(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
デジタルタコグラフ等の車載器の中には、当該車載器が搭載された車両がアイドリング状態であるか否かを判定し、判定の結果、アイドリング状態であると判定した場合には、警報音を出力する機能を有するものがある。
【0005】
この機能を有する車載器によれば、車両がアイドリング状態であることを運転者又は同乗者に報知することにより、アイドリング状態の解除を促進することができる。
【0006】
近年では、これら車載器の更なる利便性の向上が求められている。
【0007】
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、利便性を向上した車載器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前述した目的を達成するために、本発明に係る車載器は、下記(1)〜(2)を特徴としている。
(1) 車両に搭載されて用いられ、前記車両がアイドリング状態であると判定された場合に警報音を出力する警報部を備える車載器であって、
各種入力のうちのキャンセル入力を受け付ける入力部と、
前記警報音を出力する通常モードと、前記警報音を出力しない休憩モードと選択的に切り替える切替部であって、前記通常モードが選択されているときに前記入力部が前記キャンセル入力を受け付けた場合には前記通常モードから前記休憩モードに切り替える切替部と、
を備え、
前記警報部は、前記車両がアイドリング状態であると判定された場合において、前記前記通常モードが選択されているときには前記警報音を出力すると共に前記休憩モードが選択されているときには前記警報音を出力しないように構成され、
前記切替部は、前記通常モードが選択されて
おり且つ前記車両が走行中である
ときに前記入力部が前記キャンセル入力を受け付けた場合
には、前記通常モードから前記休憩モードに切り替えた後直ちに前記通常モードに切り替える、
こと。
(2) 上記(1)の構成の車載器であって、
前記切替部は、前記休憩モードが選択されているときにおいて前記車両が走行を開始したと判定された場合には、前記休憩モードから前記通常モードに切り替える、
こと。
【0009】
上記(1)の構成の車載器では、キャンセル入力を受け付けた場合には、車両がアイドリング状態である場合であっても警報音が出力されない休憩モードに遷移する。このため、運転者は、冬場に車内で休憩する際のように、エアコンを駆動させて車内を温めておくためにエンジンを駆動させておきたい場合には、キャンセル入力を入力することにより、警報音の出力を停止させることができる。これにより、本来警報音の出力が必要でない状態において警報音が出力され、運転者に不快感を与えてしまうことを防止できる。
上記(2)の構成の車載器では、キャンセル入力を受け付けて休憩モードに遷移した後、車両が走行を開始した場合には、車両がアイドリング状態であると判定されたときに警報音が出力される通常モードに遷移する。これにより、キャンセル入力が入力された後、走行が開始されると、車両がアイドリング状態である場合に警報音が出力されない休憩モードから、車両がアイドリング状態である場合に警報音が出力される通常モードに、車載器の状態が自動的に遷移する。このため、運転者は、車内で休憩等をするためにキャンセル入力を入力した後、車載器を通常モードに遷移させるための操作をする必要がない。
【発明の効果】
【0010】
本発明の車載器によれば、利便性を向上した車載器を提供できる。
【0011】
以上、本発明について簡潔に説明した。更に、以下に説明される発明を実施するための形態(以下、「実施形態」という。)を添付の図面を参照して通読することにより、本発明の詳細は更に明確化されるであろう。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明に係る車載器の具体的な実施形態について各図を参照しながら以下に説明する。
【0014】
実施形態に係るデジタルタコグラフ10は、例えばトラック等の車両に搭載されて用いられる。デジタルタコグラフ10は、概略的には、搭載された車両の走行速度、走行距離、及び走行時間等を表すデータをメモリカードに記録する機能と、車両がアイドリング状態であるか否かを判定し、判定の結果、アイドリング状態であると判定した場合には、警報音を出力する機能と、を有している。また、デジタルタコグラフ10は、アイドリング状態であると判定した場合に警報音を出力する通常モードと、アイドリング状態であると判定した場合であっても警報音を出力しない休憩モードと、が使用者の操作にしたがって切り替えられて使用される。
【0015】
図1は、実施形態に係るデジタルタコグラフ10のハードウェアの構成例を示すブロック図である。
【0016】
図1に示すように、デジタルタコグラフ10は、マイクロコンピュータ(CPU:Central Processing Unit)101、カードI/F(インタフェース)102、速度I/F103、エンジンI/F104、電源I/F105、ブザー106、LCD(Liquid Crystal Display、液晶ディスプレー)107、ハンディテンキーI/F108、ハンディテンキー109、スイッチユニットI/F110、及びスイッチユニット111を備えている。また、マイクロコンピュータ101は、アイドリング演算部112と、カード処理部113と、を有している。以下では、これら各構成について説明する。
【0017】
マイクロコンピュータ101は、制御部であり、予め用意されたプログラムを実行し、デジタルタコグラフ10の機能を実現するために必要な様々な処理を行う。例えば、後述する
図2及び
図3のフローチャートに示した処理をマイクロコンピュータ101が行う。
【0018】
カードI/F102は、例えばメモリカードである記録媒体を接続するためのインタフェースである。メモリカードは、デジタルタコグラフ10にカードI/F102を介して着脱自在に接続され、各種データを記録可能に構成されている。また、メモリカードは、例えば事務所システムが備える外部機器(PC(Personal Computer)等、図示せず。)に着脱自在に取付けられる。これにより、実施形態に係るデジタルタコグラフ10は、記録したデータを外部機器に対してメモリカードを介してを伝達する。デジタルタコグラフ10の運用時には、メモリカードはデジタルタコグラフ10に接続されている。
【0019】
速度I/F103は、車速センサからの信号を受け付けるためのインタフェースである。速度I/F103には、車速センサで発生した速度パルス信号が入力される。車速センサは、例えばロータリーエンコーダであり、走行距離演算用のパルス信号として、後輪(駆動輪)のトランスミッション回転数に応じた数のパルス信号を発生し、速度パルス信号として出力する。
【0020】
エンジンI/F104は、エンジン回転数センサからの信号を受け付けるためのインタフェースである。エンジンI/F104には、エンジン回転数センサで発生したエンジン回転パルス信号が入力される。エンジン回転数センサとしては、エンジンのカムシャフト回転を機械的に検知してパルス信号を発生するものや、スパークプラグへの印加電圧を電気的に検知してパルス信号を発生するもののいずれを用いても構わない。
【0021】
電源I/F105は、バッテリー及びイグニッションスイッチからの信号を受け付けるためのインタフェースである。電源I/F105には、バッテリーの通電状態を表す電圧値信号及びイグニッションスイッチの状態(オン、アクセサリモード、オフ)を表す信号が入力される。イグニッションスイッチは、エンジン及びデジタルタコグラフ10を含む関連機器を停止状態とするオフ状態、エンジンを停止状態として関連機器を駆動状態とするアクセサリ状態、及びエンジン及び関連機器を駆動状態とするオン状態の3つの状態を有し、現在のイグニッションスイッチの状態に対応した信号を電源I/F105を介してマイクロコンピュータ101に出力する。
【0022】
ブザー106は、マイクロコンピュータ101から受け付けた信号にしたがって音声を出力する音声出力装置である。本実施形態では、ブザー106は、運転者に注意を喚起させるための音声であるアイドリング警報音を出力する。
【0023】
LCD107は、マイクロコンピュータから受け付けた信号にしたがって各種情報を出力する液晶表示装置である。
【0024】
ハンディテンキー109は、様々な情報を手作業で入力するための操作部(図示せず。)を備える可搬型の小型の端末であり、必要に応じて乗務員が車内に持ち込むことができる。ハンディテンキー109は、例えば、荷積、荷下ろし、待機、休憩などに関する作業情報や、伝票の内容に関するデータを使用者が入力するために用いられる。ハンディテンキー109は、ハンディテンキーI/F108を介して、有線または無線接続により、デジタルタコグラフ10と接続される。ハンディテンキー109は、操作部としての複数のボタンを備えており、ボタンそれぞれに各種機能が割り当てられている。
【0025】
本実施形態に係るデジタルタコグラフ10では、ハンディテンキー109のボタンのうちの1つであるキャンセルボタン(図示せず。)に、キャンセル入力をマイクロコンピュータ101に入力するための機能が割り当てられている。即ち、当該キャンセルボタンには、デジタルタコグラフ10の状態を通常モードから休憩モードに切り替えるための機能が割り当てられている。
【0026】
スイッチユニット111は、様々な情報を手作業で入力するための操作部(図示せず。)を備える端末であり、例えば箱型に形成されてデジタルタコグラフ10の近傍に配置される。スイッチユニット111は、ハンディテンキー109と同様に、例えば、荷積、荷下ろし、待機、休憩などに関する作業情報や、伝票の内容に関するデータを使用者が入力するために用いられる。スイッチユニット111は、スイッチユニットI/F110を介して、有線または無線接続により、デジタルタコグラフ10と接続される。スイッチユニット111は、筺体の外側面に操作部としての複数のボタンを備えており、ボタンそれぞれに各種操作が割り当てられている。
【0027】
マイクロコンピュータ101が有するアイドリング演算部112は、デジタルタコグラフ10が搭載された車両がアイドリング状態であるか否かを判定する。当該判定における具体的な処理については後述する。
【0028】
マイクロコンピュータ101が有するカード処理部113は、各種データをカードI/F102を介して接続されたメモリカードに書き込む。
【0029】
次に、デジタルタコグラフ10の動作について説明する。
以下、デジタルタコグラフ10の動作に関する説明に関して、説明の簡単化のため、アイドリング演算部112及びカード処理部113による処理であっても、マイクロコンピュータ101による処理として記載する場合がある。
【0030】
まず、
図2を参照して、デジタルタコグラフ10が起動した後の処理ルーチンのうちの通常モードと休憩モードの切り替えに関する部分について説明する。
図2は、デジタルタコグラフ10が起動した後の処理ルーチンのうちの通常モードと休憩モードの切り替えに関する部分を表すフローチャートである。
【0031】
まず、運転手は、イグニッションスイッチをオン又はアクセサリモードにする。直流電圧(Vcc)が供給されたマイクロコンピュータ101は、動作を開始する。この動作開始時点においては、デジタルタコグラフ10のモードは、通常モードに設定されている。
【0032】
ステップS21では、マイクロコンピュータ101は、ハンディテンキー109のキャンセルボタンが押下されたか否かを判定する。より具体的には、マイクロコンピュータ101は、キャンセルボタンが押下されたことにより入力されるキャンセル入力を受け付けたか否かを判定する。判定の結果、キャンセル入力を受け付けたと判定した場合には、マイクロコンピュータ101は、ステップS22の処理を実行する。一方、判定の結果、キャンセル入力を受け付けていないと判定した場合には、マイクロコンピュータ101は、再度ステップS21の処理を実行する。
【0033】
ステップS22では、マイクロコンピュータ101は、デジタルタコグラフ10のモードを通常モードから休憩モードに切り替える。その後、マイクロコンピュータ101は、ステップS23の処理を実行する。
【0034】
ステップS23では、マイクロコンピュータ101は、車両が走行を開始したか否かを判定する。より具体的には、マイクロコンピュータ101は、速度I/F103から受け付けた速度パルス信号にしたがって算出される現在の車両の速度が、所定の閾値以上であるか否かを判定する。判定の結果、車両が走行を開始したと判定した場合には、マイクロコンピュータ101は、ステップS24の処理を実行する。一方、判定の結果、車両が走行を開始していないと判定した場合には、マイクロコンピュータ101は、再度ステップS23の処理を実行する。
【0035】
ステップS24では、マイクロコンピュータ101は、デジタルタコグラフ10のモードを休憩モードから通常モードに切り替える。その後、マイクロコンピュータ101は、再びステップS21の処理を実行し、
図2のフローチャートに示す処理を繰り返し実行する。
【0036】
以上説明した処理により、アイドリング状態であると判定した場合に警報音を出力する通常モードと、アイドリング状態であると判定した場合であっても警報音を出力しない休憩モードと、が使用者の操作にしたがって切り替えられる。即ち、使用者が操作ボタンを押下することにより、デジタルタコグラフ10のモードが通常モードから休憩モードに切り替えられ、休憩モードにおいて車両が走行を開始するとデジタルタコグラフ10のモードは通常モードに復帰する。
【0037】
尚、上記ステップS23及びステップS24における処理では、車両が走行を開始した場合にデジタルタコグラフ10のモードが休憩モードから通常モードに切り替えられるとして説明したが、ステップS21及びステップS22の処理が車両の走行時になされた場合には、車両が既に走行中であるために、ステップS23では必ず走行を開始したと判定され、ステップS24においてデジタルタコグラフ10のモードが休憩モードから通常モードに切り替えられる。
【0038】
次に、
図3を参照して、デジタルタコグラフ10が起動した後の処理ルーチンのうちのデータ記録及びアイドリング警報の出力に関する部分について説明する。
図3は、デジタルタコグラフ10が起動した後の処理ルーチンのうちのデータ記録及びアイドリング警報の出力に関する部分を表すフローチャートである。
尚、
図2における処理と
図3における処理とは、マイクロコンピュータ101により並列して実行される。
【0039】
まず、運転手は、イグニッションスイッチをオン又はアクセサリモードにする。直流電圧(Vcc)が供給されたマイクロコンピュータ101は、動作を開始する。
【0040】
ステップS31では、マイクロコンピュータ101(カード処理部113)は、搭載された車両の走行速度、走行距離、及び走行時間等を表すデータのメモリカードへの記録を開始する。より具体的には、マイクロコンピュータ101は、速度I/F103から受け付けた速度パルス信号にしたがって算出される現在の車両の速度、エンジンI/F104から受け付けたエンジン回転パルス信号にしたがって算出される現在のエンジン回転数、及び現在の時刻等に基づいて、車両の走行速度、走行距離、及び走行時間等を所定の時間毎に算出し、算出した各データをメモリカードに書き込む処理を実行する。
【0041】
ステップS32では、マイクロコンピュータ101(アイドリング演算部112)は、車両がアイドリング状態であるか否かを判定する。より具体的には、マイクロコンピュータ101は、イグニッションスイッチから受け付けた信号及び速度I/F103から受け付けた速度パルス信号にしたがって算出される現在の車両の速度に基づいて、イグニッションスイッチがオンであって車両の速度が所定の閾値以下である状態が所定の時間以上の間継続されたか否かを判定する。判定の結果、当該状態が所定時間以上継続されたと判定した場合には、マイクロコンピュータ101は、ステップS33の処理を実行する。一方、判定の結果、当該状態が所定時間以上継続されていないと判定した場合には、マイクロコンピュータ101は、再度ステップS32の処理を実行する。
これにより、車両が、イグニッションスイッチがオンであって(即ち、エンジンが駆動している状態であって)、車両の速度が所定の閾値以下である(即ち、車両が停車している)状態が所定の時間以上継続された場合には、アイドリング状態であると判定される。
【0042】
ステップS33では、マイクロコンピュータ101は、デジタルタコグラフ10のモードが休憩モードであるか否かを判定する。判定の結果、デジタルタコグラフ10のモードが休憩モードでない場合には(即ち、通常モードである場合には。)、マイクロコンピュータ101は、ステップS34の処理を実行する。一方、判定の結果、デジタルタコグラフ10のモードが休憩モードであると判定した場合には、マイクロコンピュータ101は、再度ステップS32の処理を実行する。
【0043】
ステップS34では、マイクロコンピュータ101は、ブザー106に信号を出力してアイドリング警報音の出力を開始させる。
【0044】
ステップS35では、マイクロコンピュータ101は、アイドリング警報音の出力の解除条件が成立したか否かを判定する。即ち、車両がアイドリング状態ではなくなったか否かを判定する。より具体的には、マイクロコンピュータ101は、イグニッションスイッチがアクセサリモードにされたか否か、及び車両の速度が所定の閾値以上であるか否かを判定する。判定の結果、アイドリング状態ではなくなったと判定した場合には、マイクロコンピュータ101は、ステップS36の処理を実行する。一方、判定の結果、アイドリング状態が継続していると判定した場合には、マイクロコンピュータ101は、再度ステップS35の処理を実行する。
【0045】
ステップS36では、マイクロコンピュータ101は、ブザー106に信号を出力してアイドリング警報音の出力を停止させる。
【0046】
以上説明した処理により、車両がアイドリング状態である場合において、デジタルタコグラフ10が通常モードであるときには、アイドリング状態が解除されるまで、ブザー106からアイドリング警報音が出力される。一方、車両がアイドリング状態である場合において、デジタルタコグラフ10が休憩モードであるときには、アイドリング警報音は出力されない。
【0047】
以下では、実施形態に係るデジタルタコグラフ10の作用及び効果について説明する。
【0048】
実施形態に係るデジタルタコグラフ10は、車両に搭載されて用いられ、車両がアイドリング状態であると判定された場合に、アイドリング警報音を出力する車載器である。そして、デジタルタコグラフ10は、各種入力のうちのキャンセル入力を受け付ける入力部としてのハンディテンキー109を備え、ハンディテンキー109(キャンセルボタン)がキャンセル入力を受け付けた場合には、車両がアイドリング状態であると判定されたときにアイドリング警報音を出力しない休憩モードに遷移する。
このように、デジタルタコグラフ10では、キャンセル入力を受け付けた場合には、車両がアイドリング状態である場合であってもアイドリング警報音が出力されない休憩モードに遷移する。このため、運転者は、冬場に車内で休憩する際のように、エアコンを駆動させて車内を温めておくためにエンジンを駆動させておきたい場合には、キャンセルボタンを押下することにより、アイドリング警報音の出力を停止させることができる。これにより、本来警報音の出力が必要でない状態において警報音が出力され、運転者に不快感を与えてしまうことを防止できる。
したがって、本実施形態に係るデジタルタコグラフ10によれば、利便性を向上した車載器を提供できる。
【0049】
また、本実施形態に係るデジタルタコグラフ10によれば、例えば荷物の積み込み作業中等のように、特定の作業を行なっている最中であるためにアイドリング警報音を出力させたくない場合にも、当該警報音の出力を停止させることができる。
【0050】
また、実施形態に係るデジタルタコグラフ10は、休憩モードに遷移した後、車両が走行を開始したと判定された場合には、車両がアイドリング状態であると判定されたときにアイドリング警報音を出力する通常モードに遷移する。
即ち、実施形態に係るデジタルタコグラフ10では、アイドリング状態であると判定した場合であっても警報音を出力しない休憩モードにおいて、車両が走行を開始すると、デジタルタコグラフ10のモードは通常モードに自動的に復帰する。このため、運転者は、車内で休憩等をするためにキャンセルボタンを押下した後、デジタルタコグラフ10を通常モードに遷移させるための操作をする必要がない。したがって、更に利便性を向上できる。
【0051】
尚、本発明の技術的範囲は、上述した実施形態に限定されるものではない。上述した実施形態は、本発明の技術的範囲内で種々の変形や改良等を伴うことができる。
【0052】
例えば、本実施形態に係るデジタルタコグラフ10では、ステップS32では、マイクロコンピュータ101(アイドリング演算部112)は、イグニッションスイッチがオンであって車両の速度が所定の閾値以下である状態が所定の時間以上の間継続されたか否かを判定することにより、アイドリング状態か否かを判定する構成としたが、エンジンI/F104から受け付けたエンジン回転パルス信号にしたがってエンジンが駆動しているか否かを判定し、エンジンが駆動している状態であって車両の速度が所定の閾値以下である状態が所定の時間以上の間継続されたか否かを判定することにより、アイドリング状態か否かを判定する構成としても構わない。
【0053】
また、本実施形態に係るデジタルタコグラフ10では、ステップS35では、マイクロコンピュータ101は、イグニッションスイッチがアクセサリモードにされたか否かにより、アイドリング警報の出力の解除条件が成立したか否かを判定する構成としたが、エンジンI/F104から受け付けたエンジン回転パルス信号にしたがってエンジンが駆動しているか否かを判定し、エンジンが停止している場合に、アイドリング警報の出力の解除条件が成立したと判定する構成としても構わない。
【0054】
また、本実施形態に係るデジタルタコグラフ10では、ハンディテンキー109のボタンのうちの1つに、マイクロコンピュータ101にキャンセル入力を入力するための機能を割り当てた構成としたが、スイッチユニット111のボタンのうちの1つに当該機能を割り当てた構成としても構わない。この場合には、ステップS21において、マイクロコンピュータ101は、スイッチユニット111のキャンセルボタンが押下されたか否かを判定すればよい。
【0055】
また、本実施形態に係るデジタルタコグラフ10では、ステップS23及びステップS24における処理により、休憩モードにおいて車両が走行を開始すると、デジタルタコグラフ10のモードが通常モードに復帰する構成としたが、ハンディテンキー109又はスイッチユニット111のボタンのうちの1つのである解除ボタン(図示せず。)に、解除入力をマイクロコンピュータ101に入力するための機能を割り当てる構成としても構わない。この場合には、ステップS24において、マイクロコンピュータ101は、当該解除ボタンが押下されたか否かを判定すればよい。
【0056】
また、本実施形態に係るデジタルタコグラフ10では、ステップS23において、現在の車両の速度が、所定の閾値以上であるか否かを判定することにより、車両が走行を開始したか否かを判定する構成としたが、ステップS22で休憩モードに遷移してからの車両の走行距離が所定の閾値以上であるか否かを判定することにより、車両が走行を開始したか否かを判定する構成としてもよいし、その他の公知の手法により車両が走行を開始したか否かを判定する構成としても構わない。
【0057】
また、本実施形態では、車載器としてデジタルタコグラフ10を例示して説明したが、車載器としては、車両に搭載されて用いられ、車両がアイドリング状態であると判定された場合に警報音を出力可能なものであればよく、本発明は、例えば、ドライブレコーダやタクシーメータ、車載ナビゲーション装置等の各種車載器にも同様に適用可能である。