(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6042422
(24)【登録日】2016年11月18日
(45)【発行日】2016年12月14日
(54)【発明の名称】玉虫色画像を作り出す方法、得られる画像及び同玉虫色画像を備えたデバイス、関連するプログラム
(51)【国際特許分類】
G09F 19/12 20060101AFI20161206BHJP
【FI】
G09F19/12 F
【請求項の数】15
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2014-514139(P2014-514139)
(86)(22)【出願日】2012年6月8日
(65)【公表番号】特表2014-523539(P2014-523539A)
(43)【公表日】2014年9月11日
(86)【国際出願番号】FR2012051294
(87)【国際公開番号】WO2012168667
(87)【国際公開日】20121213
【審査請求日】2015年2月20日
(31)【優先権主張番号】1155003
(32)【優先日】2011年6月8日
(33)【優先権主張国】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】513277016
【氏名又は名称】メディア レリーフ
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】特許業務法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ランフランキ、クリストフ
【審査官】
吉田 英一
(56)【参考文献】
【文献】
特開2002−116752(JP,A)
【文献】
Richard G. Shoup,COLOR TABLE ANIMATION,ACM SIGGRAPH Computer Graphics,1979年 8月,Vol. 13, No. 2,pp. 8 - 13
【文献】
Robert L. Kooima, Tom Peterka, Javier I. Girado, Jinghua Ge, Daniel J. Sandin, Thomas A. DeFanti,A GPU Sub-pixel Algorithm for Autostereoscopic Virtual Reality,IEEE Virtual Reality Conference 2007,2007年 3月,pp. 131 - 137
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09F 19/12
G06T 11/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの基準画像から玉虫色画像を形成することが意図された一連の変更基準画像を作り出すことを備えた少なくとも1つの基準画像から前記玉虫色画像を作り出す方法において、
-各カラーのパレット(P)を生成する段階と、
-一連の少なくとも2つの変更基準画像(IRM0、IRM1、IRM2、IRMn ...)を生成する段階であって、前記少なくとも1つの基準画像(IR)の各カラーが、各新しい変更基準画像(IRM)の前又はその間に、前記パレットの各カラーの循環移動を実行することによって前記パレットの各カラーで置換されてなる前記段階と、
-前記一連の少なくとも2つの変更基準画像からインターレース画像を生成する段階と、
-玉虫色画像を前記インターレース画像から生成する段階であって、前記インターレース画像中の前記一連の少なくとも2つの変更基準画像が、観察者が彼の2つの目で前記一連における異なる画像を認識できるようにする光学的セレクターと関係に置かれてなる前記段階と、を具備したことを特徴とする前記方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法において、前記各変更基準画像(IRM)を生成する前記段階の前に、前記少なくとも1つの基準画像の全て又は一部分に曖昧さを適用する段階をも具備したことを特徴とする前記方法。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の方法において、前記各変更基準画像(IRM)を生成する前記段階が、前記基準画像の少なくとも一部分をカバーする少なくとも1つのマスクを使用することによって実行されることを特徴とする前記方法。
【請求項4】
請求項1から3の何れか1つに記載の方法において、各カラーの前記パレットの前記各カラーはビットマップ又はグレイレベルでのカラーの単一層、又は最も明るいカラーが各カラーの前記パレットの全体に亘って一定値を有する各カラーの2層、又は赤、緑、青の3層、又はシアン、マゼンタ、黄、黒の4層を表わすことを特徴とする前記方法。
【請求項5】
請求項1から5の何れか1つに記載の方法において、前記一連の変更基準画像は、立体鏡、又はカラー又は偏光フィルタを使用する眼鏡、LCD充填眼鏡又はプリズム眼鏡を備えた群から選択される立体的眼鏡を備えた群から好ましくは選択された非自動立体鏡光学的セレクターを通して観察されるように構成されたことを特徴とする前記方法。
【請求項6】
請求項1から5の何れか1つに記載の方法において、複数鏡(multiscopic)シリーズ、動画を備えた群から選択された一連の優先画像から少なくとも2つの基準画像を生成する段階を具備し、一連の変更基準画像を生成する前記段階が、次いで、前記少なくとも2つの基準画像のおのおのに対して少なくとも1つの変更基準画像を生成するために前記少なくとも2つの基準画像のおのおのについて実行されることを特徴とする前記方法。
【請求項7】
請求項1から6の何れか1つに記載の方法において、前記インターレース画像を玉虫色画像を得るために自動立体鏡光学セレクターとの関係に置く段階であって、前記自動立体鏡光学セレクターが好ましくは円柱レンズのアレイ、球面レンズのアレイ、視差バリア又は自動立体鏡画面を備えた群から選択されてなる前記段階をも具備することを特徴とする前記方法。
【請求項8】
各カラーが、各新しい変更基準画像の前又はその間に、パレットの各カラーの循環移動を行うことによって各カラーの前記パレットの前記各カラーで置換されてきた、少なくとも1つの基準画像から得られた一連の少なくとも2つの変更基準画像(IRM0、IRM1、IRM2、IRMn ...)から導出されたインターレース画像において、前記一連の少なくとも2つの変更基準画像が、観察者が彼の2つの目で前記一連における異なる画像を認識できるようにする光学的セレクターとの関係に置かれる玉虫色画像を形成することができる前記インターレース画像。
【請求項9】
請求項8に記載のインターレース画像であって、線形レンズのアレイ、球面レンズのアレイ又は視差バリアを備えた群から好ましくは選択された自動立体鏡光学的セレクターとの関係に置かれてなる前記インターレース画像を具備した玉虫色画像。
【請求項10】
請求項9に記載の玉虫色画像において、少なくとも部分的に3次元であることを特徴とする前記玉虫色画像。
【請求項11】
各カラーが、各新しい変更基準画像の前又はその間に、パレットの各カラーの循環移動を行うことによって各カラーの前記パレットの前記各カラーで置換されてきた、立体鏡ペアを構成する各基準画像から得られる一連の変更基準画像から導出された3次元玉虫色画像であって、前記一連の変更基準画像が観察者が彼の2つの目で前記一連における異なる画像を認識できるようにする光学的セレクターとの関係に置かれてなる玉虫色画像。
【請求項12】
請求項8に記載のインターレース画像、又は請求項9又は10に記載の玉虫色画像、又は請求項11に記載の3次元玉虫色画像を備えた偽造防止安全保障画像。
【請求項13】
請求項8に記載のインターレース画像であって、線形レンズのアレイ、球面レンズのアレイ又は視差バリアを備えた群から好ましくは選択される自動立体鏡光学的セレクターとの関係に置かれてなる前記インターレース画像を具備したデバイスにおいて、銀行又はテレフォンカード、ショーウィンドウ、パッケージ、装飾、衣類又は履物マーキング、定規、キーホブ、フラスコ、ボトル、プレート、グラス、花瓶、シェード、ボックス、エッチングしたガラスのブロック、名刺等の通信要素、出版書類一式、小冊子、サイン、工業的マーキング、ポスター、葉書、グリーティングカード、栞、ファイルカバー、本、ノート又は草紙等の出版製品、ブレスレット、ペンダント、ブローチ又は腕時計又は置き時計の文字盤等の宝石のアイテム、タイル又は板ガラス(glazing)を備えた群から選択されてなる前記デバイス。
【請求項14】
コンピュータ等の制御ユニットのメモリにロードすることができるコンピュータプログラム製品において、前記プログラムがコンピュータ上で機能するときに請求項1から7の何れか1つに記載の前記方法の前記各段階を実施するための、コンピュータによって読み出すことができる媒体上に記録されたプログラムコード手段を具備した前記コンピュータプログラム製品。
【請求項15】
請求項14に記載のコンピュータプログラム製品において、前記プログラムがコンピュータ上で機能するときに3次元画像生成を実施するための、コンピュータによって読み出すことができる媒体上に記録されたプログラムコード手段をも具備したことを特徴とする前記コンピュータプログラム製品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は玉虫色画像の生成の分野に関する。相互に離隔した我々の目が同一の対象物から異なるカラー及び/又は光の強度を認識するときに玉虫色効果が生じる。こういった画像は、例えば、パッケージ上により審美眼のある表示を得るために使用される。こうして、効果は消費者にとって人目を引き、目立つという結果になる。
【0002】
この種の画像はまた、銀行又はテレフォンカード、ショーウィンドウ、装飾、出版書籍一式(press dossier)、グリーティングカード、衣類又は履物マーキング、又は名刺等の通信要素上に設けることができる。この種の効果はまた3次元画像、例えば、3次元映画又は3次元ゲーム等においてもたらすことができる。
【背景技術】
【0003】
モアレ効果を有する画像を生成するための多くの方法が提案されてきている。こうして、欧州特許第1 147 878号明細書の文献を通して、基板の少なくとも一方の表面上に印刷されたレンズ状の要素のマトリックスから作り出されたモアレ又は玉虫色パターンが知られている。しかしながら、このデバイスは十分に満足するものであると判明してはいない。何故ならば、この文献は、図面、写真又はテキスト等の所定の基準画像から玉虫色画像を容易に作り出すことを可能にするものではないからである。
【0004】
(発明の開示)
この発明は前述の従来技術の欠点を改善すると共に、他の型式の応用を提供することを目的とする。
【0005】
このことを成すために、少なくとも1つの基準画像から玉虫色画像を形成することを意図した一連の少なくとも2つの変更した基準画像を作り出すために方法が提案される。
【0006】
大まかに言えば、この発明による前記方法は、カラーのパレットを生成する段階と、一連の少なくとも2つの変更した基準画像を生成する段階と、を具備し、前記少なくとも1つの基準画像の前記各カラーは、各新しい変更基準画像の前又はその間に、前記パレットの前記各カラーの循環移動を実行することによって前記パレットの各カラーと置換される。
【0007】
この発明の第1の態様によれば、前記画像は基準画像を使用して実施される。
【0008】
第2の態様によれば、前記方法は少なくとも2つの基準画像を使用して実施される。
【0009】
「基準画像」とは、各カラーのところまで、玉虫色画像を認識するのは何であるかを表わす画像を意味している。この基準画像は、例えば、図面、写真又はテキストを表わす場合がある。好ましくは、基準画像のカラーモードは使用される再生システムに適合する。
【0010】
好ましい変形によれば、この方法はまた、前記各変更基準画像を生成する前記段階の前に、前記基準画像の全て又は一部分に曖昧さを適用する段階をも具備する。
【0011】
別の好ましい変形によれば、前記各変更基準画像を生成する前記段階は、前記基準画像のうちの少なくとも一部分をカバーする少なくとも1つのマスクを用いることによって実行される。
【0012】
「玉虫色画像」は、観察者が双方の目で前記一連の異なる画像を認識できるようにする光学的セレクターとの関係に置かれた前記一連の少なくとも2つの変更基準画像を意味している。
【0013】
「各カラーのパレット」は、インデックステーブル中の各値がカラーを表わすこのインデックステーブルを意味する。このパレットに含まれる各カラーは、得られる玉虫色画像における玉虫色効果にそれらのカラーを与えることとなる。
【0014】
「循環移動」は、パレットの左右の端があたかも結合されているかのようなパレットにおける各カラーの回転を意味する。右への移動の際に左に挿入されるカラーは、右に移動され出力され、また逆の場合も同じであるカラーである。
【0015】
大まかに言えば、パレットのカラーモードは使用される再生システムに適合すると共に、ビットマップ又はグレイレベルでのカラーの単一層、又は3つの赤、緑、青の各層、又は4つのシアン、マゼンタ、黄、黒の各層を表わして良い。有益にも、パレットは、ビットマップ又はグレイレベルでの単一のカラー層、又はそのうち最も明るいものが前記周期全体に亘って一定値であるカラーの2層を備えている。
【0016】
好ましくは、前記方法は、複数鏡(multiscopic)シリーズ、動画を含む群において選択された一連の基準画像から少なくとも2つの基準画像を生成する段階を具備し、次いで、一連の変更基準画像を生成する前記段階は、前記少なくとも2つの基準画像のおのおのにたいして、少なくとも1つの変更基準画像を生成するために、前記少なくとも2つの基準画像のおのおのについて実行される。
【0017】
「光学的セレクター」は、観察者が双方の目で一連の少なくとも2つの変更基準画像における異なる画像を認識できるようにして、彼が玉虫色効果を認識できるようにするデバイスを意味する。
【0018】
次いで、「自動立体鏡光学的セレクター」は、セレクターが特定の眼鏡を掛けることを必要としないか、又は立体鏡の使用を必要としない場合に言われる。こういった光学的セレクターは、例えば、縦長の円柱レンズを備えた、レンズ状のアレイとも称する、線形レンズである。こういった光学的セレクターは球面レンズのアレイ又は視差バリアであっても良い。大まかに言えば、視差バリアは線、円、楕円、正方形、ひし形、千鳥等を備え、その寸法及び頻度は固定されていることが好ましく、かつ、印刷され、エッチングされ、モールドされ、サンドブラスト仕上げにされ、熱く又は、例えば、PVC、ガラス、プレキシガラス(Plexiglass:登録商標)(ポリメチルメタクリレート)から成る透明又は半透明の基板に被着させていても良く、こうして透明、半透明又は不透明の各領域の周期的構造を示している。光学的セレクターは、全体に亘って玉虫色効果を有することのない玉虫色画像に対して所望されれば予備(マスク)の領域を備えても良い。
【0019】
ホログラフィック膜は自動立体鏡光学的セレクターであると考えられる場合もある。自動立体鏡動画画面はまた、レンズ状アレイ、視差バリア又は他のデバイスの使用に基づいて見いだされる。
【0020】
非自動立体鏡光学的セレクターは、例えば、立体鏡、又はカラー又は偏光フィルタを使用した眼鏡、LCD充填眼鏡、インフィティック(Infitec: 登録商標)眼鏡又はプリズム眼鏡から成る群から選択された立体眼鏡である。
【0021】
第1の有益な変形によれば、前記方法は前記各変更基準画像からインターレース画像を生成する段階を具備する。
【0022】
好ましくは、この第1の有益な変形による前記方法は、玉虫色画像を得るために前記インターレース画像を自動立体鏡光学的セレクターとの関係に置く段階を具備する。こういった自動立体鏡光学的セレクターは円柱レンズのアレイ、球面レンズのアレイ、視差バリア又は自動立体鏡画面から成る群から好ましくは選択される。
【0023】
玉虫色画像を得るためにインターレース画像を光学的セレクターとの関係に置くことは、観察者とは反対の光学的セレクターの面上に好ましくは形成したインターレース画像を再生すること、又は以下に説明する焦点の理由に対して光学的セレクターとインターレース画像との間に必要な空間をもたらしながら、この面上に積層することから成っていても良い。形成したインターレース画像はまたエッチング、モールド、サンドブラスト仕上げ又はこういった再生を許容する任意の他の方法によって光学的セレクターの面上に再生されても良い。こうして、関係に置くことは、例えば、印刷、エッチング、モールド、サンドブラスト仕上げ等の再生から成る。ガラスのブロックでのエッチングの場合、視差バリアとインターレース画像との間に以下に詳述する焦点距離を残してインターレース画像がエッチングされる。形成したインターレース画像はまた自動立体鏡画面上に表示されても良く、また、インターレース画像を生成する前記段階は、使用される画面の型式に適合することとなる。
【0024】
第2の有益な変形によれば、一連の変更画像は、立体鏡又は立体眼鏡から成る群から好ましくは選択された非自動立体鏡セレクターを通して観察されるように構成される。この場合、立体眼鏡は、カラー又は偏光フィルタを使用した眼鏡、LCD充填眼鏡、インフィティック(Infitec: 登録商標)眼鏡又はプリズム眼鏡から成る群から選択される。同様にして、玉虫色画像はまた同一型式の非自動立体鏡セレクターを通して観察されるように構成されても良い。
【0025】
好ましくは、各基準画像が3次元画像生成プログラムによって発生された立体鏡ペア又は複数鏡シリーズから成る場合、各カラーのパレットを使用して前記プログラムによって一連の変更基準画像を直接発生しても良い。この場合、各カラーのパレットは、シーンを作り上げると共に、各変更基準画像の計算の前又はその間にパレットの各カラーの循環移動を実行する全ての又は幾つかの対象物の各テクスチャー用のものである。
【0026】
この発明はまた、少なくとも1つの基準画像から得られる一連の少なくとも2つの変更基準画像から導出されるインターレース画像に関する。この場合、一連の少なくとも2つの変更基準画像の各カラーは、各新しい変更基準画像の前又はその間に、パレットの各カラーの循環移動を実行することによって各カラーのパレットの前記カラーと置換されてきている。
【0027】
この発明の別の要旨は、前述した、又は前述の第1の有益な変形による方法によって得られたインターレース画像を備えた玉虫色画像から成る。この場合、インターレース画像は線形レンズのアレイ、球面レンズのアレイ、視差バリア又は自動立体鏡画面から成る群から好ましくは選択された自動立体鏡光学的セレクターとの関係に置かれている。
【0028】
好ましくは、インターレース画像及びこの発明による玉虫色画像は、前述の第1の有益な変形による方法によって得られる。
【0029】
有益にも、前述の玉虫色画像は少なくとも部分的に3次元である。
【0030】
この発明の別の要旨は、立体鏡ペアを構成する各基準画像から得られる一連の変更基準画像から導出された3次元の玉虫色画像から成る。この場合、各基準画像の各カラーは、各新しい変更基準画像の前又はその間に、パレットの各カラーの循環移動を実行することによって各カラーのパレットのカラーと置換されてきている。
【0031】
この発明の別の要旨は、偽造防止安全保障画像から成る。この偽造防止安全保障画像は、前述した、又は前述の第1の有益な変形による方法によって得られるインターレース画像、又は前述した、又は前述の方法によって得られる玉虫色画像、或いは前述の3次元玉虫色画像を具備している。
【0032】
この発明の別の要旨は、3次元玉虫色画像から成っている。この3次元玉虫色画像は前述した、又は前述の第2の有益な変形による方法によって得られる少なくとも1つのインターレース画像を具備する。また、この少なくとも1つのインターレース画像は、非自動立体鏡光学的セレクター、及び好ましくは立体鏡、又はカラー又は偏光フィルタ、LCD充填眼鏡、又はプリズム眼鏡を使用した眼鏡を備えた群から選択された立体的眼鏡を通して観察されるように構成されている。3次元画像は、3次元で認識されると共に、静的又は動的であって良い。こうして、前述の第2の有益な変形による方法は、例えば、3次元映画、3次元テレビ、3次元ゲームコンソール、3次元電話、3次元コンピュータ、3次元ビデオ映像ゲーム、及び大まかに言えば、任意の3次元仮想インターフェース等の静止画像又は動画像に適用可能である。
【0033】
この発明の別の要旨は、前述した、又は前述の方法によって得られるインターレース画像を備えたデバイスから成っている。この場合、このインターレース画像は、線形レンズのアレイ、球面レンズのアレイ又は視差バリアから成る群から好ましくは選択された自動立体鏡光学的セレクターとの関係に置かれている。
【0034】
こういったデバイスは非制限的に、銀行又はテレフォンカード、ショーウィンドウ、パッケージ、装飾、衣類又は履物マーキング、定規、キーホブ、フラスコ、ボトル、プレート、グラス、花瓶、シェード、ボックス、エッチングしたガラスのブロック、名刺等の通信要素、出版書類一式、小冊子、サイン、工業的マーキング、ポスター、葉書、グリーティングカード、栞、ファイルカバー、本、ノート又は草紙等の出版製品、ブレスレット、ペンダント、ブローチ又は腕時計又は置き時計の文字盤等の宝石のアイテム、タイル又は板ガラス(glazing)であって良い。
【0035】
この発明の別の要旨は、前述の第1又は第2の有益な変形による前記方法を実施する手段を備えた、コンピュータ等の制御ユニットのメモリにロードすることができるコンピュータプログラム製品から成っている。
【0036】
好ましくは、前述のコンピュータプログラム製品が前述の方法を実施する手段を備える場合、このコンピュータプログラム製品は3次元画像の生成を実施する手段も備えている。
【0037】
こうして、基準画像又は複数の基準画像が3次元画像生成プログラムに由来する場合、カラーパレットを使用して前記プログラムによって、変更基準画像の生成を直接発生しても良い。この場合、このカラーパレットは、シーンを作り上げると共に、前記ペアの2つの画像の計算の間にパレットの各カラーの循環移動を実行する全ての又は幾つかの対象物の各テクスチャー用のものである。
【0038】
3次元画像プログラムによって発生されたか又はそうではない動画の場合、前述の方法は動画に作用するパレットの循環移動を伴っていても良い。
【図面の簡単な説明】
【0039】
この発明の他の特徴、詳細、及び利点は以下に図示する添付図面を参照して以下の説明を読むことから明らかとなろう。
【
図1A】この発明による玉虫色画像を生成するカラーパレットである。
【
図1B】各カラーの種々の循環移動を有する
図1Aのパレットである。
【
図3】各変更基準画像-IRM-の間で
図1Bにおけるようにパレットの各カラーの循環移動を実行することによって、
図1Aのパレットの各カラーで
図2の基準画像の各カラーを置換する一連の8つの変更基準画像IRMである。
【
図4】
図3の一連の変更基準画像から得られるインターレース画像である。
【
図5】線形レンズのアレイとの関係に置かれたインターレース画像の斜視図の線図である。
【
図6】分散画像、及び正面図での
図5の線形レンズの適合アレイの線図である。
【0040】
更なる明瞭化のために、同一、類似の要素は全てのこれらの図において同一の参照記号によって示されている。
【発明を実施するための形態】
【0041】
図1A、1B、2、及び3を参照すると、この発明による一連の変更基準画像IRMは画像処理コンピュータプログラムを用いて基準画像IR及び各カラーパレットPから有益にも作り出されている。
【0042】
この基準画像IRは各カラーになる所まで、何が玉虫色画像IIにて見られることとなるかを表わしている。こういった基準画像は、例えば、写真4、パターン、又はテキスト2,3等である。
【0043】
大まかに言えば、各カラーのパレットは玉虫色画像の玉虫色効果において認識されることとなる各カラーを定義する。
図1Aのカラーパレットは本願においては、前半で黒から白の、また後半では白から黒の諧調を含んでいる。他のカラーは随意に使用して良い。こういったパレットは本願においては、最初のカラーと最後のカラーとの間でさえも任意のきれいなカラーの途切れ領域を備えるものではない。このことによって、非常に滑らかな玉虫色効果を得ることができる。審美眼的理由から、パレットにカラーの途切れを定義することを所望しても良い。
【0044】
興味深いことに、この発明は、印刷すべき各カラーのマーキングを必要とすることなく実施され、かつ、カラーパレットはビットマップ又はグレイレベルでの単一のカラー層、又は最も明るいものが好ましくは前記カラーパレット全体に亘って一定値を有するカラーの2層を備えている。
【0045】
図示しない別の変形によれば、この発明はカラーマーキング手段を用いて実施され、かつ、カラーパレットは、典型的にはシアン、マゼンタ、黄、黒(CMYB)又は赤、緑、青(RGB)の、使用する再生システムが許可するカラーのできるだけ多くの層を備えている。RGBパレットを使用すること、変更したRGB基準画像を発生すること、これらをインターレースすること、次いで、このインターレースした画像をCMYBに変換すること、又は各変更基準画像IRM又はこの種の任意の他の組合せを変換すること、も可能である。
【0046】
図3の一連の変更基準画像IRMはまた、種々の角度で観察されると共に玉虫色効果を得ることを可能にする玉虫色画像の何を認識することとなるかを表わしている。こういった玉虫色効果はまた、直接に可視的な3次元画像上に又は3次元眼鏡を用いて生成しても良い。
【0047】
図1A、1B、2、及び3を参照すると、パレットに含まれるカラーの数nCoulPaletteが定義されると共に、次いで、計算すべき変更基準画像の数nIRMが定義される。nIRMは使用される光学的セレクターの解像度で除算された再生システムの解像度以下であり、一連の変更基準画像-IRM-は、各新しいIRMの間で、以下に述べるパレットの各カラーの循環移動(パレット移動-カラー循環)を実行することによってパレットの各カラーで基準画像-IR-の各カラーを置換することにより得られる。
【0048】
完全な循環を得るために、変更基準画像の各新計算の前又はその間にパレットに付与されるべき循環移動値DCは次式によって与えられる:
DC = nCoulPalette/Nirm
【0049】
審美眼的目的から、1循環以上又は1循環未満を実行することもまた有益な場合がある。以下、次のことが逐次的に生成される。
-
図1Aのパレットの各カラーでその各カラーを置換することによる第1の変更基準画像IRM0、
-
図1Bの移動したパレットd1上のようにパレットの第1の移動を実行することによる第2の変更基準画像IRM1、
-
図1Bの移動したパレットd2上のようにパレットの第2の移動を実行することによる第3の変更基準画像IRM2、
及び第8の変更基準画像IRM7の所までなど。
【0050】
移動したパレットカラーdp1・・・dp10・・・が第1のカラーdlp1がある最後のカラーd1p10を超えて相互に追従するように移動が循環式に行われる。
【0051】
この発明によるインターレース画像を形成するために、得られた変更基準画像のうちの少なくとも2つが、次いでインターレースされる。こうして、
図4のインターレース画像は8つの変更基準画像IRM 0-7から成る。
【0052】
従来技術によるインターレースによって一連の変更基準画像から得られるインターレース画像。この場合、従来技術は、各IRMを玉虫色画像に要求される寸法に及び光学的セレクター-SO-の解像度に水平方向の寸法変更を行う段階と、前の段階で得られた前記寸法を変更した各画像の各コラムを逐次的に取ることによって、インターレース画像-IE-を生成する段階と、前の段階で得られた前記インターレース画像の垂直方向の寸法を玉虫色画像の所要の寸法に適合させる段階と、を備えている。
【0053】
インターレース画像IEを形成する前に、使用される光学的セレクターSOによる前記インターレース画像IEの寸法、及び想定される応用に従って定義された平均的観察距離を精度良く適合させることが好ましい。最終的に関係に置くことと同一の条件で計算図表(nomogram)を光学的セレクターSOとの関係に置くことによって、寸法の変更係数が周知の従来技術(ピッチの調整)に従って定義される。この計算図表は基本的周期を有する周期的画像、黒画素、白画素から成ると共に、種々の寸法修正を有する各領域を含んでいる。適切なものの1つは、観察者が定義された平均距離に置かれて各レンズに対して垂直に僅かに移動するとき、黒から白に非常に迅速に変化できるようにするものである。
【0054】
インターレース画像-IE-は、玉虫色画像を作り出すために円柱レンズSOのアレイとの関係に置かれる。
【0055】
基準画像に曖昧さを適用することによって、
図3の一連の変更基準画像IRMにおいて図面の周りの特徴的境界線bcを表示することができる。この特徴的境界線は
図4のインターレース画像において認識可能でもあると共に、玉虫色画像において可視的ともなろう。基準画像に曖昧さの適用がないとき、インターレース画像は鋭い破断を示すと共に、玉虫色画像は基準画像に曖昧さがないために本質的に特徴的境界線を示さないこととなる。
【0056】
更に、玉虫色画像は、観察の角度、及び
図3に図示するように観察された画像の面積に依存して明るくなったり黒くなったりする玉虫色視覚効果を示す。
【0057】
図2の基準画像IRは5つのマスクM1からM5から構成されるテキスト、曖昧でないテキスト2、曖昧なテキスト3、及びグレイレベルの写真4から成っている。
【0058】
好ましい変形によれば、各変更基準画像-IRM-を生成するときに、
図2におけるように基準画像上にマスクを使用することができる。各カラーがパレットの各カラーで置換されてこず、従って如何なる玉虫色効果も示すこととはならない各予備領域を形成するために、各変更基準画像は、
図3におけるように、IR上の5つのマスクを使用して生成された。
【0059】
別の好ましい変形によれば、各変更基準画像(図示せず)を生成するときに幾つかのカラーパレットを活用するために、基準画像において各マスクを使用することもできる。
【0060】
マスク(図示せず)の使用は、その形成前に、
-全体的な置換で、
-又は不透明値で、
-又は融合モードを用いた、
各変更基準画像-IRM-又はインターレース画像-IE-における付着要素から成っていても良い。
【0061】
最後の2つを使用することによって、特に、写真上で元々の写真と玉虫色効果の混合を得ることができる。
【0062】
マスク(図示せず)の使用は、各変更基準画像上又はインターレース画像上に比色分析フィルタを適用することから成っていても良い。
【0063】
好ましい変形(図示せず)によれば、一連の変更基準画像-IRM-を発生するときにカラーパレットを変化させることができる。
【0064】
図5及び6はレンズSOのアレイ及びインターレース画像IEを関係に置く例を図示している。インターレース画像IEは、例えば、レンズSOのアレイの反対面上に印刷するか又はそれに重ね合せることが意図されている。間隔-d-は円柱レンズの焦点距離に従って、レンズのアレイとインターレースとの間に設けなければならない。
【0065】
関係に置くことは、玉虫色画像を得るために光学的セレクターSOを用いてインターレース画像をアセンブルすることから成る。光学的セレクターSOがレンズ(線形又は球面)から成るとき、インターレース画像IEは前記各レンズの焦点距離に実質的に位置付けなければならない。一般に、見出されるレンズの各アレイの厚さは、画像が各レンズ(
図5及び6を参照)とは反対の面上に位置付けなければならないようにこの要求を商業的に満たす。
【0066】
光学的セレクターSOが視差バリアのとき、このバリアとインターレース画像との間に距離を設けることが必要である。玉虫色効果を得るために、即ち、観察者の2つの目が異なる画像を認識するように、この距離が小さ過ぎないことを確保することが必要である。
【0067】
(1)図面、写真、テキスト、パターン等の要素を備えた基準画像IRを生成する。
(2)玉虫色画像における玉虫色効果の各カラーを表わすこととなる各カラーのパレットを生成する。
(3)一連の少なくとも2つの「変更基準画像」IRM1、IRM2、IRMnを生成することであって、基準画像-IR-の各カラーが、各新しいIRMの間で、パレットの各カラーの循環移動を実行することによってパレットの各カラーで置換されること。随意的に、幾つかの異なるカラーパレットを活用するために又は玉虫色効果を有しないこととなる各領域を保存するために、又は各要素を付着するか或いは比色分析フィルタを適用するために各マスクを使用することが可能となることとなる。
(4)前記変更基準画像-IRM-から、インターレース画像-IE-を生成する。随意的に、各要素を付着するか又は比色分析フィルタを適用するために各マスクを使用することが可能となることとなる。
(5)観察者と反対の光学的セレクターの面への直接的印刷、続いて、この面に対する粘着、又は再生の任意の他の形式から成り得る、インターレース画像を光学的セレクターとの関係に置くことによって玉虫色画像を作り出すこと。
から成る各段階を備えた方法によって玉虫色画像が生成される。
【0068】
変更基準画像を作り出す手段と、この発明による玉虫色画像を作り出すことを意図したインターレース画像とは、画像処理ソフトウェアを使用してコンピュータによって好ましくは実施される。得られたインターレース画像は、次いで、発生されると共に、前述の方法で光学的セレクターとの関係付けに置かれる。
【0069】
円柱レンズから成るレンズ状のアレイ、又は線から成る視差バリアの使用の場合には、最良の玉虫色効果を得るために、これらは垂直でなければならない。しかしながら、25度から65度の角度アルファによって線又はレンズを傾斜させることは有益な場合がある。次いで、玉虫色効果は依然として維持されると共に、支持物はまた下から上へ回動されるときに活性化するという利点を有する。
【0070】
この傾斜は以下の段階-アルファ度だけ各変更基準画像-IRM-傾斜すること、前の段階で生成した各傾斜した変更基準画像からインターレース画像-IE-を生成すること、前の段階で生成したインターレース画像-IE-を光学的セレクターSOとの関係に置くことによって玉虫色画像を生成すること、を使用することによって得ることができる。次いで、玉虫色画像はマイナスアルファ度だけ戻すことによって検査することができる。
【0071】
インターレース画像との関係に置かれる視差バリアの場合、要求に応じて一方又は他を前又は後に置くことができることに留意すべきである。ピッチの調整はこの選択を考慮に入れることとなる。
【0072】
この発明は前述した各実施例に限定されるものではない。例えば、この発明の範囲から逸脱することなく、多数の組合せを想定することができる。