(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記複数の凝集体の第1の寸法が前記担持層の厚さより大きく、前記第2の導電層が少なくとも前記複数の凝集体の複数個に対して置かれ、前記第2の導電層と前記担持層の間に間隔を提供する請求項10記載の位置検出装置。
前記第1の導電層が透明であり、かつ第1の透明基板上に形成され、前記第2の導電層が透明であり、かつ第2の導電性基板上に形成され、当該位置検出装置が透明であるように前記担持層が透明である請求項10ないし12のいずれか1項記載の位置検出装置。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[実施態様の詳細な説明]
(
図1)
図1に示す電気応答性複合材料101は基板102に適用される。材料は、架橋可能であり、溶媒ベースで、熱又は紫外線硬化性を有するポリマーバインダ103に分散した電気的に活性な充填材料粒子を含む。組成物を制御して混合することによって、充填材料は分散した凝集体の形態であり、各凝集体は複数の充填材料粒子からなる。適切な基板上への付与の後、架橋し、溶媒蒸発し、熱又は紫外線硬化して残留ポリマー中に凝集体104が分散して残る。
【0010】
充填材料を液状担体に混ぜるための混合工程例について、以下に詳細に説明する。各場合において、より小さい粒子の所望の凝集は、混合工程の慎重な制御によって達成される。しかしながら、混合物が界面活性剤(又は湿潤剤)を実質的に含んでいないことも注目できる。もし、含んでいれば、液状ポリマーバインダ内でより小さい粒子の分散が補助され、所望の凝集が防止されるであろう。すなわち、混合物は界面活性剤を全く含まないか、又は混合過程にいささかの効果も及ぼさない低濃度の界面活性剤が存在するかである。
【0011】
(
図2)
図2に示す凝集体104は、より小さい粒子201で構成される。ポリマーバインダ101は、不透明、半透明、実質的に透明であり、架橋、溶媒蒸発又は硬化後にそのようであってもよい。凝集体(
図2では非常に拡大されて示されている)の寸法と分散は、肉眼では見ることができない。このように、凝集体がそのような大きさなので、電気応答性複合材料の薄いコーティングが光学的に充填材料粒子の添加なしと実質的に同様に見える。凝集体を肉眼で見ることができないか、事実上見ることができないためには、凝集体の最大寸法は40マイクロメートル未満に保たれる。しかしながら、好適な実施態様において、凝集体の最大寸法は5ないし15マイクロメートルの間である。
さらに、凝集体は分散しているので、それらがxy平面の非常に小さな面積を占め、拡大後にのみ見える。
【0012】
一実施形態において、より小さい粒子201はアンチモンを添加した酸化錫の粒子である。これらは、球状であり得る、又は複合体の電気的及び機械的特性を変えるために成形されてもよい。例えば、針形状のより小さい粒子は、凝集に影響を及ぼし、電界補助電子トンネルを促進し、印加圧力に対する組成物の電気感度を増加させる。幾つかの別の実施形態において、より小さい粒子は球状粒子と針状粒子(すなわち1:1より大きなアスペクト比を有する針形状の粒子)の混合物であり、前記より小さい粒子の各々は導電性又は半導体材料で形成されている。針状粒子タイプに対する球状の割合を選択することによって、最終生産物の圧力感度を選ぶことができる。
【0013】
更なる代替実施形態において、より小さい粒子は予め形成された顆粒の形であり、例えばWO99/38173に記載されているがそれらには限定されない。この種の顆粒は、ポリマーバインダの非常に薄い層で被覆された電気的活性粒子を含む。この種の顆粒のバインダに対する充填材料の相対量を変えると、本質的に導電性(顆粒中のバインダに対する充填材料の割合が高い)から本質的に絶縁性(顆粒中のバインダに対する充填材料の割合が低い)に電気的応答を変えることができる。組成物における凝集体の成形中への電気的活性充填材料のような顆粒の封入は、組成物の電気的性質に影響を及ぼす。
【0014】
代替実施形態において、粒子202として図示したように、複合材料は誘電性充填材料も含むことができる。誘電性充填材料粒子202は、ヒュームドシリカ又は他の誘電体粒子であってもよい。誘電体粒子の添加は、複合材料の光学的性質を維持するために少量とすることができる、又は光学的性質を変えるためにより多くの量とすることができる。誘電体粒子の添加によっても、抵抗−力応答を変えることができる。
【0015】
代替実施形態において、複合材料中のバインダとして導電材料を含むことが可能であり、平らなxy次元と比較的薄い寸法を有する平坦構造を定義するために配置されるときに、印加圧力のレベル次第である程度に、凝集体がz方向の平面に実質的に正常な導電を許すと共に、導電材料自身は定義されたxy平面の導電を容易にする。一実施形態において、導電材料が本質的に導電性ポリマーであることが可能である。導電性ポリマーは、例えば、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)ポリ(スチレンスルホン酸)(PEDOT/PSS)であり得る。あるいは、導電材料は浸透性組成物であり得る。この浸透性組成物は、金属性又はカーボンナノワイア粒子の分散体という形態をとってもよい。
【0016】
(
図3)
図3は、以下の処方による第1の組成物サンプルについて、力に対してプロットした抵抗を示すグラフ表示である。
50gのセリコル(Sericol)VA401 APRニス(アクリル及びポリビニル樹脂と有機溶剤の混合物を含むニス)が容器へ静かに注入された。次に10gのセリコル(Sericol)ZV558型溶媒が添加された。混合物はシナジー・デバイシス社(Synergy Devices Limited)製スピードミキサ(SpeedMixer)(商標)DAC150.1 FVZ二重非対象遠心分離研究ミキサシステムにて3500rpmで2分間混合された。次いで、0.1gのイシハラ社(Ishihara Corporation)によって提供された導電性粉末SN100P型がこの混合物に添加された。SN100Pは、球状形のアンチモニ添加酸化錫粉末であり、約0.02ミクロンの平均粒径を有する。処方物は上記スピードミキサ(SpeedMixer)(商標)にて更に3500rpmで2分間混合された。
【0017】
処方物は、ITO塗布ポリ(エチレンテレフタレート)(PET)シート上にスクリーン印刷された。溶媒蒸発は90℃にて0.5時間行われた。走査電子顕微鏡(SEM)分析により、充填材料粒子が分散して約1から10ミクロンサイズの凝集体形状になったことが示された。アセンブリの透明度は、ITO単独での透明度値の約98%であることが測定された。検査のために第2のITO塗布PETシートが最上部電極として使用された。
アセンブリの抵抗−力応答は、500ニュートン(N)ロードセル付きのインストロン5543型シングルカラム試験システムを使用して測定された。直径8mmのゴム・プローブがロードセルに取り付けられ、アセンブリに0Nから5Nまでの増加する力、装置への応用において典型的に使用される力の範囲、が印加された。
図3から、印加力が0Nから5Nまで増加するにつれ、アセンブリの抵抗が段階的に約12,000オームから1,700オームまで変わったことがわかる。
【0018】
異なるSN100P添加量について同様な抵抗−力応答が測定された。上記したポリマー/溶媒液中へ0.05gと1gの間のSN100Pの添加について調査された。SN100Pの添加量が増加すると、アセンブリを低い抵抗値で作動させる効果が表われ、アセンブリの透明度が減少する効果が示された。このように、充填材料に対するニスの割合を上限約50:1及び下限約1000:1(重量/重量)までで使用できることが判明した。しかしながら、好適な実施形態において、充填材料に対するニスの割合は少なくとも100:1であり、なお更なる好適な実施形態において、良好な電気的特性を提供しながら透明度を最適化するためには、上記割合は200:1と1000:1の間であった。
【0019】
上記した混合方法の変形において、粉末はニスへの添加前に溶媒と予め混合される。一例として、導電性粉末0.1グラムは容器内で5グラムの溶媒に添加される。この混合物は、次いで二重非対象遠心分離研究ミキサシステムを使用して3500rpmで2分間混合される。次に、混合された混合物はSericol VA401 APRニス50gに添加され、そして、ニス溶媒と粒子の混合物は、次いでミキサにて3500rpmで2分間混合される。
このように、これらの各実施形態において、ポリマーバインダは1つ又はそれ以上のポリマーと1つ又はそれ以上の溶媒を含む混合物であり、溶媒は蒸発して固化ポリマー層が残る。しかしながら、別の実施形態において、バインダは固化ポリマー層を提供するために重合可能な物質であってもよい。例えば、そのような一実施形態において、バインダは紫外線硬化可能樹脂である。
【0020】
(
図4)
図4は、以下の処方による第2の組成物サンプルについて、力に対してプロットした抵抗を示すグラフ表示である。
50gのセリコル(Sericol)VA401 APRニスが容器へ静かに注入された。次に10gのセリコル(Sericol)ZV558型溶媒が添加された。混合物はシナジー・デバイシス社(Synergy Devices Limited)製スピードミキサ(SpeedMixer)(商標)DAC150.1 FVZ二重非対象遠心分離研究ミキサシステムにて3500rpmで2分間混合された。次いで、0.1gのイシハラ社(Ishihara Corporation)によって提供された導電性粉末F10SP型がこの混合物に添加された。F10SPは、針形状のアンチモニ添加酸化錫粉末であり、0.2から2.0ミクロンの長さで0.01から0.02ミクロンの直径を有する。そのアスペクト比は約20から30の間で変化する。処方物は上記スピードミキサ(SpeedMixer)(商標)にて更に3500rpmで2分間混合された。
【0021】
処方物は、ITO塗布ポリ(エチレンテレフタレート)(PET)シート上にスクリーン印刷された。溶媒蒸発は90℃にて0.5時間行われた。走査電子顕微鏡(SEM)分析により、充填材料粒子が再び分散して凝集体形状になったことが示された。第2のITO塗布PETシートが検査のために最上部電極として使用された。
アセンブリの抵抗−力応答は、
図3の組成物1について説明されたように測定された。
図4から、印加力が0Nから5Nまで増加するにつれ、アセンブリの抵抗が段階的に約10,000オームから750オームまで変わったことがわかる。
低い力での応答は、
図3の組成物1で観察した応答より速い。これは、異なる粒子形による凝集の相違と、針状粒子の先端からの電界補助電子トンネル(効果)の促進に依る。
【0022】
(
図5)
図5は、以下の処方による第3の組成物サンプルについて、力に対してプロットした抵抗を示すグラフ表示である。
50gのセリコル(Sericol)VA401 APRニスが容器へ静かに注入された。次に10gのセリコル(Sericol)ZV558型溶媒が添加された。混合物はシナジー・デバイシス社(Synergy Devices Limited)製スピードミキサ(SpeedMixer)(商標)DAC150.1 FVZ二重非対象遠心分離研究ミキサシステムにて3500rpmで2分間混合された。次いで、0.1gのイシハラ社(Ishihara Corporation)によって提供された導電性粉末SN100P型がこの混合物に添加された。SN100Pは、処方物は上記スピードミキサ(SpeedMixer)(商標)にて更に3500rpmで2分間混合された。更に0.1gのアエロシル(Aerosil)(商標)R972型ヒュームドシリカ(平均粒径16ナノメータ)が処方物に添加され、上記スピードミキサ(SpeedMixer)(商標)にて3500rpmで2分間混合された。
【0023】
処方物は、ITO塗布ポリ(エチレンテレフタレート)(PET)シート上にスクリーン印刷された。溶媒蒸発は90℃にて0.5時間行われた。第2のITO塗布PETシートが検査のために最上部電極として使用された。
アセンブリの抵抗−力応答は、
図3の組成物1について説明されたように測定された。
図5から、印加力が0Nから5Nまで増加するにつれ、アセンブリの抵抗が段階的に約18,000オームから2,400オームまで変わったことがわかる。
印加力に対する感度の減少が
図3の組成物1の反応と比較した組成物3について示されている。感度のこの減少は、ヒュームドシリカ粒子の存在により、その含有は力の繰り返し印加に対する組成物の耐久性も改良できると考えられる。
(
図6)
図6は、実施例組成物1,2及び3の抵抗−力応答性の比較を示す。
【0024】
(
図7)
図7は、タッチ画面組付体を示す。第1の透明基板701が第2の実質的な透明基板702と共に提供される。基板701及び702は、例えばガラス又はプラスチックス材料で作られる。第1の基板701は上側表面703を有し、導電層704はこの上側表面703に適用される。導電層704は、インジウム錫酸化物から作られる。同様な導電層は、第2の基板702の下側705に適用される。これらの導電層間で、複合材料101は第1平面706と第2平面707を有する平面層として定義される。複合材料は、例えばスクリーン印刷によって、導電層704上へ被覆される。溶媒除去又は硬化は、加熱又は紫外線処理で達成される。
一緒に挟むと、それぞれ基板701及び702上に、上側表面703及び下側705に取り付けられた導電層によって位置検出がx次元708とy次元709において可能となる。さらに、複合材料101を含有することによって、z次元710において可能な圧力検出が容易になる。
【0025】
(
図8)
図8は、ロールツーロール製造過程を示す。第1の導電層801は、第1繰出リール802から受け取られる。第2の導電層803は、第2の繰出リール804から受け取られ、ローラ805で支持される。
複合材料806は、供給ホッパー807内で液状形態を保持している。第1導電材料は、その繰出リール802から引き離され、ベースユニット808で支えられる。材料がベースユニットに沿って矢印809の方向へ横切るとき、モータ駆動のバルブ811の制御下液状の複合材料は位置810で受け止められる。
ローラ805は、第2導電材料を複合材料上に適用し、一実施形態では加熱又は紫外線処理して組成物が第2の導電層803によって被包される前に溶媒蒸発又は硬化の効果を及ぼす。3層積層体は、次いで受容リール812によって受け取られる。
図4で示すロールツーロール製造過程は電気応答性複合材料を組み入れた検出器を製造する方法を容易にし、検出器において複合材料は導電層内に包含されて積層材を生成する。
【0026】
(
図9)
一実施形態において、複合材料は、
図9にて示したように、圧感性であって実質的に透明なタッチ画面を製造する方法で使用される。
ステップ901で、第1の基板が選択され、ステップ902で、第1の導電層が第1の基板の内部表面に適用される。
ステップ903で、第2の基板が選択され、更にステップ904で再び、第2の導電層は第2の基板の内部表面に適用される。従って、第1の導電層と第2の導電層の間の接触箇所が決定すべき接触位置となる。
ステップ905で、前述のタイプの複合材料が第1の導電層と第2の導電層の間に導入される。複合材料は、平面内でxy位置を識別することに加えて、z次元で印加する圧力の度合いに応答して減少する抵抗を有する。
【0027】
(
図10)
数年の間、表示画面がモバイル携帯電話、ゲーム機器、スチルカメラ及びビデオカメラのような電子機器に使用された。最近、出力インターフェイスと入力インターフェイスが効果的に結合されているタッチ画面を提供する方向への動きがあった。このように、周知のとおり、大きなインターフェイスを提示し、格段に高い機能レベルを達成することができる。
この発明によってこれらの発想が更に開発され、その光学的性質が本質的に電気的に活性な充填材料から独立しており、そして透明であるであろうタッチ画面上で接触感度を達成することができる。
図10は電子機器1001を示す。該機器は、比較的大きなタッチ画面1002を有する。軟らかな押釦1003、1004が含まれ、接触位置の識別によって活性化が決定される。さらに、他のパラメータは、これらの押釦が押下される程度を測定し、一方で、同時に、透明画面を通じた表示特性を維持することによって制御されるであろう。
【0028】
(
図11及び12)
位置検出器1101は、
図11の分解立体図及び
図12の横断面図において示されている。
図12の横断面図は、さまざまな層を明瞭に見ることができるように、高さ方向に大きく引き伸ばした。しかしながら、実際には内部層はすべて微視的に薄いことを理解するべきである。
位置検出器1101はポリ(エチレンテレフタレート)(PET)で形成された下側の電気的絶縁シート102を含み、該絶縁シート上にはインジウム錫酸化物(ITO)導電層が付与されている。第1の導電層1103は、形状は実質的に矩形であり、矩形の対向している2側のそれぞれに沿って高導電性材料1104、1105が配置されている。
【0029】
位置検出器1101は、同様にITOを付与して第2の導電層1107を形成する電気的絶縁材料1106(同様にPETで形成)の第2の層と、第2の導電層1107の対抗縁に沿って配置された1対の高導電性片1108及び1109を含む。第2の1対の導電性片1108及び1109は、第1の1対の導電性片1104及び1105と実質的に垂直に展開するように配置されている。電気応答性複合材料1110の層は、2つの導電層1103及び1107の間に配置されている。
導電層は、
図3、4及び5を参照して上記した方法のうちの1方法に従って形成してもよい。
【0030】
典型的には、動作中、電気ポテンシャルが第1の導電片1104及び1105に印加され、矢印1111によって示された第1のx方向に電気ポテンシャルの傾きが生成され、一方、第2の1対の導電片1108及び1109の一方又は両方に出現する電気ポテンシャルの電圧測定が行われる。このように、力が上側シート1106の上側表面に印加されると、印加力位置のx座標が決定される。同様に、電気ポテンシャルが第2の導電片1108及び1109間に印加され、矢印1112によって示された第2のy方向の第2の導電層1107を横断する電気ポテンシャルの傾きが生成される。第1の1対の導電性片1104及び1105の一方又は両方に出現する電気ポテンシャルは、次いで上側シート1107に印加される力のy座標を決定するために測定される。
【0031】
圧力が印加される位置で、電気応答性複合材料1110が第1及び第2の導電層1103及び1107間の導通を提供する点に留意されたい。さらに、上述のとおり、電気応答性複合材料1110の抵抗は印加圧力が増加すると共に連続的に減少する。従って、層1110を通じる電流を計測することによって、印加圧力の呈示を測定できる。層及び電極(導電片1104、1105、1108及び1109によって提供)の同様な配置は先行英国特許2468870Aとして発行された特許出願に記載されており、そこでは電気測定について詳細に議論している。しかしながら、位置センサ1101は英国特許2468870Aを含む先行の位置センサとは電気応答性複合材料層1110の具体的詳細において異なっている。
【0032】
本実施形態において、各シート1102及び1106、導電層1103及び1107並びに電気応答性複合材料層1110は実質的に透明であるかシースルーであり、
図10のタッチ画面1102のようなタッチ画面の感圧位置センサとして位置センサ1101が使用できる点に留意されたい。しかしながら、別の実施形態において、1つ又はそれ以上のシート又は層は不透明であってもよく、位置検出器1101は分離したx,y,z入力装置として使用されてもよい。
【0033】
(
図13)
図13は、電気応答性複合材料層1110の小部分を示す横断面図である。電気応答性複合材料層1110は、本実施態様において電気絶縁性の担持層1301を含む。
担持層1301は、典型的には数センチメートルの1302方向の長さ及び幅(
図13のページに直交)を有する。対照的に、担持層1301は矢印1303方向の相対的に薄い厚さ、典型的には10マイクロメートル未満、を有し、本例においては約6マイクロメートルである。
電気応答性複合材料1110は、また、電気的に導電性粒子又は半導体粒子を含む。これらの粒子は凝集して、担持層1110内で供給される複数の凝集体を形成する。すなわち、凝集体の各々は、多数の導電性粒子又は半導体粒子を含む。
図13は、7つの凝集体1304、1305、1306、1307、1308、1309及び1310が、担持層1301内で分散していることを示す。
【0034】
電気応答性複合材料1110は、平面基板上に液状製剤を付与する(スクリーン印刷のように)ことによって形成される。従って、複合材料1110の下側面1311は、実質的に平面である。しかしながら、第1の複数の凝集体はそれぞれ担持層1301の厚み1303の方向に担持層の厚みと同じ又はより厚い第1の寸法を有する。従って、第1の複数の凝集体1304、1305、1306、1307、1308及び1309は、担持層1301の他の一般に平坦な上表面1312から外部へ延び出す。位置センサ1101の動作中、複合材料1110の厚みを通じる導電性経路を提供するために使用できるのは第1の複数の凝集体である。対照的に、担持層1301内で完全に浸漬される凝集体1310のような凝集体は、導電性経路を提供することができない。
【0035】
(
図14)
図14は、位置検出器1101の小部分を示す横断面図である。上記のとおり、担持層内の第1の複数の凝集体は担持層の厚み方向に担持層の厚みと同じ又はより厚い第1の寸法を有する。この第1の複数の4つの凝集体1401、1402、1403及び1404は、
図14に示されている。これらの4つの凝集体のうち、凝集体1401及び1404は電気応答性複合材料の中で2つの最大凝集体であり、約10マイクロメートルの第1の寸法を有する。
図14に示したように、上方の導電層1107は、凝集体1401及び1404を含むより大きい凝集体上に置かれ、担持層1301の上側表面1312と第2の導電層1107の露出表面の間にエアーギャップ1405を提供する。従って、外力が位置センサ1101に印加されないとき、導電層1103及び1107間で導電路を提供できるのは、凝集体1401及び1404のような最大の凝集体だけである。
【0036】
力が上側シート1106の上側表面1406の小面積に印加されると、上側シート1106は印加力の領域において変形し、印加力に対する局所的な凝集体の比較的大きなものを圧縮する。例えば、
図14において矢印1407で示す力を加えることによって、力1407の領域上のシート1106が下部シート1102の方へ押され、1401及び1404のような最大凝集体が圧縮されるので、これらの凝集体を通じる導電率は増大する。
【0037】
(
図15)
図15は、力1407の印加の後の
図14に示す位置センサ1101の小部分を再び示す。
図15て示したように、力1407はシート1106の部分を力1407の影響下の下側シート1102へ向かって押し下げ、エアーギャップ1405が縮小して最大の凝集体1401及び1404の最初の寸法が縮小した。これらの最大の凝集体1401及び1404が圧縮されるので、これらを通した導電は増加した。加えて、
図15に示したとおり、エアーギャップ1405が縮小したので、第2の導電層1107は第1及び第2の導電性層1103及び1107間の導電性パスを提供できる凝集体1402のような他の凝集体と接触することとなった。このように、力1407のような力は、圧縮される各凝集体の抵抗の減少と、更に第2の導電層1107と接触する凝集体1402のような付加凝集体による2つの導電性層1103と1107の間の導通を増加させる。
【0038】
(
図16及び17)
この発明を具体化する代替の位置検出器1601を、
図16の分解立体図及び
図17の断面図に示す。
図12の場合と同様に、
図17の説明は位置検出器1601のさまざまな層を示すために大きく拡張されている。
位置検出器1601は、高導電性片1608及び1609と共に、(ITOの)導電層1607が提供される上側シート1606を有する。このように、上側シート1606は、実質的に位置検出器1101の上側シート1106と同一である。
加えて、位置検出器1601はシート1102と同様な下側の絶縁シート1602、及び同様に高導電性片1604及び1605を有する。しかしながら、それがインジウム錫酸化物で形成される導電層を持たないという点で、下側シート1602は検出装置1101の下側シート1102とは異なる。その代わりに、電気応答性複合材料1650の層は下側シート1602上に直接(スクリーン印刷によって)適用され、その結果、高導電性片1604及び1605の間で拡大する。
【0039】
電気応答性複合材料1650は、上記した導電性複合材料1110と同様な形態を有し、したがって、それは担持層内で分散した小導電性粒子の凝集体を含む。しかしながら、導電性複合材料1110の担持層1301とは異なり、電気応答性複合材料1650は、それ自体導電性の担持層を有し、導電性高分子材料;本件ではポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)ポリ(スチレンスルホン酸) (PEDOT/PSS)で形成されている。
位置検出器1601は、位置検出器1101と同様な態様で作動する。しかしながら、この場合、電気導電性複合材料1650の担持層は、矢印1611の方向において、層に沿って導電を提供する第1の導電層を提供する一方で、担持層内の凝集体は担持層間の導電及び上側シート上の導電層1607を提供する。