特許第6042910号(P6042910)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6042910連続的にロールを交換するためのスプライシングテープ及び製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6042910
(24)【登録日】2016年11月18日
(45)【発行日】2016年12月14日
(54)【発明の名称】連続的にロールを交換するためのスプライシングテープ及び製造方法
(51)【国際特許分類】
   C09J 7/02 20060101AFI20161206BHJP
   B65H 19/18 20060101ALI20161206BHJP
   B32B 7/06 20060101ALI20161206BHJP
【FI】
   C09J7/02 Z
   B65H19/18
   B32B7/06
【請求項の数】2
【全頁数】24
(21)【出願番号】特願2014-553354(P2014-553354)
(86)(22)【出願日】2013年1月16日
(65)【公表番号】特表2015-513563(P2015-513563A)
(43)【公表日】2015年5月14日
(86)【国際出願番号】US2013021633
(87)【国際公開番号】WO2013109566
(87)【国際公開日】20130725
【審査請求日】2015年12月2日
(31)【優先権主張番号】12151287.5
(32)【優先日】2012年1月16日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】505005049
【氏名又は名称】スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100077517
【弁理士】
【氏名又は名称】石田 敬
(74)【代理人】
【識別番号】100087413
【弁理士】
【氏名又は名称】古賀 哲次
(74)【代理人】
【識別番号】100128495
【弁理士】
【氏名又は名称】出野 知
(74)【代理人】
【識別番号】100093665
【弁理士】
【氏名又は名称】蛯谷 厚志
(74)【代理人】
【識別番号】100146466
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 正俊
(74)【代理人】
【識別番号】100173107
【弁理士】
【氏名又は名称】胡田 尚則
(72)【発明者】
【氏名】ロベルト ゲー.シャブ
(72)【発明者】
【氏名】ベンジャミン エス.コルト
【審査官】 松原 宜史
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−293028(JP,A)
【文献】 特表2009−512770(JP,A)
【文献】 国際公開第2011/144466(WO,A2)
【文献】 特表平09−501901(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2008/0087370(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C09J 1/00−201/10
B32B 7/06
B65H 19/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
連続的にロールを交換するためのスプライシングテープ(1)であって、該スプライシングテープは、
第1裏地層(2)、及び該第1裏地層(2)の第1表面上の第1接着剤層(3)を含む、第1テープ構成要素、
第2裏地層(4)、及び該第2裏地層(4)の第1表面上の第2接着剤層(5)を含む、第2テープ構成要素、並びに
前記第1接着剤層(3)及び第2接着剤層(5)が分離層(6)と反対側を向くように、前記第1裏地層(2)及び前記第2裏地層(4)を一緒に接合する分離層(6)、を具備し、
前記分離層(6)が、前記スプライシングテープ(1)の長手方向に延在する、連続的でありかつ不断の中間領域(7)を含み、前記分離層(6)が、前記中間領域(7)から前記スプライシングテープ(1)の両方の長手方向縁部に向かって突出する平坦な先端(13)を有する反復的なテーパ形状の突起(12)を備えることを特徴とする、スプライシングテープ。
【請求項2】
連続的にロールを交換するためのスプライシングテープ(1)の製造方法であって、該方法は、
第1裏地層(2)及び第1接着剤層(3)を含む第1テープ構成要素を提供するステップ、
第2裏地層(4)及び第2接着剤層(5)を含む第2テープ構成要素を提供するステップ、
前記第1接着剤層(3)及び第2接着剤層(5)が分離層(6)と反対側を向くように、前記分離層(6)を前記第1裏地層(2)及び第2裏地層(4)のいずれか又は両方に適用するステップ、並びに
前記第1及び第2テープ構成要素を、前記第1裏地層(2)と第2裏地層(4)との間の前記分離層(6)により、一緒に積層するステップ、を含み、
前記分離層(6)が、前記スプライシングテープ(1)の長手方向に延在する、連続的でありかつ不断の中間領域(7)を含み、前記分離層(6)が、前記中間領域(7)から前記スプライシングテープ(1)の両方の長手方向縁部に向かって突出する平坦な先端(13)を有する反復的なテーパ形状の突起(12)を備えることを特徴とする、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、連続的にロールを交換するのに好適なスプライシングテープ及びこのようなスプライシングテープの製造及び使用方法に関する。
【背景技術】
【0002】
スプライシングテープは、一般的に、2つのシート材料間の、例えば、1つ目のシート材料ロールの外側巻回の先端分と、2つ目のシート材料ロールとの間の接合を作製するために使用される。接合操作は、静的又は動的方式で実施することができる。
【0003】
静的方式では、まずは第1及び第2のシート材料を互いに対して望ましい構成で配置し、次にスプライシングテープを利用してこの2つのシートを一緒に接合する。また、最初に、シート材料のうちのいずれかにスプライシングテープを1つ又は複数利用することもできる。次に、第2のシート材料を提供し、所望の構成で配置させ、2つのシート材料を接合する。静的方式の製造法で得られた接合は、多くの場合「長持ちする」接合と呼ばれる。静的な接合の一部の典型的な構成は、突き合わせスプライス、重なりスプライス及びねじれ形重なりスプライスである。
【0004】
しかしながら、多くの場合、動的方式でスプライスを作製することが望ましい。印刷業では、連続的な産生プロセスを中断する必要なく、この手法により、消耗している紙シート材料ロールの末端部に紙シート材料の新しいロールの先端を接合させている。動的方式で得られるスプライスは、通常、フライングスプライスと呼ばれる。
【0005】
最初の種類のスプライシングテープは、現在、当該技術分野において既知であり、このスプライシングテープでは、バッキング層の全幅にわたって連続的に分離層が備えられている。このような構造は、分離可能な材料の分離プロセスを開始する際に、「剥離力」と一般に呼ばれる分離プロセスを継続させるのに必要とされる力よりも大きい、「破断力」と一般に呼ばれる引張力が必要されるという欠点を有する恐れがある。この最大破断力により、連続的なロールの重ね継ぎ中に振動が生じ、一部の場合では、この振動により紙ウェブの引裂、紙の収縮、又はスプライシングテープの接着破壊が引き起こされる恐れがある。これらの殆どは、おそらくはロールの重ね継ぎを失敗させることから、明らかにこれらの状態はすべて回避されるべきものである。2つのシート材料ロール間の接合操作に関する文脈において、接合の実施時に、振動は、ウェブの張力が突発的に増加することを指すものと意図する。
【0006】
フライングスプライシングテープを製造する別の一般的な手法は、国際公開第95/29115 A1号に記載のとおりに易崩壊性のノーズタブを使用するものである。
【0007】
フライングスプライシングテープの製造に有用な更に別のスプライシングテープは、欧州特許第0 941 954 A1号において記載される。このスプライシングテープは、支持層と接触している非粘着性ポリマー層を使用する。材料は、非粘着性ポリマー層及び支持層間の分離力を調節するよう選択される。任意選択的に、非粘着性ポリマー層及び支持層間に接着調節層を適用することができる。
【0008】
他の種類の既知のスプライシングテープは、使用時に分離される中央紙層又はティッシュ層を含む。例えば、米国特許第5,901,919(A1)号は、裏地及び水溶性又は水分散性自己接着性組成物を有し、紙仕上げ機などにおいて連続的にロールを交換するための接着テープを示しており、このテープは、裏地の片面が水溶性又は水分散性自己接着性組成物によりコーティングされており、かつ裏地の反対面の一部には両面接着テープが提供されており、更にはこの両面テープが、両面に水溶性又は水分散性自己接着性組成物を提供されている容易に分離可能なスプライス裏地を有していることを特徴とする。
【0009】
欧州特許第1 355 843 A1号には、フライングスプライス用の別の接着テープが記載されている。このテープは、高粘着性の接着剤層を有する主表面の片面に提供された、比較的幅広の第1の裏地層を有する。主表面の反対面では、この裏地層には、裏地層とは反対側の主表面に接着剤層を有する、分離可能な材料のストリップが提供される。分離可能な材料のストリップは、テープの長手方向縁部に又はこの縁部付近に配置され、裏地層の非常にわずかな部分を覆う。分離可能な材料には、スプライシングテープの先端に対しその長手方向面に更に鋸歯状縁が提供される。
【0010】
国際公開第2007/048695(A1)号では、分離可能な材料層の幅のごく一部上に提供された幅広な裏地層も含むスプライシングテープが報告されている。分離可能な材料は湾曲した先端を備える鋸歯状先端を有し、これと反対側の後端は先の尖った先端により鋸歯状を備える。
【0011】
更に別のスプライシングテープが欧州特許第2 130 889 A2号に記載されている。この場合にも、分離可能な材料層の幅の一部に幅広な裏地層が提供され、この幅広な裏地層が裏地層の長手方向縁部付近に配置されていることで分離テープの先端が示される。分離層は、分離可能な材料の複数の三角形状の各領域からなる。これらの三角形の領域は、先端のうちの1つが、スプライシングテープの先端に面するように配置されている。
【0012】
当該技術分野において既知のフライングスプライシングテープと関連付けられる技術的な利点に干渉することなく、例えば、早期の分離に対し高耐性を示す、及び振動リスクを低減するなどといった改良された特徴を有するフライングスプライシングテープが今もなお必要とされている。
【0013】
これまでに欧州特許第1 355 843(A1)号、国際公開第2007/048695(A1)号及び欧州特許第2 130 889(A2)号に開示されているこれらのスプライシングテープの非対称的な構成体は、実際のところ複数の欠点を有している。第1の欠点は、分離テープの長手方向縁部付近に分離可能な領域を提供することで、分離可能な材料が、いわゆる「使用前の分離(pre-splitting)」を生じる危険性が増加するというものである。分離可能な材料の領域が比較的狭いため、分離テープを紙ロールに適用し反対面の剥離層を除去したときには、分離可能な材料の一部がすでに分離されてしまっていることがあることが理由として挙げられる。剥離ライナーを除去するために必要とされる引張力が、分離可能な材料の分離プロセスを開始するのに必要とされる最小破断力を予め超過してしまう場合がある。
【0014】
これに加え、このような分離可能なテープの非対称的な設計は、更に、スプライスパターンの作製時に分離可能なテープを配置している間に、より幅広の裏地層が折り曲げられ、又はめくり上げられるという不都合を有する。このような不都合から、ロールを交換することに失敗して機械を稼働停止させる必要が生じることで作業が大幅に遅延することを回避すべく、かつテープの使用者に対しては価格の上昇が引き起こされることを回避すべく、分離可能なテープを正確に適用することは更に困難になる。機械の操作中に取扱者がスプライシングテープを適用するための時間を制限すると、ロールを交換するのに失敗する確率が上昇する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
本発明は、早期分離又は「使用前分離」(すなわち、重ね継ぎを行う直前に新しいロールを巻き上げる間に、あるいはテープをロールから巻き出す際又は保護ライナーを除去する際にパターンをもたらす間に分離する傾向があることを意味する)に対し高い抵抗性を有する、改良されたスプライシングテープを提供することを目的とする。ロールを交換するステップ中に、振動が生じ、これに応じて紙ウェブの張力が急激に上昇することは回避すべきであり、並びにスプライシングテープは、取り扱いが容易でありかつ不適切な取り扱いにより受ける影響が少ないものであるべきである。この課題は、本発明に従うスプライシングテープにより克服される。
【課題を解決するための手段】
【0016】
一態様に従うと、本発明は、連続的にロールを交換するためのスプライシングテープに関し、スプライシングテープは、
a)第1裏地層、及びこの第1裏地層の第1表面上の第1接着剤層を含む、第1テープ構成要素、
b)第2裏地層、及びこの第2裏地層の第1表面上の第2接着剤層を含む、第2テープ構成要素、並びに
c)第1及び第2接着剤層が分離層と反対側を向くように、第1裏地層及び第2裏地層を共に連結する分離層、を含み、
分離層は、スプライシングテープの長手方向に延在する、連続的でありかつ不断の中間領域を含み、かつこれが、中間領域からスプライシングテープの両方の長手方向縁部に向かって突出する平坦な先端を備える、反復的なテーパ形状の突起を備える。
【0017】
他の態様では、本発明は、上記のとおりの連続的にロールを交換するためのスプライシングテープの製造法を目的とし、方法は、次のステップ、
a)第1裏地層及び第1接着剤層を含む第1テープ構成要素を提供するステップ、
b)第2裏地層及び第2接着剤層を含む第2テープ構成要素を提供するステップ、
c)第1及び第2接着剤層が分離層と反対側を向くように、分離層を第1及び第2裏地層のいずれか又は両方に適用するステップ、並びに
d)第1及び第2テープ構成要素を、第1及び第2裏地層間の分離層と一緒に積層するステップ、を含み、
分離層は、スプライシングテープの長手方向に延在する連続的でありかつ不断の中間領域を含み、かつこれが、中間領域からスプライシングテープの両方の長手方向縁部に向かって突出する平坦な先端を備える、反復的なテーパ形状の突起を備える。
【0018】
更に別の態様に従うと、本発明は、平坦なウェブ材料のフライングスプライスをロールに巻き上げるための、上記の通りのスプライシングテープの使用に関する。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明の一態様に従うスプライシングテープの一実施形態の側断面図である。
図2】本発明の一態様に従うスプライシングテープの一実施形態の平面図である。
図3図2のスプライシングテープの拡大図である。
図4図3に示す通りの突出部の先端領域の拡大図である。
図5】本発明の一態様に従うスプライシングテープの代替的な実施形態を表す。
図6】本発明の一態様に従うスプライシングテープの代替的な実施形態を表す。
図7】本発明の一態様に従うスプライシングテープの代替的な実施形態を表す。
図8】本発明の一態様に従うスプライシングテープの代替的な実施形態を表す。
図9】本発明の一態様に従うスプライシングテープの代替的な実施形態を表す。
図10】連続的にロールを交換するステップにおいて、本発明に従うスプライシングテープを使用する重ね継ぎステップを概略的に表す。
図11】連続的にロールを交換するステップにおいて、本発明に従うスプライシングテープを使用する重ね継ぎステップを概略的に表す。
図12】幅70mm(Y軸)及び長さ(X軸)25mm(比較例)の矩形形状を有する分離層の分離力を表すダイアグラムである。
図13】本発明において使用するための、幅70mm(Y軸)及び中央部における最大長(X軸)25mm、平坦な先端の長さ15mmのフラットヘッド型の楕円形の形態の分離層の分離力を表す、ダイアグラムを示す。
図14】幅70mm(Y軸)及び中央部における最大長(X軸)25mmの楕円形の形態の分離層の分離力を表すダイアグラムである(比較例)。
図15】幅70mm(Y軸)及び中央部における最大長(X軸)10mmの楕円形の形態の分離層の分離力を表すダイアグラムである(比較例)。
図16図12〜15に示す分離力のダイアグラムを編集したグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
一態様に従うと、本発明は、連続的にロールを交換するためのスプライシングテープに関し、スプライシングテープは、
a)第1裏地層、及びこの第1裏地層の第1表面上の第1接着剤層を含む、第1テープ構成要素、
b)第2裏地層、及びこの第2裏地層の第1表面上の第2接着剤層を含む、第2テープ構成要素、並びに
c)第1及び第2接着剤層が分離層と反対側を向くように、第1裏地層及び第2裏地層を共に連結する分離層、を含み、
分離層は、スプライシングテープの長手方向に延在する、連続的でありかつ不断の中間領域を含み、かつこれが、中間領域からスプライシングテープの両方の長手方向縁部に向かって突出する平坦な先端を有する、反復的なテーパ形状の突起を備える。
【0021】
換言すれば、本発明の一態様に従うスプライシングテープは、分離材料の連続的な中央領域を有し、この中央領域の両面には、分離材料からなる複数の部分が存在する。これらの複数の部分は、中央領域に直接接合されており、かつスプライシングテープの長手方向端側に向かうにつれ幅が減少する。しかしながら、これらの部分の先端は尖ってはおらず、むしろ最小破断力を増加させて分離層の望ましくない「使用前分離」を減少させる目的で平坦である。
【0022】
本発明のテープの更なる利点は、長手方向のいずれの辺からも使用することができるというものである。従来技術から既知の非対称的なスプライシングテープは、スプライシングテープの長手方向端のうち一端に沿ってのみ分離材料を含むため、両辺から使用することはできない。
【0023】
本発明に従うスプライシングテープの更なる利点としては、後者では「角のめくれ上がり」が生じにくいというものがある。「角がめくれ上がる」という問題は、通常、テープの全長にわたる連続的でありかつ不断な分離材料の中央層を有さない、スプライシングテープに生じる。分離材料層が両裏地層を接合するため、これらの裏地層間のブランク部は、裏地層を互いに独立して移動させる。例えば、切断を受けているテープの自由端では、この接合性の欠損により裏地層のめくり上がりが生じてしまい、連続的にロールを重ね継ぐ間にスプライシングテープをシート材料上に適切に固定できない場合がある。「角のめくれ上がり」が生じにくくなると、スプライシングテープの取り扱い性は良好になる傾向がある。
【0024】
また、分離材料の連続的な中間層は、接合領域の変形が生じる可能性を低下させる。欧州特許第2 130 889(A2)号に記載されるとおり、分離可能な材料の分離部分を有するスプライシングテープを使用する場合、これらの部分の間に気流を発生させる場合がある。これは、連続的なロールの重ね継ぎ時に、新しいシート材料のロールが、まずは、古い消耗しているロールの回転速度に合わせられていくという事実に起因するものである。この領域における回転速度は40km/時であり、非常に多くの場合、更に高速である。これらの高速回転が、これらの分離部分間のブランク箇所に風を通過させる。2つのロール間の間隙が狭くなるため、気流の強さは新しいロールが古い消耗しているロールに近づくにつれ増大する。気流はシート材料を変形させ、ロールの重ね継ぎを失敗させる場合がある。
【0025】
本発明のスプライシングテープの好ましい一態様では、平坦な先端はスプライシングテープの長手方向端から凹んでいる。好ましくは、分離層はテープ幅の少なくとも70%にわたって延在し、より好ましくはテープ幅の少なくとも80%、更により好ましくはテープ幅の少なくとも90%にわたって延在する。テープ幅にわたって分離材料がより幅広に延在することで、上に説明した「角がめくれ上がる」という問題が軽減されることから、このような延在は有益である。
【0026】
連続的でありかつ不断の中間領域は、好ましくは、分離層の全幅の少なくとも10%、より好ましくは少なくとも20%、更により好ましくは少なくとも30%、更により好ましくは少なくとも40%、又は更には50%の幅を有する。別の好ましい態様では、中間領域の幅は、最大で分離層の全幅の90%、好ましくは最大で80%、より好ましくは最大で70%である。
【0027】
本発明の更に別の好ましい態様では、分離層は、スプライシングテープの長手方向軸を中央にして配置されている。テープの両面から容易に使用できることがこのような構成の利点である。このようなテープはより容易に取り扱われ、間違った面から適用することによりロール交換を失敗する可能性がなくなる。
【0028】
本発明に従う、反復的なテーパ形状の突起は、平坦な先端を有する。平坦な先端は、好ましくはスプライシングテープの長手方向縁部と実質的に平行に配置されている、直線的な縁部として提供することができる。
【0029】
本発明に関する文脈において、しかしながら、用語「平坦な先端」は、先端を湾曲させることで、必ずしも完全な直線を有するわけではなくなる構成を包含するようにも意味する。本明細書において、用語「湾曲」は、好ましくは、先端の基部幅対先端の高さの比が少なくとも1:1、好ましくは少なくとも2:1、より好ましくは少なくとも5:1、更により好ましくは少なくとも10:1であることを意味するものと理解されたい。平坦な先端の基部幅は、テーパ形状の突起として配置された部分における先端幅であるものとして理解され、突出部の両面には傾斜の劇的な変化がもたらされる。
【0030】
本発明のスプライシングテープの特定の態様では、用語「平坦な先端」は、先端が(実質的に)直線であることを意味する。
【0031】
本発明のスプライシングテープの更に好ましい態様では、このテープの長手方向縁部の一方で、又は好ましくは両方で、長手方向における平坦な先端の平均幅対隣接する平坦な先端間の距離の比は、5:1〜1:5であり、好ましくは2:1〜1:2である。このようなスプライシングテープでは、分離プロセスを開始するのに必要とされる最小破断力が増加することから、このような比は有利である。しかしながら、その一方で、ロールを交換するステップ中に多くの場合連続的でありかつ不断の分離材料層を有するスプライシングテープにより生じる振動は最小化される。
【0032】
本発明に従うスプライシングテープの突起は、実質的に同一の又は異なる外形を呈し得る。しかしながら、中央領域の両面上の一群の突起には、各群内で実質的に同一の特徴がもたらされることが好ましい。更により好ましくは、中央層の両面上の2群の特徴は実質的に同一である。
【0033】
中央領域の反対面上の突起は、好ましくは、鏡面対称になるよう配置することができ、あるいは中央領域の反対面上の突起はオフセットに配置することができる。例えば、突出部の幅の半分をオフセットにして、1つの面の突出部の中央が、反対面上の2つの突起間の中央を通るようにすることができる。
【0034】
本発明に関する文脈において、突起の形状に関しては、様々な可能性のある形状を使用することができる。例えば、突起の側端は曲線状、鋸歯状、凹状、凸状、及び/又は直線状であってよく、好ましくは、楕円、半円、正弦波形状、放物線状、双曲線状及びこれらの任意の組み合わせからなる群から選択される形状を有する。突起の側端は、概して、0以外の値により先端で破断力が生じ始め、狭い範囲で上昇する又は鋭い曲線を有する実質的な0値は回避され、段階的に及び滑らかに既知の最大剥離値まで増加する様な方法で配置することができる。
【0035】
特定の突出部の両面は、同一又は異なる形状を有してよい。これらのうち、楕円状の側端は特に好ましい。楕円状の側端を有する突起には、裏地層の広い領域が分離層材料により接合されることで「角がめくれ上がる」という問題が生じる可能性が軽減されるという利点がある。この利点は、突起が半円状又はその他の凸状側端を有することによっても達成される。
【0036】
更に好ましくは、第1及び/又は第2接着剤層は、スプライシングテープの長さに沿って均一である。本発明のスプライシングテープの第1及び第2接着剤層に使用される接着剤は、同一であっても異なっていてもよい。これらの接着剤層には、テープを使用したシート材料の表面に永久的に及び強力に接着する任意の既知の接着剤を含ませることができる。例としては、感圧接着剤、熱活性化接着剤、熱硬化性接着剤、及び再湿性接着剤(remoistenable adhesives)が挙げられる。
【0037】
特に好ましい接着剤としては、ホットメルト接着剤、本質的に無溶剤若しくは無水の接着剤又は溶媒若しくは水系分散体又は溶液であり得る感圧接着剤が挙げられる。具体的な感圧接着剤としては、アクリル系感圧接着剤、スチレン−イソプレンブロックコポリマー、アクリル酸エステル−酢酸ビニルコポリマー、エチレン−酢酸ビニルコポリマー、可塑化酢酸ビニルホモポリマー、及びゴム−ラテックス樹脂エマルション系が挙げられる。
【0038】
本発明の好ましい態様の実施において、第1及び/又は第2の接着剤層の接着剤組成物は、アクリル系感圧接着剤を含む。本発明の実施に有用なアクリル系感圧接着剤は、(メタ)アクリル酸の1つ以上のモノマー、及び場合によりエチレン性不飽和基に加えて官能基を含むその他の共重合可能なモノマーのポリマーを含む。
【0039】
第1及び第2接着剤層に使用するのに特に好ましい接着剤は、米国特許第7,931,774(B2)号に開示されており、この特許文献の内容は、参照により本出願にその全体が含有される。
【0040】
アクリル系感圧接着剤には、例えば、充填剤、抗酸化剤、難燃剤、顔料、可塑剤又はポリマー添加剤などの一般的な添加剤が含まれ得る。当該技術分野において既知であるとおり、モノマーの性質及び量、並びに添加剤の性質及び量を変更することで、得られる接着剤の貼着性を変化させることができる。
【0041】
本発明の実施に好適なアクリル系感圧接着剤の例は、Satasの「アクリル系接着剤、感圧性接着剤技術のハンドブック(Acrylic Adhesives, Handbook of Pressure-Sensitive Adhesive Technology)」、第2版、pp.396〜456(D.Satas,ed.),Van Nostrand Reinhold,New York(1989)に記載されている。
【0042】
特に好適なアクリル系感圧接着剤としては、アクリル酸又はメタクリル酸及びアルキルアクリレート又はメタクリレートのコポリマーが挙げられ、ここで、アルキル基は少なくとも4個の炭素原子、典型的には4〜14個の炭素原子を有する。このようなアルキルアクリレート又はメタクリレートの例としては、限定するものではないが、n−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシル、シクロヘキシル、イソヘプチル、n−ノニル、n−デシル、イソヘキシル、イソボルニル、2−エチルオクチル、イソオクチル、2−エチルヘキシルアクリレート及びメタクリレート、並びにこれらの任意の組み合わせ又は混合物が挙げられる。
【0043】
好ましいアルキルアクリレートとしては、イソオクチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、n−ブチルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、及びこれらの任意の組み合わせ又は混合物が挙げられる。特に好ましいアルキルアクリレートはイソオクチルアクリレートである。特に好ましいアルキルメタクリレートとしては、ブチルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、及びイソボルニルメタクリレートが挙げられる。
【0044】
本発明に使用するのに好ましい再パルプ化できる接着剤は、米国特許第5,380,779(A1)号において記載される欧州式再パルプ化試験(European repulpability test)において3未満の評点を有する。本発明に使用するための再パルプ化できる接着剤の例としては、次の参照文献米国特許第5,380,779(A1)号;同第4,413,080(A1)号;同第4,569,960(A1)号;同第4,482,675(A1)号;同第4,388,432(A1)号;同第5,102,733(A1)号;及び同第5,125,995(A1)号に開示される再パルプ化できる接着剤が挙げられる。
【0045】
接着剤層の厚みは多様に変更することができるものの、典型的には、互いに独立しており、かつ典型的には15μm及び60μm、好ましくは20及び40μmである。
【0046】
本発明のスプライシングテープの別の好ましい態様に従うと、分離層の材料は、分離可能な紙、接着剤、分離可能なフィルム、紫外線硬化層、ファン・デル・ワールス力又はその他の同様の力により結合した静電気により接着した表面層、並びにこれらの任意の組み合わせからなる群から選択される。テープの分離は、分離層の接着又は凝集破壊により、あるいは分離層を一緒に保持する力を超過し、かつこれにより分離層がその構成部分に分離するような任意の力を適用することにより、達成することができる。
【0047】
分離層は、典型的には、存在する場合には裏地層及び障壁層に使用される材料に関し、所望の破断力が提供されるよう選択される。好ましくは、分離層は接着剤であり、すなわち第3の接着剤層である。好ましくは、使用される接着剤層は再パルプ化できるものである。好適な接着剤は、第1及び第2テープ構成要素の第1及び第2接着剤層と使用するのに好ましいものとして、上記のものから選択することができる。好ましい接着剤としては、合成樹脂エマルション系接着剤、及び例えば、PVA系接着剤などの水系接着剤が挙げられる。分離層として使用する際に好適なその他の接着剤としては、米国特許第7,931,774(B2)号に開示されるものが挙げられ、この特許文献は、参照により完全に本明細書に組み込まれる。
【0048】
接着剤が分離層に使用される場合、分離層の凝集又は接着分離後に表面が粘着性を示すようになることを回避するため、感圧特徴を有さない接着剤、特に、室温で感圧特徴を有さない接着剤が最も好ましい。本明細書において、「室温」は、典型的には、10℃〜50℃、より典型的には15℃〜27℃の温度を指すことを意味する。
【0049】
分離層(本明細書においては第3接着剤層としても参照される)として使用される接着剤層の種類及び/又はコーティング重量は、スプライシングテープの第1及び第2テープ構成要素間の破断力を調節するために変更することもできる。多くの用途に関し、第3接着剤層のコーティング重量が増加するにつれ、破断力も増加する。好ましい一態様では、第3接着剤層がアニロックスコーティングロールにより適用される。アニロックスコーティングロールの理論コーティング容量は、接着剤の適用されるセルの大きさから求められる。理論容量が増加するにつれ、第3接着剤層のコーティング重量が増加する。
【0050】
第1及び第2テープ構成要素を一緒に積層する際にニップ圧の調節も行い、破断力及び剥離力を調節することもできる。多くの用途において、ニップ圧の上昇により、第1及び第2テープ構成要素間の結合強度が上昇することで、破断力及び剥離力が上昇する。
【0051】
裏地に関しては、第1及び第2裏地層は同一であっても異なっていてもよく、好ましくは同一のものである。裏地は、テープの裏地に一般的に使用される任意の材料を含み、紙製層並びにプラスチック製フィルムを包含する。好適な裏地としては、限定するものではないが、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリエステルフィルム、ポリエチレン又はポリプロピレンコーティングされた紙、クラフト紙、不織材料、及びこれらの任意の組み合わせ又は混合物が挙げられる。
【0052】
本発明に従うスプライシングテープの更に好ましい態様では、第1及び第2裏地層は、再パルプ化できる裏地を含む。より好ましくは、第1及び第2裏地層はセルロース製裏地を含む。最も好ましくは、第1及び第2裏地層は、紙製裏地を含む。紙が第1又は第2裏地層として使用される場合、低空隙率の平滑な紙が使用されることが好ましい。再パルプ化可能であることから、紙製裏地が好ましい。
【0053】
本明細書に用いるのに好適な裏地は、白色の、再パルプ化できる31g/m紙製裏地である。第1及び第2裏地層の厚みは、互いに独立している。典型的には、裏地の厚みは、20μm〜150μm、好ましくは30μm〜80μmの範囲である。
【0054】
本発明に従うスプライシングテープの他の好ましい態様に従うと、第1及び/又は第2の裏地層には、接着剤が第1及び/又は第2の裏地層に著しく浸透するのを防止するよう設計された障壁層が提供される。これは、分離層が接着剤であるか、接着剤を含む場合に、特に有用である。例えば、浸透は、少なくとも1つの障壁層の片面又は両面をラッカーにより覆うことで防止することができる。
【0055】
本明細書において使用するのに好適な障壁層を、裏地材料に関し、並びに分離層に関し選択して、所望の破断力をもたらすことができる。障壁層は、特に、裏地が紙製又はその他のセルロース製裏地などの再パルプ化できる裏地を含む場合に、裏地層への接着剤層の著しい浸透が防止されるよう選択されるべきである。また、障壁層により、分離層を適用可能な、滑らかで連続的な表面が好ましくもたらされる。接着剤が著しく裏地に浸透した場合、第1及び第2テープ裏地間に強力な結合がもたらされ、結果として、スプライシングテープの破断力及び剥離力は望ましくない程に高くなる。
【0056】
本明細書において使用するのに好適な障壁層は、好ましくは、スプライシングテープが再パルプ化可能である様に選択され、特に、スプライシングテープが紙継用途で使用される場合には、再パルプ化可能が望ましく、又は必要とされる。好ましい一態様では、障壁層は、紫外線硬化性ラッカーなどのラッカーを含む。
【0057】
1つ又は両方の障壁層は、シリコーン又はフッ素含有材料などの剥離材料を含むよう充填された層であってもよい。特に好適な材料は、シリコーン含有性材料である。1つ又は両方の障壁層中のシリコーン量を変更することにより、スプライシングテープの1つ又は両方の障壁層と、第3接着剤層との間での層間剥離に必要とされる力を所望のとおりに調節することができる。同様に、1つ又は両方の障壁層のコーティング重量を変更し、理論容量を変更したアニロックスコーティングローラーを使用することにより、所望の破断力を達成することができる。
【0058】
一部の用途では、スプライシングテープの幅にわたって測定した時の破断力及び剥離力を低下させて、フライングスプライス操作中の第1及び第2要素の分離をより容易に開始及び完了することが望ましい。しかしながら、横断方向の破断力及び剥離力を低下させつつ、縦方向破断力及び剥離力を維持することが望ましいものであり得る。スプライシングテープの長さに沿った方向で高破断力及び剥離力を維持することで、テープは、使用前に第1及び第2部分を分離させることなく、より都合よくロールに巻き上げられる。好ましい一態様では、第1障壁層又は第2障壁層は省略され、より好ましくは第1障壁層が省略される。特定の構成体に関しては、第1障壁層を除去することで、横断方向破断力及び剥離力を約100〜120g/25mm(0.98〜1.18N/25mm)から約33〜40g/25mm(0.32〜0.39N/25mm)へと大幅に減少させつつ、縦方向破断力及び剥離力は実質的に影響を生じさせずに約33〜35g/25mm(0.32〜0.34N/25mm)で維持することができることが観察されている。
【0059】
好ましい態様では、障壁層及び分離層は、重ね継ぎを行い、第1テープ構成要素及び第2テープ構成要素に分離した後のスプライシングテープ表面が、スプライシングテープの特定の用途に所望される通りの印刷可能な及び/又はコーティング可能な表面を示すよう選択される。
【0060】
別の態様では、保存及び保護用に、第1及び第2接着剤層のうちの少なくとも1つに剥離ライナーが提供される。剥離ライナーは、スプライシングテープがロール形態の場合には、スプライシングテープの片面又は両面上に剥離材料がコーティングされた数多くの既知でかつ利用可能な紙類又はフィルム類から選択することができる。剥離ライナーのベースウェブは、剥離剤コーティングを保持する好適な下塗りコーティングを有するクラフト紙、スーパーカレンダークラフト紙、クレイコートクラフト紙、グラシン紙、羊皮紙、及び他の紙類並びにフィルム類から選択することができる。
【0061】
本明細書に使用される剥離コーティングは、その剥離特徴が接着剤に使用されている任意の既知の材料のものであってよい。好ましい種類のものはシリコーン及び改質シリコーンであり、改質には、その他の非剥離性化学剤とのシリコーンの共重合、又は剥離原紙に適用する前に非シリコーン材料をシリコーンコーティング溶液に加えることによる改質が包含される。ポリエチレン、フルオロカーボン、Werner型クロム錯体及びポリビニルオクタデシルカルバメートなどのその他の剥離剤を使用することもできる。剥離剤コーティングの選択は、接着剤層の粘着性、接着強度及び化学的性質に応じる。剥離ライナーは、剥離ライナーをスプライシングテープから除去する際に、第1及び第2テープ構成要素間に使用前の分離が生じないよう選択される。
【0062】
好ましい態様では、剥離ライナーは第1部分及び第2部分を含む分離剥離ライナーであり、前記剥離ライナーは第1部分及び第2部分を含み、それぞれは独立してスプライシングテープから分離することができる。新しいロール材料の外側巻回の先端分を接着するため、スプライシングテープの長さに沿って、第1接着剤層の一部を都合よく露出し、第1接着剤層部分のみを露出することができる。剥離ライナーの第2の部分は、新しいロールを消耗しているウェブに重ね継ぐ前に、接着剤第1層の外側部に対し材料が不注意に接着することを防止するため、そのまま残しておくことができる。重ね継ぎを形成する時間が近い場合には、剥離ライナーの第2の部分は除去することもできる。
【0063】
スプライシングテープがロール形態で提供される場合、両面に剥離特徴を有する剥離ライナーが好ましい。本発明に従うスプライシングテープは、シート形態で提供し、次にロールの両面上に2つの剥離ライナーをもたらすことで好ましく保護することもできる。
【0064】
別の好ましい態様では、本明細書において使用される剥離ライナーは第1部分、第2部分及び第3部分を含み、第1部分はスプライシングテープの第1長手方向縁部に隣接してスプライシングテープの長さに沿って延在し、第3部分はスプライシングテープの第2長手方向縁部に隣接してスプライシングテープの長さに沿って延在し、並びに第2の部分は、第1及び第3部分間のスプライシングテープの長さに沿って延在し、スプライシングテープの第2の部分は、第2の部分の長さに沿って下方に延びる複数の弱化線又は切り取り線を含む。
【0065】
既に上記したとおり、分離層の突起の特徴により、最少破断力の増加及び限定がもたらされ、例えば、最少破断力は、分離層の材料により、並びに長手方向における平坦な先端の平均長さ対隣接する平坦な先端間の平均距離の比により調節することができる。本発明に従うスプライシングテープが、少なくとも10g/25mm(0.098N/25mm)のテープの最少破断力を有し(実験の項において記載される試験方法に従って測定したときに)、好ましくは少なくとも15g/25mm(0.15N/25mm)のテープの最少破断力を有することは、更に好ましい。このような最少破断力は、一方ではロールの重ね継ぎ間の振動を回避し、他方では重ね継ぎの作製及びロールの巻き上げ中のスプライシングテープの「使用前の分離」を回避するという試みに好ましく合致することが判明している。
【0066】
本発明に従うスプライシングテープの構成要素は、好ましくは、テープが再パルプ化できるように選択される。特に裏地、接着剤、及びバリアコート材料は、スプライシングテープが再パルプ化できるように好ましく選択される。より好ましくは、要素は、スプライシングテープがTAPPI UM 213 Procedure A試験に合格するように選択される。
【0067】
他の態様に従うと、本発明は、連続的にロールを交換するためのスプライシングテープの製造法に関し、方法は、次のステップ、
a)第1裏地及び第1接着剤層を含む第1テープ構成要素を提供するステップ、
b)第2裏地及び第2接着剤層を含む第2テープ構成要素を提供するステップ、
c)第1及び第2接着剤層が分離層と反対側を向くように、分離層を第1及び第2裏地層のいずれか又は両方に適用するステップ、並びに
d)第1及び第2テープ構成要素を、第1及び第2裏地層間の分離層と一緒に積層するステップ、を含み、
分離層は、スプライシングテープの長手方向に延在する、連続的でありかつ不断の中間領域を含み、かつこれが、中間領域からスプライシングテープの両方の長手方向縁部に向かって突出する平坦な先端を備える、反復的なテーパ形状の突起を備える。
【0068】
本発明のテープは、多層テープ構成体を製造するのに好適な任意の既知の方法により製造することができる。本発明に従うスプライシングテープの好ましい製造方法のうち、1つの方法は次の通りのものである:まず、第1及び第2のテープ構成要素を、裏地層上に既に存在する障壁層を有する又は有さない別個の完全な物品として準備する。第1及び/又は第2のテープ構成要素として使用することのできる市販のテープの好適な例としては、商品名9969テープとして3Mから市販の、再パルプ化できるテープが挙げられる。
【0069】
第2のテープ構成要素の裏地面は、アニロックスコーティングローラーを使用し、障壁層によりコーティングすることができる。適用される障壁層の厚みは、所望の理論容量を有するアニロックスローラーを選択することにより調節することができる。好ましい実施形態では、障壁層は、3kW水銀蒸気バルブを使用し硬化させた紫外線硬化性ラッカーである。
【0070】
第1テープ構成要素上の剥離ライナー−を切り離して、第1及び第2の部分を形成することができる。必要に応じてライナーを分離させて、第3部分を形成することもできる。更に、必要に応じてライナーの第2の部分にミシン目を形成することもできる。第1障壁層が含有される実施形態では、第1テープ構成要素の裏地面を障壁層によりコーティングすることができる。第2のテープ構成要素に関しては、所望の理論容量を有するアニロックスコーティングローラーを使用して、障壁層を適用することができる。
【0071】
好ましい態様では、紫外線硬化性ラッカーの硬化により第1障壁層をもたらすには、3kW水銀蒸気バルブを使用することができる。第3接着剤層の形態で分離層を提供し、次にいずれかのテープ構成要素の裏地上にコーティングすることができる。
【0072】
別の好ましい態様では、突出形状を提供しかつ第3接着剤が所望の理論容量を有するアニロックスコーティングローラーにより転写される印刷ローラーを使用して、第1テープ構成要素の第1障壁層上に第3接着剤層がコーティングされることが好ましい。次に、第3接着剤層が、分離可能なように第1及び第2テープ構成要素を一緒に結合するよう、これらの要素を一緒に積層することができる。
【0073】
好ましくは、第1及び第2テープ構成要素を積層してスプライシングテープを製造することは、同時に又は順番に実施される。更に、テープ構成要素を別個の完成された物品として提供する必要はない。要素は、スプライシングテープの最終的な組み立ての直前に製造してもよい。
【0074】
本出願の教示に関する効果に関し、当業者は、スプライシングテープの各種要素に好適な材料を選択して、第1及び第2テープ構成要素間に所望される破断力及び剥離力をもたらすことができる。例えば、第1接着剤層と、ウェブの重ね継がれた部分との間の結合強度は、使用時にスプライシングテープの構成要素を分離する際に必要とされる破断力を超過すべきである。同様にして、第2の接着剤層と、次のロールの最外巻回の次の巻の外側表面との結合強度は、使用時にスプライシングテープの構成要素を分離する際に必要とされる破断力を超過すべきである。換言すれば、いずれの結合強度も破断力及び剥離力を超過すべきである。
【0075】
テープの分離は、分離層の接着若しくは凝集破壊、裏地の層間剥離、又はこれらの任意の組み合わせにより達成することができる。分離層を凝集分離することによりスプライシングテープを分離することが望ましい場合には、分離層の凝集強度及び幾何学的設計により、スプライシングテープの破断力及び剥離力を定義することができる。この実施では、第1裏地層及び分離層間の結合強度は、分離層の凝集強度を超過すべきである。同様にして、第2の裏地層及び分離層間の結合強度は、分離層の凝集強度を超過すべきである。換言すれば、いずれの結合強度も分離層の凝集強度を超過すべきである。
【0076】
第1裏地層及び分離層間でスプライシングテープを層間剥離させることが望ましい場合、このような分離層は実質的に第2のテープ構成要素上に残存し、次の条件に当てはまるべきである。第1裏地層及び分離層間の結合強度は、分離層の凝集強度並びに第2裏地層及び分離層間の結合強度のいずれにも満たないものであるべきである。
【0077】
あるいは、第2裏地層及び分離層間でスプライシングテープを層間剥離させることが望ましい場合、このような分離層は実質的に第1のテープ構成要素上に残存し、次の条件に当てはまるべきである。第2裏地層及び分離層間の結合強度は、第1裏地層及び分離層間の凝集強度並びに結合強度のいずれにも満たないものであるべきである。
【0078】
好ましい態様では、テープの分離は、上記の通りに分離層を凝集破壊することにより達成される。
【0079】
更に別の態様に従うと、本発明はロールを形成するように巻き上げた平坦なウェブ材料の、連続的なロール交換のための、上記の通りのスプライシングテープの使用に関する。フラットウェブ材料の消耗しているロール及びフラットウェブ材料の新しいロール間で連続的にロールを交換するために本発明のスプライシングテープを使用する好適な方法は、スプライシングテープの当業者により容易に特定することができる。本発明の文脈においては、任意の一般的な静的又は動的重ね継ぎ法を使用することができる。好ましくは、本発明のスプライシングテープは、フライングスプライス法において使用される。このような好ましい重ね継ぎ操作を図10及び11に例示する。本発明は、添付図面を参照することにより更に説明される。
【0080】
図1には、連続的にロールを交換するためのスプライシングテープ1の一実施形態の側断面図が示される。スプライシングテープ1は、第1裏地層2、及びこの第1裏地層2の第1表面上に第1接着剤層3を含む、第1テープ構成要素を含む。スプライシングテープ1は、第2裏地層4、及びこの第2裏地層4の第1表面上の第2接着剤層5を含む、第2テープ構成要素を更に含む。第1及び第2接着剤層3、5に使用される接着剤は、好ましくは、米国特許第7,931,774(B2)号に開示される通りの接着剤である。
【0081】
更に、本発明のスプライシングテープ1は、第1及び第2接着剤層3、5が分離層6と反対側を向くように、第1裏地層2及び第2裏地層4を結合する分離層6を更に含む。換言すれば、分離層6は、第1及び第2裏地層2、4の間に挿入される。
【0082】
第1及び第2接着剤層3、5がアクリル系接着剤から選択されて剥離ライナーが提供され、この剥離ライナーはスプライシングテープ1の長さに沿って延在する第1部分8、第2部分9及び第3部分10をそれぞれ含む。剥離ライナーの部分8、9、10は、スプライシングテープ1の第1及び第2長手方向端に隣接してスプライシングテープ1の長さに沿って延在する分割ライン11により、互いに分離される。
【0083】
図2は、スプライシングテープ1の一実施形態の平面図であり、上側裏地層2が除去され、分離層6の特徴が自由に閲覧できるようになっている。分離層6は、スプライシングテープ1の長手方向に延在する連続的でありかつ不断の中間領域7を含む。中央領域7から、平坦な先端13を備えるテーパ形状の突起12が、スプライシングテープ1の長手方向端の両方に向かって繰り返し突出している。突起12は中央領域7の両面に実質的に同一の特徴を有し、この実施形態では、楕円状側端14を備える凸状特徴を示す。
【0084】
図3は、図2に示すスプライシングテープ1の拡大した一部を示す。図3に見ることができるとおり、平坦な先端13は、スプライシングテープ1の長手方向端からの凹状(r)を有する。更に、平坦な先端13は幅(w)を有し、互いに距離(d)になるよう配置され、この実施例では、長手方向における平坦な先端13の平均幅対隣接する平坦な先端13間の平均距離比は約1:1.5である。
【0085】
図4には、代替的な平坦な先端13の拡大図を示す。この実施例では、平坦な先端13はわずかに湾曲している。突出部12の劇的に変化する側端14により画定される平坦な先端13の底部(b)から、先端13の中央は高さ(h)を有する。この実施例では、先端13の基部幅b対先端13の高さ(h)比が約20:1である。
【0086】
図5〜9は、スプライシングテープ1の代替的な実施形態を示す。図5では突起が直線状側端14を有するのに対し、図6のテープ1の直線状側端14は凹面である。
【0087】
図7には、別の代替的な実施形態が示されており、この実施形態では、中央領域7の相対する側の突起12はオフセット(o)で配置されており、片面上の突出部12の中心線は、相対する側の2つの隣接する突起12の中央を通る。オフセット(o)には任意の値を持たせることができ、図7に示す実施形態に限定されない。同様に、オフセットは、任意の形状の突起と組み合わせることができ、この図面に示される通りの凹状突起12に制限されるものとは理解されない。
【0088】
図8には、スプライシングテープ1の更に別の実施形態を示す。この場合、中央領域7の片面上の突起12は凸状の形状を有するのに対し、相対する側では突起12は直線状の側端14を有する。
【0089】
図9は、本発明のスプライシングテープ1の別の代替的な実施形態を示すものであり、この実施形態では、対向する突起12の対は直線状の側端及び凸状の側端14を有し、これらの異なる形状は別の方式で配置されている。
【0090】
図10及び11には、消耗しているシート材料のロール20及び新しいシート材料のロール21間で連続的にロールを交換する際の本発明のスプライシングテープ1の使用方法を示す。図10はステップの開始を示す。新しいロール21の外側巻回23の先端分22を持ち上げ、スプライシングテープ1を、下側の裏地層4により続くシート材料24の巻回に適用する。簡略さのため、接着剤層は記載しない。
【0091】
先端22を、スプライシングテープ1の上側裏地層2の一部に取り付ける。上側裏地層2又は各接着剤層3のその他の領域は露出されたままであり、この領域には消耗しているロール20のシート材料の表面を接着することができる。ロール交換を実施するため、新しいロール21を、消耗しているロール20のシート材料がスプライシングテープ1の露出している接着剤層と接着するまでの間、消耗しているロール20の表面に向かって移動させる。
【0092】
重ね継ぎステップが図11に図示される。重ね継ぎを行うため、新しいロール21に長手方向対称軸の周囲を回転させ、周辺速度を、消耗しているロール20のウェブシートの巻き出し線状速度と同等にする。消耗しているロールの巻き出し終了が間近になったときに、適切な時点で、新しいロール21の先端22を、消耗しているロール20の巻き出されているウェブシートに対し必要に応じて回転位置に配置し、消耗しているロール20の巻き出されているウェブシートを、例えばローラー部材により、新しいロール21の外側巻回23の先端22に向けて移動させ、スプライシングテープ1の上側接着剤層に残存している露出面に接着する。
【0093】
図11に示すとおり、消耗しているロール20の巻き出されているウェブシート20a、及び回転している新しいロール21は、スプライシングテープ1に対し、共に剥離力をもたらす。これにより、スプライシングテープ1の第1及び第2テープ構成要素が分離する。まず、分離は、スプライシングテープ1の第1前縁部で始まり、スプライシングテープ1の幅に沿って進行し、スプライシングテープ1の第2後縁部が分離される。スプライシングテープ1のテープ構成要素の分離時に、第2裏地層4は、第2の接着剤層5により、外側巻回の次の巻24の上側表面に接着されたままとどまり、第1裏地層2は、第1接着剤層3により新しいロール21の外側巻回23及び消耗しているロール20の巻き出されているウェブシート20aの間のスプライスに接着されたままとどまる。スプライシングテープ1の瞬間的なスプライスの作製中又は作製後、シート材料20aをナイフ25により切断し、消耗しているロール20及び新しいロール21を分離する。
【0094】
図12〜16には、分離層の形状に応じた分離力を示す。このダイアグラムにおいて、分離力はテープの、長手方向の一端から他の長手方向端にわたる幅に対し記録した。これまでに設定したとおり、分離プロセスは、分離プロセスを開始するために破断力が適用される開始段階と、分離を継続する連続的な剥離段階とに分けることができる。
【0095】
項目1は、連続的にロールを交換するためのスプライシングテープ(1)であって、スプライシングテープは、
a)第1裏地層(2)、及びこの第1裏地層(2)の第1表面上の第1接着剤層(3)を含む、第1テープ構成要素、
b)第2裏地層(4)、及びこの第2裏地層(4)の第1表面上の第2接着剤層(5)を含む、第2テープ構成要素、並びに
c)第1及び第2接着剤層(3、5)が分離層(6)と反対側を向くように、第1裏地層(2)及び第2裏地層(4)を接合する分離層(6)、を具備し
分離層(6)は、スプライシングテープの長手方向に延在する、連続的でありかつ不断の中間領域(7)を含み、かつこれが、中間領域(7)からスプライシングテープ(1)の両方の長手方向縁部に向かって突出する平坦な先端(13)を有する、反復的なテーパ形状の突起部(12)を備える。
【0096】
項目2は、平坦な先端(13)が、スプライシングテープの長手方向端(1)から凹んでいる、項目1に従うスプライシングテープである。
【0097】
項目3は、分離層(6)がテープ幅の少なくとも70%にわたって延在し、より好ましくはテープ幅の少なくとも80%、更により好ましくはテープ幅の少なくとも90%にわたって延在する、項目1又は2のいずれかに従うスプライシングテープである。
【0098】
項目4は、前記分離層(6)が、前記スプライシングテープ(1)の長手方向軸を中央にして配置されていることを特徴とする、項目1〜3のいずれか従うスプライシングテープである。
【0099】
項目5は、平坦な先端(13)が、好ましくはスプライシングテープ(1)の長手方向縁部と実質的に平行に配置されている、直線的な縁部を有する、項目1〜4のいずれかに従うスプライシングテープである。
【0100】
項目6は、平坦な先端(13)が、先端(13)の基部幅(w)対先端(13)の高さ(h)の比が少なくとも1:1、好ましくは少なくとも2:1、より好ましくは少なくとも5:1、更により好ましくは少なくとも10:1になるように湾曲している、項目1〜4のいずれかに従うスプライシングテープである。
【0101】
項目7は、テープの長手方向縁部の一方で、又は好ましくは両方で、長手方向における平坦な先端(13)の平均幅(w)対隣接する平坦な先端(13)間の距離(d)の比が、10:1〜1:10であり、好ましくは5:1〜1:5である、項目1〜6のいずれかに記載のスプライシングテープである。
【0102】
項目8は、反復的なテーパ形状の突起(12)が実質的に同一の又は異なる外形を呈し、この外形が好ましくは中央領域の片面上で実質的に同一であり、好ましくは中央領域の両面上で実質的に同一である、項目1〜7のいずれかに記載のスプライシングテープである。
【0103】
項目9は、中央領域(7)の相対する側において、反復的なテーパ形状の突起(12)が鏡面対称となるように配置されている、項目1〜8のいずれかに記載のスプライシングテープである。
【0104】
項目10は、中央領域(7)の相対する側において、反復的なテーパ形状の突起(12)がオフセット配置されている、項目1〜8のいずれかに記載のスプライシングテープである。
【0105】
項目11は、反復的なテーパ形状の突起(12)の側端が、曲線状、鋸歯状、凹状、凸状、及び/又は直線状であってよく、好ましくは、楕円、半円、正弦波形状、放物線状、又は双曲線状及びこれらの任意の組み合わせからなる群から選択される形状を有する、項目1〜10のいずれかに記載のスプライシングテープである。
【0106】
項目12は、分離層(6)の材料が、分離可能な紙、接着剤、分離可能なフィルム、紫外線硬化層、ファン・デル・ワールス力又はその他の同様の力により結合した静電気により接着した表面層、並びにこれらの任意の組み合わせからなる群から選択される、項目1〜11のいずれかに記載のスプライシングテープである。好ましくは、分離層(6)の材料は、接着剤から選択される。
【0107】
項目13は、第1及び第2裏地層(2、4)が、再パルプ化できる裏地を含む、項目1〜12のいずれかに記載のスプライシングテープである。
【0108】
項目14は、第1及び第2裏地層(2、4)が、セルロース製裏地層を含む、項目1〜13のいずれかに記載のスプライシングテープである。
【0109】
項目15は、第1及び第2裏地層(2、4)が、紙製裏地層を含む、項目1〜13のいずれかに記載のスプライシングテープである。
【0110】
項目16は、分離層(6)と、第1及び第2裏地層(2、4)のうちの少なくとも1つとの間に裏地層が含まれる、項目1〜15のいずれかに記載のスプライシングテープである。
【0111】
項目17は、前記障壁層がラッカーを含む、項目1〜16のいずれかに記載のスプライシングテープである。
【0112】
項目18は、障壁層が紫外線硬化性障壁層を含む、項目16又は17のいずれかに記載のスプライシングテープである。
【0113】
項目19は、分離層(6)が水系接着剤を含む、項目1〜18のいずれかに記載のスプライシングテープである。
【0114】
項目20は、分離層(6)が合成樹脂エマルション系接着剤を含む、項目1〜19のいずれかに記載のスプライシングテープである。
【0115】
項目21は、分離層(6)の凝集分離により使用に際して分離される、項目1〜20のいずれかに記載のスプライシングテープである。
【0116】
項目22は、分離層(6)と、第1及び第2裏地層(2、4)のうちのいずれかとの間の層間剥離により使用に際して分離される、項目1〜21のいずれかに記載のスプライシングテープである。
【0117】
項目23は、第1及び第2接着剤層のうちの少なくとも1つに剥離ライナーが提供され、剥離ライナーが、第1部分(8)及び第2部分(9)を含み、それぞれが独立してスプライシングテープ(1)から分離可能である、項目1〜22のいずれかに記載のスプライシングテープである。
【0118】
項目24は、剥離ライナーが第1部分(8)、第2部分(9)、及び第3部分(10)を含み、第1部分(8)がスプライシングテープ(1)の第1の長手方向縁部に隣接してスプライシングテープ(1)の長さに沿って延在し、第3部分(10)がスプライシングテープ(1)の第2の長手方向縁部に隣接してスプライシングテープ(1)の長さに沿って延在し、並びに第2の部分(9)が第1及び第3部分(8、10)の間のスプライシングテープ(1)の長さに沿って延在し、スプライシングテープ(1)の第2の部分(9)が、第2の部分の長さにわたって延びる複数のミシン目線又は穿孔線を含む、項目1〜23のいずれかに記載のスプライシングテープである。
【0119】
項目25は、スプライシングテープ(1)であって、実験の項において記載される試験方法に従って測定したときに、少なくとも10g/25mm(0.098N/25mm)のテープの最少破断力を有する、項目1〜24のいずれかに記載のスプライシングテープである。
【0120】
項目26は、連続的にロールを交換するためのスプライシングテープの製造法であり、方法は、次のステップ、
a)第1裏地層(2)及び第1接着剤層(3)を含む第1テープ構成要素を提供するステップ、
b)第2裏地層(4)及び第2接着剤層(5)を含む第2テープ構成要素を提供するステップ、
c)第1及び第2接着剤層(3、5)が分離層(6)と反対側を向くように、分離層(6)を第1及び第2裏地層(2、4)のいずれか又は両方に適用するステップ、並びに
d)第1及び第2テープ構成要素を、第1及び第2裏地層(2、4)間の分離層(6)と一緒に積層するステップ、を含み、
分離層(6)は、スプライシングテープの長手方向に延在する、連続的でありかつ不断の中間領域(7)を含み、かつこれが、中間領域(7)からスプライシングテープ(1)の両方の長手方向縁部に向かって突出する平坦な先端(13)を有する、反復的なテーパ形状の突起を備える。
【0121】
項目27は、ロールを形成するように巻き上げた平坦なウェブ材料の、連続的なロール交換のための、項目1〜26のいずれかに記載のスプライシングテープの使用である。
【実施例】
【0122】
試料の調製:
試験サンプルとしては、商品名「3M Scotch(商標)Splittable Flying Splice Tape Repulpable R9996(テープ幅75mm)」として市販のテープを使用できる。
【0123】
サンプル1(比較):テープの第1区画を25mm×75mmの矩形片に切り出し、これを後に、5種の試験シートに関し5つの矩形片を試験するために使用する。以降の破断力及び剥離力試験をテープ幅にわたって実施するため、各矩形の長寸法75mmとテープの幅とは一致する。
【0124】
(本発明による)サンプル2:同一のテープの第2区画から、楕円パターンを切り出した。楕円の平坦な先端を測定したときに、各楕円は、25mmの短軸と、70mmの長軸を有する。各楕円形状の平坦な先端は、元のテープの長手方向端から2、5mm内側に凹んでいる縁部をもつようにする。次に、5種の試験シートに関し5つの楕円をそれぞれまっすぐに切断する。各楕円の実測値は幅25mm(短軸)×長さ70mm(長軸平坦縁から平坦縁まで)である。先端平坦縁の幅の実測値は約8〜10mmである。
【0125】
サンプル3(比較):同一のテープの第3区画から、楕円パターンを切り出した。楕円の丸みを帯びた先端を測定したときに、各楕円は、25mmの短軸と、70mmの長軸を有する。各楕円形状の丸みを帯びた先端は、元のテープの長手方向端から2、5mm内側に凹んでいる縁部に配置されている。次に、5種の試験シートに関し5つの楕円をそれぞれまっすぐに切断する。各楕円の実測値は25mm(短軸)×70mm(長軸先端から先端まで)。
【0126】
サンプル4(比較):最後に、第3項の未使用のサンプルを楕円形パターンに切り出す。各楕円は、楕円の丸みを帯びた先端まで測定した場合に70mmの長軸と、推定した(破線を参照されたい)時にのみ約10mmの短軸(狭い部分)を有する。各楕円形状の丸みを帯びた先端は、元のテープの長手方向端から2、5mm内側に凹んでいる縁部に配置されている。5種の試験シートに関し5つの楕円を準備するこの項では、すべての試験において、楕円の狭まっている部分の先端を先端として使用する。
【0127】
分離力を測定するための試験方法:
上記4サンプル群のそれぞれに関し、次の通りに試験を実施する:
清潔なアルミニウム試験パネルに各試験シートを接着し、23℃及び50% RHの条件で24時間順化させる。次に、各試験シートの上層からライナーを除去し、分離面の接着剤を露出させる。保護ライナーの分割ラインから離れている端部を各パネルの先端とする。細い楕円形状のサンプル4の場合、すぼまっている端部を先端とする。
【0128】
各試験シートに対し、80g/sqmの未被覆印刷紙(30mm×150mm)を接着させ、試験シートの先端を超えて長端を延在させる。
【0129】
アルミニウム試験パネルを、Zwick Z−005引張試験機(ロードセル1〜10N)に対し水平位置に固定し、紙片端を引張試験機(ヘッド0〜10N)のクリップに挿入する。試験装置は、0.01Nの最少分離力(90°剥離モード)を記録するよう設定する。試験方法手引ASTM D−3330(F)に記載のとおり、試験中、紙片をアルミニウム製パネルの平面に対し垂直な方向に引き、紙片及びアルミニウム製パネル間の分離可能な試験シートを、300mm/分の速度かつ90°の角度にて分離する。アルミニウム製パネルは同様の速度で移動するよう設定し、試験中90°の引張角度を維持する。
【0130】
上記の通り、試験シートを分離するのに必要とされる力をニュートンで記録する。
【0131】
5種の試験シートのそれぞれに関し、5つのグラフを記録する。次に、5種のサンプルの各組に関し平均曲線を作成し、図12〜15に示される平均グラフを得る。4mmで記録された分離力を、破壊力を見積もるための基準点とする。
【0132】
実験結果
本発明の分離可能なスプライシングテープは、ロール交換を実施する間、少なくとも2つの機能を組み合わせて果たす。第1の機能は、使いきろうとしているウェブと、新しいロールを同じ速度に到達させるよう、いずれものスプライスの作製中、及び40km/時(多くの場合、更に高速)での巻き上げ中に新しいロールを一緒に保持するというものである。この機能を実施する能力は、ここでいう「破断力」(BOF)を、スプライシングテープの先端から4mmの場所で測定される分離力と見なすことにより測定される。破断力が非常に低い場合には、スプライスの作製中又は実際にスプライスを行う前のロールの巻き上げ中のいずれかで、テープの「使用前分離」のリスクが増加し、ロール交換を失敗するリスクが増加する。
【0133】
本発明のスプライシングテープにより果たされる第2の機能は、重ね継ぎの瞬間に、使いきろうとしているウェブの突発的なウェブ張力の増大(本明細書においては「振動」と呼ばれる)を生じることなく滑らかに分離されるというものである。高リスクの「振動」は、スロープ15により反映され、分離グラフにおいては、テープ先端から7mmの部位における分離力(y)/距離(x)の比として取られる(図12〜16に示す通り)。高「振動リスク」は、ロール交換を失敗するリスクも増加させ得る。
【0134】
図12は、幅70mm(Y軸)及び長さ(X軸)25mm(比較例)の矩形形状を有する分離層の分離力を表すダイアグラムを示す。図12は、高「振動リスク」を有する典型的な曲線を示す。急なスロープ15は高破断力(0.42N、参照として採用)と組み合わせられ、持続的な高剥離力(先端から7mmの位置での分離力を超過する)は、重ね継ぎの瞬間にウェブの張力を急激に増加させて、ロール交換を失敗させる高リスクを導く傾向がある。しかしながら、この特定の相分離法では、「使用前分離」のリスクは最小限に抑えられる。「振動リスク」の測定はスロープ15により反映され、分離グラフにおいては、テープ先端から7mmの部位における分離力(y)/距離(x)の比として取られ、0.11N/mmに相当する。
【0135】
図13は、本発明において使用するための、幅70mm(Y軸)及び中央部における最大長(X軸)25mm、平坦な先端の長さ15mmのフラットヘッド型の楕円形の形態の分離層の分離力を表す、ダイアグラムを示す。スプライシングテープの長手方向端部の両方に向かって延びる平坦な先端と組み合わせてテーパ形状の突起を備える分離層の構成により、スロープは著しく低下し(22%低下)、より滑らかで、より穏やかな初期特徴が提供される。スロープ15により反映された「振動リスク」は、0.086N/mmに相当する。「使用前分離」のリスクを反映する破断力はたった9.5%(すなわち10%未満)だけ低下し、0.38Nに相当する。この、最大剥離力が、7mmでの分離力と比較して著しく高いものではないことに加えて、著しく低い「振動リスク」を十分に高い破断力と組み合わせるという分離特性の調整を得て、「使用前分離」のリスクを最小限に抑える。
【0136】
図14は、幅70mm(Y軸)及び最大長25mm(X軸)の中央部位(比較例)を有する楕円形の形態の分離層の分離力を示すダイアグラムを示し、このダイアグラムでは、分離層の構成体は、平坦な先端を有さないことを除き図13のものと同一であるテーパ形状の突起を含む。平坦な先端が存在しないことで、図13と比較してスロープが激減する。この変化は非常に「振動リスク」を低下させ、なおかつ破断力を大幅に低下させ、使用前分離のリスクを増加させる。スロープ15により反映される「振動リスク」の測定値は0.057N/mm(48%低下)に相当するのに対し、破断力は52%低下してわずか0.20Nになる。
【0137】
図15は、幅70mm(Y軸)及び中央部における最大長(X軸)10mmの楕円形の形態の分離層の分離力を表すダイアグラムである(比較例)。そのため、図15は、平坦な先端を有さない、より絞られたテーパ形状の突起を使用した場合に、分離特性に対し生じる効果を示す。スロープは、この時間では非常に段階的なものであるものの(実質上、振動リスクは存在しない)、回避不能であり、破断力は、使用前分離のリスクを更に増加する程に低下する。スロープ15により反映される「振動リスク」の測定値は0.027N/mm(75%低下)に相当するのに対し、破断力は62%低下し、わずか0.16Nになる。したがって、図15に記載のとおりに分離層に特徴を有するスプライシングテープは、重ね継ぎ操作前に新しいロールを巻き上げる間に、使用前分離、並びに更には使用前開口を生じる傾向がかなり強い。
【0138】
図16では、すべてのダイアグラムは編集されており、比較例及び本発明に従う実施例の間の直接的な比較が可能である。次の参照を図16に用いる:ダイアグラム1(図12);ダイアグラム2(図13);ダイアグラム3(図14)及びダイアグラム4(図15)。
【0139】
要約すると、本発明に従うスプライシングテープは、使用前分離を生じる傾向が少なく、滑らかな分離挙動を示す。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16