(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記少なくともいくつかのキャップが、前記少なくとも1つの隣接したキャップによって少なくとも部分的に形状を付与される、請求項1に記載の構造化表面を作製する方法。
【発明を実施するための形態】
【0020】
ここで、本開示の実施形態がより詳細に参照され、その1つ以上の実施例は、図面で図示される。一実施形態の一部として図示又は記載される特徴は、他の実施形態と共に使用され、第3の実施形態を得ることもできる。本開示はこれらの及び他の修正及び変形を含むことが意図される。
【0021】
図1A〜1Dは、本開示による構造化表面を作製する方法の一実施形態の異なる段階を図示する。
図1Aは、離間配置された直立柱10を有する代表的な熱可塑性裏材14の平面図を示す。図示されていないが、柱は近位端部及び遠位端部を有し、近位端部は熱可塑性裏材に取り付けられた基底部を含み、遠位端部は熱可塑性裏材から離れる方向に延出している。
図1Bで、離間配置された直立柱10の遠位端部は変形されて、柱10にキャップ12を形成している。
図1Bのキャップ12は、比較的低レベルの変形の結果として丸い。しかし、形成されたときに少なくともいくつかのキャップが少なくとも1つの隣接したキャップと接触するために十分に高いレベルの変形である。
図1Cで、
図1Aに示した離間配置された直立柱10の遠位端部は、柱10にキャップ12を形成するように
図1Bで示した程度より更に大きく変形されている。この、より高いレベルの変形では、キャップ12の縁は接触しており、更に流れて円形になることはできない。結果として、材料は利用可能な空いている空間へと流れ込み、柱10の間隔によって決定されるキャップ形状を形成する。
図1Cに示すように、形成されたときに少なくともいくつかのキャップは少なくとも1つの隣接したキャップによって少なくとも部分的に形状を付与される。
図1B及び1Cにおいて、キャップ12は基底部(図示せず)の断面積及び柱10の断面積より大きい面積である。
図1Dは、キャップを形成された柱18の分離(例えば、延伸)の結果としてキャップ12がもはや接触していないことを示している。
図1Dに示した分離は、二軸方向の延伸の結果であり得るが、いくつかの実施形態では、一軸方向の延伸又は他の分離が有用であり得る。
【0022】
図1B及び1Cは、本開示による機械的締結具の前駆体の実施形態及び雄型締結要素に相当するキャップを形成された柱18もまた図示する。
図1A〜1Dに図示した実施形態では、前駆体柱10及びキャップを形成された柱18は列16に配列されており、図の実施形態では、それらは一方向の長手方向「L」に配列された均等間隔の列である。前駆体柱10及びキャップを形成された柱18は第1の方向に対して横方向の第2の方向「W」に互い違いに置かれている。柱同士の間の距離(すなわちピン間隔)は、両方向にほぼ同等である。すなわち、離間配置された直立柱10(及びキャップを形成された柱18)は、実質的に均等間隔で離間配置されている。「実質的に均等に離間配置されている」は、柱10の間の距離の差が互いから最高10、7.5、又は5%までであることを意味する。
図1A〜1Cに示したピン間隔及び配列は、角を含む形状を有するキャップ12をもたらす。図の実施形態では、遠位キャップ12は実質的に菱形(例えば、正方形又はダイヤモンド形)であり、これは、遠位キャップが4つのほぼ同等(例えば、10、7.5、又は5%の範囲内)の辺及び対向するほぼ同等(例えば、10、7.5、又は5%の範囲内)の角を有し、鋭角の角又は丸い角を有する場合があることを意味する。有利なことに、図の実施形態では、いくつかの角は第2の方向「W」を指して、例えば、本開示のいくつかの適用でのループ材料とのキャップのより良い係合を可能にする。一実施形態では、ループ材料は、「W」又は「L」ではない方向を指す角を有するキャップと最もよく係合することができる。有利なことに、柱の配列は、任意の所望の方向を指す角を有するキャップを形成するように調整され得る。
【0023】
図1A〜1Dに図示した実施形態は、
図5の写真にもまた示されている。
図5の左側は、
図1Dに示したような延伸された裏材であり、一方、
図5の右側は、
図1Cに示したような延伸されていない裏材である。
図5の写真に示した構造化表面は、6000ピン/平方インチ(945ピン/平方センチメートル)の工具及び平らなキャッピングローラーで作製された。写真は、丸いステムから始めて、平らなキャッピングローラーだけを使用して正方形のキャップを作ることができることを示している。
【0024】
図2A〜2Cは、本開示による構造化表面を作製する方法の別の実施形態の異なる段階を図示する。
図2Aは、離間配置された直立柱20を有する代表的な熱可塑性裏材24の平面図を示す。
図2Bでは、離間配置された直立柱20(
図2B又は2Cには図示せず)の遠位端部は変形されて、柱にキャップ22が形成され、形成されたとき少なくともいくつかのキャップは少なくとも1つの隣接したキャップと接触している。
図2Bは、本開示による機械的締結具の前駆体の実施形態もまた図示する。
図2Bにおいて、キャップ22は基底部(図示せず)の断面積及び柱の断面積より大きい面積である。
図1A〜1Dに図示した実施形態と同様に、
図2A〜
図2Cの柱20は、第1の方向「L」に整列され、第1の方向に対して横方向の第2の方向「W」に裏材24を横切って均等に離間配置されている。前駆体柱20及びキャップを形成された柱28もまた
図1A〜1Dでのように第2の方向「W」に互い違いに置かれている。しかし、
図2A〜2Cに図示した実施形態では、離間配置された直立柱は不均等な間隔で置かれており、柱20の間隔は第2の方向「W」においてより第1の方向「L」においてはるかに近くなっている。この配列もまた、角を含む形状を有するキャップ22をもたらす(例えば、第2の方向「W」に細長く伸びた六角形)。第2の方向を指す角を有する六角形の伸びは、例えば、本開示のいくつかの適用において、ループ材料とキャップとのよりよい係合を可能にし得る。一実施形態では、ループ材料は、「W」ではない方向を指す角を有するキャップと最もよく係合することができる。有利なことに、柱の配列は、任意の所望の方向を指す角を有するキャップを形成するように調整され得る。
図2Cは、キャップを形成された柱28の分離の結果としてキャップ22がもはや接触していないことを示している。この分離は、熱可塑性裏材24の延伸によって実行され得る。図の実施形態では、一方向のみの分離(例えば、一軸方向の延伸)が実行されており、これはプロセスを簡易にするために有利である。しかし、熱可塑性裏材24の二軸方向の延伸もまた可能である。
【0025】
図3A〜3Cは、本開示による構造化表面を作製する方法の別の実施形態の異なる段階を図示する。
図3Aは、離間配置された直立柱30を有する代表的な熱可塑性裏材34の平面図を示す。
図3Bでは、離間配置された直立柱30(
図3B又は3Cには図示せず)の遠位端部は変形されて、柱上にキャップ32が形成されており、形成されたとき少なくともいくつかのキャップは少なくとも1つの隣接したキャップと接触する。
図3Bは、本開示による機械的締結具の前駆体の実施形態もまた図示する。
図3Bにおいて、キャップ32は基底部(図示せず)の断面積及び柱の断面積より大きい面積である。
図2A〜2Cに図示した実施形態と同様に、柱30は第1の方向「L」に整列した列36に配列され、柱30は第2の方向「W」に互い違いに置かれ、第1の方向「L」より第2の方向「W」において近い間隔を有する。しかし、
図3A〜3Cに図示した実施形態では、列36は、対の列36が認識され得るように第2の方向「W」において裏材34を横切って不均等間隔に配置されている。それぞれの列36の対と対との間の間隔は、対をなしている列と列との間の間隔より大きい。この配列もまた、
図2Bで形成されたものと異なる細長い形状を有するキャップ32をもたらす。キャップ32は、角を一端に含み、その反対側に丸い端部を有するが、ここで流れは、隣接した列のキャップによって制限されない。この配列では、角は異なる列36によって異なる方向を指しており、これは、いくつかの適用で有利であり得る。柱の配列は、例えば、ループ材料との最適な係合である任意の望ましい方向を指す角を有するキャップを形成するように調整されてよい。
図3Cは、キャップを形成された柱38の分離の結果としてキャップ32がもはや接触していないことを示している。この分離は、熱可塑性裏材34の延伸によって実行され得る。図の実施形態では、一方向においてのみの分離(例えば、一軸方向の延伸)が示されているが、熱可塑性裏材34の二軸方向の延伸もまた可能である。
【0026】
図4A〜4Cは、本開示による構造化表面を作製する方法のまた別の実施形態の異なる段階を図示する。
図4Aは、離間配置された直立柱40を有する代表的な熱可塑性裏材44の平面図を示す。
図4Bでは、離間配置された直立柱40(
図4B及び4Cには図示せず)の遠位端部は変形されて、柱上にキャップ42が形成されており、形成されたときに少なくともいくつかのキャップは少なくとも1つの隣接したキャップと接触している。
図4Bは、本開示による機械的締結具の前駆体の実施形態もまた図示する。
図4Bにおいて、キャップ42は基底部(図示せず)の断面積及び柱の断面積より大きい面積である。
図3A〜3Cに図示した実施形態のように、柱40は第1の方向「L」に整列した列46に配列され、柱は第2の方向「W」より第1の方向「L」において近い間隔を有する。しかし、
図4A〜4Cに図示した実施形態では、列46は、キャップ42が同じ列46の隣接したキャップによってのみ形状を付与されるように第2の方向「W」において離間配置される。この配列は、丸い楕円形を有するキャップ42をもたらす。
図2のキャップ22及び
図3のキャップ32もまた楕円形を有するが、形状22及び32は角も含むことを理解するべきである。柱40は第2の方向「W」に整列され又は互い違いに置かれてよく、列46は、熱可塑性裏材44を第2の方向「W」に渡って、実質的に均等間隔で配置されても不均等間隔で配置されてもよい。柱の配列は、例えば、ループ材料との最適な係合である任意の望ましい方向に向いた楕円形を有するキャップを形成するように調整され得る。
図4Cは、キャップを形成された柱48の分離の結果としてキャップ42がもはや接触していないことを示している。この分離は、熱可塑性裏材44の延伸によって実行され得る。図の実施形態では、一方向においてのみの分離(例えば、一軸方向の延伸)が示されているが、熱可塑性裏材44の二軸方向の延伸もまた可能である。
【0027】
多くの熱可塑性材料は、本開示による及び/又は本開示により作製された構造化表面及び機械的締結具の前駆体として有用である。離間配置された直立柱10、20、30、及び40を有する熱可塑性裏材14、24、34、及び44に好適な熱可塑性材料には、ポリエチレン及びポリプロピレン等のポリオレフィンホモポリマー、エチレン、プロピレン、及び/又はブチレンのコポリマー、エチレンビニルアセテート及びアクリル酸エチレン等のエチレンを含有するコポリマー、ポリ(エチレンテレフタレート)、ポリエチレンブチラート、及びポリエチレンナフタレート等のポリエステル、ポリ(ヘキサメチレンアジパミド)等のポリアミド、ポリウレタン、ポリカーボネート、ポリ(ビニルアルコール)、ポリエーテルエーテルケトン等のケトン、ポリフェニレン硫化物、ポリ(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン)、可塑化ポリ塩化ビニル、並びにこれらの混合物が挙げられる。典型的には、熱可塑性樹脂は、ポリオレフィンである(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブチレン、エチレンコポリマー、プロピレンコポリマー、ブチレンコポリマー、並びにこれらの材料のコポリマー及びブレンド)。上述した種々の熱可塑性材料は、所望の特性(例えば、色)を有するマスターバッチに配合することができる。
【0028】
いくつかの実施形態では、熱可塑性裏材14、24、34、及び44の離間配置された直立柱10、20、30及び40は、熱可塑性材料の多層又は多成分融解体のストリームから作ることができる。これは裏材を主に形成するものとは異なる熱可塑性材料から少なくとも部分的に形成された柱をもたらすことができる。多層融解ストリームから作られた直立柱の様々な構成は、例えば米国特許第6,106,922号(Cejkaら)に示されている。多層又は多成分の融解ストリームは、任意の従来の方法によって形成することができる。多層融解ストリームは、米国特許第4,839,131号(Cloeren)に示されているような多層フィードブロックによって形成することができる。異なる成分を持つドメイン又は領域を有する多成分融解ストリームを使用することもできる。有用な多成分融解ストリームは、包含共押出ダイ又は他の既知の方法(例えば、米国特許第6,767,492号(Norquistら)に示されている)の使用によって形成することができる。
【0029】
本開示による及び/又は本開示にしたがって作製された構造化された表面及び機械的締結具の前駆体においては、熱可塑性裏材14、24、34、及び44及び離間配置された直立柱10、20、30及び40は、典型的に一体である(すなわち、一単位として一体に同時形成される)。熱可塑性裏材は、典型的には、直接に熱可塑性裏材に取り付けられた離間された直立柱を有する本質的に均一な厚さを有することができるシート又はウェブの形態である。裏材の直立柱はダイキャスト成形技術によって、例えば、従来の押出し成形によって、製造することができる。いくつかの実施形態では、熱可塑性材料は、直立柱の反転形状を有する空洞を有する連続移動金型面に供給される。熱可塑性材料は、空洞を有するロールを少なくとも1つ有する(すなわち、ロールの少なくとも一方は工具ロールである)2つのロールすなわちダイフェースとロール表面とのニップによって形成されるニップ間で渡すことができる。ニップにより提供される圧力は、樹脂を空洞に押し込む。いくつかの実施形態では、真空を使用して、空洞へのより容易な充填のために空洞を空にすることができる。ニップは、典型的にコヒーレントな裏材を空洞上に形成するように十分に大きい間隙を有する。金型表面及び空洞は、一体成形された裏材と直立柱をストリッパーロール等により金型表面から剥離する前に、任意に空冷又は水冷されてもよい。
【0030】
適切な工具ロールは、金属鋳型又はスリーブの円筒面に直立柱10、20、30及び40の反転形状を有する一連の穴を開けることにより(例えば、電子ビームにより)作製することができる。他の好適なツールロールは、例えば、米国特許第4,775,310号(Fischer)に開示されるもの等の複数の柱形成空洞をその周辺部に画定する一連のプレートから形成されるものを含む。空洞は、例えば、掘削又はフォトレジスト技法によってプレートに形成されてもよい。更に他の好適なツールロールは、例えば、米国特許第6,190,594(Gormanら)において、それらの製造方法とともに開示される、ワイヤーラップロールを含んでもよい。金型、スリーブ、プレート、又はワイヤの露出面は、例えば、増加した耐摩耗性、制御された放出性、及び制御された表面粗さなどの表面特性を付与するために被覆することができる。コーティングは、存在する場合、好ましくは、工具ロールへの熱可塑性材料の接着が工具ロールからの熱可塑性裏材の取り外しのときの熱可塑性材料の凝集力よりも小さくなるように選択される。
【0031】
離間配置された直立柱10、20、30、及び40を有する熱可塑性裏材14、24、34、及び44を形成する別の代表的な方法は、米国特許第7,214,334号(Jensら)に記載されているように、直立柱形状の空洞のアレイを画定する可撓性の型ベルトを使用することを含む。型ベルトは第1及び第2のロールの周囲で導かれ、融解した熱可塑性材料の供給源は、型ベルトに熱可塑性材料を送達するように構成されている。装置は、間隙内の圧力下のベルトの直立した柱形状の空洞内にプラスチック樹脂を強制するように構築されており、熱可塑性ウェブ層を形成しながら直立柱のアレイを形成する。
【0032】
離間配置された直立柱10、20、30、及び40を有する熱可塑性裏材14、24、34、及び44を形成するための別の好適な方法は、例えば、米国特許第4,894,060号(Nestegard)に記載されているプロファイル押出し成形である。典型的には、この方法では、熱可塑性樹脂フローストリームが、パターン形成ダイリップ(例えば、電子放電線機械加工により切断)に通されてダウンウェブ隆起部を有するウェブが形成される。次いで、隆起部の延長線に沿って、離間した位置で横方向に隆起部を切断して、その切断刃によってもたらされる小さい分離とともに直立柱を形成することができる。しかし、それらが切断される前は、「離間配置された直立柱」はそのような隆起部を含んでいないことが理解されるべきである。このような隆起部自体は、それらが切断され延伸される前はループを係合することができないので、「ループ係合性」とはみなされない。いくつかの実施形態では、本開示による方法はリブの切断を含まない。
【0033】
上述した連続的な方法に加えて、離間配置された直立柱を有する熱可塑性裏材がバッチプロセス(例えば、1片射出形成)を用いて調製され得ることもまた想定される。熱可塑性裏材は、任意の好適な寸法を有し得るが、少なくとも10cmの長さ(L)及び幅(W)が有用であり得る。
【0034】
本開示による構造化表面又は機械的締結具の前駆体を作製する方法においては、例えば、上述の方法のいずれかにより作製することができる離間配置された直立柱10、20、30、及び40は、様々な断面形を有することができる。例えば、柱の断面形状は、正多角形であってもそうでなくてもよい多角形(例えば、正方形、長方形、六角形、若しくは五角形)であり得、又は柱の断面形状は湾曲していてもよい(例えば、円形若しくは楕円形)。本開示による方法の利点は、柱の形状とは無関係にキャップ形状の独立制御を提供することである。したがって、図の実施形態を含むいくつかの実施形態において、基底部は円形の断面形状を有し、遠位キャップは円形ではない形状を有している。
【0035】
本開示による構造化された表面又は機械的締結具の前駆体を作製する方法においては、熱可塑性裏材14、24、34、及び44は、様々な厚さを有することができる。例えば、熱可塑性裏材の初期厚さ(すなわち、延伸前)は、所望の用途に応じて、約750、500、400、250、又は150マイクロメートルまでとすることができる。いくつかの実施形態では、裏材の初期厚さは、所望の用途に応じて、少なくとも約50、75、又は100マイクロメートルである。いくつかの実施形態において、熱可塑性裏材の初期厚さは、50〜約225マイクロメートル、約75〜約200マイクロメートル、又は約100〜約150マイクロメートルの範囲内である。熱可塑性裏材は、本質的に均一な断面を有していてもよく、又は熱可塑性裏材は、離間配置された直立柱によって提供されるものを超えた追加の構造を有してもよく、これは、例えば、上述の形成ロールの少なくとも1つによって付与され得る。
【0036】
いくつかの実施形態において、直立柱10、20、30、及び40は、3ミリメートル(mm)、1.5mm、1mm、又は0.5mmまでの最大高(裏材の上)を有し、いくつかの実施形態では、少なくとも0.05mm、0.075mm、0.1mm、又は0.2mmの最小高を有する。いくつかの実施形態では、柱は、少なくとも約2:1、3:1、又は4:1のアスペクト比(すなわち、高さ対幅寸法の比率)を有する。アスペクト比は、いくつかの実施形態では最高10:1までであり得る。柱は、最大幅寸法が1mm(いくつかの実施形態では、最大0.75、0.5、又は0.45mm)の断面を有することができる。いくつかの実施形態では、柱は、10μm〜250μmの幅寸法を有する断面を有する。用語「幅寸法」は、円形断面を有する柱の直径を含むものと理解されるべきである。柱が複数の幅寸法を有するとき(例えば、矩形又は楕円形の断面形状の柱)、本明細書に記載されるアスペクト比は高さ対最大幅寸法である。
【0037】
本開示による構造化表面又は機械的締結具の前駆体を作製する方法においては、例えば、上述の方法のいずれかにより作製することができる離間配置された直立柱10、20、30、及び40は、例えば、基底部から遠位先端部にかけて先細りになったテーパー形状を有することができる。基底部は遠位先端部よりも大きい幅寸法を有することができ、これは、上述の方法における型表面からの柱の取り外しを容易にすることができる。この場合も、柱がテーパー形状を有するこれらの実施形態においては、上述のアスペクト比は、高さ対最大幅寸法であり、最大幅寸法は柱の基底部であり得る。
【0038】
本開示による構造化表面又は機械的締結具の前駆体を作製する方法のいくつかの実施形態においては、離間配置された直立柱は、1平方センチメートル(cm
2)当たり少なくとも248(1平方インチ(in
2)当たり1600)の初期密度(すなわち、延伸前)を有する。例えば、直立柱10、20、30、及び40の初期密度は、少なくとも394/cm
2(2500/in
2)又は少なくとも約787/cm
2(5000/in
2)であってもよい。いくつかの実施形態において、直立柱10、20、30、及び40の初期密度は、最高5000/cm
2(32000/in
2)、又は最高約3900/cm
2(25000/in
2)、又は最高約3150/cm
2(20000/in
2)であってもよい。例えば、787/cm
2(5000/in
2)〜3900/cm
2(25000/in
2)の範囲の初期密度が有用であり得る。しかし、離間配置された直立柱の間隔は均一でなくてもよい。
【0039】
構造化表面を作製する方法において、離間配置された直立柱の初期密度は、形成されたときに少なくともいくつかのキャップが、キャップを形成された柱を提供するために柱の遠位先端部を変形した後に少なくとも1つの隣接したキャップと接触するかどうかに影響する因子の1つである。柱は、変形されたときに少なくともいくつかのキャップが接触することができるために十分に近い間隔で置かれる必要がある。柱の高さ(上述)及び変形のレベルもまた、形成されたときに少なくともいくつかのキャップが少なくとも1つの隣接したキャップと接触するかどうかに影響する。ここで、キャップを形成された柱を提供するために遠位先端部を変形する方法について詳しく説明する。
【0040】
様々な方法が、離間配置された直立柱の遠位先端部を変形するために有用である。変形後に形成されるキャップ12、22、32、及び42は、基底部の断面積よりも面積が大きく、キャップの少なくともいくつかは少なくとも1つの他のキャップに接触する。基底部で測定された柱に対する、形成されたキャップの幅寸法の比は、典型的には少なくとも1.5:1又は3:1であり、最大5:1以上であってもよい。キャップを形成された柱18、28、38、及び48は、典型的には、変形前の柱よりも短い。いくつかの実施形態では、キャップを形成された柱18、28、38、及び48は、少なくとも0.025mm、0.05mm、又は0.1mmの高さを有し、いくつかの実施形態では、最大2mm、1.5mm、1mm、又は0.5mmの高さ(裏材の上)を有する。
【0041】
本開示による構造化表面を作製する方法のいくつかの実施形態では、キャップ12、22、32及び42を形成するために遠位先端部を変形する工程は、遠位先端部を加熱することを含む。典型的には、柱の遠位先端部を変形するために熱と圧力の組み合わせを使用してキャップを形成する。熱と圧力は順次に又は同時に適用することができる。
【0042】
いくつかの実施形態では、変形する工程は、遠位先端部を加熱表面と接触させることを含む。加熱された表面は、米国特許第6,708,378号(Parelladaら)又は同第5,868,987号(Kampferら)に開示されているような平坦な表面又は非平坦な表面であり得る。離間配置された直立柱10、20、30及び40を有する熱可塑性裏材14、24、34、及び44が不定の長さのウェブであるいくつかの実施形態では、変形工程は、加熱された表面部材と、その加熱された表面部材が遠位先端部と接触するような反対側の表面部材と、を有するニップを通して、第1の方向にウェブを移動させることを含む。これらの実施形態では、加熱された表面は、例えば、キャッピングロールであってもよい。いくつかの実施形態では、遠位先端部との接触のために使用される表面は加熱されなくてもよい。これらの実施形態では、変形は熱を伴わずに圧力によって実行される。
【0043】
いくつかの実施形態では、加熱された表面は、例えば、米国特許第6,368,097号(Millerら)に記載されているような、可変のニップ長を有する可変のニップを形成する湾曲した支持面に対向する加熱されたロールであり得る。湾曲した支持面は、加熱されたロールの方向に湾曲することができ、加熱されたロールは、離間配置された直立柱を有する熱可塑性裏材を可変ニップを通じて供給して、加熱されたロールと支持面との間にウェブを圧縮して係合するための供給機構を含むことができる。
【0044】
本開示による方法のいくつかの実施形態では、キャップを形成するために遠位先端部を変形する方法は、
図6に概略的に図示されている。この方法は、離間配置された直立柱60を備える熱可塑性裏材64をローラー65の周囲に湾曲させて、少なくとも機械方向において、遠位先端部を互いに近づける工程を含む。熱可塑性裏材64がローラー65から外れる際、キャップを形成された柱68のキャップは互いから分離する傾向がある。いくつかの実施形態では、遠位先端部は、熱可塑性裏材64がローラー65の周囲で湾曲されて遠位先端部を変形する前に加熱される。他の実施形態では、柱60は小径のローラー65と接触する直前に変形され、その間、キャップは少なくとも1つの隣接したキャップによって少なくとも部分的に形状を付与されるために十分に柔らかいままである。熱可塑性裏材の第2の表面(すなわち、離間配置された直立柱が突出している第1の表面の反対側の表面)に対する圧力は、いくつかの実施形態では有用であり得る。圧力は、例えば、熱可塑性裏材の第2の表面に位置づけられた第2のローラー(図示せず)によって形成されるニップによって提供され得る。ニップは、上述のような湾曲した支持面から形成された可変ニップであってもよい。いくつかの実施形態では、一連の小径のローラーを使用することができる。1つ又は複数のローラーは、典型的には、例えば、最大0.5インチ(1.3cm)の直径を有する小径のローラーである。
【0045】
キャップを形成するために遠位先端部を変形する工程が、離間配置された直立柱を備える熱可塑性裏材をローラーの周囲に湾曲することを含むいくつかの実施形態では、有利にも、少なくともいくつかのキャップが少なくとも1つの隣接したキャップと接触するために、及びいくつかの実施形態では少なくとも1つの隣接したキャップによって少なくとも部分的に形成されるために、他の実施形態においてほどキャップは大きくなくてもよい又はピン同士は近くなくてもよい。これらの実施形態のいくつかにおいては、熱可塑性裏材は延伸されなくてもよい。他の実施形態では、以下に記述する方法による延伸は、熱可塑性裏材がローラーから外れて更にキャップを互いから分離した後に熱可塑性裏材に適用され得る。
【0046】
上述のいずれかの実施形態を含む、変形工程が直立柱の遠位端部を加熱する工程を含む実施形態では、加熱工程は典型的には遠位先端部の融解温度未満で実行される。直立柱を形成するために使用される熱可塑性材料がコポリマー(例えば、エチレンとプロピレンのコポリマー)であるとき、遠位先端部は1つを超える融解温度を有し得る。これらの実施形態において、「遠位先端部の融解温度未満」とは、融解温度の少なくとも1つを下回ることを意味する。遠位先端部の熱可塑性材料の融解温度未満の温度で加熱することは、熱可塑性裏材を延伸することによって少なくともいくつかのキャップが少なくとも1つの隣接したキャップから容易に分離されるように、形成されたときにキャップがともに融合するのを防ぐために有用である。
【0047】
いくつかの実施形態では、本開示による機械的締結具の前駆体は、離間配置された直立柱の遠位先端部の変形の後に、しかし熱可塑性裏材の延伸の前に、形成され得る。柱の遠位先端部が変形された後に形成されるキャップは、ループ係合形状を有すると考えられるが、熱可塑性裏材の延伸前は、少なくとも1つの隣接したキャップと接触している少なくともいくつかのキャップは、典型的には、延伸後のもはや接触していないキャップほどはループ材料の係合に有効でない。一般的には、少なくともいくつかのキャップが少なくとも1つの隣接したキャップと接触しているとき、複数の方向に機械的に締結係合するために十分な空間がキャップの周りにない。例えば、
図3B及び
図4Bに示した機械的締結具の前駆体は、方向「W」に剥離された場合はループ係合を示し得るが、方向「L」に剥離された場合はループ係合を一切示さない場合がある。本開示による機械的締結具の前駆体において、熱可塑性裏材が屈曲していない位置にあるとき、少なくともいくつかの遠位キャップは少なくとも1つの隣接した遠位キャップと接触している。熱可塑性裏材は、平らであるときは典型的には屈曲していない位置にある。これは、フック要素が突出している表面の屈曲によって、フック要素が接触することができる米国特許第6,544,245号(Neebら)の締結具と対照的である。
【0048】
いくつかの実施形態において、本開示による構造化表面を作製する方法は、キャップを形成された柱18、28、38、及び48を分離するために少なくとも一方向に熱可塑性裏材14、24、34、及び44を延伸する工程を含む。延伸後に、少なくともいくつかのキャップ12、22、32、及び42は、もはや少なくとも一つの隣接したキャップと接触していない。延伸は、ウェブの二軸方向又は一軸方向に対して行える。二軸方向の延伸は、熱可塑性裏材14、24、34、及び44の平面内の2つの異なる方向に延伸することを意味する。常にとは限らないが、典型的には、第1の方向は長手方向「L」であり、第2の方向は幅方向「W」である。二軸方向の延伸は、例えば、第1又は第2の方向のいずれかに、続いて第1又は第2の方向の他方に、熱可塑性裏材を延伸することによって順次行ってもよい。また、二軸方向の延伸は、両方の方向に実質的に同時に行ってもよい。一軸方向の延伸は、熱可塑性裏材14、24、34、及び44の平面において一方向にのみ延伸することを指す。典型的には、一軸方向の延伸は「L」又は「W」のうちの1つの方向に行われるが、他の方向の延伸も可能である。
【0049】
いくつかの実施形態において、延伸は、熱可塑性裏材の長さ(「L」)又は幅(「W」)の少なくとも1つを少なくとも1.5倍(いくつかの実施形態では、少なくとも2、2.5、又は3倍)増加させる。いくつかの実施形態において、延伸は、熱可塑性裏材の長さ(「L」)又は幅(「W」)の両方を少なくとも1.5倍(いくつかの実施形態では、少なくとも2、2.5、又は3倍)増加させる。いくつかの実施形態において、延伸は、熱可塑性裏材の長さ(「L」)又は幅(「W」)の少なくとも1つを10倍まで(いくつかの実施形態では、7又は5倍まで)増加させる。いくつかの実施形態において、延伸は、熱可塑性裏材の長さ(「L」)又は幅(「W」)の両方を10倍まで(いくつかの実施形態では、7又は5倍まで)増加させる。
【0050】
延伸を調整して、所望の製品特性(例えば、所望のループとの係合)を最大化させることができる。延伸は、所望の用途のために大きすぎるレベルにピン密度を低下させることなく、キャップが所望の係合特性を有するように十分に分離されるような程度まで行うことができる。いつかの実施形態において、延伸は、少なくとも自然な延伸比まで行われる。熱可塑性フィルム(例えば、本明細書に記載される熱可塑性裏材14、24、34、又は44)が、熱可塑性材料の融点未満の温度、特にフィルムの線延伸温度未満の温度で1軸方向又は2軸方向に延伸されるとき、熱可塑性フィルムは、不均一に延伸する場合があり、延伸部分と非延伸部分との間に明確な境界が形成される。この減少は、ネッキング又は線延伸と称される。しかしながら、十分に高い程度まで延伸されると、熱可塑性裏材の実質的に全体が均一に延伸される。これが起こる延伸比は、「自然な延伸比」又は「自然な延伸倍率」と称される。自然な延伸比は、例えば、熱可塑性裏材の多様な位置で測定された局所延伸比の相対標準偏差が約15パーセント下回る、延伸比として画定され得る。自然な延伸比を上回る延伸は、厚さ、引張り強度、及び弾性率等の著しくより均一な特性又は特徴を提供することが理解される。任意の所与の熱可塑性裏材及び伸長条件について、自然な延伸比は、熱可塑性裏材を形成する熱可塑性樹脂の組成物、ツールロール上の急冷条件に起因する形成された熱可塑性裏材の形態学、並びに例えば、延伸の温度及び速度等の要因によって決定される。更に、2軸的に延伸された熱可塑性裏材について、一方向の自然な延伸比は、最終延伸比を含む、他方向の延伸条件によって影響される。したがって、一方向の自然な延伸比が他方向の固定延伸比を前提とするといえるか、あるいは、自然な延伸比を生じる一対の延伸比(1つは第1の方向及び1つは第2の方向)であるといえる。用語「延伸比」は、延伸前の同一部分の線状寸法に対する延伸後の熱可塑性裏材の所与の部分の線状寸法の比を指す。
【0051】
熱可塑性裏材が不定長のウェブであるとき、例えば、縦方向の1軸的延伸は、熱可塑性ウェブをロールの上で漸増速度で推進させることによって行うことができる。熱可塑性ウェブの1軸的、連続2軸的、及び同時2軸的延伸を可能にする、最も汎用的な延伸方法は、平らなフィルムテンター装置を用いる。そのような装置は、複数のクリップ、グリッパー、又は他のフィルム端把持手段を、熱可塑性ウェブの対向する端部に沿って使用して、分岐レールに沿って異なる速度で把持手段を推進させることによって、所望の方向に1軸的、連続2軸的、又は同時2軸的延伸が得られるように、熱可塑性ウェブを把持する。クリップ速度を縦方向に増加させることは、一般に、縦方向の延伸を生じる。分岐するレール等の手段は、一般に、横方向の延伸を生じる。1軸的及び2軸的延伸は、例えば、米国特許出願第2005/0202205号(Petersenら)及びそこに引用される参照文献に開示される方法及び装置によって達成することができる。平らなフィルムテンター延伸装置は、例えば、Bruckner Maschinenbau GmbH(Siegsdorf,Germany)から市販されている。
【0052】
いくつかの実施形態において、延伸は上昇温度で行われる。これは、熱可塑性裏材が延伸するためにより可撓性であるのを可能にし得る。加熱は、例えば、赤外線照射、熱気処理によって、又は加熱チャンバ内で延伸を行うことによって提供することができる。いくつかの実施形態において、加熱は、熱可塑性裏材の第2の表面(すなわち、離間配置された直立柱が突出する表面の反対側の表面)にのみ適用され、キャップを形成された柱に対する加熱から生じ得る任意の損傷を最小化させる。例えば、これらの実施形態において、熱可塑性裏材の第2の表面と接触しているローラーのみが加熱される。
【0053】
延伸後、熱可塑性裏材14、24、34、及び44の厚さは、延伸前の熱可塑性裏材の厚さ対延伸後の熱可塑性裏材の厚さの比が、例えば、2:1又は3:1〜10:1、いくつかの実施形態では、5:1〜10:1であり得るように減少する。熱可塑性裏材14、24、34、及び44の厚さは、例えば、5〜200μm、10〜100μm、又は30〜70μmの範囲であり得る。
【0054】
延伸後、キャップを形成された柱の最終密度はキャップを形成された柱の初期密度より小さい。本開示による構造化表面を作製する方法のいくつかの実施形態においては、キャップを形成された柱18、28、38、及び48は1平方センチメートル(cm
2)当たり少なくとも124(1平方インチ(in
2)当たり800)の最終密度(すなわち、延伸後)を有する。例えば、柱10、20、30、及び40の最終密度は少なくとも248/cm
2(1600/in
2)又は少なくとも394/cm
2(2500/in
2)であってよい。いくつかの実施形態において、柱10、20、30、及び40の最終密度は、最高787/cm
2(5000/in
2)、又は約1574/cm
2(10000/in
2)まで、又は約3150/cm
2(20000/in
2)までであってもよい。例えば、124/cm
2(800/in
2)〜2,500/cm
2(15900/in
2)、124/cm
2(800/in
2)〜2000/cm
2(12700/in
2)、及び124/cm
2(800/in
2)〜1574/cm
2(10000/in
2)の範囲の最終密度が有用であり得る。この場合も、キャップを形成された柱の間隙は均一である必要はない。
【0055】
図1〜4に図示した構造化表面又は機械的締結具の前駆体を作製する方法の実施形態のいずれに関しても、熱可塑性裏材は、ロール形態であってもよく、そこから例えば、機械的締結具パッチが所望の用途に適切な寸法に切断され得る。この用途で、熱可塑性裏材14、24、34、及び44は、所望の寸法に切断されたパッチであってもよい。これらの実施形態のいくつかにおいて、熱可塑性裏材の第2の表面(すなわち、離間配置された直立柱が突出する第1の表面の反対側の表面)は、接着剤(例えば、感圧性接着剤)でコーティングされてもよい。そのような実施形態において、熱可塑性裏材がロール形態であるとき、露出された接着剤に剥離ライナーが適用されてもよい。
【0056】
本明細書に開示される構造化表面を作製する方法のいくつかの実施形態において、熱可塑性裏材14、24、34、及び44は、少なくともそれが最初に形成されるとき、支持材料に接合されない。他の実施形態において、方法は、熱可塑性裏材の第2の表面(すなわち、離間配置された直立柱が突出する第1の表面の反対側の表面)を支持材料に接合する工程を更に含む。熱可塑性裏材は、例えば、積層(例えば、押出し成形積層)、接着(例えば、感圧性接着剤)、又は他の結合方法(例えば、超音波結合、圧縮結合、又は表面結合)によって、支持材料に接合されてもよい。このような接合方法は、必要に応じて、直立柱の遠位先端部を変形する前、又は直立柱の遠位先端部を変形させた後だが熱可塑性裏材を延伸する前、又は熱可塑性裏材を延伸した後に、所望により行うことができる。熱可塑性裏材は、直立柱を有する熱可塑性裏材の形成中に、支持材料に接合されてもよい。得られる物品は、締結積層体、例えば、吸収性物品の前側腰部区域と後側腰部区域とを接合するために有用な吸収性物品の後板に接合された締結タブであってもよい。
【0057】
いくつかの実施形態では、熱可塑性裏材の第2の表面に接合され得る支持材料は、連続的(すなわち、貫通穴が一切ない)であっても不連続(例えば、貫通する穿孔又は孔を含む)であってもよい。支持体は、織布ウェブ、不織布ウェブ(例えば、スパンボンドウェブ、スパンレースウェブ、風成ウェブ、メルトブロウンウェブ、及び固着カードウェブ)、テキスタイル、プラスチックフィルム(例えば、単層又は多層フィルム、共押出フィルム、側方積層フィルム、又は発泡体層を含むフィルム)、及びこれらの組み合わせを含む、種々の好適な材料を含み得る。いくつかの実施形態において、支持材料は、繊維性材料(例えば、織布、不織布、又はニット材料)である。支持材料又はウェブを指す時、「不織布」という用語は、絡み合わされているが、編織物におけるように特定可能な方式では絡み合っていない個々の繊維又は糸の構造を有することを意味する。不織布又はウェブは、メルトブローンプロセス、スパンボンドプロセス、スパンレースプロセス、及び固着カードウェブプロセス等の種々のプロセスから形成され得る。いくつかの実施形態において、支持材料は、例えば、少なくとも1つのメルトブロウン不織布の層、及び少なくとも1つのスパンボンドされている不織布の層、又は不織布剤の任意の他の好適な混合を有する、多層の不織布材を含む。例えば、支持材料は、スパンボンド−メルトボンド−スパンボンド、スパンボンド−スパンボンド、又はスパンボンド−スパンボンド−スパンボンドの多層材料であってもよい。又は、支持材料は不織布層及び高密度フィルム層を含む複合ウェブであり得る。
【0058】
有用な支持材料を提供する繊維性材料は、天然繊維(例えば、木製又は綿繊維)、合成繊維(例えば、熱可塑性繊維)、又は天然繊維及び合成繊維の混合から作製されてもよい。熱可塑性繊維を形成するための例示的材料には、ポリオレフィン(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブチレン、エチレンコポリマー、プロピレンコポリマー、ブチレンコポリマー、並びにこれらのポリマーのコポリマー及びブレンド)、ポリエステル、及びポリアミドが挙げられる。繊維は、例えば、ある熱可塑性材料のコアと、別の熱可塑性材料のシースと、を有する、多成分繊維であってもよい。
【0059】
有用な支持材料は、特定の用途に望ましい任意の好適な坪量又は厚さを有し得る。繊維性支持材料について、坪量は、例えば、1平方メートル当たり少なくとも約20、30、又は40グラム、1平方メートル当たり約400、200、又は100グラムまでの範囲であってもよい。支持材料は、約5mm、約2mm、又は約1mmまでの厚さ、及び/又は少なくとも約0.1、約0.2、又は約0.5mmの厚さであり得る。
【0060】
支持材料の1つ以上の領域は、力が印加されるとき、少なくとも一方向に延伸し、力が除去された後にほぼ元の寸法に戻る、1つ以上の弾性的延伸性材料を含んでもよい。用語「弾性」は、延伸又は変形からの回復を呈する任意の材料を指す。同様に、延伸又は変形からの回復を呈さない「非弾性」材料もまた、支持材料として有用であり得る。支持材料が弾性である実施形態では、熱可塑性裏材の第2の表面への支持材料の接合は、典型的には、少なくともいくつかのキャップを少なくとも1つの隣接したキャップから分離した後(例えば、延伸後)に行われる。
【0061】
熱可塑性裏材を支持材料に接合した後に形成され得る締結積層体は、例えば、吸収性物品において有用であり得る。例示的な吸収性物品は、少なくとも前側腰部区域、後側腰部区域、及び前側腰部区域と後側腰部区域を二等分する長手方向の中心線を有し、前側腰部区域又は後側腰部区域の少なくとも1つは、本明細書に開示される方法に従う構造化表面を含む。締結積層体は、吸収性物品の左長手方向縁部又は右長手方向縁部の少なくとも1つから外側に延びる、前側腰部区域又は後側腰部区域の少なくとも1つに結合される、締結タブの形態であってもよい。他の実施形態において、締結積層体は、吸収性物品の一体型耳部分であり得る。締結積層体は、例えば、生理用ナプキン等の使い捨て物品にも有用であり得る。生理用ナプキンは、典型的に、着用者の下着に隣接して配置されることが意図されるバックシートを含む。バックシートは、キャップを形成された柱と機械的に係合する下着に生理用ナプキンをしっかりと取り付けるようにキャップのある離間された直立柱を有する熱可塑性裏材を含むことができる。
【0062】
構造化表面の長手方向「L」(いくつかの実施形態では、機械方向)は、一般に、吸収性物品の長手方向の中心線と位置合わせされ得る。少なくともいくつかのキャップが角を含む形状を有する実施形態では、角度は、吸収性物品の長手方向の中心線に対してゼロでない角度で位置合わせされ、締結タブが吸収性物品の結合表面から取り外されたときに構造化表面の剥離性を強化することができる。ゼロでない角度は、30〜90度、50〜90度、60〜90度、75〜90度、80〜90度、又は85〜90度の範囲である。
【0063】
支持材料が繊維ウェブであるいくつかの実施形態において、熱可塑性裏材の第2の表面を接合する工程は、加熱ガス状流体(例えば、周囲空気、脱湿空気、窒素、不活性ガス、又は他のガス混合)を、連続ウェブが移動している間、繊維ウェブの第1の表面の上に衝突させる工程と、繊維ウェブの第1の表面が、加熱ガス状流体を、連続ウェブが移動している間、裏材の第1の表面の反対である裏材の第2の表面の上に衝突させる工程と、裏材の第2の表面に融解結合(例えば、表面結合、又はロフト維持結合によって結合)されるように、繊維ウェブの第1の表面を裏材の第2の表面と接触させる工程と、を含む。加熱したガス状流体を繊維ウェブの第1の表面上に衝突させる工程、及び加熱したガス状流体を裏材の第2の表面上に衝突させる工程は、連続的又は同時に実行されてもよい。用語「表面結合」は、繊維性材料の結合を指すとき、繊維の少なくとも一部分の繊維表面の部分が、裏材の第2の表面の元の(結合前の)形状を実質的に保存し、曝露条件で裏材の第2の表面の少なくともいくつかの部分を実質的に保存するような方法で、表面が結合する範囲において、裏材の第2の表面に融解結合されることを意味する。定量的に、表面結合された繊維は、表面結合された繊維の表面積の少なくとも約65%が、繊維の結合部分の裏材の第2の表面上に見えるという点で、埋め込まれた繊維と区別され得る。複数の角度からの検査は、繊維の表面積の全体を可視化するために必須であり得る。用語「ロフト保持結合」は、繊維性材料の結合を指すとき、結合された繊維材料が、結合プロセスに先立って、又は結合プロセスがない場合、材料によって呈されるロフトの少なくとも80%である、ロフトを含むことを意味する。本明細書では、繊維材料のロフトは、ウェブによって占有される全体積(繊維、並びに繊維によって占有されない材料の間質腔を含む)と繊維の材料のみによって占有される体積との比である。繊維ウェブの一部分のみが、そこに結合される裏材の第2の表面を有する場合、保持されたロフトは、結合領域の繊維ウェブのロフトを、非結合領域のウェブのロフトと比較することによって容易に確認することができる。場合によっては、例えば、繊維ウェブの全体がそこに結合される裏材の第2の表面を有する場合、結合されたウェブのロフトを、結合される前の同一ウェブのサンプルのロフトと比較することが便宜的であり得る。
【0064】
加熱ガス状流体を使用して連続ウェブを繊維状支持ウェブと接合するための方法及び装置は、米国特許出願公開第2011/0151171号(Bieglerら)及び第2011/0147475号(Bieglerら)に見出すことができる。
【0065】
本開示の選択された実施形態
第1の実施形態では、本開示は、構造化表面を作製する方法を提供し、この方法は、
熱可塑性裏材に取り付けられた基底部と遠位先端部とを備える、離間配置された直立柱を有する熱可塑性裏材を準備する工程と、
離間配置された直立柱の少なくともいくつかにキャップを形成するために遠位先端部を変形する工程であって、形成されたときに少なくともいくつかのキャップは少なくとも1つの隣接したキャップと接触しており、キャップを形成された柱は離間配置された基底部を維持する、工程と、
少なくともいくつかのキャップが少なくとも1つの隣接したキャップにもはや接触しなくなるように、キャップを形成された柱を分離する工程と、を含む。
【0066】
第2の実施形態において、本開示は、第1の実施形態による構造化表面を作製する方法を提供し、形成されたときに少なくともいくつかのキャップが、少なくとも1つの隣接したキャップによって少なくとも部分的に形状を付与される。
【0067】
第3の実施形態において、本開示は、第1又は第2の実施形態による構造化表面を作製する方法を提供し、キャップを形成された柱を分離する工程が、熱可塑性裏材を少なくとも一方向に延伸することを含む。
【0068】
第4の実施形態において、本開示は、第1〜第3の実施形態のいずれか1つによる構造化表面を作製する方法を提供し、キャップを形成するために遠位先端部を変形する工程が、少なくともいくつかのキャップがローラーと接触しているときに、少なくとも1つの隣接したキャップに接触するように、ローラーの周囲に熱可塑性裏材を屈曲することを含む。
【0069】
第5の実施形態において、本開示は、第4の実施形態による構造化表面を作製する方法を提供し、ローラーから外れるときに、キャップを形成された柱が分離し、少なくともいくつかのキャップが少なくとも1つの隣接したキャップともはや接触しない。
【0070】
第6の実施形態において、本開示は、第1〜第5の実施形態のいずれか1つによる構造化表面を作製する方法を提供し、その構造化表面が機械的締結具である。
【0071】
第7の実施形態において、本開示は、第1〜第6の実施形態のいずれかに記載の構造化表面を作製する方法を提供し、形成されたときに、少なくともいくつかのキャップが、少なくとも2つの隣接したキャップと接触している。
【0072】
第8の実施形態において、本開示は、変形工程の前又はその間に、遠位先端部を加熱する工程を更に含む、第1〜第7の実施形態のいずれかに記載の構造化表面を作製する方法を提供する。
【0073】
第9の実施形態において、本開示は、第8の実施形態による構造化表面を作製する方法を提供し、加熱する工程は、遠位先端部の融解温度未満の温度で行われる。
【0074】
第10の実施形態において、本開示は、第1〜第9の実施形態のいずれか1つによる構造化表面を作製する方法を提供し、変形する工程は、加熱された表面に遠位先端部を接触させることを含む。
【0075】
第11の実施形態において、本開示は、第10の実施形態による構造化表面を作製する方法を提供し、加熱された表面は非平坦な表面である。
【0076】
第12の実施形態において、本開示は、第1〜第11の実施形態のいずれか1つによる構造化表面を作製する方法を提供し、熱可塑性裏材が不定長のウェブである。
【0077】
第13の実施形態において、本開示は、第1〜第12の実施形態のいずれか1つによる構造化表面を作製する方法を提供し、変形する工程は、加熱表面部材と、対向する表面部材と、を有するニップを通じて、加熱表面部材が遠位先端部に接触するように、第1の方向にウェブを移動させることを含む。
【0078】
第14の実施形態において、本開示は、第1〜第13の実施形態のいずれか1つによる構造化表面を作製する方法を提供し、キャップと、キャップを形成された柱の基底部とは、互いに異なる形を有する。
【0079】
第15の実施形態において、本開示は、第1〜第14の実施形態のいずれか1つによる構造化表面を作製する方法を提供し、変形する工程の前、それらの離間配置された直立柱は少なくとも50マイクロメートルの高さを有する。
【0080】
第16の実施形態において、本開示は、第1〜第15の実施形態のいずれか1つによる構造化表面を作製する方法を提供し、変形する工程の前、それらの離間配置された直立柱は少なくとも2:1の高さ対幅の寸法比を有する。
【0081】
第17の実施形態において、本開示は、第1〜第16の実施形態のいずれか1つによる構造化表面を作製する方法を提供し、キャップを形成された柱を分離する前、離間配置された直立柱は少なくとも248/平方センチメートル(1600/平方インチ)の初期密度を有する。
【0082】
第18の実施形態において、本開示は、第1〜第17の実施形態のいずれか1つによる構造化表面を作製する方法を提供し、キャップを形成された柱を分離することは、少なくとも1つの方向に熱可塑性裏材を延伸することを含み、その延伸の後、その構造化表面は、少なくとも124/平方センチメートル(800/平方インチ)のキャップを形成された柱の最終密度を有する。
【0083】
第19の実施形態において、本開示は、第1〜第18の実施形態のいずれか1つによる構造化表面を作製する方法を提供し、キャップを形成された柱を分離することは、熱可塑性裏材の延伸を含み、延伸は一軸方向に行われる。
【0084】
第20の実施形態において、本開示は、第1〜第18の実施形態のいずれか1つによる構造化表面を作製する方法を提供し、キャップを形成された柱を分離することは、熱可塑性裏材の延伸を含み、延伸は二軸方向に行われる。
【0085】
第21の実施形態において、本開示は、第1〜第20の実施形態のいずれか1つによる構造化表面を作製する方法を提供し、延伸は、熱可塑性裏材の長さ又は幅の少なくとも1つを少なくとも1.5倍増す。
【0086】
第22の実施形態において、本開示は、第1〜第21の実施形態のいずれか1つによる構造化表面を作製する方法を提供し、離間配置された直立柱は、実質的に均等間隔に置かれる。
【0087】
第23の実施形態において、本開示は、第1〜第22の実施形態のいずれか1つによる構造化表面を作製する方法を提供し、離間配置された直立柱は、第1の方向に整列され、第1の方向に対して横方向の第2の方向に不均等間隔に配列される。
【0088】
第24の実施形態において、本開示は、第1〜第23の実施形態のいずれか1つによる構造化表面を作製する方法を提供し、離間配置された直立柱は、第1の方向に整列され、隣接した列は第1の方向に対して横方向の第2の方向に互い違いに置かれた離間配置された直立柱を有する。
【0089】
第25の実施形態において、本開示は、第1〜第24の実施形態による構造化表面を作製する方法を提供し、形成後の少なくともいくつかのキャップは角を含む形を有する。
【0090】
第26の実施形態において、本開示は、第25の実施形態による構造化表面を作製する方法を提供し、熱可塑性裏材は、機械方向と横断方向を有するウェブであり、それらの角の少なくともいくつかは横断方向を指す。
【0091】
第27の実施形態において、本開示は、第1の方向に長さを有する機械的締結具の前駆体を提供し、この機械的締結具の前駆体は、
熱可塑性裏材、及び
熱可塑性裏材に取り付けられた基底部と、基底部の断面積より大きい面積の遠位キャップと、を備える直立の雄型締結要素を備え、雄型締結要素の基底部は離間配置され、遠位キャップの少なくともいくつかは、熱可塑性裏材が屈曲されていない位置にあるときに少なくとも1つの隣接した遠位キャップと接触しており、遠位キャップは熱可塑性裏材の延伸の際に分離可能である。
【0092】
第28の実施形態において、本開示は、第27の実施形態による機械的締結具の前駆体を提供し、少なくともいくつかの遠位キャップは、少なくとも2つの隣接した遠位キャップと接触している。
【0093】
第29の実施形態において、本開示は、第27又は第28の実施形態による機械的締結具の前駆体を提供し、その機械的締結具の前駆体は、少なくとも248/平方センチメートル(1600/平方インチ)の基底部の密度を有する。
【0094】
第30の実施形態において、本開示は、第27〜第29の実施形態のいずれか1つによる機械的締結具の前駆体を提供し、その基底部は丸い断面形状を有し、その遠位キャップは丸以外の形状を有する。
【0095】
第31の実施形態において、本開示は、第27〜第30の実施形態のいずれか1つによる機械的締結具の前駆体を提供し、雄型締結要素の基底部は実質的に均等間隔に置かれる。
【0096】
第32の実施形態において、本開示は、第31の実施形態による機械的締結具の前駆体を提供し、遠位キャップは実質的に菱形である。
【0097】
第33の実施形態において、本開示は、第32の実施形態による機械的締結具の前駆体を提供し、菱形の1つの対角線は第1の方向に整列し、菱形の第2の対角線は第1の方向に対して横方向である第2の方向に整列する。
【0098】
第34の実施形態において、本開示は、第27〜第33の実施形態のいずれか1つによる機械的締結具の前駆体を提供し、雄型締結要素の基底部は第1の方向に整列した列に配列され、それらの列は第1の方向に対して横方向の第2の方向に、不均等間隔に置かれ、それらのキャップは少なくとも1つの楕円形又は六角形を有する。
【0099】
第35の実施形態において、本開示は、第34の実施形態による機械的締結具の前駆体を提供し、少なくとも1つの楕円形又は六角形は第1の方向より第2の方向に長い。
【0100】
第36の実施形態において、本開示は、第27〜第35の実施形態のいずれか1つによる機械的締結具の前駆体を提供し、雄型締結要素の基底部は第1の方向に整列した列に配列され、隣接した列は第1の方向に対して横方向の第2の方向に互い違いに置かれた雄型締結要素を有する。
【0101】
第37の実施形態において、本開示は、第27〜第36の実施形態のいずれか1つによる機械的締結具の前駆体を提供し、機械的締結具の前駆体は第1の方向に不定長のウェブである。
【0102】
第38の実施形態において、本開示は、第37の実施形態による機械的締結具の前駆体を提供し、そのウェブはロールに巻かれる。
【0103】
この開示は、趣旨及び範囲から逸脱することなく様々な修正及び変更が可能である。したがって、本開示は、上記の実施形態に限定されないが、以下の請求項及び全てのその等価物に詳述する制限によって規制される。本開示は、本明細書に具体的に開示されていない要素を欠いても適宜実施され得る。
最後に、本発明の好ましい実施形態の一部を付記すると、以下で列挙する通りである。
1.構造化表面を作製する方法であって、
熱可塑性裏材に取り付けられた基底部と遠位先端部とを備える、離間配置された直立柱を有する熱可塑性裏材を準備する工程と、
前記離間配置された直立柱の少なくともいくつかにキャップを形成するために前記遠位先端部を変形する工程であって、形成されたときに前記少なくともいくつかのキャップは少なくとも1つの隣接したキャップと接触しており、キャップを形成された柱は離間配置された基底部を維持する、工程と、
前記少なくともいくつかのキャップが前記少なくとも1つの隣接したキャップにもはや接触しなくなるように、前記キャップを形成された柱を分離する工程と、を含む、方法。
2.形成されたときに、前記少なくともいくつかのキャップが、前記少なくとも1つの隣接したキャップによって少なくとも部分的に形状を付与される、付記1に記載の構造化表面を作製する方法。
3.前記キャップを形成された柱を分離する工程が、前記熱可塑性裏材を少なくとも一方向に延伸することを含む、付記1又は2に記載の構造化表面を作製する方法。
4.キャップを形成するために前記遠位先端部を変形する工程が、少なくともいくつかのキャップがローラーと接触しているときに、前記少なくともいくつかのキャップが少なくとも1つの隣接したキャップに接触するように、前記ローラーの周囲に前記熱可塑性裏材を屈曲することを含み、前記ローラーから外れるときに、前記キャップを形成された柱が分離し、前記少なくともいくつかのキャップが前記少なくとも1つの隣接したキャップともはや接触しない、付記1又は2に記載の構造化表面を作製する方法。
5.前記構造化表面が機械的締結具である、付記1〜4のいずれか一項に記載の構造化表面を作製する方法。
6.形成されたときに、前記少なくともいくつかのキャップが、少なくとも2つの隣接したキャップと接触している、付記1〜5のいずれか一項に記載の構造化表面を作製する方法。
7.前記変形工程の前又はその間に、前記遠位先端部を加熱する工程を更に含み、その加熱工程が、前記遠位先端部の融解温度未満の温度で行われる、付記1〜6のいずれか一項に記載の構造化表面を作製する方法。
8.前記変形工程が、加熱された表面に前記先端部を接触させることを含む、付記1〜7のいずれか一項に記載の構造化表面を作製する方法。
9.熱可塑性裏材が不定長のウェブである、付記1〜8のいずれか一項に記載の構造化表面を作製する方法。
10.形成後の前記少なくともいくつかのキャップが角を含む形状を有し、前記熱可塑性裏材が、機械方向及び横断方向を有するウェブであり、前記角の少なくともいくつかは前記横断方向を指している、付記1〜9のいずれか一項に記載の構造化表面を作製する方法。
11.第1の方向に長さを有する機械的締結具の前駆体であって、
熱可塑性裏材、及び
前記熱可塑性裏材に取り付けられた基底部と、前記基底部の断面積より大きい面積の遠位キャップと、を備える直立の雄型締結要素を備え、前記雄型締結要素の基底部は離間配置され、前記遠位キャップの少なくともいくつかは、前記熱可塑性裏材が屈曲されていない位置にあるときに少なくとも1つの隣接した遠位キャップと接触しており、前記遠位キャップは前記熱可塑性裏材の延伸の際に分離可能である、機械的締結具の前駆体。
12.少なくともいくつかの遠位キャップが、少なくとも2つの隣接した遠位キャップと接触している、付記11に記載の機械的締結具の前駆体。
13.前記基底部が丸い横断面の形状を有し、前記遠位キャップが丸以外の形状を有する、付記11又は12に記載の機械的締結具の前駆体。
14.前記遠位キャップが実質的に菱形である、付記11〜13のいずれか一項に記載の機械的締結具の前駆体。
15.前記雄型締結要素の基底部が前記第1の方向に整列した複数の列に配列され、それらの列は前記第1の方向に対して横方向の第2の方向において不均等間隔に置かれ、前記キャップが、前記第1の方向より前記第2の方向に長い少なくとも1つの楕円形又は六角形を有する、付記11〜13のいずれか一項に記載の機械的締結具の前駆体。