【文献】
Tobias Lindstrom Jensen et al.,Mutual Information Metricsfor Fast Link Adaptation in IEEE 802.11n,Communications, 2008. ICC '08. IEEE International Conference on ,2008年 5月,P.4910-4915
【文献】
Mai Abdelhakim et al.,Adaptive Puncturing for Coded OFDMA Systems,Communications, 2009. ICC '09. IEEE International Conference on ,2009年 6月,P.1-5
【文献】
R.Sandanalakshmi et al.,An Investigation Towards UnequalModulation For 802.16 Systems Based OnBivariate Modelling,Control, Automation, Communication and Energy Conservation, 2009. INCACEC 2009. 2009 International Conference on ,2009年 6月,P.1-5
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0008】
例示の実施形態は、リソースを実装する1つおよび/または複数のシステム内にリソースを割り当てる方法に向けられる。
【0009】
発明者は、ノイズマージンの使用は、いくつかの非効率をもたらしうることを発見した。ノイズマージンは、全SINRから減算されるファクターである。これは、(ファクターの中でもとりわけ)オンになるさらなるラインから生じる、SINRの減少からラインを保護するために行われる。したがって、SINRは、正確な(低エラーの)復調および正しい(低エラーの)デコードを確かにするように、トーンにわたって十分高く維持する。ノイズマージンは、不利な変動に対して予備としてリソースを保持する。したがって、高ノイズマージンは、システムのスループットを遅くしうるが、一方、低ノイズマージンは、エラーのリスクおよび特定のラインの欠落を増加させうる。
【0010】
例示の実施形態では、一定のビット数が各トーンに割り当てられる。各トーン内のビット数は、トーンについての最大のSINRまたはシステムにより許容される最大ビット数のうちの少なくとも1つに基づく。その結果、各トーン内のビット数は、トーンについて連続的に監視されるSINRに基づかない。
【0011】
さらに、例示の実施形態は、受信器から送信器への単一のパラメータのフィードバックを開示する。
【0012】
少なくとも1つの例示の実施形態は、システムを制御する方法を開示する。方法は、複数のトーンの各々にとっての一定のビット数を決定するステップであって、各一定のビット数が一定である、決定するステップと、システムのユーザから単一のパラメータを得るステップであって、単一のパラメータがコードレートである、得るステップと、ユーザに、単一のパラメータに基づいてチャネルを介して複数のトーン内の情報ビットとしてデータを伝送するステップであって、複数のトーンの各々が一定のビット数を含む、伝送するステップとを含む。
【0013】
1つの例示の実施形態では、一定のビット数を決定するステップが、伝送するステップの前に、各トーンについての関連する最大の信号対干渉雑音電力比(SINR)を決定するステップと、関連する最大のSINRに基づいて各トーンについての一定のビット数を決定するステップであって、各トーンについての一定のビット数が伝送するステップの後で一定である決定するステップとを含む。
【0014】
1つの例示の実施形態では、伝送するステップが、各トーンにわたってシンボルのスケジュールされた伝送を決定するステップと、スケジュールされた伝送に基づいて、各トーンについての関連する実際の信号対干渉雑音電力比(SINR)を決定するステップとを含む。
【0015】
1つの例示の実施形態では、関連する最大のSINRに基づいて各トーンについての一定のビット数を決定するステップが、システムにより許容される最大ビット数を決定するステップと、関連する最大のSINRに基づく一定のビット数がシステムにより許容される最大ビット数を超える場合、システムにより許容される最大ビット数を一定のビット数として選択するステップとを含む。
【0016】
1つの例示の実施形態では、一定のビット数は、トーンについてシステムにより許容される最大ビット数である。
【0017】
1つの例示の実施形態では、方法は、コードレートに基づいてデータを情報ビットにエンコードするステップをさらに含む。
【0018】
1つの例示の実施形態では、コードレートは、コードワード内の情報ビットとビット数の比である。
【0019】
少なくとも1つの例示の実施形態は、システムを介してデータを受信する方法を開示する。方法は、プロバイダからデータを複数のトーンにわたって受信するステップと、複数のトーンにわたる相互情報量に基づいて単一のパラメータを決定するステップと、プロバイダに単一のパラメータを伝送するステップと、単一のパラメータに基づいた速度でさらなるデータを受信するステップとを含む。
【0020】
1つの例示の実施形態では、方法は、単一のパラメータに基づいてさらなるデータをデコードするステップをさらに含む。
【0021】
1つの例示の実施形態では、単一のパラメータを決定するステップが、複数のトーンの各々にわたる相互情報量を決定するステップと、複数のトーンにわたる相互情報量の合計および複数のトーンにわたるビット数の合計を決定するステップとを含み、単一のパラメータが相互情報量の合計および全てのトーンにわたるビット数の合計に基づく。
【0022】
1つの例示の実施形態では、各トーン内のビット数は、さらなるデータを受信するステップの期間の、トーンの関連する信号対干渉雑音電力比(SINR)から独立している。
【0023】
1つの例示の実施形態では、各トーン内のビット数が、同じである。
【0024】
1つの例示の実施形態では、各関連するトーン内のビット数は、関連するトーンについてシステムにより許容される最大ビット数である。
【0025】
1つの例示の実施形態では、各トーン内のビット数が一定である。
【0026】
少なくとも別の例示の実施形態は、システム内のプロバイダを開示する。プロバイダは、データおよび単一のパラメータを受信するように構成された調整可能レートエンコーダであって、単一のパラメータがコードレートであり、調整可能レートエンコーダがコードレートに基づいてエンコードされたビットにデータをエンコードするようにさらに構成される、調整可能レートエンコーダと、エンコードされたビットを複数のトーンにわたって変調するように構成された変調器であって、各トーン内のエンコードされたビット数が一定のビット数である、変調器と、複数のトーンをチャネルを介して伝送するように構成された送信器とを含む。
【0027】
1つの例示の実施形態では、変調器は、各トーンについてのコンステレーションを使用して、エンコードされたビットを変調するように構成され、各トーンについてのコンステレーションのサイズが一定である。
【0028】
1つの例示の実施形態では、各関連するトーン内の一定のビット数は、関連するトーンについての最大の信号対干渉雑音電力比(SINR)に基づく。
【0029】
1つの例示の実施形態では、各関連するトーン内の一定のビット数は、関連するトーンについてシステムにより許容される最大ビット数である。
【0030】
少なくとも別の例示の実施形態は、デジタル加入者線(DSL)システムを制御する方法を開示する。方法は、DSLシステムのプロバイダによりデータを得るステップと、ユーザにDSLシステムのチャネルを介して、複数の関連するトーン内の情報ビットとしてデータを伝送するステップとを含み、関連する複数のトーンの各々が関連するトーンについてDSLシステムにより許容される最大ビット数を含む。
【0031】
例示の実施形態は、添付図面と併用される以下の詳細な記載から、より明瞭に理解されることになる。
図1−
図4は、本明細書に記載されるような、非限定的な例示の実施形態を表す。
【発明を実施するための形態】
【0033】
様々な例示の実施形態が、いくつかの例示の実施形態が図示される添付図面を参照して、ここで、より十分に記載されることになる。
【0034】
したがって、例示の実施形態は様々な修正形態および代替形式が可能であるが、その実施形態は、図面において例として示されており、本明細書で詳細に記載されることになる。しかし、例示の実施形態を開示される特定の形式に制限する意図はなく、逆に、例示の実施形態は、特許請求の範囲に入る全ての修正形態、均等物、および代替形態をカバーすることを理解されたい。図の記載を通して、同様の番号は、同様の要素のことをいう。
【0035】
本明細書で、様々な要素を記載するのに、用語「第1」、「第2」などが使用されうるが、これらの要素は、これらの用語により制限されるべきでないことが理解されよう。これらの用語は、1つの要素を別のものから区別するためにのみ使用される。例えば、例示の実施形態の範囲から逸脱することなく、第1の要素が第2の要素と命名されてよく、同様に、第2の要素が第1の要素と命名されてよい。本明細書で使用する、用語「および/または」は、関連する列挙された項目のうちの1つまたは複数の、任意および全ての組合せを含む。
【0036】
要素が別の要素に「接続される」または「結合される」と呼ばれるとき、他の要素に直接接続され、または結合されてよく、または介在する要素が存在してよいことが理解されよう。対照的に、要素が別の要素に、「直接接続される」または「直接結合される」と呼ばれるとき、介在する要素は存在しない。要素間の関係を記載するのに使用される他の言葉は、同様の様式で解釈されるべきである(例えば、「の間に」対「の間に直接」、「隣接して」対「直接隣接して」など)。
【0037】
本明細書で使用される用語法は、特定の実施形態を記載するためのものにすぎず、例示の実施形態を制限することを意図していない。本明細書で使用されるとき、単数形の「a」、「an」および「the」は、文脈がそうではないことを明確に示しているのでない限り、同様に複数形を含むことが意図される。本明細書で使用されるとき、用語「備える、含む(comprises)」、「備えている、含んでいる(comprising)」、「含む(includes)」、および/または「含んでいる(including)」は、述べられた特徴、整数、ステップ、動作、要素、および/または構成要素の存在を規定するが、1つまたは複数の他の特徴、整数、ステップ、動作、要素、構成要素および/またはそれらのグループの存在または追加を排除しないことを、さらに理解されよう。
【0038】
いくつかの代替実装では、言及された機能/行為は、図面に言及された順序以外で生じうることも留意されたい。例えば、連続して示される2つの図面は、実際には、含まれる機能性/行為に依存して、実質的に同時に実行されてよく、または時々、逆の順序で実行されてよい。
【0039】
別段の規定がない限り、(技術用語および科学用語を含む)本明細書に使用される全ての用語は、例示の実施形態が属する技術分野の当業者により一般的に理解されるものと同じ意味を有する。例えば一般的に使用される辞書に規定される用語は、関連する技術分野の文脈における用語の意味と合致する意味を有すると解釈されるべきであり、本明細書で明示的にそのように規定されない限り、理想化された、または極端に形式的な意味では解釈されないことになることを、さらに理解されよう。
【0040】
例示の実施形態の部分および対応する詳細な記載は、ソフトウェアの用語、またはコンピュータメモリ内のデータビットについての動作の、アルゴリズムおよび記号表現で表される。これらの記載および表現は、当業者が彼らの仕事の実体を他の当業者に効果的に伝えるものである。アルゴリズムは、用語が本明細書で使用されるとき、および用語が一般的に使用されるときに、所望の結果をもたらす、自己矛盾のないステップのシーケンスであると考えられる。ステップは、物理量の物理的な操作を要求するものである。通常、必ずしもというわけではないが、これらの量は、格納され、伝送され、組み合わされ、比較され、かつ他のやり方で操作されることが可能な、光、電気、または磁気信号の形をとる。主に一般的な用法という理由で、これらの信号をビット、値、要素、シンボル、文字、用語、数などと呼ぶことが、時々好都合であることが実証されている。
【0041】
以下の記載では、例示的な実施形態は、特定のタスクを実施し、または特定の抽象データタイプを実装し、既存のネットワーク要素または制御ノードにおいて既存のハードウェアを使用して実装されてよい、ルーチン、プログラム、オブジェクト、構成要素、データ構造などを含むプログラムモジュールまたは機能プロセスとして実装されうる(例えば、流れ図の形式での)動作の行為および記号表現を参照して記載されることになる。そのような既存ハードウェアとしては、1つまたは複数の中央処理ユニット(CPU)、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)コンピュータなどが挙げられる。
【0042】
具体的に別段に記載されない限り、または議論から明らかなとき、「処理する(processing)」または「計算する(computing)」または「計算する(calculating)」または「決定する(determining)」または「表示する(displaying)」などの用語は、コンピュータシステムのレジスタおよびメモリ内の物理的、電子量として表されるデータを、コンピュータシステムメモリまたはレジスタ、または他のそのような情報記憶、伝送もしくは表示デバイス内の物理量として同様に表される他のデータに操作し変換する、コンピュータシステムもしくは同様の電子コンピューティングデバイスのアクションおよびプロセスのことをいう。
【0043】
例示の実施形態のソフトウェアが実装された態様は、プロセッサにより実行され、有形の(または記録)記憶媒体のいくつかの形式でエンコードされうることにも留意されたい。有形の記憶媒体は、磁気式(例えば、フロッピディスクまたはハードドライブ)または光学式(例えば、コンパクトディスク読み取り専用メモリ、または「CD ROM」)であってよく、読み取り専用またはランダムアクセスであってよい。例示の実施形態は、任意の所与の実装のこれらの態様により制限されない。
【0044】
用語「チャネル」は、周波数帯域割当て、時間割当て、およびコード割当ての任意の組合せとして理解されうる。
【0045】
VDSL2技術を含む、DSL通信技術の様々な実装は、よく知られている。VDSL2の使用は、引用によりその全体の内容が組み込まれる、ITU G.993.2、2006年2月に標準化されている。
【0046】
したがって、簡潔のために、例示の実施形態は、例示の実施形態の記載で助けとなる、DSLのそれらの態様を参照して記載される。例示の実施形態がDSLシステムを参照して議論されるが、例示の実施形態は、DSLに限定されるべきでなく、他の通信システムに実装されうることを理解されたい。例えば、例示の実施形態は、ファーストマイルイーサネット(登録商標)、(例えば、WiFiといった)ホームデータネットワーク、および自動車通信に実装されうる。
【0047】
従来型DSLシステム
図1は、VDSL2システムの例示の実施形態を図示する。
【0048】
示されるように、システム100は、プロバイダ110および顧客構内装置(CPE)150を含む。プロバイダ110は、CPE150により要求されたデータをチャネル145を介して提供する。
【0049】
システム100では、ビットスワッピングまたはSRAが採用されうる。ビットスワッピングでは、ビットローディング値がトーン間で交換され、それによって、同じ総スループットをもたらす。SRAビットローディングでは、値は、新しいSINR測定から全体的に再評価され、送信器−受信器協調のために、送信器に再送信される。ビットスワッピングおよびSRAは、ビットロード変更操作と呼ばれうる。
【0050】
理解されるように、チャネル145は、トーンとしても知られる、複数の狭周波数帯域に分割されうる。
【0051】
プロバイダ110は、データレート制御器120、エンコーダ125、変調器130、および逆高速フーリエ変換(IFFT)135を含む。データレート制御器120、エンコーダ125、変調器130、および逆高速フーリエ変換(IFFT)135は、ハードウェア、ソフトウェア、またはファームウェアとして実装されうることを理解されたい。データレート制御器120、エンコーダ125、変調器130、および逆高速フーリエ変換(IFFT)135のいずれかがソフトウェアである場合、デジタル信号プロセッサまたはマイクロコントローラなどのデータプロセッサが具体的にプログラムされ、ソフトウェアを実行することを理解されたい。
【0052】
データは、オペレータのネットワークの残りからプロバイダ110に、例えば、TVチャネル、インターネット、およびホームセキュリティシステム用のコマンドで渡される。ユーザ(CPE150のユーザ)の場合、データは家庭で発生し、CPE150に装置により送信される。
【0053】
データレート制御器120は、各トーンについて割り当てられたビット数および/またはシームレスレートアダプテーション(SRA)に基づいて、例えばコード内で使用されるシンボル数といった、コード長を決定する。SRAは、VDSL2内で知られ、標準化される。したがって、簡潔のために、SRAは記載されないこととする。
【0054】
知られているように、エンコーダ125は、情報ビットをエラー訂正コードのコード化されたビットへとマッピングする。エンコーダ125は、様々な長さのコードを実装する。
【0055】
変調器130は、可変サイズコンステレーションを使用する。より具体的には、システム100などの従来型のDSLシステムは、ビットローディングを使用する。
図1では、変調器130は、異なるポイント数を用いて、各トーンで、別個のシンボルのコンステレーションを使用する。例えば、6ビットのビットローディングは、2
6直交振幅変調(または均等物)として実装される。特定のトーンに割り振られるビット数(コンステレーションサイズ)は、測定されたSINRにしたがってなされ、特定のトーンに割り振られるビット数は、ビット割当表に格納される。動作期間に、いくつかのトーンに割り振られるビット数は増加されてよく、一方同時に、他のトーンのビット数は減少される。並行して、電力微調整(G
i)および他のメカニズムによって、各トーンに割り振られる電力に、調整が行われる。
【0056】
したがって、各トーンiについて、変調器130は、トーンiについて割り当てられるビット数b
iに基づいて、コンステレーションサイズを調整する。電力微調整G
iは、トーンiのSINRに影響を及ぼし、したがって、(スライサ160において)復調エラー率に影響を与える。
【0057】
IFFT135は、変調器130からコンステレーション信号を受信し、CPE150にDSLチャネル145(例えば、少なくとも1つの銅線)を介して伝送される、時間領域信号に、コンステレーション信号を変換する。IFFT135の出力は、実数(ベクトル)である。
【0058】
CPE150は、プロバイダ110と通信するように構成される、モデムまたは任意の他の通信デバイスであってよい。CPE150は、一般的にユーザと呼ばれうる。
【0059】
CPE150は、FFT155、スライサ160、デコーダ165、ビットロード変更制御器170、および信号対干渉雑音電力比(SINR)推定器175を含む。FFT155、スライサ160、およびデコーダ165は、単一チップ上のハードウェアとして、またはファームウェアとして実装されうることを理解されたい。ビットロード変更制御器170およびSINR推定器175は、ハードウェア、ソフトウェア、またはファームウェアとして実装されうる。ビットロード変更制御器170およびSINR推定器175のいずれかがソフトウェアである場合、デジタル信号プロセッサまたはマイクロコントローラなどのデータプロセッサが具体的にプログラムされ、ソフトウェアを実行することを理解されたい。
【0060】
SINR推定器175は、DSLチャネル145を介して伝送される各トーンについてのSINRを推定し、推定されたSINRをビットロード変更制御器170に提供する。SINR推定器175は、任意の知られた方法を使用してSINRを推定する。
【0061】
ビットロード変更制御器170は、SINR推定器175から推定されたSINRを受信する。推定されたSINRおよびトーン毎のノイズマージンに基づいて、ビットロード変更制御器170は、複数のトーン間にビットを割り当てる。
【0062】
図1に示されるように、ビットロード変更制御器170は、推定されたSINRおよびノイズマージンに基づいて、トーンiについて割り当てられるビット数b
iおよび関連する電力微調整G
iを生成する。
【0063】
ビットローディングは、伝送が始められるときに、測定されたSINRによって決定される。ノイズマージンは、全SINRから減算されるファクターである。これは、(ファクターの中でもとりわけ)オンになるさらなるラインから生じる、SINRの減少からラインを保護するために行われる。したがって、SINRは、正確な(低エラーの)復調および正しい(低エラーの)デコードを確かにするように、トーンにわたって十分高く維持する。ノイズマージンは、不利な変動に対して予備としてリソースを保持する。ノイズマージンのサイズの選択は、通常、オペレータ(例えば、プロバイダ110)により行われ、より高いデータレート対より頻繁なライン欠落および他の形式の劣化(例えば、音声/映像信号上のグリッチ)のバランスを反映する。
【0064】
例えば、VDSL2では、トーン毎のノイズマージンは、6dBであってよい。SINRが6dB未満であるトーンについて、ビットロード変更制御器170は、そのトーンに割り当てられるビット数を減らす。SINRが6dBより大きいトーンについて、ビットロード変更制御器170は、そのトーンに割り当てられるビット数を増やしてよい。
【0065】
各トーンについて、ビットロード変更制御器170は、割り当てられるビット数b
iおよび関連する電力微調整G
iをスライサ160および変調器130に提供する。さらに、ビットロード変更制御器170は、割り当てられるビット数b
iを、データレート制御器120に提供する。ビットロード変更制御器175とプロバイダ110の間の通信は、フィードバックチャネルを通す。
【0066】
FFT155は、DSLチャネル145を介して複数のトーンを受信する。知られているように、FFT155は、時間領域で受信したトーンを周波数領域に変換する。
【0067】
スライサ160は、周波数領域で信号を受信し、信号をビットに復調する。知られているように、スライサ160は、硬判定復調器である。
【0068】
スライサ160は、トーンiについて割り当てられるビット数b
iおよびトーンiについての電力微調整G
iに基づいて各トーンを復調する。スライサ160は、コンステレーション信号の集合内で、受信した信号に最も近い点を識別する。これにより、送信される各トーン内のビット数について硬判定がなされる。
【0069】
デコーダ165は、トレリスデコーダである。より具体的には、デコーダ165は、エラー訂正に、トレリスコード変調を使用する。デコーダ165は、スライサ160の出力をデコードして、受信データを生成する。
【0070】
しかし、
図1では、SINRマージンの使用が、システム100の性能に影響を及ぼす。例えば、高SINRマージンは、ネットワークのスループットを低下させる可能性があり、一方、低SINRは、エラーのリスク、および特定のDSLラインの欠落を増加させる可能性がある。
【0071】
さらに、ビットロード変更および電力微調整など、多くの制御メカニズムが使用される。デコーダ165では、トレリスコード変調が、理論的な限界(シャノン容量)に近くない速度でのデータ伝送を可能にする。スライサ160は、シャノン容量に近いデータ伝送速度を許容しない。
【0072】
図2は、DSLシステムの例示の実施形態を図示する。
図2に示されるシステム200は、各トーンについて、一定のビット数を使用する。
【0073】
図2に示される例示の実施形態の記載では、「トーン」は、DMTトーンである。しかし、
図2に示される例示の実施形態は、DMTトーンの使用に限定されないことを理解されたい。
【0074】
示されるように、システム200は、プロバイダ210および顧客構内装置(CPE)250を含む。
【0075】
プロバイダ210は、システムのタイプにより許容されるトーン毎の最大ビット数およびトーンについての可能な最大のSINRのうちの少なくとも1つによって、各トーン内のビット数を決定する。
【0076】
システムのタイプにより許容されるトーン毎の最大ビット数は、システムのタイプについての標準に規定されうる。その結果、各トーンについての最大ビット数は、固定である。別の実施形態では、各トーンについてネットワークにより許容される最大ビット数は、ネットワークの製作者/オペレータ(例えば、プロプライエトリ通信ネットワークにおける、自動車通信を利用する車の製作者)により設定されうる。
【0077】
干渉がなく、熱ノイズのみが存在するとき、可能な最大のSINRが達成される。
【0078】
例えば、各トーンmについて、SINR推定器275は、直接ライン損失の大きさd
mをdBで決定しうる。パラメータP
mは、トーンmについての、(dB/Hz)での最大送信電力スペクトルであり、Nは、dB/Hzでのノイズスペクトルである。したがって、SINR推定器275は、可能な最大のSINRをdBで次式のように決定する。
【0080】
可能な最大のSINR γ
mは、システム200の最初の実装期間に、1回測定される。別の例示の実施形態では、可能な最大のSINR γ
mの決定は、予めプログラムされうる。可能な最大のSINR γ
mが予めプログラムされる場合、可能な最大のSINR γ
mは、ライン損失の知られているモデルを使用して、ライン長、ラインのゲージ、周波数、および他の追加パラメータに基づいて決定されうる。さらに、可能な最大のSINR γ
mは、制御器215内に予めプログラムされ、プロバイダ210からCPE250に通信されうる。別の例示の実施形態では、可能な最大のSINR γ
mの決定は、システム200の初期化において、プロバイダ210からCPE250に送信されたパイロット信号に基づいて決定されうる。
【0081】
可能な最大のSINR γ
mに基づいたトーンについてのビット数がシステム200により許容されるトーン毎の最大ビット数を超える場合、一定のビット数はシステム200により許容される最大ビット数であるとプロバイダ210が決定する。
【0082】
各トーンについての可能な最大のSINR γ
mは、システム200の設置の際に決定されうる。
【0083】
一定のビット数が各トーンについて決定された後、各一定のビット数は、固定されたままとなる。より具体的には、対応するトーン内の現在のSINRが可能な最大のSINR γ
mと異なる場合であってさえ、各一定のビット数は一定のままとなる。
【0084】
例えば、トーンについての一定のビット数がVDSL2により許容される最大ビット数である場合、トーンについての一定のビット数は15である。
【0085】
システム200は、CPE250から単一のパラメータ、コードレートRを受信することにより、各トーンについての一定のビット数を維持する。したがって、システム200は、各トーンについてのビット数および各トーンについての電力を調整する代わりに、各トーンについての一定のビット数を維持する。
【0086】
様々な技術が異なるトーンの集合について異なる最大ビット数を提供することも理解されたい。したがって、トーンの第1の集合が第1の一定のビット数を割り当てられてよく、トーンの第2の集合が第2の一定のビット数を割り当てられてよい。
【0087】
その結果、システム200は、可変サイズのコンステレーションではなく、各トーンについて一定のコンステレーションサイズを使用する。VDSL2では、各トーンが最大ビット数を割り当てられる場合、トーンのSINR値にかかわらず、2
15QAM変調がシステムにより使用される。各トーンについての一定のビット数を維持し、システムのタイプにより許容されるトーン毎の最大ビット数およびトーンについての可能な最大のSINR γ
mのうちの少なくとも1つに基づいて一定のビット数を決定することにより、システム200は、可能なより速いデータ伝送速度を提供する。
【0088】
さらに、システム200は、CPE250からプロバイダ210に、単一のパラメータフィードバック、コードレートRを実装する。したがって、各トーンに割り当てられるビット数が一定に維持されてよく、1つのDMTで伝送される情報ビット数は、一定ではなく、シャノン容量近くに設定される。
【0089】
いくつかの例示の実施形態によれば、制御器215は、下の議論にしたがって、各トーンについての一定のビット数を決定し、他の例示の実施形態では、プロバイダ210のオペレータが各トーンについての一定のビット数を決定しうる。
【0090】
プロバイダ210は、CPE250により要求されたデータをチャネル145を介して提供する。プロバイダ210は、制御器215、データレート制御器220、エンコーダ225、変調器230、および逆高速フーリエ変換(IFFT)235を含む。データレート制御器220、エンコーダ225、変調器230、および逆高速フーリエ変換(IFFT)235は、ハードウェア、ソフトウェア、またはファームウェアとして実装されうることを理解されたい。データレート制御器220、エンコーダ225、変調器230、および逆高速フーリエ変換(IFFT)235のいずれかがソフトウェアである場合、デジタル信号プロセッサまたはマイクロコントローラ(例えば、制御器215)などのデータプロセッサが具体的にプログラムされ、ソフトウェアを実行することを理解されたい。
【0091】
例示の実施形態では、制御器215は、エンコーダ225および変調器230に、各トーンに割り当てられる一定のビット数を提供する。
【0092】
データレート制御器220は、コードレートRに基づいて、例えばコード内で使用されるシンボル数といった、コード長を決定する。
【0093】
エンコーダ225は、調整可能レートエンコーダである。例えば、エンコーダ225は、調整可能なコードレートを有する、低密度パリティチェック(LDPC)またはターボコードエンコーダであってよい。レート調整可能LDPCコードは、レートコンパチブルLDPCコードとも呼ばれうる。LDPCまたはターボコードの代わりに、エンコーダ225によって、他の効率的なレートコンパチブルコードが使用されうることを理解されたい。
【0094】
エンコーダ225は、データレート制御器220からの出力を、コードレートRでコードにエンコードする。より具体的には、エンコーダ225は、データレート制御器220からのデータをコードワード内の情報ビットとしてエンコードする。
【0095】
コードレートRは、コードワード内の情報ビットと全ビット数の比である。コードレートRは、システム200内の全てのトーンにわたる、総合相互情報量を使用して得られる。
【0096】
知られているように、「相互情報量」は、チャネルを介して搬送されうる情報の測度である。実際のチャネルについて、相互情報量は、Thomas M. Cover および Joy A. Thomas著の、「Elements of Information Theory」(第1版)の式(10.20)にしたがって次式のように規定されてよい。
【0097】
【数2】
上式で、Pは伝送電力であり、Nはノイズである。
【0098】
システム200では、チャネル145は、複素場上である。したがって、各トーンmについてのビット内の相互情報量Iは、次式で規定されてよい。
【0099】
I
m=log
2(1+SINR) (3)
【0100】
式(3)は、加法的複素ガウスチャネルを介した相互情報量についてのシャノンの公式として知られている。
【0101】
コードレートRおよび総合相互情報量の決定は、CPE250を参照して下でより詳しく記載される。エンコーダ225は、受信したコードレートRをコードワード内の全ビット数で乗算することにより、各コードワード内の情報ビット数を決定する。
【0102】
各DMTシンボルについて、トーン上で伝送されるコードワード長は、シンボルに関連するビット数である。しかし、2つ以上のシンボルにわたる複数のシンボルおよび/またはコードワードを含む、代替コーディング方式が実装されうることを理解されたい。
【0103】
変調器230は、各トーンについて、一定サイズのコンステレーションを使用する。より具体的には、各トーンmについて、変調器230は、トーンmに関連する一定のコンステレーションサイズを維持する。
【0104】
コンステレーションサイズは、そのトーンについての可能な最大のSINR γ
mおよび/またはシステム200により許容される最大ビット数に基づく。トーンは、全てが、同じビット数(例えば、ネットワークにより許容される最大ビット数)、異なるビット数、またはその組合せを有しうる。上に記載されたように、各トーンについての一定のビット数は、一度、そのトーンについての可能な最大のSINRおよび/またはシステム200により許容される最大ビット数に基づいて設定されると、一定のままとなる。したがって、各トーンmについての一定サイズのコンステレーションは、
【0105】
【数3】
であってよく、ここでb
mは、トーンmについての一定のビット数である。
【0106】
トーンmについてのコンステレーションサイズは、一度、そのトーンについての可能な最大のSINR γ
mおよび/またはシステム200により許容される最大ビット数に基づいて決定されると、一定となる。
【0107】
IFFT235は、変調器230からコンステレーション信号を受信し、DSLチャネル145を介してCPE250に伝送される時間領域信号にコンステレーション信号を変換する。
【0108】
CPE250は、プロバイダ210と通信するように構成される、モデムまたは任意の他の通信デバイスであってよい。CPE250は、一般的にユーザと呼ばれうる。
【0109】
CPE250は、FFT255、復調器260、デコーダ265、相互情報量計算器270、信号対干渉雑音電力比(SINR)推定器275、およびコードレート制御器280を含む。FFT255、復調器260、およびデコーダ265は、単一チップ上のハードウェアとして実装されうることを理解されたい。相互情報量計算器270およびSINR推定器275は、ハードウェア、ソフトウェア、またはファームウェアとして実装されうる。相互情報量計算器270およびSINR推定器275のいずれかがソフトウェアである場合、デジタル信号プロセッサまたはマイクロコントローラなどのデータプロセッサが具体的にプログラムされ、ソフトウェアを実行することを理解されたい。
【0110】
FFT255は、DSLチャネル145を介して複数のトーンを受信する。知られているように、FFT255は、時間領域で受信したトーンを周波数領域に変換する。
【0111】
復調器260は、軟または硬判定復調器であってよい。復調器260は、FFT255から周波数領域で信号を受信し、軟復調器の場合、対数尤度比(LLR)(ソフトビット)に信号を復調する。例えば、復調器260は、球形(sphere)復調またはギブスのサンプリング法に基づいた復調を実装しうる。ギブスのサンプリングは、R.R. Chenら著、「Approaching MIMO Capacity Using Bitwise Markov Chain Monte Carlo Detection」、IEEE Trans. on Communications、vol.58、423−428頁、2010年、に記載され、引用によりその全体が組み込まれている。LLRを推定するために、任意の他の等価な方法も使用されうることを理解されたい。
【0112】
復調器260は、各トーンをビットのLLRとして割り当てられる一定のビット数に復調し、ビットのLLRをデコーダ265に提供する。
【0113】
SINR推定器275は、DSLチャネル145を介して伝送された各トーンについてのSINRを推定し、推定されたSINRを相互情報量計算器270に提供する。SINR推定器275は、任意の知られた方法を使用してSINRを推定する。
【0114】
相互情報量計算器270は、式(3)を使用し、SINR推定器275により提供される対応するSINRに基づいて、各トーン内の相互情報量を決定する。相互情報量計算器270は、次いで、各トーン内の相互情報量I
mに基づいて、トーンにわたるDSLチャネル145の総合相互情報量I
agrを決定する。
【0115】
より詳細には、相互情報量計算器270は、次式のように総合相互情報量I
agrを決定する。
【0116】
I
agr=(I
1+…+I
M)/(b
1+…+b
M) (4)
上式で、I
mはトーンmについての相互情報量であり、MはDMTトーンの数であり、b
mはトーンm内のビット数である。
【0117】
相互情報量計算器は、コードレート制御器280に総合相互情報量I
agrを提供する。総合相互情報量I
agrに基づいて、コードレート制御器280は、コードレートRを決定する。
【0118】
より具体的には、情報理論の基本によれば、コードレートRは、総合相互情報量以下であり、そのため次式となる。
【0120】
コードレート制御器280は、総合相互情報量I
agrに等しい可能な最大コードレートを設定する。
【0121】
コードレート制御器280は、以下に基づき、総合相互情報量マージンI
marを決定する。
【0122】
I
mar=I
agr−マージン (6)
【0123】
マージンは、プロバイダ210のオペレータにより決定され、経験的なデータに基づいている。マージンは、効率と信頼性の間のバランスを反映する。
【0124】
コードレート制御器280は、式(6)に規定されるように、総合相互情報量マージンI
marに等しいように、コードレートRを設定する。さらに、コードレートRが、トーン毎に基づく代わりに、(全てのトーンにわたる)総合相互情報量I
agrに基づくことにより、コードレートRの変化量が減少される。
【0125】
コードレート制御器280がコードレートRを決定する速度は、システム200の実装に基づく。1つの例示の実施形態では、完全にベクトル化されたシステムでは、コードレート制御器280は、コードレートRを一度決定しうる。スケジュールされたシステムでは、「オン/オフ」状態である様々なラインで、コードレート制御器280は、周期的に、または特定の状況が検出される(例えば、ラインが外れる(通信が終わる)、またはラインが結合する(通信が開始する))と、コードレートRを決定しうる。
【0126】
コードレート制御器280は、コードレートRをデコーダ265に提供する。コードレート制御器280は、フィードバックチャネルを通して、コードレートRをエンコーダ225およびデータレート制御器220にも提供する。フィードバックチャネルは、知られている方法を使用して設定される。
【0127】
デコーダ265は、調整可能レートLDPCデコーダ、ターボデコーダ、または任意の他のレートコンパチブルデコーダである。デコーダ265は、コードレートRに基づいて復調器260の出力をデコードし、受信データを生成する。
【0128】
したがって、システム200は、各トーンについての一定のビット数を使用してデータを伝送し、各トーンに割り当てられるビット数を変化させ、各トーンに割り当てられる電力を変化させるのではなく、単一のパラメータ、コードレートRに基づいて、プロバイダ210からCPE250へのデータの伝送を制御するように構成される。
【0129】
システム200が追加の要素を含んでよく、
図2に示される特徴に限定されるべきでないことを理解されたい。
図2に示される特徴は、システム200を理解するために提供されており、必ずしもシステム200内の唯一の特徴ではない。
【0130】
加えて、例示の実施形態では、CPE250は、ラインのSINRが、SINR推定器275からの対応するSINRに基づいて減少するのか、かつ/またはデコーダ265が失敗するのかを決定するように構成される。SINRが減少したとCPE250が決定する場合、CPE250は、再伝送が失敗しうることをプロバイダ210に信号伝達する。プロバイダ210は、次いで、CPE250が首尾よくデータを受信しうるように、コードレートを低下させるように決定してよい。一旦、CPE250がデータを低下したコードレートで首尾よく受信すると、CPE250は、首尾よく受信したデータに関連するSINRに基づいて、コードレートRを決定する。
【0131】
1つの例示の実施形態では、コードワードが正しくデコードが成功する場合、CPE250は、それぞれ受信信号と予期される受信信号の間の差を使用することにより、SINRを決定する。CPE250は、プロバイダ210からCPE250に伝送されたパイロット信号に基づいてSINRをやはり決定しうる。SINRを決定する他の方法が実装されうることを理解されたい。
【0132】
別の例示の実施形態では、システム200は、短い長さのライン(例えば、200m未満のライン)にわたるクロストークのキャンセルなしに実装されうる。クロストークのキャンセルの代替として、システム200は、ラインの活動をオンおよびオフに切り替えることを含む、スケジュールを実装しうる。スケジュールでの変化は、典型的には、全てのトーンにわたってSINRの変化を含むことになる。システム200はSINR、したがって、事前に各DMTシンボルについての平均相互情報量およびコードレートRを決定しうる。したがって、CPE250は、スケジュールにしたがうコードレート変化にのみ基づいて受信信号をデコードしうる。その結果、システム200は、さもなければ結果として生じうる、複雑さおよび潜在的な非効率を減少する。
【0133】
図3は、例示の実施形態にしたがう、システムを制御する方法を図示する。プロバイダ210を含むシステム200は、
図3の方法を実装するように構成される。しかし、様々なシステムが
図3の方法を実施してよく、
図3に示される方法がプロバイダ210に限定されるべきでないことを理解されたい。
【0134】
図3の方法では、プロバイダは、DSLチャネルなどのチャネルを介してCPEと通信する。
【0135】
S310において、プロバイダは、システム内の複数のトーンの各々についての一定のビット数を決定する。プロバイダは、システムのタイプにより許容されるトーン毎の最大ビット数およびトーンについての可能な最大のSINRのうちの少なくとも1つによって、各トーン内の一定のビット数を決定する。可能な最大のSINRに基づいたトーンについてのビット数がシステムにより許容される最大数を超える場合、一定のビット数はシステムにより許容される最大ビット数である。
【0136】
S320において、プロバイダは、フィードバックチャネルを介してCPEから単一のパラメータを得る。単一のパラメータは、
図2を参照して記載されたコードレートRなどのコードレートである。
【0137】
S330において、プロバイダは、単一のパラメータに基づいて、CPEに情報ビットとしてデータを伝送する。プロバイダは、伝送期間、各トーンについての一定のビット数を維持する。より具体的には、対応するトーン内の現在のSINRが可能な最大のSINRと異なる場合でさえ、各一定のビット数が一定のままとなる。したがって、システムは、各トーンについての一定のビット数および各トーンにおける電力を調整する代わりに、各トーンについての一定のビット数を維持する。
【0138】
加えて、プロバイダは、コードレートに基づいてデータを情報ビットにエンコードしうる。エンコードは、
図2に記載されたものと同じやり方で実施されうる。したがって、簡潔のために、エンコードはさらに詳細には記載されないこととする。
【0139】
図4は、システムを介してデータを受信する方法を図示する。CPE250を含むシステム200は、
図4の方法を実装するように構成される。しかし、様々なシステムが
図4の方法を実施してよく、
図4に示される方法がCPE250に限定されるべきでないことを理解されたい。
【0140】
図4の方法では、プロバイダは、DSLチャネルなどのチャネルを介してCPEと通信する。
【0141】
S410において、CPEは、システム内の複数のトーンにわたるデータを受信する。受信データに基づいて、CPEは、各トーンについてのSINR、各トーンについての相互情報量、および全てのトーンについての総合相互情報量を決定する。全てのトーンについての相互情報量に基づいて、CPEは、S420で単一のパラメータを決定する。単一のパラメータは、コードレートRなどのコードレートである。
【0142】
CPEは、S430で、単一のパラメータをプロバイダに伝送する。プロバイダは、S440で、コードレートに基づいてデータレート制御およびエンコードを調整し、CPEにさらなるデータを伝送する。各トーンで受信されたビット数は、一定のままとなる。したがって、各トーン内のビット数は、関連するトーンのSINRから独立している。関連する各トーン内のビット数は、ネットワークにより許容される最大ビット数であってよい。各トーン内のビット数は、同じであってよい。
【0143】
上に記載されたように、一定のビット数が各トーンに割り当てられる。各トーン内のビット数は、トーンについての可能な最大のSINRまたはシステムにより許容される最大ビット数のうちの少なくとも1つに基づく。その結果、各トーン内のビット数は、トーンについて連続的に監視されるSINRに基づかない。
【0144】
各トーンについての一定のビット数を維持し、システムのタイプにより許容されるトーン毎の最大ビット数およびトーンについての可能な最大のSINRに基づいて一定のビット数を決定することにより、システム200は、可能なより速いデータ伝送速度を提供する。
【0145】
さらに、例示の実施形態は、CPEからプロバイダへの、単一のパラメータフィードバック、コードレートを開示する。したがって、各トーンに割り当てられるビット数が一定に維持されてよく、1つのトーンシンボル内で伝送される情報ビット数は、シャノン容量に近い。さらに、単一のパラメータの使用が、システムの制御を簡略化する。
【0146】
例示の実施形態は、このように記載されているが、例示の実施形態は、多くのやり方に変更されうることが明らかであろう。そのような変更形態は、例示の実施形態の精神および範囲からの逸脱と考えられるべきではなく、当業者に明らかな全てのそうした変更形態は、特許請求の範囲内に含まれることが意図される。