特許第6042851号(P6042851)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6042851読み取り情報解析方法および光学情報読み取りシステム並びに情報コード撮像装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6042851
(24)【登録日】2016年11月18日
(45)【発行日】2016年12月14日
(54)【発明の名称】読み取り情報解析方法および光学情報読み取りシステム並びに情報コード撮像装置
(51)【国際特許分類】
   G06K 7/14 20060101AFI20161206BHJP
【FI】
   G06K7/14 013
【請求項の数】12
【全頁数】24
(21)【出願番号】特願2014-174299(P2014-174299)
(22)【出願日】2014年8月28日
(65)【公開番号】特開2016-51205(P2016-51205A)
(43)【公開日】2016年4月11日
【審査請求日】2015年9月3日
(73)【特許権者】
【識別番号】000000309
【氏名又は名称】IDEC株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000947
【氏名又は名称】特許業務法人あーく特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小森 保
【審査官】 福田 正悟
(56)【参考文献】
【文献】 特開2000−293612(JP,A)
【文献】 特開2000−155797(JP,A)
【文献】 特開2009−128080(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06K 7/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報コード撮像装置が情報コードを撮像することによって得られた撮像データに基づいて読み取り情報を解析する読み取り情報解析方法であって、
前記情報コード撮像装置が前記情報コードを撮像することによって得られたアナログ信号を、2値化処理前のデジタル信号に変換し、前記変換後のデジタル信号で成る撮像データに基づいて読み取り情報の解析を行い、
前記情報コード撮像装置が情報コードを撮像することによって得られた撮像データのデータ波形の一部でデータ出力が極端に小さくなっている場合には、解析結果として情報コードの品質不良が読み取りエラーの発生原因であると判断し、
前記情報コードと同一種類の他の情報コードが前記情報コード撮像装置によって撮像されたことで得られた撮像データのデータ波形においてデータ出力が極端に小さくなっている領域が、前回の同一種類の情報コードが撮像されたことで得られた撮像データのデータ波形においてデータ出力が極端に小さくなっている領域と同一である場合には、解析結果として情報コードの品質不良に代えて情報コード撮像装置の劣化または異常が読み取りエラーの発生原因であると判断し、
前記情報コードと同一種類の他の情報コードが前記情報コード撮像装置によって撮像されたことで得られた撮像データのデータ波形においてデータ出力が極端に小さくなっている領域が、前回の同一種類の情報コードが撮像されたことで得られた撮像データのデータ波形においてデータ出力が極端に小さくなっている領域と異なっている場合には、解析結果として外的要因が読み取りエラーの発生原因であると判断することを特徴とする読み取り情報解析方法。
【請求項2】
情報コード撮像装置が情報コードを撮像することによって得られた撮像データに基づいた読み取り情報の解析が可能な光学情報読み取りシステムであって、
前記情報コード撮像装置が前記情報コードを撮像することによって得られたアナログ信号を、2値化処理前のデジタル信号に変換するA/D変換部を備え、前記A/D変換部で変換された前記デジタル信号で成る撮像データに基づいて読み取り情報の解析を行い、
前記情報コード撮像装置が情報コードを撮像することによって得られた撮像データのデータ波形の一部でデータ出力が極端に小さくなっている場合には、解析結果として情報コードの品質不良が読み取りエラーの発生原因であると判断し、
前記情報コードと同一種類の他の情報コードが前記情報コード撮像装置によって撮像されたことで得られた撮像データのデータ波形においてデータ出力が極端に小さくなっている領域が、前回の同一種類の情報コードが撮像されたことで得られた撮像データのデータ波形においてデータ出力が極端に小さくなっている領域と同一である場合には、解析結果として情報コードの品質不良に代えて情報コード撮像装置の劣化または異常が読み取りエラーの発生原因であると判断し、
前記情報コードと同一種類の他の情報コードが前記情報コード撮像装置によって撮像されたことで得られた撮像データのデータ波形においてデータ出力が極端に小さくなっている領域が、前回の同一種類の情報コードが撮像されたことで得られた撮像データのデータ波形においてデータ出力が極端に小さくなっている領域と異なっている場合には、解析結果として外的要因が読み取りエラーの発生原因であると判断する構成とされていることを特徴とする光学情報読み取りシステム。
【請求項3】
請求項2に記載の光学情報読み取りシステムにおいて、
前記A/D変換部で変換された前記デジタル信号で成る撮像データのデータ波形を表示する表示部を備えていることを特徴とする光学情報読み取りシステム。
【請求項4】
請求項3に記載の光学情報読み取りシステムにおいて、
前記表示部には、前記データ波形に加えて、前記変換後の撮像データに基づいて得られる2値化データ、および、前記変換後の撮像データをデコードして得られるデコード情報のうち少なくとも一つが表示される構成となっていることを特徴とする光学情報読み取りシステム。
【請求項5】
請求項2に記載の光学情報読み取りシステムにおいて、
予め登録された2値化処理前のデジタル信号で成る基準撮像データと、前記基準撮像データと同一の撮像データを特定する情報コードを前記情報コード撮像装置が撮像することによって得られた前記変換後の撮像データとを比較する比較手段を備えていることを特徴とする光学情報読み取りシステム。
【請求項6】
請求項5に記載の光学情報読み取りシステムにおいて、
前記A/D変換部で変換された前記デジタル信号で成る撮像データのデータ波形を表示する表示部を備えており、
前記表示部には、前記データ波形に加えて、前記変換後の撮像データに基づいて得られる2値化データ、前記変換後の撮像データをデコードして得られるデコード情報、および、前記比較手段による比較結果である読み取り情報解析結果の情報のうち少なくとも一つが表示される構成となっていることを特徴とする光学情報読み取りシステム。
【請求項7】
請求項5または6に記載の光学情報読み取りシステムにおいて、
前記比較手段による前記基準撮像データと前記変換後の撮像データとの比較結果に基づいて、前記情報コード撮像装置の制御パラメータを補正する構成となっていることを特徴とする光学情報読み取りシステム。
【請求項8】
請求項3、4または6に記載の光学情報読み取りシステムにおいて、
前記情報コード撮像装置との間で前記撮像データの送受信が可能なホスト機器を備えており、前記表示部は、前記情報コード撮像装置または前記ホスト機器の少なくとも一方に設けられていることを特徴とする光学情報読み取りシステム。
【請求項9】
請求項5、6または7に記載の光学情報読み取りシステムにおいて、
前記情報コード撮像装置との間で前記撮像データの送受信が可能なホスト機器を備えており、前記比較手段は、前記情報コード撮像装置または前記ホスト機器の少なくとも一方に設けられていることを特徴とする光学情報読み取りシステム。
【請求項10】
請求項2に記載の光学情報読み取りシステムにおいて、
前記情報コード撮像装置との間で通信が可能なホスト機器を備えており、
前記撮像データをインターネット上の解析サイトに送信し、その解析サイトにおける解析結果を前記ホスト機器または前記情報コード撮像装置が受信する構成とされていることを特徴とする光学情報読み取りシステム。
【請求項11】
請求項2に記載の光学情報読み取りシステムにおいて、
ユーザがインターネット上の専用サイトにアクセスし、クラウドサービスによって解析用アプリケーションを使用することにより前記撮像データの解析が行われる構成とされていることを特徴とする光学情報読み取りシステム。
【請求項12】
請求項2〜9のうち何れか一つに記載の光学情報読み取りシステムに備えられる情報コード撮像装置であって、前記情報コードを撮像することによって得られたアナログ信号を、2値化処理前のデジタル信号に変換するA/D変換部を備えていることを特徴とする情報コード撮像装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バーコードに代表される情報コードの読み取りに伴って実施される読み取り情報解析方法、および、この読み取り情報解析方法を実施する光学情報読み取りシステム、並びに、この光学情報読み取りシステムに備えられる情報コード撮像装置に係る。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば特許文献1に開示されているように、一次元バーコードまたは二次元コード等の情報コードを製品等の表面に印刷し、または、情報コードを印刷したラベルを製品等に貼付し、情報コードリーダ(バーコードリーダ等の情報コード撮像装置)によって情報コードの光学パターンを読み取る光学情報読み取りシステムが知られている。この光学情報読み取りシステムでは、情報コードリーダで撮像した情報コードの光学パターンをデコードすることで、その製品等に固有のデータを取得する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000−155797号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、この種の光学情報読み取りシステムにおいて、情報コードリーダによって情報コードの光学パターンを読み取った際に、読み取りエラーが発生することがある。
【0005】
読み取りエラーが発生した場合には、その原因を究明する必要があるが、その際、読み取りエラーの発生状況を再現するために、この読み取りエラーが発生した情報コードそのものを入手する必要がある。つまり、その情報コードをセットメーカ(光学情報読み取りシステムを組み立てたメーカ)や製造メーカ(光学情報読み取りシステムを設計したメーカ)が入手して、実際にその情報コードを使用して読み取りエラーの発生状況を再現させ、この読み取りエラーの発生原因が、情報コードにあったのか、または、情報コードリーダにあったのか、あるいは、他に原因があったのかを検証する必要がある。読み取りエラーの発生原因が情報コードにある例としては、情報コードの印刷不良などが挙げられる。また、読み取りエラーの発生原因が情報コードリーダにある例としては、情報コードリーダの読み取り窓の汚れや投光源の光量不足などが挙げられる。その他の原因としては、電気的ノイズや外乱光などの外的要因が挙げられる。
【0006】
しかし、このような読み取りエラーの検証作業は、読み取りエラーの発生原因が情報コードリーダやその他の外的要因であると容易に推測できない場合、前記情報コードそのものの入手作業が必要であるために煩雑であった。また、読み取りエラーの発生原因が情報コードリーダであると推測され、情報コードリーダ自体を回収し解析しなければならない場合、システムの稼動停止を余儀なくされる。これらの検証作業は比較的長い期間を要するため、読み取りエラーの発生原因が明らかになるまでシステムの稼動を停止する場合にはシステムの停止期間が長くなってしまうことになる。
【0007】
また、前記読み取りエラーが発生した環境(読み取り精度に影響を与える要因であって、電気的ノイズや外乱光など)と同一環境を作ることが難しいため、検証作業において読み取りエラーの発生状況を再現できない可能性がある。この読み取りエラーの発生状況が再現できない場合には、読み取りエラーの発生原因を推定することが困難になる。
【0008】
なお、特許文献1には、情報コードリーダによって撮像された情報コードのデータを2値化処理することで2値化パターンを生成し、この2値化パターンを、基準となる標準パターンと比較することによって読み取りエラーの発生原因の解析を支援することが開示されている。しかし、この特許文献1に開示されている技術では、2値化されているパターン同士の対比によって読み取りエラーの発生原因の解析を支援するものであるため、前記2値化パターンを生成するデータ処理を行う際の閾値等の処理条件によっては、生成された2値化パターンと標準パターンとの間に差が生じ難くなり、読み取りエラーの発生原因の解析が困難になる可能性がある。つまり、2値化されたデータ同士の対比では、読み取りエラーの発生原因の究明に限界があった。
【0009】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、情報コードの読み取りエラーが発生した場合、または、読み取りエラーが発生する可能性がある場合に、その原因の推定が容易となる解析を可能とする読み取り情報解析方法および光学情報読み取りシステム並びに情報コード撮像装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記の目的を達成するために講じられた本発明の解決手段は、情報コード撮像装置が情報コードを撮像することによって得られた撮像データに基づいて読み取り情報を解析する読み取り情報解析方法であって、前記情報コード撮像装置が前記情報コードを撮像することによって得られたアナログ信号を、2値化処理前のデジタル信号に変換し、前記変換後のデジタル信号で成る撮像データに基づいて読み取り情報の解析を行い、前記情報コード撮像装置が情報コードを撮像することによって得られた撮像データのデータ波形の一部でデータ出力が極端に小さくなっている場合には、解析結果として情報コードの品質不良が読み取りエラーの発生原因であると判断し、前記情報コードと同一種類の他の情報コードが前記情報コード撮像装置によって撮像されたことで得られた撮像データのデータ波形においてデータ出力が極端に小さくなっている領域が、前回の同一種類の情報コードが撮像されたことで得られた撮像データのデータ波形においてデータ出力が極端に小さくなっている領域と同一である場合には、解析結果として情報コードの品質不良に代えて情報コード撮像装置の劣化または異常が読み取りエラーの発生原因であると判断し、前記情報コードと同一種類の他の情報コードが前記情報コード撮像装置によって撮像されたことで得られた撮像データのデータ波形においてデータ出力が極端に小さくなっている領域が、前回の同一種類の情報コードが撮像されたことで得られた撮像データのデータ波形においてデータ出力が極端に小さくなっている領域と異なっている場合には、解析結果として外的要因が読み取りエラーの発生原因であると判断することを特徴とする。
【0011】
前記の目的を達成するために講じられた本発明の他の解決手段は、情報コード撮像装置が情報コードを撮像することによって得られた撮像データに基づいた読み取り情報の解析が可能な光学情報読み取りシステムであって、前記情報コード撮像装置が前記情報コードを撮像することによって得られたアナログ信号を、2値化処理前のデジタル信号に変換するA/D変換部を備え、前記A/D変換部で変換された前記デジタル信号で成る撮像データに基づいて読み取り情報の解析を行い、前記情報コード撮像装置が情報コードを撮像することによって得られた撮像データのデータ波形の一部でデータ出力が極端に小さくなっている場合には、解析結果として情報コードの品質不良が読み取りエラーの発生原因であると判断し、前記情報コードと同一種類の他の情報コードが前記情報コード撮像装置によって撮像されたことで得られた撮像データのデータ波形においてデータ出力が極端に小さくなっている領域が、前回の同一種類の情報コードが撮像されたことで得られた撮像データのデータ波形においてデータ出力が極端に小さくなっている領域と同一である場合には、解析結果として情報コードの品質不良に代えて情報コード撮像装置の劣化または異常が読み取りエラーの発生原因であると判断し、前記情報コードと同一種類の他の情報コードが前記情報コード撮像装置によって撮像されたことで得られた撮像データのデータ波形においてデータ出力が極端に小さくなっている領域が、前回の同一種類の情報コードが撮像されたことで得られた撮像データのデータ波形においてデータ出力が極端に小さくなっている領域と異なっている場合には、解析結果として外的要因が読み取りエラーの発生原因であると判断する構成としている。
【0012】
これらの特定事項により、情報コードを撮像することによって得られたアナログ信号から変換された2値化処理前のデジタル信号に基づく解析を行うことによって、情報コードの品質、情報コード撮像装置の劣化や異常、外的要因といった読み取りエラーの発生原因となり得る要素の解析を容易に行うことが可能になる。このため、読み取りエラーが発生した情報コードそのものを入手して読み取りエラーの発生状況を再現するといった作業は必要なくなり、読み取りエラーが発生した場合に、その原因を容易に推定することが可能になる。
【0013】
また、読み取りエラーの発生原因が、情報コードにあったのか、または、情報コード撮像装置にあったのか、あるいは、他にあったのかを検証できるばかりでなく、その読み取りエラーの発生原因を具体的に推定することができる。例えば、読み取りエラーの発生原因が情報コードの印刷不良であった場合には、その印刷不良の発生箇所を前記撮像データから推定することができる。また、読み取りエラーの発生原因が情報コード撮像装置の読み取り窓の汚れであった場合には、その汚れの発生箇所を前記撮像データから推定することができる。また、読み取りエラーの発生原因が情報コード撮像装置の投光源の光量不足であった場合には、その光量の不足量を前記撮像データ(撮像データの出力振幅等)から推定することができる。さらに、読み取りエラーの発生原因が外的要因(例えば電気的ノイズ)であった場合には、その外的要因の影響度合いを前記撮像データから推定することができる。このように、本解決手段では、2値化処理前のデジタル信号によって読み取り情報の解析を行うことにより、情報コードの品質の悪化の程度、情報コード撮像装置の劣化度合い、情報コード撮像装置の異常発生の可能性の大きさ、外的要因の影響度合い等を解析することが可能になる。
【0014】
また、前記A/D変換部で変換された前記デジタル信号で成る撮像データのデータ波形を表示する表示部を備えさせることが好ましい。
【0015】
これにより、撮像データのデータ波形に基づく解析が可能となり、情報コードの品質、情報コード撮像装置の劣化や異常、外的要因といった読み取りエラーの発生原因となり得る要素の解析を容易に行うことが可能になる。
【0016】
また、前記表示部に、前記データ波形に加えて、前記変換後の撮像データに基づいて得られる2値化データ、および、前記変換後の撮像データをデコードして得られるデコード情報のうち少なくとも一つを表示する構成とすることが好ましい。
【0017】
これによれば、前記撮像データのデータ波形、前記2値化データ、および、前記デコード情報を対比することで、情報コード撮像装置の制御パラメータの最適化を図ることができる。例えば、2値化データやデコード情報が、撮像データのデータ波形を正確に反映したものとなっていない場合には、情報コード撮像装置の投光源の光量、撮像データから2値化データを生成するための閾値、信号の増幅率などといった制御パラメータを調整することにより、撮像データのデータ波形を正確に反映した2値化データおよびデコード情報を得ることが可能になる。つまり、制御パラメータの最適化を図ることによって、情報コードの読み取り精度の向上を図ることができる。
【0018】
また、予め登録された2値化処理前のデジタル信号で成る基準撮像データと、前記基準撮像データと同一の撮像データを特定する情報コードを前記情報コード撮像装置が撮像することによって得られた前記変換後の撮像データとを比較する比較手段を備えさせることが好ましい。
【0019】
この特定事項により、情報コード撮像装置の自己診断を行う場合、予め登録された基準撮像データと同一の撮像データを特定する情報コードを情報コード撮像装置によって撮像する。そして、この撮像によって得られた撮像データ(以下、取得撮像データという)と前記予め登録された基準撮像データとを比較手段によって比較する。このように2値化処理前のデジタル信号同士を比較することにより、前記取得撮像データが前記基準撮像データに対してどの程度乖離しているか(乖離の度合い)を解析することができる。
【0020】
また、取得撮像データと基準撮像データとの比較により、情報コード撮像装置の不具合を推定できると共に、情報コードの読み取り精度が高く維持されているか否か(安定した読み取り精度をもって情報コードが読み取れているか否か)についても解析することができる。例えば、基準撮像データに対して取得撮像データの一部分が欠落している場合には、その部分で情報コード撮像装置の読み取り窓が汚れている可能性があることを推定できる。また、例えば、基準撮像データに対して取得撮像データの出力振幅が全体に亘って小さくなっている場合には、投光源の光量が不足している可能性があることを推定できる。この場合に、読み取りエラーが発生している場合には、その原因が投光源の光量にあることを推定でき、読み取りエラーが未だ発生していない場合には投光源の光量不足が原因で読み取りエラーが発生する可能性があることを推定でき、さらには読み取りエラーが発生するまでのマージン(読み取りエラーが発生するまでの光量マージン)も解析することができる。
【0021】
この比較手段を備えさせた構成においても、前記A/D変換部で変換された前記デジタル信号で成る撮像データのデータ波形を表示する表示部を備えさせることが好ましい。この場合、前記表示部には、前記データ波形に加えて、前記変換後の撮像データに基づいて得られる2値化データ、前記変換後の撮像データをデコードして得られるデコード情報、および、前記比較手段による比較結果である読み取り情報解析結果の情報のうち少なくとも一つを表示する構成とすることが好ましい。
【0022】
前記比較手段による比較結果である読み取り情報解析結果の情報を表示させるようにした場合には、その解析結果の取得が容易になる。
【0023】
また、前記比較手段による前記基準撮像データと前記変換後の撮像データとの比較結果に基づいて、前記情報コード撮像装置の制御パラメータを補正する構成とすることが好ましい。
【0024】
例えば情報コード撮像装置の投光源の光量が不足している場合には、前記変換後の撮像データ(取得撮像データ)の波形振幅が基準撮像データの波形振幅に比べて小さくなる。そして、その偏差が所定値を越えている場合には、投光源の光量が不足していることに起因して読み取りエラーが発生している、または、読み取りエラーが発生する可能性が高いため、取得撮像データの波形振幅が大きくなるように情報コード撮像装置の制御パラメータを補正する。例えば、投光源の光量を大きくするように、その制御値を補正する。これにより、制御パラメータの最適化を図ることができ、情報コードの読み取り精度の向上を図ることができる。
【0025】
また、前記情報コード撮像装置との間で前記撮像データの送受信が可能なホスト機器を備えており、前記表示部は、前記情報コード撮像装置または前記ホスト機器の少なくとも一方に設けられている。また、前記比較手段も、前記情報コード撮像装置または前記ホスト機器の少なくとも一方に設けられている。
また、前記情報コード撮像装置との間で通信が可能なホスト機器を備えており、前記撮像データをインターネット上の解析サイトに送信し、その解析サイトにおける解析結果を前記ホスト機器または前記情報コード撮像装置が受信する構成とされていてもよい。
また、ユーザがインターネット上の専用サイトにアクセスし、クラウドサービスによって解析用アプリケーションを使用することにより前記撮像データの解析が行われる構成とされていてもよい。
【0026】
また、前述した光学情報読み取りシステムに備えられる情報コード撮像装置も本発明の技術的思想の範疇である。つまり、前記情報コードを撮像することによって得られたアナログ信号を、2値化処理前のデジタル信号に変換するA/D変換部を備えた情報コード撮像装置である。
【発明の効果】
【0027】
本発明では、情報コード撮像装置が情報コードを撮像することによって得られたアナログ信号を、2値化処理前のデジタル信号に変換し、このデジタル信号に基づいて読み取り情報の解析を行うようにしている。このため、読み取りエラーが発生した場合に、その読み取りエラーが発生した際の撮像データを解析することが可能になるので、読み取りエラーが発生した情報コードそのものを入手して読み取りエラーの発生状況を再現するといった煩雑な作業は必要なくなる。また、読み取りエラーの発生原因を容易に推定することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】第1実施形態に係る光学情報読み取りシステムにおけるバーコード読み取り動作を説明するための模式図である。
図2】第1実施形態に係る光学情報読み取りシステムにおける解析用情報送信動作を説明するための模式図である。
図3】バーコードリーダの構成を示すブロック図である。
図4】読み取りエラー発生時におけるバーコード撮像データのデータ波形、2値化データ、デコード結果の情報、および、解析結果の情報を表示したホスト機器の表示画面の一例を示す図である。
図5】読み取りエラーが発生していない場合におけるバーコード撮像データのデータ波形、2値化データ、デコード結果の情報、および、解析結果の情報を表示したホスト機器の表示画面の一例を示す図である。
図6】バーコードリーダにおける解析用情報の送信動作の手順を示すフローチャート図である。
図7】ホスト機器における解析用情報の受信動作の手順を示すフローチャート図である。
図8】投光源の光量が不足している場合におけるバーコード撮像データのデータ波形、2値化データ、デコード結果の情報、および、解析結果の情報を表示したホスト機器の表示画面の一例を示す図である。
図9】第2実施形態に係る光学情報読み取りシステムにおける基準撮像データ取得動作を説明するための模式図である。
図10】第2実施形態に係る光学情報読み取りシステムにおける比較処理動作を説明するための模式図である。
図11】基準撮像データのデータ波形の一例を示す図である。
図12】バーコードの印刷不良等に起因して読み取りエラーが発生している場合における取得撮像データのデータ波形の一例を示す図である。
図13】投光源の光量不足等に起因して読み取りエラーが発生している場合における取得撮像データのデータ波形の一例を示す図である。
図14】変形例に係る光学情報読み取りシステムにおける基準撮像データ取得動作を説明するための模式図である
図15】変形例に係る光学情報読み取りシステムにおける比較処理動作を説明するための模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。本実施形態は、バーコード(一次元の情報コード)を読み取る光学情報読み取りシステムに本発明を適用した場合について説明する。
【0030】
(第1実施形態)
図1は、本実施形態に係る光学情報読み取りシステム1におけるバーコード読み取り動作を説明するための模式図である。また、図2は、本実施形態に係る光学情報読み取りシステム1における解析用情報送信動作を説明するための模式図である。
【0031】
これらの図に示すように、光学情報読み取りシステム1は、ホスト機器2およびバーコードリーダ(情報コード撮像装置)3を備えており、これらホスト機器2とバーコードリーダ3との間で情報(信号やデータ)の送受信が可能となっている。
【0032】
−ホスト機器−
ホスト機器2は、パーソナルコンピュータ等で成り、光学情報読み取りシステム1の全体の管理および制御を行っている。具体的に、このホスト機器2は、バーコードリーダ3へ読み取り要求信号を送信したり、バーコードリーダ3からのデータ(後述する解析用情報等)を受信するものである。例えば、ホスト機器2からバーコードリーダ3へ読み取り要求信号が送信されると、バーコードリーダ3は、後述するバーコード撮像動作を開始する。
【0033】
−バーコードリーダ−
図3は、バーコードリーダ3の構成を示すブロック図である(ホスト機器2については破線で示している)。この図3に示すように、バーコードリーダ3は、投光系5、受光系6、信号処理系7を備えている。
【0034】
投光系5は、LED(Light Emitting Diode;投光源)51,51からの光を投光レンズ52,52を経てバーコード4に投射するものである。この投光系5は、バーコード4の位置を想定した仮想の投光平面において左右方向(図3における上下方向)に長く、上下方向(図3における紙面に直交する方向)に幅の狭い帯状の光Lfを投射するようになっている。
【0035】
バーコード4は、例えば印刷やダイレクトマーキングなどによって対象物に表示された白黒の縞模様からなる。この縞模様の並ぶバーコード4の長手方向を含むように、前記投射光Lfの投射される範囲は左右方向に所定の長さ(例えば100mmくらい)以上とされ、上下方向には10mmくらいの帯状となっている。
【0036】
また、本実施形態に係るバーコードリーダ3の投光系5は、左右両側に1つずつ、LED51,51および投光レンズ52,52が配設されている。LED51,51は、表面実装タイプのもので、投光系の電気回路の基板(図示せず)に実装されている。
【0037】
受光系6は、例えばC−MOS(Complementary Metal-Oxide Semiconductor)やCCD(Charge-Coupled Device)等の固体撮像素子を一次元に配列したラインセンサ61を備えており、バーコード4からの反射光Lrが、窓部材62を通過して受光レンズ63によって集光されて、ラインセンサ61の受光面にバーコード4の像を結像させる。こうしてラインセンサ61の受光面に結像したバーコード4の像の明暗に対応して、ラインセンサ61から電気信号が出力される。前記窓部材62は、透明な帯状の樹脂板で、波長の短い光をカットする光学的なフィルタとして機能する。
【0038】
前記ラインセンサ61と受光レンズ63との間には、IRカットフィルタ64が配設されている。IRカットフィルタ64は主に赤外光をカットする光学的なフィルタであり、前述した窓部材62と共働して、反射光Lrから不要な波長の光(ノイズ)を除去することができる。これによりバーコード情報の読み取り精度が向上する。また、受光レンズ63の手前(光路の上流側)にはバーコード4からの反射光Lrを絞る絞り部65が設けられている。
【0039】
信号処理系7は、前記ラインセンサ61の受光面に結像したバーコード4の像(縞模様の明暗)に応じて、ラインセンサ61から出力される電気信号(アナログ信号)を受け、バーコード情報を読み取る。具体的に、この信号処理系7は、増幅回路71、A/D変換部72、制御部73、メモリ74および通信インタフェース75を備えており、ラインセンサ61からの出力信号をハードウェア的およびソフトウェア的に信号処理するものである。
【0040】
本実施形態では、図示しないメイン基板上に実装されているマイクロプロセッサによって、前記A/D変換部72および制御部73が構成されており、ラインセンサ61からの出力信号(アナログ信号)は、増幅回路71によって増幅された後にマイクロプロセッサに入力されて、内蔵のA/D変換部72によってデジタル信号に変換される。
【0041】
前記A/D変換部72では、ラインセンサ61から出力され且つ増幅回路71によって増幅されたアナログ信号(例えば電圧値)が数ビットのデジタル信号(例えば量子化された10ビットのデジタル信号)に変換される。つまり、このA/D変換部72では、2値化処理前のデジタル信号(量子化されたデジタル信号)で成る撮像データが生成される。このアナログ信号をデジタル信号(量子化されたデジタル信号)に変換する手法は周知であるため、ここでの説明は省略する。A/D変換部72で生成されたデジタル信号(撮像データ)は、バーコード4が撮像される度に取得されて前記メモリ74に一時的に記憶される。
【0042】
制御部73は、主にCPU、システムバス、入出力インタフェース等からなり、バーコードリーダ3全体を制御する機能を有する。すなわち、制御部73は、メモリ74に格納されている所定のプログラムを実行することにより、LED51,51の駆動回路に制御指令を送り、所定のタイミングでLED51,51を発光させるとともに、これに同期して増幅回路71にラインセンサ61の出力信号を受け入れ、前記のような処理を行う。
【0043】
また、制御部73は、バーコードリーダ3で撮像したバーコード4の光学パターン(A/D変換部72で生成された撮像データに基づく光学パターン)をデコードする処理を実行し、そのデコード処理が適正に行われたか否か(デコード結果によって製品(バーコード4が表示された製品)が特定される状況にあるか否か)を判定し、その判定結果を、通信インタフェース75を介してホスト機器2に送信する。デコード処理が適正に行われた場合には、その製品に固有のデータの取得が可能になる。
【0044】
具体的には、デコード処理が適正に行われた場合(読み取りエラーが発生していない場合)には、バーコード読み取り結果として「OK判定」がなされ、例えば「ACK信号」と共に「OK信号」がバーコードリーダ3からホスト機器2に送信される(図1を参照)。これにより、製品に固有のデータが取得される。例えば、デコード結果に対応する製品情報がホスト機器2に記憶されており、この製品情報を読み出すことで製品に固有のデータが取得される。一方、デコード処理が適正に行われなかった場合(読み取りエラーが発生した場合)には、バーコード読み取り結果として「NG判定」がなされ、「NG信号」がバーコードリーダ3からホスト機器2に送信される。
【0045】
また、本実施形態では、マイクロプロセッサ内蔵のA/D変換部72を複数チャンネル使用し、例えば2つのチャンネルを並行して動作させることにより、前述したデジタル信号への変換速度を向上させている。
【0046】
−読み取り情報の解析−
以下、本実施形態の特徴について説明する。図2に示すように、本実施形態に係る光学情報読み取りシステム1は、ホスト機器2からの解析用情報取得要求に応じて、バーコードリーダ3からホスト機器2に解析用情報が送信されるようになっている。この解析用情報は、前記A/D変換部72において生成されたものであって、アナログ信号(ラインセンサ61から受信した電圧値)が数ビットのデジタル信号に変換された前記撮像データである。つまり、この解析用情報は、前述した2値化処理前のデジタル信号で成る撮像データである。
【0047】
具体的には、例えば、バーコード4の読み取りエラーが発生するなどして(前記NG信号がホスト機器2に送信されるなどして)、ホスト機器2からバーコードリーダ3に解析用情報取得要求がなされると(解析用情報取得要求信号が送信されると)、このバーコードリーダ3から、解析用情報としてバーコード4の撮像データ(2値化処理前のデジタル信号で成る撮像データ)が送信されるようになっている。
【0048】
また、ホスト機器2は表示部(表示画面)21を備えており、ホスト機器2が前記撮像データ(解析用情報)をバーコードリーダ3から受信した際には、この表示部21に、前記撮像データのデータ波形(量子化波形)が表示される。また、このデータ波形に加えて、前記撮像データに基づいて得られる2値化データ、前記撮像データをデコードして得られるデコード結果の情報、および、後述する解析結果の情報も表示部21に表示されるようになっている。前記2値化データを生成するための手法、および、前記デコードを行う手法は周知であるため、ここでの説明は省略する。これらデータ波形、2値化データ、デコード結果の情報、および、解析結果の情報の表示については後述する。
【0049】
以下、ホスト機器2に前記解析用情報の送信を行うためのバーコードリーダ3の構成について具体的に説明する。
【0050】
図1および図2に示すように、前記バーコードリーダ3の制御部73は、解析用情報要求受信部77、および、解析用情報送信部78を備えている。
【0051】
解析用情報要求受信部77は、前記ホスト機器2からの解析用情報取得要求信号を受信する部分である。この解析用情報取得要求信号は、例えば作業者がホスト機器2を操作することによってホスト機器2からバーコードリーダ3に送信されるようになっていてもよいし、ホスト機器2がバーコードリーダ3から「NG信号」を受信した場合に自動的にバーコードリーダ3に送信されるようになっていてもよい。また、ホスト機器2が前記「NG信号」および「OK信号」の何れを受信した場合にも解析用情報取得要求信号が自動的にバーコードリーダ3に送信されるようになっていてもよい。以下の説明では、この「NG信号」および「OK信号」の何れを受信した場合にも解析用情報取得要求信号が自動的にバーコードリーダ3に送信される場合を例に挙げて説明する。
【0052】
解析用情報送信部78は、前記ホスト機器2から解析用情報取得要求信号を受信すると、メモリ74から前記撮像データ(2値化処理前のデジタル信号で成る撮像データ)を読み出し、この撮像データを解析用情報として通信インタフェース75を介してホスト機器2に送信する。つまり、解析用情報送信部78は、ホスト機器2からの解析用情報取得要求に呼応して撮像データをホスト機器2に送信する。
【0053】
一方、ホスト機器2は、前記バーコードリーダ3から送信された撮像データ(解析用情報)と、予め記憶された基準撮像データとを比較する比較部(比較手段)22を備えている。なお、この基準撮像データは、バーコード4が正常に撮像された場合の撮像データ(2値化処理前のデジタル信号で成る撮像データ)であって、予めホスト機器2に入力されたものである。つまり、バーコードリーダ3によってバーコードが正常に読み取られた場合には、比較部22での比較処理において、読み取り動作によって得られた撮像データ(以下、取得撮像データと呼ぶ場合もある)は基準撮像データに略合致する。一方、バーコードの読み取りエラーが発生した場合には、比較部22での比較処理において、取得撮像データは基準撮像データから乖離することになる(詳しくは後述する)。
【0054】
また、前述したように、ホスト機器2が前記撮像データをバーコードリーダ3から受信した際、ホスト機器2の表示部21には、前記撮像データのデータ波形が表示される。また、このデータ波形に加えて、前記撮像データに基づいて得られる2値化データ、前記撮像データをデコードして得られるデコード結果の情報、および、解析結果の情報も表示部21に表示されるようになっている。なお、この解析結果の情報を表示するにあたっては、前記比較部22が、前記取得撮像データと前記基準撮像データとを比較し、その比較結果に基づいて、読み取りエラーの発生原因、または、読み取りエラーが発生する可能性がある要因についての解析を行い、その解析結果が表示部21に表示されることになる(この解析結果については後述する)。
【0055】
図4は、前記撮像データを受信したホスト機器2の表示部21の表示例を示している。この図4に示す表示例では、最上段から、前記撮像データのデータ波形、前記2値化データ、前記デコード結果の情報、前記解析結果の情報が順に表示されている。
【0056】
なお、この図4に示す表示例は、バーコード4の読み取りエラー(例えばバーコード4の印刷不良に起因する読み取りエラー等)が発生した場合であって、撮像データのデータ波形の中央部分ではデータ出力が極端に小さくなっている。また、それに伴い、2値化データでは、この中央部分が、バーコード4の白色部分に相当するデータ表示となっている。また、デコード結果としては「NG」が表示されており、デコード後の製品に対応する数字については表示されていない。また、前記比較部22での比較の結果、解析結果の情報としては、例えば「バーコード印刷不良」と表示される。この図4に示す表示例は、1つのバーコード4に対してバーコードリーダ3による撮像を行った際に読み取りエラーが発生した場合のものである。
【0057】
なお、同一種類の他のバーコード4が撮像された場合にも同様(図4と同様)の撮像データのデータ波形が得られた場合には、バーコードリーダ3の窓部材62に汚れがある(窓部材62の中央部分に汚れがある)と判断し、解析結果の情報の表示としては、「バーコード印刷不良」に代えて「バーコードリーダの窓の汚れ」と表示される。これは、複数のバーコード4が撮像された場合に同様の撮像データのデータ波形が得られる状況では、読み取りエラーの発生原因としては「バーコード印刷不良」よりも「バーコードリーダの窓の汚れ」の可能性の方が高いことを考慮したものである。
【0058】
また、同一種類の他のバーコード4が撮像された場合に、データ出力が極端に小さくなっている領域が、撮像データのデータ波形の中央部分以外の部分に現れた場合、つまり、データ出力が極端に小さくなっている領域が変化する(データ波形の左右方向に変化する)場合には、電気的ノイズ等の外的要因が読み取りエラーの発生原因であると判断し、解析結果の情報としてその旨の表示が行われる。これは、複数のバーコード4を撮像する度に、データ出力が極端に小さくなっている領域が変化する状況では、読み取りエラーの発生原因としては「バーコード印刷不良」や「バーコードリーダの窓の汚れ」ではなく、電気的ノイズ等の外的要因の可能性が高いことを考慮したものである。
【0059】
なお、ここでは、データ波形のデータ出力が極端に小さくなっている領域が存在する場合について説明したが、データ波形のデータ出力が極端に大きくなっている領域が存在する場合においても同様の判断がなされる。
【0060】
図5に示す表示例は、バーコード4の読み取りエラーが発生していない場合における撮像データのデータ波形、2値化データ、デコード結果の情報、解析結果の情報を示している。この図5に示す表示画面は、撮像データのデータ波形においてデータ出力(例えば電圧値)が極端に大きくなっている領域や極端に小さくなっている領域は存在していない。また、それに伴い、2値化データは、バーコード4の光学パターンを正確に再現したものとなっている。また、デコード結果の情報としては、「OK」が表示されており、バーコード4によって特定される製品に対応する数字が表示されている。また、前記比較部22での比較の結果、解析結果の情報としては、例えば「正常」と表示される。
【0061】
次に、前記バーコードリーダ3における解析用情報の送信動作について説明する。図6は、このバーコードリーダ3における解析用情報の送信動作の手順を示すフローチャートである。このフローチャートに示す動作は、光学情報読み取りシステム1の電源がONされている状態で前記制御部73において所定時間毎に繰り返し実行される。
【0062】
まず、ステップST1において、ホスト機器2からの読み取り要求信号を受信したか否かを判定する。この読み取り要求信号は、例えば作業者がホスト機器2を操作することによってホスト機器2からバーコードリーダ3に送信される。また、その他の条件に応じて読み取り要求信号が送信されるようになっていてもよい。
【0063】
読み取り要求信号を受信していない場合には、ステップST1でNO判定され、未だバーコード4を読み取るタイミングではないとしてリターンされる。一方、読み取り要求信号を受信した場合には、ステップST1でYES判定され、ステップST2に移って、バーコード4の読み取り動作を実行する。つまり、前記LED51に制御信号を送信して撮像動作を実行すると共に、前述した如くバーコードリーダ3で撮像したバーコード4の光学パターンをデコードすることで、その製品に固有のデータを取得するための動作を実行する。
【0064】
ステップST3では、バーコード読み取り結果をホスト機器2に送信する。つまり、デコード処理が適正に行われた場合(読み取りエラーが発生していない場合)には、バーコード読み取り結果として「OK判定」がなされ、「OK信号」がバーコードリーダ3からホスト機器2に送信されることになる。一方、デコード処理が適正に行われなかった場合(読み取りエラーが発生した場合)には、バーコード読み取り結果として「NG判定」がなされ、「NG信号」がバーコードリーダ3からホスト機器2に送信されることになる。
【0065】
図1は、このようなホスト機器2からバーコードリーダ3への読み取り要求信号の送信状態、および、バーコードリーダ3からホスト機器2へのバーコード読み取り結果の送信状態を示している。
【0066】
その後、ステップST4に移り、ホスト機器2から解析用情報取得要求信号を受信したか否かを判定する。解析用情報取得要求信号を受信していない場合には、ステップST4でNO判定され、ホスト機器2に解析用情報を送信するタイミングではない、または、ホスト機器2は解析用情報を要求していないとしてリターンされる。一方、解析用情報取得要求信号を受信した場合には、ステップST4でYES判定され、ステップST5に移って、前記撮像データ(解析用情報)をメモリ74から読み出しホスト機器2に向けて送信する。この撮像データの送信は、前記解析用情報送信部78によって実行される。図2は、このようなホスト機器2からバーコードリーダ3への解析用情報取得要求信号の送信状態、および、バーコードリーダ3からホスト機器2への解析用情報(撮像データ)の送信状態を示している。
【0067】
このようにしてホスト機器2に向けて撮像データを送信した後、ステップST6に移り、前記メモリ74に記憶されていた撮像データを消去する。
【0068】
以上の動作が、ホスト機器2から読み取り要求信号が送信される度に実行されることになる。
【0069】
次に、前述したバーコードリーダ3における解析用情報の送信動作に連動して行われるホスト機器2における解析用情報の受信動作について説明する。図7は、このホスト機器2における解析用情報の受信動作の手順を示すフローチャートである。このフローチャートに示す動作は、光学情報読み取りシステム1の電源がONされている状態で前記ホスト機器2において所定時間毎に繰り返し実行される。
【0070】
まず、ステップST11において、バーコードリーダ3から撮像データ(解析用情報)を受信したか否かを判定する。撮像データを受信していない場合には、ステップST11でNO判定され、比較部22での比較処理を行うことなく、且つホスト機器2の表示部21への表示動作を行うことなくリターンされる。一方、バーコードリーダ3から撮像データを受信した場合には、ステップST11でYES判定され、ステップST12に移って、受信した撮像データ(バーコードリーダ3から受信した取得撮像データ)と前記基準撮像データとの比較を行う。この比較処理は、前記比較部22によって行われる。
【0071】
この比較の結果、基準撮像データに対する取得撮像データの乖離が所定量未満である場合にはステップST13でNO判定され、ステップST14に移って、ホスト機器2の表示部21に、例えば図5で示したような、撮像データのデータ波形、2値化データ、デコード結果の情報、解析結果の情報(「正常」)が表示される。なお、このように解析結果の情報として「正常」が表示される場合としては、前述したように、ホスト機器2が前記「NG信号」および「OK信号」の何れを受信した際にも解析用情報取得要求信号が自動的にバーコードリーダ3に送信される場合において、ホスト機器2が「OK信号」を受信した場合である。
【0072】
一方、基準撮像データに対する取得撮像データの乖離が所定量以上である場合、または、この乖離が所定量以上となっている領域が存在している場合にはステップST13でYES判定され、ステップST15に移って、ホスト機器2の表示部21に、例えば図4で示したような、撮像データのデータ波形、2値化データ、デコード結果の情報、解析結果の情報(「エラー原因推定情報」;例えば「バーコード印刷不良」)が表示される。
【0073】
なお、前記解析結果の情報として「正常」と表示するか「エラー原因推定情報」を表示するかを判別するための前記乖離の所定量としては、実験やシミュレーションによって適宜設定されている。
【0074】
以上の動作が、バーコードリーダ3から解析用情報が送信される度に実行されることになる。
【0075】
以上説明したように、本実施形態では、ホスト機器2からの解析用情報取得要求信号をバーコードリーダ3が受信すると、このバーコードリーダ3から撮像データ(解析用情報)をホスト機器2に送信し、このホスト機器2の表示部21に、前記撮像データのデータ波形等を表示するようになっている。このため、このデータ波形に基づく解析を行うことによって(本発明でいう読み取り情報解析方法を実施することによって)、バーコード4の品質、バーコードリーダ3の劣化や異常、外的要因といった読み取りエラーの発生原因となり得る要素の解析を容易に行うことが可能になる。従って、読み取りエラーが発生したバーコードそのものを入手して読み取りエラーの発生状況を再現するといった作業は必要なくなり、読み取りエラーの発生原因を容易に推定することが可能になる。
【0076】
また、撮像データを解析することで、読み取りエラーの発生原因が、バーコード4にあったのか、または、バーコードリーダ3にあったのか、あるいは、他にあったのかを検証できるばかりでなく、その読み取りエラーの発生原因を具体的に推定することができる。例えば、読み取りエラーの発生原因がバーコード4の印刷不良であった場合には、その印刷不良の発生箇所を前記撮像データから推定することができる。また、読み取りエラーの発生原因がバーコードリーダ3の窓部材62の汚れであった場合には、その汚れの発生箇所を前記撮像データから推定することができる。また、読み取りエラーの発生原因がバーコードリーダ3の投光源(LED51)の光量不足であった場合には、その光量の不足量を前記データ波形(データ波形の振幅等)から推定することができる。さらに、読み取りエラーの発生原因が外的要因(例えば電気的ノイズ)であった場合には、その外的要因の影響度合いを前記撮像データから推定することができる。このように、本実施形態では、2値化処理前のデジタル信号によって読み取り情報の解析を行うことにより、バーコード4の品質の悪化の程度、バーコードリーダ3の劣化度合い、バーコードリーダ3の異常発生の可能性の大きさ、外的要因の影響度合い等を解析することが可能になる。
【0077】
例えば、前述したように、ホスト機器2の表示部21に図4に示した表示がなされた場合には、バーコード4の中央部分に印刷不良が生じていたことが原因で読み取りエラーが発生していると推定できる。また、前述したように、他のバーコード4が撮像された場合にも同様の撮像データのデータ波形(図4に示したデータ波形)が得られた場合には、バーコードリーダ3の窓部材62に汚れがあると判断できる。また、他のバーコード4が撮像された場合に、データ出力が極端に小さくなっている領域が、撮像データのデータ波形の中央部分以外の部分に現れた場合(図4に示した表示とは異なった場合)、つまり、データ出力が極端に小さくなっている領域が変化する場合には、電気的ノイズ等の外的要因が読み取りエラーの発生原因であると推定できる。
【0078】
また、ホスト機器2の表示部21に図8に示した表示がなされた場合には、データ波形の振幅が全体的に小さくなっていることから、バーコードリーダ3のLED51の光量不足(投光量不足)が生じていると推定できる。この場合、LED51の光量を高めるように補正することで、LED51の光量不足を解消でき、適正なバーコード読み取り動作を実行させることが可能になる。
【0079】
また、このようにLED51の光量を高めるように補正した場合に、他のバーコード4を撮像した際にも同様の撮像データのデータ波形(図8に示したデータ波形)が得られた場合には、バーコードリーダ3の窓部材62の全体に亘って汚れがあると推定できる。また、他の複数のバーコード4を撮像する度にデータ波形の振幅が変化する場合(図8に示したデータ波形の振幅とは異なった振幅となる場合)には、バーコードの印刷不良(印刷薄)が原因で読み取りエラーが発生していると推定できる。
【0080】
また、本実施形態では、ホスト機器2の表示部21に表示されているデータ波形、2値化データ、および、デコード結果の情報を対比することで、バーコードリーダ3の制御パラメータの最適化を図ることができる。例えば、2値化データやデコード結果の情報が、データ波形を正確に反映したものとなっていない場合には、LED51の光量、撮像データから2値化データを生成するための閾値、前記増幅回路71における信号の増幅率などといった制御パラメータを調整することにより、データ波形を正確に反映した2値化データおよびデコード結果の情報を得ることが可能になる。つまり、制御パラメータの最適化を図ることによって、情報コードの読み取り精度の向上を図ることができる。
【0081】
また、前記比較部22によるデータ比較により、バーコード4の読み取り精度が高く維持されているか否か(安定した読み取り精度をもってバーコード4が読み取れているか否か)についても解析することができる。例えば、例えば、基準撮像データに対して取得撮像データの出力振幅が全体に亘って小さくなっている場合には、LED51の光量が不足している可能性があることを推定でき、この場合に、読み取りエラーが発生している場合(LED51の光量が規定値に達していないことで読み取りエラーが発生している場合)には、その読み取りエラーの原因がLED51の光量にあることを推定でき、読み取りエラーが未だ発生していない場合(LED51の光量は規定値に達しているものの十分な光量が得られていない場合)にはLED51の光量不足が原因で読み取りエラーが発生する可能性があることを推定でき、さらには読み取りエラーが発生するまでのマージン(読み取りエラーが発生するまでのLED51の光量マージン)も解析することができる。
【0082】
(第2実施形態)
次に、第2実施形態について説明する。前記第1実施形態は、光学情報読み取りシステム1の運用中に読み取り情報の解析を行うものであった。本実施形態では、光学情報読み取りシステム1の運用開始時に読み取り情報の解析を行うものである。光学情報読み取りシステム1の全体構成は前記第1実施形態のものと同様であるので、ここでは、前記第1実施形態との相違点について主に説明する。
【0083】
図9は、本実施形態に係る光学情報読み取りシステム1における基準撮像データ取得動作を説明するための模式図である。また、図10は、本実施形態に係る光学情報読み取りシステム1における比較処理動作を説明するための模式図である。
【0084】
これらの図に示すように、本実施形態に係る光学情報読み取りシステム1も、ホスト機器2およびバーコードリーダ(情報コード撮像装置)3を備えており、これらホスト機器2とバーコードリーダ3との間で情報(信号やデータ)の送受信が可能となっている。
【0085】
以下、本実施形態の特徴について説明する。本実施形態に係る光学情報読み取りシステム1では、図9に示すように、システムの運用前に、バーコードリーダ3のメモリ74に基準撮像データが予め登録される。具体的には、バーコードリーダ3のメモリ74には、基準撮像データ記憶部74aおよび取得撮像データ記憶部74bが設けられており、前記基準撮像データが基準撮像データ記憶部74aに予め登録されている。
【0086】
そして、システムの運用開始時には、図10に示すように、この基準撮像データと同一の撮像データを特定するバーコード(基準サンプル)4をバーコードリーダ3が撮像することによって得られた撮像データ(取得撮像データ)が取得撮像データ記憶部74bに記憶され、この取得撮像データと、前記基準撮像データ記憶部74aに登録されている基準撮像データとが、制御部73に備えられた比較部(比較手段)79において比較される。そして、基準撮像データに対する取得撮像データの乖離量を解析し、この乖離量が所定量以上である場合、または、この乖離が所定量以上となっている領域が存在している場合には、読み取りエラーの発生原因となる不具合が存在していると推定する。また、この比較により、読み取りエラーの発生原因となる不具合が推定される。そして、この推定された読み取りエラーの発生原因の情報は、比較結果情報としてホスト機器2に通知される。また、前記乖離量が所定量未満である場合には、読み取りエラーの発生原因は存在していないと判断され、その情報が、比較結果情報としてホスト機器2に通知される。
【0087】
具体的には、図9に示すように、光学情報読み取りシステム1の運用前に、正確に印刷されたバーコード4の基準サンプルをバーコードリーダ3によって撮像し、この撮像によって得られた撮像データを基準撮像データとして前記基準撮像データ記憶部74aに記憶させておく。この基準撮像データは、前記A/D変換部72において、ラインセンサ61から受信したアナログ信号(例えば電圧値)が数ビットのデジタル信号(例えば量子化された10ビットのデジタル信号)に変換されたものである。つまり、このA/D変換部72では、2値化処理前のデジタル信号(量子化されたデジタル信号)で成る撮像データが生成され、この生成されたデジタル信号(撮像データ)が基準撮像データとして前記基準撮像データ記憶部74aに一時的に記憶される。図11は、この基準撮像データのデータ波形の一例である。
【0088】
そして、図10に示すように、光学情報読み取りシステム1の運用開始時に、前述した運用前と同様に、正確に印刷されたバーコード4の基準サンプルをバーコードリーダ3によって撮像し、この撮像によって得られた撮像データを取得撮像データとして前記取得撮像データ記憶部74bに記憶させる。この取得撮像データも、前記A/D変換部72において、ラインセンサ61から受信したアナログ信号(例えば電圧値)が数ビットのデジタル信号(例えば量子化された10ビットのデジタル信号)に変換されたものである。
【0089】
そして、前記基準撮像データ記憶部74aに記憶されている基準撮像データと、前記運用開始時に取得されて前記取得撮像データ記憶部74bに記憶された取得撮像データとを比較部79において比較する。そして、この比較結果をホスト機器2に通知する(図10を参照)。
【0090】
つまり、運用開始時に取得された取得撮像データの波形が、基準撮像データの波形(図11を参照)と略同一波形であった場合には、バーコードリーダ3によるバーコード4の撮像は良好に行われているとして、ホスト機器2には、比較結果として「正常」である旨の通知を行う。
【0091】
一方、運用開始時に取得された取得撮像データの波形が、基準撮像データの波形から乖離している場合には、読み取りエラーが発生しているとし、これらデータ波形の比較から読み取りエラーの発生原因を推定して、その情報をホスト機器2に通知する。この読み取りエラーの発生原因の推定は、前述した第1実施形態の場合と同様に行われる。
【0092】
例えば、取得撮像データの波形が、図12に示すデータ波形であった場合、取得撮像データのデータ波形の中央部分ではデータ出力が極端に小さくなっていることから、読み取りエラーの発生原因を「バーコードの印刷不良」と推定して、その情報をホスト機器2に通知する。
【0093】
また、この運用開始時に、他のバーコード4を撮像した場合にも同様(図12と同様)の取得撮像データの波形が得られた場合には、バーコードリーダ3の窓部材62に汚れがあると判断し、その情報をホスト機器2に通知する。
【0094】
また、運用開始時に、他のバーコード4を撮像した場合に、取得撮像データの波形のデータ出力が極端に小さくなっている領域が、取得撮像データのデータ波形の中央部分以外の部分に現れた場合、つまり、データ出力が極端に小さくなっている領域が変化する場合には、電気的ノイズ等の外的要因が読み取りエラーの原因であると判断し、その情報をホスト機器2に通知する。
【0095】
また、例えば、運用開始時に取得された取得撮像データのデータ波形が、図13に示すデータ波形であった場合、データ波形の振幅が全体的に小さくなっていることから、読み取りエラーの発生原因を「LED51の光量不足」と推定して、その情報をホスト機器2に通知する。なお、この場合、LED51の光量を高めるように補正することで、LED51の光量不足を解消でき、適正なバーコード読み取り動作を実行させることが可能になる。
【0096】
また、このようにLED51の光量を高めるように補正した場合に、他のバーコード4を撮像した際にも同様(図13と同様)の取得撮像データの波形が得られた場合には、バーコードリーダ3の窓部材62の全体に亘って汚れがあると判断し、その情報をホスト機器2に通知する。
【0097】
また、他の複数のバーコード4を撮像する度に取得撮像データの波形の振幅が変化する場合(図13に示したデータ波形の振幅とは異なった振幅となった場合)には、バーコードの印刷不良(印刷薄)が原因で読み取りエラーが発生していると判断し、その情報をホスト機器2に通知する。
【0098】
(変形例)
次に、前記第2実施形態の変形例について説明する。前記第2実施形態は、取得撮像データと基準撮像データとの比較をバーコードリーダ3において行うものとなっていた。本変形例は、取得撮像データと基準撮像データとの比較をホスト機器2において行うようにしている。以下、具体的に説明する。
【0099】
図14は、本変形例に係る光学情報読み取りシステム1における基準撮像データ取得動作を説明するための模式図である。また、図15は、本変形例に係る光学情報読み取りシステム1における比較処理動作を説明するための模式図である。
【0100】
本変形例に係る光学情報読み取りシステム1では、システムの運用前に、バーコードリーダ3で得られた基準撮像データがホスト機器2に送信され、このホスト機器2のメモリ23に設けられた基準撮像データ記憶部23aに予め登録される。そして、システムの運用開始時に、この基準撮像データと同一の撮像データを特定するバーコード4をバーコードリーダ3が撮像することによって得られた取得撮像データを、前記メモリ23に設けられた取得撮像データ記憶部23bに記憶させ、これら基準撮像データと取得撮像データとをホスト機器2の比較部22において比較する。そして、基準撮像データに対する取得撮像データの乖離量を解析し、この乖離量が所定量以上である場合、または、この乖離が所定量以上となっている領域が存在している場合には、読み取りエラーの発生原因となる不具合が存在していると推定する。また、この比較により、読み取りエラーの発生原因となる不具合が推定される。
【0101】
具体的には、図14に示すように、光学情報読み取りシステム1の運用前に、正確に印刷されたバーコード4の基準サンプルをバーコードリーダ3によって撮像し、この撮像によって得られた基準撮像データをホスト機器2に送信して、この基準撮像データを、ホスト機器2の基準撮像データ記憶部23aに記憶させておく。この基準撮像データは、前記バーコードリーダ3のA/D変換部72において、ラインセンサ61から受信したアナログ信号(例えば電圧値)が数ビットのデジタル信号(例えば量子化された10ビットのデジタル信号)に変換されたものである。つまり、このA/D変換部72では、2値化処理前のデジタル信号(量子化されたデジタル信号)で成る撮像データが生成され、この生成されたデジタル信号(基準撮像データ)がホスト機器2の基準撮像データ記憶部23aに一時的に記憶される。
【0102】
そして、図15に示すように、光学情報読み取りシステム1の運用開始時に、前述した運用前と同様に、正確に印刷されたバーコード4の基準サンプルをバーコードリーダ3によって撮像し、この撮像によって得られた取得撮像データを、ホスト機器2の取得撮像データ記憶部23bに記憶させる。この取得撮像データも、前記バーコードリーダ3のA/D変換部72において、ラインセンサ61から受信したアナログ信号(例えば電圧値)が数ビットのデジタル信号(例えば量子化された10ビットのデジタル信号)に変換されたものである。
【0103】
そして、前記ホスト機器2において、メモリ23に記憶されている基準撮像データと取得撮像データとを比較する。
【0104】
つまり、運用開始時に取得された取得撮像データのデータ波形が、基準撮像データのデータ波形と略同一波形であった場合には、バーコードリーダ3によるバーコード4の撮像は良好に行われている判断する。
【0105】
一方、運用開始時に取得された取得撮像データのデータ波形が、基準撮像データのデータ波形から乖離している場合には、読み取りエラーが発生しているとし、これらデータ波形の比較から読み取りエラーの発生原因を推定する。
【0106】
その他の構成およびエラー発生原因の推定手法は前記第2実施形態の場合と同様である。
【0107】
−他の実施形態−
以上説明した各実施形態および変形例は、バーコード(一次元の情報コード)を読み取る光学情報読み取りシステム1に本発明を適用した場合について説明した。本発明はこれに限らず、QRコード(登録商標)等の二次元コードを読み取る光学情報読み取りシステムに対しても適用が可能である。
【0108】
また、前記各実施形態および変形例では、読み取りエラーの発生原因を一つに推定して表示部に表示するものとしていた。これに限らず、複数の読み取りエラーの発生原因に対して、可能性の高いものから順に表示させる(順位付けして表示させる)構成としてもよい。例えば、前述した「バーコードリーダ3の窓部材62の汚れ」、「バーコード4の印刷不良」、「バーコードリーダ3の投光源の光量不足」といった複数の読み取りエラーの発生原因を順位付けして表示させるものである。
【0109】
また、前記各実施形態および変形例では、信号処理系7において、ラインセンサ61から出力されるアナログ信号をマイクロプロセッサに内蔵のA/D変換部72によって信号変換しているが、これに限らず、A/D変換部72をマイクロプロセッサとは別の部品によって構成することもできる。
【0110】
また、前記第1実施形態では、データ波形の解析をホスト機器2において実行するものとしていた。本発明は、これに限らず、データ波形の解析をバーコードリーダ3において実行するようにしてもよい。この場合、バーコードリーダ3に表示画面を備えさせ、前記各情報(撮像データのデータ波形、2値化データ、デコード結果の情報、解析結果の情報)をこの表示画面上に表示させる構成としてもよい。
【0111】
また、本発明は、撮像データをインターネット上の解析サイトに送信し、その解析サイトにおける解析結果をホスト機器2またはバーコードリーダ3が受信するといった解析手法(解析サイトによる解析サービス;所謂ワンストップサービス)にも適用することができる。また、この場合、解析サイトの運営者は読み取りエラーの発生原因や難読バーコードの情報を収集することができ、この情報を、光学情報読み取りシステム1の改良や設計に役立てることができる。
【0112】
さらには、光学情報読み取りシステム1のユーザが、インターネット上の専用サイトにアクセスし、クラウドサービスによって解析用アプリケーションを使用して前記撮像データの解析を行うといった利用形態にも本発明は適用が可能である。
【産業上の利用可能性】
【0113】
本発明は、バーコードの読み取りエラーが発生した際に、そのエラーの発生原因を推定する光学情報読み取りシステムに適用可能である。
【符号の説明】
【0114】
1 光学情報読み取りシステム
2 ホスト機器
21 表示部
22 比較部(比較手段)
23 メモリ
3 バーコードリーダ(情報コード撮像装置)
4 バーコード(情報コード)
7 信号処理系
72 A/D変換部
73 制御部
74 メモリ
77 解析用情報要求受信部
78 解析用情報送信部
79 比較部(比較手段)
図1
図2
図3
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