【0027】
本発明は、少なくとも1種のベタイン基を含むポリシロキサンを調製するための方法であって、
A)一般式Iのオルガノポリシロキサン:
【化1】
(式中、
R
1は、互いに独立に、同一または異なる、1〜20個の炭素原子を有する分岐または非分岐の脂肪族または芳香族炭化水素基、好ましくは1〜9個の炭素原子を有する非分岐脂肪族または芳香族炭化水素基、特に好ましくはメチル、エチルまたはフェニルであり、
R
2は、互いに独立に、同一または異なる、R
1基またはHであり、但し、少なくとも3個のR
2基はHであり、
aは、5〜500、好ましくは10〜250、特に15〜75であり、
bは、1〜50、好ましくは1〜20、特に3〜15であり、
cは、0〜10、好ましくは0〜5、特に0である)を、白金またはロジウム触媒の存在下に、一般式IIのビニルシロキサン:
【化2】
(式中、
R
1’は、互いに独立に、同一または異なる、1〜20個の炭素原子を有する分岐または非分岐の脂肪族または芳香族炭化水素基、好ましくは1〜9個の炭素原子を有する非分岐脂肪族または芳香族炭化水素基、特に好ましくはメチル、エチルまたはフェニルであり、
dは、10〜1000、好ましくは101〜750、特に201〜500である)に付加することによってSiH基を有する反応生成物を得る工程ステップであって、
但し、一般式Iのオルガノポリシロキサンが、一般式IIのビニルシロキサンを基準として少なくとも6倍、最大40倍モル過剰で存在する工程ステップと、
この反応生成物をさらに反応させる工程ステップB)であって、
B)遷移金属を触媒として、工程ステップA)の生成物のSiH基の一部または全部を、アルケニルおよびアルキニル化合物、特に、
【化3】
(式中、
R
3は、水素または1〜6個の炭素原子を有するアルキル、好ましくは水素であり、
R
4は、水素または1〜6個の炭素原子を有するアルキル、好ましくはメチルであり、
R
5は、互いに独立に、場合によりエーテル基を含む、同一または異なる2価の炭化水素基、好ましくはメチレンであり、
eは、0〜30、好ましくは0〜12、特に0〜6であり、
fは、0〜18、好ましくは0〜6、特に1であり、
gは、0〜2、好ましくは0〜1、特に0である)からなる群から選択されるアルケニル化合物から選択される、少なくとも1個のエポキシ基を有する少なくとも1種の化合物、特にアリルグリシジルエーテルに付加する工程ステップと、
C)場合により、さらに、遷移金属を触媒とし、工程ステップA)の生成物の残りのSiH基の一部または全部を、アルケニルおよびアルキニル化合物、例えば、α−オレフィンまたは二重結合を含むポリエーテル等から選択される少なくとも1種の化合物、特に、1−ドデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセンおよび一般式IIIのアリルポリエーテル:
【化4】
(式中、
R
6は、水素または1〜6個の炭素原子を有するアルキル、好ましくは水素またはメチル、特に水素であり、
R
7は、互いに独立に、場合によりエーテル基を含む、同一または異なる、1〜30個の炭素原子を有するアルキル、アリールまたはアルカリール基、好ましくはメチル、エチルまたはフェニル、特にメチルであり、
R
8は、1〜18個の炭素原子を有するアルキル基、酢酸基または水素、好ましくは1〜18個の炭素原子を有するアルキル基、酢酸基、特にメチルであり、
hは、0〜100、好ましくは1〜50、特に1〜30であり、
iは、0〜100、好ましくは1〜50、特に1〜30である)からなる群から選択される少なくとも1種の化合物に付加する工程ステップと、
D)工程ステップd1)および/またはd2)であって、工程ステップA)、B)および場合によりC)の後に得られるエポキシシロキサンの一部または全部を、
d1)一般式IVの少なくとも1種のアミノ酸誘導体:
【化5】
(式中、
R
9は、1〜6個の炭素原子を有するアルキル基、好ましくはメチルであり、
R
9’は、1〜6個の炭素原子を有するアルキル基、好ましくはメチルであり、
R
10は、互いに独立に、同一または異なる、場合によりエーテル、チオール、チオールエーテルもしくはヒドロキシル基を含む、1〜20個の炭素原子を有する分岐もしくは非分岐の脂肪族もしくは芳香族炭化水素基または水素、好ましくは水素であり、
jは、1〜10、好ましくは1〜3、特に1である)と反応させることにより、ベタイン基で変性されたシロキサンを得る工程ステップ;
d2)一般式V、VIおよびVIIの群から選択される少なくとも1種の2級または3級アミノ化合物:
【化6】
(式中、
R
11は、1〜6個の炭素原子を有するアルキル基、好ましくはメチルであり、
R
12は、水素または1〜6個の炭素原子を有するアルキル、好ましくは水素またはメチルであり、
R
13は、場合によりエーテル基を含む、1〜30個の炭素原子を有するアルキル、アリールまたはアルカリール基であり、
R
12’は、水素または1〜6個の炭素原子を有するアルキル、好ましくは水素またはメチルであり、
kは、0〜4、好ましくは1〜2、特に1であり、
R
14は、エチルまたはメチル、好ましくはメチルであり,
R
14’は、エチルまたはメチル、好ましくはメチルであり、
R
15は、場合によりエーテルまたはヒドロキシル基を含む、場合により分岐、飽和または不飽和の、1〜30個の炭素原子を有するアルキル基、好ましくは8〜22個の炭素原子を有する直鎖飽和アルキル基であり、
lは、0〜4、好ましくは1である)と反応させることにより、3級アミノ基または4級アンモニウム基で変性されたシロキサンを得る工程ステップであって、
但し、式VIIの場合または一般式VもしくはVIの3級アミン(すなわちR
12またはR
12’がHではない)の場合、この3級アミンに対し等モル量の酸H
+X
−
(X
−は、形成される4級アンモニウム基の正電荷に対応する同一または異なる対イオンであって、酸HXの無機または有機陰イオン、好ましくは、酢酸イオン、乳酸イオン、硫酸エチルイオン、硫酸メチルイオン、トルエンスルホン酸イオン、臭化物イオンまたは塩化物イオンから選択される対イオンである)が添加される、工程ステップと、
E)場合により、工程ステップd2)で2級アミンを使用した場合、すなわちR
12またはR
12’=Hである場合、
結果として得られる3級アミノ基を、
[Y(CH
2)
mCOO]
1/nZ 一般式VIII
(式中、
Y
−は、硫酸エチルイオン、硫酸メチルイオン、トルエンスルホン酸イオン、臭化物イオンまたは塩化物イオンであり、
Z
n+は、アルカリ金属またはアルカリ土類金属陽イオン、好ましくはNa
+またはK
+であり、
mは、1〜6、好ましくは1または2、特に1である)と反応させることによりベタイン基を得る工程ステップと
を含む方法を提供する。
【実施例】
【0057】
実施例:
実施例1:ベタイン変性されたポリシロキサンの調製:
撹拌器、環流冷却器、温度計および滴下漏斗を備えた4ツ口フラスコ内で、一般式CH
2=CH−SiMe
2O−(SiMe
2O)
348−SiMe
2−CH=CH
2のα,ω−ジビニルシロキサン65.0g(2.5mmol)およびアリルグリシジルエーテル(AGE)74.2g(650mmol)をトルエン200mlに溶解して100℃に加熱し、(NH
3)
2PtCl
24.3mgと混合した。一般式Me
3SiO−(SiMe
2O)
28(SiMeHO)
10SiMe
3のSiH官能性シロキサン141.5g(50.0mmolすなわちSiH基500.0mmol)を撹拌しながら滴下し、反応混合物を100℃で2時間反応させることによりSiH転化率を>95%とした。トルエン、過剰のAGEおよび他の揮発性の二次成分を分離するために反応生成物を120℃、1ミリバールで2時間減圧蒸留した。
【0058】
次いで、わずかに不透明なエポキシシロキサン生成物をイソプロパノール300mlに溶解し、N,N−ジメチルグリシン51.6g(500mmol)と混合し、80℃で6時間加熱した。プロピレングリコール315.2gを加えて、80℃、100ミリバールでイソプロパノールを減圧留去した。淡黄色のわずかに不透明な生成物を得た。これはプロピレングリコールを50%含んでおり、
1H−NMRによるエポキシの転化率は>98%である。
【0059】
実施例2:ベタイン変性されたポリシロキサンの調製:
撹拌器、環流冷却器、温度計および滴下漏斗を取り付けた4ツ口フラスコ内で、一般式CH
2=CH−SiMe
2O−(SiMe
2O)
348−SiMe
2−CH=CH
2のジビニルシロキサン65.0g(2.5mmol)およびアリルグリシジルエーテル(AGE)74.2g(650mmol)をトルエン250mlに溶解して100℃に加熱し、(NH
3)
2PtCl
24.9mgと混合した。一般式Me
3SiO−(SiMe
2O)
38(SiMeHO)
10SiMe
3のSiH官能性シロキサン178.6g(50.0mmolすなわちSiHを500.0mmol)を撹拌しながら滴下し、反応混合物を110℃で3時間反応させることによりSiH転化率を>95%とした。トルエン、過剰のAGEおよび他の揮発性の二次成分を分離するために反応生成物を120℃、1ミリバールで2時間減圧蒸留した。
【0060】
次いで、わずかに不透明なエポキシシロキサン生成物をイソプロパノール300mlに溶解し、N,N−ジメチルグリシン51.6g(500mmol)と混合して80℃で6時間加熱した。プロピレングリコール352.1gを加えて、100ミリバール、80℃でイソプロパノールを減圧留去した。淡黄色のわずかに不透明な生成物を得た。これはプロピレングリコールを50%含んでおり、
1H−NMRによるエポキシ転化率は>98%である。
【0061】
実施例3:ベタインおよびポリエーテルで変性されたポリシロキサンの調製:
撹拌器、環流冷却器、温度計および滴下漏斗を備えた4ツ口フラスコ内で、一般式Me
3SiO−(SiMe
2O)
28(SiMeHO)
10SiMe
3のSiH官能性シロキサン141.5g(50.0mmolすなわちSiHを500.0mmol)を初期仕込み物として装入し、これを120℃に加熱し、(シクロヘキセン)
2Pt
2Cl
411.6mgおよびN−エチル−N,N−ジイソプロピルアミン0.32gと混合した。アリルグリシジルエーテル(AGE)34.2g(300mmol)を撹拌しながら滴下し、120℃で1時間撹拌したままにした。次いで、一般式CH
2=CH−SiMe
2O−(SiMe
2O)
348−SiMe
2−CH=CH
2のジビニルシロキサン65.0g(2.5mmol)を加えて混合物をさらに1時間120℃で反応させた後、一般式H
2C=CH−CH
2−(OCH
2CH
2)
15−(OCH
2CH(CH
3))
7−OCH
3のアリルポリエーテル398.7g(350mmol)を滴下した。さらに(シクロヘキセン)
2Pt
2Cl
43.5mgを添加し、120℃で3時間経過した後のSiH転化率は>95%に到達した。過剰のAGEおよび他の揮発性の二次成分を分離するために、反応生成物の混合物を120℃、1ミリバールで2時間減圧蒸留した。
【0062】
次いで、乳白色の不透明なエポキシ−ポリエーテル−シロキサン生成物をイソプロパノール700mlに溶解し、N,N−ジメチルグリシン30.9g(300mmol)を混合して、80℃で6時間加熱した。プロピレングリコール670.0gを加えて、80℃、100ミリバールでイソプロパノールを減圧留去した。プロピレングリコール50%を含む淡黄色の不透明な生成物を得た。
【0063】
実施例4:ベタインおよびC12アルキルで変性されたポリシロキサンの調製:
撹拌器、環流冷却器、温度計および滴下漏斗を取り付けた4ツ口フラスコ内で、一般式CH
2=CH−SiMe
2O−(SiMe
2O)
248−SiMe
2−CH=CH
2のジビニルシロキサン61.3g(3.3mmol)、1−ドデセン33.7g(200mmol)およびアリルグリシジルエーテル(AGE)51.4g(450mmol)をトルエン300mlに溶解して100℃に加熱し、(NH
3)
2PtCl
24.4mgを混合した。一般式Me
3SiO(SiMe
2O)
28(SiMeHO)
10SiMe
3のSiH官能性シロキサン141.5g(50.0mmolすなわちSiHを500.0mmol)を撹拌しながら滴下し、反応混合物を100℃で4時間反応させてSiH転化率を>95%とした。トルエン、過剰のAGEおよびドデセンに加えて他の揮発性の二次成分を除去するために、反応生成物の混合物を120℃、1ミリバールで2時間減圧蒸留した。
【0064】
次いで、わずかに不透明なエポキシ−アルキル−シロキサン生成物をイソプロパノール300mlに溶解し、N,N−ジメチルグリシン36.1g(350mmol)と混合し、80℃で6時間加熱した。イソプロパノールを80℃、100ミリバールで減圧留去した。粘性の高いわずかに不透明な淡黄色の生成物を得た。
1H−NMRによるエポキシ転化率は>98%である。
【0065】
比較例5:
ベタイン基含有シロキサンABIL(登録商標)B 9950(Evonik Goldschmidt GmbHより市販、INCI:ジメチコンプロピルPG−ベタイン(Dimethicone Propyl PG-betaine);有効成分含有量(active content):30%)
【0066】
比較例6:
ポリエーテル基含有シロキサンDC 5324(Dow Corningより市販、INCI:PEG−12ジメチコン(PEG-12 Dimethocine))
【0067】
比較例7:
クワット基含有シロキサンABIL(登録商標)Quat 3272(Evonik Goldschmidt GmbHより市販、INCI:クオタニウム−80;有効成分含有量:50%)
【0068】
比較例8:
アミノ基含有シロキサンDC 2−8566(Dow Corningより市販、INCI:アモジメチコン(Amodimethicone))
【0069】
実施例9:ベタイン変性ポリシロキサンの調製:
撹拌器、環流冷却器、温度計および滴下漏斗を取り付けた4ツ口フラスコ内で、トルエン100ml中の一般式HMe
2SiO−(SiMe
2O)
55(SiMeHO)
8SiMe
2HのSiH官能性シロキサンを70.0g(14.9mmolすなわちSiHを149.0mmol)を初期仕込み物として導入して110℃に加熱し、(シクロヘキセン)
2Pt
2Cl
4を22.0mgおよびN−エチル−N,N−ジイソプロピルアミン0.06gと混合した。アリルグリシジルエーテル(AGE)8.4g(73.6mmol)を撹拌しながら滴下し、110℃で1時間撹拌したままにした。次いで、一般式CH
2=CH−SiMe
2O−(SiMe
2O)
348−SiMe
2−CH=CH
2のジビニルシロキサン20.4g(0.8mmol)を加えて混合物をさらに110℃で1時間反応させた後、アリルグリシジルエーテル11.0g(96.4mmol)を滴下した。110℃で3時間経過した後のSiH転化率は>95%に到達した。トルエン、過剰のAGEおよび他の揮発性の二次成分を分離するために反応生成物の混合物を120℃、1ミリバールで2時間減圧蒸留した。
【0070】
次いで、不透明なエポキシシロキサン生成物をイソプロパノール150mlに溶解し、N,N−ジメチルグリシン15.2g(149.0mmol)と混合し、80℃で6時間加熱した。プロピレングリコール122.5gを加えてイソプロパノールを80℃、100ミリバールで減圧留去した。淡黄色の不透明な生成物を得た。これはプロピレングリコール50%を含んでおり、
1H−NMRによるエポキシ転化率は>97%である。
【0071】
実施例10:ベタイン変性ポリシロキサンの調製:
撹拌器、環流冷却器、温度計および滴下漏斗を備えた4ツ口フラスコ内で、一般式CH
2=CH−SiMe
2O−(SiMe
2O)
248−SiMe
2−CH=CH
2のα,ω−ジビニルシロキサン54.1g(2.9mmol)およびアリルグリシジルエーテル(AGE)78.0g(683.4mmol)をトルエン300mlに溶解して100℃に加熱し、(NH
3)
2PtCl
25.7mgと混合した。一般式Me
3SiO−(SiMe
2O)
28(SiMeHO)
10SiMe
3のSiH官能性シロキサン166.9g(58.3mmolすなわちSiH基583.2mmol)を撹拌しながら滴下した。110℃で2時間経過した後の反応混合物のSiH転化率は>95%となる。トルエン、過剰のAGEおよび他の揮発性の二次成分を除去するために、反応生成物を120℃、1ミリバールで2時間減圧蒸留した。
【0072】
次いで、わずかに不透明なエポキシシロキサン生成物をイソプロパノール300mlに溶解し、N,N−ジメチルグリシン60.1g(583.2mmol)を混合して80℃で6時間加熱した。ジプロピレングリコール347gを加えてイソプロパノールを80℃、100ミリバールで減圧留去した。淡黄色のわずかに不透明な生成物を得た。これはプロピレングリコール50%を含み、
1H−NMRによるエポキシ転化率は>98%である。
【0073】
実施例11:ベタインおよびクワットで変性されたポリシロキサンの調製:
撹拌器、環流冷却器、温度計および滴下漏斗を備えた4ツ口フラスコ内で、一般式CH
2=CH−SiMe
2O−(SiMe
2O)
348−SiMe
2−CH=CH
2のα,ω−ジビニルシロキサン65.0g(2.5mmol)およびアリルグリシジルエーテル(AGE)74.2g(650mmol)をトルエン250mlに溶解して100℃に加熱し、(NH
3)
2PtCl
24.3mgと混合した。一般式Me
3SiO−(SiMe
2O)
28(SiMeHO)
10SiMe
3のSiH官能性シロキサン141.5g(50.0mmolすなわちSiH基500.0mmol)を撹拌しながら滴下し、反応混合物を100℃で2時間反応させることによってSiH転化率を>95%とした。トルエン、過剰のAGEおよび他の揮発性の二次成分を分離するために反応生成物を120℃、1ミリバールで2時間減圧蒸留した。
【0074】
次いで、不透明なエポキシシロキサン生成物をイソプロパノール250mlに溶解し、N,N−ジメチルグリシン45.7g(400.0mmol)およびN,N−ジメチルアミノエトキシエタノール13.3g(100.0mmol)および酢酸6.2g(103.0mmol)と混合して、80℃で6時間加熱した。プロピレングリコール329gを加えて、イソプロパノールを80℃、100ミリバールで減圧留去した。淡黄色の不透明な生成物を得た。これはプロピレングリコール50%を含み、
1H−NMRによるエポキシ転化率は>97%である。
【0075】
適用例:
適用性
組成物の構成成分の名称は、一般に知られているINCI命名法の形態で組成中に示す。
【0076】
適用例の濃度はすべて重量パーセントで示す。
【0077】
1.)官能性試験を用いたヘアコンディショニング試験:
ヘアコンディショニングの適用に関する評価を行うために、本発明による実施例1および2ならびに比較例5、6および8を単純なシャンプー組成物に使用した。
【0078】
シャンプーに使用した際の適用性を次の組成物で試験した:
【0079】
【表1】
【0080】
シャンプー組成物の特性を評価するために、試験過程ではリンスを用いる後処理を行わなかった。
【0081】
適用に関する評価を行うために、官能性試験に使用される毛束を標準化された方法でパーマネントウェーブ処理および脱色処理することによって予め損傷を与えておく。このために、慣用の整髪(hairdressing)を用いる。試験手順、使用する基本材料および評価基準については独国特許出願公開第10327871号に詳述されている。
【0082】
コンディショニング用試料を用いた、予め損傷させた毛束の標準化された処理:
上述したように予め損傷させておいた毛束を、上述のシャンプーを用いて次に示すように処理する:
毛束を流温水で湿らせる。余分な水分を手で優しく絞り、シャンプーを適用して毛髪に優しく浸透させる(1ml/毛束(2g))。1分放置した後、毛髪を1分間濯ぐ。
【0083】
官能性評価を行う前に、毛髪を大気湿度50%、25℃で少なくとも12時間風乾させる。
【0084】
評価基準:
1〜5段階で与えられる等級に従い官能性評価を行った。1が最も悪く、5が最も優れている。各試験基準ごとに個々の評価が与えられる。
試験基準は:湿潤時の櫛通り性、湿潤時の感触、乾燥時の櫛通り性、乾燥時の感触、外観/ツヤである。
【0085】
以下の表に、本発明の組成物1a、2a、比較組成物C3a、C4aおよびC5aならびに対照組成物0a(試験物質を含まないプラセボ)を用いて上述したように処理した毛束の官能性評価の結果を比較する。
【0086】
【表2】
【0087】
驚くべきことに、この結果から、本発明による実施例1および2を含む本発明による組成物1aおよび2aは、先行技術による比較例5、6および8を含む比較組成物C3a、C4aおよびC5aよりもはるかに評点が高いことがわかる。
【0088】
2.)手洗い試験を用いたスキンコンディショニング試験:
本発明による実施例1および2の水性界面活性剤組成物におけるスキンコンディショニング(スキンケア性能)を評価するために、官能性手洗い試験を実施して、先行技術に従う比較例5、6および8と比較した。
【0089】
比較例5、6および8はケア有効成分として当該産業に普及しており、水性界面活性剤組成物における非常に効果の高いケア有効成分と見なされているものである。
【0090】
10人の訓練された被験者からなるグループが規定の方法で手を洗い、泡の性質および触感を1(悪い)〜5(非常に良い)の評点を用いて評価した。
【0091】
使用した生成物は、それぞれ標準化された界面活性剤組成物(表3)中で試験した。使用した対照組成物0bは、有機変性シロキサンを添加していない組成物である。
【0092】
【表3】
【0093】
官能性試験の結果を表4にまとめる。
【0094】
【表4】
【0095】
表4に手洗い試験結果を示す。この測定結果から、本発明による実施例1および2を使用した本発明の組成物1bおよび2bは、先行技術による比較組成物C3b、C4bおよびC5bと比較すると、すべての適用性において優れていることが明らかである。
【0096】
これに基づき、本発明の組成物1bおよび2bの結果は非常に優れていると言える。
【0097】
この測定値から、組成物1bおよび2b中の本発明による実施例1および2は、比較例5、6および8よりも皮膚の性質を改善することが明らかである。さらに、この測定値から、シリコーン化合物を含まない対照組成物0bが他の試験組成物の測定値よりも劣っていることが分かる。
【0098】
3.)粘度への作用:
本発明による実施例1および2ならびに先行技術による比較例5、6、7および8の粘度に与える作用を検証するために、これらの化合物を、2種類の増粘剤であるNaClおよび市販品であるANTIL(登録商標)171(Evonik Goldschmidt GmbH;INCI:オレイン酸/ヤシ油脂肪酸PEG−18グリセリル(PEG-18 Glyceryl Oleate/Cocoate))を含む2種類の典型的なシャンプー組成物で試験した。典型的なシャンプー組成物には、塩基性コンディショナーすなわち吸着性ポリマー(deposition polymer)としてポリクオタニウム−10(PQ−10)0.2%を使用した(3a参照)。他の典型的なシャンプー組成物においては、塩基性コンディショナーすなわち吸着性ポリマーとしてグアークワット(guar quat)0.2%を使用した(3b参照)。
【0099】
この組成物を調製後25℃で24時間保管した後、ブルックフィールド粘度計(Brookfield LVF、スピンドル3、5rpm)を25℃で使用して粘度を測定した。
【0100】
3a)シャンプー組成物においてポリクオタニウム−10(PQ−10)を使用した場合の粘度への作用:
使用した対照組成物0cは、シリコーン化合物(コンディショナー)を添加せずPQ−10を0.2%を使用した組成物である。本発明の組成物1cおよび2cならびに比較組成物C3c、C4c、C5cおよびC6cの場合は、それぞれPQ−10に加えてシリコーン化合物0.5%を使用した。
【0101】
本発明による実施例1および2を含む組成物1cおよび2cの結果、先行技術による比較例5、6、7および8を含む組成物C3c、C4c、C5cおよびC6cの結果ならびにシリコーン化合物を添加しなかった組成物0c(試験組成物)の結果を表5にまとめる。
【0102】
【表5】
【0103】
【表6】
【0104】
表5の測定結果を参照すると、本発明による水性界面活性組成物1cおよび2cは、対照組成物0cと比較して、粘度が低下しないことが明白である。ごくわずかな粘度上昇さえ認められた。これとは対照的に、先行技術による比較組成物C3c、C4c、C5cおよびC6cの場合は、対照組成物0cと比較すると粘度が大幅に低下している。この粘度降下はシリコーン化合物を水性界面活性剤組成物に使用した場合に典型的なものであり、良好なコンディショニング性を有する組成物の開発の大きな妨げになる。PEG−12ジメチコンを使用した比較組成物C4cにおいては特に劇的な粘度降下が認められる。
【0105】
3b)シャンプー組成物においてグアークワットを使用した場合の粘度への作用:
使用した対照組成物0dはシリコーン化合物(コンディショナー)を添加せず、グアークワット0.2%を使用した組成物である。本発明の組成物1dおよび2dならびに比較組成物C3d、C4d、C5dおよびC6dの場合は、それぞれグアークワット0.2%に加えてシリコーン化合物0.5%を使用した。
【0106】
本発明による実施例1および2を含む組成物1dおよび2dの結果、先行技術による比較例5、6、7および8を含む組成物C3d、C4d、C5dおよびC6dの結果ならびにシリコーン化合物を添加しない対組成物0d(試験組成物)の結果を表6にまとめる。
【0107】
【表7】
【0108】
【表8】
【0109】
表6の測定結果を参照すると、本発明による水性界面活性組成物1dおよび2dは、対照組成物0dと比較して、粘度が低下していないことが明らかである。わずかな粘度上昇さえ認められた。
【0110】
これとは対照的に、先行技術による比較組成物C3d、C4d、C5dおよびC6dの場合は、比較組成物0dと比較すると粘度がかなり低下している。この粘度降下は水性界面活性組成物にシリコーン化合物を使用した場合に典型的なものであり、良好なコンディショニング性を有する組成物の開発の大きな妨げになる。PEG−12ジメチコンを使用した比較組成物C4dにおいては特に顕著な粘度降下が認められる。
【0111】
組成物例:
次の組成物例は、本発明によるポリシロキサンが多くの化粧料組成物に使用できることを示すものである。
【0112】
【表9】
【0113】
【表10】
【0114】
【表11】
【0115】
【表12】
【0116】
【表13】
【0117】
【表14】
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【表15】
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【表16】
【0120】
【表17】
【0121】
【表18】
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【表19】
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