(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6042984
(24)【登録日】2016年11月18日
(45)【発行日】2016年12月14日
(54)【発明の名称】切り替え可能なコンデンサ
(51)【国際特許分類】
H01G 5/013 20060101AFI20161206BHJP
H01G 5/16 20060101ALI20161206BHJP
H01H 59/00 20060101ALI20161206BHJP
H01P 1/12 20060101ALI20161206BHJP
【FI】
H01G5/013 385
H01G5/16
H01H59/00
H01P1/12
【請求項の数】19
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2015-524244(P2015-524244)
(86)(22)【出願日】2012年11月29日
(65)【公表番号】特表2015-529971(P2015-529971A)
(43)【公表日】2015年10月8日
(86)【国際出願番号】US2012067002
(87)【国際公開番号】WO2014018081
(87)【国際公開日】20140130
【審査請求日】2015年3月23日
(31)【優先権主張番号】13/556,273
(32)【優先日】2012年7月24日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】503455363
【氏名又は名称】レイセオン カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100091214
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 進介
(72)【発明者】
【氏名】モリス,フランシス・ジェイ
(72)【発明者】
【氏名】ムーディ,コディ・ビー
(72)【発明者】
【氏名】マルチェフスキ,アンドリュー
【審査官】
田中 晃洋
(56)【参考文献】
【文献】
特開2011−187680(JP,A)
【文献】
特開昭50−061655(JP,A)
【文献】
特開2000−173375(JP,A)
【文献】
国際公開第2010/055545(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01G 5/013
H01G 5/16
H01H 59/00
H01P 1/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
切り替え可能なコンデンサであって、
固体の誘電体と、
一対の電極であり、当該電極のうちの第1の電極は、その上に前記固体の誘電体を備え、当該電極のうちの第2の可撓性の電極は、当該切り替え可能なコンデンサが非活性化状態にあるとき、前記固体の誘電体の上に懸架される、一対の電極と、
前記固体の誘電体と前記第2の可撓性の電極との間に配置され、基準電位に接続されている上部プレートであり、その中に複数のアパーチャを有する上部プレートと、
を有し、
当該切り替え可能なコンデンサが活性化状態に静電的に駆動されるとき、前記電極のうちの前記第2の可撓性の電極が前記上部プレートと接触し、当該切り替え可能なコンデンサが前記非活性化状態に戻されるとき、前記上部プレート上の電荷が前記基準電位へと放電される、
切り替え可能なコンデンサ。
【請求項2】
スイッチであって、
固体の誘電体と、
一対の電極であり、当該電極のうちの第1の電極は、その上に前記固体の誘電体を備え、当該電極のうちの第2の可撓性の電極は、当該スイッチが非活性化状態にあるとき、前記誘電体の上に懸架される、一対の電極と、
前記誘電体と前記第2の可撓性の電極との間に配置され、基準電位に接続されている上部プレートであり、その中に複数のアパーチャを有する上部プレートと、
前記第1の電極と前記第2の電極との間に結合されて、当該スイッチを活性化状態と前記非活性化状態との間で静電的に駆動するために前記第1の電極と前記第2の電極との間に切り替え可能な静電力を生成する、切り替え可能な電源と、
を有し、
当該スイッチが前記活性化状態に静電的に駆動されるとき、前記電極のうちの前記第2の電極が前記上部プレートと接触し、当該スイッチが前記非活性化状態に戻されるとき、前記上部プレート上の電荷が前記上部プレートから前記基準電位へと放電される、
スイッチ。
【請求項3】
基板と、
入力セクション及び出力セクションを備えたマイクロ波伝送線と、
前記基板上に配置された切り替え可能なコンデンサであり、かかるコンデンサが、
誘電体と、
一対の電極であり、当該電極のうちの第1の電極は、その上に前記誘電体を備え、当該電極のうちの第2の可撓性の電極は、当該切り替え可能なコンデンサが非活性化状態にあるとき、前記誘電体の上に懸架され、当該コンデンサが活性化状態に切り替えられたとき、当該電極のうちの前記第2の可撓性の電極が前記第1の電極の方へ静電的に駆動される、一対の電極と、
前記誘電体と前記第2の可撓性の電極との間に配置され、基準電位に接続された上部プレートであり、その中に複数のアパーチャを有する上部プレートと、
を有する切り替え可能なコンデンサと、
前記第1の電極と前記第2の電極との間に結合されて、前記コンデンサを前記活性化状態と前記非活性化状態との間で静電的に駆動するために前記第1の電極と前記第2の電極との間に切り替え可能な静電力を生成する、切り替え可能な電圧源と、
を有し、
前記切り替え可能なコンデンサが前記活性化状態に静電的に駆動されるとき、
前記入力セクション上のマイクロ波エネルギーが、前記切り替え可能なコンデンサを介して前記出力セクションに結合され、且つ
前記電極のうちの前記第2の電極が、前記上部プレートと接触し、
前記切り替え可能なコンデンサが前記非活性化状態に戻されるとき、前記上部プレート上の電荷が前記基準電位へと放電される、
スイッチングシステム。
【請求項4】
前記誘電体がその中にアパーチャを有し、前記上部プレート内の前記アパーチャが、前記誘電体内の前記アパーチャと位置合わせされている、請求項1に記載の切り替え可能なコンデンサ。
【請求項5】
前記電極のうちの前記第2の電極がその中にアパーチャを有し、前記電極のうちの前記第2の電極内の前記アパーチャが前記上部プレート内のアパーチャからオフセットされている、請求項4に記載の切り替え可能なコンデンサ。
【請求項6】
前記上部プレートが抵抗性である請求項2に記載のスイッチ。
【請求項7】
前記誘電体がその中にアパーチャを有し、前記上部プレート内の前記アパーチャが、前記誘電体内の前記アパーチャに位置合わせされている、請求項6に記載のスイッチ。
【請求項8】
前記電極のうちの前記第2の電極がその中にアパーチャを有し、前記電極のうちの前記第2の電極内の前記アパーチャが前記上部プレート内の前記アパーチャからオフセットされている、請求項7に記載のスイッチ。
【請求項9】
前記上部プレートが抵抗性であり、前記上部プレートを加熱するための回路を備えている、請求項2に記載のスイッチ。
【請求項10】
前記回路が前記上部プレートを含んでいる、請求項9に記載のスイッチ。
【請求項11】
前記上部プレートが抵抗性であり、前記上部プレートを加熱するための回路を備えている、請求項1に記載の切り替え可能なコンデンサ。
【請求項12】
前記回路が前記上部プレートを含んでいる、請求項11に記載の切り替え可能なコンデンサ。
【請求項13】
前記上部プレートが抵抗性であり、前記電極のうちの前記第2の電極がその中に、前記上部プレート内の前記アパーチャからオフセットされたアパーチャを有する、請求項1に記載の切り替え可能なコンデンサ。
【請求項14】
切り替え可能なコンデンサであって、
固体の誘電体と、
一対の電極であり、当該電極のうちの第1の電極は、その上に前記固体の誘電体を備え、当該電極のうちの第2の可撓性の電極は、当該切り替え可能なコンデンサが非活性化状態にあるとき、前記固体の誘電体の上に懸架される、一対の電極と、
前記固体の誘電体と前記電極のうちの前記第2の電極との間に配置された抵抗上部プレートであり、その中に複数のアパーチャを有する上部プレートと、
を有し、
当該切り替え可能なコンデンサが活性化状態に静電的に駆動されるとき、前記電極のうちの前記第2の可撓性の電極が前記上部プレートと接触し、当該切り替え可能なコンデンサが前記非活性化状態に戻されるとき、前記上部プレート上の電荷が基準電位へと放電される、
切り替え可能なコンデンサ。
【請求項15】
前記抵抗上部プレートを加熱するための回路を含む請求項14に記載の切り替え可能なコンデンサ。
【請求項16】
前記回路が前記上部プレートを含んでいる、請求項15に記載の切り替え可能なコンデンサ。
【請求項17】
前記電極のうちの前記第2の電極が前記上部プレートに接触する時点に、前記誘電体にかかる電圧が低下される、請求項14に記載の切り替え可能なコンデンサ。
【請求項18】
前記固体の誘電体がその中にアパーチャを有し、前記上部プレート内の前記アパーチャが、前記固体の誘電体内の前記アパーチャと位置合わせされている、請求項14に記載の切り替え可能なコンデンサ。
【請求項19】
前記電極のうちの前記第2の電極がその中に、前記上部プレート内の前記アパーチャからオフセットされたアパーチャを有する、請求項18に記載の切り替え可能なコンデンサ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001] この開示は全般的に
、切り替え可能なコンデンサに、そして、詳細には
、マイクロ波伝送線の
入力セクションと出力セクション
との間でマイクロ波信号
を選択的にカップリング又はデカップリングするために用い
る切り替え可能なコンデンサに関する。
【背景技術】
【0002】
[0002] 周知のように、時々
、マイクロ波伝送線の
入力セクションと出力セクション
との間にスイッチを提供することは望ましい。この
機能を実行するためのデバイスとして、無線周波数(RF)微小電気機械システム(MEMS)スイッチがある。この既存のタイプのスイッチは、基板
上で離間された2つの導電ポストを有する基板を典型的に有する。
このスイッチは
、電気的に分離されて
これらのポストの底部部分の間に配置され
た、基板上の
導電部(例えば
、切り替え可能なコンデンサの底部電極)を有してい
る切り替え可能なコンデンサを
含む。底部電極は、固体の誘電材料の層によって、カバーされる。可撓性
で導電性の膜(メンブレン)(例えば
、切り替え可能なコンデンサの上
部電極)
が、これらのポストの頂部に電気的に接続された端部を有して、これらのポストの頂部の間を延在する。その結果、可撓性の
導電性メンブレンの中心部
が底部電極
の上方につるされる。マイクロ波伝送線の入力セクション
が、第1および第2の電極の
一方に結合され、伝送線上の出力セクションが、伝送線の他の一つに
結合される。
【0003】
[0003] RF信号は、入力セクションに典型的に適用されて、出力セクションへ
スイッチを介して容量結合される。より詳しくは、スイッチは、
頂部電極と底部電極との間に結合されて第1の電極と第2の電極との間(すなわち、底部電極と頂部電極との間)に切り替え可能な静電力を発生す
る切り替え可能な電圧源を備える。
切り替え可能な静電力は、
切り替え可能なバイアス電圧源によって発生される電圧に従って選択的に、第1の電極と第2の電極との間の間隔を変えて、それ故、スイッチの静電容量を切替える。
【0004】
[0004] より詳しくは
、切り替え可能な電圧源により発生される電圧がない場合
(すなわち、作動解除状態又は非作動状態において)、第2の可撓性の電極は
、低静電容量状態
で、第1の電極及び固
体誘電層
の双方より上に間隔を置かれ
る。スイッチを作動させるために
、切り替え可能な電圧源は、
第1および第2の電極の間に接続される。
このバイアス電圧が、第1および第2の電極
上に静電電荷を作り出し、および
該電荷が第1および第2の電極
を互いに静電的に引き付けさせる。この引力は、
第1の電極の方へ
下方に第2の可撓性の電極の中心部を
移動させて、固
体誘電層の
頂部に接触させる。これは、
スイッチの作動位置または
高静電容量状態である。
【0005】
[0005] スイッチのこの
作動状態において、
第1および第2の電極間の間隔は、
作動解除状態において
よりも小さい。従って、
作動状態で、
第1および第2の電極間の容量
性カップリングは、
作動解除状態において
よりも有意に大きい。従って、
作動状態で、
第1および第2の電極の
一方を通って進んでいる
RF信号が、第1および第2の電極の
他方に沿って進んでいる
信号に、実質的に完全に容量結合される。
【0006】
[0006] スイッチを
作動解除するために、DCバイアス電圧は、オフにされる。それから、第2の可撓性の電極の固有の
復元力によってその
元々の位置に戻る。
これはスイッチの
作動解除状態を表す。
第1および第2の電極間の容量
性カップリングは作動解除状態において
遥かに低いので、
第1および第2の電極の
一方を通って進んでいる
RF信号は、第1および第2の電極の
他方に沿って進んでいる
信号に対する容量結合をほとんど
又は全く経験しない。
【0007】
[0007] ある応用で
、ハイパワー・アプリケーションに関し第2の可撓性の電極の
高いプルダウン(引き下げ)電圧
が望ましいと、発明者は、認めた
。何故なら、プルダウン電圧が低すぎる場合、望ましくない効果で、RF
マイクロ波信号自体がスイッチを起動させ
てしまい得るからである。従来のRF MEMSスイッチの
プルダウン電圧が増加
される場合、
これは、MEMSスイッチが閉じ
られているときの(すなわち、活性化状態
における)固体誘電体
内の電界強度を増加させる。
これは、固体誘電破壊または
固体誘電体の過剰帯電を生じさせ得る。固体誘電体の過剰帯電は、DCバイアス電圧がオフにされ
てスイッチが非活性化状態に戻るべき後でさえ、可撓性
メンブレンに下方位置または
閉位置のままでいさせ
得る第2の可撓性の電極の「スティクション」
をもたらし得る。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0008】
[0008] 本開示によれば
、切り替え可能なコンデンサは、固体の誘電体と、一対の電極であ
り、当該電極のうちの第1の電極は、その上に前記固体の誘電体を備え、当該電極のうちの第2の可撓性の電極は、当該切り替え可能なコンデンサが非活性化状態にあるとき
、前記固体の誘電体の上に懸架される
、一対の電極と、前記固体の誘電体と前記第2の可撓性の電極との間に配置され、基準電位に接続
されている上部プレートと、を有する。上部プレートは基準電位に結合される。
切り替え可能なコンデンサが活性化状態に静電的に駆動されるとき、前記電極
のうちの第2の可撓性の
電極が
前記上部プレートと接触し、
当該切り替え可能なコンデンサが
前記非活性化状態に戻されるとき、
前記上部プレート上の電荷
が前記基準電位
へと放電され
る。
【0009】
[0009] ある態様では、スイッチは、固体の誘電体と、一対の電極であ
り、当該電極のうちの第1の電極は、その上に前記固体誘電体を備え、当該電極のうちの第2の可撓性の電極は、当該スイッチが非活性化状態にあるとき
、前記誘電体の上に懸架され
る、一対の電極と、前記誘電体と前記第2の可撓性の電極との間に配置され、基準電位に接続
されているアパーチャ上部プレートまたは抵抗プレートと、
前記第1の電極と前記第2の電極との間に結合されて、コンデンサを活性化状態と
前記非活性化状態との間
で静電的に駆動するために第
1の電極と第2の電極との間
に切り替え可能な静電力を生成する
、切り替え可能な電源と、を有する。
上部プレートまたは抵抗プレートは、固体の誘電体が
それを介して露出される複数の穴
を有して形成される。
切り替え可能コンデンサが活性化状態に静電的に駆動されるとき、
前記電極の
うちの第2の
電極が上部プレートと接触
する。これが発生すると
き、上部プレートおよび第2の電極は等ポテンシャルであり、かくして、静電力がそれらの間に存在しない。静電力は
、上部プレートのアパーチャ
を通じて上部プレートと底部電極の間に残る。頂部電極に適用される力は、印加電圧
及びアパーチャの組み合わせ面積の関
数である。ここでの利点は、
上部プレートの下にトラップされた電荷が上部プレートによって
遮蔽されて、可撓性の第2の電極の起動電圧への影響を有しないこと
である。活性化される
間に、上部プレート
がアパーチャであるところで固体の誘電体が電荷をトラップするとしても、これは最小限
であり、第2の電極を抑えつけるのに十分でな
い。第2の電極の解放に応じて、上部プレートの下
の固体の誘電体
内に残存する電荷は上部プレートで終端し、故に、第2の電極は、固体の誘電体
内の電荷を見ることなく、上部プレート
の電位のみを見ることになる。
切り替え可能なコンデンサが非活性
化状態に戻されるときに、上部プレートの非
開口部分と
基準電位との間に放電経路が供されて、上部プレート上の
電荷が取り除
かれる。
【0010】
[0010] ある態様によるスイッチングシステムは、基板と、入力セクション及び出力セクションを備えたマイクロ波伝送線と、
前記基板
上に配置され
た切り替え可能なコンデンサであって、かかるコンデンサが、
固体の誘電体と、一対の電極であ
り、当該電極のうちの第1の電極は、その上に前記誘電体を備え、当該電極のうちの第2の可撓性の電極は、当該切り替え可能なコンデンサが非活性化状態にあるとき
、前記固体の誘電体の上に懸架され、
当該コンデンサが活性化状態に切り替えられたとき、電極の
うちの第2の可撓性の
電極が第
1の電極の方へ静電的に駆動され
る、一対の電極と、
前記固体の誘電体と第2の可撓性の電極との間に配置され、基準電位に接続された上部プレートと、を
有する切り替え可能なコンデンサと、
前記第1の電極と前記第2の電極との間に結合されて、前記コンデンサを活性化状態と非活性化状態との間で静電的
に駆動するために第
1の電極と第2の電極との間
に切り替え可能な静電力を生成す
る、切り替え可能な電
圧源と、を有す
る。この電圧
源は、活性化電圧と低い非活性化電圧との間で切り替える。
切り替え可能なコンデンサが活性化状態に静電的に駆動されるとき、入力セクション上のマイクロ波エネルギーが
、切り替え可能なコンデンサを介して出力セクションに結合され、電極の
うちの第2の
電極が、上部プレートに接触され
、電極のうちの第2の
電極の電荷
が、切り替え可能な電圧
源の活性化電圧よりも低い電圧まで放電され、それにより固体誘電体層に
かかる電圧を制限する。
【0011】
[0011] 実施形態において、上部プレートは抵抗であり、回路は抵抗上部プレートを加熱するために提供される。
[0012] 一実施形態において、回路は、抵抗上部プレートを備える。
【0012】
[0013] 本開示の一つ以上の実施形態の詳細は、添付の図面および下記の説明に記載される。開示の他の特徴、目的および利点は、説明および図面から、そして、請求項から明らかである。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】[0014]
図1は、本開示によるスイッチングシステムの上面図である、
【
図2A】[0015]
図2Aは、本開示によれる
図1のスイッチングシステムの断面図表のスケッチである、
【
図2B】[0016]
図2Bは、
図1のスイッチングシステムのスイッチで使用する上部プレートの上面図である、
【
図2C】[0017]
図2Cは、
図1が開いているか非活性化状態のスイッチングシステムのブロック線図である、
【
図2D】[0018]
図2Dは、閉または活性化状態の
図1のスイッチングシステムのブロック線図である、
【
図3】[0019]
図3は、スイッチングシステムが非活性化状態であるような本開示の別の実施形態によるスイッチングシステムである
図1のスイッチングシステム断面図のスケッチである。
【
図3A】[0020]
図3Aは、活性化状態の
図3のスイッチングシステムの断面図表のスケッチである。
【
図3B】[0021]
図3Bは、
図3Aに示される活性化状態のスイッチを有するスイッチングシステムで
図3Aの拡大でより詳細な断面図のスケッチである、
【
図4】[0022]
図4は、開示の他の実施形態に一致するスイッチングシステムの断面図のスケッチである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
[0023] 種々の図面の同様なリファレンスシンボルは、同じエレメントを示す。
[0024] 次いで、
図1および2Aを参照すると、スイッチングシステム10は、絶縁基板12と、マイクロ波伝送線14とを有し、例えば、マイクロ波伝送線は、
ここでは上面である基板12
の一方の表面上
のストリップ導体回路16
と、基板12の
反対表面(すなわち、背面)
上の接地面導体18とを有する。例えば、
接地面導体18がストリップ導体回路16と同じ表面にあるコプラナー導波路(CPW)のような他のタイプのマイクロ波伝送線が用いられることが可能であることを理解すべきで
ある。いずれにせよ、マイクロ波伝送線14の伝送線14の入力セクション19のストリップ導体回路16は一対の
導電性の垂直に伸びている
ポスト(柱)のうちの
一方22に接続し、マイクロ波伝送線14の出力セクション20のストリップ導体回路16は
一対の導電性の垂直に伸びている柱
のうちの他方24に接続している。
【0015】
[0025] スイッチングシステム10は、基板12
上に配置されてい
る切り替え可能なコンデンサ26を備える。コンデンサ26は、例えば、窒化ケイ素である
固体誘電体28と、一対の電極
30、32とを含んでおり、電極
のうちの第1の
もの30は、接地面18に接地され
るとともに、その上に誘電体28を有し、
図2Aおよび2Bに示したように、スイッチングシステム10(すなわち、スイッチングコンデンサ26)が非活性化状態にあるとき、電極
のうちの第2の可撓性の
もの32は、導電ポスト22,24によって、誘電体28
の上で空気により懸架され、スイッチングシステム10(すなわち、スイッチングコンデンサ26)が、
図2Dに示すように、活性化状態に切り替えられるとき、電極
のうちの第2の可撓性の
もの32は第
1の電極30の方へ下
方に静電的に駆動される。
【0016】
[0026] 上部プレート40(
図2B)
が、誘電体28と第2の可撓性の電極32との間で誘電体28(
図2A)
上に配置されている。上部プレート40は、レジスタ
(抵抗)50を介して基準電位に接続しており(
図1および2A)、ここでは接地されている。上部プレート40は導電材料(例えば金)でもよいかまたは抵抗性材料(後述するように例えば酸化スズ)でもよく、
図2Bに示すように
、その中に形成されるアパーチャ41の配列を有する。
上部プレート
が存在しないと、可撓性電極32が誘電体28の上の全域全体の親密接触にすることができないので、上部プレート40の使用はスイッチの静電容量を増加させる。より詳しくは、可撓性の電極32のいくつかの部分に関し、作動位置の最大静電容量の減少に結果としてなる可撓性の電極32と誘電体28の間
の小さいエアギャップが存在することがありえる。
このRF MEMS回路10の副次的な利点は、上部プレート40と誘電体28
との間
の親密接触
による、スイッチが閉じ
られたとき
のMEMS静電容量の予想される増加である。
【0017】
[0027] ここで、例えば、可撓性電極32は、厚さ.1〜1μmのオーダーのアルミニウムであり、上部プレート40は、0.01乃至1μmの厚みを有しているアルミニウムまたはTiWであり、底部電極30は厚さ0.1〜1μmであり、誘電体28は厚さ0.1〜0.5μm窒化ケイ素である。
図2Dに示される活性化状態にあるとき、可撓性電極32
との上部プレート40の
接触面積57は10x10から>500x500のレンジにある。典型的に、それは約100x100である。アパーチャ41は、矩形または、方形又は円
形とし得る。可撓性の電極32を支持している2つの端上のポスト22、24間の分離は、例えば、幅又は長さ約50乃至500μmの間でもよいかまたはより大きくてもよ
く、典型的には約300μm
とし得る。上部プレート40のアパーチャ41は、直径1―25μm、5―25μmのスペースで間隔が置かれる。
【0018】
[0028] バイアス電圧
源42は、示すように、第2の電極32
とグランドとの間に
、レジスタ44で
結合され
る切り替え可能なバイアス電圧
源である。
切り替え可能な電圧源42は、正、負またはac電圧源のいずれかでありえる。
この実施形態において、切り替え可能であるかパルス化された電圧源42は、その出力43でグランドと正電圧との間で切り替わり、それにより、図2Dに示される活性化状
態(ソース42が
グランドに対して正の電位を出力43
に発生するとき
)と、図2Cに示される非活性化状態(すなわち、電圧源42が出力43で
グランド電圧を発生するとき
)との間で静電的にスイッチ10(すなわち
、切り替え可能なコンデンサ26)を
駆動するために
、第1の電極30と第
2の電極32の間
に切り替え可能な静電力を発生す
る。(パルス化された電圧源42を伝送線から分離
(アイソレート)するために標準習慣に従って
、入力セクション19および/または出力セクション20と直列の図示しないdc阻止コンデンサが用いられて、提供されることに注意されたい。
)
【0019】
[0029]
切り替え可能なコンデンサ26が非活性化状態であ
る(すなわち、第2の電極32
が図2B又は2Cに示すように上部プレート40から
離隔される
)とき、入力セクション19上のマイクロ波エネルギーはスイッチ10
を通じて出力セクション20に
カップリングされる。他方
、切り替え可能なコンデンサ26が
図2Dで示す活性化状態であるとき、入力セクション19上のマイクロ波エネルギーは出力セクション20から
デカップリングされ、接地
された第1の電極30
を通じてグランドにパスする。
切り替え可能なコンデンサが活性化状態
に駆動されるとき、電極のうちの第2
の可撓性の電極が上部プレートと接触する。そして
、切り替え可能なコンデンサが非活性化状態に戻されるときに、上部プレート40上の電荷
が上部プレート40から基準電位
へと放電される。
【0020】
[0030] より詳しくは、誘電体28
上に配置されている上部プレート40は基準電位(ここでは接地電位)に高い値
のレジスタ50で接続され
る。上部プレート40に接続されるレジスタ50の抵抗は、第2の可撓性の電極32
と上部プレート40との間でかなりのRFまたは直流
電流が基準電位(ここでは接地電位)へと流れることを防止する
のに十分な高さである。
例えば1メガオームといった、レジスタ50のこの高い値の抵抗は、スイッチが作動するときに、
上部プレート40を第2の可撓性の電極32に
融着させる可能性のあるアーク流が上部プレート40と第2の可撓性の電極32の間にないこと
を保証する。誘電体28上の上部プレート40は、良好な導体、例えば金またはアルミニウム、または抵抗性材料(例えば、
酸窒化チタン)でもよい。
上部プレート40に関し抵抗性材料の使用は
、第2の可撓性の電極32が上部プレート40と接触させられるときの電気アークによ
る不具合の確率を更に低減させる。
【0021】
[0031]
図2Cを次に参照すると、頂部電極32が十分に
正の電圧をまず最初に受信する
(すなわち、ソース42からの電圧がグランドに対して正になる)ときに、アパーチャ41が存在する
ところを除く上部プレート40(すなわち、
上部プレートの非
開口部分)
と電極32との間に、静電界53
が生じる。アパーチャ41が存在
するところでは、静電界54が電極対30、32の間に
生じる。静電界54は
静電界53よりも大きい大きさを有し、双方の静電界が、頂部可撓性
メンブレンが上部プレート40の非
開口部分
と接触するまで
、電極32を
下方に電極30に向かわせる。
【0022】
[0032] この初めの作動の後、ソース42によって
発生される電圧は、まだ高い。
注意されたいことには、電極32
と上部プレート40の非
開口部分すなわち接触部分57との間の静電界53(
図2C)
は、これらが接触すると存在しない
が、静電
界54は、電極対30
、32の間に
残存しており、電極対30、32の間の距離が
小さくなっているので、静電界54
は大きさ
的にも大きく増加し
ている。これらの静電界54は、切換構造26を
作動状態に保つこと
を担う。
電極対30、32間の接触は為されず、このことにより
電荷移送が制限される。この
時点で、上部プレート40の非
開口部分および電極32は
等電位である。
すべての電圧
が、大きいレジスタ50および44
で降下され、それにより、電極32上の電荷が維持され、そしてそれにより、電界54が維持される。
【0023】
[0033] 電圧源42がその出力43
にグランドを発生するように切替えられると
き、電界54(
図2D)
が除去される。
上部プレート40を用いることによって、充電電界54が存在した面積を最小化することにより、誘電体28
内に残る残留電荷が最小化される。充分な静電力なしで、
図2Cに示すように、電極32がその以前の上
方位置に戻
る。レジスタ
50を介してグランドに結合された上部プレート40はまた、誘電体内の残留電荷のフォールド線を上部電極40で終端させることにより、差動電圧の変化を防止し、故に、上部プレート40の電圧は、トラップされた電荷によって影響されず、そして、より重要なことには、上部プレート40と可撓性電極32との間のフィールド53及び静電力は、上部プレート40の下の誘電体層28内のトラップ電荷によって影響を受けない。
【0024】
[0034]
図2Dを再度参照して、スイッチが活性化状態
にあると
き、電流がソース43から、
レジスタ44を通り、可撓性の電極32
を通り、上部プレート40
を通り、レジスタ50
を通って、グランドに戻る点に注意され
たい。上部プレート40と
グランドとの間の電圧は、
出力43における電圧に、レジスタ50の抵抗値とレジスタ43の抵抗値との和に対するレジスタ50の抵抗
値比率R
を乗じたものに等しい。第2の可撓性の電極32が上がり、誘電体28
の頂部上の上部プレート40と接触していない限り、第2の可撓性の電極32
と誘電体28との間のエアギャップを挟んで、及び第2の可撓性の電極と上部プレート40との間のエアギャップを挟んで、完全な電位が存在し、それにより、スイッチ10を
閉じるために最大の力
が及ぼされる。
【0025】
[0035] より詳しくは、スイッチ10
が閉じられているとき、すなわち、
第2の可撓性の電極32が誘電体28
の上のポイントP(
図2D)で上部プレート40と接触して
いるとき、誘電体28
での電圧
降下は
、シャント抵抗50の大きさの、該シャント抵抗を含むバイアス回路の抵抗の総量
(すなわち、レジスタ44の抵抗とレジスタ50の抵抗との和)に対する
比Rに比例する。かくして、dc回路は分圧器を提供し、レジスタ50の
シャント抵抗がより低いほど、誘電体28
への印加電圧はより低い。例えば、
シャント抵抗50の大きさが第2の可撓性の電極
のバイアス回路60の抵抗44の大きさに等しい場合、ソース42の
電圧全体がスイッチ10を
閉じるために
なおも利用
可能でありながら、誘電体
にかかる電圧は半分に
低減される。第2の可撓性の電極
のバイアス60が適用される限り、誘電体
にかかる結果的な電圧が第2の可撓性の電極32を
押さえつけるのに十分であること
が必要である。誘電体28の
蓄積電荷から生
じるスティクションによるスイッチ故障がこの開示により除去されたにもかかわらず、誘電体28
にかかる電圧を低減させることは
、誘電破壊によって
生じる故障までの平均時間を増やす
という更なる有利さを提供する。
【0026】
[0036] 可撓性の電極32がアップ位
置に戻るとき
(すなわち、パルスが取り除かれるとき)、上部プレート40から大きいレジスタ50
を通ってグランドへの放電経路
が、上部プレート40上の電荷を取り除く。我々
は次の“オン”パルスの前に上部プレート40
がグランドまで放電されることを望むので、これは重要である。さもなければ、電極32と上部プレート40間の静電界53は、上部プレート40より上にエアギャップにおいて、低減させられる。この電界は、上部プレート40
の電位と可撓性の電極32
の電位との差に比例
する。
この電圧(すなわち、
電位)差が
活性化開始時に最大であること
が望ましい
。何故なら、活性化開始時には、電界を低減させるこれら2つの電極40、32間の隔たりが最大だからである(すなわち、電界は、この電位差をエアギャップ間隔で割ったものである)。
【0027】
[0037] 可撓性の電極32がアップ位置
すなわち非活性化状態に戻る
とき(すなわち、パルスが取り除かれるとき
)、上部プレート40から大きいレジスタ50
を通ってグランドへの放電経路
はまた、固体誘電体28
内の電荷を取り除く点にも注意され
たい。しかしながら、
上部プレート40の下の電荷は、それが上部プレート40によって
静電的に遮蔽
(スクリーン)されるので、
あまり重要でない。
誘電体28内のこの電荷は、上部プレート40の誘電体接触面上の電荷によって相殺され、如何なるネット(正味)電界も、上部プレート40の下の誘電体28内の電荷によっては、上部プレート40の上のエアギャップ内に延在しない。上部プレート40より上のエアギャップの電界は、常に可撓性の電極32と上部プレート40の間
の電位差によって決定される。重要であることは、上部プレート40のアパーチャ41の下の誘電体28
上の電荷がエアギャップ・フィールド、したがって可撓性の電極32上の力に影響を与えるということであ
り、すなわち
、これらのエアギャップ
領域には、上部プレート40によ
る静電遮蔽が存在しないか、最小限しかないということである。レジスタ50による上部プレート40と
グランドとの間の放電経路は
、この電荷を放出する傾向があ
り、これは、アパーチャの固体誘電体が除去されない場合に重要である。電荷が誘電体28の表面を横切って及び誘電体28の体積を通ってゆっくりと移動するとき、上部プレート40のアパーチャを電荷の収集箇所として見ることができる。
【0028】
[0038] レジスタ50の抵抗の値
とレジスタ44の抵抗の値との合計に対するレジスタ50の抵抗の
値の比率(R)は、システムの他のパラメータに
依存する。より詳しくは
、誘電体28
にかかる電圧が非常に低い
ことを望む場合、比率Rは低いべきであり、または0.7と0.3の間にあるべきである。
パルス信号が可撓性電極32にどれだけ早く現れるかを決定するスイッチ10の「抵抗」(「抵抗」は抵抗43の抵抗値である)
に静電容量
を掛けた(RC)時定数
が、どれだけ大きい抵抗が可撓性電極32に接続されるかを決定し得る。典型的に、
レジスタ44のこの抵抗は、充電時定数を満足するように十分な小さいべきであるが、パルス供給がシステム内で大きい電流スパイクを生じさせることがないように十分に大きいべきである。同様に
、上部プレート40に接続
されるレジスタ50は、
上部プレート40がどれほど速く放電するか(そのRC時定数に等しい)を決定する。
思い出してほしいことには、上部プレート40は
次の“オン”パル
スの前
までに放電されるべきである。一方
で、レジスタ4
4はいくら小さくしてもしすぎるということはない、または、
上部プレート40
と接触した後の可撓性の電極32の電圧は
メンブレン電極32を
“下”に保持するのに十分に大きくない。異なるシステム・アプリケーションに関して、これらのレジスタ値の最適化は、異なってもよい。
【0029】
[0039] 入力セクション19に供給されるRF/マイクロ波信号の観点から
、スイッチ10が活性化状態(
図2D)に
あるときに誘電体28により提供される静電容量は
、スイッチ10が閉じるときに高値
シャント抵抗50
を効果的に短絡させ、
マイクロ波性能へのレジスタ50の
影響を最小にする。
シャント抵抗50は、スイッチ10が閉じるとき
に第2の可撓性の電極32
のバイアス電源42
からのパワー放散を増やす。
これは、望ましくないが、ある条件下では、スイッチ寿命が改善され得る場合に価値があり得る。
【0030】
[0040]
別の言い方をすれば、可撓性の電極32が
下方位置に
あるとき、可撓性の電極32は、レジスタ50の抵抗の値
とレジスタ44の抵抗の値との合計に対するレジスタ50の抵抗の値の
比R
に依存する電圧まで上部プレート40を
充電する。これは、電極4
0の下で誘電体28
を帯電させるが、上部プレート40の下の電荷は、
上部プレート40によって、静電的に
遮蔽されて、したがって電極40と可撓性の電極32の間
の電界に影響を与え
ず、このことにより可撓性
メンブレン電極32上の力に影響を及ぼさない。
下方位置において、可撓性の電極32
はまた、上部プレート40のアパーチャ41(
図2B)の下で、誘電体28
を帯電させる。電圧源42が可撓性の電極32を解
放するために
グランドに低下されるとき、可撓性の電極32が
上方位置にあるときに、レジスタ50
がレジスタ54
を介して上部プレート40上の電荷を
グランドに放電する。しかしながら、上部プレート40
によって覆われていない誘電体28の部分(すなわち、アパーチャ41によって
露出された誘電体28の部分)
にある電荷は、直ちに放
電されなくて、長期間残ることがありえる。
これらの電荷は、電圧源42がグランドまで低下された後にも可撓性電極32を下方にとどまらせる、すなわち、上部プレート40にスティックさせる、あるいは、電圧源42が
グランドから
正の値に
上昇されるときに
可撓性電極32が下方に来るのを妨げるものである。レジスタ50を介して接地される上部プレート40は、これらの誘電体電荷をグランドに放電するためのこれらの電荷用の最終的な経路を提供
し、接地された上部プレート40を持たない(故に、これらの電荷を除去するのに好都合な手法を持たず、標準的なRF MEMSの動作寿命を短くし得る)標準的なRF MEMSに関してよりも、帯電問題を有意に小さいものにする。更に、可撓性の電極32がアパーチャ41
を通って誘電体28と物理的に接触しないように、上部プレートが十分に厚い場合、アパーチャ41の下の誘電体の
蓄積電荷は最小限である。
【0031】
[0041]
図3および
3Aを参照するに、ここ
では、誘電体28が
、上部プレート40のアパーチャ41の下に、すなわち、それと位置を合わせられて、アパーチャ80
を備えている。上部プレート40のアパーチャ41の下
の誘電体28の部分を
除去することによって
、結果として生じるエアギャップは
、可撓性電極32が下方位置から解放されるときに電荷を蓄積せず、それ故、可撓性の電極32をそれが下にある
ときに縛り付けるか又はそれがその後
に閉じるのを防止する
かの何れかである残留電荷がない。これは、
誘電体28の帯電がRF MEMS
動作に影響を与えること
を完全に
排除する。
【0032】
[0042]
図1に示すように、可撓性の電極32の穴78があることを理解すべきである。かくして、上部プレート40のアパーチャ41が可撓性の電極32のアパーチャ78から、そして、上部プレート40のアパーチャ41から
オフセットされるべき点に留意する必要がある。
これは、閉位置すなわち活性化位置にある図3のスイッチを示す
図3Bに
いっそう明瞭に示される。
【0033】
[0043]
図4を次に参照すると、スイッチングシステム10
が示され
ている。ここで
は、上部プレート40は抵抗
性であり
、この抵抗上部プレート40を加熱する
ための回路が設けられている。
この回路は、
図示のように、グランドとレジスタ50の間に連結される電圧源90
を含んでおり、上記の如く、レジスタ50
が、ここでは上部プレート40の一端で、上部プレート40に接続
され、上部プレート40の
反対側の端部に、
そしてグランド
へと、レジスタ92
が接続されている。ここで
は、抵抗性材料からできた誘電体29上の上部プレート40
を有し、それを第1の電極30を僅かに加熱するために使用することができ、このことにより、
スイッチ10のパッケージ(図示せず)内に捕獲された水分を、パッケージのいっそう冷たい部分へと移動させ、それにより、水分によって発生される上部プレート40
への第2の可撓性の電極32
のスティクションを更に低減させ
得る。このケースに関して、追加抵抗器92は、電圧源90により提供される加熱電流に関し、無線周波数(rf)絶縁
(アイソレート)された電流路を提供する。上部プレート40による下に横たわる誘電体28の加熱はまた、シャント抵抗50
を介して誘電体28が放電する速さを上昇させ、それにより第2の可撓性の電極32のスティクションを
抑制する傾向もある。
上部プレート40による誘電体28の加熱は
また、上部プレート40のアパーチャ41領域の下の誘電体電荷が誘電体内を移動してシャント抵抗50を介して放電することができる速さを上昇させ、それにより可撓性電極32のスティクションを更に抑制する。
【0034】
[0044] 抵抗
性の上部プレート40の使用
は、第2の可撓性の電極の32のプルダウン電圧を下げるために、
それが上部プレート40と接触しているときに、すなわち、下方位置すなわち活性化位置
にあるときに、第2の可撓性の電極32の温度を上げるために使用され得る。かかるアプリケーションに関して
、プルダウン電圧(すなわち、
電源42により提供される
活性化電圧)
が、図2Aにおいてよりも意図的に
高く設計され
るとともに、抵抗性の上部プレート40がプルダウン電圧を所望の値へと低下させるために使用され、それによって、プロセス
バラつきに起因するプルダウン電圧
のバラつきを補償する。
このアプローチは、RF MEMS回路の温度がそれぞれに決定されることができると仮定して
、環境またはRF電力
放散によりスイッチが加熱する
ときのプルダウン電圧の自然な
低下を補償するために用いることができる。この
用途に関して、パッケージ温度が増加するにつれて、
電源によって抵抗上部プレート40に供給される
電力は低減さ
れ、それによって、一定の第2の可撓性の電極32温度およびプルダウン電圧を維持する。
指摘されるべきことには、加熱される抵抗上部プレート40に関して挙げた利点は、単にヒーターとしてMEMSスイッチ10に隣接して抵抗材料を使用することによ
っても得られ得るが、熱が変えられ
たときと第2の可撓性の電極32が
応答するとき
との間の時間遅延
がより大きいこと
が予期される。
【0035】
[0045] さまざまな本発明の特徴を記載し、開示によるスイッチで切り替え可能なコンデンサが以下を備えるとここで認められるべきである:固体の誘電体と、一対の電極であって、スイッチで切り替え可能なコンデンサが非活性化状態にあるとき、電極の第1の方がその上に固体の誘電体を有し、および、電極の第2の可撓性の一方が固体の誘電体において、懸架されていることを特徴とする一対の電極と、固体の誘電体と第2の可撓性の電極の間に配置され、基準電位に接続された上部プレートと、を有し、スイッチで切り替え可能なコンデンサが活性化状態に静電的に駆動されるとき、電極の第2の可撓性の方が上部プレートに接触し、スイッチで切り替え可能なコンデンサが非活性化状態に戻されるとき、上部プレート上の電荷はリファレンス可能性に放出される。スイッチで切り替え可能なコンデンサは、以下の特徴の一つ以上を備えることもありえる:上部プレートはそこにアパーチャを有し、電極の第2の方がそこにアパーチャを有し、上部プレートのアパーチャは、誘電体のアパーチャに合わせられ、電極の第2の方はそこにアパーチャを有し、電極の第2の方のアパーチャが上部プレートのアパーチャからオフセットされ、回路は、上部プレートを備え、上部プレートは抵抗であり、そこにアパーチャを有し、電極の第2の方は、そこにアパーチャを有し、上部プレートのアパーチャからオフセットされる。
【0036】
[0046] 本開示によるスイッチは、固体の誘電体と、一対の電極であって、スイッチで切り替え可能なコンデンサが非活性化状態にあるとき、該電極の第1の方がその上に前記固体の誘電体を備え、該電極の第2の可撓性の方が前記誘電体の上に懸架されることを特徴とする、一対の電極と、前記誘電体と前記第2の可撓性の電極との間に配置され、基準電位に接続している上部プレートと、活性化状態と非活性化状態との間で静電的にスイッチを静電的に駆動するために第一の電極と第2の電極との間にスイッチで切り替え可能な静電力を生成するために、第一の電極と第2の電極の間に接続されたスイッチで切り替え可能な電源と、を有し、スイッチが活性化状態に静電的に駆動されるとき、電極の第2の方が上部プレートと接触し、スイッチが非活性化状態に戻るとき、上部プレート上の電荷が上部プレートから基準電位まで放電される、ことを特徴とする。
【0037】
[0047] 本開示によるスイッチングシステムは、基板と、入力セクション及び出力セクションを備えたマイクロ波伝送線と、基板に配置されたスイッチで切り替え可能なコンデンサであって、かかるコンデンサが、誘電体と、一対の電極であって、スイッチで切り替え可能なコンデンサが非活性化状態にあるとき、該電極の第1の方がその上に前記誘電体を備え、該電極の第2の可撓性の方が前記誘電体の上に懸架され、コンデンサが活性化状態に切り替えられたとき、電極の第2の可撓性の方が第一の電極の方へ静電的に駆動されることを特徴とする、一対の電極と、誘電体と第2の可撓性の電極との間に配置され、基準電位に接続された上部プレートと、を備えることを特徴とするスイッチで切り替え可能なコンデンサと、活性化状態と非活性化状態との間で静電的にコンデンサを静電的に駆動するために第一の電極と第2の電極との間にスイッチで切り替え可能な静電力を生成するために、第一の電極と第2の電極の間に接続されたスイッチで切り替え可能な電源と、を有し、スイッチで切り替え可能なコンデンサが活性化状態に静電的に駆動されるとき、入力セクション上のマイクロ波エネルギーが、スイッチで切り替え可能なコンデンサを介して出力セクションに結合され、電極の第2の方が、上部プレートに接触され、スイッチで切り替え可能なコンデンサが、非活性化状態に戻るとき、上部プレート上の電荷が基準電位まで放電されることを特徴とする。
【0038】
[0048] 本開示の多くの実施形態を記載してきたにもかかわらず、さまざまな修正が開示の精神と範囲から逸脱することなくされることができることが理解されよう。したがって、他の実施形態は、以下の請求項の範囲内である。