特許第6043002号(P6043002)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6043002固体撮像装置およびその駆動方法、電子機器
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6043002
(24)【登録日】2016年11月18日
(45)【発行日】2016年12月14日
(54)【発明の名称】固体撮像装置およびその駆動方法、電子機器
(51)【国際特許分類】
   H04N 5/355 20110101AFI20161206BHJP
   H04N 5/3745 20110101ALI20161206BHJP
【FI】
   H04N5/335 550
   H04N5/335 745
【請求項の数】16
【全頁数】35
(21)【出願番号】特願2016-19849(P2016-19849)
(22)【出願日】2016年2月4日
(62)【分割の表示】特願2015-98806(P2015-98806)の分割
【原出願日】2015年5月14日
【審査請求日】2016年2月4日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】515235207
【氏名又は名称】ブリルニクス インク
(74)【代理人】
【識別番号】100094053
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 隆久
(72)【発明者】
【氏名】大倉 俊介
(72)【発明者】
【氏名】高柳 功
【審査官】 鈴木 明
(56)【参考文献】
【文献】 特開2013−33896(JP,A)
【文献】 特開2000−165754(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 5/30−5/378
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
画素が配置された画素部と、
前記画素部から画素信号の読み出しを行う読み出し部と、を有し、
前記画素は、
蓄積期間に光電変換により生成した電荷を蓄積する光電変換素子と、
前記光電変換素子に蓄積された電荷を転送期間に転送可能な転送素子と、
前記転送素子を通じて前記光電変換素子で蓄積された電荷が転送されるフローティングディフュージョンと、
リセット期間に前記フローティングディフュージョンの電荷を排出するリセット素子と、
前記フローティングディフュージョンの電荷を電荷量に応じた利得をもって電圧信号に変換するソースフォロワ素子と、
前記フローティングディフュージョンの容量を容量変更信号に応じて変更可能な容量可変部と、を含み、
前記読み出し部は、
前記リセット素子を通じて前記フローティングディフュージョンをリセットするリセット期間後の読み出し期間にリセット状態の信号を読み出し、
前記リセット期間後の前記読み出し期間後に、前記転送素子を通じて前記フローティングディフュージョンに前記光電変換素子の蓄積電荷を転送する前記転送期間後の読み出し期間に、蓄積電荷に応じた信号を読み出す、読み出しスキャンが可能で、
前記読み出しスキャン期間において、
転送処理を行う前記転送期間を複数設定し、前記各転送期間後の各読み出し期間に蓄積電荷に応じた信号を読み出す処理をそれぞれ行う
固体撮像装置。
【請求項2】
前記読み出し部は、
前記複数の転送期間のうちの少なくとも1つの転送期間においては、前記容量可変部により前記フローティングディフュージョンの容量を大きくした状態で前記光電変換素子から蓄積電荷を転送させる
請求項1記載の固体撮像装置。
【請求項3】
前記読み出し部は、
一つの前記読み出し期間に、前記容量可変部により設定される第1容量に応じた第1変換利得で前記画素信号の読み出しを行う第1変換利得モード読み出しと、
前記容量可変部により設定される第2容量に応じた第2変換利得で前記画素信号の読み出しを行う第2変換利得モード読み出しと、のうちの少なくともいずれかを行う
請求項1または2記載の固体撮像装置。
【請求項4】
前記読み出し部は、
前記リセット期間に続く前記読み出し期間に前記第1変換利得モード読み出しと前記第2変換利得モード読み出しを行う
請求項3記載の固体撮像装置。
【請求項5】
前記読み出し部は、
前記リセット期間に続く前記読み出し期間後に行われる複数の前記転送期間後の前記各読み出し期間において、前記第1変換利得モード読み出しと前記第2変換利得モード読み出しのうちの少なくともいずれかを行う
請求項4記載の固体撮像装置。
【請求項6】
前記リセット期間に続く第1の読み出し期間に第1の前記第2変換利得モード読み出しを行い、次いで第1の前記第1変換利得モード読み出しを行い、
前記フローティングディフュージョンの容量を前記第1変換利得に対応する前記第1容量に保持した状態で、前記第1の読み出し期間後の前記転送素子による第1の転送期間の転送処理を行い、
当該第1の転送期間後の第2の読み出し期間に第2の前記第1変換利得モード読み出しを行い、
前記フローティングディフュージョンの容量を前記第2変換利得に対応する前記第2容量に保持した状態で、前記第2の読み出し期間後の前記転送素子による第2の転送期間の転送処理を行い、
当該第2の転送期間後の第3の読み出し期間に第2の前記第2変換利得モード読み出しを行う
請求項3から5のいずれか一に記載の固体撮像装置。
【請求項7】
前記第2容量は前記第1容量より大きい
請求項3から6のいずれか一に記載の固体撮像装置。
【請求項8】
前記容量可変部は、
少なくとも隣接する2つの前記画素の前記フローティングディフュージョン間に接続され、前記容量変更信号に応じて選択的にオン、オフされるビンニングスイッチを含み、
接続するフローティングディフュージョン数を切り替えて、読み出される前記画素の前記フローティングディフュージョンの変換利得を切り替える
請求項1から7のいずれか一に記載の固体撮像装置。
【請求項9】
前記ビンニングスイッチを介して接続される複数の画素の全画素で、リセット期間に前記フローティングディフュージョンの電荷を排出するリセット素子を共有している
請求項8記載の固体撮像装置。
【請求項10】
前記容量可変部は、
隣接する2つの前記画素の前記フローティングディフュージョン間の配線に接続され、第1容量変更信号に応じて選択的にオン、オフされる第1ビンニングスイッチと、
前記第1ビンニングスイッチより前記転送素子側の配線と前記フローティングディフュージョン間に接続され、第2容量変更信号に応じて選択的にオン、オフされる第2ビンニングスイッチと、を含む
請求項8または9記載の固体撮像装置。
【請求項11】
前記容量可変部は、
前記第1ビンニングスイッチに接続され、前記フローティングディフュージョンから溢れる電荷を排出するオーバーフローゲートを有する
請求項10記載の固体撮像装置。
【請求項12】
前記容量可変部は、
キャパシタと、
前記キャパシタと前記フローティングディフュージョン間に接続され、前記容量変更信号に応じてオン、オフされるスイッチと、を含む
請求項1から7のいずれか一に記載の固体撮像装置。
【請求項13】
前記画素部は、
一つの前記フローティングディフュージョンを複数の前記光電変換素子および前記転送素子で共有する画素共有構造を有する
請求項1から12のいずれか一に記載の固体撮像装置。
【請求項14】
前記固体撮像装置は、表面照射型または裏面照射型である
請求項1から13のいずれか一に記載の固体撮像装置。
【請求項15】
画素が配置された画素部を有し、
前記画素は、
蓄積期間に光電変換により生成した電荷を蓄積する光電変換素子と、
前記光電変換素子に蓄積された電荷を転送期間に転送可能な転送素子と、
前記転送素子を通じて前記光電変換素子で蓄積された電荷が転送されるフローティングディフュージョンと、
リセット期間に前記フローティングディフュージョンの電荷を排出するリセット素子と、
前記フローティングディフュージョンの電荷を電荷量に応じた利得をもって電圧信号に変換するソースフォロワ素子と、
前記フローティングディフュージョンの容量を容量変更信号に応じて変更可能な容量可変部と、を含む固体撮像装置の駆動方法であって、
前記リセット素子を通じて前記フローティングディフュージョンをリセットするリセット期間後の読み出し期間にリセット状態の信号を読み出し、
前記リセット期間後の前記読み出し期間後に、前記転送素子を通じて前記フローティングディフュージョンに前記光電変換素子の蓄積電荷を転送する前記転送期間後の読み出し期間に、蓄積電荷に応じた信号を読み出す、読み出しスキャン期間において、
転送処理を行う前記転送期間を複数設定し、前記各転送期間後の各読み出し期間に蓄積電荷に応じた信号を読み出す処理をそれぞれ行う
固体撮像装置の駆動方法。
【請求項16】
画素が配置された画素部と、前記画素部から画素信号の読み出しを行う読み出し部と、を含む固体撮像装置と、
前記固体撮像装置に被写体像を結像する光学系と、を有し、
前記固体撮像装置の画素は、
蓄積期間に光電変換により生成した電荷を蓄積する光電変換素子と、
前記光電変換素子に蓄積された電荷を転送期間に転送可能な転送素子と、
前記転送素子を通じて前記光電変換素子で蓄積された電荷が転送されるフローティングディフュージョンと、
リセット期間に前記フローティングディフュージョンの電荷を排出するリセット素子と、
前記フローティングディフュージョンの電荷を電荷量に応じた利得をもって電圧信号に変換するソースフォロワ素子と、
前記フローティングディフュージョンの容量を容量変更信号に応じて変更可能な容量可変部と、を含み、
前記読み出し部は、
前記リセット素子を通じて前記フローティングディフュージョンをリセットするリセット期間後の読み出し期間にリセット状態の信号を読み出し、
前記リセット期間後の前記読み出し期間後に、前記転送素子を通じて前記フローティングディフュージョンに前記光電変換素子の蓄積電荷を転送する前記転送期間後の読み出し期間に、蓄積電荷に応じた信号を読み出す、読み出しスキャンが可能で、
前記読み出しスキャン期間において、
転送処理を行う前記転送期間を複数設定し、前記各転送期間後の各読み出し期間に蓄積電荷に応じた信号を読み出す処理をそれぞれ行う
電子機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、固体撮像装置およびその駆動方法、電子機器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
光を検出して電荷を発生させる光電変換素子を用いた固体撮像装置(イメージセンサ)として、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサが実用に供されている。
CMOSイメージセンサは、デジタルカメラ、ビデオカメラ、監視カメラ、医療用内視鏡、パーソナルコンピュータ(PC)、携帯電話等の携帯端末装置(モバイル機器)等の各種電子機器の一部として広く適用されている。
【0003】
CMOSイメージセンサは、画素毎にフォトダイオード(光電変換素子)および浮遊拡散層(FD:Floating Diffusion、フローティングディフュージョン)を有するFDアンプを持ち合わせており、その読み出しは、画素アレイの中のある一行を選択し、それらを同時に列(カラム)方向へと読み出すような列並列出力型が主流である。
【0004】
ところで、特性向上のため、広ダイナミックレンジを持つ高画質のCMOSイメージセンサを実現する方法が種々提案されている(たとえば特許文献1参照)。
【0005】
特許文献1には、短い露光時間による高照度側に対応した撮像と長い露光時間による低照度に対応した撮像の異なる2回以上の露光時間に分割する広ダイナミックレンジ化技術が開示されている。
また、特許文献1には、フローティングディフュージョンFDの容量を可変とした広ダイナミックレンジ化技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2000−165754号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところが、特許文献1に開示された広ダイナミックレンジ化技術では、低照度の撮像と高照度の撮像を異なる時刻(期間)において行っていることから、複数回の露光により得られる信号を用いることとなるため、画像にずれが生じ、動体歪みが発生し、動画の画質を損なうという不利益がある。
【0008】
本発明は、動体歪みの発生を抑止しつつ広ダイナミックレンジ化を実現でき、ひいては高画質化を実現することが可能な固体撮像装置およびその駆動方法、電子機器を提供することにある。
【0009】
本発明の第1の観点は、画素が配置された画素部を有する固体撮像装置であって、前記画素は、蓄積期間に光電変換により生成した電荷を蓄積する光電変換素子と、前記光電変換素子に蓄積された電荷を転送期間に転送可能な転送素子と、前記転送素子を通じて前記光電変換素子で蓄積された電荷が転送されるフローティングディフュージョンと、前記フローティングディフュージョンの電荷を電荷量に応じた利得をもって電圧信号に変換するソースフォロワ素子と、前記フローティングディフュージョンの容量を容量変更信号に応じて変更可能な容量可変部と、を含み、前記蓄積期間に対する一つの読み出し期間内の所定期間に前記容量可変部により前記フローティングディフュージョンの容量が変更されて、当該一つの前記読み出し期間内に変換利得が切り替えられる。
【0010】
本発明の第2の観点は、画素が配置された画素部を有し、前記画素が、蓄積期間に光電変換により生成した電荷を蓄積する光電変換素子と、前記光電変換素子に蓄積された電荷を転送期間に転送可能な転送素子と、前記転送素子を通じて前記光電変換素子で蓄積された電荷が転送されるフローティングディフュージョンと、前記フローティングディフュージョンの電荷を電荷量に応じた利得をもって電圧信号に変換するソースフォロワ素子と、前記フローティングディフュージョンの容量を容量変更信号に応じて変更可能な容量可変部と、を含む固体撮像装置の駆動方法であって、前記蓄積期間に対する一つの読み出し期間内の所定期間に前記容量可変部により前記フローティングディフュージョンの容量を変更し、当該一つの前記読み出し期間内に変換利得を切り替える。
【0011】
本発明の第3の観点の電子機器は、画素が配置された画素部を有する固体撮像装置と、前記固体撮像装置に被写体像を結像する光学系と、を有し、前記固体撮像装置の画素は、蓄積期間に光電変換により生成した電荷を蓄積する光電変換素子と、前記光電変換素子に蓄積された電荷を転送期間に転送可能な転送素子と、前記転送素子を通じて前記光電変換素子で蓄積された電荷が転送されるフローティングディフュージョンと、前記フローティングディフュージョンの電荷を電荷量に応じた利得をもって電圧信号に変換するソースフォロワ素子と、前記フローティングディフュージョンの容量を容量変更信号に応じて変更可能な容量可変部と、を含み、前記蓄積期間に対する一つの読み出し期間内の所定期間に前記容量可変部により前記フローティングディフュージョンの容量が変更されて、当該一つの前記読み出し期間内に変換利得が切り替えられる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、動体歪みの発生を抑止しつつ広ダイナミックレンジ化を実現でき、ひいては高画質化を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の第1の実施形態に係る固体撮像装置の構成例を示すブロック図である。
図2】本第1の実施形態に係る画素の一例を示す回路図である。
図3】本発明の実施形態に係る固体撮像装置の画素部の列出力の読み出し系の構成例を説明するための図である。
図4】本実施形態における通常の画素読み出し動作時のシャッタースキャンおよび読み出しスキャンの動作タイミングを示す図である。
図5】本発明の第1の実施形態に係る画素および容量可変部を構成するMOS構造キャパシタの第1の構成例を示す図である。
図6】本発明の第1の実施形態に係る画素および容量可変部を構成するMOS構造キャパシタの第2の構成例を示す図である。
図7】本第1の実施形態に係る容量可変部を構成するMOS構造キャパシタを適用した場合の広ダイナミックレンジを実現する動作を説明するための図である。
図8】本発明の第2の実施形態に係る画素および容量可変部の構成例を示す図である。
図9】本第2の実施形態に係る容量可変部にキャパシタとスイッチを適用した場合の広ダイナミックレンジを実現する動作を説明するための図である。
図10】本発明の第3の実施形態に係る画素部および容量可変部の構成例を示す図である。
図11】本第3の実施形態に係る容量可変部にビンニングスイッチを適用した場合の広ダイナミックレンジを実現する動作を説明するためのタイミングチャートである。
図12】本発明の第4の実施形態に係る画素部および容量可変部の構成例を示す図である。
図13】本第4の実施形態に係る容量可変部にビンニングスイッチを適用した場合の広ダイナミックレンジを実現する動作を説明するためのタイミングチャートである。
図14】本発明の第5の実施形態に係る画素部および容量可変部の構成例を示す図である。
図15】本第5の実施形態に係る容量可変部にビンニングスイッチを適用した場合の広ダイナミックレンジを実現する動作のタイミングチャートである。
図16】本発明の第6の実施形態に係る画素部および容量可変部の構成例を示す図である。
図17】本第6の実施形態に係る容量可変部にビンニングスイッチを適用した場合の広ダイナミックレンジを実現する動作のタイミングチャートである。
図18】本発明の実施形態に係る固体撮像装置が画素共有構造にも適用が可能であることを説明するための図である。
図19】本発明の実施形態に係る固体撮像装置が、表面照射型イメージセンサと裏面照射型イメージセンサの両方に適用が可能であることを説明するための図である。
図20】本発明の実施形態に係る固体撮像装置が適用される電子機器の構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態を図面に関連付けて説明する。
【0015】
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態に係る固体撮像装置の構成例を示すブロック図である。
本実施形態において、固体撮像装置10は、たとえばCMOSイメージセンサにより構成される。
【0016】
この固体撮像装置10は、図1に示すように、撮像部としての画素部20、垂直走査回路(行走査回路)30、読み出し回路(カラム読み出し回路)40、水平走査回路(列走査回路)50、およびタイミング制御回路60を主構成要素として有している。
これらの構成要素のうち、たとえば垂直走査回路30、読み出し回路40、およびタイミング制御回路60により画素信号の読み出し部70が構成される。
【0017】
本実施形態において、固体撮像装置10は、後で詳述するように、画素部20に行列状に配列される画素(または画素部20)は、フローティングディフュージョンの容量を容量変更信号に応じて変更可能な容量可変部を含んで構成されている。
固体撮像装置10においては、一つの電荷の蓄積期間(露光期間)後の一つの読み出し期間内の所定期間に容量可変部によりフローティングディフュージョンの容量が変更されて、この読み出し期間内に変換利得が切り替えられる。
【0018】
本実施形態において、読み出し部70は、一つの読み出し期間に、容量可変部により設定される第1容量に応じた第1変換利得で画素信号の読み出しを行う第1変換利得モード読み出しと、容量可変部により設定される第2容量(第1容量と異なる)に応じた第2変換利得で画素信号の読み出しを行う第2変換利得モード読み出しと、を行うことが可能に構成されている。
すなわち、本実施形態の固体撮像装置10は、一度の蓄積期間(露光期間)に光電変換された電荷(電子)に対して、一つの読み出し期間に、画素内部にて、第1変換利得(たとえば高変換利得)モードと第2変換利得(低変換利得)モードを切り替えて信号を出力し、明るい信号と暗い信号の両方を出力するダイナミックレンジが広い固体撮像素子として提供される。
【0019】
本実施形態の読み出し部70は、基本的に、フォトダイオードおよびフローティングディフュージョンの電荷を排出するリセット期間に続く蓄積期間に第1変換利得モード読み出しと第2変換利得モード読み出しを行う。
また、本実施形態において、読み出し部70は、リセット期間に続く読み出し期間後に行われる少なくとも一つの転送期間後の読み出し期間において、第1変換利得モード読み出しと第2変換利得モード読み出しのうちの少なくともいずれかを行う。すなわち、転送期間後の読み出し期間において、第1変換利得モード読み出しと第2変換利得モード読み出しの両方を行う場合もある。
【0020】
通常の画素読み出し動作においては、読み出し部70による駆動により、シャッタースキャンが行われ、その後、読み出しスキャンが行われるが、第1変換利得モード読み出し(HCG)と第2変換利得モード読み出し(LCG)は、読み出しスキャン期間に行われる。
【0021】
以下、固体撮像装置10の各部の構成および機能の概要を説明した後、容量可変部の構成、それに関連した読み出し処理等について詳述する。
【0022】
(画素部20および画素PXLの構成)
画素部20は、フォトダイオード(光電変換素子)と画素内アンプとを含む複数の画素がN行×M列の2次元の行列状(マトリクス状)に配列されている。
【0023】
図2は、本実施形態に係る画素の一例を示す回路図である。
【0024】
この画素PXLは、たとえば光電変換素子であるフォトダイオード(PD)を有する。
このフォトダイオードPDに対して、転送素子としての転送トランジスタTG−Tr、リセット素子としてのリセットトランジスタRST−Tr、ソースフォロワ素子としてのソースフォロワトランジスタSF−Tr、および選択素子としての選択トランジスタSEL−Trをそれぞれ一つずつ有する。
【0025】
そして、画素PXLは、フローティングディフュージョンFD(Floating Diffusion;浮遊拡散層)に接続され、容量変更信号CSに応じてフローティングディフュージョンFDの容量を変更可能な容量可変部80を有している。
【0026】
フォトダイオードPDは、入射光量に応じた量の信号電荷(ここでは電子)を発生し、蓄積する。
以下、信号電荷は電子であり、各トランジスタがn型トランジスタである場合について説明するが、信号電荷がホールであったり、各トランジスタがp型トランジスタであっても構わない。
また、本実施形態は、複数のフォトダイオード間で、各トランジスタを共有している場合や、選択トランジスタを有していない3トランジスタ(3Tr)画素を採用している場合にも有効である。
【0027】
転送トランジスタTG−Trは、フォトダイオードPDとフローティングディフュージョンFDの間に接続され、制御線TGを通じて制御される。
転送トランジスタTG−Trは、制御線TGがハイレベル(H)の期間に選択されて導通状態となり、フォトダイオードPDで光電変換され蓄積された電荷(電子)をフローティングディフュージョンFDに転送する。
【0028】
リセットトランジスタRST−Trは、電源線VRstとフローティングディフュージョンFDの間に接続され、制御線RSTを通じて制御される。
なお、リセットトランジスタRST−Trは、電源線VDDとフローティングディフュージョンFDの間に接続され、制御線RSTを通じて制御されるように構成してもよい。
リセットトランジスタRST−Trは、制御線RSTがHレベルの期間に選択されて導通状態となり、フローティングディフュージョンFDを電源線VRst(またはVDD)の電位にリセットする。
【0029】
ソースフォロワトランジスタSF−Trと選択トランジスタSEL−Trは、電源線VDDと垂直信号線LSGNの間に直列に接続されている。
ソースフォロワトランジスタSF−TrのゲートにはフローティングディフュージョンFDが接続され、選択トランジスタSEL−Trは制御線SELを通じて制御される。
選択トランジスタSEL−Trは、制御線SELがHレベルの期間に選択されて導通状態となる。これにより、ソースフォロワトランジスタSF−TrはフローティングディフュージョンFDの電荷を電荷量(電位)に応じた利得をもって電圧信号に変換した列出力の読み出し信号VSLを垂直信号線LSGNに出力する。
これらの動作は、たとえば転送トランジスタTG−Tr、リセットトランジスタRST−Tr、および選択トランジスタSEL−Trの各ゲートが行単位で接続されていることから、1行分の各画素について同時並列的に行われる。
【0030】
画素部20には、画素PXLがN行×M列配置されているので、各制御線SEL、RST、TGはそれぞれN本、垂直信号線LSGNはM本ある。
図1においては、各制御線SEL、RST、TGを1本の行走査制御線として表している。
【0031】
垂直走査回路30は、タイミング制御回路60の制御に応じてシャッター行および読み出し行において行走査制御線を通して画素の駆動を行う。
また、垂直走査回路30は、アドレス信号に従い、信号の読み出しを行うリード行と、フォトダイオードPDに蓄積された電荷をリセットするシャッター行の行アドレスの行選択信号を出力する。
【0032】
上述したように、通常の画素読み出し動作においては、読み出し部70の垂直走査回路30による駆動により、シャッタースキャンが行われ、その後、読み出しスキャンが行われる。
【0033】
図4は、本実施形態における通常の画素読み出し動作時のシャッタースキャンおよび読み出しスキャンの動作タイミングを示す図である。
【0034】
選択トランジスタSEL−Trのオン(導通)、オフ(非導通)を制御する制御線SELは、シャッタースキャン期間PSHTにはLレベルに設定されて選択トランジスタSEL−Trが非導通状態に保持され、読み出しスキャン期間PRDOにはHレベルに設定されて選択トランジスタSEL−Trが導通状態に保持される。
そして、シャッタースキャン期間PSHTには、制御線RSTがHレベルの期間に所定期間制御線TGがHレベルに設定されて、リセットトランジスタRST−Trおよび転送トランジスタTG−Trを通じてフォトダイオードPDおよびフローティングディフュージョンFDがリセットされる。
【0035】
読み出しスキャン期間PRDOには、制御線RSTがHレベルに設定されてリセットトランジスタRST−Trを通じてフローティングディフュージョンFDがリセットされ、このリセット期間PR後の読み出し期間PRD1にリセット状態の信号が読み出される。
読み出し期間PRD1後に、所定期間、制御線TGがHレベルに設定されて転送トランジスタTG−Trを通じてフローティングディフュージョンFDにフォトダイオードPDの蓄積電荷が転送され、この転送期間PT後の読み出し期間PRD2に蓄積された電子(電荷)に応じた信号が読み出される。
【0036】
なお、本第1の実施形態の通常の画素読み出し動作において、蓄積期間(露光期間)EXPは、図4に示すように、シャッタースキャン期間PSHTでフォトダイオードPDおよびフローティングディフュージョンFDをリセットして制御線TGをLレベルに切り替えてから、読み出しスキャン期間PRDOの転送期間PTを終了するために制御線TGをLレベルに切り替えるまでの期間である。
【0037】
読み出し回路40は、画素部20の各列出力に対応して配置された複数の列信号処理回路(図示せず)を含み、複数の列信号処理回路で列並列処理が可能に構成されてもよい。
【0038】
読み出し回路40は、相関二重サンプリング(CDS:Correlated Double Sampling)回路やADC(アナログデジタルコンバータ;AD変換器)、アンプ(AMP,増幅器)、サンプルホールド(S/H)回路等を含んで構成可能である。
【0039】
このように、読み出し回路40は、たとえば図3(A)に示すように、画素部20の各列出力の読み出し信号VSLをデジタル信号に変換するADC41を含んで構成されてもよい。
あるいは、読み出し回路40は、たとえば図3(B)に示すように、画素部20の各列出力の読み出し信号VSLを増幅するアンプ(AMP)42が配置されてもよい。
また、読み出し回路40は、たとえば図3(C)に示すように、画素部20の各列出力の読み出し信号VSLをサンプル、ホールドするサンプルホールド(S/H)回路43が配置されてもよい。
【0040】
水平走査回路50は、読み出し回路40のADC等の複数の列信号処理回路で処理された信号を走査して水平方向に転送し、図示しない信号処理回路に出力する。
【0041】
タイミング制御回路60は、画素部20、垂直走査回路30、読み出し回路40、水平走査回路50等の信号処理に必要なタイミング信号を生成する。
【0042】
以上、固体撮像装置10の各部の構成および機能の概要について説明した。
次に、本第1の実施形態に係る容量可変部80の構成、それに関連した読み出し処理等について詳述する。
【0043】
本第1の実施形態においては、容量可変部80が、各画素PXLのフローティングディフュージョンFDに接続されたMOS構造キャパシタにより構成される。
【0044】
図5は、本発明の第1の実施形態に係る画素および容量可変部を構成するMOS構造キャパシタの第1の構成例を示す図である。
図5(A)は第1の構成例のMOS構造キャパシタ81を含む画素PXLの等価回路を示し、図5(B)は第1の構成例のMOS構造キャパシタ81の断面構造を簡略的に示している。
【0045】
このMOS構造キャパシタ81は、MOSのドレインとソースが接続されて、その接続点がフローティングディフュージョンFDに接続され、ゲートが容量変更信号CSの供給ラインに接続されている。
MOS構造キャパシタ81において、ドレイン811とソース812は半導体基板のチャネル形成領域813の両端側に、たとえば第1導電型であるn+拡散層として形成され、このn+拡散層同士が接続されて、フローティングディフュージョンFDに接続されている。
また、MOS構造キャパシタ81において、ゲート814は半導体基板のチャネル形成領域813上にゲート酸化膜815を介してポリシリコンにより形成されている。このゲート814が容量変更信号CSの供給ラインに接続されている。
【0046】
なお、MOS構造キャパシタ81において、埋込みチャネルとして、線形性を向上させるように構成しても良い。
【0047】
この第1の実施形態においては、MOS構造キャパシタ81のゲート電圧を容量変更信号CSで切り替えることにより可変容量として機能させることで、ダイナミックレンジを拡大する。
このMOS構造キャパシタ81のゲート電圧を容量変更信号CSで切り替えることにより可変容量として機能させることで、ダイナミックレンジを拡大する処理は、図4に関連付けて説明した読み出しスキャン期間PRDOに行われる。
前述したように、読み出しスキャン期間PRDOには制御線SELはHレベルに設定されて選択トランジスタSEL−Trが導通状態に保持される。
【0048】
容量変更信号CSがローレベル(L)である場合にはフローティングディフュージョンFDの容量(電荷量)は変更されない。
この場合、読み出しスキャン期間PRDOにおいて、たとえばリセット期間PRに、リセット素子であるリセットトランジスタRST−Trを通じてフローティングディフュージョンFDをリセットした後から転送期間PTが開始されるまでの一つの読み出し期間PRD1に、読み出し部70により、容量可変部80のMOS構造キャパシタ81により設定される第1容量に応じた(第1容量はディフォルト値で変更されていない容量ともいえる)高変換利得(第1変換利得)で画素信号の読み出しを行う高変換利得モード読み出しHCG1が行われる。
または、読み出し部70により、たとえば転送期間PTに、転送素子である転送トランジスタTG―Trを通じてフローティングディフュージョンFDにフォトダイオードPDの蓄積電荷を転送した後の一つの読み出し期間PRD2(PRD3)に、読み出し部70により、容量可変部80のMOS構造キャパシタ81により設定される第1容量に応じた高変換利得(第1変換利得)で画素信号の読み出しを行う高変換利得モード読み出しHCG2が行われる。
【0049】
容量変更信号CSがH(ハイレベル)である場合にはフローティングディフュージョンFDの容量(電荷量)は増加するように変更される。
この場合、読み出しスキャン期間PRDOにおいて、たとえばリセット期間PRに、リセット素子であるリセットトランジスタRST−Trを通じてフローティングディフュージョンFDをリセットした後から転送期間PTが開始されるまでの一つの読み出し期間PRD1に、読み出し部70により、容量可変部80のMOS構造キャパシタ81により設定される第2容量に応じた(ディフォルトの第1容量から変更された第2容量に応じた)低変換利得(第2変換利得)で画素信号の読み出しを行う低変換利得モード読み出しLCG1が行われる。
または、読み出し部70により、たとえば転送期間PTに、転送素子である転送トランジスタTG―Trを通じてフローティングディフュージョンFDにフォトダイオードPDの蓄積電荷を転送した後の一つの読み出し期間PRD2(PRD3)に、読み出し部70により、容量可変部80のMOS構造キャパシタ81により設定される第2容量に応じた低変換利得(第2変換利得)で画素信号の読み出しを行う低変換利得モード読み出しLCG2が行われる。
【0050】
そして、たとえば読み出し部70の一部を構成する読み出し回路40において、高変換利得モード読み出しHCG2の読み出し信号と高変換利得モード読み出しHCG1の読み出し信号との差分がとられてCDS処理が行われる。
同様に、低変換利得モード読み出しLCG2の読み出し信号と低変換利得モード読み出しLCG1の読み出し信号との差分がとられてCDS処理が行われる。
【0051】
このように、第1の実施形態の固体撮像装置10は、一度の蓄積期間(露光期間)に光電変換された電荷(電子)に対して、画素内部にて、一つの読み出し期間において、第1変換利得(たとえば高変換利得)モードと第2変換利得(低変換利得)モードを切り替えて信号を出力し、明るい信号と暗い信号の両方を出力するダイナミックレンジが広い固体撮像素子として実現される。
【0052】
図6は、本発明の第1の実施形態に係る画素および容量可変部を構成するMOS構造キャパシタの第2の構成例を示す図である。
図6(A)は第2の構成例のMOS構造キャパシタ81Aを含む画素PXLの等価回路を示し、図6(B)は第2の構成例のMOS構造キャパシタ81Aの断面構造を簡略的に示している。
【0053】
この第2の構成例のMOS構造キャパシタ81Aが上述した第1の構成例のMOS構造キャパシタ81と異なる点は次の通りである。
第2の構成例のMOS構造キャパシタ81Aは、フローティングディフュージョンFDにn+拡散層のドレイン811の領域のみ接続され、ソース812Aは第2導電型のp+拡散層領域として形成されている。
【0054】
このように、フローティングディフュージョンFDノードの遠方側に位置する拡散層にp型イオンを注入することで、ゲート電圧切替え時にゲート下の電荷残りを低減することが可能となる。
【0055】
次に、本第1の実施形態に係る容量可変部を構成するMOS構造キャパシタを適用した場合の広ダイナミックレンジを実現する動作について図7に関連付けて説明する。
【0056】
図7は、本第1の実施形態に係る容量可変部を構成するMOS構造キャパシタを適用した場合の広ダイナミックレンジを実現する動作を説明するための図である。
図7では、容量可変部を構成するMOS構造キャパシタとして、図6の第2の構成例のMOS構造キャパシタ81Aを適用した場合の例を示している。
図7(A)は画素PXLの等価回路を示し、図7(B)は動作を説明するためのタイミングチャートを示し、図7(C)は動作の時間経過に伴う画素PXLの要部のポテンシャルの遷移を模式的に示している。
【0057】
なお、本実施形態において、容量可変部80によって設定される第1容量と第2容量は、第2容量の方が第1容量により大きいものとして説明する。それらの値は相対的なものであり、理解を容易にするために、リセット期間後、転送期間後の両期間においても第1容量と第2容量として説明する。
【0058】
読み出しスキャン期間PRDOにおいては、図7(B)に示すように、画素アレイの中のある一行を選択するために、その選択された行の各画素PXLに接続された制御線SELがHレベルに設定されて画素PXLの選択トランジスタSEL−Trが導通状態となる。
この選択状態において、リセット期間PRにリセットトランジスタRST−Trが、制御線RSTがHレベルの期間に選択されて導通状態となり、フローティングディフュージョンFDが電源線VDDの電位にリセットされる。
このリセット期間PRが経過した後(リセットトランジスタRST−Trが非導通状態)、転送期間PTが開始されるまでの期間が、リセット状態時の画素信号を読み出す第1読み出し期間PRD1となる。
【0059】
第1読み出し期間PRD1が開始された後の時刻t1に、容量変更信号CSがLレベルに設定され、読み出し部70により、フローティングディフュージョンFDの容量(電荷量)は第1容量から変更されていない高変換利得(第1変換利得)で画素信号の読み出しを行う第1の高変換利得モード読み出しHCG1が行われる。
このとき、各画素PXLにおいては、ソースフォロワトランジスタSF−Trにより、フローティングディフュージョンFDの電荷が電荷量(電位)に応じた利得をもって電圧信号に変換され、列出力の読み出し信号VSL(HCG1)として垂直信号線LSGNに出力され、読み出し回路40に供給されて、たとえば保持される。
【0060】
第1読み出し期間PRD1において、時刻t1に第1の高変換利得モード読み出しHCG1が行われた後、容量変更信号CSがHレベルに切り替えられて、フローティングディフュージョンFDの容量(電荷量)が第1容量から第2容量に増加するように変更される。
そして、時刻t2に、読み出し部70により、フローティングディフュージョンFDの容量(電荷量)が変更された低変換利得(第2変換利得)で画素信号の読み出しを行う第1の低変換利得モード読み出しLCG1が行われる。
このとき、各画素PXLにおいては、ソースフォロワトランジスタSF−Trにより、フローティングディフュージョンFDの電荷が電荷量(電位)に応じた利得をもって電圧信号に変換され、列出力の読み出し信号VSL(LCG1)として垂直信号線LSGNに出力され、読み出し回路40に供給されて、たとえば保持される。
【0061】
ここで、第1読み出し期間PRD1が終了し、転送期間PTとなる。なお、このとき、容量変更信号CSは、転送期間PTが経過した後の所定期間Hレベルのままに保持される。
転送期間PTに転送トランジスタTG−Trが、制御線TGがハイレベル(H)の期間に選択されて導通状態となり、フォトダイオードPDで光電変換され蓄積された電荷(電子)がフローティングディフュージョンFDに転送される。
この転送期間PTが経過した後(転送トランジスタTG−Trが非導通状態)、フォトダイオードPDが光電変換して蓄積した電荷に応じた画素信号を読み出す第2読み出し期間PRD2となる。
【0062】
第2読み出し期間PRD2が開始された後の時刻t3に、容量変更信号CSがHレベルに設定された状態で、読み出し部70により、フローティングディフュージョンFDの容量(電荷量)が変更された低変換利得(第2変換利得)で画素信号の読み出しを行う第2の低変換利得モード読み出しLCG2が行われる。
このとき、各画素PXLにおいては、ソースフォロワトランジスタSF−Trにより、フローティングディフュージョンFDの電荷が電荷量(電位)に応じた利得をもって電圧信号に変換され、列出力の読み出し信号VSL(LCG2)として垂直信号線LSGNに出力され、読み出し回路40に供給されて、たとえば保持される。
【0063】
第2読み出し期間PRD2において、時刻t3に第2の低変換利得モード読み出しLCG2が行われた後、容量変更信号CSがLレベルに切り替えられて、フローティングディフュージョンFDの容量(電荷量)が第2容量から第1容量に減少するように変更される。
そして、時刻t4に、読み出し部70により、フローティングディフュージョンFDの容量(電荷量)が低くなるように変更された高変換利得(第1変換利得)で画素信号の読み出しを行う第2の高変換利得モード読み出しHCG2が行われる。
このとき、各画素PXLにおいては、ソースフォロワトランジスタSF−Trにより、フローティングディフュージョンFDの電荷が電荷量(電位)に応じた利得をもって電圧信号に変換され、列出力の読み出し信号VSL(HCG2)として垂直信号線LSGNに出力され、読み出し回路40に供給されて、たとえば保持される。
【0064】
そして、たとえば読み出し部70の一部を構成する読み出し回路40において、第2の高変換利得モード読み出しHCG2の読み出し信号VSL(HCG2)と第1の高変換利得モード読み出しHCG1の読み出し信号VSL(HCG1)との差分{VSL(HCG2)−VSL(HCG1)}がとられてCDS処理が行われる。
同様に、読み出し回路40において、第2の低変換利得モード読み出しLCG2の読み出し信号VSL(LCG2)と第1の低変換利得モード読み出しLCG1の読み出し信号VSL(LCG1)との差分{VSL(LCG2)−VSL(LCG1)}がとられてCDS処理が行われる。
【0065】
このように、第1の実施形態の固体撮像装置10は、一度の蓄積期間(露光期間)に光電変換された電荷(電子)に対して、画素内部にて、一つの読み出し期間において、高変換利得(第1変換利得)モードと低変換利得(第2変換利得)モードを切り替えて信号を出力し、明るい信号と暗い信号の両方を出力する広ダイナミックレンジが実現される。
【0066】
以上説明したように、本第1の実施形態によれば、一つの電荷の読み出し期間内の所定期間にMOS構造キャパシタ81(81A)により構成される容量可変部80(80A)によりフローティングディフュージョンFDの容量が変更されて、この読み出し期間内に変換利得が切り替えられる。
そして、読み出し部70が、一つの読み出し期間に、容量可変部80(80A)により設定される第1容量に応じた高変換利得(第1変換利得)で画素信号の読み出しを行う高変換利得(第1変換利得)モード読み出しと、容量可変部80により設定される第2容量に応じた低変換利得(第2変換利得)で画素信号の読み出しを行う低変換利得(第2変換利得)モード読み出しと、を行う。
【0067】
したがって、本第1の実施形態によれば、一度の蓄積期間(露光期間)に光電変換された電荷(電子)に対して、画素内部にて、一つの読み出し期間において、高変換利得モードと低変換利得モードを切り替えて信号を出力し、明るい信号と暗い信号の両方を出力することができ、高変換利得モードおよび低変換利得モード時のリセットノイズがキャンセルでき、動体歪みの発生を抑止しつつ広ダイナミックレンジ化を実現でき、ひいては高画質化を実現することができる。
【0068】
(第2の実施形態)
図8は、本発明の第2の実施形態に係る画素および容量可変部の構成例を示す図である。
【0069】
本第2の実施形態の容量可変部80Bが、第1の実施形態の容量可変部80と異なる点は、MOS構造キャパシタで構成する代わりに、キャパシタ82と、キャパシタ82とフローティングディフュージョンFD間に接続され、容量変更信号CSGに応じてオン、オフされるスイッチとしてのスイッチングトランジスタ83とにより構成されている。
【0070】
次に、本第2の実施形態に係る容量可変部にキャパシタとスイッチを適用した場合の広ダイナミックレンジを実現する動作について図9に関連付けて説明する。
【0071】
図9は、本第2の実施形態に係る容量可変部にキャパシタとスイッチを適用した場合の広ダイナミックレンジを実現する動作を説明するための図である。
図9(A)は画素PXLの等価回路を示し、図9(B)は動作を説明するためのタイミングチャートを示し、図9(C)は動作の時間経過に伴う画素PXLの要部のポテンシャルの遷移を模式的に示し、図9(D)は照度とCDS出力との関係を示している。
【0072】
読み出しスキャン期間PRDOにおいては、図9(B)に示すように、画素アレイの中のある一行を選択するために、その選択された行の各画素PXLに接続された制御線SELがHレベルに設定されて画素PXLの選択トランジスタSEL−Trが導通状態となる。
この選択状態において、リセット期間PRにリセットトランジスタRST−Trが、制御線RSTがHレベルの期間に選択されて導通状態となり、フローティングディフュージョンFDが電源線VDDの電位にリセットされる。
このリセット期間PRが経過した後(リセットトランジスタRST−Trが非導通状態)、転送期間PTが開始されるまでの期間が、リセット状態時の画素信号を読み出す第1読み出し期間PRD11となる。
リセット期間PRの開始と略並行して、容量変更信号CSGがHレベルに切り替えられて、フローティングディフュージョンFDの容量(電荷量)が第1容量から第2容量に増加するように変更される。
【0073】
第1読み出し期間PRD11が開始された後の時刻t1に、容量変更信号CSGがHレベルに保持された状態で、読み出し部70により、フローティングディフュージョンFDの容量(電荷量)が第2容量に変更された低変換利得(第2変換利得)で画素信号の読み出しを行う第1の低変換利得モード読み出しLCG11が行われる。
このとき、各画素PXLにおいては、ソースフォロワトランジスタSF−Trにより、フローティングディフュージョンFDの電荷が電荷量(電位)に応じた利得をもって電圧信号に変換され、列出力の読み出し信号VSL(LCG11)として垂直信号線LSGNに出力され、読み出し回路40に供給されて、たとえば保持される。
【0074】
第1読み出し期間PRD11において、時刻t1に第1の低変換利得モード読み出しLCG11が行われた後、容量変更信号CSGがLレベルに切り替えられて、フローティングディフュージョンFDの容量(電荷量)が第2容量から第1容量に減少するように変更される。
そして、時刻t2に、読み出し部70により、フローティングディフュージョンFDの容量(電荷量)が変更された高変換利得(第1変換利得)で画素信号の読み出しを行う第1の高変換利得モード読み出しHCG11が行われる。
このとき、各画素PXLにおいては、ソースフォロワトランジスタSF−Trにより、フローティングディフュージョンFDの電荷が電荷量(電位)に応じた利得をもって電圧信号に変換され、列出力の読み出し信号VSL(HCG11)として垂直信号線LSGNに出力され、読み出し回路40に供給されて、たとえば保持される。
【0075】
ここで、第1読み出し期間PRD11が終了し、第1転送期間PT11となる。なお、このとき、容量変更信号CSGは、第1転送期間PT11が経過した後の略次の第2転送期間PT12が開始される直前までの所定期間Lレベルのままに保持される。
第1転送期間PT11に転送トランジスタTG−Trが、制御線TGがHレベルの期間に選択されて導通状態となり、フォトダイオードPDで光電変換され蓄積された電荷(電子)がフローティングディフュージョンFDに転送される。
この第1転送期間PT11が経過した後(転送トランジスタTG−Trが非導通状態)、フォトダイオードPDが光電変換して蓄積した電荷に応じた画素信号を読み出す第2読み出し期間PRD12となる。
【0076】
第2読み出し期間PRD12が開始された後の時刻t3に、容量変更信号CSGがLレベルに設定された状態で、読み出し部70により、フローティングディフュージョンFDの容量(電荷量)が第1容量に設定された高変換利得(第1変換利得)で画素信号の読み出しを行う第2の高変換利得モード読み出しHCG12が行われる。
このとき、各画素PXLにおいては、ソースフォロワトランジスタSF−Trにより、フローティングディフュージョンFDの電荷が電荷量(電位)に応じた利得をもって電圧信号に変換され、列出力の読み出し信号VSL(HCG12)として垂直信号線LSGNに出力され、読み出し回路40に供給されて、たとえば保持される。
【0077】
第2読み出し期間PRD12において、時刻t3に第2の高変換利得モード読み出しHCG12が行われた後、容量変更信号CSGがHレベルに切り替えられて、フローティングディフュージョンFDの容量(電荷量)が第1容量から第2容量に増加するように変更される。
この容量変更と略並行して、第2転送期間PT12となる。なお、このとき、容量変更信号CSGは、第2転送期間PT12が経過した後、制御線SELがLレベルに切り替えられるまでHレベルのままに保持される。
第2転送期間PT12に転送トランジスタTG−Trが、制御線TGがHレベルの期間に選択されて導通状態となり、フォトダイオードPDで光電変換され蓄積された電荷(電子)がフローティングディフュージョンFDに転送される。
この第2転送期間PT12が経過した後(転送トランジスタTG−Trが非導通状態)、フォトダイオードPDが光電変換して蓄積した電荷に応じた画素信号をさらに読み出す第3読み出し期間PRD13となる。
【0078】
第3読み出し期間PRD13が開始された後の時刻t4に、容量変更信号CSGがHレベルに保持された状態で、読み出し部70により、フローティングディフュージョンFDの容量(電荷量)が第2容量に設定された低変換利得(第2変換利得)で画素信号の読み出しを行う第2の低変換利得モード読み出しLCG12が行われる。
このとき、各画素PXLにおいては、ソースフォロワトランジスタSF−Trにより、フローティングディフュージョンFDの電荷が電荷量(電位)に応じた利得をもって電圧信号に変換され、列出力の読み出し信号VSL(LCG12)として垂直信号線LSGNに出力され、読み出し回路40に供給されて、たとえば保持される。
【0079】
そして、たとえば読み出し部70の一部を構成する読み出し回路40において、第2の高変換利得モード読み出しHCG12の読み出し信号VSL(HCG12)と第1の高変換利得モード読み出しHCG11の読み出し信号VSL(HCG11)との差分{VSL(HCG12)−VSL(HCG11)}がとられてCDS処理が行われる。
同様に、読み出し回路40において、第2の低変換利得モード読み出しLCG12の読み出し信号VSL(LCG12)と第1の低変換利得モード読み出しLCG11の読み出し信号VSL(LCG11)との差分{VSL(LCG12)−VSL(LCG11)}がとられてCDS処理が行われる。
【0080】
本第2の実施形態によれば、上述した第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。
すなわち、本第2の実施形態によれば、一度の蓄積期間(露光期間)に光電変換された電荷(電子)に対して、画素内部にて、一つの読み出し期間において、高変換利得モードと低変換利得モードを切り替えて信号を出力し、明るい信号と暗い信号の両方を出力することができ、高変換利得モードおよび低変換利得モード時のリセットノイズがキャンセルでき、動体歪みの発生を抑止しつつ広ダイナミックレンジ化を実現でき、ひいては高画質化を実現することができるという効果を得ることができる。
【0081】
(第3の実施形態)
図10は、本発明の第3の実施形態に係る画素部および容量可変部の構成例を示す図である。
【0082】
本第3の実施形態の容量可変部80Cが、第1の実施形態の容量可変部80と異なる点は次の通りである。
第1および第2の実施形態では、容量可変部はMOS構造キャパシタ、スイッチとキャパシタで構成されている。
【0083】
これに対して、本第3の実施形態においては、容量可変部80Cは、キャパシタではなく、列方向に隣接する2つの画素PXLn,PXLn+1のフローティングディフュージョンFD間に形成される配線WRに接続(配置)された第1ビンニングスイッチ84n、および画素PXLn+1のフローティングディフュージョンFDと電源線VDDとの間に接続された第1ビンニングスイッチ84n+1により構成されている。
本第3の実施形態では、容量変更信号BINn,BINn+1により第1ビンニングスイッチ84n,84n+1をオン、オフすることにより、接続するフローティングディフュージョンFD数を1または複数(本例では2)に切り替えて、読み出し対象画素のフローティングディフュージョンFDの容量を変更し、読み出される画素PXLnまたはPXLn+1のフローティングディフュージョンFDの変換利得を切り替える。
【0084】
換言すると、第3の実施形態においては、1列の隣接する2画素PXLn,PXLn+1でリセット素子が共有され、画素PXLnのフローティングディフュージョンFDと電源線VDD間が、配線WRに縦続接続するように形成される第1ビンニングスイッチ84n、84n+1を介して接続され、第1ビンニングスイッチ84nと84n+1との配線WR上の接続ノードNDn+1と画素PXLn+1のフローティングディフュージョンFDが接続されている。
第3の実施形態では、第1ビンニングスイッチ84n+1が共有のリセット素子として機能する。
【0085】
本実施形態において、第1ビンニングスイッチ84(・・,n−1,n,n+1,・・)はたとえばnチャネルのMOS(NMOS)トランジスタにより形成されている。
以下の説明では、ビンニングスイッチをビンニングトランジスタと呼ぶ場合もある。
【0086】
このように、第1ビンニングトランジスタ84n,84n+1を設けたことにより、画素PXLn,PXLn+1はキャパシタおよびリセットトランジスタが不要となり、画素内のトランジスタ数を少なくすることができ、フォトダイオードPDの開口率を高く、光電変換感度や飽和電子数を高めることができる。
本第3の実施形態においては、第1ビンニングトランジスタ84n,84n+1がリセット素子としての機能を併せ持つ。
そして、第1ビンニングトランジスタ84n,84n+1を介して接続される複数(本例では2)の画素の全画素で、リセット期間PRにフローティングディフュージョンFDの電荷を排出する第1ビンニングトランジスタ84n+1によるリセット素子を共有している。
【0087】
本第3の実施形態においては、読み出し画素PXLn+1に対応する容量変更信号BINn+1をLレベルにすることにより、非リセット状態にする。
【0088】
このように、本第3の実施形態においては、リセット素子を1列の2画素で共有する画素を備えることから、フローティングディフュージョンFDのリセット時において、フローティングディフュージョンFDとリセット電極間の抵抗が低いため、リセット動作の高速性に優れる。
【0089】
次に、本第3の実施形態に係る容量可変部にビンニングスイッチ(ビンニングトランジスタ)を適用した場合の広ダイナミックレンジを実現する動作について図11に関連付けて説明する。
【0090】
図11は、本第3の実施形態に係る容量可変部にビンニングスイッチ(ビンニングトランジスタ)を適用した場合の広ダイナミックレンジを実現する動作を説明するためのタイミングチャートである。
【0091】
読み出しスキャン期間PRDOにおいては、図11に示すように、画素アレイの中のある一行、たとえば第n行を選択するために、その選択された行の各画素PXLnに接続された制御線SELがHレベルに設定されて画素PXLnの選択トランジスタSEL−Trが導通状態となる。
この選択状態において、リセット期間PR21に全ての第1ビンニングトランジスタ84n,84n+1(84n−1・・・)が、容量変更信号BINn,BINn+1がリセット信号としてHレベルの期間に選択されて導通状態となり、各フローティングディフュージョンFDが電源線VDDの電位にリセットされる。
このリセット期間PR21が経過した後、容量変更信号BINn+1がLレベルに切り替えられ、第1ビンニングトランジスタ84n+1が非導通状態に切り替えられる。
一方、容量変更信号BINnはHレベルのままに保持されて、第1ビンニングトランジスタ84nが導通状態に保持される。
第1ビンニングトランジスタ84n+1が非導通状態に切り替えられ、第1ビンニングトランジスタ84nが導通状態に保持されることによりリセット期間PR21が終了し、画素PXLnのフローティングディフュージョンFDの容量(電荷量)が第1容量から第2容量に増加するように変更される。
そして、転送期間PT21が開始されるまでの期間が、リセット状態時の画素信号を読み出す第1読み出し期間PRD21となる。
【0092】
第1読み出し期間PRD21が開始された後の時刻t1に、容量変更信号BINnがHレベルに保持された状態で、読み出し部70により、フローティングディフュージョンFDの容量(電荷量)が第2容量に変更された低変換利得(第2変換利得)で画素信号の読み出しを行う第1の低変換利得モード読み出しLCG21が行われる。
このとき、各画素PXLnにおいては、ソースフォロワトランジスタSF−Trにより、フローティングディフュージョンFDの電荷が電荷量(電位)に応じた利得をもって電圧信号に変換され、列出力の読み出し信号VSL(LCG21)として垂直信号線LSGNに出力され、読み出し回路40に供給されて、たとえば保持される。
【0093】
第1読み出し期間PRD21において、時刻t1に第1の低変換利得モード読み出しLCG21が行われた後、容量変更信号BINnがLレベルに切り替えられて、フローティングディフュージョンFDの容量(電荷量)が第2容量から第1容量に減少するように変更される。
そして、時刻t2に、読み出し部70により、フローティングディフュージョンFDの容量(電荷量)が変更された高変換利得(第1変換利得)で画素信号の読み出しを行う第1の高変換利得モード読み出しHCG21が行われる。
このとき、各画素PXLnにおいては、ソースフォロワトランジスタSF−Trにより、フローティングディフュージョンFDの電荷が電荷量(電位)に応じた利得をもって電圧信号に変換され、列出力の読み出し信号VSL(HCG21)として垂直信号線LSGNに出力され、読み出し回路40に供給されて、たとえば保持される。
【0094】
ここで、第1読み出し期間PRD21が終了し、第1転送期間PT21となる。なお、このとき、容量変更信号BINnは、第1転送期間PT21が経過した後の略次の第2転送期間PT22が開始される直前までの所定期間Lレベルのままに保持される。
第1転送期間PT21に転送トランジスタTG−Trが、制御線TGがHレベルの期間に選択されて導通状態となり、フォトダイオードPDで光電変換され蓄積された電荷(電子)がフローティングディフュージョンFDに転送される。
この第1転送期間PT21が経過した後(転送トランジスタTG−Trが非導通状態)、フォトダイオードPDが光電変換して蓄積した電荷に応じた画素信号を読み出す第2読み出し期間PRD22となる。
【0095】
第2読み出し期間PRD22が開始された後の時刻t3に、容量変更信号BINnがLレベルに設定された状態で、読み出し部70により、フローティングディフュージョンFDの容量(電荷量)が第1容量に設定された高変換利得(第1変換利得)で画素信号の読み出しを行う第2の高変換利得モード読み出しHCG22が行われる。
このとき、各画素PXLnにおいては、ソースフォロワトランジスタSF−Trにより、フローティングディフュージョンFDの電荷が電荷量(電位)に応じた利得をもって電圧信号に変換され、列出力の読み出し信号VSL(HCG22)として垂直信号線LSGNに出力され、読み出し回路40に供給されて、たとえば保持される。
【0096】
第2読み出し期間PRD22において、時刻t3に第2の高変換利得モード読み出しHCG22が行われた後、容量変更信号BINnがHレベルに切り替えられて、フローティングディフュージョンFDの容量(電荷量)が第1容量から第2容量に増加するように変更される。
この容量変更と略並行して、第2転送期間PT22となる。なお、このとき、容量変更信号BINnは、第2転送期間PT22が経過した後もHレベルのままに保持される。
第2転送期間PT22に転送トランジスタTG−Trが、制御線TGがHレベルの期間に選択されて導通状態となり、フォトダイオードPDで光電変換され蓄積された電荷(電子)がフローティングディフュージョンFDに転送される。
この第2転送期間PT22が経過した後(転送トランジスタTG−Trが非導通状態)フォトダイオードPDが光電変換して蓄積した電荷に応じた画素信号をさらに読み出す第3読み出し期間PRD23となる。
【0097】
第3読み出し期間PRD23が開始された後の時刻t4に、容量変更信号BINnがHレベルに保持された状態で、読み出し部70により、フローティングディフュージョンFDの容量(電荷量)が第2容量に設定された低変換利得(第2変換利得)で画素信号の読み出しを行う第2の低変換利得モード読み出しLCG22が行われる。
このとき、各画素PXLnにおいては、ソースフォロワトランジスタSF−Trにより、フローティングディフュージョンFDの電荷が電荷量(電位)に応じた利得をもって電圧信号に変換され、列出力の読み出し信号VSL(LCG22)として垂直信号線LSGNに出力され、読み出し回路40に供給されて、たとえば保持される。
【0098】
そして、たとえば読み出し部70の一部を構成する読み出し回路40において、第2の高変換利得モード読み出しHCG22の読み出し信号VSL(HCG22)と第1の高変換利得モード読み出しHCG21の読み出し信号VSL(HCG21)との差分{VSL(HCG22)−VSL(HCG21)}がとられてCDS処理が行われる。
同様に、読み出し回路40において、第2の低変換利得モード読み出しLCG22の読み出し信号VSL(LCG22)と第1の低変換利得モード読み出しLCG21の読み出し信号VSL(LCG21)との差分{VSL(LCG22)−VSL(LCG21)}がとられてCDS処理が行われる。
【0099】
次に、図11に示すように、画素アレイの中の第n行の次の行、たとえば第n+1行を選択するために、第n行に代えて、その選択された第n+1行の各画素PXLn+1に接続された制御線SELがHレベルに設定されて画素PXLn+1の選択トランジスタSEL−Trが導通状態となる。
このとき、容量変更信号BINnは第n行アクセス時のHレベルのままに保持されている。
そして、この選択状態において、リセット期間PR22に全ての第1ビンニングトランジスタ84n,84n+1(84n−1・・・)が、容量変更信号BINn,BINn+1がリセット信号としてHレベルの期間に選択されて導通状態となり、各フローティングディフュージョンFDが電源線VDDの電位にリセットされる。
このリセット期間PR22が経過した後、容量変更信号BINn+1がLレベルに切り替えられ、第1ビンニングトランジスタ84n+1が非導通状態に切り替えられる。
一方、容量変更信号BINnはHレベルのままに保持されて、第1ビンニングトランジスタ84nが導通状態に保持される。
第1ビンニングトランジスタ84n+1が非導通状態に切り替えられ、第1ビンニングトランジスタ84nが導通状態に保持されることによりリセット期間PR22が終了し、画素PXLn+1のフローティングディフュージョンFDの容量(電荷量)が第1容量から第2容量に増加するように変更される。
そして、転送期間PT23が開始されるまでの期間が、リセット状態時の画素信号を読み出す第1読み出し期間PRD24となる。
【0100】
第1読み出し期間PRD24が開始された後の時刻t1に、容量変更信号BINnがHレベルに保持された状態で、読み出し部70により、フローティングディフュージョンFDの容量(電荷量)が第2容量に変更された低変換利得(第2変換利得)で画素信号の読み出しを行う第1の低変換利得モード読み出しLCG23が行われる。
このとき、各画素PXLn+1においては、ソースフォロワトランジスタSF−Trにより、フローティングディフュージョンFDの電荷が電荷量(電位)に応じた利得をもって電圧信号に変換され、列出力の読み出し信号VSL(LCG23)として垂直信号線LSGNに出力され、読み出し回路40に供給されて、たとえば保持される。
【0101】
第1読み出し期間PRD24において、時刻t1に第1の低変換利得モード読み出しLCG23が行われた後、容量変更信号BINnがL(ローレベル)に切り替えられて、フローティングディフュージョンFDの容量(電荷量)が第2容量から第1容量に減少するように変更される。
そして、時刻t2に、読み出し部70により、フローティングディフュージョンFDの容量(電荷量)が変更された高変換利得(第1変換利得)で画素信号の読み出しを行う第1の高変換利得モード読み出しHCG23が行われる。
このとき、各画素PXLn+1においては、ソースフォロワトランジスタSF−Trにより、フローティングディフュージョンFDの電荷が電荷量(電位)に応じた利得をもって電圧信号に変換され、列出力の読み出し信号VSL(HCG23)として垂直信号線LSGNに出力され、読み出し回路40に供給されて、たとえば保持される。
【0102】
ここで、第1読み出し期間PRD24が終了し、第1転送期間PT23となる。なお、このとき、容量変更信号BINnは、第1転送期間PT23が経過した後の略次の第2転送期間PT24が開始される直前までの所定期間Lレベルのままに保持される。
第1転送期間PT23に転送トランジスタTG−Trが、制御線TGがハイレベル(H)の期間に選択されて導通状態となり、フォトダイオードPDで光電変換され蓄積された電荷(電子)がフローティングディフュージョンFDに転送される。
この第1転送期間PT23が経過した後(転送トランジスタTG−Trが非導通状態)、フォトダイオードPDが光電変換して蓄積した電荷に応じた画素信号を読み出す第2読み出し期間PRD25となる。
【0103】
第2読み出し期間PRD25が開始された後の時刻t3に、容量変更信号BINnがLレベルに設定された状態で、読み出し部70により、フローティングディフュージョンFDの容量(電荷量)が第1容量に設定された高変換利得(第1変換利得)で画素信号の読み出しを行う第2の高変換利得モード読み出しHCG24が行われる。
このとき、各画素PXLn+1においては、ソースフォロワトランジスタSF−Trにより、フローティングディフュージョンFDの電荷が電荷量(電位)に応じた利得をもって電圧信号に変換され、列出力の読み出し信号VSL(HCG24)として垂直信号線LSGNに出力され、読み出し回路40に供給されて、たとえば保持される。
【0104】
第2読み出し期間PRD25において、時刻t3に第2の高変換利得モード読み出しHCG24が行われた後、容量変更信号BINnがHレベルに切り替えられて、フローティングディフュージョンFDの容量(電荷量)が第1容量から第2容量に増加するように変更される。
この容量変更と略並行して、第2転送期間PT24となる。なお、このとき、容量変更信号BINnは、第2転送期間PT24が経過した後もHレベルのままに保持される。
第2転送期間PT24に転送トランジスタTG−Trが、制御線TGがハイレベル(H)の期間に選択されて導通状態となり、フォトダイオードPDで光電変換され蓄積された電荷(電子)がフローティングディフュージョンFDに転送される。
この第2転送期間PT24が経過した後(転送トランジスタTG−Trが非導通状態)、フォトダイオードPDが光電変換して蓄積した電荷に応じた画素信号をさらに読み出す第3読み出し期間PRD26となる。
【0105】
第3読み出し期間PRD26が開始された後の時刻t4に、容量変更信号BINnがHレベルに保持された状態で、読み出し部70により、フローティングディフュージョンFDの容量(電荷量)が第2容量に設定された低変換利得(第2変換利得)で画素信号の読み出しを行う第2の低変換利得モード読み出しLCG24が行われる。
このとき、各画素PXLnにおいては、ソースフォロワトランジスタSF−Trにより、フローティングディフュージョンFDの電荷が電荷量(電位)に応じた利得をもって電圧信号に変換され、列出力の読み出し信号VSL(LCG24)として垂直信号線LSGNに出力され、読み出し回路40に供給されて、たとえば保持される。
【0106】
そして、たとえば読み出し部70の一部を構成する読み出し回路40において、第2の高変換利得モード読み出しHCG24の読み出し信号VSL(HCG24)と第1の高変換利得モード読み出しHCG23の読み出し信号VSL(HCG23)との差分{VSL(HCG24)−VSL(HCG23)}がとられてCDS処理が行われる。
同様に、読み出し回路40において、第2の低変換利得モード読み出しLCG24の読み出し信号VSL(LCG24)と第1の低変換利得モード読み出しLCG23の読み出し信号VSL(LCG23)との差分{VSL(LCG24)−VSL(LCG23)}がとられてCDS処理が行われる。
【0107】
本第3の実施形態によれば、上述した第1および第2の実施形態と同様の効果を得ることができる。
すなわち、本第3の実施形態によれば、一度の蓄積期間(露光期間)に光電変換された電荷(電子)に対して、画素内部にて、一つの読み出し期間において、高変換利得モードと低変換利得モードを切り替えて信号を出力し、明るい信号と暗い信号の両方を出力することができ、高変換利得モードおよび低変換利得モード時のリセットノイズがキャンセルでき、動体歪みの発生を抑止しつつ広ダイナミックレンジ化を実現でき、ひいては高画質化を実現することができるという効果を得ることができる。
【0108】
さらに、本第3の実施形態によれば、フローティングディフュージョンFDの接続数を柔軟に切り替えることが可能であり、ダイナミックレンジの拡張性に優れる。また、画素内のトランジスタ数が少ないため、PD開口率を高く、光電変換感度や飽和電子数を高めることができる。
また、本第3の実施形態によれば、リセット素子を1列の2画素で共有する画素を備えることから、フローティングディフュージョンFDのリセット時において、フローティングディフュージョンFDとリセット電極間の抵抗が低いため、リセット動作の高速性に優れるという利点がある。
【0109】
(第4の実施形態)
図12は、本発明の第4の実施形態に係る画素部および容量可変部の構成例を示す図である。
【0110】
本第4の実施形態の容量可変部80Dが、第3の実施形態の容量可変部80Cと異なる点は次の通りである。
【0111】
上記第3の実施形態においては、1列の隣接する2画素PXLn,PXLn+1でリセット素子が共有され、画素PXLnのフローティングディフュージョンFDと電源線VDD間が、配線WRに縦続接続するように形成される第1ビンニングトランジスタ(スイッチ)84n、84n+1を介して接続され、第1ビンニングトランジスタ(スイッチ)84nと84n+1との配線WR上の接続ノードNDn+1と画素PXLn+1のフローティングディフュージョンFDが接続されている。
第3の実施形態では、第1ビンニングトランジスタ(スイッチ)84n+1が共有のリセット素子として機能する。
【0112】
これに対して、本第4の実施形態においては、1列全画素・・PXLn−1,PXLn,PXLn+1・・でリセット素子が共有され、たとえば1列の一端側の画素PXL0(図12には図示せず)のフローティングディフュージョンFDと1列の他端側の画素PXLN−1に近接して形成される電源線VDD(図12には図示せず)間が、配線WRに各画素に対応しつつ縦続接続するように形成される第1ビンニングトランジスタ(スイッチ)・・84n−1,84n、84n+1を・・介して接続され、第1ビンニングスイッチ間の配線WR上のノード・・NDn−1,NDn,NDn+1・・と対応する画素・・PXLn−1,PXLn,PXLn+1・・のフローティングディフュージョンFDが接続されている。
第4の実施形態では、最も他端側となる図示しない第1ビンニングトランジスタ(スイッチ)84N−1が共有のリセット素子として機能する。
【0113】
このような構成により、本第4の実施形態によれば、フローティングディフュージョンFDの接続数を柔軟に切り替えることが可能であり、ダイナミックレンジの拡張性に優れる。また、画素内のトランジスタ数が少ないため、PD開口率を高く、光電変換感度や飽和電子数を高めることができる。
【0114】
次に、本第4の実施形態に係る容量可変部にビンニングスイッチ(ビンニングトランジスタ)を適用した場合の広ダイナミックレンジを実現する動作について図13に関連付けて説明する。
【0115】
図13は、本第4の実施形態に係る容量可変部にビンニングスイッチ(ビンニングトランジスタ)を適用した場合の広ダイナミックレンジを実現する動作を説明するためのタイミングチャートである。
【0116】
本第4の実施形態においては、読み出し画素の列方向に両端の画素に対応する容量変更信号をLレベルにすることにより、非リセット状態にする。
たとえば、読み出し画素PXLnの列方向に両端の画素PXLn−1,PXLn+1に対応する容量変更信号BINn−1,BINn+1をLレベルにすることにより、非リセット状態にする。
またたとえば、読み出し画素PXLn+1の列方向に両端の画素PXLn,PXLn+2(図示せず)に対応する容量変更信号BINn,BINn+2(図示せず)をLレベルにすることにより、非リセット状態にする。
【0117】
ただし、これは一例であって、接続するフローティングディフュージョンの数を多くする場合には、真に隣接する画素に対応する容量変更信号BINをLレベルにせず、その接続態様に応じて複数(2またはそれ以上)行離れた画素に対応する容量変更信号BINをLレベルにすることにより、非リセット状態にする。
【0118】
読み出しスキャン期間PRDOにおいては、図13に示すように、画素アレイの中のある一行、たとえば第n行を選択するために、その選択された行の各画素PXLnに接続された制御線SELがHレベルに設定されて画素PXLnの選択トランジスタSEL−Trが導通状態となる。
この選択状態において、リセット期間PR31に全ての第1ビンニングトランジスタ84n−1,84n,84n+1が、容量変更信号BINn−1,BINn,BINn+1がリセット信号としてHレベルの期間に選択されて導通状態となり、各フローティングディフュージョンFDが電源線VDDの電位にリセットされる。
このリセット期間PR31が経過した後、容量変更信号BINn−1,BINn+1がLレベルに切り替えられ、第1ビンニングトランジスタ84n−1,84n+1が非導通状態に切り替えられる。
一方、容量変更信号BINnはHレベルのままに保持されて、第1ビンニングトランジスタ84nが導通状態に保持される。
第1ビンニングトランジスタ84n−1,84n+1が非導通状態に切り替えられ、第1ビンニングトランジスタ84nが導通状態に保持されることによりリセット期間PR31が終了し、画素PXLnのフローティングディフュージョンFDの容量(電荷量)が第1容量から第2容量に増加するように変更される。
そして、転送期間PT31が開始されるまでの期間が、リセット状態時の画素信号を読み出す第1読み出し期間PRD31となる。
【0119】
第1読み出し期間PRD31が開始された後の時刻t1に、容量変更信号BINnがHレベルに保持された状態で、読み出し部70により、フローティングディフュージョンFDの容量(電荷量)が第2容量に変更された低変換利得(第2変換利得)で画素信号の読み出しを行う第1の低変換利得モード読み出しLCG31が行われる。
このとき、各画素PXLnにおいては、ソースフォロワトランジスタSF−Trにより、フローティングディフュージョンFDの電荷が電荷量(電位)に応じた利得をもって電圧信号に変換され、列出力の読み出し信号VSL(LCG31)として垂直信号線LSGNに出力され、読み出し回路40に供給されて、たとえば保持される。
【0120】
第1読み出し期間PRD31において、時刻t1に第1の低変換利得モード読み出しLCG31が行われた後、容量変更信号BINnがL(ローレベル)に切り替えられて、フローティングディフュージョンFDの容量(電荷量)が第2容量から第1容量に減少するように変更される。
そして、時刻t2に、読み出し部70により、フローティングディフュージョンFDの容量(電荷量)が変更された高変換利得(第1変換利得)で画素信号の読み出しを行う第1の高変換利得モード読み出しHCG31が行われる。
このとき、各画素PXLnにおいては、ソースフォロワトランジスタSF−Trにより、フローティングディフュージョンFDの電荷が電荷量(電位)に応じた利得をもって電圧信号に変換され、列出力の読み出し信号VSL(HCG31)として垂直信号線LSGNに出力され、読み出し回路40に供給されて、たとえば保持される。
【0121】
ここで、第1読み出し期間PRD31が終了し、第1転送期間PT31となる。なお、このとき、容量変更信号BINnは、第1転送期間PT31が経過した後の略次の第2転送期間PT32が開始される直前までの所定期間Lレベルのままに保持される。
第1転送期間PT31に転送トランジスタTG−Trが、制御線TGがHレベルの期間に選択されて導通状態となり、フォトダイオードPDで光電変換され蓄積された電荷(電子)がフローティングディフュージョンFDに転送される。
この第1転送期間PT31が経過した後(転送トランジスタTG−Trが非導通状態)、フォトダイオードPDが光電変換して蓄積した電荷に応じた画素信号を読み出す第2読み出し期間PRD32となる。
【0122】
第2読み出し期間PRD32が開始された後の時刻t3に、容量変更信号BINnがLレベルに設定された状態で、読み出し部70により、フローティングディフュージョンFDの容量(電荷量)が第1容量に設定された高変換利得(第1変換利得)で画素信号の読み出しを行う第2の高変換利得モード読み出しHCG32が行われる。
このとき、各画素PXLnにおいては、ソースフォロワトランジスタSF−Trにより、フローティングディフュージョンFDの電荷が電荷量(電位)に応じた利得をもって電圧信号に変換され、列出力の読み出し信号VSL(HCG32)として垂直信号線LSGNに出力され、読み出し回路40に供給されて、たとえば保持される。
【0123】
第2読み出し期間PRD32において、時刻t3に第2の高変換利得モード読み出しHCG32が行われた後、容量変更信号BINnがHレベルに切り替えられて、フローティングディフュージョンFDの容量(電荷量)が第1容量から第2容量に増加するように変更される。
この容量変更と略並行して、第2転送期間PT32となる。なお、このとき、容量変更信号BINnは、第2転送期間PT32が経過した後もHレベルのままに保持される。
第2転送期間PT32に転送トランジスタTG−Trが、制御線TGがハイレベル(H)の期間に選択されて導通状態となり、フォトダイオードPDで光電変換され蓄積された電荷(電子)がフローティングディフュージョンFDに転送される。
この第2転送期間PT32が経過した後(転送トランジスタTG−Trが非導通状態)、フォトダイオードPDが光電変換して蓄積した電荷に応じた画素信号をさらに読み出す第3読み出し期間PRD33となる。
【0124】
第3読み出し期間PRD33が開始された後の時刻t4に、容量変更信号BINnがHレベルに保持された状態で、読み出し部70により、フローティングディフュージョンFDの容量(電荷量)が第2容量に設定された低変換利得(第2変換利得)で画素信号の読み出しを行う第2の低変換利得モード読み出しLCG32が行われる。
このとき、各画素PXLnにおいては、ソースフォロワトランジスタSF−Trにより、フローティングディフュージョンFDの電荷が電荷量(電位)に応じた利得をもって電圧信号に変換され、列出力の読み出し信号VSL(LCG32)として垂直信号線LSGNに出力され、読み出し回路40に供給されて、たとえば保持される。
【0125】
そして、たとえば読み出し部70の一部を構成する読み出し回路40において、第2の高変換利得モード読み出しHCG32の読み出し信号VSL(HCG32)と第1の高変換利得モード読み出しHCG31の読み出し信号VSL(HCG31)との差分{VSL(HCG32)−VSL(HCG31)}がとられてCDS処理が行われる。
同様に、読み出し回路40において、第2の低変換利得モード読み出しLCG32の読み出し信号VSL(LCG32)と第1の低変換利得モード読み出しLCG31の読み出し信号VSL(LCG31)との差分{VSL(LCG32)−VSL(LCG31)}がとられてCDS処理が行われる。
【0126】
次に、図13に示すように、画素アレイの中の第n行の次の行、たとえば第n+1行を選択するために、第n行に代えて、その選択された第n+1行の各画素PXLn+1に接続された制御線SELがHレベルに設定されて画素PXLn+1の選択トランジスタSEL−Trが導通状態となる。
このとき、容量変更信号BINnは第n行アクセス時のHレベルのままに保持されている。
そして、この選択状態において、リセット期間PR32に全ての第1ビンニングトランジスタ84n−1,84n,84n+1が、容量変更信号BINn−1,BINn,BINn+1がリセット信号としてHレベルの期間に選択されて導通状態となり、各フローティングディフュージョンFDが電源線VDDの電位にリセットされる。
このリセット期間PR32が経過した後、容量変更信号BINnがLレベルに切り替えられ、第1ビンニングトランジスタ84nが非導通状態に切り替えられる。
一方、容量変更信号BINn+1,BINn−1はHレベルのままに保持されて、第1ビンニングトランジスタ84n+1,84n−1が導通状態に保持される。
第1ビンニングトランジスタ84nが非導通状態に切り替えられ、第1ビンニングトランジスタ84n+1,84n−1が導通状態に保持されることによりリセット期間PR32が終了し、画素PXLn+1のフローティングディフュージョンFDの容量(電荷量)が第1容量から第2容量に増加するように変更される。
そして、転送期間PT33が開始されるまでの期間が、リセット状態時の画素信号を読み出す第1読み出し期間PRD34となる。
【0127】
第1読み出し期間PRD34が開始された後の時刻t1に、容量変更信号BINn+1がHレベルに保持された状態で、読み出し部70により、フローティングディフュージョンFDの容量(電荷量)が第2容量に変更された低変換利得(第2変換利得)で画素信号の読み出しを行う第1の低変換利得モード読み出しLCG33が行われる。
このとき、各画素PXLn+1においては、ソースフォロワトランジスタSF−Trにより、フローティングディフュージョンFDの電荷が電荷量(電位)に応じた利得をもって電圧信号に変換され、列出力の読み出し信号VSL(LCG33)として垂直信号線LSGNに出力され、読み出し回路40に供給されて、たとえば保持される。
【0128】
第1読み出し期間PRD34において、時刻t1に第1の低変換利得モード読み出しLCG33が行われた後、容量変更信号BINn+1がL(ローレベル)に切り替えられて、フローティングディフュージョンFDの容量(電荷量)が第2容量から第1容量に減少するように変更される。
そして、時刻t2に、読み出し部70により、フローティングディフュージョンFDの容量(電荷量)が変更された高変換利得(第1変換利得)で画素信号の読み出しを行う第1の高変換利得モード読み出しHCG33が行われる。
このとき、各画素PXLn+1においては、ソースフォロワトランジスタSF−Trにより、フローティングディフュージョンFDの電荷が電荷量(電位)に応じた利得をもって電圧信号に変換され、列出力の読み出し信号VSL(HCG33)として垂直信号線LSGNに出力され、読み出し回路40に供給されて、たとえば保持される。
【0129】
ここで、第1読み出し期間PRD34が終了し、第1転送期間PT33となる。なお、このとき、容量変更信号BINn+1は、第1転送期間PT33が経過した後の略次の第2転送期間PT34が開始される直前までの所定期間Lレベルのままに保持される。
第1転送期間PT33に転送トランジスタTG−Trが、制御線TGがHレベルの期間に選択されて導通状態となり、フォトダイオードPDで光電変換され蓄積された電荷(電子)がフローティングディフュージョンFDに転送される。
この第1転送期間PT33が経過した後(転送トランジスタTG−Trが非導通状態)、フォトダイオードPDが光電変換して蓄積した電荷に応じた画素信号を読み出す第2読み出し期間PRD35となる。
【0130】
第2読み出し期間PRD35が開始された後の時刻t3に、容量変更信号BINn+1がLレベルに設定された状態で、読み出し部70により、フローティングディフュージョンFDの容量(電荷量)が第1容量に設定された高変換利得(第1変換利得)で画素信号の読み出しを行う第2の高変換利得モード読み出しHCG34が行われる。
このとき、各画素PXLn+1においては、ソースフォロワトランジスタSF−Trにより、フローティングディフュージョンFDの電荷が電荷量(電位)に応じた利得をもって電圧信号に変換され、列出力の読み出し信号VSL(HCG34)として垂直信号線LSGNに出力され、読み出し回路40に供給されて、たとえば保持される。
【0131】
第2読み出し期間PRD35において、時刻t3に第2の高変換利得モード読み出しHCG34が行われた後、容量変更信号BINn+1がHレベルに切り替えられて、フローティングディフュージョンFDの容量(電荷量)が第1容量から第2容量に増加するように変更される。
この容量変更と略並行して、第2転送期間PT34となる。なお、このとき、容量変更信号BINn+1は、第2転送期間PT34が経過した後もHレベルのままに保持される。
第2転送期間PT34に転送トランジスタTG−Trが、制御線TGがHレベルの期間に選択されて導通状態となり、フォトダイオードPDで光電変換され蓄積された電荷(電子)がフローティングディフュージョンFDに転送される。
この第2転送期間PT34が経過した後(転送トランジスタTG−Trが非導通状態)、フォトダイオードPDが光電変換して蓄積した電荷に応じた画素信号をさらに読み出す第3読み出し期間PRD36となる。
【0132】
第3読み出し期間PRD36が開始された後の時刻t4に、容量変更信号BINn+1がHレベルに保持された状態で、読み出し部70により、フローティングディフュージョンFDの容量(電荷量)が第2容量に設定された低変換利得(第2変換利得)で画素信号の読み出しを行う第2の低変換利得モード読み出しLCG34が行われる。
このとき、各画素PXLnにおいては、ソースフォロワトランジスタSF−Trにより、フローティングディフュージョンFDの電荷が電荷量(電位)に応じた利得をもって電圧信号に変換され、列出力の読み出し信号VSL(LCG34)として垂直信号線LSGNに出力され、読み出し回路40に供給されて、たとえば保持される。
【0133】
そして、たとえば読み出し部70の一部を構成する読み出し回路40において、第2の高変換利得モード読み出しHCG34の読み出し信号VSL(HCG34)と第1の高変換利得モード読み出しHCG33の読み出し信号VSL(HCG33)との差分{VSL(HCG34)−VSL(HCG33)}がとられてCDS処理が行われる。
同様に、読み出し回路40において、第2の低変換利得モード読み出しLCG34の読み出し信号VSL(LCG34)と第1の低変換利得モード読み出しLCG33の読み出し信号VSL(LCG33)との差分{VSL(LCG34)−VSL(LCG33)}がとられてCDS処理が行われる。
【0134】
本第4の実施形態によれば、上述した第1および第2の実施形態と同様の効果を得ることができる。
すなわち、本第4の実施形態によれば、一度の蓄積期間(露光期間)に光電変換された電荷(電子)に対して、画素内部にて、一つの読み出し期間において、高変換利得モードと低変換利得モードを切り替えて信号を出力し、明るい信号と暗い信号の両方を出力することができ、高変換利得モードおよび低変換利得モード時のリセットノイズがキャンセルでき、動体歪みの発生を抑止しつつ広ダイナミックレンジ化を実現でき、ひいては高画質化を実現することができるという効果を得ることができる。
【0135】
さらに、本第4の実施形態によれば、フローティングディフュージョンFDの接続数を柔軟に切り替えることが可能であり、ダイナミックレンジの拡張性に優れる。また、画素内のトランジスタ数が少ないため、PD開口率を高く、光電変換感度や飽和電子数を高めることができる。
【0136】
(第5の実施形態)
図14は、本発明の第5の実施形態に係る画素部および容量可変部の構成例を示す図である。
【0137】
本第5の実施形態の容量可変部80Eが、第4の実施形態の容量可変部80Dと異なる点は次の通りである。
本第の実施形態においては、配線WR上に縦続接続され各画素に対応するように形成された第1ビンニングトランジスタ(ビンニングスイッチ)84n−1,84n,84n+1に加えて、各画素PXLn−1,PXLn,PXLn+1のフローティングディフュージョンFDと配線WRのノードNDn−1,NDn,NDn+1との間に、たとえばNMOSトランジスタにより形成される第2ビンニングトランジスタ(ビンニングスイッチ)85n−1,85n,85n+1が接続されている。
【0138】
第1ビンニングトランジスタ84n−1,84n,84n+1はそれぞれ第1容量変更信号BIN1n−1,BIN1n,BIN1n+1により選択的にオン、オフされ、第2ビンニングトランジスタ85n−1,85n,85n+1はそれぞれ第2容量変更信号BIN2n−1,BIN2n,BIN2n+1により選択的にオン、オフされる。
本実施形態においては、図15に示すように、第1容量変更信号BIN1n−1,BIN1n,BIN1n+1と、第2容量変更信号BIN2n−1,BIN2n,BIN2n+1はペアを形成し、同じタイミングで(位相で)Hレベル、Lレベルに切り替えられる。
【0139】
このような構成において、第1ビンニングトランジスタ84n−1,84n,84n+1は隣接するFD配線WRの接続および切断に用いられる。
第2ビンニングトランジスタ85n−1,85n,85n+1は、各画素PXLn−1,PXLn,PXLn+1の転送トランジスタTG−Trの近傍に配置され、高変換利得モードにおいて、フローティングディフュージョンFDノードの寄生容量を最小化するために用いられる。
【0140】
図15は、本第5の実施形態に係る容量可変部にビンニングスイッチを適用した場合の広ダイナミックレンジを実現する動作のタイミングチャートである。
本第5の実施形態の動作は、基本的に、読み出し画素、たとえば画素PXLnの上側に隣接する画素PXLn+1の第1および第2の容量変更信号BIN1n+1,BIN2n+1を読み出し画素PXLnの第1および第2の容量変更信号BIN1n,BIN2nと同じタイミングで(位相で)Hレベル、Lレベルに切り替えられる以外は、前述した第4の実施形態と同様の動作が行われる。
したがって、第5の実施形態の動作の詳細は省略する。
【0141】
本第5の実施形態によれば、上述した第4の実施形態と同様の効果を得ることができる。
すなわち、本第5の実施形態によれば、一度の蓄積期間(露光期間)に光電変換された電荷(電子)に対して、画素内部にて、一つの読み出し期間において、高変換利得モードと低変換利得モードを切り替えて信号を出力し、明るい信号と暗い信号の両方を出力することができ、高変換利得モードおよび低変換利得モード時のリセットノイズがキャンセルでき、動体歪みの発生を抑止しつつ広ダイナミックレンジ化を実現でき、ひいては高画質化を実現することができるという効果を得ることができる。
また、第5の実施形態によれば、フローティングディフュージョンFDの接続数を柔軟に切り替えることが可能であり、ダイナミックレンジの拡張性に優れる。また、画素内のトランジスタ数が少ないため、PD開口率を高く、光電変換感度や飽和電子数を高めることができる。
【0142】
さらに、本第5の実施形態によれば、高変換利得モードにおいて、フローティングディフュージョンFDノードの寄生容量を最小化することができる。
【0143】
(第6の実施形態)
図16は、本発明の第6の実施形態に係る画素部および容量可変部の構成例を示す図である。
図17は、本第6の実施形態に係る容量可変部にビンニングスイッチを適用した場合の広ダイナミックレンジを実現する動作のタイミングチャートである。
【0144】
本第6の実施形態の容量可変部80Fが、第5の実施形態の容量可変部80Eと異なる点は次の通りである。
本第6の実施形態においては、各画素PXLn−1,PXLn,PXLn+1の第1ビンニングトランジスタ84n−1,84n,84n+1の上側の隣接画素との接続部と電源線VDDとの間に、オーバーフロードレイン(OFD)ゲート86n−1,86n,86n+1が接続されている。
【0145】
OFDゲート86n−1,86n,86n+1は、高輝度時にフォトダイオードPDからフローティングディフュージョンFDに溢れだした電子(電荷)が隣接画素に漏れ出さないように、オーバーフロー電子を電源線(端子)に排出する。
【0146】
また、OFDゲート86n−1,86n,86n+1の電圧を第1容量変更信号BIN1n−1,BIN1n,BIN1n+1並びに第2容量変更信号BIN2n−1,BIN2n,BIN2n+1のLレベルの電圧より高く設定することにより、フォトダイオードPDからオーバーフローする電子(電荷)により、隣接画素のフローティングディフュージョンFDの電位が低下することを防止することができる。
【0147】
また、図17に示すように、OFDゲート86n−1,86n,86n+1をリセットに用いても良い。リセット素子とビンニングスイッチを備える構成に対して、フローティングディフュージョンFDノードに接続される素子数が少ないため、高変換ゲイン時の特性に優れる。
【0148】
(応用例)
図18は、本発明の実施形態に係る固体撮像装置が画素共有構造にも適用が可能であることを説明するための図である。
【0149】
上述した本実施形態の固体撮像装置10は、図18に示すように、一つのフローティングディフュージョンFDを複数(図18の例では4)のフォトダイオードPDa,Pdb,PDc,PDdで共有する、画素共有構造にも適用が可能である。
【0150】
図19は、本発明の実施形態に係る固体撮像装置が、表面照射型イメージセンサと裏面照射型イメージセンサの両方に適用が可能であることを説明するための図である。
図19(A)が表面照射型イメージセンサの簡略構成を示し、図19(B)が裏面照射型イメージセンサの簡略構成を示している。
【0151】
図19において、符号91がマイクロレンズアレイを、92がカラーフィルタ群を、93が配線層を、94がシリコン基板を、それぞれ示している。
【0152】
上述した本実施形態の固体撮像装置10は、図19(A)および(B)に示すように、
表面照射型イメージセンサ(FSI)と裏面照射型イメージセンサ(BSI)の両方に適用可能である。
【0153】
以上説明した固体撮像装置10は、デジタルカメラやビデオカメラ、携帯端末、あるいは監視用カメラ、医療用内視鏡用カメラなどの電子機器に、撮像デバイスとして適用することができる。
【0154】
図20は、本発明の実施形態に係る固体撮像装置が適用されるカメラシステムを搭載した電子機器の構成の一例を示す図である。
【0155】
本電子機器100は、図20に示すように、本実施形態に係る固体撮像装置10が適用可能なCMOSイメージセンサ110を有する。
さらに、電子機器100は、このCMOSイメージセンサ110の画素領域に入射光を導く(被写体像を結像する)光学系(レンズ等)120を有する。
電子機器100は、CMOSイメージセンサ110の出力信号を処理する信号処理回路(PRC)130を有する。
【0156】
信号処理回路130は、CMOSイメージセンサ110の出力信号に対して所定の信号処理を施す。
信号処理回路130で処理された画像信号は、液晶ディスプレイ等からなるモニタに動画として映し出し、あるいはプリンタに出力することも可能であり、またメモリカード等の記録媒体に直接記録する等、種々の態様が可能である。
【0157】
上述したように、CMOSイメージセンサ110として、前述した固体撮像装置10を搭載することで、高性能、小型、低コストのカメラシステムを提供することが可能となる。
そして、カメラの設置の要件に実装サイズ、接続可能ケーブル本数、ケーブル長さ、設置高さなどの制約がある用途に使われる、たとえば、監視用カメラ、医療用内視鏡用カメラなどの電子機器を実現することができる。
【符号の説明】
【0158】
10・・・固体撮像装置、20・・・画素部、30・・・垂直走査回路、40・・・読み出し回路、50・・・水平走査回路、60・・・タイミング制御回路、70・・・読み出し部、80,80A〜80F・・・容量可変部、81,81A・・・MOS構造キャパシタ、82・・・キャパシタ、83・・・スイッチングトランジスタ、84・・・第1ビンニングスイッチ、85・・・第2ビンニングスイッチ、86・・・オーバーフロードレイン(OFD)ゲート、91・・・マイクロレンズアレイ、92・・・カラーフィルタ群、93・・・配線層、94・・・シリコン基板、100・・・電子機器、110・・・CMOSイメージセンサ、120・・・光学系、130・・・信号処理回路(PRC)。
【要約】      (修正有)
【課題】動体歪みの発生を抑止しつつ広ダイナミックレンジ化を実現でき、ひいては高画質化を実現することが可能な固体撮像装置およびその駆動方法、電子機器を提供する。
【解決手段】画素部から画素信号の読み出しを行う読み出し部は、リセット素子RST−Trを通じてフローティングディフュージョンFDをリセットするリセット期間PR後の読み出し期間PRD11にリセット状態の信号を読み出し、リセット期間PR後の読み出し期間PRD11後に、転送素子TG−Trを通じてフローティングディフュージョンに光電変換素子PDの蓄積電荷を転送する転送期間後の読み出し期間に、蓄積電荷に応じた信号を読み出す読み出しスキャンが可能で、読み出しスキャン期間において転送処理を行う転送期間PT11、PT12を複数設定し、各転送期間後の各読み出し期間PRD11、PRD12に蓄積電荷に応じた信号を読み出す処理をそれぞれ行う。
【選択図】図9
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20