特許第6042928号(P6042928)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6042928
(24)【登録日】2016年11月18日
(45)【発行日】2016年12月14日
(54)【発明の名称】射出成形機
(51)【国際特許分類】
   B29C 45/84 20060101AFI20161206BHJP
【FI】
   B29C45/84
【請求項の数】5
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2015-77402(P2015-77402)
(22)【出願日】2015年4月6日
(65)【公開番号】特開2016-196145(P2016-196145A)
(43)【公開日】2016年11月24日
【審査請求日】2016年4月15日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】390008235
【氏名又は名称】ファナック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001151
【氏名又は名称】あいわ特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】田中 一嘉
(72)【発明者】
【氏名】丸山 淳平
【審査官】 ▲高▼橋 理絵
(56)【参考文献】
【文献】 特開2015−000482(JP,A)
【文献】 特開平06−339959(JP,A)
【文献】 特開平06−114909(JP,A)
【文献】 特開2006−007466(JP,A)
【文献】 特開平07−186232(JP,A)
【文献】 特開2004−090541(JP,A)
【文献】 特開2000−280312(JP,A)
【文献】 特開2014−028491(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29C 45/00−45/84
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの開閉可能な安全カバーと、スクリュとを備えた射出装置と、
ノズルとスクリュとを備えた第二射出装置と、
前記第二射出装置を検出対象として、その内部の射出圧力を検出する射出圧力検出部と、
前記安全カバーの開放を防止するロック機構と、
前記ロック機構を制御するロック制御部と、を備え、
前記安全カバーは、前記ノズルからの樹脂の噴出方向に備えられており、
前記ロック制御部は、
前記射出圧力検出部で検出した前記検出対象の内部の射出圧力が所定値以上の場合は前記ロック機構をロック状態として前記安全カバーの開放を禁止する
ことを特徴とする射出成形機。
【請求項2】
少なくとも1つの開閉可能な安全カバーとスクリュとノズルとを備えた射出装置と、
前記射出装置を検出対象として、その内部の射出圧力を検出する射出圧力検出部と、
前記安全カバーの開放を防止するロック機構と、
前記ノズルが金型に接触していることを検出するノズルタッチ検出部と、
前記ロック機構を制御するロック制御部と、を備え、
前記ロック制御部は、
前記ノズルタッチ検出部が前記ノズルが金型に接触していることを検出し、かつ、
前記射出圧力検出部で検出した前記検出対象の内部の射出圧力が所定値以上の場合は前記ロック機構をロック状態として前記安全カバーの開放を禁止する
ことを特徴とする射出成形機。
【請求項3】
前記射出圧力検出部で検出した前記検出対象の内部の射出圧力が所定値以上の場合は、報知を行う危険通知部を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の射出成形機。
【請求項4】
前記射出装置の成形運転が終了した時点で前記射出圧力検出部で検出した前記検出対象の内部の射出圧力が所定値以上の場合は、前記検出対象の内部に設けられた前記スクリュを後退させるスクリュ後退制御部を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の射出成形機。
【請求項5】
作業者が前記安全カバーを開こうとすることを検出する安全カバー開放操作検出部を備え、
前記安全カバー開放操作検出部が、作業者が前記安全カバーを開こうとすることを検出した際に、前記射出圧力検出部で検出した前記検出対象の内部の射出圧力が所定値以上の場合は、前記検出対象の内部に設けられた前記スクリュを後退させるスクリュ後退制御部を有することを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の射出成形機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は射出成形機に関し、特に射出成形機内部の圧力監視装置を備えた射出成形機に関する。
【0002】
射出成形機の射出装置においては、高温で溶融した樹脂をプラテンに固定された金型内に流し込んで成形品の成形を行う。射出動作中には、高温の樹脂を高速・高圧で射出するが、樹脂は非常に高温とされているので、操作者への安全のために、樹脂が噴出されるノズル周辺を中心に安全カバーなどで覆うことによって安全を確保することが行われている。
【0003】
保守作業を行う際には、安全カバーを開いて作業を行うことがあるが、その際には射出成形機を作動することができないようにして安全を確保することが行われている。また、動作の停止に加えて、射出成形機内の高温のノズルや溶融した樹脂などの高温の部材にも十分注意する必要がある。特にノズル先端部の溶融樹脂が冷却固化し、ノズル先端の穴が詰まると、射出成形機が停止した状態においてもノズル内の溶融樹脂が高圧状態を維持してしまうため、その後にノズル先端の固化した樹脂が再度溶融して詰まりが解消されると、ノズルから樹脂が噴出するおそれがある。そのため、ノズルの状態やシリンダ内の圧力の状態については、常に注意して保守作業を行う必要がある。
【0004】
また、ノズルが金型に接触している状態、すなわちノズルタッチした状態においては、溶融した樹脂がノズルから金型を通して型締装置側に噴出するおそれもある。
【0005】
特許文献1には、射出成形機の安全カバーによる安全対策として、安全カバーとしての扉の扉スイッチと、射出成形機内部のモータの回転の有無を検出する回転検出機構と、扉のロック機構とを備え、扉が開かれているときにモータが回転駆動しないように電源をオフし、モータが回転しているときには扉のロック機構によって扉をロックする技術が開示されている。
【0006】
特許文献2には、射出成形機のノズルタッチ力制御装置において、安全ドア位置検出用スイッチによって安全ドアが開いたことを検知すると、ノズルタッチ力が発生しないようにノズルを後退させて作業者の安全を確保する技術が開示されている。
特許文献3には、射出成形機の安全ドアを開放する動作と連動して、固定側金型と可動側金型との間に遮蔽板を挿入して、金属成形品を取り出す際の安全性を確保する技術が開示されている。
【0007】
特許文献4には、射出成形機において、ノズルがノズルタッチ部に当接した状態で、射出装置の前進指令の停止時または停止後、後退指令の開始前に、安全カバーを開いた際に圧力を監視してスクリュを後退する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開昭51−67577号公報
【特許文献2】特開2013−188875号公報
【特許文献3】特開2003−80358号公報
【特許文献4】特開2014−28491号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
特許文献1〜3に開示されている技術は、安全カバーを開いた際に機械のモータの回転を停止させたり、内部の樹脂が噴出しないようにすることは行われているものの、ノズル内部の圧力が高圧に保たれているため、ノズルの詰まりが解消されると樹脂が噴出して作業者に危険が及ぶおそれがある。
特許文献1に開示されている技術は、機械のモータの回転が停止したことによって、安全カバーのロック機構を解除しているが、シリンダ内の圧力が高いときには、安全カバーを開いた際に樹脂が噴出するおそれがある。
【0010】
特許文献2に開示されている技術は、安全カバーを開いた際にノズルタッチ力を開放しているが、ノズルタッチしていない状態において樹脂が噴出するおそれがある。
特許文献3に開示されている技術は、金型のゲート部を覆う安全カバーが設置されているのみであるため、ゲート部周辺の保守作業を行う際に樹脂が噴出するおそれがある。
【0011】
特許文献4に開示されている技術は、本体非常停止状態として動作を停止するべき安全カバーの開状態において軸を動作する必要があるため、作業者に危険が及ぶおそれがある。また、ノズルタッチ状態においてのみ圧力の監視を行うため、ノズルの詰まりが解消したときには樹脂が噴出するおそれがある。
ノズルが詰まった状態や、シリンダの内部の圧力が高い状態については、ノズルやシリンダを目視しても認識することは困難であるため、作業者が樹脂が噴出する危険な状態に気づかずに保守作業を行うおそれがある。
【0012】
そこで本発明は、樹脂の噴出の危険性を低下させて、作業者の安全確保をした上で射出成形機の保守作業を行うことが可能となる射出成形機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本願の請求項1に係る発明では、少なくとも1つの開閉可能な安全カバーと、スクリュとを備えた射出装置と、ノズルとスクリュとを備えた第二射出装置と、前記第二射出装置を検出対象として、その内部の射出圧力を検出する射出圧力検出部と、前記安全カバーの開放を防止するロック機構と、前記ロック機構を制御するロック制御部と、を備え、前記安全カバーは、前記ノズルからの樹脂の噴出方向に備えられており、前記ロック制御部は、前記射出圧力検出部で検出した前記検出対象の内部の射出圧力が所定値以上の場合は前記ロック機構をロック状態として前記安全カバーの開放を禁止することを特徴とする射出成形機が提供される。
【0014】
請求項1に係る発明では、射出装置内部の射出圧力が所定値以上の場合はロック機構により安全カバーの開放を防止するようにしたことによって、シリンダ内の圧力が十分低下した状態でのみ射出成形機の保守作業が可能となるため、作業者の安全を確保することが可能となる。
また、開放が禁止される安全カバーとして、射出装置が射出する方向に配置された安全カバーを含むようにしたことによって、特に射出装置が樹脂を噴出する方向にある安全カバーの開放が禁止され、作業者の安全をより確保することが可能となる。
【0016】
本願の請求項に係る発明では、少なくとも1つの開閉可能な安全カバーとスクリュとノズルとを備えた射出装置と、前記射出装置を検出対象として、その内部の射出圧力を検出する射出圧力検出部と、前記安全カバーの開放を防止するロック機構と、前記ノズルが金型に接触していることを検出するノズルタッチ検出部と、前記ロック機構を制御するロック制御部と、を備え、前記ロック制御部は、前記ノズルタッチ検出部が前記ノズルが金型に接触していることを検出し、かつ、前記射出圧力検出部で検出した前記検出対象の内部の射出圧力が所定値以上の場合は前記ロック機構をロック状態として前記安全カバーの開放を禁止することを特徴とする射出成形機が提供される。
【0017】
請求項に係る発明では、ノズルタッチしているときにはシリンダ内の圧力がそのまま金型内の樹脂に伝わるため、金型を開いたときに樹脂が金型開閉部に噴出する可能性があるが、そのような状態の時に安全カバーの開放を禁止することで、作業者の安全をより確保することが可能となる。
【0018】
本願の請求項に係る発明では、前記射出圧力検出部で検出した前記検出対象の内部の射出圧力が所定値以上の場合は、報知を行う危険通知部を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の射出成形機が提供される。
請求項に係る発明では、射出圧力が所定値以上のときに報知を行うため、作業者が射出装置内の圧力が高いことを容易に把握することが可能となる。
【0019】
本願の請求項に係る発明では、前記射出装置の成形運転が終了した時点で前記射出圧力検出部により検出した前記検出対象の内部の射出圧力が所定値以上の場合は、前記検出対象の内部に設けられた前記スクリュを後退させるスクリュ後退制御部を有することを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の射出成形機が提供される。
請求項に係る発明では、射出装置内部の射出圧力が所定値以上の場合に、スクリュを後退させることによって、積極的にシリンダ内の圧力を低下させて、早期に作業者が安全となる状態とすることが可能となる。
【0020】
本願の請求項に係る発明では、作業者が前記安全カバーを開こうとすることを検出する安全カバー開放操作検出部を備え、前記安全カバー開放操作検出部が、作業者が前記安全カバーを開こうとすることを検出した際に、前記射出圧力検出部で検出した前記検出対象の内部の射出圧力が所定値以上の場合は、前記検出対象の内部に設けられた前記スクリュを後退させるスクリュ後退制御部を有することを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の射出成形機が提供される。
請求項に係る発明では、作業者が安全カバーを開こうとしたときに、射出装置内部の射出圧力が所定値以上の場合に、スクリュを後退させることによって、積極的にシリンダ内の圧力を低下させて、早期に作業者が安全となる状態とすることが可能となる。
【発明の効果】
【0021】
本発明により、樹脂の噴出の危険性を低下させて、作業者の安全確保をした上で射出成形機の保守作業を行うことが可能となる射出成形機を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本発明の実施形態で用いられる射出成形機の模式図である。
図2】本発明の別の実施形態で用いられる射出成形機の模式図である。
図3】本発明のさらに別の実施形態で用いられる射出成形機の模式図である。
図4】本発明の実施形態の動作の流れを示すフローチャートである。
図5】本発明の別の実施形態の動作を示すフローチャートである。
図6】本発明の変形例の動作を示すフローチャートである。
図7】本発明の変形例の動作を示すフローチャートである。
図8】本発明の変形例の動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の実施形態を図に基づいて説明する。図1は、本発明の実施形態で用いられる射出成形機の模式図である。20は射出側に設けられている射出装置であり、射出シリンダ22、射出シリンダ22の先端に設けられているノズル25、射出シリンダ内の射出圧力を検出する射出圧力検出器23と、ノズル25近傍に、図示しないノズルタッチ検出部を備えている。また、32は固定プラテンであり、固定プラテン32に固定側金型36が取り付けられている。
【0024】
40は型締側に設けられているリアプラテンであり、リアプラテン40にはトグル機構42が取り付けられ、トグル機構42の先端部には可動プラテン34が取り付けられ、可動プラテン34には可動側金型38が取り付けられている。
12,14,16はいずれも射出成形機10の安全カバーである。また、13,15,17はそれぞれの安全カバーに設けられているロック機構であり、これらのロック機構によって、それぞれの安全カバーをロック状態として開放不可状態としたり、ロック状態を解除して開放可能状態とすることができる。
【0025】
可動プラテン34及び可動側金型38はトグル機構42により前後方向(図1における左右方向)に移動可能であり、固定側金型36と可動側金型38とを型開き、型閉じ、型締めを行う。ノズル25は固定側金型36と接触(ノズルタッチ)可能であり、型閉じ後にノズル25から金型内に溶融樹脂を射出して、その後型締めを行うことで成形品を成形する。
ここで、本実施形態においては、射出圧力検出器23によって射出シリンダ22内部の圧力を検出する。そして、検出した圧力値があらかじめ定められた所定の圧力より大きい場合には、ロック機構(13,15,17)を作動させることによって、安全カバー(12,14,16)を開放できないように制御する。
【0026】
これにより、射出シリンダ22内部の圧力が所定の圧力値より大きいときには安全カバー(12,14,16)を開放できない状態となるので、作業者の安全を確保することが可能となる。
図4は、本実施形態における動作の流れを示すフローチャートである。以下ステップごとに説明する。
【0027】
・(ステップSA1)射出装置の内部の圧力が所定値以下かどうかを判定する。所定値以下の場合(YES)はステップSA2に進み、所定値より大きい場合(NO)はステップSA3に進む。
・(ステップSA2)安全カバーのロックを解除して終了する。
・(ステップSA3)安全カバーをロックして、ステップSA1に戻る。
【0028】
なお、本実施形態においては、射出シリンダ22内部の圧力が所定の圧力値より大きいときには、すべての安全カバー(12,14,16)をロック状態にするようにしているが、例えば金型開閉部に近い位置に配置されている安全カバー(14,16)のみをロック状態にするなど、一部の安全カバーのみをロック状態とすることも可能である。
【0029】
図2は、別の実施形態の射出成形機を示した模式図である。本実施形態で用いられる射出成形機10は、二色成形などで用いられる2つの射出装置を備えたものであり、固定側金型36と可動側金型38との接触面(パーティング面)に平行に配置される第二射出装置50を設けた点が先の実施形態と異なっている。第二射出装置50の機能については、配置位置が固定側金型36と可動側金型38との接触面に平行に配置されている以外は先の実施形態の射出装置と同様であるため説明は省略する。第二射出装置50についても、安全カバー(52,54)が備えられている。また、安全カバー14については、第二射出装置50のノズル59からの樹脂の噴出方向に備えられており、第二射出装置50の安全カバーを兼ねているともいえる。
【0030】
本実施形態においても、射出圧力検出器23によって射出シリンダ22内部の圧力を検出し、射出圧力検出器57によって射出シリンダ56内部の圧力を検出する。そして、いずれかの検出した圧力値があらかじめ定められた所定の圧力より大きい場合には、ロック機構(13,15,17,53,55)を作動させることによって、安全カバー(12,14,16,52,54)を開放できないように制御する。
【0031】
これにより、射出シリンダ22内部の圧力が所定の圧力値より大きいときには安全カバー(12,14,16,52,54)を開放できない状態となるので、作業者の安全を確保することが可能となる。動作の流れとしては、先の実施形態の図4に示したフローチャートと同様であるため、説明を省略する。
【0032】
なお、本実施形態においては、いずれかの射出シリンダ内部の圧力が所定の圧力値より大きいときには、すべての安全カバー(12,14,16,52,54)をロック状態にするようにしているが、例えば金型開閉部に近い位置に配置されている安全カバー(14,16)のみをロック状態にすることも可能である。また、別の方法として、射出装置20内部の射出圧力が所定の圧力値より大きいときには、射出装置20に関連する安全カバーである安全カバー(12,14,16)のみをロック状態とし、第二射出装置50内部の射出圧力が所定の圧力値よりも大きいときには、第二射出装置50に関連する安全カバーである安全カバー(14,52,54)のみをロック状態とすることも可能である。
【0033】
図3は、さらに別の実施形態の射出成形機を示した模式図である。本実施形態で用いられる射出成形機10は、固定側金型36と可動側金型38との接触面(パーティング面)に平行に配置される第二射出装置50のみを設けた点が先の実施形態と異なっている。第二射出装置50の機能については、配置位置が固定側金型36と可動側金型38との接触面に平行に配置されている以外は先の実施形態の射出装置と同様であるため説明は省略する。本実施形態における第二射出装置50についても、安全カバー(52,54)が備えられている。また、安全カバー14については、第二射出装置50のノズル59からの樹脂の噴出方向に備えられており、第二射出装置50の安全カバーを兼ねているともいえる。
【0034】
本実施形態においても、射出圧力検出器57によって射出シリンダ56内部の圧力を検出する。そして、検出した圧力値があらかじめ定められた所定の圧力より大きい場合には、ロック機構(15,17,53,55)を作動させることによって、安全カバー(14,16,52,54)を開放できないように制御する。
【0035】
これにより、射出シリンダ56内部の圧力が所定の圧力値より大きいときには安全カバー(14,16,52,54)を開放できない状態となるので、作業者の安全を確保することが可能となる。動作の流れとしては、先の実施形態の図4に示したフローチャートと同様であるため、説明を省略する。
【0036】
図5は、さらに別の実施形態の動作の流れを示すフローチャートである。以下ステップごとに説明する。
・(ステップSB1)射出装置の内部の圧力が所定値以上かつノズルが金型に接触(ノズルタッチ)しているかどうかを判定する。いずれも満たしている場合(YES)はステップSB2に進み、いずれかが満たされていない場合(NO)はステップSB3に進む。
・(ステップSB2)安全カバーをロックして、ステップSB1に戻る。
・(ステップSB3)安全カバーのロックを解除して終了する。
【0037】
本実施形態は、特にホットランナ金型を搭載している場合などに、溶融した樹脂が金型内部に留まるため、ノズルタッチしているとシリンダ内の圧力がそのまま金型内の樹脂に伝わって、金型を開いたときに樹脂が金型開閉部へ噴出するおそれがある。本実施形態は、そのような場合に、ノズルタッチしていて、シリンダ内または金型内の樹脂の圧力が所定値以上の場合に、安全カバーをロックするようにすることで、作業者の安全性を保つことが可能となる。
【0038】
図6は、本実施形態の変形例の動作の流れを示すフローチャートである。以下ステップごとに説明する。
・(ステップSC1)射出装置の内部の圧力が所定値以上かどうかを判定する。所定値以上の場合(YES)はステップSC2に進み、所定値未満の場合(NO)は終了する。
・(ステップSC2)ブザーや警告ランプによって危険通知を行い、終了する。
【0039】
本変形例においては、射出装置の内部の圧力が所定値以上の場合にブザーや警告ランプによって危険通知を行うようにしているため、作業者が射出装置内の圧力が高いことを容易に把握することが可能となる。
【0040】
図7は、本実施形態の変形例の動作の流れを示すフローチャートである。以下ステップごとに説明する。
・(ステップSD1)射出装置の内部の圧力が所定値以下かどうかを判定する。所定値以下の場合(YES)はステップSD2に進み、所定値より大きい場合(NO)はステップSD3に進む。
・(ステップSD2)安全カバーのロックを解除して終了する。
・(ステップSD3)安全カバーをロックする。
・(ステップSD4)スクリュを後退させて、ステップSD1に戻る。
【0041】
本変形例においては、射出装置内部の射出圧力が所定値以上の場合に、スクリュを後退させることによって、積極的にシリンダ内の圧力を低下させて、早期に作業者が安全となる状態とすることが可能となる。
【0042】
図8は、本実施形態のさらに別の変形例の動作の流れを示すフローチャートである。以下ステップごとに説明する。
・(ステップSE1)安全カバーを開けようとしており、射出装置の内部の圧力が所定値以上かどうかを判定する。所定値以上の場合(YES)はステップSE3に進み、所定値未満の場合(NO)はステップSE2に進む。
・(ステップSE2)安全カバーのロックを解除して終了する。
・(ステップSE3)安全カバーをロックする。
・(ステップSE4)スクリュを後退させて、ステップSE1に戻る。
【0043】
作業者が安全カバーを開けようとすることを検出する安全カバー開放操作検出部としては、安全カバーの取っ手に設けたスイッチやセンサを用いたり、取っ手に作業者が力を加えた時に取っ手が回動可能となるような構成として、取っ手が回動したことによって開けようとすることを検出するようにすることもできる。
本変形例においては、作業者が安全カバーを開けようとしており、射出装置内部の射出圧力が所定値以上の場合に、スクリュを後退させることによって、積極的にシリンダ内の圧力を低下させて、早期に作業者が安全となる状態とすることが可能となる。
【0044】
なお、本発明の実施形態や変形例においては、射出シリンダの射出圧力を、射出シリンダに設けられた射出圧力検出器で検出している。射出圧力の検出方法としては、このようにノズルやシリンダの内部の樹脂圧力を検出するものであってもよいし、スクリュ後端に取り付けられたロードセル等を用いて検出するものであってもよい。また、その他の検出方法としては、ロードセル等を用いてスクリュの推力を検出するようにしてもよいし、スクリュを駆動するモータの電流値を検出することによって検出したり、スクリュを駆動する油圧シリンダの油圧に基づいて検出したり、金型内の樹脂圧力を検出するものであってもよい。
【符号の説明】
【0045】
10 射出成形機
12,14,16,52,54 安全カバー
13,15,17,53,55 ロック機構
20 射出装置
22,56 射出シリンダ
23,57 射出圧力検出器
25,59 ノズル
32 固定プラテン
34 可動プラテン
36 固定側金型
38 可動側金型
40 リアプラテン
42 トグル機構
50 第二射出装置
図4
図5
図6
図7
図8
図1
図2
図3