分201,203,204とは異なる幅を有している。また、OPC後パターン201,203,204は、それぞれ、部分211,213,214が設けられる位置が僅かに異なっている。
【0150】
図26(a)において、OPC後パターン201,203,204は、部分211,213,214が設けられる位置が僅かに異なっているものの同一の幅を有しているので、類似の形状およびシミュレーション結果を有すると考えられる。一方、OPC後パターン202は、部分201,203,204とは異なる幅を有する部分202を備えるので、OPC後パターン201,203,204とは異なる形状およびシミュレーション結果を有すると考えられる。
【0151】
図26(b)に示されるOPC後レイアウトは、OPC後パターン201a〜202aから構成されている。すなわち、低精度なOPC処理により、
図26(a)に示されるOPC後パターン201,203,204は、互いに類似した形状を有するので、OPC後パターン201から得られる1種類のOPC後パターン201aにマージして補正され、
図26(a)に示されるOPC後パターン202は、OPC後パターン201,203,204とは異なる形状を有するので、OPC後パターン201aとは異なるOPC後パターン202aに補正される。すなわち、
図26において、OPC後パターン201等のうち部分211等を除いた領域は本発明に係る第1部分として機能し、部分211等は本発明に係る第2部分として機能する。
【0152】
図27は、本実施の形態に係るOPCの処理方法を示すフローチャートである。
図27は、
図7に示されるフローチャートにおいて、ステップS3とステップS4との間に、ステップS3−2〜S3−4を行うものである。
【0153】
ステップS3−2においては、ステップS3における設定処理および補正処理で得られた複数種類の低精度なOPC後パターンそれぞれについて、差分を算出する。この差分は、レイアウトの形状またはシミュレーション結果に基づき算出される。
【0154】
次に、ステップS3−3に進み、ステップS3−2において算出された差分を所定の閾値と比較することにより、複数種類の低精度なOPC後パターンが互いに類似しているかどうかを判定する。
【0155】
次に、ステップS3−4に進み、ステップS3−3において判定された結果に基づき、類似している複数種類のOPC後パターンを1種類のOPC後パターンにマージする。これにより、類似している複数種類のOPC後パターンを1種類のOPC後パターンにマージすることが可能となる。
【0156】
上述においては、OPC後パターン201,203,204が、OPC後パターン201から得られるOPC後パターン201aにマージされる場合について説明したが、OPC後パターン201から得られるOPC後パターン201aに限らず、OPC後パターン203またはOPC後パターン204から得られるOPC後パターンにマージされてもよい。すなわち、複数種類のOPC後パターンのうちいずれを選択するかは任意であり、あるいは、OPC後パターン201〜204から得られるパターンに限らず、予め登録しておいた所定のパターンを用いてもよい。このとき、例えば、シミュレーション結果が望ましいもの(幅がターゲット値に近い、マージンが大きい等)や、後段の工程で処理がしやすいものや、頂点数が少ないものや、分割後の図形数が少なくなるものと選択することにより、処理時間を短縮したり製造コストを低減することが可能となる。
【0157】
このように、本実施の形態に係る半導体装置およびその製造方法ならびに半導体製造用マスク、光近接処理方法では、互いに類似した形状を有する複数種類の設計パターンを1種類のOPC後パターンにマージすることにより、処理精度を低くしている。従って、実施の形態1の効果に加えて、OPC後レイアウトのバリエーション数を低減することにより、OPC後レイアウトの登録に伴う処理時間を短縮し製造コストを低減できるという効果を奏する。特にセルプロジェクションを用いた直接描画において一括描画可能な形状にマージした場合、有効である。
【0158】
なお、このように製造されたIC装置は、同一の形状を有する複数個のパターンにおけるCD精度が低いという特徴を有する。
【0159】
また、上述においては、コンタクト用パッドに対応するパターンからなる部分211〜214の幅を用いて類似を判断する場合について説明したが、部分211〜214の幅に限らず、他の部分のサイズを用いてもよい。
【0160】
<実施の形態7>
実施の形態6においては、互いに類似した形状を有する複数種類の設計パターンを1種類のOPC後パターンにマージすることにより処理精度を低くする手法について説明した。しかし、実施の形態6においては、互いに類似した形状を有する複数種類の設計パターン全てにOPC処理を行った後にマージするので、マスク描画時間は短縮できても、OPC処理に伴う負荷はあまり低減できない場合がある。実施の形態7においては、OPC処理に伴う負荷を低減しつつ処理精度を低くする手法について説明する。
【0161】
図28は、本実施の形態に係る半導体の製造方法を示す上面図である。
【0162】
図28(a)に示される設計レイアウトにおいては、設計セル301は、設計セル302〜305に囲まれている。すなわち、設計セル301の上には設計セル302が、設計セル301の下には設計セル303が、設計セル301の左には設計セル304が、設計セル301の右には設計セル305が、それぞれ配置されている。設計セル301〜305は、それぞれ、複数個の設計レイアウトを含み、ランダムロジック回路における汎用的な所定の回路(AND回路等)を構成している。また、
図28(a)に示されるように、これらの設計セルは、セルの種類毎に異なる幅とセルの種類に依らない同一の高さとを有している。
【0163】
一般に、設計レイアウトの管理用データベース(ライブラリ)には、各設計セルが有するセル名(回路名)および各設計セルが有する4個の頂点の座標が登録されている。従って、このライブラリを参照することによって、設計セル301〜305それぞれのセル名およびこれらの位置関係を求めることが可能となる。以下では、例えば設計セル301がダミーレイアウトのみからなる又はセルの周囲の境界部の要求精度が低いレイアウトからなる場合について説明する。
【0164】
図28(a)に示されるように、ダミーレイアウトのみからなる又はセルの周囲の境界部の要求精度が低いレイアウトからなる設計セル301を、それぞれ所定の回路からなる設計セル302〜305が囲むように配置された場合においては、設計セル301〜305の種類(回路)によっては、設計セル301全体又はセルの周囲の境界部には高精度な処理は不要となる。このような場合においては、設計セル301全体又はセルの周囲の境界部に低精度な処理を行うことにより、処理時間を短縮し製造コストを低減することが可能となる。
図28(b)には、さらに設計セル301に対して、その全体または周縁部のみ低精度な処理を施されたOPC後セル301aで置換し、設計セル302〜305を含む他の設計セルに対しては、設計セル301との境界部を除いて高精度な処理を施すことによりOPC後セル301a〜305aを含むOPC後セルを生成する場合が示されている。
【0165】
このとき、設計セル301に対しては、セル内のポリゴン情報を元に図形演算やシミュレーションを行いOPC後レイアウトを求めてもよく、あるいは、予め用意しておいた設計セル301内のレイアウトに対応するOPC後レイアウトをそのまま用いてもよい。予め用意しておいたOPC後レイアウトにそのまま置き換えることにより、設計セル301内のポリゴン情報を元に図形演算やシミュレーションを行う必要がなくなるため、さらに処理時間を短縮し製造コストを低減することが可能となる。
【0166】
また、設計セル301〜305は、セルの種類毎に異なる幅を有しうるので、例えば設計セル301の幅が大きい場合等には、設計セル301の上下に、設計302〜303以外にも設計セルが配置される場合がありうる。このような場合には、設計セル301の上下に配置される全ての設計セルのセル名および位置を用いてもよく、あるいは、主な設計セルのセル名および位置のみを用いてもよい。
【0167】
図29は、本実施の形態に係るOPCの処理方法を示すフローチャートである。
図29は、
図7に示されるフローチャートにおいて、ステップS1とステップS2との間にステップS1−1〜S1−2を行うとともに、ステップS2とステップS4との間にステップS3に並列してステップS2−1〜S2−2を行うものである。
【0168】
ステップS1−1においては、低精度セル参照情報を抽出し、設計セル301の情報を求める。ステップS1−2においては、ステップS1においてライブラリに登録された設計レイアウトを用いて、設計セル301およびその周辺の設計セル302〜305の情報(セル名および頂点の設計セル301に対する相対座標)を求める。
【0169】
次に、ステップS2に進み、ステップS1において入力された設計レイアウトを、OPCに要求される精度に応じて分類する。これにより、要求される精度が低い低精度パターンと要求される精度が高い高精度パターンとに分類が行われる。ここでは、ステップS1−1で求められた情報により、設計セル302〜305にはさまれた設計セル301のセル参照情報は置き換え対象に分類される。
【0170】
次に、ステップS2−1に進み、ステップS1−2で求められた情報を用いてライブラリを検索することにより、予め登録された設計セル301に対応するOPC後セル301aに関する情報(セル名およびポリゴン情報を含む)を求める。
【0171】
次に、ステップS2−2に進み、設計セル301を、ステップS2−1で求められたOPC後セル301aに置き換える。これにより、設計セル301内のポリゴン情報を元に図形演算やシミュレーションを行うことなく、設計セル301からOPC後セル301aを求めることができる。
【0172】
なお、ステップS2−1〜S2−2における処理は、ステップS3における低精度な処理とは影響を与えあわないが、ステップS4における高精度な処理には影響を与える。従って、ステップS3は、ステップS2−1〜ステップS2−2に並列して配置されているが、ステップS4は、ステップS2−2およびステップS3の後段に配置されている。
【0173】
このように、本実施の形態に係る半導体装置およびその製造方法ならびに半導体製造用マスク、光近接処理方法においては、設計セル自身と設計セルの周囲に配置された設計セルの種類とに応じて、低精度な処理を行うことが可能かどうかの分類を行う。そして、低精度な処理が可能な場合には、予め登録されたOPC後レイアウトへの置き換えにより、設計セルからOPC後レイアウトを求める。従って、図形演算やシミュレーションを行わないので、実施の形態6の効果に加えて、OPC処理に伴う負荷を低減できるとともにより高速に処理できるという効果を奏する。
【0174】
なお、上述においては、設計セル301の上下左右に配置された設計セル302〜305全ての情報を用いて、設計セル301の分類を行う場合について説明したが、これに限らず、例えば設計セル301の上下のセル境界部分のパターンの要求精度が左右に比較して低い場合には、上下方向のセル配置は考慮せず、左右に配置された設計セル304〜305のみの情報を用いて設計セル301の分類を行ってもよい。あるいは、例えば設計セル301のセル名(回路名)から設計セル301にはダミーレイアウトのみが格納されていることが分かるような場合等には、周囲の設計セルの情報は用いず、設計セル301のセル名のみを用いて低精度パターンに分類してもよい。このように簡略化することにより、分類のための処理時間を例えば40〜100分の1に短縮することができる。
【0175】
また、設計セルが設計レイアウトにおいて端に配置された場合には、必ずしも周囲に4個(左右の配置のみを考慮する場合は2個)の設計セルが配置されるとは限らない。従って、設計セルが設計レイアウトにおいて端に配置された場合には周囲の3個(左右の配置のみを考慮する場合は1個)の設計セルの情報を用いて分類を行い、設計セルが設計レイアウトにおいて角に配置された場合には周囲の2個(左右の配置のみを考慮する場合は1個)の設計セルの情報を用いて分類を行ってもよい。以上のように製造されたIC装置は、設計レイアウトの少なくともセル境界部における精度が低いという特徴を有する。
【0176】
例えば
図30(a)には、矩形状の設計セル301(第1設計セル)とその周囲に隣接する矩形状の各設計セル(第2設計セル)との境界部に低精度領域310を有する例を示している。境界部の低精度領域310は、例えば半導体製造における近接効果の影響が及ぶ距離分、あるいは、それにOPC処理上で影響の及ぶ距離分を加えた幅を持った枠状の領域である。このとき、設計セル301は、
図30(b)に示すように、中央部に高精度領域(例えば、
図13(b)のゲート配線172)を有し、周縁部に低精度領域310(例えば、
図13(b)のダミーゲート配線182)を有する。
【0177】
また、例えば
図31(a)には、設計セル301全体とその周囲の各設計セルとの境界部に低精度領域310を有する例を示している。このとき、設計セル301は、
図31(b)に示すように、全てが低精度領域(例えば、
図13(b)のダミーゲート配線182)となる。
【0178】
また、ここで、
図32は、前述のように左右のセルの情報を用いて設計セル301の分類を行う場合の例を示している(但し本図面では補正に関わる個々の形状は表現していない)。
図32に示すように、設計セル301には、活性領域174を横切るように形成されるゲート配線172と、活性領域174と電気的に接続するように形成されるコンタクト176とがレイアウトされている。設計セル301の上縁部340aおよび下縁部340bは、精度要求が比較的小さいライン端(ゲート配線172)を含んでいる。従って、設計セル301を取り囲む境界部の低精度領域の中でも、上縁部340aおよび下縁部340b(互いに対向する1組の第1境界部)は、上縁部340aおよび下縁部340bを除いた左縁部350aおよび右縁部350b(互いに対向する1組の第2境界部)より精度が低いという特徴を有する。
【0179】
また、左右のセルの情報を元に、上下方向のセル情報の違いを問わず同一のOPC結果で設計セル301を置換した場合、上述のとおり、ライン端の精度は低いが、設計セル301内で、上縁部340aや下縁部340bに含まれない領域の精度は低下しない。
【0180】
ここで、置換するOPC結果を予め作成する場合について説明する。置換するセルの左右のセルのセル情報のみを用いてOPC結果を生成させると、上下にセル情報がないため、上縁部340aおよび下縁部340bの精度が過度に低下し、異常な形状となる場合がある。そこで上下には予め設定したダミーの図形を配置しておくことにより、上縁部340aおよび下縁部340bにおいては、ダミーの図形の影響で、過度に低精度になることを防止できる。
【0181】
また、この例で、設計セル301は、活性層と導電体層とを含んでいるが、低精度領域は、各層で異なってもよい。さらに、各層で低精度領域が異なってもよいという点は、これ以外の他の実施の形態においても同様である。
【0182】
また、上述においては、各設計セルが、セルの種類毎に異なる幅とセルの種類に依らない同一の高さとを有している場合について説明したが、これに限らず、各設計セルが、セルの種類に依らない同一の幅とセルの種類に依らない同一の高さを有していてもよい。このように各設計セルの高さおよび幅を統一することにより、設計セルが設計レイアウトにおいて端に配置された場合には周囲には3個(角の場合は2個)の設計セルが配置され、設計セルが設計レイアウトにおいて端に配置されない場合には周囲には常に4個の設計セルが配置される。従って、設計セル同士の位置関係のバリエーションを低減することができるので、処理を簡略化し処理時間を短縮することができるという効果を有する。このように製造されたIC装置は、碁盤目状に設計セルが配置されているという特徴を有する。
【0183】
この発明は詳細に説明されたが、上記した説明は、全ての局面において、例示であって、この発明がそれに限定されるものではない。例示されていない無数の変形例が、この発明の範囲から外れることなく想定され得るものと解される。