【実施例】
【0074】
パーキンソン病(PD)の古典的な運動症状は、黒質ドーパミン作動性細胞の喪失、及びドーパミン代償療法の導入に至らしめる尾状核−被殻のドーパミン含有量の低下を伴う。6−ヒドロキシドーパミン(6−OHDA)を内側前脳束に片側定位注射すると、黒質線条体路の破壊、及び線条体へのドーパミン作動性入力の喪失を引き起こす。Ungerstedt(Ungerstedt1971年;Ungerstedt及びArbuthnott1970年)により1970年に開発されたこのモデルは、進行性PDの状態を模倣したものであり、対症薬物の試験に使用されている。1つの脳半球内のドーパミン作動性システムの大規模な損傷は両身体側間の感覚運動の平衡失調を生じ、特定の行動障害に至る。ドーパミン(例えば、ドーパミンアゴニスト又はL−ドーパ)により通常、標的とされるシナプス後部の受容体部位を刺激する薬物は、破壊側(向反側回転)の反対の方角にラットを回転させる。この回転応答は、ドーパミン作動性受容体の過感受性の結果であると考えられ、これは線条体(の一部)の除神経の後に起こる(総説に関しては、Schwarting及びHuston1996年を参照されたい)。
【0075】
L−ドーパ−誘発性の対側性回転応答は、長い間、新しい抗パーキンソン病の薬物をスクリーニングするため、及びそれを特定するための有用な予測モデルであり、感覚運動の回復に対する薬物の効果を定量的に評価する。
【0076】
各アンタゴニスト単独に対するA
2A/NR2Bアンタゴニストの併用は、以下の驚くほどの利点を実現することを示した。
・薬物未投与のパーキンソン病ラット(処置を何ら受けていないパーキンソン病ラット)における、単独処置(NR2B/A
2Acomboの単独投与):運動症状に対する有効性が、完全有効用量のL−ドーパによって達成されるものと同等である/それと本質的に類似しているが、L−ドーパとは異なり、慢性combo処置は、運動合併症を生じなかったことを実証することができた。
・L−ドーパでプライミングされたラット、すなわち以前のL−ドーパ処置によりジスキネジアになったラットにおける単独処置(NR2B/A
2Acomboの単独投与)、異常運動の非存在下で運動活動性を完全に回復する能力。
・L−ドーパの非活性用量に対する追加処置:この組合せは、L−ドーパの非活性用量を有効にする;これは、異常運動の非存在下で起こる。L−ドーパの活性用量に対する追加処置:この組合せは、対側性回転に対するL−ドーパの効果を増強し、また慢性的処置におけるL−ドーパ誘発性のAIMの発症を低減する(すなわち、抗L−ドーパプライミング効果)。
【0077】
方法
パーキンソン病の前臨床モデル:6−OHDA片側損傷ラットモデル
対象:手術時に250〜275g、且つ薬物試験時に400〜450gの体重がある雄性Sprague−Dawleyラット(Janvier社、フランス)を使用する。
【0078】
飼育者からの到着時、及び実験の前に、ラットを動物室内のホームケージ(1ケージあたり5匹のラット)中で、1週間、馴化させた。それらのラットを、6:00時に明かりをつけて12:12の明/暗周期に維持し、20〜21℃に維持した温度、及び湿度約40%で収容する。動物はすべて、実験群に割り当てる前に、標準ペレット食物及び水に自由にアクセスさせた。
【0079】
6−ODHA損傷のための手術
到着の1週間後の手術の日に、ラットは右側の内側前脳束に6−OHDAの片側注射を受けた。各ラットは、ノルエピネフリン作動性(NE)ニューロンを保護するための手術の15分前に、イミプラミンHCl(Sigma社)を投与された。ラットをケタミン(Ceva社、75mg/kg)及びキシラジン(Bayer社、10mg/kg)により麻酔をかけ、定位固定器(David Kopf Instrument社)に置いた。注射部位の上の頭蓋骨に小さな穴を空けた後、前頂及び硬膜の表面に対して、以下の座標(mm)にある右上行内側前脳束に、6−OHDAを注射した。AP=−3.5、ML=−1.5、DV=−8.7。各ラットは、6−OHDA(4μg/μl)の注射を5分間(0.5μl/分)で、ラットあたり合計10μgで1回受けた。毒素の逆流を回避するため、ニードルは4分後に引き抜いた。次に、動物を熱源下のクリーンケージ内に入れ、食物及び水を自由に与えて回復させた。各ラットは、実験者及び環境に対する完全回復並びに順化を確実にするため、3週間、規則的にモニターして取り扱った。
【0080】
6−OHDA損傷の評価
首尾よく損傷した動物を選択するため、手術後21日目に、ラットはすべて低用量のアポモルヒネ(Sigma社、0.05mg/kg、sc)による接種を行った。45分間の記録期間中に90を超える向反側回転(360°)を示すラットを本研究に含めた。これらの基準を満たすラットは、ドーパミン作動性ニューロンの片側喪失、及び95%を超える線条体ドーパミンの片側欠失を有することが以前に実証されている(内部データ)。
【0081】
使用したA
2A及びNR2Bアンタゴニスト
A
2Aアンタゴニスト及びNR2Bアンタゴニスト参照化合物は、1kgあたりビヒクル体積5mlに溶解した。L−ドーパメチルエステル(Sigma社)及びベンセラジド(Sigma社)を5ml/kgの体積で、生理食塩水溶液に溶解した。参照化合物のビヒクル溶液は、ジメチルスルホキシド(DMSO)5%、及びメチルセルロース1%を含有している蒸留水95%から作製されている。損傷用の6−OHDA−HBrは、μlあたり6−OHDA4μgの濃度で、0.02%アスコルバート−蒸留水に溶解する。
【0082】
以下のA
2Aアンタゴニスト、SCH−58261を使用した:プレラデナント、トザデナント及びKW−6002。使用したNR2Bアンタゴニストは、ラジプロジル、Co−101244、化合物1であった。薬物は一般に、経口投与だけを行ったトザデナントを除いて、一般に腹腔内投与した。したがって、ラジプロジルをトザデナントと組み合わせて投与する場合、ラジプロジルは、そうした場合では、経口投与した。
【0083】
行動記録装置
回転活動(同側性/対側性回転)
回転行動は、自家製のコンピューターシステムを使用して記録した。PCに直接接続した機械センサーにリンクしたハーネスにラットを固定した。最高でも最大240分間、各360°の時計回り又は反時計回りを自動的に記録した。この実験全体を通じて、個々の試験用ケージにラットを割り当てた。水平な透明ガラス製底部に置き、丈夫な固定器により保持されている、8つの透明なアクリル製チャンバ(50×40cm)の各々を、25×22cmの4つの個別の四角型試験用ケージにさらに分類することができた。取り除きが可能なアクリル製プレートを蓋にする。これらのチャンバにより覆われる表面全体を観察するよう、各アリーナの真下に携帯用デジタルカメラ(Samsung社、SCB−3001PH)を直接設置した。この配置により、セッションあたり32匹のラットの中から合計8匹について、1台のカメラにより、1匹又は4匹のラットの同時撮影が可能であった。電照は、固定器の各脚に単独で固定したネオン管により供給した。ビデオシークエンスは、保存用ハードディスクに記録して、その後、解析及び保存用PCに転送した。
【0084】
一般的活動(距離及び立ち上がり)
一般的活動は、PCに接続されており、水平及び垂直方向の運動を測定する広いオープンフィールド内で記録した。12個のチャンバ(LE8811IR、Panlab)中で、ラットを個別に試験し、各々は、底部を含まない、0.5cmの透明アクリルシートから作製されている正方形の囲いからなっている(表面45×45cm×高さ40cm)。各囲いは、床の役割をするステンレス鋼(inox社)の正方形プレート上に置いた。その板に、プラスチック被覆したシートを調節した。各装置は、高さ73.5cmの実験台に置いた。移動を検知して、高さ3cmにある囲いの各側面上に位置している16個の赤外光線センサーにより測定した。光線が表面全体に15×15の正方形マトリックスを形成するよう、センサーは互いに2.5cm、及び側面の各端から4.0cmの間隔を設けた。活動数はパーソナルコンピュータにより記録した。Acti−Trackソフトウェア(Actitrack°、Panlab)を使用して、取得セッション中に生成した生データを統計的に解析可能なパラメータに変換した。パラメータ「移動距離」及び「立ち上がり数」は、関連従属変数として保持された。
【0085】
オープンフィールド内の行動プロファイル解析
6−OHDA片側損傷ラットの特定の行動プロファイルは、ビデオ取得システムに接続した8台のカメラにより記録した。処置下のラットは、狭い環境(ロトメータ、25×22cm)又は広いオープンフィールド(50×40cm)内で自由に置き、その行動を55分間ビデオ記録した(合計で3300秒)。狭い(ロトメータ)又は広い(オープンフィールド)環境における配置は、試験に依存し得る。回転活動に関係する項目において記載されているとおり、ラットは下から撮影した。
【0086】
生存データの記録後、続いて、このビデオを(Noldus、バージョン9.0)製のEthovisionプログラムによって解析する。動物、及びその運動、並びに転置は、3点(鼻部、中心部、及び尾部)に従い定義した。運動、身体の位置、及び空間占有は、プログラム中の特定の基準及び閾値により定義されるフィルター解析に準拠して設定した。様々な行動パラメータを解析し、関連性のあるものだけ(すなわち非相関性のもの)を最終的な行動説明のために保持した。
【0087】
異常不随意運動(「AIM」)の解析は、Ethovision9.0において定義されている特定のパラメータを用いて行った。パラメータ「身体の伸長」とは、ラットのジスキネジア(すなわち、ジストニア)位置の強度と頻度の両方を区別するために使用した。そうするために、3つのレベルを決める。
− 「萎縮」=重症なAIM(閾値<30%)。このパラメータは、ラットが後脚で立ち(苛酷な身体のトランケーション(truncation)を伴う垂直方向の直立位)且つ非常に強いジストニア体位を示す姿勢で過ごした時間(秒)を指す。下からは、体形は円のように見える。
− 「正常」=中程度のAIM(閾値、30%<正常<50%)。このパラメータは、ラットが3本の脚で立ち且つ中程度のジストニア位置(若干の身体のトランケーションを伴う水平体位)を示す姿勢で過ごした時間(秒)を指す。
− 「伸展」=AIMがない(閾値>50%)。このパラメータは、ラットがより頻繁に4本の脚で立ち(水平位)且つ身体のトランケーションなしに若干の安定性を示す姿勢で過ごした時間を指す。
【0088】
解析に使用する最終的なパラメータの識別、及びその閾値に関する決定は、定着している決定的な解析における、最初の直接観察に基づいた。
【0089】
他のタイプの行動の解析は、視覚的に観察された行動をできる限り最良に説明して、その行動を定量化することができるよう、ビデオ解析プログラム(Ethovision9.0)において選択した特定のパラメータにより行った。パラメータ「距離」、「反時計方向の回転」「時計方向の回転」、「伸展」は、解析から抽出した。追加パラメータである「回転運動半径」は、このシステムにより得られた生データから計算する。
− 距離(=「距離」):動物が移動した合計距離(cm)
− 反時計方向(=「同側性ターン」):損傷の方向と同じ方向の、同側性回転の360°ターンの計数。
− 時計方向(=「対側性ターン」):損傷の方向とは逆の方向の、対側性回転の360°ターンの計数。
− 「伸展」:(=「適切な体位」):ラットが、屈曲した胴体の姿勢をとらずに、4本脚で立っている姿勢で過ごした時間。本プログラムでは、これは、適切な体位の強度及び頻度を区別するために使用されるパラメータ「身体の伸長」である。この閾値は70%に固定する。
− 「回転運動半径」(=「適切な軌道」):特定の時間間隔に対する、動物の位置と、この特定の時間間隔内での平均位置との間の平均距離。このパラメータは、アリーナの全空間を使用するラットの能力を反映しており、センチメートルで測定する。
【0090】
統計解析
一般的活動(アクトメータ)及び回転(ロトメータ):一般的活動(距離及び立ち上がり)、及び回転(対側性)に関する統計解析は、パラメトリック統計によって行った。
【0091】
アクトメータでの一般的活動(距離及び立ち上がり)測定のレベルは、群間因子としてA
2Aアンタゴニスト(2レベル)及びNR2Bアンタゴニスト(2レベル)、並びに対象内因子としての時間(6又は24レベル)による、三元配置混合ANOVAにより評価した。これらの平均値間の多重対比較は、Tukey事後検定により行った。
【0092】
L−ドーパ誘発性の対側性回転レベルに対するA
2A及び/又はNR2Bによる処置効果は、群間因子としての薬物処置(4レベル)、及び対象内因子としての時間(12又は18レベル)による、二元配置混合ANOVAにより評価した。これらの平均値間の多重対比較は、LSD事後検定により行った。
【0093】
A
2A及び/又はNR2BアンタゴニストとL−ドーパ/ベンセラジドによる処置下での取得セッションのデータは、対象内因子(10セッションレベル)としての慢性セッションによる二元配置反復測定ANOVAにより解析した。平均間差の信頼性は、F統計量を使用する計画された対比により評価した。さらに、事後解析は、変数「処置」上で別々に行った(Tukey、事後検定)。
【0094】
各試験について、P<0.05の場合、統計的に有意であると考えた。
【0095】
特定の行動解析:完全な行動解析に関して保持した5つの行動(すなわち、距離、対側性ターン、同側性ターン、適切な体位、及び適切な軌道)は、パラメトリック統計量を用いて解析したが、データに関する変数の均一性が信頼されない場合(等分散に関するBartlett’検定)、これら後者のデータは、ノンパラメトリック統計(Kruskal−Wallis)によって解析した。両方の場合、一元配置ANOVAを実施し、各独立行動に対する様々な処置効果を区別した。有意な平均間差は、P<0.05を用いる、Tukey事後検定又はDunn多重比較試験により決定した。
【0096】
略語リスト
Ip:腹腔内
Po:経口の、経口投与
mg/kg:1キログラムあたりのミリグラム
sec:秒
cm:センチメートル
Rad3:3mg/kgの用量のラジプロジル
Toz30:30mg/kgの用量のトザデナント
Combo:A
2A受容体アンタゴニスト及びNR2B受容体アンタゴニスト、並びに具体的には、特定の場合にはトザデナント30mg/kg+ラジプロジル3mg/kgの任意の組合せ
CO1:1mg/kgの用量のCo−101244
SCH1:1mg/kgの用量のSCH−58261
Veh:ビヒクル
LD25:L−ドーパ25mg/kg
LD/BZ:L−ドーパ+ベンセラジド
AIMs:異常不随意運動
【0097】
実験項
A.片側パーキンソン病ラットにおける、A
2AアンタゴニストとNR2Bアンタゴニストとを一緒にした単独処置
(例1)
6種の異なる実施形態間の活動量に対する、A
2AアンタゴニストとNR2Bアンタゴニストとの組合せの有効性
パーキンソン病の6−OHDA片側損傷ラットモデルにおいて、表1に従って、A
2AアンタゴニストとNR2Bアンタゴニストとの6種の異なる共投与(=COMBO)を試験する。
【0098】
記録した行動パラメータは、「移動距離」及び「立ち上がり数」であった。この後者の立ち上がり数は、アクトメータで自動的に測定する。共投与のすべてが、該化合物単独で行った処置と比べて、活動レベル(距離及び/又は立ち上がり数)の著しい向上を示している。
【0099】
【表1】
【0100】
各組合せ(combo)において、片側パーキンソン病ラットの行動についてのこうした処置の付加値は著しく、予期しないものであった。すべてのcombo(適切な用量選択の場合)は、ビヒクル処置ラット及び化合物単独で処置したラットと比べると、活動レベルの向上により運動機能を回復することができた。さらに、この刺激行動は、現在のドーパミン作動性PD療法(すなわち、DAアゴニスト又はL−ドーパ)で観察される、典型的な非対称的行動偏り、及び異常体位(すなわち、ジストニア体位)には関連するものではなかった。行動に対するこの特異的効果は、アクトメータでの試験中、目視観察された。
【0101】
(例2)
1つの具体例(トザデナント及びラジプロジル)により刺激された運動活動性の質に対する組合せ有効性の実証
NR2Bアンタゴニスト及びA
2Aアンタゴニストの共投与は、6種の異なる交差comboにより、活動レベル(移動距離及び立ち上がり数)が予期せず向上することを示した。動物が活動チャンバ(アクトメータ)に置かれている間に目視観察された、この予期しない行動プロファイル(すなわち、優れた体位を伴って運動活動性を向上させる)は、以下の例において詳細に説明され、また様々な行動パラメータの定量的測定により例示される。
【0102】
ラットの行動に対する、ラジプロジル(3mg/kg、po)とトザデナント(30mg/kg、po)との経口共投与の効果を、以下:
1)別々に行うこれらの化合物の試験、
2)部分活性用量のL−ドーパ(25mg/kg、ip)の試験、
3)完全活性用量のL−ドーパ/ベンセラジド(16/4mg/kg、ip)の試験
と比較する。
【0103】
行動プロファイルは、ビデオ記録に基づいた自動行動解析システムにより詳細に解析した(説明に関する方法の項目を参照されたい)。さらに、行動の古典的測定(ロトメータ及びアクトメータ)も、運動量を評価するために使用する。
【0104】
運動量解析:刺激効果の期間
自動装置で試験した場合、comboは長期持続作用を示した一方、活性用量のL−ドーパ/ベンセラジドは約3時間続き、また部分活性用量は約1時間続いた(非常に短時間作用性効果である)。comboによる実験では、ラットは、化合物(すなわちトザデナント及び/又はラジプロジル)の経口投与の60分後に試験アリーナに入れた一方、L−ドーパ25mg/kgを投与したラットはL−ドーパ投与(ip)の10分後に、及びL−ドーパ/ベンセラジドによる処置ラットは腹腔内投与の15分後に、ロトメータに入れた。
【0105】
図2中のデータ(すなわち、ビヒクル、L−ドーパ25及びL−ドーパ/ベンセラジド群の比較)は、様々な実験由来のものであり、後の解析のために一緒に群分けをした。
【0106】
図1:
グラフ右:三元配置混合ANOVA。ラジプロジル(3mg/kg)の有意な効果、F(1,28)=51.45、p<0.001。トザデナント(30mg/kg)の有意な効果、F(1,28)=176.0、p<0.001。時間の有意な効果、F(23,644)=42.28、p<0.001。有意な≪ラジプロジル×トザデナント≫相互作用、F(1,28)=14.81、p<0.01。
Tukey事後検定(p<0.05):TOZ30/RAD3組合せにより処置されたラットは、VEH/VEH、TOZ30/VEH、及びVEH/RAD3の群の由来のものよりも高い距離スコアを有している。
グラフ左:三元配置混合ANOVA。ラジプロジル(3mg/kg)の有意な効果、F(1,28)=9.40、p<0.01。トザデナント(30mg/kg)の有意な効果、F(1,28)=64.60、p<0.001。時間の有意な効果、F(23,644)=16.67、p<0.001。有意な≪ラジプロジル×トザデナント≫相互作用、F(1,28)=4.60、p<0.05。
Tukey事後検定(p<0.05):TOZ30/RAD3組合せにより処置されたラットは、VEH/VEH、TOZ30/VEH、及びVEH/RAD3の群の由来のものよりも高い立ち上がりスコアを有している。
【0107】
図2:
処置効果は、有意な効果F(2,21)=43.68、p<0.001を示している。時間の有意な効果(F(17,357)=20.05、p<0.001)も観察され、また有意な相互作用(F(34,357)=11.74、p<0.001)も同様である。追加的な事後比較検定により、これはあくまで、ビヒクル処置ラット(Tukey、p<0.05)と比べて有意に活性であるL−ドーパ/ベンセラジドによる効果であることが示される。
【0108】
運動の質の解析:様々なタイプの行動の詳細定量化及び定性
完全な行動解析により、comboが片側パーキンソン病ラットの行動に対して予期せぬ効果を有することが示された。ラジプロジル及びトザデナントの組合せ(すなわち、「Combo」)は活性用量のL−ドーパ/ベンセラジドで観察されるものに匹敵する運動量を回復している(これは、個別に試験した化合物の場合ではない)。さらに、このcomboは、行動の質を強く改善する。方向、軌道、及び体位は顕著に改善され、また非損傷ラットにおいて観察された行動に相当している。
【0109】
通常、L−ドーパ処置ラットは、(1)ステレオタイプの対側性回転(対側方向から同側方向に転じる能力が全くない)、(2)屈曲した体位、及び(3)非常に短時間の転置軌道(回転運動半径)(刺激の間、これらのラットは窮屈な対側性回転しかしないため)を示す。
【0110】
対照的に、combo処置ラットは、(1)対側方向から同側方向に転じる能力、(2)屈曲した体位ではない(胴体に何らゆがみなく4本の脚で上手に立つ非損傷ラットの姿勢について言及する場合、適切な体位)、及び(3)より大きな軌道(それらのラットはまっすぐ動き、L−ドーパ下で通常観察されるもののようなステレオタイプの窮屈な対側性回転を何ら示さないので)を示す。
【0111】
表2:3つの行動カテゴリー、すなわち(1)運動量、(2)方向を転じる能力、(3)軌道及び体位に分けたものを、ラジプロジル及びトザデナント単独、「トザデナント+ラジプロジル」からなるcombo、及び部分活性用量のL−ドーパ(25mg/kg)、並びに相当な活性用量のL−ドーパ/ベンセラジド(16/4mg/kg)の効果を比較する。これらの結果は、ビヒクル処置片側パーキンソン病ラットと比べた、変化率を示している。この目的は、回復指数を測定することである。それらのデータは、試験の異なる2つの時間点について表される。
【0112】
この表は、combo処置ラットの運動量(距離)が、ビヒクル処置ラットで観察されたものよりも非常に優れていること、及びこの効果は、L−ドーパ/ベンセラジド処置ラットにより生じた効果と同等であることを示している。対照的に、「適切な体位」及び「適切な軌道」の割合は、comboでは、化合物単独の試験、ビヒクル処置群、及びL−ドーパ/ベンセラジド処置群と比べて非常に増加している。L−ドーパ/ベンセラジド群はまた、ビヒクル処置ラットと比べて、対側方向への強い偏りも示している。こうした偏りは、combo又は化合物単独では、観察されない。
【0113】
【表2】
【0114】
図3は、試験の最初の20分間、及び最後の20分間の、L−ドーパ/ベンセラジド処置ラットで観察されるものに等しい、運動量(距離)を生じるcomboの能力を示している。
【0115】
図4は、同側性ターンと対側性ターン(運動)の両方を誘発するcomboの能力を示している一方、L−ドーパ/ベンセラジド処置ラットのみが、対側方向に向かわせる能力があることを示している。この観察は、(1)刺激を受けている間は、combo下にあるラットは、1つの方向からもう一方の方向に転じることができる能力があること、及び(2)combo処置ラットが刺激を受けている場合、それらは主要な対側性回転活動がないことをはっきりと実証した。
【0116】
図5は、L−ドーパ/ベンセラジドにより処置したラットと比べて、combo処置ラットでは、軌道と体位の両方が改善されていることを実証している。確かに、2つの期間の記録中に回転運動半径によって測定される軌道は、combo処置ラットの方が、他の群で観察されたものよりも大きい。この観察は、刺激を受けている間、comboにより処置されたラットの方が、対側性回転をしている間、非常に窮屈な運動を行っているL−ドーパ/ベンセラジド処置ラットよりも、試験アリーナ中で大きな軌道を有することを定量的に反映している。combo下のラットの体位は、それらのラットが処置により刺激を受けている場合でさえも、4本の脚で立つことができ、且つ屈曲位を有さないことを示している。
【0117】
これらの予期しない観察及び説明は、組合せ処置により、6−OHDA片側損傷ラットにおけるドーパミン作動性療法に通常伴う異常な運動合併症なく、等価な刺激レベルを実現することが可能であることを実証している。
【0118】
(例3)
慢性処置後に任意の異常運動の発生がない運動症状に対する「トザデナント+ラジプロジル」の組合せ投与の有効性
comboによる10日間の慢性処置は、L−ドーパで観察されるような異常運動合併症の発症ももたらさない。これらのラットは、一部の馴化過程が試験アリーナにまで現れたとしても、活動的なままである。この正常現象があるにもかかわらず、活動レベル及び運動の質に対するcomboの有意な効果が依然として観察される。
【0119】
(例4)
L−ドーパによる以前の慢性処置により、以前に完全なジスキニアとなった片側パーキンソン病ラットに関する、運動症状に対するcomboの有効性
「トザデナント+ラジプロジル」の組合せ投与は、片側パーキンソン病ラットにおいて、向上した運動活動性を回復する能力を有する。しかし、この特定の共投与により、慢性L−ドーパ処置により完全なジスキニアにされており、L−ドーパによりプライミングされた片側パーキンソン病ラットにおいて、異常不随意運動なしに運動活動性が回復するので、この共投与は全く予期しない効果をやはり有している。
【0120】
10回の取得セッションの間にL−ドーパ14mg/kg及びベンセラジド3.5mg/kg下で処置された片側パーキンソン病ラットは、対側性回転と重症な異常不随意運動(AIM)(すなわち、行動感作)の両方のレベル向上を発生させる。上記のラットは、その慢性L−ドーパ/ベンゼラジド(benzerazide)処置に続いて、オープンフィールドで試験した場合、この慢性処置の終わりでは、対側性回転及びAIMのレベルが非常に高いことを示している。
【0121】
これらの高度のジスキニア片側パーキンソン病ラットからL−ドーパを切り離し、数日後(例えば、3日後)にcomboにより処置した場合、発明者らは、いかなる異常不随意運動又はいかなる対側性回転レベルの向上もなしに、適切な運動活動性が完全に回復することを観察している。対側性回転及びAIM結果のレベルに関する交差感作がこのように無いことは、全く予期されないものであった。
【0122】
表3は、7つの行動について、同じラットではあるが、これらのラットを何日か前に活性用量のL−ドーパ/ベンセラジドにより処置した場合に示されるそれぞれの行動と比較した、ビヒクル、ラジプロジル3mg/kg、トザデナント30mg/kg、又はcomboにより処置された場合にラットにより表される変化率を示している。
【0123】
表3は、combo処置ラットについて、
(1)L−ドーパ/ベンセラジドにより処置されたものに匹敵する移動距離レベルである一方、化合物単独により処置されたラットは活動レベルの低下を示したこと、
(2)L−ドーパ/ベンセラジドにより処置されたラットと比べて、L−ドーパ誘発性の対側性回転が減少し、且つ同側性回転が増加すること、
(3)L−ドーパ/ベンセラジドにより処置されたラットと比べて、適切な体位で過ごした時間が増加し、且つ軌道が改善されていること、
(4)L−ドーパ/ベンセラジドにより処置されたラットと比べて、異常不随意運動(AIM)を示して過ごしている時間がないこと
を示している。
【0124】
図6及び
図7は、10回の取得セッションの間に、L−ドーパ/ベンセラジドにより処置されたラットは、対側性ターンのレベルが大きく向上すること(これは、L−ドーパ/ベンセラジド下で予期される)を示し、且つ同側性ターンは示さない一方、combo下では、これらのラットが、より低いレベルの対側性ターン及びある程度のレベルの同側性ターンしか示さないことを示している。この後者の観察は、combo下で刺激されたラットが、1つの方向からもう一方の方向に転じることができることを実証している。対側性回転が大きく増加することに平行して、L−ドーパ下のラットは重症なAIMで過ごした時間が大きく増加する一方、一旦、combo下にあると、それらのラットにより過ごされた時間の大部分は、「AIMがない」姿勢にある(
図8)。L−ドーパ/ベンセラジド処置は、ラットを非常に刺激する。それらのラットにおいて測定された高いレベルの移動距離により反映される観察。しかし、combo下のラットは、L−ドーパ/ベンセラジド下で測定されたものと等しいレベルの移動距離を示している(
図9)。これにより、combo効果が、それ自体が対側性回転を何ら引き起こさない場合でさえも、動物を刺激する能力を依然として有していることが示された。非常に興味深いことに、comboにより刺激されたラットは、L−ドーパ/ベンセラジドにより処置された場合と比べて、「適切な体位」でより多くの時間を過ごしている(
図10)。L−ドーパ/ベンセラジドにより処置された場合に比べて、combo処置ラットの運動の回転運動半径は増加しているので、これらのラットはまた、L−ドーパ/ベンセラジド下での処置と比べて、かなり優れた空間占有及び軌道も示している(
図11)。
【0125】
【表3】
【0126】
B.片側パーキンソン病ラットにおける、A
2AアンタゴニストとNR2Bアンタゴニストとを一緒にした追加処置
(例5)
準活性用量又は部分活性用量のL−ドーパに対して急性追加処置を施した際の行動観察
NR2BアンタゴニストとA
2Aアンタゴニストとを組合せ投与すると、個別に試験した化合物に比べて、準活性用量又は部分活性用量のL−ドーパの有効性が増強される。
【0127】
CO−101244+SCH−58261+準活性用量のL−ドーパ
活性以下の用量のL−ドーパ(15mg/kg)に対する追加処置として与えられる、1mg/kgのSCH−58261への1mg/kgのCo−101244の共投与により、ビヒクル処置ラット、及び化合物を単独で処置したラットと比べて(すべての群は、L−ドーパ15mg/kgにより処置されている)、対側性回転レベルが有意に向上している。
【0128】
図12:二元配置ANOVAは、有意な処置効果(F3,28)=5.62、p<0.01、有意な時間効果(11,308)=22.21、p<0.001、及び有意な処置×時間相互作用(F33,308)=4.71、p<0.001を示している。
*、p<0.05:SCH1/CO1は、群VEH/VEH、SCH1/VEH及びVEH/CO1とは有意に異なっている(LSD事後検定)。
【0129】
トザデナント+ラジプロジル+部分活性用量のL−ドーパ
部分活性用量のL−ドーパ(25mg/kg)に対する追加処置として与えられる、30mg/kgのトザデナントへの3mg/kgのラジプロジルの共投与により、ビヒクル処置ラット、及び化合物を単独で処置したラット(L−ドーパ25mg/kgに加えて)と比べて、対側性回転レベルが有意に向上している。
【0130】
図13:有意な処置効果(F3,28)=70.60、p<0.01、有意な時間効果(17,746)=200.89、p<0.001、及び有意な処置×時間相互作用(F17,476)=2.83、p<0.001、#、p<0.05:群RAD3/TOZ30は、群VEH/VEH、VEH/TOZ30、及びRAD3/VEHとは有意に異なっている(LSD事後検定)。
【0131】
(例6)
活性用量のL−ドーパ及びベンセラジドに対する慢性追加処置において与えられる場合の行動観察
予期しない観察として、これらのデータにより、comboが、一部の運動欠陥の低下を伴って、L−ドーパのオンタイム効果を向上させる可能性を有することが示された。
【0132】
活性用量のL−ドーパ/ベンセラジドに対する付加療法において与えられる「トザデナント+ラジプロジル」の慢性組合せ投与により、ビヒクル処置ラット及び単一化合物により処置されたラットと比べて、対側性回転に対するL−ドーパの効果がかなり向上する。その増加効果に加えて、より広いオープンフィールドにおける試験により、重症なAIMレベルは、トザデナントにより処置されたラットと比べて、combo及びラジプロジルにより処置されたラットの場合に低下することが示された。
【0133】
トザデナント+ラジプロジル+活性用量のL−ドーパ/ベンセラジド
図14:トザデナント+ラジプロジルと活性用量のL−ドーパ/ベンセラジドの組合せ投与に関する実験計画
【0134】
【表4】
【0135】
ロトメータ中で測定した場合、veh、トザデナント、ラジプロジル、又は両化合物の組合せに対する共投与において与えられた、L−ドーパ(14mg/kg)/ベンセラジド(3.5mg/kg)の10回の取得セッション(1回/日)により、L−ドーパ誘発性の対側性回転レベルが徐々に向上している(
図15)。その効果は、combo処置ラットで一層際立っている。
図16は、veh、ラジプロジル、トザデナント、又はcombo、並びにL−ドーパ/ベンセラジドにより処置したが、より広いオープンフィールドにて試験した場合の、ラットの行動プロファイルを示している。ビデオ記録に基づく特有の自動行動解析により、L−ドーパ/ベンセラジドに加えてcomboにより処置したラットは、刺激レベル(すなわち、距離及び対側性回転のレベルの顕著な増加により測定される)が一層高い。しかし、combo及びLD/BZにより処置されたそれらのラットはまた、トザデナント処置群よりも重症なAIMを発現して過ごした時間が少ないことも示した。
【0136】
図15:二元配置混合ANOVAは、有意な処置効果(F3,28)=15.06;p<0.001、取得セッションの有意な効果F(9,252)=29.23、p<0.001を示すが、処置×時間相互作用(p=0.18)は示さない。さらなる事後検定により、combo群は、veh、toz、及びrad処置群と比べて、活動レベルが顕著に高いことが示された(Tukey、p<0.05)。
【0137】
要約すると、以下の驚くほどの共作用が特定された。
1)6−OHDA片側損傷ラットにおいて、様々なA
2A及びNR2Bアンタゴニストを組み合わせることにより作製される異なる6種の組合せ(combo)により、ビヒクル処置ラット、及びA
2Aアンタゴニスト又はNR2Bアンタゴニストで単独処置されたラットと比べて、活動レベル(移動距離及び立ち上がり)が顕著に向上することが示される。
2)1種の具体的なA
2A/NR2Bアンタゴニスト組合せ(トザデナント+ラジプロジル)について実施した完全な行動解析により、活性用量のL−ドーパ/ベンセラジドで観察されたものに匹敵する活動レベルの顕著な向上の他に、combo下でのラットの行動は、L−ドーパ処置下で観察されるものと比べて、顕著に改善されている(ステレオタイプで窮屈な対側性回転もジストニア体位もない)ことが示される。
3)A
2AアンタゴニストとNR2Bアンタゴニストとの組合せによる慢性処置により、異常な運動合併症は何ら発生しない。
4)L−ドーパとcomboとの間の交差感作効果はない。L−ドーパ処置によりジスキニアにされたラットであって、L−ドーパにより慢性的に処置されたラットにおけるA
2A/NR2B組合せによる急性処置により、いかなる異常不随意運動もなしに、高い質の運動活動性を回復する能力があることが示される。
5)A
2AアンタゴニストとNR2Bアンタゴニストとの組合せによる急性処置が準活性用量又は部分活性用量のL−ドーパへの共投与で与えられた場合、ビヒクル処置ラット、又はA
2Aアンタゴニスト若しくはNR2Bアンタゴニスト単独で処置された及びそれに上記のアンタゴニスト+combo群以外の投与を受けたものと等用量のL−ドーパを加えて処置されたラットと比べて、上記の急性処置は、L−ドーパ誘発性の対側性回転を有意に増加させることを示している。
6)活性用量のL−ドーパ/ベンセラジド(L−ドーパ誘発性の異常運動AIMを発症する原因となる用量)に共投与で与えられたA
2AアンタゴニストとNR2Bアンタゴニストとの慢性処置は、A
2Aアンタゴニストにより処置されたラットと比べて、対側性回転レベルに対するL−ドーパ効果の相乗作用、及び同時に、重症なAIMの低下をも示す。
【0138】
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