(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6042718
(24)【登録日】2016年11月18日
(45)【発行日】2016年12月14日
(54)【発明の名称】腫瘍焼灼法の訓練システム及び訓練方法
(51)【国際特許分類】
G09B 9/00 20060101AFI20161206BHJP
G09B 23/28 20060101ALI20161206BHJP
【FI】
G09B9/00 Z
G09B23/28
【請求項の数】24
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2012-516884(P2012-516884)
(86)(22)【出願日】2010年5月14日
(65)【公表番号】特表2012-532333(P2012-532333A)
(43)【公表日】2012年12月13日
(86)【国際出願番号】IB2010052153
(87)【国際公開番号】WO2011001299
(87)【国際公開日】20110106
【審査請求日】2013年5月10日
【審判番号】不服2015-3767(P2015-3767/J1)
【審判請求日】2015年2月27日
(31)【優先権主張番号】61/221,126
(32)【優先日】2009年6月29日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】590000248
【氏名又は名称】コーニンクレッカ フィリップス エヌ ヴェ
【氏名又は名称原語表記】KONINKLIJKE PHILIPS N.V.
(73)【特許権者】
【識別番号】511288290
【氏名又は名称】ザ ユナイテッド ステイツ オブ アメリカ アズ リプレゼンティッド バイ ザ セクレタリー デパートメント オブ ヘルス アンド ヒューマン サービシーズ
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100091214
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 進介
(72)【発明者】
【氏名】クリュッカー,ヨッヘン
(72)【発明者】
【氏名】シュ,シェン
(72)【発明者】
【氏名】ダラル,サンディープ
(72)【発明者】
【氏名】ウッド,ブラッドフォード ジョーンズ
【合議体】
【審判長】
黒瀬 雅一
【審判官】
吉村 尚
【審判官】
植田 高盛
(56)【参考文献】
【文献】
特開平5−123327(JP,A)
【文献】
特開2007−215672(JP,A)
【文献】
国際公開第2008/122006パンフレット(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09B 9/00
G09B 23/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
訓練システムであって:
医療手順をシミュレーションするために使用される、被検体のファントムと;
前記ファントムに対する介入器具のポーズを追跡するよう構成される追跡システムと;
ディスプレイに表示される、前記ファントム内を可視化した画像の中に、シミュレーションされた異常組織を生成し、さらに、該異常組織に関連する医療手順においてユーザを訓練することを目的として該ユーザにフィードバック情報及び評価情報を提供するために、前記介入器具による前記異常組織に対する作用をシミュレーションするよう構成されるシミュレーションシステムと;
を有する、訓練システム。
【請求項2】
前記シミュレーションシステムは、前記ディスプレイに、前記ファントムと、前記異常組織と、前記介入器具とを同時に表示するためのソフトウェアと共に構成されるコンピュータワークステーションを含む、
請求項1に記載の訓練システム。
【請求項3】
前記ファントムは被検体の内臓器官を含み、前記異常組織は仮想的な腫瘍を含み、前記介入器具は焼灼の針を含む、
請求項2に記載の訓練システム。
【請求項4】
前記ソフトウェアは、前記介入器具による前記異常組織に対する作用に応じて、前記異常組織についての治療された領域を表示するよう構成される、
請求項2に記載の訓練システム。
【請求項5】
前記ファントムは、組織を模倣するファントムと触覚フィードバックシステムとのうち少なくとも一つを含む、
請求項1に記載の訓練システム。
【請求項6】
前記ファントムは、仮想的な血管と骨とを含む内臓器官をシミュレーションする、
請求項5に記載の訓練システム。
【請求項7】
前記追跡システムは、電磁気の追跡システムを含む、
請求項1に記載の訓練システム。
【請求項8】
前記シミュレーションシステムは、前記追跡システムのプローブの位置に従って前記ファントム内を可視化した画像を更新する、
請求項1に記載の訓練システム。
【請求項9】
前記シミュレーションシステムは、前記ファントムをスキャンすることにより集められるスキャン結果に基づいて描画される画像を含む、
請求項1に記載の訓練システム。
【請求項10】
前記スキャンは、音波のスキャンとコンピュータ断層撮影法のスキャンと磁気共鳴法のスキャンとのうち少なくとも一つを含む、
請求項9に記載の訓練システム。
【請求項11】
前記フィードバック情報及び評価情報は、治療された領域の体積に関する情報と治療されていない領域の体積に関する情報とを含む、
請求項1に記載の訓練システム。
【請求項12】
前記フィードバック情報及び評価情報は、傷つけられた健常組織に関する情報と治療されていない異常組織に関する情報とを含む、
請求項1に記載の訓練システム。
【請求項13】
介入性の焼灼治療をシミュレーションするシステムであって:
超音波の撮像に対応する組織を模倣するファントムと;
前記ファントムに対する超音波プローブと針状プローブとのうち少なくとも一つのポーズを追跡するよう構成される追跡システムと;
ソフトウェアを実行するように構成されるコンピュータワークステーションであって、該ソフトウェアは、
超音波スキャナからの画像をリアルタイムに取得し、処理し、ディスプレイに表示し、
前記画像の中の仮想的な腫瘍をリアルタイムに生成して前記ディスプレイで可視化し、
前記画像と共に可視化される前記仮想的な腫瘍に対する前記超音波プローブと前記針状プローブの位置を空間的に追跡し、
前記針状プローブの位置で実行されるシミュレーションの焼灼がユーザのために訓練のフィードバックを提供するよう視覚的に表示されるように構成される、コンピュータワークステーションと;
を有する、システム。
【請求項14】
前記ソフトウェアは、前記シミュレーションの焼灼により覆われた、前記仮想的な腫瘍の割合を計算するよう構成される、
請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
前記ソフトウェアは、実行された前記シミュレーションの焼灼の回数と前記焼灼治療の継続時間と覆われた前記仮想的な腫瘍の体積及び割合とのうち少なくとも一つに関するフィードバックを提供するよう構成される、
請求項13に記載のシステム。
【請求項16】
前記ソフトウェアは、放射線のスキャン技術を使用する場合に、少なくとも、仮想的に与えられた放射線量に関するフィードバックを提供するよう構成される、
請求項13に記載のシステム。
【請求項17】
外科的な訓練方法であって:
ディスプレイに表示される、被検体のファントム内を可視化した画像の中で異常組織をシミュレーションする段階と;
前記ファントムに対する介入器具のポーズを空間的に追跡する段階と;
前記介入器具による前記異常組織に対する作用をシミュレーションすると同時に前記ディスプレイ上に表示することにより仮想的に医療手順を実行する段階と;
前記医療手順におけるユーザの訓練のためにフィードバック情報と評価情報とを該ユーザに提供する段階と;
を有する、外科的な訓練方法。
【請求項18】
前記ファントムは被検体の内臓器官を含み、前記異常組織は仮想的な腫瘍を含み、前記介入器具は焼灼の針を含む、
請求項17に記載の外科的な訓練方法。
【請求項19】
前記介入器具による前記異常組織に対する作用に応じて、前記異常組織についての治療された領域を表示する段階をさらに有する、請求項17に記載の外科的な訓練方法。
【請求項20】
前記ファントムは、組織を模倣するファントムと触覚フィードバックシステムとのうち少なくとも一つを含む、
請求項17に記載の外科的な訓練方法。
【請求項21】
前記ファントムに対する前記介入器具のポーズを空間的に追跡する追跡システムのプローブの位置に従って前記ファントム内を可視化した画像を更新する段階をさらに有する、請求項17に記載の外科的な訓練方法。
【請求項22】
撮像装置を通じて集められたスキャンの結果に基づいて画像を描画する段階をさらに有する、請求項17に記載の外科的な訓練方法。
【請求項23】
前記スキャンは、音波のスキャンとコンピュータ断層撮影法のスキャンと磁気共鳴法のスキャンとのうち少なくとも一つを含む、
請求項22に記載の外科的な訓練方法。
【請求項24】
前記提供する段階は、治療された領域の体積に関する情報と治療されていない領域の体積に関する情報と傷つけられた健常組織に関する情報と治療されていない異常組織に関する情報とのうち少なくとも一つを提供する段階を含む、
請求項17に記載の外科的な訓練方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アメリカ合衆国公衆衛生局との共同研究開発契約(CRADA No.NCI-NIHCC-01864)の下でなされた。アメリカ合衆国政府は本発明のいくつかの権利を有する。
【0002】
本発明は、医療の訓練システムに関し、特に、外科的処置のためのガイド下介入装置(guided interventional device)の訓練システム及び方法に関する。
【背景技術】
【0003】
最小限の侵襲的方法において、小型から中型の腫瘍を除去するために、焼灼治療が多く行われている。しかしながら、焼灼治療は実行することは困難である。焼灼治療は、計画標的体積(PTV)を覆うのに十分大きな熱損傷を作るために、一回以上の焼灼を必要とする。この困難性は、焼灼治療が、PTVの三次元形状と、個別の焼灼のゾーンの形状と、焼灼によって傷つけられてはならない周囲の組織との空間的関係を心の中で(mentally)可視化するという、並外れた能力を必要とする事実に起因する。並外れた能力は、複数回の焼灼を用いてどのようにPTVが理想的に覆われるかを心の中で計画し、超音波、コンピュータ断層撮影法(CT)又は磁気共鳴影像法(MRI)の誘導の下で、心の中で計画された手順を実行できるよう、手動で焼灼の針を位置づけるためにも必要とされる。(インターベンショナル)ラジオロジストが、これらの能力を習得し、洗練することを支援する訓練システムは存在しない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ラジオ波焼灼法(radio frequency ablation; RFA)のような焼灼治療が、より侵襲的な外科手術の代わりとして、近年多く行われるようになっている。RFAの間に、絶縁されていない先端を有する電極が、超音波、CT又はMRI誘導の下で、除去されるべき腫瘍又は病変へと挿入される。端部が設置されると、ラジオ波の電流が先端に加えられ、セ氏60度より高い温度で組織を加熱し、細胞を死滅させる。加熱された針先や、一回の焼灼で破壊された部分の周りの体積より大きい腫瘍を破壊するため、針先は、腫瘍の異なる部分を除去するように、治療の領域を部分的に重複させながら繰り返し再配置される必要がある。この過程は、一連の焼灼(「複合焼灼(composite ablation)」としても呼ばれる)により、腫瘍全体がカバーされるまで繰り返される必要がある。
【0005】
現在は、これらの複合焼灼は、ナビゲーションによる支援や、定量的又は電子化された計画なしに実行されるため、医師の直感と経験に依存する。複合焼灼の計画及び実行の過程は難しく、(より小さい)個別の焼灼による計画標的体積(PTV)を完全にカバーするには、一般に、驚くべき多数の焼灼を必要とすることが指摘されている。
【0006】
したがって、「心の中で計画された」複合焼灼が、PTVを実際に完全にカバーする保証、あるいは最適な方法、すなわち最小限の数の焼灼(例えば、それぞれの焼灼は12−20分の間で行われる)によりPTVをカバーする保証はない。さらに、「心の中の計画」の実行の誤りにより、実際に得られたPTVのカバレージは、腫瘍を除去するには不十分であり、局所的な腫瘍の再発につながることがある。
【0007】
医師は、インタベンショナル・ラジオロジーの専門分野の一部として、RFAのような治療の訓練を受ける。該訓練は、「師−弟子の訓練モデル」において、経験のあるインタベンショナル・ラジオロジストの指導の下で、連帯して実際の患者に治療を実行することにより行われる。しかしながら、この訓練の一部として実行される手順の数は限られており、最近訓練された者とRFAの長期の熟練者との間の顕著な能力の差を招いている。技術者と医師に外科的治療をより良く準備させるための、代わりとなる訓練システムと方法を提供することは有益である。
【0008】
本発明の原理に従って、シミュレーションが、医療供給者のための現場の訓練教材として、患者を用いることに対する、価値のある代替を示すことが理解される。シミュレーションは、学習期間を患者から遠ざけ、患者に対するリスクのない環境で、個別の医療手順に関わる手作業技能又は治療のステップを練習することにより、患者の安全性を改善する。本実施形態に従って、RFA手順の計画と実行をシミュレートし、訓練するシステム及び方法が提供される。例示的なシステムは、焼灼の経験についての現実的なシミュレーションと、訓練者により行われる焼灼の質に関する定量的なフィードバックとを提供するために、実画像及びファントム内の針の配置を仮想現実のオーバーレイと組み合わせるための空間追跡システム用いる。
【0009】
本発明の原理は、「師−弟子の訓練モデル」の限界を克服する。「師−弟子の訓練モデル」の限界は、訓練の一部として実行される、限られた数の手順のみを有することと、指導者と他の医療関係者のかなりの時間的制約を有することとを含む。さらに、訓練中に実行される手順に関わる患者は、未熟な施術者や、訓練中に習得される技術能力の定量的評価の不足による、潜在的なリスクを負う可能性がある。
【0010】
RFAや他の焼灼治療のために、本原理は、3D形状についての可視化能力の不足を克服し、以下のような能力を促進する:
サイズ、形状及び個別の焼灼病変の向きに対するPTVのサイズと形状とを決定すること;
いくつかの個別の焼灼を重ね合わせることにより、適切なサイズ/形状の、より大きな焼灼病変を形づくること(sculpting);
複数の針を(連続的に、あるいは同時に)計画された幾何学的な配置へと展開するための、超音波及び/又はCT誘導を順守する能力を提供すること;
与えられたPTVが、実行された一連の個別の焼灼によりどの程度カバーされているか、定量的なフィードバックを提供すること;
最低限の数の焼灼を用いる最適なカバレージと比較して、カバレージに必要とされた焼灼の数を見出すこと;
全ての定量的な測定に基づいた、それぞれの訓練者の、カバーされていない、すなわち未処置の体積又は牽引(traction)/割合の進捗の追跡を測定すること。
また、焼灼の訓練のために、それぞれの手順の時間が大幅に削減され、訓練中により多くの手順を実行することができる。なぜなら、実際の焼灼は、例えばそれぞれの個別の焼灼のために12分から20分の時間を必要とする一方で、シミュレーションによる焼灼(simulated ablations;SA)は即座に実行することができるためである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
訓練システムは、手順をシミュレーションし、ディスプレイ上に可視化されることのできる空間を占有するために構成される、対象者のファントムを有する。空間追跡システムは、対象者のファントムの空間の中の介入器具を追跡するよう構成される。シミュレーションシステムは、前記ファントムの空間の画像の中のシミュレーションされた異常を生成し、さらに、該異常に対して関連する手順においてユーザを訓練することを目的として該ユーザにフィードバック情報及び評価情報を提供するために、該シミュレーションされた異常との相互作用をシミュレーションするよう構成される。
【0012】
介入性の焼灼治療をシミュレーションするシステムは、超音波の撮像に対応する組織を模倣するファントムを有する。空間追跡システムは、超音波プローブと針状プローブとのうち少なくとも一つのポーズを追跡するよう構成される。コンピュータワークステーションは、ソフトウェアを実行するように構成される。該ソフトウェアは、超音波スキャナからの画像をリアルタイムに取得し、処理し、表示し、超音波画像の中の仮想的な腫瘍をリアルタイムに生成して可視化し、前記画像と共に可視化される前記仮想的な腫瘍に対する前記超音波プローブと前記針状プローブの位置を空間的に追跡し、前記針状プローブの位置で実行されるシミュレーションの焼灼がユーザのために訓練のフィードバックを提供するよう視覚的に表示されるように構成される。
【0013】
外科的な訓練方法は、対象者のファントムの空間の中の異常をシミュレーションする段階と;前記対象者のファントムの空間の中の介入器具を空間的に追跡する段階と;ディスプレイ上に、前記介入器具と前記異常との間の相互作用をシミュレーションして同時に表示することにより仮想的な手順を実行する段階と;前記仮想的な手順におけるユーザの訓練のためにフィードバック情報と評価情報とを該ユーザに提供する段階と;を有する。
【0014】
本発明についての、これらの目的、特徴及び利点並びに他の目的、特徴及び利点は、添付される図面と関連して読まれるべきである、以下の本発明の例示的な実施形態についての詳細な説明から明らかとなる。
【0015】
この開示書は、以下の図面を参照して、以下に好ましい実施形態について詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本発明による、焼灼治療をシミュレートするための訓練システムを表すシステム図。
【
図2】本発明による、外科的治療(例えば、焼灼治療)のための訓練ユーザのためのシステム/方法を示すブロック図/フロー図。
【
図3】本発明によるファントム空間の中で処理される仮想的な腫瘍を示す例示的なソノグラム画像を表す図。
【
図4】本発明による、計画標的体積とシミュレーションされた焼灼領域とともに仮想的な腫瘍についての一連の画像を表し、傷つけられた健常組織と焼灼されていない腫瘍の組織とに関するフィードバック情報を表す図。
【
図5】ファントムのCT画像の中で生成された仮想的な腫瘍の2Dの可視化を表す図。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本開示書は、介入性の治療のための訓練システム及び方法について説明する。介入性の治療には、あらゆる数の治療を含まれ得るが、説明のために腫瘍焼灼に関して説明する。しかしながら、本発明の教示はより幅広く、あらゆる外科的又はコンピュータガイド下手術に適用可能である。介入性の焼灼治療の実行をシミュレーションする実施形態のシステム及び方法が開示され、説明される。該システム及び方法は、焼灼治療を正確かつ効率的に実行するために必要な、技術的能力の発展を可能とするように構成される。
【0018】
本原理は、焼灼治療のために必要とされる技術的能力(例えば、3D可視化、計画、針の位置決め)のための訓練を提供する。これらの能力は、実際の患者と無関係な、シミュレーションされた環境において習得され、訓練されることができる。複数の実施形態は、シンプルかつ効率的な方法で現実的なユーザ体験を提供するために、実際の物理的要素(組織のファントム、超音波スキャナ)を、シミュレーションされた要素(仮想的な腫瘍、シミュレーションされた焼灼)と組み合わせる。
【0019】
図面に表される要素は、ハードウェアとソフトウェアの様々な組み合わせにおいて実装されることができ、単一の要素又は複数の要素において組み合わされ得る機能を提供する。さらに、本原理は、コンピュータが使用可能な、あるいはコンピュータが読み取り可能な媒体からアクセス可能なコンピュータプログラム製品の形状をとり得る。該媒体は、コンピュータ又はあらゆる命令実行システムにより用いられる、あるいは関連して用いられる、プログラムコードを提供する。コンピュータが使用可能な、あるいはコンピュータが読み取り可能な媒体は、プログラムを含み、保管し、通信し、伝搬し、又は運ぶことができる、あらゆる機器であり得る。該プログラムは、命令実行システム、機器又は装置により使用されるか、あるいは関連して使用される。該媒体は、電子、磁気、光学、電磁気、赤外線又は半導体のシステム(又は機器若しくは装置)であり得る。コンピュータ読み取り可能な媒体の例は、半導体又はソリッドステートメモリ、磁気テープ、着脱可能なコンピュータのディスク、RAM(random access memory)、ROM(read-only memory)、磁気剛性(rigid magnetic)ディスク及び光学ディスクを含む。光学ディスクの現時点での例は、CD-ROM(compact disk-read only memory)、CD-R/W(compact disk-read/write)及びDVDを含む。
【0020】
プログラムコードを保管し、かつ/又は実行するよう適合されたデータ処理システムは、システムバスを通じてメモリ要素に直接又は間接に結合された一つ以上のプロセッサを含み得る。プロセッサ又は処理システムは、スコープ(scope)のシステムとともに提供され、あるいは該システムとは独立して提供され得る。メモリ要素には、プログラムコードの実際の実行中に使用されるローカルメモリ、大容量記憶装置、及び実行中に大容量記憶装置から読み出されるコードの回数を減らすための、少なくともいくつかのプログラムコードの一時的な記憶領域を提供するキャッシュメモリを含み得る。入力/出力又はI/O装置(キーボード、ディスプレイ、ポインティングデバイス等を含むがこれに限定されない)は、前記システムに、直接に、あるいはI/Oコントローラを通じて結合され得る。
【0021】
ネットワークアダプタは、データ処理システムが、他のデータ処理システム又は遠隔のプリンタ若しくは記憶装置と、プライベート又はパブリックなネットワークを通じて接続できるよう、データ処理システムと結合され得る。モデム、ケーブルモデム及びイーサネット(登録商標)カードは、現在利用可能な種類のネットワークアダプタのごく一部である。
【0022】
ここで、同様の数字は同一又は同様の要素を示す、図面を参照する。まず
図1は、外科的な焼灼技術等を教示するための訓練システム100を例示的に表す。システム100は、ハードウェア及びソフトウェアの要素を含む。超音波、CT撮像又は他の撮像に対応する、組織を模倣するファントム102が、手順の実行に対して媒体(media)(例えば、人間の体)をシミュレーションするために提供される。空間追跡システム104は、プローブ106(例えば超音波プローブであるが、他の走査装置及び技術が採用され得る)と、介入装置又は介入器具108(例えば、RFAの針状プローブ、カテーテル、生検針等)とのポーズを追跡するように構成される。ワークステーション110はソフトウェア114を実行し、さらにスキャナ112(例えば、超音波スキャナ、CTスキャナ、MRIスキャナ等)からの画像を取得し、処理し、(リアルタイムで)表示する。
【0023】
ワークステーション110は、「仮想的な腫瘍」(virtual tumors; VT)116を、超音波及び/又はCT画像117に対して重ね合わせられた、設定可能なポーズ(pose)で、リアルタイムに生成して可視化する。ワークステーション110は、超音波プローブ106と介入装置(例えば、RFAの針状プローブ)108の位置を、画像117とCT画像117と共に可視化されるあらゆる「仮想的な腫瘍」(VT)116に対して、空間的に追跡して表示するためのソフトウェア114を含む。ファントム画像115及び組み合わされた画像117は、複数のディスプレイ120及び122上に描画される。あるいは、両方の画像は、単一のディスプレイ上に描画されてもよい。
【0024】
ワークステーション110は、RFAの針状プローブ108の先端の位置で実行される設定可能な「シミュレーションされた焼灼」(simulated ablation; SA)の3D形状を計算し、可視化する。さらに、ワークステーション110は、SAによって覆われたVTの断片と、SAによって覆われた「健常組織」(すなわち、VT116の外の組織)の断片とを計算し、可視化する。ワークステーション110は、実行されたSAの数に関するフィードバックと、手順の継続時間と、覆われたVTの体積及び割合と、覆われた「健常組織」の体積とを記録し、提供する。ワークステーション110は、さらに、SA(例えば、既知の方法を用いて)を用いてVTを覆うための最適な計画を決定し、該最適な計画を実際に実行されたSAと比較し、該比較に基づいてオペレータ124へフィードバックを提供するために用いられる。
【0025】
システム100は、ワークステーション110、針108、スキャナ112及びプローブ106と適合する空間追跡システム104(例えば、電磁気式(EM)追跡システム又は他のシステム)を有する。これにより、追跡システム104が、組織を模倣するファントム102に対する針108とプローブ106の空間のポーズを取得でき、ワークステーションによりこれらの空間のポーズを処理できる。ワークステーション110は、「焼灼訓練プログラム」を実行するためのソフトウェア114とハードウェアとを含む。
【0026】
図2において、プログラム114は、好ましくは以下の機能及びステップを含む。ブロック202において、プログラムの初期化が実行される。ブロック204において、任意のステップは、ユーザを識別する段階を含む(訓練の進捗の経過を追うため)。ブロック206において、任意のステップは、訓練のオプションを選択する段階を含む。これらのオプションは、例えば、使用されるファントムの種類(例えば、異なる体の部分/臓器を模倣する)、困難さのレベル、腫瘍のサイズ等を含むことができる。ブロック208において、一般的なソフトウェアの初期化は、使用されるファントムの、予め取得されたCT(又は他のモダルティ)画像を読み込み/表示し、該ファントムと該ファントムの画像との間のレジストレーション変換(registration transformation)を読み込む段階を有する。ブロック210において、仮想的な異常(例えば、腫瘍)が生成される。これは、腫瘍の場所、腫瘍の形、サイズ、向きを手動で、又は自動的に/ランダムに選択する段階を含むことができる。
【0027】
ブロック212において、計画標的体積(planning target volume; PTV)の手動又は自動による定義が提供される。計画標的体積(PVT)は、腫瘍と、それぞれの腫瘍の周りで予め(例えば、1cm)又は手動で定義された切除縁(surgical margin)とを加えたものに等しい。ブロック214において、シミュレーションされた手順(例えば、シミュレーションされた複合焼灼)が実行される。
【0028】
ブロック215において、シミュレーションされた画像誘導(image guidance)がシステムによって提供される。ブロック216において、処理されるべき領域が撮像され、あるいは画像として提供される。例えば、ユーザは、仮想的な腫瘍の中あるいは近くにおける「焼灼」のため、針を所望の場所へ誘導するために、超音波プローブ(ultrasonic probe; USP)を使用する。誘導のための超音波スキャナ上に表示される超音波画像を用いる代わりに、ユーザは、ワークステーションのディスプレイ上に表示される画像を用いることができる。ワークステーションは、任意の「未加工の」画像をリアルタイムに超音波スキャナ(例えば、ビデオフレームの取り込みを通じて)から取得して、追加の情報と重ね合わせられた元の画像を表示する。追加の情報は、ファントム画像の中の腫瘍についての超音波による可視化をシミュレートするための、仮想的な腫瘍の空間的に対応する横断面を含むことができる。ブロック218において、介入器具(例えば、針又はツール)が位置づけられ、追跡される。ユーザが所望の場所に針を位置づけた場合に、ユーザは、ブロック217における、次の「シミュレーションされた焼灼」を実行するためにソフトウェアを動作させる。ユーザは、器具又は針が適切に配置されるまで、ブロック216と218とを繰り返す。適切な場所に配置されたら、ユーザは、ブロック217においてシミュレーションされた焼灼を実行する。ブロック215と217は、PTVが、ユーザの見積もりによって「完全に除去される」まで、例えば、PTVが、シミュレーションされた焼灼によって覆われるまで繰り返される。シミュレーションされた焼灼の結合は、「シミュレーションされた複合焼灼(Simulated Composite Ablation(SCA))」である。画像が、手順の間に実行された動作に従って更新され得る。例えば、除去された領域は、色又はテクスチャの変化により表示され得る。他の画像の変化もまた採用され得る。
【0029】
ブロック220において、評価とフィードバックがユーザに対して提供される(例えば、スコア、進捗グラフ等)。ブロック222において、使用されたソフトウェアは、シミュレーションされた焼灼の数、総時間、あらゆるシミュレーションされた焼灼により覆われなかったPTVの体積/割合、SAにより覆われた、PTVでない組織の体積(「健常組織」)のような、成績測定基準を記録し、可視化する。ブロック224において、任意で、ソフトウェアは、例えば、手動でなされたSCAとの比較に対する最適な複合焼灼のような、処理された領域を計算し、視覚化することができる。最適な複合焼灼を計算するために、手順、異常の種類、病変等によって異なる方法が採用され得る。
【0030】
図3において、可視化の処理の実際の実装からのスクリーンショット302と304が例示的に図示されている。スクリーンショット302と304は、本開示書で説明された方法を用いて仮想的な腫瘍(VT)308を重ね合わせた、組織を模倣したファントム306の、ビデオフレームの取り込みによる超音波画像に関して提供される。VT308は、ファントム306の中の実際の嚢腫性病変(cystic lesion)310に近い場所に生成された。超音波プローブは、画像302の中のポーズから画像304の中のポーズへと物理的に変換されるので、VT308は、超音波プローブの空間の追跡に基づいて、対応する間隔(distance)に自動的に変換される。これにより、VT308が、ファントム306に対して固定された場所にあるような印象を与える。
【0031】
VT308は、使用されるファントムの画像(例えば、CT、MRI等)の座標系において、3D形状(例えば、球、楕円体等)の位置と向きとを定義することによって生成される。VT308は、シミュレーションの間に可視化される。超音波スキャナから取得されたそれぞれの超音波画像のために、空間的に追跡され、かつ調整された(calibrated)超音波プローブと、ファントム画像306と追跡システムとの間の位置合わせ(registration)が、ファントムの中の現在の2Dの超音波画像面と、VT308の3D形状との2Dの交点(intersection)(IS)を決定するために用いられる。次に、超音波画像に対するISの位置が決定される。そして、ISが、ワークステーションを用いて超音波画像と共に、例えば画像の上にISを重ね合わせるか、アルファブレンディングか、外形のみを表すか、等によって、可視化される。
【0032】
図4は、本原理に従った訓練のために、PTV402は、仮想的な腫瘍(VT)404に外科的な安全マージン(surgical safety margin)406を加えたものとして定義される。この例における、それぞれの個別のシミュレーションされた焼灼(SA)408、410は、PTV402の一部のみをカバーし得る。ソフトウェアは、以下に関して、実行された全てのSAの組み合わされた効果の経過を追う。
(1)(望み通り)除去されたPTVの体積/断片412
(2)除去されなかった(癌の再発のリスクのある)PTVの体積/断片414
(3)除去された「健常組織」416(したがって治療の副作用として破壊された)である「外部組織」の体積
シミュレーションされた焼灼の実行において、ユーザが、針状プローブが適切に設置されたと考える時には(スイッチの投入、ボタンの押下又は他の機械的なトリガによって)いつでもSAを実行する。ソフトウェアプログラム114(
図1)は、次に、ファントム画像の座標系における3D形状を、針の先端の現在位置、又はその針の先端からのいくつかの所定のオフセットにおいて、針の現在の向きによって定義される向きを用いて生成する。その形状は、球、楕円体又は臨床診療で用いられる実際の医療用焼灼システムで予想される焼灼形状を表すいくつかの他の形状であり得る。該医療用焼灼システムとは、例えば、Valleylab Cool-tip(登録商標)(Tyco Healthcare Group(登録商標))、RF 3000(Boston Scientific(登録商標))又はModel 150Ox(RITA Medical Systems(登録商標))である。
【0033】
ソフトウェア114は、焼灼を一時的に可視化することができる。そうして、例えばラジオ波焼灼法(RA)の間に、現在の超音波画像とのSAの形状の交点(intersection of the SA shape; SA)を計算し、VTの可視化のための現在の超音波画像とともにISAを可視化することにより、組織の中の気泡雲(gas bubble cloud)の(一時的な)生成をシミュレーションする。ソフトウェア114は、訓練の手順全体にわたって、以下を決定して記録する:
−SAのPTV及びPTVの外側の組織との3Dの交点
−あらゆるSAによりカバーされないPTVの中の体積412(除去されないPTV)
−少なくとも一つのSAによりカバーされるPTVの中の体積414(除去されたPTV)
−少なくとも一つのSAによりカバーされるPTVの外側の体積(除去された「健常組織」)
図1に戻って、訓練システム100は、超音波誘導以外の誘導システムと共に焼灼を用いてもよい。例えば、CTシステム又はMRIシステムが用いられてもよい。システム100は、超音波誘導の代わりに、間欠(intermittent)又は蛍光(fluoroscopic)CTの画像誘導と共に実行される焼灼をシミュレーションするよう改良され得る。間欠CT又は蛍光CTの両方のために、システム100は、フィードバックとして、シミュレーションされた患者への放射線量と、使用された造影剤の量の経過を追い、提供することができる。
【0034】
間欠CTによる誘導のシミュレーションのために:VTの3D形状が、予め定められたその場所に、ファントム117の実際のCT画像と共に可視化される。可視化は、2D(例えば、VTの対応する交点を有するCT画像の多断面再構成法(multi-planar reconstructions)(MPRs))又は3D(サーフェスレンダリング又はボリュームレンダリング、最大値投影法又は他の3Dの可視化技術)であり得る。VTとファントム画像の両方の可視化のために、画像とVTについての2Dの可視化又は3Dの可視化は個別に処理され得る(2D:MPRs, 3D:レンダリング)。あるいは、VTの輪郭の中の画像の中のボクセルが、VTの位置/向きの定義の直後に修正され得る(例えば、より大きな/低い値に設定される)。後続の全ての2D/3Dの可視化は、これらの修正された画像に基づく。
【0035】
一つの実施形態によれば、ユーザが針の位置を操作して、「CTスキャンを行う」準備ができると、ソフトウェア114は、新たなCTスキャンのシミュレーションを動作させる。追跡された針の位置は、ファントム画像117(VT116に加えられる)の中の針108の可視化をシミュレーションするために用いられる。ユーザが焼灼の実行のシミュレーションを行う準備ができているときはいつでも、SAが実行される。
【0036】
焼灼後に得られる、シミュレーションされたCTスキャンにおけるSAの可視化は、SAの領域内のわずかな拡張(非造影CT向け)、又は
図5の中のシミュレーションされた造影CTにおけるかん流のわずかな減少を表示することにより達成することができる。
図5において、仮想的な腫瘍602の2Dの可視化が、ファントム604のCT画像内で、ファントム604内の実際の病変606の隣に生成される。
【0037】
蛍光CTの誘導のシミュレーションのために、ユーザは、どの軸断面(axial plane)又は斜面(oblique plane)が現在撮像されているかを選択する。システムは、VTと追跡される針が、選択された画像の面と交わる場合に、それらの(ほとんど)リアルタイムの視覚的な2Dシミュレーション(例えば、0.5Hzから4Hz)を提供する。2Dの可視化は、間欠CTに対して上で説明されたのと同様の方法において達成される。しかし、蛍光CT画像の質の劣化に対して、画像の解像度、コントラスト及び/又は信号対雑音比(SNR)は悪化する。
【0038】
訓練システム100は、焼灼の誘導を支援するためのナビゲーションシステムを用いてユーザを訓練するよう改良され得る。ナビゲーションシステムは、追跡された医療装置の空間座標を、予め取得された画像及びリアルタイムの画像と統合するために、空間追跡システム104を用いる。誘導に関するそのようなシステムの使用は、VT、SAの生成と、上述したような評価のフィードバックの提供、又は(例えば、ファントムのCT(又は他の3D)画像に対する、又はリアルタイムの超音波画像に対する、あるいは両方に対する、)追跡される針のポーズのリアルタイムの可視化により訓練され得る。
【0039】
訓練システム100は、実際の超音波スキャナ112を統合することなく、有利に提供され得る。実際の超音波スキャナをシステムに統合する代わりに、超音波の使用は、「ダミーの」超音波プローブ106の使用によりシミュレーションされ得る。該超音波プローブは、上で述べた実際のプローブと同様に、空間的に追跡され、位置合わせされ、調整されるが、以下のあらゆる(又は他の)方法を用いて、シミュレーションされた2Dのリアルタイムの超音波画像を生成するために用いられる。
1)ファントムの完全な3Dの超音波画像を予め取得し、ダミーのプローブが現在指し示す、この3D体積の2DのMPRを可視化すること;及び/又は
2)ダミーのプローブにより現在指し示される画像のMPRを、より超音波に近いテクスチャ又はみかけへと修正することにより、ファントムの3D CT画像又はMR画像から、合成の2Dの超音波画像を生成すること;
本原理によれば、さらに、焼灼が必須の(ablation-critical)シミュレーションされる組織構造を有する訓練システム100が使用され得る。実際の焼灼のために、腫瘍以外の組織構造は、手順に顕著な影響を及ぼし得る。したがって、さらなる仮想的な組織構造を生成し、焼灼の接近又は実行に関する情動をシミュレーションすることにより、さらなるリアリズムが加えられ得る。例えば、(RFAのための)冷却又は(冷凍アブレーションのための)加熱を提供し、それぞれの焼灼により得られる熱損傷のサイズ/形に対して影響を有し得る血管のような、仮想的な血管が使用され得る。仮想的な血管は、適切な3D形状(例えば、シンプルな管)をVTの近くに作り、VTに対して上述したような可視化を行い、血管に対する距離と向きの関数として、実行されるあらゆるSAの形状を変更することにより、生成され得る。
【0040】
仮想的な骨が同様に使用され得る。実際の焼灼において、焼灼の針は、骨を貫通することができない。そして、このことは、皮膚からPTVへの可能な針の経路を決定する。
仮想的な骨は、適切な3D形状を作成し、これらの形状をVTに対して上述したように可視化し、追跡される針によってその形状の貫通を不可能にすることによって、生成され得る。さらに、前記貫通を不可能にすることは、現在の針の位置又は経路が不正であることを示す視覚的なフィードバックを提供するか、あるいは、針を触覚フィードバックシステム(例えば、マサチューセッツ州Woburn市のSensAble Technologies(登録商標)によるMA PHANTOM Omni(登録商標))に取り付け、訓練システムをその触覚フィードバックシステムに統合して、仮想的な骨を通る針の進行を不可能にすることによってなされる。
【0041】
訓練システム100は、触覚フィードバックシステム又は装置と共に構成され得る。実際の組織を模倣したファントムへの針の挿入を用いる代わりに、触覚フィードバックシステム(例えば、PHANTOM Omni(登録商標))を用いることができ、針を組織へ挿入したことの感覚をシミュレーションするため、訓練システム100と統合することができる。これは、上述した、シミュレーションされた超音波及び/又はCT撮像と連動してなされ得る。
【0042】
本実施形態は、訓練の進捗を追跡し、訓練の成功を定量的に評価するため、ナビゲーションシステムの支援と共に、従来の超音波、CT及び/又は他の撮像及び誘導システムを用いて、複雑な焼灼治療を正しく計画し実行するために必要とされる技術的な能力を提供するために、(インターベンショナル)ラジオロジスト、放射線学研究員、臨床医等を訓練することに適用可能である。
【0043】
添付されるクレームの解釈において、以下が理解されるべきである:
a)「含む/有する(comprising)」の語は、与えられたクレームに列挙されるより他の要素又は動作の存在を除外しない;
b)要素に先行する「一つの(a)」又は「一つの(an)」の語は、そのような要素の複数の存在を除外しない;
c)クレームの中のあらゆる参照符号はクレームの範囲を限定しない;
d)いくつかの「手段」は、同一の項目又はハードウェア又はソフトウェアで実装される構造又は機能により表現され得る。
e)いかなる動作の特定の順序も、特に示されない限り、必須であることを意図していない
システムと方法に対する好ましい実施形態が説明されてきたが、改良及びバリエーションが、上記の教示を踏まえて当業者によりなされ得ることに留意する。したがって、当然のことながら、開示される本開示書の特定の実施形態において変更がなされ得る。該変更は、添付されるクレームによって輪郭を描かれる、ここで開示される実施形態の範囲及び精神の中にある。したがって、特許法により必要とされる詳細と詳細な事項が説明されたが、特許証により保護される、クレームされて望まれるものは、添付されるクレームにおいて説明される。