(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上記特許文献1の発明は、ホール内の空気を取り込むことはできるが、取り込んだ空気により直接制御装置などを冷却するものである。そのため、愛煙家の遊技者が多いホールでは、それらの遊技者の副流煙をも筐体内に直接通風してしまうこととなり、たばこのヤニ等が制御装置に付着して、遊技機が故障するといった問題が生じてしまう。
また、ホール内の空気を取り込むべく筐体前面に孔を設けたとしても、その孔を利用した不正行為が行われる蓋然性が高くなってしまうため、あまり好ましいものとはいえない。
【0006】
そこで、本発明は、筐体内の基板等から構成される制御装置にたばこの煙を至らせず、不正行為対策を施した上で筐体内の冷却を行うことができる遊技機の提供を課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明は、以下のような構成を備える。
【0008】
本発明に係る遊技機10は、前面が開口した外部部材45と、前記外部部材45内に配置される内部部材42と、前記外部部材45の開口を塞ぐ前扉14とを備えた遊技機10において、前記外部部材45は、第1孔54を有する外部部材背部46と、前記外部部材背部46と連続して配置された外部部材側部47と、を備え、前記内部部材42は、前記外部部材背部46に対向し、前記第1孔54に対応した第2孔56が設けられた内部部材背部43と、前記内部部材背部43に連続し、前記外部部材側部47に対向して配置された内部部材側部44と、を備え、前記前扉14に少なくとも2箇所設けられた通気口92と、前記通気口92の少なくとも1つに対応して設けられた送風手段90と、を備え、
前記第1孔54と前記第2孔56との周縁には、前記外部部材45及び前記内部部材42を接続する周縁部材52が設けられ、前記内部部材42と前記外部部材45との間の間隙は、前記通気口92と連通する通気路94を形成し、前記送風手段90は、外部の空気を前記通気路94内に流通させるとともに該通気路94内の空気を前記通気口92から排出可能としたことを特徴とする。
【0009】
この構成によれば、通気路94内の空気を内部部材42の内側に流通させないように内部部材42が外部部材45内に配置されているため、外部の空気が内部部材42の内側に至ることがない。そのため、エアコン等の空調設備で室温が冷やされ、遊技島の温度よりも低温となっている外部の空気が通気路94内でのみ流通することで、外部の空気を制御装置100に達することなく、筐体12内の冷却を行うことができる。またこの構成によれば、外部の空気のうち、たとえば、たばこの副流煙などが内部部材42の内側に至ることがなくなるため、たばこのヤニ等が制御装置100に付着して、遊技機10が故障するといった問題を防止可能となる。
【0010】
また、本発明に係る遊技機10の具体例としては、さらに、前記外部部材45は、第1孔54を有する
外部部材背部46と、前記
外部部材背部46と連続して配置された
外部部材側部47と、を備え、前記内部部材42は、
前記外部部材背部46に対向し、前記第1孔54に対応した第2孔56が設けられた内部部材背部43と、前記内部部材背部43に連続し、前記外部部材側部47に対向して配置された内部部材側部44と、を備え、前記第1孔54と前記第2孔56との周縁には、前記外部部材45及び前記内部部材42と接続し、前記通気路94を形成する周縁部材52が設けられていることを特徴とする。
【0011】
この構成によれば、第1孔54と第2孔56との周縁に周縁部材52が設けられているため、前扉14に設けられた通気口92から不正器具を挿入した場合であっても、その不正器具が内部部材42の内側に至り、制御装置100の作動を妨げることがない。そのため、制御装置100に外部の空気を至らせることなく、不正行為対策を施した上で筐体12内の冷却を行うことが可能となる。
【0012】
また、本発明に係る遊技機10の具体例としては、さらに、前記内部部材42内には、遊技機10を制御するための制御装置100が配置されていることを特徴とする。
また、本発明に係る遊技機10の具体例としては、さらに、前記内部部材42の少なくとも一部は、金属から形成されていることを特徴とする。
【0013】
この構成によれば、内部部材42が金属から形成されているため、さらに熱交換率の高いものとなる。すなわち、金属製の内部部材42にエアコン等の空調設備で室温が冷やされた外部の空気を伝導させて内部部材42自身の温度を低下させることにより、間接的に筐体12内の制御装置100等の冷却を図ることが可能となる。
【0014】
また、本発明に係る遊技機10の具体例としては、さらに、前記遊技機10は、その内部に電源ボックス16を備えており、前記電源ボックス16は、前記内部部材42と接触しないように前記外部部材45内に取り付けられることを特徴とする。
【0015】
この構成は、発熱性の高い電源ボックス16と内部部材42とを非接触に外部部材45内に配置したことを特徴としている。そのため、電源ボックス16の熱を内部部材42に、直接、伝導不能にした結果、外部の空気で冷やされた内部部材42自身の不要な温度上昇を防ぐことができるため、ホール内と筐体12内との熱交換率の低下を防止することができる。
【0016】
また、本発明に係る遊技機10の具体例としては、さらに、前記遊技機10は、その内部に電源ボックス16を備えており、前記電源ボックス16と、前記内部部材42との間に、
前記内部部材42に熱伝導を生じさせない素材から形成された介在部材17を介在させることを特徴とする。
【0017】
この構成は、発熱性の高い電源ボックス16と内部部材42との間に介在部材17が配置される。そのため、筐体12内の機器の配置を必要以上に気にすることなく、外部の空気で冷やされた内部部材42自身の不要な温度上昇を防ぐことができるため、ホール内と筐体12との熱交換率の低下を防止することができる。
【0018】
また、本発明に係る遊技機10の具体例としては、さらに、前記遊技機10は、該遊技機10の稼働を検知する稼働検出手段120を有しており、前記送風手段90は、前記稼働検出手段120により、前記遊技機10が稼働中であることを検出したことに基づいて作動することを特徴とする。
【0019】
この構成は、稼働検出手段120に基づいて、遊技機10の稼働中にのみ送風手段90を作動させることを特徴としている。そのため、発熱性が高い状態に送風手段90を作動させることができることとなり、不必要な電力を使うことなく、効率的に筐体12内の温度を下げることができる。
【0020】
また、本発明に係る遊技機10の具体例としては、さらに、前記遊技機10は、遊技状態の検出を行う遊技状態検出手段130を有しており、前記送風手段90は、前記遊技状態検出手段130により、当該遊技状態が
通常状態よりも発熱性の高い遊技状態中であることを検出したことに基づいて作動することを特徴とする。
【0021】
この構成は、遊技状態検出手段130に基づいて、遊技状態が発熱性の高い遊技状態中であるときに送風手段90を作動させることを特徴としている。そのため、光や音などを用いた演出が行われ、筐体12内の温度が高い状態に送風手段90を作動させることできることとなり、不必要な電力を使うことなく、効率的に筐体12内の温度を下げることができる。
【発明を実施するための形態】
【0023】
(第1の実施の形態)
(遊技機10)
本明細書では、各説明箇所において、方向についての定義等が示されていない場合には、遊技機10の方を向いて位置している遊技者から見て、遊技機10から遊技者の手前側に向かう方向を「前」方向とし、その逆方向を「後」方向とする。また、同様に、「左」や「右」等の左右方向及び「上」や「下」等の上下方向も、遊技者から見た場合の左方向や右方向、又は上方向や下方向を意味する。同様に、各部材の説明においても、方向についての定義等が示されていない場合には、各部材を、遊技機10の所定位置に固定した場合における遊技者から見た方向を意味する。
【0024】
(
図1を用いた遊技機10の説明)
(筐体12、前扉14)
本実施の形態に係る遊技機10は、前方向に向かって開口する正面開口を有する四角箱状の筐体12と、この筐体12の正面開口を開閉自在に覆う前扉14とを備えている。
ここで、本実施の形態に係る筐体12は、この筐体12の外側部分を構成する外部部材45と、この外部部材45の内部に収容される内部部材42との2重構造で形成されている。このとき、外部部材45と内部部材42との間の間隙は、後述する通気口92と連通する通気路94を形成する。なお、外部部材45及び内部部材42の説明については後述する。
【0025】
(送風手段90)
前扉14の上部左右には、ファンなどから構成された送風手段90が2つ設けられている。なお、この送風手段90は特に限定されるものではなく、ホール内の空気を取り込み可能な構成であれば、他のものを用いることもできる。
なお、送風手段90は、後述する通気口92から通気路94にホール内の空気を取り込むとともに、通気路94内の空気を送風手段90からホール側に排出するように構成されてもよい。
【0026】
(回転リール62)
前扉14の上部には、薄板樹脂からなる上パネル20を備えている。この上パネル20の略中央には、3個の回転リール62が形成されている。
【0027】
(リールユニット60)
前記回転リール62の後方向(奥方向)には、3個の回転リール62をそれぞれ回転させるための3個の駆動モータ(図示せず)と、前記駆動モータ及び前記回転リール62を保持するユニットホルダ(図示せず)とを有するリールユニット60が配置されている。
【0028】
(演出装置70)
前記前扉14には、遊技者に役抽選の当選等の種々の情報を音や光や映像等で報知させる演出装置70が形成されている。この演出装置70は、前扉14に配置されているものであって、スピーカー72と、表示装置84と、演出用ランプ78とを備えている。
【0029】
(スピーカー72)
前記スピーカー72は、前扉14の上部左右に配置された上部スピーカー74と、前扉14の下部左右に配置された下部スピーカー76とを備えている。
【0030】
(表示装置84)
前記表示装置84は、その画面に種々の映像を表示するための表示デバイスであり、動画を含んだ映像の表示を行うための液晶表示装置を有する演出ユニットを構成するものである。
【0031】
(演出用ランプ78)
前記演出用ランプ78は、前扉14の上部に配置された上部ランプ80と、前扉14の下部の左右に配置された下部ランプ82とを備えている。
【0032】
(操作部30)
前記前扉14の下部には下パネル22が設けられている。そして、前扉14には下パネル22の上に位置して前扉14の前方向へ向けて突出する操作部30を備えている。
本実施の形態に係る遊技機10には、遊技開始の条件としてメダル投入口38からあらかじめ遊技媒体としてのメダルを投入して、最大50枚までクレジットメダルとして内部に貯留可能なクレジット機能(投入枚数を電子データとして電子的に記憶し管理する機能)を有している。なお、上記クレジットメダルとして貯留可能な最大枚数である50枚を最大クレジットメダル数とする。
【0033】
(精算スイッチ36)
前記メダル投入口38の下には、クレジット機能によりクレジットしたメダルの全てを払い出すための精算スイッチ36が設けられている。
【0034】
(ストップスイッチ50)
この精算スイッチ36の左側には、操作により対応する回転リール62の回転を停止させるため、3個の回転リール62のそれぞれに対応する3個のストップスイッチ50が設けられている。すなわち、これらのストップスイッチ50は、各回転リール62それぞれに対応して設けられ、各回転リール62の図柄61の変動表示の開始後、遊技者の操作により回転リール62の図柄61の変動表示を個別に停止させるためのものである。
【0035】
(スタートスイッチ40)
このストップスイッチ50の左側には、メダルの投入又は後述するマックスベットスイッチ34の操作を条件に回転リール62の回転を開始させるためのスタートスイッチ40が設けられている。すなわち、このスタートスイッチ40は、遊技者の操作により回転リール62の図柄61の変動表示を開始させるためのものである。
【0036】
(マックスベットスイッチ34)
このスタートスイッチ40の上には、クレジットしたメダル数から最大投入枚数(具体的には3枚)に達するまで投入可能なメダル数を減じて3枚のメダル投入に代えるマックスベットスイッチ34が設けられている。
【0037】
(貯留払出手段24等)
前記前扉14の下部の後方向(奥方向)には、いわゆるホッパーユニットであって、メダルを貯留することができるとともに、メダルを払い出すことができる貯留払出手段24(
図7、8参照。)と、電源投入又は電源遮断のための操作が可能な電源スイッチを有すると共に各部品に電力を供給するための電源ボックス16(
図2参照。)とが配置されている。
【0038】
(メダル払出口28等)
前記前扉14の下部には、所定の場合に貯留払出手段24からメダルが払い出されるメダル払出口28が形成されている。このメダル払出口28の下方には、メダル払出口28から払い出されたメダルを貯留するため、上方に向かって開口する皿状のメダル受け皿26が形成されている。なお、クレジットされているメダル数が最大クレジットメダル数である50枚未満の場合は、50枚に到達するまで、獲得したメダルはメダル払出口28から払い出されずにクレジットメダルの枚数に加算される。
【0039】
(通気口92)
前記前扉14の下部左右には、筐体12内(通気路94内)の空気を排出するための通気口92が形成されている。この通気口92は、送風手段90により取り込まれて通気路94を流通した空気を筐体12内からホール内に排出するために用いられるものである。
なお、前述の通り、ホール内の空気を通気路94内に取り込むように構成されてもよい。
【0040】
(
図2を用いた筐体12の説明)
図2(A)は、前扉14の背面斜視図であり、その下部左右には
図1に示した通気口92に対応した孔が前扉14の背面まで形成されている。
図2(B)は、筐体12内を示した概略図であり、その中央には3個の回転リール62、回転リール62の下には、電源ボックス16などが収容されている。
【0041】
ここで、本実施の形態に係る電源ボックス16は、内部部材42と接触しないように筐体12内に取り付けられている。そのため、電源ボックス16の熱を内部部材42に、直接、伝導不能にでき、ホール内の空気で冷やされた内部部材42自身の不要な温度上昇を防ぐことができることとなる。
なお、電源ボックス16を内部部材42に接触させても、電源ボックス16による内部部材42への影響(加熱)が、通気路94による内部部材42への影響(冷却)より下回り、内部部材42の内側の冷却を図れるようであれば、電源ボックス16を内部部材42に接触するように配置してもよい。また、
図2(B)に示すように、外部部材45と内部部材42との間の間隙は、
図2(A)に示す通気口92と連通する通気路94を形成する。そして、この通気路94は筐体12側面から背面に渡って形成されている。
ここで、
図2(B)に示すように、通気路94の空気が内部部材42の内側に流れ込むことを防止すべく、通気路94の前面側には外部部材45と内部部材42との間の間隙を塞ぐための前板95が配置されている。この前板95は、板状部材を組み合わせて6面体に形成されている(
図6参照)。そして、前板95の前面には、送風手段90及び通気口94の挿入部96(
図2(A)参照)が通過可能な大きさの挿入口95aが2つ形成されている(
図6参照)。したがって、前扉14と筐体12とを組み合わせた場合、通気路94の前面側は、前板95及び挿入口95aに挿入された送風手段90及び通気口94の挿入部96により閉塞されることとなるため、通気路94の空気が内部部材42の内側に流れ込むことを防止できる。なお、前板95は、外部部材45と内部部材42との間隙を塞げるものであれば6面体に限られず、板などであってもよい。
なお、本実施の形態に係る通気口92の前面側をメッシュ状に形成して、不正器具の挿入防止を図ってもよい。
【0042】
(
図3〜
図6を用いた外部部材45、内部部材42及び周縁部材52の説明)
図3は、本発明の実施の形態に係る外部部材45及び内部部材42の背面斜視図である。
【0043】
(外部部材45)
図3、
図4及び
図5に示すように、外部部材45はその中央に第1孔54を有する外部部材背部46と、この外部部材背部46と連続して配置された2つの外部部材側部47と、外部部材背部46及び外部部材側部47と連続して配置された外部部材上部48と、外部部材背部46及び外部部材側部47と連続して配置された外部部材下部49との複数枚の板状部材を組み合わせて形成されている。
ここで、外部部材背部46の中央付近には、3つの第1孔54が形成されており、この第1孔54は電源コードを筐体12内に引き込むためなどに用いられる。なお、本実施の形態においては、第1孔54を異なる大きさで3箇所設けたが、この構成には限定されない。
【0044】
(内部部材42)
図4及び
図6に示すように、内部部材42は、その中央に第2孔56を有する内部部材背部43と、この内部部材背部43と連続して配置された2つの内部部材側部44との複数枚の板状部材を組み合わせて形成されている。このとき、内部部材42は、熱交換可能な薄さ及び材質で形成されており、特に金属を用いて形成すると、熱交換率が向上することから好適である。
【0045】
また、
図3、
図4及び
図5に示すように、内部部材背部43に設けられた第2孔56の大きさは、外部部材背部46に設けられた第1孔54の大きさと同様となるように形成されている。そして、この第2孔56と第1孔54とは平面視において同一位置に形成されており、双方の孔同士が連通されている。
ここで、
図6に示す内部部材42(内部部材側部44)の底辺tは、
図3に示す外部部材45(外部部材側部47)の底辺yよりも小さくなるように形成されている。そのため、内部部材42を外部部材45内に配置した場合に、内部部材側部44と外部部材側部47との間の側面及び内部部材背部43と外部部材背部46との間の背面に通気路94が形成されることとなる。
一方、
図6に示す内部部材42(内部部材背部43)の高さhは、
図3に示す組み立てられた外部部材45の内側の高さxとほぼ同じ高さに形成されている。そのため、内部部材42を外部部材45内に配置した場合に、内部部材42と外部部材45の間隙は閉塞され、通気路94と、内部部材42の内側との空間は遮断され、内部部材42の内側に通気路94が形成されないこととなっている(
図3参照)。
【0046】
(周縁部材52)
図4及び
図5に示すように、第1孔54と第2孔56との周縁には、外部部材45及び内部部材42と接続し、通気路94を形成する周縁部材52が設けられている。
ここで、
図6に示すように、周縁部材52は、第1孔54及び第2孔56と同形状の開口部を有し、その外周が第1孔54と第2孔56の内周よりも大きく形成された方形状の部材である。そのため、
図4及び
図5に示すように、筐体12内に設置した状態においては、周縁部材52が第1孔54と通気路94、及び第2孔56と通気路94の連通を防止する。
なお、周縁部材52は、外部部材45、若しくは内部部材42に一体に形成されていてもよい。
【0047】
したがって、
図4に示すように、エアコン等の空調設備で室温が冷やされ、遊技島の温度よりも低温となっているホール内の空気を送風手段90により筐体12内部に取り込んでも、通気路94内でのみ流通させることができ、ホール内の空気を制御装置100に達することなく、筐体12内の冷却を行うことができることとなる。さらに、前扉14に設けられた通気口92から不正器具を挿入した場合であっても、第1孔54と通気路94、及び第2孔56と通気路94の連通を周縁部材52が防止しているため(
図4参照)、不正器具が筐体12の内部に至り、制御装置100の作動を妨げることも防止できる。
【0048】
(
図7を用いたブロック図の説明)
(制御装置100)
図7に示す、制御装置100は、遊技機10を制御するためのものである。この制御装置100は、CPU、ROM、RAM、及び、I/O等を備えたマイクロコンピュータを用いて構成されている。
また、
図7に示すように、制御装置100の入力側には、スタートスイッチ40、ストップスイッチ50、マックスベットスイッチ34、精算スイッチ36などが接続され、制御装置100の出力側には、リールユニット60、貯留払出手段24、演出用ランプ78、スピーカー72、表示装置84及び送風手段90などが接続されている。
さらに、制御装置100は、CPUがROMに記憶された所定のプログラムを実行することにより、遊技制御手段110及び稼働検出手段120などとして機能する。
【0049】
(遊技制御手段110)
遊技制御手段110は、遊技機10における遊技を制御するためのものである。
また、遊技制御手段110は、特に図示していないが、一般的な遊技である通常状態を制御するための通常状態制御手段、通常状態よりも有利な状態である特別状態(ビッグボーナスゲーム、レギュラーボーナスゲーム、アシストタイム、リプレイタイム、アシストリプレイタイムなど)を制御するための特別状態制御手段、予め定めた抽選確率に基づいて、予め定められた当選役に関する抽選を行うための役抽選手段、各回転リール62の回転停止を制御するための停止制御手段、及び、役抽選手段の抽選結果と回転リール62の停止図柄61とに基づいて、入賞判定処理を行うための入賞判定手段、所定の場合に貯留払出手段24を制御してメダルの払出しを行うメダル払出手段などを備えている。
【0050】
(稼働検出手段120)
稼働検出手段120は、遊技機10の稼働を検知するものである。すなわち、稼働検出手段120は、遊技者により遊技が行われているか否かの検知を行っている。そして、稼働検出手段120が遊技者により遊技が行われていると判断したことに基づいて、送風手段90が作動してホール内の空気が筐体12内に取り込まれる。
【0051】
(遊技の流れの説明)
本実施の形態に係る遊技機10は、マックスベットスイッチ34の操作又はメダル投入により所定枚数のメダルを投入することにより遊技の開始を可能とするものである。そして、スタートスイッチ40の押下操作により、回転リール62の回転を開始させて遊技が開始される。
【0052】
ここで、本実施の形態に係る遊技機10は以下の契機に、稼働検出手段120に基づいて送風手段90を作動させる。
マックスベットスイッチ34の操作又はメダル投入により所定枚数のメダルを投入することで遊技者により遊技が開始されると、稼働検出手段120により遊技機10が稼働中であることが検出される。その後、当該遊技機10が稼働中であると稼働検出手段120が検出したことに基づいて、送風手段90が作動され、ホール内の空気を筐体12内に取り込んで筐体12内の空気をホール内に排出する。一方、遊技者が離席した場合などで、一定時間当該遊技機10において遊技が開始されていないことを稼働検出手段120が検出した場合には、送風手段90の作動が停止される。
なお、稼働検出手段120は、遊技が行われているか否かを検知できるものであれば、構成を問わない。
【0053】
(第2の実施の形態)
以下、
図8を参照して、本発明の実施の形態に係る第2の実施の形態を説明する。また、第2の実施の形態において、第1の実施の形態と同一の構成要素には、第1の実施の形態において用いた符号と同一の符号を用いている。そして、第1の実施の形態と重複する部分は説明を省略し、第2の実施の形態における特徴点を中心に説明する。
【0054】
(
図8を用いたブロック図の説明)
(制御装置100)
図8に示す、制御装置100は、遊技機10を制御するためのものである。
ここで、第2の実施の形態に係る制御装置100は、CPUがROMに記憶された所定のプログラムを実行することにより、遊技制御手段110及び遊技状態検出手段130などとして機能する。
【0055】
(遊技状態検出手段130)
遊技状態検出手段130は、遊技状態の検出を行うものである。すなわち、遊技状態検出手段130は、現在行われている又は次ゲームから行われる遊技状態の検出を行っている。そして、遊技状態検出手段130により、現在行われている又は次ゲームから行われる遊技状態が発熱性の高い遊技状態であることを検出したことに基づいて、送風手段90が作動してホール内の空気が筐体12内に取り込まれる。
【0056】
ここで、「発熱性の高い遊技状態」とは、たとえば、ボーナス状態やAT状態などが挙げられる。
「ボーナス状態」とは、特別役であるボーナス移行役に当選し、さらにボーナス移行役に対応した図柄61の組合せが所定の停止位置に揃ったことに基づいて移行する遊技状態である。このボーナス状態中は、遊技者に大当たり状態であることを知らしめるべく、スピーカー72や演出用ランプ78などによる光や音を用いた演出が派手に行われるため、通常状態と比べて筐体12内の温度が高い状態となっている。
「AT状態」とは、所定の条件が成立すると、報知演出が行われない通常状態から、ストップスイッチ50の特定の操作態様(押し順)や当選図柄61等を報知することによって役に係る図柄61の組合せを所定の停止位置に揃えて停止させるためのアシストが行われる遊技状態である。このAT状態中は、表示装置84に押し順などが表示されたり、スピーカー72や演出用ランプ78などによるAT状態特有の光や音を用いた演出が派手に実行されたりするため、通常状態と比べて筐体12内の温度が高い状態となっている。
【0057】
(遊技の流れの説明)
本実施の形態に係る遊技機10は、マックスベットスイッチ34の操作又はメダル投入により所定枚数のメダルを投入することにより遊技の開始を可能とするものである。そして、スタートスイッチ40の押下操作により、回転リール62の回転を開始させて遊技が開始される。
【0058】
ここで、本実施の形態に係る遊技機10は以下の契機に、遊技状態検出手段130に基づいて送風手段90を作動させる。
(1)通常状態中に、特別役であるボーナス移行役に当選し、さらにボーナス移行役に対応した図柄61の組合せが所定の停止位置に揃ったことを契機に、遊技状態検出手段130が次ゲームより発熱性の高い遊技状態が開始されることを検出する。その後、当該遊技機10が発熱性の高い遊技状態が開始されることを遊技状態検出手段130が検出したことに基づいて、送風手段90が作動され、ホール内の空気を筐体12内に取り込んで筐体12内の空気をホール内に排出する。なお、遊技状態検出手段130は、ボーナス状態に移行後、所定のゲーム数が経過した後に、当該遊技状態が発熱性の高い遊技状態であることを検出して、その後送風手段90を作動させることとしてもよい。一方、ボーナス状態が終了して通常状態に移行し、発熱性の高い遊技状態が終了したことを遊技状態検出手段130が検出した場合には、送風手段90の作動が停止される。
なお、ボーナス移行役に当選すると送風手段90を作動させ、ボーナス移行役当選を報知することも可能である。この場合は、ボーナス移行役の当選時に所定の確率で送風手段90を作動させたり、ボーナス移行役に非当選でも所定の確率で送風手段90を作動させたりするとよい。
【0059】
(2)通常状態中に、所定の条件が成立して、通常状態からAT状態への移行が決定したことを契機に、遊技状態検出手段130が次ゲームより発熱性の高い遊技状態が開始されることを検出する。その後、当該遊技機10が発熱性の高い遊技状態が開始されることを遊技状態検出手段130が検出したことに基づいて、送風手段90が作動され、ホール内の空気を筐体12内に取り込んで筐体12内の空気をホール内に排出する。なお、遊技状態検出手段130は、AT状態に移行後、所定のゲーム数が経過した後に、当該遊技状態が発熱性の高い遊技状態であることを検出して、その後送風手段90を作動させることとしてもよい。一方、AT状態が終了して通常状態に移行し、発熱性の高い遊技状態が終了したことを遊技状態検出手段130が検出した場合には、送風手段90の作動が停止される。
なお、AT状態への移行が決定すると送風手段90を作動させ、AT状態移行決定を報知することも可能である。この場合は、AT状態移行決定時に所定の確率で送風手段90を作動させたり、ガセ前兆として、AT状態への移行に非決定でも所定の確率で送風手段90を作動させたりするとよい。
また遊技状態を検出するのではなく、筐体内の温度を検出する温度センサを設け、温度センサの検出結果に基づいて、送風手段90を作動させるようにしてもよい。
【0060】
(第1及び第2の実施の形態に係るその他の態様)
以下、
図9及び
図10を参照して、第1及び第2の実施の形態に係るその他の態様について説明する。また、本態様において、第1、第2の実施の形態と重複する部分は説明を省略し、本態様における特徴点を中心に説明する。
図9(A)は、本態様における筐体12の概略正面図である。そして、
図9(A)に示すように、本態様における電源ボックス16は、第1及び第2の実施の形態と異なり(
図2参照)、正面視において、左側に配置された内部部材側部44と重なるように筐体12内に配置されている。
また、
図9(B)は、本態様における遊技機10の
図9(A)に示した箇所のB−B断面図である。そして、
図9(B)及び
図10に示すように、本態様における内部部材42は、その下方の一部を電源ボックス16と接触しない大きさで方形に切り欠いた切り欠き部41が形成されているため、第1及び第2の実施の形態と同様に(
図2参照)、電源ボックス16が内部部材42と接触しないように筐体12内に配置されている。
【0061】
ここで、
図9(B)に示すように、本態様における遊技機10においても通気口92からの不正行為を防止すべく、切り欠き部41の周縁には、第1孔54と通気路94、及び第2孔56と通気路94の連通を防止する周縁部材52に加えて、他の周縁部材52が設置されている。なお、本態様における切り欠き部41の周縁を覆う周縁部材52は、
図10に示すように、2つの板状部材を組み合わせて構成されているが、これに限られず両側面及び上面を覆う3つの板状部材を組み合わせて構成してもよい。
したがって、本態様においても上記第1及び第2の実施の形態と同様、電源ボックス16の熱を内部部材42に、直接、伝導不能にすることができる結果、外部の空気で冷やされた内部部材42自身の不要な温度上昇を防ぐことができるため、ホール内と筐体12内との熱交換率の低下を防止することができる。
【0062】
(第3の実施の形態)
以下、
図11を参照して、本発明の実施の形態に係る第3の実施の形態を説明する。また、第3の実施の形態において、第1、第2の実施の形態と同一の構成要素には、第1、第2の実施の形態において用いた符号と同一の符号を用いている。そして、第1、第2の実施の形態と重複する部分は説明を省略し、第3の実施の形態における特徴点を中心に説明する。
【0063】
(
図11を用いた筐体12の説明)
図11(A)は、前扉14の背面斜視図であり、その下部左右には
図1に示した通気口92に対応した孔が前扉14の背面まで形成されている。
図11(B)は、筐体12内を示した概略図であり、その中央には3個の回転リール62、回転リール62の下には、電源ボックス16及び介在部材17などが収容されている。
ここで、本実施の形態においては、第1、第2の実施形態と異なり、電源ボックス16と内部部材42との間には、熱伝導が低い、又は熱伝導を生じさせない素材から形成された介在部材17が配置されている。そのため、発熱性の高い電源ボックス16と内部部材42との配置を必要以上に気にすることなく、筐体12内の機器の設置を行うことができる。
【0064】
(総括)
以下、本実施の形態における遊技機10の作用効果を説明する。
本実施の形態における遊技機10は、前扉14に送風手段90を設け、内部部材42を熱交換率の高い素材から形成し、第1孔54と第2孔56との周縁に周縁部材52を設けたことを特徴としている。
そのため、エアコン等の空調設備で室温が冷やされ、遊技島の温度よりも低温となっているホール内の空気が通気路94内でのみ流通することで、ホール内の空気を制御装置100に達することなく、筐体12内の冷却を行うことができる。さらに、前扉14に設けられた通気口92から不正器具を挿入した場合であっても、第1孔54と第2孔56との周縁に周縁部材52が設けられたことにより不正器具が筐体12内に至ることがないため、不正行為対策を施した上で筐体12内の冷却を行うことが可能となる。
【0065】
また、第1の実施の形態における遊技機10は、稼働検出手段120に基づいて、遊技機10の稼働中にのみ送風手段90を作動させることを特徴としている。そのため、発熱性が高い状態に送風手段90を作動させることができることとなり、不必要な電力を使うことなく、効率的に筐体12内の温度を下げることができる。
【0066】
さらに、第2の実施の形態における遊技機10は、遊技状態検出手段130に基づいて、遊技状態が発熱性の高い遊技状態中であるときに送風手段90を作動させることを特徴としている。そのため、スピーカー72や演出用ランプ78による光や音などを用いた発熱性の高い遊技状態特有の演出が行われて筐体12内の温度が高い状態に、送風手段90を作動させることできることとなり、不必要な電力を使うことなく、効率的に筐体12内の温度を下げることができる。
【0067】
また、第1及び第2の実施の形態における遊技機10は、発熱性の高い電源ボックス16と内部部材42とを非接触に筐体12内に配置したことを特徴としている。そのため、電源ボックス16の熱を内部部材42に伝導不能にした結果、ホール内の空気で冷やされた内部部材42自身の不要な温度上昇を防ぐことができるため、ホール内と筐体12内との熱交換率の低下を防止することができる。
【0068】
さらに、第3の実施の形態における遊技機10は、発熱性の高い電源ボックス16と、内部部材42との間には、熱伝導が低い、又は熱伝導を生じさせない素材から形成された介在部材17を介在させたことを特徴としている。そのため、筐体12内の機器の配置を必要以上に気にすることなく、ホール内の空気で冷やされた内部部材42自身の不要な温度上昇を防ぐことができるため、ホール内と筐体12内との熱交換率の低下を防止することができる。
【0069】
なお、第1及び第2の実施の形態に係るその他の態様以外の上記実施形態においては、内部部材42を筐体12内の左右及び背面に設けたが、これに加えてさらに筐体12内の上下に設けてもよく、又は、筐体12内の上下及び背面にのみ内部部材42を設けてもよい。
【解決手段】前面が開口した外部部材と、前記外部部材の開口を塞ぐ前扉とを備えた遊技機において、前記外部部材内に配置される内部部材と、前記前扉に少なくとも2箇所設けられた通気口と、前記通気口の少なくとも1つに対応して設けられた送風手段と、を備え、前記内部部材と前記外部部材との間の間隙は、前記通気口と連通する通気路として構成されるとともに、該内部部材は、前記通気路内の空気が該内部部材の内側に流通しないように前記外部部材内に配置されており、前記送風手段は、外部の空気を前記通気路内に流通させるとともに該通気路内の空気を前記通気口から排出可能としたことを特徴とする遊技機。