【実施例1】
【0010】
以下、一実施の形態を示す図面に基づいて本発明を詳細に説明する。
図1は本発明の一実施形態を示すコネクタの結合状態を示す斜視図、
図2は本発明のコネクタの平面図、
図3は本発明のコネクタの側面図、
図4は本発明のコネクタの一部を切り欠いた正面図である。ここでコネクタ10は、一端にホースが接続され、他端に雄部材11が装着される筒状のコネクタハウジング12と、一端にホースが接続され、他端が前記コネクタハウジング12に装着される雄部材11と、前記コネクタハウジング12と前記雄部材11とを係合および解除可能なロック部材13とから成り、雄部材11は、外周にロック部材13の脚部13bが係合する係合部である係合溝14を備え、コネクタハウジング12は、外周に形成されたロック部材保持壁15と、ロック部材13の先端部13aが摺動する摺動斜面16を有した断面略コ字状のコ字状壁17と、ロック部材保持壁15に保持されたロック部材13の一部が通過し、コネクタハウジング12に装着された雄部材11の外周に形成された係合溝14と係合するべく形成された透孔18とを備えている。なお、係合溝14は、係合段部であってもよい。
【0011】
雄部材11は、例えば合成樹脂等から構成され、筒状をしておりホースの接続される基端部にフランジ19を有するとともに、略中間部の外周に係合溝14が形成されている。また、コネクタハウジング12に装着される先端部11aは、先細に形成されており、係合溝14の直前で円錐状に拡径している。
【0012】
コネクタハウジング12は、一端にホースが接続されるホース接続部12aと他端に雄部材11が装着される装着口12bを有している。コネクタハウジング12は、例えば合成樹脂等から構成されている。また、ホース接続部12aの外周には、ホースの抜け止め用の複数の環状凹凸を有している。また、拡径した装着口12bの外周頂部には、中央に空隙Hを有してロック部材保持壁15が左右に形成されている。ロック部材保持壁15は、ロック部材13を摺動可能に保持できる保持溝20を有している。更に、コネクタハウジング12の外周には、ロック部材保持壁15に保持されたロック部材13の脚部13bが通過可能な透孔18が形成され、コネクタハウジング12に装着された雄部材11の外周に形成された係合溝14と係合する。
【0013】
また、コネクタハウジング12の外周で左右対称位置に摺動斜面16を有したコ字状壁17が形成されている。コ字状壁17は、ロック部材保持壁15の下方に位置しており、ロック部材保持壁15に保持されたロック部材13の先端部13aが摺動斜面16に当接するよう配設されている。また、コ字状壁17は、コネクタハウジング12の外周の接線方向に沿った一対の側壁17a、17bを有しており、この側壁17a、17b間に摺動斜面16が形成されている。摺動斜面16は、
図1、3、4等に示すように本実施の形態では、下に向かってコネクタハウジング12から離れる方向に傾斜した平面として形成されている。
【0014】
コネクタハウジング12の装着口12bの奥端には、Oリング21およびOリング21を保持するバックアップリング22が配設されており、装着された雄部材11との水密性及び気密性を確保している。バックアップリング22は、合成樹脂等から形成されており、図外の爪部材や溶着によってコネクタハウジング12の内壁に固定される。なお、シール部材は、Oリングに限ることなく、VリングやXリング等の他のシール部材であってもよい。
【0015】
図7は本願発明のコネクタの他の実施形態を示す斜視図である。本実施の形態に於いて、コ字状壁17に形成された摺動斜面40は、上方向に凸の曲面となっている。このように構成した場合、ロック部材13を操作する際、当初大きな力を必要とし(硬く)、その後、徐々に小さな力で(弱く)操作することができる。したがって、ロック部材13が不用意に解除されてしまう事を阻止できる。
【0016】
ロック部材13は、
図8〜10に示すように上に向かって凸状に湾曲した連結部23と、この連結部23の両側(幅方向両側)からそれぞれ、互いに平行状態で直線状に延設された脚部13bと脚部13bの先端に脚部と直角方向に折曲形成された先端部13aとを具備するように屈曲形成された例えば金属製の弾性線材で構成されている。また、連結部23の頂部には、コネクタハウジング12の軸線方向に膨出するコ字状の操作部24が形成されている。更に、操作部24は、コネクタハウジング12に形成されたロック部材保持壁15の中央空隙Hより小さい寸法となっている。また、脚部13bの径は、透孔18の幅より小さく、透孔18を通過することができる。脚部13bの長さ寸法は、透孔18の長さ(高さ寸法)より長く形成されている。なお、ロック部材13は、金属製、合成樹脂製の板材であってもよい。つまり、線材に限ることなく、細長い板材から構成しても同様の効果を得ることができる。
【0017】
図11〜13は、ロック部材25の他の実施形態を示すものである。本実施の形態において、上に向かって凸状に湾曲した連結部26と、この連結部26の両側(幅方向両側)からそれぞれ、互いに平行状態で直線状に延設された脚部25bと、脚部25bの先端に脚部と直角方向に折曲形成された先端部25aとを備えており、金属製の弾性線材で構成されている。また、連結部26の頂部には、直線状の操作部27が形成されている。また、先端部25aは、左右で夫々逆方向に折曲されている。
【0018】
ロック部材25をこのように構成した場合、先端部25aの配置が左右対称ではないので、コネクタハウジング12に取り付ける際の取り付け方向を何れの方向からでも取り付けることができ、組み付け作業の能率化を実現することができる。ロック状態を解除する操作は、操作部27を押圧するので、第1の実施形態と同様である。
【0019】
このように構成されたコネクタ10を組み立てる場合、先ず、コネクタハウジング12にロック部材13を上方向から取り付ける。ロック部材13の取り付け手順は、ロック部材保持壁15の保持溝20に脚部13bを左右に開くようにして差し込み解放すると、線材の弾性力により先端部13aが摺動斜面16の頂部に至る。また、本実施の形態では、ロック部材13の先端部13aをコネクタハウジング12のホース接続部12a方向に向けて取り付ける。取り付けた脚部13bの一部は、コネクタハウジング12の透孔18から装着口12b内へ突出する。この状態で、
図3、6に示すように雄部材11を装着口12bから装着すると、先細に形成されてた先端部11a及び係合溝14の直前で円錐状に拡径した部分が、脚部13bを外周方向に押し広げた後、係合溝14に係合させる。脚部13bが係合溝14に係合した状態では、
図5に示すようにOリング21が、雄部材11の先端部11a外周とコネクタハウジング12の装着口12bの内周の間に位置すると共に押圧されて、水密性や気密性を保持することができる。
【0020】
雄部材11とコネクタハウジング12の係合を解除する場合は、ロック部材13の操作部24を上から押すことにより、先端部13aが摺動斜面16に沿って下降し、脚部13bが左右に拡開する。脚部13bの拡開により、雄部材11の係合溝14から外れ、係合が解除されて雄部材11を引き抜くことができる。また、先端部13aは、コネクタハウジング12の軸線方向の前後を側壁17a、17bで囲まれているので、意図しない外力による先端部13aの変形等を防止し、確実に解除操作を実行することができる。このように本発明では、ロック部材13の操作部24を上から押すのみで操作できるので、突出させるスペースがなく、狭い場所であっても解錠することができる。
【0021】
この様に本発明のコネクタ10は、狭いスペースであっても操作が容易である上に、突出する部分がないので取り外す場合に他の部品を傷付ける虞もない。また、解除の際に工具を必要とせず、工具により部品を傷付けることもない。
【0022】
なお、摺動斜面16、40の形状を平面および上方向に凸の曲面である例について説明したが、上方向に凹の曲面或いは曲面の曲率が変化する形状であってもよい。
【0023】
本発明のコネクタは、大口径配管用のコネクタとして、建設機械のラジエータの水系配管やインタークーラー等のエア系の配管に使用することができる。