(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記記憶部が記憶する前記被検者リストに含まれる被検者の画像データが取得されていない場合には、操作者に前記被検者の画像データが取得されていない旨を通知する通知手段を具備することを特徴とする請求項2又は請求項3に記載のX線画像診断装置。
前記画像データを取得する時間が所定の時間以上空いた場合には、前記記憶媒体割り当て部は、前記画像データを記憶させる前記外部記憶媒体を変更することを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載のX線画像診断装置。
【背景技術】
【0002】
従来から、X線撮影装置をバスシャシーに搭載したレントゲン検診車が知られている。レントゲン検診車において、医用画像はX線フィルム等に焼き込まれて、フィルムの形で保管されることが多かった。
【0003】
近年、CR(Computed Radiography)装置やFPD(Flat Panel Display)と共に、画像データを保存する画像処理装置をレントゲン検診車に搭載し、画像をデジタル化して保存する形態へと変化しつつある。
【0004】
大量の医用画像を取り扱う病院では、病院内のネットワーク化によりモダリティ装置(撮影装置)で取得した医用画像データを、LAN(Local Area Network)等を用いて画像サーバ装置へ転送し、保存している。
【0005】
しかし、各地の事業所等を巡回するレントゲン検診車の場合、物理的にネットワークを構築できない環境で検診(X線撮影)を行うのが普通である。
【0006】
レントゲン検診車に搭載されたモダリティ装置では、その中に医用画像データをデジタルデータとして保存し、操作者が患者のリストを確認、選択して情報記録メディアに保存していた。
【0007】
そして、検診が終了した後に、情報記録メディアを基地となる検診施設等へ持ち帰り、画像サーバ装置にセットして、情報記録メディアに記録されている医用画像データを読み出し、それを画像サーバ装置に保存するという方法を採っていた。
【0008】
また、多くの施設をレントゲン検診車で巡回して検診した場合には、各々の施設向けに情報記録メディアを作成していた。
【0009】
このため、特許文献1では、情報記録メディアを用いず、DICOM(Digital
Imaging and COmmunication in Medicine)規格でデジタルデータをレントゲン検診車内のノートパソコンに保存するようにしていた。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下図面に基づいて、本発明の実施の形態を詳細に説明する。
【0018】
図1は、本発明に係るX線画像診断装置10を備えたX線撮影装置1の構成例を示す図である。
図1に示すX線画像診断装置10は、X線画像の画像データを取得するX線撮影装置1に備えられている。X線撮影装置1は、例えば、レントゲン検診車のバスシャシーに搭載される。
【0019】
X線撮影装置1は、X線画像診断装置10、入力部12、表示部14、撮像部20、外部記憶媒体30等を備えている。なお、X線画像診断装置10の構成については後述するが、撮像部20が取得した画像データに対して画像処理を行ったり、その画像データを一時的に記憶するなどの処理を行う。
【0020】
入力部12は、例えば、キーボード、マウス等の入力装置であり、操作者が入力した指示や情報をX線画像診断装置10に出力する。表示部14は、例えば液晶ディスプレイ等の表示装置であり、X線画像処理装置10から出力された画像データをX線画像として表示する。なお、入力部12と表示部14は、タッチパネル式ディスプレイとして一体化されていてもよい。
【0021】
撮像部20は、X線検出器21、撮像制御部22、高電圧発生部23、X線源24、絞り部25、スイッチ26等を備えている。撮像制御部22は、操作者が入力部12からX線画像診断装置10に入力した撮像条件(X線管の管電圧、管電流、曝照量(mAs)、曝照時間(msec))などを高電圧発生部23に出力する。高電圧発生部23は、撮像制御部22から出力された撮像条件に基づいて、高電圧の電流をX線源24に供給する。
【0022】
X線源24は、高電圧発生部23から供給された電流によってX線を発生し、被検体(ここでは、患者である被検者)100に照射する。絞り部25は、例えば、複数の鉛板を備え、被検体100に曝射されるX線の照射領域を決定する。
【0023】
X線検出器21は、X線源24から曝射され、被検体100を透過したX線を検出し、X線画像の画像データとしてX線画像診断装置10に出力する。スイッチ26は、撮像の開始と終了を指示するためのものであり、操作者がスイッチ26を操作することにより、予め設定された撮像条件で撮像を行う。また、スイッチ26は、X線画像診断装置10におけるX線画像の画像データの記録開始のスイッチを兼ねている。
【0024】
外部記憶媒体30は、例えば、USB(Universal Serial Bus)メモリやDVD−RAM(Digital Versatile Disc-Random Access memory)であり、X線画像診断装置10に一時的に記憶されたX画像の画像データを恒久的に記憶する。すなわち、X線画像診断装置10は、撮像部20から取得したX線画像の画像データを外部記憶媒体30に記憶させる。なお、外部記憶媒体30がDVD−RAMである場合には、X線画像診断装置10にDVDドライブ等が設けられる。
【0025】
図2は、X線画像診断装置10の構成例を示すブロック図である。本発明に係るX線画像診断装置10は、制御部51、記憶部52、被検者ID識別部53、記憶媒体認識部54、記憶媒体割り当て部55等を備えている。
【0026】
制御部51は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等により構成され、撮像部20から取得したX線画像の画像データの画像処理を行うほか、X線画像診断装置10全体を制御する。また、制御部51は、撮像部20に撮像条件等を出力する。
【0027】
記憶部52は、例えば、HDD(ハードディスクドライブ)から構成され、制御部51が実行するプログラム、プログラム実行に必要なデータ、OS(オペレーティングシステム)等を記憶している。また、記憶部52は、制御部51によって画像処理されたX線画像の画像データを一時的に記憶したり、画像データを識別する情報として、X線画像の画像データを取得する場所やX線画像の画像データが取得される被検者の被検者リストを記憶する。
【0028】
被検者ID識別部53は、入力部12から患者である被検者の被検者ID(識別番号)が入力されると、被検者IDを識別し、制御部51に出力する。なお、被検者IDとは、被検者の患者IDや受診番号等である。
【0029】
記憶媒体認識部54は、X線画像診断装置10に接続された外部記憶媒体30固有の識別番号を取得する。なお、外部記憶媒体30固有の識別番号とは、ベンダID(以下、VIDという)、プロダクトID(以下、PIDという)、デバイスリリース番号(シリアル番号)等の外部記憶媒体30を個別に識別できる番号である。
【0030】
記憶媒体割り当て部55は、記憶媒体認識部54が取得した外部記憶媒体30固有の識別番号及び画像データを識別する情報に基づいて、記憶部52に記憶されたX線画像の画像データを記憶させる外部記憶媒体30を決定し、その外部記憶媒体30にX線画像の画像データを記憶させる。また、後述するように、記憶媒体割り当て部55は、画像データを識別する情報として、X線画像の画像データを取得する場所や、X線画像の画像データが取得される被検者の被検者リストに基づいて、X線画像の画像データを記憶させる外部記憶媒体30を決定する。
【0031】
図3は、X線画像診断装置10に作成される画像保存管理テーブルの例を示す図である。
図3に示す画像保存管理テーブルには、記憶媒体認識部54が取得した外部記憶媒体30固有の識別番号(VID、PID、デバイスリリース番号)等が登録される。
【0032】
図3に示す画像保存管理テーブルには、外部記憶媒体30の登録番号、VID、PID、デバイスリリース番号、外部記憶媒体30の種類、使用可否、被検者リストが登録されている。VID、PID、デバイスリリース番号は、記憶媒体認識部54が取得した外部記憶媒体30固有の識別番号である。
【0033】
外部記憶媒体30の種類は、USBメモリやDVD−RAM等があるが、
図3の例では、USBメモリのみを示している。また、使用の可否は、その外部記憶媒体30が使用できるかどうかを示すものである。
図3の例のように、外部記憶媒体30固有の識別番号と共に使用の可否を登録することで、識別番号が登録されていない外部記憶媒体30を使用不可とすることができ、セキュリティを向上させることが可能となる。
【0034】
被検者リストは、X線画像診断装置10に接続される外部記憶媒体30ごとに記憶されており、例えば、X線画像診断装置10の記憶部52に読み込まれて画像保存管理テーブルに登録される。被検者リストには、例えば、X線画像の画像データが取得される複数の被検者の被検者IDや氏名等が含まれる。なお、被検者リストは、実際にX線画像の画像データを記憶させる外部記憶媒体30以外の記憶媒体等から読み込んでもよい。また、被検者リストは、X線画像診断装置10の記憶部52に記憶される。
【0035】
図4は、画像保存管理テーブルに外部記憶手段30固有の識別番号及び被検者リストを登録する際の手順を示すフローチャートである。
【0036】
まず、画像保存管理テーブルへの登録処理が開始されると、操作者によってX線画像診断装置10に外部記憶媒体30が接続される(S101)。なお、X線画像診断装置10に接続する外部記憶媒体30は、1つでも複数であってもよい。
【0037】
次に、記憶媒体認識部54は、外部記憶媒体30固有の識別番号を取得する(S102)。ここで、外部記憶媒体30固有の識別番号とは、上述のVID、PID、デバイスリリース番号等である。なお、S102において、外部記憶媒体30の使用を不可とする場合には、操作者が入力部12からその設定を行い、画像保存管理テーブルへ登録するようにしてもよい。
【0038】
そして、X線画像診断装置10の記憶部52は、外部記憶媒体30から画像データを識別する情報として被検者リストを読み込む(S103)。
【0039】
それから、制御部51は、画像保存管理テーブルに外部記憶手段30固有の識別番号及び被検者リストを登録する(S104)。
【0040】
そして、複数の外部記憶媒体30が接続されている場合には、複数の外部記憶媒体30固有の識別番号及び被検者リストを続けて登録するかどうかを判断し(S105)、続けて登録する場合には(S105のYES)、S102からS104の処理を繰り返す。続けて登録しない場合には(S105のNO)、処理を終了する。
【0041】
図5は、X線撮影装置1でX線画像の画像データを取得する際の手順を示すフローチャートである。
【0042】
まず、X線画像の画像データ取得処理が開始されると、操作者が入力部12からX線画像の画像データが取得される被検者の被検者IDを入力する(S201)。入力された被検者IDは、被検者ID識別部53によって識別され、制御部51に出力される。なお、S201において、画像データを識別する情報として、X線画像の画像データを取得する場所を入力し、記憶部52に記憶させるようにしてもよい。ここで、X線画像の画像データを取得する場所とは、例えば、検診(X線撮影)が行われる施設や事業所の名称等である。
【0043】
次に、操作者によってスイッチ26がONにされ、被検者にX線が曝射される(S202)。そして、X線画像診断装置10の制御部51は、撮像部20から被検者のX線画像の画像データを取得する(S203)。
【0044】
それから、X線画像診断装置10の記憶媒体割り当て部55は、画像保存管理テーブルを参照し(S204)、X線画像の画像データを記憶させる外部記憶媒体30を決定する(S205)。
【0045】
S205において、記憶媒体割り当て部55は、
図4のS102で記憶媒体認識部54が取得した外部記憶媒体30固有の識別番号(VID、PID、デバイスリリース番号等)及び画像データを識別する情報に基づいて、X線画像の画像データを記憶させる外部記憶媒体30を決定する。
【0046】
例えば、記憶媒体割り当て部55は、予め指定された外部記憶媒体30のVID、PID、デバイスリリース番号を記憶部52から読み込み、その外部記憶媒体30にX線画像の画像データを記憶させるようにしてもよい。
【0047】
また、記憶媒体割り当て部55は、
図3の画像保存管理テーブルに示す被検者リストに基づいて、X線画像の画像データを記憶させる外部記憶媒体30を決定するようにしてもよい。
図3に示すように、被検者リストは外部記憶媒体30固有の識別番号に対応して記憶されているため、X線画像の画像データが取得された被検者が含まれる被検者リストに対応する外部記憶媒体30に、X線画像の画像データが記憶される。なお、このとき、記憶媒体割り当て部55は、S201で入力された被検者IDを参照するようにしてもよい。また、このとき、記憶させる外部記憶媒体30が画像保存管理テーブルに無い場合には、X線画像診断装置10の記憶部52にX線画像の画像データを記憶させるようにしてもよい。
【0048】
また、被検者リストに基づいて、X線画像の画像データを記憶させる外部記憶媒体30を決定する場合には、被検者リストに含まれる被検者ごとにX線画像の画像データを記憶させるのが望ましい。このとき、記憶媒体割り当て部55は、S201で入力された被検者IDを参照する。これにより、被検者リストに含まれる被検者ごとにX線画像の画像データを記憶させることが可能となる。
【0049】
また、S201において、画像データを識別する情報として、X線画像の画像データを取得する場所を入力した場合には、記憶媒体割り当て部55は、X線画像の画像データを取得する場所に基づいて、X線画像の画像データを記憶させる外部記憶媒体30を決定してもよい。このとき、記憶部52にX線画像の画像データを取得する場所と外部記憶媒体30固有の識別番号を対応付けて記憶させておき、X線画像の画像データを取得する場所に対応する外部記憶媒体30にX線画像の画像データを記憶させるようにしてもよい。
【0050】
また、X線画像を取得する時間が所定の時間(例えば、3時間)以上空いた場合には、記憶媒体割り当て部55は、X線画像の画像データを記憶させる外部記憶媒体30を変更するようにしてもよい。これは、X線画像を取得する時間が長時間空いた場合には、X線画像を取得する場所(施設等)が変わっている可能性が高く、別の外部記憶媒体30にX線画像の画像データを記憶させた方がよいと考えられるからである。
【0051】
図5のフローチャートに戻り、S205でX線画像の画像データを記憶させる外部記憶媒体30が決定されると、記憶媒体割り当て部55は、その外部記憶媒体30にX線画像の画像データを記憶させる(S206)。このとき、上述のように、外部記憶媒体30固有の識別番号等に基づいて、X線画像の画像データを記憶させる外部記憶媒体30が決定されているため、操作者がX線画像の画像データを選択して外部記憶媒体30に保存操作する必要がなく、画像データの取得後、自動的に外部記憶媒体30にX線画像の画像データを記憶させることができる。
【0052】
なお、S206で外部記憶媒体30にX線画像の画像データを記憶させる前に、記憶部52が記憶する被検者リストに含まれる被検者の画像データが取得されていない場合は、その被検者の画像データが取得されていない旨を通知するようにしてもよい。このとき、例えば、制御部51が、記憶部52に一時的に記憶された被検者の画像データと被検者リストを比較し、画像データが取得されていない被検者を特定して、表示部14に表示させる。これにより、被検者リストに含まれる被検者の画像データの取得漏れを防止することができる。なお、このとき、記憶部52に一時的に記憶された複数の被検者の画像データを、外部記憶媒体30に一括転送するようにしてもよい。
【0053】
また、S206でX線画像の画像データが記憶された外部記憶媒体30を、病院等の検診施設の画像サーバ装置に接続して、自動的にX線画像の画像データを読み込ませるようにしてもよい。このとき、外部記憶媒体30に、被検者ごとにX線画像の画像データが記憶されている場合には、検診施設の画像サーバ装置に、被検者ごとにX線画像の画像データを自動的に記憶させることができる。
【0054】
以上のように、本発明に係るX線画像診断装置10によれば、外部記憶媒体30固有の識別番号及び画像データを識別する情報に基づいて、X線画像の画像データを記憶させる外部記憶媒体30が決定されているため、操作者がX線画像の画像データを選択して外部記憶媒体30に保存操作する必要がなく、画像データの取得後、自動的に外部記憶媒体30にX線画像の画像データを記憶させることができる。このため、画像データの取得後に操作者が行う処理を軽減することが可能となる。
【0055】
なお、上記の実施の形態では、USBメモリのベンダID(VID)、プロダクトID(PID)、デバイスリリース番号(シリアル番号)を外部記憶媒体30固有の識別番号として用いる例を説明したが、外部記憶媒体30固有の識別番号を利用するものであればUSBメモリに限らず、DVD−RAMやHDD等であってもよく、外部記憶媒体30が変更されても本発明を同様に適用することができる。
【0056】
以上、添付図面を参照しながら、本発明に係るX線画像診断装置の好適な実施の形態について説明したが、本発明はかかる例に限定されない。当業者であれば、本願で開示した技術的思想の範疇内において、各種の変更例又は修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。