特許第6042877号(P6042877)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ テンシス メディカル インコーポレイテッドの特許一覧

特許60428771又はそれ以上の対象の生理的パラメーターを非侵襲的に測定するための装置及び方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6042877
(24)【登録日】2016年11月18日
(45)【発行日】2016年12月14日
(54)【発明の名称】1又はそれ以上の対象の生理的パラメーターを非侵襲的に測定するための装置及び方法
(51)【国際特許分類】
   A61B 5/022 20060101AFI20161206BHJP
   A61B 5/0245 20060101ALI20161206BHJP
   A61B 5/02 20060101ALI20161206BHJP
   A61B 5/1455 20060101ALI20161206BHJP
【FI】
   A61B5/02 631B
   A61B5/02 710B
   A61B5/02 310P
   A61B5/02ZDM
   A61B5/14 322
【請求項の数】23
【全頁数】38
(21)【出願番号】特願2014-508163(P2014-508163)
(86)(22)【出願日】2012年4月27日
(65)【公表番号】特表2014-516638(P2014-516638A)
(43)【公表日】2014年7月17日
(86)【国際出願番号】US2012035677
(87)【国際公開番号】WO2012149485
(87)【国際公開日】20121101
【審査請求日】2015年4月22日
(31)【優先権主張番号】13/098,344
(32)【優先日】2011年4月29日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500375143
【氏名又は名称】テンシス メディカル インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】特許業務法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】イシボー デイヴ
(72)【発明者】
【氏名】ゴエドジェ オリバー
(72)【発明者】
【氏名】ボーン マティアス
【審査官】 伊知地 和之
(56)【参考文献】
【文献】 特開2003−325463(JP,A)
【文献】 特表2009−543664(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2011/0009723(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2009/0131806(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 5/02 − 5/03
A61B 5/06 − 5/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
生理学的パラメータセンシング装置と共に用いられるフレームアセンブリにおいて、
実質的にコンフォーマルのフレームを備え、
該フレームは、
少なくともセンサの活性表面を受容する少なくとも1つの開口部と、
少なくとも前記センシング装置の対応する特徴部内にフィットさせるための前記開口部の周囲の長手方向の端部に設けられた、上方のリップと、
前記センシング装置を前記フレームアセンブリと噛み合わせるための少なくとも1つの噛合要素とを備え、前記装置は前記センサを有しており、
前記フレームに隣接して配置され、前記開口部を実質的に横断する実質的に透明な薄膜を備える
ことを特徴とするフレームアセンブリ。
【請求項2】
前記センシング装置の前記フレームアセンブリへの噛み合わせは、前記センシング装置内に受容されるようにしてある1つ以上の隆起特徴部を介して容易に実現される
ことを特徴とする請求項1のフレームアセンブリ。
【請求項3】
前記フレームは、ラジアル側の表面積が尺側の表面積よりも実質的に小さい、
ことを特徴とする請求項1のフレームアセンブリ。
【請求項4】
前記フレームは、前記フレーム要素と前記薄膜との間に配置されて実質的に適合する発泡体裏地をさらに備える
ことを特徴とする請求項1のフレームアセンブリ。
【請求項5】
前記薄膜は、生体対象の血管に対する前記フレームアセンブリの配置を容易に実現できるようにしてある光学アライメント装置を備える
ことを特徴とする請求項1のフレームアセンブリ。
【請求項6】
前記薄膜は、生体対象の血管の上方における前記センサの配置を容易に実現できるようにしてある光学アライメント装置を備える
ことを特徴とする請求項1のフレームアセンブリ。
【請求項7】
前記薄膜は、前記フレームが前記対象に適用されたときに、前記生体対象の皮膚表面に接触することから前記センサを実質的に保護し、これにより、前記センサを少なくとも2つの異なる対象に対して再利用できる
ことを特徴とする請求項1のフレームアセンブリ。
【請求項8】
前記フレームは、前記フレームアセンブリを生体対象の茎状突起に対して配置させるようにしてある特徴部を備える
ことを特徴とする請求項1のフレームアセンブリ。
【請求項9】
生理学的パラメータセンシング装置において、
患者の前腕に接続されるよう構成されたコンフォーマルフレームであって、光学アライメントガイドおよびセンサバリアを有するアライメント要素を含む、前記コンフォーマルフレームと、
センサと、
前記センサと噛み合わせ、前記センサを前記センサバリアに対して配置するように構成されたアクチュエータを含むホストデバイスと
1つ以上の解放可能なアタッチメント特徴部であって、前記センサを伴う前記ホストデバイスを前記コンフォーマルフレームに解放可能に取り付け、前記ホストデバイスと前記コンフォーマルフレームとの間で所定の回転度を有効にするように構成され、更に、前記センサを伴う前記ホストデバイスの前記コンフォーマルフレームからの取り外しを促進するように構成され、これにより、前記取り外しが前記アクチュエータ及び前記センサの前記コンフォーマルフレーム及び前記センサバリアとの接点から取り外される、前記1つ以上の解放可能なアタッチメント特徴部と、
を備え、
前記センサバリアは、前記バリアを通して、1つ以上の生理学的パラメータを感知できるように構成され、
前記所定の回転度を超える回転により、前記センサを伴う前記ホストデバイスの前記コンフォーマルフレームから取り外される
ことを特徴とする装置。
【請求項10】
前記バリアは、前記光学アライメントガイドを備える
ことを特徴とする請求項9の装置。
【請求項11】
潤滑剤を用いて、前記センサの前記バリアに対する移動を促進する
ことを特徴とする請求項9の装置。
【請求項12】
前記潤滑剤は粉末を含む
ことを特徴とする請求項9の装置。
【請求項13】
前記アライメント要素は、単回使用後に配置されるように構成してある
ことを特徴とする請求項9の装置。
【請求項14】
前記センサは、前記センサと、前記ホストデバイスに噛みあわされる前記センサへ電気的通信を行う前記ホストデバイスとを直接的に配置するように構成してある電機インターフェースを備える
ことを特徴とする請求項9の装置。
【請求項15】
生体対象から1つ以上の生理学的パラメータを感知する装置において、
センサバリアを有するアライメント要素を備え、該センサバリアは、該バリアを通じて生体対象の皮膚から1つ以上の生理学的パラメータを感知できるように構成された膜を有し、
複数回使用センサと、
前記センサを前記バリアに対して配置するように構成してあるホストデバイスとを備え、
前記アライメント要素は、単回使用後に廃棄されて交換されるように構成され
前記センサは、複数回使用するように構成され、
前記センサは、ユーザによって引っ張られたときに前記センサが前記ホストデバイスから取り外されるようにするプルタブを備える
ことを特徴とする装置。
【請求項16】
前記アライメント要素は、該アライメント要素を前記対象の皮膚に接着させるための単回使用接着面を備える
ことを特徴とする請求項15の装置。
【請求項17】
前記ホストデバイスは、着用された場合に前記対象の手頸を実質的に囲むことになる実質的にブレスレット状の装置を備える
ことを特徴とする請求項15の装置。
【請求項18】
前記対象の腕に着用されるように構成してある支持装置をさらに備え、
前記実質的にブレスレット状の装置は、前記支持装置へ接続される
ことを特徴とする請求項1の装置。
【請求項19】
前記支持装置はスプリントを備える
ことを特徴とする請求項1の装置。
【請求項20】
生体対象の1つ以上の生理学的パラメータを測定する方法において、
前記対象上に少なくとも1つのフレーム要素を配置し、前記少なくとも1つのフレーム要素は開口及び薄膜を含み、前記薄膜は前記開口を横断して延在し、前記開口は少なくとも前記開口の周囲の長手方向の端部に設けられた上方のリップを含み、
センサが接続されたホストデバイスを前記フレーム要素と噛み合わせ前記センサの少なくとも活性表面が前記フレーム要素の開口部内に配置されるようにし、前記噛み合わせることが更に、前記ホストデバイスの対応するレセプタクル内に前記上方のリップをフィットさせることを含み、
前記ホストデバイスを用いて、前記センサ要素を事前規定された監視位置に自動配置し、前記センサ要素を較正し、
前記センサ要素を用いて、前記対象の前記1つ以上のパラメータを測定し、
前記測定は、前記センサが前記対象の皮膚の表面と接触することを実質的に抑制する前記薄膜を通じて行われる
ことを特徴とする方法。
【請求項21】
前記センサ要素の位置決めには、前記対象上の前記センサ要素の配置に対する前記センサの自動的ゼロ化がさらに含まれる
ことを特徴とする請求項2の方法。
【請求項22】
さらに、前記センサ要素を前記ホストデバイスへ接続し、該接続では、前記ホストデバイスと前記センサ要素との間で電気的および機械的接続が同時的に形成される
ことを特徴とする請求項2の方法。
【請求項23】
さらに、前記センサが接続された前記ホストデバイスを、前記フレーム要素との噛み合わせから取り外し、
前記センサが接続された前記ホストデバイスを、第2の生体対象の第2のフレーム要素と噛み合わせ、
前記第2の対象の前記1つ以上の血行力学的パラメータの測定結果を取得する
ことを特徴とする請求項2の方法。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
<優先権および関連出願>
本出願は、同一名称の米国仮出願シリアル番号第13/098,344号(出願日:2011年4月29日)に対する優先権を主張する。本明細書中、同文献全体を参考のため援用する。本出願は、米国特許出願公開第2009/0131806号(名称:「Apparatus
and Methods for Non-Invasively Measuring a Patient’s Arterial Blood Pressure」、出願日:2008年10月9日)に関連する。同文献は、米国仮特許出願シリアル番号第60/998,632(出願日:2007年10月12日、名称:上記と同一)に対する優先権を主張する。本明細書中、同文献全全体をそれぞれ参考のため援用する。本出願はまた、米国特許出願公開第2008/0021334号(出願日:2006年7月19日、名称「Apparatus
and Methods for Non-Invasively Measuring Hemodynamic Parameters」)および米国特許出願公開第2006/0184051号(出願日:2006年1月20日(名称「Apparatus
and Methods for Non-Invasively Measuring Hemodynamic Parameters」および米国特許出願公開第2005/0080345号(出願日:2004年4月18日(名称「Apparatus
and Methods for Non-Invasively Measuring Hemodynamic Parameters」)に対する優先権を主張する。これらの出願は、米国仮出願シリアル番号第10/269,801号(出願日:2002年10月11日、名称は全て同じ)の部分継続出願であり、同出願に対する優先権を主張する。本明細書中、上記文献全体を参考のため援用する。
【0002】
<著作権>
本特許文書の開示内容のうち一部は、著作権保護の対象となる内容を含む。著作権所有者は、本特許文書または特許開示が完全に複製されることに何ら反対しない。なぜならば、本特許文書または特許開示は、特許庁において特許ファイルまたは記録として残っているからである。しかしながら著作権所有者は、そうでない場合、全ての著作権を有する。

<発明の背景>
1.発明の分野
【技術分野】
【0003】
本発明は、生理学的流体系と関連付けられたパラメータを監視するための方法および装置に主に関し、詳細には、一局面において、生体中の動脈圧または他の血行力学的パラメータの非侵襲的監視に関する。

2.関連技術の説明
【0004】
生体からの生理学的パラメータの高精度測定が、医療科学分野において長年求められている。このような分野において特に重要なものとして、血圧および/または他の血行力学的パラメータの非侵襲的な連続的測定がある。このような測定技術が利用可能となれば、例えば実際の血圧を高精度かつ連続的に表示する必要がある外科手術室などの設定において侵襲性の動脈カテーテル(一般的に「Aライン」として知られる)を使用することなく、介護者が対象のパラメータ(例えば、血圧)の連続的監視を高精度に繰り返すことが可能となる。
【0005】
これまで、対象の動脈圧波形を非侵襲的に監視するために、いくつかの周知の技術が用いられてきている(すなわち、聴診、振動測定法
および圧力測定法)。聴診技術および振動測定技術の場合、標準的な膨張性アームカフを用いて、対象の上腕動脈を閉塞させる。聴診技術においては、カフがゆっくりと収縮しているときに発生する特定のコロトコフ音を監視することにより、対象の収縮期血圧および拡張期血圧が決定される。一方、振動測技術の場合、カフの収縮時においてカフ中に発生する実際の圧力変化を測定することにより、これらの圧力と対象の平均圧力とが決定される。どちらの技術の場合も、カフを交互に膨張および収縮させる必要があるため、圧力値の決定は断続的にしか行われず、また、対象の実際の血圧波形を再現することもできない。そのため、これらの技術を用いた場合、実際の連続的な心拍間隔の血圧を監視することができない。
【0006】
上記において簡潔に述べた閉塞性カフ器具は一般的に、対象血圧の長期傾向を感知する場合に若干有効である。しかし、このような器具は、外科手術などの多数の医療用途において極めて重要な短期血圧変動の感知においては有効ではない場合が多い。
【0007】
動脈圧力測定技術も、医療分野において周知である。動脈圧力測定法の理論によれば、経壁圧力がゼロに等しい場合、圧平スイープの間に、骨を十分に支持した状態での浅動脈(例えば、橈骨動脈)中の圧力を高精度に記録することができる。「圧平」という用語は、一般的に、動脈に付加される圧力を変更するプロセスを指す。圧平スイープとは、動脈上への圧力が過剰圧縮から過小圧縮へ変化または逆に変化する期間を指す。圧平スイープの低下開始時において、動脈は過剰圧縮されて「犬の骨」形状となるため、圧力パルスが記録されなくなる。スイープ終了時において、動脈は過小圧縮されるため、最小振幅圧力パルスが記録される。スイープ内においては、動脈壁張力が血圧計表面に対して平行になっている間に圧平が生じる、と推測される。ここで、動脈圧力は表面に対して垂直であり、血圧計センサによって検出される唯一の応力である。この圧力において、得られた最大ピークツーピーク振幅(「最大脈動」)圧力は、ゼロ経壁圧力に対応すると推測される。
【0008】
圧力測定法技術を実行するための1つの従来技術デバイスには、周辺動脈(例えば、橈骨動脈)の上側にある組織へ付加される小型圧力トランスデューサーであるリジッドアレイが含まれる。トランスデューサーはそれぞれ、下側の対象組織中の機械的力を直接感知し、下側の動脈のうち一部のみを被覆するようなサイズにされる。このアレイが組織に付勢されると、下側の動脈が平坦化され、その結果、動脈内の心拍間隔の圧力変動が組織を通じてトランスデューサーのうち少なくともいくつかへと接続される。異なるトランスデューサーのアレイを用いて、少なくとも1つのトランスデューサーが(対象上のアレイ位置に関係無く)動脈の上に配置されることを保証する。しかし、この種の血圧計の場合、いくつかの欠陥がある。第1に、別個のトランスデューサーのアレイは一般的には、感知される動脈を被覆している対象組織の連続的外形と解剖学的に適合しない。そのため、従来、得られたトランスデューサー信号の精度低下に繋がっていた。また、場合によっては、このような不適合に起因して組織損傷および神経損傷が発生し得、また、遠位組織への血流が制限され得る。
【0009】
他の従来技術の場合、単一の圧力測定センサを動脈上に横方向により高精度に配置することで、センサを動脈内の圧力変動へより完全に結合させる。しかし、このようなシステムの場合、センサを幾何学的な「中心」位置に配置できるものの、信号結合に最適な位置には配置できず、また、測定中において対象が移動することによって再較正または再配置を比較的頻繁に行う必要が出てくることが多い。さらに、適切な初期およびその後の配置のために行うこのような方法は面倒であり、介護者がセンサを対象上の最適位置に手動で配置する必要があり、その後に(例えば、当該スポット上に指を保持するか、またはペンまたは他のマーキング器具によってマーキングすることにより)当該位置をマーキングし、その後、マーク上にセンサを配置する必要がある。あるいは、いくつかの従来技術の場合、センサの配置のために、さらなる感知要素および関連付けられた装置が必要となる。さらなる装置を用いた場合、当該技術の実行のために、コスト増加およびさらなる工程が必要となる。
【0010】
また、従来技術の圧力測定法システムの場合、監視対象上の圧力トランスデューサーの方向に対する感受性が極めて高い。詳細には、このようなシステムの場合、トランスデューサーと動脈との間の角度関係が「最適」な入射角度から変化した場合に精度が劣化する。これは、重要な考慮事項である。なぜならば、2回測定が行われた場合、動脈に対して全く同一角度でデバイスが配置または維持されることは無いからである。上記のアプローチのうち多くのいずれにおいても、動脈に対して(横方向位置と無関係に)一定の角度関係を保持することができないという不利点がある。なぜならば、多くの場合において、位置決め機構は、対象の解剖学的特徴(例えば、手首表面の曲率)を考慮するように適合されていないからである。
【0011】
従来技術の非侵襲的血行力学的測定技術の別の欠陥として、デバイスと関連付けられた構成要素が廃棄できない点がある。詳細には、:(i)監視対象(単数または複数)と直接的または間接的に何らかの様態で接触して汚染する可能性があり;(ii)当該対象上で用いることができるよう、較正または適合する必要があり;(iii)通常使用時において較正が失われた場合、(当該構成要素を未使用の較正された部品と交換するだけの場合とは対照的に)再較正プロセスの必要性が高まり、または(iv)1回または限られた数の使用回数後、廃棄する必要があるデバイスの部分を適切に作成することが好ましい。従来技術システムの場合、特定のコンポーネントを容易に交換することができないため、このような特徴のために困難を生じることが多い(すなわち、設計プロセス時においてコンポーネントが交換可能とされていなかった)。または、交換可能なコンポーネントを交換できるようにするために関連して生じる法外な高コストに起因して、困難が生じることが多い。理想的には、非侵襲的な血行力学的評価デバイスに関連する特定のコンポーネントは、容易に廃棄可能でありかつオペレータが極めて低コストで交換できることが望ましい。
【0012】
従来技術のさらに別の不利点とは、対象に対して複数の血行力学的測定を異なる回数および/または異なる位置で行う能力に関連する。例えば、第1の位置および第2の位置(例えば、病院の手術室および回復室)において血圧測定が必要な場合、従来技術の方法においては、以下のうちいずれかが必要となる:(i)侵襲性のカテーテル(Aライン)を利用する、(ii)血圧監視システム全体を両位置間で移動させる、または(iii)第1の監視位置にある対象の接続を解除し、移動させ、その後、第2の位置における第2の血圧監視システムへ続けて接続する。
【0013】
侵襲性のカテーテルに関する欠点は周知である。そのような欠点には、対象の皮膚に穴をあける必要がある(およびそれに伴う感染危険性)点と、対象を不快にさせる点とが含まれる。
【0014】
血圧監視システム全体を移動させることは、殆ど不可能である。なぜならば、システムは大きく嵩張り、また、特有の位置に固有の監視装置を維持することが望ましいからである。
【0015】
接続解除およびその後の対象への再接続も望ましくない。なぜならば、このような再接続を行うには、センサまたは装置を患者の生体組織に再度配置する必要があるため、再較正が必要となり、また、2つの異なる位置において行われる測定が実際に直接相互比較可能であるかという信頼レベルが低下するからである。詳細には、センサおよび支持装置は第1の位置において物理的に取り外され、その後新規センサが第2の位置において対象の組織に配置されるため、センサ及び下側の血管間の接続関係は、2つの位置で異なる可能性が大きくなる。そのため同一である血管内圧力値が、接続、較正、センサパラメータおよび関連要素の変化に起因して、2つの異なる値として反映される事態が発生し得る。その結果、2つの読み取り値に関する再現性および信頼性レベルが低下する。
【0016】
さらに、従来技術の場合、センサは、ケーブルまたは「ピグテール」を介した外部電気接続を介し、アクチュエータまたは他のホストデバイスへ電気的に接続されることが多い。このような接続装置に起因して、システムのコストおよび複雑性がさらに高まる。
【0017】
上記に基づいて、生体と関連付けられたパラメータ(例えば、血行力学的システムと関連するパラメータ)の測定を高精度に、連続的にかつ非侵襲的に行うための装置および方法を改善する必要がある。このような改善された装置および方法があれば、患者の多様な生理条件および環境条件下において配置の強靱性および再現性を維持しつつ、センサ(単数または複数)(例えば、圧力測定圧力センサ、超音波センサ等)の初期配置を(さらなるアライメント装置または要素を必要とすることなく)理想的に迅速かつ高精度に行うことが可能になる。このような装置では、低コストおよび廃棄可能コンポーネントを取り入れることもできる。
【0018】
このような装置および方法では、さらに患者に対して自己配置および自己較正可能となる(すなわち、自動的に装置を配置し、自動的にその装置の値が「ゼロ」になる)。使用の容易さについても考慮される。
【発明の概要】
【0019】
本発明は、生体内の血行力学的特性(例えば、動脈圧)の評価を非侵襲的かつ連続的に行うための向上した装置および方法により、上記の必要性を満たす。
【0020】
本発明の第1の局面において、生理学的パラメータセンシング装置と共に用いられるフレームアセンブリが開示される。一実施形態において、フレームアセンブリは、以下を含む:実質的にコンフォーマルのフレームであって、少なくともセンサの活性表面を受容する少なくとも1つの開口部と、センシング装置をフレームアセンブリと噛み合わせるための少なくとも1つの噛合要素とを含み、装置はセンサを有する、実質的にコンフォーマルのフレームと、フレームに隣接しかつ開口部を実質的に横断する実質的に透明な薄膜とを含む。
【0021】
本発明の第2の局面において、生理学的パラメータセンシング装置が開示される。一実施形態において、装置は、以下を含む:光学アライメントガイドおよびセンサバリアを有するアライメント要素、センサ、およびセンサをバリアに対して配置するように構成されたホストデバイス。センサバリアは、バリアを通じて1つ以上の生理学的パラメータの感知できるように構成される。
【0022】
別の実施形態において、センシング装置は、以下を含む:センサバリアを有するアライメント要素であって、センサバリアが、バリアを通じて生体の皮膚からの1つ以上の生理学的パラメータの感知を可能にするように構成された膜を含むアライメント要素、複数回使用センサ、センサをバリアに対して配置するように構成されたホストデバイス。アライメント要素は、単回使用後に廃棄および交換されるように構成され、センサは、複数回使用に合わせて構成される。
【0023】
本発明の第3の局面において、生体の1つ以上の生理学的パラメータの測定方法が開示される。一実施形態において、方法は、以下を含む:対象上に少なくとも1つのフレーム要素を配置すること、センサが接続されたホストデバイスをフレーム要素に噛み合わせることであって、噛み合わせることは、少なくともセンサの活性表面をフレーム要素の開口部内に配置することを含む、ホストデバイスを用いてセンサ要素を事前規定された監視位置に自動配置し、センサ要素を較正すること、及びセンサ要素を用いて対象の1つ以上のパラメータを測定すること。測定することは、薄膜を通じて行われる。薄膜は、対象の皮膚表面とのセンサの接触を実質的に抑制する。
【0024】
第4の局面において、生体からパラメトリック測定を得る方法が開示される。一実施形態において、方法は、以下を含む:対象の生体組織上に支持要素を配置することであって、支持要素は薄膜を含む、ということ、センサが薄膜に実質的に隣接するように生体組織上にセンサを有しかつ支持要素と通信するホストデバイスを配置すること、及びセンサを用いて薄膜を通じてパラメトリック測定を得ること。
【0025】
本発明の第5の局面において、生体の生理と噛み合うように構成された支持要素が開示される。一実施形態において、支持要素は、対象に対してセンサを実質的に配置し、以下を含む:生理の一部の形状に実質的に適合するように構成された少なくとも部分的に可撓性フレーム、第1の要素、及び少なくとも一部上に接着剤が配置された第2の要素。第1の要素は、フレームと第2の要素との間に実質的に挟まれ、第2の要素の接着剤の接着剤は、支持要素を生理の一部へ取り外し可能に接着させる際に有用である。
本発明の第6の局面において、複数回使用センサおよび単回使用センサフレームを用いた血行力学的パラメータの測定方法が開示される。
本発明の第7の局面において、取り外し可能な保護カバーを有する複数回使用センサが開示される。
本発明の第8の局面において、対象の皮膚および複数回使用センサの活性表面の分離を維持するために保護薄膜を有する単回使用フレーム要素が開示される。
本発明の上記および他の特徴は、以下の本発明の説明を添付図面と共に読めば明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】本発明の血行力学的評価装置の1つの例示的実施形態の底面斜視図である。アクチュエータアセンブリの上部に、センサアセンブリが接続されている。
図2図1の装置と共に用いられるセンサアセンブリの1つの例示的実施形態の斜視図である。
図2a】完全封入されたセンサコネクタアセンブリの1つの例示的実施形態の例示である。
図2b図2aのセンサコネクタアセンブリの例示的実施形態のセンサコネクタの例示である。
図2c】圧力センサおよび記憶装置(例えば、EEPROM)と共にプリント回路基板上に取り付けられたセンサコネクタアセンブリの例示的実施形態のセンサコネクタの例示である。
図2d】センサコネクタアセンブリの例示的実施形態のセンサコネクタ、圧力センサおよびEEPROMの例示である。センサコネクタアセンブリは、プリント回路基板上に取り付けられ、コネクタハウジング内に配置される。
図2e】センサコネクタアセンブリの例示的実施形態の例示である。センサコネクタアセンブリは、コネクタハウジング内に配置され、上側封入部内に封入される。
図2f】可撓性フレーム内に取り付けられたセンサコネクタアセンブリの1つの例示的実施形態の例示である。
図2g】発泡体裏地上に取り付けられたセンサコネクタアセンブリおよびフレームの1つの例示的実施形態の例示である。
図2h】本発明の別の実施形態による廃棄可能フレームおよび関連構成要素の分解斜視図である。
図2i】本発明の一実施形態による再利用可能なセンサ要素アセンブリの分解斜視図である。
図3】アクチュエータ要素の1つの例示的実施形態の下面の斜視図であり、コネクタおよびセンサアタッチメントプレートを示す。
図3a図3aの噛み合わされたアクチュエータおよびセンサアセンブリの断面図である。
図3b図3aの噛み合わされたアクチュエータおよびセンサアセンブリ分解図のである。
図3c】アクチュエータのアタッチメントプレートと噛み合わされたセンサアセンブリの例示的実施形態の切り取り図である。
図4】本発明の血行力学的評価装置を用いることが可能な方法の一実施形態の論理フロー図である。
図5】方法の別の実施形態の論理フロー図であり、詳細には、図2h〜図2iの血行力学的評価装置を用いることが可能な論理フロー図である。
図6】フレームを対象上にアライメントさせるための視覚支援具の1つの例示的実施形態の例示である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
ここで図面を参照して、類似の参照符号は、類似の部分を指す。
【0028】
本明細書中、本発明について、ヒト対象の橈骨動脈(すなわち、手首または前腕)を介した循環系の血行力学的パラメータの評価をおこなうための方法および装置について主に説明するが、本発明は、人体上の他の血管および位置におけるこのようなパラメータの監視、及び他の温血種におけるこれらのパラメータの監視を容易に具現化することができ、それらに対して容易に適用可能である点に留意されたい。このような適用例および代替実施形態は全て、関連分野の当業者にとって容易に実行可能であり、本明細書に添付される特許請求の範囲内に収まるものとみなされる。
【0029】
本明細書中用いられる「血行力学的パラメータ」という用語は、対象の循環系と関連するパラメータ(例えば、圧力(例えば、拡張期、収縮期、パルス、または平均)、血流運動エネルギー、速度、密度、時間周波数分布、狭窄の存在、SpO、パルス期間、対象の圧力波形に関連するあらゆるアーティファクト)を含む。
【0030】
さらに、本明細書中用いられる「圧力測定」、「血圧計」および「圧力測定法」などの用語は、例えば皮膚表面と通信するセンサを配置することによって、1つ以上の血行力学的パラメータ(例えば、圧力)の非侵襲的表面測定を広範囲に指す用語である点に留意されたい。しかし、皮膚との接触は直接的でなくてもよい(例えば、接続媒体または他のインターフェースを通じたもの)。
【0031】
本明細書中用いられる「平坦化」および「圧平」などの用語は、(非圧縮状態と比較した場合の)組織、血管(単数または複数)および他の構造(例えば、対象の生理的機能である腱または筋肉)の圧縮を指す。同様に、圧平「スイープ」とは、圧平レベルが変化する(例えば、増加、低下またはこれらの任意の組み合わせが発生する)1つ以上の期間を指す。本明細書中用いられる「圧平」という用語は、一般的には線形の(一定の速度)位置変動という意味で用いられるが、任意の多様な他の形態もとり得る(例を非限定的に挙げると、(i)連続的な非線形(例えば、対数形態)の経時的な圧縮の増加または低下、(ii)非連続的または段階的な連続的線形または非線形圧縮、(iii)交互の圧縮および弛緩、(iv)正弦または三角波動関数、(v)ランダム運動(例えば、「ランダムウォーク」または(vi)決定性プロファイルの形態が考えられる。このような形態全ては、上記用語に含まれるものとしてみなされる。
【0032】
本明細書中用いられる「集積回路(IC)」という用語は、プロセスまたはベース材料(例を非限定的に挙げると、Si、SiGe、CMOSおよびGaAs)に関係無く、任意の集積レベルの任意の種類のデバイスを指す(例を非限定的に挙げると、ULSI、VLSI、およびLSI)。ICは、例えば、メモリデバイス(例えば、DRAM、SRAM、DDRAM、EEPROM/フラッシュ、ROM)、デジタルプロセッサ、SoCデバイス、FPGA、ASIC、ADC、DAC、トランシーバ、メモリコントローラおよび他のデバイス、ならびにこれらの任意の組み合わせを含み得る。
【0033】
本明細書中用いられる「メモリ」という用語は、デジタルデータを記憶するように適合された任意の種類の集積回路または他の記憶装置を指す(例を非限定的に挙げると、ROM.PROM、EEPROM、DRAM、SDRAM、DDR/2SDRAM、EDO/FPMS、RLDRAM、SRAM、「フラッシュ」メモリ(例えば、NAND/NOR)およびPSRAM)。

<概説>
【0034】
1つの基本的局面において、本発明は、(所望であれば)対象の生体組織に対して1つ以上のセンサを高精度かつ信頼性良く配置することで、センサ(単数または複数)を用いた生理学的パラメータ測定を促進するための装置および関連方法を含む。例えば、以下により詳細に説明するように、本発明は、センサヒトの橈骨動脈からの血圧または他のパラメータの測定を連続的かつ非侵襲的に行うための圧力センサアセンブリを高精度に配置する際に有用である。しかし、実質的に任意の種類のセンサ(例えば、超音波、光学)を本発明に従って単独または組み合わせで用いることが可能である。本発明は、例えば以下の文献に記載のデバイスおよび関連技術を含む:同時係属中の米国仮出願シリアル番号第10/961,460号(名称「Compact
Apparatus and Methods For Non-Invasively Measuring Hemodynamic Parameters」(出願日:10/07/2004)、第09/815,982号(名称「Method
and Apparatus for the Noninvasive Assessment of Hemodynamic Parameters
Including Blood Vessel Location」(出願日:2001年3月22日)、および第09/815,080号(名称「Method
and Apparatus for Assessing Hemodynamic Parameters within the Circulatory
System of a Living Subject」、現在は米国特許第7,048,691号)。これらの文献それぞれは、本出願の譲受人へ譲渡され、これらの文献それぞれ全体を本明細書中参考のため援用する。
【0035】
1つの例示的実施形態において、圧力センサは、アクチュエータ機構へ接続される。アクチュエータ機構は、対象者が橈骨動脈の領域に着用するブレースまたは「ブレスレット」アセンブリによって実現される。アクチュエータ機構は、センサへ接続されると、任意の数の制御スキームに従って、センサ横方向(および(所望であれば)近接方向)の位置と、下側の組織の圧平レベルとを制御する。このような制御スキームは、例えば、譲受人の同時係属中の米国仮出願シリアル番号第10/211,115号(出願日:2002年8月1日(名称「Method
and Apparatus for Control of Non-Invasive Parameter Measurements」(現在は米国特許第6,974,419号)および同時係属中の出願シリアル番号第10/072,508号(出願日:2002年2月5日(名称「Method
and Apparatus for Non-Invasively Measuring Hemodynamic Parameters Using
Parametrics」(現在は米国特許第6,730,038号))中に記載される。本明細書中、これらの文献双方を参考のため援用する。しかし、本発明は、上記の特徴およびセンサを組み合わせたシステムだけでなく、別個のセンサ(単数または複数)および圧平機構を有するシステムとも両立可能である。アクチュエータは、有利なことに「変位」駆動可能であるため、付加力の測定に依存せず、変位のみに依存する。このようなアプローチを用いれば、力センサおよび関連信号処理の回避により、アクチュエータ(および親制御システム)の構造および動作が大幅に簡略化され、また、アクチュエータおよびシステムがさらに強靱になる。
【0036】
本発明の装置はまた、センサアセンブリと、対象の生体組織の受容に用いられるブレスレット要素(アクチュエータ)との間の高リジッド接続を有利に維持し、これにより、装置内におけるほぼ全ての適合を排除することにより、システムの精度をさらに向上させる。
【0037】
別の局面において、本発明は、センサの自動ゼロ化を用いる点において、従来技術よりも優れている。このような自動ゼロ化が可能であるため、センサコネクタアセンブリの配置をさらなる要素を使用することなく行うことが可能になり、これにより、センサの効率的配置が支援される。
【0038】
本発明の例示的実施形態の別の重要な特徴として、アセンブリの簡単な組み立て、動作および較正を促進できるよう、電気回路をセンサ上に直接配置している点がある。
【0039】
本発明の他の重要な特徴を以下に挙げる:(i)多様な異なる動作環境下における使用の容易さ、(ii)測定再現性、および(iii)特定のコンポーネントの廃棄可能性。これらの特徴は、センサ(単数または複数)を配置してデバイスを作動させるための新規な構造および技術の利用と、典型的な(および非典型的な)臨床環境に関連する制約条件を考慮した顕著な設計モジュール方式とを通じて達成される。
【0040】
一局面において、本発明は、センサアセンブリを提供することにより、従来技術に関連する欠点を解消する。このセンサアセンブリは、親装置から取り外し可能であり、また、移動時において対象上に配置され続けるため、介護施設(例えば、病院)内の異なる物理的位置において同一センサを用いた場合も、測定を容易に繰り返すことが可能となる(例えば、譲受人の同時係属中の米国特許出願第11/336,222号(出願日:01/20/2006(名称「Apparatus
and methods for non-invasively measuring hemodynamic parameters」)。譲受人は、同文献全体を参考のため援用する。上記した特徴および他の特徴について、以下に詳述する。
【0041】
本発明のさらに別の局面において、センサを含む装置を用いて血行力学的パラメータ測定を得る。このセンサは、保護バリアまたは膜を通じて対象(単数または複数)から1つ以上のパラメータを感知する。1つのこのような改変例において、センサは、複数回の使用に合わせて設計され(すなわち、再利用可能とされ)、支持要素および膜バリアは、限られた使用に用いられる(例えば、単回使用)。廃棄可能なフレーム要素は、バリアと共に、対象の皮膚表面上に配置され、これにより、センサ要素の面を皮膚との接触から防護または保護する。この構成により、センサ面がいくつかの異なる対象上に配置された場合であっても、複数回使用してもセンサ面の清浄性が保持される。センサはアクチュエータデバイスと噛み合うため、センサの(対象上における(多様な寸法での)高精度配置が調整される。
<血行力学的評価のための装置>
【0042】
ここで図1を参照して、本発明の例示的実施形態の血行力学的評価装置100について説明する。この実施形態は一般的に、アクチュエータアセンブリ300を含む。アクチュエータアセンブリ300は、センサアセンブリ200と噛み合わされる。アクチュエータ300は、任意選択的に図示したような手首ブレスレットの形態をとり、センサアセンブリ200のセンサ/圧平要素210の移動を制御する。センサアセンブリ200は、可撓性フレーム204を発泡体裏地206と共に含む。センサアセンブリ200について、以下の図2図2gを参照してさらに説明する。
【0043】
図示の実施形態において、廉価な材料(例えば、低コストのプラスチック鋳造)およびこのような廃棄可能性を促進する設計特徴の利用を通じて、この構造は廃棄可能に作成してあり好ましい。しかし、特定の用途においては(例えば、装置の再利用が意図される用途において)、より耐久性の高い材料を選択してもよい。
【0044】
従来技術と大きく異なり、血行力学的評価装置の上記実施形態は、従来の実施形態で見られるようなアライメント装置(例えば、パドル)を含まない。代わりに、本発明の例示的実施形態は、自動ゼロ化を用いるようにしてある。自動ゼロ化という技術により、外部装置の利用の必要無くセンサ要素がアライメントされる。よって、対象の生体組織に相対して最も適切な位置にセンサ要素が自動配置される。
【0045】
本発明の1つの改変例において、フレーム204は、矢印を含む。これらの矢印を用いて、(例えば、対象の生体組織上の最適位置(動脈位置を示す)を手作業で見つけた後に介護者が)患者の腕上に描いたラインとのアライメントを得る。臨床医は、皮膚上の動脈を触診してペンでマーク付けして、動脈の存在する箇所にラインを描く。彼/彼女は、皮膚上に描かれたラインと共に、フレーム上にこれら2つの矢印を引く。
【0046】
図2は、センサアセンブリ200の例示的実施形態を示す。図示のように、センサアセンブリ200は一般的には、センサコネクタアセンブリ202(以下の図2a〜図2e中により詳細に示す)を含む。センサコネクタアセンブリ202は、センサ要素210上に取り付けられる。要素210は、(以下の図2f中にさらに詳細に示す)可撓性フレーム要素204へ移動可能に接続される。可撓性フレーム要素204は、(以下の図2g中に詳細に説明する)発泡体裏地206を含む。
【0047】
一実施形態において、センサアセンブリ200は、ラベルまたは他のカバリング208をさらに含む。ラベルまたは他のカバリング208は、(i)発泡体端部を被覆する(発泡体端部は、他の場合において剥き出しの接着剤である)、また、(ii)とりわけ、腕上におけるデバイスの正確な配置をユーザに示す。フレームはラベル縁部において終端しているため、発泡体の可撓性が大きく高まり、これにより、手首へのフィット感が高まる。図示のラベルにより、上面に接着剤が載置されたワンピース発泡体を用いてこの発泡体をフレームへ取り付けることが可能になるが、他のアプローチを用いた場合も同様の成功が得られることが理解される。
【0048】
図2aに示すセンサコネクタアセンブリ202は、センサコネクタ218を含む。センサコネクタ218は、センサ/圧平要素210上に配置される。センサコネクタアセンブリ202は、電気的消去可能ROM(EEPROM)IC(図2c上の要素248)と、1つ以上の圧力センサ要素(例えば、トランスデューサー、歪梁デバイス、圧電またはピエゾ抵抗デバイス)と、多層ハウジング要素214とをさらに含む。センサコネクタアセンブリ202のこれらの構成要素について、図2b〜図2eおよび以下の説明においてより詳細に例示および記述する。
【0049】
センサ/圧平要素210を用いて、対象血管の周囲の組織をアクチュエータ300の力下において圧縮し、これにより、力を血管壁に付加して、壁または輪応力に打ち勝つ。圧平要素210は特殊設計構成となっており、伝達損失の影響を軽減するように適合される。このような伝達損失の影響を軽減は、簡単で反復可能かつ高信頼性を以て行われ、これにより、このような影響を(i)無視できるかまたは(ii)圧力測定の一部として補償することが可能になる。
センサコネクタアセンブリ202は、センサコネクタ218をさらに含む。センサコネクタ218を図2b中で詳細に示す。
【0050】
図2bは、センサコネクタ218を示す。センサコネクタは、複数の導体(例えば、ワイヤ220またはあるいはフラットストリップ、導電性トレース)を含む。これらのワイヤは一般的にはピラミッド形またはテーパー型のスプールまたはブロック224の片側の周囲に追随するが、他のプロファイルおよび形状(例えば、円錐、台形、半球、六角形)でもよい。形状の利用により、レセプタクル内へのコネクタの誘導が(詰まりまたはミスアライメント無く)支援される。ワイヤ220は、一連のリッジ222によってピラミッド形スプール224の内部に沿って相互に電気的に分離された状態で維持される。これらのワイヤ220の構成は、センサコネクタアセンブリ202がアクチュエータ300のコネクタ凹部308と噛み合わされると、ワイヤ220が凹部308の電気接点312と電気的に通信するように配置されるように適合された構成である。図2bに示すように、センサコネクタ218の例示的実施形態は、複数のワイヤ端子226をさらに備える。8個のワイヤ端子226が例示的実施形態中に図示されているが、任意の数のこのような端子を本発明に基づいて用いられることが理解される。複数の露出ワイヤ220を大きめに作製することで、以下に説明するアクチュエータ中の対応する電気コネクタとの良好な接続を最大限にする。図示の実施形態において、8本のワイヤのうち2本がアセンブリの片側から出てきており、残り6本が他方から出てきており、これにより、組み立て中における機械的安定性が得られる。
【0051】
センサコネクタ218の上部のテーパー型のピラミッド形状全体は、センサアセンブリ200と関連付けられたアクチュエータレセプタクル304との間の摩擦接続を促進するための例示にすぎない。よって、関連付けられたアクチュエータレセプタクル304(図3および以下の関連議論を参照)は、センサコネクタ218の上部と実質的に逆である。すなわち、アクチュエータレセプタクル304は一般的に、センサコネクタ218およびフレームリップ282(以下に説明)の外形のうち少なくとも大部分に適合するように調整される。インデント212が、センサ要素の下部の上面内において上記上部と噛み合うように設けられる。センサコネクタ218の上部は「雄」要素とみなすことができ、関連付けられたアクチュエータレセプタクル304は「雌」要素とみなすことができる。センサコネクタ218のベースは実質的に四角形状であるため、アクチュエータレセプタクル304に対するセンサコネクタ218の回転をねじり負荷下において有利に制御することができる。これら2つの要素218および304の接続により、圧平(垂直)寸法におけるアクチュエータ300とセンサアセンブリ200との間の高リジッドかつ不適合の接合が可能になり、これにより、このような適合から発生し得る血行力学的測定における誤差が有効に無くなる。以下、この接続に対するフレームリップ282による貢献について説明する。
【0052】
図2cに示すように、センサコネクタアセンブリ202は、プリント回路基板240をさらに含む。プリント回路基板240上には、コネクタ218が配置される。センサコネクタ218のタブ228により、センサコネクタ218をプリント回路基板240上に取り付ける作業が容易化される。なぜならば、それらは回路基板240上のタブ凹部(図示せず)内に受容されるからである。
【0053】
センサコネクタワイヤ端子226がそのようにしてあることにより、センサコネクタ218がプリント回路基板240上に取り付けられると、センサコネクタワイヤ端子226はプリント回路基板240上のセンサコネクタ端子電気接点244と並んで配置される。この接点を通じて、センサ(図示せず)からの情報が伝達される。しかし、他のアプローチも利用可能である。
【0054】
また図2cに示すように、センサコネクタアセンブリ202は、感知要素(図示せず)を含む。これらの感知要素は、センサコネクタ218の下側の下側センサハウジング246内に収容される。保持機能(例えば、カンチレバースナップ)を用いて、下側ハウジング要素246をセンサコネクタアセンブリ202の他の層へと固定する。別の実施形態において、センサは、4つのリードを有する。これら4つのリードは突出し、「脚部」として形成されて、基板の他側部に半田付けされる。この部分も基板に接着することで、確実にリジッド保持される。
【0055】
図示された円形特徴部は通気穴であり、圧力センサ(246)から突出する。この通気穴は基板を通じて突出する円筒であり、センサ中の圧力ダイに対してゲージデバイスとなる。この通気穴は、圧力ダイヤフラムの各側部上に通気をして効果的であり、一側部は皮膚と接触するシリコンゴムゲルと連通し、ダイヤフラムの他側部は使用環境において空気と連通する。
【0056】
センサ要素(図示せず)は下側センサハウジング246内に配置されて、センサが対象の皮膚と接触するように配置される。その後、付勢要素216は、実質的に楕円形プロファイルの「ポケット」を形成し、センサ要素を収容するようになる。
【0057】
また、図2cにおいて、電気的消去可能ROM(EEPROM)IC248または他のメモリデバイスがプリント回路基板240上に配置される。EEPROMチップ248がプリント回路基板240上に配置されると、端子250が回路基板240上のEEPROM端子電気接点252と接触するように、EEPROMチップ端子250が配置される。
【0058】
図示の円形特徴242は通気穴であり、圧力センサ246から突出する。この通気穴は円筒であり、基板を突出することにより、センサ中の圧力ダイがゲージデバイスとなる。これは、圧力ダイヤフラムの各側部上に通気を含み、一側部は対象の皮膚と接触するシリコンゴムゲルと連通し、ダイヤフラムの他方の側部は使用環境と連通する。その結果、デバイスは、異なる高度における雰囲気圧力差を読み取らない。
【0059】
上記のようなコンポーネントにより、本実施形態中のセンサコネクタアセンブリ202は、必要な回路およびセンサ電子部品を含むようにしてあり、これにより、アセンブリ202がアクチュエータ300と噛み合わされると、センサ要素(単数または複数)(例えば、圧力トランスデューサー、図示せず)からの電気信号を(他の装置の利用無く)アクチュエータ300へ送ることができる。このようにして、アセンブリは、センサアセンブリ200がアクチュエータ300へ電気接続されてすぐに圧力の検出および監視を行うことができ、他の任意の電気または機械的接続を形成する必要がなくなる。よって、上記した実施形態は、血行力学的圧力の決定および常時監視を効率的にかつ容易な動作で行う。
【0060】
図2dは、プリント回路基板240の周囲にある例示的な多層ハウジング要素214の配置状況を示す。プリント回路基板240は、EEPROMチップ248およびセンサコネクタ218を含む。多層ハウジング要素214は、とりわけ、プリント回路基板240およびそのコンポーネントの維持および収容を支援する。よって、ハウジング要素214の面は、インデントを含む。このインデントは、プリント回路基板240に適合するように実質的に形成される。さらに、ハウジング要素214の面は、突起260を含む。突起260は、プリント回路基板インデント254(図2c)と並んで配置される。多層ハウジング要素214の各層は、多様な突起および補完インデントを含むため、層が独自の様態で係合し、接着または他のこのような機構を必要に応じて用いることなく保持できる点に留意されたい。あるいは、このような接着剤または他の機構と同様に、さまざまな特徴部を用いないようにすることができる。ハウジング要素を相互保持するための他の機構を本発明に従って用いることが可能であることが理解される。さらに、本明細書中に記載の多層構成の代わりに単一層型のハウジング要素を用いてもよい。一改変例において、アセンブリは、2つに織られた基板の「パレット」として構成される。コネクタおよびEEPROMは、このアレイまたは基板マトリックスの一側部へ半田付けされ、その後センサを接着し、各基板の他側部へ半田付けする。分離された後、これらはアセンブリを形成する。この様子を図2cに示す。ハウジングは、ハウジングと、基板をハウジング中に保持するキャップとを含む。例示的なキャップはABSプラスチック製であり、コネクタ上に配置された後、溶剤によってハウジングへ接着されて、コネクタ、基板およびセンサを所定位置へ有効に捕獲する。考えられる代替的構成を挙げると、ハウジングへの超音波溶接キャップまたはこれを可能にするための機能を用いたハウジングへのキャップの折り畳みがある。
【0061】
図2eは、例示的多層ハウジング要素214の最終層の配置を示す。ハウジング要素214のこの層は、複数の接続インデント212a、212bおよび212cをさらに含む。これらの接続インデント212a、212bおよび212cは、協働してセンサコネクタアセンブリ202を親アクチュエータ300へ接続させるようにしてある(親アクチュエータ300については、本明細書中において図3図3dについてさらに詳細に説明する)。異なる構成および数の接続機構を用いて、センサコネクタアセンブリ202とアクチュエータ300との噛み合いを容易にすることが可能であることが理解される。
【0062】
再度図2aを参照すると、センサコネクタアセンブリ202の付勢要素216は、多層ハウジング要素214の外側/下部縁部、および対象の皮膚と接触する圧力センサ要素(図示せず)の部分を包囲することがわかる。付勢要素216は、一実施形態において、シリコン製封入部材料から全体的に構成される。より小型の実施形態(例えば、図2および図2aのセンサコネクタアセンブリ202)において封入部材料を付勢要素216として用いた場合、少なくとも2つの別個の利点が得られる。第1に、封入部材料を用いることにより、作製が容易になる。なぜならば、発泡体が小型になるほど、製造環境において取り扱いが困難になるからである。第2に、付勢要素216の下部縁部は、放射状形状または他の過渡的形状を外形として有することができ、これにより、センサコネクタアセンブリ202が横方向および近接移動の際に皮膚へ押圧される際の皮膚上へのせん断効果の大きさが低減する。また、必要であれば、図示の「一体」封入部材料は、2つ以上の独立コンポーネント鋳造または接続コンポーネント鋳造が含まれるようにしても良い点に留意されたい。
【0063】
また、センサアセンブリ200の他の実施形態(単数または複数)によれば、他のスキームを本発明と共に用いることが可能である(例えば、センサコネクタアセンブリ202を圧平要素として用いないスキーム)ことが理解される。例えば、圧平要素(図示せず)へ接続されたアクチュエータは、圧力または他のセンサ(単数または複数)から分離または接続解除されてもよい。センサを圧平要素として例示的に用いた場合、顕著な経済的効果および利点が得られるが、これは決して本発明の実行の必須条件ではない。よって、本発明は、センサ(すなわち、センサコネクタアセンブリ202)が圧平機構としても機能する実施形態に限定されるものとして解釈されるべきではない。
【0064】
本実施形態の付勢要素216は、シリコンゴム化合物を含む。このシリコンゴム化合物は、圧力トランスデューサーの活性面(およびハウジング要素214の選択可能な部分)上に付加されて、活性面と対象の皮膚との間の接続を可能にする。しかし、単独で用いた場合または外部接続媒体(例えば、当該分野において周知のゲル型または液体型のもの)と共に用いた場合に充分な圧力接続を提供する他の材料を用いてもよい。さらに、いくつかの実施形態において、必要に応じ、付勢要素を低摩擦係数の材料(例えば、Teflon(登録商標))で構成またはコーティングしてもよい。
【0065】
さらに、付勢要素の材料構造を均一にする必要はなく、その代わりに、組み合わせて用いられた際に望ましい機能の付勢要素を行うように統合されたハイブリッド材料を用いて構成してもよい。そのような代わりを実現する方法として、材料の混合、他の所望の特性、(上記したような)コーティング材料などを得るためのシリコン材料のドーピングが挙げられる。当業者であれば、本開示を見れば、無数の他の設計選択肢を容易に想起する。
【0066】
例示的実施形態において、センサ(図示せず)をハウジング214内に配置した後、付勢要素216は、センサ要素(図示せず)およびハウジング要素214周囲のカプセル材料(例えば、シリコン化合物)を鋳造することにより、形成される。その結果、カプセル材料によってセンサが完全に被覆され、全空洞が充填される。実際、付勢要素216をセンサ(図示せず)の周囲に成形することで、コンフォーマルの適合と、カプセル材料とセンサ活性面との間の直接接続とが保証される。また、図2aのセンサおよび圧平要素構成はひとえに例示であり、他のセンサ構成(例えば、単一のまたは複数のトランスデューサー、均質のまたは不均一のセンサ(すなわち、同一または他の種類のセンサとの組み合わせ)、および/または異なる付勢要素ジオメトリを用いたもの)も本発明と共に利用可能であることが認識される。
【0067】
図2fは、センサ/圧平要素210と、可撓性フレーム要素204内に移動可能に取り付けられたコネクタアセンブリ202とを示す。この例示的実施形態は一般的には、単一のフレーム要素204を含む。単一のフレーム要素204は、フレーム要素を2つ有する従来技術の実行様態と異なる。このアプローチの場合、装置の構造を有利に簡略化し、介護者または監視対象による利用簡便性を増しつつ、製造コスト低減の機会も得られる。
【0068】
単一のフレーム要素204は、一般的には平面状(でありかつ曲線状の)肉薄の外形を含む。このアプローチ(すなわち、より平坦かつより肉薄の材料)は、従来技術に比べて大きな利点を有する(例えば、監視対象の生体組織への調和および適合の向上)。単一のフレーム要素204は、ポリプロピレンまたはポリエチレンから形成されたポリマー鋳造から有利に形成されるが、他の材料および可撓性も本発明の原理に従って用いることが可能である。
【0069】
本出願の譲受人は、実験を通じて、手首および前腕からより遠位の位置にセンサを配置した場合、より一貫したシステム性能およびより高い精度を得ることができることを見出した。よって、図2fに示す実施形態において、装置のフレーム204は、ヒト対象上に配置された場合に装置のラジアル側部上に延びるフレーム204の上部に対する表面積が顕著に小さくなる。この領域内の最小フレームを有する形状を用いることにより、母指球(親指の真下のヒトの掌上の筋肉の本体)を回避しつつ、装置をより遠位の位置に配置することが可能になる。しかし、フレーム204の上記の可撓性レベルは、フレームを対象の手首の形状および半径によって一定の変形および適合が可能なようにさらに選択される点に留意されたい。よって、上記した任意選択の特徴は、協働してより快適性が高くかつフィット性の高いフレームおよびセンシング装置を提供し、これにより、得られた測定の精度も高まる。
【0070】
また図2fに示すように、フレーム204の例示的実施形態は、ラベリングなどによって局所的な生理をグラフィック図示することにより、小型の配置用「マップ」をユーザに提示する。例えば、フレーム要素204の一端において、フレーム要素204上の切り出しによって文字「ULNAR
SIDE」270が得られるが、他のアプローチ(例えば、ラベル、塗布/マーキング)も同一の機能を達成するために用いることが可能である。このフレーズは、フレーム要素の尺側(ULNAR
SIDE)を患者の前腕の尺側(ULNAR
SIDE)上に配置すべきである旨をユーザに示す。この図示の実施形態にある切り出しデザインは、他のアプローチの場合よりもデバイスのユーザにとって文字が読みやすく、また文字が消えたり落下したりしない点において有利である。適切な配置後、ユーザは、フレーム204を対象の手首の周囲において変形させ、これにより、フレームおよび露出側の(皮膚)側に接触して配置された接着剤を用いて保護シートを取り外した後、フレーム204を患者の前腕上に接着させる。
【0071】
また図2fに示すように、1組のリブまたは隆起272が設けられる。これらのリブ272は、アクチュエータ300上に存在する対応する特徴(例えば、空洞)内に受容されるため、重要である。図2fの実施形態は、アクチュエータ空洞の内外双方に適合する複雑な構造を用いた従来技術の実施形態と比較して、アライメント装置フレーム204の設計および鋳造を有利に簡略化させる。これらのリブ272は更に、嵌入部または開口部274をセンサコネクタアセンブリ202それぞれの外側表面上に含むようにしてある。嵌入部274は、アクチュエータ300と関連付けられた補完タブ322を受容するようにしてあり、これにより、アクチュエータ300が所定位置に設置され(すなわち、センサアセンブリ200と噛み合わされ)、大きく回転することが無くなる。図示の実施形態において、10°の回転を設定することで、異なる対象の前腕における形状変動に対応できる点に留意されたい。この制限を超えてデバイスが回転すると、空洞の側部がアクチュエータ上のスナップ機能の側部上に押圧され、力がフレームに付加されてフレームが歪み、その結果フレームがアクチュエータから解放される。アクチュエータをフレーム上に取り付けるためには、アクチュエータを下方にフレーム上に押圧するだけでよく、その結果、フレーム全体がスナップ式に機能し、アクチュエータにラッチする。
この特徴により、アクチュエータ300のセンサアセンブリ200への接続を容易に強靱にかつ干渉なく行うことが保証される。
【0072】
図2fに示すように、例示的実施形態におけるセンサコネクタアセンブリ202のフレーム要素204への接続は、可撓性のおよび弾性の蛇行状の懸架ループ276および関連付けられた懸架アーム278を用いて達成される。
【0073】
懸架ループ276は多層ハウジング要素214の外周に取り付けられ、ループは実質的にセンサコネクタアセンブリ202を包囲し、センサ要素210の外側縁部中の溝部内に適合する。しかし、他の配置構成も可能である。図示するように、懸架ループ276の部分は、上記したようにハウジング要素214と接触しないように形成される。これらの部分は、アーチ280を形成する。アクチュエータ300がセンサアセンブリ200と噛み合わされると、アーチ280は、アクチュエータレセプタクル304内に配置されたピン314を受容する。しかし、センサコネクタアセンブリ202をアクチュエータレセプタクル304内に支援および維持するための他の方法を用いた場合も、同様の結果を得ることができる。
【0074】
図示の実施形態において、端部ループにより、センサ多層アセンブリの溝部周囲に懸架ループの楕円形リング特徴部を配置する作業が容易化される。これらにより、組み立て時における「可撓性」が可能になる点に留意されたい。
【0075】
懸架アーム278は、一体注入成型、接着剤または他の手段を介してフレーム要素204へリジッド接続され、懸架ループ276へ可撓性を以て取り付けられる。本実施形態における懸架アーム278は充分な「緩み」を提供し、これにより、フレーム要素204およびセンサ要素210はフレーム204内においてかなりの程度横方向に(および他の自由度において)移動することができ、これにより、センサの位置決めアルゴリズムおよび自動ゼロ化の実行中に、アクチュエータ300がセンサ要素210を橈骨動脈に対して移動させる。また、本発明により、近接方向における自由移動と、圧平または血管圧縮方向における自由移動とが可能になる。さらに、懸架アーム278において充分な緩みが得られるため、アクチュエータ300によってセンサ要素210を所望レベルで近接移動させることが可能になり、X−Y面におけるセンサ要素の回転(すなわち、垂直軸を中心としたセンサアセンブリの「横揺れ」)も可能になる。他の配置構成も可能であり、このような代替例は、機会分野の当業者であれば容易に実行することができる。
【0076】
図示の実施形態において、懸架ループ276および関連付けられた懸架アーム278は、センサ要素210(アセンブリの最も顕著な活性表面を含む)を上昇位置に維持することにさらに留意する。この上昇位置は、皮膚表面から完全に係合解除されるかまたは上方の位置にある。その結果、有利なことに、オペレータおよびシステムは、付勢が望ましくない時(例えば、センサの較正時)において、センサおよび圧力トランスデューサーに付勢が無いことを確認することができる。
【0077】
例示的ゼロ化アルゴリズムは、以下のような多様な特徴を含む:(i)センサの出力が一定である(例えばセンサウォームアップまたは他の温度的影響に起因して、例えば必ずしも一定ではないが単調である)休止状態を確認する。この休止状態は、センサが皮膚と接触しているときには発生しない。および/または(ii)センサを上方にアクチュエータ内へと退避させ、圧平位置を「ディザリング」して、圧力変化が無い場合にセンサが必ず皮膚から離れことを保証する。これらのアプローチのうちいずれかまたは双方を用いることが可能である。
【0078】
図2fはまた、例示的フレームリップ282を示す。フレームリップ282は、フレーム要素204の中央開口部の外周に沿って形成される。フレームリップ282は、アクチュエータレセプタクル304内にぴったりと嵌まるように設計され、これにより、センサアセンブリ200をアクチュエータ300と接触した状態で保持する。このリップはまた、フレームのアクチュエータへの取り付けの際にスナップ機能として機能する方向において、剛性をフレームへ付加する。このリップはまた、アクチュエータの反対側の機能と干渉することにより、アクチュエータが後方に配置される事態も回避する。
【0079】
よってアクチュエータレセプタクル304は、以下に説明するように、突出するフレームリップ282を受容する「溝」を含む。例示的実施形態のフレームリップ282の構成が他の従来技術構成よりも好適である理由として、特に、この構成を用いた場合、センサアセンブリ200を単一の工程で中断なくアクチュエータ300へ接続できる点がある。他にもより良い自動誘導方法があり、これにより、不整合の可能性が低減する。
【0080】
ここで図2gを参照して、フレーム要素204が載置された発泡体裏地206について、以下に詳細に説明する。発泡体裏地206は、適合する発泡体および接着剤表面を含む。この接着剤表面は、要素204の接触側に取り付けられる。この発泡体裏地は、異なる形状およびサイズの生体に関連する独自のプロファイルおよび形状に有利に適合させることができる。
【0081】
上記したように、従来技術の実施形態と比較して、フレーム要素204は、本実施形態においてラジアル部分に対して実質的に最小化される。そのため、発泡体裏地206は、センサアセンブリ200のラジアル部分を伸長させるようにしてあり、これにより、対象へ取り付けられる表面積が増加する。上述したように、発泡体裏地206の形状は、ヒト対象の母指球(「親指筋肉」)を継続的に収容できるような形状である。そのため、センサアセンブリ200の取付が妨害されず、対象の生体組織内の天然の隆起および窪みに適合する。
【0082】
適合する発泡体裏地206の下面上の接着剤は、フレーム要素204が対象の皮膚上に配置された際に皮膚に接合するようにしてあり、フレーム要素204が一定レベルで変形して、皮膚の表面外形に整合するように変形する。接着剤は、(特に患者の発汗などに起因するほとんどの発生し得る条件下において)接合が確実かつ長期間継続するように選択され、かつ、廃棄が望まれる場合に対象に多大な不快感を引き起こすことなく容易に取り外すことが可能なように選択される。しかし、フレーム要素204を対象の生体組織に対する一定位置に保持するための他の手段を用いてもよい(例えば、ベルクロストラップ、テープ、フレーム要素204そのものの下面への接着剤の直接塗布)。別の実施形態において、温度感度型または感光型フレーム材料を用い、初期において変形性および可撓性があるフレーム要素を熱、光または他のこのような「硬化」プロセスへ晒すことで、実質的により硬質にすることができる。
【0083】
接着剤分野において周知の種類の低コストで取り外し可能な裏シート(例えば、一側部上にワックスまたはコートが付されている)を用いて、使用前のフレーム要素204の内側または接触側上に配置された上記の接着剤(図示せず)を被覆し、これにより、その中間物を排除することができる。ユーザは、裏シートを剥離し、フレーム要素204を所望の生体組織位置に配置し、フレーム要素204を対象の皮膚へ優しく押圧して上記した接合を形成するだけでよく、その結果、フレーム要素204が対象の生体組織の外形に合わせて必要なだけ変形する。接着剤接合の強度は充分であり、フレーム要素の可撓性も充分であるため、フレーム要素の変形は上述したような結合により実質的に保持される。
【0084】
上述したように、センサアセンブリ200の上記した例示的実施形態と、従来技術のものとの間の顕著な差は、本発明において「パドル」要素を用いていないという点がある。従来技術においては、パドル要素を用いて、センサアセンブリを対象の生体組織に対する所望の位置に配置する。しかし、本発明においては、自動ゼロ化プロセスにより、ユーザが手作業でセンサアセンブリを配置する必要が無くなる。この実施形態において、自動ゼロ化により、装置の動作が有利に簡略化され、また、製造コスト低減の機会も得られる。なぜならば、パドルの作製、組み立てなどの必要が無くなるからである。(例えば2つの平行なレチクル特徴部間に動脈標的部分の長手方向軸をアライメントさせることにより)2本の平行なパドルライン間に動脈または他の血管をアライメントさせる代わりに、本発明において、ユーザは、対象生体組織上に装置を配置し、フレーム側部に動脈ラインに矢印を描くだけでよい。さらに、フレームの直線縁部は、「手首ブレーク」に沿って配置されることが想定される。「手首ブレーク」とは、手首が終端し、手が開始する場所を意味する。発泡体の形状も、一側部へ広がる親指をシミュレートしたフレア形状に起因して必要となる近傍にフレームを配置できるように、、想定されている。よって、本発明は、介護者または監視対象による使用を大幅に容易にする。
【0085】
図示の実施形態において、実質的に楕円形のセンサ形状も、フレーム204の縁部が装置の中心線に近接することを促すため、フレーム204は母指球を収容し得る。また、(本明細書中に記載の他の実施形態と比較して)センサのサイズおよび外形は横方向/中央方向に小さくなっているため、フレームを他の場合よりも小型にすることができ、近接/遠位方向に延びる腱へのセンサの側部からの影響も少なくなる。
【0086】
さらに、全方向においてセンサを小型にすることにより、皮膚において押圧されている表面積が低減し、その結果、センサを皮膚内へ押すための力も低減する。必要な力を低減することにより、圧平/位置決め機構を小型にすることができ、必要な電気も低減することができる(これは、「自立型」または電池駆動型の変形例において重要である)。
【0087】
楕円形のセンサ要素210を小型にすることによる別の利点として、横方向/中央長さが短くなることで、上述したような(例えば、横方向/中央方向における)センサ移動時においてセンサから腱への影響が低減し、これにより、センサが皮膚表面上をより均等かつスムーズにスライドできるようになるという点がある。
【0088】
その結果、とりわけ横方向探索フェーズ監視時における性能が向上する。また、図2図2gのセンサ210は楕円形形状であるため、センサコネクタアセンブリ202の外周上に連続的な曲線状の表面が得られ、その結果、剪断効果の低減により、横方向および近接軸双方における移動が容易となる。詳細には、一局面において、楕円形変形例上の「角部」を無くすことにより、方向における変化および全方向における移動の円滑化が可能になり、曲線状側壁またはアセンブリの断面形状に接続されると、組織上におけるセンサアセンブリの移動に悪影響を与えることなく、組織表面に対するセンサの一定レベルの回転、ピッチおよび/または横揺れ(または逆に、組織形状または表面内におけるより大きな変則性)が可能となる。
【0089】
さらに別の実施形態において、装置を用いて血行力学的パラメータ測定が得られる。この装置は、複数回使用または再利用可能なセンサ要素(図2iを参照、以下に説明)と、使用が限定された(例えば単回使用用の)廃棄可能フレーム要素(図2hを参照、以下に説明)とを含む。センサ要素の製造と関連するコストは一般的には、フレームおよびそのコンポーネントに関連するコストよりもずっと高い。そのため、この構成を用いた場合、デバイスの稼働コストが効率的になる。なぜならば、オペレータは、各対象または患者のために新規の単回使用フレーム要素を購入するだけでよく、また、単一のセンサを複数の患者に対する場合でも(所望の範囲まで)再利用することが可能であるからである。センサの再利用が可能である大きな理由として、ダイヤフラムまたは薄膜の提供がある。これらのダイヤフラムまたは薄膜は、対象の皮膚との任意の直接的接触から保護または隔離する。
【0090】
フレームおよびセンサの全体的機能および構造は一般的には上記したものと多くの点において同様であるが、いくつかの相違点がある。そのような相違点について、本明細書中において後でさらに詳述する。
【0091】
ここで図2hを参照すると、廃棄可能フレーム500の例示的実施形態が例示してある。図示のように、廃棄可能フレーム500は、フレームコンポーネント502、フレームライナ510、ダイヤフラムまたは薄膜514およびa薄膜ライナ520を含む。
【0092】
センサフレームコンポーネント502は、一定の適合性または可撓性のおよび弾性のポリマー成型を含む。このようなポリマー成型はポリエチレンから形成されるが、他の材料および可撓性レベルも利用可能である。上述したように、殆どのヒトの手首の中央部分に対応できるように特に曲線形状フレームを設計し、上記した可撓性レベルにより、フレーム要素500の全体形状を特定の形状および所与の対象の手首半径に合わせて変形させることが可能になる。あるいは、異なるサイズおよび形状のフレーム要素500を異なる配置および/または異なる対象寸法に合わせて設けてもよい。さらに、フレームを非対称構成にして一端を他端よりも大きくすることもでき、これにより、例えば利用または取り外し時における把持がより容易になり、対象へのフィット感も向上し、ラベル付加または図形のための空間も得られる。
【0093】
フレーム要素502はまた、ユーザの生体組織の多様な部分(例えば、周知の手首領域の茎状突起)のための1つ以上の収容部を含み得る。これらの収容部は、フレーム要素を対象へフィットさせるだけでなく、フレーム(そしてつまり、センサ)の大雑把なアライメントも有利に支援する。例えば、一変形例において、フレーム要素502は、歪みまたはノッチを含む。この歪みまたはノッチは、茎状突起を収容するようにラジアル側に形成される。しかし、一定の可撓性のおよび弾性のフレーム材料を用いることによっても、フレーム502を一定に歪ませることができ、これにより、各個々の対象の生理機能部位により適合することができることも理解される。この点について、フレーム502に対して「フリーサイズ型の」アプローチを用いることで、製造、在庫などの簡略化が可能となる。しかし、カスタムフィット型のフレーム要素(例えば、大柄の人のためのサイズ、子供用のサイズ)も本発明に従って容易に利用可能であることが理解される。
さらに、使用時において茎状突起をレチクルと共に配置させる。この点について、本明細書中図5を参照してより詳細に後述する。
【0094】
図2hのセンサフレーム502は、1つ以上のセンサ要素(以下に説明)を受容する開口部524を含む。例示的フレームにある開口部524は、単一のセンサと、開口部内におけるその移動(例えば、横方向および近接寸法)とに対応するようなサイズにされる。その結果、対象の生体組織上へのフレーム502をより低精度に配置しても許容されるようになり有利となる。なぜならば、ホストデバイス(例えば、アクチュエータ)にとって、血管へのセンサの最適接続を達成するためにセンサを横方向および近接方向に再配置する自由度が大きくなるからである。
【0095】
センサフレームコンポーネント502は、ホストデバイス(例えば、アクチュエータ300)をセンサフレームコンポーネント502に固定するための1つ以上の特徴504および506を含む。図示の実施形態において、1組のリブまたは隆起504がフレーム502内に成型され、アクチュエータ300上に存在する対応する特徴(例えば、空洞)内に受容される。これらの隆起504は、その外面上にインデントまたは開口部526を有するような形状にされる。アクチュエータ300は、(スカート周囲上のダボ322を介して(本明細書中のアクチュエータ300についての記載を参照))廃棄可能フレーム500のセンサフレームコンポーネント502のインデント526へと接続される。フレーム500およびアクチュエータ300の接続を(インデント526を介して)行うことにより、正方向の相対的位置決めと、アクチュエータおよびセンサ要素の回転防止(以下に説明)とが可能になる。
【0096】
このような接続によりアクチュエータおよび/またはフレームの回転が大きく妨害されるものの、例えば異なる対象の前腕の形状変動に対応するために小さな回転も設計可能である点に留意されたい。この事前規定された量を超えて回転した場合、フレームはアクチュエータから解放される。上記した実施形態と同様に、アクチュエータを(ホストデバイス(例えば、ブレスレット)を介して)フレーム上へ押圧してスナップ式に取り付けることにより、アクチュエータがフレーム上に取り付けられる。
【0097】
図2hのフレーム500はまた、開口部524の外周に沿って形成されたリップ506を含む。フレームリップ506は、アクチュエータ300の対応する特徴(例えば、アクチュエータレセプタクル304)内に嵌められ、これにより、フレームアセンブリ500をアクチュエータ300と接触した状態で保持する。リップ506は、1つの例示的実施形態において、アクチュエータがフレーム上に不正確に(例えば後方に)配置されることを周知の手段(例えば、キーイング、非対称形状)を通じて回避するように構成される。
【0098】
センサフレーム502は、オペレータまたは対象がアセンブリを前腕上に適切な方向に配置することを支援する文字表示508または他の視覚表示をさらに含み得る。図示の実施形態において、「尺側(ULNAR
SIDE)」が区別される。追加的にまたは代替的に、「ラジアル側(radial
side)」が付与されてもよい。文字表示508は、例えば、フレーム502の表面上に印刷してもよいし、フレーム502の本体から切り出すかまたは本体中に成型してもよいし、フレーム502上にステッカーとして配置してもよい。他の表現、配置、インジケータ、グラフィックまたは特徴を本発明において用いて、多様なコンポーネント(例えば、矢印、色コード、画像/図、特定のテクスチャ、点字)のユーザによる操作および配置を支援することができる、と理解される。
【0099】
さらなる実施形態において、センサフレーム502は、外側方向に延びる部分(図示せず)を含み得る。これら外側方向に延びる部分は、アクチュエータ300またはホストデバイスの側部上にクリップするように構成され、これにより、フレーム500をアクチュエータ/ホストへ接続するためのさらなる支持が得られる。
【0100】
図2hの実施形態のフレームライナ510は、センサフレームコンポーネント502の下面(すなわち、対象の皮膚表面に適合するような形状の側部)へ取り付けられる。フレームライナ510は、実質的に可撓性のポリマーによって構成される(例えば、ポリエチレン発泡体)。しかし、他の材料および可撓性レベル(例えば、非可撓性の材料)も所望であれば利用可能である。フレームライナ510は、本実施形態において、対象の皮膚表面上に配置されるため、フレーム要素500に対するパッドまたはクッションとして用いられる。しかし、このようなライナーが本発明の実行において必ずしも必要であるというわけではない、と理解される。フレームライナ510は、センサフレーム502の一般的形状および上記した開口部524を収容するような形状にされる。
【0101】
別の実施形態において、フレームライナは、材料の1つ以上の層を含む。この材料は、フレーム502の下部上に噴霧されるかまたは他の場合にコーティングされるか、あるいは、フレーム材料中に含浸される(すなわち、別個の構成要素とならない)。
【0102】
図示の実施形態中のフレーム要素500のダイヤフラムまたは薄膜514の部分は、フレームコンポーネント502の下面へ接着される。この薄膜は、任意選択的に1つ以上の配置部分(単数または複数)518を含む。これらの配置部分518により、開口部524周囲の点において薄膜をフレームライナ510へ確実に接続することが可能になる。薄膜514の透明な部分516は、開口部528の下面(すなわち、対象の皮膚表面と接触する側部)を横断または被覆し、また、センサ要素がフレーム502の開口部524内に受容された時、対象の皮膚表面とセンサ要素との間に保護バリアおよび移動媒体を提供する。透明な部分516は、実質的に透明な肉薄材料を含み得る(例えば、透明なポリエステルポリマーまたはポリエチレン)。透明な部分516は、センサの表面上方における移動を妨げないように実質的に伸張した状態で、開口部524の上方に配置される。透明な部分516の伸張状態は、薄膜の配置部分518を発泡体ライナー510の下面に沿って配置することにより、得られる。薄膜514の厚さおよび物理的特性は、1つの実行様態において、特定のデュロメーター(硬度)および厚さパラメータが得られるように選択される。例えば、デュロメーターは10〜55ショアAであり得、引っ張り強度は2.0〜8.0lbs/インチであり得、厚さは0.001〜0.010インチであり得る。しかし、評価されている特定の生理学的パラメータ(単数または複数)、用途および/または用いられるセンサの種類に基づいて他の値も代替可能であることが理解される。
【0103】
薄膜514はまた、(少なくとも開口部領域内の)一側部上が、薄膜の上側(潤滑)表面に対するセンサの横方向/近接移動を促進する潤滑剤(例えば、固体状、液体状または粉末状のもの)によってコーティングされ得る。上記したように、例示的な楕円形形状のセンサ要素(およびその実質的に「丸みのついた」角部)により、対策が無ければ発生し得る拘束または「ジャーキネス」無しに、このような移動がさらに促進される。
【0104】
ダイヤフラムまたは薄膜514は、下面上に接着剤528をさらに含み、これにより、フレーム500が対象の皮膚上に配置されると、フレーム500は(薄膜上の接着剤を介して)皮膚へと付着し、フレーム要素500は、必要であれば皮膚の表面外形に整合するように若干変形することができる。接着剤は、確実であり、水分(例えば、汗)に強い接合が得られ、かつ、廃棄が所望されるときには対象に不快感を与えることなく容易に除去可能なように、有利に選択される。フレーム要素500を対象の生体組織に対して一定位置に維持するための他の手段(例えば、ベルクロストラップ、テープ)も、単独または上記と組み合わせて利用可能である。
【0105】
接着剤分野において周知の種類の低コストで取り外し可能な裏シートまたはライナー520(例えば、一側部上にワックスまたはコーティングされたもの)を図示の実施形態において用いて、使用前に接着剤528を被覆して、中間物を排除する。使用時において、ユーザは、上に配置されたタブ522を介して裏シート520を剥離し、フレーム要素500を対象の皮膚表面上の所望の位置に配置し、フレーム要素500を対象の皮膚に優しく押圧して上記した接合を形成し、これにより、必要に応じてフレーム要素を対象の生体組織の外形に合わせて変形させるだけでよい(これにより、接着剤と皮膚との接触表面積も容易に増加する)。
【0106】
図示の実施形態の薄膜514は、アライメント機構またはデバイス(図示せず)をさらに含む。このアライメント機構またはデバイスは、ユーザ/オペレータが開始時においてフレーム要素500を適切に位置決めすることを支援する。一実施形態において、このアライメントデバイスは、レチクルまたは薄膜514自体の実質的に透明な部分516の上に配置されるシンボル(例えば、印刷または付与される)を含む。このレチクルは、任意の数の形状をとり得る(例えば、「十字線」、2つ以上の平行な線、ドット、一連の同心円(「標的」)等)。(例えばユーザ/オペレータが指または他の技術を用いて適切なパルス点を対象の中央領域上の表面上に発見し、この位置をマーカーなどによってマーク付けすることにより)所望の特定の監視位置を一旦特定した場合、裏シート520を剥離し、開口部524を通じてレチクルを視認することにより、マーク付けされたパルス点上に薄膜514のレチクルを配置する。その後、ユーザ/オペレータは、接着剤表面528を対象の皮膚に対して押圧するだけで、フレーム500を所定位置に貼ることができる。上記したように、有利なことに、フレーム500の配置を高精度にする必要がない(そのため、システムをより強靱にし、かつオペレータの間違いまたは使用時における変動に対してあまり影響を受けないようにすることができる)。なぜならば、(i)例示的実施形態のホストデバイス(アクチュエータ)は、血管位置アルゴリズム/ルーチンを含み、(ii)フレーム502は、センサが横方向および近接方向に移動できることを可能にする充分なサイズの開口部を含み、このような低精度配置を修正できるからである。
【0107】
あるいは、レチクルを他の位置に配置または形成してもよい(例えば、フレーム要素502そのものの一部として配置または形成してもよい(例えば、その一部として成型してもよい。その場合、配置後の除去を可能にするための破壊可能なリンクを備える
【0108】
)あるいは、レチクルを、フレーム要素502の上部に設けられたステッカーまたは取り外し可能な層として設けてもよい)。さらに別の実施形態においては、本明細書中において上記した種類の取り外し可能なまたは移動可能なパドルをフレーム要素500へ取り付け、アライメントのために用いた後、フレームをアクチュエータおよびセンサへ取り付ける際にパドルを移動または除去する。
【0109】
ここで図2iを参照すると、本発明の一実施形態による再利用可能なセンサ要素600が図示してある。センサ要素600は、上記した実施形態と同様に、感知の他にも、圧平要素として用いることが可能である。このような圧平要素は、対象血管の周囲の組織をアクチュエータ300の力下において押圧することで血管壁に力を付加して、壁または輪の応力に打ち勝つ。一変形例において、圧平要素600は詳細には、上述したように伝達損失効果を軽減するように設計される。さらに別の実施形態において、センサ600を圧平要素として用いる代わりに、別個の圧平要素(一変形例において、圧力または他のセンサ(単数または複数)から接続解除されたもの)が用いられ得る。
【0110】
図示のように、センサ要素600は一般的には、センサコネクタ要素612、下側センサハウジング608および上側ハウジング要素626を含み、センサ要素600の一部は、本明細書中に既述した種類のシリコンカプセル材料層602中に封入される。本明細書中において用いられる「上側」および「下側」という用語はひとえに相対的なものでる点に留意されたい。すなわち、図2iに示す実施形態において、センサ要素600を通常の方向から逆転して図示しているが、本発明はこれに限定されない。さらに別の実施形態においては、センサ要素600の1つ以上の表面(例えば、その活性表面)を封入しなくてもよい。
【0111】
図示の実施形態におけるセンサ600の全体的外観は、楕円形状又は卵形状である(例えば、図2図2gについて上記したもの)。センサ600の寸法は、フレーム500の開口部524内におけるセンサ600の横方向/近接移動が(フレームの再配置の必要無く)大きくなるように、選択される。同様に、フレーム600の全体的サイズおよび形状は、より小さくしてもよいし、あるいは必要に応じて調節してもよい。センサ600全体的楕円形状の多様なさらなる利点については上述してあり、図2iを用いて説明した再利用可能なセンサ600にも等しく適用可能である。
【0112】
シリコンカプセル材料層602は、シリコン製カプセル材料606を含む。シリコン製カプセル材料606は、少なくともセンサ要素600の下側ハウジング608部分を包囲し、一実施形態において、その付勢要素を形成する。封入部材料を付勢要素として用いることによる多様な利点について、図2図2gを参照して上述しており、本明細書中に記載の再利用可能なセンサ600にも等しく適用可能である。
【0113】
封入部層602は、センサの部分604カバリング活性表面(例えば、圧力トランスデューサー)をさらに含む。活性表面に配置された封入部材料は、センサ全体を包囲するために用いられる同一シリコン製材料であり得る。あるいは、より肉薄の層によってこの表面を被覆してもよいし、あるいは、材料を全く用いなくてもよい。とりわけ、活性表面材料604は、センサの活性面を直接的露出から保護する。本実施形態において、カプセル材料の活性表面604は、フレーム要素500の薄膜層514と直接相互作用して、信号(例えば、圧力変動)を薄膜およびカプセル材料を通じてトランスデューサー活性表面へと伝達させる。
【0114】
図示の実施形態において、例示的センサ要素600の下側ハウジング608は、センサコネクタ612のためのプラスチックケーシングである。下側ハウジングは一般的には、少なくとも1つの開口部624を含む。少なくとも1つの開口部624は、コネクタ要素612の下側部分を受容し(そしてセンサトランスデューサーの活性面を露出させ)、また、活性面をハウジングを通じてカプセル材料層602の活性表面604へと突出させる。
【0115】
下側ハウジング608は、除去装置保持器610をさらに含む。除去装置保持器610は、上側ハウジング626上の同様の特徴と共に協働して、除去装置618を上側ハウジングと下側ハウジングとの間の所定位置に保持する。上側ハウジングおよび下側ハウジングの特徴は、上側ハウジング626上の一連のノッチ628を介して共に保持される。これらのノッチ628は、プラットフォーム610上に配置された1つ以上の収容特徴(図示せず)内に受容される。一変形例において、除去装置は、可撓性の(例えば、ポリマーまたはゴム製の)リングを含む。このリング上のタブにより、ユーザによる把持が可能となる。センサ600は、ユニットとしてアクチュエータから除去される。このような除去は、除去装置618ののタブグリップ622をアクチュエータ/ホストデバイスから離隔方向に引っ張ることにより、行われる。
【0116】
図2iに示すように、センサコネクタ要素612は一般的には、実質的にピラミッド形構成となるように配置されたセンサ電子部品および端子616を含む。さらに、接続構造614をセンサコネクタ612の表面上に配置して、センサコネクタ612をアクチュエータ300のレセプタクル内に確実に(例えば摩擦嵌めなどにより)配置する。センサコネクタの全体的形状は一般的にはピラミッド形であり、上述したように図2図2gの実施形態において多様な利点を提供する。
【0117】
センサコネクタ要素612は、複数の導体616(例えば、ワイヤまたはあるいはフラットストリップ、導電性トレース等)さらに含む。これら複数の導体616は、一般的にはピラミッド形ハウジングの一側部の周囲を沿うように配置してある。導体616は、アクチュエータ300の電気接点312と電気的に連通する。図示していないが、コネクタ要素612をプリント回路基板上に取り付けることで、導体616をその上の電気接点と並んで配置させることができることが理解される。図2iの例示的コネクタ要素612は一般的に、機械的安定性および電気通信向上のため、図2b〜図2cを参照すると、上記した特徴を含む。
【0118】
上述したように、センサ600のコネクタ要素612は、電気的消去可能ROM(EEPROM)IC(図2cの上記の要素248と類似のもの)を含む。電気的消去可能ROM(EEPROM)ICまたは他の回路デバイスまたは構成要素(単数または複数)は、プリント回路基板上にも配置され得る。
【0119】
センサコネクタ要素612は、1つ以上の感知要素(例えば、圧力トランスデューサー(図示せず))をさらに含み得る。センサアセンブリ600が(対象の皮膚上の)フレーム要素500の薄膜と接触すると、薄膜およびカプセル材料を通じて血行力学的パラメータ測定が実行可能となるように、センサ要素(単数または複数)が配置される。
【0120】
アクチュエータのレセプタクル(例えば、アクチュエータ300へ取り付けられた第2の要素304)は、センサコネクタ要素612の形状に対して実質的な補完形状を有する。アクチュエータ内への固定後、接続がリジッドに行われ、これにより、センサ600はアクチュエータから実質的に移動できなくなる。
【0121】
一実施形態において、センサは、有限の寿命(例えば、使用回数)または使用日数を有するようにプログラムされる。ライフサイクルまたは使用回数は詳細には、使用された数分の値に基づいて保存寿命値をデクリメントすることにより、決定される。例えば、寿命として、10800分の使用分の数が、残留分数としてEEPROMメモリ中に保存される。この値は、使用時においてホストデバイスによってデクリメントされる。このアプローチにより、センサを複数回だけかつ設計寿命を超えずに使用することが可能になる(設計寿命を超えて使用した場合、性能または構成要素そのものの劣化に繋がり得る)。一変形例において、センサは、実際の使用時における境界を越えた場合(例えば、ホストデバイスによる血圧測定時における初回使用のデクリメントから使用が10800分または180時間を超えた場合)において、継続中の使用または測定の完了を可能にするようにプログラムされる。これにより、介護者に対し当該対象の測定を完了させることが可能になり有利であるが、それ以上は測定させない。寿命を超えた後は、センサは永久に使用不可となる。なぜならば、ホストデバイスは、EEPROM中に残っている値が0分であるセンサを開始することを許容しないからである。
【0122】
本発明のホストデバイスはまた、一実施形態において、スケーリングまたは較正データ(例えば、参考のため全体が本明細書に援用される米国特許第6,730,038号(Gallantらと共有、発行日:2004年5月4日(名称「Method
and Apparatus for Non-Invasively Measuring Hemodynamic Parameters Using
Parametrics」)中に記載の体格指数(BMI))を再入力することを可能にする。このような能力により、とりわけ、異なる生理学的パラメータ(例えば、身長、体重、手首外周)を有する複数の異なる個人に対して同一センサを用いることが可能になる。
【0123】
ここで図3図3dを参照して、本発明のアクチュエータアセンブリ300の1つの例示的実施形態について説明する。本明細書中記載されるアクチュエータ300は、矢状方向および横方向(横断)方向双方におけるセンサ要素210の位置の調節または移動を可能にするように設計される。しかし、(例えば近接調節)の自由度を増減するようにセンサ要素210の位置を変更することも可能であることが理解される。よって、以下の実施形態は、ひとえに例示的なものである。
【0124】
図3は、アクチュエータアセンブリ300の一実施形態の下面を示す。本実施形態において、アクチュエータの下面は一般的には、アタッチメントプレート302を含む。アタッチメントプレート302上には、多様な接続機構および受容装置が配置される。センサ要素210(およびアセンブリ200)およびアクチュエータ300が噛み合わされると、この受容装置(例えば、アクチュエータレセプタクル304、コネクタディスク310およびコネクタ凹部308)により得られた空洞内に、センサコネクタアセンブリ202の部分が受容される。接続機構(例えば、フレームリップ受容壁部320および補完タブ322)ならびにアクチュエータレセプタクルリングリングにより、アクチュエータ300とセンサコネクタアセンブリ202との間の確実な接続が得られる。ゴムベローズ318も提供される。ゴムベローズ318により、レセプタクルが残りのアクチュエータと共に移動することが可能になり、レセプタクル周囲の開口部を流体または汚染物の侵入から守る。これらの特徴それぞれについて、以下に説明する。しかし、アクチュエータ300をセンサ要素210およびアセンブリ200へ確実に噛み合わせるための他の接続配置構成が、接続機構および受容装置の利用に関係無く、本発明に従って利用可能であることが認識される。
【0125】
例示的アタッチメントプレート302は、複数のプレートアタッチメント特徴部306をさらに含む。複数のプレートアタッチメント特徴306により、アタッチメントプレートがアクチュエータ300の下面へ締結される。図3の例示的実施形態において、プレートアタッチメント特徴はねじ式空洞からなり、アタッチメントプレートをアクチュエータ300本体へねじ固定することにより組み立てが可能となるように設計される。例えば接着剤、ラッチまたは類似の技術を介してアタッチメントプレート302をアクチュエータ300本体へ固定するための他の方法および技術も利用可能であることが理解される。
【0126】
例示的実施形態において、アクチュエータ300の下面は、アクチュエータレセプタクル304を有することを特徴とする。アクチュエータレセプタクル304はアクチュエータプレート302中の凹部であり、センサアセンブリ200を受容するようにしてある。アクチュエータレセプタクル304は、複数の内輪、コネクタディスク310およびフレームリップ受容壁部320を含む。
【0127】
コネクタディスク310は、センサコネクタアセンブリ202の部分を受容し、この部分との確実な噛み合わせを促進できるようにしてある。よって、コネクタディスク310は、部分支持リング316を含む。部分支持リング316は(特にアクチュエータ300が横方向または近接軸周囲いおいて横断方向にローディングまたは回転した条件下において)、センサコネクタアセンブリ202の対応する特徴に実質的に適合し、アクチュエータ300の所定位置への確実な固定を支援する。コネクタディスク310はまた、複数のピン314を含む。これら複数のピン314は、懸架ループ276のアーチ280中に適合する。上述したように、アクチュエータ300がセンサアセンブリ200と噛み合わされると、懸架ループアーチ280によって生成された開口部内にピン314がぴったりと受容される。
【0128】
コネクタ凹部306は、アクチュエータレセプタクル304のコネクタディスク310上に配置される。コネクタ凹部306は詳細には、ピラミッド形センサコネクタ218を受容するようにしてある。よって、コネクタ凹部306は、逆転型ピラミッド形凹部からなる。コネクタ凹部306の逆転型ピラミッド形凹部は更に、2つ306および218が噛み合わされたとき、センサコネクタ218上の複数のワイヤ220と電気接点を維持するようにしてある。この電気連通は、電気信号が伝送されるコネクタ凹部306上に配置した電気接点308を介して発生する。レセプタクルは「U」字型形状であり、コネクタが後方に配置される事態を回避する。
【0129】
図3は、フレームリップ受容壁部320をさらに示す。これらのフレームリップ受容壁部320は、アクチュエータレセプタクル304上に配置される。フレームリップ受容壁部320は、フレーム要素204の対応する特徴に実質的に適合し、アクチュエータ300を所定位置に固定することを支援する。フレームリップ受容壁部320は詳細には、アクチュエータ300およびセンサアセンブリ200が噛み合わされるとフレーム要素204のリブまたは隆起272がはめ込まれることになる溝を生成する。フレームリップ受容壁部320は、補完タブ322を含むようにさらに適合される。これらの補完タブ322は、リブ272上の整合嵌入部274にぴったり嵌まるように設計され、これにより、アクチュエータ300を所定位置にセットすることが可能になり(すなわち、センサアセンブリ200と噛み合わせることが可能になり)、回転できなくなる。側方から見た場合、受容壁部は、アクチュエータが後方に配置されるのを回避する形状も有する。
【0130】
図1および図3a〜図3cは、アクチュエータ300とセンサアセンブリ200との間の例示的接続を示す。図1中に最良に示すように、(上記した)多様な接続機構は、アクチュエータ300およびセンサアセンブリ200を一体の(かつ容易に分離可能な)アセンブリとして噛み合わせるように、構成される。
【0131】
図3a〜図3cを参照すると、例示された実施例において、センサコネクタアセンブリ202の上部は、ピラミッド形のセンサコネクタ218に起因して、実質的に長細型のピラミッド形状となっている。同様に、アクチュエータ300へ取り付けられたコネクタ凹部308の形状は、センサコネクタアセンブリ202に対して実質的に逆転している。すなわち、コネクタ凹部308の形状は一般的には、センサコネクタアセンブリ202およびアライメントおよび保持機能の外形とほぼ正確に整合するように適合される。よって、アクチュエータ300中へ受容されるセンサコネクタアセンブリ202の部分は「雄」要素としてみなすことができ、コネクタ凹部308は「雌」要素とみなすことができる。センサコネクタ218のベースは実質的に四角形状であるため、ねじり負荷下におけるセンサアセンブリ200に対するコネクタ凹部308の回転の制御を支援する。2つの要素218および308がこのように接続されることにより、圧平(通常寸法)におけるアクチュエータとセンサアセンブリとの間において高リジッドかつ不適合の接合が可能になり、これにより、このような適合に起因して発生する血行力学的測定結果の誤差が有効に排除される。しかし、この設計は、接続構成要素間の充分な公差も含むようにしてあるため、センサアセンブリ200をアクチュエータ30から容易に接続解除することができる。蛇行型の懸架アーム278により、センサコネクタアセンブリ202が親センサアセンブリ200中において移動することを可能にしつつ、センサコネクタアセンブリ202が親センサアセンブリ200から分離することを回避するだけの充分な強度が備わる。詳細には、センサアセンブリ200の構成は、全ての姿勢下において、蛇行型アーム278が大きく伸びきるずっと前に、センサコネクタアセンブリ202はアクチュエータ300から接続解除される。
【0132】
長細型のピラミッド形状の接続要素により、実質的な誤配置条件下において、すなわち、この接続において、センサコネクタアセンブリ202の頂点がアクチュエータ300の横方向(すなわち、X−Y)面において対応するコネクタ凹部308から若干変位しかつ/またはセンサアセンブリ200が接続前にアクチュエータ300に対して回転または傾斜する条件下において、2つのデバイスの接続がさらに可能になる点に留意されたい。この特徴により、臨床作業が容易になる。なぜならば、器具は、センサおよびアクチュエータの誤配置(例えば、センサアセンブリ200およびセンサ要素210上で完全な配置となっていないアクチュエータ300(図示せず)のアクチュエータアームに起因した後者のアクチュエータ)をある程度許容できるからである。
【0133】
図示の実施形態は長細型の実質的にピラミッド形状要素を含むが、他の形状およびサイズも成功裏に利用可能であることがさらに認識される。例えば、装置は、補完的な円錐または円錐台部分を含み得る。さらに別の代替例として、実質的に球状形状も利用可能である。他の代替例を挙げると、複数の「ドーム」および/またはアライメント特徴の利用してもよいし、第1の要素および第2の要素の逆転(すなわち、第1の要素を実質的に雌とし、第2の要素を雄とし)してもよいし、またはさらには2つの要素のアライメントを支援する電子センサを利用するデバイスを利用しても良い。
【0134】
本発明の血行力学的評価装置100の一実施形態において、装置は、センサアセンブリの存在(および、アクチュエータ300への接続状態およびセンサアセンブリの電気試験の充分性)について、統一表示を通じてユーザ/オペレータに通知するようにしてある。電子分野の当業者にとって周知の任意の種類の通知スキームが利用可能である(例えば、例えば問題、複数のLED、ライトパイプをオペレータが診断するために用いることが可能なエラーコードとして異なる点滅パターン、順序および間隔を用いることにより、構成要素の存在または状態を示すように異なる間隔で点滅する1つ以上の単一色のLED(点滅無しも含む))。任意選択的に、デバイスは、回路をさらに含む。この回路は、圧力トランスデューサー中のパラメータを評価することにより、トランスデューサーおよびEEPROM間が接続されているかを決定することができる。デバイスは、必要であれば、EEPROM中の情報を確認してEEPROMが接続されているかを確認するように構成することもできる。
【0135】
図3aは、センサアセンブリ200に接続されたアクチュエータ300の断面図である。詳細には、図は、コネクタ凹部308内のセンサコネクタアセンブリ202の電気および機械的コネクタを例示する。
【0136】
図3bに示す分解図は、センサコネクタアセンブリ202とアタッチメントプレート302との間の正確な協働をさらに示す。(センサアセンブリ200のフレーム要素204の)フレームリップ282およびフレームリップ受容壁部320との関係が図示されている。しかし、この関係についてのより詳細な図を図3cに示す。
【0137】
上述したように、図3cは、フレームリップ282および受容壁部320のラッチ機構を示す。図3中に最良に示すように、アクチュエータ300の下面は、2つのリッジまたは壁部320を補完タブ322と共に含むようにも構成される。図2fに示すように、センサアセンブリ200は、対応する嵌入部274と共に隆起またはリブ272を含むように構成される。アクチュエータ300のタブ322は、図示のようにセンサアセンブリ200の嵌入部274内に嵌められる。アタッチメントプレート上のスナップは実際に、フレームリブ内の凹部中で閉まる(要素322は要素274中に嵌められる)。図3中に最良に示すように、アクチュエータ300の下面は、2つのリッジまたは壁部320を含むように構成される。図2fに示すように、センサアセンブリ200は、フレームリップ282を含むように構成される。このフレームリップは、アクチュエータ中の何物とも相互ロックされず、アクチュエータの下側に配置される。このフレームリップはまた、当該領域におけるフレームを剛性を向上させ、その結果、アクチュエータ下面上のラッチタブのフレームへのスナップが向上する。
【0138】
アクチュエータ300の内部構成要素(図示せず)は、譲受人の同時係属中の米国特許出願第10/961,460号(名称「CompactApparatus
and Methods for Non-Invasively Measuring Hemodynamic Parameters」、出願日:10/07/2004)中に記載される種類のものである。譲受人は、同文献全体を参考のため援用する。これらは一般的には、とりわけ、関連付けられたセンサ駆動接続および基板(例えば、PCB)と、関連するモータシャーシアセンブリとを共に含む。
【0139】
アクチュエータ機構の例示的実施形態により、センサコネクタアセンブリの多様な方向(すなわち、圧平、横方向、および近接方向)における移動の分離が可能になることがさらに認識される。詳細には、アクチュエータ機構により、多様な方向における同時ではあるが独立した移動が可能になり、非常に小さく、空間/重量比が効率的なアクチュエータも可能になる。例示的アクチュエータ機構は更に、(例えば、モータを含む)アクチュエータ内の構成要素数を最小化するようにし、これにより、電気消費と、このような測定時におけるアクチュエータ内の質量の平行移動に起因する圧力測定への影響とが低減する。

方法
【0140】
ここで図4を参照し、対象の生体組織に対するセンサの位置決めを行い、対象の血圧を反復測定するための一般的方法400について説明する。以下の議論においては、動脈圧の測定に用いられる圧力測定圧力センサ(例えば、シリコン歪梁デバイス)の配置について説明するが、この方法は、他の種類のセンサにも等しく適用可能であり、ヒト又はその他の対象の生体組織における他の部分にも等しく適用可能であることが認識される。
図4に示すように、方法400に関して図示した実施形態は一般的に、装置の配置対象である生体組織上の位置を先ず決定すること(工程402)を含む。
【0141】
次に、マーカに対してセンサを配置する(工程404)。詳細には、この方法のこの工程において、ユーザまたは臨床医は、裏シートを取り外して、発泡体裏地206上の接着剤を露出させた後、フレーム要素204を対象の皮膚上に接着させ、これにより、センサコネクタアセンブリ202を概して対象パルス点上に配置させる。センサを対象の生体組織上に配置した後、センサを(例えば上記したゼロ化アルゴリズム)によって自動的にゼロ化し、本明細書中に記載の種類の配置または位置決めアルゴリズムに従って横方向および/または近接方向に調節することができ、これにより、手作業によって高精度に配置する必要が無くなる。例示的実施形態において、フレーム要素204およびセンサコネクタアセンブリ202が「組み立てられ」て事前パッケージされると、上述したように、ユーザはパッケージを開き、センサアセンブリ200(例えば、取り付けられたセンサコネクタアセンブリ202)を取り外し、裏シートを接着剤から取り外し、フレーム要素204を配置するだけでよい。
【0142】
工程406において、アクチュエータ300を確実にセンサアセンブリと噛み合わせる。別の実施形態において、任意選択の手首ブレースを先ず対象に取り付けて、対象の生体組織に対する安定性を提供する。その後、アクチュエータ300をセンサアセンブリ200および手首ブレースへ取り付ける。上述したように、一実施形態においてインジケータは、アクチュエータ300が適切にセンサアセンブリ200と噛み合わされたときを示す。
工程408において、デバイスを「ゼロ化」し、必要ならば較正する。
最後に、較正(工程408)の後、工程410において、対象の血圧または他のパラメータ(単数または複数)をセンサ(単数または複数)を用いて測定する。
【0143】
詳細には、フレーム要素204および発泡体裏地206上の接着剤ならびに任意選択の手首ブレースを用いて測定中の生体組織に対して、センサ位置を維持する。これらは、アクチュエータ300がセンサから接続解除された後も、協働して、センサ要素210が大体、対象の所望のパルス点上に位置するように維持する。この中に、本発明の大きな利点がある。なぜならば、アクチュエータ300(および、さらには血行力学的監視装置100の残り部分(例えば、ブレース))を対象から取り外して、センサアセンブリ200およびセンサ要素210を所定位置に残すことができるからである。例えば対象の移動が所望されかつ現在の位置に専用器具を残す必要がある場合、または監視対象から装置100を除去して別の手順を行う必要がある場合(例えば、術後洗浄、対象の身体の回転)において、アクチュエータ300を取り外す必要があり得る。対象パルス点に対してセンサ要素210を有効に一定に維持する。なぜならば、センサ要素210は、懸架ループ276を介してフレーム要素204へ固定されているからである。
【0144】
よって、センサを用いて対象を観察することが再び望まれる場合、もし使用されていらばそのアクチュエータ300を伴ったブレスレット(または目的に応じた別の類似のデバイス)を、対象へ取り付ける。その後、ユーザ/介護者は、ブレスレットを配置して押し、アクチュエータ300をセンサ要素210(およびセンサアセンブリ200)へ取り付ける。なぜならば、センサアセンブリは、第1のアクチュエータが接続解除される場合と同様に、フレーム要素204と共に同一位置に未だに配置されているからである。センサは上述したように、自動的にゼロ化されるため、センサを「最初から」位置決めするために用いるアライメント装置または他の技術が必要となることは無く、これにより、時間およびコストが節約される。この特徴は更に、臨床的により重要な結果または比較可能な結果を生じさせ得る。なぜならば、同一対象上の実質的に同一の配置に対して同一センサが使用されるからである。よって、上記した第1の測定と第2の測定との間の差は、測定装置100を用いたことによる人為的影響となる可能性は低くなる。
【0145】
2つの測定について上記したが、本発明のセンサアセンブリ200および方法により、測定の精度に大きな影響を与えることなく、複数のこのような接続解除−移動−再接続の処理を行うことが可能になることがさらに認識される。
【0146】
上記の方法により実質的な恩恵(例えば、使用の容易性および低コスト)が得られることが本出願の譲受人によって発見されたが、これらの工程または類似の工程の様々な組み合わせをいくつでも使用できる(ならびに異なる装置も)ことが認識される。例えば、製造業者は構成要素をキットとして提供して、それをユーザが組み立てられるようにすることも、実現可能である。
【0147】
さらなる代替例として、「マーカ」をフレームと共に用いることが可能である。例えば、マーカは、目に見えるマーカまたは印(例えば、プラスチックレチクル)と、対象にある所望のパルス点う上に投射する光源(例えば、LED、白熱電球、またはさらには低エネルギーレーザ光)とを含み得る。この後者のアプローチの場合、マーカの物理的除去が不要であるという利点がある。すなわち、センサアセンブリ200をパルス点上に配置するだけでよく、これにより、物理的干渉または有害な影響無く光線をさえぎる。
【0148】
あるいは、音響または超音波マーカ(または、対象から感知される物理的パラメータ(例えば、圧力)に基づいたマーカ)も利用可能である。センサまたはアレイは、例えばサーチアルゴリズム(例えば、本明細書中に上記した譲受人の同時係属中の出願に記載されているようなアルゴリズム)を用いて高精度にパルス点を制限し、最適な横方向位置を発見するために使用される。これにより、有利なことに、レチクルまたは他のマーカの必要性が無くなる。なぜならば、フレーム204を少なくとも近接寸法内に適切に配置する負担を負うのは臨床医/ユーザだからである。必要であれば、例えば近接駆動モータおよびより広範なフレーム寸法を有するアクチュエータを設けることにより、このようなサーチ方法を近接寸法にも利用することが可能である。
【0149】
明らかなことに、本開示内容が与えられた当業者であれば、以下の基本的方法において、無数の他の異なる組み合わせおよび構成が可能であることを認識する:(i)ある点に対してマーカを位置決めすること、(ii)マーカに対してセンサを配置すること、および(iii)そのセンサを所望の点に隣接して配置すること。よって、本記載は、このような広範な方法を制限するものとしてみなされるべきではない。
【0150】
上述したように、本発明の大きな利点の1つとして柔軟性がある。すなわち、本発明は、本発明と共に用いられるハードウェア/ファームウェア/ソフトウェアに縛られることなく、また、血行力学的または他の生理学的パラメータの測定のために多様な異なるプラットフォームまたはシステムとすることが容易にできる。例えば、本発明の方法および装置は、特に、同時係属中の米国仮出願シリアル番号第10/393,660号(「Method
and Apparatus for Control of Non-Invasive Parameter Measurements」、出願日:2003年5月20日)、同時係属中の米国仮出願シリアル番号第10/269,801号(名称「Apparatus
and Methods for Non-Invasively Measuring Hemodynamic Parameters」、出願日:2002年10月11日)、同時係属中の米国仮出願シリアル番号第10/920,990号(名称「Apparatus
and Methods for Non-Invasively Measuring Hemodynamic Parameters」、出願日:2004年8月18日)、同時係属中の特許出願シリアル番号第11/336,222号(名称「Apparatus
and Methods for Non-Invasively Measuring Hemodynamic Parameters」、出願日:2006年1月20日)、同時係属中の米国特許第6,554,774号(名称「Method
and Apparatus for Assessing Hemodynamic Parameters within the Circulatory
System of a Living Subject」、発行日:2003年4月23日)に記載のものと実質的に適合する。上記の文献それぞれは、本出願の譲受人へ譲渡され、本明細書中これらの文献全体を参考のため援用する。
【0151】
ここで図5を参照して、図2hおよび図2iの装置を用いた方法700の一実施形態について説明する。この例示的動作シナリオにおいて、図2iの再利用可能なセンサ600を、図2hの利用制限型フレーム500と共に用いる。
【0152】
先ず、共同所有された多様な上記出願中に記載された種類のスプリントを工程702における対象に任意選択的に付加する。とりわけ、スプリントの利用により、ホストデバイス(例えば、「ブレスレット」)のさらなる安定化と、ユーザにとっての快適性とが得られる。
【0153】
次に、生体上の対象点を工程704において特定する。例えば、ユーザは、対象点を発見し得る。このような発見は、視覚的技術ならびに特殊設計装置(例えば、聴診器)を用いて行うこともできるし、あるいは、指(単数または複数)(例えば、橈骨動脈の触診)によって行うこともできる。この点をマーク付けするかまたは記録し(工程706)、アライメント装置を用いて、フレームを対象点上に配置する(工程708)。
【0154】
一変形例において、ユーザは、対象の皮膚表面上にマーク付けされたラインを介して対象点を記録する。レチクルは、線の中心点が茎状突起に対応するように、構成される。図6に示す例示的視覚支援具(例えば、薄膜)は、フレーム要素の配置に用いられる。図示のように、レチクルは、2本の平行な線からなる。これらの線は、使用時において患者の手首上に付加されたマークに対して配置され、これにより、手首上の線がレチクルの2本の平行線の間に配置される。よって、この特徴は、中央/横方向の配置を支援する。
【0155】
図6の視覚支援具の第2の特徴として、曲線がある。この曲線は、ガイドユーザがフレームを手首に対して正確に方向付けることを誘導する。一実施形態において、「茎状」という言葉を視覚支援具上に印刷することにより、一実施形態においてフレーム上に印刷された「尺側(ULNAR SIDE)」という言葉を補完することができる。こうすることにより、ユーザは、意図される配置から180度ずらしてフレームを配置する事態を回避できる。
【0156】
印刷された曲線は、一変形例において、対象のラジアル茎状突起と隣接して配置され得ることが理解される。フレームの縁部は、近接/遠位配置のために対象の手首のコックに対して配置される。一般的には、フレームの幅は、(フレームの縁部が対象の手首のコックに対して配置された際に)2本の平行な線の中心点(およびセンサ)がラジアル茎状突起にできるだけ近接して配置されるような幅である。しかし、対象の手首のサイズおよび形状の変動に起因して、この配置も若干変化し得る。
【0157】
配置後、工程710において、フレーム500は(薄膜層514の接着剤側または他の固定機構を介して)対象へ固定される。フレーム500の薄膜部分514により、対象の皮膚の表面とセンサ装置の活性表面630が接触する事態が回避される。
【0158】
その後、工程712において、センサアセンブリ600をホストデバイスまたはアクチュエータへ挿入する(ただし、そこに既に存在しない場合)。その結果、回路/端子616は、アクチュエータ300のレセプタクルの内部要素と接触する。センサ要素600は、上記した摩擦/スナップ式または他の適切な機構を介してアクチュエータ内に確実に保持される。その後、準備されたホストデバイス(すなわち、複数回使用センサアセンブリ600を有するアクチュエータを内部に受容したもの)を既述した隆起504、インデント526およびリップ506を介してフレーム500およびスプリント上の所定位置に固定する(工程714)。
【0159】
ホストデバイスがフレーム500上の位置へ固定されると、センサアセンブリ630の活性表面は、薄膜516at対象点において(例えば、橈骨動脈の上にある対象の皮膚上の位置)薄膜516と隣接または接触する。その後、ホストデバイスのアクチュエータによって(例えば、対象の組織の圧平化および/またはセンサの横方向/近接移動によって)薄膜上においてセンサを操作して、対象の血行力学的または他のパラメータのデータの収集に適切な位置にセンサを配置する(工程716)。一変形例において、この位置決めは、援用文献中に記載の種類のホストデバイス上において実行する位置決めアルゴリズムを用いて達成される。このホストデバイスは、センサを通じて受信されたデータに従って、アクチュエータモータ(単数または複数)駆動し、センサを三次元で位置決めする。
【0160】
ユーザがデータ収集を終えると、フレーム要素500を対象から取り外し、適切に廃棄する。センサ要素600は、アクチュエータ内に保持しておいてもよいし、あるいは除去リング620を用いて取り外してもよい。所望であれば、本センサ要素600をアクチュエータ内に保持できるように、別個のアクチュエータカバーをを設けて、センサの活性表面630を保護してもよい。このようにして、センサ600をアクチュエータ内において再利用して、この対象または別の対象上における血行力学的パラメータ測定を後で行うことができる。
【0161】
上記した方法の多数の改変を本発明に従って利用することが可能である点に留意されたい。詳細には、特定の工程は任意選択であり、所望であれば実行または省略してもよい。同様に、他の工程(例えば、さらなるデータサンプリング、処理、濾過、較正または数学的分析)を上記実施形態に付加することも可能である。さらに、特定の工程の順序を変更してもよいし、あるいは所望であれば並行して(または逐次的に)行ってもよい。よって、上記の実施形態は、本明細書中に開示される本発明のより広範な方法の例示に過ぎない。
【0162】
上記において詳細な説明を記載し、多様な実施形態に適用される本発明の新規な特徴を記載したが、当業者であれば、例示のデバイスまたはプロセスの形態および詳細における多様な省略、置換および変更を本発明の意図から逸脱することなく行うことが可能であることが理解される。上記の記載は、本発明を実行するための現時点において考えられる最良の形態である。この記載は、決して制限的なものではなく、本発明の一般的原理の例示としてとられるべきである。本発明の範囲は、特許請求の範囲を参照して決定されるべきである。
図1
図2
図2a
図2b
図2c
図2d
図2e
図2f
図2g
図2h
図2i
図3
図3a
図3b
図3c
図4
図5
図6