特許第6042582号(P6042582)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6042582
(24)【登録日】2016年11月18日
(45)【発行日】2016年12月14日
(54)【発明の名称】補強エレメントを有する作動流体容器
(51)【国際特許分類】
   F02M 37/00 20060101AFI20161206BHJP
   B60K 15/03 20060101ALI20161206BHJP
【FI】
   F02M37/00 301J
   F02M37/00 301R
   B60K15/03 B
【請求項の数】9
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2016-516002(P2016-516002)
(86)(22)【出願日】2014年7月8日
(65)【公表番号】特表2016-531230(P2016-531230A)
(43)【公表日】2016年10月6日
(86)【国際出願番号】EP2014064595
(87)【国際公開番号】WO2015014581
(87)【国際公開日】20150205
【審査請求日】2016年2月29日
(31)【優先権主張番号】102013012687.8
(32)【優先日】2013年7月31日
(33)【優先権主張国】DE
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】598001467
【氏名又は名称】カウテックス テクストロン ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング ウント コンパニー コマンディートゲゼルシャフト
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100135633
【弁理士】
【氏名又は名称】二宮 浩康
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】クラウス ゲーベアト
(72)【発明者】
【氏名】ウルリヒ カーシュ
(72)【発明者】
【氏名】ブアクハート マークセン
【審査官】 沼生 泰伸
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−093408(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2011/0139128(US,A1)
【文献】 特表2011−512294(JP,A)
【文献】 特開2012−187754(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60K 15/03
B60K 15/073
F02M 37/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下の特徴を有する自動車用の熱可塑性材料から形成された作動流体容器(10)であって、
該作動流体容器(10)は、容器壁部(11)に配置されかつサラウンド(13)によって縁取られた容器開口(12)を有し、
前記作動流体容器(10)は、該作動流体容器(10)に配置され、かつ前記容器開口(12)とは反対側に配置された容器基部(14)に接続された、少なくとも1つの固定装置(15)を有し、
前記作動流体容器(10)は、さらに、前記容器開口(12)を閉鎖するための閉鎖エレメント(22)に接続可能および/または接続された、前記固定装置(15)に接続可能な、補強エレメント(20)を有し、
前記固定装置(15)によって前記容器基部(14)に、かつ閉鎖エレメント(22)によって前記容器壁部(11)に固定された前記補強エレメント(20)は、前記作動流体容器(10)の内部圧力によって生ぜしめられる変形に抵抗する、自動車用の熱可塑性材料から形成された作動流体容器(10)において、
該作動流体容器(10)は、さらに、容器基部(14)に接続された別の固定装置と、該別の固定装置によって前記容器基部(14)に接続可能および/または接続された流体搬送ユニット(16)とを有することを特徴とする、自動車用の熱可塑性材料から形成された作動流体容器(10)。
【請求項2】
少なくとも1つの流体ライン(23)および/または少なくとも1つの電気ラインが前記閉鎖エレメント(22)を通って案内されている、請求項1記載の作動流体容器(10)。
【請求項3】
前記補強エレメント(20)は、管状の構成を有する、請求項1または2記載の作動流体容器(10)。
【請求項4】
前記補強エレメント(20)は、該補強エレメント(20)の軸方向長手方向範囲に沿って凹所(21)を有する、請求項1から3までのいずれか1項記載の作動流体容器(10)。
【請求項5】
前記補強エレメント(20)内に充填レベルセンサ(30)が配置されている、請求項1から4までのいずれか1項記載の作動流体容器(10)。
【請求項6】
前記作動流体容器(10)は、前記固定装置(15)を有するベースプレート(15)を有する、請求項1から5までのいずれか1項記載の作動流体容器(10)。
【請求項7】
前記ベースプレート(15)は、さらに、前記別の固定装置を有する、請求項6記載の作動流体容器(10)。
【請求項8】
前記固定装置(15)は、前記容器基部(14)に溶接されている、請求項1から7までのいずれか1項記載の作動流体容器(10)。
【請求項9】
前記固定装置(15)は、前記容器基部(14)にリベット留めされている、請求項1から8までのいずれか1項記載の作動流体容器(10)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車用の熱可塑性材料から形成された作動流体容器に関する。
【0002】
さらに、本発明は、自動車用の熱可塑性材料から形成された作動流体容器(10)を製造する方法に関する。
【0003】
さらに、本発明は、サラウンド(包囲枠)によって縁取られた容器開口を有する作動流体容器に補強エレメントを取り付ける方法に関する。
【0004】
内燃機関を有する自動車の場合、作動流体容器、特に燃料容器に熱が加えられると、作動流体、例えば燃料も同様に加熱され、作動流体の蒸気圧力が高まり、作動流体容器に対応する内部圧力が生じる。特に燃料容器の形式の作動流体容器の剛性は、検査開口の領域において低下している。上述のように圧力が加えられた結果、燃料容器は結果的に検査開口の領域においてより大きな変形を生じる。
【0005】
燃料容器の形式の作動流体容器のガス抜きのために、燃料容器は、燃料蒸気をろ過するための活性炭フィルタに流体通流可能に接続されている。内燃機関の作動中、活性炭フィルタは吸気によってフラッシングされ、これにより、活性炭フィルタに結合した燃料蒸気を内燃機関へ供給することができる。活性炭フィルタの吸収能力は、吸気を使用するフラッシングプロセスにより、制限される可能性がある。
【0006】
ハイブリッド自動車の場合、さらに、内燃機関の作動時間が短くなることによって生じる別の問題が存在する。内燃機関の作動時間が短くなることにより、燃料容器に流体通流可能に接続された活性炭フィルタになされるフラッシングが対応して少なくなり、したがって、流し去ることができる活性炭フィルタに結合された燃料蒸気が少なくなることも事実である。これは、ひいては、ハイブリッド自動車用の活性炭フィルタがより大きな寸法を有さなければならないという効果をもたらす。さらに、活性炭フィルタを介した燃料容器のガス抜きにより、より多くの燃料が蒸気相に変換され、したがって、より剛性かつ/またはより耐圧性になるように燃料容器を設計することが有利である。
【0007】
燃料容器内のコイルおよび/または補強エレメントを使用して燃料容器を補強することが従来技術より公知である。しかしながら、コイル式の燃料容器は、製造が複雑であり、ひいてはコストが高い。さらに、有効にコイル可能なジオメトリは、設計における構成自由度、ひいては、利用可能な体積を制限する。
US2011/0139128A1には、流体搬送ユニットが配置されており、流体搬送ユニットは補強エレメントに固定されている、補強エレメントを有する作動流体容器が記載されている。補強エレメントは、固定装置によってタンクの1つの底壁に接続されている。したがって、流体搬送装置の位置決めは、補強エレメントの位置決めによって制約されている。さらに、流体搬送ユニットは補強エレメント内に挿入されるので、補強エレメントは所定の直径を有さなければならず、これにより、補強エレメントを傾けてタンクに挿入しなければならないため、タンク内への補強エレメントの挿入がかなり複雑である。
US2009/0206097A1は、燃料タンク内に少なくとも1つの補強エレメントを有し、補強エレメントは、燃料タンクの内部圧力によって生ぜしめられる変形に抵抗するように、2つの反対側のタンク壁部の間に延びている、自動車用の熱可塑性燃料タンクを開示している。補強エレメントの2つの端部は、燃料タンク内に配置されており、外側からタンク壁部の背後に係合している。
WO2012/139962A1は、2つの反対側の壁部分と、これらの2つの壁部分を接続する少なくとも1つの補強エレメントとを有する燃料タンクを開示している。補強エレメントは、2つの端部セクションと接続されたピラーを有しており、このピラーを介して補強エレメントは燃料タンクの反対側の壁部分に接続されている。これにより、補強エレメントの2つの端部セクションはタンク壁部の内面に溶接される。
EP2497622A2には、組込み型の構成部材を中空容器内に締め付けるための構造および方法が記載されている。組込み型の構成部材、例えば導管は、第1の支持部材および第2の支持部材によって締め付けられ、第1の支持部材は、容器の第1の半分の内壁面に固定され、第2の支持部材は、容器の第2の半分の内壁面に固定される。これにより、第1および第2の支持部材は、フック部分が形成された底面を有する。フック部分は、溶融したパリソンの材料を流入させるために設けられている。これにより、パリソンと支持部材との凹凸のはめあいによる接続が実現される。
【0008】
本発明が基づく課題は、従来の作動流体容器の前記欠点を有さない改良された作動流体容器を提供することである。
【0009】
この課題は、請求項1に示された特徴を有する作動流体容器によって達成される。有利な構成は、請求項1に従属する請求項に記載されている。
【0010】
さらに、本発明は、サラウンドによって縁取られた容器開口を有する作動流体容器に補強エレメントを取り付ける方法を提供するという課題に基づく。
【0011】
この課題は、請求項11に示された特徴を有する方法によって達成される。
【0012】
本発明による作動流体容器は、容器壁部に配置され、かつサラウンドによって縁取られた容器開口を有する。さらに、作動流体容器は、作動流体容器内に配置された、容器開口とは反対側に配置された容器基部に接続された少なくとも1つの固定装置を有する。さらに、作動流体容器は、さらに、容器開口を閉鎖するための閉鎖エレメントに接続可能および/または接続されており、かつ固定装置に接続可能な、補強エレメントを有する。この場合、固定装置によって容器基部に、かつ閉鎖エレメントによって容器壁部に固定された補強エレメントは、作動流体容器の内部圧力によって生じる変形に抵抗する。
【0013】
補強エレメントは、支持エレメントまたはタイロッドと呼ぶこともできる。容器壁部は、タンク上側シェルと呼ぶこともでき、容器基部は、タンク基部と呼ぶこともできる。補強エレメントと固定装置との接続、および閉鎖エレメントと容器壁部との接続は、それぞれの場合において、螺合、バヨネット接続、差込み接続、スナップばめ接続、クランプ接続またはラッチ接続の形式であることができる。
【0014】
本発明による作動流体容器は、その結果、容器開口の領域、特に検査開口の領域における剛性が高められ、したがって、内部から圧力が加えられるにもかかわらず検査開口の領域においてさえも作動流体容器の寸法安定性が保証される。その結果、作動流体容器が変形することなく作動流体容器に比較的高い内部圧力を生じさせることができる。その結果、作動流体容器、特に燃料容器の形式の作動流体容器のガス抜きのためのプロセスをひいては減じることができる。特にハイブリッド車両の場合、ガス抜きプロセスは、車両が電気モータによって駆動されているときには回避することができ、自動車が内燃機関によって駆動されている作動時間のために予定することができる。作動流体容器のガス抜きのためのプロセスが減じられることにより、作動流体容器に流体通流可能に接続された活性炭フィルタは、より小さな構成を有することができる。なぜならば、活性炭フィルタは、より少ない量の燃料蒸気のために寸法決めすることができるからである。より少ない回数のガス抜きプロセスにより、燃料容器内にはより高い蒸気圧力が残留し、したがって、ガス抜きプロセスの間により多くの燃料が不必要に蒸気相に変化することはない。
【0015】
燃料容器の形式で対応して形成された作動流体容器は、特に、ハイブリッド自動車に適している。なぜならば、ハイブリッド自動車の場合、燃料容器に流体通流可能に接続された活性炭フィルタは、内燃機関の作動時間が短いことにより、より少ない程度に吸気によってフラッシングされるからである。本発明による燃料容器は比較的高い内部圧力に耐えることができるので、既に上述したように、従来技術より公知の燃料容器の場合ほど頻繁に燃料容器のガス抜きが行われなくてもよいというのは事実である。したがって、活性炭フィルタの吸収能力、ひいては体積、したがってサイズを減じることができる。
【0016】
少なくとも1つの流体ラインおよび/または少なくとも1つの電気ラインが閉鎖エレメントを通って案内されることが好ましい。
【0017】
これは、作動流体容器の剛性を高めることができるように、補強エレメントを備えない作動流体容器を、閉鎖エレメントに接続されたまたは接続可能な補強エレメントによって交換することができるという利点を有する。
【0018】
補強エレメントは管状の構成を有することが好ましい。管状の構成の補強エレメントは、特に単純であり、その結果、安価に製造される。
【0019】
補強エレメントは、補強エレメントの軸方向長手方向範囲に沿って長手方向凹所を有することが好ましい。
【0020】
この点で、容器基部と容器壁部との間の最大の伝達可能な引張力は、スロットと呼ぶこともできる長手方向凹所の数と、スロットの幅方向範囲とによって設定することができる。したがって、所定の破断箇所を目標の形式で補強エレメントに提供することができ、これは、特に作動流体容器の衝突挙動に対して望ましい効果を与える。長手方向凹所の長さは、伝達可能な引張応力と、補強エレメントのせん断剛性との比を設定するために利用することができる。最大ウェブ幅または最大ウェブ長さは、この点で、負圧荷重下での座屈によって制限される。作動流体容器内の負圧は、例えば、周囲の温度の低下または作動流体の搬送によって生ぜしめる可能性がある。
【0021】
長手方向凹所は、さらに、作動流体容器の体積を最適に利用することができるように、補強エレメントの中空空間を満たすために機能することができる。択一的におよび/または長手方向凹所に加えて、補強エレメントにその他の開口を設けることもできる。
【0022】
さらに、1つまたは複数の所定の破断箇所は、異なる形式で実現することができる。例えば、補強エレメントの壁厚を所望の位置において減じることができる。補強エレメントの周方向に小孔を提供することもでき、前記小孔は、この位置における耐引張荷重能力を低下させる。
【0023】
補強エレメント内に充填レベルセンサが配置されていることが好ましい。この充填レベルセンサは、例えば、超音波によって、容量式に浸漬管としてまたはレバータイプセンサによって実現することができる。対応して形成された作動流体容器は、最適には、剛性が高まるにもかかわらず、利用可能な体積を利用する。
【0024】
作動流体容器は、さらに、容器基部に接続された別の固定装置と、この別の固定装置によって容器基部に接続可能および/または接続された流体搬送ユニットとを有することが好ましい。
【0025】
作動流体容器はベースプレートを有し、ベースプレート自体は固定装置を有することが好ましい。対応して形成された作動流体容器は、特に単純に製造される。なぜならば、ベースプレートを、従来技術より公知の接続技術を用いて容器基部に接続することができるからである。例えば、ベースプレートを容器基部に溶接することができる。択一的に、ベースプレートを、リベット接続によって容器基部に接続することができる。例えば、ベースプレートに開口を設けることができ、この開口を通って、まだ温かいプラスチックプリフォームにベースプレートが押し付けられたときに容器基部の温かいプラスチック材料が入り込み、これにより、この固化した材料がリベット接続部を形成する。
【0026】
さらに、本発明が基づく課題は、作動流体容器に補強エレメントを取り付ける方法であって、作動流体容器はサラウンドによって縁取られた容器開口を有する、方法によって達成される。ここで、方法は、以下の方法ステップ、すなわち、
固定装置を容器開口を通じて作動流体容器内へ挿入するステップと、
固定装置を、容器開口とは反対側に位置する容器基部に接続するステップと、
補強エレメントを容器開口通じて作動流体容器内へ挿入するステップと、
補強エレメントを閉鎖エレメントによって固定装置と容器壁部とに接続するステップと、を含む。
【0027】
最後に、本発明が基づく課題は、作動流体容器に補強エレメントを取り付ける方法であって、作動流体容器はサラウンドによって縁取られた容器開口と、容器基部に接続されかつ容器開口とは反対側に位置する固定装置とを有する、方法によっても達成される。ここで、方法は、以下の方法ステップ、すなわち、
補強エレメントを容器開口を通じて作動流体容器内へ挿入するステップと、
補強エレメントを閉鎖エレメントによって固定装置と容器壁部とに接続するステップと、を含む。
【0028】
発明のその他の利点、詳細および特徴は、以下で説明される典型的な実施の形態から明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1】燃料容器の形式の本発明による作動流体容器の断面図を示している。
図2】容器基部と容器壁部とに接続され、所定の破断箇所を形成する長手方向凹所を有する、補強エレメントの概略図を示している。
図3】補強エレメントが取り付けられる前の本発明による作動流体容器の概略的な断面図を示している。
図4】補強エレメントが接続された、図3に示された作動流体容器を示している。
【0030】
ここで以下の説明において、同じ参照符号は、同じ構成部材または同じ特徴を示しており、したがって、1つの構成部材に関して1つの図面についてなされる説明は、他の図面にも当てはまり、これにより、説明の繰り返しが回避される。
【0031】
図1は、燃料容器10の形式の本発明による作動流体容器10の断面図を示している。燃料容器10は、熱可塑性材料から製造されており、自動車用である。作動流体容器10は、タンク下側シェル14もしくは容器基部14と、タンク上側シェル11もしくは容器壁部11とを有し、これらによってそれぞれ燃料容器が画成されている。燃料容器10は、容器壁部11に配置された、サラウンド(包囲枠)13によって縁取られた容器開口12を有しており、容器開口12は、図3により明らかに示されている。さらに、燃料容器10は、バヨネット接続15の形式の固定装置15を有し、この固定装置15は、燃料容器10に配置されており、容器基部14に接続されている。この場合、バヨネット接続15は、容器開口12とは反対側に配置されている。
【0032】
さらに、燃料容器10は、補強管20の形式の補強エレメント20を有する。補強エレメント10は、容器開口12を閉鎖するためのハウジングカバー22の形式の閉鎖エレメント22に接続されており、バヨネット接続15の形式の固定装置15に接続可能に構成されている。閉鎖エレメント22は、この場合、閉鎖リングの形式の閉鎖装置(図示せず)によって容器壁部11またはサラウンド13に接続されている。
【0033】
流体ライン23がカバー22に設けられており、この流体ライン23を通って例えば燃料を燃料容器10の外部へ搬送することができることが図1から明らかである。燃料ライン23を通じて燃料を外部へ搬送するために、同様に容器基部14に接続された流体搬送ユニット16が、さらに、燃料容器10に設けられている。
【0034】
図1には示されていないが、燃料容器10は、容器基部14に接続されたベースプレートを有することができる。ベースプレート自体は、2つの固定装置、特に、補強エレメント20を固定する固定装置と、流体搬送ユニット16を固定する別の固定装置とを有することができる。さらに、充填レベルセンサが流体容器に配置されており、充填レベルセンサの2つのフロート30が図1に示されている。フロート30は、コネクティングロッド31を介して実際の充填レベルセンサに接続されている。
【0035】
さらに、図1には示されていない電気ラインがカバー22を通って案内されており、この電気ラインを通じて、例えば、流体搬送ユニットに電力を供給し、この電力によって燃料搬送ユニットを制御することができる。
【0036】
補強エレメント20が、固定装置15によって容器基部14に接続され、かつ、閉鎖エレメント22によって容器壁部11に接続されていることが図1から分かる。容器壁部11および容器基部14の双方への補強エレメント20の接続により、前記補強エレメントは、燃料容器10の内部圧力によって生ぜしめられる変形に抵抗する。
【0037】
図2は、容器基部14および容器壁部11に接続された補強エレメント20を概略的に示している。補強エレメント20はここでは、その壁部において、壁部の軸方向長手方向範囲に沿って凹所21を有する。図示された典型的な実施の形態では、凹所21は長手方向凹所21として実現されている。しかしながら、凹所21は、それぞれ、あらゆるその他の所望のジオメトリを有することもできる。
【0038】
補強エレメント20によって伝達可能な最大引張力は、長手方向凹所21の数と、長手方向凹所21の幅方向範囲とによって設定することができる。したがって、補強エレメント20の所定の破断箇所を、目標の形式で補強エレメント20に提供することができる。さらに、長手方向凹所21の長さを、伝達可能な引張応力と、補強エレメント20のせん断剛性との比を設定するために利用することができる。最大ウェブ幅または最大ウェブ長さは、この点で、負圧荷重下での座屈によって制限される。
【0039】
長手方向凹所21に加えて、好適には取り付けられた位置において長手方向凹所21の下方に配置される少なくとも1つの凹所(図2には示されていない)を提供することができる。付加的な凹所は、作動容器内部空間を補強エレメント内部空間に流体通流可能に接続するために機能し、これにより、補強エレメント20の体積を、同様に、作動流体のために有効に利用することができる。択一的に、凹所21のうちの少なくとも1つは、容器基部14の方向へさらに延びていることもできる。
【0040】
図3は、補強エレメント20が容器基部14および容器壁部11にまだ接続されていない、作動流体容器10または燃料容器10の概略的な断面図を示している。図示された典型的な実施の形態では、補強エレメント20は閉鎖エレメント22と一体に形成されていることが明らかである。しかしながら、実際の補強エレメント20および閉鎖エレメント22は、もちろん、2つの部品として、互いに接続可能な形式で構成することもできる。既に上述したように、補強エレメント20は、例えばバヨネット接続によって固定装置15に接続することができる。閉鎖エレメント22は、閉鎖リングの形式の閉鎖装置(図示せず)によって作動流体容器10に接続されている。固定リングは、この場合、閉鎖エレメント22上に配置されており、サラウンド13によって作動流体容器10に接続されている。閉鎖エレメント22は、閉鎖リングと容器開口12との間に配置されており、閉鎖リングによって、容器開口12を包囲する容器壁部11に対して押し付けられる。従来技術より公知のシーリング装置(図示せず)は、閉鎖エレメント22と容器壁部11との間に配置されている。閉鎖リングとサラウンドとの接続は、螺合、バヨネット接続、差込み接続、スナップばめ接続、クランプ接続またはラッチ接続の形式であることができる。
【0041】
作動流体容器10は、例えばブロー成形または射出成形によって、公知の形式で製造することができる。次いで、容器開口12は、例えば円形に切り取ることによって、燃料容器10に形成することができる。固定装置15は、容器開口12を通じて作動流体容器10へ導入することができ、次いで、接着剤結合、溶接、リベット留めまたは別の方法によって容器基部14に接続することができる。補強エレメント20は、次いで、容器開口12を通じて燃料容器10に挿入される。最後に、補強エレメント20が、閉鎖エレメント22によって固定装置15および容器壁部11に接続される。
【0042】
容器基部14および容器壁部11は、補強エレメント20によって互いに向かって引っ張られ、これにより、燃料容器10は、補強エレメント20よりも、そのタンク高さに関してより大きな範囲(寸法)を有するべきである。過剰に小さなタンク高さの場合、タンクは、閉鎖可能でないか、または大きな労力を伴ってのみ閉鎖可能である。
【符号の説明】
【0043】
10 作動流体容器/燃料容器
11 容器壁部/タンク上側シェル
12 容器開口
13 (容器開口の)サラウンド
14 容器基部/タンク下側シェル
15 固定装置/ベースプレート
16 流体搬送ユニット
20 補強エレメント
21 (補強エレメントにおける)凹所/長手方向凹所
22 閉鎖エレメント/カバー
23 (閉鎖エレメントを通る)流体ライン
30 (充填レベルセンサ/レバータイプセンサの)フロート
31 (充填レベルセンサ/レバータイプセンサの)ロッド
図1
図2
図3
図4