【実施例】
【0017】
図1Aは本発明の一実施例に係る顕微鏡装置のシステム構造図である。顕微鏡装置1は顕微鏡モジュール100と画像キャプチャ装置120を備える。一実施例において、顕微鏡モジュール100は、顕微鏡モジュール100と画像キャプチャ装置120との間に設置する接続モジュールによって、画像キャプチャ装置120に固定したり、または画像キャプチャ装置120と分離することができる。または、顕微鏡モジュール100は、画像キャプチャ装置120に固定設置、または画像キャプチャ装置120に固定接続することができる。顕微鏡モジュール100は、拡大したサンプル画像を取得するために用いられ、このサンプル画像は画像キャプチャ装置120に提供される。画像キャプチャ装置120は、このサンプル画像を捉え、このサンプル画像をサンプル画像信号に変換した後、このサンプル画像信号を分析することで、分析データを生成し、且つ分析データを出力することができる。
【0018】
一実施例において、画像キャプチャ装置120は、ポータブル電話もしくはハンドヘルド電話、タブレット、カメラ、またはノートパソコン内に内蔵されることができる。画像キャプチャ装置120は、レンズモジュール121と、画像センサー123と、処理ユニット125と、送信ユニット127及び表示ユニット129を備える。画像センサー123はレンズモジュール121に接続され、処理ユニット125は画像センサー123、送信ユニット127及び表示ユニット129に電気的に接続される。レンズモジュール121は拡大したサンプル画像を取得する。画像センサー123はレンズモジュール121からこのサンプル画像を取得すると同時に、この拡大したサンプル画像をサンプル画像信号に変換する。処理ユニット125は、サンプル画像信号に対して画像処理を実行し、且つこのサンプル画像信号に基づいて、分析データを生成するようにプログラム化されることができる。送信ユニット127は分析データ、またはサンプル画像信号を出力する。表示ユニット129はサンプル画像、または分析データを表示する。
【0019】
一実施例において、表示ユニット129は画像キャプチャ装置120にとって必須の構成要素ではない。画像キャプチャ装置120は送信ユニット127を介して分析データ、またはサンプル画像信号をその他の表示ユニットを内蔵した電子装置に送信する。送信ユニット127は、例えば、ブルートゥース送信ユニット、またはWi-Fi送信ユニットなどの無線送信ユニットである。
【0020】
一実施例において、顕微鏡モジュール100は、ハウジング10と、レンズ素子11と、サンプリングアセンブリ(13、15)及び導光素子17を備え、且つ光源素子19を選択的に備えることができる。レンズ素子11はハウジング10に設置され、サンプリングアセンブリと導光素子17及び光源素子19はハウジング10内に収容される。
【0021】
一実施例において、ハウジング10は、ヘッドプレート101と側面構造103を有する。側面構造103はヘッドプレート101に接続されると同時に、ヘッドプレート101を取り込むように設置することで、キャビティS
0を画成する。ヘッドプレート101はその中央に第1孔P
1を形成しており、レンズ素子11は第1孔P
1に設置され、且つレンズモジュール121と同軸上にアラインされる。レンズ素子11の拡大率は約0.1〜2の間に設定されると同時に、レンズ素子11の視界(field of view,FOVと略称する)は約0.1mm
2〜100mm
2の間に設定される。注意すべきことは、ここの拡大率(magnification ratio)は上記の特定例に限定されない。一実施例において、レンズ素子11とレンズモジュール121は共通に操作されることで、サンプリングアセンブリにおける試料の画像に対して焦点を合わせるか、もしくは画像を拡大させることができる。その他の実施例において、レンズ素子11とレンズモジュール121は別のレンズモジュールとして組み立てられることができる。
【0022】
一実施例において、サンプリングアセンブリは試料のサンプリングに利用され、試料は、例えば、自然物、動物細胞(animal body fluid cells)、または植物細胞(plant fluid cells)である。サンプリングアセンブリは、キャビティS
0内に収容されると同時に、蓋体13及び基体15を備える。その他の実施例において、サンプリングアセンブリは互いに接続する基体15と導光素子17を備える。蓋体13は第1
頂部131と第1固定板133を有する。固定板133は少なくとも1つの側壁、または1つの囲壁である。一実施例において、これらの側壁は互いに間隔をおいて設置される。第1
頂部131はレンズ素子11と間隔をおいて設置、またはレンズ素子11に接続される。第1固定板133は第1
頂部131に接続されると同時に、第1
頂部131を取り囲むように設置することで、第1空間S
1を画成する。基体15は第2
頂部151と第2固定板153を有する。第2固定板153は第2
頂部151に接続されると同時に、第2
頂部151を取り囲むことで、第2空間S
2を画成する。基体15は第1空間S
1に収容される。第2
頂部151は第1
頂部131と間隔をおいて設置、または第1
頂部131に接続されることで、試料を保存する保持空間
Hを画成する。第1
頂部131と第2
頂部151との間の距離は例えば0.1μmから500 μmに設定され、第1
頂部131の厚さは例えば100μmから1000μmの間に設定される。
【0023】
一実施例において、光源素子19は、光源をサンプリングアセンブリの試料に提供するために用いられる。導光素子17は第2空間S
2に設置されると同時に、光源を第2
頂部151へ誘導する。光源素子19は、導光素子17に接続される。一実施例において、サンプリングアセンブリ(13、15)と導光素子17及び光源素子19は、互いに同軸上にアラインしている。
【0024】
一実施例において、
図1Aに示すように、第1固定板133の断面は第1円錐台形(truncated shape)を呈し、第2固定板153の断面は第2円錐台形(truncated shape)を呈する。第1固定板133と第2固定板153の形状はここで挙げた例に限らず、円筒形とすることもできる。第1
頂部131と第2
頂部151は、円形または長方形である。第1
頂部131は内側表面1311及びこの内側表面1311に対向する外側表面1313を有する。第1固定板133は内側表面1331及びこの内側表面1331に対向する外側表面1333を有する。第2
頂部151は内側表面1511及びこの内側表面1511に対向する外側表面1513を有する。第2固定板153は内側表面1531及びこの内側表面1531に対向する外側表面1533を有する。一実施例において、第1
頂部131、または第2
頂部151の外形は円形、三角形、または長方形である。
【0025】
一実施例において、第1固定板133の内側表面1331はアラインメント構造1334を有し、このアラインメント構造1334は基体15を誘導することで、基体15を蓋体13と同軸上にアラインさせると同時に、基体15と蓋体13は、間隔を置いて設置、または一部が蓋体13に接続される。特に、第2固定板153の外側表面1533は第1固定板133の内側表面1331と間隔を置いて設置されることで、余剰の試料に対応できる。一実施例において、アラインメント構造1334は、第1固定板133の内側表面1331に沿って延伸する複数の凹溝を備える。その他の実施例において、アラインメント構造1334は環状のリムを備える。アラインメント構造1334は第2固定板153の前端に接続されることができる。
【0026】
サンプリングアセンブリは蓋体13と基体15との間に介在する係合構造を備える。一実施例において、第1固定板133の内側表面1331は第1接合部1332を備え、第2固定板153の外側表面1533は第2接合部1532を備える。第1接合部1332と第2接合部1532は一回性または一方向のロック機構である。一実施例において、第1接合部1332と第2接合部1532はそれぞれノッチと突出部である。その他の実施例において、第1接合部1332と第2接合部1532はそれぞれ雄ネジと雌ネジである。
【0027】
一実施例において、第1固定板133は上端部と下端部を有し、この上端部は第1
頂部131に接続され、下端部は第1延伸固定部1335を有する。第1延伸固定部1335の延伸方向は第1
頂部131に垂直である。同様に、第2固定板153は上端部と下端部を有し、この上端部は第2
頂部151に接続され、下端部は第2延伸固定部1535を有する。第2延伸固定部1535は第1延伸固定部1335に接続される。特に、第1空間S
1は第1延伸固定部1335と第2延伸固定部1535の接続によって、封じられる。一実施例において、第1接合部1332は第1延伸固定部1335に設置され、第2延伸固定部1535は第2延伸固定部1535に設置される。
【0028】
図1Bは本発明の一実施例に係るサンプリングアセンブリの概略図である。サンプリングアセンブリでサンプルを用意するためには、事前に試料Tを保存するための容器18を用意しなければならないと同時に、蓋体13及び基体15を用意しなければならない。第2延伸固定部1535はユーザに持ちやすくすることができ、且つ第2
頂部151は試料T内に浸すことができる。一部の試料Tは流体サンプルT
1の表面張力によって、第2
頂部151の前記外側表面1513に吸い付くことができる。蓋体13及び基体15は交互に重ねられることで、第1空間S
1を封じると同時に、サンプリングアセンブリのサンプルT
1の必要のない汚染、または外漏れを防ぐことができる。
【0029】
図1Aを再度参照し、導光素子17は第3空間S
3の中空ロッド170を有する。光源素子19は基体部190、照明光源191、電力供給ユニット193及びスイッチユニット195を備える。照明光源191は基体部190に設置されると同時に、第3空間S
3に収容される。一実施例において、中空ロッド170は前端171及び後端173を有し、前端171は第1孔P
1にアラインした第2孔P
2を有し、後端173は照明光源191を取り囲むように設置されると同時に、基体部190に接続される。
【0030】
一実施例において、照明光源191は可視光源、UV光源、または蛍光光源を備える。導光素子17と光源素子19は共に操作されることで、対比メカニズムを形成し、この対比メカニズムは、明視野照明(brightfield illumination)と、暗視野照明(darkfield illumination)と、位相差(phase contrast)との中から選択することができる。照明光源191と第2
頂部151の間の距離は例えば0.1cmと10cmの間に設定される。電力供給ユニット193は、基体部190に設置することができると同時に、電池または太陽電池を備える。スイッチユニット195は、基体部190に設置することができると同時に、ボタン、またはタッチスイッチユニットを備える。基体部190はハウジング10の第2ロック構造107と係合する第1ロック構造197を有する。
【0031】
図2Aは本発明の一実施例に係るサンプリングアセンブリの
基体の平面図であり、
図2Bは本発明の一実施例に係るサンプリングアセンブリの基体
のA−A’線に沿った断面図である。基体25の第2
頂部251の外側表面2513は平面エリア2515及び複数のバンプ2517を備える。バンプ2517は、蓋体の内側表面に接続されることによって、サンプリングアセンブリの試料に対して、サンプリングと定量化を行うことができる。バンプ2517は外側表面2513の外周縁に設置されると同時に、平面エリア2515を取り囲むことができる。
【0032】
図2Cは本発明の一実施例に係るサンプリングアセンブリの蓋体の底面図である。
図2Dは本発明の一実施例に係るサンプリングアセンブリの蓋体
のC−C’線に沿った断面図である。蓋体23の第1
頂部231の内側表面2311は平面エリア2315及び複数のバンプ2317を備える。バンプ2317は基体の外側表面に接続されることによって、サンプリングアセンブリの試料を保護する。バンプ2317は内側表面2311の外周縁に設置されると同時に、平面エリア2315を取り囲むことができる。
【0033】
一実施例において、平面エリア2515、または2315の面積は約50mm
2と400mm
2の間に設定される。バンプ2517、または2317の厚さは約0.1μmと500μmの間に設定される。バンプ2517、または2317のサイズは、例えば、半径、または幅は約0.1mmと10mmの間に設定される。
【0034】
図3Aは本発明の一実施例に係るサンプリングアセンブリの基体の平面図である。
図3Bは本発明の一実施例に係るサンプリングアセンブリの基体
のB−B’線に沿った断面図である。基体35の第2
頂部351の外側表面3513は平面エリア3515及び凸状リング3517を備える。凸状リング3517は蓋体の内側表面に接続されることで、サンプリングアセンブリの試料を保護する。凸状リング3517は、外側表面3513の外周縁に設置されると同時に、平面エリア3515を取り囲むことができ、更に凸状リング3517はサンプルの量を決定できると同時に、試料の外漏れを防ぐことができる。
【0035】
図3Cは本発明の一実施例に係るサンプリングアセンブリの蓋体の底面図である。
図3Dは本発明の一実施例に係るサンプリングアセンブリの蓋体
のD−D’線に沿った断面図である。蓋体33の第1
頂部331の内側表面3311は平面エリア3315及び凸状リング3317を備える。凸状リング3317は基体の外側表面に接続されることで、サンプリングアセンブリの試料を保護する。凸状リング3317は、内側表面3311の外周縁に設置されると同時に、平面エリア3315を取り囲むことができ、更に凸状リング3317はサンプルの量を決定できると同時に、試料の外漏れを防ぐことができる。
【0036】
一実施例において、平面エリア3515、または3315の面積は約50mm
2と400mm
2の間に設定される。凸状リング3517、または3317の厚さは約0.1μmと500μmの間に設定される。凸状リング3517、または3317のサイズは、例えば、幅は約0.1mmと10mmの間に設定される。
【0037】
図4は本発明の一実施例に係る顕微鏡モジュールの導光素子のシステム構造図である。導光素子47は、中空ロッド470を備える。中空ロッドは第3
頂部475と囲壁477を有する。第3
頂部475は基体の第2
頂部と間隔を置いて設置されるか、または基体の第2
頂部に接続される。囲壁477は第3
頂部475を取り囲むことで、第4空間S
4を画成する。一実施例において、囲壁477は複数の第3孔P
3を有する。光源素子の照明光源が第4空間S
4に設置される時、光源素子は、横方向からの光源を提供することで、暗視野照明を提供する。一実施例において、中空ロッド470の断面は円錐台形状、または円筒形状である。
【0038】
図5は本発明の一実施例に係る顕微鏡モジュールの導光素子のシステム構造図である。導光素子57は、頂部576および底部578を有する固体ロッド本体570を備える。頂部576は基体の第2
頂部と間隔を置いて設置されるか、または基体の第2
頂部に接続される。下部578は第5空間S
5を有し、第5空間S
5は照明光源を収容するために用いられる。
【0039】
上記の蓋体、基体及び導光素子はプラスチック射出によって成形し、且つ材料は、ガラス、PS、PMMA、PC、またはCOCである。よって、サンプリングアセンブリと導光素子の製造コストは相当低い。
【0040】
本発明に係るサンプリングアセンブリ、顕微鏡モジュール、及び顕微鏡装置はサンプリングプロセス、製造コスト、及び分析プロセスを改善することができる。互いに重ねて設置する蓋体と基体によって、本発明のサンプリングアセンブリ、顕微鏡モジュール、及び顕微鏡装置は、サンプルがオーバーフローまたは汚染される機会を減少することができる。
【0041】
本発明の実施方法はすでに上記の各実施例において詳細に説明したが、これらの実施例は、本発明を説明するものであり、限定するものではない。もちろん、これらの実施例に対して各種の変更、修正、追加および改善を行うことができる。よって、本発明の単一実施例として記述した各要素はいずれも複数のその他の実施態様に応用することができ、また、実施例において、単一要素に対して記述された構造と効果は、組み合わせた構造、またはアセンブリによって達成することができる。これらの実施態様とその他の変更、修正、追加および改善はいずれも本発明の特許請求の範囲に規定される範囲の内に含まれる。
【0042】
上記実施例は本発明の原理に基づいて実施されるが、当業者は、上記実施例は単に例示にすぎず限定するものではないことを理解すべきである。よって、本発明の広さおよび範囲は、上述の任意の例示的な実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲及び本出願に記述される等価物によって規定される範囲に基づいて定められる。また、上記実施例において、本発明について多くの長所と特徴を述べたが、本発明の構成と応用性を制限するものではない。
【0043】
また。本出願書類の各セクションの見出しは、37CFR 1.77の提案に基づいて、またはその他の組織的な文章に基づいたものである。これらのセクションの見出しは、本発明の特許請求の範囲により規定される各実施例を限定、または特徴づけるものではない。具体的に例を挙げると、仮に、セクションの見出しに「技術分野」を言及するが、特許請求の範囲はこのセクションの見出しにおいて、当該技術分野の文字記述に制限されるものでない。また、「先行技術」に記述された技術が、本発明の任意の実施例に対する従来技術の承認と解釈すべきではなく、且つ「発明内容」に記述された内容は特許請求の範囲に基づいた各実施例の特徴として見なすべきものではない。また、本明細書、または本発明の任意の単数形で記述された「発明」は、本明細書において、1つの新規性を有する特徴のみ保護することを主張するために使用すべきものではない。複数の実施例は本発明の複数の特許請求の範囲の制限に基づいて、実施することができ、且つこれらの特許請求の範囲は各実施例及びその等価物に対応して定義することで、その範囲を保護する。すべての状況において、いずれも本出願書類の記載内容から特許請求の範囲の価値を考量すべきであり、上記のセクションの見出しに制約を受けるべきでない。