【文献】
Nokia Corporation, NSN,Discussion on detailed C-plane procedures[online], 3GPP TSG-RAN WG2#83bis R2-133341,インターネット<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG2_RL2/TSGR2_83bis/Docs/R2-133341.zip>,2013年10月11日,Pages 1-4
【文献】
CATT, CATR,RLM considerations on the special cell of SCG[online], 3GPP TSG-RAN WG2♯85 R2-140180,インターネット<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG2_RL2/TSGR2_85/Docs/R2-140180.zip>,2014年 1月29日,Pages 1-4
【文献】
Intel Corporation,Radio link failure handling for dual connectivity[online], 3GPP TSG-RAN WG2♯83 R2-132819,インターネット<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG2_RL2/TSGR2_83/Docs/R2-132819.zip>,2013年 8月23日,Pages 1-4
【文献】
Kyocera,RLF issues in inter-eNB CA[online],3GPP TSG−RAN WG2#84 3GPP TSG-RAN WG2#84 R2-134317,インターネット<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG2_RL2/TSGR2_84/Docs/R2-134317.zip>,2013年11月15日,Pages 1-3
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
RRC接続をユーザ端末と確立するマスタ基地局と、追加的な無線リソースを前記ユーザ端末に提供するセカンダリ基地局と、を用いる二重接続方式の通信を制御するための通信制御方法であって、
前記ユーザ端末においてセル毎に求められた測定結果を含む測定報告を前記ユーザ端末から前記マスタ基地局が受信するステップAと、
前記ユーザ端末に対するリソース割当を要求するための追加要求を前記マスタ基地局から前記セカンダリ基地局が受信するステップBと、
を有し、
前記ステップBは、前記測定報告に含まれる前記セカンダリ基地局のセルについての測定結果を前記追加要求に含めるステップを含むことを特徴とする通信制御方法。
RRC接続をユーザ端末と確立するマスタ基地局と、追加的な無線リソースを前記ユーザ端末に提供するセカンダリ基地局と、を用いる二重接続方式の通信を制御するための通信制御方法であって、
前記ユーザ端末のRRC再設定を行うRRC再設定メッセージを前記マスタ基地局から前記ユーザ端末に送信するステップAと、
前記RRC再設定メッセージの送信に関して通知するRRC再設定通知を前記マスタ基地局から前記セカンダリ基地局に送信するステップBと、
を有することを特徴とする通信制御方法。
二重接続方式をサポートする移動通信システムにおいて、マスタ基地局とのRRC接続を確立するとともに、セカンダリ基地局から追加的な無線リソースが提供されるユーザ端末における通信制御方法であって、
前記ユーザ端末の物理上りリンク制御チャネルが設定される特別なセルを含むセカンダリセルグループが、前記セカンダリ基地局により管理されており、
前記ユーザ端末が前記特別なセルにおける無線リンク障害を検知するステップAと、
前記ユーザ端末が前記特別なセルにおける無線リンク障害を検知した場合、前記セカンダリセルグループのセルに対する測定結果を前記マスタ基地局に送信するステップBと、
を有することを特徴とする通信制御方法。
【発明を実施するための形態】
【0015】
[実施形態の概要]
第2実施形態に係る通信制御方法は、RRC接続をユーザ端末と確立するマスタ基地局と、追加的な無線リソースを前記ユーザ端末に提供するセカンダリ基地局と、を用いる二重接続方式の通信を制御するための方法である。前記通信制御方法は、前記ユーザ端末においてセル毎に求められた測定結果を含む測定報告を前記ユーザ端末から前記マスタ基地局が受信するステップと、前記ユーザ端末に対するリソース割当を要求するための追加要求を前記マスタ基地局から前記セカンダリ基地局が受信するステップと、を有する。前記追加要求を受信するステップにおいて、前記マスタ基地局は、前記測定結果に含まれる前記セカンダリ基地局のセルについての測定結果を前記追加要求に含めて送信する。
【0016】
第1実施形態に係る通信制御方法は、RRC接続をユーザ端末と確立するマスタ基地局と、追加的な無線リソースを前記ユーザ端末に提供するセカンダリ基地局と、を用いる二重接続方式の通信を制御するための方法である。前記通信制御方法は、前記ユーザ端末のRRC再設定を行うRRC再設定メッセージを前記マスタ基地局から前記ユーザ端末に送信するステップと、前記RRC再設定メッセージの送信に関して通知するRRC再設定通知を前記マスタ基地局から前記セカンダリ基地局に送信するステップと、を有する。
【0017】
第1実施形態では、前記RRC再設定通知の送信は、前記RRC再設定メッセージの送信よりも先に行われる。
【0018】
第1実施形態では、前記RRC再設定通知は、前記RRC再設定の内容を含む。
【0019】
第1実施形態では、前記通信制御方法は、前記RRC再設定通知を受信した前記セカンダリ基地局が、当該RRC再設定通知に基づいて前記ユーザ端末に対する送信を停止するステップをさらに有する。
【0020】
第1実施形態では、前記セカンダリ基地局は、前記RRC再設定通知を受信してから所定時間が経過するまで、前記ユーザ端末に対する送信を停止する。前記所定時間は、前記ユーザ端末が前記RRC再設定メッセージを受信してから当該RRC再設定メッセージが反映されるまでの時間に対応する。前記セカンダリ基地局は、前記所定時間の経過後に前記ユーザ端末に対する送信を再開する。
【0021】
第1実施形態では、前記通信制御方法は、前記RRC再設定が完了したことを示すRRC再設定完了メッセージを前記ユーザ端末から前記マスタ基地局が受信するステップと、前記RRC再設定完了メッセージの受信に応じて、RRC再設定完了通知を前記マスタ基地局から前記セカンダリ基地局に送信するステップと、前記RRC再設定完了通知を受信した前記セカンダリ基地局が、当該RRC再設定完了通知に基づいて前記ユーザ端末に対する送信を再開するステップと、をさらに有する。
【0022】
第1実施形態では、前記停止するステップにおいて前記セカンダリ基地局が停止する前記送信は、ユーザ個別チャネル上での送信である。
【0023】
第2実施形態に係る通信制御方法は、RRC接続をユーザ端末と確立するマスタ基地局と、追加的な無線リソースを前記ユーザ端末に提供するセカンダリ基地局と、を用いる二重接続方式の通信を制御するための方法である。前記通信制御方法は、前記ユーザ端末においてセル毎に求められた測定結果を含む測定報告を前記ユーザ端末から前記マスタ基地局が受信するステップと、前記測定報告に基づいて、前記セカンダリ基地局が管理している複数のセルの中から、前記ユーザ端末の物理上りリンク制御チャネルを設ける特別なセルを選択するステップと、を有する。
【0024】
第2実施形態では、前記特別なセルを選択するステップは、前記測定報告を受信した前記マスタ基地局が、当該受信した測定報告を前記セカンダリ基地局に転送するステップと、前記転送された測定報告を受信した前記セカンダリ基地局が前記特別なセルを選択するステップと、を含む。
【0025】
第2実施形態では、前記特別なセルを選択するステップは、前記測定報告を受信した前記マスタ基地局が、当該受信した測定報告に基づいて、前記特別なセルの候補を前記セカンダリ基地局に通知するステップと、前記セカンダリ基地局が、前記通知された候補に基づいて前記特別なセルを選択するステップと、を含む。
【0026】
第2実施形態では、前記特別なセルを選択するステップは、前記測定報告を受信した前記マスタ基地局が、当該受信した測定報告に基づいて、前記特別なセルを選択するステップと、前記選択された特別なセルを前記マスタ基地局から前記セカンダリ基地局に通知するステップと、を含む。
【0027】
第2実施形態では、前記特別なセルを選択するステップにおいて、前記セカンダリ基地局が管理している前記複数のセルのそれぞれの能力及び/又は負荷状況にさらに基づいて前記特別なセルを選択する。
【0028】
第2実施形態では、前記通信制御方法は、前記セカンダリ基地局が管理している前記複数のセルのそれぞれの能力及び/又は負荷状況に基づいて、前記測定報告の送信を制御する情報を前記マスタ基地局から前記ユーザ端末に送信するステップをさらに有する。
【0029】
第2実施形態では、前記通信制御方法は、前記ユーザ端末から新たに送信された測定報告に基づいて、前記セカンダリ基地局が管理している複数のセルの中から前記特別なセルを再選択するステップをさらに有する。
【0030】
第3実施形態に係る通信制御方法は、第1の基地局が管理している少なくとも1つのセルについて、ユーザ端末の物理上りリンク制御チャネルを設ける特別なセルとして動作する能力を有するか否かを示すセル情報を、前記第1の基地局から第2の基地局に送信するステップを有する。
【0031】
第3実施形態では、前記セル情報を送信するステップにおいて、前記第1の基地局は、当該第1の基地局の設定の更新に関する設定更新メッセージに前記セル情報を含めて送信する。
【0032】
第3実施形態では、前記セル情報を送信するステップにおいて、前記第1の基地局は、前記第2の基地局からの要求に対する否定応答に前記セル情報を含めて送信する。
【0033】
第4実施形態に係る通信制御方法は、二重接続方式をサポートする移動通信システムにおいて、マスタ基地局とのRRC接続を確立するとともに、セカンダリ基地局から追加的な無線リソースが提供されるユーザ端末における方法である。前記ユーザ端末の物理上りリンク制御チャネルが設定される特別なセルを含むセカンダリセルグループが、前記セカンダリ基地局により管理されている。前記通信制御方法は、前記特別なセルにおける無線リンク障害を検知するステップと、前記特別なセルにおける無線リンク障害を検知した場合、前記セカンダリセルグループのセルに対する測定結果を前記マスタ基地局に送信するステップと、を有する。
【0034】
前記特別なセルにおける無線リンク障害を検知した場合、前記送信するステップにおいて、前記ユーザ端末は、隣接セルに対する測定結果を前記マスタ基地局にさらに送信する。
【0035】
前記測定結果は、前記セカンダリセルグループのうち前記特別なセル以外のセルに対する測定結果である。
【0036】
前記通信制御方法は、前記特別なセルにおける無線リンク障害を検知した場合、前記無線リンク障害を通知する障害通知を前記マスタ基地局に送信するステップを有する。前記測定結果は、前記障害通知に含まれている。
【0037】
前記通信制御方法は、前記マスタ基地局から指定されたイベントが発生した場合、イベントトリガ型の測定報告を前記マスタ基地局に送信するステップを有する。前記イベントは、前記特別なセルにおける無線リンク障害を検知したことである。前記測定結果は、前記イベントトリガ型の測定報告に含まれている。
【0038】
第4実施形態に係る通信制御方法は、ユーザ端末に追加的な無線リソースを提供するセカンダリ基地局と共に二重接続方式の通信を行っており、前記ユーザ端末とのRRC接続を確立するマスタ基地局における方法である。前記ユーザ端末の物理上りリンク制御チャネルが設定される特別なセルを含むセカンダリセルグループが、前記セカンダリ基地局により管理されている。前記通信制御方法は、前記セカンダリセルグループのうち前記特別なセル以外のセルに対する第1の測定結果を含む前記特別なセルにおける無線リンク障害を通知する障害通知を前記ユーザ端末から受信するステップと、前記特別なセルの交代を要求するための交代要求を前記セカンダリ基地局に送信するステップと、を有する。前記送信するステップにおいて、前記マスタ基地局は、前記ユーザ端末から受信した前記第1の測定結果を前記交代要求に含めて送信する。
【0039】
前記送信するステップにおいて、前記マスタ基地局は、前記ユーザ端末から受信した前記第1の測定結果を前記交代要求に含めて送信する。
【0040】
前記受信するステップにおいて、前記マスタ基地局は、前記特別なセルに対する第2の測定結果を前記ユーザ端末からさらに受信する。前記送信するステップにおいて、前記マスタ基地局は、前記第1の測定結果及び前記第2の測定結果を前記交代要求に含めて送信する。
【0041】
第4実施形態に係る通信制御方法は、ユーザ端末とのRRC接続を確立するマスタ基地局と共に二重接続方式の通信を行っており、前記ユーザ端末に追加的な無線リソースを提供するセカンダリ基地局における方法である。前記ユーザ端末の物理上りリンク制御チャネルが設定される特別なセルを含むセカンダリセルグループが、前記セカンダリ基地局により管理されている。前記通信制御方法は、前記特別なセルの交代を要求するための交代要求を、前記セカンダリセルグループのうち前記特別なセル以外のセルに対する第1の測定結果と共に前記マスタ基地局から受信するステップと、前記交代要求の受信に応じて、前記特別なセルを他のセルと交代するか否かの判断を前記第1の測定結果に基づいて行うステップと、前記判断の結果を前記マスタ基地局に通知するステップと、を有する。
【0042】
前記受信するステップにおいて、前記セカンダリ基地局は、前記特別なセルに対する第2の測定結果を前記第1の測定結果と共に前記マスタ基地局から受信する。前記判断を行うステップにおいて、前記セカンダリ基地局は、前記第1の測定結果及び前記第2の測定結果に基づいて前記判断を行う。
【0043】
前記他のセルの中から新たな特別なセルを選択した場合、前記通知するステップにおいて、前記セカンダリ基地局は、前記新たな特別なセルを前記マスタ基地局に通知する。
【0044】
前記他のセルの中に新たな特別なセルとして適切なセルが存在しない場合、前記通知するステップにおいて、前記セカンダリ基地局は、前記セカンダリセルグループを解放することを前記マスタ基地局に通知する。
【0045】
[第1実施形態]
以下において、本発明をLTEシステムに適用する場合の実施形態を説明する。
【0046】
(システム構成)
図1は、第1実施形態に係るLTEシステムの構成図である。
【0047】
図1に示すように、第1実施形態に係るLTEシステムは、UE(User Equipment)100、E−UTRAN(Evolved−UMTS Terrestrial Radio Access Network)10、及びEPC(Evolved Packet Core)20を備える。
【0048】
UE100は、ユーザ端末に相当する。UE100は、移動型の通信装置であり、セル(サービングセル)との無線通信を行う。UE100の構成については後述する。
【0049】
E−UTRAN10は、無線アクセスネットワークに相当する。E−UTRAN10は、eNB200(evolved Node−B)を含む。eNB200は、基地局に相当する。eNB200は、X2インターフェイスを介して相互に接続される。eNB200の構成については後述する。
【0050】
eNB200は、1又は複数のセルを管理しており、自セルとの接続を確立したUE100との無線通信を行う。eNB200は、無線リソース管理(RRM)機能、ユーザデータのルーティング機能、モビリティ制御・スケジューリングのための測定制御機能などを有する。「セル」は、無線通信エリアの最小単位を示す用語として使用される他に、UE100との無線通信を行う機能を示す用語としても使用される。
【0051】
EPC20は、コアネットワークに相当する。EPC20は、MME(Mobility Management Entity)/S−GW(Serving−Gateway)300を含む。MMEは、UE100に対する各種モビリティ制御などを行う。SGWは、ユーザデータの転送制御を行う。MME/S−GW300は、S1インターフェイスを介してeNB200と接続される。
【0052】
図2は、UE100のブロック図である。
図2に示すように、UE100は、複数のアンテナ101、無線送受信機110、ユーザインターフェイス120、GNSS(Global Navigation Satellite System)受信機130、バッテリ140、メモリ150、及びプロセッサ160を備える。メモリ150及びプロセッサ160は、制御部を構成する。UE100は、GNSS受信機130を有していなくてもよい。また、メモリ150をプロセッサ160と一体化し、このセット(すなわち、チップセット)をプロセッサ160’としてもよい。
【0053】
アンテナ101及び無線送受信機110は、無線信号の送受信に用いられる。無線送受信機110は、プロセッサ160が出力するベースバンド信号(送信信号)を無線信号に変換してアンテナ101から送信する。また、無線送受信機110は、アンテナ101が受信する無線信号をベースバンド信号(受信信号)に変換してプロセッサ160に出力する。
【0054】
ユーザインターフェイス120は、UE100を所持するユーザとのインターフェイスであり、例えば、ディスプレイ、マイク、スピーカ、及び各種ボタンなどを含む。ユーザインターフェイス120は、ユーザからの操作を受け付けて、該操作の内容を示す信号をプロセッサ160に出力する。GNSS受信機130は、UE100の地理的な位置を示す位置情報を得るために、GNSS信号を受信して、受信した信号をプロセッサ160に出力する。バッテリ140は、UE100の各ブロックに供給すべき電力を蓄える。
【0055】
メモリ150は、プロセッサ160により実行されるプログラム、及びプロセッサ160による処理に使用される情報を記憶する。プロセッサ160は、ベースバンド信号の変調・復調及び符号化・復号などを行うベースバンドプロセッサと、メモリ150に記憶されるプログラムを実行して各種の処理を行うCPU(Central Processing Unit)と、を含む。プロセッサ160は、さらに、音声・映像信号の符号化・復号を行うコーデックを含んでもよい。プロセッサ160は、後述する各種の処理及び各種の通信プロトコルを実行する。
【0056】
図3は、eNB200のブロック図である。
図3に示すように、eNB200は、複数のアンテナ201、無線送受信機210、ネットワークインターフェイス220、メモリ230、及びプロセッサ240を備える。メモリ230及びプロセッサ240は、制御部を構成する。また、メモリ230をプロセッサ240と一体化し、このセット(すなわち、チップセット)をプロセッサとしてもよい。
【0057】
アンテナ201及び無線送受信機210は、無線信号の送受信に用いられる。無線送受信機210は、プロセッサ240が出力するベースバンド信号(送信信号)を無線信号に変換してアンテナ201から送信する。また、無線送受信機210は、アンテナ201が受信する無線信号をベースバンド信号(受信信号)に変換してプロセッサ240に出力する。
【0058】
ネットワークインターフェイス220は、X2インターフェイスを介して隣接eNB200と接続され、S1インターフェイスを介してMME/S−GW300と接続される。ネットワークインターフェイス220は、X2インターフェイス上で行う通信及びS1インターフェイス上で行う通信に用いられる。
【0059】
メモリ230は、プロセッサ240により実行されるプログラム、及びプロセッサ240による処理に使用される情報を記憶する。プロセッサ240は、ベースバンド信号の変調・復調及び符号化・復号などを行うベースバンドプロセッサと、メモリ230に記憶されるプログラムを実行して各種の処理を行うCPUと、を含む。プロセッサ240は、後述する各種の処理及び各種の通信プロトコルを実行する。
【0060】
図4は、LTEシステムにおける無線インターフェイスのプロトコルスタック図である。
図4に示すように、無線インターフェイスプロトコルは、OSI参照モデルの第1層乃至第3層に区分されており、第1層は物理(PHY)層である。第2層は、MAC(Medium Access Control)層、RLC(Radio Link Control)層、及びPDCP(Packet Data Convergence Protocol)層を含む。第3層は、RRC(Radio Resource Control)層を含む。
【0061】
物理層は、符号化・復号、変調・復調、アンテナマッピング・デマッピング、及びリソースマッピング・デマッピングを行う。UE100の物理層とeNB200の物理層との間では、物理チャネルを介してユーザデータ及び制御信号が伝送される。
【0062】
MAC層は、データの優先制御、ハイブリッドARQ(HARQ)による再送処理、及びRRC接続確立時のランダムアクセス手順などを行う。UE100のMAC層とeNB200のMAC層との間では、トランスポートチャネルを介してユーザデータ及び制御信号が伝送される。eNB200のMAC層は、上下リンクのトランスポートフォーマット(トランスポートブロックサイズ、変調・符号化方式)及びUE100への割当リソースブロックを決定するスケジューラを含む。
【0063】
RLC層は、MAC層及び物理層の機能を利用してデータを受信側のRLC層に伝送する。UE100のRLC層とeNB200のRLC層との間では、論理チャネルを介してユーザデータ及び制御信号が伝送される。
【0064】
PDCP層は、ヘッダ圧縮・伸張、及び暗号化・復号化を行う。
【0065】
RRC層は、制御信号を取り扱う制御プレーンでのみ定義される。UE100のRRC層とeNB200のRRC層との間では、各種設定のための制御信号(RRCメッセージ)が伝送される。RRC層は、無線ベアラの確立、再確立及び解放に応じて、論理チャネル、トランスポートチャネル、及び物理チャネルを制御する。UE100のRRCとeNB200のRRCとの間に接続(RRC接続)がある場合、UE100はRRCコネクティッド状態であり、そうでない場合、UE100はRRCアイドル状態である。
【0066】
RRC層の上位に位置するNAS(Non−Access Stratum)層は、セッション管理及びモビリティ管理などを行う。
【0067】
LTEシステムは、下りリンクにはOFDMA(Orthogonal Frequency Division Multiple Access)、上りリンクにはSC−FDMA(Single Carrier Frequency Division Multiple Access)がそれぞれ適用される。
【0068】
無線フレームは、時間方向に並ぶ10個のサブフレームで構成される。各サブフレームは、時間方向に並ぶ2個のスロットで構成される。各サブフレームの長さは1msであり、各スロットの長さは0.5msである。各サブフレームは、周波数方向に複数個のリソースブロック(RB)を含み、時間方向に複数個のシンボルを含む。各リソースブロックは、周波数方向に複数個のサブキャリアを含む。UE100に割り当てられる無線リソース(時間・周波数リソース)のうち、周波数リソースはリソースブロックにより特定でき、時間リソースはサブフレーム(又はスロット)により特定できる。
【0069】
下りリンクにおいて、各サブフレームの先頭数シンボルの区間は、主に制御信号を伝送するための物理下りリンク制御チャネル(PDCCH)として使用される領域である。また、各サブフレームの残りの区間は、主にユーザデータを伝送するための物理下りリンク共有チャネル(PDSCH)として使用できる領域である。
【0070】
上りリンクにおいて、各サブフレームにおける周波数方向の両端部は、主に制御信号を伝送するための物理上りリンク制御チャネル(PUCCH)として使用される領域である。各サブフレームにおける他の部分は、主にユーザデータを伝送するための物理上りリンク共有チャネル(PUSCH)として使用できる領域である。
【0071】
(二重接続方式)
第1実施形態に係るLTEシステムは、二重接続方式をサポートする。二重接続方式は、リリース12以降において導入が予定されている。二重接続方式では、UE100は、複数のeNB200との接続を同時に確立する。UE100には、各eNB200から無線リソースが割り当てられるため、スループットの向上が見込まれる。なお、二重接続方式は、eNB200間キャリアアグリゲーション(inter−eNB CA)と称されることもある。
【0072】
図5は、二重接続方式の概要を説明するための図である。
【0073】
図5に示すように、二重接続方式では、UE100との接続を確立する複数のeNB200のうち、マスタeNB(MeNB)200−1のみが当該UE100とのRRC接続を確立する。これに対し、当該複数のeNB200のうちセカンダリeNB(SeNB)200−2は、RRC接続をUE100と確立せずに、追加的な無線リソースをUE100に提供する。言い換えると、MeNB200−1は、ユーザプレーン接続だけでなく制御プレーン接続をUE100と確立する。これに対し、SeNB200−2は、制御プレーン接続をUE100と確立せずに、ユーザプレーン接続をUE100と確立する。MeNB200−1とSeNB200−2との間にはXnインターフェイスが設定される。Xnインターフェイスは、X2インターフェイス又は新たなインターフェイスである。
【0074】
二重接続方式では、UE100は、MeNB200−1が管理するN個のセル及びSeNB200−2が管理するM個のセルを同時に利用したキャリアアグリゲーションが可能である。二重接続方式においてUE100のサービングセルの最大数、すなわち、(N+M)の最大数は、例えば5である。ここで、MeNB200−1が管理するN個のセルからなるグループは、マスタセルグループ(MCG)と称される。また、SeNB200−2が管理するM個のセルからなるグループは、セカンダリセルグループ(SCG)と称される。SCGには、UE100のPUCCHを設ける特別なセルが設定される。特別なセルは、キャリアアグリゲーションにおけるプライマリセル(PCell)の機能の一部を遂行する。以下において、当該特別なセルを「DC special cell」と称する。
【0075】
図6及び
図7は、二重接続方式におけるユーザデータの転送経路(データパス)の構成方式を説明するための図である。二重接続方式におけるユーザデータの転送経路(データパス)を構成するユーザプレーンアーキテクチャ(UPアーキテクチャ)は主に2通り存在する。
【0076】
図6は、第1のUPアーキテクチャを示す。
図6(a)に示すように、第1のUPアーキテクチャでは、MeNB200−1とS−GW300Uとの間のS1−Uインターフェイスと、SeNB200−2とS−GW300Uとの間のS1−Uインターフェイスと、が利用される。UE100とP−GWとの間のEPSベアラ#1は、MeNB200−1とS−GW300Uとの間のS1−Uインターフェイスを経由する。UE100とP−GWとの間のEPSベアラ#2は、SeNB200−2とS−GW300Uとの間のS1−Uインターフェイスを経由する。このように、第1のUPアーキテクチャでは、SeNB200−2とS−GW300Uとの間のデータパスはMeNB200−1を経由しない。
図6(b)に示すように、MeNB200−1及びSeNB200−2のそれぞれは、PDCP、RLC、MACの各層の処理を行う。
【0077】
図7は、第2のUPアーキテクチャを示す。
図7(a)に示すように、第2のUPアーキテクチャでは、UE100とP−GWとの間のEPSベアラ#2は、MeNB200−1において分割されており、分割された一方(split bearer)はSeNB200−2を経由してUE100で終端し、分割された他方(split bearer)はSeNB200−2を経由せずにUE100で終端する。このように、第2のUPアーキテクチャでは、SeNB200−2とS−GW300Uとの間のデータパスはMeNB200−1を経由する。
図7(b)に示すように、EPSベアラ#2における分割された一方(split bearer)については、MeNB200−1のPDCP、SeNB200−2のRLC及びMAC、により各層の処理を行う。なお、split bearerについては、RLC(又はRLCの一部機能)までの処理をMeNBが担当してもよい。
【0078】
図8は、二重接続方式を開始する動作を示すシーケンス図である。
図8の初期状態において、UE100は、MeNB200−1とのRRC接続を確立した状態である。
【0079】
図8に示すように、ステップS11において、UE100は、UE100においてセル毎に求められた測定結果を含む測定報告をMeNB200−1に送信する。測定結果は、測定セルの識別情報と参照信号受信電力(RSRP)/参照信号受信品質(RSRQ)との組み合わせを含む。
【0080】
ステップS12において、測定報告を受信したMeNB200−1は、受信した測定報告又は他のパラメータに基づいて、SeNBリソースを使用することを決定する。
【0081】
ステップS13において、MeNB200−1は、UE100に対するリソース割り当てを要求するためのSeNB追加要求(SeNB Addition)をSeNB200−2に送信する。SeNB追加要求は、UE100に関する各種パラメータを含む。
【0082】
ステップS14において、SeNB追加要求を受信したSeNB200−2は、受信したSeNB追加要求に基づいて、UE100に対するリソース割り当てを承諾するか否かを判断する。UE100に対するリソース割り当てを承諾する場合、SeNB200−2は、UE100のための無線リソース(例えば、DC special cell)を設定する。SeNB200−2は、UE100に割り当てるランダムアクセスプリアンブルを選択してもよい。
【0083】
ステップS15において、SeNB200−2は、新たな無線リソース設定(例えば、DC special cellの設定、ランダムアクセスプリアンブル設定)を提供するSeNB追加指令をMeNB200−1に送信する。
【0084】
ステップS16において、SeNB200−2は、新たな無線リソース設定に応じて、DC special cell(のパラメータ)を設定する。なお、ステップS15及びステップS16の順序は逆であってもよい。
【0085】
ステップS17において、SeNB追加指令を受信したMeNB200−1は、受信したSeNB追加指令に基づいて、UE100に送信するRRCメッセージを生成する。
【0086】
ステップS18において、MeNB200−1は、生成したRRCメッセージ(RRC再設定メッセージ)をUE100に送信する。
【0087】
ステップS19において、RRC再設定メッセージを受信したUE100は、受信したRRC再設定メッセージに基づいて、SCGに対応するMACエンティティを生成する。ここで、SCGに含まれるDC special cellが有効な状態(Activate)であり、SCGに含まれる他のセルは無効な状態(Deactivate)である。
【0088】
ステップS21において、UE100は、RRC再設定が完了したことを示すRRC再設定完了メッセージをMeNB200−1に送信する。
【0089】
ステップS22において、UE100は、SeNB200−2に対するランダムアクセスを行う。
【0090】
ステップS23において、SeNB200−2は、UE100との同期を検出し、新たな無線リソース設定が使用可能になったことを示す通知(SeNB Addition complete)をMeNB200−1に送信する。
【0091】
ステップS24において、SeNB200−2は、DC special cellを用いて、UE100に対する下りリンク制御信号をPDCCH上で送信し、UE100に対する下りリンクユーザデータをPDSCH上で送信する。
【0092】
ステップS25において、SeNB200−2は、MAC層において、SCGに含まれる他のセルの使用を開始することを決定する。
【0093】
ステップS26において、SeNB200−2は、SCGに含まれる他のセルを有効化(Activate)することを示すMAC制御要素をUE100に送信する。
【0094】
ステップS27において、MAC制御要素を受信したUE100は、受信したMAC制御要素に基づいて、SCGに含まれる他のセルを有効化(Activate)する。
【0095】
(第1実施形態に係る通信制御方法)
図9は、MeNB200−1がUE100に対してRRC再設定を行う場合の動作を示すシーケンス図である。UE100は、MeNB200−1及びSeNB200−2との接続を確立した状態である(ステップS101)。
【0096】
図9に示すように、ステップS102において、MeNB200−1は、UE100のRRC再設定を行うRRC再設定メッセージをUE100に送信する。例えば、MCG:3セル及びSCG:2セルである場合に、MCG:4セル及びSCG:1セルに変更する旨のRRC再設定メッセージであると仮定する。
【0097】
ここで、UE100がRRC再設定メッセージを受信してから当該RRC再設定メッセージが反映されるまでの時間は、15ms程度である(ステップS103)。MeNB200−1は、RRC再設定メッセージが反映されるまでは、UE100へのPDSCH割り当てを停止する(ステップS104)。
【0098】
一方、SeNB200−2は、UE100がRRC再設定中であることを把握していないため、UE100へのPDSCH割り当てを継続し、UE100に対する下りリンク制御信号をPDCCH上で送信し、UE100に対する下りリンクユーザデータをPDSCH上で送信する(ステップS105乃至S108)。
【0099】
しかしながら、UE100がRRC再設定中である期間においては、UE100は、SeNB200−2からの下りリンク制御信号及び下りリンクユーザデータを受信できないため、ステップS105乃至S107の割り当て及び送信が無駄になる。
【0100】
そこで、第1実施形態では、以下の方法により、上述したような問題を解決する。
【0101】
第1実施形態に係る通信制御方法は、UE100のRRC再設定を行うRRC再設定メッセージをMeNB200−1からUE100に送信するステップと、RRC再設定メッセージの送信に関して通知するRRC再設定通知をMeNB200−1からSeNB200−2に送信するステップと、を有する。RRC再設定通知を受信したSeNB200−2は、当該RRC再設定通知に基づいて、UE100に対する送信を停止する。これにより、MeNB200−1は、UE100がRRC再設定中であることを把握できるため、UE100に対して無駄な割り当て及び送信を行うことを防止できる。
【0102】
なお、SeNB200−2が停止する送信とは、ユーザ個別チャネル(例えば、DTCH:Dedicated Traffic CHannel、DCCH:Dedicated Control CHannel)上での送信である。よって、SeNB200−2は、UE100に対するユーザ個別チャネルの送信を停止しても、ページング等のブロードキャスト送信を継続してもよい。
【0103】
第1実施形態では、RRC再設定通知の送信は、RRC再設定メッセージの送信よりも先に行われる。これにより、バックホール(Xnインターフェイス)において伝送遅延が生じても、RRC再設定通知をSeNB200−2が受信するタイミングを、RRC再設定メッセージの送信タイミングに合わせることが可能となる。
【0104】
第1実施形態では、RRC再設定通知は、RRC再設定の内容を含む。これにより、SeNB200−2は、MeNB200−1がUE100に対して行うRRC再設定の内容を把握することができるため、適切な通信制御を行うことが可能となる。
【0105】
第1実施形態では、SeNB200−2は、RRC再設定通知を受信してから所定時間が経過するまで、UE100に対する送信を停止する。所定時間は、UE100がRRC再設定メッセージを受信してから当該RRC再設定メッセージが反映されるまでの時間に対応する。SeNB200−2は、所定時間の経過後にUE100に対する送信を再開する。これにより、UE100のRRC再設定の完了に合わせて、SeNB200−2がUE100に対する送信を再開することができる。
【0106】
或いは、SeNB200−2で自律的に送信を再開するのではなく、MeNB200−1からの通知に応じて送信を再開してもよい。この場合、通信制御方法は、RRC再設定が完了したことを示すRRC再設定完了メッセージをUE100からMeNB200−1が受信するステップと、RRC再設定完了メッセージの受信に応じて、RRC再設定完了通知をMeNB200−1からSeNB200−2に送信するステップと、RRC再設定完了通知を受信したSeNB200−2が、当該RRC再設定完了通知に基づいてUE100に対する送信を再開するステップと、を有する。
【0107】
(第1実施形態に係る動作シーケンス)
図10は、第1実施形態に係る動作シーケンスを示すシーケンス図である。UE100は、MeNB200−1及びSeNB200−2との接続を確立した状態である(ステップS151)。
【0108】
図10に示すように、ステップS152において、MeNB200−1は、RRC再設定通知(RRC Connection Reconfiguration Initiation)をSeNB200−2に送信する。RRC再設定通知は、RRC設定(RRC Configuration)を格納するRRCコンテナ、開始/終了を示すフラグ、のうち少なくとも一方を含む。ここで、RRCコンテナにより、SeNB200−2は、RRC設定の内容を把握することができるため、RRC設定の内容に基づいて送信停止を行うべきか否かを判断することができる。RRC再設定通知は、後述するステップS156で使用するタイマの閾値を含んでもよい。
【0109】
RRC再設定通知は、RRC再設定メッセージの送信タイミングよりも、バックホール(Xnインターフェイス)の伝送遅延時間だけ前のタイミングで送信されることが好ましい。
【0110】
ステップS153において、MeNB200−1は、RRC再設定メッセージをUE100に送信する。RRC再設定メッセージを受信したUE100は、受信したRRC再設定メッセージに基づいてRRC再設定を開始する。
【0111】
ステップS154において、MeNB200−1は、RRC再設定メッセージが反映されるまで、UE100へのPDSCH割り当てを停止する。
【0112】
ステップS155において、RRC再設定通知を受信したSeNB200−2は、受信したRRC再設定通知に基づいて、UE100に対する送信を停止する。
【0113】
ステップS156において、SeNB200−2は、所定時間を計時するためのタイマを起動する。所定時間は、UE100がRRC再設定メッセージを受信してから当該RRC再設定メッセージが反映されるまでの時間に対応する。
【0114】
ステップS157において、UE100は、RRC再設定完了メッセージをMeNB200−1に送信する。
【0115】
ステップS158において、MeNB200−1は、RRC再設定完了メッセージの受信に応じて、RRC再設定完了通知(RRC Connection Reconfiguration complete)をSeNB200−2に送信してもよい。
【0116】
ステップS159において、SeNB200−2は、タイマの満了又はRRC再設定完了通知の受信を検知する。
【0117】
ステップS160において、タイマの満了又はRRC再設定完了通知の受信を検知したSeNB200−2は、UE100に対する送信を再開する。
【0118】
[第2実施形態]
以下において、第2実施形態に係る通信制御方法について、第1実施形態との相違点を主として説明する。
【0119】
(第2実施形態に係る通信制御方法)
上述したように、SCGには、UE100のPUCCHが設けられるDC special cellが設定される。ここで、DC special cellは、SCGの他のセルに比べて通信状態が良いセルであることが望まれる。通信状態が良いセルとは、例えば、所望波の受信電力が高いセル、干渉電力が低いセル、負荷レベルが低いセルである。DC special cellにおいて通信状態が悪いと、上りリンク制御信号が正常に伝送されず、二重接続方式の通信を適切に実施することが難しくなる。
【0120】
そこで、第2実施形態では、以下の方法により、上述したような問題を解決する。
【0121】
第2実施形態に係る通信制御方法は、UE100においてセル毎に求められた測定結果を含む測定報告をUE100からMeNB200−1が受信するステップと、測定報告に基づいて、SeNB200−2が管理している複数のセルの中から、UE100の物理上りリンク制御チャネルを設けるDC special cellを選択するステップと、を有する。これにより、UE100における通信状態が良いセルをDC special cellとして選択可能となり、二重接続方式の通信を適切に実施することができる。
【0122】
第2実施形態では、DC special cellを選択するステップは、測定報告を受信したMeNB200−1が、当該受信した測定報告をSeNB200−2に転送するステップと、転送された測定報告を受信したSeNB200−2がDC special cellを選択するステップと、を含む。
【0123】
或いは、DC special cellを選択するステップは、測定報告を受信したMeNB200−1が、当該受信した測定報告に基づいて、DC special cellの候補をSeNB200−2に通知するステップと、SeNB200−2が、通知された候補に基づいてDC special cellを選択するステップと、を含む。
【0124】
或いは、DC special cellを選択するステップは、測定報告を受信したMeNB200−1が、当該受信した測定報告に基づいて、DC special cellを選択するステップと、選択されたDC special cellをMeNB200−1からSeNB200−2に通知するステップと、を含む。
【0125】
第2実施形態では、DC special cellを選択するステップにおいて、SeNB200−2が管理している複数のセルのそれぞれの能力及び/又は負荷状況にさらに基づいてDC special cellを選択してもよい。
【0126】
第2実施形態に係る通信制御方法は、SeNB200−2が管理している複数のセルのそれぞれの能力及び/又は負荷状況に基づいて、測定報告の送信を制御する情報をMeNB200−1からUE100に送信するステップを有してもよい。
【0127】
第2実施形態に係る通信制御方法は、UE100から新たに送信された測定報告に基づいて、SeNB200−2が管理している複数のセルの中からDC special cellを再選択するステップをさらに有してもよい。
【0128】
(第2実施形態に係る動作)
(1)動作パターン1
第2実施形態の動作パターン1では、SeNB200−2がDC special cellを選択する。
図11は、第2実施形態の動作パターン1を示すシーケンス図である。UE100は、MeNB200−1とのRRC接続を確立した状態である。
【0129】
図11に示すように、ステップS201において、UE100は、UE100においてセル毎に求められた測定結果を含む測定報告をMeNB200−1に送信する。測定結果は、測定セルの識別情報と参照信号受信電力(RSRP)/参照信号受信品質(RSRQ)との組み合わせを含む。
【0130】
ステップS202において、測定報告を受信したMeNB200−1は、受信した測定報告に基づいて、SeNBリソースを使用することを決定する。
【0131】
ステップS203において、MeNB200−1は、SeNB追加要求(SeNB Addition)をSeNB200−2に送信する。
【0132】
ここで、MeNB200−1は、UE100から受信した測定報告をSeNB追加要求に含める。すなわち、MeNB200−1は、UE100から受信した測定報告をSeNB200−2に転送する。MeNB200−1は、UE100から受信した測定報告に含まれる測定結果のうち、SeNB200−2のセルについての測定結果を抽出してSeNB200−2に転送してもよい。
【0133】
或いは、MeNB200−1は、UE100から受信した測定報告に含まれる測定結果のうち、通信状態が良いSeNB200−2のセルを1つ又は複数抽出し、抽出したセルを候補セルとして当該候補セル(のリスト)をSeNB追加要求に含めてもよい。
【0134】
ステップS204において、SeNB追加要求を受信したSeNB200−2は、受信したSeNB追加要求に基づいて、UE100に対するリソース割り当てを承諾するか否かを判断する。UE100に対するリソース割り当てを承諾する場合、SeNB200−2は、SeNB追加要求に含まれる情報に基づいて、DC special cellを選択する。
【0135】
ステップS205において、SeNB200−2は、新たな無線リソース設定(例えば、DC special cellの設定、ランダムアクセスプリアンブル設定)を提供するSeNB追加指令をMeNB200−1に送信する。
【0136】
(2)動作パターン2
第2実施形態の動作パターン2では、MeNB200−1がDC special cellを選択する。
図12は、第2実施形態の動作パターン2を示すシーケンス図である。UE100は、MeNB200−1とのRRC接続を確立した状態である。
【0137】
図12に示すように、ステップS231において、SeNB200−2は、SeNB200−2の各セルの負荷レベルを示す情報をMeNB200−1に送信する。
【0138】
ステップS232において、SeNB200−2は、SeNB200−2の各セルのクラスを示す情報をMeNB200−1に送信する。セルのクラス(種別)の詳細については第3実施形態で説明する。
【0139】
なお、ステップS231及びS232は何れか一方のみであってもよい。
【0140】
ステップS233において、MeNB200−1は、SeNB200−2のセルの中から、UE100の測定の対象とするセルを選択する。MeNB200−1は、SeNB200−2から受信した情報に基づいて、SeNB200−2のセルの中から、負荷レベルが低いセル、DC special cellとして動作する能力を有するセルを測定対象セルとして選択してもよい。
【0141】
ステップS234において、MeNB200−1は、測定対象セルの測定を設定するための測定設定(Measurement Config.)をUE100に送信する。測定設定を受信したUE100は、受信した測定設定に基づいて、SeNB200−2の各セルに対する測定を行う。
【0142】
ステップS235において、UE100は、測定結果を含む測定報告をMeNB200−1に送信する。
【0143】
なお、ステップS231乃至S235の手順は、上述した動作パターン1にも適用可能である。
【0144】
ステップS236において、測定報告を受信したMeNB200−1は、受信した測定報告に基づいて、SeNBリソースを使用することを決定する。また、MeNB200−1は、UE100から受信した測定報告に含まれる測定結果のうち、通信状態が良いSeNB200−2のセルをDC special cellとして選択する。
【0145】
ステップS237において、MeNB200−1は、SeNB追加要求(SeNB Addition)をSeNB200−2に送信する。ここで、MeNB200−1は、選択したDC special cellの情報をSeNB追加要求に含める。
【0146】
ステップS238において、SeNB追加要求を受信したSeNB200−2は、受信したSeNB追加要求に基づいて、UE100に対するリソース割り当てを承諾するか否かを判断する。UE100に対するリソース割り当てを承諾する場合、SeNB200−2は、SeNB追加要求に含まれるDC special cellの情報に基づいて、DC special cellを設定する。
【0147】
ステップS239において、SeNB200−2は、新たな無線リソース設定(例えば、DC special cellの設定、ランダムアクセスプリアンブル設定)を提供するSeNB追加指令をMeNB200−1に送信する。
【0148】
ステップS240において、SeNB追加指令を受信したMeNB200−1は、RRC再設定メッセージをUE100に送信する。ここで、MeNB200−1は、上述した特殊な測定設定(Measurement Config.)を解除し、新たな測定設定を行ってもよい。
【0149】
(3)動作パターン3
第2実施形態の動作パターン3では、MeNB200−1又はSeNB200−2がDC special cellを選択した後、UE100から新たに送信された測定報告に基づいてDC special cellを再選択する。
【0150】
図13は、第2実施形態の動作パターン3を示すシーケンス図である。UE100は、MeNB200−1とのRRC接続を確立した状態である。
【0151】
ステップS251において、MeNB200−1は、測定対象セルの測定を設定するための測定設定(Measurement Config.)をUE100に送信する。測定設定を受信したUE100は、受信した測定設定に基づいて、SeNB200−2の各セルに対する測定を行う。
【0152】
ステップS252において、UE100は、測定結果を含む測定報告1をMeNB200−1に送信する。
【0153】
ステップS253において、測定報告1を受信したMeNB200−1は、受信した測定報告1に基づいて、SeNBリソースを使用することを決定する。また、MeNB200−1は、UE100から受信した測定報告1に含まれる測定結果のうち、通信状態が良いSeNB200−2のセルをDC special cell1として選択する。
【0154】
ステップS254において、MeNB200−1は、SeNB追加要求(SeNB Addition)をSeNB200−2に送信する。ここで、MeNB200−1は、選択したDC special cell1の情報をSeNB追加要求に含める。
【0155】
ステップS255において、SeNB追加要求を受信したSeNB200−2は、受信したSeNB追加要求に基づいて、UE100に対するリソース割り当てを承諾するか否かを判断する。UE100に対するリソース割り当てを承諾する場合、SeNB200−2は、SeNB追加要求に含まれるDC special cell1の情報に基づいて、DC special cell1を設定する。
【0156】
ステップS256において、SeNB200−2は、新たな無線リソース設定(例えば、DC special cellの設定、ランダムアクセスプリアンブル設定)を提供するSeNB追加指令をMeNB200−1に送信する。
【0157】
ステップS257において、UE100は、測定結果を含む測定報告2をMeNB200−1に送信する。
【0158】
ステップS258において、測定報告2を受信したMeNB200−1は、受信した測定報告2に含まれる測定結果のうち、通信状態が良いSeNB200−2のセルをDC special cell2として選択する。そして、MeNB200−1は、前回選択したDC special cell1及び今回選択したDC special cell2について、何れがDC special cellとして最適であるかを判断し、DC special cellを再選択する。
【0159】
ステップS259において、MeNB200−1は、SeNB追加要求(SeNB Addition)をSeNB200−2に送信する。ここで、MeNB200−1は、選択したDC special cell及び他のセル(SCell)の情報をSeNB追加要求に含める。
【0160】
ステップS260において、SeNB追加要求を受信したSeNB200−2は、受信したSeNB追加要求に含まれるDC special cellの情報に基づいて、DC special cellを設定する。
【0161】
ステップS261において、SeNB200−2は、新たな無線リソース設定(例えば、DC special cellの設定、ランダムアクセスプリアンブル設定)を提供するSeNB追加指令をMeNB200−1に送信する。
【0162】
[第3実施形態]
以下において、第3実施形態について、第1実施形態及び第2実施形態との相違点を主として説明する。
【0163】
(第3実施形態に係る通信制御方法)
近年、以下に示すように、通常のバンド運用方法(例えば下りリンク・上りリンクペア構成)以外の特殊なバンド運用方法が検討されている。
【0164】
・Supplemental DL:下りリンク専用バンド
・Unlicensed band:免許が不要なバンドであり、主にベストエフォート型の通信に用いる
・Shared license band:一つの帯域に複数のオペレータが存在するバンドであり、主にベストエフォート型の通信に用いる
・White space:他社のライセンスバンドの空き時間・場所を再利用するバンドであり、主にベストエフォート型の通信に用いる
【0165】
このような特殊バンドは、SCellとして用いられる事を前提に考えられている。つまり、以下のような問題がある。
【0166】
・ハンドオーバ要求を行っても拒否される(PCellとならない)
・DC special cellに設定しようとしても拒否される
【0167】
そこで、第3実施形態では、以下の方法により、不必要な処理(reject)や、これに伴うRLF/HOF(Handover Failure)増加、QoE低下を回避する。
【0168】
第3実施形態に係る通信制御方法は、第1の基地局が管理している少なくとも1つのセルについて、UE100の物理上りリンク制御チャネルを設けるセル(PCell、DC special cell)として動作する能力を有するか否かを示すセル情報を、第1の基地局から第2の基地局に送信するステップを有する。第1の基地局は、SeNB200−2であってもよい。また、第2の基地局は、MeNB200−1であってもよい。
【0169】
第3実施形態では、セル情報を送信するステップにおいて、第1の基地局は、当該第1の基地局の設定の更新に関する設定更新メッセージにセル情報を含めて送信する。
【0170】
第3実施形態では、セル情報を送信するステップにおいて、第1の基地局は、第2の基地局からの要求に対する否定応答を送信する際に、該否定応答にセル情報を含める。
【0171】
(第3実施形態に係る動作シーケンス)
図14は、第3実施形態に係る動作シーケンス図である。
【0172】
図14に示すように、ステップS300において、eNB1は、eNB1が管理している少なくとも1つのセルについて、UE100の物理上りリンク制御チャネルを設けるセル(PCell、DC special cell)として動作する能力を有するか否かを示すセル情報をeNB2に送信する。
【0173】
表1に示すように、セル情報(HO possible)は、eNBの設定の更新に関するeNB Configuration Updateメッセージ、又はX2インターフェイスを確立するためのX2 setupメッセージにおけるServed Cell Informationに含めてもよい。
【0175】
或いは、表2に示すように、セル情報(HO possible)は、ハンドオーバ要求に対する否定応答であるHO Preparation Failure、又はSeNB Addition/Modificationに対する否定応答であるSeNB Addition/Modification failureにおけるCauseに含めてもよい。当該Causeを受信したeNB2は、該当するセルがPCell・DC special cellとして動作する能力を有しないことを記憶する。
【0177】
[第4実施形態]
以下において、第4実施形態について、第1実施形態乃至第3実施形態との相違点を主として説明する。第4実施形態は第2実施形態の変更例に関する実施形態であるため、第2実施形態との相違点を主として説明する。
【0178】
(第4実施形態に係る通信制御方法)
上述した第2実施形態では、SCGにおける無線リンク障害(RLF)であるS−RLFについて特に触れなかった。第4実施形態では、S−RLF発生時の動作について主として説明する。
【0179】
第4実施形態では、UE100は、SCGのうちDC special cellに関するRLFを検知する。UE100は、SCGに複数のセルが含まれる場合でも、当該複数のセルのうちDC special cellのRLFのみを検知する。上述したように、DC special cellは、SCGのうち、UE100のPUCCHを設ける特別なセルである。DC special cellは、キャリアアグリゲーションにおけるプライマリセル(PCell)の機能の一部を遂行する。DC special cellは、プライマリ・セカンダリセル(PSCell)と称されてもよい。また、SCGのうちDC special cell以外のセルはセカンダリセル(SCell)と称されてもよい。
【0180】
UE100は、DC special cellのRLFを検知した場合、S−RLFを通知する障害通知をMeNB200−1に送信する。以下において、このような障害通知を「S−RLF indication」と称する。ここで、S−RLF indicationを送信した後のUE100の動作としては、以下の2通りの動作案が考えられる。第1の動作案は、UE100がSeNB200−2に属する全てのセカンダリセル(すなわち、SCG)を解放する動作である。第2の動作案は、UE100がMeNB200−1からのRRC再設定メッセージ(RRCConnectionReconfigurationメッセージ)を待ち、RRC再設定メッセージの内容に従う動作である。
【0181】
しかしながら、第1の動作案には、次のような問題がある。DC special cellにRLFが発生した場合でも、DC special cell以外のセカンダリセルの通信状態が良好であることが想定され得る。しかしながら、SeNB200−2に属する全てのセカンダリセル(SCG)を解放することが最適ではない可能性がある。
【0182】
第2の動作案には、次のような問題がある。第2の動作案では、UE100がSeNB200−2に属する全てのセカンダリセル(SCG)を解放するべきか、それとも他のセカンダリセルを用いて通信を再開すべきかをMeNB200−1が判断することが前提になる。しかしながら、MeNB200−1は、その判断を適切に行うための情報を有していない。
【0183】
そこで、第4実施形態では、UE100は、例えばS−RLF indicationに最新の測定結果又はそれに相当する情報を含める。MeNB200−1は、その情報をSeNB200−2に転送し、SeNB200−2にDC special cellを交換すべきか、それともSCGを解放すべきかを検討してもらう。その結果を受けて、MeNB200−1は、UE100の動作を決定し、UE100に指示する。
【0184】
第4実施形態に係る通信制御方法は、二重接続方式をサポートする移動通信システムにおいて、MeNB200−1とのRRC接続を確立するとともに、SeNB200−2から追加的な無線リソースが提供されるUE100における方法である。UE100のPUCCHが設定されるDC special cellを含むSCGが、SeNB200−2により管理されている。通信制御方法は、DC special cellにおけるS−RLFを検知するステップと、DC special cellにおけるS−RLFを検知した場合、SCGのうちDC special cell以外のセルに対する第1の測定結果をMeNB200−1に送信するステップと、を有する。これにより、MeNB200−1は、SeNB200−2に属する全てのセカンダリセル(SCG)を解放するべきか、それとも他のセカンダリセルを用いて通信を再開すべきかを判断するための情報を得ることができる。第1の測定結果は、複数のセルに対応する複数の測定結果を含んでもよい。
【0185】
第4実施形態では、UE100は、DC special cellにおけるS−RLFを検知した場合、DC special cellに対する第2の測定結果をMeNB200−1にさらに送信してもよい。これにより、MeNB200−1は、S−RLFの詳細について把握できる。
【0186】
第4実施形態の動作パターン1では、UE100は、DC special cellにおけるS−RLFを検知した場合、S−RLFを通知するS−RLF indicationをMeNB200−1に送信する。第1の測定結果及び第2の測定結果は、S−RLF indicationに含まれている。
【0187】
第4実施形態の動作パターン2では、UE100は、MeNB200−1から指定されたイベントが発生した場合、イベントトリガ型の測定報告をMeNB200−1に送信する。当該イベントは、DC special cellにおけるS−RLFを検知したことである。第1の測定結果及び第2の測定結果は、イベントトリガ型の測定報告に含まれている。
【0188】
このような動作パターン1又は2によれば、MeNB200−1は、S−RLFが発生したことを把握するとともに、SCGのセル毎の無線状況を把握できる。なお、S−RLF indication又はイベントトリガ型の測定報告により、DC special cellの無線状況を推定可能である。よって、第2の測定結果は、必ずしもS−RLF indication又はイベントトリガ型の測定報告に含まれていなくてもよい。
【0189】
第4実施形態に係る通信制御方法は、UE100に追加的な無線リソースを提供するSeNB200−2と共に二重接続方式の通信を行っており、UE100とのRRC接続を確立するMeNB200−1における方法である。通信制御方法は、S−RLFを通知するS−RLF indicationと、SCGのうちDC special cell以外のセルに対する第1の測定結果と、をUE100から受信するステップと、S−RLF indicationの受信に応じて、DC special cellの交代を要求するための交代要求を、第1の測定結果と共にSeNB200−2に送信するステップと、を有する。これにより、SeNB200−2は、DC special cellの交代が可能か否かを適切に判断できる。
【0190】
MeNB200−1は、DC special cellに対する第2の測定結果をUE100からさらに受信してもよい。MeNB200−1は、交代要求を、第1の測定結果及び第2の測定結果と共にSeNB200−2に送信してもよい。ここで、SeNB200−2は、S−RLFがUE100で検出されたことに気付いていないことがあり得る。よって、第2の測定結果をSeNB200−2に送信することにより、SeNB200−2がS−RLFの発生を適切に推定できる。
【0191】
第4実施形態に係る通信制御方法は、UE100とのRRC接続を確立するMeNB200−1と共に二重接続方式の通信を行っており、UE100に追加的な無線リソースを提供するSeNB200−2における方法である。通信制御方法は、DC special cellの交代を要求するための交代要求を、SCGのうちDC special cell以外のセルに対する第1の測定結果と共にMeNB200−1から受信するステップと、交代要求の受信に応じて、DC special cellを他のセルと交代するか否かの判断を第1の測定結果に基づいて行うステップと、判断の結果をMeNB200−1に通知するステップと、を有する。これにより、MeNB200−1は、SeNB200−2においてDC special cellの交換が可能か否かを把握できる。
【0192】
SeNB200−2は、DC special cellに対する第2の測定結果を第1の測定結果と共にMeNB200−1から受信してもよい。SeNB200−2は、第1の測定結果及び第2の測定結果に基づいて判断を行ってもよい。
【0193】
SeNB200−2は、他のセルの中から新たなDC special cellを選択した場合、新たなDC special cellをMeNB200−1に通知する。SeNB200−2は、他のセルの中に新たなDC special cellとして適切なセルが存在しない場合、SCGを解放することをMeNB200−1に通知する。
【0194】
(第4実施形態に係る動作シーケンス)
以下において、第4実施形態に係る動作シーケンスの例について説明する。
【0195】
(1)動作パターン1
第4実施形態の動作パターン1では、第1の測定結果及び第2の測定結果がS−RLF indicationに含まれる。
図15は、第4実施形態の動作パターン1を示すシーケンス図である。
【0196】
本シーケンスの初期状態において、二重接続方式の通信が行われている。UE100は、DC special cellについて無線リンク監視(RLM)を行う。また、UE100は、MeNB200−1からの測定設定(Measurement Config.)に基づいて、SCGについてセルごとに測定(RSRP測定、RSRQ測定)を行う。
【0197】
図15に示すように、ステップS401において、UE100は、S−RLFを検知する。UE100は、S−RLFの検知に応じて、SCGへの上りリンク送信を停止してもよい。また、UE100は、S−RLFの検知に応じて、SCGについてのPDCCHの監視を停止してもよい。
【0198】
ステップS402において、UE100は、S−RLFを通知するS−RLF indicationをMeNB200−1に送信する。UE100は、SCGについての測定結果(第1の測定結果及び第2の測定結果)をS−RLF indicationに含める。S−RLF indicationには、S−RLFの種類を示す情報がさらに含まれてもよい。そして、UE100は、SCGとの接続を再開することなく、MeNB200−1からの指示を待つ。MeNB200−1は、第1の測定結果及び第2の測定結果を含むS−RLF indicationをUE100から受信する。
【0199】
ステップS403において、MeNB200−1は、S−RLF indicationの受信に応じて、DC special cellの交代を要求するための交代要求をSeNB200−2に送信する。ここでは、交代要求が、新たなX2メッセージであるSCG−ConfigInfo又はその情報要素である一例を説明する。SCG−ConfigInfoは、SCGについての測定結果(第1の測定結果及び第2の測定結果)を含む。
【0200】
SeNB200−2は、第1の測定結果及び第2の測定結果を含むSCG−ConfigInfo(交代要求)をMeNB200−1から受信する。SeNB200−2は、SCG−ConfigInfo(交代要求)の受信に応じて、DC special cellを他のセカンダリセルと交代するか否かの判断を行う。例えば、SeNB200−2は、第1の測定結果を閾値と比較し、閾値よりも良好な第1の測定結果に対応するセルを新たなDC special cellの候補とする。或いは、SeNB200−2は、第1の測定結果を第2の測定結果と比較し、第2の測定結果よりも良好な第1の測定結果に対応するセルを新たなDC special cellの候補とする。そして、それらの候補の中から、セル負荷状況等も考慮して新たなDC special cellを選択する。また、SeNB200−2は、新たなDC special cellとして適切な候補が存在しない場合に、全てのセカンダリセル(SCG)を解放すると判断してもよい。
【0201】
ステップS404において、SeNB200−2は、自身の判断結果をMeNB200−1に通知する。ここでは、当該通知が、新たなX2メッセージであるSCG−Configuration又はその情報要素である一例を説明する。MeNB200−1は、SCG−Configuration(判断結果)を受信する。
【0202】
ステップS405において、MeNB200−1は、SCG−Configuration(判断結果)に基づいて、SCG設定の更新に関するRRC再設定メッセージ(RRCConnectionReconfigurationメッセージ)をUE100に送信する。RRC再設定メッセージは、新たなDC special cellを指定する情報を含む。或いは、RRC再設定メッセージは、SCGの解放を指定する情報を含んでもよい。
【0203】
UE100は、RRC再設定メッセージの受信に応じて、RRC再設定メッセージにより指定されるRRC再設定を適用する。但し、UE100は、RRC再設定メッセージにより指定されるRRC再設定の少なくとも一部を行うことができない場合、RRC再設定を拒否すると判断してもよい。ここでは、UE100が、RRC再設定メッセージにより指定されるRRC再設定を行うことができると仮定して、説明を進める。
【0204】
ステップS406において、UE100は、RRC再設定完了メッセージ(RRCConnectionReconfigurationComplete)をMeNB200−1に送信する。
【0205】
ステップS407において、MeNB200−1は、SCG−Configuration(判断結果)に対する肯定応答メッセージ(Inter eNB RRC message)をSeNB200−2に送信する。
【0206】
(2)動作パターン2
第4実施形態の動作パターン2について、動作パターン1との相違点を説明する。第4実施形態の動作パターン2では、第1の測定結果及び第2の測定結果がイベントトリガ型の測定報告に含まれる。
図16は、第4実施形態の動作パターン2を示すシーケンス図である。
【0207】
本シーケンスの初期状態において、二重接続方式の通信が行われている。UE100は、DC special cellについて無線リンク監視(RLM)を行う。
【0208】
図16に示すように、ステップS411において、MeNB200−1は、イベントトリガ型の測定報告を設定するための測定設定(Measurement Config.)をUE100に送信する。測定設定は、トリガとなるイベントを指定する情報を含む。指定されるイベントは、DC special cellにおけるS−RLFを検知したというイベントである。UE100は、測定設定に基づいて、SCGについてセルごとに測定(RSRP測定、RSRQ測定)を行う。
【0209】
ステップS412において、UE100は、S−RLFを検知する。
【0210】
ステップS413において、UE100は、S−RLFを通知するS−RLF indicationをMeNB200−1に送信する。S−RLF indicationには、S−RLFの種類を示す情報が含まれてもよい。
【0211】
また、ステップS414において、UE100は、指定されたイベントが満たされたことに応じて、イベントトリガ型の測定報告(Measurement Report)をMeNB200−1に送信する。UE100は、SCGについての測定結果(第1の測定結果及び第2の測定結果)を測定報告に含める。ステップS413及びステップS414は、同時に行われてもよい。そして、UE100は、SCGとの接続を再開することなく、MeNB200−1からの指示を待つ。MeNB200−1は、S−RLF indication、及び、第1の測定結果及び第2の測定結果を含む測定報告をUE100から受信する。
【0212】
ステップS415において、MeNB200−1は、S−RLF indicationの受信に応じて、DC special cellの交代を要求するための交代要求をSeNB200−2に送信する。ここでは、交代要求が、新たなX2メッセージであるSCG−ConfigInfo又はその情報要素である一例を説明する。SCG−ConfigInfoは、SCGについての測定結果(第1の測定結果及び第2の測定結果)を含む。その後の動作(ステップS416乃至S419)については、動作パターン1と同様である。
【0213】
[その他の実施形態]
上述した第1実施形態乃至第4実施形態は、別個独立に実施するのではなく、2以上の実施形態を組み合わせて実施することが好ましい。
【0214】
上述した第2実施形態では、測定報告に基づいてDC special cellを選択又は再選択する例を主として説明した。しかしながら、第2実施形態は、測定報告に基づいて、DC special cellを含む複数のセルからなるSCGを選択又は再選択する例を含むことは勿論である。また、第2実施形態は、測定報告に基づいて、DC special cell以外のSCGセルを選択又は再選択する例を含むことは勿論である。
【0215】
上述した第3実施形態は、二重接続方式に限らず、通常のハンドオーバにも適用することができる。
【0216】
上述した第4実施形態では、UE100が、S−RLFを検知した場合、SCGのうちDC special cell以外のセルに対する第1の測定結果をMeNB200−1に送信する一例を説明した。しかしながら、第1の測定結果は、SeNB200−2のセルのうちSCGに含まれないセル(UE100の非サービングセル)の測定結果をさらに含んでもよい。つまり、第1の測定結果は、DC special cellの周波数とは異なる周波数を有するセルについての測定結果であればよい。
【0217】
また、上述した第4実施形態では、SeNB200−2が、SCG−ConfigInfo(交代要求)の受信に応じて、SCGに含まれるセカンダリセルの中から新たなDC special cellを選択する一例を説明した。しかしながら、SeNB200−2は、SCGに含まれない自セル(UE100の非サービングセル)の中から新たなDC special cellを選択してもよい。
【0218】
上述した実施形態では、移動通信システムの一例としてLTEシステムを説明したが、LTEシステムに限定されるものではなく、LTEシステム以外のシステムに本発明を適用してもよい。
【0219】
[付記1]
(1)導入
S−RLFを検出すると、UEは、MeNBに対してS−RLFの原因(RLM、 RA又はRLC異常)を報告し、SCGでのUL送信及びPDCCHの監視を中止しなければならない。UEからS−RLFを受信すると、MeNBは、SCGの解放又は同じSCG内でUEの運用を再開することによって、UEを再設定するという選択肢を有する。しかしながら、MeNBは、S−RLFの原因のみでは、適切な決定を行うこができるかどうかが不明である。
【0220】
この付記では、UEがS−RLF報告に最新の測定結果を含めるべきかについても考察する。
【0221】
(2)考察
以下の内容が合意されている。
【0222】
1.UEは、L1非同期の検出を目的として特別なSCell(S−RLM)の無線リンク監視を実行すべきである。S−RLMの仕様は、現在のRLMの仕様をできる限り再利用すべきである。
【0223】
1a.UEは、(RLM、RA又はRLCによりトリガされ、)MeNBにS−RLFを報告し、満たされたトリガを示すべきである。
【0224】
1b.UEは、S−RLFの際にはSCGへのUL送信を中止すべきである。
【0225】
2.UEは、S−RLFを検出すると、SCGに関するPDCCHの監視をする必要ない。
【0226】
多くのケースにおいて、S−RLFが発生した場合、PSCell又はSCGさえも変更される必要があると説明されてきた。そして、S−RLFが検出された場合のUL送信の停止及びPDCCHの監視の停止とは対照的に、UEが、SCGに関連する全てのリソースを解放することによって、MCGに関するRLFと同じ振る舞いをすることがよりシンプルであろう。しかしながら、場合によっては、例えば、PSCellのみが悪化し、SCG内の他のSCellは十分に良好である場合、SCG内の全てのセルに関連するリソースを解放することが最良ではない。そのようなシナリオの例を
図17及び
図18に示す。
図17は、SCG内の他のセルは影響を受けない一方、同一周波数レイヤ上の隣接小セルからの干渉をトリガとするPSCellのS−RLFを示す。
図18は、SCG内の他のセルは影響を受けない一方で、同一周波数レイヤ上のMCGセルからの干渉をトリガとするPSCellのS−RLFを示す。
【0227】
両方のケースにおいて、SCG内の他のセルは影響を受けないにも関わらず、SCell(PSCell)の干渉のせいでS−RLFがUEによって検出される。MeNBは、同一のSeNBと二重接続動作を再開するためにUEを再設定するという選択肢を有する。同じSeNBへ新たな接続を確立するという不必要な複雑さを避けるために、UEは、S−RLFがトリガされた場合に、SCGに関連するリソースを解放すべきでない。
【0228】
・提案1:UEは、S−RLFがトリガされた場合に、SCGに関連する全てのリソースを解放すべきでない。
【0229】
S−RLFがトリガされた場合にUEがUL送信及びPDCCHの監視を中止したままであると仮定した場合、MeNBは、S−RLF状況を通知されたらすぐに、UEのためにSCGを解放する又は再開するという選択肢を有すべきである。しかしながら、MeNBがSCGを再開するか解放するかを決定するために、どのSCG内のセルがPSCellの候補になり得るかを知る必要があるだろう。MeNBは、S−RLFの原因(すなわち、RLF、RLM又はRACH異常)を単に知っても、適切な決定をするための十分な情報が与えられていない。MeNBによる適切な決定のために測定結果を知るべきである。
【0230】
・提案2:MeNBは、S−RLFの際にSCG内のサービングセルの測定結果が与えられるべきである。
【0231】
もし、提案2が合意可能である場合、MeNBがSCGの測定結果を取得するために2つの選択肢がある。
【0232】
1.既存のtimeToTrigger基準に基づく既存の測定報告メカニズムの再利用
【0233】
2.S−RLFをトリガとして、SCGセルから最新の測定結果をS−RLF報告内の内容の一部に含まなければならない。
【0234】
選択肢1では、SCGセルに関する適切な測定イベントをUEに設定することは、MeNB次第であり、S−RLFをできる限り防げるように最も適切なPSCellの選択においてSCell(SeNB)を補助するために、測定報告もSeNBと共有されるかどうかもまたMeNB次第である。測定及びイベントの報告は、timeToTriggerに基づくので、MeNBは、S−RLFのトリガに関連して最新の測定結果を知らないかもしれない。
【0235】
選択肢2では、SCGサービングセルの測定結果は、MeNBに送られるS−RLF報告の一部として含まれる。隣接セルからの測定も含める必要があるかどうかがさらに考察されてもよい。この選択肢では、S−RLFの原因に対応する最新の測定が、MeNBに報告される。これもまた、VarRLF−Reportの一部として測定のタイプを含むMCGに関する既存のRLF報告と一致している。
【0236】
上記比較に基づいて、選択肢2が、MeNBが適切な決定をするためにより良い利点をもたらす。
【0237】
・提案3:S−RLFによってトリガされたS−RLF報告に、SCGセルからの最新の測定結果がRLF含まれるべきである。
【0238】
現在の合意に従えば、SCellの追加又はSCGの確立をSeNBに要求する際に、MeNBは、SCGセルの最新の測定結果を与えることが許されている。S−RLFのケースにおいて、特に、MeNBが同じSCGでUEの運用を再開することを選択した場合、SeNBが最新の測定結果を取得することは有益である。しかしながら、これは、SCellの追加又は新たなSCGの確立というカテゴリに該当しない。従って、MeNBが、これらのS−RLF関連の測定結果をSeNBに与えることを許可することがさらに明確化される必要があるかもしれない。さらに、MeNBが同じSCGでUEの運用を再開することを選択した場合、MeNBがSeNBにS−RLFに関する原因を知らせることは有益な可能性がある。特に、UEにとって最も適切なPSCellの選択においてSeNBを補助するために、S−RLFの原因がPRACH又はRLM異常に起因するかどうかをS−RLFが知ることは有益な可能性がある。
【0239】
・提案4:S−RLFの際にMeNBが同じSCGでUEの運用を再開することを選択した場合、MeNBは、最新の測定報告とS−RLFの原因とをSeNBに与えることができる。
【0240】
(3)結論
この付記では、UEがS−RLFの際にMeNBに追加情報を与える必要性を考察した。MeNBは、UEのためにSCGが解放されるか再開されるかどうかを決定するためのエンティティであるべきであることが提案されている。MeNBの適切な決定を補助するために、S−RLFの際にMeNBに最新の測定結果が与えられるべきである。MeNBが同じSCGでUEの運用を再開することを選択した場合、MeNBがSeNBにS−RLFに関する原因と共に、測定報告を与えることは有益である。
【0241】
[付記2]
(1)導入
二重接続方式におけるX2APのCause値にはS1APで使用されている既存のCause値から借用されたものもある(例えばハンドオーバに使用されているものが挙げられる)。しかしながら、既存のCause値の再利用の必要性と新規のCause値追加の可能性に関しては更なる議論を要する。特に、Cause値の一つである「端末との無線接続喪失」(Radio Connection with UE Lost)はより一層の明確化が必要である。すでに議論された提案によれば、このCause値はSeNB解放メッセージ(SeNB Release message)にのみ適用可能だと考えられるが、MCG−RLFとSCG−RLFのどちらか一方、もしくはその両方に適用可能なのかどうかは不明瞭である。加えて、SCG−RLFの際にMeNBがSeNBを解放しないと決断した場合において、MeNB起因のSeNB修正準備手順(SeNB Modification preparation procedure)においてもこのCause値を適用するかどうかについて更なる検討を行うべきである。
この付記では、X2APにおいてどのように「端末との無線接続喪失」を扱うべきかについて考察する。
【0242】
(2)考察
(SeNB起因のSeNB解放)
「端末との無線接続喪失」は他の基地局にRLFを伝達するために用いられるCause値である。MeNBにSCG−RLFを伝達するために、SeNBはこのCause値をSeNB起因のSeNB解放要求に入れることができる。しかしながら疑問なのは、このCause値が本当に必要かどうかという点である。というのも、SCG−RLFが発生した際、ただちに端末はSCG異常報告をMeNBに送信するからである。加えて「SCGのサービングセルについての異常をMeNBに知らせるための手段を、SeNBに提供する必要性はない」という合意に過去に至っている。つまり少なくとも、ある合意事項の観点からすれば「端末との無線接続喪失」はSeNB起因のSeNB解放要求には必要ないといえる。
【0243】
・考察1: 端末がSCG−RLFの状態を既にMeNBに報告しているため「端末との無線接続喪失」はSeNB起因のSeNB解放要求には必要ない。
【0244】
(MeNB起因のSeNB解放)
MeNBはRLFの発生を認識した場合にSeNB解放要求を開始するかもしれない。しかしながら、RLFには2つの種類がある。すなわち、MCGについてのRLFとSCGについてのRLFである。SeNBはどちらのことかを判断できないかもしれない。ここで基本的な疑問として、このCause値がSeNB解放要求に必要かどうかという点も挙げられる。というのもSeNB解放要求を拒絶はできないからである。そうではなくて、もしもSeNBがCause値をパラメータの調整などに活用できるのであれば、そのCause値の種類は明確化すべきである。最小限の拡張として、「SeNBの端末との無線接続喪失」(SeNB Radio Connection with UE Lost)といった新しいCause値を導入することも可能である。
【0245】
・提案1: 「端末との無線接続喪失」がSeNB解放要求に必要かどうかを議論すべきである。もしSeNBにとって有益であるならば、RLFの種類は明確化されるべきである。
【0246】
(MeNB起因のSeNB修正準備)
今の仕様によれば、端末は最新の測定結果と共にSCG異常報告をMeNBに提供する。そのMeNBは、SeNBが解放されるべきかそれとも修正されるべきかの判断に、報告された測定結果を活用できる。測定報告に加えて、SCG異常報告はSCG−RLFの詳細原因も含んでいる。つまり、物理層の問題、ランダムアクセス異常、もしくはRLC異常である。これらの情報もMeNBの、SeNBが解放されるべきかそれとも修正されるべきかの判断に利用される。明らかに、MeNBが常にSeNBの解放を決定するという動作は期待されていない。それゆえに全てのSCGセルに関する測定報告が提供される必要性があるとされているのだ。
【0247】
勿論、SCGセルの測定報告において無線状態が貧弱であれば、MeNBはSeNB解放手順を利用してSeNBを解放することを決定できる。指示されたCause値に関わらずSeNBはSeNB解放要求を拒絶できない。
【0248】
しかしながら、もしも一つかそれ以上のSCGセルが良好な無線状態にあれば、MeNBはPSCellを交換するためにSeNB修正準備を開始するという選択肢もある。なぜならばPSCellの交換はSCG交換手順でのみ実行可能であり、SCG交換手順はSeNB修正に対応付けられているからだ。
【0249】
・考察2: 端末からのSCG異常報告のもと、PSCell交換のためにMeNBはSeNB修正を開始してよい。
【0250】
(SeNBに期待する動作)
端末からのSCG異常報告のもと、MeNBがSeNBを解放しないと決定したと仮定して、MeNBはSeNB修正準備手順を開始してよい。そのSeNB修正準備手順にはおそらく新しいPSCellの候補として新規SCGセルの追加要求が含まれる。しかしながらSeNB解放要求の場合とは異なり、SeNBはMeNB起因のSeNB修正準備要求を拒絶することが許可されている。この様な修正要求の理由を知らなければ、(つまりSCG−RLFが原因だと知らずに)SeNBは望ましくない誤った理由で修正要求を拒絶してしまうかもしれない。
【0251】
SeNBがSCG−RLFの発生を検知することが可能だとしても、その異常検知は端末からのフィードバック抜きには迅速なものではないかもしれない。まさにこれが、SCG−RLFの際にSCG異常報告が迅速にMeNBに送信される理由である。続いて、SeNBもこの異常についての同様の通知を、遅延なしに受信する機会が与えられてしかるべきである。
【0252】
更に言えば、MeNB起因のSeNB修正手順の一部としてMeNBがSeNBにMCG−RLFを通達する必要性がなく、SCG−RLF発生時にしかありえないので、この手順におけるCause値、すなわち「端末との無線接続喪失」の再利用が曖昧さをまねくことはない。
【0253】
・提案2:SCG−RLF発生時には、MeNB起因のSeNB修正準備手順にCause値、「端末との無線接続喪失」が含まれるべきである。
【0254】
(3)結論
この付記では、SeNB解放要求におけるCause値、「端末との無線接続喪失」の明確化の必要性について着目した。つまり、MCG−RLFの発生、SCG−RLFの発生、もしくはその両方においてこのCause値を適用すべきかどうかという点についてである。特に、この付記ではMeNB起因のSeNB修正準備手順においても同Cause値が再利用されるべきだという理由についても言及している。以下の考察と提案に至った。
【0255】
なお、日本国特許出願第2014−017980号(2014年1月31日出願)及び米国仮出願第62/034678号(2014年8月7日出願)の全内容が、参照により、本願明細書に組み込まれている。