(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
透明基板と、この透明基板の少なくとも一方の面に、前記透明基板側から順に、接着層と高屈折率層と低屈折率層とパターン化された透明導電層とを有する透明導電性シートであって、
前記透明基板の屈折率をn0、前記接着層の屈折率をn1としたとき、n0<n1の関係を満たし、前記接着層の厚みd1が50〜150nmであり、高屈折率層の厚みd2が20〜120nmである透明導電性シート。
高屈折率層の屈折率をn2、低屈折率層の屈折率をn3、透明導電層の屈折率をn4としたとき、n3<n0<n1<n2<n4である請求項1記載の透明導電性シート。
透明基板の屈折率n0が1.4〜1.71であり、接着層の屈折率n1が1.45〜1.72であり、高屈折率層の屈折率n2が1.6〜2であり、低屈折率層の屈折率n3が1.3〜1.7であり、透明導電層の屈折率n4が1.75〜2.1である請求項1〜3のいずれかに記載の透明導電性シート。
透明基板が、ポリエステル、アクリル樹脂及び環状ポリオレフィンから選択された少なくとも一種を含むプラスチックフィルムである請求項1〜4のいずれかに記載の透明導電性シート。
透明基板が2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムであり、接着層の屈折率n1が1.66〜1.72、厚みd1が70〜120nmであり、高屈折率層の屈折率n2が1.75〜1.9、厚みd2が30〜70nmであり、低屈折率層の屈折率n3が1.38〜1.5、厚みd3が10〜30nmである請求項1〜4のいずれかに記載の透明導電性シート。
透明基板が環状ポリオレフィンフィルムであり、接着層の屈折率n1が1.54〜1.6、厚みd1が70〜110nmであり、高屈折率層の屈折率n2が1.7〜1.85、厚みd2が50〜100nmであり、低屈折率層の屈折率n3が1.42〜1.7、厚みd3が10〜30nmである請求項1〜4のいずれかに記載の透明導電性シート。
透明基板がアクリル樹脂フィルムであり、接着層の屈折率n1が1.5〜1.56、厚みd1が70〜110nmであり、高屈折率層の屈折率n2が1.68〜1.83、厚みd2が50〜100nmであり、低屈折率層の屈折率n3が1.42〜1.7、厚みd3が10〜30nmである請求項1〜4のいずれかに記載の透明導電性シート。
【背景技術】
【0002】
タッチパネル(座標入力装置)をディスプレイと一体化した表示装置が、ATM(現金自動受払機)、商品管理、案内表示、娯楽機器、モバイル機器などで広く使用されている。タッチパネルは、位置検出の方法により、光学方式、超音波方式、静電容量方式、抵抗膜方式などに分類できる。これらの方式のうち、機能性に優れる点から、ITOグリッド方式を採用する静電容量方式タッチパネルが、タブレット端末、スマートフォンなどで採用されて脚光を浴びている。
【0003】
ITOグリッド方式では、透明基板の上にパターン化されたITO(酸化インジウム−酸化錫系複合酸化物)膜が形成されている。ITO膜は透明基板に比べて屈折率が高いため、パターン部及び非パターン部で光透過性に差が発生し、近年の精細な表示装置では、ITO膜によるパターンの映り込みが生じ、視認性を低下させる。このようなパターンの映り込みを防止するため、種々の透明導電性フィルムが提案されている。
【0004】
例えば、特許第4661995号公報(特許文献1)には、透明プラスチックフィルムからなる基材上に、高屈折率層、低屈折率層及び透明導電性薄膜層をこの順に積層した積層フィルムであって、高屈折率層の屈折率が1.70〜2.50、膜厚が4〜20nmであり、低屈折率層の屈折率が1.30〜1.60、膜厚が20〜50nmであり、透明導電性薄膜層は、所定のインジウム−スズ複合酸化物薄膜からなる透明導電性積層フィルムが開示されている。この文献には、高屈折率層との密着性、耐薬品性、オリゴマーなどの低分子量物の析出防止の点から、基材には硬化物層を設けてもよいことが記載されており、硬化物層の厚みが0.1〜15μm程度であることも記載されている。しかし、この文献には、硬化物層の屈折率について何ら記載されていない。
【0005】
特開2011−134482号公報(特許文献2)には、表面のパターン部が、透明基材フィルムの表面から順に、ハードコート層、高屈折率層、低屈折率層、ITO層が積層されており、表面の非パターン部が、透明基材フィルムの表面から順に、ハードコート層、高屈折率層が積層されており、裏面に機能層が形成されてなるエッチング加工された透明導電性フィルムが開示されている。この文献の実施例では、ハードコート層用塗液を、乾燥膜厚が4μmになるように塗布した例が記載されている。しかし、この文献には、ハードコート層の屈折率について何ら記載されていない。
【0006】
特開2011−194679号公報(特許文献3)には、透明基材の一方の面又は両方の面に、金属酸化物層、酸化ケイ素層及び酸化インジウム・スズ層、粘着剤層を透明基材側から順に設けてなる透明導電性積層体であって、酸化インジウム・スズ層が導電性パターン領域及び非導電性パターン領域からなり、金属酸化物層の屈折率が1.7〜2.6であり、光学膜厚が12〜35nmであり、酸化ケイ素層の屈折率が1.3〜1.5であり、光学膜厚が70〜110nmであり、酸化インジウム・スズ層の光学膜厚が30〜65nmであり、粘着剤層が所定の厚みである透明導電性積層体が開示されている。この文献には、透明基材と金属酸化物層との間にハードコート層を挿入できることが記載されている。
【0007】
しかし、特許文献1〜3の透明導電性フィルムは、パターンの映り込みを有効に防止できず、視認性が十分ではない。
【0008】
なお、波長550nmの入射光の反射率が低減された透明導電性フィルムとして、特開2010−27567号公報(特許文献4)には、透明フィルム基材の一方の面に、透明フィルム基材の側から第1透明誘電体層、第2透明誘電体層、第3透明誘電体層及び透明導電層がこの順に形成されている透明導電性フィルムであって、透明フィルム基材の屈折率をnf、第1透明誘電体層の屈折率をn1、第2透明誘電体層の屈折率をn2、第3透明誘電体層の屈折率をn3、透明導電層の屈折率をn4としたとき、n3≦n1<nf<n4<n2の関係を満たし、第1透明誘電体層の厚みが110〜400nmであり、第2透明誘電体層の厚みが15〜65nmであり、第3透明誘電体層の厚みが40〜100nmであり、透明導電層の厚みが15〜30nmである透明導電性フィルムが開示されている。しかし、この文献には、パターンの映り込み性について何ら記載されていない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
従って、本発明の目的は、パターンの映り込みを有効に防止できる透明導電性シート及びそれを備えたタッチパネルを提供することにある。
【0011】
本発明の他の目的は、表面抵抗が小さい透明導電性シート及びそれを備えたタッチパネルを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明者らは、前記課題を達成するため鋭意検討した結果、透明基板(又は透明基材)の少なくとも一方の面に、接着層(第1の光学調整層、光学接着層)、高屈折率層(第2の光学調整層)、低屈折率層(第3の光学調整層)、パターン化された透明導電層をこの順に有する透明導電性シートにおいて、透明基板の屈折率n0よりも接着層の屈折率n1を大きくすると、パターンの映り込みを抑制でき、視認性を向上できることを見いだし、本発明を完成した。
【0013】
より詳細には、特許文献4に記載のように、通常、透明基板としてポリエチレンテレフタレートフィルムが利用されるが、透明基板に第1に接するのは易接着層であり、易接着層としては屈折率がポリエチレンテレフタレートフィルムより小さい1.60近辺のものが用いられている。このように、n1<n0から出発して好適な層構成を見出すのではなく、本発明では、敢えてn1>n0から出発して層構成を検討した結果、性能的にもコスト的にもパターンの映り込みに対して好適な層構成を見いだした。
【0014】
すなわち、本発明の透明導電性シートは、透明基板(又は透明基材)と、この透明基板の少なくとも一方の面に、前記透明基板側から順に、接着層(第1の光学調整層、光学接着層)と、高屈折率層(第2の光学調整層)と、低屈折率層(第3の光学調整層)と、パターン化された透明導電層とを有する。透明基板の屈折率をn0、接着層の屈折率をn1としたとき、n0<n1の関係を満たす。
【0015】
高屈折率層の屈折率をn2、低屈折率層の屈折率をn3、透明導電層の屈折率をn4としたとき、n3<n0<n1<n2<n4の関係を満たしていてもよい。本発明では特許文献4(n3≦n1<n0<n4<n2)のように透明導電層の屈折率n4よりも高屈折率層の屈折率n2を大きくする必要がないため、高価な無機酸化物層をスパッタリングのような高コストの方法で形成する必要がなく、安価な有機薄膜や有機薄膜にごく微量の屈折率向上剤を添加した層を用いることができ、コスト的にも性能的にも優れている。
【0016】
透明基板の屈折率n0は1.4〜1.71程度、接着層の屈折率n1は1.45〜1.72程度、高屈折率層の屈折率n2は1.6〜2程度、低屈折率層の屈折率n3は1.3〜1.7程度、透明導電層の屈折率n4は1.75〜2.1程度であってもよい。
【0017】
接着層の厚みd1は50〜150nm程度、高屈折率層の厚みd2は20〜120nm程度、低屈折率層の厚みd3は10〜30nm程度、透明導電層の厚みd4は10〜30nm程度であってもよい。
【0018】
透明基板は、ポリエステル、アクリル樹脂及び環状ポリオレフィンから選択された少なくとも一種を含むプラスチックフィルムであってもよい。
【0019】
透明基板の種類と、接着層、高屈折率層、低屈折率層の屈折率及び厚みとの組み合わせとしては、代表的には下記(1)〜(3)の組み合わせが挙げられる。
(1)透明基板が2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムであり、接着層の屈折率n1が1.66〜1.72、厚みd1が70〜120nmであり、高屈折率層の屈折率n2が1.75〜1.9、厚みd2が30〜70nmであり、低屈折率層の屈折率n3が1.38〜1.5、厚みd3が10〜30nmである組み合わせ
(2)透明基板が環状ポリオレフィンフィルムであり、接着層の屈折率n1が1.54〜1.6、厚みd1が70〜110nmであり、高屈折率層の屈折率n2が1.7〜1.85、厚みd2が50〜100nmであり、低屈折率層の屈折率n3が1.42〜1.7、厚みd3が10〜30nmである組み合わせ
(3)透明基板がアクリル樹脂フィルムであり、接着層の屈折率n1が1.5〜1.56、厚みd1が70〜110nmであり、高屈折率層の屈折率n2が1.68〜1.83、厚みd2が50〜100nmであり、低屈折率層の屈折率n3が1.42〜1.7、厚みd3が10〜30nmである組み合わせ。
【0020】
本発明は、上記透明導電性シートを電極板として備えたタッチパネルを包含する。
【発明の効果】
【0021】
本発明では、透明基板の少なくとも一方の面が、接着層、高屈折率層、低屈折率層、パターン化された透明導電層をこの順に備えており、接着層が特定の屈折率及び厚みを有するため、パターンの映り込みを有効に防止できる。また、本発明では、他の層の屈折率や厚みを調整することにより、更に視認性を向上できる。本発明では、表面抵抗を低減でき、大画面の表示装置(タッチパネル付き表示装置など)の用途にも適している。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明の透明導電性シートは、透明基板(又は透明基材)と、この透明基板の少なくとも一方の面に、透明基板側から順に、接着層(第1の光学調整層、光学接着層)と高屈折率層(第2の光学調整層)と低屈折率層(第3の光学調整層)とパターン化された透明導電層とを備えている。換言すれば、透明導電性シートは、透明基板の少なくとも一方の面にパターン部と非パターン部とを有しており、パターン部は、透明基板側から順に、接着層と高屈折率層と低屈折率層と透明導電層とを有しており、非パターン部は、透明基板側から順に、接着層と高屈折率層と低屈折率層とを有している。
【0023】
(透明基板)
透明基板(又は透明基材)は、例えば、強度の点から、ガラス板であってもよいが、可撓性及び軽量性の点から、プラスチックフィルムであるのが好ましい。前記フィルムを構成するプラスチックとしては、例えば、アクリル樹脂(ポリメタクリル酸メチルなど)、ビニルアルコール樹脂(ポリビニルアルコール、エチレン−ビニルアルコール共重合体など)、環状ポリオレフィン(ノルボルネン類の共重合体など)、脂肪族又は芳香族ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)などのポリC
2−4アルキレンC
6−10アリレートなど)、ポリカーボネート、脂肪族ポリアミド、セルロースアシレート(セルロースアセテート、セルロースアセテートプロピオネートなど)、これらの組み合わせなどが例示できる。前記プラスチックのうち、ポリエステル、アクリル樹脂及び環状ポリオレフィンから選択された少なくとも一種が汎用される。前記フィルムは、必要に応じて、添加剤、例えば、安定化剤(酸化防止剤、紫外線吸収剤、耐光安定剤、耐熱安定剤など)、結晶核剤、可塑剤、帯電防止剤などを含んでいてもよい。前記フィルムは、一軸又は二軸延伸フィルムであってもよい。
【0024】
透明基板の屈折率n0は、1.4〜1.71程度の範囲から選択でき、例えば、1.4〜1.7、好ましくは1.45〜1.68(例えば、1.5〜1.66)程度である。
【0025】
透明基板の厚みは、例えば、50〜1000μm、好ましくは70〜500μm、さらに好ましくは100〜200μm程度である。
【0026】
(接着層)
接着層(第1の光学調整層、光学接着層)は、透明基板と高屈折率層とを接着するための機能を有している。市販の透明基板(PETフィルムなど)には易接着層を備えている場合があるが、このような易接着層はパターンの可視性を低減することが困難である。本発明では、下記のように屈折率及び厚みを最適化しているため、パターンの可視性を顕著に低減できる。
【0027】
接着層の屈折率n1は、透明基板の屈折率n0よりも大きいことを特色としている。屈折率n1は、透明基板の種類にもよるが、1.45〜1.72程度の範囲から選択でき、例えば、1.48〜1.72、好ましくは1.5〜1.71程度である。屈折率n1と屈折率n0との差(n1−n0)は、例えば、0.1以下、好ましくは0.005〜0.08、さらに好ましくは0.007〜0.07(例えば、0.01〜0.05)程度である。
【0028】
接着層の厚みd1は、50〜150nmの範囲から選択でき、例えば、55〜145nm、好ましくは60〜140nm程度である。厚みが小さすぎても、逆に大きすぎてもパターンの映り込みを防止するのが困難になる。
【0029】
接着層は、上記屈折率及び厚みを有する限り特に制限されず、例えば、硬化性樹脂及び熱可塑性ポリマーを含む硬化性組成物の硬化物で構成してもよい。
【0030】
硬化性樹脂(モノマー、オリゴマー又はプレポリマー)としては、熱線や活性エネルギー線(紫外線や電子線など)などにより硬化又は架橋可能である限り特に制限されない。硬化性樹脂(光硬化性樹脂など)は、通常、重合性基(ビニル基、アリル基、(メタ)アクリロイル基など)を有している。
【0031】
モノマーとしては、単官能モノマー[例えば、アルキル(メタ)アクリレート、シクロアルキル(メタ)アクリレート、橋架環式(メタ)アクリレート(イソボルニル(メタ)アクリレートなど)、グリシジル(メタ)アクリレート、ビニルエステル(酢酸ビニルなど)、ビニルピロリドンなど]、2官能モノマー[例えば、アリル(メタ)アクリレート、アルキレングリコールジ(メタ)アクリレート(エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレートなどのC
2−6アルキレングリコールジ(メタ)アクリレートなど)、ポリアルキレングリコールジ(メタ)アクリレート(ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリオキシテトラメチレングリコールジ(メタ)アクリレートなどのポリC
2−6アルキレングリコールジ(メタ)アクリレートなど)、橋架環式ジ(メタ)アクリレート(トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレートなど)など]、3個以上の重合性基を有する多官能モノマー[3価以上の多価アルコール又はそのC
2−4アルキレンオキシド付加体と(メタ)アクリル酸とのエステル化物、例えば、グリセリントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ乃至テトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ乃至ヘキサ(メタ)アクリレートなど]が例示できる。
【0032】
重合性基を有するオリゴマーとしては、エポキシ(メタ)アクリレート(ビスフェノールA型エポキシ(メタ)アクリレート、ノボラック型エポキシ(メタ)アクリレートなど)、ポリエーテル(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート(脂肪族ポリエステル型(メタ)アクリレート、芳香族ポリエステル型(メタ)アクリレートなど)、ウレタン(メタ)アクリレート(ポリエステル型ウレタン(メタ)アクリレート、ポリエーテル型ウレタン(メタ)アクリレートなど)、シリコーン(メタ)アクリレートなどが例示できる。
【0033】
硬化性樹脂は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。硬化性樹脂は、少なくとも3官能以上の(メタ)アクリレート(例えば、ジペンタエリスリトールペンタ乃至ヘキサ(メタ)アクリレートなどの4〜8官能(メタ)アクリレート)を含んでいるのが好ましい。また、硬化性樹脂は、5〜7官能(メタ)アクリレートと、2〜4官能(メタ)アクリレート(ペンタエリスリトールトリ乃至テトラ(メタ)アクリレートなど)との組み合わせも好ましい。2〜4官能(メタ)アクリレートと5〜7官能(メタ)アクリレートとの重量割合は、例えば、前者/後者=100/0〜10/90、好ましくは99/1〜30/70、さらに好ましくは90/10〜50/50程度である。
【0034】
硬化性樹脂の分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)において、ポリスチレン換算で、例えば、5000以下(例えば、100〜5000)、好ましくは2000以下(例えば、150〜2000)、さらに好ましくは1000以下(例えば、200〜1000)程度である。
【0035】
熱可塑性ポリマーとしては、アクリル樹脂、ビニルエステル樹脂、ビニルエーテル樹脂、フッ素樹脂、ポリオレフィン(脂環式ポリオレフィンを含む)、ポリスチレン、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリウレタン、ポリスルホン、ポリフェニレンエーテル、セルロース誘導体、シリコーン樹脂、エラストマーなどが例示できる。これらの熱可塑性ポリマーは、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。好ましい熱可塑性ポリマーは、セルロース誘導体である。
【0036】
セルロース誘導体としては、セルロースエステル(例えば、セルロースアセテート、セルロースプロピオネート、セルロースブチレートなどの有機酸エステル;リン酸セルロース、硫酸セルロースなどの無機酸エステル;セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレート、酢酸・硝酸セルロースエステルなどの混酸エステルなど)、セルロースカーバメート、セルロースエーテル(例えば、ヒドロキシC
2−4アルキルセルロース、C
1−6アルキルセルロース、カルボキシメチルセルロース又はその塩など)、これらの組み合わせなどが例示できる。好ましいセルロース誘導体は、セルロースエステル、特に、少なくともアセチル基を有するセルロースエステル、例えば、セルロースアセテート、セルロースアセテートプロピオネートなどのセルロースアセテートC
3−4アシレートである。
【0037】
熱可塑性ポリマーの数平均分子量は、GPCにおいて、ポリスチレン換算で、例えば、10,000〜100,000、好ましくは30,000〜90,000、さらに好ましくは50,000〜80,000程度である。
【0038】
熱可塑性ポリマーの割合は、硬化性樹脂100重量部に対して、例えば、0.01〜10重量部、好ましくは0.05〜5重量部、さらに好ましくは0.1〜1重量部(例えば、0.1〜0.5重量部)程度である。
【0039】
硬化性組成物は、必要に応じて、慣用の添加剤、例えば、開始剤、硬化促進剤、屈折率向上剤、安定剤、帯電防止剤、難燃剤、溶剤(溶媒)などを含んでいてもよい。これらの添加剤は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。これらの添加剤のうち、開始剤、屈折率向上剤、溶剤(溶媒)などが汎用される。
【0040】
開始剤(光重合開始剤など)としては、アルキルフェノン類、ベンゾフェノン類、ベンゾイン類、チオキサントン類、アシルホスフィンオキシド類、これらの組み合わせなどが例示できる。開始剤の割合は、硬化性樹脂100重量部に対して、例えば、0.1〜20重量部、好ましくは0.5〜15重量部、さらに好ましくは1〜10重量部程度である。
【0041】
屈折率向上剤は、特に制限されず、有機粒子であってもよいが、通常、無機粒子である。無機粒子は、金属酸化物、例えば、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化ニオブ、酸化タンタル、酸化亜鉛(特に、酸化チタン)などで構成してもよい。有機又は無機粒子の平均一次粒子径は、例えば、1〜100nm、好ましくは5〜80nm(例えば、10〜60nm)程度である。なお、屈折率向上剤は、分散媒(水など)に懸濁させてスラリーとして利用する場合が多い。屈折率向上剤の割合は、固形分換算で、硬化性樹脂100重量部に対して、例えば、10〜150重量部、好ましくは20〜120重量部(例えば、50〜110重量部)程度である。
【0042】
溶媒は、硬化性樹脂及び熱可塑性ポリマーの種類に応じて選択でき、例えば、水、炭化水素類、ハロゲン化炭化水素類、アルコール類(エタノール、イソプロパノール、メトキシプロパノール、ブタノールなど)、エーテル類、ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなど)、エステル類(酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチルなど)、セロソルブ類、セロソルブアセテート類、スルホキシド類、アミド類などが例示できる。これらの溶媒は、単独で又は混合溶媒として使用できる。
【0043】
接着層は、慣用の方法、例えば、支持体(透明基板など)に硬化性組成物を適用(塗布又は流延)する工程と、前記硬化性組成物を硬化する工程とを経て、形成してもよい。なお、硬化性組成物を適用した後、必要により乾燥してもよい。乾燥温度は、例えば、40〜150℃、好ましくは45〜120℃、さらに好ましくは50〜100℃程度である。乾燥時間は、例えば、10秒〜10分、好ましくは20秒〜5分、さらに好ましくは30秒〜2分程度である。
【0044】
硬化性組成物の硬化方法は、硬化性樹脂の種類に応じて選択でき、例えば、熱線や活性エネルギー線(紫外線や電子線など)により硬化する方法であってもよい。通常、紫外線や電子線などの光照射、操作の簡便性の点から、紫外線照射により硬化する方法が汎用される。紫外線の照射量は、例えば、100〜10000mJ/cm
2、好ましくは200〜5000mJ/cm
2、さらに好ましくは500〜1000mJ/cm
2程度である。なお、光照射は、空気中で行ってもよく、必要であれば、不活性ガス(例えば、窒素ガス、アルゴンガス、ヘリウムガスなど)雰囲気中で行ってもよい。
【0045】
(高屈折率層)
高屈折率層(第2の光学調整層)は、パターンの可視性を低減するための層であれば特に制限されない。高屈折率層の屈折率n2は、1.6〜2程度の範囲から選択でき、例えば、1.65〜1.95、好ましくは1.7〜1.9程度である。屈折率n2は、屈折率n1よりも大きいのが好ましい。屈折率n2と屈折率n1との差(n2−n1)は、例えば、0.2以下、好ましくは0.005〜0.19、さらに好ましくは0.01〜0.18程度である。
【0046】
高屈折率層は、無機材料(屈折率向上剤の項で例示した金属酸化物など)で構成してもよいが、有機材料(接着層の項で例示した硬化性組成物の硬化物など)で構成するのが好ましい。なお、硬化性組成物において、屈折率向上剤を含むのが好ましい。屈折率向上剤の割合は、接着層での割合よりも多いのが好ましく、固形分換算で、硬化性樹脂100重量部に対して、例えば、80〜1200重量部、好ましくは100〜1000重量部、さらに好ましくは120〜900重量部(例えば、150〜800重量部)程度である。
【0047】
高屈折率層の厚みd2は、例えば、20〜120nm、好ましくは25〜110nm、さらに好ましくは30〜100nm(例えば、30〜90nm)程度である。
【0048】
高屈折率層は、慣用の成膜方法により形成できる。成膜方法としては、例えば、支持体(接着層など)に、高屈折率層を形成するための硬化性組成物を適用(塗布又は流延)して硬化する方法、高屈折率層の構成材料を蒸着する方法などが挙げられる。前者の方法は、接着層の項で例示した方法と同様の方法であってもよい。後者の方法は、慣用の蒸着方法、例えば、物理的気相(PVD)法(真空蒸着法、イオンプレーティング法、スパッタリング法など)、化学的気相(CVD)法であってもよい。
【0049】
(低屈折率層)
低屈折率層(第3の光学調整層)は、パターンの可視性を低減するための層であれば特に制限されない。低屈折率層の屈折率n3は、1.3〜1.7程度の範囲から選択でき、例えば、1.32〜1.65、好ましくは1.35〜1.6(例えば、1.37〜1.55)程度である。屈折率n3は、屈折率n0〜n2(特に、屈折率n0)よりも小さいのが好ましい。屈折率n0と屈折率n3との差(n0−n3)は、例えば、0.3以下、好ましくは0.005〜0.29、さらに好ましくは0.01〜0.28(例えば、0.02〜0.25)程度である。
【0050】
低屈折率層は、無機材料(酸化ケイ素(シリカなど)、酸化アルミニウム(アルミナなど)などの金属酸化物;フッ化マグネシウム、フッ化銅、フッ化セリウムなどの金属フッ化物など)で構成してもよく、有機材料(接着層の項で例示した硬化性組成物の硬化物など)で構成してもよい。なお、硬化性組成物は、屈折率向上剤を含有しなくてもよく、含有したとしても屈折率向上剤の含有量はごく微量である。屈折率向上剤の割合は、接着層での割合よりも少ないのが好ましく、固形分換算で、硬化性樹脂100重量部に対して、例えば、50重量部以下(例えば、0.1〜40重量部)、好ましくは0.5〜30重量部、さらに好ましくは1〜25重量部程度である。
【0051】
低屈折率層の厚みd3は、例えば、10〜50nm、好ましくは12〜45nm、さらに好ましくは15〜40nm程度であり、通常10〜30nm程度である。また、低屈折率層の厚みd3を「1」としたとき、接着層の厚みd1は、例えば、1〜10、好ましくは1.5〜8、さらに好ましくは2〜6程度であり、高屈折率層の厚みd2は、例えば、1〜5、好ましくは1.1〜4、さらに好ましくは1.2〜3.5程度である。
【0052】
低屈折率層は、慣用の方法、例えば、高屈折率層と同様の方法により形成できる。
【0053】
透明基板の種類と、接着層、高屈折率層、低屈折率層の屈折率及び厚みとの組み合わせとしては、表1に示す組み合わせが好ましい。
【0055】
(透明導電層)
透明導電層は、慣用の透明導電材、例えば、無機材料(金属酸化物、例えば、酸化インジウム、酸化錫、酸化亜鉛、インジウム−錫複合酸化物(ITO)、インジウム−亜鉛複合酸化物(IZO)など)、有機材料(導電性高分子、例えば、ポリアセチレン、ポリパラフェニレン、ポリチオフェン、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)、ポリピロール、ポリアニリンなど)などで構成されている。なお、透明導電層は、ドーパントでドープされていてもよい。
【0056】
透明導電層の屈折率n4は、1.75〜2.1程度の範囲から選択でき、例えば、1.8〜2.1、好ましくは1.85〜2.1(例えば、1.9〜2.1)程度である。屈折率n4は、屈折率n0〜n3(特に、屈折率n2)よりも大きいのが好ましい。屈折率n4と屈折率n2との差(n4−n2)は、例えば、0.4以下、好ましくは0.01〜0.39、さらに好ましくは0.05〜0.38(例えば、0.1〜0.37)程度である。
【0057】
透明導電層はパターン化されている。パターン形状としては、例えば、格子状、メッシュ状、ストライプ状などが挙げられる。線幅は、例えば、1〜50μm、好ましくは2〜40μm、さらに好ましくは5〜30μm程度である。
【0058】
透明導電層の厚みd4は、例えば、10〜50nm、好ましくは15〜40nm、さらに好ましくは20〜35nm程度であってもよく、10〜30nm程度であってもよい。
【0059】
各層の屈折率の関係は、n0<n1であればよく、好ましくはn0<n1かつn2<n4であり、さらに好ましくはn3<n0<n1<n2<n4である。
【0060】
パターン化された透明導電層は、慣用の方法、例えば、支持体(低屈折率層など)に、透明導電材を含む組成物を部分的に適用して成膜する方法、透明導電材で成膜した後にエッチングする方法などが挙げられる。前者の方法は、例えば、パートコート法、スクリーン印刷法、グラビア印刷法などであってもよい。後者の方法は、例えば、慣用の蒸着法(高屈折率層の項で例示した蒸着法など)により成膜した後、パターン形成手段(マスキング、リソグラフィなど)を用いて、膜の所定部を酸やアルカリでエッチングする方法であってもよい。
【0061】
なお、透明導電性シートは、本発明の効果を阻害しない限り、さらに他の機能層(例えば、保護層、アンチニュートンリング層、防眩層、光散乱層、反射防止層、偏光層、位相差層など)を含んでいてもよい。
【0062】
本発明の透明導電性シートは、パターンの映り込みを有効に防止できる。すなわち、パターンの可視性の指標となる色差ΔEを、例えば、1.7以下、好ましくは1.5以下(例えば、0.01〜1.3)、さらに好ましくは1.2以下(例えば、0.05〜1.1)、特に1以下(例えば、0.1〜1)程度にできる。なお、色差ΔEは、下記式(1)に基づいて算出できる。
【0064】
(式中、それぞれの記号は以下の通りである。
L*1:CIE1976(L*a*b*)表示系における非パターン部のL*
L*2:CIE1976(L*a*b*)表示系におけるパターン部のL*
a*1:CIE1976(L*a*b*)表示系における非パターン部のa*
a*2:CIE1976(L*a*b*)表示系におけるパターン部のa*
b*1:CIE1976(L*a*b*)表示系における非パターン部のb*
b*2:CIE1976(L*a*b*)表示系におけるパターン部のb*)
【0065】
透明導電性シートは、さらに表面抵抗を低減できる。表面抵抗値は、JIS K7194に準拠して、例えば、50〜250Ω/□、好ましくは100〜200Ω/□、さらに好ましくは120〜180Ω/□程度である。なお、単位「Ω/□」は、JIS K6911で定義されており、シートの単位面積あたりの抵抗を示し、シート抵抗とも呼ばれる。
【0066】
透明導電性シートは、透明性にも優れている。全光線透過率は、JIS K7105に準拠して、パターン部(透明導電層が形成された領域)では、例えば、75%以上(例えば、75〜100%)、好ましくは80〜99%、さらに好ましくは85〜95%程度であり、非パターン部(透明導電層が形成されていない領域)では、例えば、80%以上(例えば、80〜100%)、好ましくは85〜99%、さらに好ましくは90〜95%程度である。
【0067】
ヘイズは、JIS K7105に準拠して、パターン部では、例えば、5%以下、好ましくは0.1〜3%、さらに好ましくは0.3〜1.5%程度であり、非パターン部では、例えば、5%以下、好ましくは0.1〜3%、さらに好ましくは0.3〜1.5%程度である。
【0068】
[タッチパネル]
タッチパネル(例えば、抵抗膜式又は静電容量式タッチパネル)は、上記の透明導電性シートを電極板(視認側の上部電極板など)として備えている。代表的なタッチパネルは、第1の電極板(下部電極板又はX軸方向電極板)、及びこの電極板の上面に、空間層(又はドットスペーサ)、絶縁層などの中間層を介して、第2の電極板(上部電極板又はY軸方向電極板)を備えている。第1の電極板及び第2の電極板のうち、少なくとも一方の電極板(少なくとも第2の電極板)を上記の透明導電性シートで構成すればよく、他方の電極板は、同種又は異種の透明導電性シートで構成できる。これらのタッチパネルのうち、静電容量式タッチパネルが好ましい。
【0069】
[表示装置]
表示装置は、上記透明導電性シートを構成部材として含んでいればよく、通常、表示層(液晶をガラスで封止したセルなど)、及びこの表示層の一方の面(視認側の面)に上記透明導電性シートを備えている。表示層と透明導電性シートとの間、及び透明導電性シートの視認側の面には、任意の層(ガラス板、透明樹脂層、ハードコート層、偏光層などの透明導電性シートの項で例示した機能層など)を有していてもよい。なお、各層の貼り合わせには、通常、透明両面粘着テープ[OCA(Optical Clear Adhesive)テープ]が使用される。
【実施例】
【0070】
以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。なお、実施例及び比較例で得られた透明導電性シートを以下の項目で評価した。
【0071】
[視認性]
黒紙の上で、透明導電層が形成された領域と形成されていない領域とを目視で観察して以下の基準で判定した。
【0072】
◎:差がわからない
○:差がわかりにくい
△:わずかに差がある
×:明らかに差がある。
【0073】
[色差]
光学計算ソフト(シグマ光機(株)製、Essential Macleod)を用いて、ITOスパッタ前後のL*a*b*を計算し、これらの値を前記式(1)に代入して色差ΔEを算出した。
【0074】
[表面抵抗]
表面抵抗値測定装置(ダイアインスツルメンツ社製:商品名Loresta-GP T610)を用いて、JIS K7194に準拠して測定した。具体的には、電極の透明導電塗膜層側を測定面として、100mm×70mmのカットフィルムの測定面内で任意の9箇所を測定し、それらの平均値を表面抵抗値(単位:Ω/□)とした。
【0075】
[基材フィルム]
易接着層付きPET:東洋紡(株)製「A4300」
PET:東洋紡(株)製「T−60」
アクリル樹脂:三菱レイヨン(株)製「アクリプレンHBS006」
COC:恵和(株)製「COEフィルム」
【0076】
[硬化性組成物の配合成分]
6官能アクリレート(ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート):ダイセル・サイテック(株)製「DPHA」
3官能アクリレート(ペンタエリスリトールトリアクリレート):ダイセル・サイテック(株)製「PETIA」
フッ素樹脂:ダイキン工業(株)製「AR110」
CAP(セルロースアセテートプロピオネート):イーストマン社製「CAP−482−20」、ポリスチレン換算数平均分子量75,000
酸化チタン分散液:シーアイ化成(株)製「RTTMIBK15WT%−H21」
BuOH:1−ブタノール
MMPG:1−メトキシ−2−プロパノール
MEK:メチルエチルケトン
IPA:2−プロパノール
開始剤1:光重合開始剤、BASF社製「Irgacure184」
開始剤2:光重合開始剤、BASF社製「Irgacure907」。
【0077】
比較例及び実施例
表2〜5に示す処方の硬化性組成物を、基材フィルムの片面にワイヤーバー#5を用いて流延した後、60℃のオーブン内で1分間放置後、コートフィルムを紫外線照射装置(ウシオ電機(株)製、高圧水銀ランプ、紫外線照射量:800mJ/cm
2)に通して、紫外線硬化処理を行い、塗膜を硬化させて硬化層を形成した。この硬化層の上に更に硬化性組成物の硬化層を形成する場合、上記と同様に操作した。また、硬化層の上にSiO
2の蒸着膜を形成する場合、SiO
2をスパッタリング処理した。さらに、硬化層の上に市販のフィルムを積層する場合、市販のフィルムを常法によりラミネートした。得られた積層体の上に、インジウム−錫複合酸化物(ITO)をスパッタリング処理して透明導電層を形成した後、1Nの塩酸に1時間浸漬して一部の透明導電層を除去し、純水で塩酸を洗い流し、100℃で乾燥させることにより所定のパターンを形成した。得られた透明導電性シートの評価結果を表2〜5に示す。
【0078】
【表2】
【0079】
【表3】
【0080】
【表4】
【0081】
【表5】
【0082】
表2〜5から明らかなように、比較例に比べ、実施例ではΔEが小さく視認性に優れているとともに、表面抵抗も小さい。