(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
この発明は、開封部の開封機能を破損又は損傷することなく、所定量の内容物を収容することができる折り曲げ開封包装体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明は、包装体の折り曲げ動作に伴い開封される開封部を備えた折り曲げ開封包装体であって、前記包装体は、前記開封部を備えた一方の部材と、該一方の部材の片面に貼り合わせた他方の部材と、該部材同士の対向面間に形成した前記内容物を収容する収容部とを有し、前記一方の部材は、該一方の部材に設定した前記開封部を囲む開封領域と、該一方の部材における前記部材同士の対向面と反対の面に付設され、該部材同士を重ね合わせる重ね合わせ方向と反対の方向に向けて該一方の部材の変形を補助する変形補助罫線を備え、前記一方の部材は、前記変形補助罫線により前記部材同士の重ね合わせ方向と反対の方向に向けて突出する断面略凸形状に形成
され、前記変形補助罫線を、前記一方の部材に設定した前記開封領域の周囲に対して該開封領域を囲むように付設した囲み補助罫線で構成した折り曲げ開封包装体であることを特徴とする。
【0008】
上記内容物は、例えば液状、ペースト状、粉末状、顆粒状、錠剤状等で構成することができる。
一方、及び他方の部材は、例えばアモルファスポリエチレンテレフタレート(A−PET)、ポリプロピレン(PP)、二軸延伸ポリエステル(OPET)、二軸延伸ポリプロピレン(OPP)、生分解性プラスチック(PLA)、ポリカーボネート(PC)、ポリエチレン(PE)、ポリスチレン(PS)、セルロース・プロピオネート(CP)、ポリビニルアルコール(PVA)厚紙、金属シート等の単体材料、あるいは複合材料で形成したシート、あるいはフィルムで構成することができる。
【0009】
具体的に、一方の部材は、例えば二つ折り状態に折り曲げ可能な厚み、あるいは、硬さに形成したシート等で構成することができる。また、他方の部材は、例えば柔軟性を有するフィルム等で構成することができる。
なお、部材の材質や肉厚は、例えば内容物の種類、あるいは収容部の形状等に応じて変更することができる。
【0010】
開封部は、例えば部材に形成した折り曲げにより破断し開封される未貫通の切込み、あるいは、部材に形成した厚み方向に貫通する貫通済みの切込みを覆うとともに、該部材の折り曲げにより破断し開封される封止材を備えた破断開封構造や、部材同士の剥離可能な部分を折り曲げにより剥離し、該部材に形成した貫通済みの切込み同士を連通して開封する剥離開封構造等で構成することができる。
【0011】
変形補助罫線、及び折り曲げ罫線は、例えば特開2003−266532号公報、特開2003−292023号公報、特開2004−1858号公報、特開2004−83129号公報、特開平2004−315073号公報等に開示された罫線にて構成することができる。
【0012】
この発明によれば、開封部の開封機能を破損又は損傷することなく、所定量の内容物を収容することができる。
詳しくは、変形補助罫線を、例えば罫線付設刃を用いて一方の部材に付設する場合、罫線付設刃の刃先が押し付けられた部分を厚み方向に加圧して変形させ、刃先と対応する形状の変形補助罫線を付設する。その際、罫線付設刃を押し付けた部分は、刃先の形状や角度等に応じて罫線付設刃の厚みと対応する方向へ押し広げられるが、反対に、罫線付設刃を押し付けた部分と反対側の部分は押し広げられない。
【0013】
したがって、一方の部材に対する罫線付設刃の押し付けを解除して、該罫線付設刃を一方の部材から離間させると、一方の部材における変形補助罫線を付設した部分が、部材同士の重ね合わせ方向と反対の方向に向けて変形するため、一方の部材を、部材同士の重ね合わせ方向と反対の外側に向けて突出する断面略凸形状に形成することができる。
【0014】
これにより、一方の部材が、収容部に収容した内容物の圧力によって部材同士の重ね合わせ方向と反対の方向に向けて歪な形状に撓み変形することを防止することができる。
この結果、所定量の内容物を収容するのに必要な容積を確保することができるとともに、内容物を収容する収容部の容積が変動しにくく、所定量の内容物を収容することができる。
【0015】
しかも、変形を小さくするために部材の肉厚を厚くする必要がなく、部材同士を熱溶着する場合、溶着に要する加熱時間が短くて済むため、材料費、及び製造コストを低減することができる。
【0016】
さらに、一方の部材における開封領域内の開封部を設けた部分を変形させることなく、内容物を収容する収容部の容積を大きくすることができる。
詳しくは、囲み補助罫線を一方の部材における開封領域の周囲に付設して、該部材における開封領域の周囲を、部材同士の重ね合わせ方向と反対の方向に向けて変形させるため、囲み補助罫線で囲まれた開封領域内の開封部を設けた部分を略平坦な状態に保ったまま、収容部の容積を大きくすることができる。
【0017】
これにより、一方の部材における囲み補助罫線で囲まれた開封領域内の開封部を設けた部分に変形が生じにくく、開封部の開封機能が破損又は損傷することを防止することができる。
この結果、所定量の内容物を確実に収容することができるとともに、開封部の開封機能を確実に維持することができる。
【0018】
またこの発明
は、包装体の折り曲げにより開封される開封部を備えた折り曲げ開封包装体であって、前記包装体は、前記開封部を備えた一方の部材と、該一方の部材の片面に貼り合わせた他方の部材と、該部材同士の対向面間に形成した前記内容物を収容する収容部とを有し、前記一方の部材は、該一方の部材に設定した前記開封部を囲む開封領域と、該一方の部材における前記部材同士の対向面と反対の面に付設され、該部材同士を重ね合わせる重ね合わせ方向と反対の方向に向けて該一方の部材の変形を補助する変形補助罫線を備え、前記一方の部材は、前記変形補助罫線により前記部材同士の重ね合わせ方向と反対の方向に向けて突出する断面略凸形状に形成され、前記変形補助罫線を、前記一方の部材の縁部と前記開封領域との間に付設した直線状、あるいは、曲線状の線状補助罫線で構成することができる。
この発明によれば、一方の部材における開封領域内の開封部を設けた部分を変形させることなく、内容物を収容する収容部の容積をより大きくすることができる。
【0019】
詳しくは、直線状、あるいは、曲線状の線状補助罫線を、一方の部材における縁部と、該部材に設けた開封領域との間に付設して、該部材における縁部と開封領域との間に対応する部分を、部材同士の重ね合わせ方向と反対の方向に向けて変形させるため、一方の部材における開封領域の周囲を変形させるよりも、収容部の容積をより大きくすることができる。
【0020】
これにより、一方の部材における線状補助罫線で囲まれた開封領域内の開封部を設けた部分に変形がより生じにくく、開封部の開封機能が破損又は損傷することを防止することができる。
この結果、所定量の内容物をより確実に収容することができるとともに、開封部の開封機能をより確実に維持することができる。
【0021】
またこの発明
は、包装体の折り曲げにより開封される開封部を備えた折り曲げ開封包装体であって、前記包装体は、前記開封部を備えた一方の部材と、該一方の部材の片面に貼り合わせた他方の部材と、該部材同士の対向面間に形成した前記内容物を収容する収容部とを有し、前記一方の部材は、該一方の部材に設定した前記開封部を囲む開封領域と、該一方の部材における前記部材同士の対向面と反対の面に付設され、該部材同士を重ね合わせる重ね合わせ方向と反対の方向に向けて該一方の部材の変形を補助する変形補助罫線を備え、前記一方の部材は、前記変形補助罫線により前記部材同士の重ね合わせ方向と反対の方向に向けて突出する断面略凸形状に形成され、前記変形補助罫線を、前記一方の部材に設定した前記開封領域の周囲に対して該開封領域を囲むように付設した囲み補助罫線と、該一方の部材の縁部と前記囲み補助罫線との間に付設した直線状、あるいは、曲線状の線状補助罫線とで構成することができる。
【0022】
この発明によれば、所定量の内容物を収容するのに必要な容積をより確実に確保することができる。
詳しくは、囲み補助罫線を一方の部材における開封領域の周囲に対して囲むように付設して、該部材における囲み補助罫線と対応する部分を、部材同士の重ね合わせ方向と反対の方向に向けて変形させる。また、直線状、あるいは、曲線状の線状補助罫線を一方の部材における縁部と囲み補助罫線との間に付設して、該部材における縁部と囲み補助罫線との間に対応する部分を、部材同士の重ね合わせ方向と反対の方向に向けて変形させる。
【0023】
つまり、一方の部材における開封領域と対応する部分と、該部材における縁部と囲み補助罫線との間に対応する部分とを、囲み補助罫線と線状補助罫線との相乗作用によって重ね合わせ方向と反対の方向に向けて変形することができる。
【0024】
これにより、上述の囲み補助罫線、及び線状補助罫線のいずれか一方を付設するよりも、一方の部材を、部材同士の重ね合わせ方向と反対の方向に向けてより確実に変形することができるため、収容部の容積をより確実に大きくすることができる。
この結果、所定量の内容物をより確実に収容することができるとともに、開封部の開封機能が破損又は損傷することをより確実に防止することができる。
【0025】
またこの発明の態様として、前記一方の部材の縁部と、前記開封領域又は前記囲み補助罫線との間に対応する部分を、前記部材同士を重ね合わせた重ね合わせ方向と反対の外側に向けて突出する断面略弧状に形成することができる。
【0026】
この発明によれば、内容物を収容する収容部の容積をさらに大きくすることができる。
詳しくは、一方の部材の縁部と、囲み補助罫線との間の部分を、部材同士の重ね合わせ方向と反対の外側に向けて突出する断面略弧状に変形することにより、一方の部材における開封領域の周囲を変形するか、あるいは、一方の部材における縁部と、開封領域又は囲み補助罫線との間に対応する部分を変形させるよりも、収容部の容積をさらに大きくすることができる。
この結果、収容部に収容する内容物の収容量をさらに多くすることができる。
【0027】
またこの発明の態様として、前記シート部材の折り曲げを補助する直線状、あるいは、曲線状の折り曲げ罫線を、前記一方の部材の両側縁部と前記開封領域の両側縁部との間に付設し、前記折り曲げ罫線における前記一方の部材の両側縁部から前記開封領域の両側縁部に至る部分を、前記開封領域の長手方向の中央部と直交する線を基準線として、該基準線に対して所定の角度に変位させて付設することができる。
【0028】
この発明によれば、折り曲げ開封包装体を折り曲げた際に、開封部が一挙に破断されることを防止することができる。
詳しくは、例えば包装体の折り曲げにより破断される開封部(例えば切込み)を、該包装体の折り曲げ方向と直交する方向に向けて直線状に付設した場合、該直線状の開封部と、包装体を折り曲げた際に山側となる部分とが略直線状に一致するため、輸送や運搬等の際に付与される外力によって、包装体が折り曲げ方向に若干変形されるだけでも、開封部が破断されやすく、包装体内に封入した内容物が破断した開封部から漏洩することがある。
【0029】
これに対して、本願発明の折り曲げ開封包装体は、折り曲げ罫線における一方の部材の両側縁部から開封領域の両側縁部に至る部分を、該開封領域における長手方向の中央部と直交する線を基準線として、該基準線に対して所定の角度(具体的には約0.5度〜約5度の範囲に含まれる角度)に変位させて付設している。
【0030】
これにより、折り曲げ開封包装体を二つ折り状態に折り曲げた際、一方の部材に設けた開封部の中央部が先に破断されるとともに、先に開封された中央部から両端部に向けて連続して破断される。開封部の開封初期時は、開封部の開封された部分が小さいため、開封部から押し出される内容物の押し出し量を制限することができる。
【0031】
この結果、包装体を折り曲げて一方の部材に設けた開封部を開封する際に、内容物が一挙に押し出されることを防止することができる。
しかも、開封部の開封された部分は、一方の部材の折り曲げ動作に伴って徐々に大きくなるため、開封部から押し出される内容物の押し出し量を徐々に増加させることができる。
【0032】
さらに、シート部材に付設した折り曲げ罫線を、該シート部材を折り曲げた際に山側となる部分に対して交差しているため、上述のように直線状の開封部と、包装体を折り曲げた際に山側となる部分とが略直線状に一致するのに比べて、開封部を破断する際の抵抗が大きく、例えば輸送や運搬等においてシート部材が折り曲げ方向に若干変形されても、開封部が破断されにくく、収容部に収容した内容物が漏洩することを防止することができる。
【0033】
またこの発明の態様として、前記一方の部材を所定の折り曲げ角度以下に折り曲げた際に破断される封止材を、該部材を折り曲げた際に山側となる面に対して前記開封部を覆うように被覆することができる。
【0034】
上記封止材は、例えばアルミニウム箔、ステンレス箔、銅箔、鉄箔、樹脂フィルム等の肉厚が薄い箔体で構成することができる。箔体の一例として、肉厚5μ〜35μのアルミニウム箔を封止材として用いた場合、透湿性、ガス透過性、破断開封性の良好な破断開封包装体を得ることができる。ここで、ガス透過性とは、例えば酸素、水分、腐食性ガス等の透過を抑制するガスバリア性のことをいう。
【0035】
上述のアルミニウム箔に代わる透湿性、ガス透過性の良い他の材質として、例えばポリ塩化ビニリデン製のフィルムや、他の合成樹脂と複合した複合材、アルミ蒸着したガス透過性の良いフィルム等々、内容物の特性や物性に応じた材質で構成してもよく、引き裂き強度の弱い材質のものが望ましい。
【0036】
詳しくは、折り曲げ開封包装体を二つ折り状態に折り曲げて、シート部材における折り曲げた際に山側となる面に対して開封部を覆うように被覆した封止材を、シート部材の折り曲げ途中において伸び切るようにして破断する。
【0037】
この結果、折り曲げ開封包装体を二つ折り状態に折り曲げるだけで、シート部材の開封部を覆うように被覆した封止材を簡単かつ容易に破断することができるとともに、収容部に収容された内容物を、封止材を破断して開封した開封部からスムースに取り出すことができる。
【0038】
しかも、封止材を破断して開封するまでは、開封部が開封されることがなく、収容部に収容した内容物が外部へ漏洩することを防止することができるとともに、例えば塵埃や虫等の異物が開封部から収容部内に侵入することを防止することができる。
【発明の効果】
【0039】
この発明によれば、開封部の開封機能を破損又は損傷することなく、所定量の内容物を収容することができる折り曲げ開封包装体を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0041】
この発明の一実施形態を以下図面に基づいて詳述する。
(実施例1)
図1は実施例1の折り曲げ開封包装体10の説明図であり、詳しくは、
図1(a)は折り曲げ開封包装体10をシート部材20側から見た斜視図、
図1(b)は折り曲げ開封包装体10をシート部材20側から見た平面図である。
【0042】
図2は折り曲げ開封包装体10の構造説明図であり、詳しくは、
図2(a)は折り曲げ開封包装体10を短手方向Sの中央部で分断した断面図、及びa部拡大断面図、
図2(b)は(a)に示す折り曲げ開封包装体10における長手方向Lの中央部より右側の拡大断面図である。
【0043】
なお、後述する長手方向Lは、平面視略矩形を有する折り曲げ開封包装体10の長手方向Lと一致する方向であり、短手方向Sは、長手方向Lに対して平面方向において交差する方向である(
図1参照)。
【0044】
実施例1の折り曲げ開封包装体10は、1回の使用に必要な量の内容物Cを封入した平面視略矩形の包装体であり、人の指で二つ折り状態に折り曲げ可能な肉厚、硬さ(剛性)に形成した可撓性を有するシート部材20と、該シート部材20の片面に貼り合わせた柔軟性を有するフィルム部材30と、該部材20,30同士の対向面間に形成した所定量の内容物Cを収容する収容部40とを備えている(
図1、
図2参照)。
【0045】
シート部材20は、アモルファスポリエチレンテレフタレート製のシート基部20aと、ポリエチレン製のシール材20bとで構成され、シール材20bを、シート基部20aの表裏両面に対して該表裏両面を覆うように貼り合わせて平面視略矩形に形成している(
図2(a)のa部拡大図参照)。
【0046】
シート基部20aは、0.1mm〜1.0mmの範囲に含まれる肉厚、望ましくは0.2mm〜0.5mmの範囲に含まれる肉厚に形成している。シール材20bは、0.01mm〜0.5mmの範囲に含まれる肉厚、望ましくは0.03mm〜0.3mmの範囲に含まれる肉厚に形成している。
【0047】
ガスバリア性や防湿度性を必要とする内容物Cを収容する場合、例えば蒸着加工、コーティング加工、あるいは該加工を複合化する等して、図示しないシール層をシート基部20aとシール材20bの間に形成する。
【0048】
フィルム部材30は、100μの肉厚に形成した合成樹脂製のフィルム(例えば三菱樹脂株式会社製の商品名ダイアミロンF)で構成され、平面視略矩形を有するシート部材20の片面全体(部材20,30同士の対向面と反対の表面全体)を覆う大きさ、及び形状に形成している(
図2(a)(b)参照)。
【0049】
シート部材20、及びフィルム部材30は、フィルム部材30をシート部材20の片面に重ね合わせた際に、該部材20,30同士における重ね合わせ方向Tに重ね合わせた対向周縁部を一体的に接合(具体的には溶着、接着)している。
【0050】
収容部40は、部材20,30同士を接合した周縁部より内側の対向面間に形成している。該収容部40には、周縁部を接合する前において、部材20,30同士の一側縁部に形成された開口部から1回の使用に必要な量の内容物Cを充填している(
図2(a)(b)参照)。
【0051】
上述のシート部材20における部材20,30同士の対向面と反対の表面側中央部には、シート部材20の長手方向Lに向けて縦長の平面視略矩形の開封領域21Aを設定している。開封領域21A内には、シート部材20を二つ折り状態に折り曲げた際に破断し開封される開封部22を形成している(
図1(a)(b)参照)。
【0052】
開封部22は、シート部材20を所定の折り曲げ角度θ2以下に折り曲げた際に破断される未貫通の切込み231で構成している。切込み231は、該切込み231と対応する大きさ、形状、及び長さに形成した図示しない切込み付設刃を用いて、シート部材20における開封領域21A内の表面側中央部に対して平面視略弧状に形成している(
図2(a)、
図3(a)参照)。
【0053】
実施例1の切込み231は、シート部材20における短手方向Sの中央部と直交する垂直な線を図示しない仮想基準線として対称に形成するとともに、シート部材20に設定した開封領域21Aの短手方向Sの中央部から、部材20,30同士を接合したシート部材20の周縁部より内側の両側縁部に至る長さに形成している(
図1(a)(b)参照)。
【0054】
切込み231における短手方向Sの中央部から両端部に至る全長は、該切込み231における短手方向Sの中央部を基準として、シート部材20における長手方向Lの一端側に向けて弧状に湾曲する平面視略弧状に形成している(
図1(a)(b)参照)。
【0055】
切込み231を長さ方向から見た断面形状は、既存の公報に開示された断面略V字状や断面略U字状の罫線と同一形状に形成している。該切込み231の底部は、シート部材20を所定の折り曲げ角度θ2以下に折り曲げた際に破断される肉厚に形成している(
図2(a)のa部拡大断面図、
図3(a)参照)。
【0056】
切込み231における短手方向Sの中央部から両端部に至る部分は、シート部材20に設定した開封領域21Aの長手方向Lの中央部と直交する線を基準線として、該基準線に対して所定の角度θ1(具体的には約0.5度〜約5度の範囲に含まれる角度)に変位(具体的には湾曲又は傾斜)させて付設している(
図1(b)参照)。
【0057】
切込み231におけるシート部材20の両側縁部から開封領域21Aの両側縁部に至る部分は、シート部材20の折り曲げを補助する折り曲げ罫線の役目をする。シート部材20を二つ折り状態に折り曲げる際、切込み231は、シート部材20の折り曲げ動作に伴って該切込み231における短手方向Sの中央部から先に破断されるとともに、先に破断された中央部から両端部に向けて連続して破断される(
図3(a)(b)参照)。
【0058】
さらに、シート部材20における開封領域21Aの周囲には、部材20,30同士を重ね合わせる重ね合わせ方向Tと反対の方向に向けて、該シート部材20の変形を補助する変形補助罫線24Aを付設している(
図1(a)(b)参照)。
【0059】
変形補助罫線24Aは、平面視略矩形の囲み補助罫線25と、平面視略直線状の線状補助罫線26,27とで構成している。
囲み補助罫線25は、シート部材20に設定した開封領域21Aの四辺より長い補助罫線251,252を、シート部材20における開封領域21Aより一回り大きく、開封部22を含む開封領域21Aの周囲に対して該開封領域21Aを囲むように付設している(
図1(a)(b)参照)。
【0060】
線状補助罫線26は、シート部材20における四方の角隅部と、囲み補助罫線25における四方の角隅部との間と対応する長さに形成した4本の補助罫線261を、シート部材20の角隅部と、囲み補助罫線25の角隅部との間にそれぞれ付設している(
図1(a)(b)参照)。
【0061】
線状補助罫線27は、シート部材20の四辺と対応する長さに形成した補助罫線271,272を、シート部材20における部材20,30同士を接合した周縁部より内側の部分に付設している(
図1(a)(b)参照)。
【0062】
補助罫線25,26,27を長さ方向から見た断面形状は、既存の公報に開示された断面略V字状や断面略U字状の罫線と同一形状に形成している。
補助罫線25〜27は、所定角度で傾斜し相互に対峙する一対の側面部で構成している。該側面部同士が成す内側の角度は、約20度〜約120度の範囲に含まれる角度に設定している(
図2(b)参照)。
【0063】
つまり、補助罫線25〜27を付設する際に用いられる図示しない罫線付設刃の刃先角度に対応して、補助罫線25〜27における側面部同士が成す角度を大きくすれば、シート部材20における補助罫線25〜27を付設した部分が、罫線付設刃の厚みと対応する方向へより押し広げられるため、より容易に変形することができる。
【0064】
補助罫線27を長さ方向から見た断面形状は、所定角度で傾斜し相互に対峙する一対の側面部のうち一方の側面部を、収容部40と対応する側に向けて所定角度に傾斜し、他方の側面部を垂直に起立する角度に形成している(
図2(b)参照)。
【0065】
なお、補助罫線25,26,27は、該補助罫線25,26,27と対応する大きさ、形状、及び長さに形成した図示しない囲み補助罫線付設刃、及び線状補助罫線付設刃を用いてそれぞれ付設している。
【0066】
上述のシート部材20における罫線付設刃を押し付けた部分は、例えば刃先の形状や角度等に応じて罫線付設刃の厚みと対応する方向へ押し広げられるが、反対に、罫線付設刃を押し付けた部分と反対側の部分は押し広げられない。
【0067】
つまり、シート部材20に対する罫線付設刃の押し付けを解除して、該罫線付設刃をシート部材20から離間することにより、シート部材20における囲み補助罫線25、及び線状補助罫線26を付設した部分が、部材20,30同士の重ね合わせ方向Tと反対の方向に向けて変形される。
【0068】
さらに、シート部材20における囲み補助罫線25Fで囲まれた開封領域21A内の部分を略平坦な状態に保ったまま、シート部材20を、部材20,30同士の重ね合わせ方向Tと反対の外側に向けて突出する断面略凸形状に変形している(
図2(a)(b)参照)。
【0069】
これにより、シート部材20が、収容部40内に収容した内容物Cの圧力によって部材20,30同士の重ね合わせ方向Tと反対の方向に向けて歪な形状に撓み変形することを防止することができるとともに、所定量の内容物Cを収容するのに必要な容積を確保することができる。
この結果、内容物Cを収容する収容部40の容積が変動しにくく、所定量の内容物Cを確実に収容することができる。
【0070】
上述のように構成した実施例1の折り曲げ開封包装体10から内容物Cを取り出す際の方法について説明する。
図3は折り曲げ開封包装体10を開封する際の説明図であり、詳しくは、
図3(a)は折り曲げ開封包装体10を折り曲げ始めた状態の側面図、
図3(b)は折り曲げ開封包装体10を二つ折りした状態の側面図である。
【0071】
図4は折り曲げ開封包装体10から内容物Cを取り出す際の説明図であり、詳しくは、シート部材20における開封領域21A内の開封部22に形成した未貫通の切込み231を破断して内容物Cを取り出す際の部分拡大断面図である。
【0072】
実施例1の折り曲げ開封包装体10を、シート部材20の開封部22が下向きとなるように保持して二つ折り状態に折り曲げることにより、シート部材20における開封領域21A内の開封部22に形成した切込み231を破断して開封することができる(
図3(a)(b)参照)。
【0073】
つまり、折り曲げ開封包装体10におけるフィルム部材30側が内側で、該シート部材20側が外側となるように、折り曲げ開封包装体10における長手方向Lの両端部を、該両端部同士が折り曲げ方向Gに対して互いに重ね合わされるように折り曲げる(
図3(a)(b)参照)。
【0074】
折り曲げ開封包装体10を折り曲げ方向Gに向けて折り曲げ始めた際、シート部材20における開封領域21A内の開封部22に形成した切込み231が短手方向Sの中央部から先に破断されるとともに、先に破断された中央部から両端部に向けて連続して破断される(
図4参照)。
【0075】
このため、折り曲げ開封包装体10の折り曲げ開始時は、切込み231の破断される部分が小さく、該切込み231から押し出される内容物Cの押し出し量を制限することができる。
この結果、折り曲げ開封包装体10を折り曲げた際に、開封部22の切込み231が一挙に破断されることを防止することができる。
【0076】
しかも、切込み231の破断される部分は、シート部材20の折り曲げ動作に伴って徐々に大きくなるため、収容部40から押し出される内容物Cの押し出し量を徐々に増加させることができる。
これにより、収容部40に収容された内容物Cが一挙に押し出されることを防止することができる。
【0077】
さらに、切込み231におけるシート部材20の両側縁部から開封領域21Aの両側縁部に至る部分は、実施例6の折り曲げ罫線202と同様に、シート部材20の折り曲げを補助する折り曲げ罫線の役目をする。
【0078】
つまり、切込み231における実施例6の折り曲げ罫線202と対応する部分を、該シート部材20を折り曲げた際に山側となる部分に対して交差しているため、例えば直線状の切込みと、包装体を折り曲げた際に山側となる部分とが略直線状に一致するのに比べて、切込み231を破断する際に付与される折り曲げ抵抗が大きい。
【0079】
このため、例えば輸送や運搬等においてシート部材20が折り曲げ方向Gに若干変形されても、切込み231が破断されにくく、収容部40に収容した内容物Cが漏洩することを確実に防止することができる。
【0080】
さらにまた、切込み231が一挙に破断されることを防止するために、シート部材20の肉厚を厚くする必要がなく、シート部材20を構成する材料の使用量が少なくて済み、折り曲げ開封包装体10の製造に要するコストを低減することができる。
【0081】
さらにまた、内容物Cを収容する収容部40を、シート部材20を所定の形状に変形させて形成するため、シート部材20又はフィルム部材30に生じる変形を少なくすることができるとともに、包装体としての意匠性を向上させることができる。
【0082】
さらにまた、所定量の内容物Cを、シート部材20を変形させて形成した収容部40に収容するため、シート部材20自体の復元力が内容物Cに付与されにくく、例えばシートとフィルムの間に内容物Cを圧入するよりも、収容部40内に生じる圧力を減少させることができる。
【0083】
これにより、シート部材20、及びフィルム部材30に生じる変形を少なくすることができるとともに、部材20,30同士を接合した周縁部のシール部分が破損又は損傷することを防止することができる。
【0084】
さらにまた、フィルム部材30の表面に、該表面に印刷された内容物Cに関する表示内容(文字や図柄等)の読み取りが困難になる程の変形が生じることを防止することができるため、フィルム部材30の表面に印刷された表示内容が読み取りやすく、フィルム部材30側の意匠性を向上させることができる。
【0085】
さらにまた、シート部材20を変形させて収容部40を形成するため、折り曲げ開封包装体10自体に反り等の変形が生じることを防止することができるとともに、構造的強度を高めることができる。
これにより、折り曲げ開封包装体10の開封構造は、面積が大きい大型の包装体にも適用することが可能であり、折り曲げ開封包装体10を販売する販路をより拡大することができる。
【0086】
さらにまた、一般的な包装体の場合、変形が生じにくいシートに印刷や加工を施しているが、実施例1の折り曲げ開封包装体10は、フィルム部材30を表としてデザインを施してもよく、デザイン性、及び意匠性に優れた包装体とすることができる。
【0087】
さらにまた、フィルム部材30はシート部材20より肉厚が薄く、例えば印刷や加工等が容易、かつ安価に施すことができるため、シート部材20に印刷を施すより製造コストを低減することができる。
【0088】
以下、上述の折り曲げ開封包装体10のその他の例について説明する。この説明において、前記構成と同一または同等の部位については同一の符号を記してその詳しい説明を省略する。
【0089】
(実施例2)
上述の実施例1では、囲み補助罫線25、及び線状補助罫線26を接続した例について説明したが、
図5に示すように、変形補助罫線24Aにおける囲み補助罫線25、及び線状補助罫線26を個々の罫線に分離して付設した実施例2の折り曲げ開封包装体10について説明する。
【0090】
図5は実施例2の折り曲げ開封包装体10の説明図であり、詳しくは、
図5(a)は折り曲げ開封包装体10をシート部材20側から見た斜視図、
図5(b)は折り曲げ開封包装体10をシート部材20側から見た平面図である。
【0091】
実施例2の折り曲げ開封包装体10は、変形補助罫線24Aにおける囲み補助罫線25を4本の補助罫線251,252に分離して個々に付設するとともに、線状補助罫線26を4本の補助罫線261に分離して個々に付設している。
補助罫線251,252における四方の角隅部を所定間隔に離間するとともに、補助罫線261を補助罫線251,252における四方の角隅部に対して所定間隔に離間している(
図5(a)(b)参照)。
【0092】
つまり、補助罫線251,252,261を個々に付設しているため、シート部材20における開封領域21Aより外側の部分を、部材20,30同士の重ね合わせ方向Tと反対の方向に向けて個々に変形させることができる(
図5(a)(b)参照)。
【0093】
これにより、シート部材20を、部材20,30同士の重ね合わせ方向Tと反対の外側に向けて断面略凸形状に突出する状態により容易に変形することができる。
上記補助罫線251,252,261を個々の付設する以外の構成は実施例1と略同一であるため、実施例1と略同等の作用、及び効果を奏することができる。
【0094】
(実施例3)
上述の実施例1又は2では、シート部材20に設定した開封領域21Aを平面視略矩形に形成した例について説明したが、
図6に示すように、開封領域21Bを平面視略正方形に形成した実施例3の折り曲げ開封包装体10について説明する。
【0095】
図6は実施例3の折り曲げ開封包装体10の説明図であり、詳しくは、
図6(a)は折り曲げ開封包装体10をシート部材20側から見た斜視図、
図6(b)は折り曲げ開封包装体10をシート部材20側から見た平面図である。
【0096】
実施例3の折り曲げ開封包装体10は、シート部材20に設定した開封領域21Bを平面視略正方形に形成するとともに、実施例1の開封領域21Aより面積が小さくなるように形成している(
図6(a)(b)参照)。
【0097】
実施例1の開封領域21Aの面積は、実施例3の開封領域21Bの面積より大きく、シート部材20を大きく変形することができる。すなわち、シート部材20の変形に対応して収容部40の容積を大きくすることができるため、内容物Cを多く収容することができる(
図6(a)(b)参照)。
【0098】
これに対して、開封領域21Bの面積は、開封領域21Aの面積より小さく、シート部材20の変形が小さいため、実施例1に比べて収容部40の容積が小さくなるが、内容物Cを少量収容するのに適している。
上記開封領域21Bを平面視略正方形に形成する以外の構成は実施例1と略同一であるため、実施例1と略同等、あるいは、同等以上の作用、及び効果を奏することができる。
【0099】
(実施例4)
上述の実施例1〜3では、シート部材20における補助罫線25,26と対応する部分を変形する例について説明したが、
図7に示すように、補助罫線25,26以外の部分を変形する実施例4の折り曲げ開封包装体10について説明する。
【0100】
図7は囲み補助罫線25、及び線状補助罫線27を付設する罫線付設装置50の説明図であり、詳しくは、
図7(a)はシート部材20における囲み補助罫線25、及び線状補助罫線27を付設した部分の拡大断面図、
図7(b)はシート部材20における補助罫線25,27の間と対応する部分を変形した状態の拡大断面図である。
【0101】
実施例4の罫線付設装置50は、囲み補助罫線25の補助罫線251(252)を付設する両刃型の罫線付設刃51と、線状補助罫線27の補助罫線271(272)を付設する片刃の罫線付設刃52とを、上方に配置した上型501の下面に取り付けている(
図7(a)参照)。
【0102】
上型501の下方に配置した下型502の載置面には、補助罫線25,27の間と対応する大きさ、及び形状に形成した平面視略凸形状の凸部503を、該罫線付設刃51,52の間と対応する部分に載置又は形成している。凸部503は、滑らかな曲線を有する断面略弧状に形成している(
図7(a)参照)。
【0103】
なお、罫線付設刃51,52の刃先は、補助罫線251(252),271(272)の断面形状と対応する刃先形状に形成している。また、凸部503の高さは、シート部材20の肉厚と略同等、あるいは、同等以上の高さに形成している。
【0104】
補助罫線25,27をシート部材20に付設する際に、上型501の罫線付設刃51,52を、下型502に載置されたシート部材20に押し付けて、シート部材20における囲み補助罫線25の補助罫線251(252)と、線状補助罫線27の補助罫線271(272)との間の平坦な部分を、凸部503により部材20,30同士の重ね合わせ方向Tと反対の外側に向けて突出する断面略弧状に変形する(
図7(a)参照)。
【0105】
シート部材20に対する罫線付設刃51,52の押し付けを解除して、該罫線付設刃51,52をシート部材20から離間させると、シート部材20における囲み補助罫線25、及び線状補助罫線26を付設した部分と、囲み補助罫線25と線状補助罫線27との間の平坦な部分とが、部材20,30同士の重ね合わせ方向Tと反対の外側に向けて弧状に湾曲する断面形状に相乗して変形する(
図7(a)(b)参照)。
【0106】
これにより、囲み補助罫線25、及び線状補助罫線26を付設した部分を変形するよりも、収容部40の容積をさらに大きくすることができる。
この結果、折り曲げ開封包装体10のサイズを変更することなく、収容部40に収容する内容物Cの収容量をさらに多くすることができる。
【0107】
上記シート部材20における補助罫線25,27の間を変形する以外の構成は実施例1と略同一であるため、実施例1と略同等、あるいは、同等以上の作用、及び効果を奏することができる。
【0108】
(実施例5)
上述の実施例1〜4では、囲み補助罫線25、及び線状補助罫線26の両方を付設した例について説明したが、
図8に示すように、平面視略弧状の変形補助罫線24Bのみを付設した実施例5の折り曲げ開封包装体10について説明する。
【0109】
図8は実施例5の折り曲げ開封包装体10の説明図であり、詳しくは、
図8(a)は折り曲げ開封包装体10をシート部材20側から見た斜視図、
図8(b)は折り曲げ開封包装体10をシート部材20側から見た平面図である。
【0110】
実施例5の折り曲げ開封包装体10は、シート部材20に設定した開封領域21A内の開封部22に、シート部材20を所定の折り曲げ角度θ2以下に折り曲げた際に破断される未貫通の切込み232を形成している。
切込み232は、実施例1の切込み231より短く、開封領域21Aより内側に付設される長さに形成している(
図3(a)、
図8(a)(b)参照)。
【0111】
平面視略弧状の変形補助罫線24Bを、シート部材20における短手方向Sの中央部を通る垂直な線を図示しない仮想基準線として、シート部材20に設定した開封領域21Aの両側部に付設している(
図8(b)参照)。
【0112】
変形補助罫線24Bは、シート部材20における短手方向Sの中央部に向けて弧状に湾曲する形状に形成するとともに、該変形補助罫線24Bの中央部をシート部材20に設定した開封領域21Aの両側縁部に対して所定間隔に離間している(
図8(b)参照)。
【0113】
シート部材20の一側(左側)、及び他側(右側)に付設した変形補助罫線24Bの両端部は、シート部材20における一側(左側)、及び他側(右側)の角隅部にそれぞれ接続している。
【0114】
つまり、シート部材20における開封領域21Aより外側の部分を、部材20,30同士の重ね合わせ方向Tと反対の方向に向けて変形させて、シート部材20を、部材20,30同士の重ね合わせ方向Tと反対の外側に向けて断面略凸形状に突出する状態に変形している(
図8(a)参照)。
【0115】
この結果、シート部材20における変形補助罫線24Bの間に形成された開封領域21A内の開封部22を設けた部分に変形が生じにくく、開封部22の開封機能が破損又は損傷することを防止することができる。
【0116】
しかも、実施例1の折り曲げ開封包装体10に比べて付設する罫線の本数が少なくて済み、2本の変形補助罫線24Bと対応する部分を変形するため、所定量の内容物Cを収容するのに必要な容積に容易に変形することができる。
【0117】
さらに、シート部材20における長手方向Lの中央部と直交する短手方向Sの両端部には、該短手方向Sの両端部から中央部に向けて凹状に窪んだ窪み部201を形成している(
図8(a)(b)参照)。
【0118】
つまり、シート部材20における長手方向Lの中央部と直交する短手方向Sの両端部を、窪み部201の分だけ他の部分よりも幅狭に形成しているため、該シート部材20における長手方向Lの中央部の剛性が他の部分に比べて弱く、折り曲げ開封包装体10を二つ折り状態に折り曲げる動作が容易に行える。
上記変形補助罫線24B、及び窪み部201以外の構成は実施例1と略同一であるため、実施例1と略同等、あるいは、同等以上の作用、及び効果を奏することができる。
【0119】
(実施例6)
上述の実施例5では、2本の変形補助罫線24Bを付設した例について説明したが、
図9に示すように、4本の変形補助罫線24B〜24Dを付設した実施例6の折り曲げ開封包装体10について説明する。
【0120】
図9は実施例6の折り曲げ開封包装体10の説明図であり、詳しくは、
図9(a)は折り曲げ開封包装体10をシート部材20側から見た平面図、
図9(b)は折り曲げ開封包装体10をシート部材20側から見た平面図である。
【0121】
図9(a)の折り曲げ開封包装体10は、変形補助罫線24Bより短い平面視略弧状の変形補助罫線24Cを、シート部材20に設定した平面視略正方形の開封領域21Bの両側部に配置した変形補助罫線24Bの間に対して上下対称に付設している。
【0122】
図9(b)の折り曲げ開封包装体10は、変形補助罫線24Bより短い平面視略弧状の変形補助罫線24Dを、シート部材20における四方の角隅部と、囲み補助罫線25における四方の角隅部との間に付設している。
【0123】
つまり、シート部材20における開封領域21Bより外側の部分を、部材20,30同士の重ね合わせ方向Tと反対の方向に向けて変形させて、シート部材20を、部材20,30同士の重ね合わせ方向Tと反対の外側に向けて断面略凸形状に突出する状態に変形している。
上記変形補助罫線24B〜24Dを付設した以外の構成は実施例1と略同一であるため、実施例1と略同等、あるいは、同等以上の作用、及び効果を奏することができる。
【0124】
しかも、シート部材20における開封領域21B内の開封部22に形成した切込み232の両端部と、該シート部材20における部材20,30同士を接合した周縁部より内側の両側縁部との間には、シート部材20の折り曲げを補助する曲線状又は直線状の折り曲げ罫線202を付設している(
図9(a)(b)参照)。
【0125】
折り曲げ罫線202は、シート部材20に設定した開封領域21Bの長手方向Lの中央部と直交する線を基準線として、実施例1で説明した所定の角度θ1に付設している(
図9(a)(b)参照)。
【0126】
つまり、折り曲げ開封包装体10を二つ折り状態に折り曲げる際に、折り曲げ開封包装体10の折り曲げを折り曲げ罫線202により補助するため、二つ折りする際の折り曲げ抵抗が小さくなる。
【0127】
これにより、折り曲げ開封包装体10を正確かつ容易に二つ折り状態に折り曲げることができるとともに、シート部材20における開封領域21B内の開封部22に形成した切込み232を確実に破断して開封することができる。
【0128】
(実施例7)
上述の実施例6では、平面視略弧状の変形補助罫線24B〜24D、平面視略矩形の囲み補助罫線25を付設した例について説明したが、
図10に示すように、平面視略直線状の変形補助罫線24E、あるいは、平面視略菱形の囲み補助罫線25Eを付設した実施例7の折り曲げ開封包装体10について説明する。
【0129】
図10は実施例7の折り曲げ開封包装体10の説明図であり、詳しくは、
図10(a)は折り曲げ開封包装体10をシート部材20側から見た平面図、
図10(b)は折り曲げ開封包装体10をシート部材20側から見た平面図である。
【0130】
図10(a)の折り曲げ開封包装体10は、平面視略直線状の変形補助罫線24Eを、シート部材20の長手方向Lと平行して該シート部材20に設定した開封領域21Bの両側部に付設している。
【0131】
図10(b)の折り曲げ開封包装体10は、シート部材20の中央平面部に設定した平面視略菱形を有する開封領域21Cの周囲に、該開封領域21Cより一回り大きい平面視略菱形の囲み補助罫線25Eを付設している。
シート部材20における四方の角隅部と、囲み補助罫線25Eにおける四方の斜辺部との間には、直線状又は曲線状の変形補助罫線24Eをそれぞれ付設している。
【0132】
つまり、シート部材20における開封領域21B,21Cより外側の部分を、部材20,30同士の重ね合わせ方向Tと反対の方向に向けて変形させて、シート部材20を、部材20,30同士の重ね合わせ方向Tと反対の外側に向けて断面略凸形状に突出する状態に変形している(
図10(a)(b)参照)。
【0133】
この結果、変形補助罫線24Eの間に形成した開封領域21B内の開封部22を設けた部分と、囲み補助罫線25Eで囲まれた開封領域21C内の開封部22を設けた部分とに変形が生じにくく、開封部22の開封機能が破損又は損傷することを防止することができる。
【0134】
上記変形補助罫線24E,25Eを付設した以外の構成は実施例1と略同一であるため、実施例1と略同等、あるいは、同等以上の作用、及び効果を奏することができる。
なお、シート部材20における開封領域21B,21C内の開封部22には、切込み232を形成している。切込み232の両側には、折り曲げ罫線202を付設している。
【0135】
(実施例8)
上述の実施例1〜7では、折り曲げ開封包装体10を平面視略矩形に形成した例について説明したが、
図11に示すように、平面視略楕円形に形成した実施例8の折り曲げ開封包装体10について説明する。
【0136】
図11は実施例8の折り曲げ開封包装体10の説明図であり、詳しくは、
図11(a)は折り曲げ開封包装体10をシート部材20側から見た斜視図、
図11(b)は折り曲げ開封包装体10をシート部材20側から見た平面図である。
【0137】
実施例8の折り曲げ開封包装体10は、シート部材20、及びフィルム部材30を平面視略楕円形に形成し、平面視略楕円形の開封領域21Dをシート部材20の中央平面部に設定している(
図11(a)(b)参照)。
【0138】
開封領域21Dの周囲には、該開封領域21Dより一回り大きい平面視略楕円形の囲み補助罫線25Fを付設している。シート部材20の周縁部より内側の部分には、該シート部材20より一回り小さい平面視略楕円形状の線状補助罫線27Fを付設している(
図11(a)(b)参照)。
【0139】
つまり、シート部材20における囲み補助罫線25Fで囲まれた開封領域21D内の部分を略平坦な状態に保ったまま、シート部材20における開封領域21Dより外側の部分を、部材20,30同士の重ね合わせ方向Tと反対の方向に向けて変形させて、シート部材20における周縁部より内側の部分を、部材20,30同士の重ね合わせ方向Tと反対の外側に向けて断面略凸形状に突出する状態に変形している(
図11(a)(b)参照)。
【0140】
上記折り曲げ開封包装体10を平面視略楕円形に形成した以外の構成は実施例1と略同一であるため、実施例1と略同等、あるいは、同等以上の作用、及び効果を奏することができる。
【0141】
しかも、実施例1のような角張った部分を有する折り曲げ開封包装体10に比べて、平面視略楕円形を有する折り曲げ開封包装体10の周縁部分に内容物Cが留まりにくく、略全ての内容物Cを取り出すことができる。また、指で摘まんで折り曲げる際、指が傷付くことを防止できるとともに、折り曲げる際に感じる痛みを緩和することができる。
【0142】
なお、シート部材20における開封領域21D内の開封部22には、切込み232を形成している。切込み232の両側には、折り曲げ罫線202を付設している。
また、実施例1〜7では折り曲げ開封包装体10を平面視略矩形、平面視略楕円形に形成した例について説明したが、二つ折り状態に折り曲げ可能な形状であれば、折り曲げ開封包装体10を実施例以外の所望する形状に形成してもよい。
【0143】
(実施例9)
上述の実施例1〜8では、開封部22をシート部材20の中央部に設けた例について説明したが、
図12に示すように、開封部22をシート部材20の中央部以外の部分に設けた実施例9の折り曲げ開封包装体10について説明する。
【0144】
図12は実施例9の折り曲げ開封包装体10の説明図であり、詳しくは、
図12(a)は開封部22をシート部材20の角隅側平面部に設けた折り曲げ開封包装体10をシート部材20側から見た平面図、
図12(b)は開封部22をシート部材20の短手側平面部に設けた折り曲げ開封包装体10をシート部材20側から見た平面図である。
【0145】
図12(a)の折り曲げ開封包装体10は、開封部22を、シート部材20の角隅側平面部に設定した平面視略三角形の開封領域21E内に設けるとともに、変形補助罫線24Fをシート部材20における三方の縁部と、開封領域21Eにおける一側縁部との間に複数本付設し、一部の変形補助罫線24F同士を交差して付設している。
【0146】
図12(b)の折り曲げ開封包装体10は、開封部22を、シート部材20の短手側平面部寄りに設定した平面視略矩形の開封領域21F内に設けるとともに、変形補助罫線24Fをシート部材20における四方の角隅部と、開封領域21Fの周囲に付設した囲み補助罫線25における周縁部との間に複数本付設している。
【0147】
つまり、シート部材20における変形補助罫線24Fを付設した部分を、部材20,30同士の重ね合わせ方向Tと反対の方向に向けて変形させるため、シート部材20を、部材20,30同士の重ね合わせ方向Tと反対の外側に向けて断面略凸形状に突出する状態に変形することができる(
図12(a)(b)参照)。
【0148】
この結果、開封部22をシート部材20における所望する箇所に設けるとともに、変形補助罫線24Fを所望する箇所に所望する本数付設することにより、収容部40を所望する容積、大きさ、及び形状に形成することができる。
なお、囲み補助罫線25を、
図12(a)に示す開封領域21Eの周囲に対して該開封領域21Eを囲むように付設してもよい。
【0149】
上記開封部22をシート部材20における所望する箇所に設ける以外の構成は実施例1と略同一であるため、実施例1と略同等、あるいは、同等以上の作用、及び効果を奏することができる。
なお、シート部材20における開封領域21E,21F内の開封部22には、切込み232を形成している。切込み232の両側には、折り曲げ罫線202を付設している。
【0150】
(実施例10)
上述の実施例1では、未貫通の切込み231をシート部材20の折り曲げにより破断して開封する例について説明したが、
図13、
図14に示すように、開封部22に形成した貫通済みの切込み233を覆うように被覆した封止材28を破断して開封する実施例10の折り曲げ開封包装体10について説明する。
【0151】
図13は実施例10の折り曲げ開封包装体10の説明図であり、詳しくは、
図13(a)は折り曲げ開封包装体10をシート部材20側から見た斜視図、
図13(b)は折り曲げ開封包装体10をシート部材20側から見た平面図である。
【0152】
図14は折り曲げ開封包装体10から内容物Cを取り出す際の説明図であり、詳しくは、シート部材20における封止材28を破断して開封した開封部22の切込み233から内容物Cを取り出す際の部分拡大断面図である。
【0153】
実施例10の折り曲げ開封包装体10は、切込み233を、シート部材20に設定した開封領域21A内の開封部22に厚み方向に貫通して形成するとともに、アルミニウム箔製の封止材28を、シート部材20を折り曲げた際に山側となる面に対して開封領域21A内の開封部22の切込み233を覆うように貼着している。該封止材28はシート部材20を所定の折り曲げ角度θ2以下に折り曲げた際に破断される肉厚に形成している(
図3(a)、
図13(a)(b)参照)。
【0154】
すなわち、折り曲げ開封包装体10を二つ折り状態に折り曲げるだけで、シート部材20における開封領域21A内の開封部22の切込み233を覆うように貼着した封止材28を、シート部材20の折り曲げ途中において伸び切るようにして簡単かつ容易に破断することができる(
図14参照)。
【0155】
しかも、封止材28を破断して開封するまでは、開封部22の切込み233が開封されることがなく、収容部40に収容した内容物Cが外部へ漏洩することを確実に防止することができるとともに、例えば塵埃や虫等の異物が開封部22の切込み233から収容部40内へ侵入することを防止することができる。
【0156】
さらに、シート部材20を所定の折り曲げ角度θ2以下に折り曲げて、切込み233における弧状の舌片部233aを外側に向けて斜めに突出するため、切込み233から流出する内容物Cは舌片部233cに接触しながら押し出される(
図14参照)。
これにより、内容物Cが一挙に押し出されにくく、内容物Cが周囲に飛び散ることをより確実に防止することができる。
【0157】
上記封止材28を貼着する以外の構成は実施例1と略同一であるため、実施例1と略同等、あるいは、同等以上の作用、及び効果を奏することができる。
なお、シート部材20における切込み233の両側には、折り曲げを補助する折り曲げ罫線202を付設している。
【0158】
(実施例11)
上述の実施例10では、封止材28を破断して開封する例について説明したが、
図15に示すように、封止材28の破断を補助する破断補助シート29を備えた実施例11の折り曲げ開封包装体10について説明する。
【0159】
図15は実施例11の折り曲げ開封包装体10の説明図であり、詳しくは、
図15(a)は折り曲げ開封包装体10をシート部材20側から見た平面図、
図15(b)は折り曲げ開封包装体10を短手方向Sの中央部で分断した断面図である。
【0160】
実施例11の折り曲げ開封包装体10は、封止材28の破断を補助する破断補助シート29を、シート部材20に設定した開封領域21A内の開封部22の切込み233を覆うように貼着した後、封止材28を、破断補強シート29の上面に対して開封部22の切込み233を覆うように貼着している(
図15(a)(b)参照)。
【0161】
破断補助シート29は、シート部材20の開封領域21Aより小さく、封止材28より大きいサイズに形成するとともに、シート部材20と同等の肉厚、あるいは、同等以上の肉厚に形成している。さらに破断補助シート29には、開封部22の切込み233を厚み方向に貫通して形成している(
図15(a)(b)参照)。
【0162】
すなわち、シート部材20に設定した開封領域21A内の開封部22に形成した切込み233以外の部分を、破断補強シート29により平坦な状態に補強しているため、折り曲げ開封包装体10を二つ折り状態に折り曲げた際、シート部材20、及び破断補強シート29が切込み233以外の部分にて山形に折り曲げられることを防止することができる。
【0163】
しかも、シート部材20を折り曲げた際に山側となる面の曲率半径よりも、破断補助シート29を折り曲げた際に山側となる面の曲率半径が大きいため、シート部材20に設定した開封領域21A内の開封部22の切込み233を覆うように被覆した封止材28をより確実に破断して開封することができる。
【0164】
上記破断補強シート29を貼着する以外の構成は実施例10と略同一であるため、実施例10と略同等、あるいは、同等以上の作用、及び効果を奏することができる。
なお、シート部材20における切込み233の両側には、折り曲げを補助する折り曲げ罫線202を付設している。
【0165】
また、破断補助シート29を、例えば封止材28と略同等の大きさ、及び形状に形成するか、あるいは、シート部材20における囲み補助罫線25で囲まれた中央平面部を覆う大きさ、及び形状に形成してもよい。さらにまた、破断補助シート29を、シート部材20における収容部40と対応する裏面側に貼着してもよい。
【0166】
(実施例12)
上述の実施例1〜11では、開封部22の切込み231,232を破断、あるいは、切込み233を覆う封止材28を破断して開封する開封構造の他の例として、
図16に示すように、開封部22を剥離して開封する実施例12の折り曲げ開封包装体10について説明する。
【0167】
図16は実施例11の折り曲げ開封包装体10の説明図であり、詳しくは、
図16(a)はシート部材20における剥離して開封する開封部22の拡大断面図、
図16(b)は剥離して開封した開封部22の切込み233から内容物Cを取り出す際の部分拡大断面図である。
【0168】
実施例12の折り曲げ開封包装体10は、切込み233を、シート部材20のシート基部20aに形成した切込み233aと、表側のシール材20bに形成した切込み233bとで構成している。
【0169】
シート基部20a、及びシール材20bにおける切込み233a,233bの間と対応する開封領域21A内の対向面同士は、該対向面間に介在した再剥離可能な粘着力を有する接着層N1にて再剥離可能に貼着している。
該開封領域21Aより外側の対向面同士は、該対向面間に介在した再剥離不可能な接着力を有する接着層N2にて剥離不可能に接着している(
図16(a)参照)。
【0170】
折り曲げ開封包装体10を二つ折り状態に折り曲げて、シート基部20a、及びシール材20bにおける切込み233a,233bの間と対応する開封領域21A内の対向面同士を、接着層N1の粘着力に抗して剥離開封するため、シート基部20a、及びシール材20bにおける切込み233a,233bを連通することができる(
図16(b)参照)。
【0171】
これにより、実施例1〜11の切込み231,232を破断、あるいは、切込み233を覆う封止材28を破断して開封するよりも、シート基部20a、及びシール材20bにおける切込み233a,233bの間と対応する部分を簡単かつ容易に剥離開封することができる。
【0172】
この結果、収容部40に収容した内容物Cを、シート部材20における開封部22を剥離して連通した切込み233a,233bからスムースに取り出すことができる。
【0173】
しかも、切込み233a,233bの間における剥離可能に貼着した部分を開封した際、切込み233a,233bから流出する内容物Cは舌片部233cに接触しながら押し出されるため、内容物Cが一挙に押し出されにくく、内容物Cが周囲に飛び散ることを防止できる。
上記開封部22を剥離開封する以外の構成は実施例10と略同一であるため、実施例10と略同等、あるいは、同等以上の作用、及び効果を奏することができる。
【0174】
(実施例13)
上述の実施例1〜12では、1つの収容部40を形成した例について説明したが、
図17に示すように、2つの収容部40を形成した実施例13の折り曲げ開封包装体10について説明する。
図17は実施例11の折り曲げ開封包装体10の説明図であり、詳しくは、図は2つの収容部40を備えた折り曲げ開封包装体10をシート部材20側から見た平面図である。
【0175】
実施例13の折り曲げ開封包装体10は、収容部40を、部材20,30同士を重ね合わせた長手方向Lの中央部より上側の対向面間、及び下側の対向面間にそれぞれ形成している。切込み232を有する開封部22を、シート部材20における長手方向Lの中央部(具体的には隣り合う収容部40の間)に設定した開封領域21A内に形成している(
図17参照)。
【0176】
折り曲げ開封包装体10を二つ折り状態に折り曲げて、シート部材20における開封領域21A内の開封部22に形成した切込み232を破断して開封することにより、隣り合う2つの収容部40を連通することができる。
この結果、折り曲げ開封包装体10の折り曲げ動作に伴って、2つの収容部40に収容された内容物Cを、破断して開封した切込み232から略同時に取り出すことができる。
【0177】
上記2つの収容部40を形成した以外の構成は実施例1と略同一であるため、実施例1と略同等、あるいは、同等以上の作用及び効果を奏することができる。
なお、封止材28を、シート部材20の開封部22に形成した切込み231(232)を覆うように貼着してもよい。また、切込み231(232)の代わりに、切込み233を設けてもよい。
【0178】
(実施例14)
上述の実施例1〜13では、シート部材20とフィルム部材30の対向周縁部を接合した例について説明したが、
図18に示すように、一対のフィルム部材30の対向周縁部を接合した実施例14の折り曲げ開封包装体10について説明する。
【0179】
図18は実施例14の折り曲げ開封包装体10の説明図であり、詳しくは、
図18(a)はシート部材20を一対のフィルム部材30の間に挟み込んだ折り曲げ開封包装体10を短手方向Sの中央部で分断した断面図、
図18(b)はシート部材20を一対のフィルム部材30のうち一方のフィルム部材30に貼着した折り曲げ開封包装体10を短手方向Sの中央部で分断した断面図である。
【0180】
図18(a)の折り曲げ開封包装体10は、シート部材20を、一対のフィルム部材30の間に挟み込むととともに、一対のフィルム部材30におけるシート部材20の周縁部より外側にて重ね合わせた対向周縁部を一体的に接合している。
【0181】
図18(b)の折り曲げ開封包装体10は、シート部材20を、一対のフィルム部材30のうち一方のフィルム部材30の表面側に貼り合わせるとともに、一対のフィルム部材30におけるシート部材20の周縁部より外側にて重ね合わせた対向周縁部を一体的に接合している。
【0182】
すなわち、実施例1のようにシート部材20とフィルム部材30における肉厚が異なる対向周縁部を接合するよりも、シート部材20より肉厚が薄いフィルム部材30同士の対向周縁部を接合する方が、より高速にて接合することができる。
上記一対のフィルム部材30の対向周縁部を接合する以外の構成は実施例1と略同一であるため、実施例1と略同等、あるいは、同等以上の作用及び効果を奏することができる。
【0183】
この発明の構成と、前記実施形態との対応において、
この発明の一方の部材は、実施形態のシート部材20に対応し、
以下同様に、
他方の部材は、フィルム部材30に対応するも、
この発明は、上述の実施形態の構成のみに限定されるものではなく、請求項に示される技術思想に基づいて応用することができ、多くの実施の形態を得ることができる。
上述の実施例1〜14では、折り曲げ開封包装体10を、シート部材20とフィルム部材30を互いに貼り合わせて構成したが、例えばシート部材20同士を互いに貼り合わせて構成してもよい。
【0184】
また、変形補助罫線24は、実施例1〜13で説明した付設箇所や本数、形状のみに限定されるものではなく、例えば折り曲げ開封包装体10の大きさや形状、あるいは、内容物Cの収容量や重量、体積等に応じて変更することができる。
【0185】
さらに、シート部材20の開封領域21A〜21Fを、例えば平面視略丸形、平面視略三角形等の所望する形状に変更してもよく、実施例の形状のみに限定されるものではない。
【0186】
さらに、実施例1〜14では、変形補助罫線24、及び折り曲げ罫線202をシート部材20の片面(表面)に付設した例について説明したが、変形性、及び折り曲げ性をより向上させるために、シート部材20の両面(表裏両面)に付設してもよい。
さらにまた、実施例5の窪み部201を、実施例1〜4、あるいは、実施例6〜13の折り曲げ開封包装体10に採用してもよい。
【解決手段】折り曲げ開封包装体10は、シート部材20とフィルム部材30を互いに貼り合わせて、所定量の内容物Cを部材20,30同士の対向面間に形成した収容部40に収容している。シート部材20の変形を補助する変形補助罫線24Aのうち囲み補助罫線25をシート部材20に設定した開封領域21Aの周囲に付設し、線状補助罫線26をシート部材20の角隅部と囲み補助罫線25の角隅部との間に付設し、線状補助罫線27をシート部材20における部材20,30同士を接合した周縁部より内側の部分に付設している。これにより、シート部材20を、部材20,30同士の重ね合わせ方向Tと反対の外側に向けて突出する断面略凸形状に変形している。