特許第6042990号(P6042990)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6042990メモリデバイスに対する電力管理を提供する装置および方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6042990
(24)【登録日】2016年11月18日
(45)【発行日】2016年12月14日
(54)【発明の名称】メモリデバイスに対する電力管理を提供する装置および方法
(51)【国際特許分類】
   G11C 13/00 20060101AFI20161206BHJP
   G11C 11/413 20060101ALI20161206BHJP
【FI】
   G11C13/00 380
   G11C13/00 210
   G11C13/00 400B
   G11C13/00 314
   G11C11/34 A
   G11C11/34 335A
【請求項の数】24
【全頁数】22
(21)【出願番号】特願2015-531207(P2015-531207)
(86)(22)【出願日】2013年9月5日
(65)【公表番号】特表2015-531531(P2015-531531A)
(43)【公表日】2015年11月2日
(86)【国際出願番号】US2013058323
(87)【国際公開番号】WO2014039716
(87)【国際公開日】20140313
【審査請求日】2015年3月27日
(31)【優先権主張番号】13/605,538
(32)【優先日】2012年9月6日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】595168543
【氏名又は名称】マイクロン テクノロジー, インク.
(74)【代理人】
【識別番号】100074099
【弁理士】
【氏名又は名称】大菅 義之
(74)【代理人】
【識別番号】100106851
【弁理士】
【氏名又は名称】野村 泰久
(72)【発明者】
【氏名】バークレー,ジェラルド
(72)【発明者】
【氏名】ヘンドリクソン,ニコラス
【審査官】 後藤 彰
(56)【参考文献】
【文献】 特表2008−513923(JP,A)
【文献】 特開平07−220485(JP,A)
【文献】 特開平06−314492(JP,A)
【文献】 特開平10−188567(JP,A)
【文献】 特開平10−011989(JP,A)
【文献】 特開2011−211767(JP,A)
【文献】 特開2008−160004(JP,A)
【文献】 特開2007−128633(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G11C 13/00
G11C 5/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
アクセス線を介して動作可能にアクセス可能なメモリセルを有するメモリコアであって、少なくとも低電力読み出しモードおよび低待ち時間の読み出し/書き込みモードを含む複数のモードで動作可能であり、前記低電力読み出しモードは前記低待ち時間読み出し/書き込みモードより低電力消費である、メモリコアと、
前記メモリコアの非選択アクセス線に関するバイアスレベルを設定するように構成されるアクセス線バイアス回路部であって、前記バイアスレベルはモード情報に応じて設定される、アクセス線バイアス回路部と、を備え、
前記アクセス線バイアス回路部は、前記モード情報が前記低待ち時間読み出し/書き込みモードから前記低電力読み出しモードへの前記動作モードの変更を示す場合、前記メモリコアの前記非選択アクセス線上の電圧レベルを低減するように構成される線形ダウンレギュレータを含み、
前記線形ダウンレギュレータは、
第1の電力ノードと第2の電力ノードとの間でそれぞれソース・ドレインが一列に接続されるN型絶縁ゲート電界効果トランジスタ(IGFET)およびP型IGFETを備え、前記N型IGFETと前記P型IGFETとの間の中間ノードは、前記メモリコアの前記非選択アクセス線に結合されると共に、
前記N型IGFETおよび前記P型IGFETのゲートノードに結合されるスイッチを更に備え、前記動作モードが前記低待ち時間読み出し/書き込みモードを含む場合、第1の制御電圧を前記ゲートノードに、および前記動作モードが前記低電力読み出しモードを含む場合、前記第1の制御電圧とは異なる第2の制御電圧を前記ゲートノードに、提供する、
装置。
【請求項2】
メモリアクセスデバイスから前記モード情報を受信するように構成される入力ノードを更に備える、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記メモリアクセスデバイスはプロセッサを備える、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記第1の電力ノードは前記メモリコアの動作時に第1の電位を有し、前記第2の電力ノードは前記メモリコアの動作時に第2の電位を有し、前記第1の電位は前記第2の電位より高く、
前記N型IGFETは、前記第1の電力ノードと前記中間ノードとの間の信号経路内にあり、
前記P型IGFETは、前記中間ノードと前記第2の電力ノードとの間の信号経路内にある、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記P型IGFETは、線形ダウンレギュレーションを支援するように前記非選択アクセス線から接地に適切なレベルの変位電流を提供可能な大きさを有する、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記線形ダウンレギュレータは第1、第2、第3、および第4の緩衝器を更に備え、
前記第1の緩衝器は、前記動作モードが前記低待ち時間読み出し/書き込みモードを含む場合、前記第1の制御電圧を前記N型IGFETの前記ゲートノードに提供するように結合され、
前記第2の緩衝器は、前記動作モードが前記低電力読み出しモードを含む場合、前記第2の制御電圧を前記N型IGFETの前記ゲートノードに提供するように結合され、
前記第3の緩衝器は、前記動作モードが前記低待ち時間読み出し/書き込みモードを含む場合、前記第1の制御電圧を前記P型IGFETの前記ゲートノードに提供するように結合され、
前記第4の緩衝増幅器は、前記動作モードが前記低電力読み出しモードを含む場合、前記第2の制御電圧を前記P型IGFETの前記ゲートノードに提供するように結合される、
請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記メモリコアは相変化メモリコアを含む、請求項1に記載の装置。
【請求項8】
少なくとも第1のメモリコアおよび第2のメモリコアを有する複数のメモリコアと、
前記第1のメモリコアの非選択アクセス線に関するバイアスレベルを提供するように構成される前記第1のメモリコアに結合される第1のアクセス線バイアス回路部と、
前記第2のメモリコアの非選択アクセス線に関するバイアスレベルを提供するように構成される前記第2のメモリコアに結合される第2のアクセス線バイアス回路部と、
前記第1のアクセス線バイアス回路部と前記第2のアクセス線バイアス回路部とにそれぞれ独立して第1の制御信号及び第2の制御信号を供給するオーバレイ窓と、を備え、
前記第1および第2のアクセス線バイアス回路部は、前記第1のメモリコアの前記非選択アクセス線に関する前記バイアスレベルが、前記第2のメモリコアの前記非選択アクセス線に関する前記バイアスレベルとは異なり得るように、前記第1の制御信号及び第2の制御信号に対応して互いに独立に動作するように構成され
前記第1のアクセス線バイアス回路部は、メモリアクセスデバイスからのモード情報が、前記第1のメモリコアの動作モードが低待ち時間読み出し/書き込みモードから低電力読み出しモードに変化すべきことを示す場合、線形ダウンレギュレーションを用いて前記第1のメモリコアの前記非選択アクセス線上の電圧を減少させるための線形ダウンレギュレータを含み、
前記線形ダウンレギュレータは、第1の電力ノードと第2の電力ノードとの間でそれぞれソース・ドレインが一列に接続されこれらの間の中間ノードは前記第1のメモリコアの前記非選択アクセス線に結合される第1のトランジスタおよび第2のトランジスタ及び、第1のリファレンス電圧に基づいた第1の制御電圧を発生する第1の基準電圧回路及び前記第1のリファレンス電圧よりも低い第2のリファレンス電圧に基づいて第2の制御電圧を発生する第2の基準電圧回路を含み、前記第1及び第2のトランジスタは、前記低電力読み出しモードのときには少なくとも前記第1の制御電圧に基づいて駆動され、前記低待ち時間の読み出し/書き込みモードのときには少なくとも前記第2の制御電圧に基づいて駆動される、装置。
【請求項9】
前記第1および第2のメモリコア以外の前記複数のメモリコアのうちのメモリコアに結合される追加のアクセス線バイアス回路部を更に備える、請求項8に記載の装置。
【請求項10】
前記第1のアクセス線バイアス回路部は、メモリアクセスデバイスから受信した第1のモード情報に応じて、前記第1のメモリコアの前記非選択アクセス線に関する前記バイアスレベルを設定可能であり、前記第2のアクセス線バイアス回路部は、前記メモリアクセスデバイスから受信した第2のモード情報に応じて、前記第2のメモリコアの前記非選択アクセス線に関する前記バイアスレベルを設定可能である、請求項8に記載の装置。
【請求項11】
第1の構造体は、前記第1のアクセス線バイアス回路部および前記第1のメモリコアを含み、
第2の構造体は、前記第2のアクセス線バイアス回路部および前記第2のメモリコアを含む、請求項8に記載の装置。
【請求項12】
前記第1の構造体は複数のメモリコアを含み、前記第1のアクセス線バイアス回路部は、前記少なくとも2個のメモリコアの非選択アクセス線に関するバイアスレベルを提供するように、前記複数のメモリコアのうちの少なくとも2個に結合される、請求項11に記載の装置。
【請求項13】
指令を受け取ると共に、書き込まれる状態情報に基づいて、前記オーバレイ窓を有効化することができる指令インタフェースをさらに備える、請求項8記載の装置。
【請求項14】
さらに第3のメモリコアを備え、前記第3のメモリコアに対応するアクセス線バイアス回路を有していないことを特徴とする請求項8記載の装置。
【請求項15】
アクセス線を介して動作可能にアクセス可能なメモリセルを有するメモリコアであって、少なくとも低電力読み出しモードおよび低待ち時間の読み出し/書き込みモードを含む複数のモードで動作可能であり、前記低電力読み出しモードは前記低待ち時間読み出し/書き込みモードより低電力消費である、メモリコアと、
前記メモリコアの非選択アクセス線に関するバイアスレベルを設定するように構成されるアクセス線バイアス回路部であって、前記バイアスレベルはモード情報に応じて設定される、アクセス線バイアス回路部と、を備え、
前記アクセス線バイアス回路部は、前記モード情報が前記低待ち時間読み出し/書き込みモードから前記低電力読み出しモードへの前記動作モードの変更を示す場合、前記メモリコアの前記非選択アクセス線上の電圧レベルを低減するように構成される線形ダウンレギュレータを含み、
前記線形ダウンレギュレータは、第1の電力ノードと第2の電力ノードとの間でそれぞれソース・ドレインが一列に接続されこれらの間の中間ノードは前記メモリコアの前記非選択アクセス線に結合される第1のトランジスタおよび第2のトランジスタ及び、第1のリファレンス電圧に基づいた第1の制御電圧を発生する第1の基準電圧回路及び前記第1のリファレンス電圧よりも低い第2のリファレンス電圧に基づいて第2の制御電圧を発生する第2の基準電圧回路を含み、前記第1及び第2のトランジスタは、前記低電力読み出しモードのときには少なくとも前記第1の制御電圧に基づいて駆動され、前記低待ち時間の読み出し/書き込みモードのときには少なくとも前記第2の制御電圧に基づいて駆動される、装置。
【請求項16】
前記線形ダウンレギュレータは、前記第1のトランジスタおよび前記第2のトランジスタに結合されるスイッチを更に備え、前記スイッチは前記低待ち時間読み出し/書き込みモードのとき、前記第1の制御電圧に少なくとも基づく第3及び第4の電圧をそれぞれ前記第1のトランジスタ及び第2のトランジスタに供給し、前記低電力読み出しモードのとき、前記第2の制御電圧に少なくとも基づく第5及び第6の電圧をそれぞれ前記第1のトランジスタ及び第2のトランジスタに供給する、請求項15記載の装置。
【請求項17】
メモリアクセスデバイスから前記モード情報を受信するように構成される入力ノードを更に備える、請求項15に記載の装置。
【請求項18】
前記メモリアクセスデバイスはプロセッサを備える、請求項17に記載の装置。
【請求項19】
前記線形ダウンレギュレータは第1、第2、第3、および第4の緩衝器を更に備え、
前記第1の緩衝器は、前記低待ち時間読み出し/書き込みモードのとき、前記第1の制御電圧を前記第2のトランジスタに提供するように結合され、
前記第2の緩衝器は、前記低電力読み出しモードのとき、前記第2の制御電圧を前記第2のトランジスタに提供するように結合され、
前記第3の緩衝器は、前記低待ち時間読み出し/書き込みモードのとき、前記第1の制御電圧を前記第1のトランジスタに提供するように結合され、
前記第4の緩衝増幅器は、前記低電力読み出しモードのとき、前記第2の制御電圧を前記第2のトランジスタに提供するように結合される、請求項15に記載の装置。
【請求項20】
前記メモリコアは相変化メモリコアを含む、請求項15に記載の装置。
【請求項21】
前記第1のトランジスタは、P型IGFETを含み、前記第2のトランジスタは、N型IGFETを含む、請求項15記載の装置。
【請求項22】
前記モード情報を前記アクセス線バイアス回路に供給するオーバレイ窓をさらに備えることを特徴とする請求項15記載の装置。
【請求項23】
プロセッサから指令を受け取ると共に、書き込まれる状態情報に基づいて、前記オーバレイ窓を有効化することができる指令インタフェースをさらに備える、請求項22記載の装置。
【請求項24】
前記第1の基準電圧回路は、その入力に前記第1のリファレンス電圧を受け前記第1の制御電圧を出力する第1の演算増幅器を含み、
前記第2の基準電圧回路は、その入力に前記第2のリファレンス電圧を受け前記第2の制御電圧を出力する第2の演算増幅器を含む、
請求項15記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
開示する構造体および/または技術は一般にメモリデバイスに関し、特に、メモリデバイス内の電力消費を管理するための装置および方法に関する。
【背景技術】
【0002】
電子構成部品に対しては、比較的少量の電力の消費によりそれらの意図された機能(複数可)を遂行させることが一般に要望されている。一部の適用では、このような要望はより顕著であり得る。例えば、エネルギーに制限がある電子デバイス(例えば、電池式のデバイス、等)では、より電力消費の少ない構成部品を使用すれば、充電間のデバイス使用時間は延長され得る。電子デバイス内の電力消費の減少は、デバイス内部での発熱の減少にも至り得る点でも有益であり得る。加えて、電子デバイス内部での電力消費の減少は、増幅を遂行させるために使用される電気エネルギー量ならびにそのエネルギーに関連するコストも減少させる。エネルギーコストの減少は、大規模な動作では顕著であり得る(例えば、通常、領域内で、比較的多数のコンピューティングデバイスおよび/または記憶デバイスを動作させるデータセンター、等)。不揮発性ソリッドステートメモリデバイス、および/またはそれらを使用するシステムは、電力消費の減少から利益を受け得る装置の一例を備え得る。
【0003】
以下の図面を参照しながら非限定的かつ非網羅的な実装例を説明するが、別段の特定がない限り類似の参照番号は、種々の図面を通じて類似の部分を示す。
【図面の簡単な説明】
【0004】
図1】例示的実装例に従った、コンピューティングシステムを示すブロック図である。
図2】例示的実装例に従った、線形ダウンレギュレータ回路を示す概要図である。
図3】例示的実装例に従った、多重コア不揮発性メモリ装置を示すブロック図である。
図4】例示的実装例に従った、コンピューティングシステムを動作させるための方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0005】
「一実装例」、「実装例」、または「ある実装例」とは、本明細書を通じて、説明される実装例(複数可)との関係で説明される特定の特徴、構造体、または特性が、特許請求の範囲に記載した主題の少なくとも一実装例に含まれ得ることを意味する。したがって、「一例示的実装例で」、「例示的実装例で」、または「ある例示的実装例で」の表現の本明細書の種々の箇所での出現は、必ずしも全てが同一の実装例(複数可)を指しているとは限らない。更に、特定の特徴、構造体、または特性は、1つ以上の実施において組合され得る。
【0006】
特許請求の範囲に記載した主題の実施形態は、動作を遂行させるための方法および/または装置(例えば、個々の装置または装置もしくはその構成部品の組合せ)を含む。装置は、所望の目的のために特別に構築でき、および/または装置は、メモリ内に格納されたコンピュータプログラムに従って動作し得る汎用コンピューティングデバイスを備え得る。プログラムは、フロッピーディスク、光ディスク、コンパクトディスク読取り専用メモリ(CD−ROM)、光磁気ディスク、読取り専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、不揮発性メモリである電気的再書き込み可能な読取り専用メモリ(EPROM)、電気的消去再書き込み可能な読取り専用メモリ(EEPROM)および/またはフラシュメモリや、相変化メモリ(PCM)および/または電子命令の格納に適する何らかの他のタイプのメディア、を含む、限定はされないが、任意のタイプのディスク等の、メモリ内に格納され得る。
【0007】
メモリは、通常、非一時的デバイスを備える。これに関連して、非一時的メモリは、有体のデバイスを含み、そのデバイスはその物理的状態のうちの1つ以上を変え得るのだが具体的な物理的形状を有することを意味する。したがって、例えば、非一時的とは、状態の変化にも拘わらず有体のままであるデバイスを指す。
【0008】
特許請求の範囲に記載した主題の実施形態を説明するに際し、「ビット」の用語は、2値デジタルデータ信号の状態により表される等の、2進数字のデータに対応し、場合によっては論理信号、2値信号、論理状態、または2値状態と呼ばれる。ビットの値、ビットの小数、または多ビットは、例えば、単一トランジスタ等の、メモリセルを、複数のデータ状態のうちの1つに、プログラム(例えば、書き込み)することにより、格納され得る。本明細書で用いる場合、複数とは2つ以上を意味する。例えば、単一レベルのメモリセル(SLCまたはSLCセル)では、セルは、第1の(例えば、論理1)データ状態または第2の(例えば、論理0)データ状態に消去/プログラムされ得る。加えて、個々の2値デジタルデータ信号および/またはデータ状態を含む複数の2値デジタルデータ信号および/または複数のデータ状態は、編成および/または集成され、「シンボル」を構築し(例えば、アセンブル)、これが集合的に、例えば、2ビット、4ビット、8ビット、10ビット、等を表す。一例では、2ビットのシンボルは、00、01、10、または11の2値の値を有し得る。一部の場合、単一のメモリセルは、これらの値のうちのいずれかを表すそれぞれのデータ状態に選択的にプログラムされ得る。例えば、2ビットのシンボルのための00値は、メモリセルを可能な4データ状態(例えば、閾値電圧レベルのそれぞれの範囲に対応)のうちのそれぞれ1つにプログラムすることにより格納され得る。同様に、4ビットのシンボル(例えば、0101)の特定値は、1個以上のメモリセルを可能な16データ状態のうちのそれぞれ1つにプログラムすることにより格納され得、8ビットのシンボル(例えば、0000 0110)の特定値は、1個以上のメモリセルを可能な256の別個のデータ状態のうちのそれぞれ1つにプログラムすることにより格納され得る、等である。前述のシンボルのいかなるものも、例えば、1つ以上のデータ信号の1つ以上の測定可能な物理特性(例えば、音響、電流、放射、および/または電圧レベル)として伝達され得る。
【0009】
メモリは、種々の状況で使用され得る。例として、メモリはコンピューティングシステム内に含まれ得る。この場合、コンピューティングシステムの用語は、母線により結合される少なくともプロセッサおよびメモリを指す。同様に、本願では、メモリ、メモリシステム、メモリモジュール、メモリデバイスおよび/またはメモリ装置の用語は、使用前後の文脈がそれ以外を示さない限り、互換的に使用される。しかし、メモリセル、はメモリ内部の格納ユニットを指し、メモリアレイはメモリセルのアレイを指す。通常は、アレイのメモリセルは、メモリコアを含む。しかし、メモリ、メモリシステム、メモリモジュール、メモリデバイスおよび/またはメモリ装置も、例えば、メモリセルの使用を可能にする他の回路部または構成部品を含み得ると理解される。同様に、メモリサブシステムは、メモリシステムの下位部分を指す。
【0010】
例示的実装例では、不揮発性メモリデバイスの形の装置は、複数の関連するインタフェースを介して(例えば、通して)1個以上のプロセッサまたは他のメモリアクセスデバイスと通信を行い得る。不揮発性メモリデバイスは、例えば、単一チャネルメモリデバイスまたは多重チャネルメモリデバイスを備える。2個以上の複数のインタフェースは、実質的に類似のタイプまたは別個のタイプを備え得る。非限定的な例により、ある実装例では、一つのインタフェースはパラレルインタフェースを備え、別のインタフェースはシリアルインタフェースを備え得る。不揮発性メモリデバイスは、例えば、相変化メモリ(PCM)、電荷蓄積型メモリ(フラッシュメモリと一般に呼ばれるもの等)等、またはそれらの任意の組合せを備え得るが、特許請求の範囲に記載した主題はそのような例に限定されない。
【0011】
特許請求の範囲に記載した主題は、主に説明目的で提供され得る、特定の実施形態、実装例、または例に範囲について限定されないことが当然理解される。むしろ、それらの種々のハードウエア、ファームウエア、またはソフトウエアの実施形態、またはそれらの組合せ、が(ソフトウエア自体を除いて)可能で、特許請求の範囲に記載した主題の範囲内に含まれ得るように意図される。したがって、特許請求の範囲に記載した主題の態様を、1つ以上の例または図面を参照しながら以下に説明するが、そのように説明されるいずれの例または図面も特許請求の範囲に記載した主題に関して非限定的であるように意図されることを理解すべきである。
【0012】
図1は、例示的実装例に従った、コンピューティングシステム10の形の装置を示すブロック図である。図示のように、コンピューティングシステム10は、プロセッサ12等の、メモリアクセスデバイス、および不揮発性メモリデバイス14を含む。プロセッサ12は、不揮発性メモリ14にアクセスして、例えば、情報の格納および/または取得機能を遂行することができる。一部の実施形態では、不揮発性メモリ14は、プロセッサ12および/または外部環境内等の、他のメモリアクセスデバイスに結合される外部ノード(例えば、接点、端子等)を有するパッケージ化されたデバイスを備え得る。一部の実装例では、不揮発性メモリ14は、プロセッサ12等と、共通の相互動作可能なプラットフォームタイプ構造体(例えば、チップ、基板、または基盤)内に実装され得る。ホストプロセッサ12と不揮発性メモリ14との間の通信は、直接的でよく、またはチップセット、直接メモリアクセス(DMA)論理素子、またはなんらかの他の仲介回路部または論理素子を介しまたは利用してもよい。
【0013】
一部の実施形態では、不揮発性メモリ14は、複数の動作モードで動作し得る。加えて、不揮発性メモリ14は、ホストプロセッサ12等の、メモリアクセスデバイスが、不揮発性メモリ14の動作モードを設定することを許容(例えば、メモリアクセスデバイスが、動作モードを変更または維持することを許容)し得る。一部の実施形態では、不揮発性メモリ14は、プロセッサ12からモード情報を受信しなくても使用され得る動作のデフォルトモードを有してもよい。少なくとも一実装例では、例えば、不揮発性メモリ14は、低待ち時間読み出し/書き込みモードまたは低電力読み出しモードで動作し得る。不揮発性メモリ14は、他の動作モードで動作し得るものでも構わない。一実施形態では、低待ち時間読み出し/書き込みモードは、書き込みに対して低電力読み出しモードより待ち時間が少なく、低電力読み出しモードは、低待ち時間読み出し/書き込みモードより電力消費が低い。
【0014】
一実施形態では、不揮発性メモリ14は(a)高電圧モード、および(b)低電圧モードの、2つの動作モードを有する。高電圧モードは、読み出しおよび書き込みの両方を支援するが、低電圧モードより高い電力消費、高い漏洩電流等を有する。動作の低電圧モードは、読み出し動作のみを支援するが、しかし高電圧モードより電力の消費がはるかに少ない。低電圧モード時に書き込み動作を遂行するために、不揮発性メモリ14は、低電圧モードから高電圧モードに移行し、待ち時間の結果を招く。したがって、高電圧モードは低待ち時間モードとみなすことができ、低電圧モードは低電力モードとみなすことができる。
【0015】
コンピューティングシステム10の動作時に、プロセッサ12は、情報を不揮発性メモリ14から読み出しおよび/または不揮発性メモリ14へ情報を書き込み得る。一部の実装例では、例えば、不揮発性メモリ14内の電力消費を管理するために、プロセッサ12は、不揮発性メモリ14の1個以上のメモリコア(例えば、1個以上のメモリアレイ)の動作モードを動的に設定(例えば、変更)可能であってもよい。動的設定モードは、通常動作モードおよび、待機モード等の、非稼働モードからの単なるモードの変更というより、むしろ、2つ以上の動作モード、即ち、データの読み出しおよび/または書き込みを許容するモード、の中から変更可能である。プロセッサ12は、不揮発性メモリ14に関わる読み出しおよび/または書き込みの活動度を評価し、かつそれに、少なくとも部分的に、基づいて不揮発性メモリ14の1個以上のメモリコアに対する動作モードを決定するように、プログラムされ得る。例えば、比較的多数回のメモリ書き込み動作に関わらない一連の書き込み動作が、不揮発性メモリ14のメモリコアに対して予期され得る場合、プロセッサ12は、メモリコアを、低待ち時間読み出し/書き込みモードに維持させるように、または低電力読み出しモードにある場合には、低待ち時間読み出し/書き込みモードに変更させるように、選び得る。同様に、比較的多数回のメモリ書き込み動作に関わる読み出しと書き込みとの混合動作が予期され得る場合、プロセッサ12は、メモリコアを、低待ち時間読み出し/書き込みモードに維持させるように、または低電力読み出しモードにある場合には、低待ち時間読み出し/書き込みモードに変更させるように、選び得る。例えば、読み出し動作が主に多数回の書き込み動作の時折の発生として予期される場合、プロセッサ12は、電力消費を低減させるように、不揮発性メモリ14を、低電力読み出しモードで動作させるように選び得る。特定の詳細事項は、当然、セル数、電力消費量、遅延量等の、種々の実装関連パラメータにより変わり得る。このように、それにも拘わらず、プロセッサ12は、例えば、不揮発性メモリ14の使用に関する電力/性能トレードオフを、特定の実装例で、少なくともある程度は、管理可能であり得る。プロセッサ12は、不揮発性メモリ14にモード情報を提供でき、これが、例えば、プロセッサ12により駆動され得る等の、不揮発性メモリ14に対する動作モードを特定する。少なくとも一実施形態では、プロセッサ12は、不揮発性メモリ14に結合され得る1個以上のノードを含むパッケージ内に収容され得る。
【0016】
図1を参照して、不揮発性メモリ14は、指令復号機能部22を含む指令インタフェース20、アドレスレジスタ24、入力/出力レジスタ26、オーバレイ窓28、アクセス線バイアス回路部(例えば、ワード線バイアス回路部30)、およびメモリコア32を含む。指令インタフェース20は、例えば、指令復号機能部22を介して、プロセッサ12から指令を受信し、指令を復号し、かつ指令を実装するアクションを遂行するように動作可能であり得る。指令インタフェース20およびその指令復号機能部22は、ハードウエア、ソフトウエア、ファームウエア、またはそれらの(ソフトウエア自体以外の)組合せ内に実装され得る。アドレスレジスタ24は、読み出しおよび/または書き込み動作時に使用するためのプロセッサ12から受信したアドレスを格納する(本明細書では、併せて「情報転送動作」と呼ぶ)ように動作可能であり得る。入力/出力レジスタ26は、情報転送動作時に、例えば、メモリコア32に書き込むべき情報および/または読み出した情報を、格納し得る。
【0017】
オーバレイ窓28は、メモリコア32の下位領域の上に重なるメモリ空間(例えば、それはメモリアドレス空間にマッピングされ得る)を含み、デバイス指令または状態シーケンスを、必ずしもそれらを直接書き込まなくても、メモリに入力させ得る。指令インタフェース20は、例えば、モードレジスタを含み、これによりオーバレイ窓28が、例えば、有効化され得る。プロセッサ12は、指令インタフェース20のモードレジスタのうちの1個以上に情報を書き込み、かつオーバレイ窓28を有効化し得る。オーバレイ窓28が有効化された後は、例えば、それはメモリコア32の別の区分の如くアクセスされ得る。図1に示すように、オーバレイ窓28は、アドレス情報を受信するためのアドレスレジスタ24および/または特定のアドレスに格納された状態情報を受信するための入力/出力レジスタ26に結合される。
【0018】
メモリコア32は、アクセス線を介して動作可能にアクセス可能な複数のメモリセルを含み、これらは一部の実装例では共通にワード線とも呼ばれ得る。通常、メモリコア32内のメモリセルは、ワード線および/またはデータ線に対応する行および/または列に物理的に配置される(一部の実装例では共通にビット線とも呼ばれ得る)が、特許請求の範囲に記載した主題はそのような物理的配置に限定されない。即ち、他の物理的配置も可能で、特許請求の範囲に記載した主題の範囲内に含まれる。
【0019】
メモリコア32のメモリセルは、2つ以上のデータ状態のうちの1つにプログラムされ、例えば、1ビット以上の状態情報を表し得る。一部の実装例では、不揮発性メモリ14は、メモリコア32の単一のメモリセルに対して、情報転送動作時にアクセスされ得るように許容し得る。他の実装例では、不揮発性メモリ14は、メモリコア32の単一のワード線に共通に結合されるもの等の、複数のメモリセルに対して、情報転送動作時にアクセスされ得るように許容し得る。更に別の実装例では、不揮発性メモリ14は、ワード線に結合されるメモリセルのうちのほとんどまたは全てに対して、情報転送動作時にアクセスされ得るように許容し得る。特許請求の範囲に記載した主題は、メモリセルがメモリコア内でアクセスされ得るような特定の仕方によって限定されることはない。
【0020】
メモリセル、アクセス(例えば、ワード)線および/またはデータ(例えば、ビット)線に加えて、メモリコア32は、また、アドレス復号論理部34、ワード線選択回路部36、ビット線選択回路部38、アナログプログラム回路部40、プログラム検証センス増幅器42、および/または読み出しセンス増幅器44を含み得るが、このようなものは非限定的な実施形態の単なる一例に過ぎない。アドレス復号論理部34は、アドレスレジスタ24から受信したアドレス情報を復号して、情報転送動作を受け得る特定のメモリセルを特定し得る。アドレス復号論理部34は、この情報を、ワード線選択回路部36および/またはビット線選択回路部38に提供するが、これは、適切なワード線および/またはビット線を電子的に選択し、それぞれ、メモリセルへのアクセスを提供するように動作可能である。アナログプログラム回路部40、プログラム検証センス増幅器42および/または読み出しセンス増幅器44は、読み出しおよび書き込み回路を備えることができ、読み出しおよび書き込み回路は、一部の実装例で、書き込み動作時に指定されたメモリセルに情報を転送しおよび/または読み出し動作時に指定されたメモリセルから情報を取得するように動作可能である。より具体的には、例示的実装例では、アナログプログラム回路部40は、書き込み動作時に、情報を指定されたメモリセルに書き込むことができ、プログラム検証センス増幅器42は、書き込み動作時に、指定されたメモリセルに書き込まれた情報を確証でき、および/または読み出しセンス増幅器44は、読み出し動作時に、指定されたメモリセルに格納された情報を検知するように動作し得る。
【0021】
種々の実施形態で、異なるタイプの不揮発性メモリ技術を、メモリコア32に対して使用してよい。例えば、相変化メモリ、NORフラッシュメモリ、NANDフラッシュメモリ、抵抗性メモリ、スピントルクメモリ、および/またはそれらの組合せ等の、技術は、特許請求の範囲に記載の主題に応じて種々の実施形態に使用し得る。少なくとも一実装例では、相変化メモリ(PCM)技術は、メモリコア32に対して使用し得る。相変化メモリにおいては、メモリセルから情報を読み出すために使用する場合より高い電圧を、メモリセルに情報を書き込むために使用し得る。例えば、書き込み動作は、読み出し動作に比べて、相変化材料の状態(例えば、結晶状態から非晶質状態、等へ)の変化を伴う。読み出し動作は、これらのメモリデバイスでは、書き込み動作に用いる場合より低い電圧レベルで遂行され得るが、例えば、ワード線上により高い電圧レベルが存在する場合、漏洩電流が相変化メモリデバイス内に存在し得る。そのような場合、漏洩電流は、電力消費を増大させるように作用するため、通常は、望ましくない。
【0022】
読み出し動作時に生じ得る漏洩の一メカニズムでは、例えば、漏洩電流はワード線選択回路部から、非選択ワード線を介して、非選択ワード線を横切る非選択ビット線に関するビット線選択回路部を介して(例えば、PCMメモリ内に使用され得るような、バイポーラ接合トランジスタ(BJT)セレクタデバイスの逆方向バイアスのベースエミッタ間接合部を介して)、非選択ワード線と選択したワード線とに関する他のビット線選択回路部を介して(例えば、BJTセレクタデバイスのエミッタベース間接合部を介して)および選択ワード線を介してそれに関するワード線選択回路部に、流れ得る。同様な漏洩経路が、非選択ワード線と非選択のビット線とに関するメモリコア内の複数のメモリセルに対して存在する可能性があり、漏洩電流および望ましくない電力消費に至る可能性がある。例えば、PCMメモリ内の読み出し動作時に非選択ワード線(複数可)上に低電圧を用いることにより、漏洩電流は低減されるかもしれず、性能上の大きな劣化なく電力消費を低減させ得る。
【0023】
ワード線バイアス回路部30は、不揮発性メモリ14の種々の動作モードに対し、メモリコア32の非選択ワード線(複数可)に関するバイアスレベル(例えば、電流または電圧レベル)の設定(例えば維持または変更も、限定はされないが、含む)のために動作可能な回路を含み得る。前述したように、一部の実装例では、不揮発性メモリ14は、低待ち時間読み出し/書き込みモードまたは低電力読み出しモードで動作し得る。他の追加のまたは代替的動作モードも、支援され得る。可能な一手法では、ワード線バイアス回路部30は、プロセッサ12等の、メモリアクセスデバイスから受信した等の、モード情報に応じてバイアスレベルを設定し得る。そのような情報の受信がない場合、不揮発性メモリ14は、デフォルトの動作モードで動作し得る。例えば、少なくとも一実施形態では、不揮発性メモリ14は、デフォルトにより低待ち時間読み出し/書き込み動作モードで動作し得る。不揮発性メモリ14は、例えば、プロセッサ12から受信した等の、モード情報(例えば、適切なモード指示)に応じて、例えば、低電力読み出し動作モードに変わり得る。低電力読み出しモード指示をホストプロセッサ12から受信した場合、ワード線バイアス回路部30は、メモリコア32の1本以上の非選択ワード線(複数可)に関するバイアスレベルを変更し得る。別の可能な実装例では、低電力読み出しモードは、デフォルト動作モードを含み、ワード線バイアス回路部30は、プロセッサ12等、から低待ち時間読み出し/書き込みモード指示を受信した場合、1本以上の非選択ワード線(複数可)のバイアスレベルを変更し得る。一実装例では、ワード線バイアス回路部30は、プロセッサ12により、例えば、有効なモード信号が提供されない場合、(例えば、可能な2つの動作モードを想定すると)デフォルトの動作モードに復帰し得る。3つ以上の動作モードが支援される場合には、より多くの別個のモード信号が使用され得る。
【0024】
少なくとも一実装例では、オーバレイ窓28の、単一または複数のビットレジスタ等の、レジスタ内の値は、プロセッサ12から受信した等の、モード情報に応じて設定され得る。可能な一動作シナリオでは、例えば、プロセッサ12は、デフォルト低待ち時間読み出し/書き込みモードから低電力読み出しモードに変更するように、不揮発性メモリ14を駆動し得る。プロセッサ12は、指令インタフェース20の適切なモードレジスタに書き込まれる状態情報を開始して、オーバレイ窓28を有効化し得る。指令インタフェース20は、ビット(例えば、論理1)をオーバレイ窓28のレジスタに書き込んで、不揮発性メモリ14に対する、例えば、低電力読み出しモード等の、所望の動作モードを指示し得る。一手法では、オーバレイ窓28のレジスタは、ワード線バイアス回路部30に直接にまたは間接的にマッピングされ、低電力読み出しモードに従ったメモリコア32の1本以上の非選択ワード線(複数可)に関するバイアスレベルの変更を進展させ得る。小さな遅延(例えば、一実装例における約500ナノ秒)後、不揮発性メモリ14は低電力読み出しモードで動作し得る。
【0025】
プロセッサ12は、不揮発性メモリ14の低待ち時間読み出し/書き込みモードへの復帰を開始(例えば指示)し得る。例えば、指令インタフェース20は、別異のビット(例えば、論理0)をオーバレイ窓28のレジスタに書き込んで、不揮発性メモリ14に対し、例えば、低待ち時間読み出し/書き込みモード等の、別の所望の動作モードを指示し得る。一部の実装例では、不揮発性メモリ14が期間後にデフォルトの動作モードにスイッチバックし得るように、タイマ機能が実装され得る。理解されるように、所望の動作モードを設定するためのプロセッサ12から不揮発性メモリ14へモード情報を提供するための多数の代替的技術が、使用され得る。オーバレイ窓手法は、単に説明的な一可能性に過ぎない。
【0026】
一部の実装例では、図1のワード線バイアス回路部30は線形ダウンレギュレータ(LDR)を含んでもよく、その例を図2に関連して後述する。LDRは、不揮発性メモリ14の(プロセッサ12により指示されるような)所望の動作モードが一モード(例えば、低待ち時間読み出し/書き込みモード)から別のモード(例えば、低電力読み出しモード)に変わる場合、線形ダウンレギュレータによりメモリコア32の1本以上の非選択ワード線(複数可)の電圧レベルを低下させるように動作し得る。代替的実施形態では、LDRは、ダウンレギュレーションよりむしろアップレギュレーションを提供し得る。LDRは、プロセッサ12により特定される所望の動作モードが復帰する場合、ワード線電圧をより高い電圧レベルに復帰ように動作し得る。一部の実装例では、LDRは、可能な3つ以上の動作モードを支援する能力を有し得る。
【0027】
図2は、例示的実装例にしたがった線形ダウンレギュレータ(LDR)回路50の例を示す概要図である。LDR回路50は、一部の実装例での、例えば、図1のワード線バイアス回路部30として使用され得る。図2に示すように、LDR回路50は、低待ち時間基準電圧回路52、低電力基準電圧回路54、第1、第2、第3、および第4の緩衝増幅器56、58、60、62、第1、第2、第3、および第4のスイッチ64、66、68、70、N型絶縁ゲート電界効果トランジスタ(IGFET)72、およびP型IGFET74を含み得る。IGFETはMOSFETであり得るが、ゲートは、ポリシリコン等の、金属以外の材料で形成され、絶縁体はシリコン酸化物以外の材料で形成され得る。一実施形態では、N型IGFET72は、当業界で周知な三重ウェル形のデバイスである。三重ウェル構成の使用は、漏洩電流を減少させかつボディ効果を低下させ、これらのいずれもが所望の属性である。N型IGFET72およびP型IGFET74の出力ノード(例えば、ドレインおよびソース端子)は、本説明的例の第1の電力ノード76と第2の電力ノード78との間で一列に接続される。動作時に、第1の電力ノード76は第1の電源電位VHHを保持し、第2の電力ノード78は第2の電源電位VSSを保持し得る。例えば、他の実施形態では反対になり得るが、第1のソース電位VHHは第2のソース電位VSSより高くて(例えば、より正側で)構わない。N型IGFET72は、第1の電力ノード76と中間ノード80との間に接続され得る。P型IGFET74は、中間ノード80と第2の電力ノード78との間に接続され得る。中間ノード80は、関連するメモリコアの非選択ワード線(複数可)82に結合される。
【0028】
低待ち時間基準電圧回路52は、その2個の出力ノード84、86に高電圧信号を発生し、これが第1および第3の緩衝増幅器56、60の入力ノードに提供され得る。可能な一実装例では、2つの高電圧出力信号のレベルは、所望の高電圧非選択ワード線電圧(例えば、一実装例では、約4ボルト)に概ね等しくて構わない。同様に、低電力基準電圧回路54は、2個の出力ノード88、89に低電圧信号を発生し、これらの低電圧信号を第2および第4の緩衝増幅器58、62の入力ノードに提供する。2つの低電圧信号は、一部の実施形態では、実質的に互いに同一の電圧レベルを有する。図示の実施形態では、2つの低電圧出力信号のレベルは、所望の低電圧非選択ワード線電圧(例えば、一実装例では、約1.2ボルト)に概ね等しくて構わない。少なくとも一実装例では、緩衝増幅器56、58、60、62はユニティゲインデバイスを含み、緩衝器の出力電圧レベルは入力電圧レベルに実質的に一致し得る。非ユニティゲイン緩衝増幅器も、代替的に使用し得る。本明細書で使用される場合、「高(high)」および/または「低(low)」または同様な表現は、互いに相対的な意味に使用され、絶対的レベルを意味することを意図していないことを理解するべきである。
【0029】
低待ち時間基準電圧回路52および低電力基準電圧回路54の動作について説明する。図示の実施形態では、低待ち時間基準電圧回路52は、演算増幅器130、N型IGFET132、分圧器134、およびオプションのP型IGFET136を含む。一実施形態では、N型IGFET132は、トリプルウェルデバイス、またはプロセス、電圧、および温度の変動について比較的上手く追尾し得るN型IGFET72の縮尺バージヨンである。一実施形態では、分圧器134はオンチップ抵抗により実装され、比較的多数のタップ、ヒューズ、アンチヒューズ、アナログマルチプレクサ、スイッチ等を有して、低待ち時間基準電圧回路52の出力ノード84、86に、またはLDR回路50の中間ノード80に所望の出力電圧(複数可)を生じさせる時に、演算増幅器130の反転入力用の特定のタップを選択するために使用される。あるいは、分圧器134の抵抗の部分を設定するように、レーザトリミングを使用できる。このように、分圧器134は可変またはプログラム可能であるとみなし得る。
【0030】
一実施形態では、低待ち時間基準電圧回路52を含む集積回路は、約2.3ボルトの基準電圧を発生するバンドギャップ電圧基準も含む。当然、他の電圧レベルおよび他のタイプの電圧基準を用いることもできる。この2.3ボルトの基準電圧は、VREF1と標記され、演算増幅器130の非反転入力への入力として提供される。演算増幅器130は、プログラミング電圧レールVHPRGの電圧から電力供給され、これは低電圧モード構成部品に電力供給するために使用される電圧レールVHHの電圧より高電圧であり得る。
【0031】
P型IGFET136をそのゲートでローに駆動させてオンすなわち有効化させ、低待ち時間基準電圧回路52は以下の通りに動作する。演算増幅器130の出力がN型IGFET132のゲートを駆動し、これがソースフォロワーとして動作する。N型IGFET132のゲートからソースに電圧降下が存在し、これが分圧器134の一端を駆動しかつ低待ち時間基準電圧回路52の出力ノード86に出力として提供される。分圧器の他の端は接地(VSS)されている。分圧器134のタップからの分圧は、演算増幅器130の反転入力への入力として提供される。帰還ループの動作により、演算増幅器130の非反転入力および反転入力での電圧は、概ね等しい。したがって、電圧VREF1が、分圧器のタップに存在する。したがって、分圧器134の累積抵抗をR1+R2とすると、出力ノード86の電圧V86は、概ね数式1に表される。
【数1】
【0032】
出力ノード84の電圧V84は、出力ノード86の電圧V86より高いゲートソース間電圧降下である。LDR回路50が高電力モードにあるとき、電圧V84はN型IGFET72のゲートを駆動し、電圧V86はP型IGFET74のゲートを駆動する。N型IGFET72のゲートとP型IGFET74のゲートとの間には2つのゲートソース間電圧降下が存在し、駆動電圧V84、V86には1つのみのゲートソース間電圧降下が存在する。この駆動電圧の差は、有利なことに「デッドゾーン」を提供し、これがN型IGFET72とP型IGFET74との間の相互電導の防止に役立ち、電力消費を減少させる。この「デッドゾーン」は、漏洩電流によるため許容され得て、中間ノード80に電圧を設定しかつ維持するのはN型IGFET72である。P型IGFET74は、モード間の移行速度の増大のために用いられる。相互電導を減少させる他の技術も適用可能で、当業者によりたやすく決定されるだろう。
【0033】
生産時に、LDR回路50は高電力モードとされ、分圧器134の適切なタップが演算増幅器130の帰還ループを閉鎖するために選択され得る。あるいは、分圧器の抵抗の一部分をレーザトリミングすることもできる。分圧器134の別異のタップが一時的に選択される一方で、中間ノード80の電圧がモニターされる。中間ノード80に対する所望の電圧に対応するタップは、現場使用に永久的に選択され得る。一実施形態では、中間ノード80に対する電圧は、約2.5ボルトから約4.5ボルトの範囲内に調整される。
【0034】
低電力基準電圧回路54の動作は、低待ち時間基準電圧回路52のものと同様である。図示の実施形態では、基準電圧回路52、54の接続形態は、入力電圧基準を超えた電圧利得を提供する。しかし、低電力モードでは、中間ノード80に対する電圧は、約1.0ボルトから約1.8ボルトの範囲内でなければならない。したがって、低待ち時間基準電圧回路52により用いられる2.3ボルトの基準VREF1は、高すぎる。第2の基準電圧VREF2は、第1の基準電圧VREF1から分圧器を介して発生される。図示の実施形態では、第2の基準電圧VREF2の電圧は、約1.0ボルトである。
【0035】
低電力基準電圧回路54の動作について説明する。図示の実施形態では、低電力基準電圧回路54は、演算増幅器140、N型IGFET142、分圧器144、およびオプションのP型IGFET146を含む。一実施形態では、N型IGFET142もトリプルウェルデバイスであり、またはプロセス、電圧、および温度の変動について比較的上手く追尾し得るN型IGFET72の縮尺バージヨンである。分圧器144は、分圧器134と同様とすることができる。分圧器の特定のタップは、生産時に演算増幅器140の反転入力への入力として選択でき、低電力基準電圧回路54の出力ノード88、89にまたはLDR回路50の中間ノード80に所望の出力電圧(複数可)を設定する。
【0036】
生産時に、LDR回路50は低電力モードとされ、分圧器144の適切なタップが演算増幅器140の帰還ループを閉鎖するために選択され得る。あるいは、分圧器の抵抗の一部分をレーザトリミングすることもできる。分圧器144の別異のタップが一時的に選択される一方で、中間ノード80の電圧がモニターされる。中間ノード80に対する所望の電圧に対応するタップは、現場使用に永久的に選択され得る。一実施形態では、中間ノード80に対する電圧は、約1.0ボルト〜約1.8ボルトの範囲内に調整される。
【0037】
前述したように、N型IGFET72は中間ノード80に電圧を設定する。電力節約のために、LDR回路50の部分を無効化できる。例えば、N型IGFET72に対する適切なゲート電圧をキャパシタ71に保存できる。キャパシタ71は、単なる寄生容量よりも大きな容量を表す。適切なゲート駆動レベルを確定後、スイッチ64、66、68、70を開成し、N型IGFET72は中間ノード80に対して適切な電圧レベルを維持しなければならない。P型IGFET74に対する追加容量は、図示の実施形態におけるように必要でなく、P型IGFET74は移行用にのみ用いられ、定常状態動作では比較的非導電性でなければならない。当然、P型IGFET74のゲートに対するプルアップ抵抗等の、他の構成部品を使用して、通常動作時、即ち、移行以外の期間、にP型IGFET74が電流を漏洩していないことを確実とし得る。加えて、P型IGFET136、146は、信号
が高となるように、それらのゲート電圧を高とすることにより無効化され得る。これにより、電流が、例えば、分圧器134、144を介して流れるのを防止できる。加えて、
信号は、低電力モードが設定されているとき、例えば、P型IGFET136が有効化されず、かつ高電力モードが設定されているとき、P型IGFET146が有効化されないように、独立に制御され得る。
【0038】
一実施形態では、スルーレートも制御される。中間ノード80に結合される種々のワード線82は、実質的な量の寄生容量を含み得る。中間ノード80での急激な電圧変化は、その後のVHHおよび/またはVSS供給部での比較的大きな電流スパイクの結果を招く可能性があり、トレース、金属被覆配線、ボンドワイヤ、等を損傷させるかもしれず、また他の回路を破壊させ得る。一実施形態では、中間ノード80での電圧が比較的徐々に変更されるように、スルーレート制御が緩衝増幅器56、58、60、62内に組み込まれる。スルーレート制御は、例えば、ローパスフィルタにより実装され得る。
【0039】
低待ち時間基準電圧回路52および低電力基準電圧回路54に対する多様な変形が存在する。例えば、一代替例では、適切な電圧基準の利用可能度に応じて、低待ち時間基準電圧回路52および/または低電力基準電圧回路54の1個以上の出力に対して適切な電圧レベルを発生させるように、1個以上の分圧器を用い得る。代替的実施形態では、2対の緩衝増幅器56、58、60、62および2個の実質的に類似する基準電圧回路52、54を有するスイッチ64、66、68、70を用いて基準電圧間で切り替えるのではなく、基準電圧回路52、54のうちの1個のみが存在し、演算増幅器130または演算増幅器140の入力部に印加される基準電圧を切り替えて中間ノード80の電圧を変える。
【0040】
第1、第2、第3、および第4のスイッチ64、66、68、70は、制御信号をN型IGFET72およびP型IGFET74のゲートノードに適切に提供するように動作し得る。より詳細に説明するように、図示の実装例では、第1および第3のスイッチ64、68は共に開閉でき、第2および第4のスイッチ66、70は共に開閉できる。スイッチ64、66、68、70は、例えば、プロセッサから受信される等の、モード情報に応じて制御され得る。例えば、一手法では、スイッチ64、66、68、70は、オーバレイ窓28のレジスタ内に格納されるビット状態(例えば、lpwrmode信号の状態)に少なくとも部分的に応じて制御され得る。lpwrmode信号が論理0に設定される場合、メモリデバイスは、例えば、低待ち時間読み出し/書き込みモードで動作し得る。そのような場合、第1および第3のスイッチ64、68は閉成し、かつ第2および第4のスイッチ66、70は開成し、高電圧レベルの制御信号を(低待ち時間基準電圧回路52から)N型IGFET72およびP型IGFET74のゲートノードに提供し得る。低電力基準電圧回路54および第2および第4の緩衝増幅器58、62は無効化されて、エネルギーを保存する。N型IGFET72およびP型IGFET74のゲートノードに提供された高電圧レベルの制御信号は、低待ち時間読み出し/書き込みモード時に、メモリコア(少なくとも一実装例では、例えば、約2.5〜約4.5ボルト)の1本以上の非選択ワード線(複数可)82での高電圧の結果を招き得る。
【0041】
オーバレイ窓28内のlpwrmode信号が、例えば、プロセッサから受信したモード情報に応じて(例えば、少なくとも部分的に基づいて)論理1等にその後変更される場合、メモリデバイスは低電力読み出し動作モードに変わり得る。このことが生じると第1のスイッチ64および第3のスイッチ68が開成し、電圧レベルの制御信号をN型IGFET72およびP型IGFET74のゲートノードから除去する。第2および第4のスイッチ66、70は、他方で、閉成し、低電圧制御信号を、第2および第4の緩衝器58、62のN型IGFET72およびP型IGFET74のゲートノードへの出力ノード(例えば、約1.2ボルト)に提供する。より詳細に説明するように、このことは、低電力読み出しモード時に、メモリコアの1本以上の非選択ワード線(複数可)82での低電圧(少なくとも一実装例で、例えば、約1.0〜約1.8ボルト)の結果を招き得る。低待ち時間基準電圧回路52および第1および第3の緩衝増幅器56、60は、低電力読み出し動作モード時に無効化され得る。図2中の第1、第2、第3、および第4のスイッチ64、66、68、70の配置および/または動作は、制御信号をN型IGFET72およびP型IGFET74のゲートノードに提供するための1つの説明的技術を表すものと理解するべきである。他の技術および/または他の提供配置も、代替的に用い得る。
【0042】
低電力読み出しモードが開始されると、第2および第4の緩衝増幅器58、62により提供された低電圧制御信号(例えば、約1.2ボルト)は、大きなVgsバイアスをP型IGFET74にかける。非選択ワード線電圧は高いまま(例えば、約4ボルト)で、P型IGFET74は結果的にワード線電圧を、約1.2ボルトプラスP型IGFET74の閾値電圧まで引き下げる。P型IGFET74は、適切な量の変位電流を、1本以上の非選択ワード線(複数可)から接地に向けて提供するように、選択され得る。P型IGFET74が非選択ワード線電圧を引き下げた後、N型IGFET72およびP型IGFET74の両者は、オフに切り替わり始める。漏洩電流は、ワード線を、N型IGFET72の相互コンダクタンスを満たす状態まで引き下げ得る。図2に示すLDR回路50の図示の回路アーキテクチャは、使用可能なLDR回路の可能な一例を備え得る。他アーキテクチャを代替的に使用してもよい。
【0043】
図3は、例示的実装例に従った例示的多重コア不揮発性メモリ装置90を示すブロック図である。可能な一適用では、多重コア不揮発性メモリ装置90は、図1の不揮発性メモリ14に代えて、または加えて、使用でき、情報格納および/または検索の機能をプロセッサ12に対して提供する。他の適用もまた存在する。図示のように、多重コア不揮発性メモリ装置90は、指令復号機能部22を有する指令インタフェース20、オーバレイ窓28、複数の相変化メモリ(PCM)コア92、94、96、98、および複数のLDR回路100、102、104を含む。図示はしないが、多重コア不揮発性メモリ装置90は、例えば、図1に関連して前述したような、アドレスおよび入力/出力レジスタも含み得る。可能な一実装例では、PCMコア92、94、96、98は、バンク内に配置され、プロセッサ12等と共同に動作可能なプラットフォーム形構造体(例えば、チップ、基板、または基盤)内に含まれ、または含まれなくてもよい。PCMメモリコアとして図示されているが、他のメモリ技術、または別異の技術の組合せ、を他の実装例に利用しても構わないことを理解すべきである。図示の実装例では、多重コア不揮発性メモリ装置90に関する4個のメモリコア92、94、96、98が存在している。任意の数(2個以上)のコアを多重コア不揮発性メモリ装置90内に使用でき、例えば、ある場合には、何百または何千ものコアが利用され得る。
【0044】
図3の指令インタフェース20、指令復号機能部22、およびオーバレイ窓28は、図1に関連して前述したと実質的に同一の動作を遂行する。しかし、この例では、動作を複数のメモリコアに対して遂行しても構わない。図3に示すように、多重コア不揮発性メモリ装置90内の第1、第2、および第3のPCMコア92、94、96は、対応するLDR回路100、102、104を有する。LDR回路100、102、104は、前述したLDR回路50と同様な動作を提供する。可能な一動作シナリオでは、多重コア不揮発性メモリ装置90に結合されるプロセッサは、モード情報を装置90に提供して、PCMコア92、94、96のモードを設定し得る。少なくとも可能な一実装例では、プロセッサは、対応するLDR回路100、102、104(または他のなんらかの形の動的に設定可能なワード線バイアス回路部)を有する、コア92、94、96等の、コアに対する別異の動作モードを特定することを、メモリ装置90により許容され得る。即ち、実装例では、LDR回路100、102、104は、互いに独立に動作し得る。一手法では、オーバレイ窓28内の1個以上のビットレジスタは、それぞれのLDR回路100、102、104を割り当てられて、対応するメモリコア92、94、96に対する現在の所望の動作モードを特定する。例えば、プロセッサからのモード情報を提供するための他の技術を、代替的に用いてもよい。
【0045】
図3に示すように、種々の実装例で、多重コア不揮発性メモリ装置90内のメモリコアの一部が、対応するLDR回路部を有してもよい。即ち、一部のコア(例えば、図3中のPCMコア98)は、対応する動的に設定可能なワード線バイアス回路部が無くとも、動作し得る。一実装例では、一部のコアの動作モードは、このため、プロセッサにより設定されなくてもよい。一部のメモリコアは、例えば、単一の動作モード(例えば、低待ち時間読み出し/書き込みモード)で動作可能である。他のコアは、大抵は低電力読み出しモードで動作し得るが、書き込まれ得るように低待ち時間読み出し/書き込みモードに変わってもよい。多くの他の変形例も実装され得る。
【0046】
一部の実施形態では、複数のメモリ構造体を利用する多重コアメモリ装置が提供され得るが、構造体は複数のメモリコアを含む。構造体の一部または全部のコアは、例えば、対応する動的に設定可能なワード線バイアス回路部を有し得る。したがって、結合されたプロセッサは、適用可能なコアに対して動作モードを設定し得る。一手法では、プロセッサは、紛れなく対応するワード線バイアス回路部を有する1個以上のコアに対するメモリに、それぞれのモード情報を提供することにより、多重構造システム内にメモリコアの動作モードをコア毎に設定可能であり得る。別の可能な手法では、プロセッサは、メモリコアの動作モードを、多重構造システムに構造体毎に設定可能であり得る。即ち、プロセッサは、構造体に対して動作モードを特定でき、対応するメモリコアは特定されたモードで動作し得る。構造体は、構造体のメモリコアに対してバイアスレベルを設定するためのワード線バイアス回路部を有し、または構造体のコアの下位グループもまたワード線バイアス回路部を共有し得る。少なくとも一実施形態では、例えば、構造体の2個以上のコアは、対応するワード線バイアス回路部に結合され、2個以上のコアの1本以上の非選択ワード線に関するバイアスレベルを設定する。
【0047】
一部の多重コア、多重構造の実施形態では、メモリ構造体のうちの1個以上のうちのメモリコアは、例えば、LDR回路部を有さなくてもよい。したがって、プロセッサは、適用可能なコアの動作モードを設定できなくてもよいが、特許請求の範囲に記載した主題は、この説明的例に範囲の上で限定されない。例えば、可能な一実装例では、LDR回路部を有さない特定の構造体のコアは、低待ち時間読み出し/書き込みモードで動作し得る。適用のためのプロセッサは、例えば、(1)低待ち時間動作が望ましいかもしれないおよび/または(2)複数の短いランダムな書き込み動作には通常読み出し動作が点在し得るというような構造体を使用し得る。装置における別の構造体は、例えば、低電力読み出しモードで動作する適用可能なコアを有し得る。構造体は、プロセッサにより、例えば、読み出し集約的な適用に使用され得る。前述のように、LDRまたは他の動的に設定可能なワード線バイアス回路部がメモリコアに対して提供される場合、コアはそれにもかかわらずプロセッサからモード情報を受信すること無しに使用され得るデフォルト動作モードを有し得る。少なくとも一実装例では、多重構造のメモリ装置の別個の構造体が、LDR回路部を装備するメモリコアのための別個のデフォルト動作モードを有し得る。多重構造のメモリ装置の実装例では、任意の数(例えば、1個以上)のメモリコアが構造体に対して提供され、任意の数(例えば、2個以上)の構造体が使用され得る。一部の多重構造の実装例では、千個以上のメモリ構造体が提供され、別個の構造体が千個以上のメモリコアを含む。
【0048】
図4は、例示的実装例に従った、コンピューティングシステム等の、装置を動作させるための方法110を示すフローチャートである。ブロック112〜118等の、ブロックの順序は、例としての順序を含み得る。特許請求の範囲に記載した主題は説明的または例示的実施形態に範囲において限定されない。図示する方法は種々の方法により変更し得ることが当業者により理解されるであろう。例えば、別の実施形態では、示した方法の種々の部分は、組み合わされ、代替的なシーケンスに再配置され、除去またはその他がなされ得る。したがって、特許請求の範囲に記載した主題に従った実施形態は、ブロック112〜118の全て、より少なく、またはより多く、を含み得る。方法110等の、方法は、単一な方法としてまたは複数の方法として遂行され得る。例えば、ブロック112により示される等の、メモリデバイスの動作モードを設定するために決定がされ得る。決定は、例えば、不揮発性メモリに結合されるプロセッサまたは他のメモリアクセスデバイスにより行われる。可能な一手法では、決定は、例えば、電力消費等の、性能基準に、少なくとも部分的に、基づいて行われ得る。例えば、プロセッサは、不揮発性メモリのモードを維持し、または、例えば、不揮発性メモリに対する高レベルの読み出し活動度が近い将来予期される場合、低待ち時間読み出し/書き込みモードから低電力読み出しモードにモードを変更する。
【0049】
例えば、モードを変更する決定がされると、モード情報が、例えば、メモリデバイスに提供されて、例えば、ブロック114により示される等の、所望のモード変更を特定する。例えば、プロセッサにより決定がされると、モード情報が、少なくとも部分的にプロセッサの制御下等で、プロセッサからの直接転送、仲介の回路またはデバイスを介した転送、または別の回路またはデバイスからメモリへの送出により提供される。モード情報は、モードが維持されまたは変更され得る単一信号ビット方式のように単純なものでよい。例えば、2つの別個の動作モードで動作し得るメモリコアに対して、論理1はモードが変更され得ることを示し、論理0は現在のモードが維持され得ることを示す。あるいは、論理0は第1のモードが使用され得ることを示し、論理1は第2のモードが使用され得ることを示す。より複雑なモード信号方式も一部の実装例で用いてもよい。例えば、メモリが2つより大きい別個の動作モードで動作し得る場合、多ビットを使用し得る。多ビットも、不揮発性メモリ内の2個以上のメモリコアが変更可能なモードを有する(例えば、2個以上のメモリコアが関連するLDR回路部を有する)場合に、いくつかの実装で使用され得る。他の形のモード情報を代替的に使用でき、特許請求の範囲に記載した主題はこれに関して限定されない。
【0050】
別の方法の実施形態は、ブロック116、118を含む。例えば、メモリデバイスは、例えば、示したもの等の、動作を遂行し得る。モード情報は、例えば、ブロック116により示されるようなメモリデバイスの外部のメモリアクセスデバイス(例えば、プロセッサ)からメモリデバイスにより受信され得る。モード情報の受信は、外部メモリアクセスデバイスからの直接的または間接的な受信(例えば、外部メモリアクセスデバイスの全面的または部分的な制御下での別のデバイスからの受信)を範囲に含む。受信されたモード情報に応じて、不揮発性メモリの動作モードは、例えば、ブロック118により示されるように、維持されまたは変更され得る。例えば、少なくとも一実施形態では、メモリデバイスの複数のメモリコアのうちのメモリコアの非選択ワード線電圧は、モード情報に応じて維持されまたは変更され得る。例えば、可能な一シナリオでは、モード情報は、低待ち時間読み出し/書き込みモードから低電力読み出しモードへのモードの変更を示し得る。応じて、不揮発性メモリは、例えば、メモリコアの非選択ワード線電圧を減少させ得る。非選択ワード線電圧は、例えば、線形ダウンレギュレーションを用いて減少され得る。可能な一手法では、受信されたモード情報は、LDR回路部を活性化させるためのオーバレイ窓の1個以上のビットレジスタに影響を与える。少なくとも一実装例では、図2のLDR回路50または同様な回路部を用いて、メモリデバイスの非選択ワード線電圧を減少させてもよい。
【0051】
本明細書の特許請求の範囲に記載した主題による、メモリデバイスの形のもの等の、装置は、例えば、いかなる数の別個の適用にも使用され得る。メモリデバイスは、他の装置、例えば、コンピュータ、コンピュータ周辺機器、携帯情報端末、カメラ、電話機、携帯電話または他の無線デバイス、表示器、チップセット、セットトップボックス、ビデオゲーム、車両、衛星通信、インターネットサーバ、ルータ、基地局、ネットワークアクセスデバイス、オーディオビデオデバイス、またはそれらの組合せ、内に組み込まれ得る。可能な一適用では、特許請求の範囲に記載した主題によるメモリデバイスは、データセンターの形で1個以上の装置内に使用され得る。データセンターにより使用されるメモリ容量は、大きくかつ増大しつつあるように思われる。特許請求の範囲に記載した主題によるメモリ構造体または技術は、データセンターでエネルギーコストおよび/または冷却コストを低減させ得る。
【0052】
特許請求の範囲に記載した主題による技法は、特定の特長または例に従った適用に、少なくとも部分的に、依存する種々の技術により実装され得る。例えば、技法は、ソフトウエアと共に、ハードウエア、ファームウエア、またはそれらの組合せにおいて実装され得る。ハードウエア実装では、例えば、処理装置は、1個以上の特定用途向け集積回路(ASIC)、デジタル信号プロセッサ(DSP)、デジタル信号処理デバイス(DSPD)、プログラマブル論理デバイス(PLD)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、プロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、マイクロプロセッサ、電子デバイス、または本明細書で説明したもの等の機能を遂行するように設計された他のデバイスまたはユニット、またはそれらの組合せ、内に実装され得る。
【0053】
本明細書に用いられる場合、「接続される」の語は、構成要素間の直接的または間接的な導電接続を意味し、「結合される」の語は、構成要素が互いに通信可能であるが(この語は導電接続も包含するのだが)必ずしも直接的に導電接続されているわけではないことを意味し、「一列に接続される」の表現は、ノードが2個のノード間で一列に相互接続されるが、必ずしも直列回路として接続されるわけではない(例えば、一列のノードの全てが、回路動作時に。必ずしもそれらを介する同一電流を有するとは限らない)ことを意味する。「一列に接続される」2個のノードは、必ずしも直接的に互いに導電接続されるわけではなく、即ち、一列に2個のノード間に1個以上の他の構成要素が存在し得る。「一列に接続される」の表現は、一列に互いに直接的または間接的に導電接続される2個のノードを含み、また直列に接続される2個のノードも包含する。「結合される」の語は、本明細書で用いられる場合、2個のノードが、これら2個のノード間に電気通信がある限りで、それらの間に1個以上の他のノードを有する状況も包含する。「結合される」の語は、2個のノードが誘導、容量、または無線の結合を介して通信し得る状況も包含する。
【0054】
これまでの詳細な説明では、特許請求の範囲に記載した主題を完全に理解できるように多くの特定の詳細事項を明記した。しかし、特許請求の範囲に記載した主題は、これらの特定の詳細事項が無くても実施し得ることが当業者に理解されるであろう。また、当業者ならば分かるであろう方法または装置は、特許請求の範囲に記載した主題を曖昧にさせないために、詳細には説明していない。
【0055】
これまでの詳細な説明の一部を、論理、アルゴリズム、または記号による動作表現により、特定の装置(例えば、特定目的のコンピューティングデバイスまたはプラットフォーム)のメモリ内に格納された2値状態について提示した。この特定の事項に関連して、特定の装置等の用語は、一旦プログラムされ得ると、プログラムソフトウエアからの命令に関する特定の機能を遂行し得る、汎用コンピュータを含む。アルゴリズムの記述または記号表現は、信号処理または関連する技術分野での当業者により使用され、その成果の実体を他の当業者に伝えるための技術の例である。アルゴリズムは、本明細書中でおよび一般的に、所望の結果に至る首尾一貫した一連の動作または同様の信号処理と考えて構わない。これに関連して、動作または処理は、物理量の物理的操作を伴う。通常、必ずとまではいえないが、そのような量は、格納、転送、結合、比較またはそれ以外に情報を表す電子信号として操作され得る、電気または磁気信号の形をとり得る。そのような信号をビット、データ、値、構成要素、記号、活字、用語、数値、情報等として言及するのが好都合であることが、時に触れ共通使用の理由から、判明した。しかし、これらの全てまたは同様の用語が適切な物理量に関連し単に便宜的表示であることを理解すべきである。他に特に言及しない限り、以下の検討から明らかなように、本明細書を通じて、「処理する」、「コンピューティング」、「計算する」、「決定する」、「確立する」、「得る」、「特定する」、「選択する」、「発生する」等の用語を用いた解説は、特別目的のコンピュータまたは同様の特別目的の電子コンピューティングデバイス等の、特定の装置のアクションまたは処理を指し得ることが理解され得る。したがって、本明細書では、特別目的のコンピュータまたは同様の特別目的の電子コンピューティングデバイスは、物理的電子または磁気量として一般に表された信号を、特別目的のコンピュータまたは同様の特別目的の電子コンピューティングデバイスのメモリデバイス、レジスタ、または他の情報記憶デバイス、送信デバイス、または表示デバイス内で、操作または転換可能であるかもしれない。本特定の特許出願において、「特定の装置」の用語は、一旦プログラムされ得ると、プログラムソフトウエアからの命令に関する特定の機能を遂行し得る、汎用コンピュータを含み得る。
【0056】
一部の状況では、2値の1から2値の0またはその逆の状態変化等の、メモリデバイスの動作は、例えば、物理的転換等の、転換を含み得る。特定のタイプのメモリデバイスでは、そのような物理的転換は、物品の別個の状態または物への物理的転換を含み得る。例えば、限定無しに、一部のタイプのメモリデバイスに対しては、状態変化は、電荷の蓄積および保存または保存した電荷の放出を含み得る。同様に、他のメモリデバイス内で、状態変化は、磁気配向の物理的変化または転換、または多結晶から非晶質またはその逆等の、分子構造の物理的変化または転換を含み得る。更に他のメモリデバイスでは、物理的状態の変化は、例えば、量子ビット(qubits)を伴い得る、重畳、もつれ等の、量子力学現象を伴い得る。上述の事項は、メモリデバイスにおける2値の1から2値の0またはその逆の状態変化が、物理的転換等の、転換を含み得る、全例の完全な一覧を意図するものでもない。むしろ、上述の事項は、説明的例として意図されたものである。
【0057】
一実施形態は装置を含み、装置は、アクセス線を介して動作可能にアクセス可能なメモリセルを有するメモリコアであって、少なくとも低電力読み出しモードおよび低待ち時間の読み出し/書き込みモードを含む複数のモードで動作可能であり、低電力読み出しモードは低待ち時間読み出し/書き込みモードより低電力消費である、メモリコアと、メモリコアの非選択アクセス線に関するバイアスレベルを設定するように構成されるアクセス線バイアス回路部であって、バイアスレベルはモード情報に応じて設定される、アクセス線バイアス回路部と、を含む。
【0058】
一実施形態は装置を含み、装置は、少なくとも第1のメモリコアおよび第2のメモリコアを有する複数のメモリコアと、第1のメモリコアの非選択アクセス線に関するバイアスレベルを提供するように構成される第1のメモリコアに結合される第1のアクセス線バイアス回路部と、第2のメモリコアの非選択アクセス線に関するバイアスレベルを提供するように構成される第2のメモリコアに結合される第2のアクセス線バイアス回路部と、を含み、第1のメモリコアの非選択アクセス線に関するバイアスレベルは、第2のメモリコアの非選択アクセス線に関するバイアスレベルとは異なり得るように、第1および第2のアクセス線バイアス回路部は、互いに独立に動作するように構成される。
【0059】
一実施形態は装置を含み、装置は、メモリデバイスから情報を読み出しかつそこへ情報を書き込むためのメモリアクセスデバイスであって、メモリの電力消費を管理するようにメモリデバイスのメモリコアの動作モードを動的に設定可能である、メモリアクセスデバイスを、含む。
【0060】
一実施形態は機械実装方法を含み、方法は、メモリアクセスデバイスからモード情報をメモリデバイスで受信することと、モード情報が、低待ち時間読み出し/書き込み動作モードから低電力読み出し動作モードへのメモリコアに対するモード変更を示す場合、メモリデバイスのメモリコアの非選択アクセス線電圧を低下させることと、を含む。
【0061】
現時点で例示的特徴と思われる事項について示しまたは説明したが、特許請求の範囲に記載した主題から逸脱しなければ、種々の他の変更も可能であり、または均等物で置換し得ることが、当業者により理解されるであろう。加えて、本明細書に説明した中心概念(複数可)から逸脱しなければ、特許請求の範囲に記載した主題の教示に対する特定の状況に適合するように多くの変更を行い得る。
【0062】
したがって、特許請求の範囲に記載した主題は、開示した特定の例に限定されないが、そのような特許請求の範囲に記載した主題は、添付した特許請求の範囲内に収まる全ての態様、またはその均等物も含み得る。
図1
図2
図3
図4