【課題を解決するための手段】
【0009】
DC電圧発生器、とりわけPV発生器からの電力を、コンバータユニットによって、インバータに接続された電力網に電力を供給するための、電力網に準拠したAC電圧に変換する本発明によるインバータは、インバータのハウジング内部の湿気センサを備える。
制御ユニットは、湿気センサから湿気の値を受信するために湿気センサに接続されている。
上記の湿気センサは、湿気の値、すなわち、ハウジングの中にある湿気の量を示す値、特に空気湿度または結露した液体の量を示す値を求め、その値をたとえば信号として、インバータを制御するための制御ユニットに伝えるように設計されている。
制御ユニットは、湿気の量が限界値を超える場合には特に、コンバータユニットの入力部における電圧がアーク回避電圧の値を下まわる値に保たれるように、求められた湿気の値に応じてコンバータを制御する。
同時に制御ユニットは、その制御ユニットに接続された加熱素子に電力が確実に供給されるようにしている。
【0010】
加熱素子に供給される電力は、ハウジングから、または、少なくとも電圧を伝える導体どうしの間の絶縁領域から湿気を取り除くために、インバータハウジングの内部を加熱するように働く。
このため加熱素子は、抵抗性のワイヤ、または、回路基板の上の導電経路、もしくは、特に多層回路基板の場合には回路基板の中の導電経路などの抵抗加熱素子として具現化されていることが好ましい。
この場合加熱素子は、絶縁領域が急速に加熱され、それによって、そこに結露した湿気が効果的に取り除かれ得るように配置されていることが好ましい。
湿気の除去は、ファンを備えるインバータを用いることによって向上する場合があり、ファンの気流の中に加熱素子が配置されるか、または加熱素子が生成した熱をデバイスの中に効果的に分散させることができるようにファンが配置される。
【0011】
ハウジングまたは絶縁領域からの湿気の除去は、好ましくはDC電圧発生器の接続導体の近傍、または、電圧を伝える他の導体の近傍(たとえば、インバータにおける中間直流リンクの近傍)に配置された1つまたは複数の湿気センサを利用して監視される。
さらに、ハウジングにおいて湿気が集まる領域の近傍、すなわち、一般に結露水がたまる領域、または、操作によって加熱されるインバータの場合には後の時点においてのみ結露水が蒸発する領域の近傍に湿気センサを配置することも可能である。
この領域は、たとえばインバータハウジングにおける最も深い箇所でもよく、または、ファンの気流が届かないか、もしくは不十分にしか届かないハウジング内の位置でもよい。
【0012】
湿気における、特にアーク形成に関係する損傷の影響は、湿気の除去と平行して、コンバータユニットの入力部における電圧を特定の電圧値より低く保つことによって低減する。
この場合、上記の電圧値は、依然としてアーク回避電圧である許容可能な最大の値を下まわる電圧のみがハウジング内で生じるように選択される。
この場合、アーク回避電圧の値という用語は、電圧の値を意味するように考えられており、この電圧の値は、インバータのハウジングの中の湿気の量を考慮すれば、インバータ内部における電圧を伝える導体どうしの間の電流を防止することが確実に可能となる程度に低い。
このうち、上記の防止される電流は、電圧を伝える導体からアークが生じるか、または、電圧を伝える導体の接触部においては特に、接触部における接触抵抗が長い期間に大幅に増し、その接触抵抗がインバータの電力損失もしくは故障の原因となるように、電圧を伝える導体に腐食プロセスが損傷を及ぼすほど高い。
この場合、アーク回避電圧の値は、湿気の量と、インバータに用いられている絶縁距離および材料との両方に依存する。
一般に、インバータにおけるアーク形成の可能性は、80V未満の電圧では十分に低いと想定される。
対応する距離の決定と材料の選択とを考慮すれば、120Vまたは200Vなどのより高い値が、アーク回避として十分と考えられる場合もある。
DC電圧発生器に対してより高い電圧が許容され得る場合には、加熱素子に対して利用可能な電力が大幅に増えることは当業者には明白である。
それにより、湿気に対する限界値が下まわられるまでに必要な持続時間、すなわち、インバータが除湿されるまでに必要な持続時間を大幅に短縮することが可能である。
【0013】
インバータにおける有利な一構成では、湿気に対する限界値が超えられた場合、制御ユニットは、DC電圧発生器の電圧がアーク回避電圧を下まわるように、コンバータユニットを介してインバータを制御する。
この構成における有利な方法では、発生器電圧、およびそれによるコンバータユニットの入力部における電圧は、コンバータユニット自体を介してアーク回避電圧の値より低く保たれる。
コンバータユニットは、(昇圧コンバータなどの)DC/DCコンバータである相互接続部分と、DC/ACコンバータとを全体として備えることも可能である。
この場合には、DC電圧発生器の電圧と、DC/ACコンバータの入力部における電圧との両方がアーク回避電圧の値より低く保たれることは言うまでもない。
このことは、DC/DCコンバータを動作させないようにすることと、DC/DCコンバータが動作した状態でDC電圧発生器の相応に低くなった電圧値を選択することとの両方によって行われてもよい。
インバータにおけるコンバータユニットは、たとえばDC電圧発生器をMPPで動作させることができるよう、DC電圧発生器の電圧を設定するように大抵は既に設計されている。
本願に関しては、アーク回避電圧の値を超えないようにするためにこの設定の可能性が利用されており、このうちDC電圧発生器によってここで提供される電力は同時に利用されてもよい。
利用は供給の形で行われ得る。
好ましい一実施形態では、加熱素子に供給される電力は、利用の目的に向けてDC電圧発生器から少なくとも部分的に引き出されてもよい。
【0014】
加熱素子に供給される電力がすべてDC電圧発生器から生じる場合には、インバータを電力網から切り替え可能に切り離すための、接触器などのACスイッチを設け、上記のスイッチは、湿気に対する限界値が超えられている間はインバータが電力網から切り離されたままであるとともに、湿気に対する限界値が下まわられている場合にのみインバータが電力網に接続されるように、制御ユニットに接続されていることが有利である。
【0015】
インバータにおけるさらに有利な構成では、湿気に対する限界値が超えられた場合、制御ユニットは、コンバータユニットの入力部からDC電圧発生器が切り離されるようにインバータを制御する。
この方法でも、アーク回避電圧の値が超えられないようにすることができる。
【0016】
インバータにおけるさらに有利な構成では、加熱素子に供給される電力は、電力網から少なくとも部分的に引き出される。
このため制御ユニットは、湿気に対する限界値が超えられた場合には、DC電圧発生器がインバータから切り離されるか、または切り離されたままであるとともに、予熱用電力が電力網から排他的に加熱素子に供給されるように設計されていてもよい。
しかし、加熱素子に供給される電力の提供は、DC電圧発生器と電力網から引き出されるようになされてもよい。
電力網から排他的または付加的に引き出される加熱用電力は、インバータを除湿するための持続時間をさらに短縮することができるが、これは予熱と、それによるインバータの除湿とに向けて利用可能な電力が最適に選択され得るためである。
【0017】
さらに有利な構成では、インバータは、危険な状況の発生に関してハウジング内部を監視するための少なくとも1つのセーフティセンサに接続された保護ユニットをさらに備えることができる。
この場合、保護ユニットは、危険な状況が発生した場合にはインバータをDC電圧発生器と電力網から切り離し、それによってインバータ内部へのいかなる電力の流れも防ぐように設計されている。
【0018】
この関係では、危険な状況という用語は、インバータを通って流れる電力が、制御されない状態で熱に変換されるあらゆる状況を意味するように考えられていることが言及されるべきである。
したがって、本願の意味する危険な状況は、特にアークなどの状況、または、電力スイッチ、コンデンサ、もしくはインダクタなどのインバータにおける部品の熱的過負荷などの状況を包含する。
対応するセーフティセンサは、煙検出器、アークによって生成される高い周波数の発振を検出する電気アーク検出器、または、光学式検出器もしくは赤外線式検出器を含み得る。
光学式センサまたは赤外光式センサは、たとえば空間的に分解する検出を可能にし得る。
個々のセンサ、さらにサーモ素子、サーモダイオードなどの従来の他の温度センサを、特に危険にさらされているインバータ部品に割り当てることも同様に可能である。
あるいは、インバータにおける領域または個々の部品を選択的に監視することも、空間的に分解する光学式検出器または赤外光式検出器を用いることによって実現することができ、その結果、危険な状況の検出の信頼性が増し、同時に誤った警報の確率が低減する可能性がある。
【0019】
上記の危険な状況が発生した時に、保護ユニットと、割り当てられたセーフティセンサとを利用してインバータを効果的に保護する場合、インバータにおいてコストのかかる金属ハウジングを、プラスチック、とりわけ、難燃性の特性を有するプラスチックからなる、よりコスト効果の高いハウジングと取り替えることが可能である。
このことは、インバータを通じたDC電圧発生器または電力網からの電力の熱への制御されない変換の発生を、周囲へのエネルギーの放出に関係する安全要件が単に金属ハウジングによって対処され得るという程度まで排除する。
【0020】
DC電圧発生器によって生成された電力を電力網に供給するためにインバータを動作させるための本発明による方法は、湿気センサなどによってインバータハウジング内部の湿気の値を求めるステップを含む。
湿気の値に対する限界値が超えられた場合、DC電圧発生器の発生器電圧は、発生器電圧と、(昇圧コンバータなどの)DC/DCコンバータによって発生器電圧から変換される可能性のある電圧との両方がアーク回避電圧の値より低く保たれるように設定される。
この場合、DC電圧発生器によって生成された電力、および/または、電力網から引き出された電力は、ハウジング内部における熱に少なくとも大部分が変換される。
発生器電圧がMPP電圧に設定されるのは、求められた湿気の値が湿気に対する限界値より低下した場合のみである。
この場合インバータは、DC電圧発生器を、最大電力の放出の状態で動作させ、生成された電力を電力網に供給することができる。
【0021】
これらの方法ステップは、朝の日の出時などにインバータの始動動作の一部として実行されることが好ましいが、これはたとえば操作上まだウォームアップしていないインバータにおいて結露形成の可能性があるために、この場合には絶縁距離が不十分である可能性が特に高いためである。
【0022】
インバータが発生器に低いDC電圧を設定している持続時間を短縮するためには、限界値が下まわられるまで湿気の値を求めるプロセスを繰り返して、または継続して実行することが有利である。
同じ理由により、DC電圧発生器からインバータに伝えられるすべての電力をハウジング内の熱に変換することも有利であり、そのためには、独立した加熱素子、または、電力を変換するためにどのみちインバータに組み込まれている部品である他の加熱素子が用いられてもよい。
後者の場合にはコンバータユニットが好適であり、たとえばコンバータユニットは、コンバータユニットに組み込まれたスイッチを好適にドライブすることによって瞬間的なパルス化電流を可能にする。
上記のスイッチにおける極めて短いドライブの場合、スイッチは部分的にのみ導電性となり、相当な電力の部分が、スイッチにおける高いドライブ周波数のスイッチング損失として、通常の動作中には望ましくない熱に変わる。
【0023】
インバータを監視および診断するためには、限界値が下まわられるまでの持続時間、または本発明による方法を実行する際にインバータが湿気に対する限界値を少なくとも一時的に超える頻度を検出することと、それを評価用に利用可能にすることとが有用である。
このように、特に影響を及ぼされたインバータを特定するとともに、湿気の浸入に伴う問題を排除することができるサービスエンジニアに適宜通知することが可能である。
【0024】
動作方法における有利な展開の1つでは、限界値が超えられた場合、インバータはDC電圧発生器から切り離され、ハウジング内で熱に変換される電力は電力網から排他的に引き出される。
したがって、湿気の値に対する限界値が超えられた場合、インバータは湿気の値が限界値より低下するまで電力網から引き出された電力によって加熱される。
それ以降にのみ、DC電圧発生器がインバータに接続されるとともに、発生器電圧は、電力網に供給するために発生器における最大電力の放出(MPP電圧)が行われる電圧に設定される。
【0025】
本発明による動作方法に関しては、インバータのハウジング内部は、危険な状況の発生について付加的に適宜監視されてもよく、またそのような状況が発生した場合には電力網とDC電圧発生器からインバータが切り離されてもよい。
このような危険な状況は、煙検出器によって監視され得る、インバータ内における煙の発生であってもよい。
光学式アーク検出器もしくは電気式アーク検出器によるアーク発生の監視、または、赤外線感知検出器もしくは温度センサによるインバータにおける部品の過剰な加熱の検出も同様に可能である。
この場合、光学式検出器または赤外線感知検出器は、ハウジングが開かれたことを外部光の入射によって把握し、電力網とDC電圧発生器からの切り離しによってインバータを直ちに保護することもでき、それによってインバータを開いた人の生命の危険が回避されるか、または少なくとも大幅に低減されるというさらなる利点を有する。
この場合、インバータは、音響信号または電気信号などのさらなる警告信号を発することができる。
【0026】
以下では図面を参照して本発明を例示するが、これらは限定ではなく説明の方法として解釈されるべきである。