(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【0008】
様々な実施例についての下記の記述はどんなやり方であっても添付の請求項の対象物を制限するように解釈されるものではない。
【0009】
一つの実施例は標準参照ダイ比較検査において用いるための標準参照ダイを生成するためのコンピューター実施の方法に関する。その方法はウエハー上の中央に位置する一つのダイとウエハー上に位置する一つ以上のダイについての検査システムの出力を得ることを含む。その方法はまたその出力におけるダイの中の位置に基づいて中央に位置する一つのダイと一つ以上のダイについての出力を組み合わせることを含む。さらに、その方法はその組み合わせの工程の結果に基づいて標準参照ダイを生成することを含む。
【0010】
一つの実施例では、標準参照ダイは一つの画像を含む。もう一つの実施例では、標準参照ダイ比較検査は反復する欠陥についての検査を含む。一つの追加の実施例では、標準参照ダイは中央に位置する一つのダイと一つ以上のダイにおけるランダムな欠陥からの雑音を殆んど含まない。一つのさらなる実施例では、その方法は標準参照ダイを設計データ領域に位置合わせすることを含む。一つのそのような実施例では、その生成する工程は設計データ領域での既定の区域に対応する設計データ領域での位置のみについての標準参照ダイを生成することを含む。
【0011】
一つの実施例では、その出力はグレーレベルを含む。ひとつのそのような実施例では、組み合わせる工程はダイの中の位置にわたるグレーレベルの平均値を決めることを含む。もうひとつのそのような実施例では、組み合わせる工程はダイの中の位置にわたるグレーレベルの中央値を決めることを含む。一つのさらなるそのような実施例では、組み合わせる工程はダイの中の位置にわたるグレーレベルの平均値と中央値を決めることを含む。一つのそのような実施例では、標準参照ダイはダイの中の位置にわたるグレーレベルの平均値を含むことができ、その方法はそのダイの中の位置にわたる中央値についての追加の標準参照ダイを生成することを含むことができる。いくつかの実施例では、組み合わせる工程はそのダイの中の位置にわたる出力の特性とそのダイの中の位置にわたるその特性の中の雑音を決めることを含む。
【0012】
上記の方法の各々の工程はここにさらに記述されるように実施することができる。上記の方法の各々の実施例はここに記述されるどんな方法のその他の工程を含んでもよい。さらに、上記の方法の各々の実施例はここに記述されるどんな装置により実施してもよい。
【0013】
もう一つの実施例はウエハーを検査するための方法に関する。その方法はウエハーについての検査システムの出力を得ることを含む。その方法はまたその出力のダイの中の位置に基づいて中央に位置する一つのダイと一つ以上のダイについての出力を組み合わせることを含む。さらに、その方法はその組み合わせの工程の結果に基づいて標準参照ダイを生成することを含む。その方法はさらに一つ以上のダイの中の欠陥を検出するために標準参照ダイをウエハー上の一つ以上の試験ダイについての出力と比較することを含む。
【0014】
一つの実施例では、標準参照ダイと一つ以上の試験ダイの出力は画像を含む。もう一つの実施例では、その方法の全ての工程はウエハーの検査の実行時に実施することができる。
【0015】
いくつかの実施例では、欠陥は反復する欠陥を含む。もう一つの実施例では、欠陥はウエハーを加工するために用いるレチクルの製造により引き起こされる。一つの追加の実施例では、欠陥は系統的欠陥を含み、一つ以上の試験ダイは工程窓適正化(PWQ)の方法を用いてウエハー上に形成される。
【0016】
一つの実施例では、標準参照ダイは中央に位置する一つのダイと一つ以上のダイにおけるランダムな欠陥からの雑音を殆んど含まない。もう一つの実施例では、その方法は複数の試験ダイについての組み合わされる出力が一つ以上の試験ダイの各々についての出力よりもランダムな欠陥からの雑音が小さくなるように一つ以上の試験ダイの複数についての出力を組み合わせることを含む。もう一つの追加の実施例では、その方法は一つ以上の試験ダイの複数についての出力を組み合わせることを含み、その組み合わせる工程はその複数の試験ダイの中の欠陥を検出するために標準参照ダイをその複数のダイについての組み合わされる出力と比較することを含む。一つのそのような実施例では、欠陥は反復する欠陥を含む。
【0017】
一つの実施例では、比較する工程は適応的閾値化(adaptive thresholding)を用いて実施される。もう一つの実施例では、比較の工程は標準参照ダイと一つ以上の試験ダイについての度数分布の同等化を用いて標準参照ダイを一つ以上の試験ダイについての出力と位置合わせすることを含む。もう一つの実施例では、その比較の工程は標準参照ダイの中の画素の近傍を一つ以上の試験ダイについての出力の中の画素の近傍とテンプレートマッチングをすることを含む。
【0018】
一つの実施例では、その得る工程はウエハー上の試験ダイの一部のみについての出力を得ることを含む。もう一つの実施例では、その方法は標準参照ダイを設計データ領域に位置合わせすることを含む。一つのそのような実施例では、その生成する工程は設計データ領域での既定の区域に対応する設計データ領域での位置のみについて標準参照ダイを生成することを含む。
【0019】
上記の方法の各々の工程はここにさらに記述されるように実施することができる。上記の方法の各々の実施例はここに記述されるどんな方法のその他の工程を含んでもよい。さらに、上記の方法の各々の実施例はここに記述されるどんな装置により実施してもよい。
【0020】
一つの追加の実施例はウエハーを検査するためのもう一つの方法に関する。この方法は標準参照ウエハーについての検査システムの出力を得ることを含む。その方法はまたその出力についてのダイの中の位置に基づいて、標準参照ダイ上で中央に位置する一つのダイと標準参照ダイ上に位置する一つ以上のダイについての出力を組み合わせることを含む。さらに、その方法はその組み合わせる工程の結果に基づいて標準参照ダイを生成することを含む。その方法はさらにウエハーについて検査システムの出力を得ることを含む。さらに、その方法は一つ以上の試験ダイの中の欠陥を検出するために標準参照ダイをウエハー上の一つ以上の試験ダイについての出力と比較することを含む。
【0021】
一つの実施例では、欠陥は反復する欠陥を含む。もう一つの実施例では、欠陥はウエハーを加工するために用いるレチクルの製造により引き起こされる。一つの追加の実施例では、欠陥は系統的欠陥を含み、一つ以上の試験ダイはPWQの手順を用いてウエハー上に形成される。
【0022】
いくつかの実施例では、標準参照ダイは中央に位置する一つのダイと一つ以上のダイにおけるランダムな欠陥からの雑音を殆んど含まない。もう一つの実施例では、その方法は複数の試験ダイについての組み合わされる出力が一つ以上の試験ダイの各々についての出力よりもランダムな欠陥からの雑音が小さくなるように一つ以上の試験ダイの複数についての出力を組み合わせることを含む。もう一つの追加の実施例では、その方法は一つ以上の試験ダイの複数についての出力を組み合わせることを含み、その組み合わせる工程はその複数の試験ダイの中の欠陥を検出するために標準参照ダイをその複数のダイについての組み合わされる出力と比較することを含む。一つのそのような実施例では、欠陥は反復する欠陥を含む。
【0023】
一つの実施例では、その方法は標準参照ダイを設計データ領域と位置合わせすることを含む。一つのそのような実施例では、生成する工程は設計データ領域での既定の区域に対応する設計データ領域での位置のみについての標準参照ダイを生成することを含む。もう一つの実施例では、その方法は比較の工程の前に設計データ領域に対する標準参照ダイの位置と一つ以上の試験ダイについての出力の位置を決めること、及び、比較の工程の前に設計データ領域に対する標準参照ダイと一つ以上の試験ダイの出力の位置に基づいて標準参照ダイを一つ以上の試験ダイの出力と位置合わせすることを含む。
【0024】
一つの実施例では、その方法はフレームごとの位置合わせ技術を用いて比較の工程の前に標準参照ダイを一つ以上の試験ダイの出力と位置合わせすることを含む。もう一つの実施例では、その方法は一つ以上のダイについての出力の最初の帯をグローバルな位置に対して位置合わせすることと結果的に二番目の帯をグローバルな位置と位置合わせするために一つ以上のダイについての出力の二番目の帯を最初の帯に位置合わせすることを含む。
【0025】
一つの実施例では、比較の工程は適応的閾値化を用いて実施することができる。もう一つの実施例では、比較の工程は標準参照ダイと一つ以上の試験ダイについてのヒストグラムの同等化を用いて標準参照ダイを一つ以上の試験ダイについての出力と位置合わせすることを含む。もう一つの実施例では、ウエハーについての検査システムの出力はウエハー上の1照明地点あたり少なくとも二つのサンプルを含む。
【0026】
一つの実施例では、ウエハーについての検査システムの出力を得ることはウエハー上の試験ダイの一部分のみについての出力を得ることを含む。もう一つの実施例では、標準参照ウエハーとそのウエハーについての出力を得ることは広帯域の深紫外線モード検査を用いて実施される。一つの追加の実施例では、標準参照ウエハーとそのウエハーについての出力を得ることは広帯域のエッジコントラストモード検査を用いて実施される。いくつかの実施例では、標準参照ウエハーとそのウエハーについての出力を得ることは電子ビームの検査を用いて実施される。
【0027】
上記の方法の各々の工程はここにさらに記述されるように実施することができる。上記の方法の各々の実施例はここに記述されるどんな方法のその他の方法も含むことができる。さらに、上記の方法の各々の実施例はここに記述されるどんな装置により実施してもよい。
【0028】
一つのさらなる実施例はウエハー上の欠陥を検出するためのコンピューター実施の方法に関する。その方法は構造の合成画像を生成するためにウエハー上に形成される構造の複数の画像を組み合わせることを含む。複数の画像はその構造が形成されるウエハー上の複数の位置において得られる。その方法はウエハー上の欠陥を検出するためにその合成画像を参照画像と比較することを含む。
【0029】
一つの実施例では、欠陥は系統的欠陥を含む。もう一つの実施例では、欠陥はその構造のラインエッジ粗さ(Line Edge Roughness)におよそ等しい大きさを持つ。
【0030】
一つの実施例では、組み合わせる工程は複数の画像を平均することを含む。いくつかの実施例では、その複数の位置は同一の設計を持つセルの中の構造の位置を含む。もう一つの実施例では、その複数の位置は隣接するダイの中の構造の位置を含む。
【0031】
一つの実施例では、組み合わせる工程は合成画像が複数の画像の各々よりも小さいラインエッジ粗さ(Line Edge Roughness)を持つように実施される。もう一つの実施例では、組み合わせる工程は合成画像が複数の画像の各々よりもランダムな変動量が小さくなるように実施される。一つの追加の実施例では、組み合わせる工程は合成画像が複数の画像の各々よりもグレーレベル雑音が小さくなるように実施される。
【0032】
一つの実施例では、その参照画像は構造の既知の良好な画像を含む。もう一つの実施例では、その参照画像は標準参照ダイにおいて得られる構造の画像を含む。もう一つの追加の実施例では、その参照画像は工程窓適正化ダイにおいて得られる構造の参照画像、合成試験画像、又は、参照画像と合成試験画像を含む。いくつかの実施例では、その参照画像はそのウエハー上のまたは異なるウエハー上の複数の位置において得られる複数の画像から生成される構造の合成画像を含む。
【0033】
上記の方法の各々の工程はここにさらに記述されるように実施することができる。上記の方法の各々の実施例はここに記述されるどんな方法のその他の工程も含むことができる。さらに、上記の方法の各々の実施例はここに記述されるどんな装置により実施してもよい。
【発明を実施するための形態】
【0036】
ここに用いられるように、用語“ウエハー”は通常半導体または非半導体材料で形成される基盤を参照する。そのような半導体または非半導体材料の例は、それらに限定されないが、単結晶シリコン、ガリウムヒ素、リン化インジウムを含む。そのような基盤は通常は半導体加工施設で見られる及び/または処理されることがある。
【0037】
ウエハーは基盤上に形成された一つ以上の層を含むことができる。例えば、そのような層は、それらに限定されないが、レジスト、誘電性材料、導電性材料、そして半導体材料を含むことができる。そのような層の多くの異なる種類は当技術分野に既知であり、ここで用いられるような用語ウエハーはそのような層の全ての種類を含むウエハーを包含するように意図される。
【0038】
ウエハー上に形成される一つ以上の層はパターン化されたりパターン化されなかったりすることがある。例えば、ウエハーは、各々が反復可能にパターン化された特性を持つ、複数のダイを含むことができる。そのような材料の層を形成し処理することにより最終的に完成された装置とすることができる。ウエハー上には集積回路(IC)のような多くの異なる種類の装置を形成することができ、ここで用いられる用語ウエハーは当技術分野に既知のどんな種類の装置もその上に加工されるウエハーも包含するように意図される。
【0039】
いま図に転ずると、図が原寸に比例しないよう描かれていることがわかる。特に、図のいくつかの要素の寸法はその要素の特性を強調するために大幅に誇張されている。また図は同縮尺で描かれていないことがわかる。一つ以上の図に示される同様に構成することができる要素は同じ参照数字で表わされている。
【0040】
ここに記述される実施例は通常は系統的(反復的)欠陥のためのアルゴリズム的アプローチのやり方についての新たな考え方に基づく。最近、検査装置の顧客は検査装置が系統的または反復的欠陥を検出するために用いることができる“標準参照ダイの特性”含むことを要求するようになってきている。そのような要求は、プリントプリント可能になる時にウエハー上に反復的欠陥を引き起こす、レチクル上の結晶の成長の欠陥についての恐れからきている。もしもレチクルが単一のダイのレチクルであるならば、比較参照のダイがないので、従来のダイ比較検査のやり方ではそのような欠陥は検出することができない。そのような結晶の成長の欠陥を検出するための最高の感度を持つやり方は必然的に反射光と透過光の両方を用いる検査用に構成されるレチクル検査装置を用いてレチクルの検査をすることとなり、そのようなレチクル検査装置はカリフォルニア州サンノゼのKLA-Tencor社から商業的に入手可能である。さらに、そのような装置を用いるレチクルの検査の頻度は結晶の成長の欠陥をその形成の比較的すぐ後に検出することによりウエハーの加工へのそのような欠陥の不都合な効果を減らすために増えるかもしれない。
【0041】
しかしながら、標準参照ダイの検査のやり方(そこでは既知の良好な標準参照ダイが保存され次に標本と比較される)に対する要求は依然としてある。さらに、現在のところそのような検査のやり方にたいする広範な要求はないが(例えば、多分反射光と透過光に基づくレチクルの検査装置の比較的広範な採用及び/または比較的高価な単一ダイのレチクルの限定的な使用による)、効果的な解決法の進展の正当な理由となる標準参照ダイの検査への十分な要求がある。さらに、標準参照ダイに基づく検査の新たなやり方は従来用いられる標準参照ダイに基づく検査が参照ウエハーと試験ウエハーの間の工程の雑音の差のために従来のダイとダイの比較の感度に欠けるので望ましいことである。
【0042】
標準参照ダイに基づく検査の方法は反復する(系統的)欠陥の検出のために特に有用である。さらに、反復する欠陥をその場で検出するために現像後の検査(ADI)のために明視野(BF)検査装置を用いることは多数のウエハーが高級な単一ダイのレチクルを用いてプリントされるウエハー上で歩留まり無しで加工工程を終了することが許されないように望まれる。標準参照ダイに基づくウエハーの検査を実施することについてのもう一つの原動力はウエハー上で反復する欠陥についての検査によりウエハー上にプリントされた反復する欠陥のみが検出されることである。対照的に、潜在的な反復する欠陥についてのレチクルの検査により、ウエハー上にプリントされるまたはされない反復する欠陥が検出される。さらに、ADIにおける検査は必要であれば補修を可能にする。
【0043】
標準参照ダイに基づく検査はまた製品のウエハーについて得られる出力を用いて生成される標準参照ダイが工程窓のマージンの縮小により起こる系統的欠陥を検出するために用いることができる工程窓適正化(PWQ)の方法にとって有利であろう。しかし、工程窓のマージンの壊滅的な条件が起こる時は、ダイの中の最も弱い設計が崩壊する。不幸にして、そのような欠陥について信号が弱いだけでなく、もしもそれらの欠陥が反復しても、それらは事実上一つのダイの反復する問題である。
【0044】
異なる種類の反復する欠陥が存在する。例えば、反復する欠陥は確かな反復する欠陥、穏やかな反復する欠陥、限界的な反復する欠陥を含むことができる。確かな反復する欠陥は検査されるダイの多数(例えば、約50%より大きい)においてダイのほぼ同じ位置で起こる欠陥としてここに定義される。穏やかな反復する欠陥は検査されるダイの意味のある少数(例えば、約15%から約50%まで)においてダイのほぼ同じ位置で起こる欠陥としてここに定義される。他の全ての種類の反復する欠陥はここにおいてランダムな欠陥(限界的な反復する欠陥)として扱われる。ランダムな欠陥はいくらか随意に定義することができ欠陥、欠陥の位置、欠陥が検出されるダイの数、そしてウエハー上で実施されている工程に依存して変えることができる。例えば、ウエハー上の100個のダイの検査では10個のダイにおいて反復する欠陥を顕著であるとして同定することができる。
【0045】
結晶の成長の欠陥の関連においては、結晶の成長が実際に起こるが(通常はレチクルの開放部において)不透明度が比較的低く、結果としてウエハーにプリントしない状況がしばしばおこる。他のいくつかの点においては、結晶の成長の欠陥はプリントを開始しウエハー上で比較的低い頻度の欠陥であることがある(しかし例えば全てのダイ上に現れる)、またはそれらは、例えば、閾値の問題(欠陥を検出するために用いられる閾値において)のために散発的に起こる(穏やかに反復するもの)ことがある。そのような状況では、一つのやり方は製造工場でのレチクル検査装置(例えば、反射光と透過光に基づくレチクル検査装置)を欠陥の再検討及び/または検査装置(例えば、電子ビームに基づく再検討及び/または検査装置)と連結することであってよい。このやり方では、レチクル検査装置と欠陥の再検討装置の出力はレチクル上の反復する欠陥がウエハー上にプリントされるかどうかとウエハーの検査装置がその欠陥を検出していないかどうかを決めるために用いることができる。例えば、短い閉回路の再検討検査の循環の最適化(RICO)の種類の実験はウエハー検査装置と欠陥の再検討及び/または検査装置(例えば、走査電子顕微鏡(SEM))の間で実施することができる。
【0046】
従来の欠陥の検査のやり方は多くの要因の周りを中心としてある。そのような要因の一つは信号を最大にすること(例えば、光学的光子)である。もう一つの要因は装置の雑音を最小化することである(例えば、ショット・ノイズ、ダイとダイの位置合わせの雑音、歪みの雑音など)。さらに、もう一つの要因はウエハーの工程の雑音(例えば、色の雑音、粒の雑音、前の層の雑音)を最小化することである。従来の欠陥の検出のやり方はまた通常は試験標本が少なくとも二つの参照と比較される二重検出のやり方に基づく。いくつかの欠陥の検出のやり方ではまた参照の上の雑音(分散)を減らすことを試みる(例えば、複数のダイの自動閾値化(MDAT)のような演算手順を用いることにより雑音(n)の平方根(sqrt(n))により参照の上の雑音を減らす)。さらに、いくつかの欠陥の検出のやり方では誤警報を減らすためと欠陥の再検討(例えば、SEM)の標本抽出を助けるために、例えば、可能であれば欠陥を区分けすることを試みる。さらに、欠陥の検出のやり方はウエハー当たりに基づく処理量を最大にすることを試みる傾向がある(例えば、ランダムな欠陥の検出については、いくつかのやり方ではSEMの再検査がもう一時間の内に実施できロットが二時間より長く保持されないように一つないし二つのウエハーを一時間より短い時間で検査することを試みる)。さらに、上記の要因は検査が用いている応用技術に依存して変えることができる(例えば、異なる要因を電気的分析(EA)と線の監視(LM)についての検査のやり方をつくるために用いることができる)。
【0047】
いくつかのウエハー検査装置は検査装置の光学系の解像度の限界より十分に低い重要な欠陥の種類を検出するように有利に設計される。そのような検出を成し遂げるために、光学系の出力の信号対雑音の比(S/N)は通常は最大化される。S/Nを最大にするいくつかのやり方はS/Nを大きくするために前工程の演算手順を設計することを含むことができる。他のやり方は試験ウエハーと参照ウエハーの間で大体同じパターンのエイリアシングを生成すること(例えば、KLA-Tencorにより開発された実行時の位置合わせ(
RTA)の特性を用いて)、光学系、開口部などを最大にすること、潜在的な欠陥の信号を最大にすること、そして色と粒の雑音を最小にするために多くの演算手順を用いることを試みることを含む。
【0048】
しかし、これらの要因は必ずしも反復する欠陥を検出するための検査装置の能力に影響しないまたはそれを決めないことがある。例えば、反復する欠陥の検出を損なう可能性のある一つの要因はランダムな欠陥の検出と区分けのために用いられる統計が実質的に孤立する事象の検出に基づくことである。参照の信号において雑音を少なくすることができる(従って“参照の信号の清掃”)一方で、孤立する事象の検出についてはそのような装置、演算手順、方法が存在しない。例えば、光学系の解像度より小さい精度で欠陥を検出するためのいくつかのやり方は欠陥の信号が全体的な信号から現れ検出できるように感度を雑音レベルまで上げること(これは通常はウエハーの処理に誘発される雑音により制限される)と次に検査に用いられる演算手順と光学系を調整することとを含む。しかし、ランダムな欠陥の検出と対照的に、もしも反復する欠陥の位置が分かるならば、はるかに多くの選択肢が欠陥の検出を可能にするために利用できることとなる。
【0049】
反復する欠陥の多くの特性は検出の感度を増すために利用することができる。ここに考慮される二つの範疇はレチクルに誘発される反復する欠陥(製造において)とPWQの種類の系統的な壊滅的な反復する欠陥とを含む。レチクルの反復する欠陥はパターンとして露光されるレチクル上の粒子によるかまたは上記の結晶の成長によるかのいずれかにより起こる。結晶の成長の欠陥は通常は最初にマスク(露光される)の透明な区域において起こり、しばしばレチクルの端から始まり霞のように見えるレチクル上の様相を示す。しかし、結晶の成長の欠陥が一旦ウエハー上にプリントされ始めると、その結晶の成長の欠陥は良好に露光され従って比較的透明なEOL(End of Line)の欠陥を起こすかあるいは時々弱い解放(大きい抵抗であるが完全に解放でない)を起こすことによる信頼性の故障として起こるかのいずれかである。さらに、結晶の成長はレチクル上の全体的な現象であるので(入り口点が端にあることがあるとしても)、通常は複数回起こる。もちろん、課題は検査されているウエハーについての出力を標準参照と比較することである。利用することができる反復する欠陥のもう一つの特性は欠陥の形状は反復するけれども、人為的であるとは到底考えられない(例えば、直線状の、マンハッタン・タイプの形状を持つ)ことである。後者の特徴は形状に基づく区分けと分類の演算手順により利用することができる。この場合の区分けと分類の訓練は問題が起こる先験的なウエハーに基づいて実施することができ、このことは本当にランダムな欠陥について通常実施することができるものではない。
【0050】
PWQの種類の欠陥はそれらが通常は最も繊細な構造(例えば、最も弱いパターン)に影響することにおいて上記のレチクルの反復する欠陥とは異なる。もしも全崩壊が起こると、はっきりした解放または短絡が起こる。しかし、大抵はパターンの動きが問題であることがある。従って、標準参照の種類の画像を用いてPWQの種類の欠陥を検出することは位置の忠実度を必要とする(例えば、設計データとの画素より小さい精度の位置合わせ)。そのような欠陥についての異なるもう一つの要因は最終的には多くのPWQの欠陥は配置の大きさが最小(“最も詰まった”)であり従って信号の明暗差が潜在的に大幅に低いところで起こることである。また、PWQの種類の欠陥の欠陥配置は、レチクルの反復する欠陥とは異なり、大抵はパターン化される特性(またはそれらの欠乏)のように見える。このように見える欠陥は装置の位置合わせの誤差と区別することがやや難しいことがある。最後に、レチクルの反復する欠陥とほぼ同様に、そのような事象が起こる先験的な地点についての見通しは大変明るい。そのような地点は、例えば、KLA-Tencorから商業的に入手可能なデザインスキャン分析ソフトウェア、ここに参照として本明細書にそのまま組み入れる、2006年3月23日に米国特許申請公開2006/0062445として公開され、2005年9月14日に申請されたバーマその他による本出願人による米国特許出願11/226,698号に記述されるようなレチクルの配置のデータを評価するための方法、ここに参照として本明細書にそのまま組み入れる、2007年12月13日に米国特許出願公開2007/0288219として公開され、2006年11月20日に申請されたゼイファその他による本出願人による米国特許出願11/561,659号に記述されるように実施することができる、設計に基づく区分け(DBB)、そして他の製造のための設計のホット・スポットの情報源を用いて決めることができる。ここに記述される実施例はこれらの特許申請において記述されるどんな方法のどんな工程も含むことができる。
【0051】
事実上、上記の要因の全てが反復する欠陥の検出に影響する。しかし、もしも一つの追加の制限が興味のある欠陥は反復する欠陥のみを含みランダムな欠陥を含まないことであるとすると、強調すべきことの異なる組が出てくることがある。例えば、ランダムな欠陥(しばしば主要な欠陥の種類として)が反復する欠陥に加えて検出される時、反復する欠陥の検出はいくつかの警告はあるが実質的に同じ挙行である。特に、反復する欠陥についての単一ダイのレチクルによりプリントされるウエハーの検査は実施することができない。さらに、反復する欠陥の検出は実質的にランダムな欠陥の検出について実施されることを超えては特有の信号や利用可能な画像処理の強化がないソフトウェア・スタッキングの実施であることができる。
【0052】
ADIの検査は前の層の雑音に伴う問題により伝統的にいくらか利用が少ない。例えば、前の層の雑音は溝のエッチング、ADIの層、化学的‐機械的研磨(CMP)の後の浅い溝の分離(STI)の層の検査のような層についての検査において比較的重要であることがある。リソグラフィーの工程においてはさらなる問題が起こるけれども、ADIの検査はそのような問題を監視し制御するためにますます用いられている。ADIのレジスト層の検査を用いることはまた異なる装置の加工については異なる。例えば、ADIのレジスト層のBF検査は記憶の加工に比べて論理の加工について実施される検査の大きな割合を占めることができる。
【0053】
ADIの層の検査については多くの現在利用可能な光学的なやり方がある。例えば、完全なループ(ウエハー上の装置の全製作)と短いループ(ウエハー上の装置の部分的製作)の両方についてのレジスト層のADIの検査のために用いることができる多くの異なる分光的モードがある。そのような分光的モード例は深帯域、青色帯域、GHI線、G線、そして広帯域(BB)深紫外(DUV)を含む。通常は、大多数の(約90%)レジスト層のADIの検査はDUVの分光領域において実施される。さらに、エッジコントラスト(EC)のモード(照明と映像光路で相補的な開口部が用いられる)とBFモードのような異なる画像化モードが完全なループと短いループについてのレジスト層のADIの検査のために用いられる。一般に、ECモードとBFモードが多くの異なるレジスト層のADIの検査のために用いられるが、ECモードはBFモードよりより頻繁に用いることができる。
【0054】
上記のBB DUV ECモードにより多く依存すること(そして、可能な限り、KLA-Tencorから商業的に入手可能なピューマシリーズの装置のようなUV暗視野(DF)検査装置)は前の層の雑音の問題に少なくとも部分的によることができる。しかし、もしも前の層の雑音(前の層の欠陥による)が簡単に除去できるならば(例えば、アルゴリズムを用いて)、BF BB DUV検査をECモード検査の代わりに用いることができる。前の層の雑音を除去するために用いることができる方法の例は、ここに参照として本明細書にそのまま組み入れる、2006年9月19日に申請されたラマニその他による本出願人による米国特許出願11/533,079に示される。ここに記述される実施例は本特許出願に記述されるどんな方法のどんな工程も含むことができる。BF BB DUV検査を用いることは色の雑音についての考慮がまた均衡されなければならないが解像度に関して検査の助けとなることがある。さらに、ここにさらに記述されるように、ここに記述される実施例は伝統的なランダムな欠陥の検査より走査の時間が一桁分遅くなることを可能にする(例えば、二三のダイのみに集中する特別な反復する欠陥の検査を用いて)。半分の速度でまたは四分の一の速度で走査することは十分に適切であることができるが、露光量に関する通常の事前注意は考慮されるべきである(例えば、露光量がウエハーまたはその上に形成される物質に損傷を起こす可能性のあるレベルの達しないように)。
【0055】
ランダムな欠陥の検出に用いられる光学的な信号はまた反復する欠陥の検出を強化するために変えることができる。例えば、波長より短い長さの特性の検査については光学系を選ぶことはより複雑である。しかし、欠陥がその上に形成されるウエハーを用いて光学系は決められるがランダムな欠陥の検出に対する従来のやり方のために用いられる光学系と異なる光学系は必ずしも必要ではない。しかし、強度(エネルギー)、解像度(例えば、開口数(NA))、明暗差(例えば、変調伝達関数(MTF))、モード(開口部、ETなど)、そして波長分布のようないくつかの基本的な要因は反復する欠陥の検出に影響するかどうかを決めるために探索することができる。
【0056】
エネルギーの要因を考える時、反復する欠陥の検出を支持することができる一つの要因は標準参照ダイの検査においては、使用者は本当はウエハー全体を検査することを望まないということである。実際、五つのダイを検査することが十分であり検査のために許される時間が約一時間であると仮定すると(ここにさらに記述されるように十分な理由で)、五つのダイは五分未満で検査することができる。従って、検査のために許される残りの時間は光学的に多くの機会を提供する(多分計算上でも同様に)。例えば、走査はより多くの光が集められ検出されることができるようにより遅く実施することができる。しかし、より遅い速度で走査することはウエハーを増加した露光量にさらすこととなり、ウエハー上の物質はその物質に不都合な変化が起きないで露光できる光量に影響することがある。さらに、走査は、通常“光が足りない”、比較的高いNAのECモードにおいてより遅い速度で実施することができる。さらに、複数経路の検査(BFとECを組み合わせたような)は残りの許された時間で実施することができる。従ってこれらの要因は前後関係を活用する装置に基づく解決法を決めるために探索することができる。
【0057】
いくつかの実施例では、検査装置の出力は電子ビームの検査装置を用いて得られる出力を含むことができる。電子ビームの検査装置は当技術分野に既知のどんな適切な電子ビームの検査装置も含むことができる。電子ビームの検査では、低い処理量ではあるが改善される解像度を可能にするより低いビーム電流を用いることができる。あるいは、画素の平均、線の平均、またはフレームの画像化のような様々な平均する技術を実質的により低い走査速度において用いることができる。
【0058】
検査が反復する欠陥について最高の解像度または最高の明暗差で実施することができる一方で、多くのウエハーの検査装置は欠陥を解決しないで検出するように構成される。しかし、問題となる欠陥が通常の背景を十分に乱すので明暗差を生成するように解像度は通常は十分であるべきである。従って、できるだけ高い解像度は望ましいこともあるがしかし必ずしも明暗差の減少または位置合わせのずれによるエイリアシングの増加と引き換えにはできない。例えば、光学系のNAを増やすことは検査装置の解像度を増加することができるが、しかしまたデジタル化の前に位置合わせのずれが補正されないならば位置合わせのずれの誤差を増やすことがある。さらに、ランダムな欠陥の検出と異なり、標準参照ダイの検査のような応用については、位置合わせのずれの影響は考慮されるべきである。通常は、位置合わせの位置付けは潜在的に数画素ずれ、粗い誤差の修正の後に、最悪の場合の位置合わせのずれはまだ約半画素であることがあり、これは最大のエイリアシングの誤差をもたらすことができる。光学的にこの効果を和らげる一つの方法は点広がり関数(PSF)(例えば、大まかには少なくとも3,5画素)当たりのより多くの点をまたはより多くの空虚な拡大率を用いることである。この場合、端についてよりなだらかな立ち上がりを用いることができる(例えば、光学的な低域フィルタリングまたはより低い有効空間周波数帯域)。
【0059】
このやり方では、ここに記述される標準参照ダイに基づく検査はオーバーサンプリングとともに実施する場合がある。そのような検査については、オーバーサンプリングは地点当たり二標本のナイキスト基準より多いどんなサンプリングも含むことができる。オーバーサンプリングは検査工程の処理量を減少させるので通常は避ける。しかし、ここにさらに記述するように、ウエハーの一部のみが標準参照ダイに基づく検査について検査することができるのでオーバーサンプリングによりもたらされる処理量への懸念は弱くなる。しかし、サンプリングがエイリアシングの効果をもたらさないようにオーバーサンプリングは避けることが望ましい。
【0060】
明暗差を強くするもう一つのやり方はウエハー上の物質により引き起こされることがある位相の明暗差と薄膜効果を利用することである。位相の明暗差を強調することは通常はフィルムの厚さのどんな変化も強度の変化をもたらすことができるので邪魔な欠陥の検出が増えることのような著しく不利な点を伴う。反復する欠陥の検出への応用のために位相の明暗差の強調を用いることについての大きな問題は参照と試験ウエハーの間に期待される位相差の種類である。しかし、異なるウエハー上の同じダイについての色の(工程)雑音レベルはほぼ同じである場合がある。さらに、通常は、ウエハーの中心の方に位置するダイは工程の雑音に関して比較的良く制御される傾向がある。従って、標準参照ダイの検査のための基本的な方略は比較的単純であることができる。特に、中心のダイの行(例えば、中心のダイの行の五個ないし八個のダイ)は試験ダイと同様に標準参照ダイを生成するために用いることができる。残留する色の変化は常に存在し、それらの色の変化は演算順序的に取り扱うことができる。このやり方では、色の変化様々な効果は可能な限り単純化することができるかもしれない。
【0061】
狭帯域(NB)の画像化モードと物質の一層の積み上げを考える時、物質の一層は実質的に四分の一波長板として働く。従って、
図1(a)に示される伝統的な近似の方形波の端の上にある物質の一層の位相の明暗差の効果はBFの画像化について
図1に示される反応をもたらす。特に、
図1(b)は90度の位相の遅れでは
図1(c)に示されるパルスのような関数となり180度の位相の遅れでは
図1(d)に示される明暗差の全反転となり45度の位相の遅れでは
図1(e)に示される明暗差が弱くなったものとなる単純な階段のような関数(位相の遅れ0度で)を示す。
【0062】
同じ近似の方形波の端は
図2(a)に示され、
図2(b)、2(c)、と2(d)はNB ECモードにおける近似の方形波の端の上の物質の一層の位相の明暗差の効果を示す。特に、
図2(b)は90度の位相の遅れではほぼ
図2(c)に示されるような関数に180度の位相の遅れではほぼ
図2(d)に示されるような関数になる単純な階段のような関数(0度の位相の遅れで)を示す。ECモードは近似の方形波の端からのみ実質的に散乱を生じ、それは実質的にBF画像の光学的な1次微分として働く。従って、
図2に示されるように、ECモードはフィルムの厚さの変化に反応して端に対応する出力の振幅を変えることができる。NB ECモードはEC画像化の開口部を通過できる前の層からのいくらかの背景散乱があることがあるので色と前の層の信号に全く影響されないわけではない。さらに、フィルムの厚さの変化により多分端から異なるように散乱し、したがって端の振幅は変わることがある。位相の明暗差の問題は前面の層の反対の後面でより多く見られる(例えば、より多くのフィルム積層の不安定さのため)。
【0063】
これらの効果を和らげるための基本的なやり方は波長分布を広げECモードを用いることであってよい。その両方の場合に、解像度(MTF)は下がることがある。しかし、さらにここに記述されるように、ウエハーとウエハーの位置合わせの問題はまた処理されなければならない。機能しているRTA装置を用いないでウエハーとウエハーの位置合わせの問題を和らげるために、地点当たりより多くのサンプル(または与えられる画素の大きさについて比較的より低いNA)を用いることができる。このやり方では、オーバーサンプリングを位置合わせの問題を克服するために用いることができる。
【0064】
現在用いられるBFのための反復する欠陥検出のやり方は通常は基本的にA−B, B−Cの比較の技術を用いる。典型的な場合には、AとCは参照ダイとして用いられ、Bは欠陥が検出される試験ダイまたは候補ダイとして用いられる。この種類の検査のやり方は両方の比較の組についてある閾値を超える明らかな事象として見られる一つの孤立した信号を捕らえる能力を最大にするように試みる。この比較の一つのより洗練されたやり方は、比較のための一つの完全な参照をつくろうと試みる、MDATの演算手順を用いて実施することができる。このやり方では、参照ダイA,Cは、実際には、それぞれ、ダイAまたはダイCのまわりの約五個のダイから約八個のダイの平均値または中央値である(実際の適用は変わることがあるけれども)。BF装置は、画素より小さい精度をもたらすRTAサブシステムを持つ傾向があるので、ダイとダイの0.1画素より小さいエイリアシングの誤差は最小化され、比較的大きいサンプリング地点を持つ画素についてすばらしい成果を得ることができる。さらに高機能の内挿のやり方を用いてこれらの誤差をさらに小さくする(例えば、約0.01画素より小さく)ように試みる微細位置合わせ工程がある。閾値そのものの選択は多くのやり方で実施することができるが多くは近傍の前後関係に基づいて適応的閾値化の型式を用いる傾向がある。そのようなやり方は全体的な色の変化を最小にすることにたいへん成功している。しかし、そもそもどれだけ正確に区域が分類されるか(区分化の誤差のために)、集団の大きさなどの疑問が残る。MDATの演算手順はこの点に関してたいへん高機能である。そのようにして、MDATの演算手順は手始めに選ぶ演算手順であることができる。
【0065】
反復する欠陥を検出することの基本的な制限は一つのダイのレチクル(SDR)の場合、反復する欠陥がパターンと区別できないことである。SDRの中で弱く反復するものの場合には、十分に弱く反復するもののみが検出される。実際に、弱く反復するものは実質的にランダムな欠陥として検出されるほど弱い(任意にだけ起こるという意味で)。そのような欠陥は全体のウエハーにわたり複数のダイについての出力を積み重ねることにより潜在的な反復する欠陥であると決めることができる。レチクルが自然な参照(例えば、複数のダイの一つ)を含む複数のダイのレチクル(MDR)に誘発される欠陥の場合には状況は明らかにより良い。しかし、繰り返すがMDRについての欠陥の検出は実際には最適ではない。例えば、もしも信号が初めから比較的弱いならば、信号を増幅する簡単なやり方はない。明らかに、前の層の欠陥の雑音はこのやり方を複雑にする。
【0066】
上記の考慮に基づいて、反復する欠陥の検出のための標準参照ダイの比較のための演算手順を生成することができる。特に、ここに記述される実施例は反復する(系統的)欠陥の検出を可能にするだけでなくまた反復する欠陥の検出を最適化することができる総合的な検査の方略を提供する。ここに記述される実施例は配置モードまたは任意モードのようなウエハーの検査におけるもう一つの“経路”またはモードとして用いることができる。例えば、ここに記述される実施例はここにさらに記述されるように多分構成における適切な変更とともに現存するウエハーの検査装置または現存するその他の装置を用いて実施することができる。このやり方では、ここに記述される実施例は系統的欠陥を検出するための最も効果的な方法である、標準参照ダイに基づく検査を採用し可能にする。
【0067】
一つの実施例は標準参照ダイ比較検査に用いるための標準参照ダイを生成するためのコンピューター実施の方法に関する。一つの実施例では、標準参照ダイ比較検査はここにさらに記述されるように実施することができる、反復する欠陥のための検査を含む。反復する欠陥はここに記述されるどんな反復する欠陥も含むことができる。
【0068】
その方法はウエハー上で中央に位置するダイとウエハー上に位置する一つ以上のダイについての検査装置の出力を得ることを含む。いくつかの実施例では、一つ以上のダイは中央に位置するダイに隣接して位置する。そのようなダイの一つの実施例が
図3に示される。例えば、
図3に示されるように、ウエハー10は中央に位置するダイ14とその中央に位置するダイに隣接して位置するダイ16を含むウエハー上に形成されるダイの配列12を含む。
図3に示されるように、中央に位置するダイはウエハーの中心に正確に位置するのではない。言い換えると、中央に位置するダイの中心はウエハーの中心と一致しない。その代わり、この実施例では、中央に位置するダイはウエハーの中心の近くに位置する(例えば、中央に位置するダイの一つの端がほぼウエハーの中心に位置する)。中央に位置するダイはウエハーの中心が配列の中のダイの間の隙間に一致する
図3に示されるもののような場合に特にウエハーの中心の近くに位置する任意のダイであるように選ぶことができる。しかし、中央に位置するダイはウエハーの中心に位置することもできる。
【0069】
出力を得ることは例えば、ウエハーを光で走査しウエハーから反射または散乱される光を検出することにより、ウエハー上で中央に位置するダイとウエハー上の一つ以上のダイについての出力を得るために検査装置を用いることを含むことができる。このやり方では、ウエハー上で中央に位置するダイと一つ以上のダイについての出力を得ることはこれらのダイを含むウエハーの部分の検査を実施することと同様であることができる。検査装置はここに記述されるように構成することができる。あるいは、出力を得ることは出力を得るために用いられる検査装置から出力を得ることを含むことができる。例えば、その方法は検査装置が出力を保存した記憶媒体から出力を得ることを含むことができる。記憶媒体は検査装置の記憶媒体、加工のデータベースのような記憶媒体、ここに記述されるように構成される記憶媒体、検査装置に連結されるその他の記憶媒体、または当技術分野に既知のその他の適切な記憶媒体を含んでもよい。このやり方では、ウエハー上で中央に位置するダイと一つ以上のダイについての出力を得ることはウエハーを検査することを含まなくてもよい。さらに、検査装置の出力はウエハー上で中央に位置するダイと一つ以上のダイについての出力のみが標準参照ダイを生成するために用いられる一方でウエハー全体について得ることができる。
【0070】
上記の得る工程の最も単純な実施はウエハーの中央のダイの行を検査しそして中央の一つの(または二つの)ダイのまわりを中心とする標準参照ダイの画像を生成することである。いくつかの実施例では、標準参照ダイを生成するために少なくとも五個のダイについて得られる出力を用いることができる。MDATを用いることから八個のダイがダイの良好な数であることが提案される。しかし、もしもあまりに多くのダイが標準参照ダイを生成するために用いられると、色の変化はウエハーの外の端の近くで強調される傾向があるのでウエハーの中の色の変化が標準参照ダイにおいて強調されることがある。一つの実施例では、九個のダイのついて得られる出力を標準参照ダイを生成するために用いることができる。
【0071】
ウエハー上で中央に位置するダイと一つ以上のダイについての出力は当技術分野に既知のどんな適切な型式での出力も含むことができる。一つの実施例では、標準参照ダイは画像を含む。このやり方では、ここに記述される方法は標準参照ダイの画像を生成することを含むことができる。一つのそのような実施例では、ウエハー上で中央に位置するダイと一つ以上のダイについての出力をつくった検査装置は画像に基づく検査装置として構成することができる。
【0072】
その方法はまた出力のダイの中の位置に基づいて中央に位置するダイと一つ以上のダイについての出力を組み合わせることを含む。言い換えると、中央に位置するダイと一つ以上のダイについてダイの中の同じ位置で得られる出力は組み合わせることができる。複数のダイについてダイの中の同じ位置で得られる出力は複数のダイについて得られる出力をお互いに位置合わせすることにより同定することができる。さらに、複数のダイについてダイの中の同じ位置で得られる出力は出力のダイの中の位置を決めることにより同定することができる(例えば、いくつかの共通の参照または座標系を用いて)。そのような位置合わせまたはダイの中の位置を決めることはここにさらに記述されるように実施することができる。このやり方では、もしも一緒に走査されないダイが平均されるまたはその代わりに組み合わされると著しく実行困難なことがあることがある。一つの考慮すべき興味ある所産はここに記述される実施例についてRTAを用いるかどうかである。位置合わせはさらにここに記述される。差し当たり、RTAは使われると仮定できる。
【0073】
一つの実施例では、出力は複数のグレーレベルを含む。一つのそのような実施例では、組み合わせる工程はダイの中の位置にわたるグレーレベルの平均値を決めることを含む。平均値はどんな適切な演算手順及び/または方法を用いて決めてもよい。もう一つのそのような実施例では、組み合わせる工程はダイの中の位置にわたるグレーレベルの中央値を決めることを含む。中央値はどんな適切な演算手順及び/または方法を用いて決めてもよい。一つのさらなるそのような実施例では、組み合わせる工程はダイの中の位置にわたるグレーレベルの平均値と中央値を決めることを含む。平均値と中央値は二つの異なる標準参照ダイを生成するために用いることができる。例えば、一つのそのような実施例では、標準参照ダイはダイの中の位置にわたる平均値を含み、そしてその方法はダイの中の位置にわたる中央値の一つの追加の標準参照ダイを生成することを含む。
【0074】
いくつかの実施例では、組み合わせる工程はダイの中の位置にわたる出力の特性とダイの中の位置にわたる特性の中の雑音を決めることを含む。このような実施例では、出力の特性はここに記述されるどんな特性も含むことができる(例えば、平均値、中央値など)。さらに、特性の中の雑音はここにさらに記述されるように決めることができる。
【0075】
その方法はさらにその組み合わせる工程の結果に基づいて標準参照ダイを生成することを含む。例えば、標準参照ダイを生成することは標準参照ダイの一つ以上の属性を保存することを含むことができる。保存すべき最も論理的な(線形的に正常に動作する)値はグレーレベルの平均値である。それに続く候補は、平均値より鋭さを保存するがまたいくらかの興味ある非線形の不自然な結果を生成することがある、グレーレベルの中央値である。MDATが中央値を成功裏に用いてきている事実は中央値がここに記述される実施例についての最有力な候補であるべきであることを示唆する。
【0076】
周囲の雑音についての情報もまた保存することができる。平均についての雑音の属性の論理的な組み合わせは、標準偏差と、中央値と、多分、範囲であろう。標準参照ダイにおける雑音について追加の属性を保存することは追加の八ビットを必要とするであろう。特に範囲は位置合わせの誤差がある時はひどく変動するので、ここに記述される実施例においては周囲の平滑化を用いることができる。反対に、標準参照ダイを生成するために用いられる出力が特に雑音の多い区域にあるかどうかを知ることが有益であることがある。いくつかの実施例では、雑音のための追加の属性は欠陥の検出のために用いられる閾値を制御するものとして使用することができる。さらに、またはあるいは、雑音のための追加の属性は欠陥の検出のための比較のベクトルとして用いることができる。
【0077】
一つの実施例では、標準参照ダイは中央に位置するダイと一つ以上のダイの中にランダムな欠陥からの雑音を殆んど含まない。例えば、いくつかの実施例では、その方法は標準参照ダイの中のランダムな欠陥を減らすこと及び/または標準参照ダイの中の影響を受けやすい画素を同定することを含むことができる。例えば、その方法はそのウエハーがどれだけ良好であるか(例えば、そのウエハーにどれだけ欠陥が少ないか)を決めることを含むことができる。参照としてそのウエハーがどれだけ良好であるかを決めることは中央に位置するダイと一つ以上のダイの欠陥の再検討をこれらのダイについての出力に基づいて実施することを含むことができる。さらに、標準参照ダイを生成するために上記のように複数のダイの出力を組み合わせることにより雑音ではない信号が効果的に強調される(例えば、平均することにより)一方で標準参照ダイの中の雑音は効果的に下げられる(例えば、平均することにより)。例えば、N個のダイからの信号を平均する工程は信号をvnだけ増幅する。前の層またはランダムな欠陥のどんな痕跡も高い確率で除去する中央値は多分より良い属性である。ここに記述される実施例はまた画素の中の雑音を測るものとして中央値と平均値の差を保存することを含むことができる。しかし、上記のように、その方法はまた16ビットの値を(実質的に2画像であり、そのうちの一つは平均値とともに、もうひとつは中央値とともに)保存することを含むことができる。これらの工程は実際のウエハーを用いてある程度のシミュレーションと実験とともに実施することができる。
【0078】
一つの実施例では、その方法は標準参照ダイを設計データ領域に位置合わせすることを含む。一つのそのような実施例では、その生成する工程は設計データ領域における既定の区域に対応する設計データ領域での位置のみについての標準参照ダイを生成することを含む。その既定の区域は、例えば、設計の重要な区域、設計の作業区域(または使用者が“関心のある”区域)、設計でのホット・スポットなどに対応する設計データでの区域を含むことができる。その既定の区域はここにさらに記述されるようなどんな適切なやり方で決めてもよい。さらに、その既定の区域はここに記述される実施例によりまたはもう一つの装置または方法により決めることができる。
【0079】
このやり方では、いくつかの実施例において、標準参照ダイを生成するためにシステム手法のシステムを用いることができる。一つのそのような例では、一つの“良好である”と知られる標準参照ダイはレチクル検査装置を用いて生成することができる。もう一つの例では、出力を得ること及び/または標準参照ダイを生成するために用いられる得られる出力を処理することはホット・スポットでつくられるサンプリング計画で訓練できる。ホット・スポットでつくられるサンプリング計画はデザインスキャン、DBBなどを含む多くのやり方で生成することができる。例えば、前後関係に基づく検査(CBI)の方法は通常は重要でない設計データがプリントされるウエハーの部分でなく重要な設計データがプリントされるウエハーの部分を検査するために設計データについての情報を用いる。言い換えると、CBIは標的を持ったまたは“賢い”検査を実施するために設計データの前後関係を用いることができる。一つのそのような例では、設計データは設計データの比較的繊細な区域でのみ欠陥を検出するために検査の間に用いることができる。例えば、画像のようなウエハーの検査の出力は保存することができ、設計データの繊細な区域の対応する画像の部分のみがその画像の部分の中の欠陥を検出するために比較することができる。そのようにして、標準参照ダイは検査されるダイの部分のみを含むように生成することができる。例えば、設計データは試験ダイのどの部分がウエハーのCBIにおいて検査されるかを決めるために用いることができ、標準参照ダイは検査される試験ダイの部分に対応するダイの部分のみを含むように生成することができる。従って、ここに記述される実施例においてつくられる標準参照ダイは、標準参照ダイについての記憶容量の要求を有利に少なくすることができる、比較的まばらな標準参照ダイであることができる。このやり方では、一つの実施例において、標準参照ダイの検査は画像と前後関係に基づく検査を含むことができる。さらに、標準参照ダイの検査と画像と前後関係に基づく検査は同時にまたは引き続いて実施することができる。
【0080】
もう一つの実施例はウエハーを検査するための方法に関する。その方法はウエハーについて検査装置の出力を得ることを含む。得る工程はここに記述されるように実施することができる。その方法はまた出力のダイの中の位置に基づいてウエハー上の中央に位置するダイとウエハー上に位置する一つ以上のダイについての出力を組み合わせることを含む。組み合わせる工程はここに記述されるように実施することができる。さらに、その方法は、ここに記述されるように実施できる、組み合わせる工程の結果に基づいて標準参照ダイを生成することを含む。標準参照ダイはここに記述されるように構成することができる。例えば、一つの実施例では、標準参照ダイには中央に位置するダイと一つ以上のダイの中のランダムな欠陥からの雑音が殆んどない。もう一つの例では、いくつかの実施例において、その方法は標準参照ダイを設計データ領域と位置合わせすることを含み、そしてその生成する工程は設計データ領域における既定の区域に対応する設計データ領域での位置のみについて標準参照ダイを生成することを含む。これらの工程はここにさらに記述されるように実施することができる。
【0081】
その方法はさらに一つ以上のダイの中の欠陥を検出するために標準参照ダイをウエハー上の一つ以上の試験ダイについての出力と比較することを含む。このやり方では、その方法はウエハーについて標準参照ダイを生成することと同じウエハーについて得られる出力を用いてウエハー上の欠陥を検出することを含むことができる。標準参照ダイと一つ以上の試験ダイについての出力は画像を含むことができる。このやり方では、標準参照ダイの検査は画像に基づく検査を含むことができる。比較の工程において検出される欠陥はここに記述されるどんな欠陥も含むことができる。例えば、一つの実施例では、欠陥は反復する欠陥を含む。もう一つの実施例では、欠陥はウエハーを加工するために用いられるレチクルの製造により引き起こされる系統的欠陥を含む。一つの追加の実施例では、欠陥は系統的欠陥を含み、一つ以上の試験ダイはPWQの手順を用いてウエハー上に形成される。いくつかのそのような実施例では、ここに記述されるようにその出力が中央に位置するダイの出力と組み合わせられる一つ以上のダイは中央に位置するダイに隣接するのではなくウエハーにわたり散らばる一つ以上のダイを含む。一つ以上の試験ダイはここに参照として本明細書にそのまま組み入れる、本出願人によるピーターソンその他の米国特許6、902,855号に記述されるPWQの手順を用いてウエハー上に形成することができる。ここに記述される実施例は本発明に記述されるどんな方法のどんな工程も含むことができる。
【0082】
このやり方では、ここに記述されるように監視することができる、系統的欠陥の根源は系統的欠陥が設計の工程窓または設計の工程窓の限界性を決めるために用いられるPWQの応用において関心となる系統的欠陥と同様にレチクルの製造により引き起こされる欠陥を含む。特に、ここに記述される方法はここに記述される実施例がそのような応用においてはなくてもよい適切な標準参照ダイを提供するために用いることができるので製品PWQの応用のために有利に用いることができる。さらに、ここに記述される反復する欠陥の検出のやり方はまた複数ダイのレチクルの反復する欠陥の検査のような伝統的な反復する欠陥の検出の応用を強化するために用いることができる。例えば、そのような応用では、複数の試験ダイは強化された反復する欠陥の信号を得るためにとランダムな雑音を除去するためにここに記述されるように用いることができる。
【0083】
一つの実施例では、その方法の全ての工程がウエハーの検査の実行時に実施される。このやり方では、その方法は反復する欠陥の実行時の検出を含むことができる。例えば、基本的な画素の比較の段階において、反復する欠陥の実行時での検出は上記の工程を含むことができる。特に、標準参照ダイの画像は実行時に生成することができる。その比較は次に反復する欠陥を検出するために二つの画像、標準参照ダイの画像と試験ダイの画像、の間で実施することができる。もちろん、より多くのダイを実行時の間に統計のより広い組を得るために同じやり方で検査することができる。そのような実施においては、標準参照ダイはコンピューター装置に保存する(キャッシュに格納する)ことができる(例えば、並列処理装置の各々のリーフノード上に)。このやり方では、ここに記述される実施例は試験ダイについての出力を絶対的な参照についての出力と比較することにより系統的欠陥を検出するために補足的な検査の方略を用いることができる。
【0084】
一つの実施例では、その方法は複数の試験ダイの組み合わせられる出力が一つ以上の試験ダイの各々についての出力よりランダムな欠陥からの雑音を少なく含むように一つ以上の試験ダイの複数についての出力を組み合わせることを含む。例えば、試験ダイの“反復するもの”の性質は反復するもののS/Nを高くしランダムな雑音(あるいはランダムな欠陥)を除去するために利用することができる。一つのそのような例では、試験ダイは標準参照ダイを生成するための上記の方法と同様に試験ウエハー上の複数のダイからの出力を用いて生成することができる。さらに、一つの実施例では、その方法は、ここに記述されるように実施することができる、一つ以上の試験ダイの複数についての出力を組み合わせることを含み、その比較の工程はその複数の試験ダイの中の欠陥を検出するために標準参照ダイを複数の試験ダイについての出力と比較することを含む。一つのそのような実施例では、検出される欠陥は反復する欠陥を含む。このやり方では、比較的雑音のない標準参照ダイと比較的雑音のない試験ダイを生成することができ、このやり方で雑音を減らすことはランダムな欠陥の検出を有利に減らすことになる。
【0085】
標準参照ダイに基づく検査の一つの制限は標準参照ダイのウエハーと試験ウエハーの間の色または位相の違いであることがある。しかし、これらの問題は自動−閾値化、MDAT,度数分布の同等化などを含む一つ以上の多くの良く試された全体的な色の補足の演算手順に加えてBB DUVモードまたはBB ECモードを用いて成功裏に克服することができる。特に、一つの実施例では、その比較する工程は適応する閾値化を用いて実施される。例えば、基本的な比較のやり方は複数のダイから決められる一つ以上の統計を用いる閾値化によりその比較を比較的色の影響を受けにくいようにすることができる、MDATのような適応する閾値化も演算手順を用いることができる。
【0086】
ここに記述される方法では、ウエハーの中で反復するが二つのウエハーにわたっては異なる傾向のある真に局所的な色の変化が問題となることがある。しかし、そのような色の変化はより奥の端の層でまたは装置の間の自動焦点合わせの誤差により起きる傾向がある。
【0087】
いくつかの実施例では、その比較の工程は標準参照ダイと一つ以上の試験ダイについての度数分布の同等化を用いて標準参照ダイを一つ以上の試験ダイの出力と位置合わせすることを含む。このやり方では、度数分布の同等化の工程は比較の工程で用いることができる。度数分布の同等化は通常は度数分布が異なるかどうかを決めるために複数のダイについての出力のグレーレベルのような一つ以上の属性の度数分布を用いることを含むことができる。度数分布が十分に異なるならば、その方法はその度数分布を用いてお互いに画像を効果的に規格化するために比較の前に出力に補償を実施することを含むことができその結果その度数分布を用いてお互いに画像を位置合わせすることができる。あらゆる技術と同様に、内挿の雑音源が支配的になり始めることができるに従って複数のやり方については収穫逓減の点が存在する(そしてもちろん追加の計算量)。
【0088】
もう一つの実施例では、その比較の工程は標準参照ダイの中の画素の近傍と一つ以上の試験ダイの中の画素の近傍とのテンプレートマッチングを含む。このやり方では、その方法はテンプレートマッチングによる欠陥の検出を含むことができる。例えば、一つの代わりのやり方(計算的により贅沢な)は五画素掛ける五画素の近傍においてテンプレートマッチングを実施することである。差の二乗の和(SSD)または規格化された相互相関(NCC)のいずれかをテンプレートマッチングのために用いることができる。二つの画像のどんな違いも強い不一致として同定することができる。テンプレートマッチングはまた位置合わせについては一意性を確かにするためにより大きい検索窓を使うことができそのため比較的正確な位置合わせができるので二つの工程は通常異なるけれども位置合わせ工程と組み合わせることができる。
【0089】
一つの実施例では、ウエハーについて検査装置の出力を得ることはウエハー上の試験ダイの一部分のみについて出力を得ることを含む。例えば、標準参照ダイに基づく検査について統計的に有意な結果は、一時間以内(ロットを保持するサンプリングの時間)で実施することができる、ウエハーの一部分(例えば、通常は五個のダイから八個のダイまで)のみを検査することにより得ることができる。例えば、ランダムな欠陥の検出のためにウエハー全体についての出力が用いられるランダムな欠陥の検出のために用いられるダイとダイの検査技術と異なり、ここに記述される実施例はウエハー全体より少ないものについて得られる出力(例えば、ウエハー上で中央に位置する一つのダイのような一つのダイのみについての出力)を用いる標準参照ダイの検査を実施することができる。画素当たりの追加の時間(伝統的な走査の時間より一桁小さい時間であることがある)は経路当たりより多い光子を得るために活用することができる(例えば、さらにS/Nを増すためのADI層のためのBB DUV ECモードためのまたは複数の光学モード(複数の経路)のための)。さらに、その画素当たりの追加の時間は計算の費用を適度に(例えば、現在の計算の費用とほぼ同じまたはやや高い)保つために利用することができる。
【0090】
上記のように、標準参照ダイを生成するために用いられる出力と試験ダイのための出力は同じウエハーについて得ることができる。しかし、ここにさらに記述される他の実施例においては、一つ以上の試験ダイについての出力が異なるウエハーについて得ることができる一方で標準参照ダイを生成するために用いられる出力は標準参照ウエハーについて得ることができる。
【0091】
特に、一つの追加の実施例はウエハーを検査するための異なる方法に関する。この方法は、ここに記述されるように実施することができる、標準参照ウエハーについて検査装置の出力を得ることを含む。標準参照ウエハーは当技術分野に既知のどんな適切なやり方で加工してもよい。その方法はまた出力のダイの中の位置に基づいて標準参照ウエハー上の中央に位置するダイと標準参照ウエハー上に位置する一つ以上のダイについての出力を組み合わせることを含む。この組み合わせる工程はここにさらに記述されるように実施することができる。さらに、その方法は、ここに記述されるように実施することができる、組み合わせる工程に基づいて標準参照ダイを生成することを含む。例えば、一つの実施例では、その方法は標準参照ダイを設計データ領域と位置合わせすることを含み、その生成する工程は設計データ領域における既定の区域に対応する設計データ領域での位置のみについての標準参照ダイを生成することを含む。これらの工程はここに記述されるように実施することができる。標準参照ダイはここに記述されるように構成することができる。例えば、一つの実施例では、標準参照ダイは中央に位置するダイと一つ以上のダイの中にランダムな欠陥からの雑音を殆んど含まない。
【0092】
その方法はさらに、ここに記述されるように実施することができる、ウエハーについての検査装置の出力を得ることを含む。例えば、一つの実施例では、ウエハーについての検査装置の出力を得ることは、ここにさらに記述されるように実施することができる、ウエハー上の試験ダイの一部分のみについての出力を得ることを含む。もう一つの実施例では、標準参照ウエハーとそのウエハーについての出力を得ることはBB DUVモード検査を用いて実施される。もう一つの追加の実施例では、標準参照ウエハーとそのウエハーについての出力を得ることはBB ECモード検査を用いて実施される。
【0093】
さらに、その方法は、ここに記述されるように実施することができる、一つ以上の試験ダイの中の欠陥を検出するために標準参照ダイとウエハー上の一つ以上の試験ダイの出力を比較することを含む。例えば、一つの実施例では、その比較の工程は、上記のように実施することができる、適応的閾値化を用いて実施することができる。もう一つの例では、いくつかの実施例において、その比較の工程はここに記述されるように実施することができる、標準参照ダイと一つ以上の試験ダイについて度数分布の同等化を用いて標準参照ダイと一つ以上の試験ダイの出力とを位置合わせすることを含む。
【0094】
欠陥を検出するために標準参照ダイと比較されるウエハー上の一つ以上の試験ダイについての出力はここに記述されるように生成することができる。例えば、一つの実施例では、その方法は複数の試験ダイの組み合わされた出力が一つ以上の試験ダイの各々についての出力よりランダムな欠陥からの雑音をより少なく含むように一つ以上の試験ダイの複数のための出力を組み合わせることを含む。そのように組み合わせることはここにさらに記述されるように実施することができる。もう一つの実施例では、その方法は、ここに記述されるように実施することができる、一つ以上の試験ダイの複数のための出力を組み合わせることを含み、その組み合わせる工程は複数の試験ダイの中の欠陥を検出するために標準参照ダイと複数の試験ダイについての組み合わされた出力を比較することを含む。一つのそのような実施例では、欠陥は反復する欠陥を含む。
【0095】
この方法において検出される欠陥はここに記述されるどんな欠陥も含むことができる。例えば、一つの実施例では、欠陥は反復する欠陥を含む。もう一つの実施例では、欠陥はウエハーを加工するために用いられるレチクルの製造により引き起こされる系統的欠陥を含む。一つの追加の実施例では、欠陥は系統的欠陥を含み、一つ以上の試験ダイはPWQの方法を用いてウエハー上に形成される。
【0096】
ここに記述される実施例はその実施例が装置から装置への雑音を扱うように構成することができるので上記のようにウエハーとウエハーの比較を用いて欠陥を検出するように構成することができる。例えば、ウエハーの検査装置上の多くの誤差は通常はそれらが同じ装置上でつくられるので、通常は共通モードのピンぼけ誤差、同じ光学的視野内で得られ比較されるデータなどに十分に近く、共通のモードである傾向がある。画素の大きさの不一致、遅延時間統合(TDI)カメラの回転位置合わせの誤差、ダイとダイの位置合わせなどのような多くの誤差は従って共通のモードまたはRTA装置により効果的に除去することができる。これらの誤差の根源のいくつかは設定の間の累積する縫い合わせの誤差、二次元(2D)の相関の誤差、光学的な歪と拡大の誤差、焦点に起因する画像の平行移動、TDIの回転誤差、TDIの回転の不安定性、TDIの補正の較正誤差、TDIの補正の較正の不安定性(設定時または実行時)、画素の丸め誤差、RTAの振れ、そしてRSSの誤差を含む。
【0097】
ダイと標準参照ダイに基づく検査装置においては、これらの誤差は絶対的な誤差となり従って系統的に取り組むことが望ましい。このやり方では、標準参照ダイに基づく検査に対する一つの主要な制限はウエハーとウエハーの画素より小さい精度の位置合わせであることがある。ウエハーとウエハーで約一画素より小さい精度の誤差を達成する一つのやり方は実質的に各々のウエハーについての出力を設計データ領域に位置合わせし結果として効果的にウエハーをお互いに位置合わせすることである。例えば、一つの実施例では、その方法は比較の工程の前に設計データ領域に対する標準参照ダイの位置と一つ以上の試験ダイについての出力の位置を決めることと比較の工程の前に設計データ領域に対する標準参照ダイの位置と一つ以上の試験ダイの出力の位置に基づいて標準参照ダイと一つ以上の試験ダイについての出力を位置合わせすることを含む。ウエハーについての出力を設計データ領域に位置合わせすることはここに参照として本明細書にそのまま組み入れる、2007年7月5日に米国特許公開2007/0156379号として公開され、2006年11月20日に出願されたクルカーニその他の本出願人による米国特許出願11/561、735号に記述されるように実施することができる。ここに記述される実施例は本発明の出願に記述されるどんな方法のどんな工程も含むことができる。
【0098】
もう一つの用いることができるやり方は比較の目的のためにフレームごとの位置合わせを実施することである。例えば、もう一つの実施例では、その方法はフレームごとの位置合わせの技術を用いて比較の工程の前に標準参照ダイを一つ以上の試験ダイについての出力と位置合わせすることを含む。フレームごとの位置合わせは試験ダイについて得られる出力の全てのフレームを標準画像と位置合わせすることを含むことができる。フレームをお互いに位置合わせすることは出力の一つ以上の属性に基づいてフレームの拡大縮小、平行移動などを含むことができる。例えば、フレームの位置合わせは平均と平均の比較、統計的な参照と統計的な参照の比較などに基づいて実施することができる。フレームごとの位置合わせはフレームの各々の組の間の補正の誤差だけでなく拡大縮小の倍数の誤差を決めることを含むことができ、そのような位置合わせが画像全体の走査を含むのでそれは実現可能であることがある。さらに、この位置合わせは振れの誤差を考慮してさらにより大きな重ね合わせ区域を用いて実施することができる(例えば、現在用いられる重ね合わせの区域より二倍大きい重ね合わせの区域)。
【0099】
ウエハーについての出力を設計データ領域に位置合わせすることによりなされる測定に加えて、個々のRTAの誤差はまた標準参照ダイに基づく検査と検査の走査のために活用することができる。例えば、RTAが持つことができる設計データ領域のような絶対参照系に勝る長所の一つはRTAをRTAの相対的な補正曲線を生成するために用いることができることである。従って、全体の位置合わせは各々の帯(swath)について管理することができ、帯はそれらのそれぞれのRTAを用いてお互いに位置合わせすることができる。例えば、一つの実施例では、その方法は一つ以上の試験ダイについての出力の最初の帯を全体的な位置合わせに対して位置合わせすることと一つ以上の試験ダイについての出力の二番目の帯を最初の帯に位置合わせしその結果、二番目の帯を全体的な位置合わせに位置合わせすることを含む。
【0100】
一つのそのような実施例では、
図4に示されるように、出力の二つの帯N,N+1は帯の中の矢印により示されるようにウエハーを反対の方向に走査することによりウエハー(
図4に示されない)について得ることができる。
図4に示されるように、帯N,N+1はウエハー領域において区域18でお互いに部分的に重なり合う。従って、両方の帯は区域18についての出力を含む。そのようにして、全体的な位置合わせの特性を含むことができる、この区域についての出力は一つの帯をもう一つの帯に位置合わせするために用いることができる。一つのそのような実施例では、
図5は二つの引き続く走査についての出力が重なり合うウエハー領域での帯の間の重なり合い区域18に形成される特性20と22を示す。特性20と22は帯と帯の位置合わせの実施のために用いることができる。特性20と22は当技術分野に既知のどんな適切な位置合わせの特性を含んでもよい。
【0101】
そのような装置が約0.1画素より小さい位置合わせの誤差を達成することができるかどうかは、しかし、まだわからない。従って、設計データ領域への位置合わせにより得ることができる精度より一桁良い精度がここに記述される実施例について望ましいので、試験ダイと標準参照ダイの間の機能している位置合わせを実施することができる。
【0102】
例えば、ここに記述される方法は標本抽出がエイリアシングを起こす程度が画像が適切に再構成されることを可能にすることを確かめるためにエイリアシングがまた反復される機能しているRTAを用いることができる。一つの実施例では、ウエハーについての検査装置の出力はウエハー上の照明地点当たり少なくとも二つの標本を含む。例えば、伝統的なBF RTAなしで短期に働くこれらの技術については、十分なサンプリング(例えば、PSF当たり約3.5標本より大きい)を持つ光学モードを用いたレチクル検査の様式のウエハーとウエハーの位置合わせ技術(例えば、ウエハーとウエハーの画素より小さい精度の位置合わせ技術)を用いることができる。例えば、シミュレーションによると光学系においてサンプル当たり約3.5地点より大きいものについては、最小の再構成の誤差が得られることが示唆される。さらに、その方法は位置合わせを実施するためにある解析技術を用いることができる。例えば、検査が実質的にオーバーサンプリングされる相当小さな画素の大きさとともに実施されるならば、検査の感度は下がることがある。しかし、光学系のPSFに基づいて、光学系の限界は検査のための適切なパラメータを決めるために決めることができる。
【0103】
干渉性の照明については距離分解能は0.5/NAに等しい一方で、非干渉性の照明については光学的変換関数(OTF)の理論からレイリー距離は0.61/NAに等しい。最小で地点当たり2標本のナイキスト基準を適用すると、推奨される再構成の標本は非干渉性の照明については約0.3/NAに等しく干渉性の照明については約0.25/NAに等しいRCと決められ、0.9のNAについては非干渉性の照明については約2.92標本に等しく干渉性の照明については約3.6標本に等しいRCと決められる。アンダーサンプリングの誤差(実際の画素のナイキスト画素に対する比としてあらわすことができる)については、エイリアシングの誤差により比が1.0より小さく得られる再構成の画素は許される。さらに、装置が空白の拡大区域に移動するとき、位置合わせの内挿の誤差は小さくなる。ECモードでエイリアシングの誤差を制御する一つの追加のやり方は独立にNAを絞ることである。
【0104】
ここに記述する方法はまた記憶媒体(ここにさらに記述されるもののような)にここに記述されるどんな工程の結果も保存することを含むことができる。例えば、その方法はつくられる標準参照ダイを記憶媒体に保存することができる。つくられる標準参照ダイはここに記述されるどんな構成も持つことができる。さらに、保存する工程はここに記述されるどんな方法のどんな工程のその他の結果に加えてその生成する工程の結果を保存することを含むことができる。その結果は当技術分野に既知のどんなやり方で保存してもよい。さらに、記憶媒体はここに記述されるどんな記憶媒体または当技術分野に既知のその他の適切な記憶媒体も含むことができる。その結果が保存された後、その結果は記憶媒体において読み出すことができ、ここに記述されるどんな方法、装置、またはコンピューター可読の媒体の実施例によっても用いることができ、使用者への表示のために書式化することができ、他のソフトウェア要素、方法、または装置などにより用いることができる。さらに、その結果は“永久的に”、“半永久的に”、一時的に、またはある期間の間保存することができる。例えば、記憶媒体はランダム・アクセス・メモリ(RAM)であることができ、生成する工程の結果は必ずしも記憶媒体に無期限に存続しなくてもよい。
【0105】
もう一つの実施例は標準参照ダイ比較検査に用いるための標準参照ダイを生成するように及び/またはウエハーを検査するように構成される装置に関する。その装置はここに記述されるどの実施例によっても標準参照ダイを生成するように構成することができる。その装置はまた、ここに記述されるどの実施例によってもウエハーを検査するように構成することができる。
【0106】
そのような装置の一つの実施例は
図6に示される。
図6に示されるように、一つの実施例では、その装置はウエハーについての出力を得るように構成される検査装置24を含む。検査装置24は光をビーム分割器28に向けるように構成される光源26を含む。光源はここに記述されるどのスペクトル領域(例えば、DUV)の光も生成するように構成される当技術分野に既知のどんな適切な光源も含むことができる。さらに、出力をBB及び/またはNBスペクトル領域で得ることができるようにBB光及び/またはNB光を生成するように構成することができる。ビーム分割器28は当技術分野に既知のどんな適切な光学的要素を含んでもよい。ビーム分割器28は光をウエハー30に向けるように構成される。
【0107】
検査装置はまた、検査装置内で支持台32により支持されることができる、光源26からウエハー30への光の経路の中に位置される開口部のようなその他の適切な光学的要素(図示されない)を含むことができる。支持台32は当技術分野に既知のどんな適切なロボットの及び/または機械的な組み立て部品を含むことができる。支持台32はウエハーに向けられる光が蛇行走査経路のような走査経路でウエハーを走査することができるようにウエハーを動かすように(例えば、回転及び/または平行移動により)構成することができる。
【0108】
図6にさらに示されるように、光源26方の光は大体直角の入射角でビーム分割器28によりウエハー30に向けることができる。しかし、検査装置は光がどんな適切な入射角でもウエハーに向けることができるように構成することができる。ウエハーから反射される光はビーム分割器28を通って、当技術分野に既知のどんな適切な非画像化検出器または画像化検出器も含むことができる、検出器34に達する。検査装置はまたウエハーから反射される光の経路に位置する開口部のようなその他の光学的要素(図示されない)を含むことができる。検出器34はウエハーから反射される光に敏感な出力を生成するように構成される。
【0109】
検査装置24は
図6にBF検査装置として示されるが、ここに記述される装置の実施例に含まれる検査装置はDFの構成、ECの構成などのようなどんな適切な構成を持ってもよい。さらに、検査装置は電子ビームに基づく検査装置として構成することができる。さらに、検査装置は検査装置が検査の異なるモードを実施することができるように検査装置の一つ以上のパラメータが調整可能であるように構成することができる。
【0110】
検査装置のコンピューター装置36はコンピューター装置が検出器により生成される出力を受け取ることができるようにどんな適切なやり方によっても検出器に連結することができる。コンピューター装置は検査装置24の検出器34により生成される出力を用いてここに記述される一つ以上の実施例の一つ以上の工程を実施するように構成することができる。例えば、コンピューター装置は出力のダイの中の位置に基づいてウエハー30上の中央に位置するダイとウエハー上に位置する一つ以上のダイについて検査装置24により得られる出力を組み合わせるように構成することができる。コンピューター装置はまた組み合わせられる出力に基づいて標準参照ダイを生成するように構成することができる。いくつかの実施例では、コンピューター装置36はコンピューター装置がコンピューター装置により実施される一つ以上の工程の結果を記憶媒体に送ることができるように記憶媒体と連結することができる。
【0111】
コンピューター装置は当技術分野に既知のどんな適切なコンピューター装置も含むことができる。例えば、コンピューター装置36は個人用コンピューター装置、大型汎用コンピューター装置、ワークステーション、画像コンピューター、並列処理装置、またはその他の当技術分野に既知の装置を含む、様々な形態をとることができる。一般に、“コンピューター装置”は、記憶媒体からの命令を実行する、一つ以上の処理装置を持つどんな装置も包含するように広く定義することができる。
【0112】
記憶媒体38は読み出し専用メモリ、ランダム・アクセス・メモリ、磁気または光学的ディスク、または磁気テープのような当技術分野に既知のどんな適切な記憶媒体も含むことができる。
【0113】
上記の装置はここに記述されるようにさらに構成することができる(例えば、ここに記述されるどんな方法のその他の工程を実施するために)。
【0114】
図7は標準参照ダイ比較検査において用いるための標準参照ダイを生成するためのコンピューター実施の方法、ウエハーを検査するための方法、ウエハー上の欠陥を検出するためのコンピューター実施の方法、またはそれらのいくつかの組み合わせのためのコンピューター装置44上で実行可能であるプログラム命令42を含むコンピューター可読の媒体40の一つの実施例を表わす。プログラム命令42がコンピューター装置44上で実行可能である方法はここに記述されるどんな方法のどんな工程も含むことができる。いくつかの実施例では、コンピューター装置44は
図6に示されるコンピューター装置36のような検査装置のコンピューター装置であることができる。しかし、他の実施例では、コンピューター装置44は検査装置に連結しないまたは含まれないことができる。いくつかのそのような実施例では、コンピューター装置44は独立型のコンピューター装置として構成することができる。コンピューター可読の媒体40、プログラム命令42、コンピューター装置44はここに記述されるようにさらに構成することができる。
【0115】
ここに記述されるこれらのような方法を実施するプログラム命令42はコンピューター可読の媒体40に伝送するまたはそこに保存することができる。コンピューター可読の媒体は有線、ケーブル、または無線の伝送リンクのような伝送媒体であることができる。コンピューター可読の媒体はまた読み出し専用メモリ、ランダム・アクセス・メモリ、磁気または光学的ディスク、または磁気テープであることができる。
【0116】
プログラム命令は中でも手続きに基づく技術、要素に基づく技術、及び/または対象指向の技術を含むどんな様々なやり方でも実施することができる。例えば、プログラム命令は要望どおりに、アクティブXコントロール、C++の対象、ジャワビーンズ、マイクロソフト・ファウンデーション・クラス(“MFC”)、または他の技術や手順を用いて実施することができる。
【0117】
さらなる実施例はウエハー上で欠陥を検出するためのコンピューター実施の方法に関する。その方法は構造の合成画像を生成するためにウエハー上に形成される構造の複数の画像を組み合わせることを含む。その構造の複数の画像はここにさらに記述されるように得ることができる。その構造はウエハー上に形成されるどんな構造も含むことができる。構造の複数の画像を組み合わせることはここにさらに記述されるように実施することができる。一つの実施例では、組み合わせる工程は複数の画像を平均することを含む。複数の画像を平均することはここに記述されるようにまたは当技術分野に既知のどんな適切な方法及び/または演算手順を用いるその他の適切なやり方でも実施できる。
【0118】
複数の画像は構造が形成されるウエハー上の複数の位置において得られる。一つの実施例では、その複数の位置は同一の設計を持つセルの中の構造の位置を含む。もう一つの実施例では、その複数の位置は隣り合うダイの中の構造の位置を含む。例えば、PWQの種類の検査の間、MDATの演算手順により実施されるものとほぼ同様のやり方で各々の焦点と露光点からの複数のダイは一緒に平均することができる。その複数の位置はここに記述されるようにまたはその他の適切なやり方で決めるまたは同定することができる。
【0119】
一つの実施例では、組み合わせる工程は合成画像が複数の画像の各々より少ないラインエッジ粗さ(Line Edge Roughness)を持つように実施される。もう一つの実施例では。組み合わせる工程は合成画像が複数の画像の各々よりランダムなより少ない変動を持つように実施される。例えば、個々の構造は系統的欠陥を隠すLERのようなランダムな変動を持つことがある。しかし、同一のセルから(例えば、隣接する同一のセル)または隣り合うダイからのいずれかからの構造の複数の画像を一緒に平均することにより、合成画像は個々の構造のどれよりもはるかに低いLERまたはランダムな変動を持つように生成することができる。
【0120】
一つのそのような例では、
図8に示されるように、ウエハー上に形成される構造の複数の画像46は個々の特性の個々の画像がLERを示すことを表わす。しかし、
図9に示されるように、
図8に示される構造についての複数の画像を平均することによりつくられるその構造の合成画像48は構造の合成画像が複数の画像46の各々に比べてより少ないLERを持つことを示す。
【0121】
一つのさらなる実施例では、組み合わせる工程は合成画像が複数の画像の各々より少ないグレーレベル雑音を持つように実施される。例えば、合成画像はショット雑音のような根源からのより少ないグレーレベル雑音を含む。このやり方では、ここに記述される実施例はショット雑音または他の画像雑音の不自然な結果を有利に減らすことを提供する。
【0122】
その方法はまたウエハー上の欠陥を検出するために合成画像を参照と比較することを含む。一つの実施例では、その参照は構造の既知の良好な画像を含む。もう一つの実施例では、その参照は標準参照ダイの中で得られる構造の画像を含む。一つの追加の実施例では、参照はPWQのダイの中で得られる構造の参照画像、合成の試験画像、または参照画像と合成の試験画像を含む。いくつかの実施例では、その参照はレンダリングされたデータベースの画像を含む。このやり方では、合成画像は既知の良好な画像(標準参照ダイまたはPWQのダイからの)とまたは描画された(rendered)データベースの画像と比較することができる。一つの追加の実施例では、その参照はそのウエハーまたは異なるウエハー上の複数の位置において得られる複数の画像からつくられる構造の合成画像を含む。そのような参照はここにさらに記述されるように生成することができる。さらに、これらの実施例において用いられるその参照はここに記述されるその他の参照も含むことができる。
【0123】
一つの実施例では、欠陥は系統的欠陥を含む。系統的欠陥は単一のダイの配列構造の中でまたは複数のダイ上の同じ構造の中でのいずれかで反復して起こる。ここに記述される実施例においてそのような欠陥を検出することはここに記述される実施例が改善される系統的欠陥の検出を提供するので有益であることができる。特に、ここに記述される実施例は改善される系統的欠陥の検出の目的でランダムな誤差を減らすために特性の複数の平均を用いる。このやり方では、複数の試験画像を一緒に平均することは系統的欠陥に対する検査の感度を向上させる。そのようにして、ここに記述される実施例はウエハーの検査において改善される系統的欠陥の検出を提供する。さらに、ここに記述される実施例はランダムな邪魔な欠陥に対する感度を弱くすることを有利に提供する。例えば、
図8に示されるように、構造の複数の画像は嘘の邪魔なものとして検出されることができ従って欠陥検出の感度を制限することがあるLERを表わす。しかし、
図9に示される構造の平均された合成画像は系統的な線幅(LW)の変動に対するより良い感度を得るためにどのようにLERが小さくされるのかを示す。
【0124】
もう一つの実施例では、欠陥は構造のLERとほぼ同じ大きさを持つ。例えば、ここに記述される実施例は欠陥の大きさがLERや他の欠陥または変動と同程度であるときウエハー上の系統的欠陥(不正な光学的近接効果補正(OPC)から起こるもののような)の検出を可能にする。対照的に、いくつかの現行の検査方法は試験画像と一つ以上の参照画像の間の画素と画素の比較の方法を用いる。しかし、もしも試験ダイまたは参照ダイのいずれかの中に系統的欠陥の大きさと同程度のランダムな変動があるならば、検査は検査の感度を最終的に制限する邪魔な欠陥に圧倒されてしまう。このやり方では、通常の検査において可能なものよりずっと小さな系統的欠陥を圧倒的な邪魔な欠陥の検出率なしでここに記述される実施例において検出することができる。例えば、ここに記述される実施例は通常の検査装置またはダイとデータベースの検査装置の欠陥の感度を10nm未満の範囲まで拡張するために用いることができる。
【0125】
上記のウエハー上での欠陥の検出のためのコンピューター実施の方法の実施例の各々はここに記述されるその他の方法のその他の工程も含むことができる。さらに、上記のコンピューター実施の方法の実施例の各々はここに記述されるどんな装置によっても実施することができる。
【0126】
この記述を見れば当業者には本発明の様々な観点のさらなる変更や代替の実施例は明らかであることができる。例えば、標準参照ダイ比較検査において用いるための標準参照ダイを生成する方法とウエハーを検査する方法が提供される。適宜に、この記述は説明のためだけと解釈されるべきであり本発明を実行する一般的なやり方を当業者に教えることを目的とするものである。ここで示され記述される本発明の形態は現時点での好ましい実施形態と理解されるべきである。要素や材料はここに図示され記述されるものを代替でき、部品や工程は逆転でき、そして本発明のある特性は独立に利用可能であるが、これらすべては本発明の開示の利点を得たあとでは当業者にとって明らかであろう。下記の請求項に記述される本発明の精神と範囲から逸脱することなくここに記述される要素には変更を加えることができる。
本発明は、以下の適用例としても実現可能である。
[適用例1]
標準参照ダイ比較検査に用いるための前記標準参照ダイを生成するためのコンピューター実施の方法であって、
ウエハー上の中央に位置するダイと前記ウエハー上の一つ以上のダイについて検査システムの出力を得る工程と、
前記出力におけるダイの中の位置に基づいて前記中央に位置するダイと前記一つ以上のダイについての前記出力を組み合わせる工程と、
前記組み合わせる工程の結果に基づいて標準参照ダイを生成する工程と、
を含むコンピューター実施の方法。
[適用例2]
適用例1に記載のコンピューター実施の方法であって、
前記標準参照ダイは画像を含む、コンピューター実施の方法。
[適用例3]
適用例1に記載のコンピューター実施の方法であって、
前記標準参照ダイ比較検査は、反復する欠陥についての検査を含む、コンピューター実施の方法。
[適用例4]
適用例1に記載のコンピューター実施の方法であって、
前記標準参照ダイは、前記中央に位置するダイと前記一つ以上のダイにおけるランダムな欠陥からの雑音を実質的に含まない、コンピューター実施の方法。
[適用例5]
適用例1に記載のコンピューター実施の方法であって、さらに、
前記標準参照ダイを設計データ領域と位置合わせをする工程を含み、
前記生成する工程は、前記設計データ領域での既定の区域に対応する前記設計データ領域内の位置のみについて前記標準参照ダイを生成する工程を含む、コンピューター実施の方法。
[適用例6]
適用例1に記載のコンピューター実施の方法であって、
前記出力は、グレーレベルを含み、
前記組み合わせる工程は、前記のダイの中の位置にわたる前記グレーレベルの平均値を決める工程を含む、コンピューター実施の方法。
[適用例7]
適用例1に記載のコンピューター実施の方法であって、
前記出力は、グレーレベルを含み、
前記組み合わせる工程は、前記のダイの中の位置にわたる前記グレーレベルの中央値を決める含む工程を含む、コンピューター実施の方法。
[適用例8]
適用例1に記載のコンピューター実施の方法であって、
前記出力は、グレーレベルを含み、
前記組み合わせる工程は、前記のダイの中の位置にわたる前記グレーレベルの平均値と中央値を決める工程を含み、
前記標準参照ダイは、前記ダイの中の位置にわたる前記平均値を含み、
前記方法は、前記ダイの中の位置にわたる前記中央値についての追加の標準参照ダイを生成する工程を含む、コンピューター実施の方法。
[適用例9]
適用例1に記載のコンピューター実施の方法であって、
前記組み合わせる工程は、前記のダイの中の位置にわたる前記出力の特性と前記ダイの中の位置にわたる前記特性の中の雑音を決める工程を含む、コンピューター実施の方法。
[適用例10]
ウエハーを検査するための方法であって、
ウエハーについて検査システムの出力を得る工程と、
前記出力におけるダイの中の位置に基づいて前記ウエハー上の中央に位置するダイと前記ウエハー上の一つ以上のダイについての前記出力を組み合わせる工程と、
前記組み合わせる工程の結果に基づいて標準参照ダイを生成する工程と、
前記ウエハー上の一つ以上の試験ダイの中の欠陥を検出するために前記標準参照ダイを前記一つ以上の試験ダイについての前記出力と比較する工程と、
を含むことを方法。
[適用例11]
適用例10に記載の方法であって、
前記標準参照ダイと前記一つ以上の試験ダイについての前記出力は、画像を含む、方法。
[適用例12]
適用例10に記載の方法であって、
前記方法の全ての工程が前記ウエハーの検査の実行時の間に実施される、方法。
[適用例13]
適用例10に記載の方法であって、
前記欠陥は、反復する欠陥を含む、方法。
[適用例14]
適用例10に記載の方法であって、
前記欠陥は、前記ウエハーを加工するために用いられるレチクルの製造により引き起こされる系統的欠陥を含む、方法。
[適用例15]
適用例10に記載の方法であって、
前記欠陥は、系統的欠陥を含み、
前記一つ以上の試験ダイは、工程窓適正化の手順を用いて前記ウエハー上に形成される、方法。
[適用例16]
適用例10に記載の方法であって、
前記標準参照ダイは、前記中央に位置するダイと前記一つ以上のダイにおけるランダムな欠陥からの雑音を実質的に含まない、方法。
[適用例17]
適用例10に記載の方法であって、さらに、
前記一つ以上の試験ダイの中の複数の試験ダイについての組み合わされた出力が、前記一つ以上の試験ダイの各々についての出力よりも、ランダムな欠陥からの雑音がより少なくなるように、前記一つ以上の試験ダイの中の複数の試験ダイについての出力を組み合わせる工程を含む、方法。
[適用例18]
適用例10に記載の方法であって、さらに、
前記一つ以上の試験ダイの中の複数の試験ダイについての出力を組み合わせる工程を含み、
前記比較の工程は、前記標準参照ダイを前記複数の試験ダイについての組み合わされた出力と比較して、前記複数の試験ダイの中の欠陥を検出する工程を含み、
前記欠陥は、反復する欠陥を含む、方法。
[適用例19]
適用例10に記載の方法であって、
前記比較する工程は、適応的閾値化を用いて実施される、方法。
[適用例20]
適用例10に記載の方法であって、
前記比較の工程は、前記標準参照ダイと前記一つ以上の試験ダイについての度数分布の同等化を用いて前記標準参照ダイと前記一つ以上の試験ダイの出力を位置合わせする工程を含む、方法。
[適用例21]
適用例10に記載の方法であって、
前記比較の工程は、前記標準参照ダイの中の画素の近傍と前記一つ以上の試験ダイについての出力の中の画素の近傍とのテンプレートマッチングの工程を含む、方法。
[適用例22]
適用例10に記載の方法であって、
前記得る工程は、前記ウエハー上の前記試験ダイの一部分のみについての出力を得る工程を含む、方法。
[適用例23]
適用例10に記載の方法であって、さらに、
前記標準参照ダイを設計データ領域と位置合わせをする工程を含み、
前記生成する工程は、前記設計データ領域での既定の区域に対応する前記設計データ領域内での位置のみについて前記標準参照ダイを生成する工程を含む、方法。
[適用例24]
ウエハーを検査するための方法であって、
標準参照ウエハーについて検査システムの出力を得る工程と、
前記出力におけるダイの中の位置に基づいて前記標準参照ウエハー上の中央に位置するダイと前記標準参照ウエハー上の一つ以上のダイについての前記出力を組み合わせる工程と、
前記組み合わせる工程の結果に基づいて標準参照ダイを生成する工程と、
前記ウエハーについて前記検査システムの出力を得る工程と、
前記標準参照ダイを前記ウエハー上の一つ以上の試験ダイについての出力と比較して、前記一つ以上の試験ダイの中の欠陥を検出する工程と、
を含む方法。
[適用例25]
適用例24に記載の方法であって、さらに、
前記比較の工程の前に、設計データ領域に対して前記標準参照ダイの位置と前記一つ以上の試験ダイについての出力の位置とを決める工程と、
前記比較の工程の前に、前記設計データ領域に対しての前記標準参照ダイと前記一つ以上の試験ダイについての出力の前記位置に基づいて前記標準参照ダイと前記一つ以上の試験ダイについての出力を位置合わせする工程と、
を含む、方法。
[適用例26]
適用例24に記載の方法であって、さらに、
前記比較の工程の前に、フレームごとの位置合わせの技術を用いて、前記標準参照ダイを前記一つ以上の試験ダイについての出力と位置合わせする工程を含む、方法。
[適用例27]
適用例24に記載の方法であって、さらに、
前記一つ以上の試験ダイのついての前記出力の第一の帯をグローバル位置に対して位置合わせする工程と、
前記一つ以上の試験ダイのついての前記出力の第二の帯を前記第一の帯に位置合わせすることによって、前記第二の帯を前記グローバル位置に対して位置合わせする工程と、
を含む、方法。
[適用例28]
適用例24に記載の方法であって、
前記ウエハーについての前記検査システムの出力は、前記ウエハー上の照明地点当たり少なくとも二つのサンプルを含む、方法。
[適用例29]
適用例24に記載の方法であって、
前記ウエハーについての前記検査システムの出力を得る工程は、前記ウエハー上の前記試験ダイの一部分のみについての出力を得る工程を含む、方法。
[適用例30]
適用例24に記載の方法であって、
前記標準参照ウエハーと前記ウエハーについての出力を得る工程は、広帯域の深紫外線モード検査を用いて実施される、方法。
[適用例31]
適用例24に記載の方法であって、
前記標準参照ウエハーと前記ウエハーについての出力を得る工程は、広帯域のエッジコントラストモード検査を用いて実施される、方法。
[適用例32]
ウエハー上の欠陥を検出するためのコンピューター実施の方法であって、
構造が形成されたウエハー上の複数の位置において取得された複数の画像を組み合わせて、前記構造の合成画像を生成する工程と、
前記合成画像を参照と比較して前記ウエハー上の欠陥を検出する工程と、
を含む、コンピューター実施の方法。
[適用例33]
適用例32に記載のコンピューター実施の方法であって、
前記欠陥は、系統的欠陥を含む、コンピューター実施の方法。
[適用例34]
適用例32に記載のコンピューター実施の方法であって、
前記欠陥は、前記構造のLERとほぼ同じ大きさを持つ、コンピューター実施の方法。
[適用例35]
適用例32に記載のコンピューター実施の方法であって、
前記組み合わせる工程は、前記複数の画像を平均する工程を含む、コンピューター実施の方法。
[適用例36]
適用例32に記載のコンピューター実施の方法であって、
前記複数の位置は、同一の設計を持つセルの中の前記構造の位置を含む、コンピューター実施の方法。
[適用例37]
適用例32に記載のコンピューター実施の方法であって、
前記複数の位置は、隣接するダイの中の前記構造の位置を含む、コンピューター実施の方法。
[適用例38]
適用例32に記載のコンピューター実施の方法であって、
前記組み合わせる工程は、前記合成画像が前記複数の画像の各々よりも少ないラインエッジ粗さを持つように実施される、コンピューター実施の方法。
[適用例39]
適用例32に記載のコンピューター実施の方法であって、
前記組み合わせる工程は、前記合成画像が前記複数の画像の各々よりもランダムな変動がより少なくなるように実施される、コンピューター実施の方法。
[適用例40]
適用例32に記載のコンピューター実施の方法であって、
前記組み合わせる工程は、前記合成画像が前記複数の画像よりもグレーレベル雑音が少なくなるように実施される、コンピューター実施の方法。
[適用例41]
適用例32に記載のコンピューター実施の方法であって、
前記参照は、前記構造の既知の良好な画像を含む、コンピューター実施の方法。
[適用例42]
適用例32に記載のコンピューター実施の方法であって、
前記参照は、標準参照ダイの中において得られる前記構造の画像を含む、コンピューター実施の方法。
[適用例43]
適用例32に記載のコンピューター実施の方法であって、
前記参照は、工程窓適正化ダイの中において得られる前記構造の参照画像、合成試験画像、又は、参照画像と合成試験画像を含む、コンピューター実施の方法。
[適用例44]
適用例32に記載のコンピューター実施の方法であって、
前記参照は、描画されたデータベースの画像を含む、コンピューター実施の方法。
[適用例45]
適用例32に記載のコンピューター実施の方法であって、
前記参照は、前記ウエハー上の複数の位置、又は、異なるウエハー上の複数の位置において得られた複数の画像から生成された前記構造の合成画像を含む、コンピューター実施の方法。