特許第6042905号(P6042905)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ スネクマの特許一覧

特許6042905航空機ターボ機械ファンケーシングの音響防護の流体排出振動減衰ストリップ
<>
  • 特許6042905-航空機ターボ機械ファンケーシングの音響防護の流体排出振動減衰ストリップ 図000002
  • 特許6042905-航空機ターボ機械ファンケーシングの音響防護の流体排出振動減衰ストリップ 図000003
  • 特許6042905-航空機ターボ機械ファンケーシングの音響防護の流体排出振動減衰ストリップ 図000004
  • 特許6042905-航空機ターボ機械ファンケーシングの音響防護の流体排出振動減衰ストリップ 図000005
  • 特許6042905-航空機ターボ機械ファンケーシングの音響防護の流体排出振動減衰ストリップ 図000006
  • 特許6042905-航空機ターボ機械ファンケーシングの音響防護の流体排出振動減衰ストリップ 図000007
  • 特許6042905-航空機ターボ機械ファンケーシングの音響防護の流体排出振動減衰ストリップ 図000008
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6042905
(24)【登録日】2016年11月18日
(45)【発行日】2016年12月14日
(54)【発明の名称】航空機ターボ機械ファンケーシングの音響防護の流体排出振動減衰ストリップ
(51)【国際特許分類】
   F01D 25/32 20060101AFI20161206BHJP
   F02C 7/00 20060101ALI20161206BHJP
   F02C 7/24 20060101ALI20161206BHJP
   F02K 3/06 20060101ALI20161206BHJP
   B64D 33/00 20060101ALN20161206BHJP
【FI】
   F01D25/32 C
   F02C7/00 E
   F02C7/00 F
   F02C7/24 B
   F02K3/06
   !B64D33/00 B
【請求項の数】10
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2014-546618(P2014-546618)
(86)(22)【出願日】2012年12月14日
(65)【公表番号】特表2015-505933(P2015-505933A)
(43)【公表日】2015年2月26日
(86)【国際出願番号】FR2012052938
(87)【国際公開番号】WO2013088088
(87)【国際公開日】20130620
【審査請求日】2015年11月10日
(31)【優先権主張番号】1161819
(32)【優先日】2011年12月16日
(33)【優先権主張国】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】505277691
【氏名又は名称】スネクマ
(74)【代理人】
【識別番号】110001173
【氏名又は名称】特許業務法人川口國際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ロフィ,ギヨーム
(72)【発明者】
【氏名】トラン,ジュリアン
【審査官】 橋本 敏行
(56)【参考文献】
【文献】 特開昭56−098534(JP,A)
【文献】 実開昭63−009401(JP,U)
【文献】 米国特許第03542152(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B64B1/00−1/70
B64C1/00−99/00
B64D1/00−47/08
B64F1/00−5/00
B64G1/00−99/00
F01D13/00−15/12
23/00−25/36
F02C1/00−9/58
F02G1/00−5/04
F04D1/00−13/16
17/00−19/02
21/00−25/16
29/00−35/00
F23R3/00−7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ファンケーシングの長手方向軸線と同じになるように中心軸線(2)上に心出しされるフェルールセクタを形成する音響防護パネル(6)を備える、航空機ターボ機械のファンケーシング(1)用の音響防護装置(4)にして、また、一方の側で音響防護パネルの外部表面(6a)に押し付けられ、他方の側でファンケーシングの内部表面(1a)に押し付けられるための1つまたは複数の振動減衰ストリップ(10)を備え、各減衰ストリップ(10)が、2つの反対側の端縁(14)を有し、前記2つの反対側の端縁(14)が、ファンケーシング内を流れる空気の流れにおける上流側端部および下流側端部をそれぞれ有し、かつ中心軸線(2)の方向に沿って互いから間隔を置いて配置される、音響防護装置であって、
減衰ストリップ(10)のうちの少なくとも1つの2つの反対側の端縁(14)のうちの少なくとも1つは、前記端縁に存在する液体が前記上流側端部および下流側端部のどちらかまたは両方に向かって重力によって流れることができるように形成されることを特徴とする、装置。
【請求項2】
減衰ストリップ(10)のうちの少なくとも1つの2つの反対側の端縁(14)のうちの少なくとも1つが、中心軸線(2)に対して傾斜される少なくとも1つの部分(14、14a、14b)を有し、前記部分に存在する液体が前記上流側端部および下流側端部のどちらかまたは両方に向かって重力によって流れることができることを特徴とする、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
減衰ストリップ(10)のうちの少なくとも1つの2つの反対側の端縁(14)のうちの少なくとも1つが、中心軸線(2)の方向に2つの連続する部分(14a、14b)から成り、両方の2つの連続する部分のそれぞれは、両方の部分のそれぞれに存在する液体がそれぞれ前記上流側端部および下流側端部に向かって重力によって流れることができるように、中心軸線(2)に沿って傾斜されることを特徴とする、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
2つの端縁部分(14a、14b)の間に形成される角度が、1°と15°との間、より好ましくは1°と3°との間であることを特徴とする、請求項3に記載の装置。
【請求項5】
2つの端縁部分(14a、14b)が、同じ長さであることを特徴とする、請求項3または請求項4に記載の装置。
【請求項6】
減衰ストリップ(10)のうちの少なくとも1つが、2つの逆にした取り付け位置で音響パネル()に取り付け可能であるように形成され、前記2つの反対側の端縁(14)の位置が、それぞれ逆にされ、両方の取り付け位置のそれぞれにおいて、前記減衰ストリップ(10)の両方の反対側の端縁(14)のうちの少なくとも1つは、前記端縁に存在する液体が前記上流側端部および下流側端部のどちらかまたは両方に向かって重力によって流れることができるように形成されることを特徴とする、請求項1から5のいずれかに記載の装置。
【請求項7】
減衰ストリップ(10)のうちの少なくとも1つが、2つの反対側の端縁(14)の間に配置される第1の対称面(12)を有することを特徴とする、請求項1から6のいずれかに記載の装置。
【請求項8】
減衰ストリップ(10)のうちの少なくとも1つが、両方の反対側の端縁(14)を通過する第2の対称面(16)を有することを特徴とする、請求項1から7のいずれかに記載の装置。
【請求項9】
各減衰ストリップ(10)が、エラストマー材料で作られることを特徴とする、請求項1から8のいずれかに記載の装置。
【請求項10】
その内部表面(1a)が請求項1から9のいずれかに記載の少なくとも1つの音響防護装置(4)で被覆されるファンケーシング(1)を備える航空機ターボ機械前部。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、航空機ターボ機械ファンケーシングの内側の音響防護の取り付けに関する。より詳細には、本発明は、ファンケーシングと音響パネルとの間に設けられる振動減衰ストリップに関する。
【0002】
本発明は、ファンケーシングを備えた任意のタイプの航空機、特にターボジェットエンジンに適用することができる。
【背景技術】
【0003】
現在のターボジェットエンジンにおいては、音響防護パネルは、通常、エンジン軸線を中心としてファンケーシングの内部表面に組み立てられる。組立ては、通常、パネルをケーシングにねじ止めすることによって行われる。
【0004】
しかしながら、音響パネルのいくつかの固定ねじの破損の危険が確認されている。破損の場合は、ジェットに放出されるねじ頭部が、吸込み後にファン羽根に高損傷を引き起こし得る。確認された主要な原因の中に、音響パネルの基本モードとファン羽根の励振との間の一致によって生じる強い振動応力がある。ねじに伝達されるこれらの強い応力は、ねじの弛緩をもたらし、上記で説明したように、さらに場合によっては破損に至るまで強い摩耗を起こしやすい。
【0005】
この問題に対処するために、振動レベルを低減するために振動減衰ストリップを導入することが提案されている。通常エラストマー材料で作られるこれらのストリップは、これらのストリップが圧縮されると、パネル試験で測定された振動レベルを著しく減衰させるという利点を有する。
【0006】
しかしながら、選択された材料は、長期間浸されると油および灯油などの液体との接触に敏感である場合がある。さらに、この種の液体との長期の接触により、材料の劣化および/または実現された減衰の効率損失の危険が生じ得る。しかし、音響パネルがあるファンケーシングの上流領域では、漏れの場合には、油または灯油の流れが実際に起こり得る。
【0007】
通常、これらの流体は、ファンケーシングの低い部分に流れ落ちて、次にケーシングの6時の方向に配置されるドレン管によって排出されるべきである。
【0008】
エンジンの長手方向軸線の方向にストリップを方向付けることを考慮すると、この場合これらの液体の保持がストリップのいくつかの端縁で考えられ、これは、有害な長期の接触を引き起こしやすい。
【0009】
この欠点に対処するために、液体を排出するようにストリップに横方向溝を作るような異なる別法が提案されている。
【0010】
しかしながら、これらの溝の存在は、ケーシングとの接触領域を減少させるのに加えて、ストリップを脆化させる場合があり、それにより、効率の低下がもたらされる。他方では、これらの溝の存在はまた、圧縮される場合にストリップの剛性を低下させる場合があり、また、これは、それらの減衰能力に不利な影響を与えやすい。最後に、この解決策の場合は、液体保持領域が溝の間で端縁に残る。その結果として、この解決策は、十分満足できるとは限らない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明の目的は、従来技術のシステムに対して、上記で述べた欠点を少なくとも部分的に克服することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
そのためには、第1に、本発明の1つの目的は、ファンケーシングの長手方向軸線と同じになるように中心軸線上に心出しされるフェルールセクタを形成する音響防護パネルを備える、航空機ターボ機械のファンケーシング用の音響防護装置であり、また、一方の側で音響防護パネルの外部表面に押し付けられ、他方の側でファンケーシングの内部表面に押し付けられるための1つまたは複数の振動減衰ストリップを備え、各減衰ストリップが、中心軸線の方向に沿って互いから間隔を置いて配置される上流側端部および下流側端部をそれぞれ有する2つの対縁を有する装置、を提供することである。
【0013】
本発明によれば、減衰ストリップのうちの少なくとも1つの2つの対向端縁のうちの少なくとも1つは、この端縁に存在する液体がその上流側端部および下流側端部のどちらかまたは両方に向かって重力によって流れることができるように形成される。
【0014】
したがって、本発明は、油または灯油のようなこの種の液体によって濡れやすい対縁のどちらかまたは両方の端部に向かって液体を排出することができる、簡単で高性能な解決策を提供する。
【0015】
簡単な重力現象によって可能にされる、端縁を離れたこの排出の後に、流体は、ファンケーシングの上へこれの低い部分に流れ落ちることができ、または、そこで流体は、ケーシングの6時の方向に配置されるドレン管によって優先的に排出される。
【0016】
したがって、減衰ストリップは、それらの端縁での液体の長期保持によってもはや劣化しそうもなく、それにより、高性能な減衰機能を長時間保つことができるようになる。
【0017】
好ましくは、本発明に特定される構成は、ケーシングのより低い表面に重力によって滴下する流体を集めやすい各ストリップの各端縁に設けられ、これは、通常、バンド毎に単一の端縁であり、これは、上方へ方向付けられる。
【0018】
好ましくは、減衰ストリップのうちの少なくとも1つの両方の対縁のうちの少なくとも1つは、この部分に存在する液体がその上流側端部および下流側端部のどちらかまたは両方に向かって重力によって流れることができるように、中心軸線に対して傾斜される少なくとも1つの部分を有する。傾斜した部分は、好ましくは平面であるが、あるいは、湾曲されることもできる。ここに、当該各端縁は、ただ1つの傾斜した部分のみを含むことができ、好ましくは端縁全体を構成する。
【0019】
減衰ストリップのうちの少なくとも1つの2つの対縁のうちの少なくとも1つは、中心軸線の方向に2つの連続する部分から成り、両方の部分のそれぞれは、両方の部分のそれぞれに存在する液体がそれぞれ上流側端部および下流側端部に向かって重力によって流れることができるように、中心軸線に沿って傾斜されることが好ましい。これにより、液体を、当該端縁の上流側端部および下流側端部の両方に向かって分配することができるようになり、その端部のうちの1つにおいて起こり得る液体のオーバーフロー、およびジェットの中に溢れ出ることが可能になる。ストリップの両方の端部の上に流れを均等に分配するために、下向きに開いたVの形で配置される2つの傾斜した部分は対称であってもよい。
【0020】
これに関しては、両方の端縁部分の間に形成される角度は、好ましくは1°と15°との間、より好ましくは1°と3°との間である。これらの値の範囲の場合、妥協に達し、それにより、重力による良好な液体の流れも、その隣接要素とのストリップの接触領域の減少が無視できることも可能になった。
【0021】
上記で説明したように、両方の端縁部分は、同じ長さにあり、対称に配置される。
【0022】
好ましくは、減衰ストリップのうちの少なくとも1つは、2つの逆にした取り付け位置で音響パネルに取り付け可能であるように形成され、前記2つの対縁の位置は、それぞれ逆にされ、両方の取り付け位置のそれぞれにおいて、前記減衰ストリップの2つの対縁のうちの少なくとも1つは、この端縁に存在する液体がその上流側端部および下流側端部のどちらかまたは両方に向かって重力によって流れることができるように形成される。
【0023】
両方の取り付け方向において、上方に方向付けられた端縁である液体を集めやすい端縁は、それの排出に備えるように液体をこの端縁のどちらかまたは両方の端部まで重力によって導くことができるので、この解決策により、取り付け間違いの場合にはストリップへの有害な結果が回避される。
【0024】
同じように、およびさらに、起こり得る取り付け間違いの場合にはバンドへの有害な結果を回避するために、減衰ストリップのうちの少なくとも1つは、2つの対縁の間に配置される第1の対称面を有する。好ましくは、ストリップはすべて同一の形状を有し、それにより、やはり取り付けがさらに簡単になる。
【0025】
より好ましくは、減衰ストリップのうちの少なくとも1つは、両方の対縁を通過する第2の対称面を有し、前記第1および第2の対称面は、それらの間で直交し、また、これが実質的に平坦な表面を有する場合にはストリップ面に直交することが好ましい。
【0026】
最後に、上記で説明したように、各減衰ストリップは、エラストマー材料で作られることが好ましい。
【0027】
また、本発明の他の目的は、その内部表面が上記で説明したような少なくとも1つの音響防護装置で被覆されるファンケーシングを備える、航空機ターボ機械前部を提供することである。
【0028】
本発明のさらなる利点および特徴は、下記の非限定的な詳細な説明でより明らかになるであろう。
【0029】
この説明は、添付の図面に関して行われる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1】本発明の好ましい実施形態による音響防護装置を備えた、航空機ターボジェットエンジンファンケーシングの斜視図である。
図2】その内部表面を見ることができるようになる角度での、前図に示される音響防護装置の斜視図である。
図3図2の線III−IIIによる断面図をそれぞれ示す図である。
図4図2の線IV−IVによる断面図をそれぞれ示す図である。
図5】前図に示される音響防護装置に備え付ける、振動減衰ストリップのうちの1つの斜視図である。
図6】前図に示される音響防護装置部品の側面図である。
図7】他の実施形態による、前図のそれに類似した図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
まず第1に図1に関して、好ましくは二流式ツインスプールタイプの、航空機ターボジェットエンジンの前部の一構成部分であることを意図したファンケーシング1が示されている。
【0032】
ケーシングは、従来のフェルール形状を呈し、長手方向軸線2は、ターボジェットエンジンアセンブリの長手方向軸線に対応する。
【0033】
その上流側端部において、ケーシングの内部表面1aには、複数の音響防護装置4が備え付けられ、そのうちの1つのみが図1に示されている。
【0034】
この装置4は、長手方向軸線と同じになるように中心軸線上に心出しされるフェルールセクタを形成する音響防護パネル6を含む。防護装置がすべてケーシングに取り付けられると、円周方向に沿って互いに連続的に配置されるそれらのパネル6は、共に内部音響防護リングを形成する。
【0035】
パネル6は、好ましくはケーシングにねじ止めすることによって組み立てられ、固定ねじ8が、ジェットの流線形流れを乱さないようにパネルの中に隠されて取り付けられる。
【0036】
また、装置は、一方の側でパネル6の外部表面6aに押し付けられ、他方の側でケーシング1の内部表面1aに押し付けられるように1つまたは複数の振動減衰ストリップ10を備える。
【0037】
円周方向に沿って互いから間隔を置いて配置されるストリップ10は、エラストマー材料で作られる。これらは、通常、軸線2に平行に方向付けられ、すなわち、これらは、この軸線に平行なそれらの長さ、および同じ軸線2に直交するそれらの幅を有する。示された好ましい実施形態においては、各ストリップ10は、少ない幅を有し、それにより、実質的に平面の形状を保つことができるようになるが、あるいは、本発明の範囲から逸脱することなく湾曲されることもできる。
【0038】
図3は、ねじ8によってケーシング1に組み立てられるパネル6を示しているが、図4は、表面1aおよび表面6aの両方の間の減衰ストリップ10のうちの1つの介在の位置を示しており、その間でこのストリップは、その振動減衰機能を与えるように圧縮される。
【0039】
図5および図6は、ストリップ10のうちの1つ、ならびにケーシング上のその構成をより正確に示している。これに関しては、取り付けをより容易にするために、装置4のストリップ10はすべて、同一であるように設けられることが留意される。
【0040】
ここで、ストリップ10は、軸線2に平行であり、かつ長手方向端縁14と呼ばれる2つの最も長い対縁の間を通過する正中面に対応する、第1の対称面12を有する。他方では、ストリップ10はまた、第1の面12に直交し、かつ横断方向端縁18と呼ばれる最も短い2つの対縁の間を通過する正中面に対応する、第2の対称面16を有する。面12、16は共に、ストリップ10の面に直交し、その横断方向端縁18は、第1の面12に垂直である。その結果として、図6に示される側面図では、端縁18は鉛直な端縁と考えられる。
【0041】
本発明の特徴のうちの1つは、長手方向端縁14の形状にあり、これは、長手方向軸線2の方向に沿って方向付けられず、またそれ自体、使用時に水平に方向付けられる。実際に、各長手方向端縁14は、互いに対して傾斜され、かつそれぞれ実質的に平面の、同じ軸線2の方向に2つの連続する部分14a、14bから成ることによって、中心軸線2の方向に沿って互いから間隔を置いて配置される上流側端部と下流側端部との間に延びる。実質的に同一の長さの長手方向端縁14a、14bの両方の部分は、好ましくは1°と3°との間の角度を形成する。
【0042】
減衰ストリップ10は、2つの逆にした取り付け位置でパネル6に取り付け可能であるように形成され、両方の対向長手方向端縁14の位置はそれぞれ逆にされ、すなわち、両方の位置のうちの1つにおいて、端縁のうちの1つは、通常上方に方向付けられるが、これは、他の位置において下方に方向付けられることが留意される。適応された取り付け方向にかかわらず、第1の対称面12に沿ったストリップ10の対称性のため、ストリップは、パネル6上に同じ構成を有する。したがって、両方の取り付け方向において、上方に方向付けられた端縁である液体の漏れを集めやすい長手方向端縁14は、液体の排出を可能にするように液体をこの端縁の両方の端部まで重力によって導くことができるので、取り付け間違いは起こり得ない。
【0043】
実際に、使用時に水平に方向付けられる中心軸線2に沿って傾斜されることによって、2つの端縁部分14a、14bのそれぞれは、集められた液体、たとえば油および/または灯油の漏れをこれがまとめられる縁端部まで重力によって導くことができる。換言すれば、いったんケーシングの内部表面1aに流れる液体が上方に方向付けられた長手方向端縁14に付着されると、これは、同じ端縁、パネルの外部表面6aとケーシングの内部表面1aとの間に閉じ込められることによって、この端縁の上流側端部または下流側端部まで重力によって流れる。横断方向上流側または下流側端縁18に到達した後に、次いで液体は、両方の表面1aと表面6aとの間を送風機ケーシングの低い部分に流れ落ちて、次にケーシング1の6時の方向に配置されるドレン管(図示せず)を通して排出され得る。
【0044】
それぞれの上方に方向付けられた端縁14は、水平方向に対するその傾斜(複数可)によって、減衰ストリップ10から遠い方の液体の漏れの排出を可能にするファセット/リムに当該。
【0045】
図7は、ストリップ10を製作する別法を示しており、本明細書においては、それぞれは概ね平行四辺形の形状をとり、各長手方向端縁14は、縁端部のうちの1つ、本明細書においては下流側端部まで液体の流出専用の傾斜を形成するように、中心軸線2に対して傾斜される単一部分から成る。
【0046】
もちろん、単に非限定的な例としてちょうど説明した本発明について、さまざまな改変が当業者によって行われ得る。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7