(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記制御部は、前記光源点灯量の情報と、前記光源別補正ルックアップテーブルの情報とから前記画像表示パネルの各画素における輝度の情報を補間演算により求める、請求項1に記載の表示装置。
前記画像表示パネルの各画素における輝度の情報は、前記光源が並ぶ光源配列方向について、多項式補間を処理し、前記光源配列方向と直交する方向には、線形補間を処理することで補間演算する、請求項1又は請求項2に記載の表示装置。
前記制御部は、前記画像表示パネルの各画素における輝度の情報に基づいて、前記画像の入力信号に補正処理し、前記画像を画像表示パネルに表示する、請求項2乃至請求項4のいずれか1項に記載の表示装置。
前記画像表示パネルに行列状に配列された画素は、第1の色を表示する第1副画素、第2の色を表示する第2副画素、第3の色を表示する第3副画素及び第4の色を表示する第4副画素を含む、請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の表示装置。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、発明を実施するための形態について、図面を参照して詳細に説明する。以下の実施形態に記載した内容により本発明が限定されるものではない。また、以下に記載した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のものが含まれる。さらに、以下に記載した構成要素は適宜組み合わせることが可能である。
【0013】
(表示装置の構成)
図1は、本実施形態に係る表示装置の構成の一例を示すブロック図である。
図2は、本実施形態に係る画像表示パネルの画素配列を示す図である。
【0014】
図1に示すように、表示装置10は、画像出力部11からの画像の入力信号SRGBが入力され、表示装置10の各部に出力信号SRGBWを送り、動作を制御する信号処理部20と、信号処理部20から出力された出力信号SRGBWに基づいて画像を表示させる画像表示パネル(表示部)30と、画像表示パネル30の駆動を制御する画像表示パネル駆動部40と、画像表示パネル30を背面から照明する面状光源装置50と、面状光源装置50の駆動を制御する面状光源装置制御部60と、を備える。なお、表示装置10は、特許文献の、特開2011−154323号公報に記載されている画像表示装置組立体と同様の構成であり、特開2011−154323号公報に記載されている各種変形例が適用可能である。
【0015】
信号処理部20は、画像表示パネル30及び面状光源装置50の動作を制御する演算処理部である。信号処理部20は、画像表示パネル30を駆動するための画像表示パネル駆動部40、及び、面状光源装置50を駆動するための面状光源装置制御部60と接続されている。信号処理部20は、外部から入力される入力信号を処理して出力信号及び面状光源装置制御信号を生成する。つまり、信号処理部20は、入力信号の入力HSV色空間の入力値(入力信号)を、第1の色、第2の色、第3の色及び第4の色で再現される再現HSV色空間の再現値(出力信号)に変換して生成し、生成した出力信号を画像表示パネル30に出力する。信号処理部20は、生成した出力信号を画像表示パネル駆動部40に出力し、生成した面状光源装置制御信号を面状光源装置制御部60に出力する。
【0016】
図1に示すように、画像表示パネル30は、画素48が、P
0×Q
0個(行方向にP
0個、列方向にQ
0個)、2次元のマトリクス状(行列状)に配列されている。
図1に示す例は、XYの2次元座標系に複数の画素48がマトリクス状に配列されている例を示している。この例において、行方向がX方向、列方向はY方向である。
【0017】
画素48は、第1副画素49Rと、第2副画素49Gと、第3副画素49Bと、第4副画素49Wとを有する。第1副画素49Rは、第1原色(例えば、赤色)を表示する。第2副画素49Gは、第2原色(例えば、緑色)を表示する。第3副画素49Bは、第3原色(例えば、青色)を表示する。第4副画素49Wは、第4の色(具体的には白色)を表示する。このように、画像表示パネル30に行列状に配列された画素48は、第1の色を表示する第1副画素49R、第2の色を表示する第2副画素49G、第3の色を表示する第3副画素49B及び第4の色を表示する第4副画素49Wを含む。第1の色、第2の色、第3の色及び第4の色は、第1原色、第2原色、第3原色及び白色に限られず、補色など色が異なっていればよい。第4の色を表示する第4副画素49Wは、同じ光源点灯量で照射された場合、第1の色を表示する第1副画素49R、第2の色を表示する第2副画素49G、第3の色を表示する第3副画素49Bよりも明るいことが好ましい。以下において、第1副画素49Rと、第2副画素49Gと、第3副画素49Bと、第4副画素49Wとをそれぞれ区別する必要がない場合、副画素49という。
【0018】
表示装置10は、より具体的には、透過型のカラー液晶表示装置である。
図2に示すように、画像表示パネル30は、カラー液晶表示パネルであり、第1副画素49Rと画像観察者との間に第1原色を通過させる第1カラーフィルタが配置され、第2副画素49Gと画像観察者との間に第2原色を通過させる第2カラーフィルタが配置され、第3副画素49Bと画像観察者との間に第3原色を通過させる第3カラーフィルタが配置されている。また、画像表示パネル30は、第4副画素49Wと画像観察者との間にカラーフィルタが配置されていない。第4副画素49Wには、カラーフィルタの代わりに透明な樹脂層が備えられていてもよい。このように画像表示パネル30は、透明な樹脂層を設けることで、第4副画素49Wにカラーフィルタを設けないことによって第4副画素49Wに大きな段差が生じることを抑制することができる。
【0019】
図1及び
図2に示す画像表示パネル駆動部40は、本実施形態の制御部に含まれ、信号出力回路41及び走査回路42を備えている。画像表示パネル駆動部40は、信号出力回路41によって映像信号を保持し、順次、画像表示パネル30に出力する。信号出力回路41は、信号線DTLによって画像表示パネル30と電気的に接続されている。画像表示パネル駆動部40は、走査回路42によって、画像表示パネル30における副画素を選択し、副画素の動作(光透過率)を制御するためのスイッチング素子(例えば、薄膜トランジスタ(TFT;Thin Film Transistor))のオン及びオフを制御する。走査回路42は、走査線SCLによって画像表示パネル30と電気的に接続されている。
【0020】
面状光源装置50は、画像表示パネル30の背面に配置され、画像表示パネル30に向けて光を照射することで、画像表示パネル30を照明する。
図3は、本実施形態に係る導光板及びサイドライト光源の説明図である。面状光源装置50は、導光板54と、導光板54の少なくとも一側面を入射面Eとして、この入射面Eに対向する位置に、複数の光源56A、56B、56C、56D、56E及び56Fを配列したサイドライト光源52と、を備えている。複数の光源56A、56B、56C、56D、56E及び56Fは、例えば、同色(例えば、白色)の発光ダイオード(LED:Light Emitting Diode)である。複数の光源56A、56B、56C、56D、56E及び56Fは、導光板54の一側面に沿って並んでおり、光源56A、56B、56C、56D、56E及び56Fが並ぶ光源配列方向をLYとした場合、光源配列方向LYに直交する入光方向LXに向けて、入射面Eから導光板54へ光源56A、56B、56C、56D、56E及び56Fの入射光が入光する。
【0021】
面状光源装置制御部60は、面状光源装置50から出力する光の光量等を制御する。面状光源装置制御部60は、本実施形態の制御部に含まれる。具体的には、面状光源装置制御部60は、信号処理部20から出力される面状光源装置制御信号SBLに基づいて面状光源装置50に供給する電流又はデューティ比(duty比)を調整することで、画像表示パネル30を照射する光の光量(光の強度)を制御する。そして、面状光源装置制御部60は、
図3に示す複数の光源56A、56B、56C、56D、56E及び56Fに対して個々に独立して電流又はデューティ比(duty比)を制御し、各光源56A、56B、56C、56D、56E及び56Fの照射する光の光量(光の強度)を制御する、光源の分割駆動制御をすることができる。
【0022】
図4及び
図5は、本実施形態に係るサイドライト光源の1つの光源が作用する光の強度分布の一例を説明する説明図である。
図4は、
図3に示す光源56Aのみが点灯した場合、光源56Aから入射する入射光が導光板54から画像表示パネル30の平面に照射される光強度分布の情報である。光源配列方向LYに直交する入光方向LXに向けて、入射面Eから導光板54へ光源56Aの入射光が導光板54に入ると、導光板54は、画像表示パネル30を背面から照明する照明方向LZへ照射する。本実施形態において、照明方向LZは、光源配列方向LYと、入光方向LXとに直交する。
【0023】
図4は、
図3に示す光源56Cのみが点灯した場合、光源56Cから入射する入射光が導光板54から画像表示パネル30の平面に照射される光強度分布の情報である。光源配列方向LYに直交する入光方向LXに向けて、入射面Eから導光板54へ光源56Cの入射光が導光板54に入ると、導光板54は、画像表示パネル30を背面から照明する照明方向LZへ照射する。
【0024】
導光板54は、光源配列方向LYに現れる両端面で光の反射が生じるため、光源配列方向LYに現れる両端面に近い、光源56A及び光源56Fが照射する光の強度分布と、光源56A及び光源56Fの間に配置される、例えば光源56Cが照射する光の強度分布が異なっている。このため、後述するように、本実施形態に係る面状光源装置制御部60は、
図3に示す複数の光源56A、56B、56C、56D、56E及び56Fに対して個々に独立して電流又はデューティ比(duty比)を制御し、各光源56A、56B、56C、56D、56E及び56Fの光強度分布に応じて照射する光の光量(光の強度)を制御する必要がある。次に、表示装置10、より具体的には信号処理部20が実行する処理動作について説明する。
【0025】
(表示装置の処理動作)
図6は、本実施形態の表示装置で再現可能な再現HSV色空間の概念図である。
図7は、再現HSV色空間の色相と彩度との関係を示す概念図である。
図8は、本実施形態に係る信号処理部を説明するためのブロック図である。
図1に示すように、信号処理部20は、外部の画像出力部11から表示する画像の情報である入力信号SRGBが入力される。
図9は、本実施形態に係る表示装置の駆動方法のフローチャートである。入力信号SRGBは、各画素に対して、その位置で表示する画像(色)の情報を入力信号として含んでいる。具体的には、P
0×Q
0個の画素48がマトリクス状に配置された画像表示パネル30において、第(p、q)番目の画素48(ただし、1≦p≦P
0、1≦q≦Q
0)に対して、信号値がx
1−(p、q)の第1副画素49Rの入力信号、信号値がx
2−(p、q)の第2副画素49Gの入力信号及び信号値がx
3−(p、q)の第3副画素49Bの入力信号(
図1参照)が含まれる信号が信号処理部20に入力される。
図8に示すように、信号処理部20は、タイミング生成部21と、画像処理部22と、画像解析部23と、光源駆動演算部24と、光源データ記憶部25と、光源駆動値決定部26とを含む。
【0026】
図1及び
図8に示す信号処理部20は、
図9に示すように、入力信号SRGBを検出する(ステップS11)。そして、タイミング生成部21は、入力信号SRGBを処理することで、1フレーム毎に画像表示パネル駆動部40と、面状光源装置制御部60とのタイミングを同期する同期信号STMを画像表示パネル駆動部40及び面状光源装置制御部60へ送出する。信号処理部20の画像処理部22は、入力信号SRGBを処理することで、第1副画素49Rの表示階調を決定するための第1副画素の出力信号(信号値X
1−(p、q))、第2副画素49Gの表示階調を決定するための第2副画素の出力信号(信号値X
2−(p、q))、第3副画素49Bの表示階調を決定するための第3副画素の出力信号(信号値X
3−(p、q))及び第4副画素49Wの表示階調を決定するための第4副画素の出力信号(信号値X
4−(p、q))を生成し、画像表示パネル駆動部40に出力する表示データの演算ステップ(ステップS16)を処理する。以下、本実施形態に係る表示データの演算ステップ(ステップS16)について詳細に説明する。
【0027】
表示装置10は、画素48に第4の色(白色)を出力する第4副画素49Wを備えることで、
図6に示すように、HSV色空間(再現HSV色空間)における明度のダイナミックレンジを広げることができる。つまり、
図6に示すように、第1副画素49R、第2副画素49G及び第3副画素49Bが表示することのできる円柱形状のHSV色空間に、彩度Sが高くなるほど明度Vの最大値が低くなる略台形形状となる立体が載っている形状となる。
【0028】
信号処理部20の画像処理部22は、第4の色(白色)を加えることで、拡大されたHSV色空間における彩度Sを変数とした明度の最大値Vmax(S)が、信号処理部20に記憶されている。つまり、信号処理部20は、
図6に示すHSV色空間の立体形状について、彩度S及び色相Hの座標(値)毎に明度の最大値Vmax(S)の値を記憶している。入力信号は、第1副画素49R、第2副画素49G及び第3副画素49Bの入力信号を有するため、入力信号のHSV色空間は、円柱形状、つまり、再現HSV色空間の円柱形状部分と同じ形状となる。
【0029】
次に、信号処理部20の画像処理部22は、少なくとも第1副画素49Rの入力信号(信号値x
1−(p、q))及び伸張係数αに基づいて、第1副画素49Rの出力信号(信号値X
1−(p、q))を算出し、第1副画素49Rへ出力する。また、信号処理部20は、少なくとも第2副画素49Gの入力信号(信号値x
2−(p、q))及び伸張係数αに基づいて第2副画素49Gの出力信号(信号値X
2−(p、q))を算出し、第2副画素49Gへ出力する。また、信号処理部20は、少なくとも第3副画素49Bの入力信号(信号値x
3−(p、q))及び伸張係数αに基づいて第3副画素49Bの出力信号(信号値X
3−(p、q))を算出し、第3副画素49Bへ出力する。さらに、信号処理部20は、第1副画素49Rの入力信号(信号値x
1−(p、q))、第2副画素49Gの入力信号(信号値x
2−(p、q))及び第3副画素49Bの入力信号(信号値x
3−(p、q))に基づいて第4副画素49Wの出力信号(信号値X
4−(p、q))を算出し、第4副画素49Wへ出力する。
【0030】
具体的には、信号処理部20の画像処理部22は、第1副画素49Rの伸張係数α及び第4副画素49Wの出力信号に基づいて第1副画素49Rの出力信号を算出し、第2副画素49Gの伸張係数α及び第4副画素49Wの出力信号に基づいて第2副画素49Gの出力信号を算出し、第3副画素49Bの伸張係数α及び第4副画素49Wの出力信号に基づいて第3副画素49Bの出力信号を算出する。
【0031】
つまり、信号処理部20は、χを表示装置に依存した定数としたとき、第(p、q)番目の画素(又は第1副画素49R、第2副画素49G及び第3副画素49Bの組)への第1副画素49Rの出力信号である信号値X
1−(p、q)、第2副画素49Gの出力信号である信号値X
2−(p、q)及び第3副画素49Bの出力信号である信号値X
3−(p、q)を、次に示す式(1)〜式(3)から求める。
【0032】
X
1−(p、q)=α・x
1−(p、q)−χ・X
4−(p、q)・・・(1)
【0033】
X
2−(p、q)=α・x
2−(p、q)−χ・X
4−(p、q)・・・(2)
【0034】
X
3−(p、q)=α・x
3−(p、q)−χ・X
4−(p、q)・・・(3)
【0035】
信号処理部20は、第4の色を加えることで拡大されたHSV色空間における彩度Sを変数とした明度の最大値Vmax(S)を求め、複数の画素48における副画素49の入力信号値に基づき、これらの複数の画素48における彩度S及び明度V(S)を求める。
【0036】
彩度S及び明度V(S)は、S=(Max−Min)/Max及びV(S)=Maxで表される。彩度Sは0から1までの値をとることができ、明度V(S)は0から(2
n−1)までの値をとることができる。nは、表示階調ビット数である。また、Maxは、画素48への第1副画素49Rの入力信号値、第2副画素49Gの入力信号値及び第3副画素49Bの入力信号値のうち、最大値である。Minは、画素48への第1副画素49Rの入力信号値、第2副画素49Gの入力信号値及び第3副画素49Bの入力信号値のうち、最小値である。また、色相Hは、
図7に示すように0°から360°で表される。0°から360°に向かって、赤(Red)、黄色(Yellow)、緑(Green)、シアン(Cyan)、青(Blue)、マゼンタ(Magenta)、赤となる。
【0037】
本実施形態において、信号値X
4−(p、q)は、Min
(p、q)と伸張係数αとの積に基づき求めることができる。具体的には、下記の式(4)に基づいて信号値X
4−(p、q)を求めることができる。式(4)では、Min
(p、q)と伸張係数αとの積をχで除しているが、これに限定するものではない。χについては後述する。
【0038】
X
4−(p、q)=Min
(p、q)・α/χ・・・(4)
【0039】
一般に、第(p、q)番目の画素において、第1副画素49Rの入力信号(信号値x
1−(p、q))、第2副画素49Gの入力信号(信号値x
2−(p、q))及び第3副画素49Bの入力信号(信号値x
3−(p、q))に基づき、円柱のHSV色空間における彩度(Saturation)S
(p、q)及び明度(Brightness)V(S)
(p、q)は、次の式(5)、式(6)から求めることができる。
【0040】
S
(p、q)=(Max
(p、q)−Min
(p、q))/Max
(p、q)・・・(5)
【0041】
V(S)
(p、q)=Max
(p、q)・・・(6)
【0042】
ここで、Max
(p、q)は、(x
1−(p、q)、x
2−(p、q)、x
3−(p、q))の3個の副画素49の入力信号値の最大値であり、Min
(p、q)は、(x
1−(p、q)、x
2−(p、q)、x
3−(p、q))3個の副画素49の入力信号値の最小値である。本実施形態ではn=8とした。すなわち、表示階調ビット数を8ビット(表示階調の値を0から255の256階調)とした。
【0043】
白色を表示する第4副画素49Wには、カラーフィルタが配置されていない。第4の色を表示する第4副画素49Wは、同じ光源点灯量で照射された場合、第1の色を表示する第1副画素49R、第2の色を表示する第2副画素49G、第3の色を表示する第3副画素49Bよりも明るい。第1副画素49Rに第1副画素49Rの出力信号の最大信号値に相当する値を有する信号が入力され、第2副画素49Gに第2副画素49Gの出力信号の最大信号値に相当する値を有する信号が入力され、第3副画素49Bに第3副画素49Bの出力信号の最大信号値に相当する値を有する信号が入力されたときの、画素48又は画素48の群が備える第1副画素49R、第2副画素49G及び第3副画素49Bの集合体の輝度をBN
1−3とする。また、画素48又は画素48の群が備える第4副画素49Wに、第4副画素49Wの出力信号の最大信号値に相当する値を有する信号が入力されたときの第4副画素49Wの輝度BN
4としたときを想定する。すなわち、第1副画素49R、第2副画素49G及び第3副画素49Bの集合体によって最大輝度の白色が表示され、この白色の輝度がBN
1−3で表される。すると、χを表示装置に依存した定数としたとき、定数χは、χ=BN
4/BN
1−3で表される。
【0044】
具体的には、第1副画素49R、第2副画素49G及び第3副画素49Bの集合体に、次の表示階調の値を有する入力信号として、信号値x
1−(p、q)=255、信号値x
2−(p、q)=255、信号値x
3−(p、q)=255が入力されたときにおける白色の輝度BN
1−3に対して、第4副画素49Wに表示階調の値255を有する入力信号が入力されたと仮定したときの輝度BN
4は、例えば、1.5倍である。すなわち、本実施形態にあっては、χ=1.5である。
【0045】
ところで、信号値X
4−(p、q)が、上述した式(4)で与えられる場合、Vmax(S)は、次の式(7)、式(8)で表すことができる。
【0046】
S≦S
0の場合、
Vmax(S)=(χ+1)・(2
n−1)・・・(7)
【0047】
S
0<S≦1の場合:
Vmax(S)=(2
n−1)・(1/S)・・・(8)
ここで、S
0=1/(χ+1)である。
【0048】
このようにして得られた、第4の色を加えることによって拡大されたHSV色空間における彩度Sを変数とした明度の最大値Vmax(S)が、例えば、信号処理部20に一種のルックアップテ−ブルとして記憶されている。あるいは、拡大されたHSV色空間における彩度Sを変数とした明度の最大値Vmax(S)は、都度、信号処理部20において求められる。
【0049】
次に、第(p、q)番目の画素48における出力信号である信号値X
1−(p、q)、X
2−(p、q)、X
3−(p、q)、X
4−(p、q)の求め方(伸張処理)を説明する。次の処理は、(第1副画素49R+第4副画素49W)によって表示される第1原色の輝度、(第2副画素49G+第4副画素49W)によって表示される第2原色の輝度、(第3副画素49B+第4副画素49W)によって表示される第3原色の輝度の比を保つように行われる。しかも、色調を保持(維持)するように行われる。さらには、階調−輝度特性(ガンマ特性、γ特性)を保持(維持)するように行われる。また、いずれかの画素48又は画素48の群において、入力信号値のすべてが0である場合又は小さい場合、このような画素48又は画素48の群を含めることなく、伸張係数αを求めればよい。
【0050】
(第1工程)
まず、信号処理部20は、複数の画素48における副画素49の入力信号値に基づき、これらの複数の画素48における彩度S及び明度V(S)を求める。具体的には、第(p、q)番目の画素48への第1副画素49Rの入力信号である信号値x
1−(p、q)、第2副画素49Gの入力信号である信号値x
2−(p、q)、第3副画素49Bの入力信号である信号値x
3−(p、q)に基づき、式(7)及び式(8)からS
(p、q)、V(S)
(p、q)を求める。信号処理部20は、この処理を、すべての画素48に対して行う。
【0051】
(第2工程)
次いで、信号処理部20は、複数の画素48において求められたVmax(S)/V(S)に基づき伸張係数α(S)を求める。
【0052】
α(S)=Vmax(S)/V(S)・・・(9)
【0053】
(第3工程)
次に、信号処理部20は、第(p、q)番目の画素48における信号値X
4−(p、q)を、少なくとも、信号値x
1−(p、q)、信号値x
2−(p、q)及び信号値x
3−(p、q)に基づいて求める。本実施形態にあっては、信号処理部20は、信号値X
4−(p、q)を、Min
(p、q)、伸張係数α及び定数χに基づいて決定する。より具体的には、信号処理部20は、上述したとおり、信号値X
4−(p、q)を、上記の式(4)に基づいて求める。信号処理部20は、P
0×Q
0個の全画素48において信号値X
4−(p、q)を求める。
【0054】
(第4工程)
その後、信号処理部20は、第(p、q)番目の画素48における信号値X
1−(p、q)を、信号値x
1−(p、q)、伸張係数α及び信号値X
4−(p、q)に基づき求め、第(p、q)番目の画素48における信号値X
2−
(p、q)を、信号値x
2−
(p、q)、伸張係数α及び信号値X
4−(p、q)に基づき求め、第(p、q)番目の画素48における信号値X
3−(p、q)を、信号値x
3−(p、q)、伸張係数α及び信号値X
4−(p、q)に基づき求める。具体的には、信号処理部20は、第(p、q)番目の画素48における信号値X
1−(p、q)、信号値X
2−(p、q)及び信号値X
3−(p、q)を、上記の式(1)〜(3)に基づいて求める。
【0055】
信号処理部20は、式(4)に示したとおり、Min
(p、q)の値を伸張係数αによって伸張する。このように、Min
(p、q)の値が伸張係数αによって伸張されることで、白色表示副画素(第4副画素49W)の輝度が増加するだけでなく、上記式に示すとおり、赤色表示副画素、緑色表示副画素及び青色表示副画素(それぞれ第1副画素49R、第2副画素49G及び第3副画素49Bに対応する)の輝度も増加する。このため、色のくすみが発生するといった問題を回避することができる。すなわち、Min
(p、q)の値が伸張されていない場合と比較して、Min
(p、q)の値が伸張係数αによって伸張されることで、画像全体として輝度はα倍となる。したがって、例えば、静止画等の画像表示を高輝度で行うことができ、好適である。
【0056】
図9に示すように、信号処理部20は、表示データの演算ステップ(ステップS16)を処理するとともに、入力信号SRGBの画像解析を行う(ステップS12)。
【0057】
画像解析部23は、第(p、q)番目の画素48における信号値X
1−(p、q)、信号値X
2−(p、q)、信号値X
3−(p、q)及び信号値X
4−(p、q)が、α倍に伸張されていることを解析する。このため、表示装置10は、画像の入力信号SRGBの情報に基づいて、伸張されていない状態の画像の輝度と同じ画像の輝度とするためには、面状光源装置50の輝度を、伸張係数αに基づき減少させればよい。具体的には、光駆動値演算部24及び光駆動値決定部26が面状光源装置50の輝度を、(1/α)倍となるように、複数の光源56A、56B、56C、56D、56E及び56Fに対して個々に独立して電流又はデューティ比(duty比)を制御すればよい。
【0058】
図10は、特定の光源から入射する入射光が導光板から画像表示パネルの平面に照射される光強度分布の情報を説明するための模式図である。
図11は、光源別ルックアップテーブルを説明するための模式図である。光源データ記憶部25には、光源配列方向LYにM個、入光方向LXにN個の行列状の配列毎に、光の強度の代表値を格納したデータである光源別ルックアップテーブル(LUT:Lookup table)を記憶している。例えば、
図11に示すように、光源データ記憶部25には、
図3に示す光源56Aのみが点灯した場合、光源56Aから入射する入射光が導光板54から画像表示パネル30の平面に照射される光強度分布の情報(
図4参照)を光源別ルックアップテーブルLUTAとして記憶している。また、光源データ記憶部25には、
図3に示す光源56Bのみが点灯した場合、光源56Bから入射する入射光が導光板54から画像表示パネル30の平面に照射される光強度分布の情報を光源別ルックアップテーブルLUTBとして記憶している。また、光源データ記憶部25には、
図3に示す光源56Cのみが点灯した場合、光源56Cから入射する入射光が導光板54から画像表示パネル30の平面に照射される光強度分布の情報を光源別ルックアップテーブルLUTCとして記憶している。また、光源データ記憶部25には、
図3に示す光源56Dのみが点灯した場合、光源56Dから入射する入射光が導光板54から画像表示パネル30の平面に照射される光強度分布の情報を光源別ルックアップテーブルLUTDとして記憶している。また、光源データ記憶部25には、
図3に示す光源56Eのみが点灯した場合、光源56Eから入射する入射光が導光板54から画像表示パネル30の平面に照射される光強度分布の情報を光源別ルックアップテーブルLUTEとして記憶している。また、光源データ記憶部25には、
図3に示す光源56Fのみが点灯した場合、光源56Fから入射する入射光が導光板54から画像表示パネル30の平面に照射される光強度分布の情報を光源別ルックアップテーブルLUTFとして記憶している。
【0059】
本実施形態の光源別ルックアップテーブルLUTA、LUTB、LUTC、LUTD、LUTE及びLUTFは、光源56A、56B、56C、56D、56E及び56Fの1つずつに対応する。本実施形態の光源別ルックアップテーブルは、光源56A、56B、56C、56D、56E及び56Fのうち、例えば、光源56A、56Bの組、光源56C、56Dの組、光源56E、56Fの組がそれぞれ同時点灯した場合の光源別ルックアップテーブルを記憶してもよい。これにより、光源別ルックアップテーブルの作成作業を省力化できるとともに、光源データ記憶部25の記憶容量を低減できる。その結果、光源データ記憶部25を格納する集積回路を小型化できる。また、光源別ルックアップテーブルLUTA、LUTB、LUTC、LUTD、LUTE及びLUTFのうち、光源配列方向LYの中心線の一方側である光源別ルックアップテーブルLUTA、LUTB及びLUTCについて生成して記憶し、他方側の光源別ルックアップテーブルLUTD、LUTE及びLUTFについて当該中心線に対して線対称であるので省略してもよい。
【0060】
光源駆動値演算部24は、光源データ記憶部25の光源別ルックアップテーブルLUTA、LUTB、LUTC、LUTD、LUTE及びLUTFを参照し、画像解析部23が解析した(1/α)値に近くなるように、光源別ルックアップテーブルLUTA、LUTB、LUTC、LUTD、LUTE及びLUTFを重ね合わせて、光源56A、56B、56C、56D、56E及び56Fの光源点灯量を演算する(ステップS13)。例えば、第(i、j)番目の光源別ルックアップテーブルLUTA、LUTB、LUTC、LUTD、LUTE及びLUTFを重ね合わせた代表輝度(ただし、1≦i≦N、1≦j≦M)は、下記式(10)で演算できる。
【0062】
これにより、光源駆動値演算部24は、複雑な演算処理を単純な光源別ルックアップテーブルLUTA、LUTB、LUTC、LUTD、LUTE及びLUTFの参照処理で置き換えて、演算量を低減できる。
【0063】
上述したように、画像表示パネル駆動部40が画像表示パネル30を表示させるには、画素48単位での輝度分布が必要となる。そこで、光源駆動値決定部26は、ステップS13で求めた光源56A、56B、56C、56D、56E及び56Fの光源点灯量と、光源別ルックアップテーブルLUTA、LUTB、LUTC、LUTD、LUTE及びLUTFに基づいて、画素48単位の輝度分布の演算をおこなう(ステップS14)。画素48単位の輝度分布の演算処理は、画素48単位の輝度の情報を補間演算により演算する。これにより、画素48単位の情報は、非常に情報量が多くなるが、本実施形態では、間引いた代表値で光源別ルックアップテーブルLUTA、LUTB、LUTC、LUTD、LUTE及びLUTFを作成しているので、ルックアップテーブルのサイズを小さくできる。また、光源駆動値決定部26は、線形補間の演算をすることで、演算負荷を小さくできる。
【0064】
画素48毎の輝度の情報は、光源配列方向LYの変化が急峻であり、入光方向LXの変化がなだらかな変化である。
図12は、線形補間の演算を説明するための説明図である。
図13は、多項式補間の演算を説明するための説明図である。入光方向LXの各画素48における輝度の情報は、
図12に示す線形補間の処理がされ、光源配列方向LYの各画素48における輝度の情報は、
図13に示す多項式補間の処理がされることで補間演算される。多項式補間は、たとえば、キュービック補間である。これにより、光源別ルックアップテーブルLUTA、LUTB、LUTC、LUTD、LUTE及びLUTFは、光源配列方向LYに少なくとも光源の数の及び光源間の数の加算値のM個あればよい。これにより、ルックアップテーブルのサイズを大幅に小さくすることができる。
【0065】
画像表示パネル30の各画素48における輝度の情報は、光源配列方向LYの中心線の一方側についてルックアップテーブルに記憶され(保持され)、他方側について当該中心線に対して線対称の輝度の情報とすることで、光源駆動値決定部26は、ルックアップテーブル容量を大幅に低減することができる。
【0066】
次に、光源駆動値決定部26は、画素48毎の輝度の情報を画像処理部22に送出し、画像処理部22は、画素48毎の輝度の情報に基づいて補正した上で、第(p、q)番目の画素48における信号値X
1−(p、q)、信号値X
2−(p、q)、信号値X
3−(p、q)及び信号値X
4−(p、q)を出力するよう、出力信号SRGBWを演算する同期処理を行う(ステップS15)。同期信号STMに基づいて、画像表示パネル駆動部40は、1フレーム毎に画像表示パネル30に画像を表示し、面状光源装置制御部60は、面状光源装置50の光源56A、56B、56C、56D、56E及び56Fを独立して駆動する。
【0067】
以上説明したように、表示装置は、画像表示パネル30と、導光板54と、サイドライト光源52とを備える面状光源である面状光源装置50とを備える。制御部として、信号処理部の演算に応じて、画像表示パネル駆動部40と、面状光源装置制御部60が同期し、画像の入力信号SRGBの情報及び各光源別ルックアップテーブルLUTA、LUTB、LUTC、LUTD、LUTE及びLUTFに基づいて、各光源56A、56B、56C、56D、56E及び56Fの光源点灯量を個々に独立して制御する。これにより、光源56A、56B、56C、56D、56E及び56Fの光源点灯量の総量を低減できるように制御できるようになり、消費電力を低減できる。
【0068】
しかしながら、画素48毎の輝度の情報を画像処理部22に送出し、画像処理部22は、画素48毎の輝度の情報に基づいて補正しても、面状光源装置50から発光可能な輝度以上の輝度を発生することはできないため、完全な補正を行おうとすると、面状光源装置50の最も暗い部分に合わせて、輝度を均一にすることになり、画像が全体に暗い表示となってしまう(電力効率が低くなる)可能性がある。面状光源装置50の最も暗い部分に合わせて、輝度を均一にすると、表示装置10の消費電力が増加する可能性がある。そこで、本実施形態の表示装置10は、補正をする部分を低減し、消費電力の増加を抑制することができる。
【0069】
図14は、本実施形態に係る輝度むらの補正処理を説明するためのフローチャートである。光源駆動値決定部26は、全点灯分布の補正テーブルの読み込みを行う(ステップS21)。
図15は、本実施形態に係る全光源が同程度の光源点灯量で点灯した場合に入射する入射光が導光板から画像表示パネルの平面に照射される光の強度分布を説明するための説明図である。
図16は、本実施形態に係る補正テーブルを説明するための説明図である。
図17は、本実施形態に係る補正テーブルの逆数分布を説明するための説明図である。
図18は、本実施形態に係る光源別ルックアップテーブルを説明するための説明図である。
図19は、本実施形態に係る光源別補正ルックアップテーブルを説明するための説明図である。
図20は、本実施形態に係る画像表示パネルの輝度分布を説明するための説明図である。
【0070】
輝度分布に対して、補正を行わないようにするためには、信号処理部20で生成される輝度分布が見かけ上均一となっていることが好ましい。全光源が同程度の光源点灯量で点灯した場合の光強度分布は、全点灯時の輝度分布であり、光源別ルックアップテーブルLUTA、LUTB、LUTC、LUTD、LUTE及びLUTFを全部重ね合わせて
図15に示す全点灯ルックアップテーブルLUTQTを演算することができる。
図15に示す全点灯ルックアップテーブルLUTQTは、各光源56A、56B、56C、56D、56E及び56F寄りに、全体の平均輝度よりも輝度が高い輝度むらQTが発生している。輝度むらQTは、光源56A、56B、56C、56D、56E及び56Fの存在が認識できてしまう、輝度の集中となって現れる輝点である。他の輝度むらとしては、光源56A、56B、56C、56D、56E及び56Fの点灯により、入光方向LXに並行に輝度の高いライン状の輝線が輝度の集中となって現れる可能性がある。
【0071】
光源駆動値演算部24は、
図15に示す輝度むらQTのピーク成分を含む領域を全体の輝度平均に近づけた補正輝度QFを有する光強度分布のルックアップテーブルLUTQFとする補正処理を行う。ルックアップテーブルLUTQFは、光強度に対して逆数をとる演算が処理されて、
図17に示す補正テーブルLUTQFRとなる。
図18は、上述した
図11に示す光源別ルックアップテーブルLUTA、LUTB、LUTC、LUTD、LUTE及びLUTFの照明方向LZを示す3次元表示である。
図14に示すように、光源駆動値演算部24は、
図18又は
図11に示す光源別ルックアップテーブルLUTA、LUTB、LUTC、LUTD、LUTE及びLUTFのぞれぞれに、上述した補正テーブルLUTQFRを乗算する処理を行い光源毎の光源別ルックアップテーブルLUTA、LUTB、LUTC、LUTD、LUTE及びLUTFを補正して、光源別補正ルックアップテーブルLUTAH、LUTBH、LUTCH、LUTDH、LUTEH及びLUTFHにする演算を行う(ステップS22)。
図19には、光源別補正ルックアップテーブルLUTCHを代表して記載するが、補正テーブルLUTQFRを乗算する処理を行い光源毎の光源別ルックアップテーブルLUTA、LUTB、LUTD、LUTE及びLUTFを補正して、光源別補正ルックアップテーブルLUTAH、LUTBH、LUTDH、LUTEH及びLUTFHにすることも同様に可能である。光源別補正ルックアップテーブルLUTAH、LUTBH、LUTCH、LUTDH、LUTEH及びLUTFHは、各光源56A、56B、56C、56D、56E及び56F寄りに、部分的な輝度の補正がなされている。これにより補正のための演算負荷なしに、目的の補正の施された画像出力を行うことができる。
【0072】
光源駆動値演算部24は、光源別補正ルックアップテーブルLUTAH、LUTBH、LUTCH、LUTDH、LUTEH及びLUTFHを参照し、画像解析部23が解析した(1/α)値に近くなるように、光源別補正ルックアップテーブルLUTAH、LUTBH、LUTCH、LUTDH、LUTEH及びLUTFHを重ね合わせて、光源56A、56B、56C、56D、56E及び56Fの光源点灯量を演算する。例えば、第(i、j)番目の光源別補正ルックアップテーブルLUTAH、LUTBH、LUTCH、LUTDH、LUTEH及びLUTFHを重ね合わせた代表輝度(ただし、1≦i≦N、1≦j≦M)は、下記式(11)で演算できる。
【0074】
これにより、光源駆動値演算部24は、複雑な演算処理を単純な光源別補正ルックアップテーブルLUTAH、LUTBH、LUTCH、LUTDH、LUTEH及びLUTFHの参照処理で置き換えて、演算量を低減できる。
【0075】
光源駆動値決定部26は、ステップS13で求めた光源56A、56B、56C、56D、56E及び56Fの光源点灯量と、光源別補正ルックアップテーブルLUTAH、LUTBH、LUTCH、LUTDH、LUTEH及びLUTFHに基づいて、画素48単位の輝度の情報を補間演算により演算する。
【0076】
次に、光源駆動値決定部26は、画素48毎の輝度の情報を画像処理部22に送出し、画像処理部22は、画素48毎の輝度の情報に基づいて補正した上で、第(p、q)番目の画素48における信号値X
1−(p、q)、信号値X
2−(p、q)、信号値X
3−(p、q)及び信号値X
4−(p、q)を出力するよう、出力信号SRGBWを演算する(ステップS23)。同期信号STMに基づいて、画像表示パネル駆動部40は、1フレーム毎に画像表示パネル30に画像を表示し、面状光源装置制御部60は、面状光源装置50の光源56A、56B、56C、56D、56E及び56Fを独立して駆動する。画像表示パネル30は、
図20に示す輝度分布LUTVのように、輝度分布のピーク成分が低減され、かつ消費電力の抑制された状態で画像を表示することができる。なお、
図14に示すフローチャートでの補正処理で作成された光源別補正ルックアップテーブルは、光源駆動値決定部26で行わない構成が可能である。例えば、既に補正の行われた光源別補正ルックアップテーブルを、光源別ルックアップテーブルの代わりに用いることで、補正のための演算負荷なしに、目的の補正の施された画像出力を行うことができる。
【0077】
図21は、比較例に係る画像表示パネルの輝度分布を説明するための説明図である。
図21に示すように、
図15に示す全点灯時の輝度分布で補正してしまう場合、輝度むらを全ての領域に渡って補正することができるものの、
図21に示す輝度分布LUTV1のように面状光源装置50から発光可能な輝度以上の輝度を発生することはできない。このため、光源駆動値決定部26は、完全な補正を行おうとすると、面状光源装置50の最も暗い部分に合わせて、輝度を均一にすることになり、画像が全体に暗い表示となってしまう(電力効率が低くなる)ことが例示されている。
【0078】
図22は、
図15の逆数分布を説明するための説明図である。
図23は、比較例に係る画像表示パネルの輝度分布を説明するための説明図である。
図22に示す逆数分布は、
図15に示すルックアップテーブルLUTQFの光強度に対して逆数をとる演算が処理されて、補正テーブルLUTQTRとなる。駆動値演算部24は、
図18又は
図11に示す光源別ルックアップテーブルLUTA、LUTB、LUTC、LUTD、LUTE及びLUTFのぞれぞれに、上述した補正テーブルLUTQTRを乗算する処理を行っても、
図23の輝度分布LUTV2に示すように、消費電力は抑制されるが、輝度むらの補正はされない。
【0079】
以上説明したように、表示装置10は、光源56A、56B、56C、56D、56E及び56Fから入射する入射光が導光板54から画像表示パネル30の平面に照射される光強度分布の情報を光源毎に光源別ルックアップテーブルLUTA、LUTB、LUTC、LUTD、LUTE及びLUTFとして記憶している。光源データ記憶部25には、この光源別ルックアップテーブルLUTA、LUTB、LUTC、LUTD、LUTE及びLUTFに対して、全光源が同程度の光源点灯量で点灯した場合の光強度分布のピーク成分を抑制した光源別補正ルックアップテーブルLUTAH、LUTBH、LUTCH、LUTDH、LUTEH及びLUTFHとして演算され記憶されている。表示装置10は、光源別補正ルックアップテーブルLUTAH、LUTBH、LUTCH、LUTDH、LUTEH及びLUTFH及び画像の入力信号SRGBの情報に基づいて、各光源の光源点灯量を制御する。本実施形態に係る表示装置によれば、例えば、光源近傍の輝度ムラ補正を行うことで、電力面および回路規模面でのデメリットなく、輝度分布を改善することができる。
【0080】
(適用例)
次に、
図24乃至
図32を参照して、本実施形態で説明した表示装置10の適用例について説明する。以下、本実施形態及び変形例を本実施形態として説明する。
図24乃至
図32は、本実施形態に係る表示装置を適用する電子機器の一例を示す図である。本実施形態に係る表示装置10は、携帯電話、スマートフォン等の携帯端末装置、テレビジョン装置、デジタルカメラ、ノート型パーソナルコンピュータ、ビデオカメラ、或いは、車両に設けられるメータ類などのあらゆる分野の電子機器に適用することが可能である。言い換えると、本実施形態に係る表示装置10は、外部から入力された映像信号或いは内部で生成した映像信号を、画像或いは映像として表示するあらゆる分野の電子機器に適用することが可能である。電子機器は、表示装置10に映像信号を供給し、表示装置10の動作を制御する制御装置を備える。
【0081】
(適用例1)
図24に示す電子機器は、本実施形態に係る表示装置10が適用されるテレビジョン装置である。このテレビジョン装置は、例えば、フロントパネル511及びフィルターガラス512を含む映像表示画面部510を有しており、この映像表示画面部510は、本実施形態に係る表示装置10である。
【0082】
(適用例2)
図25及び
図26に示す電子機器は、本実施形態に係る表示装置10が適用されるデジタルカメラである。このデジタルカメラは、例えば、フラッシュ用の発光部521、表示部522、メニュースイッチ523及びシャッターボタン524を有しており、その表示部522は、本実施形態に係る表示装置10である。
図25に示すように、このデジタルカメラは、レンズカバー525を有しており、レンズカバー525をスライドさせることで撮影レンズが現れる。デジタルカメラは、その撮影レンズから入射する光を撮像することで、デジタル写真を撮影することができる。
【0083】
(適用例3)
図27に示す電子機器は、本実施形態に係る表示装置10が適用されるビデオカメラの外観を表すものである。このビデオカメラは、例えば、本体部531、この本体部531の前方側面に設けられた被写体撮影用のレンズ532、撮影時のスタート/ストップスイッチ533及び表示部534を有している。そして、表示部534は、本実施形態に係る表示装置10である。
【0084】
(適用例4)
図28に示す電子機器は、本実施形態に係る表示装置10が適用されるノート型パーソナルコンピュータである。このノート型パーソナルコンピュータは、例えば、本体541、文字等の入力操作のためのキーボード542及び画像を表示する表示部543を有しており、表示部543は、本実施形態に係る表示装置10である。
【0085】
(適用例5)
図29及び
図30に示す電子機器は、表示装置10が適用される携帯電話機である。
図29は携帯電話機を開いた状態での正面図である。
図30は携帯電話機を折りたたんだ状態での正面図である。当該携帯電話機は、例えば、上側筐体551と下側筐体552とを連結部(ヒンジ部)553で連結したものであり、ディスプレイ554、サブディスプレイ555、ピクチャーライト556及びカメラ557を有している。当該ディスプレイ554は、表示装置10が取り付けられている。なお、当該携帯電話機のディスプレイ554は、画像を表示する機能の他に、タッチ動作を検出する機能を有していてもよい。
【0086】
(適用例6)
図31に示す電子機器は、携帯型コンピュータ、多機能な携帯電話、音声通話可能な携帯コンピュータ又は通信可能な携帯コンピュータとして動作し、いわゆるスマートフォン、タブレット端末と呼ばれることもある、情報携帯端末である。この情報携帯端末は、例えば筐体561の表面に表示部562を有している。この表示部562は、本実施形態に係る表示装置10である。
【0087】
(適用例7)
図32は、本実施形態に係るメータユニットの概略構成図である。
図32に示す電子機器は、車両に搭載されるメータユニットである。
図32に示すメータユニット(電子機器)570は、燃料計、水温計、スピードメータ、タコメータ等、複数の上述した本実施形態に係る表示装置10を表示装置571として備えている。そして、複数の表示装置571は、ともに、一枚の外装パネル572に覆われている。
【0088】
図32に示す表示装置571それぞれは、表示手段としてのパネル573及びアナログ表示手段としてのムーブメント機構を互いに組み合わせた構成となっている。当該ムーブメント機構は、駆動手段としてのモータと、モータにより回転される指針574とを有している。そして、
図32に示すように、表示装置571では、パネル573の表示面に目盛表示、警告表示等を表示することができるとともに、ムーブメント機構の指針574がパネル573の表示面側において回転することが可能となっている。
【0089】
なお
図32では、一枚の外装パネル572に複数の表示装置571を設けた構成としたが、これに限定されない。外装パネル572によって囲まれた領域に1つの表示装置571を設け、当該表示装置に燃料計、水温計、スピードメータ、タコメータ等を表示させてもよい。