(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6042991
(24)【登録日】2016年11月18日
(45)【発行日】2016年12月14日
(54)【発明の名称】電圧増幅器を組み立てるシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
H02M 7/10 20060101AFI20161206BHJP
【FI】
H02M7/10 B
【請求項の数】20
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2015-531932(P2015-531932)
(86)(22)【出願日】2013年8月13日
(65)【公表番号】特表2015-530069(P2015-530069A)
(43)【公表日】2015年10月8日
(86)【国際出願番号】US2013054800
(87)【国際公開番号】WO2014042805
(87)【国際公開日】20140320
【審査請求日】2015年5月13日
(31)【優先権主張番号】61/701,285
(32)【優先日】2012年9月14日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】13/964,841
(32)【優先日】2013年8月12日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】513156401
【氏名又は名称】フィニッシング ブランズ ホールディングス,インコーポレイティド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【弁理士】
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【弁理士】
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100165191
【弁理士】
【氏名又は名称】河合 章
(74)【代理人】
【識別番号】100151459
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 健一
(72)【発明者】
【氏名】ブライアン アール ゴレル
(72)【発明者】
【氏名】ジェイムズ ポール バルツ
【審査官】
安食 泰秀
(56)【参考文献】
【文献】
特公昭48−019444(JP,B1)
【文献】
独国特許出願公開第1925879(DE,A1)
【文献】
英国特許出願公開第1368226(GB,A)
【文献】
米国特許第3872370(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02M 7/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
同一直線上に配置された第1の複数のコンデンサを備える第1の行であって、前記第1の行の各コンデンサは、第1の端子を備える第1の行と、
縦軸及び横軸によって形成された第1の水平面において前記第1の行に平行な第2の行であって、前記第2の行は、同一直線上に配置された第2の複数のコンデンサを備え、前記第2の行の各コンデンサは、第2の端子を備える第2の行と、
前記第1の行に交差して位置決めされるとともに垂直軸に沿って前記第1の行及び前記第2の行の上に配置された第1の複数のダイオードを備える第3の行であって、前記第1の複数のダイオードのダイオードは、前記縦軸及び前記横軸の交差によって形成された第2の水平面において互いに平行に配置される第3の行と、
前記第1の行に交差して位置決めされるとともに前記垂直軸に沿って前記第3の行の上に配置された第2の複数のダイオードを備える第4の行であって、前記第2の複数のダイオードのダイオードは、前記縦軸及び前記横軸の交差によって形成された第3の水平面において互いに平行に配置され、前記第2の複数のダイオードのダイオードの各々は、前記第1の複数のダイオードの各ダイオードに交差して配置される第4の行と、
前記第1の複数のコンデンサを前記第1の複数のダイオード及び前記第2の複数のダイオードに直接物理的に接続するように構成した第1の複数のリード線と、
前記第2の複数のコンデンサを前記第1の複数のダイオード及び前記第2の複数のダイオードに直接物理的に接続するように構成した第2の複数のリード線と、
を備える電圧増幅器。
【請求項2】
前記第1の複数のリード線及び前記第2の複数のリード線は、ダイオードリード線として前記第1の複数のダイオード及び前記第2の複数のダイオードの各ダイオードから突き出る請求項1に記載の電圧増幅器。
【請求項3】
前記ダイオードリード線の各々は、前記ダイオードリード線の各々を前記第3の行又は前記第4の行から前記第1の端子又は前記第2の端子までそれぞれ延在させる一つ以上の折り曲げを備える請求項2に記載の電圧増幅器。
【請求項4】
前記ダイオードリード線は、前記第1の行と前記第3の行との間に部品間ギャップを形成する長さ及び形状の組合せを備える請求項3に記載の電圧増幅器。
【請求項5】
前記部品間ギャップは、前記第1の行と前記第3の行との間の0.056インチの距離を備える請求項4に記載の電圧増幅器。
【請求項6】
前記ダイオードリード線は、前記第3の行と前記第4の行との間にダイオードギャップを形成する長さ及び形状の組合せを備える請求項3に記載の電圧増幅器。
【請求項7】
前記ダイオードギャップは、前記第3の行と前記第4の行との間の0.020インチの距離を備える請求項6に記載の電圧増幅器。
【請求項8】
前記電圧増幅器に対する支持構造を更に備え、前記支持構造は、誘電体エポキシ層を備える請求項1に記載の電圧増幅器。
【請求項9】
前記電圧増幅器は、プリント配線板と、入力ノードと、出力ノードと、を備え、前記入力ノード及び前記出力ノードは、前記プリント配線板に対する唯一の結合である請求項1に記載の電圧増幅器。
【請求項10】
前記第1の複数のダイオードの各々は、前記第1の行に対する順バイアスがかけられ、前記第2の複数のダイオードの各々は、前記第2の行に対する順バイアスがかけられる請求項1に記載の電圧増幅器。
【請求項11】
電圧増幅器を製造する方法であって、
垂直軸に沿って第1のコンデンサの上に第1のダイオードを位置決めすることと、
前記第1のダイオードに配置された第1のリード線を用いて、前記第1のコンデンサに配置された第1の端子に前記第1のダイオードを直接物理的に結合することと、
前記第1のダイオードに配置された第2のリード線を用いて、第2のコンデンサに配置された第2の端子に前記第1のダイオードを直接物理的に結合することであって、前記第1のダイオードは、第1の方向において順バイアスがかけられていることと、
垂直軸に沿って前記第1のダイオードの上に交差して位置決めされるように第2のダイオードを位置決めすることであって、前記第2のダイオードは、第2の方向において順バイアスがかけられていることと、
前記第2のダイオードに配置された第3のリード線を用いて、前記第1の端子に前記第2のダイオードを直接物理的に結合することと、
前記第2のダイオードに配置された第4のリード線を用いて、前記第2のコンデンサに配置された第3の端子に前記第2のダイオードを直接物理的に結合することと、
前記第1のコンデンサを第1の行に配置するとともに前記第2のコンデンサを第2の行に配置することと、
を備える方法。
【請求項12】
前記第1のダイオードに水平方向で隣接するとともに平行となるように第3のダイオードを縦軸及び横軸の交差によって形成された水平面において位置決めすることと、
前記第3のダイオードに配置した第5のリード線を用いて、前記第3の端子に前記第3のダイオードを結合することと、
前記第3のダイオードに配置した第6のリード線を用いて、前記第1のコンデンサに配置された第4の端子に前記第3のダイオードを結合することであって、前記第3のダイオードは、前記第1の方向において順バイアスがかけられていることと、
を備える請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記第1のコンデンサに隣接するように前記第1の行に第3のコンデンサを位置決めすることと、
前記第6のリード線に前記第3のコンデンサを結合することと、
前記第2のコンデンサに隣接するように前記第2の行に第4のコンデンサを配置することと、
前記第5のリード線に前記第4のコンデンサを結合することと、
を備える請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記第1のダイオード及び前記第2のダイオードを、各リード線を各端子にはんだ付けすることによって結合する請求項11に記載の方法。
【請求項15】
各リード線を各端子にはんだ付けする前に各結合に接着剤を設けることを備える請求項14に記載の方法。
【請求項16】
誘電体コーティングを形成するために前記電圧増幅器をポッティングすることを備える請求項11に記載の方法。
【請求項17】
プリント回路板と、
電圧増幅器と、
を備え、前記電圧増幅器は、
一つ以上の段を備え、各段は、入力電圧の略2倍の出力電圧を生成するように構成され、各段は、
各々がダイオード本体、第1のダイオードリード線及び第2のダイオードリード線を備える複数のダイオードと、
第1の行及び第2の行に配置された複数のコンデンサであって、前記複数のコンデンサの各々がコンデンサ面の中に配置され、各コンデンサがコンデンサ本体、第1の端子及び第2の端子を備える複数のコンデンサと、
前記第1の端子に前記第1のダイオードリード線を直接物理的に接続する複数の接合部と、
を備え、
前記プリント回路板に直接物理的に接続した入力ノードと、
前記プリント回路板に直接物理的に接続した出力ノードと、
を更に備え、各ダイオードの前記第1のダイオードリード線及び前記第2のダイオードリード線は、前記電圧増幅器の接合部に対するフレームワークを提供し、前記第1のダイオードリード線は、前記第1の行の中の一つ以上の端子に電気的に接続し、前記第2のダイオードリード線は、前記第2の行の中の一つ以上の端子に電気的に接続し、各接合部は、前記複数のコンデンサの一つからの第1の端子を、隣接するコンデンサの第2の端子及び前記複数のダイオードの二つのダイオードに結合し、前記電圧増幅器は、前記入力ノード及び前記出力ノードのみを介して前記プリント回路板に結合し、前記二つのダイオードは、垂直軸に沿って垂直方向で離間され、互いに交差して配置されるとともに逆方向に電気的なバイアスをかけながら配置され、第1のダイオードは、前記コンデンサ面と平行の第1のダイオード面にあり、第2のダイオードは、前記第1のダイオード面よりも前記コンデンサ面から更に遠くなるように前記第1のダイオード面と平行の第2のダイオード面にあるように構成された電子装置。
【請求項18】
前記プリント回路板に電気的に結合したコントローラを備え、前記コントローラは、静電スプレー装置を制御するように構成された請求項17に記載の電子装置。
【請求項19】
前記電圧増幅器に配置された誘電体コーティングを備え、前記誘電体コーティングは、エポキシ樹脂を含む請求項17に記載の電子装置。
【請求項20】
前記誘電体コーティングは、ポッティング技術を用いて形成される請求項19に記載の電子装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
この出願は、参照により全体を個々に組み込む2013年8月12日に出願した「電圧増幅器を組み立てるシステム及び方法」(SYSTEM AND METHOD FOR ASSEMBLING A VOLTAGE AMPLIFIER)の表題の米国非仮特許出願第13/964,841号の利益を主張し、米国非仮特許出願第13/964,841号は、参照により全体を個々に組み込む2013年9月14日に出願した「電圧増幅器を組み立てるシステム及び方法」(SYSTEM AND METHOD FOR ASSEMBLING A VOLTAGE AMPLIFIER)の表題の米国仮特許出願第61/701,285号の利益を主張する。
【背景技術】
【0002】
本発明は、一般的には、ダイオード及びコンデンサを有する電子部品に関し、更に具体的には、カスケード電圧増幅器に関する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
電圧増幅器、特に、電圧増倍器は、低電圧の交流電流(AC)を高電圧の直流電流(DC)に変換する電子回路である。電圧増幅器は、家庭用電化製品の比較的低い電圧又は電光安全性試験設備の極めて高い電圧のような多種多様な用途を有する。普通の電圧増幅器は、しばしば多数の電子部品(例えば、コンデンサ及びダイオード)を有し、これによって、部品の各々を接続及び保護する方法を必要とする。電圧増幅器を用いる設備の小型化及び軽量化に対する要望が増大するに従って、電圧増幅器の信頼性を増大又は維持しながら電圧増幅器部品の寸法及び重量を減少させるのが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0004】
一実施の形態において、電圧増幅器は、同一直線上に配置した第1の複数のコンデンサを有する第1の行を有し、第1の行の各コンデンサは、第1の端子を有する。さらに、電圧増幅器は、第1の行に水平方向に平行な第2の行を有する。第2の行は、同一直線上に配置した第2の複数のコンデンサを有し、第2の行の各コンデンサは、第2の端子を有する。電圧増幅器は、第1の行に交差して位置決めされるとともに第1の行及び第2の行の上に垂直に配置された第1の複数のダイオードを有する第3の行を有する。さらに、第1の複数のダイオードのダイオードは、水平方向に互いに平行に位置決めされる。電圧増幅器は、第1の行に交差するとともに第3の行の上に垂直に配置された第2の複数のダイオードを有する第4の行を有する。第2の複数のダイオードのダイオードは、水平方向に互いに平行に位置決めされるとともに第1の複数のダイオードの各ダイオードに交差して配置される。さらに、電圧増幅器は、第1の複数のコンデンサを第1の複数のダイオード及び第2の複数のダイオードに直接物理的に接続するように構成した第1の複数のリード線を有する。さらに、電圧増幅器は、第2の複数のコンデンサを第1の複数のダイオード及び第2の複数のダイオードに直接物理的に接続するように構成した第2の複数のリード線を有する。
【0005】
第2の実施の形態において、電圧増幅器を製造する方法は、第1のコンデンサの上に垂直に第1のダイオードを位置決めすることを有する。方法は、第1のダイオードに配置した第1のリード線を用いて、第1のコンデンサに配置した第1の端子に第1のダイオードを直接物理的に結合することも有する。さらに、方法は、第1のダイオードに配置した第2のリード線を用いて、第2のコンデンサに配置した第2の端子に第1のダイオードを直接物理的に結合することを有する。さらに、第1のダイオードは、第1の方向において順バイアスがかけられる。方法は、第2のダイオードを、第1のダイオードの上に垂直に位置決めするとともに第1のダイオードに交差するように位置決めし、第2のダイオードは、第2の方向において順バイアスがかけられる。方法は、第2のダイオードに配置した第3のリード線を用いて、第1の端子に第2のダイオードを直接物理的に結合することも有する。さらに、方法は、第2のダイオードに配置した第4のリード線を用いて、第2のコンデンサに配置した第3の端子に第2のダイオードを直接物理的に結合することを有する。さらに、方法は、第1のコンデンサを第1の行に配置するとともに第2のコンデンサを第2の行に配置することを有する。
【0006】
第3の実施の形態において、電子装置は、プリント回路板と、プリント回路板に結合するように構成した電圧増幅器と、を有する。電圧増幅器は、一つ以上の段を有し、各段は、入力電圧の略2倍の出力電圧を生成するように構成される。各段は、複数のダイオードと、第1の行及び第2の行に配置された複数のコンデンサと、第1の端子に第1のダイオードリード線を直接物理的に接続する複数の接合部と、プリント回路板に直接物理的に結合ずる入力ノードと、プリント回路板に直接物理的に結合ずる出力ノードと、を備える。さらに、複数のダイオードの各々は、ダイオード本体、第1のダイオードリード線及び第2のダイオードリード線を有する。さらに、複数のコンデンサの各々は、コンデンサ本体、第1の端子及び第2の端子を有する。各ダイオードの第1のダイオードリード線及び第2のダイオードリード線は、電圧増幅器接合部のフレームワークを提供する。第1のダイオードリード線は、第1の行内の一つ以上の端子に直接物理的に接続し、第2のダイオードリード線は、第2の行内の一つ以上の端子に直接物理的に接続する。各接合部は、複数のコンデンサの一つからの第1の端子を、隣接するコンデンサの第2の端子及び複数のダイオードの二つのダイオードに結合する。さらに、接合部の各々は、プリント回路板から離間する。
【0007】
本発明のこれら及び他の形態、態様及び利点は、添付図面を参照しながら以下の詳細な説明を読むときに更によく理解され、図面を通じて、同様な文字は、同様なパーツを表す。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、電圧増倍器の一実施の形態を示す回路図である。
【
図2】
図2は、プリント回路板上の電圧増倍器の一実施の形態の透視図である。
【
図3】
図3は、プリント回路板を用いずに組み立てた電圧増倍器の他の実施の形態の上面図である。
【
図4】
図4は、コンデンサに対する二つのダイオードの幾何学的配置を示す
図3の電圧増倍器の二つのコンデンサの接続の側面図である。
【
図5】
図5は、明瞭のために省略したダイオードを有する
図3の電圧増倍器の一実施の形態の側面図である。
【
図6】
図6は、
図3の電圧増倍器の製造方法を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本開示の一つ以上の具体的な実施の形態を、以下説明する。これらの実施の形態の簡潔な説明を行うための試みにおいて、実施の全ての形態を明細書において説明しないかもしれない。当然のことながら、任意の工学的又は設計プロジェクトにおけるような任意のそのような実施の開発において、実施間で変化し得るシステムに関連した制約及びビジネスに関連した制約を有するコンプライアンスのような開発者の特定の目的を達成するために、複数の実施に特有の決定を行う必要がある。さらに、当然のことながら、そのような開発の試みは、複雑かつ時間のかかるものであるが、この開示の利益を有する当業者の設計、製作及び製造の通常業務である。
【0010】
本開示の種々の実施の形態の構成要素を導入するとき、冠詞“a”、“an”、“the”及び“said”は、構成要素の一つ以上が存在することを意図する。表現「備える」、「含む」及び「有する」は、包含的であることを意図し、列挙した構成要素以外の他の構成要素が存在してもよい。動作パラメータ及び/又は環境条件のあらゆる例は、開示した実施の形態の他のパラメータ/条件を除外するものではない。
【0011】
本開示の種々の実施の形態は、電圧増幅器アセンブリ内のカスケード電圧増幅器を含む。電圧増幅器アセンブリは、AC電圧を受信し、AC電圧を更に高いDC電圧に変換する。後に詳細に説明するように、電圧増幅器アセンブリの所定の実施の形態は、コッククロフト‐ワルトン発生器形態で配置したコンデンサ及びダイオードを有する。コンデンサ及びダイオードは、各部品をプリント回路板に溶接するのではなくコンデンサ及び/又はダイオードからのリード線を用いて直接物理的に結合される。個別の電気部品(例えば、コンデンサ又はダイオード)にそれぞれ接続するためにプリント回路板を用いる代わりに接続を行うためにコンデンサリード線及び/又はダイオードリード線を用いることによって、電圧増幅器アセンブリを、電圧増幅器アセンブリ用の入力/出力ノードを設けることにより、個別の部品のそれぞれの間にプリント回路板接続を必要とする電圧増幅器より小型化及び/又は軽量化することができる。また、個別の部品の各々の間のプリント回路板接続を省略することによって、電圧増幅器アセンブリを、個別の部品へのフラッシュオーバーを減少させるために回路板への電圧増幅器の接続前に保護塗装によってコーティングを施すことができる。また、電圧増幅器アセンブリの種々の実施の形態によって、プリント回路板の寸法による制約なく入力電圧に対する出力電圧の所望の比を達成するためのサブアセンブリ(例えば、段)の繰り返しを可能にする。最後に、プリント回路板を用いることなく電圧増幅回路を構成することによって、プロセスを一つの場所で完了することができ、これによって、プリント板の表面の汚染又は湿気、鋭利なはんだ接合及びコンタクトクリーニング(例えば、フラックス残渣の除去)のような製造上の問題を大幅に減少させる。
【0012】
図面に戻ると、
図1は、電圧増幅器10の一実施の形態の回路図である。電圧増幅器10の図示した実施の形態は、コッククロフト‐ワルトン増倍器であるが、所定の実施の形態は、電圧を増幅するのに適したグライナッヘル増倍器又は他の電子回路のようなコンデンサ及びダイオードを有するあらゆる電圧増幅器を含むことができる。電圧増幅器10は、複数のコンデンサ12及びダイオード14を有する。コンデンサを、セラミックコンデンサのような電圧増幅に適した任意のタイプのコンデンサとすることができる。理解できるように、コンデンサ12及びダイオード14は、一つ以上の段16に配置される。図示した実施の形態において、電圧増幅器は、3段を有するが、電圧増幅器10の他の実施の形態は、1,2,3,4,5,6又はそれ以上の段を有することができる。後に説明するとともに当業者には理解できるように、各段16は、入力電圧18の電圧を略2倍にする。入力電圧18を、発生器、変成器又は他の適切なソースから供給される5V,10V,15V,20V,25V,5kV,10kV,15kV,20kV,25kV又はそれより上のような任意の適切なAC入力とすることができる。電圧増幅器10は、IFBD(機能ブロック図の入力電流)接続20及び接地接続22を更に有する。
【0013】
理解できるように、AC入力18が負ピークに到達すると、入力18は、段16aのコンデンサ12aを充電する。AC入力18の極性が反転すると、コンデンサ12aは、放電を行い、第1のコンデンサの電荷の略2倍になるまで段16aのコンデンサ12bを充電する。AC入力が再び極性を反転すると、コンデンサ16b、したがって、段16aは、入力電圧の略2倍の電圧を放電する。その後、この電圧は、電圧増幅器10において伝送され、段16b及び段16cによって更に高められる。したがって、電圧増幅器10は、(完全な状態を仮定するとともにシステムを通じた電力消失を無視すると)複数の段16によって大きさが入力電圧18の大きさの2倍に増倍される出力電圧24を生成する。特に、電圧増幅器10の図示した実施の形態は、入力電圧18の略6倍の出力電圧24を生成する。例えば、入力電圧18が10kVである場合、出力電圧24は、略60kVとなる。他の実施の形態において、段16の数及び入力電圧18の大きさを、出力電圧が−100V、45kV、65kV、85kV、100kV、100kVより上の電圧又はこれらの間の電圧の任意のサブセットとなるように選択することができる。
【0014】
その後、出力電圧24を、電圧増幅器10を有する電子装置内の任意の適切な電子回路又は電圧増幅器から分離した電子回路に供給することができる。最後に、電圧増幅器10の図示した実施の形態は、電圧増幅器10の又は電圧増幅器10を利用する電子装置内の負荷又は線路抵抗を表すことができる抵抗26を有する。また、理解できるように、従来既知の他の種々の電気部品を、信号をフィルタ処理し、電圧を調整し、電流を調整し、又は、他の適切な電気回路の制御を行うために電圧増幅器10に接続することができる。
【0015】
図2は、回路板30に直接物理的に接続した各ダイオード14及びコンデンサ12を有する電圧増幅器10の一実施の形態の透視図である。板30を、電子装置の他の機能を実行しながら電圧増倍器を用いる電子装置内のプリント回路板とすることができ、又は、電圧増幅のためだけの電子部品とすることができる。例えば、板30を、静電塗装システムのフローを制御するとともに静電塗装システムのスプレーガン内に配置されるプリント回路板とすることができる。他の実施の形態において、板30を、電圧増幅器10の位置を設けるためのだけのものとすることがえきる。さらに、本実施の形態は、電圧増幅器10の1段16のみを示すが、板30は、所望の入力電圧18に関連する電圧増幅器10の所望の出力電圧24に応じて2,3,4又はそれ以上の段に結合することができる。
【0016】
図示した実施の形態において、プリント回路板30は、接続機構32を介してコンデンサ12a,12b及びダイオード14a,14b,14cをプリント回路板30に接続することによってコンデンサ12及びダイオード14に対する構造的な支持体を提供する。所定の実施の形態において、各接続機構32を、コンデンサリード線34及び/又はダイオードリード線36を受け入れるように構成したパッド、ホール又は他の適切なコネクタとすることができる。一部の実施の形態において、板30は、複数のタイプの接続(例えば、ホール及びパッド)を組み合わせる接続機構32を有することができる。例えば、大容量コンデンサを用いるときには、ダイオード14を板30に結合するための表面実装を用いながらコンデンサ12を板30に結合するためにスルーホール技術を用いることができる。各実施の形態において、コンデンサリード線34及びダイオードリード線36を、板30の表面上、ホール内又は裏面の接続機構32において板30にはんだ付けする。
【0017】
コンデンサ12及びダイオード14に対する構造的な支持体に加えて、板30は、信号トレース38を用いてコンデンサ12及びダイオード14を電気的に相互接続する。図示した実施の形態は、段16に対する三つの略y形状信号トレースを有するが、他の実施の形態は、電圧増幅器10のダイオード14及びコンデンサ12を接続するのに適切な任意の形状を有することができる。
【0018】
図3は、プリント回路板、ブレッドボード又は他のボード相互接続方法を用いることなく組み立てた電圧増幅器10の他の実施の形態の上面図である。説明を進めるために、縦軸40、垂直軸42及び横軸44について説明し、縦軸40及び横軸44の交差によって水平面が形成される。図示したように、コンデンサ12の各々は、第1の行50及び第2の行52に配置される。行ギャップ54が第1の行50と第2の行52との間に存在するように行が配置される。所定の実施の形態において、ギャップ54を、0.03インチと0.07インチとの間、0.05インチと0.06インチとの間又はそのサブセットの何れかとすることができる。さらに、コンデンサ12において、行の各々は、コンデンサ接合部56を有する。各コンデンサ接合部56を、電圧フラッシュオーバー及び/又は伝熱を制限するようコンデンサの間にスペースを置くために所望の距離を維持するように設計することができる。例えば、所定の実施の形態において、コンデンサ接合部56を、0.100インチと0.125インチとの間、0.005インチと0.130インチとの間、0.005インチと0.2インチとの間又はそのサブセットの何れかとなるように選択することができる。この距離を、スペーサ、コンデンサリード線34又はダイオードリード線36によって維持することができる。追加的に、コンデンサ12の各々を、同一行(例えば、第1の行50)の隣接するコンデンサ12に電気的に接続する。この電気的な接続を、コンデンサ12の端子間の物理的な接触、スペーサ、コンデンサリード線34又はダイオードリード線36によって行うことができる。行50,52を、複数のダイオード14を介して電気的に相互接続することができる。具体的には、各コンデンサ接合部56は、各々が逆方向にバイアスをかける二つのダイオード14に結合する。換言すれば、一方のダイオード14は、接合部56に向かってバイアスがかけられ、他方のダイオード14は、接合部56から離れる方向にバイアスがかけられる。
【0019】
後に詳細に説明するように、ダイオードリード線36又はコンデンサリード線34を、電圧増幅器10に対する少なくとも一部の構造的な支持体を提供する電圧増幅器10に対するフレームワーク(skeletal framework)を提供するためにコンデンサ12及びダイオード14を相互接続するのに用いることができる。後に説明するように、一部の実施の形態において、この構造的な支持体を、他の材料(例えば、エポキシ被覆)によって更に強化することができる。
【0020】
図4は、
図3の電圧増幅器10の段16の側面図である。段16は、第1のコンデンサ60及び第2のコンデンサ62のような二つのコンデンサを有する。コンデンサは、行(例えば、第1の行50及び第2の行52)の各々に配置された段16のコンデンサ12を表す。具体的には、第1のコンデンサ60を、第1の行50に配置することができ、第2のコンデンサ62を、第2の行52に配置することができる。段16は、三つのダイオードを更に有するが、
図1に示すように、一部のダイオードを、複数の段16の間で共有することができる。図示した段16は、第1のダイオード64、第2のダイオード66及び第3のダイオード67を示し、第3のダイオード67は、横方向44において奥に配置され、水平方向(例えば、縦方向42及び横方向44に交差する面)において第1のダイオード64に平行である。さらに、第1のコンデンサ60は、第1のコンデンサ60の反対端に配置された第1の端子68及び第1の後部端子69を有する。同様に、第2のコンデンサ62は、第2のコンデンサ62の反対端に配置された第2の端子70及び第2の後部端子71を有する。さらに、第1のダイオード63は、第1のリード線72及び第2のリード線74を有し、第2のダイオード66は、第3のリード線76及び第4のリード線78を有する。さらに、第3のダイオード67は、第5のリード線80及び第6のリード線82を有する。
【0021】
第1のダイオード64の第1のリード線72は、第1の端子68に電気的に接続され、第1のダイオード64は、第1の端子68に対して電気的に逆バイアスがかけられる。第2のリード線74は、第2の端子70に電気的に接続される。同様に、第2のダイオード66の第3のリード線76は、第1の端子68に電気的に結合され、第2のダイオード66は、第1の端子68に対して順バイアスがかけられる。第4のリード線78は、第2の後部端子71に電気的に結合される。最後に、第5のリード線80は、第1の後部端子69に結合され、第6のリード線82は、第2の後部端子71に結合される。さらに、第3のダイオード67は、第2の後部端子71に対して順バイアスがかけられる。さらに、第3のダイオード67は、第1のダイオード64及び第3のダイオード67が電圧増幅器10内にダイオード14の行を形成するように第1のダイオード64に物理的に平行である。種々の実施の形態において、リード線の各々を、リフローはんだ付け、ウエーブはんだ付け、手はんだ付け、赤外線はんだ付け、レーザはんだ付け又はその一部の組合せのような種々の従来既知のはんだ付け技術を用いて各端子に電気的に接続することができる。代替として又は追加的に、一部の実施の形態は、冷間鑞付、導電性接着剤(例えば、導電性エポキシ)又は非導電性接着剤を用いることによって電気的な接続を形成することができる。
【0022】
図5は、明瞭のために省略した個別のダイオード14を有する
図3の電圧増倍器の一実施の形態の側面図である。電圧増幅器10の図示した実施の形態は、第1の行50と、第1の行50に平行となるとともに行50の後方となるように配置された第2の行と、を示す。ダイオードリード線36は、
図5において各行内のダイオード14及びコンデンサ12の相互接続を示した状態のままである。理解できるように、各ダイオードリード線36は、二つのコンデンサの端子を接続するコンデンサ接合部に接続される。理解できるように、ダイオードリード線36は、ダイオード14とコンデンサ12との間の電気的な接続を提供するのに加えて構造に対する構造的な支持体を提供する。換言すれば、一つのダイオードリード線36は、二つのコンデンサ12及びダイオード14を電気的に接続する。さらに、ダイオードリード線36は、電圧増幅器10を強化するのを助けるために電圧増幅器10に更なる構造的な支持体を追加する誘電体コーティング(図示せず)に対して備えた構造的な支持体を提供する。追加的に、誘電体コーディング(図示せず)は、電圧フラッシュオーバーの可能性を十分に制限し、かつ、電気、ほこり、熱等のような外因からの障害から電圧増幅器10を保護する。
【0023】
図5に戻ると、ダイオード14は、下側の行84及び上側の行86に配置される。所定の実施の形態において、下側の行84のダイオード14の各々は、一方の横方向44において順バイアスがかけられ、上側の行のダイオード14の各々は、逆の横方向44において順バイアスがかけられる。理解できるように、ダイオード14をバイアス方向に従って行に配置することによって、電圧増幅器10を更にコンパクトに構成することができる。しかしながら、ダイオード14を高電圧で近接近させることによって、電圧フラッシュオーバーの可能性が増大する。したがって、下側の行84及び上側の行86を、電圧フラッシュオーバーの可能性を減少させるために行84,86の間のダイオードギャップ88を形成して設置する。しかしながら、ギャップ88の幅を、電圧増幅器10の寸法を減少させるために最小に保持することができる。例えば、所定の実施の形態において、ギャップ88を、0.100インチと0.125インチとの間、0.005インチと0.130インチとの間、0.005インチと0.2インチとの間又はそのサブセットの何れかとなるように設計することができる。同様に、部品間ギャップ90を、電圧フラッシュオーバーの可能性を減少させるために下側の行84とコンデンサ12(例えば、第1の行50及び/又は第2の行52)との間に存在したままにする。所定の実施の形態において、部品間ギャップ90を、0.050インチと0.060インチとの間、0.003インチと0.130インチとの間、0.005インチと0.2インチとの間又はそのサブセットの何れかとなるように設計することができる。追加的に、一部の実施の形態は、電圧フラッシュオーバーの確率を更に減少させるためにギャップ88,90に誘電体コーティングを充填することを有する。
【0024】
理解できるように、ダイオード14を垂直方向42においてコンデンサ12の上に配置するとともに相互接続を行うためにダイオードリード線36を用いることによって、電圧増幅器10は、個別の部品のそれぞれに直接物理的に接続したプリント回路板を用いる電圧増幅器より軽量化かつ小型化される。追加的に、部品の全てを、製造工程中に接続及び浄化し、その後、後の汚染を防止するよう電圧増幅器10の全体を封止するために誘電体エポキシによって被覆することができる。
【0025】
例えば、電圧増幅器10の一実施の形態を製造する一つの工程100を、
図6に示す。図示した実施の形態において、工程100は、コンデンサ12がコンデンサ12の本体から延在するコンデンサリード線34を有するか否かの第1の決定を有する(ブロック102)。コンデンサ12がリード線34を有する場合、リード線34を、コンデンサの端子において切断/除去する(ブロック104)。コンデンサ12がリード線なしであるので、コンデンサ12は、ダイオード14に対する接続の準備を行う。次に、下側の行84に対する一つ以上のダイオード14を、部品間ギャップ90に対する選択した距離を得るように(一つ以上の)ダイオード14をコンデンサ12に取り付けることができるようにするためにダイオードリード線36を折り曲げるとともに(一つ以上の)ダイオードリード線36を切り取ることによって準備する(ステップ106)。同様に、一つ以上のダイオード14を、ダイオードギャップ88に対する選択した距離を得るように(一つ以上の)ダイオード14をコンデンサ12に取り付けることができるようにするためにダイオードリード線36を折り曲げるとともに(一つ以上の)ダイオードリード線36を切り取ることによって準備する(ステップ108)。
【0026】
一部の実施の形態において、電圧増幅器10で用いられるダイオード14の各々を、各ダイオード14を取り付ける前に個別に準備することができるが、他の実施の形態は、設計した他の行(例えば、下側の行84)に対する全てのダイオード14を準備した後に一度に行(例えば、上側の行86)に対する全てのダイオード14を準備することを有することができる。追加的に、所定の実施の形態は、両方の行84,86に対して全てのダイオードリード線16を折り曲げることと、その後に行の所望の長さに従ってリード線36を切り取ることと、を有することができる。さらに、各ダイオード14を、手作業、オートメーション又はその一部の組合せによって折り曲げることができる。さらに、方法100の一部の実施の形態は、電圧増幅器10内に設置するために既に準備されたダイオードリード線36とともに製造又は供給されたダイオード14を有することによって、ブロック106及び108を省略することができる。一部の実施の形態において、ブロック106及び108を、工程の反復中に省略することができる。その理由は、他のコンデンサ12に対して既に接続されかつ折り曲げられた一つ以上のダイオード14にコンデンサ12を接続することができるからである。追加的又は代替的に、一部の実施の形態は、リード線36を切り取るとともにコンデンサ12に接続した後に同一ステップではなく次のステップで各ダイオードリード線36を折り曲げることを有することができる(例えば、ブロック106及び108を個別の折り曲げステップ及び切り取りステップに分割することができ、ブロック110が分割ステップで現れることができる。)。例えば、一部の実施の形態は、所望のコンデンサ12の各々を相互接続した後に一つの行84又は86のダイオードリード線36を折り曲げることを有することができる。
【0027】
図6に戻ると、一度ダイオード14がシステム内に設置するために準備されると、第1のダイオード64からのダイオードリード線72は、コンデンサ12の第1の端子68に電気的に接続され、第2のダイオードからのダイオードリード線76は、コンデンサ12の第1の端子68に電気的に接続される(ブロック110)。第1の端子68における接続を行った後、電圧増幅器を構成するために第1の後部端子69における適切な接続を行う。例えば、第1の端子68における接続と同様に、コンデンサの第1の後部端子69を、逆方向にバイアスがかけられた二つのダイオードに接続することができ、一方のダイオードは、下側の行84に配置され、他方のダイオードは、上側の行86に配置される。所定の実施の形態において、第1の後方端子69を、
図1に線形的に示すような適切な配置の接続を完了するために外部リード線又は追加のコンデンサ12に接続することができる。さらに、これらの接続を、はんだ、導電性接着剤、予備はんだ接着、又は電気的な接続を行うための若しくははんだ付けのためのパーツを準備するための他の適切な接続を用いて行うことができる。
【0028】
一度コンデンサ12がダイオード14及び/又は電圧増幅器10に接続されると、段16が形成されたか否かを決定する(ブロック114)。換言すれば、新たに接続されたコンデンサ12が段16として接続した一対のコンデンサ(例えば、コンデンサ60,62)を有するか否かを決定する。コンデンサ12が一対のコンデンサを有しない場合、電圧増幅器10に接続するための他のコンデンサ12を準備する(ブロック116)。コンデンサ12が一対のコンデンサを有する場合、電圧増幅器10に含まれる段の総数に1を加算し(n=n+1)、所望の増幅率(例えば、8X)が段の数の2倍(2n)であるか否かを決定する(ブロック118)。nが所望の増幅率に等しくない場合、電圧増幅器10に接続するための他のコンデンサを準備する(ブロック116)。nが所望の増幅率に等しい場合、接続を完了し、部品及び接続部を浄化する(ブロック120)。例えば、追加の外部リード線、ダイオード14、コンデンサ12、抵抗及び他の電気的な部品/接続を、(例えば、
図1に示す電圧増幅器10のような)設計された電圧増幅器10を完成するために追加することができる。また、接続を完了することは、ブロック110における元の接続が部品をはんだ付けすることによって行われなかった場合又は追加のはんだ付けが所望される場合に部品をはんだ付け(例えば、フローはんだ付け)することを有することができる。部品及び接続部を、摩擦(例えば、ブラシ掛け)、蒸留水、及び/又は、不純物、潜在的な干渉粒子及び/又は残渣(例えば、フラックス残渣又は接着剤残渣)を除去するための他の液体を用いて浄化することができる。最後に、電圧増幅器10を、誘電体コーティングで被覆する(ブロック122)。所定の実施の形態において、コーティングを、プラスチック(例えば、ポリウレタン)、シリコン、及び/又は、エポキシコーティングを電圧増幅器10に配置するポッティング工程を用いて形成することができる。誘電体コーティングのこのような塗布は、電圧増幅器10に対する構造的な支持体を提供するとともに衝撃及び振動に対する抵抗を提供する。追加的に、誘電体コーティングは、湿気、腐食剤、又は、電圧増幅器10の動作を妨害する他の粒子を排除する。
【0029】
コンデンサ12をダイオードリード線36に直接取り付けることにより個別の部品とプリント回路板との間の接続を省略することによって、電圧増幅器10の重量及び製造コストの両方を低減する。さらに、電圧増幅器10の寸法が選択した増幅率のみに依存するので、スペースが省略され、電圧増幅器10は、板の寸法によって制御される寸法に制限されない。追加的に、コンデンサ12及びダイオード14を互いに直接接続した後に誘電体材料を被覆することによって、電圧増幅器10は、更に高い信頼性を持って形成される。その理由は、回路板に対する各部品の個別の接続を用いる電圧増幅器10よりもスペースを更にコンパクトにしながら伝熱の放出及び電圧フラッシュオーバーの可能性を減少させることができるからである。さらに、コンデンサ12及びダイオード14を互いに接続した後にエポキシでコーティングすることによって、電圧増幅器10を、プリント回路板の焼き付け及びプリント回路板30の上に電圧増幅器10を製造するのに用いられる他の追加的な時間のかかるステップを必要とすることなく一か所で一度に製造することができる。さらに、電圧増幅器10を一か所で一度に製造することができるようにすることによって、汚染の可能性及び電圧増幅器10を浄化するのに用いられる時間を減少させることができる。最後に、全てのはんだ付けが一度に行われた後に誘電体材料の被覆を行う場合、電圧増幅器10は、更に信頼性が高くなる。その理由は、鋭利なはんだ接合に関連したリスクがほとんど除去されるからである。
【0030】
ここでは発明の所定の形態のみを図示するとともに説明したが、幾多の変更及び変形が当業者には思い付くであろう。したがって、添付した特許請求の範囲が発明の真の精神に含まれるような全てのそのような変更及び変形をカバーすることを意図することを理解されたい。