(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記に鑑み、本発明は、風力発電装置としての役割と、無風状態においても、発電ができる風力発電装置を提供する。その為に、圧力差を確実に生成することと、この圧力差を、簡易な装置で生成すること、等を目標とする。従って、この圧力差を、次の方法で生成する。請求項1に記載の「暖房部と常温部を、羽根車を、囲繞し、かつ対峙方向に設ける」構造とする。請求項2に記載の「故障が発生しないように、風、又は気候等の状態(弱風、中風、強風、又は台風等の災害)で、装置の故障を回避する」構造である。また、請求項3に記載の「故障が発生しないように、無風状態で、風を発生する」構造である。そして、請求項4に記載の「請求項2を確実に、かつ必要時に達成できる制御部を具備する」構造とする。さらに、請求項5に記載の「請求項1の暖房部と常温部を、風の流れ方向に設ける」構造とする。また、請求項6に記載の「請求項1の目的を達成するために、羽根車に対して、暖房部と常温部とを設ける位置を特定する」構造である。次に、請求項7に記載の「比熱差、薬品の反応熱、又は冷却熱、或いは冷却による温度差」による構造とする。さらに、請求項8に記載の「物理的な方法で、回転軸を回転し、羽根車を回転し、発電する」構造とする。請求項9に記載の「風胴を強風より保護する方法と、効率的な発電する」構造とする。また、請求項10に記載の「風胴を強風より確実、かつ安全に保護する方法と、効率的な発電する」構造とする。請求項11に記載の「風胴、及び/又は、支柱等を強風より確実、かつ安全に保護する方法と、効率的な発電する」構造とする。請求項12に記載の「羽根車、及び/又は、翼体を強風より保護する方法と、効率的な発電する」構造とする。そして、請求項13に記載の「従来の風力発電装置より、簡略で、かつ省エネルギーで、かつ低コストの風力発電装置とする」。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記問題を解決するために、次のような請求項1−
9に記載の発明とする。
【0008】
請求項1は、発電機を備えた風力発電装置であって、
この風力発電装置は、支柱に
設けた軸受けと、この軸受けに回転自在に設けた軸と、この軸に設けた羽根車と、前記軸に懸架したベルトと、このベルトが掛止される発電機のプーリーとを備えており、前記羽根車を収容する一本又は数本の支持杆に設けた風胴と、この風胴に設けた暖房部と、この暖房部の熱源となる、
夏季の暖気、発電機に蓄電した電力の一部、又は地中熱による暖気、
或いはボイラの熱気、
地下水の温水、又は廃熱の何れかと、前記風胴に設けた常温部と、この常温部を常温に維持する手段となる、
冬季の冷気、又は地中熱による冷気、
或いは地下の冷水、又は廃冷気の何れかと、で構成するとともに、前記暖房部と、前記常温部とにより生成される温度差を確保するとともに、前記羽根車の一面側と他面側とに生成される圧力差を利用して、前記羽根車を回転可能とする風力発電装置において、
前記常温部を
、前記風胴の長手方向の中心に設けた前記
羽根車の羽根前側に設けるとともに、前記暖房部を、
前記羽根車の羽根後側に設ける構成とした風力発電装置である。
【0009】
請求項2は、請求項1に記載の風力発電装置において、
前記風胴
を、固定側と可動側とで構成し、この固定側の自由端に、この可動側
の基端を枢支し、この可動側を拡縮可能にする構成とした風力発電装置である。
【0010】
請求項3は、請求項1に記載の風力発電装置において、
前記圧力差で、前記羽根車を回転する条件は、この羽根車が風で回転しない状況下とする構成とした風力発電装置である。
【0011】
請求項4は、請求項1に記載の風力発電装置において、
前記暖房部への電力、暖気、又は熱の供給を、制御部でコントロールする構成とした風力発電装置である。
【0013】
請求項
5は、請求項1に記載の風力発電装置において、
前記暖房部と前記常温部を設ける前記風胴は、前記羽根車の外側に対峙して設けた帯状翼形構造の圧力差発生部であり、この圧力差発生部は、側面視して一面側・他面側の、それぞれの端部が、放射方向に反り上がり構造とする構成とした風力発電装置である。
【0014】
請求項
6は、請求項1に記載の風力発電装置において、
前記
温度差は、比熱差、薬品の反応熱、又は冷却熱、或いは冷却による温度差とする構成とした風力発電装置である。
【0015】
請求項
7は、請求項
1に記載の風力発電装置において、
前記
支柱に回転自在に設けた回転軸が回転し、この回転で、トーションバー、スパイラルスプリング、反発機構に動力を蓄積し、クラッチ機構を介して、この回転軸を回転し、前記羽根車を回転する構成とした風力発電装置である。
【0016】
請求項
8は、請求項
2に記載の風力発電装置において、
前記
風胴に、複数の開口を開設し、この開口より、空気を取入れる構成とした風力発電装置である。
【0017】
請求項
9は、請求項
1に記載の風力発電装置において、
前記
支柱を、折畳み自在とする構成、又は伸縮自在とする構成とした風力発電装置である。
【発明の効果】
【0021】
請求項1の発明は、発電機を備えた風力発電装置であって、
風力発電装置は、支柱に
設けた軸受けと、軸受けに回転自在に設けた軸と、軸に設けた羽根車と、軸に懸架したベルトと、ベルトが掛止される発電機のプーリーとを備えており、羽根車を収容する一本又は数本の支持杆に設けた風胴と、風胴に設けた暖房部と、暖房部の熱源となる、
夏季の暖気、発電機に蓄電した電力の一部、又は地中熱による暖気、
或いはボイラの熱気、
地下水の温水、又は廃熱の何れかと、風胴に設けた常温部と、常温部を常温に維持する手段となる、
冬季の冷気、又は地中熱による冷気、
或いは地下の冷水、又は廃冷気の何れかと、で構成するとともに、暖房部と、常温部とにより生成される温度差を確保するとともに、羽根車の一面側と他面側とに生成される圧力差を利用して、羽根車を回転可能とする風力発電装置において、
常温部を
、風胴の長手方向の中心に設けた羽根車の羽根前側に設けるとともに、暖房部を、
羽根車の羽根後側に設ける構成とした風力発電装置である。
【0022】
この請求項1では、「暖房部と常温部を、羽根車を、囲繞し、かつ対峙方向に設ける」構造とすることで、確実に風を生成し、発電を図ることを特徴とする。
【0023】
請求項2の発明は、請求項1に記載の風力発電装置において、
前記風胴
を、固定側と可動側とで構成し、固定側の自由端に、可動側
の基端を枢支し、可動側を拡縮可能にする構成とした風力発電装置である。
【0024】
この請求項2では、「故障が発生しないように、風、又は気候等の状態(弱風、中風、強風、又は台風等の災害)で、装置の故障を回避する」ことを特徴とする。
【0025】
請求項3の発明は、請求項1に記載の風力発電装置において、
圧力差で、羽根車を回転する条件は、羽根車が風で回転しない状況下とする構成とした風力発電装置である。
【0026】
この請求項3では、「故障が発生しないように、無風状態で、風を発生する」ことを特徴とする。
【0027】
請求項4の発明は、請求項1に記載の風力発電装置において、
暖房部への電力、暖気、又は熱の供給を、制御部でコントロールする構成とした風力発電装置である。
【0028】
この請求項4では、「請求項2を確実に、かつ必要時に達成できる制御部を具備した」ことを特徴とする。
【0031】
請求項
5の発明は、請求項1に記載の風力発電装置において、
暖房部と常温部を設ける風胴は、羽根車の外側に対峙して設けた帯状翼形構造の圧力差発生部であり、圧力差発生部は、側面視して一面側・他面側の、それぞれの端部が、放射方向に反り上がり構造とする構成とした風力発電装置である。
【0032】
この請求項
5では、「請求項1の目的を達成するために、風胴構造を特定した」ことを特徴とする。
【0033】
請求項
6は、請求項1に記載の風力発電装置において、
温度差は、比熱差、薬品の反応熱、又は冷却熱、或いは冷却による温度差とする構成とした風力発電装置である。
【0034】
この請求項
6では、「比熱差、薬品の反応熱、又は冷却熱、或いは冷却による温度差」によることを特徴とする。
【0035】
請求項
7は、請求項1に記載の風力発電装置において、
支柱に回転自在に設けた回転軸が回転し、回転で、トーションバー、スパイラルスプリング、反発機構に動力を蓄積し、クラッチ機構を介して、回転軸を回転し、羽根車を回転する構成とした風力発電装置である。
【0036】
この請求項
7では、「物理的な方法で、回転軸を回転し、羽根車を回転し、発電する」ことを特徴とする。
【0037】
請求項
8は、請求項2に記載の風力発電装置において、
風胴に、複数の開口を開設し、開口より
、空気を取入れる構成とした風力発電装置である。
【0038】
この請求項
8では、「風胴を強風より保護する方法と、効率的な発電する」ことを特徴とする。
【0039】
請求項
9は、請求項1に記載の風力発電装置において、
支柱を、折畳み自在とする構成、又は伸縮自在とする構成とした風力発電装置である。
【0040】
この請求項
9では、「
支柱の位置等を変更して、自然風を有効利用できる」ことを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【
図1】本発明の第一実施例の一部省略(以下、省略する)の概念模式図
【
図1-1】
図1の他の例であり、羽根車が、必要時(例えば、強風時)に撓み可能とする構造を示した概念模式図
【
図1-1-1】風胴の可動側が、可動し、この圧力発生部、及び/又は羽根等の風力発電装置が、風量(風速)の強中弱(以下、全体を総称する場合には、強弱等とする)に対応できる構造の第一実施例の第一例の微風時の最大開口状態を示した模式図
【
図1-1-2】
図1−1−1の中風時における羽根車をやや閉めた中間開口状態を示した模式図
【
図1-1-3】
図1−1−1の中風時における羽根車を中間の位置に閉めた小開口状態を示した模式図
【
図1-1-4】
図1−1−1の強風時における絞込み閉めた最小開口状態を示した模式図
【
図1-1-5】
図1−1−1の最大強風時、又は障害時(鳥、物等の飛翔、虫の発生、)における閉塞状態を示した模式図
【
図1-2】風胴の可動側が、可動し、かつこの一面側に孔(開口)を備えた、この孔が大きい構造であって、第一実施例の第二例の中風時の小開口状態を示した模式図
【
図1-2-1】
図1−2で示した孔を閉塞する手段(カバー板、ガード板、シャツタ等の開閉手段)を示した模式図であり、(イ)はシャツタ、(ロ)は背面に設けた開閉手段(ガード板)、(ハ)は前面に設けた開閉手段、をそれぞれ示している
【
図1-3】風胴の可動側が、可動し、かつこの一面側に孔を備えた、この孔が小さい構造であって、第一実施例の第三例の中風時の小開口状態を示した模式図
【
図1-4-1】風胴の前面に到り、かつ羽根車の軸方向の角度を可変可能とする構造であって、第一実施例の第四例を示した側面図
【
図1-5】風胴を強風から守るために、その支柱が折畳みできる構造であって、第一実施例の第五例の強風時の状態を示した模式図
【
図1-5-1】
図1−5の風胴に、複数の開口を設け、強風時の対応とか、その過程で空気を取入れ、発電可能とする状態を示した模式図
【
図1-6】風胴を強風から守るために、その支柱が伸縮する構造であって、第一実施例の第六例の強風時の状態を示した模式図
【
図1-7】風胴レスであって、支持杆を利用して、暖房部と常温部を設置した構造であって、第一実施例の第七例を示した模式図
【
図2-1】羽根にターボファンを併設した第二実施例の概念模式図
【
図2-2】
図2−1のターボファンのQ視した背面図
【
図3-1】羽根にスクリュー、及び、軸駆動用翼体を併設した第三実施例の概念模式図
【
図3-2】
図3−1の翼体のP視した背面図であり、この翼体に孔を開設した(ロ)と(ハ)、又は開設しない(イ)を、それぞれ示している
【
図3-3】
図3−1の翼体とクラッチとの関係を示した拡大概念模式図
【
図3-4】第三実施例の他の例であり(翼体単独)、風胴に翼体を設けるに際して、この翼体を保護する保護材を、翼体と支柱との間に付設する構造とした概念模式図
【
図3-4-1】翼体と他の開閉手段(孔を備えた開閉手段)との関係を示した概念模式図
【
図3-4-2】
図3−4−1の翼体の孔と、開閉手段の孔との関係を、順次示した平面概念模式図
【
図3-5】(X)羽根車とターボファン、並びに翼体との各関係を示した図表、(Y)常温部と暖房部、並びに冷房部の活用と組合せを示した図表、(Z)風胴と羽根車、開閉手段(シャツタ)、並びに翼体に開設した孔、開口(孔)との組合せを示した図表
【
図3-5-1】
図3−5に示した、(X)〜(Z)において、組合せのパターンの一例を示した図表
【
図4-1】羽根にターボファンと、スクリュー、及び、翼体を併設した第四実施例の概念模式図
【
図4-2】
図4−1に示した第四実施例等の発電能力を示した図表
【
図5-1-1】多連式の羽根車(軸流圧縮機方式)を備えた軸流圧縮方式の発電機の第五実施例を示した模式図
【
図5-1-2】多連式の羽根車を備えた軸流圧縮方式の発電機の他の第五実施例(板部に孔を備えた構造)を示した模式図
【
図5-2-1】多連式の羽根車を備えた軸流圧縮方式の発電機の第六実施例を示した模式図
【
図5-2-2】多連式の羽根車を備えた軸流圧縮方式の発電機の他の第六実施例(板部に孔を備えた構造)を示した模式図
【
図5-3】多連式の羽根車を備えた軸流圧縮方式の発電機の第七実施例を示した模式図
【
図5-4】多連式の羽根車を備えた軸流圧縮方式の発電機の第八実施例を示した模式図
【
図5-5】多連式の羽根車を備えた軸流圧縮方式の発電機の第九実施例を示した模式図
【
図6】前記
図1(尚、前記
図1−1−1〜
図1−3に示した各例も対応可能)を一覧表に示し、かつ風量を考慮した場合に、最適な組合せと、効率的、かつ故障を回避できる最適な状況を選択できる図表
【
図7-1】暖房部への熱源(発電機からの電気による熱)供給手段を示した模式図
【
図7-2】暖房部への熱源(地中熱)供給手段を示した模式図
【
図7-3】暖房部への熱源(熱交換機)供給手段を示した模式図
【
図7-4】暖房部への熱源(ボイラー)供給手段を示した模式図
【
図7-5】暖房部への熱源(熱湯、温泉水)供給手段を示した模式図
【
図7-6】暖房部への熱源(工場廃熱)供給手段を示した模式図
【
図7-7】暖房部への熱源(ソーラーパネル)供給手段を示した模式図
【
図7-8】常温部への低温(冷媒)供給手段を示した模式図
【
図7-9】常温部への低温(地下水)供給手段を示した模式図
【
図8-1】比熱差により圧力差を生成する過程を示した模式図
【
図8-2】薬品の反応熱により圧力差を生成する過程を示した模式図
【
図8-3】冷却熱により圧力差を生成する過程を示した模式図
【
図11】本発明の暖房部、常温部を維持するに際し、その好ましい一例を示した図表
【発明を実施するための形態】
【0048】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
【0049】
1は風力発電装置で、この風力発電装置1は、支柱2に設けた軸受け3と、この軸受け3に回転自在に設けた軸5と、この軸5に設けた自然風Aで回る(風Aが有る場合は勿論回転するが、特に、風Aがない場合、無風状態でも、人工風Bで回転することが特徴である)羽根車6と、前記軸5に懸架したベルト7と、このベルト7が掛止される発電機8のプーリー800とを主構成とする。
【0050】
この羽根車6には、間隔を持って(羽根車6を囲繞するように)、図示しない、一本又は数本の支持杆を介して風胴10が設けられており、この風胴10(圧力発生部)は、無風状態の際に、人工風Bを作り出す役割がある。この一例では、風胴10の一方側10−1を暖める暖房部16と、風胴10の他方側10−2を冷すか、暖房部16に対して低温を維持する常温部17とを設ける構造であり、この暖房部16と常温部17との間に圧力差Dを作り出す構造である。そして、暖房部16と常温部17を、作り出す構造としては、風力発電装置の風胴10が固定方式では、例えば、
図1では、暖房部16を、一方側10−1(風の流れ端側)に形成し、また、常温部17を、他方側10−2(風の受入れ側)に形成する(図示しないが、逆パターンも可能である。以下同じ)。また、その他として、風力発電装置の風胴10が可動方式では、例えば、
図1−1−1〜
図1−1−3等では、暖房部16を、風力発電装置の風胴10の固定側10a(風の流れ端側)に設け、また、常温部17を、風力発電装置の風胴10の可動側10b(風の受入れ側)に設け構成とした(逆パターンをあり得る)。この可動側10bは、枢支部1000を介して、固定側10aに可動自在に支持される。従って、風胴10の開口部Cは、
図1−1−1〜
図1−2と、
図1−3等の如く、大中小に開くことと、弱風(微風を含む)、中風、又は強風に、それぞれ対応可能とする。
図1−1−5の強風時には、開口部Cを閉塞する。そして、この風胴10の好ましい一例は、羽根車6の外側に対峙して設けた帯状翼形構造の圧力差発生部であり、圧力差発生部は、側面視して一面側6a・他面側6bの、それぞれの端部が、放射方向に反り上がり構造とする。これにより、人工風Bのスムーズな流れ、及び/又は、風Aの受入れと流れが確保できる。また、発電の効率化に寄与できる。
【0051】
本発明の風胴10と羽根車6等で構成される発電発生部の第一実施例(
図1〜
図1−7)〜第九実施例(
図5−5)と、他の第五実施例(
図5−1−2)を説明する。
【0052】
先ず、
図1〜
図5−5(一部は図表あり)において、ファンネル方式:シュラウド(ベルマウス)を採用した羽根車6の実施例を順次説明する。以下、無風状態(無風時)の人工風Bを主体として説明するが、自然風Aもこれに準ずるので、説明は省略する。
【0053】
◎ 第一実施例の基本的な構造を示した、
図1と、その他の
図1−1において、風胴10は、羽根車6の外側に対峙して設けた、端面視して、帯状翼形構造であり、一方側10−1・他方側10−2の、それぞれの端部が、放射方向に反り上がり構造とする。そして、この風胴10の内側には、羽根車6が設けられる構造とし、人工風Bを確実に、かつこの風胴10の内側に、望ましくは、均等に、人工風Bを働かせる。その手段が、常温部17と暖房部16の構造であり、例えば、常温部17を、羽根車6の羽根前側(図面で、風胴10の中心より向って左側、例えば、他方側10−2の内側)に、また、暖房部16を、羽根車6の軸芯方向に向った羽根後側(図面で、風胴10の中心より向って右側、例えば、一方側10−1の内側)に設ける。この常温部17と暖房部16との間に圧力差D(気圧差)を形成することを特徴とする。即ち、暖房部16は、暖房状態に維持した条件下で、常温部17は、暖房状態より、低く構成し、風胴10の一方側10−1と他方側10−2で形成した圧力差Dを利用して、羽根車6を回転する。この羽根車6の回転で発電機8を駆動して電気を生成する。そして、この暖房部16と常温部17が、所定の間隔で対峙し、この対峙間に、羽根車6が配備される構造である。また、この対峙間に生成される人工風Bにより、羽根車6が回転する構造を特徴とする。そして、この第一実施例を始めとして、本発明は、この暖房部16と常温部17は、自然エネルギーの利用との観点から、夏季は、常温部17を、例えば、地中熱による冷気、或いは熱交換機、或いは地下水、又は廃冷気による構成された冷気で常温に維持する(外気温より低く維持する)。これに対して、暖房部16は、外気温の状態(気象条件)で、気圧差Dを構成する。また、この夏季でも、常温部17を、外気温とし、暖房部16を、暖めることで、気圧差Dを構成する。一方、冬季は、常温部17を、例えば、外気温に維持する。これに対して、暖房部16を、暖めて、気圧差Dを構成する。また、この冬季でも、常温部17を、地中熱による冷気、或いは熱交換機、或いは地下水、又は廃冷気による構成された冷気で常温に維持する(外気温より低く維持する)。これに対して、暖房部16を、外気温の状態で、気圧差Dを構成する。以上の説明は、一例であり、暖房部16と常温部17とにより、気圧差Dが形成される構造は、本発明の範疇である。
【0054】
また、◎ 第一実施例の第一例を示す、
図1−1−1〜1−1−5において、風胴10の固定側10a(図面で、風胴10の中心より向って右側)に枢支部1000を介して可動側10b(図面で、風胴10の中心より向って左側)を設ける。この風胴10は、側面視して固定側10a・可動側10bの、それぞれの端部が、放射方向に反り上がり構造とする。そして、この可動側10bが、枢支部1000を支点として、固定側10aに対して可動する構造である。従って、この可動側10bの可動を介して、微風時から強風時の風Aの状況(風量、風速、又はその他とし、例えば、雨水も同様と考えられる)に対応可能とする。その一例が、図示の「イ」〜「ホ」となり、可動側10bの開口部Cの開度が、例えば、最大開口「イ」と、中間開口「ロ」と、小開口「ハ」、並びに最小開口「ニ」と、閉塞「ホ」等となることを特徴とする。この最大開口「イ」、中間開口「ロ」、小開口「ハ」、並びに最小開口「ニ」と、閉塞「ホ」等により、風量調整、又は風速調整に役立てること、発電量の適切な確保を図ること、又はこれらの調整を図ること、さらには強風時の故障回避を図ること、等にある。◎ 第一実施例の第二例を示す、
図1−2において、前述した第一例と、基本的には同じ構造であり、その相違点は、可動側10bの板部10b1に孔1001(開口)を複数個設け(開設し)、風Aを逃がす工夫をすることである。そして、この孔1001を、小開口「ハ」とすることで、例えば、この風Aの抵抗を緩和すること、又は中風時の故障回避すること、等には、極めて有効である。尚、
図1−2−1の(イ)〜(ハ)では、羽根車6に開閉手段15を併設した例を示しており、(イ)はシャツタで、孔1205を開閉する例を、(ロ)は羽根車6の背面に設けたガード板で、孔1205を開閉する例を、(イ)は羽根車6の前面に設けたガード板で、孔1205を開閉する例を、それぞれ示しており、後述する
図3−4−2に準ずる。◎ 第一実施例の第三例を示す、
図1−3において、前述した第二例と、基本的には同じ構造であり、その相違点は、孔1001を、小開口「ハ」とするが、この孔1001の数が多いことである。従って、その動作と効果は、第二例と、略同じとなる。◎ 第一実施例の第四例を示す、
図1−4−1〜
図1−5−1において、軸5に対して羽根車6の各板部600が支点600aを利用して揺動する構造とし、弱風時から強風時の風Aに対応して、板部600の角度を、垂直から傾斜状態に変更し、風量、又は風速に、有効に対応すること、又は故障回避等を図ることを意図する。そして、
図1−5−1では、風胴10に設けた複数の開口1002を介して、風胴10を強風の風A等より保護する。また、効率的な発電をする。◎ 第一実施例の第五例を示す、
図1−5において、強風時に、支柱2を折畳み200(折曲げ)、強風時の風Aの衝撃緩和を図ること、又は故障回避に役立つこと、等の実益がある。尚、人工風Bでも、時により、あり得る(他の例も同じ)。◎ 第一実施例の第六例を示す、
図1−6において、強風時に、支柱2を収縮201a(入れ子式に収容)することで、強風時の風Aの衝撃緩和を図ること、又は故障回避に役立つこと、等の実益がある。また、必要時には、支柱2を伸張201bする。所謂、支柱2を状況に応じて伸縮する。尚、前記可動側10bの最大開口「イ」、中間開口「ロ」、小開口「ハ」等の操作は、例えば、この可動側10bをフレキシブル構造として対応するか、又は重畳方式を利用して対応する構造が一例として挙げられるが、限定されない。図中9は、軸5に設けたハズミ車であり、軸5と風胴10、又は羽根車6等のバランスと安定性を図る。◎ 第一実施例の第七例を示す、
図1−7において、風胴10を設けず、支持杆に暖房部16と、支持杆に常温部17を設ける構造であり、装置の簡略化と、軽量化、又は低コスト等を意図する。
【0055】
図2−1と
図2−2の第二実施例では、羽根車6の後側(図示しないが、前側の例もあり得る)の軸5に、例えば、羽根車6に対して、小型(図示しないが、同径、又は大型も可能)のターボファン11を付設した構造であり、発電効率と、働きを終えた風を再利用する構造である。従って、発電の効率化と、風を有効利用できる。尚、
図1−2等の孔1001を備えた構造には有効である。
【0056】
図3−1と
図3−4の第三実施例では、ターボファン11の後側(図示しないが、前側の例もあり得る)の軸5に套嵌固止したスリーブ式の螺軸500、例えば、羽根車6に対して、大型(図示しないが、同径、又は小型も可能)と、この螺軸500に螺合する螺軸部1200(クラッチ)を備えた、可撓性、又は剛性でなる、例えば、円板形状の軸駆動用翼体12を付設した構造であり、発電効率と、働きを終えた風を再利用する構造である(第三実施例の他の例、
図3−4の如く、翼体12単独での発電もあり得る)。従って、発電の効率化と、風Aを有効利用できる。尚、
図1−2等の孔1001を備えた構造には有効である。この翼体12(翼体12は回転しない)、及び、その螺軸部1200(ピニオン)が風でX矢視方向に押圧されることで、螺軸部1200に螺合する螺軸500(ラック)が回転する。この回転を、軸5に伝達する構造であり、この伝達は、螺軸500の鍔片500aに設けた差込み孔500bと、軸5の鍔片5aに設けた差込み孔5bとに差込まれるピンクラッチ1201を利用する。その一例を詳述すると、このピンクラッチ1201を、ソレノイド1202と、後述する制御部19のCPU1900とを利用して、前後動して、差込み孔5b、500bへの出入れを行い、螺軸500と軸5との連繋と、この連係解除を図る。その他として、例えば、軸5の鍔片5aと、螺軸500の鍔片500aとの間には、平板クラッチ501を設け、この軸5と螺軸500との接離を図ことも可能である。そして、この回転で、後述するクラッチ機構(螺軸500と軸5とによる機構)を利用して、軸5を駆動し、この駆動力を発電機8の駆動源とすることを特徴とし、前記第二実施例の作用と効果に準ずる。また、図示の如く、両者を併設し、軸5と螺軸500との接離の確実性を図ることが望ましい。この第三の実施例では、風量の有効利用のみでなく、他の手段と機構を利用することで、発電効率と、安定した発電を図ること、等を目的とする。図中1203は螺軸部1200と翼体12を戻すスプリングで、螺軸500の外側に捲装されるとともに、螺軸部1200と鍔片500aの間に設けられる。このスプリング1203は、螺軸部1200と翼体12が、風で押圧されるときに、圧縮され、その押圧が解除されたときに、反発する構造である。このスプリング1203の反発は、螺軸部1200が、後端側(図面において右側)に押圧された状態後に、この螺軸部1200(翼体12)を戻す(Y矢視方向に戻る)役割がある。但し、その前提条件として、ピンクラッチ1201を、差込み孔500bより脱抜する動作が必要である。また、図中1204はピンクラッチ1201を戻すスプリングで、このピンクラッチ1201に捲装されるとともに、鍔片5aとピンクラッチ1201の鍔片との間に設けられる。
図3−2は、翼体12の各例を示しており、孔1205を開設しない例が(イ)で、開設する例が、(ロ)と(ハ)であり、(ロ)は孔1205の数が少ない例を、また、(ロ)は孔1205の数が多い例を、それぞれ示しているが、どれも一例であり限定されないことと、この孔1205を開設した構造は、風Aの通過を許す。これにより、例えば、強風時(強雨時を含む)、その他の場合に、翼体12、及び/又は、風胴10、軸5、或いはベルト7、発電機8等を保護する。また、孔1205の数は、風Aの受入れ量、又は通過量を制御する。さらに翼体12の保護と、発電量の大小に好影響を与えることが考えられる。尚、第三実施例の他の例、
図3−4では、構造の簡略化と、低コスト化等を意図する。そして、第三実施例では、図示しないが、翼体12の構造では、風胴10に、暖房部16と常温部17を設けない実施例もあり得る(風Aによる発電である)。そして、第三実施例において、
図3−4−1と
図3−4−2では、翼体12に開閉手段15(孔を備えた開閉手段)を併設する構造とし、この開閉手段15を図示しない、駆動装置で適宜回転し、
図3−4−2に順次示した如く、開閉手段15に適宜間隔で開設した孔1500と、翼体12に同様に開設した孔1205とを整合、又は閉塞し、この孔1205の開度を、拡縮することで、風Aの受入れ量、又は通過量を制御する。この制御は、翼体12の保護と、発電量の大小に好影響を与えることが考えられる。前記
図3−4等では、翼体12を、例えば、伸縮する保護材13で保護する。
【0057】
尚、
図3−5の(X)羽根車6とターボファン11、並びに翼体12との各関係を示した図表であり、組合せの例を○で示すが、少なくとも7通りのパターンが考えられる。また(Y)常温部17と暖房部16、並びに冷房部の活用と組合せを示した図表であり、組合せの例を○で示すが、少なくとも6通りのパターンが考えられる。(Z)風胴10と羽根車6、開閉手段15、並びに翼体12に開設した開口1002と、孔1205、1500との組合せを示した図表であり、組合せの例を○で示すが、少なくとも15通りのパターンが考えられる。また、
図3−5−1は、前記(X)と、(Y)と、(Z)の組合せパターンの一例を示したものである。
【0058】
図4−1は、第四実施例であり、第一実施例の羽根車6と、第二実施例のターボファン11と、第三実施例の翼体12、及び、クラッチ機構の併設構造とを組合わせた、最も多機能の(アクティブ)風力発電装置を示している。従って、その発電効率と、風量を最大限に利用すること、並びに大規模発電に道を拓くことが考えられる。また、最も実用的と考えられる。この例における各構造は、前述の例に準ずる。
【0059】
また、
図4−2は、前記第一実施例の羽根車6と、第二実施例のターボファン11と、第三実施例の翼体12、及び、クラッチ機構の併設とでなる、それぞれの風力発電装置に関する発電量を試算した図表であり、(E)が、羽根車6による発電量を、(F)が、ターボファン11による発電量を、それぞれ示す。また、(G)が、翼体12、及び、クラッチ機構を併設した構造の発電量を示している。しかし、この翼体12、及び、クラッチ機構を併設した構造では、螺軸部1200の摩擦抵抗、スプリング1203の抗力等のマイナス要件が損失量となり、一律な発電量が確保されない(低下する)ことか考えられる。この点を改良することが望ましい。そして、総合的に判断すると、前記図表の如く、(E)と(F)は、発電量が安定するが、(G1)では、前述の如く、差引き損失量が発生することが、幾分、改良の余地がある。尚、(H)は、その他、例えば、後述する、物理的な反発手段等による発電量の確保が挙げられる。
【0060】
図5−1−1〜
図5−5において、軸流圧縮機(ターボファン)を意図する羽根車6の実施例を順次説明する。先ず、
図5−1−1〜
図5−2−2は、第五・第六実施例であり、羽根車6を多連式(複数基)、軸5に設けた構造である。この構造では、羽根車6の径を順次変更することで、風を有効に受け得る構造とする。また、図示しないが、
図5−1−1と、
図5−1−2の例では、羽根車6が、大から小に径を変更したことを考慮し、板部600が無垢(孔なし)の構造と、この板部600(羽根板部)に孔601を開設することも実用的である。この孔601を利用することで、風を有効に利用でき、次の羽根車6の動力として利用する。また、
図5−2−1と
図5−2−2は、
図5−1−1と
図5−1−2の逆パターンを示しており、その機能と作用等は前述の例に準ずる。次に、
図5−3は、第七実施例であり、羽根車6をタービン翼列方式とすることと、多連式とする構造であり、風胴10内において、軸流圧縮機として利用し、発電する。
図5−4は、第八実施例であり、フランシス水車の構造を利用することを意図する。但し、この例では、環状板部602の板部600間(板部600には間隔をおいて)には、開口603を開設し、風の流れを確保し、この多連式の構造に対応する。その他は、第七実施例に準ずる。さらに、
図5−5は、第九実施例であり、カービックカップリングの構造を利用することを意図する。その他は、第八実施例に準ずる。但し、この例では、環状板部602の板部600間には、開口603を開設し、風の流れを確保し、この多連式の構造に対応する。その他、図示しないが、翼形ファン、後向き羽根ファン、その他のランナ方式等の構造を採用することもあり得る。
【0061】
以上の第二実施例〜第六実施例では、風胴10に、暖房部16、及び常温部17を設けない、通常の風力発電装置の構造でも可能と考えられる。
【0062】
尚、
図6は、前述した、
図1等と、
図2−1に示したターボファン11による構造と、
図4−1に示した翼体12、及び、クラッチ機構とを併設した構造とを対比した図表であり、前述した各構造の組合せを利用することで、表題に風量調整と、風車構造を、横欄に前記各構造のそれぞれを区画して示し、また、縦欄に風量の状態を示している。そして、対応する箇所を○で示す。
【0063】
そこで、
図7−1〜
図7−9において、暖房部16の暖房状態に維持する手段と、また、常温部17を、暖房状態より、低く維持する手段とを示した。この各例は、維持管理の容易化、低コスト化、又は自然エネルギーの活用と、環境維持、或いは効率的な運用等の基本的な構成を採用することを意図する。そして、無風状態を、センサー18で検知し、制御部19を介して、暖房部16の暖房の指示、及び/又は、常温部17を、暖房状態より、低く維持する指示を図る。また、センサー18が風Aを検知すると、制御部19を介して、前記指示を解除する指令を発する。その後は、この指令の繰返しである。従って、風Aの状況に左右されず、発電機8を回転できる。
【0064】
◎
図7−1は、暖房部16への熱源供給手段であって、
図7−1と、
図5に示したフローチャートと関連する。即ち、発電機8から一部の電気、バッテリー20から電気、又は補助バッテリー20a(効率化が図れれば可能、以下同じ)、電気自動車、家庭電源等の余剰電気を利用して、変換器を介して熱源を供給(融通)する構造である。
【0065】
◎
図7−2は、暖房部16への熱源供給手段であって、図に示した地中熱21を利用して、熱源を供給する。自然エネルギーの利用であり、環境に貢献できる。図中22はポンプを示す。
【0066】
◎
図7−3は、暖房部16への熱源供給手段であって、図示した熱交換器23を利用して、空気を暖気に変換して熱源とし、この熱源を供給する。自然エネルギーの利用であり、環境に貢献できる。
【0067】
◎
図7−4は、暖房部16への熱源供給手段であって、図示したボイラー25、その廃熱を利用して、暖気、温水等の熱源を供給する。廃熱では、自然エネルギーの利用であり、環境に貢献できる。
【0068】
◎
図7−5は、暖房部16への熱源供給手段であって、図示した熱湯、温泉水26を利用して、暖気、温水等の熱源を供給する。自然エネルギーの利用であり、環境に貢献できる。
【0069】
◎
図7−6は、暖房部16への熱源供給手段であって、図示した工場等の暖気、温水等の廃熱27を利用して、暖気、温水等の熱源を供給する。自然エネルギーの利用であり、環境に貢献できる。
【0070】
◎
図7−7は、暖房部16への熱源供給手段であって、図示したソーラーパネル28を利用して、暖気、温水等の熱源を供給する。自然エネルギーの利用であり、環境に貢献できる。
【0071】
◎
図7−8は、常温部17への冷温供給手段であって、図示した冷媒装置30より冷媒を利用して、冷気、冷水等の冷却源(冷温源)を供給する。
【0072】
◎
図7−9は、常温部17への冷温供給手段であって、図示した地中よりより地下水31を利用して、冷気、冷水等の冷却源を供給する。自然エネルギーの利用であり、環境に貢献できる。この例では、効率的な運用を図るために、例えば、夏季等の外気が高い条件、熱帯地方、山間部等が望ましい。
【0073】
以上のような、各例を実施することで、本発明は、熱、雨、又は地中等の、全ての自然エネルギーであり、かつ環境に優しいこと、又は気候条件、設置場所等の条件に関係なく、最適な圧力差Dを生成し、発電できること、等の特徴を有する。尚、暖房部16を夏季の気象条件を利用する例では、常温部17を冷却する。また、常温部17を、冬季の気象条件を利用する例では、暖房部16を暖める。
【0074】
この暖房部16と常温部17を作出す手段として、例えば、
図7−1〜
図7−7による暖房部16への熱源供給手段による暖めと、
図7−8、
図7−9による常温部17への冷温供給手段との組合せが効率的である。しかし、
図7−1〜
図7−9の各例の単独使用と、それぞれの選択使用等の如く、必要によって、それぞれ組合せと、選択した使用が可能であるが、何れにせよ、暖房部16と常温部17とにより、気圧差Dが形成される構造であれば、何れも、採用可能である。
【0075】
また、
図8−1〜
図8−3において、その他の暖房部16の暖房状態に維持する手段と、また、その他の常温部17を、暖房状態より、低く維持する手段を示した。この各例は、化学的な手段を利用して、圧力差Dを構成するものであり、例えば、
図8−1では、比熱差により圧力差Dを生成し、また、
図8−2では、薬品の反応熱により圧力差Dを生成し、さらに、
図8−3では、前述した冷却熱により圧力差Dを生成した。その他は、前述の例に準ずる。
【0076】
また、
図9は、無風時の羽根車6の回転を説明する理論図であり、(ST−1)では、暖房部16への電力、暖気、熱等の熱源の供給である。この供給で、(ST−2)の如く、暖房部16の周辺空気が暖められ、常温部17との間に圧力差Dが形成されることで、人工風Bが発生する。これにより、(ST−3)、(ST−4)の如く、羽根車6が回転し、発電機8を介して発電する。この電気は、(ST−5)の如く、バッテリー20に蓄電される。
【0077】
尚、図示しないが、羽根車6、支柱2を、制御部19のCPU1900からの指令と操作、又は遠隔操作、或いは自動式による、風向き方向(傾斜角度、必要により首振り・旋回動作)に可動することもできる。また、図示しない、移動する基台を利用して、適宜、位置に移動すること、又は向きを変更すること、等も可能である。そして、風胴10の可動は、制御部19のCPU1900からの指令で、シリンダー、ワイヤとモータ、又はアクチュエータ等の手段を利用して行うが、限定されない。また、本発明と目的、効果、又は特徴が合致する構造とか、その変更例は、本発明の範疇である。尚、風Aで羽根車6が回転する状態では、制御部19のCPU1900からの指令で、暖房部16、及び/又は、常温部17の働きを停止する。
【0078】
また、図示しないが、軸5の回転を、物理的な反発手段、例えば、トーションバー、スパイラルスプリング、反発機構に反発動力として蓄積する。そして、必要時に、この反発動力、及び/又は、クラッチ機構を介して、軸5を回転し、発電することも可能である。