(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6042960
(24)【登録日】2016年11月18日
(45)【発行日】2016年12月14日
(54)【発明の名称】ターボチャージャ配置構成
(51)【国際特許分類】
F02B 39/16 20060101AFI20161206BHJP
G01J 5/00 20060101ALI20161206BHJP
G01J 5/02 20060101ALI20161206BHJP
【FI】
F02B39/16 H
G01J5/00 101A
G01J5/02 T
【請求項の数】12
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2015-217544(P2015-217544)
(22)【出願日】2015年11月5日
(65)【公開番号】特開2016-89842(P2016-89842A)
(43)【公開日】2016年5月23日
【審査請求日】2015年11月6日
(31)【優先権主張番号】10 2014 116 160.2
(32)【優先日】2014年11月6日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】510238096
【氏名又は名称】ドクター エンジニール ハー ツェー エフ ポルシェ アクチエンゲゼルシャフト
【氏名又は名称原語表記】Dr. Ing. h.c. F. Porsche Aktiengesellschaft
(74)【代理人】
【識別番号】100098914
【弁理士】
【氏名又は名称】岡島 伸行
(72)【発明者】
【氏名】ヨハネス ウスト
(72)【発明者】
【氏名】マキシミリアン フィッシャー
【審査官】
稲葉 大紀
(56)【参考文献】
【文献】
特表平03−500205(JP,A)
【文献】
特開平11−064113(JP,A)
【文献】
特開2010−139503(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F02B 33/00−41/10
F02C 1/00− 9/58
F23R 3/00− 7/00
G01J 5/00− 5/62
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の要素(16、18)が内部に配置されたハウジング(12)と、
前記ハウジング(12)内に形成され、少なくとも1つの前記要素(16)に割り当てられた光ダクト(24)と、を有する内燃機関用のターボチャージャ配置構成(10)であって、前記光ダクト(24)には、前記少なくとも1つの要素(16)の温度(T)を求めるために、前記光ダクト(24)を通り抜けた、前記少なくとも1つの要素(16)からの赤外線(30)を検出するように設計された赤外線検出器(28)が割り当てられる前記ターボチャージャ配置構成(10)を備える自動車において
前記光ダクト(24)は、冷却装置(44)によって囲まれており、
更に、前記冷却装置(44)は、前記自動車に搭載され当該冷却装置(44)に専用の冷却回路(52)に接続されている、ことを特徴とする自動車。
【請求項2】
前記光ダクト(24)は、直線状のダクトの形態を取り、一方の軸方向端部に、前記少なくとも1つの要素(16)に割り当てられた開口(26)を有することを特徴とする、請求項1に記載の前記ターボチャージャ配置構成を備える自動車。
【請求項3】
前記少なくとも1つの要素(16)に対して、前記赤外線検出器(28)を気密封止する透明封止要素(38)が、前記光ダクト(24)内に配置されることを特徴とする、請求項1または2に記載の前記ターボチャージャ配置構成を備える自動車。
【請求項4】
前記赤外線検出器(28)には、前記赤外線(30)を集束させるように設計された光要素(40)が割り当てられることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の前記ターボチャージャ配置構成を備える自動車。
【請求項5】
前記光要素(40)は、前記光ダクト(24)内に配置されることを特徴とする、請求項4に記載の前記ターボチャージャ配置構成を備える自動車。
【請求項6】
前記光ダクト(24)は、ガスダクト(22)内の前記少なくとも1つの要素(16)の温度を検出するために、前記ターボチャージャ配置構成(10)の前記ガスダクト(22)に接続されることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項に記載の前記ターボチャージャ配置構成を備える自動車。
【請求項7】
前記少なくとも1つの要素(16)は、前記ターボチャージャ配置構成(10)のタービンホイール(16)であることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一項に記載の前記ターボチャージャ配置構成を備える自動車。
【請求項8】
前記赤外線検出器(28)は、光導体(34)を用いて、前記光ダクト(24)に光学的に接続されることを特徴とする、請求項1〜7のいずれか一項に記載の前記ターボチャージャ配置構成を備える自動車。
【請求項9】
前記光導体(34)は、前記光ダクト(24)内に少なくとも部分的に配置されることを特徴とする、請求項8に記載の前記ターボチャージャ配置構成を備える自動車。
【請求項10】
前記光ダクト(24)は、直線状のチューブの形態を取り、気密性および流体密封性のシェル面を有することを特徴とする、請求項1〜9のいずれか一項に記載の前記ターボチャージャ配置構成を備える自動車。
【請求項11】
前記冷却装置は、冷却流体を前記光ダクトに供給するように設計されることを特徴とする、請求項1に記載の前記ターボチャージャ配置構成を備える自動車。
【請求項12】
請求項1〜11のいずれかに記載の自動車の内燃機関のターボチャージャ配置構成(10)の要素(16)の温度を測定する方法であって、前記ターボチャージャ配置構成(10)の要素(16)の赤外線(30)は、光ダクト(24)を通り抜けて検出され、前記光ダクト(24)は、前記ターボチャージャ配置構成(10)のハウジング(12)内に形成され、前記少なくとも1つの要素(16)の温度(T)は、前記赤外線(30)に基づいて求められる、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の要素が配置されたハウジングと、ハウジング内に形成され、要素の少なくとも1つに割り当てられた光ダクトとを有する内燃機関用のターボチャージャ配置構成に関する。
【0002】
本発明はまた、ターボチャージャ配置構成の要素の温度を測定する方法に関する。
【背景技術】
【0003】
自動車工学の分野では、法的必要条件および顧客要求により、燃料消費量が少ない内燃機関と、エンジンの比出力の持続的増大とがもたらされた。このように出力密度が増大することで、熱エネルギが増大し、この熱エネルギは、熱損失として、燃焼室から冷却システム、排気システム、および周囲環境に放散される。この廃熱の増大には、内燃機関および排気システムの様々な構成要素にかかる熱負荷を増大させるという効果もあり、特に、ピストン、弁、シリンダヘッド、排気マニホルド、およびターボチャージャなどの要素にかかる熱負荷が増大する。
【0004】
熱負荷の増大は、エンジンおよび排気システムの信頼性を保証するために、通常、冷却作用の強化、構造上の対策によって、およびより高いグレードの材料を使用することで抑制される。この場合、一般的に、構造上の対策は費用があまりかからず、高いグレードの材料は、より高価であるが、構造設計に関して費用をあまり必要としない。
【0005】
したがって、内燃機関およびターボチャージャの開発時に、特定の温度限界を超えないために、実際のエンジン動作の際の特定の要素に対する加熱作用を考慮に入れる必要がある。いずれの構造上の変更も、動作時における特定の構成要素の温度変化をもたらすこともあり得ることから、開発段階で、特定の構成要素の温度を連続して直接測定することが必要である。
【0006】
実際の動作中に、例えば、ターボチャージャのタービンホイールなどのターボチャージャの特定の要素の温度を測定する場合、機械負荷および熱負荷が非常に高いために、実行性のある測定方法がない。材料硬度の変化に基づいて、結果として、動作温度が得られるのを可能にする材料は、高い熱負荷のためにターボチャージャで使用することができない。現在のところ、排気ガスの温度だけが、ターボチャージャの構成要素の動作温度の指標として使用可能であるが、そのような測定は精度が低い。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
したがって、本発明の目的は、実際の条件下で、要素の温度測定を正確な方法で可能にするターボチャージャ配置構成を提供することである。本発明の目的はまた、ターボチャージャ配置構成の要素の温度を測定するための、対応する、改良された方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
導入部で述べたターボチャージャ配置構成の場合、上記目的は、光ダクトに赤外線検出器を割り当てることで達成される。赤外線検出器は、少なくとも1つの要素の温度を求めるために、光ダクトを通り抜けた、少なくとも1つの要素からの赤外線を検出するように設計される。
【0009】
導入部で述べた方法の場合、上記目的は、ターボチャージャ配置構成の要素からの赤外線が光ダクトを通り抜けて検出されることで達成される。光ダクトは、ターボチャージャ配置構成のハウジング内に形成され、少なくとも1つの要素の温度が、赤外線に基づいて求められる。
【0010】
ターボチャージャ配置構成の測定される要素からの赤外線が、光ダクトを通り抜けて、赤外線検出器によって検出されることにより、無接触方式で温度を求めることができるので、測定される要素を改造する必要がなく、実際の条件下で温度を測定することができる。さらに、高温計測定により、高いレベルの精度が得られ、急激な温度変化の検出が可能になり、同時に、要素の温度を測定することができる温度範囲が広くなる。そのため、ターボチャージャ配置構成の、測定される要素の温度を正確に求めることが可能である。
【0011】
本発明の目的は、こうして完全に達成される。
【0012】
好ましい実施形態では、光ダクトは直線状のダクトの形態を取り、一方の軸方向端部に、少なくとも1つの要素に割り当てられた開口を有する。
【0013】
上記方法により、測定が、ターボチャージャ配置構成の他の構成要素からの赤外線の影響を受けることなく、少なくとも1つの要素からの赤外線を正確に検出することができる。
【0014】
少なくとも1つの要素に対して、赤外線センサを気密封止する透明封止要素が、光ダクト内に配置されるとさらに好ましい。
【0015】
上記方法により、圧力が激しく変動する領域に配置されたターボチャージャ配置構成の要素を、ほとんど技術的費用をかけずに測定することができる。
【0016】
赤外線検出器に、赤外線を集束させるように設計された光要素が割り当てられるとさらに好ましい。
【0017】
上記方法により、赤外線が赤外線検出器上で集束するため、測定精度を改善することができる。
【0018】
ここで、光要素が光ダクト内に配置されると特に好ましい。
【0019】
上記方法により、測定される要素の近くで赤外線の測定および集束を行うことができる。これにより、同時に、測定がより正確になる。
【0020】
ガスダクト内の少なくとも1つの要素の温度を検出するために、光ダクトがターボチャージャ配置構成のガスダクトに接続されるとさらに好ましい。
【0021】
上記方法により、他の方法では、間接的にしか測定することができないターボチャージャ配置構成の、特に温度限界的な領域を測定することが可能となる。
【0022】
少なくとも1つの要素がターボチャージャ配置構成のタービンホイールであるとさらに好ましい。
【0023】
上記方法により、ターボチャージャ配置構成の、特に温度限界的な可動要素を正確に測定することが可能となる。これにより、最適な開発が可能となる。
【0024】
ここで、タービンブレードの外側領域からの赤外線が検出されるように、赤外線検出器の測定点が、光ダクトを介して配置されると特に好ましい。上記方法により、ターボチャージャ配置構成の特に限界的な領域を測定することができ、相応して、温度を下げるための構造上の設計策において、この領域を考慮に入れることができる。
【0025】
赤外線検出器が、光導体を用いて、光ダクトに光学的に接続されるとさらに好ましい。
【0026】
上記方法により、赤外線検出器は、ターボチャージャ配置構成から離れて設置することができる。これにより、測定機構全体が、熱負荷および汚染の影響を受けにくくなり、さらに、より優れた動的性能を得ることができる。
【0027】
光導体が光ダクト内に少なくとも部分的に配置されるとさらに好ましい。
【0028】
上記方法により、光導体が、測定される要素の近くに配置されるため、赤外線測定に対する妨害を防止することができる。
【0029】
光ダクトが直線状のチューブの形態を取り、気密性および流体密封性のシェル面を有するとさらに好ましい。
【0030】
上記方法により、光ダクトは、ターボチャージャハウジング内で、冷却剤空間を貫通して配置することができる。これにより、ターボチャージャ内の十分に接近できない位置でさえ、赤外線測定が可能となる。
【0031】
光ダクト内の光反射を防止するために、光ダクトの内面が、暗色の、および/または無光沢のコーティングを有するとさらに好ましい。
【0032】
光ダクトが冷却装置で囲まれるとさらに好ましい。
【0033】
上記方法により、光ダクトと光ダクトに収容された光構成要素とをターボチャージャ配置構成の高温から保護することができる。
【0034】
ここで、冷却装置が、冷却流体を光ダクトに供給するように設計されると特に好ましい。
【0035】
上記方法により、光ダクトは、ほとんど技術的費用をかけずに、効果的な方法で冷却することができる。
【0036】
総括すると、赤外線測定用の光ダクトを有する、本発明によるターボチャージャ配置構成を用いて、開発プロセス中の任意の時点で、ターボチャージャ配置構成の特定の要素の正確な温度測定を行うことができるので、ターボチャージャの要素の熱負荷を連続的に検査することが可能である。温度測定が赤外線測定で行われるために、対応する被測定要素の構造設計に関する費用を増やす必要なく、広い温度範囲と、急激な温度変化と、同時に、高い絶対温度とを検出することもさらに可能である。最後に、紫外線測定により、エンジンの動作中に実測することが可能になるので、実際に近い条件下での熱特性の検査が可能である。
【0037】
上記の特徴および下記で説明される特徴は、本発明の範囲から逸脱することなく、それぞれの特定の組み合わせにおいてだけでなく、他の組み合わせでも、または個々にでも使用することができるのは自明である。
【0038】
本発明の例示的な実施形態が図面に示され、以下の説明において、さらに詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【
図1】温度測定用の赤外線測定装置を有するターボチャージャ配置構成の概略図である。
【
図2】赤外線温度測定用の光ダクトを有するターボチャージャ配置構成の断面斜視図を示す。
【
図3】ターボチャージャ配置構成の赤外線測定装置の光ダクトを冷却する冷却回路を有する自動車の概略図を示す。
【
図4】内燃機関の様々な回転数に対するターボチャージャ配置構成のタービンホイールの温度のグラフを示す。
【発明を実施するための形態】
【0040】
図1は、全体として10で示したターボチャージャ配置構成の部分概略図を示している。ターボチャージャ配置構成は、外部に対してターボチャージャ配置構成10の範囲を定めるハウジング12を有する。ターボチャージャ配置構成10の複数の要素がハウジング12内に収容され、これらの要素は、動作中に相応して昇温する。
【0041】
ターボチャージャ配置構成10は、タービンホイール16が収容されたタービンハウジング14を有する。タービンハウジング14は、内燃機関(図示せず)のマニホルド装置18および排気システム20に接続されている。内燃機関の排気ガスは、マニホルド装置18を通って、タービンハウジング14に導入される。上記排気ガスは、相応して、タービンハウジング14内のタービンホイール16を駆動し、内燃機関の排気ガスが、タービンハウジング14から排気システム20を経由して排出される。タービンホイール16は回転可能に取り付けられ、シャフト22によってコンプレッサホイール(図示せず)に連結され、相応して内燃機関用の給気圧力を発生させる。
【0042】
図1では、ターボチャージャ配置構成10は、ハウジング12内に形成され開口26を有する光ダクト24をさらに有する。開口26は、タービンハウジング14に接続され、タービンホイール16に割り当てられている。光ダクト24は、通常、タービンホイール16から放射されて光ダクト24を通り抜けた赤外線30を検出するために、赤外線検出器28に光学的に接続されている。赤外線検出器28は、制御ユニット32であって、赤外線検出器28を制御し、検出された赤外線30に基づいて、タービンホイール16の温度を求めるように設計された制御ユニット32に接続されている。
【0043】
図1に示す実施形態では、光ダクト24は、赤外線30を赤外線検出器28に供給するために、ガラスファイバケーブル34を用いて、赤外線検出器28に接続されている。この場合に、ガラスファイバケーブル34は、開口26の反対側に位置する端部36で光ダクト24に接続され、相応して、赤外線30を受け取り、伝達する。
【0044】
代替の実施形態では、赤外線検出器28は、赤外線を光ダクト24の中で、または光ダクト24で直接検出するために、光ダクト24の端部36に直接配置されるか、または光ダクト24の中に配置される。
【0045】
光ダクト24内には、赤外線センサ28および/またはガラスファイバケーブル34を、高い排気ガス温度と、タービンハウジング14内のすす粒子とから、および対応する排気ガス逆圧から保護するガラス要素38が配置されている。ガラス要素38は、サファイアガラスとして形成されるのが好ましい。光ダクト24内には、さらに、赤外線30を集束させ、このように集束した赤外線30をガラスファイバケーブル34および/または赤外線検出器28に供給する集束要素40が配置されている。
【0046】
光ダクト24は、通常、直線状のダクトの形態を取り、細長い円筒形チューブとして設計される。この円筒形チューブのシェル面は、光ダクト24を周囲環境に対して密封するために、気密性および流体密封性である。これにより、光ダクト24が、冷却剤が光ダクト24に入り込むことなしに、ターボチャージャ配置構成10の既存の冷却剤装置などを貫通して導入されることも可能である。光ダクト24は、タービンハウジング14に溶接されるのが好ましい。
【0047】
光ダクト24は、タービンホイール16の回転軸に対して斜めに配置され、これにより、タービンホイール16のタービンブレードの測定が可能となる。この場合、光ダクト24および開口26は、赤外線30がタービンホイール16の測定点から光ダクト24の中に相応して送られ、測定点が、タービンホイール16の測定される部分に相応して形成されるように向きを合わされている。
【0048】
光ダクト24の内面42には、内面42での反射を防止するために、黒色または暗色のコーティングおよび/または無光沢コーティングを設けることができる。
【0049】
総括すると、ターボチャージャ配置構成10、光ダクト24、および赤外線検出器28により、エンジンの動作中に、タービンホイール16の温度を確実かつ正確に検出することが可能であり、そのため、温度を連続的に、かつ確実に求めることができる。
【0050】
光ダクト24および赤外線検出器28を用いた測定装置の場合、ターボチャージャ配置構成10の他の要素、例えば、タービンハウジング14の内面の温度を測定することも可能であるのは自明である。
【0051】
図2は、タービンハウジング14を含むターボチャージャ配置構成10の概略的な断面斜視図を示している。同じ要素は、同じ参照符合で示され、ここでは、特別な特徴だけが説明される。
【0052】
光ダクト24は、ターボチャージャハウジング内に配置され、タービンハウジング14に接続されており、ここで、開口26はタービンホイール16の方に向けられ、タービンホイール16からの赤外線30はガラス要素38に達し、集束要素40を用いて、ガラスファイバケーブル34に供給され、相応して、赤外線検出器28(ここでは図示せず)に供給されるようになっている。この実施形態では、開口26は、タービンホイール16のブレードの方に向けられているため、タービンホイール16のブレードの赤外線が、光ダクト24を通ってガラス要素38に達する。
【0053】
光ダクト24は、開口26とは反対側に位置する光ダクトの端部で、冷却装置44に囲まれているため、例えば、ガラス要素38、集束要素40、およびガラスファイバケーブル34などの光要素を冷却することができ、相応して、タービンハウジング14の高温から全体的に保護することができる。冷却装置44は、光ダクト24の円筒形ケーシングの形態を取り、冷却流体を光ダクト24の外壁に送るので、相応して、光ダクト24の外壁を冷却することができる。下記にさらに詳細に説明するように、冷却装置44は、連続して冷却することができるように、専用の冷却回路に接続されるのが好ましい。
【0054】
図3は、全体として50で示した自動車を概略的に示している。自動車50は、ターボチャージャ配置構成10の要素の温度を測定するために、赤外線検出器28および光ダクト24を含むターボチャージャ配置構成10を有する。光ダクト24は、専用の冷却回路52に接続された冷却装置44を有する。
【0055】
冷却回路52は、供給管54と、戻り管56と、供給管54および戻り管56内の温度および圧力を観測するための温度および圧力観測センサ58とを有する。冷却回路52は、冷却器60、絞り弁62、冷却水タンク64、ポンプ66、および熱交換器をさらに有する。
【0056】
上記方法により、効果的な方法で、冷却装置44に冷却水を供給することができ、光ダクトを確実に冷却することができる。
【0057】
図4は、赤外線検出器28によって測定されたタービンホイール16の温度Tを、内燃機関の回転数n、自動車の速度v、および自動車の変速段gと相関するものとして示している。
【0058】
図4から分かるように、タービンホイール16の温度は、内燃機関の回転数nに対応する態様で変動し、1秒未満の非常に短い時間内に、最大で150℃変動することがあり、最大回転数で最大850℃のピーク値に達し得る。
【0059】
回転数n、速度v、および入った変速段gと相関するものとしての上記温度のグラフから、タービンホイール16の温度の正確な測定が可能であり、信頼できる正確なターボチャージャの開発のために、温度Tの正確な測定が必要であり得る、または適切であり得ると分かる。
【0060】
さらに、動作中に相応して測定できる温度Tの高い温度勾配から、放射された熱放射に基づいた無次元温度測定方法が、時間に関して急な温度勾配の存在下でさえ、高いレベルの精度をもたらし、広い測定範囲をもたらすのは明白である。
【0061】
総括すると、ターボチャージャ配置構成10の任意の必要な要素の正確な温度測定が、赤外線検出器を用いた温度測定によって可能となる。
【符号の説明】
【0062】
10 ターボチャージャ配置構成
12 ハウジング
14 タービンハウジング
16 タービンホイール
18 マニホルド装置
22 ガスダクト
24 光ダクト
26 開口
28 赤外線検出器
30 赤外線
34 ガラスファイバケーブル
38 ガラス要素
40 集束要素
44 冷却装置
T 温度