(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
RGBレーザ光源から出射された赤(R)緑(G)青(B)光のレーザビームを、MEMS(Micro−Electro Mechanical System)のマイクロミラーで反射させて、スクリーン上を順次走査して画面を描写する画像投影装置(プロジェクタ)がある。
【0003】
また、光源から出た光が対象物で反射し、センサに届くまでの光の飛行時間(遅れ時間)と、光の速度(3×10
8m/s)とから、被写体までの距離を得る、いわゆる光飛行型(Time of flight:TOF)方式を用いた距離画像カメラがある(例えば、特許文献1参照)。TOF型距離画像カメラでは、光源として、主に赤外線(IR)のLEDもしくはレーザを用い、三次元情報(距離)を取得する。
【0004】
この距離画像カメラをプロジェクタに組み合わせた三次元情報取得機能付きのプロジェクタがある。このプロジェクタでは、取得した三次元情報を用いて、投影画像の歪みを修正したり(例えば、特許文献2、3参照)、投影画面上でのタッチ操作を実現している(例えば、非特許文献1参照)。これらの文献に開示されている技術では、測距用のレーザ光と投影用のRGB光とを別個に照射しているが、投影面上に、測距用レーザ光と同一波長の投影用RGB光が照射されると、投影像の反射光の影響を受け、測距の精度が低下する。
【0005】
これを解決するものとして、三次元情報取得機能付きのプロジェクタにおいて、測距用レーザ光のピーク波長が含まれる色成分と異なる色成分の投影用RGB光が照射されている間だけ、測距用レーザ光の照射を行うよう制御する技術がある(例えば、特許文献4参照)。
【発明を実施するための形態】
【0014】
<<第一の実施形態>>
以下、本発明を適用する第一の実施形態について説明する。以下、本発明の実施形態を説明するための全図において、同一機能を有するものは同一符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
【0015】
本実施形態の三次元情報取得機能付き画像投影装置(以下、単に画像投影装置と呼ぶ。)は、入力された画像データに従って、RGB光を照射して、当該画像を投影空間に描写するとともに、投影空間からの反射光を用いて、投影空間の三次元情報を取得する。
【0016】
本実施形態の画像投影装置の構成を説明する。
図1は、本実施形態の画像投影装置100のブロック図である。本図に示すように、本実施形態の画像投影装置100は、画像入力部110と、制御部120と、照射部130と、受光部140と、画像生成部150とを備える。
【0017】
画像入力部110は、投影空間190に投影する画像データを、制御部120に入力する。画像データは、画像投影装置100が備える記憶装置、または、外部の記憶装置などに保持される。
【0018】
制御部120は、画像投影装置100が、画像投影装置として機能するとともに、TOF方式の距離画像カメラとして機能するよう、各部を制御する。本実施形態の制御部120は、画像入力部110から入力された画像データに従って、投影空間190に画像を投影するよう、照射部130からの光の出力を制御する。投影空間190には、例えば、スクリーンなどが配置され、画像は、スクリーン上に投影される。ただし、画像の投影面は、平面とは限らず、画像は、任意の形状の投影面に投影される。投影空間190に照射された光は、スクリーンなどの物体に反射して、画像投影装置100に入射する。このとき、本実施形態の制御部120は、この反射光を用いて、投影空間190内の各物体までの距離を算出し、三次元情報である距離画像を生成するよう、照射部130、受光部140および画像生成部150を制御する。
【0019】
なお、制御部120は、画像データに従って、変調信号を生成し、照射部130に出力することにより、照射部130の制御を行う。生成する変調信号の詳細は後述する。また、制御部120が生成する変調信号は、受光部140の制御および画像生成部150の制御にも用いられる。
【0020】
照射部130は、制御部120から入力される変調信号に従って、RGB光とIR光とを出力する。RGB光は、投影空間190に画像を形成するとともに、投影空間190において反射する光が測距に用いられる。IR光は、測距のために必要な光量を補うために出力される。
【0021】
照射部130は、これらの各光をそれぞれ出力する、RGB光源131と、IR光源132とを備える。本実施形態では、各光源からレーザ光を出力する場合を例にあげて説明する。すなわち、RGB光源131からは、赤(R)レーザ光、緑(G)レーザ光、青(B)レーザ光が出力される。これらを区別する必要がない場合は、併せて、RGBレーザ光、または、上述のようにRGB光と呼ぶ。また、IR光源132からは、IRレーザ光(または、IR光)が出力される。
【0022】
また、RGB光源131から出力されるRGBレーザ光をスキャンして、投影空間190に画像を表示させるため、スキャンミラー133をさらに備える。スキャンミラー133には、MEMSなどが用いられる。RGB光源131およびIR光源132から出力されるレーザ光は、スキャンミラー133で反射し、投影空間190に画像を照射する。
【0023】
投影空間190に照射されたRGBレーザ光およびIRレーザ光は、スクリーンなどの物体に反射して、受光部140に入射する。受光部140は、入射した光を受光し、電荷に変換し、複数に振り分け後、画像生成部150に出力する。
【0024】
本実施形態の受光部140は、画像生成部150で生成される画像の画素毎に撮像素子141を備える。各撮像素子141は、
図1(b)に示すように、入射光を受光し、電荷に変換する光電変換部142と、光電変換部142で変換した電荷を振り分けて蓄積する電荷振分部143と、を備える。
【0025】
電荷振分部143は、複数の電荷蓄積部144を備え、予め定めたタイミングで、それぞれの電荷蓄積部144に変換後の電荷を蓄積する。本実施形態では、電荷振分部143は、制御部120が照射部130に出力する変調信号に同期して、電荷を各電荷蓄積部144に振り分ける。
【0026】
画像生成部150は、電荷振分部143が振り分け、各電荷蓄積部144に蓄積した電荷から、画素毎の距離値を算出し、距離画像、すなわち、投影空間190の三次元情報、を生成する距離画像生成部151を備える。
【0027】
例えば、電荷振分部143が4つの電荷蓄積部144を備える場合、電荷振分部143は、RGB光源131およびIR光源132の変調周期Tsを4等分した時間ずつずらしたゲート信号に従って、各電荷蓄積部144に電荷を振り分ける。そして、予め定めた時間間隔、例えば、Δt毎に、各電荷蓄積部144に蓄積された電荷(C1、C2、C3、C4)を、画像生成部150に出力する。
【0028】
画像生成部150の距離画像生成部151は、電荷蓄積期間Δt毎に、受け取った各電荷量(C1、C2、C3、C4)を用いて、距離Dを以下の算出式(1)に従って、算出する。なお、cは光速である。
【数1】
ここで、Tdは、遅延時間、すなわち、位相差φであり、上述のように、変調周期Tsを4等分して蓄積した各各電荷量(C1、C2、C3、C4)を用いて、以下の式(2)で表される。
【数2】
【0029】
次に、本実施形態の制御部120から照射部130および受光部140へ出力される変調信号について説明する。制御部120から照射部130へ出力される変調信号は、RGB光源131の出力を制御する画像測距信号と、IR光源132の出力を制御するIR信号とを備える。
【0030】
まず、画像測距信号について説明する。画像測距信号は、画像入力部110から入力される画像データに基づいて、当該画像を描画するとともに、反射光を用いて距離画像生成部151が距離画像を生成可能なように変調される。従って、本実施形態の画像測距信号230は、
図2に示すように、画像信号210および測距信号220の合成信号として生成される。
【0031】
画像信号210は、画像データに従って、当該画像データで特定される画像を描画するよう、RGB光源131の各色の出力を制御するよう生成される。ここで、RGB光源131からは、Rレーザ光、Gレーザ光、Bレーザ光の3色のレーザ光が出力される。画像信号210は、各色のレーザ光の出力を指示するRレーザ信号211、Gレーザ信号212、Bレーザ信号213からなり、描画する色に応じて、各色のレーザ光の出力を制御する。
【0032】
図3に、画像データに含まれる各種の色を描画する際の、各RGBレーザ光に与えられる信号(Rレーザ信号211、Gレーザ信号212、Bレーザ信号213)の例を示す。本図に示すように、白を描画する場合は、RGBともに最大値を、黒を描画する場合は、RGBともに最小値を、それぞれ出力するよう、各信号は生成される。なお、白および黒以外の色、中間色を表示する場合は、RGB3色の強度をそれぞれ変化させる。
【0033】
測距信号220は、電荷を振り分ける変調周期Tsを特定する信号であり、周期的にON/OFFを繰り返す信号である。変調(ON/OFF)の1周期Tsは、例えば、数十nsとする。上述のように、電荷振分部143は、測距信号220により特定される変調周期Tsに従って、電荷を各電荷蓄積部144に振り分ける。
【0034】
本実施形態の制御部120は、画像信号210に測距信号220を重畳し、画像測距信号230を生成する。具体的には、
図2に示すように、測距信号220がONの時は、画像信号210の強度を出力し、測距信号220がOFFの時は、画像信号210の出力を0とする。
【0035】
なお、上述のように、
図2では、Rレーザ信号211、Gレーザ信号212、Bレーザ信号213を合成した画像信号210に測距信号220が重畳されるよう表しているが、実際には、測距信号220は、Rレーザ信号211、Gレーザ信号212、Bレーザ信号213のいずれかあるいは全ての信号に重畳される。
【0036】
また、生成された画像測距信号230が出力されるタイミングを、
図4および
図5を用いて説明する。本図に示すように、制御部120は、スキャンミラー133からの垂直同期信号310および水平同期信号320に従って、画像測距信号230を、RGB光源131に出力する。一般的なプロジェクタでは、垂直同期信号310は約60Hz、水平同期信号320は、投影画像の解像度がVGA規格の場合、30kHz弱である。
【0037】
水平走査のタイミングチャートを拡大したものを
図5に示す。水平方向の1画素を描画する周波数(ドットクロック値)は、約20MHzである。
【0039】
本実施形態では、基本的に、
図2に示す画像測距信号230に従って出力されるRGB光の反射光を用いて、上記距離Dを算出する。しかしながら、出力されるRGB光は、画像測距信号230に応じてその光量に増減がある。すなわち、投影する画像によって、RGB光源131から出力されるRGB光の強度(光量)は変わる。従って、測距に用いられる、その反射光の光量も変わる。例えば、全画面が白の画像では、全てのRGB光が出力されるため、RGB光の強度は強い。このため、反射光の光量も十分となり、良好な測距ができる。一方、全画面が黒の画像では、いずれのRGB光も出力されない。このため、反射光もなく、良好な測距ができない。
【0040】
本実施形態の制御部120は、RGB光源131から出力されるRGB光の強度に応じて、反射光の光量不足を補うよう、IR光源132からIR光を出力させる。IR信号は、これを実現するよう生成される。すなわち、制御部120は、画像測距信号230に従ってRGB光源131から出力されるRGB光の強度を補うよう、IR光が出力されるよう、IR信号を生成する。
【0041】
生成されるIR信号の一例を
図6に示す。本図に示すように、制御部120は、画像測距信号230とIR信号240との合成信号250が、測距信号220がONのタイミングで一定の強度となり、OFFのタイミングで0となるよう、IR信号240を生成する。
【0042】
具体的には、制御部120は、以下の式(4)に従って、出力するIR光の強度を決定する。PNは、測距に必要な照射光の強度のデジタル値であり、予め定めておく。測距信号220がONの、所定のタイミングtで出力されるRGB光各色の強度のデジタル値PR(t)、PG(t)、PB(t)とすると、当該タイミングtで出力するIR光の強度のデジタル値PI(t)は、以下の式(3)で決定される。
PI(t)=PN−(PR(t)+PG(t)+PB(t))・・・(3)
【0043】
例えば、測距に必要な強度のデジタル値を200、所定のタイミングでのRGB各色の出力光の強度のデジタル値を、それぞれ、50、30、55とすると、RGB光の強度のデジタル値の和は135である。よって、このタイミングでのIR光源132から出力するIR光の強度のデジタル値を、65(=200−135)とする。
【0044】
制御部120は、例えば、測距信号220に同期して、上記IR光源132から出力するIR光のデジタル値を計算し、IR信号240を生成する。そして、生成したIR信号240を、照射部130に出力することにより、IR光源132からの出力を制御する。
【0045】
なお、このとき、撮像素子の波長感度特性を加味し、IR光源132からの出力デジタル値を算出するよう構成してもよい。
【0046】
例えば、上記同様、測距に必要な強度のデジタル値を200、RGB各色の出力光の強度のデジタル値を、50、30、55とする。このとき、RGBの波長感度特性を、それぞれ、80%、100%、60%、IRの波長感度特性を50%とする。このとき、これらの波長感度特性を加味したRGB各色の出力光の強度のデジタル値は、103(=50×0.8+30×1.0+55×0.6)である。よって、IR光源から出力するIR光の強度のデジタル値を、194(=(200−103)/0.5)とする。
【0047】
なお、本実施形態の制御部120および画像生成部150は、画像投影装置100が備えるCPUが、予め記憶装置に保持されたプログラムを、メモリにロードして実行することにより実現される。
【0048】
以上説明したように、本実施形態の照射部130からは、画像データから生成される画像測距信号によらず、ON時の出力強度が一定となる変調信号に従って、RGB光とIR光との合成光が出力される。従って、画像生成部150は、一定強度の光による反射光から距離を算出できる。従って、本実施形態によれば、安定的に、精度よく距離を算出できる。
【0049】
また、本実施形態によれば、主として画像の投影に用いるRGB光を測距にも用いる。IR光は補助的に用いられるだけであり、測距に特化した特別な光源を測距用に付加する必要がなく、簡素な構成で、上記高精度な距離の算出を実現できる。
【0050】
<<第二の実施形態>>
次に、本発明を適用する第二の実施形態について説明する。第一の実施形態では、IR光源からの出力の制御を、画像データにより決定するRGB光源からの出力に基づいて行っているが、本実施形態では、IR光源からの出力の制御を、距離画像とともに生成される変調光の強度画像に基づいて行う。すなわち、第一の実施形態では、RGB光源からの出力される光の強度に基づいてIR光源からの出力する光の強度を決定しているが、本実施形態では、受光部における反射光の受光量に基づいてIR光源から出力する光の強度を決定する。
【0051】
まず、本実施形態の三次元情報取得機能付き画像投影装置(以下、本実施形態においても、単に画像投影装置と呼ぶ。)の構成について説明する。
図7は、本実施形態の画像投影装置100aのブロック図である。本図に示すように、本実施形態の画像投影装置100aは、基本的に第一の実施形態と同様の構成を有する。ただし、本実施形態の制御部120aは、上述のように、強度画像に基づいて、IR光源132からの出力を制御する。このため、制御部120aの処理が異なる。また、本実施形態の画像生成部150aは、距離画像生成部151に加え、強度画像生成部152を備える。
【0052】
まず、本実施形態の強度画像生成部152による、強度画像生成処理について、説明する。本実施形態の強度画像生成部152は、電荷蓄積期間Δt毎に、受光部140から受け取った各電荷量(C1、C2、C3、C4)を用いて、以下の式(4)を用いて、各画素の画素値(強度値)Bを算出し、強度画像を生成する。
【数4】
【0053】
なお、本実施形態においても、距離画像生成部151は、同じ電荷蓄積期間Δt毎に、同じ各電荷量(C1、C2、C3、C4)を用いて、第一の実施形態同様、式(1)および式(2)に従って、距離画像を生成する。
【0054】
本実施形態では、強度画像の強度値Bに応じて、IR光源132から出力するIR光の強度を制御する。すなわち、強度画像の強度値Bが、予め定めた上限値より大きければ、IR光の出力を低減し、予め定めた下限値より小さければ、IRの光の出力を増加させる。
【0055】
具体的には、本実施形態の制御部120aは、強度画像の強度値Bを予め定めた下限閾値Tlowおよび上限閾値Tupと比較し、強度値Bが下限閾値Tlowより小さい場合、対応する領域のIR光源132から出力するIR光の強度を増加させる。また、強度値Bが上限閾値Tupより大きい場合は、対応する領域へ出力するIR光の強度を低減する。増加量および低減量は、予め定めておく。
【0056】
本実施形態では、この比較処理を、強度画像および照射部130による照射領域を予め定めたエリアに分割し、エリア毎に行う。これは、強度画像の画素数と、照射部130から照射される投影像の画素数とが等しいとは限らないためである。また、強度画像の画角などの受光系と照射部130のスキャン角などの発光系とが異なり、距離画像と照射部130側の発光系の画素アドレスとの対応が困難であるためである。
【0057】
以下、本実施形態の制御部120aによるIR出力制御処理の流れを、
図8を用いて説明する。ここでは、強度画像および照射領域をN個(Nは1以上の整数)のエリアに分割するものとする。分割後の各エリアを、それぞれエリアn(n=1、2、・・・N)と呼ぶ。本処理は、強度画像生成部152が、強度画像を生成したことをトリガに開始される。なお、強度画像生成部152が、強度画像を生成する毎に、処理を行ってもよいし、所定回、強度画像を生成する毎に行ってもよい。
【0058】
強度画像生成部152が、強度画像を生成すると、制御部120aは、強度画像をN個に分割する(ステップS1101)。分割手法は、予め定めておく。
【0059】
カウンタnを初期化(n=1)する(ステップS1102)。そして、強度画像のエリアn内の強度の最小値B(n)minを抽出し、予め定めた下限閾値Tlowと比較する(ステップS1103)。ここで、最小値B(n)minが、下限閾値Tlowより小さい場合、強度画像のエリアnに対応する照射領域に照射するIR出力であるIR(n)を増加するよう、IR光源132を制御する(ステップS1104)。
【0060】
一方、最小値B(n)minが、下限閾値Tlow以上の場合、強度画像のエリアn内の強度の最大値B(n)maxを抽出し、予め定めた上限閾値Tupと比較する(ステップS1105)。ここで、最大値B(n)maxが、上限閾値Tupより大きい場合、IR(n)を減少させるよう、IR光源132を制御する(ステップS1106)。
【0061】
一方、最大値B(n)maxが、上限閾値Tup以下の場合、IR(n)は、変更せず、そのままとする。
【0062】
以上のステップS1103〜S1106の処理を、全てのN個のエリア全てについて、繰り返し(ステップS1107、S1108)、処理を終了する。
【0063】
以上説明したように、本実施形態の受光部140は、画像データに基づいて出力されるRGB光の強度によらず、所定範囲の強度の反射光を得ることができる。従って、画像生成部150は、所定範囲の光量から、距離を算出できる。従って、本実施形態によれば、安定的に精度よく距離を算出できる。
【0064】
また、本実施形態によれば、第一の実施形態同様、主として画像の投影に用いるRGB光を測距にも用いる。IR光は補助的に用いられるだけであり、測距に特化した特別な光源を測距用に付加する必要がなく、簡素な構成で、上記高精度な距離の算出を実現できる。
【0065】
また、本実施形態によれば、受光部140に入射する反射光の光量に基づいて、補助的に出力するIR光の照射強度を決定している。このため、測距のための光量が不足することがないだけでなく、電荷蓄積部144が飽和することによる、測距不能の事態も回避できる。
【0066】
さらに、本実施形態によれば、反射光の光量に基づいて、IR光の照射を制御しているため、例えば、投影対象の形状が平面以外などで、反射光の光量が照射光の強度に比例しない場合であっても、精度よく照射量を制御できる。従って、さらに、安定的に高精度な測距が実現できる。
【0067】
以上説明したように、本実施形態の各実施形態によれば、画像の投影と高精度な測距とをコンパクトな装置で実現可能である。このため、投影と測距とを組み合わせた各種のシステムへの応用が可能となる。
【0068】
なお、上記各実施形態では、照射部130が備える各光源は、レーザ光を出力するものである場合を例にあげて説明したが、光源は、これに限らない。例えば、LEDであってもよい。LEDの場合、スキャンミラー133は、備えなくてもよい。
【0069】
また、第一の実施形態の手法と第二の実施形態の手法とは組み合わせて用いてもよい。すなわち、RGB光源からの出力および変調光の強度画像との両者を用いてIR光源からの出力を制御するよう構成してもよい。