特許第6042725号(P6042725)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6042725
(24)【登録日】2016年11月18日
(45)【発行日】2016年12月14日
(54)【発明の名称】コーナーリフレクタ
(51)【国際特許分類】
   G01S 7/03 20060101AFI20161206BHJP
   G01S 7/38 20060101ALI20161206BHJP
   H01Q 15/18 20060101ALI20161206BHJP
   F41J 2/00 20060101ALI20161206BHJP
【FI】
   G01S7/03 200
   G01S7/38
   H01Q15/18
   F41J2/00
【請求項の数】5
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2013-48(P2013-48)
(22)【出願日】2013年1月4日
(65)【公開番号】特開2014-132222(P2014-132222A)
(43)【公開日】2014年7月17日
【審査請求日】2015年12月21日
(73)【特許権者】
【識別番号】500302552
【氏名又は名称】株式会社IHIエアロスペース
(74)【代理人】
【識別番号】100097515
【弁理士】
【氏名又は名称】堀田 実
(74)【代理人】
【識別番号】100136700
【弁理士】
【氏名又は名称】野村 俊博
(72)【発明者】
【氏名】矢作 純
(72)【発明者】
【氏名】篠田 芳明
(72)【発明者】
【氏名】穴井 隆祐
(72)【発明者】
【氏名】寺島 光彦
【審査官】 ▲うし▼田 真悟
(56)【参考文献】
【文献】 英国特許出願公告第00812376(GB,A)
【文献】 国際公開第2012/000796(WO,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2006/0187110(US,A1)
【文献】 米国特許第04996536(US,A)
【文献】 米国特許第04503101(US,A)
【文献】 国際公開第2013/008514(WO,A1)
【文献】 国際公開第2013/008513(WO,A1)
【文献】 国際公開第97/017108(WO,A1)
【文献】 特開昭53−047299(JP,A)
【文献】 米国特許第06300893(US,B1)
【文献】 米国特許第03217325(US,A)
【文献】 英国特許出願公開第02189079(GB,A)
【文献】 仏国特許発明第01330902(FR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01S 7/00− 7/42
G01S 13/00−13/95
H01Q 15/00−15/24
F41H 11/02
F41J 2/00
F41J 9/08
F42B 5/15
F42B 12/70
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電波を反射させるコーナーリフレクタであって、
内部にガスが供給されることにより膨張してそれぞれが環状になる3つの環状体バルーンを備え、
前記3つの環状体バルーンは、同一の中心を共有し、かつ、膨張時おいてそれぞれが他の2つの環状体バルーンと交点において互いに直交するように形成されており、
さらに、外周縁部が前記環状体バルーンに取り付けられ前記中心を通る膜である電波反射膜と、
前記3つの環状体バルーンを直交状態に拘束する形状拘束部材と、を有し、
前記形状拘束部材は、同じ長さの索状部材を一つの前記交点につき4本有し、
4本の前記索状部材は、前記交点から同一距離離れた連結点を連結し、隣接する環状体バルーンの連結点との間を弛みなく緊結する、ことを特徴とするコーナーリフレクタ。
【請求項2】
前記索状部材は、連結する隣接する連結点間の前記膨張時の距離よりも短い、ことを特徴とする請求項1に記載のコーナーリフレクタ。
【請求項3】
前記交点を介して向かい合う前記索状部材は、それぞれ平行になるように設けられている、ことを特徴とする請求項1又は2に記載のコーナーリフレクタ。
【請求項4】
前記形状拘束部材は、前記索状部材を含む三角形状の4つの網状部材からなり、
前記網状部材は、隣接する2つの環状体バルーンの前記交点から前記連結点までを前記三角形状のそれぞれ一辺とする、ことを特徴とする請求項1又は2に記載のコーナーリフレクタ。
【請求項5】
前記形状拘束部材は、前記直交による6つの交点においてそれぞれ設けられている、ことを特徴とする請求項1乃至請求項のいずれか1項に記載のコーナーリフレクタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電波を反射することで、おとり(デコイ)などとして機能するコーナーリフレクタに関する。
【背景技術】
【0002】
コーナーリフレクタについては、例えば、特許文献1に記載されている。特許文献1のコーナーリフレクタは、図1の構成を有する。コーナーリフレクタは、図1のように、互いに直交する3つの電波反射膜21を8組有する。これにより、コーナーリフレクタに対し、どの角度から電波が入射してきても、コーナーリフレクタによって、電波を入射してきた方向に反射することができる。
例えば、図2のように、電波Aと電波Bのいずれについても、互いに直交する電波反射膜21により、入射してきた方向に反射することができる。
【0003】
コーナーリフレクタは、飛翔体、船、地上などから放出され、その後、空中や水上で図1の形状に展開する。そのために、コーナーリフレクタは、例えば、図1の例のように、バルーン23を有する。このバルーン23は、膨張すると球形となる。この膨張により、各電波反射膜21が図1のように展開するように電波反射膜21がバルーン23の内部に取り付けられている。なお、図1の例では、ボンベ25がバルーン23内にガスを供給することで、バルーンを球形に膨張させる。
【0004】
上述のような構成により、例えば、空中で展開したコーナーリフレクタに、追尾用レーダ装置やミサイルのレーダシーカから電波が入射すると、コーナーリフレクタは、図2のように電波を入射してきた方向に反射することができる。これにより、コーナーリフレクタをレーダのおとりにすることができる。
【0005】
なお、本願の他の先行技術文献として、下記の特許文献2がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平04−355388号公報
【特許文献2】特開平09−190585号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記特許文献に記載されているようなコーナーリフレクタについて、長時間敵を欺瞞するために、空中に浮遊する時間を長くするための工夫が必要である。
この点に対して、図3のようにコーナーリフレクタをパラシュートに吊るして降下させる方法や自身を軽量化したコーナーリフレクタが用いられている。
図3(A)は、発射台32を有した艦艇31が、飛翔体33を放出してから、パラシュート35及びコーナーリフレクタ34が展開されるまでの図である。
この図において、飛翔体33から、パラシュート35及びコーナーリフレクタ34が放出された後、適切なタイミングで展開が行われる。
【0008】
さらに、図3(A)においてコーナーリフレクタ34の展開を行う場合において、展開に長時間を要することを防止するため、図3(B)のような環状型バルーン36aを用いたコーナーリフレクタ36が用いられる場合がある。この例におけるコーナーリフレクタ36は、3つの環状体バルーン36aを互いに直交させている。
【0009】
図3(B)に記載の環状体バルーン36aからなるコーナーリフレクタ36を用いることによって、図1に記載されているような球状バルーンからなるコーナーリフレクタと比較して、少量の空気で展開が可能になる。そのため、これによってバルーンの展開時間の短縮をすることが可能になり、その結果としてコーナーリフレクタが空中に浮遊する時間を長くすることが可能になるというメリットを有しているものである。
【0010】
ここで、図3(B)に記載されているような環状体バルーン36aからなるコーナーリフレクタ36は、環状体バルーン36aが形成する環状の内側部分に沿う形で3枚の電波反射膜36bを取り付ける構成になっている。そのため、3つの環状体バルーン36aが互いに直交する姿勢を維持することによって、これに取り付けられている3枚の電波反射膜36bも互いに直交する姿勢を維持することが可能になるという構造になっている。
【0011】
しかし、環状体バルーン36aからなるコーナーリフレクタ36は、球状バルーンからなる場合と比較して剛性が弱いため、状況によっては製造時の形状を維持できない場合が発生し得る。
例えば、環状体バルーン36aからなるコーナーリフレクタ36の製造から使用までの間に長時間が経過していた場合等において、環状体バルーン36aの変形が発生し、これに伴って電波反射膜36bが歪んだ状態になってしまうことが考えられる。
さらに、展開時において環状体バルーン36aが変形しない場合であっても、落下中において強風等の影響によって、環状体バルーン36aが変形してしまう場合も考えられる。
また、コーナーリフレクタ36の製造段階においても、例えば3つの環状体バルーン36aを結合した形状にばらつきが生じることによって、コーナーリフレクタ36の形状が一定にならないといった場合が考えられる。
【0012】
そのため、これらの場合においては、使用時において電波反射膜36bの反射能力が減少してしまい、コーナーリフレクタの使用目的である敵等の欺瞞を十分に行うことができない場合が発生するという問題があった。
【0013】
そこで、本発明の目的は、環状体バルーンの変形を防止し、電波反射能力を維持することが可能なコーナーリフレクタを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記目的を達成するため、本発明によると、電波を反射させるコーナーリフレクタであって、
内部にガスが供給されることにより膨張してそれぞれが環状になる3つの環状体バルーンを備え、
前記3つの環状体バルーンは、同一の中心を共有し、かつ、膨張時おいてそれぞれが他の2つの環状体バルーンと交点において互いに直交するように形成されており、
さらに、外周縁部が前記環状体バルーンに取り付けられ前記中心を通る膜である電波反射膜と、
前記3つの環状体バルーンを直交状態に拘束する形状拘束部材と、を有し、
前記形状拘束部材は、同じ長さの索状部材を一つの前記交点につき4本有し、
4本の前記索状部材は、前記交点から同一距離離れた連結点を連結し、隣接する環状体バルーンの連結点との間を弛みなく緊結する、ことを特徴とするコーナーリフレクタが提供される。
【0015】
また、本発明の実施例によれば、前記索状部材は、連結する隣接する連結点間の前記膨張時の距離よりも短い。
もしくは、前記交点を介して向かい合う前記索状部材は、それぞれ平行になるように設けられている。
【0016】
また、本発明の別の実施例によれば、前記形状拘束部材は、前記索状部材を含む三角形状の4つの網状部材からなり、
前記網状部材は、隣接する2つの環状体バルーンの前記交点から前記連結点までを前記三角形状のそれぞれ一辺とする。
【0017】
また、本発明によると、前記形状拘束部材は、前記直交による6つの交点においてそれぞれ設けられている。
【発明の効果】
【0018】
本発明における環状体バルーンからなるコーナーリフレクタは、形状拘束部材を用いることによって、環状体バルーンが互いに直交した状態を維持することが可能になり、製造から使用までの時間の経過等に起因する環状体バルーンの変形に伴う電波反射膜の歪みを防止することができる。
そのため、これによって、コーナーリフレクタの使用目的である敵等の欺瞞を十分に行うことが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】特許文献1のコーナーリフレクタの構成を示す。
図2】従来技術におけるコーナーリフレクタの作用を説明する図である。
図3】従来技術におけるコーナーリフレクタの図である。
図4】本発明における形状拘束部材を取り付けた状態のコーナーリフレクタの図である。
図5】本発明における電波反射膜が互いに直交している場合と直交していない場合の反射能力の比較についての説明図である。
図6】本発明における電波反射膜に電波を発射している状態の説明図である。
図7】本発明における電波反射膜が互いに直交している場合と直交していない場合の反射能力の比較についての説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明の好ましい実施形態を図面に基づいて説明する。なお、各図において共通する部分には同一の符号を付し、重複した説明を省略する。
【0021】
図4(A)は、本発明における索状部材からなる形状拘束部材を取り付けた状態のコーナーリフレクタの斜視図であり、図4(B)は、本発明における網状部材からなる形状拘束部材を取り付けた状態のコーナーリフレクタの斜視図である。
この図において、1はコーナーリフレクタ、1aは電波反射膜、1bは環状体バルーン、1cは交点、1dは連結点、2は形状拘束部材、2aは索状部材、2bは網状部材である。
【0022】
コーナーリフレクタ1は、この例においては、電波反射膜1a及び環状体バルーン1bから構成されているものを想定している。
電波反射膜1aは、この例において、導電性繊維で形成されている。
導電性繊維は、例えば、ナイロンの繊維に金属膜(銅、銀など)をコーティングしたものであってよい。
この例において、電波反射膜1aは、12枚の扇形(中心角が90°)の膜からなり、上記膨張時には平面が互いに直交用に組まれる構造になっている。この構造によって、環状体バルーン1bの膨張時には互いに直交する3つの電波反射膜1aからなる反射領域が、合計8組設けられることになる。
また、好ましくは環状体バルーン1bの膨張時において、各電波反射膜1aの外周が、環状体バルーン1bに密着する形になるように設計されていることが望ましい。
【0023】
環状体バルーン1bは、内部にガスが供給されると、ガス圧で膨張して環状になる構成を有している。
この環状体バルーン1bは、他の形状のバルーン(例えば、球状バルーン)に比べ格段に少ないガス量でコーナーリフレクタ1を展開することが可能になる。そのため、コーナーリフレクタ1の展開に要する時間を短縮することができるというメリットがある。
なお、環状体バルーン1bは、ポリオレフィンやポリ塩化ビニルなどのプラスチックフィルムで形成される構成であってよい。
【0024】
また、好ましくは、環状体バルーン1bの外周を拘束用繊維で包むことによって、環状体バルーン1bが所定の限界体積以上に膨張することを抑制することが望ましい。
【0025】
形状拘束部材2は、互いに直交している3つの環状体バルーン1bの相対的な位置関係を維持するために取り付けられるものである。この例においては、3つの環状体バルーン1bを直交状態に拘束するためのものを想定している。
【0026】
形状拘束部材2の機能について、環状体バルーン1bが直交している点を交点1cとし、この交点1cから環状体バルーン1bが伸びる方向に向けて、所定の同一距離だけ離れた4点を連結点1dとした場合、図4(A)における形状拘束部材2は、隣接する連結点1dを結ぶ4本の索状部材2aからなる構成を有している。
この構成によって、3つの環状体バルーン1bは、隣接する環状体バルーン1bとの間を緩みなく緊結することが可能になり、3つの環状体バルーン1bの相対的な位置関係を維持する。
この4本の索状部材2aは、隣接した連結点1dを結ぶものであるため、交点1cを介して向かい合う2本の索状部材2aは、それぞれが互いに平行になる。また、隣接する2本の索状部材2aは、それぞれを伸ばして交差させた場合、その角度が90°になる場所に位置することになる。
【0027】
図4(B)は、形状拘束部材2として、網状部材2bを用いた場合のものを想定している。
この例における網状部材2bは、それぞれ三角形状からなる4つの網状部材2bを想定している。この網状部材2bは、隣接する2つの環状体バルーン1bにおいて交点1cから連結点1dまでをそれぞれ三角形状を一辺とし、隣接する2つの環状体バルーン1bの連結点1d同士を結んだ線を他の一辺とするものを想定している。
この構成を有することによって、連結点1dだけでなく、交点1cから連結点1dまでの間においてもコーナーリフレクタ1の形状維持のために機能させることが可能になる。
【0028】
形状拘束部材2について、上述したものの他、例えば索状部材2aに変えて帯状からなる部材を用いるものであってもよい。また、例えば4つの網状部材2bを連結させて1つの網状部材2bとして用いるものであってもよい。
【0029】
図4(A)における索状部材2a又は図4(B)において網状部材2bに含まれる索状部材2aは、連結を行う連結点1d間の距離よりも短いものを用いる構成が望ましい。このような索状部材2aを用いることによって、環状体バルーン1bを内側に引っ張りながら連結することになるため、コーナーリフレクタ1全体の剛性を高めることができるからである。なお、この場合、環状体バルーン1bは完全な環状形状を維持できなくなるが、同じ長さの索状部材2aを用いることによって、コーナーリフレクタ1全体としての対称性は維持することが可能になる。
【0030】
上述した形状拘束部材2は、対向する2つの交点1cにおいて、これを中心として取り付けることが可能であるが、コーナーリフレクタ1が有する6つの交点1cの全てについて形状拘束部材2を設ける構成であることがコーナーリフレクタ1全体の対称性を維持しつつ剛性を高める上で最も望ましい。
なお、索状部材2aは、伸縮性が小さい索からなるもの、例えば、伸縮性が小さいナイロン索やポリエステル索や電波反射に影響しない程度に細いワイヤー等からなるものが望ましい。これによって、環状体バルーン1bの膨張時において索状部材2aが元々の長さよりも伸長してしまうことを防止することができる。また、環状体バルーン1bが膨張していない状態においては、索状部材2aは緩んだ状態になるため、収納等の取扱いがしやすくなるからである。
【0031】
図5は、本発明における電波反射膜が互いに直交している場合と直交していない場合の反射能力の比較についての説明図である。
この図におけるグラフは、ある大きさのコーナーリフレクタを構成する3つの電波反射膜の互いの角度を変化させた場合におけるある周波数の電波反射の強さを示したものである。この例においては、90°、89°、88°の場合における電波反射の強さを示している。
なお、図5の横軸において、図6(A)のように電波反射膜11aに向けて電波(図中の実線矢印)を発射している状態(発射元からは図6(B)のように見えている状態)が、図5の横軸における「−45°」の状態としている。また、そこから図6(A)における点線矢印のように回転軸11dを中心として発射元を旋回させていき、図6(A)の状態から45°回転させた状態(発射元からは図6(C)のように見えている状態)が、図5横軸における「0°」の状態としている。さらに、図6(A)の状態から90°回転させた状態(発射元からは図6(D)のように見えている状態)が、図5の横軸における「45°」の状態としている。
【0032】
図5によれば、電波反射膜が互いに90°の角度をもって一体となっている場合である図5における90°のグラフの場合と、図5における89°のグラフの場合とを比較すると、中心付近の電波反射能力が8[dB]程度低下(約1/6程度に低下)している。
また、図5における90°のグラフの場合と図5における88°のグラフの場合とを比較すると、中心付近の電波反射能力が16[dB]程度低下(約1/40程度に低下)している。
そのため、コーナーリフレクタ1の使用時において、電波反射膜が互いに直交している状態を維持することが非常に重要であることが分かる。
【0033】
図7は、図5と同様に本発明における電波反射膜が互いに直交している場合と直交していない場合の反射能力の比較についての説明図である。
この図におけるグラフは、コーナーリフレクタを構成する3つの電波反射膜の互いの角度を変化させた場合における電波反射の強さを示したものである。この例においては、90°、91°、92°の場合における電波反射の強さを示している。
【0034】
図7における91°、92°の場合における電波反射の強さのグラフは、それぞれ図5における89°、88°の場合における電波反射の強さのグラフと近い形を有しており、図5の場合と同様、電波反射膜の互いの角度が90°から離れた角度になるにつれて、電波反射の強さが低下していくことを示している。
【0035】
本発明は上述した実施の形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変更を加え得ることは勿論である。
本発明のコーナーリフレクタ1は、デコイとして用いる以外の用途にも使用してもよい。例えば、本発明のコーナーリフレクタ1を、特許文献2のように、遭難者の居場所を知らせるために使用してもよい。
【符号の説明】
【0036】
1 コーナーリフレクタ、
1a 電波反射膜、1b 環状体バルーン、
1c 交点、1d 連結点、
2 形状拘束部材、2a 索状部材、2b 網状部材、
11a〜11c 電波反射膜、11d 回転軸
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7