(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6043135
(24)【登録日】2016年11月18日
(45)【発行日】2016年12月14日
(54)【発明の名称】導光板作成方法及び装置及び導光板
(51)【国際特許分類】
F21S 2/00 20160101AFI20161206BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20161206BHJP
【FI】
F21S2/00 435
F21Y115:10
【請求項の数】6
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2012-206624(P2012-206624)
(22)【出願日】2012年9月20日
(65)【公開番号】特開2014-63581(P2014-63581A)
(43)【公開日】2014年4月10日
【審査請求日】2015年7月1日
(73)【特許権者】
【識別番号】307015301
【氏名又は名称】武藤工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100067758
【弁理士】
【氏名又は名称】西島 綾雄
(72)【発明者】
【氏名】阿部 要一
(72)【発明者】
【氏名】中嶋 智雄
【審査官】
杉浦 貴之
(56)【参考文献】
【文献】
特開2011−187300(JP,A)
【文献】
特開2004−247072(JP,A)
【文献】
特開2007−273090(JP,A)
【文献】
特開2010−186679(JP,A)
【文献】
特開2012−160314(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 2/00
F21Y 115/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータに格納された光反射パターンの印字データをインクジェットプリンタに転送し、該インクジェットプリンタによって導光板の印刷面に、光源から導光板の内部に出射された光を乱射させるための反射印刷を施し導光板を作成する方法であって、前記インクジェットプリンタに、着色顔料系の粒子を含む白インクをインク容器に収納した白インク供給部を設け、前記インクジェットプリンタの記録ヘッドに前記インク容器を接続して、記録ヘッドが白インクを吐出できるように成し、前記記録ヘッドから吐出される白インクは、その中に含まれる着色顔料系の粒子の含有量が所望の導光板の色温度に応じて調整され、該着色顔料系の粒子の含有量が調整された白インクを用いて、前記インクジェットプリンタが前記導光板に反射印刷を形成し、該白インクに対応する色温度を備えた導光板を作成するようにしたことを特徴とする導光板作成方法。
【請求項2】
コンピュータに格納された光反射パターンの印字データをインクジェットプリンタに転送し、該インクジェットプリンタによって導光板の印刷面に、光源から導光板の内部に出射された光を乱射させるための反射印刷を施し導光板を作成する方法であって、前記インクジェットプリンタに、着色顔料系の粒子を含む白インクをインク容器に収納した白インク供給部を設け、前記インクジェットプリンタの記録ヘッドに前記インク容器を接続して、記録ヘッドが白インクを吐出できるように成し、前記記録ヘッドから吐出される白インクは、その中に含まれる酸化チタンの粒子径と着色顔料系の粒子の含有量が所望の導光板の色温度に応じて調整され、該酸化チタンの粒子径と着色顔料系の粒子の含有量が調整された白インクを用いて、前記インクジェットプリンタが前記導光板に反射印刷を形成し、該白インクに対応する色温度を備えた導光板を作成するようにしたことを特徴とする導光板作成方法。
【請求項3】
前記着色顔料系の粒子が銅フタロシアニンであることを特徴とする請求項1又は2に記載の導光板作成方法。
【請求項4】
インクジェットプリンタと該プリンタに光反射パターンの印字データを転送するためのコンピュータとから成り、コンピュータに格納された光反射パターンの印字データをインクジェットプリンタに転送し、該インクジェットプリンタによって導光板の印刷面に、光源から導光板の内部に出射された光を乱射させるための反射印刷を施し導光板を作成する装置であって、前記インクジェットプリンタに、着色顔料系の粒子を含む白インクをインク容器に収納した白インク供給部を設け、前記インクジェットプリンタの記録ヘッドに前記インク容器を接続して、記録ヘッドが白インクを吐出できるように成し、前記記録ヘッドから吐出される白インクは、その中に含まれる着色顔料系の粒子の含有量が所望の導光板の色温度に応じて調整され、該着色顔料系の粒子の含有量が調整された白インクを用いて、前記インクジェットプリンタが前記導光板に反射印刷を形成して、該白インクに対応する色温度を備えた導光板を作成するようにしたことを特徴とする導光板作成装置。
【請求項5】
インクジェットプリンタと該プリンタに光反射パターンの印字データを転送するためのコンピュータとから成り、コンピュータに格納された光反射パターンの印字データをインクジェットプリンタに転送し、該インクジェットプリンタによって導光板の印刷面に、光源から導光板の内部に出射された光を乱射させるための反射印刷を施し導光板を作成する装置であって、前記インクジェットプリンタに、着色顔料系の粒子を含む白インクをインク容器に収納した白インク供給部を設け、前記インクジェットプリンタの記録ヘッドに前記インク容器を接続して、記録ヘッドが白インクを吐出できるように成し、前記記録ヘッドから吐出される白インクは、その中に含まれる酸化チタンの粒子径と着色顔料系の粒子の含有量が所望の導光板の色温度に応じて調整され、該酸化チタンの粒子径と着色顔料系の粒子の含有量が調整された白インクを用いて、前記インクジェットプリンタが前記導光板に反射印刷を形成して、該白インクに対応する色温度を備えた導光板を作成するようにしたことを特徴とする導光板作成装置。
【請求項6】
前記着色顔料系の粒子が銅フタロシアニンであることを特徴とする請求項4又は5に記載の導光板作成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は側面から入れた光を拡散させ、表面に均一の光を出す導光板の作成方法及び装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
表面を照明光照射面とし、裏面にインクジェットプリンタで白インク一色だけで多数個の印刷ドットにより反射印刷面を形成して導光板を製作する方法が従来知られている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平9−68614号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
裏面にインクジェットプリンタにより白インクを用いて反射印刷面が形成された導光板は、照明やバックライト用など種々の用途に使用されている。この種の導光板において、発光面の色温度は、光源、白インクの成分などによって決定される。導光板に特定の色温度が要求される場合、導光板の色温度を所望の色温度とすること及びそれに加えて、所望の色味を出すことは容易ではなかった。
本発明は上記問題点を解決することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するため、本発明は、コンピュータに格納された光反射パターンの印字データをインクジェットプリンタに転送し、該インクジェットプリンタによって導光板の印刷面に、光源から導光板の内部に出射された光を乱射させるための反射印刷を施し導光板を作成する方法であって、前記インクジェットプリンタに、着色顔料系の粒子を含む白インクをインク容器に収納した白インク供給部を設け、前記インクジェットプリンタの記録ヘッドに前記インク容器を接続して、記録ヘッドが白インクを吐出できるように成し、該白インクは、その中に含まれる着色顔料系の粒子の含有量を所望の導光板の色温度に応じて調整し、該着色顔料系の粒子の含有量を調整した白インクを用いて、前記インクジェットプリンタが前記導光板に反射印刷を形成し、該白インクに対応する色温度を備えた導光板を作成するようにしたことを特徴とする。
また本発明は、コンピュータに格納された光反射パターンの印字データをインクジェットプリンタに転送し、該インクジェットプリンタによって導光板の印刷面に、光源から導光板の内部に出射された光を乱射させるための反射印刷を施し導光板を作成する方法であって、前記インクジェットプリンタに、着色顔料系の粒子を含む白インクをインク容器に収納した白インク供給部を設け、前記インクジェットプリンタの記録ヘッドに前記インク容器を接続して、記録ヘッドが白インクを吐出できるように成し、該白インクは、その中に含まれる酸化チタンの粒子径と着色顔料系の粒子の含有量を所望の導光板の色温度に応じて調整し、該酸化チタンの粒子径と着色顔料系の粒子の含有量を調整した白インクを用いて、前記インクジェットプリンタが前記導光板に反射印刷を形成し、該白インクに対応する色温度を備えた導光板を作成するようにしたことを特徴とする。
また本発明は、前記着色顔料系の粒子が銅フタロシアニンであることを特徴とする。
また本発明は、インクジェットプリンタと該プリンタに光反射パターンの印字データを転送するためのコンピュータとから成り、コンピュータに格納された光反射パターンの印字データをインクジェットプリンタに転送し、該インクジェットプリンタによって導光板の印刷面に、光源から導光板の内部に出射された光を乱射させるための反射印刷を施し導光板を作成する装置であって、前記インクジェットプリンタに、着色顔料系の粒子を含む白インクをインク容器に収納した白インク供給部を設け、前記インクジェットプリンタの記録ヘッドに前記インク容器を接続して、記録ヘッドが白インクを吐出できるように成し、該白インクは、その中に含まれる着色顔料系の粒子の含有量を所望の導光板の色温度に応じて調整し、該着色顔料系の粒子の含有量を調整した白インクを用いて、前記インクジェットプリンタが前記導光板に反射印刷を形成して、該白インクに対応する色温度を備えた導光板を作成するようにしたことを特徴とする。
また本発明は、インクジェットプリンタと該プリンタに光反射パターンの印字データを転送するためのコンピュータとから成り、コンピュータに格納された光反射パターンの印字データをインクジェットプリンタに転送し、該インクジェットプリンタによって導光板の印刷面に、光源から導光板の内部に出射された光を乱射させるための反射印刷を施し導光板を作成する装置であって、前記インクジェットプリンタに、着色顔料系の粒子を含む白インクをインク容器に収納した白インク供給部を設け、前記インクジェットプリンタの記録ヘッドに前記インク容器を接続して、記録ヘッドが白インクを吐出できるように成し、該白インクは、その中に含まれる酸化チタンの粒子径と着色顔料系の粒子の含有量を所望の導光板の色温度に応じて調整し、該酸化チタンの粒子径と着色顔料系の粒子の含有量を調整した白インクを用いて、前記インクジェットプリンタが前記導光板に反射印刷を形成して、該白インクに対応する色温度を備えた導光板を作成するようにしたものである。
【発明の効果】
【0006】
本発明は、所望の色温度及び色味を有する導光板を高精度に作成することができる。また白インクにシアン、マゼンタ、イエローなどの着色顔料を添加しての対応により、色温度及び色味を大きく変更することも可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図15】本発明の動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下に本発明の構成を添付した図面を参照して詳細に説明する。
図2及び4は、インクジェットプリンタ2と、該プリンタ2のコントローラに入出力インターフェイスを介して接続するパーソナルコンピュータなどのコンピュータ4とからなる導光板印字装置の概略図を示している。導光板6は
図9に示すように、発光面6aに対して裏側の印刷面6bを上にしてボード状の搬送補助部材8の嵌合凹部50に保持された状態で
図11に示すメディア駆動機構58により、搬送テーブル48側からプラテン10上に搬送される。このプラテン10上の導光板6に対して、その搬送方向とは直角な主走査方向にインクジェット記録ヘッドを備えた印字部50がノズルからインクを吐出しながら移動し、コンピュータ4からインクジェットプリンタ2のコントローラに転送される印字データが、該コントローラに格納されたソフトウェアの制御により導光板6の印刷面6b上に印字される。印字の終わった導光板6はガイド11の上に配置された搬送テーブル46上に搬送される。
【0009】
プラテン10上には、横レール52が架設され、該横レール52にキャリッジ12が移動自在に連結している。このキャリッジ12には
図6に示すように、複数個のインクジェット記録ヘッド14,16,18,20が保持されている。各記録ヘッド14,16,18,20は、インクを吐出する多数個のノズル22を備えている。各ヘッド14,16,18,20は、
図6(A)に示すように、それぞれプリンタ2の機体24に配設されたインク容器26,28,30,32を備えた白インク供給部56の各インク容器にチューブなどのインク供給手段を介して連通している。
【0010】
複数個の記録ヘッド14,16,18,20は、
図6(B)に示すように横レール52に沿った主走査方向Mに互いの印字領域が重なるように並列配置されている。コンピュータ4の記憶装置には、光反射パターンの印字データ作成用のソフトウエア(印字プログラム)が格納されるとともに、
図3に示す、データテーブル34が設けられている。このデータテーブル34は複数種類そろえた白インクを、個々または組み合わせて導光板に印字を行うことにより、多種の色温度の導光板の作成ができるようにするために、色温度とインクとの組み合わせをあらかじめ設定したものであり、このデータテーブル34を使用することにより、簡単に多種の色温度の導光板を作成することができるものである。コンピュータに格納された印字制御用のソフトウエアではデータテーブル34の作成、修正などを行うことができる。
作成された導光板6は、
図9に示すように、透明なアクリル板の印刷面6bの平面部分に反射ドットまたは反射グラデュエーション(曇りガラスのような細かいドット)を印刷したものであり、導光板6の厚み部分に冷陰極管やLEDなどの発光体から成る光源54を配置することにより、発光面6aの平面全体が発光しているように見せるものである。
【0011】
データテーブル34は、3種類の色温度の違う白インク1,2,3と白インク4(着色)を用意した場合の例を示している。酸化チタンを用いた白インクを使用する場合にはインク中の酸化チタンの粒子径の分布により、色温度の違う白インク1,2,3を用意し、粒子径の分布のばらつきを変更すると反射光に差が出て色温度に差が出る。また白インク4(着色)を使用するとそれ以上の変更もできる。
【0012】
[白インクと色温度について]
白インクは酸化チタンをインクの顔料としている。酸化チタンの粒子は粒子径の2倍の波長の光をもっとも強く反射する性質があり、白インクとしての理想は酸化チタンの粒子径の分布が、
図12に示すように、200nm−400nmで均一に存在することである。その場合、粒子径200nm−400nmの2倍の波長の光400nm−800nm(可視光)を均一に反射する白色になる。しかし実際の白インクでは、粒子径の分布が、200nm−400nmで均一に存在することは稀であり、
(1)粒子径200nmに多く存在する場合(
図13参照)、400nmの光(短波長)を強く反射する白インク、色温度が高く青みがかった白色のインクになる。
(2)粒子径400nmに多く存在する場合(
図14参照)、800nmの光(長波長)を強く反射する白インク、色温度が低く赤くまたは、黄、緑色かかった白インクになる。
色温度の調整においては、これらの色温度の異なる(酸化チタンの分布が異なる)白インクの組み合わせによって、所望の色温度=所望の酸化チタン分布=所望の光の波長域、の導光板を作成する。
【0013】
図12−
図14はインク中の酸化チタンの粒子径の分布イメージ図であり、横軸は粒子径を示し、縦軸は分布の度合いを示している。
図12は、理想的な白インク中の酸化チタン粒子の分布を示し、
図13−
図14は、実際の白インク中の酸化チタン粒子の分布を示している。
図3において、光源は同じ場合で、図
3に示すAの印字条件で印字した場合の導光板の色温度が4500Kだとすると、Bの条件で印字した場合は、5000K、Cの条件で印字した場合は5500K、であるが、組み合わせれば、Dの条件だと4500K〜5000Kの間、Eの条件だと5000K〜5500Kの間の色温度が得られるようになる。
なお、
図13−14に限らず、例えばある大きさの粒子径を50%にしたり、90%にしたりしても良い。
図5は導光板の光反射パターンを示したものであり、均一に反射させるために光反射パターンは光源から遠くなるにつれて面積が大きくなるようにしている。パターンは面積を大きくする以外に同じ面積のものの密度を濃くして印字しても良く、必要に応じて組み合わせても良い。また、非常に解像度の高い印刷モードによるグラデーションパターンの印刷を行っても良い。
【0014】
図
6,7は、インクジェット記録ヘッドの印字動作の説明図であり、記録ヘッド14は、データテーブル34に記載された白インク1の入ったインク容器26に連通し、記録ヘッド16は、白インク2の入ったインク容器28に連通し、記録ヘッド18は白インク3の入ったインク容器30に連通し、記録ヘッド20は白インク4の入ったインク容器32に連通している。白インク1,2,3は互いにインク中の酸化チタンの粒子径の分布を異にし、それによってインクの色温度を異にしている。
図7(A)(B)は、
図3のデータテーブル34に示す、条件Bの印字動作を示している。
図7(A)において、記録ヘッド16のノズルから白インク2の、通常の量のインクドット36が吐出され、導光板6に、白インク2が100%のインクドット36が1ドット分形成された状態を示している。即ち白インク2だけ使用して全面を印字していることになる。
【0015】
図8(A)(B)(C)は、
図3のデータテーブル34に示す印字条件Eの印字動作を示している。
図8において、記録ヘッド16のノズルから、白インク2の、通常の量の半分のインクドット38が吐出され、導光板6に印字される。次に、記録ヘッド18から、白インク3の、通常の量の半分のインクドット38が先に印字された白インク2のインクドット38上に吐出され、2つのインクドット38,38が重ねて1ドット分印字される。この重ねて印字された1ドット分の印字40は、白インク2が50%、白インク3が50%となる。即ち白インク2、白インク3を組合わせて全面を印字している。このインクの吐出制御はヘッド駆動用の印字用波形や駆動電圧を複数用意し、必要な駆動波形や駆動電圧を選択して使用することにより印字される。
【0016】
本実施形態では、使用される白インク4にはシアンの顔料(銅フタロシアニン)や他の着色顔料が微量に添加され、インクの色温度の調整を行っている。これにより、所望の色温度に加えて所望の色味即ち所望の光の波長を得ている。銅フタロシアニンや、他の顔料の添加の量は、
図1に示すインクによる色座標の遷移グラフを参照し、実験的に適量を選択することでインクの色温度をコントロールしている。
図1において、Aは平均酸化チタン粒子径300nmのインクで作った導光板の色座標、Bは平均酸化チタン粒子径200nmのインクで作った導光板の色座標、Cは平均酸化チタン粒子径300nmのインクに青(シアン)の顔料を混ぜたインクで作った導光板の色座標をそれぞれ示している。白インク4は、平均酸化チタン粒子径の異なるものや、シアンの顔料(銅フタロシアニン)の添加の割合が違うものや、色の違うものなど、シアン、マゼンタ、イエローなど複数種類用意しても良い。
【0017】
平均酸化チタン粒子径の違いによるグラデーションの導光板色温度の遷移は400K程度で、輝度はほとんど変わらない。
図1においてAは黒体放射上にあるが、ずれることがある。これは、光源であるLEDの色座標に依存する。粒子径、顔料により色座標が遷移する方向は同じである。シアンの顔料(銅フタロシアニン)による色座標の遷移は顔料の割合による。1%程度でも1000K程度動くことがある。遷移する大きさは光源であるLEDの色座標に依存する。もともとのLEDの色温度が高い(=青い)と粒子径、顔料で遷移する大きさは小さくなり、大きく遷移させた場合、輝度が下がる。
【0018】
次に
図15のフローチャートを参照して導光板の印刷面に反射印刷を施す工程を説明する。
まず、オペレータは、ステップ1で、導光板の反射パターンを作成するためのソフトウエアを用いて、コンピュータ4上に反射面用印字データ42を作成する。この印字データ42は、コンピュータ4のディスプレイ44に表示される。また、このディスプレイ44には、白インクの使用条件A,B,C,D,E,Fを示すデータ入力用の表示48が表示される。この表示48の使用条件A,B,C,D,E,Fはデータテーブル34に対応している。
【0019】
次にオペレータは、ステップ2でコンピュータ4のディスプレイ44の表示48を参照して、使用条件を選択し、マウスなどの入力手段を用いて、条件選択ボタン表示46をクリックしてコンピュータ4に使用条件即ち印字条件を入力する。コンピュータは選択された条件によりデータテーブル34を参照して、ステップ3で、使用する白インク1,2,3,4を決定する。コンピュータ4は、ステップ4で白インク1,2,3を使用するモードを選択し、あるいはステップ5で白インク4(着色)を使用するモードを選択する。ステップ6で、コンピュータ4の画面から印刷ボタン50を実行するとコンピュータ4からプリンタ2に印字データが転送され(ステップ7)、その後プリンタ2にてデータの処理がされた後に(ステップ8)、記録ヘッドが主走査方向に駆動されて導光板6に選択された印字条件の白インクまたは白インク4(着色)にて印字がされる(ステップ9)。
【0020】
また、データテーブル34はプリンタ2のコントローラに搭載されたメモリに設けても良く、その場合には印字条件をプリンタ2側にて最初に設定しておき、コンピュータ4から印字データだけ転送するようにすれば良い。尚、上記実施形態では、記録ヘッドが主走査方向に移動するシリアルプリンタにて記録ヘッドを並列配置した構造で説明をしているが、記録ヘッドをノズル列の縦方向に並べても良く、また、導光板の幅よりも長いラインヘッドを用いて導光板の搬送方向に対して直角方向に並べる構造にしても良い。また、プリンタは導光板をプラテン上に固定しておき、記録ヘッドが移動する構造を用いても良い。また、本実施形態では、複数種類の白インクを種類ごとにインク容器に収納しているが、特にこの構成に限定されるものではなく、1種類の白インク4をインク容器に収納した構成でも良い。
【符号の説明】
【0021】
2 インクジェットプリンタ
4 コンピュータ
6 導光板
8 搬送補助部材
10 プラテン
12 キャリッジ
14 記録ヘッド
16 記録ヘッド
18 記録ヘッド
20 記録ヘッド
22 ノズル
24 機体
26 インク容器
28 インク容器
30 インク容器
32 インク容器
34 データテーブル
36 インクドット
38 インクドット
40 インクドット
42 印字データ
44 ディスプレイ
46 搬送テーブル
48 搬送テーブル
50 印字部
52 横レール
54 光源
56 白インク供給部
58 メディア駆動機構