(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の構成について説明する。
本発明で用いられる成分(a)カラギーナンは、化粧料において増粘剤として用いられる水溶性高分子であり、本発明の水中油型乳化化粧料においては、成分(d)との相互作用により粘度を発し、使用感と安定性を高めるために配合されるものである。
【0009】
カラギーナンは、紅藻類から抽出される硫酸基を有する多糖類であり、原料や抽出方法の違いにより、カッパ(κ)型カラギーナン、イオタ(ι)型カラギーナン、ラムダ(λ)型カラギーナンの3種類に分類される。市販品としては、カッパ型はソアギーナ MV101(エムアールシー ポリサッカライド株式会社)、デルタゲルC80(日本バイオコン株式会社)、イオタ型はソアギーナ MV201(エムアールシー ポリサッカライド株式会社)、デルタゲルS200(日本バイオコン株式会社)、GENU VISCO TYPE J−J(三晶薬株式会社)、ラムダ型はSeaKem XP8012(エフエムシーケミカルズ株式会社)等が挙げられる。これらは一種又は二種以上を組み合わせて用いることができる。これらの中でも、安定性と使用感の点で、イオタ型カラギーナンが好ましい。
【0010】
本発明における成分(a)の配合量は、特に限定されないが、0.01〜1.5質量%(以下、単に「%」と記す)が好ましく、この範囲であれば、みずみずしい使用感で、保存安定性に優れるため好ましい。さらに好ましくは0.2〜1.0%である。
【0011】
本発明で用いられる成分(b)微粒子酸化亜鉛は、紫外線を吸収、散乱、反射、消光等することにより紫外線を遮断する粉体である。成分(b)の平均粒子径は、紫外線遮蔽効果と使用感の観点より、10〜200nmが好ましく、20〜100nmが特に好ましい。これらの粒子径は、動的光散乱法を用いた測定機器により測定可能である。本発明において、微粒子酸化亜鉛は、前記単独の微粒子粉体として配合される以外に、例えば、雲母やタルク等の体質顔料粉体上に担持されたものや、ポリメチルメタクリレート等の球状有機粉体やシリカ等の球状無機粉体の表面に担持されたもの、または微粒子酸化亜鉛の格子欠陥に鉄等の他の金属を導入したもの等の複合化された上体で用いることができる。更に、成分(b)微粒子酸化亜鉛は、通常公知の表面処理剤であるフッ素化合物、シリコーン化合物、金属石ケン、カップリング剤、ロウ、界面活性剤、油脂、炭化水素等を、通常公知の方法により表面処理して配合しても良い。この中でも特にメチルハイドロジェンポリシロキサン等のシリコーン化合物、トリイソステアリン酸イソプロピルチタン、トリエトキシカプリリルシラン等のカップリング剤にて表面処理したものが、粉体の分散性向上、亜鉛イオンの溶出防止の点でより好ましい。
【0012】
本発明における成分(b)の配合量は、特に限定されないが、0.5〜30%が好ましく、この範囲であれば、紫外線防御効果と使用感に優れるため好ましい。さらに好ましくは3〜20%である。
【0013】
本発明で用いられる成分(c)アスコルビン酸グルコシドは、美白効果を目的として配合されるものである。なかでも、美白効果が容易に得られ、それ自身の安定性も良好である、α−グルコシル−L−アスコルビン酸が好ましく、特に好ましくは、2−O−α−D−グルコシル−L−アスコルビン酸であり、特開平3−139288号公報に記載の方法等により製造することができる。
【0014】
本発明における成分(c)の配合量は、特に限定されないが、0.01〜5%が好ましく、この範囲にあると、美白効果に優れ、良好な保存安定性が得られることから好ましい。さらに好ましくは1〜3%である。
【0015】
本発明で用いられる成分(d)水溶液中で1価及び/又は多価金属陽イオンを生成する化合物は、成分(a)の硫酸基と相互作用し粘度をコントロールする、あるいは成分(c)を中和する目的で配合される。成分(d)の化合物は、水性媒体中でイオンを生成するために溶解度が高いことが重要であり、25℃における溶解度は5%以上が好ましく、10%以上がさらに好ましい。具体的には、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、遷移金属塩等であるが、本発明においては、成分(b)の酸化亜鉛は成分(
d)から除く。
【0016】
さらに具体的には、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、乳酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、酢酸カルシウム、リン酸カルシウム、炭酸カルシウム、塩化カルシウム、乳酸カルシウム、クエン酸カルシウム、リン酸二水素カルシウム、ギ酸カルシウム、グルコン酸カルシウム、グルタミン酸カルシウム、グリセリン酸カルシウム、グリセロン酸カルシウム、カルシウムグリシネート、リン酸一水素カルシウム、水酸化カルシウム、ヨウ化カルシウム、乳酸カルシウム、カルシウムラクトホスフェート、炭酸カルシウムマグネシウム、イノシトールヘキサリン酸カルシウムマグネシウム、リン酸カルシウム三塩基、カルシウム−o−ホスフェート、プロピオン酸カルシウム、ピロリン酸カルシウム、ピロリン酸二水素カルシウム、コハク酸カルシウム、カルシウムサックレート、亜硫酸カルシウム、硫酸カルシウム、四リン酸カルシウム、酸化カルシウム、酢酸鉄(II)、酢酸鉄(III)、鉄(III)アセテートヒドロオキサイド、鉄(III)塩化アンモニウム、鉄(III)クエン酸アンモニウム、鉄(II)硫酸アンモニウム、炭酸鉄(III)、塩化鉄(II)、塩化鉄(III)、鉄コリンシトレート、クエン酸鉄(II)、鉄デキストラン、ギ酸鉄(II)、ギ酸鉄(III)、次亜リン酸鉄(III)、乳酸鉄(II)、リン酸鉄(II)、鉄(III)シュウ酸カリウム、ピロリン酸鉄(III)、鉄(III)クエン酸ナトリウム、鉄(III)ピロリン酸ナトリウム、硫酸鉄(III)、リン酸マグネシウムアンモニウム、炭酸マグネシウム、塩化マグネシウム、クエン酸マグネシウム、リン酸二水素マグネシウム、ギ酸マグネシウム、リン酸一水素マグネシウム、マグネシウム−o−ホスフェート、水酸化マグネシウム、マグネシウムヒドロオキサイドカーボネート、乳酸マグネシウム、硝酸マグネシウム、シュウ酸マグネシウム、酸化マグネシウム、リン酸マグネシウム、プロピオン酸マグネシウム、ピロリン酸マグネシウム、硫酸マグネシウム、酢酸亜鉛、硫酸アンモニウム亜鉛、炭酸亜鉛、塩化亜鉛、クエン酸亜鉛、ギ酸亜鉛、リン酸一水素亜鉛、水酸化亜鉛、乳酸亜鉛、硝酸亜鉛、リン酸亜鉛、リン酸亜鉛一塩基、リン酸亜鉛三塩基、亜鉛−o−ホスフェート、プロピオン酸亜鉛、ピロリン酸亜鉛、硫酸亜鉛、酒石酸亜鉛、吉草酸亜鉛及びイソ吉草酸亜鉛、塩化アルミニウム、水酸化アルミニウム、硫酸アルミニウム、アルミン酸ナトリウム等が挙げられ、これらを一種又は二種以上用いることができる。
【0017】
本発明における成分(d)の配合量は、化合物によって異なり特に限定されないが、0.001〜1%が好ましく、この範囲であれば、みずみずしい使用感で、保存安定性に優れるため好ましい。さらには0.005〜0.5%が特に好ましい。
【0018】
さらに本発明の水中油型乳化化粧料には、保存安定性と使用感の向上とを目的として、成分(e)アクリル酸・アクリロイルジメチルタウリンナトリウム共重合体を配合することができる。該共重合体は、金属酸化物との相性が良い水相の増粘剤であるが、成分(a)と組み合わせることにより、弾力性のあるゲル状となり、成分(c)によるべたつきを抑えることができる。共重合体分37.5%を含む分散物が「SIMULGEL EG」の名でSEPPIC社から発売されており、本発明においては、この市販品を用いることができる。また配合量は、共重合体分として、1.5〜4%が好ましく、より好ましくは2〜3%である。
【0019】
さらに本発明の水中油型乳化化粧料には、紫外線防御効果の更なる向上を目的として、成分(f)有機紫外線吸収剤を配合することができる。有機紫外線吸収剤としては、通常日焼け止め化粧料に用いられるものであれば何れのものでも配合することが可能であり、具体的には、例えば、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,4,6−トリアニリノ−p−(カルボ−2’−エチルヘキシル−1’−オキシ)−1,3,5−トリアジン、サリチル酸−2−エチルヘキシル、パラジヒドロキシプロピル安息香酸エチル、パラメトキシ桂皮酸−2−エチルヘキシル、4−tert−4’−メトキシジベンゾイルメタン、2−[4−(ジエチルアミノ)−2−ヒドロキシベンゾイル]安息香酸ヘキシルエステル、ジメトキシベンジリデンジオキソイミダゾリジンプロピオン酸2−エチルヘキシル、2,2’−メチレンビス[6−(2H−ベンゾトリアゾール−2イル)−4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノール]、(1,3,5)−トリアジン−2,4−ビス[{4−(2−エチルヘキシロキシ)−2−ヒドロキシ}−フェニル]−6−(4−メトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、ジメチコジエチルベンザルマロネート、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸及びそのナトリウム塩等が挙げられ、これらを一種又は二種以上用いることができる。その配合量は、特に限定されないが、1〜10%が好ましく、この範囲であれば、紫外線防御効果と使用感に優れるため好ましい。さらに好ましくは5〜8%である。
【0020】
本発明の水中油型乳化化粧料には、上記した成分の他に、水中油型乳化化粧料の構成成分として、水、アルコール類、グリコール等の水性成分、有機紫外線吸収剤以外の油性成分、界面活性剤、また通常の化粧料に使用される成分として、成分(a)及びアクリル酸・アクリロイルジメチルタウリンナトリウム共重合体以外の水溶性高分子増粘剤、成分(b)以外の粉体、保湿剤、酸化防止剤、美容成分、防腐剤、香料、清涼剤、pH調整剤等を本発明の効果を損なわない範囲で適宜配合することができる。
【0021】
水性成分としては、水中油型乳化化粧料の水相を構成するものであり、水の他に、水に可溶な成分であれば何れでもよく、例えば、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール等のグリコール類、グリセリン、ジグリセリン、ポリグリセリン等のグリセロール類、低級アルコール類、アロエベラ、ウイッチヘーゼル、ハマメリス、キュウリ、レモン、ラベンダー、ローズ等の植物抽出液が挙げられる。また、水相の配合量としては、全化粧料中の40〜95%であることが好ましく、さらに65〜85%であることが特に好ましい。この範囲であれば、みずみずしい使用感と安定性に優れた化粧料が得られる。
【0022】
油性成分としては、水中油型乳化化粧料の油相を構成するものであり、化粧料に一般に使用される動物油、植物油、合成油等の起源、固形油、半固形油、液体油、揮発性油等の性状を問わず、炭化水素類、油脂類、ロウ類、硬化油類、エステル油類、脂肪酸類、高級アルコール類、シリコーン油類、フッ素系油類、ラノリン誘導体類、油性ゲル化剤類等が挙げられる。具体的には、流動パラフィン、スクワラン、ワセリン、ポリイソブチレン、ポリブテン等の炭化水素類、モクロウ、オリーブ油、ヒマシ油、ミンク油、マカデミアンナッツ油等の油脂類、ミツロウ、ゲイロウ等のロウ類、ホホバ油、トリオクタン酸グリセリル、ジイソステアリン酸ポリグリセリル、トリイソステアリン酸ジグリセリル、トリベヘン酸グリセリル、2−エチルヘキサン酸セチル、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル、ロジン酸ペンタエリトリットエステル、ジオクタン酸ネオペンチルグリコール、コレステロール脂肪酸エステル、フィトステロール脂肪酸エステル、トリグリセライド、リンゴ酸ジイソステアリル等のエステル類、ステアリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、ベヘニン酸、イソステアリン酸、オレイン酸等の脂肪酸類、ステアリルアルコール、セチルアルコール、ラウリルアルコール、オレイルアルコール、イソステアリルアルコール、ベヘニルアルコール等の高級アルコール類、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、トリメチルシロキシケイ酸、高重合度メチルフェニルポリシロキサン、架橋型オルガノポリシロキサン、架橋型ポリエーテル変性メチルポリシロキサン、メタクリル変性オルガノポリシロキサン、ステアリル変性オルガノポリシロキサン、オレイル変性オルガノポリシロキサン、ベヘニル変性オルガノポリシロキサン、高重合度ジメチルポリシロキサン、アルコキシ変性オルガノポリシロキサン、フッ素変性オルガノポリシロキサン等のシリコーン類、パーフルオロデカン、パーフルオロオクタン、パーフルオロポリエーテル等のフッ素系油剤類、ラノリン、酢酸ラノリン、ラノリン脂肪酸イソプロピル、ラノリンアルコール等のラノリン誘導体、蔗糖脂肪酸エステル、デンプン脂肪酸エステル、イソステアリン酸アルミニウム、12−ヒドロキシステアリン酸等の油性ゲル化剤類等が挙げられ、これらを一種又は二種以上用いることができる。また、成分(e)を含む油性成分の配合量は、全化粧料中の10〜20%であることが好ましい。この範囲であれば、みずみずしい使用感と安定性に優れた化粧料が得られる。
【0023】
界面活性剤としては、化粧料一般に用いられている界面活性剤であれば、いずれのものも使用でき、非イオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤等が挙げられる。
非イオン界面活性剤としては、例えば、グリセリン脂肪酸エステル及びそのアルキレングリコール付加物、ポリグリセリン脂肪酸エステル及びそのアルキレングリコール付加物、プロピレングリコール脂肪酸エステル及びそのアルキレングリコール付加物、ソルビタン脂肪酸エステル及びそのアルキレングリコール付加物、ソルビトールの脂肪酸エステル及びそのアルキレングリコール付加物、ポリアルキレングリコール脂肪酸エステル、蔗糖脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、グリセリンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ラノリンのアルキレングリコール付加物、ポリオキシアルキレンアルキル共変性シリコーン、ポリエーテル変性シリコーン等が挙げられる。
アニオン界面活性剤としては、例えば、ステアリン酸、ラウリン酸のような脂肪酸の無機及び有機塩、アルキルベンゼン硫酸塩、アルキルスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、α−スルホン化脂肪酸塩、アシルメチルタウリン塩、N−メチル−N−アルキルタウリン塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸塩、アルキル燐酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル燐酸塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル燐酸塩、N−アシルアミノ酸塩、N−アシル−N−アルキルアミノ酸塩、ο−アルキル置換リンゴ酸塩、アルキルスルホコハク酸塩等が挙げられる。
カチオン界面活性剤としては、例えば、アルキルアミン塩、ポリアミン及びアルカノールアミン脂肪酸誘導体、アルキル四級アンモニウム塩、環式四級アンモニウム塩等が挙げられる。
両性界面活性剤としては、アミノ酸タイプやベタインタイプのカルボン酸型、硫酸エステル型、スルホン酸型、リン酸エステル型のものがあり、人体に対して安全とされるものが使用できる。例えば、N,N−ジメチル−N−アルキル−N−カルボキシルメチルアンモニウムベタイン、N,N−ジアルキルアミノアルキレンカルボン酸、N,N,N−トリアルキル−N−スルフォアルキレンアンモニウムベタイン、N,N−ジアルキル−N,N−ビス(ポリオキシエチレン硫酸)アンモニウムベタイン、2−アルキル−1−ヒドロキシエチル−1−カルボキシメチルイミダゾリニウムベタイン、レシチン等が挙げられる。
【0024】
本発明の水中油型乳化化粧料は、成分(b)微粒子酸化亜鉛の溶出防止の観点から、中性〜アルカリ性であることが好ましい。具体的なpHとしては7.5〜9.0(30℃)が好ましく、この範囲であれば、みずみずしい使用感と安定性に優れるため好ましい。
【0025】
本発明の水中油型乳化化粧料におけるゲル状とは、低粘度の液状から高粘度のクリーム状までを含むものであり、特に限定されるものではないが、本発明の効果であるみずみずしい使用感やべたつきのなさを顕著に得られるものとしては、ブルックフィールド粘度計を用いた測定による粘度値が1000mPa・s〜40000mPa・s(30℃)であることが好ましい。
【0026】
本発明の水中油型乳化化粧料の製造方法は、特に限定されず常法により調製されるが、例えば、成分(a)を水中に溶解し70〜80℃に加温した後、成分(c)、成分(d)を添加し、同様に70〜80℃に加温した後、成分(b)を分散させた油性成分を添加して、乳化した後に冷却し、その他の添加物を混合する方法が挙げられる。この方法で調製すると、弾力性があり、降伏値を有し安定性に優れながらも、みずみずしい使用感を有する水中油型乳化化粧料を得ることができるため、好ましい。
【0027】
本発明の水中油型乳化化粧料の用途としては、乳液、クリーム、アイクリーム、美容液、日焼け止め、マッサージ料、パック料、ハンドクリーム、ボディクリーム等のスキンケア化粧料、アイシャドウ、ファンデーション、フェイスカラー、コントロールカラー、コンシーラー、化粧下地等のメイクアップ化粧料を例示することができる。
【実施例】
【0028】
次に実施例を挙げて本発明を更に説明するが、本発明はこれによって何ら限定されるものではない。
実施例1〜8および比較例1〜8:日焼け止め乳液
表1に示す組成および下記製法にて日焼け止め乳液を調製した。得られた日焼け止め乳液の「UVカット効果」、「保存安定性(分離、ゲル化)」、「みずみずしさ」、「べたつきのなさ」について下記の方法により評価し、結果を併せて、表1に示した。
【0029】
【表1】
【0030】
(製造方法)
A:成分(1)〜(5)を均一膨潤する。
B:Aに(6)〜(8)を添加して混合溶解する。
C:成分(9)〜(12)を均一分散させる。
D:BにCを添加して乳化し、水中油型の日焼け止め乳液を得た。
【0031】
(評価方法1:UVカット効果)
前記実施例及び比較例の日焼け止め乳液の各サンプル一定量(1.0mg/cm
3)を塗布した塗布体に対して、SPFアナライザ(SPF Analyzer System UV−1000S 三洋貿易株式会社製)を使用し、SPF値を測定した。実測値に対して、以下の判定基準に従って判定した。
(判定):(実測値)
◎ :30.0以上
○ :20.0以上30.0未満
△ :10.0以上20.0未満
× :10.0未満
【0032】
(評価方法2:経時安定性)
前記実施例及び比較例の日焼け止め乳液を6号規格ビンに充填した試料を作成し、試料を安定性加速試験として50℃恒温下にて2週間放置後、25℃に戻した試料の「分離」「ゲル化」についての状態変化を、下記評価基準により判定した。
(判定):(ゲル化の評価)
◎ :変化なし
○ :僅かに不均一感があるが、使用性には問題なし
△ :不均一感があり、やや粘度が高くなっている
× :かなり不均一感があり、粘度が高くなっている
(判定):(分離の評価)
◎ :変化なし
○ :外観に僅かに変化があるが、使用性には問題なし
△ :微量の透明層あり
× :かなり透明層あり
【0033】
(評価方法3:みずみずしさ、べたつきのなさ)
化粧品評価専門パネル10名に前記実施例及び比較例の日焼け止め乳液を使用してもらい、「みずみずしさ」「べたつきのなさ」について、各自が下記絶対評価基準にて7段階に評価し評点を付け、更に全パネルの評点の平均点を以下の判定基準に従って判定した。
(絶対評価基準)
(評点):(評価)
6 :非常に感じる
5 :感じる
4 :やや感じる
3 :普通
2 :あまり感じない
1 :感じない
0 :全く感じない
(4段階判定基準)
(判定):(評点の平均点)
◎ :5点を超える :非常に良好
○ :3点を超える5点以下:良好
△ :1点を超える3点以下:やや不良
× :1点以下 :不良
【0034】
表1の結果から明らかなように、実施例1〜8の化粧料は、いずれも、UVカット効果、みずみずしさ、、べたつきのなさ、保存安定性に優れたものであった。
これに対して、成分(a)を配合していない比較例1、成分(a)代わりに他の水溶性高分子増粘剤を用いた比較例2、3はゲル状を呈さずに液状であった。成分(b)を配合していない比較例4は、保存安定性上の問題はないが、UVカット効果の劣るものであった。成分(b)の代わりにタルクや酸化チタンを配合した比較例5、6はUVカット効果や保存安定性の劣るものであった。成分(c)、成分(d)を配合していない比較例7、8はUVカット効果はあるものの、それぞれに問題の残るものであった。
以上の結果から、本発明における成分(a)〜(d)を組み合わせることにより、保存時安定性が良好であり、紫外線防御効果に優れ、さらにジェル様のみずみずしい使用感を有する水中油型乳化化粧料を得られることが示された。
【0035】
実施例9:日焼け止めクリーム
(成分) (%)
1.精製水 残量
2.イオタ型カラギーナン(注8) 0.01
3.1,3−ブチレングリコール 3.5
4.水酸化ナトリウム 0.3
5.アスコルビルグルコシド 2.0
6.ショ糖ステアリン酸エステル(注9) 0.3
7.精製水 1.0
8.塩化カルシウム 0.1
9.シリコーン処理微粒子酸化亜鉛(注10) 11.0
10.パラメトキシ桂皮酸−2−エチルヘキシル 8.0
11.ジメチコジエチルベンザルマロネート 2.5
12.パラオキシ安息香酸メチル 0.2
13.エタノール 5.0
14.香料 適量
(注8)ソアギーナMV−201(エムアールシー ポリサッカライド社製)
(注9)DKエステル S−160(第一工業製薬社製)
(注10)ZnO−310 Si(4)G(住友大阪セメント社製)
【0036】
(製造方法)
A:成分(1)〜(8)を70℃で加熱膨潤する。
B:成分(9)〜(11)を70℃で加熱溶解する。
C:AにBを添加して乳化後、室温まで冷却する。
D:Cに成分(12)〜(13)を添加混合する。
E:Dに成分(14)を添加混合し、日焼け止め乳液を得た。
【0037】
実施例9の日焼け止めクリームは、保存安定性に優れ、みずみずしいであり、べたつきもなく、紫外線防御効果に優れた日焼け止めクリームであった。