特許第6042649号(P6042649)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6042649
(24)【登録日】2016年11月18日
(45)【発行日】2016年12月14日
(54)【発明の名称】LAN通信を利用した機器管理システム
(51)【国際特許分類】
   H04L 12/40 20060101AFI20161206BHJP
【FI】
   H04L12/40 M
【請求項の数】8
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2012-159594(P2012-159594)
(22)【出願日】2012年7月18日
(65)【公開番号】特開2014-22930(P2014-22930A)
(43)【公開日】2014年2月3日
【審査請求日】2014年11月28日
(73)【特許権者】
【識別番号】502129933
【氏名又は名称】株式会社日立産機システム
(74)【代理人】
【識別番号】110001689
【氏名又は名称】青稜特許業務法人
(74)【代理人】
【識別番号】110000350
【氏名又は名称】ポレール特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】乙川 和彦
【審査官】 大石 博見
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−263289(JP,A)
【文献】 特開2010−193345(JP,A)
【文献】 特開2006−197487(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 12/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
上位制御装置がLANで複数の通信変換器と接続し、該複数の通信変換器がそれぞれ電気設備機器と接続し、構成した機器管理システムであって、
前記通信変換器は、LANと通信線RS−485を変換する機能と固有のIPアドレスを有し、
前記電気設備機器は、固有のアドレスを有し、
前記上位制御装置は、前記固有のIPアドレスと前記固有のアドレスを送信し、指定したIPアドレスをもつ前記通信変換器と、指定したアドレスをもつ前記電気設備機器に対して通信を行い、
電気設備機器を増設する場合、所定のアドレス値を有する増設した電気設備機器のみに、前記上位制御装置よりLAN通信とRS−485通信を介して、IPアドレスではない固有のアドレスを割付けるコマンドを送信し、前記増設した電気設備機器のアドレスが前記所定のアドレス値の場合に固有のアドレスを割付けることを特徴とする機器管理システム。
【請求項2】
請求項1記載の機器管理システムにおいて、
前記電気設備機器の所定のアドレス値が出荷時の数値であることを特徴とした機器管理システム。
【請求項3】
請求項1記載の機器管理システムにおいて、
前記電気設備機器の所定のアドレス値が16進数の値の“00”、“000”、“0000”、“FF”、“FFF”または“FFFF”であることを特徴とした機器管理システム。
【請求項4】
請求項1記載の機器管理システムにおいて、
前記上位制御装置を複数とし、そのうちの該上位制御装置をワイヤレスで動作させることを特徴とした機器管理システム。
【請求項5】
請求項4記載の機器管理システムにおいて、
前記ワイヤレスで動作させる上位制御装置は、タブレット端末装置であることを特徴とする機器管理システム。
【請求項6】
請求項1記載の機器管理システムにおいて、
前記上位制御装置が前記電気設備機器へ計測データの要求コマンドを送信し、
前記電気設備機器からのデータを取得できず、また、前記通信変換器からのコマンド受け取りの返信が受け取れない場合は、前記通信変換器に異常が存在すると判断することを特徴とする機器管理システム。
【請求項7】
請求項1記載の機器管理システムにおいて、
前記上位制御装置が前記電気設備機器へ計測データの要求コマンドを送信し、
前記電気設備機器からのデータを取得できず、また、前記通信変換器からのコマンド受け取りの返信を受け取れた場合は、前記電気設備機器に異常が存在すると判断することを特徴とする機器管理システム。
【請求項8】
請求項6または7記載の機器管理システムにおいて、
該機器管理システムを構成している装置に異常が存在すると判断された場合は、その情報を表示することを特徴とする機器管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気設備機器の管理運営を行う上位制御装置(汎用パソコン)と、電気設備機器がLANで通信接続された機器管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の技術について、図5に通信線としてRS−232CとRS−485を用いたシステム構成図を示す。
図5において、101は上位制御装置で、一般に汎用パソコン(以下、PCと記す)を用いている。102は通信線RS−232Cと通信線RS−485を変換する通信変換器、103,104,105は固有のアドレスを有する電気設備機器、106は通信線RS−232C、107,108,109は通信線RS−485、110,111,112はPC101からの指示信号を示す。
一般に図5に示した通信システム方式は、マルチドロップ方式と呼んでいる。
このマルチドロップ方式は、PC101からの指示信号110を通信変換器102を介して、通信線RS−232Cから通信線RS−485へ変換し、通信線107を介して電気設備機器103へ送信し、電気設備機器103より通信線108を介して電気設備機器104へ指示信号111が送られ、電気設備機器104より通信線109を介して電気設備機器105へ指示信号112が送信される方式である。
【0003】
ここで、RS−232CとRS−485について説明する。
RS−232Cは、シリアル通信の一対一接続のみの通信規格で、ケーブルの最大長は約15mで、最高通信速度は115.2kbpsである。
また、通信線RS−485は、シリアル通信の規格の一つで、最大32台までの多対多接続に対応し、通信速度は最大10Mbpsで、ケーブル長は1.2kmである。
【0004】
また、通信変換器は、通信線RS−232Cと通信線RS−485など異なるシリアル通信を接続するためにインターフェースを変換するものである。
【0005】
また、図6は、通信線RS−232CとLAN、通信線RS−485とLANを変換する汎用の通信変換器を用い、LANとしてEthernet(登録商標)を利用した場合のマルチドロップ方式を示し、この方式について説明する。
図6において、201は固有のIPアドレスを有した上位制御装置で、汎用パソコン(以下、PCと記す)を利用し、202はRS−232CとLANを変換する固有のIPアドレスを有した通信変換器、203〜207はRS−485とLANを変換する固有のIPアドレスを有した通信変換器、211は通信線RS−232C、212はEthernet、213〜217は通信線RS−485,218〜225はPC201からの指示信号、208,209および210は固有のアドレスを有した電気設備機器を示す。
【0006】
このEthernetを利用した場合のマルチドロップ方式は、PC201からの指示信号218を通信変換器202により通信線RS−232CからLAN(Ethernet)に変換し、Ethernet212を流れ、通信変換器203,205,207によりLANから通信線RS−485に変換される。そして、各通信線RS−485から電気設備機器208,209,210へ送信される。
また、電気設備機器208,209,210からは、それぞれ通信線RS−485(214,216)を介して送信され、通信変換器204,206,207で通信線RS−485からLAN(Ethernet)に変換され、電気設備機器のデータ等が上位に送信され、管理運営を行っている。
【0007】
また、特許文献1(特開2007−115237号公報)には、コンピュータによって自動的に対象機器の情報を収集するために、対象機器に接続する情報取得アダプタと情報取得アダプタ管理システムに関することが開示され、コネクタと接続した端子群と、標準シリアルインタフェース信号変換器と接続した端子群とはデジタルスイッチを使って相互に自由な組み合わせで接続することができることが記載されている。しかし、電子機器や変換器にIPアドレスを有することは開示されていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2007−115237号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
従来の通信線RS-232Cと通信線RS-485を用いたマルチドロップ方式では、必ず通信線RS−485の配線工事が必要であり、且つ、電気設備機器の故障、通信線RS−485の異常等で、通信異常が発生した場合、多数の接続された電気設備機器に影響を与えてしまう。そして通信異常の原因を特定することは困難である。
【0010】
また、LANにEthernetを利用した場合のマルチドロップ方式では、マルチドロップ方式の性質上、末端の電気設備機器と通信する際、全ての電気設備機器を経由し、且つ何度もEthernetを経由するため、トラフィック等の通信障害を起こす可能性があり、Ethernetに接続されている他機器へ影響を及ぼす可能性もある。また、電気設備機器の故障、通信線RS−485の異常等で、通信異常が発生した場合、多数の接続された電気設備機器に影響を与えてしまう。そして、通信異常の原因を特定することは困難である。
【0011】
本発明の目的は、電気設備機器の管理運営を行う上位制御装置(汎用パソコン)と、電気設備機器がLAN(Ethernet)で通信接続されるシステムで、電気設備機器の系統分けを容易に行うことができ、且つ、ある電気設備機器が故障、または通信障害が起き、通信異常が発生した場合においても、システム全体に影響を与えることなく、容易に通信異常の原因を特定することができる機器管理システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題を解決するために本発明は、上位制御装置がLANで複数の通信変換器と接続し、該複数の通信変換器がそれぞれ電気設備機器と接続し、構成した機器管理システムであって、前記通信変換器は、LANと通信線RS−485を変換する機能と固有のIPアドレスを有し、前記電気設備機器は、固有のアドレスを有し、前記上位制御装置は、前記固有のIPアドレスと前記固有のアドレスを送信し、指定したIPアドレスをもつ前記通信変換器と、指定したアドレスをもつ前記電気設備機器に対して通信を行い、電気設備機器を増設する場合、所定のアドレス値を有する増設した電気設備機器のみに、前記上位制御装置よりLAN通信とRS−485通信を介して、IPアドレスではない固有のアドレスを割付けるコマンドを送信し、前記増設した電気設備機器のアドレスが前記所定のアドレス値の場合に固有のアドレスを割付けることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、電気設備機器の管理運営を行う上位制御装置(汎用パソコン)と電気設備機器がLANで通信接続される機器管理システムにおいて、デッキ設備の故障、通信線の異常等で通信異常が発生した場合、他系統に影響を与えることなく、電気設備機器の保守点検、増設、アドレス割付などを行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の実施例1の機器管理システムの構成を示す。
図2】本発明の実施例2の機器管理システムの構成を示す。
図3】本発明の実施例の機器管理システムのフローチャートを示す。
図4】上位制御装置を複数設置し、ワイヤレスで制御するシステム構成を示す図である。
図5】本発明の実施例の機器管理システム構成の各装置の内部構成を示す図である。
図6】従来の機器管理システムであるマルチドロップ方式を示す図である。
図7】従来の別の機器管理システムであるマルチドロップ方式を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態を図面を用いて説明する。
(実施例1)
本発明の実施例1の機器管理システムの構成を図1に示す。
図1において、301は固有のIPアドレスを有した上位制御装置で、汎用パソコン(以下PCと記す)を利用し、302〜304は通信線RS−485とLANを変換する固有のIPアドレスを有した通信変換器、305〜307は固有のアドレスを有する電気設備機器、308はEthernet、309〜311は通信線RS−485、312〜314はPC301からの指示信号を示したものである。
【0016】
この機器管理システムの構成は、1:N方式でN回線同時処理が可能なシステムで、上位制御装置301は、通常汎用パソコン(PC)を採用し、固有のIPアドレスを有し、LAN308に接続する。
LAN308は一般にEthernetを採用し、LAN308には複数の電気設備機器の情報を送受信できるように並列に接続している。
複数の電気設備機器は、LANと直接接続できないためそれぞれ通信変換器を介してLANと並列に接続している。また、図示していないが、各々の電気設備機器には電流計、電圧計、電力計、温度センサ、湿度センサなどが接続され、建屋内や製造ラインの日毎、月毎、年毎などの電力使用量、省エネ電力量を算出するためのデータ情報を送信している。
LANから通信線RS−485に通信変換器で変換し、通信変換器は固有のIPアドレスを有する。また、電気設備機器も固有のアドレスを有する。
本方式においては、上位制御機器301、通信変換器302.303、304、及び電気設備機器305,306,307は、固有のアドレスを有しているため、上位制御装置よりそれぞれの通信変換器、電気設備機器を指定し、特定することができる。
【0017】
次に、このシステム構成の動作について説明する。
上位制御装置PC301が、例えば電気設備機器307と通信を行う場合、PC301が、電気設備機器307のアドレス、及び電気設備機器307が接続されている通信変換器304のIPアドレスを指定し、指定した通信変換器304と電気設備機器307のみに指示信号312〜314を送信する。
そして、PC301と電気設備機器307とが通信ができる状態となり、情報の送受信が可能となる。
また、通信変換器302,303及び電気設備機器305,306とは通信を行うことができず、情報の送受信は不可能となる。
(実施例2)
次に本発明の実施例2の形態について図2を用いて説明する。
図2は、実施例2の機器管理システムの構成図を示し、図2において、401は固有のIPアドレスを有した上位制御装置で、通常汎用パソコンを採用し、402〜404は通信線RS−485とLANを変換する固有のIPアドレスを持った通信変換器、405〜407は固有のアドレスを持つ電気設備機器、408はアドレス“00”を有する電気設備機器、409はEthernet、410〜413は通信線RS−485、414〜417はPC401からのアドレス割付信号を示したものである。
【0018】
図2のシステム構成において、上位制御装置401は汎用パソコン(PC)を用い、固有のIPアドレスを有し、LAN409に接続する。LAN409はEthernetを採用し、このLAN409に複数の電気設備機器及び通信変換器のユニットを並列に接続する。
図2において、LAN409に接続された通信変換器402、通信線410及び電気設備機器405が1個のユニットで、同様にLAN409に接続された通信変換器403、通信線411及び電気設備機器406が別の1個のユニットである。また、次の通信変換器404、通信線412及び電気設備機器407のユニットに、電気設備機器408を増設した構成を示している。
【0019】
上記のシステム構成において、上位制御装置PC401が、例えば増設した電気設備機器408と通信を行う場合、電気設備機器408が接続されている通信変換器404を指定し、アドレス“00”を有する電気設備機器のみにアドレス自動割付信号を送信し、他の系統に影響を与えることなくアドレスの割付けを行うことができる。ここで、アドレス“00”は製品の出荷時に割り当てたアドレスであり、増設する電気設備機器が複数ある場合は、アドレスの値は“00”、“01”、“02”、“03”・・・と付していく。
【0020】
前記アドレスの値は16進数の値として表現しているが、“00”に限らず、例えば“FF”、“FFF”でも良く、若しくは、ある所定値でも構わない。アドレスを“00”、“FF”、“FFF”などにする理由は、アドレスとして参照された値が、製品の出荷時に割り当てたままの値、若しくは製品の出荷時に割付けたままの値(即ち、未だアドレスが割り当てられていない値、若しくは未だアドレスが割付けられていない値)であるのか、それとも、既にアドレスの割り当て、若しくは割付けが行われた値であるのかの違い、差異の検出を分かり易くすることを狙い、そして、アドレスの割り当て、若しくは割付けの処理の間違いを低減するためである。
【0021】
従って、前記所定値は、前記上位制御装置PC401によって、アドレスの割り当て、若しくは割付けを行う対象の電気設備機器であるのか、アドレスの割り当て、若しくは割付けを行わない電気設備機器であるのかの、どちらであるのかを検出可能とする値であれば良い。
【0022】
なお、アドレスの桁数においても、“00”、“FF”、“FFF”に限らず、例えば“000”、“0000”、“FFFF”であっても良い。
【0023】
本構成の電気設備機器を増設するとき、上位制御装置は、ソフトウエア上で増設した電気設備機器を指定し、アドレス割付けコマンドを送信する機能を有し、さらに、増設した電気設備機器はアドレス割付けモードに切り換わる機能を有している。
このように、監視ユニットを増設した場合、上位装置より増設ユニットのアドレス割付けを容易にできる。すなわち、上位装置より増設した監視ユニットのみをアドレス割付モードに移行し、増設したユニットに対しアドレスを割付ける。この方法により他のユニットへ影響を与えず、通常の計測を行うことができる。
【0024】
次に、上位制御装置であるパソコンPCの制御フローチャートについて、図3を用いて説明する。
図3のフローチャートにおいて、電気機器計測データを取得する場合、先ず、機器管理システムの要求する電気設備機器のアドレスを検索(S10)し、次に、電気設備機器のアドレスが登録されているか、判断する(S20)。電気設備機器のアドレスが登録されていると、電気設備機器に接続されている通信変換器のIPアドレスを検出する(S30)。電気設備機器のアドレスが登録されていない場合、電気設備機器のデータ取得は不可能であり(S40)、要求動作待ち(S80)となる。S30にて、要求する通信変換器のIPアドレスを検出して登録されているか判断する(S50)。通信変換器のIPアドレスが登録されていると、電気設備機器へ計測データ要求のコマンドを送信する(S60)。通信変換器のIPアドレスが登録されていないと、電気設備機器のデータ取得不可(S40)の処理を行い、要求動作待ち(S80)となる。計測データ要求のコマンドを送信(S60)した後は、電気設備機器からの計測データを取得できたかを判断する(S70)。計測データを取得できると、要求動作待ち(S80)状態になる。計測データを取得できないと、通信変換器からコマンド受け取り確認の通信が取得できたか判断する(S90)。通信変換器からコマンド受け取り確認の返信が取得できたが、計測データが取得できていないため、電気設備機器の故障と判断し、電気設備機器の交渉情報を表示し(S100)、要求動作待ち(S80)の状態となる。通信変換器からコマンド受け取り確認の返信が取得できず、また計測データが取得できていないため、通信変換器の故障と判断し、通信変換器の故障情報を表示し(S110)、要求動作待ち(S80)の状態となる。
【0025】
次に、機器管理システムにおいて、ワイヤレスで使用できる上位制御装置を複数個設けた場合について図4を用いて説明する。
図4において、図1の構成と異なる点はワイヤレスで動作する上位制御装置350,360であり、図1の構成と同じ部分は説明を省略し、上位制御装置350,360について説明する。ワイヤレスで動作する上位制御装置350,360は、有線で接続されている上位制御装置301と情報を送受信しながら上位制御装置301を介して、末端の電気設備機器305,306,307の計測データを入手できるようにしている。また、上位制御装置350,360には、タブレット端末装置などを採用し上位制御装置301と無線通信ができる送受信部を有し、上位制御装置301にも送受信部を有している。また、タブレット端末装置は、タッチパネル上で入力をすることができ、画面上で電力量などの使用状況を数値やグラフで把握することができる。そして、タブレット端末装置をワイヤレスで動作できるため、例えばどこの建屋にいても、どこの製造ラインにいても電気設備機器の情報を知ることができる。
【0026】
さらに、図4においては、タブレット端末装置350,360をワイヤレスで動作するとき上位制御装置301を介して電気設備機器305,306,307とコマンドやデータなどを送受信しているが、上位制御装置301を削除し、無線RANなどを使用した管理システムも可能である。
【0027】
次に、本発明の実施例の機器管理システムのそれぞれの装置の内部構成について、図5を用いて説明する。図5において、上位制御装置501の内部構成は、CPU、メモリ、通信部より構成され、CPUは通信変換器502,503や電気設部機器505,506にIPアドレスの指示を送信し計測データを取り込むなど各種機器の制御を行っている。メモリは制御プログラム、計測データ、演算した結果のデータなどを格納し、通信部はLAN通信508に接続されている通信変換器502,503と通信を行うものである。
【0028】
また、通信変換器502,503の内部構成は、CPU、メモリ、通信変換部より構成され、CPUは通信機能の制御を行い、メモリは各種設定、IPアドレスを記憶し、通信変換部はLAN通信と通信線RS−485の相互変換を行う。
さらに、電気設備機器505、506の内部構成は、CPU、メモリ、通信部で構成され、CPUは、機器自身の制御を行い、メモリは機器固有のアドレスを記憶する。通信部は通信変換器509,510の通信変換部と通信線RS−485(509,510)で接続され、また他の電気設備機器と接続する場合はこの通信部同士を接続する。
【符号の説明】
【0029】
101、201、301、401‥上位制御装置(PC)
102、211‥通信線RS−232Cと通信線RS−485を変換する通信変換器
103、104、105、208,209,210、305,306,307
‥電気設備機器
106‥通信線RS−232C
107、108,109、213,214,215,216,217、309,310,311、410,411,412,413
‥通信線RS−485
110、111、112‥PCからの指示信号
202‥通信線RS−232CとLANを変換する固有のIPアドレスを有する通信変換器
203、202,203,204,205,206、207、302,303,304、402,403,404
‥RS−485とLANを変換する固有のIPアドレスを有する通信変換器
212、308、409‥Ethernet
218、219,220,221,222,223,224、225‥201PCからの指示信号
312、313,314‥301PCからの指示信号
408‥アドレス0を有する電気設備機器
414、415,416、417‥PCからのアドレス割付信号
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7