特許第6042795号(P6042795)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6042795
(24)【登録日】2016年11月18日
(45)【発行日】2016年12月14日
(54)【発明の名称】挿入機器
(51)【国際特許分類】
   A61B 1/00 20060101AFI20161206BHJP
   G02B 23/24 20060101ALI20161206BHJP
【FI】
   A61B1/00 300A
   A61B1/00 310G
   G02B23/24 A
【請求項の数】10
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2013-258450(P2013-258450)
(22)【出願日】2013年12月13日
(65)【公開番号】特開2015-112419(P2015-112419A)
(43)【公開日】2015年6月22日
【審査請求日】2015年10月14日
(73)【特許権者】
【識別番号】000000376
【氏名又は名称】オリンパス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【弁理士】
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100075672
【弁理士】
【氏名又は名称】峰 隆司
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100140176
【弁理士】
【氏名又は名称】砂川 克
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100124394
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 立志
(74)【代理人】
【識別番号】100112807
【弁理士】
【氏名又は名称】岡田 貴志
(74)【代理人】
【識別番号】100111073
【弁理士】
【氏名又は名称】堀内 美保子
(72)【発明者】
【氏名】船越 靖生
(72)【発明者】
【氏名】星野 勇気
【審査官】 森口 正治
(56)【参考文献】
【文献】 特開2008−142199(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 1/00 −1/32
G02B 23/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基端方向から先端方向へ長手軸に沿って延設される挿入部であって、湾曲操作の入力に基づいて湾曲する湾曲部を備える挿入部と、
前記挿入部の基端方向側に設けられる操作部であって、操作部ケーシングを備える操作部と、
前記長手軸に対して垂直な回動軸を中心として前記操作部ケーシングに対して回動可能な状態で、前記操作部において前記操作部ケーシングの外表面に配置され、回動することにより、前記長手軸に垂直な第1の湾曲方向について前記湾曲部を湾曲させる前記湾曲操作が入力される第1の湾曲操作ノブであって、前記第1の湾曲操作ノブの外周端に外接する第1の外接円の第1の円中心軸を規定した場合に、前記第1の円中心軸は、前記回動軸に垂直なある1つの方向へ前記回動軸から離れて位置する第1の湾曲操作ノブと、
を具備する挿入機器。
【請求項2】
前記操作部ケーシングは、前記回動軸に平行な方向の一方である第1の回動軸方向を向き、前記第1の湾曲操作ノブが配置される第1のケーシング外表面と、前記第1の回動軸方向とは反対方向である第2の回動軸方向を向く第2のケーシング外表面と、前記長手軸に垂直で、かつ、前記回動軸に垂直な方向の一方である第1の垂直方向を向く第3のケーシング外表面と、前記第1の垂直方向とは反対方向である第2の垂直方向を向く第4のケーシング外表面と、を備え、
前記操作部は、前記操作部ケーシングの内部に延設される経路と、前記経路に配置される弁と、前記第3のケーシング外表面に配置され、前記弁の切替え操作が入力される弁操作ボタンと、を備える、
請求項1の挿入機器。
【請求項3】
前記第1の湾曲操作ノブと同一の前記回動軸を中心として前記操作部ケーシング及び前記第1の湾曲操作ノブに対して回動可能な状態で、前記操作部において前記第1の湾曲操作ノブの前記第1の回動軸方向側に配置され、回動することにより、前記長手軸に垂直でかつ前記第1の湾曲方向に垂直な第2の湾曲方向ついて前記湾曲部を湾曲させる前記湾曲操作が入力される第2の湾曲操作ノブであって、前記第2の湾曲操作ノブの外周端に外接する第2の外接円の第2の円中心軸を規定した場合に、前記第2の円中心軸は、前記回動軸と同軸となる第2の湾曲操作ノブをさらに具備する、請求項2の挿入機器。
【請求項4】
前記第1の外接円の第1の円半径は、前記第2の外接円の第2の円半径より大きい、請求項3の挿入機器。
【請求項5】
前記湾曲部が真直ぐに延設される中立状態において、前記第1の円中心軸は、前記回動軸より前記基端方向側で、かつ、前記回動軸より前記第1の垂直方向側に位置している、請求項2の挿入機器。
【請求項6】
前記湾曲部が真直ぐに延設される中立状態において、前記第1の円中心軸は、前記回動より前記基端方向側で、かつ、前記回動軸より前記第2の垂直方向側に位置している、請求項2の挿入機器。
【請求項7】
前記湾曲部が真直ぐに延設される中立状態において、前記第1の円中心軸は、前記回動軸より前記先端方向側で、かつ、前記回動軸より前記第1の垂直方向側に位置している、請求項2の挿入機器。
【請求項8】
前記湾曲部が真直ぐに延設される中立状態において、前記第1の円中心軸は、前記回動軸より前記先端方向側で、かつ、前記回動軸より前記第2の垂直方向側に位置している、請求項2の挿入機器。
【請求項9】
前記湾曲部が真直ぐに延設される中立状態において、前記1の円中心軸は、前記回動軸から前記基端方向又は前記先端方向へ離れて位置し、かつ、前記第1の垂直方向及び前記第2の垂直方向について前記回動軸に対してずれていない、請求項2の挿入機器。
【請求項10】
前記湾曲部が真直ぐに延設される中立状態において、前記第1の円中心軸は、前記回動軸から前記第1の垂直方向又は前記第2の垂直方向へ離れて位置し、かつ、前記長手軸に平行な長手軸方向について前記回動軸に対してずれていない、請求項2の挿入機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、長手軸に沿って延設される挿入部を備える挿入機器に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、長手軸に沿って延設される挿入部を備える挿入機器として内視鏡が開示されている。この内視鏡では、挿入部の先端部に湾曲部が設けられ、挿入部より基端方向側に操作部が設けられている。操作部は、操作部ケーシングと、長手軸に対して垂直な回動軸を中心として操作部ケーシングに対して回動可能な第1の湾曲操作ノブであるUD湾曲操作ノブと、UD湾曲操作ノブと同一の回動軸を中心として操作部ケーシング及びUD湾曲操作ノブに対して回動可能な第2の湾曲操作ノブであるLR湾曲操作ノブと、を備える。UD湾曲操作ノブ又はLR湾曲操作ノブを回動することにより、湾曲部を湾曲させる湾曲操作が入力される。また、UD湾曲操作ノブの外周端に外接する第1の外接円及びLR湾曲操作ノブの外周端に外接する第2の外接円を規定する。UD湾曲操作ノブ及びLR湾曲操作ノブの回動軸は、第1の外接円及び第2の外接円の中心軸となる。UD湾曲操作ノブの外周部は、第1の外接円に沿った凸凹状に形成され、LR湾曲操作ノブの外周部は、第2の外接円に沿った凸凹状に形成されている。
【0003】
ここで、長手軸に垂直で、かつ、回動軸に垂直な方向の一方を第1の垂直方向とし、第1の垂直方向とは反対方向を第2の垂直方向とする。内視鏡の使用時において術者が左手で操作部ケーシングを保持した際には、中指が長手軸より第1の垂直方向側に位置し、親指が長手軸より第2の垂直方向側に位置する。この状態で、主に親指及び中指を用いて、UD湾曲操作ノブでの湾曲操作、及び、LR湾曲操作ノブでの湾曲操作が行われる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−141331号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前記特許文献1の内視鏡では、UD湾曲操作ノブ及びLR湾曲操作ノブの回動軸は、第1の外接円及び第2の外接円の中心軸となる。そして、UD湾曲操作ノブの外周面及びLR湾曲操作ノブの外周面は、回動軸を中心とする円(例えば第1の外接円及び第2の外接円)に沿った形状に形成されている。前述のようにUD湾曲操作ノブ及びLR湾曲操作ノブが形成される内視鏡では、手(左手)の小さい術者が内視鏡の操作部ケーシングを保持した場合に、湾曲操作ノブ(UD湾曲操作ノブ及びLR湾曲操作ノブ)の外周面に親指及び中指を当接させ難くなる。これにより、湾曲操作ノブでの湾曲操作の操作性が低下してしまう。
【0006】
湾曲操作ノブ(UD湾曲操作ノブ及びLR湾曲操作ノブ)において外周面が部分的に外周方向に突出する突起部を設けることにより、手の小さい術者でも突起部において湾曲操作ノブの外周面に親指及び中指を当接させ易くなる。ここで、内視鏡では、(前記特許文献1では回動軸と同軸となる)中心軸を中心とする円に沿った形状に外周部が形成される湾曲操作ノブが、一般的に用いられる。しかし、突起部では、湾曲操作ノブの外周面は、中心軸を中心とする円(例えば、第1の外接円及び第2の外接円)に沿わない形状となる。湾曲操作ノブの外周面が部分的に中心軸の中心とする円に沿わないことにより、突起部が設けられていない場合に比べて、湾曲操作ノブの形状が大きく変化する。突起部によって湾曲操作ノブの形状が大きく変化することにより、突起部が設けられていない場合に比べて、湾曲操作ノブを回動させる湾曲操作での術者の操作感が大きく変化する。これにより、湾曲操作ノブでの湾曲操作において、術者に違和感が生じてしまう。
【0007】
また、湾曲操作ノブ(UD湾曲操作ノブ及びLR湾曲操作ノブ)の設計寸法を大きくし、湾曲操作ノブを大型化することにより、手の小さい術者でも突起部において湾曲操作ノブの外周面に親指及び中指を当接させ易くなる。しかし、この場合、適切な設計寸法の湾曲操作ノブと比べて、湾曲操作ノブの設計寸法が大きく変化する。このため、大型化された湾曲ノブでは、適切な設計寸法の湾曲操作ノブと比べて、湾曲操作ノブを回動させる湾曲操作での術者の操作感が大きく変化する。これにより、湾曲操作ノブでの湾曲操作において、術者に違和感が生じてしまう。
【0008】
本発明は前記課題に着目してなされたものであり、その目的とするところは、湾曲操作ノブを回動させる湾曲操作において術者に違和感を生じさせることなく、手の小さい術者でも容易に湾曲操作を行える挿入機器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記目的を達成するために、本発明のある態様の挿入機器は、基端方向から先端方向へ長手軸に沿って延設される挿入部であって、湾曲操作の入力に基づいて湾曲する湾曲部を備える挿入部と、前記挿入部の基端方向側に設けられる操作部であって、操作部ケーシングを備える操作部と、前記長手軸に対して垂直な回動軸を中心として前記操作部ケーシングに対して回動可能な状態で、前記操作部において前記操作部ケーシングの外表面に配置され、回動することにより、前記長手軸に垂直な第1の湾曲方向について前記湾曲部を湾曲させる前記湾曲操作が入力される第1の湾曲操作ノブであって、前記第1の湾曲操作ノブの外周端に外接する第1の外接円の第1の円中心軸を規定した場合に、前記第1の円中心軸は、前記回動軸に垂直なある1つの方向へ前記回動軸から離れて位置する第1の湾曲操作ノブと、を備える。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、湾曲操作ノブを回動させる湾曲操作において術者に違和感を生じさせることなく、手の小さい術者でも容易に湾曲操作を行える挿入機器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】第1の実施形態に係る内視鏡を概略的に示す斜視図である。
図2】第1の実施形態に係る内視鏡が用いられる内視鏡装置を示す概略図である。
図3】第1の実施形態に係る内視鏡の操作部の構成を概略的に示す斜視図である。
図4】第1の実施形態に係る操作部を第1の回動軸方向側から視た概略図である。
図5】第1の実施形態に係る操作部の操作部ケーシングを左手で保持した状態を概略的に示す斜視図である。
図6】第1の実施形態に係る湾曲部の中立状態での、UD湾曲操作ノブの第1の外接円とLR湾曲操作ノブの第2の外接円との位置関係を示す概略図である。
図7】第1の実施形態に係る湾曲部の第1の湾曲状態での、UD湾曲操作ノブの第1の外接円とLR湾曲操作ノブの第2の外接円との位置関係を示す概略図である。
図8】第1の実施形態に係る湾曲部の第2の湾曲状態での、UD湾曲操作ノブの第1の外接円とLR湾曲操作ノブの第2の外接円との位置関係を示す概略図である。
図9】第1の実施形態に係る湾曲部の中立状態、第1の湾曲状態及び第2の湾曲状態のそれぞれの状態でのUD湾曲操作ノブ及びLR湾曲操作ノブのそれぞれについての、親指での湾曲操作及び中指での湾曲操作の操作性を説明する概略図である。
図10】第1の変形例に係る湾曲部の中立状態での、UD湾曲操作ノブの第1の外接円とLR湾曲操作ノブの第2の外接円との位置関係を示す概略図である。
図11】第1の変形例に係る湾曲部の中立状態、第1の湾曲状態及び第2の湾曲状態のそれぞれの状態でのUD湾曲操作ノブ及びLR湾曲操作ノブのそれぞれについての、親指での湾曲操作及び中指での湾曲操作の操作性を説明する概略図である。
図12】第2の変形例に係る湾曲部の中立状態での、UD湾曲操作ノブの第1の外接円とLR湾曲操作ノブの第2の外接円との位置関係を示す概略図である。
図13】第2の変形例に係る湾曲部の中立状態、第1の湾曲状態及び第2の湾曲状態のそれぞれの状態でのUD湾曲操作ノブ及びLR湾曲操作ノブのそれぞれについての、親指での湾曲操作及び中指での湾曲操作の操作性を説明する概略図である。
図14】第3の変形例に係る湾曲部の中立状態での、UD湾曲操作ノブの第1の外接円とLR湾曲操作ノブの第2の外接円との位置関係を示す概略図である。
図15】第3の変形例に係る湾曲部の中立状態、第1の湾曲状態及び第2の湾曲状態のそれぞれの状態でのUD湾曲操作ノブ及びLR湾曲操作ノブのそれぞれについての、親指での湾曲操作及び中指での湾曲操作の操作性を説明する概略図である。
図16】第4の変形例に係る湾曲部の中立状態での、UD湾曲操作ノブの第1の外接円とLR湾曲操作ノブの第2の外接円との位置関係を示す概略図である。
図17】第4の変形例に係る湾曲部の中立状態、第1の湾曲状態及び第2の湾曲状態のそれぞれの状態でのUD湾曲操作ノブ及びLR湾曲操作ノブのそれぞれについての、親指での湾曲操作及び中指での湾曲操作の操作性を説明する概略図である。
図18】第5の変形例に係る湾曲部の中立状態での、UD湾曲操作ノブの第1の外接円とLR湾曲操作ノブの第2の外接円との位置関係を示す概略図である。
図19】第5の変形例に係る湾曲部の中立状態、第1の湾曲状態及び第2の湾曲状態のそれぞれの状態でのUD湾曲操作ノブ及びLR湾曲操作ノブのそれぞれについての、親指での湾曲操作及び中指での湾曲操作の操作性を説明する概略図である。
図20】第6の変形例に係る湾曲部の中立状態での、UD湾曲操作ノブの第1の外接円とLR湾曲操作ノブの第2の外接円との位置関係を示す概略図である。
図21】第6の変形例に係る湾曲部の中立状態、第1の湾曲状態及び第2の湾曲状態のそれぞれの状態でのUD湾曲操作ノブ及びLR湾曲操作ノブのそれぞれについての、親指での湾曲操作及び中指での湾曲操作の操作性を説明する概略図である。
図22】第7の変形例に係る湾曲部の中立状態での、UD湾曲操作ノブの第1の外接円とLR湾曲操作ノブの第2の外接円との位置関係を示す概略図である。
図23】第7の変形例に係る湾曲部の中立状態、第1の湾曲状態及び第2の湾曲状態のそれぞれの状態でのUD湾曲操作ノブ及びLR湾曲操作ノブのそれぞれについての、親指での湾曲操作及び中指での湾曲操作の操作性を説明する概略図である。
図24】第8の変形例に係る操作部を第1の回動軸方向側から視た概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
(第1の実施形態)
本発明の第1の実施形態について、図1乃至図9を参照して説明する。図1は、本実施形態の挿入機器である内視鏡2を示す図である。図1に示すように、内視鏡2は、長手軸Cを有する。ここで、長手軸Cに平行な方向の一方が先端方向(図1の矢印C1の方向)であり、先端方向とは反対方向が基端方向(図1の矢印C2の方向)である。そして、先端方向及び基端方向が、長手軸方向となる。図1に示すように、内視鏡2は、基端方向から先端方向へ長手軸Cに沿って延設される挿入部3と、挿入部3の基端方向側に設けられる操作部5と、を備える。挿入部3は、先端硬性部6と、先端硬性部6の基端方向側に設けられる湾曲部7と、湾曲部7の基端方向側に設けられる可撓管部8と、を備える。
【0013】
図2は、内視鏡2が用いられる挿入装置である内視鏡装置1の機能を説明する図である。図3は、操作部5の構成を示す図である。図1及び図3に示すように、操作部5は、操作部ケーシング11と、操作部ケーシング11に対して回動軸Pを中心として回動可能な第1の湾曲操作ノブであるUD湾曲操作ノブ12Aと、UD湾曲操作ノブ12Aと同一の回動軸Pを中心として操作部ケーシング11及びUD湾曲操作ノブ12Aに対して回動可能な第2の湾曲操作ノブであるLR湾曲操作ノブ12Bと、を備える。回動軸Pは、長手軸Cに対して垂直である。UD湾曲操作ノブ12Aを回動させることにより、湾曲操作が入力される。UD湾曲操作ノブ12Aでの湾曲操作の入力に基づいて、湾曲部7は湾曲Up方向(図1の矢印Uの方向)又は湾曲Down方向(図1の矢印Dの方向)に湾曲する。すなわち、UD湾曲操作ノブ12Aでの湾曲操作の入力に基づいて、湾曲部7は長手軸Cに垂直な第1の湾曲方向(湾曲Up方向及び湾曲Down方向)の一方に湾曲する。LR湾曲操作ノブ12Bを回動させることにより、湾曲操作が入力される。LR湾曲操作ノブ12Bでの湾曲操作の入力に基づいて、湾曲部7は湾曲Left方向(図1の矢印Lの方向)又は湾曲Right方向(図1の矢印Rの方向)に湾曲する。すなわち、LR湾曲操作ノブ12Bでの湾曲操作の入力に基づいて、湾曲部7は長手軸Cに垂直かつ第1の湾曲方向に垂直な第2の湾曲方向(湾曲Left方向及び湾曲Right方向)の一方に湾曲する。
【0014】
図2に示すように、操作部ケーシング11の内部には、UDスプロケット13A及びLRスプロケット13Bが設けられている。UDスプロケット13Aは、UD湾曲操作ノブ12Aに連結され、UD湾曲操作ノブ12Aで湾曲操作が入力されることにより、UDスプロケット13Aが回動する。LRスプロケット13Bは、LR湾曲操作ノブ12Bに連結され、LR湾曲操作ノブ12Bで湾曲操作が入力されることにより、LRスプロケット13Bが回動する。
【0015】
また、挿入部3の内部には、UD湾曲ワイヤ15U,15D及びLR湾曲ワイヤ15L,15Rが、長手軸Cに沿って延設されている。UD湾曲ワイヤ15U,15Dの基端は、UDスプロケット13Aに接続されている。UD湾曲ワイヤ15U,15Dの先端は、湾曲部7の先端部に接続されている。UDスプロケット13Aが回動することにより、UD湾曲ワイヤ15U,15Dの一方が基端方向へ牽引される。UD湾曲ワイヤ15Uが牽引されることにより、湾曲部7は湾曲Up方向へ湾曲し、UD湾曲ワイヤ15Dが牽引されることにより、湾曲部7は湾曲Down方向へ湾曲する。LR湾曲ワイヤ15L,15Rの基端は、LRスプロケット13Bに接続されている。LR湾曲ワイヤ15L,15Rの先端は、湾曲部7の先端部に接続されている。LRスプロケット13Bが回動することにより、LR湾曲ワイヤ15L,15Rの一方が基端方向へ牽引される。LR湾曲ワイヤ15Lが牽引されることにより、湾曲部7は湾曲Left方向へ湾曲し、LR湾曲ワイヤ15Rが牽引されることにより、湾曲部7は湾曲Right方向へ湾曲する。
【0016】
ここで、回動軸Pに平行な方向の一方を第1の回動軸方向(図3の矢印P1の方向)とし、第1の回動軸方向とは反対方向を第2の回動軸方向(図3の矢印P2の方向)とする。図3に示すように、操作部ケーシング11は、第1の回動軸方向を向く第1のケーシング外表面21と、第2の回動軸方向を向く第2のケーシング外表面22と、を備える。第1のケーシング外表面21にUD湾曲操作ノブ12A及びLR湾曲操作ノブ12Bが配置されている。LR湾曲操作ノブ12Bは、UD湾曲操作ノブ12Aより第1の回動軸方向側に位置している。
【0017】
また、UD湾曲操作ノブ12A及びLR湾曲操作ノブ12Bは、第1の回動方向(図3の矢印T1の方向)及び第1の回動方向とは反対方向である第2の回動方向(図3の矢印T2の方向)に回動可能である。第1の回動方向及び第2の回動方向が、回動軸回り方向となる。本実施形態では、UD湾曲操作ノブ12Aを第1の回動方向に回動することにより、真直ぐに延設される中立状態から湾曲Up方向へ湾曲部7が湾曲し、UD湾曲操作ノブ12Aを第2の回動方向に回動することにより、真直ぐに延設される中立状態から湾曲Down方向へ湾曲部7が湾曲する。そして、LR湾曲操作ノブ12Bを第1の回動方向に回動することにより、真直ぐに延設される中立状態から湾曲Left方向へ湾曲部7が湾曲し、LR湾曲操作ノブ12Bを第2の回動方向に回動することにより、真直ぐに延設される中立状態から湾曲Right方向へ湾曲部7が湾曲する。
【0018】
ここで、長手軸Cに垂直で、かつ、回動軸Pに垂直な方向の一方を第1の垂直方向(図3の矢印P3の方向)とし、第1の垂直方向とは反対方向を第2の垂直方向(図3の矢印P4の方向)とする。第1の回動軸方向が前方方向となる場合、第1の垂直方向が左方方向となり、第2の垂直方向が右方方向となる。操作部ケーシング11は、第1の垂直方向を向く第3のケーシング外表面25と、第2の垂直方向を向く第4のケーシング外表面26と、を備える。
【0019】
本実施形態では、操作部5に、ユニバーサルコード16の一端が、接続されている。ユニバーサルコード16の他端には、スコープコネクタ17が、設けられている。操作部5には、操作部ケーシング11の第2のケーシング外表面22から第2の回動軸方向へ向かって突出する突起部81が設けられている。突起部81は、第4のケーシング外表面26から第2の垂直方向へ向かって突出する状態で設けられるコード接続部82を備える。コード接続部82には、第2の垂直方向側からユニバーサルコード16の一端が、接続されている。また、操作部ケーシング11は、基端方向を向くケーシング基端外表面27を備える。
【0020】
図2に示すように、先端硬性部6の内部には、CCD等の撮像素子31が設けられている。撮像素子31は、挿入部3の先端面に設けられる観察窓32を通して、被写体を撮像する。撮像素子31には、撮像ケーブル33の一端が接続されている。撮像ケーブル33は、挿入部3の内部、操作部5の内部、及び、ユニバーサルコード16の内部を通って、延設されている。撮像ケーブル33の他端は、画像処理ユニットである画像プロセッサ35に接続されている。また、画像プロセッサ35は、表示部であるモニタ37に電気的に接続されている。撮像素子31により撮像された被写体像は、画像プロセッサ35によって画像処理が行われ、モニタ37に表示される。
【0021】
挿入部3の内部には、長手軸Cに沿ってライトガイド41が延設されている。ライトガイド41の一端は、挿入部3の先端面に設けられる照明窓42に、光学的に接続されている。ライトガイド41は、挿入部3の内部、操作部5の内部、及び、ユニバーサルコード16の内部を通って、延設されている。ライトガイド41の他端は、光源43に接続されている。光源43から出射された光は、ライトガイドチューブ41を通って、照明窓42から被写体に照射される。
【0022】
挿入部3の内部には、送気経路45及び送液経路46が長手軸Cに沿って延設されている。送気経路45及び送液経路46は、挿入部3の先端部で合流し、合流経路47を形成している。挿入部3の先端面には、ノズル48が設けられている。送気経路45を通って先端方向へ送気される空気(流体)及び送液経路46を通って先端方向へ送液される液体(流体)は、合流経路47を通して、ノズル48から出射される。送気経路45及び送液経路46は、挿入部3の内部、操作部5の内部(操作部ケーシング11の内部)、及び、ユニバーサルコード16の内部を通って、延設されている。そして、送気経路45は、送気源51に接続され、送液経路46は、送液源52に接続されている。
【0023】
操作ケーシング11の内部には、送気経路45及び送液経路46に配置される送気送液弁53が、設けられている。操作部ケーシング11には、送気送液操作ボタン(弁操作ボタン)55が取付けられている。送気送液操作ボタン55によって、送気送液弁53の切替え操作が入力される。これにより、送気送液弁53での送気経路45の開閉状態、及び、送気送液弁53での送液経路46の開閉状態が、切替わる。送気送液操作ボタン55は、第3のケーシング外表面25に配置されている。
【0024】
図2に示すように、挿入部3の内部には、処置具チャンネル56が長手軸Cに沿って延設されている。処置具チャンネル56は、挿入部3の先端面に設けられる先端開口57で、外部に対して開口している。処置具チャンネル56は、挿入部3の内部を通って、操作部5の内部まで延設されている。そして、操作部5の内部で、処置具チャンネル56は、処置具挿入孔61と吸引経路62とに分岐される。図3に示すように、第3のケーシング外表面25には、処置具挿入口58が形成されている。処置具挿入孔61は、処置具挿入口58で、外部に対して開口している。吸引経路62は、操作部5の内部(操作部ケーシング11の内部)、及び、ユニバーサルコード16の内部を通って延設されている。そして、吸引経路62は、吸引源63に接続されている。
【0025】
図2に示すように、操作ケーシング11の内部には、吸引経路62に配置される吸引弁65が、設けられている。操作部ケーシング11には、吸引操作ボタン(弁操作ボタン)66が取付けられている。吸引操作ボタン66によって、吸引弁65の切替え操作が入力される。これにより、吸引弁65での吸引経路62の開閉状態が、切替わる。吸引操作ボタン66は、第3のケーシング外表面25に配置されている。
【0026】
図4は、操作部5を第1の回動軸方向側から視た図である。図4では、第1の湾曲操作ノブであるUD湾曲操作ノブ12Aの外周端に外接する第1の外接円Y1、及び、第2の湾曲操作ノブであるLR湾曲操作ノブ12Bの外周端に外接する第2の外接円Y2が、示されている。第1の外接円Y1の中心軸を第1の円中心軸O1とし、第2の外接円Y2の中心軸を第2の円中心軸O2とする。第1の円中心軸O1及び第2の円中心軸O2は、第1の回動軸方向及び第2の回動軸方向に対して、平行である。第1の外接円Y1は、第1の円中心軸O1を中心とし、第1の円半径S1を有する。また、第2の外接円Y2は、第2の円中心軸O2を中心とし、第2の円半径S2を有する。第1の円半径S1は、第2の円半径S2より大きくなる。
【0027】
UD湾曲操作ノブ12Aの外周部は、第1の外接円Y1に沿った凸凹状に形成され、LR湾曲操作ノブ12Bの外周部は、第2の外接円Y2に沿った凸凹状に形成されている。すなわち、UD湾曲操作ノブ12Aの外周部は、第1の円中心軸O1を中心とする円に沿った形状に形成され、LR湾曲操作ノブ12Bの外周部は、第2の円中心軸O2を中心とする円に沿った形状に形成されている。また、回動軸Pは、第1の垂直方向及び第2の垂直方向について、操作部ケーシング11の略中央位置を通過する。本実施形態では、回動軸Pは、長手軸Cと直交している。第2の外接円Y2の第2の円中心軸O2は、回動軸Pと同軸となる。したがって、LR湾曲操作ノブ12Bの第2の外接円Y2は、回動軸Pを中心とする円となる。
【0028】
図4では、湾曲部7が真直ぐに延設される中立状態でのUD湾曲操作ノブ12A及びLR湾曲操作ノブ12Bを示している。湾曲部7の中立状態では、第1の外接円Y1の第1の円中心軸O1は、回動軸Pより基端方向側で、かつ、回動軸Pより第1の垂直方向側に位置している。すなわち、第1の円中心軸O1は、回動軸Pに垂直なある1つの方向へ、回動軸Pから離れて位置している。UD湾曲操作ノブ12Aが回動することにより、第1の円中心軸O1は回動軸Pを中心として第1の回動方向又は第2の回動方向に移動する。
【0029】
次に、挿入機器である内視鏡2の作用及び効果について説明する。内視鏡2を使用する際は、術者は、左手で操作部ケーシング11を保持する。図5は、操作部ケーシング11を左手で保持した状態を示している。図5に示すように、操作部ケーシング11を保持した状態では、親指F1が長手軸Cより第2の垂直方向側(図5の矢印P4の方向側)に位置している。そして、人差指F2、中指F3、薬指F4及び小指F5は、長手軸Cより第1の垂直方向側(図5の矢印P3の方向側)に位置している。UD湾曲操作ノブ12Aを回動する湾曲操作及びLR湾曲操作ノブ12Bを回動する湾曲操作は、主に親指F1及び中指F3を用いて、行われる。
【0030】
図6は、湾曲部7の中立状態での、UD湾曲操作ノブ12Aの第1の外接円Y1とLR湾曲操作ノブ12Bの第2の外接円Y2との位置関係を示す図である。図6に示すように、湾曲部7の中立状態では、第1の外接円Y1の第1の円中心軸O1は、回動軸Pより基端方向側で、かつ、回動軸Pより第1の垂直方向側に位置している。また、回動軸Pは、第1の垂直方向及び第2の垂直方向について操作部ケーシング11の略中央位置を通過し、長手軸Cと直交している。図6では、長手軸Cに直交し、かつ、回動軸Pに直交する基準軸Zが規定されている。基準軸Zは、第1の垂直方向(図6の矢印P3の方向)及び第2の垂直方向(図6の矢印P4の方向)に対して平行である。湾曲部7の中立状態では、基準軸Zは、交差位置Q1、Q2で第1の外接円Y1と交差している。交差位置Q1は、長手軸Cより第1の垂直方向側に位置し、交差位置Q2は、長手軸Cより第2の垂直方向側に位置している。ここで、基準軸Zより基端方向側で、かつ、長手軸Cより第1の垂直方向側の領域を第1の象限とし、基準軸Zより基端方向側で、かつ、長手軸Cより第2の垂直方向側の領域を第2の象限とする。そして、基準軸Zより先端方向側で、かつ、長手軸Cより第2の垂直方向側の領域を第3の象限とし、基準軸Zより先端方向側で、かつ、長手軸Cより第1の垂直方向側の領域を第4の象限とする。また、第1の外接円Y1において回動軸Pから最も離れた位置を最離間位置Jとする。湾曲部7の中立状態では、第1の外接円Y1の最離間位置Jは、第1の象限に位置している。
【0031】
湾曲部7の中立状態では、回動軸Pから第1の外接円Y1の交差位置Q1までの第1の垂直方向への寸法X1は、大きくなる。このため、長手軸Cより第1の垂直方向側に位置する中指F3をUD湾曲操作ノブ12Aに当接させ易くなる。一方、回動軸Pから第1の外接円Y1の交差位置Q2までの第2の垂直方向への寸法X2は、小さくなる。このため、長手軸Cより第2の垂直方向側に位置する親指F1をUD湾曲操作ノブ12Aに当接させ難くなる。したがって、湾曲部7の中立状態では、中指F3を用いてUD湾曲操作ノブ12Aでの湾曲操作が行われる。湾曲部7の中立状態では、中指F3をUD湾曲操作ノブ12Aに当接させ易くなるため、手の小さい術者でも、中指F3でUD湾曲操作ノブ12Aを回動させ易くなる。このため、湾曲部7の中立状態では、手の小さい術者であっても、容易にUD湾曲操作ノブ12Aでの湾曲操作を行うことができる。
【0032】
また、湾曲部7の中立状態では、中指F3がUD湾曲操作ノブ12Aに当接し易くなるため、中指F3でLR湾曲操作ノブ12Bを回動させる場合は、UD湾曲操作ノブ12Aが干渉し易くなる。一方、湾曲部7の中立状態では、親指F1がUD湾曲操作ノブ12Aに当接し難くなるため、親指F1でLR湾曲操作ノブ12Bを回動させる場合は、UD湾曲操作ノブ12Aが干渉し難くなる。したがって、湾曲部7の中立状態では、親指F1を用いてLR湾曲操作ノブ12Bでの湾曲操作が行われる。湾曲部7の中立状態では、LR湾曲操作ノブ12Bの回動において親指F1がUD湾曲操作ノブ12Aに干渉し難くなるため、LR湾曲操作ノブ12Bの回動において親指F1の移動がUD湾曲操作ノブ12Aによって阻害され難くなる。このため、手の小さい術者でも、親指F1でLR湾曲操作ノブ12Bを回動させ易くなり、容易にLR湾曲操作ノブ12Bでの湾曲操作を行うことができる。
【0033】
図7は、湾曲部7の中立状態から第1の回動方向へある程度の回転角度(例えば60°)だけUD湾曲操作ノブ12Aを回動した状態での、UD湾曲操作ノブ12Aの第1の外接円Y1とLR湾曲操作ノブ12Bの第2の外接円Y2との位置関係を示す図である。本実施形態では、図7の状態まで第1の回動方向へUD湾曲操作ノブ12Aを回動することにより、湾曲部7は中立状態から湾曲Up方向へ湾曲した第1の湾曲状態となる。湾曲部7の第1の湾曲状態では、基準軸Zは、交差位置Q3、Q4で第1の外接円Y1と交差している。交差位置Q3は、長手軸Cより第1の垂直方向側(図7の矢印P3の方向側)に位置し、交差位置Q4は、長手軸Cより第2の垂直方向側(図7の矢印P4の方向側)に位置している。また、湾曲部7の第1の湾曲状態では、第1の外接円Y1の最離間位置Jは、第2の象限に位置している。ここで、湾曲部7の中立状態において第1の外接円Y1の最離間位置Jが位置する象限を、基準象限とする。湾曲部7の第1の湾曲状態では、基準象限である第1の象限の第1の回動方向側に隣接する第2の象限に、第1の外接円Y1の最離間位置Jが位置している。
【0034】
湾曲部7の第1の湾曲状態では、回動軸Pから第1の外接円Y1の交差位置Q3までの第1の垂直方向への寸法X3は、小さくなる。このため、長手軸Cより第1の垂直方向側に位置する中指F3をUD湾曲操作ノブ12Aに当接させ難くなる。一方、回動軸Pから第1の外接円Y1の交差位置Q4までの第2の垂直方向への寸法X4は、大きくなる。このため、長手軸Cより第2の垂直方向側に位置する親指F1をUD湾曲操作ノブ12Aに当接させ易くなる。したがって、湾曲部7の第1の湾曲状態では、親指F1を用いてUD湾曲操作ノブ12Aでの湾曲操作が行われる。湾曲部7の第1の湾曲状態では、親指F1をUD湾曲操作ノブ12Aに当接させ易くなるため、手の小さい術者でも、親指F1でUD湾曲操作ノブ12Aを回動させ易くなる。このため、湾曲部7の第1の湾曲状態では、手の小さい術者であっても、容易にUD湾曲操作ノブ12Aでの湾曲操作を行うことができる。
【0035】
また、湾曲部7の第1の湾曲状態では、親指F1がUD湾曲操作ノブ12Aに当接し易くなるため、親指F1でLR湾曲操作ノブ12Bを回動させる場合は、UD湾曲操作ノブ12Aが干渉し易くなる。一方、湾曲部7の第1の湾曲状態では、中指F3がUD湾曲操作ノブ12Aに当接し難くなるため、中指F3でLR湾曲操作ノブ12Bを回動させる場合は、UD湾曲操作ノブ12Aが干渉し難くなる。したがって、湾曲部7の第1の湾曲状態では、中指F3を用いてLR湾曲操作ノブ12Bでの湾曲操作が行われる。湾曲部7の第1の湾曲状態では、LR湾曲操作ノブ12Bの回動において中指F3がUD湾曲操作ノブ12Aに干渉し難くなるため、LR湾曲操作ノブ12Bの回動において中指F3の移動がUD湾曲操作ノブ12Aによって阻害され難くなる。このため、手の小さい術者でも、中指F3でLR湾曲操作ノブ12Bを回動させ易くなり、容易にLR湾曲操作ノブ12Bでの湾曲操作を行うことができる。
【0036】
図8は、湾曲部7の中立状態から第2の回動方向へある程度の回転角度(例えば60°)だけUD湾曲操作ノブ12Aを回動した状態での、UD湾曲操作ノブ12Aの第1の外接円Y1とLR湾曲操作ノブ12Bの第2の外接円Y2との位置関係を示す図である。本実施形態では、図8の状態まで第2の回動方向へUD湾曲操作ノブ12Aを回動することにより、湾曲部7は中立状態から湾曲Down方向へ湾曲した第2の湾曲状態となる。湾曲部7の第2の湾曲状態では、基準軸Zは、交差位置Q5、Q6で第1の外接円Y1と交差している。交差位置Q5は、長手軸Cより第1の垂直方向側(図8の矢印P3の方向側)に位置し、交差位置Q6は、長手軸Cより第2の垂直方向側(図8の矢印P4の方向側)に位置している。また、湾曲部7の第2の湾曲状態では、第1の外接円Y1の最離間位置Jは、第4の象限に位置している。すなわち、湾曲部7の第2の湾曲状態では、基準象限である第1の象限の第2の回動方向側に隣接する第4の象限に、第1の外接円Y1の最離間位置Jが位置している。
【0037】
湾曲部7の第2の湾曲状態では、回動軸Pから第1の外接円Y1の交差位置Q5までの第1の垂直方向への寸法X5は、大きくなる。このため、長手軸Cより第1の垂直方向側に位置する中指F3をUD湾曲操作ノブ12Aに当接させ易くなる。一方、回動軸Pから第1の外接円Y1の交差位置Q6までの第2の垂直方向への寸法X6は、小さくなる。このため、長手軸Cより第2の垂直方向側に位置する親指F1をUD湾曲操作ノブ12Aに当接させ難くなる。したがって、湾曲部7の第2の湾曲状態では、中指F3を用いてUD湾曲操作ノブ12Aでの湾曲操作が行われる。湾曲部7の第2の湾曲状態では、中指F3をUD湾曲操作ノブ12Aに当接させ易くなるため、手の小さい術者でも、中指F3でUD湾曲操作ノブ12Aを回動させ易くなる。このため、湾曲部7の第2の湾曲状態では、手の小さい術者であっても、容易にUD湾曲操作ノブ12Aでの湾曲操作を行うことができる。
【0038】
また、湾曲部7の第2の湾曲状態では、中指F3がUD湾曲操作ノブ12Aに当接し易くなるため、中指F3でLR湾曲操作ノブ12Bを回動させる場合は、UD湾曲操作ノブ12Aが干渉し易くなる。一方、湾曲部7の第2の湾曲状態では、親指F1がUD湾曲操作ノブ12Aに当接し難くなるため、親指F1でLR湾曲操作ノブ12Bを回動させる場合は、UD湾曲操作ノブ12Aが干渉し難くなる。したがって、湾曲部7の第2の湾曲状態では、親指F1を用いてLR湾曲操作ノブ12Bでの湾曲操作が行われる。湾曲部7の第2の湾曲状態では、LR湾曲操作ノブ12Bの回動において親指F1がUD湾曲操作ノブ12Aに干渉し難くなるため、LR湾曲操作ノブ12Bの回動において親指F1の移動がUD湾曲操作ノブ12Aによって阻害され難くなる。このため、手の小さい術者でも、親指F1でLR湾曲操作ノブ12Bを回動させ易くなり、容易にLR湾曲操作ノブ12Bでの湾曲操作を行うことができる。
【0039】
図9は、湾曲部7の中立状態、第1の湾曲状態及び第2の湾曲状態のそれぞれの状態でのUD湾曲操作ノブ12A及びLR湾曲操作ノブ12Bのそれぞれについての、親指F1での湾曲操作及び中指F3での湾曲操作の操作性を説明する図である。図9において、回動させ易い場合(すなわち、操作性が高い場合)は、+で示し、回動させ難い場合(すなわち、操作性が低い場合)は、−で示している。
【0040】
図9に示すように、中立状態及び第2の湾曲状態では、中指F3でUD湾曲操作ノブ12Aを回動させ易くなる。また、第1の湾曲状態では、親指F1でUD湾曲操作ノブ12Aを回動させ易くなる。このため、第1の湾曲方向(湾曲Up方向及び湾曲Down方向)についての湾曲状態に関係なく、術者は、親指F1及び中指F3の少なくとも一方を用いて、容易にUD湾曲操作ノブ12Aを回動することができる。すなわち、手の小さい術者であっても、UD湾曲操作ノブ12Aの回動状態に関係なく、親指F1及び中指F3の少なくとも一方を用いて、容易にUD湾曲操作ノブ12Aでの湾曲操作を行うことができる。
【0041】
また、中立状態及び第2の湾曲状態では、親指F1でLR湾曲操作ノブ12Bを回動させ易くなる。また、第1の湾曲状態では、中指F3でLR湾曲操作ノブ12Bを回動させ易くなる。このため、第1の湾曲方向(湾曲Up方向及び湾曲Down方向)についての湾曲状態に関係なく、術者は、親指F1及び中指F3の少なくとも一方を用いて、容易にLR湾曲操作ノブ12Bを回動することができる。すなわち、手の小さい術者であっても、LR湾曲操作ノブ12Bの回動状態に関係なく、親指F1及び中指F3の少なくとも一方を用いて、容易にLR湾曲操作ノブ12Bでの湾曲操作を行うことができる。
【0042】
また、UD湾曲操作ノブ12Aの外周部は、第1の円中心軸O1を中心とする円に沿った形状に形成され、LR湾曲操作ノブ12Bの外周部は、第2の円中心軸O2を中心とする円に沿った形状に形成されている。また、UD湾曲操作ノブ12A及びLR湾曲操作ノブ12Bは、過度に大型化することがなく、適切な設計寸法に形成されている。このため、UD湾曲操作ノブ12Aでの湾曲操作及びLR湾曲操作ノブ12Bでの湾曲操作において、術者に違和感が生じることが、有効に防止される。
【0043】
(変形例)
なお、第1の実施形態では、湾曲部7の中立状態において第1の外接円Y1の第1の円中心軸O1は、回動軸Pより基端方向側で、かつ、回動軸Pより第1の垂直方向側に位置しているが、これに限るものではない。第1の円中心軸O1は、回動軸Pに垂直なある1つの方向へ、回動軸Pから離れて位置していればよい。第1の円中心軸O1が回動軸Pに垂直なある1つの方向へ回動軸Pから離れて位置する変形例として、第1の変形例乃至第7の変形例を、図10乃至図23を参照して説明する。図10図12図14図16図18図20及び図22では、湾曲部7の中立状態での、UD湾曲操作ノブ12Aの第1の外接円Y1とLR湾曲操作ノブ12Bの第2の外接円Y2との位置関係を示している。図11図13図15図17図19図21及び図23では、湾曲部7の中立状態、第1の湾曲状態及び第2の湾曲状態のそれぞれの状態でのUD湾曲操作ノブ12A及びLR湾曲操作ノブ12Bのそれぞれについての、親指F1での湾曲操作及び中指F3での湾曲操作の操作性を説明する図である。図11図13図15図17図19図21及び図23において、回動させ易い場合(すなわち、操作性が高い場合)は、+で示し、回動させ難い場合(すなわち、操作性が低い場合)は、−で示している。なお、中立状態と第1の湾曲状態との間でのUD湾曲操作ノブ12Aの回動量、及び、中立状態と第2の湾曲状態との間でのUD湾曲操作ノブ12Aの回動量は、第1の実施形態と同程度である。
【0044】
図10及び図11に示す第1の変形例では、湾曲部7が真直ぐに延設される中立状態において、UD湾曲操作ノブ12Aの第1の外接円Y1の第1の円中心軸O1は、回動軸Pから第1の垂直方向(図10の矢印P3の方向)へ離れて位置している。ただし、本変形例では、第1の円中心軸O1は、長手軸Cに平行な長手軸方向(先端方向及び基端方向)について、回動軸Pに対してずれていない。本変形例でも、LR湾曲操作ノブ12Bの第2の外接円Y2の第2の円中心軸O2は、回動軸Pと同軸である。
【0045】
図11に示すように、本変形例では、中立状態及び第2の湾曲状態において、中指F3でUD湾曲操作ノブ12Aを回動させ易くなる。また、第1の湾曲状態及び第2の湾曲状態において、親指F1でUD湾曲操作ノブ12Aを回動させ易くなる。一方、中立状態において、親指F1でLR湾曲操作ノブ12Bを回動させ易くなる。また、第1の湾曲状態において、中指F3でLR湾曲操作ノブ12Bを回動させ易くなる。したがって、本変形例の構成は、主に、中指F3を用いてUD湾曲操作ノブ12Aを回動させる場合に、有効である。また、主に、湾曲Up方向及び湾曲Down方向について湾曲部7が湾曲していない状態(すなわち、中立状態からUD湾曲操作ノブ12Aが回動していない状態)において、親指F1を用いてLR湾曲操作ノブ12Bを回動させる場合に、有効である。
【0046】
図12及び図13に示す第2の変形例では、湾曲部7が真直ぐに延設される中立状態において、UD湾曲操作ノブ12Aの第1の外接円Y1の第1の円中心軸O1は、回動軸Pから基端方向へ離れて位置している。ただし、本変形例では、第1の円中心軸O1は、第1の垂直方向(図12の矢印P3の方向)及び第2の垂直方向(図12の矢印P4の方向)について、回動軸Pに対してずれていない。本変形例でも、LR湾曲操作ノブ12Bの第2の外接円Y2の第2の円中心軸O2は、回動軸Pと同軸である。
【0047】
図13に示すように、本変形例では、第1の湾曲状態において、親指F1でUD湾曲操作ノブ12Aを回動させ易くなる。また、第2の湾曲状態において、中指F3でUD湾曲操作ノブ12Aを回動させ易くなる。一方、中立状態及び第2の湾曲状態において、親指F1でLR湾曲操作ノブ12Bを回動させ易くなる。また、中立状態及び第1の湾曲状態において、中指F3でLR湾曲操作ノブ12Bを回動させ易くなる。したがって、本変形例の構成は、主に、中立状態から親指F1を用いてUD湾曲操作ノブ12Aを第1の回動方向へ回動させる場合に、有効である。また、主に、中立状態からUD湾曲操作ノブ12Aを第1の回動方向へある程度の回動角度だけ回動させた状態(第1の湾曲状態)において、中指F3を用いてLR湾曲操作ノブ12Bを回動させる場合に、有効である。
【0048】
図14及び図15に示す第3の変形例では、湾曲部7が真直ぐに延設される中立状態において、UD湾曲操作ノブ12Aの第1の外接円Y1の第1の円中心軸O1は、回動軸Pより基端方向側で、かつ、回動軸Pより第2の垂直方向側(図14の矢印P4の方向側)に位置している。本変形例でも、LR湾曲操作ノブ12Bの第2の外接円Y2の第2の円中心軸O2は、回動軸Pと同軸である。
【0049】
図15に示すように、本変形例では、第1の湾曲状態及び第2の湾曲状態において、中指F3でUD湾曲操作ノブ12Aを回動させ易くなる。また、中立状態及び第1の湾曲状態において、親指F1でUD湾曲操作ノブ12Aを回動させ易くなる。一方、中立状態において、中指F3でLR湾曲操作ノブ12Bを回動させ易くなる。また、第2の湾曲状態において、親指F1でLR湾曲操作ノブ12Bを回動させ易くなる。したがって、本変形例の構成は、主に、中立状態から親指F1を用いてUD湾曲操作ノブ12Aを第1の回動方向へ回動させる場合に、有効である。また、主に、中立状態からUD湾曲操作ノブ12Aを第1の回動方向へある程度の回動角度だけ回動させた状態(第1の湾曲状態)において、中指F3を用いてLR湾曲操作ノブ12Bを回動させる場合に、有効である。
【0050】
図16及び図17に示す第4の変形例では、湾曲部7が真直ぐに延設される中立状態において、UD湾曲操作ノブ12Aの第1の外接円Y1の第1の円中心軸O1は、回動軸Pから第2の垂直方向(図16の矢印P4の方向)へ離れて位置している。ただし、本変形例では、第1の円中心軸O1は、長手軸Cに平行な長手軸方向(先端方向及び基端方向)について、回動軸Pに対してずれていない。本変形例でも、LR湾曲操作ノブ12Bの第2の外接円Y2の第2の円中心軸O2は、回動軸Pと同軸である。
【0051】
図17に示すように、本変形例では、第1の湾曲状態及び第2の湾曲状態において、中指F3でUD湾曲操作ノブ12Aを回動させ易くなる。また、中立湾曲状態において、親指F1でUD湾曲操作ノブ12Aを回動させ易くなる。一方、中立状態において、中指F3でLR湾曲操作ノブ12Bを回動させ易くなる。また、第1の湾曲状態及び第2の湾曲状態において、親指F1でLR湾曲操作ノブ12Bを回動させ易くなる。したがって、本変形例の構成は、主に、第1の回動方向及び第2の回動方向についての中立状態からの回動量が小さくなる範囲(例えば、第2の象限及び第3の象限の範囲)で親指F1を用いてUD湾曲操作ノブ12Aを回動させる場合に、有効である。また、本変形例の構成によって、UD湾曲操作ノブ12Aでの湾曲操作を親指F1で行い、LR湾曲操作ノブ12Bでの湾曲操作を中指F3で行うことが、可能となる。したがって、UD湾曲操作ノブ12Aでの湾曲操作とLR湾曲操作ノブ12Bでの湾曲操作との間で、用いる指が使い分けられる。
【0052】
図18及び図19に示す第5の変形例では、湾曲部7が真直ぐに延設される中立状態において、UD湾曲操作ノブ12Aの第1の外接円Y1の第1の円中心軸O1は、回動軸Pより先端方向側で、かつ、回動軸Pより第2の垂直方向側(図18の矢印P4の方向側)に位置している。本変形例でも、LR湾曲操作ノブ12Bの第2の外接円Y2の第2の円中心軸O2は、回動軸Pと同軸である。
【0053】
図19に示すように、本変形例では、第1の湾曲状態において、中指F3でUD湾曲操作ノブ12Aを回動させ易くなる。また、中立状態及び第2の湾曲状態において、親指F1でUD湾曲操作ノブ12Aを回動させ易くなる。一方、中立状態及び第2の湾曲状態において、中指F3でLR湾曲操作ノブ12Bを回動させ易くなる。また、第1の湾曲状態において、親指F1でLR湾曲操作ノブ12Bを回動させ易くなる。したがって、本変形例の構成は、主に、中立状態から親指F1を用いてUD湾曲操作ノブ12Aを第2の回動方向へ回動させる場合に、有効である。また、主に、中立状態からUD湾曲操作ノブ12Aを第2の回動方向へある程度の回動角度だけ回動させた状態(第2の湾曲状態)において、中指F3を用いてLR湾曲操作ノブ12Bを回動させる場合に、有効である。
【0054】
図20及び図21に示す第6の変形例では、湾曲部7が真直ぐに延設される中立状態において、UD湾曲操作ノブ12Aの第1の外接円Y1の第1の円中心軸O1は、回動軸Pから先端方向へ離れて位置している。ただし、本変形例では、第1の円中心軸O1は、第1の垂直方向(図20の矢印P3の方向)及び第2の垂直方向(図20の矢印P4の方向)について、回動軸Pに対してずれていない。本変形例でも、LR湾曲操作ノブ12Bの第2の外接円Y2の第2の円中心軸O2は、回動軸Pと同軸である。
【0055】
図21に示すように、本変形例では、中立状態及び第1の湾曲状態において、親指F1でUD湾曲操作ノブ12Aを回動させ易くなる。また、第2の湾曲状態において、中指F3でUD湾曲操作ノブ12Aを回動させ易くなる。一方、中立状態及び第1の湾曲状態において、親指F1でLR湾曲操作ノブ12Bを回動させ易くなる。また、第2の湾曲状態において、中指F3でLR湾曲操作ノブ12Bを回動させ易くなる。したがって、本変形例の構成は、主に、中立状態から第2の回動方向へのUD湾曲操作ノブ12Aの回動には親指F1を用い、中立状態から第1の回動方向へのUD湾曲操作ノブ12Aの回動には中指F3を用いる場合に、有効である。また、主に、中立状態からUD湾曲操作ノブ12Aを第2の回動方向へある程度の回動角度だけ回動させた状態(第2の湾曲状態)において、中指F3を用いてLR湾曲操作ノブ12Bを回動させる場合に、有効である。
【0056】
図22及び図23に示す第7の変形例では、湾曲部7が真直ぐに延設される中立状態において、UD湾曲操作ノブ12Aの第1の外接円Y1の第1の円中心軸O1は、回動軸Pより先端方向側で、かつ、回動軸Pより第1の垂直方向側(図22の矢印P3の方向側)に位置している。本変形例でも、LR湾曲操作ノブ12Bの第2の外接円Y2の第2の円中心軸O2は、回動軸Pと同軸である。
【0057】
図23に示すように、本変形例では、中立状態において、中指F3でUD湾曲操作ノブ12Aを回動させ易くなる。また、第2の湾曲状態において、親指F1でUD湾曲操作ノブ12Aを回動させ易くなる。一方、第1の湾曲状態及び第2の湾曲状態において、中指F3でLR湾曲操作ノブ12Bを回動させ易くなる。また、中立状態及び第1の湾曲状態において、親指F1でLR湾曲操作ノブ12Bを回動させ易くなる。したがって、本変形例の構成は、主に、UD湾曲操作ノブ12Aの回動には中指F3を用い、LR湾曲操作ノブ12Bの回動には親指F1を用いる場合に、有効である。
【0058】
第1の実施形態及び前述の変形例より、第1の外接円Y1の第1の円中心軸O1の回動軸Pに対してずれる方向が変化することにより、第1の湾曲方向(湾曲Up方向及び湾曲Down方向)についての湾曲部7の湾曲状態とUD湾曲操作ノブ12Aでの湾曲操作の操作性との関係が変化する。同様に、第1の外接円Y1の第1の円中心軸O1の回動軸Pに対してずれる方向が変化することにより、第1の湾曲方向についての湾曲部7の湾曲状態とLR湾曲操作ノブ12Bでの湾曲操作の操作性との関係が変化する。したがって、内視鏡1の使用目的に対応させて、第1の外接円Y1の第1の円中心軸O1の回動軸Pに対してずれる方向が設定されることが好ましい。
【0059】
前述の実施形態では、UD湾曲操作ノブ12A及びLR湾曲操作ノブ12Bの2つの湾曲操作ノブが設けられているが、第8の変形例として図24に示すように、LR湾曲操作ノブ12Bが設けられなくてもよい。本変形例では、UD湾曲操作ノブ12Aのみが設けられている。本変形例でも第1の実施形態と同様に、第1の湾曲操作ノブであるUD湾曲操作ノブ12Aは、回動軸Pを中心として回動する。そして、UD湾曲操作ノブ12Aの第1の外接円Y1の第1の円中心軸O1は、回動軸Pより基端方向側で、かつ、回動軸Pより第1の垂直方向側(図24の矢印P3の方向側)に位置している。すなわち、第1の円中心軸O1は、回動軸Pに垂直なある1つの方向へ、回動軸Pから離れて位置している。
【0060】
また、前述の実施形態では、挿入機器として内視鏡2について説明したが、これに限るものではない。長手軸(C)に沿って延設される挿入部(3)に湾曲操作の入力に基づいて湾曲する湾曲部(7)が設けられる挿入機器であれば、前述の実施形態及び変形例の構成を適用可能である。
【0061】
前述の実施形態及び変形例では、第1の湾曲操作ノブ(12A)は、長手軸(C)に対して垂直な回動軸(P)を中心として操作部ケーシング(11)に対して回動可能な状態で、操作部(5)において操作部ケーシング(11)の外表面に配置されている。そして、第1の湾曲操作ノブ(12A)が回動することにより、第1の湾曲方向(U,D)について湾曲部(7)を湾曲させる湾曲操作が入力される。そして、第1の湾曲操作ノブ(12A)の外周端に外接する第1の外接円(Y1)の第1の円中心軸(O1)は、回動軸(P)に垂直なある1つの方向へ回動軸(P1)から離れて位置している。
【0062】
以上、本発明の実施形態及び変形例について説明したが、本発明は前述の実施形態及び変形例に限るものではなく、発明の趣旨を逸脱することなく種々の変形ができることは、もちろんである。
【符号の説明】
【0063】
1…内視鏡装置、2…内視鏡、3…挿入部、5…操作部、7…湾曲部、11…操作部ケーシング、12A…UD湾曲操作ノブ、12B…LR湾曲操作ノブ。
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