特許第6043116号(P6043116)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6043116
(24)【登録日】2016年11月18日
(45)【発行日】2016年12月14日
(54)【発明の名称】ティシュペーパー収納体及びその収納箱
(51)【国際特許分類】
   B65D 83/08 20060101AFI20161206BHJP
   A47K 10/16 20060101ALI20161206BHJP
   A47K 10/42 20060101ALI20161206BHJP
   A47K 10/20 20060101ALI20161206BHJP
【FI】
   B65D83/08 A
   B65D83/08 B
   A47K10/16 C
   A47K10/42 A
   A47K10/20 B
【請求項の数】2
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2012-170080(P2012-170080)
(22)【出願日】2012年7月31日
(65)【公開番号】特開2014-28629(P2014-28629A)
(43)【公開日】2014年2月13日
【審査請求日】2015年7月16日
(73)【特許権者】
【識別番号】000183462
【氏名又は名称】日本製紙クレシア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100144048
【弁理士】
【氏名又は名称】坂本 智弘
(74)【代理人】
【識別番号】100126169
【弁理士】
【氏名又は名称】小田 淳子
(74)【代理人】
【識別番号】100130812
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 淳
(72)【発明者】
【氏名】村田 剛
【審査官】 小川 悟史
(56)【参考文献】
【文献】 特開2003−159193(JP,A)
【文献】 特開2010−233973(JP,A)
【文献】 特開2002−249994(JP,A)
【文献】 実開平06−042753(JP,U)
【文献】 特開2011−073743(JP,A)
【文献】 特開2001−159089(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 83/08
A47K 10/16
A47K 10/20
A47K 10/42
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
2枚重ねを1組とするティシュペーパーを積層してポップアップとなるように折りたたんで、160〜200組として略直方体の紙製の収納箱に収納する、ティシュペーパー収納体であって、収納箱の長手方向長さが、225mm〜240mmであり、収納されるティシュペーパーの組数と収納箱の高さの比が、40mm/200組〜47mm/200組であり、収納箱の長手方向長さに対する収納箱の取り出し口長さの比が、65〜71%であり、収納されるティシュペーパー積層体の長手方向長さに対する取り出し口に設けたポリウィンドゥのスリット長の比が、65〜71%であって、
前記ティシュペーパー収納体からティシュペーパーを引き出すときの最初の1組〜10組までの平均引き出し抵抗が、1.1N以下であり、
前記ティシュペーパー収納体に収納されるティシュペーパーの坪量が、10.5g/m〜10.8g/mであり、ISO12625−3によって測定される2枚重ねにおける紙厚が、88μm〜100μmであり、密度が0.21g/cm〜0.24g/cmであることを特徴とするティシュペーパー収納体。
【請求項2】
前記ティシュペーパー積層体の最上面と前記収納箱の上面との距離である、上部空間が2mm〜8mmであることを特徴とする請求項1に記載のティシュペーパー収納体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、紙製収納箱入りティシュペーパー収納体及びその収納箱に関する。さらに詳しくは、ティシュペーパーの積層体が紙製カートンに収納され、シートが連続してポップアップするティシュペーパー収納体及びその収納箱に関する。
【背景技術】
【0002】
ティシュペーパーは、一般的には抄紙機においてクレープ加工が施され、ワインダーにて2枚重ねされた後、折り板式インターフォルダ又はロータリーシリンダー式インターフォルダにて、隣接するシートが交互に会合するようにV字折りに折り込んで積層体とし、この積層体を所定の長さに切断して、紙製カートンに収納してティシュペーパー収納体とされる。
【0003】
この収納形態は、いわゆるポップアップ方式と呼ばれ、収納箱の上部にティシュペーパーの取り出し口とその取り出し口にスリットの入ったポリフィルムを設け、そのスリット口からティシュペーパーを1枚ずつ順次連続的に取り出せるようになっている(以下、前記ポリフィルムをポリウィンドゥと呼ぶ)。
【0004】
収納箱に収納されるティシュペーパー積層体の枚数は、従来2枚重ねで200組(400枚)が主流であったが、近年、ティシュペーパーの用途や特徴を考慮して、200組未満のものや220組のものなどさまざまな組数の製品が上市されている。
【0005】
ティシュペーパーは、もともと顔周りのふき取りを目的とした、鼻かみ、化粧落とし、口拭き、身体の汚れ落としなどの用途に使用されてきていたが、現在では、テーブルの汚れ拭きなどの身の回りの汚れを手軽に拭き取る用途に拡大してきている。
【0006】
ティシュペーパーに要求される品質は、ソフトで肌触りが良く、吸水性があり、使用に耐えうる程度の乾燥強度と湿潤強度などが挙げられる。上記のように用途が多様化するとともに、ティシュペーパーの品質上のセグメント化が進み、汎用的なものから、特に柔らかさに優れた高品質品、さらには肌ケアに特化したローションを表面に塗布したローションティシューなどが販売されている。
【0007】
一般的にティシュペーパーは、5箱を一括包装してひとつの製品として販売され、一般の家庭に広く普及している。そして消費者が購入する時の持ち運びの便利性や流通業者にとっての物流コストの削減のために、ティシュペーパーの収納枚数を維持したまま、収納箱の高さを低くする技術が開示されている。(特許文献1〜3)
また、ティシュペーパー積層体の取り出し性を改善するために、取り出し口の長さやポリフィルムのスリット長、シートの強度を規定する技術も開示されている。(特許文献4)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2001−286414号報
【特許文献2】特開2002−249183号報
【特許文献3】特開2002−249994号報
【特許文献4】特開2002−308352号報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、ティシュペーパーの寸法及び収納枚数を減らさないで、使用に際して支障のない範囲で、可能な限り収納箱の高さや寸法を低減することによって、消費者にとって、収納箱持ち運びのしやすさや使用場面での省スペース化を、流通業者に対しては、物流コストの削減や店頭での陳列効率の向上を図るとともに、さらには、資源の有効活用の観点から、収納箱に使用する資材の削減を図ることを課題とする。また、収納されたティシュペーパーが、最初の1枚から最後の1枚までシートが破れたり、変形することなく、スムースに取り出せるティシュペーパー収納体及びその収納箱を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するため、本発明は、下記(1)〜(5)によって達成される。
【0011】
(1)2枚重ねを1組とするティシュペーパーを積層してポップアップとなるように折りたたんで、160〜200組として略直方体の紙製の収納箱に収納する、ティシュペーパー収納体であって、収納箱の長手方向長さが、225〜240mmであり、収納されるティシュペーパーの組数と収納箱の高さの比が、40mm/200組〜47mm/200組であり、収納箱の長手方向長さに対する収納箱の取り出し口長さの比が、65〜71%であり、収納されるティシュペーパー積層体の長手方向長さに対する取り出し口に設けたポリウィンドゥのスリット長の比が、65〜71%であることを特徴とするティシュペーパー収納体。
【0012】
(2)前記ティシュペーパー収納体からティシュペーパーを引き出すときの最初の1組〜10組までの平均引き出し抵抗が、1.1N以下であることを特徴とする前記(1)に記載のティシュペーパー収納体。
【0013】
(3)前記ティシュペーパー積層体の最上面と前記収納箱の上面との距離である、上部空間が2〜8mmであることを特徴とする前記(1)または(2)に記載のティシュペーパー収納体。
【0014】
(4)前記ティシュペーパー収納体に収納されるティシュペーパーの坪量が、10〜11.5g/mであり、ISO12625−3によって測定される2枚重ねにおける紙厚が、80〜110μmであり、密度が0.2〜0.25g/cmであることを特徴とする前記(1)〜(3)のいずれかに記載のティシュペーパー収納体。
【0015】
(5)前記ティシュペーパー収納体に収納されるティシュペーパーの原料パルプ中に、飲料用紙パック由来の古紙パルプを5〜50重量%含むことを特徴とする前記(1)〜(4)のいずれかに記載のティシュペーパー収納体。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、ティシュペーパーの寸法及び収納枚数を減らさないで、使用に際して支障のない範囲で、可能な限り収納箱の高さや寸法を低減することによって、消費者にとって、収納箱持ち運びのしやすさや使用場面での省スペース化を、流通業者に対しては、物流コストの削減や店頭での陳列効率の向上を図り、さらには、資源の有効活用の観点から、収納箱に使用する資材の削減を図ることができる。また、収納されたティシュペーパーが、最初の1枚から最後の1枚までシートが破れたり、変形することなく、スムースに取り出せるティシュペーパー収納体及びその収納箱を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明に係る収納箱の斜視図である。
図2】本発明の収納箱にティシュペーパー積層体を収納した状態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明を実施するための形態について詳細に説明する。
【0019】
本発明に係るティシュペーパーの原紙は、一般的に抄紙機において、ストックインレットより水で希釈されたパルプ紙料をワイヤー状に噴射して湿紙を形成、その後湿紙はフェルトを介してプレス、脱水され、最後にヤンキードライヤーと呼ばれる大径のドライヤーによって乾燥、シート化される。ヤンキードライヤーにおいて、シートは乾燥とともにクレーピングと呼ばれるしわ付け処理がなされ、柔らかさと嵩が付与され、リールに巻き取られる。クレーピングの程度は、クレープ率で表される。クレープ率は、ヤンキードライヤーとリールの速度差をリールの速度で割った数値を%で表示したもので、ティシュペーパーでは、18〜28%の範囲である。
【0020】
次に、抄紙機から得られた2本のロールを用いて、ワインダーにて2枚重ねにされる。このワインダー工程で、シートの平滑性や紙厚の均一化を図るためにカレンダー処理され、さらに製品幅又はその複数倍幅にスリットされて巻き取られ、2枚重ねのロール(以下、ハードロールと呼ぶ)が出来上がる。ハードロールは、次の折り加工機へ運ばれる。
【0021】
折り加工機は、折り板式インターフォルダ又はロータリーシリンダー式インターフォルダにて行われる。折り板式インターフォルダを例にすると、製品幅にスリットされた多数のハードロールをその流れ方向に折り板を備えたフォールデングパート(折加工部)に導入され、順次V字状に折り込まれながら多層の積層体を形成し、その後流れ方向に所定の長さに裁断されて、ポップアップ式の積層体が形成される。裁断された積層体は、カートナーと呼ばれる箱詰めパートにて収納箱に入れられて、ティシュペーパー収納体となる。最終のティシュペーパーは、収納箱の長辺方向がティシュペーパーの縦方向となり、収納箱の上部にある取り出し口から引き出して使用される。このときの引き出し方向は、ティシュペーパーの横方向となる。
【0022】
本発明は、ティシュペーパーの枚数を減らさずに、収納箱の高さを低くすることをひとつの目的としている。そのためには、できるだけシートの嵩を損なわないで積層体を収納箱に収納しなければならない。前記の折り板式インターフォルダにおいて、積層体の束をプルユニット(プルベルト)と呼ばれる圧縮機構により圧縮加工される。プルユニットは、上下に複数のロールが配置され、上下のロール組にはそれぞれゴムベルト等のベルトが張架され、ロールを回転させて両ベルト間に積層体の束を導入することによって圧縮加工される。その後、前記のとおり積層体の束を所定長さに裁断されて、収納箱に収納される。
【0023】
本発明に係るティシュペーパーの原料パルプとしては、NBKP及びりLBKPを適宜配合して製造することができる。資源の有効利用の観点から、飲料用紙パック由来の良質な古紙パルプ(ミルクカートン古紙パルプ、MSF:Milk Carton Secondary Fiber 以下、MSFという)を5〜50重量%配合することができる。その配合率は、好ましくは10〜40重量%である。50重量%を超えると製品の品質、特に柔らかさに大きく影響するので好ましくない。抄紙に際しては、例えば、分散剤、乾燥紙力増強剤、湿潤紙力増強剤、柔軟剤、ヤンキードライヤーコーティング剤などの薬品を原料パルプに適宜添加することができる。
【0024】
本発明に係るティシュペーパーのシート1枚あたりの坪量は、JIS P81
24に基づいて、10〜11.5g/m2、より好ましくは10〜11g/m2である。坪量が10g/m2未満では、柔らかさの向上の観点からは好ましいものの、使用に耐えうる十分な強度を確保することが困難となる。逆に坪量が11.5g/m2を超えると後述する収納箱に収納しにくくなる。測定は、JIS P 8111に規定された標準条件下で行う。
【0025】
本発明に係るティシュペーパーのJIS P8113に基づく乾燥時の横方向引張り強度(N/25mm)は、0.9N/25mm以上である。0.9N/25mm未満であると取り出し時に、シートが破断しやすくなる。測定は、JIS P 8111に規定された標準条件下で行う。
【0026】
本発明に係るティシュペーパーのISO 12625−3 に基づく2枚重ねにおける紙厚は、80〜110μmである。80μm未満であると適正な強度を確保することが困難となり、110μmを超えると後述する収納箱に入りにくくなる。
ここで、ISO 12625−3は、「ティシュペーパー及びティシュー製品の厚さの測定方法」に関する国際規格であり、圧力子の面積が10.0cm(直径35.7±0.1mm)で、2.0±0.1kPaの圧力下で紙厚を測定する方法である。測定は、JIS P 8111に規定された標準条件下で行う。
【0027】
本発明に係るティシュペーパーの密度は、0.20〜0.25g/cmであることが好ましい。0.2g/cm未満であると、たとえば2枚重ねで200組のティシュペーパーを収納するために、ティシュペーパー積層体に対して過度の圧縮処理が必要であり、そのために取り出し口からティシュペーパーを取り出すときに取り出し抵抗が高くなり、ティシュペーパーが破れてしまう。0.25g/cm を超えると、剛性が高くなり、必要な柔らかさが得られない。
【0028】
次に、本発明に係るティシュペーパー積層体6を収納する収納体1について説明する。
【0029】
本発明に係るティシュペーパー積層体の収納箱2は、紙製で略直方体であり、その上部にはティシュペーパーの取り出し口3とその取り出し口の内側に、ティシュペーパーを衛生的に取り出すために、取り出し口の長手方向に沿って、幅方向のほぼ中央にスリットが施されたポリエチレン製のフィルム4(ポリウィンドゥ)が収納箱の内側に接着剤により接着されている。以下、前記スリットの入ったポリエチレン製フィルムをポリウィンドゥと呼ぶ。
【0030】
折り板式インターフォルダ加工機において、収納箱に収納されるティシュペーパー積層体6は、収納箱の長手方向がティシュペーパーの縦方向となる。よって、収納箱の取り出し口よりティシュペーパーを取り出すときに、取り出すティシュペーパーの方向は横方向となる。
【0031】
本発明に係るティシュペーパー収納体1は、1箱あたり2枚重ねで200組(ティシュペーパー400枚)であることが好ましいが、より好ましくは、160〜200組である。
【0032】
本発明に係るティシュペーパーを収納する収納箱2の寸法について、長手方向長さW2は、225〜240mmが好ましい。225mm未満であると、ティシュペーの幅寸法を減らさなければならない。また、240mm超であると、ティシュペーパー幅に対して長手方向での収納箱との空間が大きくなり、無駄なスペースを発生するとともに、ティシュペーパー積層体が収納箱の中でスネーク状に変形したり、回転するなど品質上の問題が発生する場合がある。
【0033】
収納されるティシュペーパーの組数と収納箱の高さHの比が、40mm/200組〜47mm/200組であり、40mm/200組未満であると2枚重ねで200組を収納するためには、ティシュペーパー積層体を過度に圧縮しなければならないため、ティシュペーパーが硬くなり、取り出し時の抵抗が大きくなりティシュペーパーが破れてしまう。47mm/200組超であると収納箱の大きさが大きくなり省資源化の観点で好ましくなく、収納箱の容積が大きくなるために物流コストが余分にかかってしまう。
【0034】
また、収納箱の取り出し口の長手方向長さW3と収納箱の長手方向長さW2の比、(W3/W2)×100(%)が65〜71%であることが好ましい。65%未満であるとティシュペーパーの取り出し抵抗が高くなり、ティシュペーパーが破れてしまう。71%超であるとティシュペーパーが残り少なくなったときに、取り出し口から飛び出ているティシュペーパーが収納箱の中に落ちてしまう、いわゆるドロップバック現象が起きやすくなり、好ましくない。
【0035】
さらに、ポリウインドウのスリット長W4とティシュペーパー積層体の長手方向長さW5との比、(W4/W5)×100(%)が65〜71%であることが好ましい。65%未満であるとティシュペーパーの長手方向長さに対して、ポリウインドウのスリット長が狭くなるため、ティシュペーパーの取り出し抵抗が高くなり、ティシュペーパーが破れてしまう。71%超であるとティシュペーパーが残り少なくなったときに、取り出し口から飛び出ているティシュペーパーが収納箱の中に落ちてしまう、いわゆるドロップバック現象が起きやすくなり、好ましくない。
【0036】
収納箱2からのティシュペーパーの取り出し性について、収納箱2からティシュペーパーを引き出すときの抵抗値を測定することにより評価することができる。引き出し抵抗は、収納箱2よりティシュペーパーを最初の1組を約30mm引き出し、ティシュペーパーの上部を2枚の20mm幅の発泡ポリエチレンプレートで挟み、挟んだ状態でテンシロン引張り試験機の上部チャックに固定し、
引張り速度1000mm/minでティシュペーパーを引き上げて、収納箱2から引き出すまでにかかる抵抗値の最大値を計測する。2組以降はポップアップされたティシュペーパーの上部について同様な操作を行い計測する。
以上の計測は、JIS P 8111に規定された標準条件下で行う。
本発明に係るティシュペーパーは、最初の1組から10組までの取り出し抵抗値の平均が1.1N以下であることが好ましい。1.1N超であると、ティシュペーパーを取り出すときに破れてしまう。
【0037】
本発明に係るティシュペーパーは、使用前のティシュペーパー積層体6の最上面と収納箱の上面との距離W6を上部空間として定義し、2〜8mmであることが好ましい。2mm未満であると、最初の1組目を取り出す際に、上部空間がほとんどないために取り出しにくく、ティシュペーパーが破れてしまう場合がある。8mm超であると逆に最初の1組がつまみにくいという問題がある。
【実施例】
【0038】
本発明の実施例及び比較例を表1に示し、以下に説明する。
実施例1は、NBKP:20重量%、LBKP:55重量%、MSF:25重量%の原料配合で抄紙し、2枚重ね後200組を、収納箱の寸法が、長手方向長さ:227mm、短手方向長さ:117mm、高さ:45mm、取り出し口の長さ:162mm、ポリウィンドゥのスリット長:156mmの収納箱に収納したものである。
収納後のティシュペーパーの坪量は10.7g/mであった。
【0039】
実施例2は、NBKP:35重量%、LBKP:55重量%、MSF:10重量%の原料配合で抄紙し、2枚重ね後200組を、収納箱の寸法が、取り出し口の長さ:150mm、ポリウィンドゥのスリット長:145mmである以外は実施例1と同じ寸法の収納箱に収納したものである。収納後のティシュペーパーの坪量は10.8g/mであった。
【0040】
実施例3は、LBKP:55重量%、MSF:45重量%の原料配合で抄紙し、2枚重ね後200組を、収納箱の高さが40mmである以外は実施例1と同じ寸法の収納箱に収納したものである。収納後のティシュペーパーの坪量は10.5g/mであった。
【0041】
比較例1は、NBKP:41重量%、LBKP:55重量%、MSF:4重量%の原料配合で抄紙し、2枚重ね後200組を、収納箱の寸法が、長手方向長さ:242mm、高さ:50mm、取り出し口の長さ:171mm、ポリウィンドゥのスリット長:165mmである収納箱に収納したものである。収納後のティシュペーパーの坪量は10.8g/mであった。
【0042】
比較例2は、NBKP:45重量%、LBKP:55重量%の原料配合で抄紙し、2枚重ね後200組を、収納箱の寸法が、高さ:55mm、取り出し口の長さ:189mm、ポリウィンドゥのスリット長:185mmである収納箱に収納したものである。収納後のティシュペーパーの坪量は11.8g/mであった。
【0043】
比較例3は、2枚重ね200組の市販製品で、収納箱の寸法が、高さ:53mm、取り出し口の長さ:168mm、ポリウィンドゥのスリット長:156mmである収納箱に収納したものである。収納後のティシュペーパーの坪量は11.2g/mであった。
【0044】
実施例1〜3は、比較例3に比べて、最初の10組の取り出し性は良好で、ドロップバックの問題はなく、上部空間も最適であった。また、ティシュペーパーの品質は従来と同等であり、資源の有効利用の観点から、MSF原料が利用でき、収納箱の資材の節減を図ることが可能であることを見出した。
【0045】
【表1】
【符号の説明】
【0046】
1 ティシュペーパー収納体
2 ティシュペーパー収納箱
3 取り出し口
4 取り出し口に設けたポリウィンドゥ
5 ポリウィンドゥに設けたスリット
6 ティシュペーパー積層体
W2 ティシュペーパー収納箱の長手方向長さ
W3 取り出し口の長さ
W4 ポリウィンドゥのスリット長
W5 ティシュペーパー積層体の長手方向長さ
W6 上部空間
H 収納箱の高さ
図1
図2