特許第6042557号(P6042557)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6042557
(24)【登録日】2016年11月18日
(45)【発行日】2016年12月14日
(54)【発明の名称】カードソケット及び移動端末
(51)【国際特許分類】
   H04M 1/02 20060101AFI20161206BHJP
   H04M 1/725 20060101ALI20161206BHJP
【FI】
   H04M1/02 C
   H04M1/725
【請求項の数】7
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2015-543271(P2015-543271)
(86)(22)【出願日】2013年10月25日
(65)【公表番号】特表2015-537478(P2015-537478A)
(43)【公表日】2015年12月24日
(86)【国際出願番号】CN2013085925
(87)【国際公開番号】WO2014169608
(87)【国際公開日】20141023
【審査請求日】2015年5月25日
(31)【優先権主張番号】201310130952.0
(32)【優先日】2013年4月16日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】513224180
【氏名又は名称】小米科技有限責任公司
【氏名又は名称原語表記】Xiaomi Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】110000729
【氏名又は名称】特許業務法人 ユニアス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】▲呉▼ ▲鋒▼▲輝▼
(72)【発明者】
【氏名】▲顔▼ 克▲勝▼
(72)【発明者】
【氏名】石 莎莎
(72)【発明者】
【氏名】王 少杰
【審査官】 石井 則之
(56)【参考文献】
【文献】 特開平10−028156(JP,A)
【文献】 特開2007−095356(JP,A)
【文献】 特開平08−287197(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2011/0157846(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04M 1/00− 1/82
H04M 99/00
H04B 1/38− 1/58
H04W 4/00−99/00
H05K 5/00− 5/06
G06K 17/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
カードを受け止める受け止め面(12)を備えるカードソケット本体(11)と、
それぞれがカードソケット本体(11)に枢着され、受け止め面(12)に垂直するとともに前記受け止め面(12)よりも高い第1の位置及び受け止め面(12)より高くない第2の位置まで回動可能な複数のインサートブロック(13)と、を備え、
移動端末のカード(14)は、第1の位置まで回動した複数のインサートブロック(13)の間に係止されることを特徴とするカードソケット。
【請求項2】
前記カードソケット本体(11)は、受け止め面(12)の周りにブロック壁(15)を有することを特徴とする請求項1に記載のカードソケット。
【請求項3】
複数のインサートブロック(13)のそれぞれは、段差状の係止部(16)を備え、前記移動端末のカード(14)は第1の位置まで回動された複数のインサートブロック(13)の係止部(16)の間に係止されることを特徴とする請求項1に記載のカードソケット。
【請求項4】
前記カードソケット本体(11)は、
複数のインサートブロック(13)のそれぞれに対して固定シート(18)が設けられ、前記インサートブロック(13)がピン軸(19)を介して対応する固定シート(18)に枢着されるインサートブロック固定板(17)と、
インサートブロック板(17)に固定され、複数のインサートブロック(13)のそれぞれに対して穴(21)が設けられ、前記インサートブロック(13)が第1の位置まで回動された場合、前記穴(21)から伸び出し、前記インサートブロック(13)が第2の位置まで回動された場合、前記穴(21)内に位置するパレット(20)と、
を備えることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のカードソケット。
【請求項5】
前記インサートブロック固定板(17)は、少なくとも一対の対向設置された第1の係止フック(22)を備え、前記パレット(20)は、各一対の第1の係止フック(22)に対して、前記一対の第1の係止フック(22)に係合する一対の第2の係止フック(23)を備える、ことを特徴とする請求項4に記載のカードソケット。
【請求項6】
前記移動端末のカードの種類には、Mini SIMカード、Micro SIMカード、Nano SIMが含まれることを特徴とする請求項1に記載のカードソケット。
【請求項7】
請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の前記カードソケットを備えることを特徴とする移動端末。
【発明の詳細な説明】
【相互参照】
【0001】
本願は、出願番号が201310130952.0であって、出願日が2013年4月16日である中国特許出願に基づき優先権を主張し、当該中国特許出願の内容の全てを本願に援用する。
【技術分野】
【0002】
本発明は、通信設備技術分野に関し、特にカードソケット及び移動端末に関する。
【背景技術】
【0003】
技術の発達につれて、各種類の移動端末(例えば、携帯電話、ノートパソコン、タブレット)が日進月歩で発展している。例えば、携帯電話は、使用者の需要の増加につれて、その構成やスタイル、性能等のそれぞれがより頻繁に更新されている。
【0004】
通常、携帯電話には、カードとマッチングするカードソケットが設置されている。このカードソケットは、同じ規格のカードのみとマッチングできるので、使用者が他の異なる規格のカードを使いたい場合、そのカードとマッチングすることができないため、携帯電話を使用できないという問題が存在し、カードとの適合性が悪く、使用性が非常に低いという技術的欠陥が存在している。
【発明の概要】
【0005】
本発明は、使用者が移動端末を使用する際の利便性が向上するように、カードソケットとカードとの適合性を改善したカードソケット及び移動端末を提供する。
【0006】
本発明の第1の態様は、カードを受け止める受け止め面を備えるカードソケット本体と、それぞれがカードソケット本体に枢着され、受け止め面に垂直する第1の位置及び受け止め面より高くない第2の位置まで回動可能な複数のインサートブロックと、を備え、移動端末のカードは、第1の位置まで回動した複数のインサートブロックの間に係止されることを特徴とするカードソケットを提供する。
【0007】
好ましくは、前記カードソケット本体は、受け止め面の周りにブロック壁を有する。
【0008】
好ましくは、複数のインサートブロックのそれぞれは、段差状の係止部を備え、前記移動端末のカードは第1の位置まで回動された複数のインサートブロックの係止部の間に係止される。
【0009】
好ましくは、前記カードソケット本体は、複数のインサートブロックのそれぞれに対して固定シートが設けられ、前記インサートブロックがピン軸を介して対応する固定シートに枢着されるインサートブロック固定板と、インサートブロック板に固定され、複数のインサートブロックのそれぞれに対して穴が設けられ、前記インサートブロックが第1の位置まで回動された場合、前記穴から伸び出し、第2の位置まで回動された場合、前記穴に位置するパレットと、を備える。
【0010】
好ましくは、前記インサートブロック固定板は、少なくとも一対の対向設置された第1の係止フックを備え、前記パレットは、各一対の第1の係止フックに対して、前記一対の第1の係止フックに係合する一対の第2の係止フックを備える。
【0011】
好ましくは、前記移動端末のカードの種類には、Mini SIMカード、Micro SIMカード、Nano SIMが含まれる。
【0012】
また、本発明の他の態様は、前記いずれかに記載されたカードソケットを備える移動端末を提供する。
【0013】
本発明は、以下のような作用効果を獲得できる。
【0014】
本発明は、複数のインサートブロックのそれぞれがカードソケット本体に枢着され、移動端末のカードの種類によって、対応位置における複数のインサートブロックが受け止め面に垂直する第1の位置まで回動させ、他の残りの複数のインサートブロックが受け止め面より高くない第2の位置まで回動させることで、移動端末のカードが複数のインサートブロックの間に係止される。本発明のカードソケットは、複数種類の規格のカードに適用され、カードとの適合性が高くなり、使用者が移動端末を使用する際の利便性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1a】本発明の一実施例に係るカードソケット及びMicro SIMカードの組み立てを示す模式図である。
図1b】本発明の一実施例に係るカードソケット及びMicro SIMカードの組み立ての前の状態を示す模式図である。
図2a】本発明の一実施例に係るカードソケット及びMini SIMカードの組み立てを示す模式図である。
図2b】本発明の一実施例に係るカードソケット及びMini SIMカードの組み立ての前の状態を示す模式図である。
図3a】本発明の一実施例に係るカードソケット及びNano SIMカードの組み立てを示す模式図である。
図3b】本発明の一実施例に係るカードソケット及びNano SIMカードの組み立ての前の状態を示す模式図である。
図4】本発明の一実施例に係るカードソケットの分解構成を示す模式図である。
図5a】インサートブロックが第1の位置に位置する例を示す模式図である。
図5b】インサートブロックが第2の位置に位置する例を示す模式図である。
図6a】インサートブロック固定板及びパレットの固定形態の例を示す模式図である。
図6b図6aのAの一部を拡大する模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
カードソケットとカードとの適合性を改善して、使用者が移動端末を使用する際の利便性を向上するため、本発明の実施例は、カードソケット及び移動端末を提供する。本発明によれば、複数のインサートブロックのそれぞれが、カードソケット本体に枢着され、移動端末のカードの種類によって、対応位置における複数のインサートブロックを、受け止め面に垂直する第1の位置まで回動させ、他の残りのインサートブロックを受け止め面より高くない第2の位置まで回動させることで、移動端末のカードを複数のインサートブロックの間に係止することができる。本発明のカードソケットは、複数種の規格のカードに適用でき、カードとの適合性が高く、使用者が移動端末を使用する際の利便性が向上する。本発明の目的、技術案及びメリットをより明確にするために、具体的な実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明する。
【0017】
図1a、図1b及び図4に示すように、本発明の実施例に係るカードソケットは、
カードを受け止める受け止め面12を備えるカードソケット本体11と、
それぞれがカードソケット本体11に枢着され、受け止め面12に垂直する第1の位置及び受け止め面より高くない第2の位置まで回動することができる複数のインサートブロック13と、を備え、
移動端末のカード14は、第1の位置まで回動した複数のインサートブロック13の間に係止される。
【0018】
本発明に係る移動端末の具体的な種類に対しては特に限定しないが、例えば、携帯電話や、ノートパソコン、タブレット等が挙げられる。カードソケットとマッチングするカード14の種類は特に限定しないが、例えば、Mini SIMカード(図2a及び図2bを参照)や、Micro SIMカード(図1a及び図1bを参照)や、Nano SIMカード(図3a及び図3bを参照)等が挙げられる。
【0019】
インサートブロック13の具体的な数に対しては特に限定しないが、複数種のカード14をそれぞれ保持できればよい。図4に示す実施例には、インサートブロック13が計12個設置される。図1a及び図1bに示すように、使用者が、Micro SIMカードを使用する場合、設定位置に位置する8個のインサートブロック13を第1の位置まで回動させ、残りのインサートブロック13を第2の位置に位置するようにすればよい。この場合、Micro SIMカードを係止することができる。同様に、図3a及び図3bに示すように、使用者がNano SIMカードを使用する場合、設定位置に位置する4個のインサートブロック13を第1の位置まで回動させて、Nano SIMカードを保持することができる。
【0020】
本発明の実施例には、複数のインサートブロック13のそれぞれがカードソケット本体11に枢着され、移動端末のカード14の種類によって、対応位置における複数のインサートブロック13を、受け止め面12に垂直する第1の位置まで回動させ、他の残りのインサートブロック13を受け止め面より高くない第2の位置まで回動させて、移動端末のカード14が複数のインサートブロック13の間に係止される。本発明のカードソケットは、複数種のカード14に適用でき、カード14との適合性が高く、使用者が移動端末を使用する際の利便性が大幅に向上する。
【0021】
図2a及び図2bに示すように、カードソケット本体11は、受け止め面12の周りにストッパー壁15が設けられる。ストッパー壁15も、ある規格のカード(例えばMini SIMカード)を保持することができる。このように構成することで、カードソケットにマッチングできるカードの種類がさらに多くなり、使用者が移動端末を使用する際の利便性がさらに向上する。
【0022】
インサートブロック13の具体的な形状に対しては限定しないが、図5a及び図5bに示すように、該実施例において、複数のインサートブロック13のそれぞれは段差状の係止部16を備え、移動端末のカード14は、第1の位置まで回動された複数のインサートブロック13のそれぞれの係止部16の間に係止されて、確実に固定される。また、移動端末のカード14は、複数のインサートブロック13及び受け止め面12により形成された収容空間に直接に係止されてもよい。
【0023】
カードソケット本体11は一体に形成されてもよいし、組み立てた構成であってもよい。図4に示すように、該実施例によれば、カードソケット11は、
複数のインサートブロック13のそれぞれに対して固定シート18が設けられ、インサートブロック13がピン軸19を介して対応する固定シート18に枢着されたインサートブロック固定板17と、
インサートブロック固定板17に固定され、複数のインサートブロック13のそれぞれに対して穴21が設けられ、インサートブロック13が第1の位置まで回動された場合、穴21から伸び出し、第2の位置まで回動された場合、穴21内に位置するパレット20と、を備える。
【0024】
インサートブロック固定板17とパレット20との間に、一定の間隔が設けられてもよいし(図6aに示すように)、間隔がないように設計されてもよい。インサートブロック13が第1の位置まで回動された場合に穴21から伸び出し、第2の位置まで回動された場合に穴21内に位置するように構成されてもよい。即ち、受け止め面12より高くないように構成すればよい。
【0025】
インサートブロック固定板17及びパレット20は薄肉板であることが好ましい。このようなカードソケットは、その全体の厚さが小さい。インサートブロック固定板17及びパレット20の固定の形態は限定されない。インサートブロック固定板17は、図6a及び図6bに示すように、少なくとも一対の対向設置された係止フック22を備え、パレット20は、各一対の第1の係止フック22に対してそれぞれ係合する第2の係止フック23を備えることが好ましい。
【0026】
一対の第1の係止フック22が対向設置される(第2の係止フックも同様)とは、位置が真向かいになるように設置されてもよいが、真向かいにならないように設置されてもよい。ただし、係止方向が互いに反対になる必要があり、二つの板部材が固定できるようにすればよい。また、セルフロック構成を噛み合わせることで、二つの板部材が固定されると、組み立てが便利になり、重さも低減されるとともに、二つの板部材の固定が安定して確実になり、カードソケットの全体の厚さを増加することなく、製品の寸法設計が改善される。
【0027】
本発明の実施例は、さらに、前記いずれの実施例に係る前記カードソケットを備える移動端末を提供する。この移動端末は、複数種のカードとマッチングされ、使用者が使用する時に便利になる。
【0028】
なお、本発明の主旨や範囲を逸脱しない限り、本分野の当業者は、本発明に対して変更や変形などを実施することができる。本発明に対する補正や変形が、本発明の請求項及びそれに等しい技術の範囲内であれば、本発明は、これらの補正や変形も本発明の保護範囲に含まれることも企図している。
図1a
図1b
図2a
図2b
図3a
図3b
図4
図5a
図5b
図6a
図6b