(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0020】
次に、本発明の実施形態について図面を用いて詳細に説明する。
【0021】
図1は、本発明の実施形態である録画再生装置100の機能的構成を示すブロック図である。ここで、録画再生装置100は、デジタル放送信号を受信し、このデジタル放送信号により放映される番組を録画及び再生する装置である。
【0022】
録画再生装置100は、アンテナ101、デジタル放送チューナ102、デジタル復調部103、パケット分離部104、映像復調部105、音声復調部106、映像・音声エンコーダ107、再圧縮プロセッサ108、メディア記録部109、映像・音声デコーダ110、映像出力部111、音声出力部112、データ復調部113、放送局情報デコーダ114及びシステムコントローラ115を含む。
【0023】
アンテナ101は、デジタル放送信号を受信するアンテナである。なお、今回説明する実施形態ではデジタル放送信号をアンテナ101により無線で受信することを想定しているが、ケーブルテレビと呼ばれるような形態で、デジタル放送信号を有線にて受信するようにしても良い。この場合は、アンテナ101に代えて有線放送を受信する為のインターフェースが設けられる。
【0024】
アンテナ101で受信したデジタル放送信号はデジタル放送チューナ102で選局され、選局した伝送チャンネルのデジタル信号がデジタル復調部103に入力される。
【0025】
デジタル復調部103は、デジタル復調部103自身に入力されたデジタル放送信号を復調することにより伝送ストリームを抽出する。
【0026】
デジタル復調部103にて抽出された伝送ストリームはパケット分離部104で映像ストリームパケット、音声ストリームパケット及びデータストリームパケットの3種類のパケットが分離され、それぞれ映像復調部105、音声復調部106及びデータ復調部113にて復調出力される。
【0027】
これら復調出力された3種類のデジタル信号のうち、映像信号出力と音声信号出力は、映像・音声エンコーダ107に供給される。
【0028】
上記映像・音声エンコーダ107は、映像信号及び音声信号を所定の規格で符号化処理するもので、ここで得られた信号は、再圧縮プロセッサ108を介して、記録ストリームとしてメディア記録部109に送られる。
【0029】
このメディア記録部109は、例えばハードディスクドライブ装置や、BD(Blu-ray)ディスクを記録媒体とするレコーダ、といったメディアを読み書き可能な記録再生装置により実現される。この場合、メディアとはハードディスクドライブ装置内のプラッタや、BD-RE (Blu-ray Disc Rewritable)規格に準拠した光ディスクが該当する。また、メディアを半導体メモリとしたFlash SSD(Flash Solid State Drive)によってメディア記録部109を実現するようにしても良い。なおメディアは本発明における「記録媒体」に相当する。
【0030】
メディア記録部109は、記録ストリームをN倍速(ここで、「N>1」である。)でメディアに記録可能である。また、メディアに記録されている記録ストリームをM倍速(ここで、「M≧1」である。)で再生可能である。なお、NとMは同じ値であっても良いが、異なる値であっても良い。また、NとMはそれぞれが単一の値であっても良いが、それぞれが複数の値から選択されるようにしても良い。ここで、N、Mの値は、アンテナが受信した音声映像データの速度を1とした場合の値である。
【0031】
上記メディア記録部109で再生されたストリーム(以下、適宜「再生ストリーム」と呼ぶ。)は、再圧縮プロセッサ108を介して映像・音声デコーダ110に送られる。そして、ここで元の映像ストリーム、音声ストリームに戻される。
【0032】
なお、本実施形態では、再圧縮プロセッサ108がメディアに記録されている記録ストリームをデータとして読み出し、この読み出した記録ストリームを、再生速度がM倍速となるタイミングでデコードされるように映像・音声デコーダ110に入力することを再生と表現する。
【0033】
そして、映像ストリームは、映像出力部111を通じて図示しないディスプレイに送られる。また、音声ストリームは、音声出力部112を通じて図示しない音響装置に送られる。
【0034】
一方で、デジタル放送では、映像・音声データと共に、番組を構成する制御データの一部として、番組ID、番組開始・終了時間情報、イベントリレー実行情報及びイベントリレー先情報などがサービス情報として伝送される。そこで、データ復調部113において、復調データからサービス情報を抽出し、放送局情報デコーダ114に出力する。
【0035】
放送局情報デコーダ114は、サービス情報から番組に関する番組情報を抽出し、この抽出情報をシステムコントローラ115に出力する。なお、この抽出した番組情報の具体例については後述する。
【0036】
このシステムコントローラ115は、本録画再生装置100の各部処理動作を総括的にコントロールするもので、上記放送局情報デコーダ114から与えられる番組情報に基づいて映像・音声エンコーダ107、映像・音声デコーダ110、再圧縮プロセッサ108の処理動作を制御する機能を有している。
【0037】
システムコントローラ115では、システムコントローラ115自身に入力された番組情報から番組延長の有無を判定し、その延長時間を含む番組トータル時間を求める。また、システムコントローラ115は、求めた番組トータル時間と、この番組に割り当てられる記録容量とから記録レートを求める。この割り当てられる記録容量は、システムコントローラ115がメディア記録部109に含まれるメディアの空き容量に基づいて割り当てる記録容量決定しても良いし、システムコントローラ115がユーザから指定を受けて、この指定された容量を割り当てる記録容量として決定しても良い。また、或る番組に割り当てられる記憶容量を決定する際には、特許文献1に記載されているような技術を利用しても良い。つまり、この或る番組以外の番組の録画予約状況及びこの録画予約状況から算出される、この或る番組以外の番組を録画する為に使用されるディアの使用量を考慮してメディアの空き容量を算出するようにしても良い。
【0038】
更に、システムコントローラ115は、求められた記録レートに基づいて、映像・音声エンコーダ107に記録対象とする番組内の新規に記録する部分の記録レートを設定するコマンドを送る。また、併せて再圧縮プロセッサ108に記録対象とする番組内の再度記録する部分の記録レートを設定するコマンドを送る。ここで、新規記録部分とは、或る番組の終了までの動画データのうち、未だ受信していない動画データ及び受信はしたものの未だメディア記録部109に含まれるメディアに記録していない動画データのことを指す。一方、「再度記録部分」とは或る番組の終了までの動画データのうち、既に受信をしてメディアに一度記録されている動画データであって、この一度記録された際の記録レートと異なる記録レートで再度メディアに記録される動画データのことを指す。
【0039】
再圧縮プロセッサ108は、メディア記録部109を通じて、記録対象とする番組内の既に記録された部分の再生ストリームをメディアから受け取り、これを再圧縮して記録レートを下げて再記録ストリームを作成する。
【0040】
また映像・音声エンコーダ107から記録対象とする番組内の新規に記録する部分のデータを受け取り新記録ストリームとする。
【0041】
再圧縮プロセッサ108はこれら2つの記録ストリーム(再記録ストリーム及び新記録ストリーム)を交互にメディア記録部109に送る。メディア記録部109では、再記録ストリームの記録と新規記録ストリームの記録を交互に行う。
【0042】
なお、再圧縮プロセッサ108がメディアから既に記録された部分の再生ストリームを受け取った後、メディアからは、この既に記録された部分の再生ストリームは削除される。又は、再記録ストリーム及び新記録ストリームをこの既に記録された部分の再生ストリームの上に上書きするようにしても良い。つまり、既に記録された部分の再生ストリームが記録されていた部分は、再圧縮プロセッサに再生ストリームが渡された後は書き込み可能な部分として扱われ、再書き込みではブランク部分に加えてこの書き込み可能な部分にも書き込みを行う。
【0043】
次に、
図2に表される番組情報の一例を参照して、番組情報について説明する。
【0044】
図2に表される番組情報200には、番組ID201、開始日時202、終了日時203、番組名204、チャンネル情報205、画質206、イベントID207、イベントリレー実行フラグ208、イベントリレー先情報209、番組延長フラグ210、番組延長時間211及びその他の情報212が含まれる。
【0045】
番組ID201は、番組情報200に固有な識別情報である。開始日時202は、対応する番組の放送開始日時を示す。終了日時203は、対応する番組の放送終了日時を示す。また、終了日時203に代えて番組の長さを表す番組長が含まれていても良い。番組長は例えば30分を表す「30:00」等の値で表される。番組名204は、対応する番組のタイトルを示す。
【0046】
チャンネル情報205は、対応する番組の放送チャンネルを示す。画質206は、対応する番組の画質を示す。イベントID207は、対応する番組を一意に識別するための情報である。イベントリレー実行フラグ208は、対応する番組がチャンネルを変更して継続されるか否か(イベントリレーが実行されるか否か)を示す。イベントリレー先情報209は、イベントリレーが実行されるときのリレー先のチャンネルとその番組のイベントIDを示す。番組延長フラグ210は、対応する番組がチャンネルを変更することなく継続されるか否か(番組が延長されるか否か)を示す。番組延長時間211は、番組が延長される場合に何分間(又は何分何秒間)延長されるかを示す。番組が延長されない場合には、この値は、例えば、NULLである。NULLとする場合には、図示されているように「00:00:00」というデータによりNULLと認識させても良いし、他の情報で代替するようにしても良い。
【0047】
その他の情報212には、ジャンル情報、番組詳細情報、共通イベント情報、マルチビュー情報及び課金情報等の番組に関連するその他の情報が含まれる。
【0048】
番組情報200としては、放送予定の番組に対応するものが定期的に配信される他、現在放送中の番組の番組情報や次に放送される番組の番組情報も配信される。
【0049】
番組情報は、番組の切り替わるとき(例えば、長時間番組の間にニュースが挿入されるとき)や急に放送枠が変更されたとき(番組の延長や短縮など)に対応して、短周期で更新されたものが配信される。
【0050】
続いて、
図3−1及び
図3−2のフローチャートを参照して本実施形態の動作を説明する。
図3−1及び
図3−2には、本実施形態の特徴である番組延長の判定及びこれに関連する動作が表されている。
【0051】
ステップS11において、録画モードを現在メディアに残されている空き容量全てを残らず使用するジャストREC(記録)モードとする(ステップS11)。なお、ジャストRECモードのように現在メディアに残されている空き容量全てを使用するのではなく、現在メディアに残されている空き容量のうちから予め指定された量の空き容量を残らず使用するモードであっても本実施形態は適用可能である。つまり、現在メディアに残されている空き容量が2GB(Giga byte)で有る場合に、この2GB全てを利用するモードであっても良く、2GBのうちの1GB全てを利用するように指定されたモードであっても良い。後者の場合は延長した番組を録画したとしても1GBの空き容量を確保でき、その後、全く異なる他の番組を必ず録画したい場合等に利用できる。
【0052】
何れのモードの場合であっても、記録開始時の画質の設定記録レートは、そのレートで記録すれば、記録するべき内容を全て録画でき、且つ、画質が最高となるものとなる。すなわち、記録開始時の画質の設定記録レートは、そのレートで記録すれば、録画時間を確保するための記憶容量が不足しない範囲で、画質が最高のものとなる。
【0053】
この場合、記録開始時の設定記録レートでは、途中で番組延長があった場合には、番組を最後まで記録することができない。そこで、録画実行中、常に番組延長が発生しているか否かを判定する。判定は定期的に行われても良いが、不定期的に行われても良い。つまり、番組終了までの間所定の間隔で定期的に判定を行っても良いが、番組終了が近づくにつれて判定の間隔を狭めて行っても良い。この判定に該当する動作はステップS12、S13、S14及びS15にあたる。
【0054】
まず、放送局から録画対象としている番組の番組IDを含む番組情報200として番組延長情報が送られて来たか否かの判定を行う(ステップS12)。番組延長情報は、番組が延長する旨の情報及び延長する時間を表す情報により実現することができる。例えば、番組延長フラグ210が「オン」、番組延長時間211が「15分」といった内容の情報で実現することができる。また、番組延長フラグ210及び番組延長時間211を利用するのではなく、終了日時203が変更されることにより番組延長情報が実現されても良い。
【0055】
ここで、番組延長情報が送られてきたと判定した場合(ステップS12においてYes)、イベントリレー情報があるかを判定する(ステップS16)。具体的には、イベントリレー実行フラグ208が「オン」であるか否かを確認する。
【0056】
番組情報200に含まれるイベントリレー実行フラグ208が「オン」であり、イベントリレーを実行すると指定されている場合(ステップS16においてYes)は、ステップS17に進む。
【0057】
ステップS17では、番組情報200のイベントリレー先情報209を取得してリレー先のイベントIDに対応する番組情報200を取得する。
【0058】
次に、番組録画時間を算出する(ステップS18)。具体的には、「番組録画時間=録画設定時間+延長時間」の式により算出する。この延長時間は、リレー先番組の放送される時間を含めた延長時間とする。例えば、チャンネル変更をすることなく第1の所定の時間番組延長が行われ、その後更にイベントリレーが行われて第2の所定の時間イベントリレー先の番組が放映される場合もあり得る。この場合、延長時間とは「第1の所定の時間+第2の所定の時間」となる。
【0059】
次に、最適な記録レートを算出する(ステップS19)。具体的には「記録レート=記録開始時残メディア容量/番組録画時間」の式により算出する。
【0060】
次に、ステップS19で算出した記録レートよりも最適な記録レートがないか検討する。その為に、まずステップS20にて、「ステップS19で計算した記録レート>リレー先番組の放送レート」の関係になるか否かを判定する。
【0061】
ここで、何故この判定を行うのかを説明する。イベントリレーのように番組の続きが別の番組で放送レートを変更して継続された場合、例えばHD画質→SD画質のように、リレー先の番組の放送レートが低下することが多い。そして、録画を継続できたとしても、「記録レート>リレー先の放送レート」の関係に有る場合、リレー先の番組は放送レートを越えるレートでは録画できない。そのため、リレー先番組をステップS19で計算した記録レートで録画したとしても、画質が向上することはなく、記録媒体の空き領域が無駄に消費されることになってしまう。
【0062】
そこで、HD放送の番組からSD放送の番組にリレーされるなど、リレー先番組の放送レートが下がって画質が落ちる場合には記録レートを再度算出し直すことが好ましい。そこで、本実施形態ではステップS20において判定を行う。
【0063】
そして、ステップS20で「ステップS19で計算した記録レート>リレー先番組の放送レート」の関係になると判定された場合(ステップS20においてYes)、ステップS21に進む。
【0064】
リレー先番組を放送レートのまま画質を下げずに録画してもメディアに空き容量が出来る。すなわち、リレー先番組を放送レートよりも圧縮する必要は無くなる。また、その一方で、この空き容量を利用することにより、イベントリレー元の番組の記録レートを向上することもできる。すなわち、ステップS19で設定した記録レートよりも高い記録レートをイベントリレー前の部分に適用して、その部分の画質を向上させることができる。そのため、ステップS21でより適切な記録レートを算出し、この算出した記録レートへと変更することによって空き容量が出来ないようにする。新たな記録レートの算出は以下の式に基づいて行われる。
「記録レート=(記録開始時残メディア容量−リレー先番組の放送レート×リレー先番組の放送時間)/リレー元番組の放送時間」
記録レートの算出後は、リレー先番組の非圧縮フラグ=1に設定して、イベントリレー後にリレー先番組を放送レートのまま録画するように指定する(ステップS22)。
【0065】
そして、現在の番組の新規の記録部分を記録する記録レートをステップS21で計算済みの記録レートに変更して新規の記録部分の記録を開始する。また、この新規の記録部分の記録と並行して、現在の番組内の既に記録された部分の再圧縮記録レートを、ステップS21で計算済みの記録レートとして再圧縮記録を開始する(ステップS24)。すなわち、既に記録された部分に関しては、それを再生し、それをステップS21で計算された記録レートに合わせて再圧縮し、再圧縮された記録データを記録媒体に記録する。この際、再生済みの部分は、上書き可能部分として利用する。再生と上書きの間に消去を行なってもよい。
【0066】
なお、上述したように本実施形態ではN倍速での録画が可能である。そのため、新規の記録部分の記録を番組放送に合わせてリアルタイムで行なうことに加えて、並行して再圧縮記録を行うというステップS24を実現することができる。
【0067】
一方、ステップS20で「記録レート≦リレー先番組の放送レート」と判定した場合(ステップS20においてNo)、記録レートはステップS19で計算した記録レートを使用することとなる。具体的には、ステップS23でリレー先番組の非圧縮フラグ=0に設定する。
【0068】
そして、現在の番組の新規の記録部分を記録する記録レートをステップS19で計算済みの記録レートに変更して新規の記録部分の記録を開始する。また、この新規の記録部分の記録と並行して、現在の番組内の既に記録された部分の再圧縮記録レートを、ステップS19で計算済みの記録レートとして再圧縮記録を開始する(ステップS24)。
【0069】
すなわち、既に記録された部分に関しては、それを再生し、それをステップS19で計算された記録レートに合わせて再圧縮し、再圧縮された記録データを記録媒体に記録する。この際、再生済みの部分は、上書き可能部分として利用する。再生と上書きの間に消去を行なってもよい。
【0070】
他方、ステップS16でイベントリレー情報が無いと判定した場合(ステップS16においてNo)、番組録画時間を「番組録画時間=録画設定時間+延長時間」の計算式に基づいて計算する。ステップS18の場合と異なり、この延長時間にはリレー先番組の放送される時間は含まれず、現在録画している番組の延長時間が含まれる。その後ステップS34へ進む。ステップS34の動作については後述する。
【0071】
番組延長情報が送られてきていない場合(ステップS12においてNo)は、続いて、番組延長情報ではなく、次番組の開始時間情報が送られて来たか否かの判定を行う(ステップS13)。
【0072】
具体的には、次番組の番組ID201に対応する番組開始日時202が、現在録画している番組の録画開始後に変更されていないか、録画中、常に監視する。
【0073】
異なる次番組開始情報が送られてきて、次番組の番組ID201に対応する番組開始日時202が変更された場合には(ステップS13においてYes)、現在録画中の番組終了日時が、次番組の番組ID201に対応する変更後の番組開始日時202まで延長したと判断する。
【0074】
そして、ステップS32に進み、番組録画時間を「番組録画時間=次番組の開始時間−録画開始時間」の計算式に基づいて計算する。この計算によって、番組録画時間に延長分の時間が追加されたことになる。ステップS18の場合と異なり、この延長時間にはリレー先番組の放送される時間は含まれず、現在録画している番組の延長時間が含まれる。その後ステップS34へ進む。ステップS34の動作については後述する。
【0075】
録画延長情報がなく(ステップS12においてNo)、次番組開始時間遅れ情報もない(ステップS13においてNo)にも関わらず、録画予約終了時間経過後(ステップS14においてYes)においても録画していた番組の番組IDが継続している場合が考えられる(ステップS30においてYes)。
【0076】
録画延長情報がなく(ステップS12においてNo)、次番組開始時間遅れ情報もない(ステップS13においてNo)場合は録画終了時間が経過したか否かを判定する(ステップS14)。
【0077】
録画予約終了時間経過後(ステップS14においてYes)、で番組IDは継続していないと判定した場合は(ステップS30においてNo)番組終了と見なして、ステップS39でジャストRECを終了する。
【0078】
一方、録画延長情報がなく(ステップS12においてNo)、次番組開始時間遅れ情報もない(ステップS13においてNo)にも関わらず、録画予約終了時間経過後(ステップS14においてYes)においても録画していた番組の番組IDが継続している場合が考えられる(ステップS30においてYes)。この場合には、録画番組が延長されていると判断する。そのため、ステップS33において番組録画時間を算出する。但し、この場合は番組延長時間が放送局から送信されてきた番組情報200からは求められない。そのため、予め設定した延長時間を記録延長時間とする。例えば、放送番組は最小15分単位で構成されていることが多いので、この延長設定時間を15分とする。この場合は、ステップS33により、番組録画時間=録画設定時間+一定時間(例えば15分)となる。この一定時間経過後も番組IDが継続する場合には、再び番組延長と判断して再度録画時間を延長する。この処理は、後述のステップS34以降のステップを終了し、再度ステップS12に戻ることで実現される。
【0079】
録画時間延長と判断してステップS31、ステップS32及びステップS33の何れかで番組録画時間を計算すると、最適記録レートの演算処理を実行する(ステップS34)。
【0080】
次に、最適な記録レートを算出する(ステップS34)。具体的には「記録レート=記録開始時残メディア容量/番組録画時間」の式により算出する。
【0081】
次に、現在録画中の番組が、イベントリレー先番組で有るか否かを判定する(ステップS35)。リレー先番組を録画中でないと判定した場合(ステップS35においてNo)は、現在の番組の新規の記録部分を記録する記録レートをステップS34で計算済みの記録レートに変更して新規の記録部分の記録を開始する。また、この新規の記録部分の記録と並行して、現在の番組内の既に記録された部分の再圧縮記録レートを、ステップS34で計算済みの記録レートとして再圧縮記録を開始する(ステップS24)。すなわち、既に記録された部分に関しては、それを再生し、それをステップS34で計算された記録レートに合わせて再圧縮し、再圧縮された記録データを記録媒体に記録する。この際、再生済みの部分は、上書き可能部分として利用する。再生と上書きの間に消去を行なってもよい。
【0082】
一方、ステップS35でリレー先番組を録画中であると判定した場合(ステップS35においてYes)は、リレー先番組の放送レートが下がって画質が落ちる場合を考慮した最適記録レートの演算処理を実行する。
【0083】
具体的には、ステップS36にて、「ステップS34で計算した記録レート>リレー先番組の放送レート」の関係になるか否かを判定する。
【0084】
ステップS36で「記録レート>リレー先番組の放送レート」の関係になると判定された場合(ステップS36においてYes)、既にリレー先番組を放送レートのまま録画している。そのため、ステップS37で記録レートを変更してメディアに空き容量が出来ないようにする。新たな記録レートの算出は以下の式に基づいて行われる。
【0085】
「記録レート=(記録開始時残メディア容量−リレー先番組の放送レート×リレー先番組の放送時間)/リレー元番組の放送時間」
ここでは、既にリレー先番組を放送レートのまま録画している。そのため、ステップS24のように新規に記録する部分の記録レートを変更することはせず、ステップS25で、リレー元の番組内の既に記録された部分の再圧縮記録レートを、ステップS37で計算済みの記録レートとして再圧縮記録を開始する既存記録部分の再圧縮記録レート設定を行って再圧縮記録を開始する。
【0086】
また、ステップS36で「記録レート≦リレー先番組の放送レート」と判定した場合(ステップS36においてNo)、記録レートはステップS34で計算したレートを使用する。そのため、ステップS38でリレー先番組の非圧縮フラグ=0に設定する。
【0087】
そして、リレー先の番組の新規の記録部分を記録する記録レートをステップS34で計算済みの記録レートに変更して新規の記録部分の記録を開始する。また、この新規の記録部分の記録と並行して、リレー元の番組及びリレー先番組内の既に記録された部分の再圧縮記録レートを、ステップS34で計算済みの記録レートとして再圧縮記録を開始する(ステップS24)。すなわち、既に記録された部分に関しては、それを再生し、それをステップS24で計算された記録レートに合わせて再圧縮し、再圧縮された記録データを記録媒体に記録する。この際、再生済みの部分は、上書き可能部分として利用する。再生と上書きの間に消去を行なってもよい。
【0088】
最後に、録画予約終了時間経過前に番組が終了した場合の判定を行う。
【0089】
この判定はステップS15及びS26で行う。ステップS15で番組が終了したと判定した場合(ステップS15においてYes)、ステップS26にてステップS16でイベントリレーすると判定しているか判定し、イベントリレーしない場合(ステップS26においてNo)は番組終了と見なして、ジャストRECを終了する(ステップS39)。
【0090】
ステップS26でイベントリレーすると判定した場合(ステップS26においてYes)、ステップS27にてステップS22でリレー先番組の非圧縮フラグ=1としているか判定する。
【0091】
非圧縮フラグ=1の場合は(ステップS27においてYes)、ステップS28でリレー先番組の記録レートを放送レートのまま非圧縮に変更し、ステップS29でリレー先番組の録画を開始する。一方、ステップS27でリレー先番組の非圧縮フラグ=0の場合は(ステップS27においてNo)、記録レートは変更せずにステップS29でリレー先番組の録画を開始する。
【0092】
以上説明した本発明の実施形態は、以下に示すような多くの効果を奏する。
【0093】
第1の効果は、イベントリレーのように番組が延長され、続きが別の番組として放送された場合に、記録媒体の空き容量が不足しても、自動的に録画中の番組と延長された番組を同一の記録レートで再圧縮して所定の記録領域に再記録することができることである。
【0094】
その理由は、番組情報を確認し、番組の続きが別の番組で延長される場合はリレー先の番組情報を取得して、リレー先の番組での延長時間を含めた録画時間を計算し、リレー先の番組を継続して録画するためである。
【0095】
第2の効果は、イベントリレーのように番組が延長され、続きが別の番組として放送された場合に、続きが別の番組で延長され、リレー先番組の放送レートが下がって画質が落ちる場合でも、録画終了時に記録媒体に空きが出来ないように録画することができる。
【0096】
その理由は、一旦リレー先の番組の放送レートが同じ前提で記録レートを計算し、(記録レート<リレー先番組の放送レート)である場合、リレー先の放送レートを圧縮せずに録画することを前提に、リレー元の番組の記録レートを計算するためである。
【0097】
また、上述した実施形態は、本発明の好適な実施形態ではあるが、上記実施形態のみに本発明の範囲を限定するものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更を施した形態での実施が可能である。
【0098】
例えば、本実施形態を変形し、デジタル放送の録画ではなく、或る記録媒体から他の記録媒体への動画データの複写(いわゆるダビング)に利用するようにしても良い。この場合には、ダビング途中で、複写元の記録媒体に録画されている動画データの圧縮率が途中で変化したことを検知した際に記録レートを再度算出してダビングを継続する、といった用途に本実施形態を利用することができる。
【0099】
また、複数の或る媒体(仮に第1の記録媒体及び第2の記録媒体とする)から他の記録媒体(仮に第3の記録媒体とする)にダビングする用途においても本実施形態を利用することができる。
【0100】
この場合第1の記録媒体の動画データを読み取りながらダビングを開始し、第1の記録媒体の動画データの全てを読み取れたならば第2の記録媒体を読み込む。そして、第2の記録媒体の記録レートが第1の記録媒体の記録レートと異なっていた場合に本実施形態を利用することができる。
【0101】
また、例えばパーソナルコンピュータ上に記録されている複数の動画ファイルを、所定の容量の1つの動画ファイルにまとめる際の再変換処理等にも本実施形態を利用することも可能である。つまり、第1のファイルを再変換中に更に第2のファイルを指定され、これら第1のファイル及び第2のファイルをまとめて、所定の容量の第3のファイルに再変換する場合等に本実施形態を利用することができる。
【0102】
なお、上記の録画再生装置は、ハードウェア、ソフトウェア又はこれらの組合わせにより実現することができる。また、上記の録画再生装置により行なわれる録画再生方法も、ハードウェア、ソフトウェア又はこれらの組合わせにより実現することができる。ここで、ソフトウェアによって実現されるとは、コンピュータがプログラムを読み込んで実行することにより実現されることを意味する。
【0103】
プログラムは、様々なタイプの非一時的なコンピュータ可読媒体(non-transitory computer readable medium)を用いて格納され、コンピュータに供給することができる。非一時的なコンピュータ可読媒体は、様々なタイプの実体のある記録媒体(tangible storage medium)を含む。非一時的なコンピュータ可読媒体の例は、磁気記録媒体(例えば、フレキシブルディスク、磁気テープ、ハードディスクドライブ)、光磁気記録媒体(例えば、光磁気ディスク)、CD−ROM(Read Only Memory)、CD−R、CD−R/W、半導体メモリ(例えば、マスクROM、PROM(Programmable ROM)、EPROM(Erasable PROM)、フラッシュROM、RAM(random access memory))を含む。また、プログラムは、様々なタイプの一時的なコンピュータ可読媒体(transitory computer readable medium)によってコンピュータに供給されてもよい。一時的なコンピュータ可読媒体の例は、電気信号、光信号、及び電磁波を含む。一時的なコンピュータ可読媒体は、電線及び光ファイバ等の有線通信路、又は無線通信路を介して、プログラムをコンピュータに供給できる。
【0104】
上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
【0105】
(付記1) 第1レートで入力する第1データと前記第1データから後に第2レートで入力する第2データを記録媒体に記録する録画再生装置であって、
前記記録媒体の所定容量と前記第1データの再生時間と前記第2データの再生時間とに基づいて仮の記録レートを求める手段と、
前記仮の記録レートと前記第2レートとの比較結果に基づいて、前記第1データについての実記録レートを求める手段と、
前記実記録レートに基づいて、前記第1データのうちの既に記録されている部分を再圧縮して前記記録媒体に再記録する手段と、
前記実記録レートに基づいて、前記第1データのうちの前記記録媒体にまだ記録されていない部分を圧縮して、前記記録媒体に記録する手段と、
を備えることを特徴とする録画再生装置。
【0106】
(付記2) 付記1に記載の録画再生装置であって、
前記仮の記録レートと前記第2レートを前記比較した結果、前記第2レートが前記仮の記録レートと同じ又は高い場合には前記第2データを前記第1データについての実記録レートと同じレートに基づいて記録することを特徴とする録画再生装置。
【0107】
(付記3) 付記1又は2に記載の録画再生装置であって、
前記仮の記録レートと前記第2レートを前記比較した結果、前記第2レートが前記仮の記録レートよりも低い場合には前記第2データを前記第2レートに基づいて記録することを特徴とする録画再生装置。
【0108】
(付記4) 付記3に記載の録画再生装置であって、
前記実記録レートを求める手段は、前記仮の記録レートと前記第2レートを前記比較した結果、前記第2レートが前記仮の記録レートよりも低い場合には、前記記録媒体の前記所定容量から、前記第2レートと前記第2データの再生時間の長さを乗算した値を減算し、該減算後の値を前記第1データの時間の再生時間の長さで除算する、ことにより前記実記録レートを算出することを特徴とする録画再生装置。
【0109】
(付記5) 付記1乃至4の何れか1に記載の録画再生装置であって、
前記実記録レートを求める手段は、前記仮の記録レートと前記第2レートを前記比較した結果、前記第2レートが前記仮の記録レートと同じ又は高い場合には、前記第1データの再生時間の時間の長さと前記第2データの再生時間の時間の長さを加算した値で、前記記録媒体の前記所定容量を除算する、ことにより前記実記録レートを算出することを特徴とする録画再生装置。
【0110】
(付記6) 付記1乃至5の何れか1に記載の録画再生装置であって、
前記第1データの再生時間で前記記録媒体の前記所定容量を除算することにより算出されたレートに基づいて前記第1データを録画し、該録画中に前記第2のデータを更に録画することとなった場合に、前記仮の記録レートを求める手段、前記実記録レートを求める手段、前記前記記録媒体に再記録する手段及び前記前記記録媒体に記録する手段、の各手段を動作させることを特徴とする録画再生装置。
【0111】
(付記7) 付記1乃至6の何れか1に記載の録画再生装置であって、
前記第1データと前記第2データは異なるチャンネルで受信したデータであることを特徴とする録画再生装置。
【0112】
(付記8) 付記1乃至7の何れか1に記載の録画再生装置であって、
前記記録媒体の前記所定容量とは前記第1データの記録を開始する時点での前記記録媒体の空き容量全てであることを特徴とする録画再生装置。
【0113】
(付記9) 第1レートで入力する第1データと前記第1データから後に第2レートで入力する第2データを記録媒体に記録する装置が行う録画再生方法であって、
前記記録媒体の所定容量と前記第1データの再生時間と前記第2データの再生時間とに基づいて仮の記録レートを求めるステップと、
前記仮の記録レートと前記第2レートとの比較結果に基づいて、前記第1データについての実記録レートを求めるステップと、
前記実記録レートに基づいて、前記第1データのうちの既に記録されている部分を再圧縮して前記記録媒体に再記録するステップと、
前記実記録レートに基づいて、前記第1データのうちの前記記録媒体にまだ記録されていない部分を圧縮して、前記記録媒体に記録するステップと、
を含むことを特徴とする録画再生装置。
【0114】
(付記10) コンピュータを第1レートで入力する第1データと第2レートで入力する第2データを記録媒体に記録する録画再生装置として機能させる録画再生プログラムであって、
前記コンピュータを、
前記記録媒体の所定容量と前記第1データから後に前記第1データの再生時間と前記第2データの再生時間とに基づいて仮の記録レートを求める手段と、
前記仮の記録レートと前記第2レートとの比較結果に基づいて、前記第1データについての実記録レートを求める手段と、
前記実記録レートに基づいて、前記第1データのうちの既に記録されている部分を再圧縮して前記記録媒体に再記録する手段と、
前記実記録レートに基づいて、前記第1データのうちの前記記録媒体にまだ記録されていない部分を圧縮して、前記記録媒体に記録する手段と、
を備える録画再生装置として機能させることを特徴とする録画再生プログラム。
【0115】
上記の実施形態の一部又は全部は、更に以下のようにも記載されうるが、以下には限られない。
【0116】
記録メディアに対し、N倍速での録画および再生、記録圧縮率の変更を可能とし、記録済み領域を再生し圧縮して再記録することにより記録可能領域を拡大しつつ、再圧縮処理と新たな記録を同時に行うことで、放送番組の記録時間を延長する機能を有する記録再生装置において、
録画中の番組と共に放送される番組情報を取得する番組情報取得手段で取得された番組情報から、録画中の番組に対する延長の有無を判定する番組延長判定手段で番組延長ありと判定された場合に、番組情報から録画中の番組に対するイベントリレーの有無を判定するイベントリレー判定手段と、
このイベントリレー判定手段でイベントリレーありと判定された場合にリレー先の番組の番組情報を取得するリレー先番組情報取得手段と、
リレー先番組の放送時間から録画開始時に設定された録画時間と合わせて総録画時間を演算する録画時間演算手段と、
前記録画時間演算手段で得られた番組録画時間と記録メディアの記録済み番組領域以外の記録容量から当該録画番組の記録レートを決定する記録レート決定手段と、
前記記録レート決定手段で得られた記録レートがリレー先番組の放送レートを超えるか判定するリレー先番組レート判定手段と、
前記リレー先番組レート判定手段で記録レートがリレー先番組の放送レートを超えると判定された場合に、リレー先番組の放送レートでリレー先番組を記録可能な領域を演算して当該録画番組の記録レートを変更する記録レート変更手段と、
さらにリレー先番組を放送レートのまま録画するために非圧縮フラグを1に指定するリレー先番組非圧縮指定手段と、
前記記録メディアから録画中の番組の既記録部分を読み出して変更された記録レートで再圧縮しつつ、前記変更された記録レートで録画中の番組の新規部分を圧縮して、再圧縮部分と新規圧縮部分をN倍速で交互に前記記録メディアに記録する延長記録手段とを備える。
【0117】
番組延長判定手段で番組延長ありと判定されて記録レートが演算された場合に、リレー先の番組を録画中か判定するリレー先録画判定手段と、
前記リレー先録画判定手段でリレー先番組を録画中と判定された場合に、前記で演算された記録レートがリレー先番組の放送レートを超えるか判定するリレー先番組レート判定手段と、
前記リレー先番組レート判定手段で記録レートがリレー先番組の放送レートを超えると判定された場合に、リレー先番組の放送レートでリレー先番組を記録可能な領域を演算して当該録画番組の記録レートを変更する記録レート変更手段とを備える。
【0118】
前記録画中の番組が終了した場合、前記イベントリレー判定手段でイベントリレー情報ありと判定され、前記リレー先番組非圧縮指定手段で非圧縮フラグを1に指定された場合にリレー番組を放送レートのまま録画するために録画レートを非圧縮に変更するリレー先番組録画レート非圧縮化手段と、
前記記録メディアから録画中の番組の既記録部分を読み出して再圧縮しつつ、前記変更されたリレー先番組の記録レートでリレー先番組の録画を開始するリレー先番組録画開始手段とを備える。