(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
納入先住所で特定される1つの納入先に関連付けられる複数の納入場所別の納入場所識別情報のコードデータを含み、納入先現地の納入場所それぞれに設置される納入場所識別ラベルと、
配達員が所持する携帯端末と、
前記納入先への出荷依頼のあった荷物の納入管理を行うサーバと、を含み、
前記携帯端末は、
前記出荷依頼に関する荷物の納入先住所及び前記納入場所識別情報を含む納入依頼情報を記憶する記憶部と、
コードデータを読み取るデータ読み取り部と、
前記配達員が納入先現地の納入場所で読み取ったコードデータの前記納入場所識別情報と、前記納入依頼情報の納入場所識別情報とをマッチングして前記荷物の誤納入を判定する制御部と、を備え、
前記制御部は、誤納入と判定された場合に、前記携帯端末に所定の動作を行わせる誤納入警告処理を遂行するとともに、
前記携帯端末は、現在位置の座標情報を取得するGPS制御部を備えるとともに、前記納入依頼情報が、前記納入先住所に対応する位置情報を含んでおり、
前記制御部は、納入先現地に到着した前記配達員の位置情報と、前記納入依頼情報の前記納入先住所に対応する位置情報とをマッチングする第1マッチング処理と、前記納入場所識別情報を用いた第2マッチング処理とを遂行し、前記第1マッチング処理及び第2マッチング処理のいずれか一方がマッチングしないと判別された場合に、誤納入と判定することを特徴とする納入管理システム。
前記サーバは、前記携帯端末から受信する現在位置と、予め設定されている納入先までの走行ルートに対応する位置情報とをマッチングするルート管理制御を行うルート管理部を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の納入管理システム。
納入先住所で特定される1つの納入先に関連付けられる複数の納入場所別の納入場所識別情報のコードデータを含み、納入先現地の納入場所それぞれに設置される納入場所識別ラベルと、
配達員が所持する携帯端末と、
前記納入先への出荷依頼のあった荷物の納入管理を行うサーバと、を含み、
前記携帯端末は、
現在位置の座標情報を取得するGPS制御部と、
納入先現地において前記荷物の識別IDを含む第1コードデータが印字された出荷依頼書の前記第1コードデータ又は前記出荷依頼書とは個別に前記荷物に貼り付けられ、前記識別IDを含む第2コードデータが印字された荷札ラベルの前記第2コードデータと、前記納入場所識別情報の第3コードデータとを読み取るデータ読み取り部と、
前記配達員が納入先現地で読み取った前記第1コードデータ又は第2コードデータの前記荷物の識別IDと、前記第3コードデータの前記納入場所識別情報と、前記現在位置の座標情報とを含む誤納入判定メッセージを生成して前記サーバに送信する制御部と、
を備え、
前記サーバは、
前記荷物別に前記識別ID、納入先住所及び前記納入場所識別情報を含む納入依頼情報を記憶する記憶部と、
前記携帯端末から前記誤納入判定メッセージを受信した場合に、受信した前記配達員が納入先現地の納入場所で読み取った第3コードデータの前記納入場所識別情報と、前記記憶部の納入依頼情報の納入場所識別情報とをマッチングして前記荷物の誤納入を判定し、誤納入と判定された場合に、前記携帯端末に所定の動作を行わせるための誤納入警告メッセージを前記携帯端末に送信する納入管理部と、を備え、
前記納入依頼情報は、前記納入先住所に対応する位置情報を含んでおり、
前記納入管理部は、納入先現地に到着した前記配達員の位置情報と、前記納入依頼情報の前記納入先住所に対応する位置情報とをマッチングする第1マッチング処理と、前記納入場所識別情報を用いた第2マッチング処理とを遂行し、前記第1マッチング処理及び第2マッチング処理のいずれか一方がマッチングしないと判別された場合に、誤納入と判定することを特徴とする納入管理システム。
納入先住所で特定される1つの納入先に関連付けられる複数の納入場所別の納入場所識別情報のコードデータを含み、納入先現地の納入場所それぞれに設置される納入場所識別ラベルと、配達員が所持する携帯端末と、前記納入先への出荷依頼のあった荷物の納入管理を行うサーバと、を含んで構成される納入管理システムおける前記携帯端末によって実行されるプログラムであって、
前記出荷依頼に関する荷物の納入先住所及び前記納入場所識別情報を含む納入依頼情報を記憶する機能と、
前記携帯端末が備えるスキャナ部を通じて前記配達員が納入先現地の納入場所で読み取ったコードデータの前記納入場所識別情報と、前記納入依頼情報の納入場所識別情報とをマッチングして前記荷物の誤納入を判定する機能と、
誤納入と判定された場合に、前記携帯端末に誤納入警告のための所定の動作を行わせる機能と、
現在位置の座標情報を取得する機能と、を含み、
前記納入依頼情報は、前記納入先住所に対応する位置情報を含んでおり、
前記荷物の誤納入を判定する機能は、納入先現地に到着した前記配達員の位置情報と、前記納入依頼情報の前記納入先住所に対応する位置情報とをマッチングする第1マッチング処理と、前記納入場所識別情報を用いた第2マッチング処理とを遂行し、前記第1マッチング処理及び第2マッチング処理のいずれか一方がマッチングしないと判別された場合に、誤納入と判定することを特徴とするプログラム。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、実施形態につき、図面を参照して説明する。
【0018】
本発明の納入管理システムは、荷主から配達依頼を受けた荷物を納入先(届け先)に配達する納入管理を行うとともに、配達依頼を受けた荷物を配達員が納入先住所と異なる場所に配達する誤納入を未然に防止する。特に、本発明の納入管理システムは、配達員の位置情報と納入先の位置情報とのマッチングでは判別し難い複数の各納入先への誤納入を防止する。
【0019】
(第1実施形態)
図1から
図9は、第1実施形態を示す図である。
図1は、納入管理システム1の概略図である。納入管理システム1は、互いにインターネット等のネットワークで接続される納入管理サーバ100と携帯端末200とを含んで構成される。
【0020】
出荷拠点から納入先に荷物を配達する際、同じ住所や同じ区画、敷地内に点在する複数の納入先に荷物を配達したり、同じ建物の複数の搬入場所に各荷物を配達する場合がある。
【0021】
例えば、
図1に示すように、同じ住所で区画される敷地内に複数の建物が存在する場合がある。この場合、建物同士が隣接していると、納入先住所に対応する位置情報が複数の建物同士で同じになるため、配達員の現在位置を建物毎に識別することが難しい。このため、納入先の位置情報と配達員の現在位置とをマッチングしても、誤納入を適切に防ぐことができない。
【0022】
また、1つの建物に複数の搬入場所(複数階の建物の階毎の複数の搬入場所を含む)が設けられている場合も、納入先住所に対応する位置情報が複数の搬入場所同士で同じになるため、配達員の現在位置を搬入場所毎に識別することができない。この場合も同様に、納入先の位置情報と配達員の現在位置とをマッチングしても、誤納入を適切に防ぐことができない。
【0023】
このように納入先の住所等に対応する所定のエリア内に、配達員の位置情報(緯度,経度)が含まれれば、配達員の位置情報が納入先の住所等の位置情報とマッチングしてしまうため、エリア内に複数の納入先がある場合や1つの建物に複数の搬入場所(納入先)がある場合、納入先現地の配達員の現在位置で誤納入を適切に判定することができない。
【0024】
そこで、本実施形態の納入管理システム1は、予め現地納入先に納入場所識別IDを設置しておき、配達員が納入先に到着した際の現在位置を用いたマッチングに加えて又は代えて、納入先現地で取得(スキャン)した納入場所識別IDを用いたマッチングを行うことで、配達員の位置情報だけでは判別し難い同じ住所や同じ区画、敷地内に点在する複数の納入先や同じ建物に設けられる複数の搬入場所それぞれへの誤納入を適切に防止する。
【0025】
図2は、納入管理システム1のシステム構成及び構成ブロック図である。納入管理サーバ100は、依頼主端末400や出荷拠点に設けられた出荷拠点端末410及び配達員が携帯する携帯端末200との間の接続制御及びデータ通信制御を行う通信制御部110、納入管理サーバ100全体の制御を司る制御部(CPU)120及び記憶部130を含んで構成される。
【0026】
制御部120は、出荷依頼管理部1201、納入管理部1202、コードデータ生成部1203を含んでいる。各部1201〜1203は制御部120によって制御される。
【0027】
出荷依頼管理部1201は、依頼主端末400からネットワークを経由して出荷依頼データを受信した場合、受信した各出荷依頼データ毎に記憶部130に記憶する。なお、出荷依頼データは、依頼主(荷主)から電話やFAX等で受け付けることができる。この場合、納入管理サーバ100に接続される操作端末300から入力者が所定の画面(不図示)を通じて受け付けた出荷依頼データを入力することができる。出荷依頼管理部1201は、所定の画面を通じた出荷依頼データの入力制御及び記憶部130への記憶処理を行うことができる。
【0028】
図3は、記憶部130に記憶される各種データの一例を示す図であり、
図3(a)は、出荷依頼情報の一例である。
図3に示すように、出荷依頼情報は、出荷依頼データ別のシーケンス番号である依頼No、依頼日、依頼主、お届け先(納入先名称)、納入先ID、納入場所、納入場所ID、品目、数量等を含んで構成されている。依頼Noは、出荷依頼のあった荷物を識別するための識別IDであり、複数の荷物に対しては、同じ識別IDを割り当てたり、荷物の種別毎に異なる識別IDを割り当てることができる。
【0029】
納入管理部1202は、操作端末300から入力される納入先管理情報の入力制御及び記憶処理を制御する。
図3(b)は、納入先管理情報の一例である。納入先管理情報は、依頼主から依頼された荷物の納入先に関する情報であり、納入先毎の識別IDである納入先ID、納入先名称、納入先住所、納入先住所に対応する位置情報(緯度,経度)、納入場所及び納入場所IDを含んで構成される。
【0030】
位置情報は、例えば、納入先住所に基づいて、所定の地図データから取得することができる緯度情報と経度情報であり、納入管理部1202は、登録される納入先ID毎の住所から地図データ上の緯度情報と経度情報を取得して記憶部130に記憶することができる。また、操作端末300から入力者が納入先住所に対応する緯度情報と経度情報を登録することもできる。
【0031】
納入場所IDは、納入場所毎に割り当てられる識別IDであり、1つの納入先に対して1つ又は複数の納入場所が関連付けられている。つまり、本実施形態では、納入先住所(同じ敷地内や同じ建物)で特定される1つの納入先に対して1つ又は複数の納入場所が関連付けられ、納入先ID毎に1つ又は複数の納入場所IDが割り当てられて管理されている。
図3(a)に示した出荷依頼情報は、納入先ID、納入場所ID等を含んで構成され、納入先管理情報と関連付けられている。
【0032】
納入先管理情報は、予め記憶部130に記憶することができる。例えば、出荷依頼データを受信して出荷依頼情報を記憶部130に記憶する際、出荷依頼管理部1201は、出荷依頼データに含まれる納入先住所や納入場所に基づいて、自動的に納入先管理情報とのマッチングを行い、対応する納入先管理情報の納入先ID及び納入場所IDを含む出荷依頼情報を生成して記憶部130に記憶することができる。また、操作端末300から出荷依頼データを入力する場合は、入力者は、出荷依頼データに含まれる納入先住所や納入場所に基づいて、予め登録されている納入先管理情報から対応する納入先ID及び納入場所IDを選択して出荷依頼情報を登録することができる。
【0033】
また、納入管理部1202は、携帯端末200から伝送される出荷依頼情報の取得要求に基づいて、記憶部130に記憶されている出荷依頼情報のうち、該当する依頼Noに紐付く出荷依頼情報を携帯端末200に伝送(提供)する。例えば、携帯端末200は、出荷拠点で配達員が出荷依頼書による出荷受付(バーコードの読み込み)を行うと、納入管理サーバ100に出荷依頼情報の取得要求を送信する。納入管理部1202は、取得要求に含まれる依頼Noに紐付く出荷依頼情報を記憶部130から抽出して携帯端末200に伝送することができる。携帯端末200は、納入管理サーバ100から出荷依頼書に対応する出荷依頼の詳細情報(納入依頼情報)を取得することで、出荷依頼の受付を行うことができる。
【0034】
さらに、納入管理部1202は、出荷依頼管理部1201によって登録される出荷依頼を納入先への納入完了まで管理することができる。具体的には、携帯端末200との間でデータ通信を行い、配達員が出荷拠点での荷物の受付、積荷、納入先への出発、納入先への到着、荷卸、荷卸完了までの各納入ステータスを管理する。
【0035】
図3(c)は、納入管理情報の一例を示す図である。納入管理情報は、依頼No毎に出荷状況(出荷済、未出荷)、納入状況(完、未納入)等のステータス情報を含んで構成することができ、配達員が携帯端末200から入力するステータス状況を受信し、納入管理部1202は、記憶部130に記憶される納入管理情報を更新する。例えば、出荷拠点から出発する際、納入先現地に到着した際、荷卸が完了した際などに、配達員は、携帯端末200から出発、到着、荷卸完了等のステータス状況を入力することができる。
【0036】
なお、納入管理情報は、例えば、出荷依頼情報と連動して生成されて記憶部130に記憶することができる。出荷依頼管理部1201によって出荷依頼情報が記憶部130に記憶される際に、納入管理部1202は、出荷依頼情報に含まれる依頼Noを用いて納入管理情報を生成することができる。
【0037】
コードデータ生成部1203は、出荷依頼情報及び納入先管理情報に基づいて、出荷依頼書及び荷札ラベルに印字される各種のコードデータを生成する。具体的には、出荷依頼書に印字されるバーコード(第1コードデータ)と、荷札ラベルに印字される2次元バーコード(第2コードデータ)それぞれを生成する。
【0038】
バーコードは、出荷依頼情報の少なくとも依頼Noを含むように構成することができる。一方、2次元バーコード(例えば、QRコード(登録商標))は、少なくとも依頼No、依頼主、お届け先、位置情報、納入場所、納入場所ID、品目、数量を含むように構成することができる。なお、バーコードは、依頼No以外にも納入先IDや納入場所IDなどを含んでいてもよい。
【0039】
生成されたバーコード及び2次元バーコードは、出荷拠点に伝送され、出荷拠点で作成される出荷依頼書及び荷札ラベルのそれぞれに印字される。出荷拠点端末410は、ネットワークを介して納入管理サーバ100から出荷依頼情報を受信するとともに、対応するバーコード及び2次元バーコードを受信して所定の記憶部に記憶することができる。出荷拠点端末410は、印字装置420(例えば、プリンター)でバーコードを含む出荷依頼書を印字し、また2次元バーコードを含む荷札ラベルを印字して出力することができる。
【0040】
また、コードデータ生成部1203は、出荷依頼書及び荷札ラベルの各コードデータ以外に、納入場所IDを含むコードデータ(第3コードデータ)を生成する。納入場所IDを含むコードデータは、例えば、2次元バーコードで生成することができ、納入先現地の納入場所に貼られる納入場所識別シールに印字される。
【0041】
納入管理サーバ100には、操作端末300と共に印字装置310が接続され、例えば、納入管理部1202が、コードデータ生成部1203によって生成された納入場所IDを含むコードデータを印字装置310で印刷する制御を行うことができる。
【0042】
次に、配達員が携帯する携帯端末200について説明する。本実施形態の携帯端末200は、インターネット等のネットワークを介して納入管理サーバ100との間の無線通信制御を行う通信制御部201、各部全体の制御を司る制御部202、GPS制御部203、データ読み取り部204、スキャナ部205、表示部206、入力部207及び記憶部208を含んで構成される。
【0043】
GPS制御部203は、GPSと通信制御部201を介して通信して現在位置(携帯端末200の現在位置)の位置情報としてGPS座標データ情報を取得する。この位置情報は、所定の時間間隔で自動的に連続して常時取得することができ、また、所定の操作や処理の際にその都度、例えば、位置情報取得要求の受信を契機にGPSと通信して現在位置の座標情報を取得することもできる。
【0044】
データ読み取り部204は、光学式コード読み取り手段であるスキャナ部205でスキャンされたコードデータを読み取り、読み取られたコードデータをデジタル情報(納入場所ID等の各種情報)に変換して記憶部208に記憶する。
【0045】
図4は、携帯端末200に記憶される情報の一例を示す図である。配達員は、出荷拠点で出荷依頼書のバーコードを読み込み、出荷依頼を受け付ける。具体的には、出荷依頼書のバーコードから読み取った依頼Noに紐付く出荷依頼情報を納入管理サーバ100から取得し、出荷する荷物の依頼No、依頼主、お届け先、納入先住所、位置情報、納入場所、納入場所ID、品目、数量等を含むデータを納入依頼情報として記憶部208に記憶する。この出荷依頼の受付処理は、制御部202によって実行される。
【0046】
表示部206は、液晶ディスプレイ等の表示装置であり、入力部207は、ボタン等の操作入力装置である。なお、表示部206及び入力部207は、一体的に設けることができ、例えば、タッチパネル方式の表示・入力装置として構成することができる。
【0047】
図5は、本実施形態の誤納入防止方法(誤納入判定処理)を説明するための図である。本実施形態では、上述のように、予め現地納入先に納入場所識別ラベルを設置しておく。納入場所識別ラベルは、例えば、納入先管理情報を登録した際に、事前に納入場所IDのコードデータが印字されたシール(納入場所識別ラベル)を発行しておき、配達員や営業員が現地に赴いて納入先の1つ又は複数の納入場所それぞれにシールを貼らせてもらうことで、納入先現地の各納入場所に納入場所識別ラベルを設置することができる。また、出荷依頼があった際に、納入先に対して事前に納入場所識別ラベルを送付し、納入先側で納入場所IDに対応する各納入場所(現地)に納入場所識別ラベルを設置してもらうようにしてもよい。
【0048】
配達員は、納入先現地に到着すると、納入先現地に設置されている納入場所識別ラベル(第3コードデータ)を携帯端末200でスキャンする。続いて、配達員は、出荷依頼書のバーコード(第1コードデータ)をスキャンする。携帯端末200(制御部202)は、納入場所識別ラベルのコードデータ又は出荷依頼書のバーコードの読み取り処理を契機に、GPS制御部203を通じて携帯端末200(配達員)の現在位置を取得する。
【0049】
携帯端末200は、読み取った出荷依頼書の依頼Noに対応する記憶部208に記憶されている納入先住所に対応する位置情報と、納入先現地で取得した現在位置情報とのマッチング(第1マッチング処理)を行う。マッチングの結果、納入先住所に対応する位置情報と現在位置とがマッチングしない場合は、携帯端末200は、納入先が異なる旨の警告処理を行うことができる。
【0050】
なお、第1マッチング処理では、納入先住所に対応する位置情報に対し、所定の許容範囲を設定したマッチングを行うことができる。例えば、納入先住所に対応する位置情報として地図上に表示される敷地や建物の大きさに応じた許容範囲を設定し、配達員の現在位置が、設定した納入先住所に対応する位置情報の許容範囲内にあれば、マッチングしているものと判定するようにすることもできる。
【0051】
さらに携帯端末200は、第1マッチング処理の結果、納入先住所に対応する位置情報と現在位置とがマッチングした場合、読み取った納入場所識別ラベルのコードデータ及び出荷依頼書の依頼Noを用いて、出荷依頼書の依頼Noに対応する納入場所IDと、納入先現地の納入場所IDとをマッチングする(第2マッチング処理)。第2マッチング処理の結果、依頼Noに対応する納入場所IDと納入先現地の納入場所IDとがマッチングしない場合は、納入先が異なる旨の警告処理を行うことができる。
【0052】
第1マッチング処理及び第2マッチング処理の順序は任意であり、第2マッチング処理を行ってから第1マッチング処理を行うようにしてもよい。また、第1マッチング処理及び第2マッチング処理を、1つのマッチング処理として構成することができる。すなわち、第1マッチング処理における位置情報と、第2マッチング処理における納入場所IDとをそれぞれ用いて、納入先現地に到着した配達員が読み取る出荷依頼書のバーコードの依頼Noをキーに、記憶部208に記憶されている納入依頼情報と、GPSから取得した位置情報及び納入先現地でスキャンした納入場所IDをマッチングし、いずれか1つでも異なる場合には、納入先が異なる旨の警告処理を行うことができる。
【0053】
納入先が異なる旨(誤納入)の警告処理としては、例えば、携帯端末200は、表示部206に所定の警告画面をポップアップ表示させたり、バイブレータ機能を動作させて携帯端末200を振動させることができ、携帯端末200を介して配達員に誤納入の注意喚起を行うことができる。
【0054】
なお、第1マッチング処理及び第2マッチング処理の結果は、通信制御部201を介して納入管理サーバ100に伝送される。納入管理サーバ100(納入管理部1202)は、第1マッチング結果及び第2マッチング結果それぞれを受信し、納入先現地に到着した配達員の納入状況を監視することができる。
【0055】
また、本実施形態では、出荷依頼書とは個別に当該出荷依頼に係る荷物に貼り付けられる荷札ラベル(荷札)の2次元バーコードを読み取った際にも、第1マッチング処理及び第2マッチング処理を遂行して誤納入判定処理を行う。配達員は、携帯端末200で出荷依頼書のバーコードを読み込んだ際の誤納入判定処理がOKである場合、荷卸を行う。このとき、配達員は、荷卸される各荷物の荷札ラベルそれぞれの2次元バーコードを読み取る。携帯端末200は、読み取られた荷札ラベルの2次元バーコードに含まれる依頼Noに対応する記憶部208に記憶されている納入先住所に対応する位置情報と、納入先現地で取得した現在位置情報とのマッチング(第1マッチング処理)を行うとともに、第1マッチング処理の結果、納入先住所に対応する位置情報と現在位置とがマッチングした場合、読み取った納入場所識別ラベルのコードデータ及び荷札ラベルの2次元バーコードの依頼Noを用いて、荷札ラベルの依頼Noに対応する納入場所IDと、納入先現地の納入場所IDとをマッチングする第2マッチング処理を遂行する。
【0056】
携帯端末200は、第1マッチング処理において納入先住所に対応する位置情報と現在位置とがマッチングしない場合又は第2マッチング処理において依頼Noに対応する納入場所IDと納入先現地の納入場所IDとがマッチングしない場合、納入先が異なる旨の警告処理を行うことができる。荷卸の際の荷札ラベルを用いた第1マッチング処理及び第2マッチング処理の結果は、通信制御部201を介して納入管理サーバ100に伝送される。
【0057】
本実施形態では、納入先現地に到着した際の出荷依頼書を用いたマッチング処理と、荷卸の際の荷札ラベルを用いたマッチング処理を行い、誤納入を防止するようにしている。つまり、出荷依頼書に基づいた現地到着の誤納入判定処理により、荷卸前に誤納入の注意を促して納入作業の効率化を図ることができるとともに、荷札ラベルに基づいた荷卸の際の誤納入判定処理により、各荷物が指定された納入場所に納入されていることを確認しながらの荷卸となるので、誤納入を適切に防止することができる。
【0058】
図6は、本実施形態の納入場所識別ラベルの出力処理フローの一例を示す図である。納入場所識別ラベルの発行は、操作端末300からの入力指示等に基づいて行うことができる。このとき、納入先管理情報は、事前に登録されているものとする。
【0059】
納入管理サーバ100(コードデータ生成部1203)は、納入先管理情報が登録された後に、納入場所識別ラベルの発行要求があると(S101)、記憶部130に記憶されている納入先毎の各納入場所IDのコードデータ(2次元バーコード)を生成する(S102)。納入場所IDのコードデータには、納入場所ID以外の他の情報、例えば、納入先IDや納入先名称、位置情報等を含むように構成してもよい。
【0060】
納入管理サーバ100(納入管理部1202)は、生成された納入場所IDのコードデータを印字装置310に出力し、印字装置310により所定のシールに納入場所IDのコードデータが印字された納入場所識別ラベルが作成される(S103)。
【0061】
図7は、本実施形態の出荷依頼書及び荷札ラベルの出力処理フローの一例を示す図である。納入管理サーバ100(出荷依頼管理部1201)は、ネットワークを介して又は所定の画面を通じて出荷依頼を受け付ける(S201)。納入管理サーバ100は、受信した出荷依頼データを記憶部130に記憶する(S202、
図3(a)参照)。
【0062】
納入管理サーバ100(コードデータ生成部1203)は、記憶部130に登録された出荷依頼情報を用いて、各依頼No毎に出荷依頼書及び荷札ラベルに印字されるコードデータを生成する(S203)。生成したコードデータは、記憶部130に保持することができる。
【0063】
納入管理サーバ100(出荷依頼管理部1201)は、各依頼No毎に出荷依頼書及び荷札ラベルに印字されるコードデータが生成されると、出荷拠点端末410に、当該コードデータを含む出荷依頼情報を送信する(S204)。出荷拠点端末410は、コードデータを含む出荷依頼情報を受信すると、印字装置420に対し、納入管理サーバ100から受信したコードデータ及び出荷依頼情報に基づく出荷依頼書及び荷札ラベルへの印字処理を遂行させるように制御する(S205)。印字装置420は、予め作成されている出荷依頼書及び荷札ラベルの各印字領域にコードデータ及び出荷依頼情報を印字する。
【0064】
図8は、本実施形態の出荷受付及び積荷における納入管理システムの処理フローの一例を示す図である。
【0065】
図8に示すように、配達員は、出荷拠点で受け取る出荷依頼書のバーコードを読み込み、出荷依頼を受け付ける。配達員が、スキャン部205を介して出荷依頼書のバーコードをスキャンして、所定のボタンを押下すると、携帯端末200は、出荷依頼書のバーコードの読み取り処理又は配達員が所定のボタンを押下したことに伴い、納入管理サーバ100に対して出荷依頼書の読み取ったバーコードに含まれる依頼Noを含む出荷依頼情報の取得要求を納入管理サーバ100に送信する(S301)。納入管理部1202は、取得要求に含まれる依頼Noに紐付く出荷依頼情報を記憶部130から抽出して携帯端末200に伝送する(S401)。携帯端末200は、納入管理サーバ100から伝送される出荷依頼情報を当該バーコードに含まれる依頼No毎に納入依頼情報として記憶部208に記憶する(S302)。
【0066】
続いて、配達員は、出荷依頼書のバーコードをスキャンして出荷依頼の受付処理を行った後、輸送車両への荷物の積み込みを行う(S303)。このとき配達員は、積み込む各荷物に貼り付けられる荷札ラベルの2次元バーコードをスキャンしながら、輸送車両へ荷物を積み込む。このとき、携帯端末200は、読み取った荷札ラベルの2次元バーコードに含まれる依頼Noを用いて記憶部208に記憶されている納入依頼情報とマッチングを行い、記憶部208の納入依頼情報の依頼Noと異なる依頼Noを含む2次元バーコードの荷物である場合には、例えば、出荷依頼書に対して間違った荷物を積荷しようとしている旨の警告処理を実行することができる。携帯端末200は、荷物の積み込み後の配達員による所定のボタン押下を契機に、例えば、納入管理サーバ100に対して荷物の積み込み完了の旨の通知を送信することができる(S402)。
【0067】
納入管理サーバ100は、ステップS402において通知を受信すると、
図3(c)に示した納入管理情報のステータスを依頼No別に更新する(S403)。
【0068】
図9は、納入先での納入管理システムの処理フローの一例を示す図である。
【0069】
図9に示すように、配達員は、納入先現地に到着すると、納入先現地に設置されている納入場所識別ラベルを携帯端末200でスキャンし(S304)、さらに配達員は、出荷依頼書のバーコードをスキャンする(S305)。携帯端末200は、納入場所識別ラベルのコードデータ又は出荷依頼書のバーコードを読み取ることを契機に、携帯端末200の現在位置を取得する(S306)。
【0070】
携帯端末200は、読み取った出荷依頼書の依頼Noに対応する記憶部208に記憶されている納入先住所に対応する位置情報と、納入先現地で取得した現在位置情報との第1マッチング処理と、読み取った納入場所識別ラベルのコードデータ及び出荷依頼書の依頼Noを用いて、出荷依頼書の依頼Noに対応する納入場所IDと、納入先現地の納入場所IDとを第2マッチング処理を行い、誤納入判定処理を行う(S307)。
【0071】
携帯端末200は、第1マッチング処理又は第2マッチング処理のいずれか一方において判定結果がNGである場合(S308,YES)、すなわち、誤納入であると判別した場合、納入先が異なる旨の警告処理を行う(S309)。このとき、携帯端末200は、判定結果(第1マッチング処理又は/及び第2マッチング処理の結果)を、通信制御部201を介して納入管理サーバ100に伝送する。納入管理サーバ100は、携帯端末200から判定結果を受信すると、納入先現地に到着した配達員の位置情報を所定の地図上に表示したり、操作端末300の表示装置に判定結果を表示する納入チェック処理を遂行する(S404)。
【0072】
次に、配達員は、携帯端末200で出荷依頼書のバーコードを読み込んだ際の誤納入判定処理がOKである場合(S308,NO)、荷卸を行う。配達員は、荷卸される各荷物の荷札ラベルそれぞれの2次元コードを読み取る(S310)。携帯端末200は、ステップS308と同様に、読み取られた荷札ラベルの2次元バーコードに含まれる依頼Noに対応する記憶部208に記憶されている納入先住所に対応する位置情報と、納入先現地で取得した現在位置情報との第1マッチング処理を行うとともに、読み取った納入場所識別ラベルのコードデータ及び荷札ラベルの2次元バーコードの依頼Noを用いて、荷札ラベルの依頼Noに対応する納入場所IDと、納入先現地の納入場所IDとをマッチングする第2マッチング処理を遂行して、誤納入判定処理を行う(S311)。
【0073】
携帯端末200は、第1マッチング処理又は第2マッチング処理のいずれか一方において判定結果がNGである場合(S311,YES)、納入先が異なる旨の警告処理を行う(S312)。このときも携帯端末200は、判定結果を通信制御部201を介して納入管理サーバ100に伝送する。納入管理サーバ100は、ステップS404同様に、納入チェック処理を遂行することができる(S405)。
【0074】
配達員は、納入先現地で荷卸が終了すると、携帯端末200から荷卸完了を入力し、納入管理サーバ100に荷卸完了通知を行う。具体的には、表示部206の荷卸完了ボタンが操作されると、携帯端末200は、依頼No等を含む荷卸完了メッセージを生成して、納入管理サーバ100に伝送する(S313)。納入管理サーバ100は、荷卸完了メッセージを携帯端末200から受信すると、依頼Noの紐付く納入管理情報における納入状況のステータスを「完」に更新する(S406)。
【0075】
図10は、本実施形態の変形例を示す図である。
図10は、携帯端末200で行う誤納入判定処理を納入管理サーバ100で行う実施態様である。なお、
図9と同様の処理については同符号を付して説明を省略する。
【0076】
図10に示すように、配達員が納入先現地に到着した後、納入先現地に設置されている納入場所識別ラベル及び出荷依頼書のバーコードをスキャンすると(S304,S305)、携帯端末200は、携帯端末200の現在位置を取得する(S306)。
【0077】
携帯端末200は、読み取った納入先現地の納入場所識別ラベルのコードデータ(納入場所識別ID)、読み取った出荷依頼書の依頼No、及び現在位置情報を含む誤納入判定要求メッセージを生成して、納入管理サーバ100に伝送する(S3001)。
【0078】
納入管理サーバ100(納入管理部1202)は、記憶部130(出荷依頼情報)に記憶されている納入先住所に対応する位置情報と、携帯端末200から受信した納入先現地で取得された現在位置情報との第1マッチング処理と、携帯端末200から受信した納入先現地の納入場所識別ラベルのコードデータ及び出荷依頼書の依頼Noを用いて、記憶部130に記憶されている出荷依頼書の依頼Noに対応する納入場所IDと、納入先現地の納入場所IDとの第2マッチング処理を行い、誤納入判定処理を行う(S4001)。
【0079】
納入管理サーバ100は、第1マッチング処理又は第2マッチング処理のいずれか一方において判定がNGである場合には判定結果NGを、両者とも判定がOKであれば判定結果OKを生成して、携帯端末200に判定結果を送信する(S4002)。携帯端末200は、納入管理サーバ100から判定結果を受信し、判定結果がNGであれば(S3002)、納入先が異なる旨の警告処理を行う(S309)。
【0080】
さらに、配達員が荷卸される各荷物の荷札ラベルそれぞれの2次元バーコードを読み取ると(S310)、携帯端末200は、ステップS3001同様に、読み取った納入先現地の納入場所識別ラベルのコードデータ(納入場所識別ID)、読み取った荷札ラベルの2次元バーコードの依頼No、及び現在位置情報を含む誤納入判定要求メッセージを生成して、納入管理サーバ100に伝送する(S3003)。
【0081】
納入管理サーバ100(納入管理部1202)は、記憶部130に記憶されている納入先住所に対応する位置情報と、携帯端末200から受信した納入先現地で取得された現在位置情報との第1マッチング処理と、携帯端末200から受信した納入先現地の納入場所識別ラベルのコードデータ及び荷札ラベルの依頼Noを用いて、記憶部130に記憶されている出荷依頼書の依頼Noに対応する納入場所IDと、納入先現地の納入場所IDとの第2マッチング処理を行い、誤納入判定処理を行う(S4003)。
【0082】
納入管理サーバ100から携帯端末200に判定結果が送信され(S4002)、携帯端末200は、納入管理サーバ100から判定結果を受信すると、判定結果NGに応じて(S3004)、納入先が異なる旨の警告処理を行う(S312)。
【0083】
図10に示した変形例では、納入管理サーバ100で誤納入判定処理が行われるので、携帯端末200での処理負担を低減できるとともに、処理結果に応じて配達員に適切な対処を行うことができる。例えば、誤納入判定結果がNGである場合、依頼Noに対応する正しい納入先情報を携帯端末200に送信して配達員に注意と正しい納入先を知らせることができる。
【0084】
このように本実施形態の納入管理システム1は、納入先住所で特定される1つの納入先に対して複数の納入場所がある場合でも、納入先現地の各納入場所に事前に設置されている納入場所ID(納入場所識別ラベル)をスキャンして誤納入判定を行うので、配達員の現在位置では判別し難い同じ住所や同じエリア、同じ建物等に複数の納入場所がある納入先に対して誤納入を適切に防止することができる。
【0085】
なお、本実施形態では、納入先住所に対応する位置情報と配達員の現在位置とを用いた第1マッチング処理と、納入先現地に到着した配達員が読み取る納入場所識別ラベルを用いた第2マッチング処理との2つのマッチング処理を行っているが、これに限るものではない。
【0086】
例えば、第1マッチング処理を省略して第2マッチング処理のみを行う誤納入判定処理であってもよい。この場合であっても、出荷依頼書の依頼Noに対応する納入場所IDと、納入先現地で実際にスキャンした納入場所IDとをマッチングすることで、1つの納入先における複数の納入場所それぞれを識別して誤納入を判定でき、配達員の現在位置では判別し難い同じ住所や同じエリア、同じ建物等に複数の納入場所がある納入先に対して誤納入を適切に防止することができる。
【0087】
(第2実施形態)
図11から
図13は、第2実施形態を示す図である。
図11に示すように、上述した第1実施形態の納入管理システム1に対し、荷物を運搬する車両の走行ルートを管理するルート管理部1204が追加されている。なお、本実施形態の納入管理システム1の構成及び処理については、上記第1実施形態と相違する点を中心に説明し、同様の点については同符号を付して説明を省略する。
【0088】
ルート管理部1204は、携帯端末200から所定の時間間隔で受信する位置情報に基づいて、荷物を運搬する車両の走行ルートを管理する。例えば、ルート管理部1204は、予め設定された走行ルートと携帯端末200から送信される位置情報とをマッチングし、荷物を積載した車両の走行ルートが予め設定された走行ルートと異なる場合、携帯端末200に走行ルートが違う旨の警告処理を行うことができる。
【0089】
図12は、納入先までの予め設定された走行ルートと、携帯端末200を携帯する配達員の車両走行中の現在位置とを表示した表示画面の一例である。この表示画面は、例えば、操作端末300の表示装置に表示することができる。操作端末300への表示画面の表示制御は、ルート管理部1204によって実行される。
【0090】
図13は、出荷拠点で荷物を積み込んで納入先に向かって出発した後の納入管理システム1の処理フローを示す図である。
【0091】
図13に示すように、ステップS301〜S303を経た後に、配達員(車両)は、納入先に向けて出発する(S501)。配達員は、出荷拠点から納入先への出発に際して、例えば携帯端末200から出発ボタンを選択することができ、納入管理サーバ100は、携帯端末200から送信される出発ボタンが選択された旨のメッセージを受信して走行ルート判定処理を遂行(開始)することができる。
【0092】
携帯端末200は、出発ボタンが選択された後、所定の時間間隔でGPS制御部203を介して現在位置情報を取得し、記憶部208に記憶されている出荷依頼に対応する依頼Noと取得した位置情報とを、納入管理サーバ100に伝送する(S502)。
【0093】
納入管理サーバ100では、依頼No及び携帯端末200の現在位置情報を受信すると、例えば、
図12の実線で示す予め設定された正規走行ルートと配達員の現在位置とがマッチングするか否かを判別する(S701)。正規走行ルートは、出荷拠点から納入先までの予め決められた経路であり、正規走行ルート上の位置情報は、電子地図データ等から予め又はリアルタイムに取得することができる。正規走行ルートに関する情報は、記憶部130に記憶しておくことができる。
【0094】
例えば、納入管理サーバ100は、携帯端末200の現在位置が電子地図データのどの位置に該当するかを判別し、該当した位置が予め設定された正規走行ルートに含まれるか否かを判別することで、携帯端末200の現在位置が正規走行ルートから外れていないかを判別することができる。
【0095】
納入管理サーバ100は、携帯端末200(走行中の車両)の現在位置が正規走行ルート上に含まれるか否かを判別し(S702)、正規走行ルートに携帯端末200が位置していない場合、ステップS703に進んで、携帯端末200に走行ルートが違う旨の警告メッセージを伝送する。携帯端末200は、警告メッセージを受信すると、表示部206に警告メッセージをポップアップ表示する警告処理を行うことができる(S503)。
【0096】
図12の例において、点線で示す走行ルートに車両が位置している場合、納入管理サーバ100は、正規走行ルート以外の走行ルートを走行して納入先に向かっている旨の警告メッセージを携帯端末200に伝送することができる。携帯端末200の表示部206に警告メッセージを表示する処理に加えて又は代えて、警告音を不図示のスピーカーから出力するようにしてもよい。
【0097】
このように本実施形態では、納入先へ向かう配達員の車両の走行ルートを含む納入管理を行うことができ、誤納入をより適切に防止することができる。例えば、予め設定された納入先への走行ルートと異なる走行ルートで納入先へ向かう場合に、誤納入を予備的に警告することで、配達員に誤納入の注意喚起を行うことができる。
【0098】
さらに、出荷依頼のあった荷物が危険物である場合、危険物積載車両の納入先までの走行ルートを適切に管理することができる。危険物とは、例えば、ガソリン、石油、薬品等の消防法で規定されるものである。
【0099】
危険物積載車両は、通行が禁止される道路が予め決められていたり、事前に走行ルートを申請しなければならないなどの規制がある。本実施形態では、予め設定された走行ルートで納入先までの運搬を適切に管理できるので、誤納入の防止と共に規制に従った納入管理を行うことができる。
【0100】
一方、危険物積載車両が、複数の異なる危険物を積載するタンクローリー車両である場合、上記第1実施形態を適用した納入管理を行うこともできる。具体的には、納入先の貯蔵タンクの各投入口に納入場所識別ラベルを予め設置しておき、タンクローリー車両の危険物毎に異なる排出口に、荷札ラベルに相当する排出口ラベルを設置しておく。配達員は、車両の排出口ラベルを携帯端末200で読み取ると共に納入先貯蔵タンクの投入口に設置された納入場所識別ラベルを読み取ることで、車両の複数の排出口と納入先貯蔵タンクの投入口とをマッチングして、誤納入を防止することができる。
【0101】
特に、納入先の貯蔵タンクの各投入口に設置される納入場所識別ラベルは、単に車両の排出口と納入先貯蔵タンクの投入口を危険物の種別に応じてマッチングさせるためのもの、例えば、ガソリン用の排出口と投入口とをマッチングさせるための情報ではなく、納入先に設けられた複数の投入口毎の納入場所識別IDとして使用することができる。
【0102】
つまり、単に車両の排出口と納入先貯蔵タンクの投入口とをマッチングするためだけでは、納入場所の識別を行っていないため、誤納入を適切に防止できないが、上記第1実施形態を適用すると、納入先に設けられた複数の投入口毎に納入場所識別IDが割り当てられ、納入場所(投入口)を個別に識別することができるので、誤納入の防止と共に、危険物等の安全な納入管理を行うことができる。
【0103】
以上、上記実施形態の納入管理システム1では、出荷依頼管理部1201及びコードデータ生成部1203を含む納入管理全般を行うシステムとして説明したが、例えば、出荷依頼情報の登録、コードデータの生成処理(出荷依頼管理部1201及びコードデータ生成部1203)と、納入管理(納入管理部1202)とを個別のサーバ装置で構成した納入管理システム1とすることもできる。この場合、納入管理を行うサーバ装置は、納入管理システム1に付加される、出荷依頼のあった荷物の追跡管理システムとして構成することができる。
【0104】
また、納入管理システム1は、依頼主端末400からネットワークを介して直接出荷依頼データを受信しているが、これに限りものではない。例えば、依頼主端末400と出荷拠点の出荷拠点端末410とをネットワークで接続し、依頼主端末400から入力された出荷依頼データを出荷拠点端末410を介して納入管理システム1に伝送するように構成することができる。また、出荷拠点端末410が、納入管理サーバ100のコードデータ生成部1203を備えるようにしてもよい。つまり、納入管理サーバ100では、
図3で示した各情報を記憶部130しておくことで、携帯端末200との間での納入管理を行うことができ、納入管理サーバ100がコードデータ生成部1203を備えない構成とすることもできる。
【0105】
また、納入管理情報における出荷状況及び/又は納入状況や走行中の車両の位置情報(走行ルート)は、依頼主端末400に提供することができる。納入管理サーバ100は、依頼主端末400に所定の画面を通じた出荷状況等の表示制御を実行することができる。
【0106】
また、携帯端末200の各処理は、コンピュータで実行可能なプログラムとして実現することも可能であり、当該プログラムがインストールされたコンピュータは、実施形態に係る各処理を遂行する携帯端末として動作することが可能である。例えば、不図示の記憶装置に当該プログラムが格納され、CPU等の制御部が記憶装置に格納されたプログラムを読み出し、読み出された当該プログラムを制御部が実行し、携帯端末に実施形態に係る各処理を動作させることができる。納入管理サーバ100も同様である。
【0107】
また、上記プログラムは、コンピュータ読取可能な記録媒体に記録された状態で、コンピュータに適用することも可能であり、インターネット等のネットワークを通じてコンピュータにダウンロードすることも可能である。コンピュータ読取可能な記録媒体としては、CD−ROM等の光ディスク、DVD−ROM等の相変化型光ディスク、MO(Magnet Optical)やMD(Mini Disk)などの光磁気ディスク、フロッピー(登録商標)ディスクやリムーバブルハードディスクなどの磁気ディスク、コンパクトフラッシュ(登録商標)、スマートメディア、SDメモリカード、メモリスティック等のメモリカードが挙げられる。また、特別に設計されて構成された集積回路(ICチップ等)等のハードウェア装置も記録媒体として含まれる。