(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記主巻き型体部は複合材料から形成されており、前記スプリントは金属材料から形成されており、かつ前記荷重拡散器は複合材料から形成されている、請求項1に記載のコイル支持機構。
【発明を実施するための形態】
【0011】
上述した要約並びにある種の実施形態に関する以下の詳細な説明は、添付の図面と共に読むことによってさらに十分な理解が得られよう。これらの図面が様々な実施形態の機能ブロックからなる図を表している場合も、必ずしもこれらの機能ブロックがハードウェアや回路間で分割されることを意味するものではない。したがって例えば、これらのブロックのうちの1つまたは幾つかは、単一のハードウェアの形で実現することや、複数のハードウェアの形で実現することができる。こうした様々な実施形態は図面に示した配置や手段に限定されるものではないことを理解すべきである。
【0012】
本明細書で使用する場合、単数形で「a」や「an」の語を前に付けて記載した要素やステップは、これに関する複数の要素やステップも排除していない(こうした排除を明示的に記載している場合を除く)と理解すべきである。さらに、「一実施形態」に対する言及は、記載した特徴も組み込んでいる追加的な実施形態の存在を排除すると理解されるように意図したものではない。さらに特に明示的に否定する記述をしない限り、ある具体的な性状を有する1つまたは複数の構成要素を「備える(comprising)」または「有する(having)」実施形態は、当該性状を有しないこうした構成要素を追加的に含むことがある。
【0013】
様々な実施形態によれば、磁気共鳴撮像(MRI)システム内のマグネットのための支持装置並びに支持体を形成するための方法が提供される。この様々な実施形態によれば、荷重拡散器を備えたスプリットを含んだスプリント機構が提供される。この機構は、様々な条件下(例えば、ランピング動作時や通常動作時)における荷重分布の異なる分割を可能とする。様々な実施形態の実施によって、主巻き型の(特に、より大きなポケットやチャンネル内における)構造状の欠陥が低減または防止される。
【0014】
MRIシステム用の超伝導マグネットと連携した幾つかの実施形態について記載することがあるが、これらの様々な実施形態は、超伝導マグネットを有する任意のタイプのシステムと連携して実現し得ることに留意すべきである。この超伝導マグネットは、別のタイプの医用撮像デバイス、並びに非医用の撮像デバイスの形で実現することもできる。
【0015】
図1に示したようにMRIマグネットコイル支持機構20は、様々な実施形態において超伝導マグネットを形成する複数のコイル24を支持する複合材巻き型であるようなコイル支持体22を含む。例えばコイル支持体22は、当技術分野で周知の方法を用いて繊維強化プラスチック(FRP)を形成するためにエポキシ樹脂合成物を用いて形成させた主巻き型体部とすることがある。MRIマグネットコイル支持機構20はさらに、1つまたは複数の荷重拡散器28(2つの荷重拡散器28を図示)と連携したスプリント26を含む。スプリント26と荷重拡散器28との合成体は、ある動作条件下において複数のコイル24が発生させる電磁気(EM)力(例えば、3900kNのEM力)などの軸方向力に抗した支持を提供するように構成されている。
【0016】
コイル支持体22は、超伝導マグネットの複数のコイル24のうちの1つまたは幾つかを支持できるような形状及びサイズとしている。したがってコイル支持体22は、1つまたは複数のコイル24のための軸方向及び半径方向の力からの支持などの構造的支持を提供でき、この1つまたは複数のコイル24はさらに本明細書でより詳細に記載するようなスプリント26及び荷重拡散器28によって支持されている。
【0017】
図2には、形状が全体として円筒状となったコイル支持体22の一実施形態を示している。コイル支持体22は全体として、その内部における超伝導マグネットコイル(図示せず)の位置を維持させる複数のチャンネル32を含んだ複合材体部30から形成されている。図示した実施形態では、端部チャンネル32a及び32eはこれ以外のチャンネル32b〜dと比べてより大きい(例えば、チャンネル32a及び32eを画定する壁のうちの少なくとも1つに沿った円周方向サイズがより大きい)ことに留意すべきである。しかし、チャンネル32の円周方向のサイズ及び幅を含むサイズは所望によりまたは必要に応じて変更することができる。
【0018】
コイル支持体22はさらに、その間にチャンネル32を備えた荷重拡散器28(
図1参照)を含むことがある端部フランジ34を含む。荷重拡散器28は、様々な動作条件の間においてスプリント26とコイル支持体22の間で軸方向力からの荷重を拡散または分散することができる。例えば
図3に示したような一実施形態では、軸方向力(矢印Aで示す)はコイル支持機構20によって分散される。
図3は、このコイル支持体の軸対称切欠き図を示している。
【0019】
この実施形態ではスプリント26は、端部フランジ34の間を軸方向に延びる金属製のバーまたはロッドとすることがある。例えばスプリント26は、ステンレス鋼(一実施形態では、SS304ステンレス鋼)などの適当な任意の金属、あるいは適当な別の非鉄金属材料から形成させることがある。スプリント26は、複合材体部30の上表面に(例えば、チャンネル32のうちの幾つかの上方で)適当な任意の締結手段(例えば、ボルトや別の機械的締結器)を用いて結合させることがある。スプリント26の長さは、最外側チャンネル32の一部も画定する端部フランジ34の内側壁40間の距離と比べてより短い。したがって、スプリント26の端部と端部フランジ34の間(またより具体的には、スプリント26の端部と端部フランジ34に結合された荷重拡散器28との間)にギャップ42を設けている。したがって荷重拡散器28は、スプリント26の端部に隣接してまたはこれの反対側に位置決めされている、ただしこれに接してはいない。ギャップ42はスプリント26の両方の端部に設けることもスプリント26の一方の端部にだけ設けるもあり得ることに留意すべきである。
【0020】
具体的には、端部フランジ34の内側壁40の上側端部44に対して1つの荷重拡散器28を結合させている(例えば、エポキシその他の接着をさせている)。荷重拡散器28はスプリント26から端部フランジ34に(またしたがって、複合材体部30に)荷重を(具体的には、軸方向力を)伝達するのに適した任意の構造とすることができる。一実施形態ではその荷重拡散器28は、複合材体部30がある種の条件下(例えば、通常動作条件下)で圧縮したときにスプリント26と複合材体部30の間の接触圧力を低減するように構成された平板である。例えば荷重拡散器28は、複合材体部30と同様の材料から形成されることがある。しかし荷重拡散器28は、ガラス強化エポキシ積層体(例えば、G10複合材料)など適当な任意の複合材料から形成されることがある。荷重拡散器28は、軸方向力の分散を可能にするような、並びに荷重拡散器28とスプリント26の間のギャップ42を画定する所定の間隔を提供するようなサイズ(特に、厚さについて)としている。荷重拡散器28は、内側壁40に沿って下方向に(例えば、内側壁40に沿ったほぼ中間まで)延びることがある。しかし荷重拡散器28は、所望によりまたは必要に応じて延び方がこれより大きいことや小さいこと、並びに円周方向に延びることもあり得る。さらに荷重拡散器28は、概して矩形の形状をとること、複合材体部30の輪郭に従った湾曲した上側または底側端部を有すること、あるいは所望のまたは必要に応じた形状とすることがある。
【0021】
スプリント26の端部と荷重拡散器28の間の軸方向ギャップ42としたギャップ42は一実施形態では、金属から形成されたスプリント26と非金属から形成された複合材体部30との間の熱膨張係数(CTE)不整合に対応するように事前決定されている。例えばギャップ42の距離は、通常動作条件時または定常動作時に(例えば、マグネット温度が4度ケルビンに達したときなどに)、ギャップ42が閉じてスプリント26の端部が荷重拡散器28と当接するすなわち接触するように設けられることがある。この接触圧力は異なる実施形態ごとに様々となり得る。
【0022】
したがって動作中の(複合材体部30上に支持されたコイル24により形成される)マグネットのランピングの間では、ギャップ42が閉じておらずスプリント26によって荷重が吸収される。マグネットがスプリント26と荷重拡散器28が接触状態にある3テスラ磁場などの通常動作条件に到達した後は、スプリント26と複合材体部30の間で荷重分布が分割される。例えば一実施形態ではその荷重分布は、複合材体部30に対して荷重の25パーセントまたスプリント26に対して荷重の75パーセントとなるように分割される。したがって様々な実施形態では、複合材体部30に加わる総軸方向EM力は通常動作条件下などある種の条件下において複合材体部30とスプリント26の間で分散すなわち共有される。
【0023】
荷重拡散器28は、スプリント26と複合材体部30の間に様々な界面が画定されるような様々な形状及び形態をとり得ることに留意すべきである。したがって荷重拡散器28は、スプリント26の端部に界面を作るまたはこれを受け容れるための例えば様々なブラケット構造を形成することがある。さらに荷重拡散器28は、端部フランジ34の位置にある最外側チャンネル32に代えてまたはこれに加えて、チャンネル32のこれ以外のチャンネルの位置に代替としてまたは追加として位置決めされることもあることに留意すべきである。さらに、複合材体部30に沿った様々な箇所に配置させるなど荷重拡散器の様々な構成を一緒に用いることがあることに留意すべきである。
【0024】
以下に記載する荷重拡散器の様々な形状及び構成は単に例示である。さらにスプリント26の端部は、荷重拡散器を当接係合させるように荷重拡散器によって形成される界面を補完するような形状または構成とすることがある。
【0025】
例えば一実施形態では、
図4に示したようなスプリント26を伴う階段状の界面を荷重拡散器50によって画定させている。この実施形態では荷重拡散器は、スプリント26の端部を受け容れるための肩部52を画定する単一のステップを有する。
図5に示したような別の実施形態では、荷重拡散器60は階段状の界面以外に、スプリント26の突起64をその内部に受け容れるためのノッチ62を含む。ノッチ62は、その内部における突起64の軸方向の移動を可能にさせるようなサイズとすることがある。
図6に示したような別の実施形態では、荷重拡散器70はスプリント26を係合するように構成されたピン72を含む。ピン72は様々な実施形態では、熱収縮に対する応力集中部(stress raiser)を生成する。
【0026】
図7に示したように荷重拡散器80は、より幅広の基部82を有することがある、ただし
図4の荷重拡散器50と同様の階段状の界面を伴う。
図8に示したような別の実施形態では、スプリント26を係合するためのリングトレーガ(ring insert)92を含むような荷重拡散器90が提供される。
【0027】
図9に示したような一実施形態では、階段状の界面を有する荷重拡散器100(ただしこの実施形態では、ステップの高さはスプリント26との下側係合を提供できるようにより大きくなっている)が提供される。したがってスプリント26の最上部は、荷重拡散器100の最上部より下にあり、
図4の荷重拡散器50に示したように最上部と概ね平面性となっていない。
【0028】
この荷重拡散器は様々な断面形状をとることができる。例えば
図10に示したような荷重拡散器110は、多角形状のステップ112を有するように設けられることがあり、このステップ112は図示した実施形態では角度の付いた中間壁(例示として約45度の角度で図示)を伴う概して垂直な2つの壁を含む。スプリント26の端部は補完的形状を有する。
【0029】
別の実施形態による荷重拡散器120は、
図11に示したようなノッチ122を含む。しかし
図5に示したような荷重拡散器60のノッチ62と異なり、ノッチ122は(矩形ではなく)湾曲していると共に、荷重拡散器120の端部壁のより近くに配置させている。
【0030】
荷重拡散器に対する修正以外に、スプリント26を修正することもできる。例えばスプリント26は、
図12に示したように荷重拡散器50の下側壁54を係合する突起132を含み荷重拡散器50の端部壁56に接触することなく肩部52上の階段状の界面によって荷重拡散器50を支持することがある。
【0031】
上述の例は単に例証目的であること、並びにスプリント26及び荷重拡散器28に関して任意の形状、構成または向きを提供し得ることに留意すべきである。
【0032】
したがって様々な実施形態によれば、例えばコイル支持体とスプリントの間の軸方向力などの荷重をスプリント及び1つまたは複数の荷重拡散器を用いて分散させているマグネットコイル支持構造が提供される。
【0033】
MRIマグネットコイル支持機構20の様々な実施形態は、
図13に示すような撮像システム140の一部として設けることができる。撮像システム140を単一モダリティの撮像システムとして図示しているが、この様々な実施形態はマルチモダリティ撮像システム内にまたはこれに付属して実現し得ることを理解されたい。撮像システム140は、MRI撮像システムとして図示しており、またコンピュータ断層(CT)、陽電子放出断層(PET)、単一光子放出コンピュータ断層(SPECT)及び超音波システムなどの異なるタイプの医用撮像システムと組み合わせること、あるいは画像(特に人の画像)の作成が可能な別の任意のシステムと組み合わせることができる。さらに、これらの様々な実施形態は人を対象とした撮像のための医用撮像システムに限定されるものではなく、人間以外の対象、手荷物その他を撮像するための獣医学システムや非医用システムを含むこともある。
【0034】
図13を参照すると撮像システム140は、撮像ユニット144(例えば、撮像スキャナ)を有する撮像部分142と、プロセッサ147やその他のコンピュータ処理デバイスや制御器デバイスを含み得る処理部分146と、を含む。具体的には撮像ユニット144によって撮像システム140は、対象物や患者155をスキャンして画像データ(対象物や患者155の全体の画像データのこともその一部の画像データのこともある)を収集することが可能となる。撮像ユニット144は、画像データの収集を可能とさせる1つまたは複数の撮像構成要素(その内部のマグネットや磁気巻き線など)を含んだガントリ150を含む。マルチモダリティ撮像システムでは、磁気共鳴撮像用のマグネット(複数のこともある)以外に、コンピュータ断層撮像用のX線源及び検出器、あるいは核医学撮像用のガンマカメラが設けられることがある。これらの撮像構成要素は、有線式やワイヤレス式とし得る通信リンク159を介して処理部分146に伝送される画像データを表す信号を発生させている。これらの信号は様々なプロトコルその他で構成され得ることに留意すべきである。さらに撮像ユニット144による撮像スキャンの間において、ガントリ150とその上またはその中に装着された撮像構成要素は静止したまま維持されることも、ボア153を通過する検査軸を規定する回転中心の周りでまたは回転中心に沿って回転させることもあり得ることにも留意すべきである。患者155は例えばモータ式テーブル157を用いてガントリ150の内部に位置決めされることがある。
【0035】
したがって動作時において、これらの撮像構成要素のうちの1つまたは幾つかの出力が処理部分146に送られ、またこの反対方向に送られており、これには例えば制御インタフェース161を介したプロセッサ147へのまたはこれからの信号の送信を含むことがある。プロセッサ147はさらに、例えばユーザ入力や所定のスキャンに基づいてモータ式テーブル157または撮像構成要素の位置を制御するための制御信号を発生させることもある。スキャン中に、撮像構成要素からの磁気共鳴画像データなどの画像データは、制御インタフェース161を介してデータインタフェース163を通してプロセッサ147に伝送されることがある。データの収集及び処理に使用されるプロセッサ147と付属のハードウェア及びソフトウェアとのことを、全体としてワークステーション164と呼ぶことがある。ワークステーション164は、キーボード167及び/またはユーザ入力デバイス(マウス、ポインタその他など)、並びに表示デバイス(モニタ166として図示)を含む。モニタ166は画像データを表示させると共に、タッチ画面が有効であればユーザから入力を受け取ることもある。
【0036】
単に例証の目的において、様々な実施形態を
図14に示したようなMRIシステム140として実現させることがある。具体的には撮像システム140は、撮像部分142と、プロセッサまたはその他のコンピュータ処理デバイスや制御器デバイスを含み得る処理部分146と、を含むのが一般的である。MRIシステム140はヘリウム容器151の内部に、本明細書に記載したようなマグネットコイル支持構造上に支持され得るコイルから形成した超伝導マグネット148を含む。ヘリウム容器151は超伝導マグネット148を囲繞しており、かつ液体ヘリウムで満たされている。
【0037】
ヘリウム容器151の外側表面の全部または一部を囲繞するように断熱体152が設けられている。超伝導マグネット148の内部には複数の磁場傾斜コイル154が設けられており、またこの複数の磁場傾斜コイル154の内部にはRF送信コイル156が設けられている。幾つかの実施形態ではそのRF送信コイル156を1つの送信/受信コイルで置き換えることがある。ガントリ150内部にある構成要素は全体として撮像部分142を形成している。超伝導マグネット148を円筒形状としているが、その他の形状のマグネットも使用可能であることに留意すべきである。
【0038】
処理部分146は、制御器158、主磁場制御160、傾斜磁場制御162、メモリ165、表示デバイス(モニタ166として具現化)、送信−受信(T−R)スイッチ168、RF送信器170及び受信器172を含むのが一般的である。
【0039】
動作時において撮像対象の患者やファントームなどの対象の体部が、ボア174内の適当な支持体(例えば、患者テーブル)上に配置される。超伝導マグネット148はボア174を横断するような均一で静的な主磁場B
0を発生させる。ボア174内及び対応した患者内の電磁場の強度は、主磁場制御160を介して制御器158により制御されており、制御器158はさらに超伝導マグネット148への励起電流の供給も制御している。
【0040】
1つまたは複数の傾斜コイル素子を含む磁場傾斜コイル154は、ボア174内で超伝導マグネット148内部の磁場B
0に対して直交する3つの方向x、y及びzのうちの任意の1つまたは幾つかの方向に磁場傾斜が印加できるように設けられる。磁場傾斜コイル154は、傾斜磁場制御162によって励起を受けると共に、制御器158による制御も受けている。
【0041】
複数のコイルを含み得るRF送信コイル156は、磁気パルスの送信かつ/または受信コイル素子(RF受信コイルとして構成された表面コイルなど)も設けられている場合は任意選択で同時に患者からのMR信号の検出を行うように配列されている。RF受信コイルは、任意のタイプまたは構成(例えば、単独の受信表面コイル)とすることがある。受信表面コイルは、RF送信コイル156内部に設けられたRFコイルからなるアレイとすることがある。
【0042】
RF送信コイル156と受信表面コイルはT−Rスイッチ168によって、RF送信器170と受信器172の一方に対してそれぞれ選択的に相互接続させている。RF送信器170及びT−Rスイッチ168は、RF磁場パルスまたは信号をRF送信器170により発生させかつ患者内で磁気共鳴を励起するために患者に選択的に加えられるように制御器158によって制御される。RF励起パルスが患者に加えられている間は、T−Rスイッチ168はさらに受信表面コイルを受信器172から切断するように作動させている。
【0043】
RFパルスの印加に続いて、再度T−Rスイッチ168を作動させてRF送信コイル156をRF送信器170から切断すると共に、受信表面コイルを受信器172に接続させている。受信表面コイルは、患者内の励起した原子核に由来するMR信号を検出または検知するように動作すると共に、このMR信号を受信器172に伝送している。検出したこれらのMR信号は一方、制御器158に伝送される。制御器158は、例えば患者の画像を表す信号を発生させるようにMR信号の処理を制御するプロセッサ(例えば、画像再構成プロセッサ)を含む。
【0044】
画像を表す処理済み信号はさらに、モニタ166に送られ、画像の視覚的描出が提供される。具体的にはこのMR信号によって、観察可能な画像が得られるようにフーリエ変換を受けるk空間を満たすまたはこれを形成している。画像を表す処理済み信号は次いで、モニタ166に送られる。
【0045】
様々な実施形態及び/または構成要素(例えば、MRIシステム140に関するものなどのモジュールあるいはこれらの内部にある構成要素や制御器)はまた、1つまたは複数のコンピュータまたはプロセッサの一部として実現させることもある。このコンピュータやプロセッサは、コンピュータ処理デバイス、入力デバイス、表示ユニット、及び例えばインターネットにアクセスするためのインタフェースを含むことがある。このコンピュータやプロセッサは、マイクロプロセッサを含むことがある。このマイクロプロセッサは、通信バスと接続させることがある。このコンピュータやプロセッサはさらにメモリを含むことがある。このメモリは、ランダムアクセスメモリ(RAM)や読出し専用メモリ(ROM)を含むことがある。このコンピュータやプロセッサはさらに、ハードディスクドライブ、あるいはフロッピー(商標)ディスクドライブ、光ディスクドライブその他などの取外し可能な記憶ドライブとし得る記憶デバイスを含むことがある。この記憶デバイスはさらに、コンピュータプログラムその他の命令をコンピュータやプロセッサにロードするための別の同様の手段とすることがある。
【0046】
本明細書で使用する場合、「コンピュータ」や「モジュール」という用語は、マイクロコントローラを用いたシステム、縮小命令セットコンピュータ(RISC)、特定用途向け集積回路(ASIC)、論理回路、及び本明細書に記載した機能を実行可能な別の任意の回路やプロセッサを含めプロセッサベースまたはマイクロプロセッサベースの任意のシステムを含むことがある。上述の例は単に例示であり、またしたがっていかなる意味においても「コンピュータ」という用語の定義及び/または意味を限定することを意図していない。
【0047】
このコンピュータやプロセッサは、入力データを処理するために1つまたは複数の記憶素子内に保存された1組の命令を実行する。この記憶素子はさらに、所望によりまたは必要に応じて、データやその他の情報も保存することがある。この記憶素子は情報ソースの形態とすることや、処理装置内部にある物理的な記憶素子とすることがある。
【0048】
この命令の組は、本発明の様々な実施形態の方法や処理などの指定の動作を実行するように処理装置としてのコンピュータまたはプロセッサに指令するための様々なコマンドを含むことがある。この命令組は、有形の非一時的コンピュータ読み取り可能媒体(複数のこともある)の一部を形成し得るソフトウェアプログラムの形態とすることがある。このソフトウェアは、システムソフトウェアやアプリケーションソフトウェアなどの様々な形態とすることがある。さらにこのソフトウェアは、単独のプログラムやモジュールからなる集合体、より大きなプログラムの内部のプログラムモジュール、あるいはプログラムモジュールの一部分の形態とすることがある。このソフトウェアはさらに、オブジェクト指向プログラミングの形態をしたモジュール型プログラミングを含むことがある。処理装置による入力データの処理は、オペレータコマンドに応答すること、以前の処理結果に応答すること、あるいは別の処理装置が発した要求に応答することがある。
【0049】
本明細書で使用する場合に「ソフトウェア」と「ファームウェア」という用語は、RAMメモリ、ROMメモリ、EPROMメモリ、EEPROMメモリ及び不揮発性RAM(NVRAM)メモリを含めコンピュータによって実行するためにメモリ内に保存された任意のコンピュータプログラムを含むことがある。上述のメモリタイプは単に例示であり、またしたがってコンピュータプログラムの記憶に使用可能なメモリのタイプを限定するものではない。
【0050】
上の記述は例示であって限定でないことを理解されたい。例えば上述の実施形態(及び/または、その態様)は、互いに組み合わせて使用することがある。さらに、具体的な状況や材料を様々な実施形態の教示に適応させるようにその趣旨を逸脱することなく多くの修正を実施することができる。本明細書に記載した材料の寸法及びタイプが様々な実施形態のパラメータを規定するように意図していても、これらは決して限定ではなく単なる例示である。上の記述を検討することにより当業者には別の多くの実施形態が明らかとなろう。様々な実施形態の範囲はしたがって、添付の特許請求の範囲、並びに本請求範囲が規定する等価物の全範囲を参照しながら決定されるべきである。添付の特許請求の範囲では、「を含む(including)」や「ようになった(in which)」という表現を「を備える(comprising)」や「であるところの(wherein)」という対応する表現に対する平易な英語表現として使用している。さらに添付の特許請求の範囲では、「第1の」、「第2の」及び「第3の」その他の表現を単にラベル付けのために使用しており、その対象に対して数値的な要件を課すことを意図したものではない。さらに、添付の特許請求の範囲の限定は手段プラス機能形式で記載しておらず、また35 U.S.C.§112、第6パラグラフに基づいて解釈されるように意図したものでもない(ただし、本特許請求の範囲の限定によって「のための手段(means for)」の表現に続いて追加的な構造に関する機能排除の記述を明示的に用いる場合を除く)。
【0051】
この記載では、様々な実施形態(最適の形態を含む)を開示するため、並びに当業者による任意のデバイスやシステムの製作と使用及び組み込んだ任意の方法の実行を含む様々な実施形態の実施を可能にするために例を使用している。この様々な実施形態の特許性のある範囲は本特許請求の範囲によって規定していると共に、当業者により行われる別の例を含むことができる。こうした別の例は、その例が本特許請求の範囲の文字表記と異ならない構造要素を有する場合や、その例が本特許請求の範囲の文字表記と実質的に差がない等価的な構造要素を有する場合があるが、本特許請求の範囲の域内にあるように意図したものである。
【0052】
上の記述は例示であって限定でないことを理解されたい。例えば上述の実施形態(及び/または、その態様)は、互いに組み合わせて使用することがある。さらに、具体的な状況や材料を様々な実施形態の教示に適応させるようにその趣旨を逸脱することなく多くの修正を実施することができる。本明細書に記載した材料の寸法及びタイプが様々な実施形態のパラメータを規定するように意図していても、これらは決して限定ではなく単なる例示である。上の記述を検討することにより当業者には別の多くの実施形態が明らかとなろう。様々な実施形態の範囲はしたがって、添付の特許請求の範囲、並びに本請求範囲が規定する等価物の全範囲を参照しながら決定されるべきである。添付の特許請求の範囲では、「を含む(including)」や「ようになった(in which)」という表現を「を備える(comprising)」や「であるところの(wherein)」という対応する表現に対する平易な英語表現として使用している。さらに添付の特許請求の範囲では、「第1の」、「第2の」及び「第3の」その他の表現を単にラベル付けのために使用しており、その対象に対して数値的な要件を課すことを意図したものではない。さらに、添付の特許請求の範囲の限定は手段プラス機能形式で記載しておらず、また35 U.S.C.§112、第6パラグラフに基づいて解釈されるように意図したものでもない(ただし、本特許請求の範囲の限定によって「のための手段(means for)」の表現に続いて追加的な構造に関する機能排除の記述を明示的に用いる場合を除く)。
【0053】
この記載では、様々な実施形態(最適の形態を含む)を開示するため、並びに当業者による任意のデバイスやシステムの製作と使用及び組み込んだ任意の方法の実行を含む様々な実施形態の実施を可能にするために例を使用している。この様々な実施形態の特許性のある範囲は本特許請求の範囲によって規定していると共に、当業者により行われる別の例を含むことができる。こうした別の例は、それが本特許請求の範囲の文字表記と異ならない構造要素を有する場合や、それが本特許請求の範囲の文字表記と実質的に差がない等価的な構造要素を有する場合があるが、本特許請求の範囲の域内にあるように意図したものである。