特許第6043162号(P6043162)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6043162
(24)【登録日】2016年11月18日
(45)【発行日】2016年12月14日
(54)【発明の名称】青果物の外観検査装置及び外観検査方法
(51)【国際特許分類】
   B07C 5/342 20060101AFI20161206BHJP
   G01N 21/85 20060101ALI20161206BHJP
   G06T 1/00 20060101ALI20161206BHJP
【FI】
   B07C5/342
   G01N21/85 A
   G06T1/00 500Z
【請求項の数】3
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2012-250264(P2012-250264)
(22)【出願日】2012年11月14日
(65)【公開番号】特開2014-97455(P2014-97455A)
(43)【公開日】2014年5月29日
【審査請求日】2015年11月13日
(73)【特許権者】
【識別番号】000163501
【氏名又は名称】近江度量衡株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000135254
【氏名又は名称】株式会社ニレコ
(74)【代理人】
【識別番号】100094248
【弁理士】
【氏名又は名称】楠本 高義
(74)【代理人】
【識別番号】100129207
【弁理士】
【氏名又は名称】中越 貴宣
(74)【代理人】
【識別番号】100185454
【弁理士】
【氏名又は名称】三雲 悟志
(72)【発明者】
【氏名】小谷 俊彦
【審査官】 八板 直人
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許第05164795(US,A)
【文献】 特開2000−288480(JP,A)
【文献】 特開平11−059875(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B07C 1/00−99/00
G01N 21/84−21/958
G06T 1/00
B65G 47/248;47/64;47/68−47/78
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
搬送されつつ反転される青果物の外観を検査する外観検査装置であって、
反転前の前記青果物を一方向から撮像して該青果物の画像データを生成する第一撮像部と、
前記第一撮像部と通信可能であり、前記青果物の画像データから該青果物の反転時間を予測する解析手段と、
前記第一撮像部よりも下流に配置され、前記解析手段と通信可能であり、前記予測された反転時間経過時に該青果物を一方向から撮像して該青果物の画像データを生成する第二撮像部と、
を備えた外観検査装置。
【請求項2】
前記第一撮像部又は前記第二撮像部が、
前記青果物の搬送経路の上方に設置された上部撮像カメラと、
前記上部撮像カメラを通る鉛直線を中心として複数方向に設けられた側部撮像カメラと、
を備えた請求項1に記載の外観検査装置。
【請求項3】
搬送されつつ反転される青果物の外観を検査する外観検査方法であって、
反転前前記青果物を一方向から撮像して該青果物の画像データを生成するステップと、
前記生成された青果物の画像データから該青果物の反転時間を予測するステップと、
前記予測された反転時間経過時に前記青果物を一方向から撮像して該青果物の画像データを生成するステップと、
を備えた外観検査方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、青果物の外観を検査する外観検査装置及び外観検査方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、ミカン、リンゴ、梨、桃、トマト、芋のような青果物の外観検査方法としては、選別用搬送装置に載置された青果物を撮像用カメラで撮像し、その撮像した画像データに基づいて青果物の外周面を検査する方法があった。
【0003】
例えば、特許文献1の検査装置は、図4(a)に示すように、青果物を搬送しながら反転させる回転手段100と、反転前後の青果物を撮像する撮像カメラ101とを備えている。これにより、青果物の上部周面だけでなく下部周面の画像データを取得して、青果物の全外周面の損傷、腐敗、変色等を検出している。
【0004】
この発明の回転手段100は、図4(b)に示すように、支持ローラ102を、その中央部外周面から両端部外周面に向けて大径となる形状(鼓形状)に形成することによって、略球形状の青果物をその大きさに関わらず同一位置に反転させている。しかしながら、この発明は球形状又はこれに近い楕円状の青果物を検査対象としており、これ以外の形状の青果物については、同一位置に反転させることができず、正確に下部周面の画像データを取得することができなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平11−59875号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上記課題に着目して為された発明であり、青果物の種類、又は青果物の真球度及びサイズのばらつきによらず、的確に青果物の外観を検査し得る外観検査装置及び外観検査方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(1)上記課題を解決するための手段として、本発明の青果物の外観検査装置は、搬送されつつ反転させて外観を検査する青果物の外観検査装置であって、
反転前の前記青果物を一方向から撮像して該青果物の画像データを生成する第一撮像部と、前記第一撮像部と通信可能であり、前記青果物の画像データから該青果物の反転時間を予測する解析手段と、前記第一撮像部よりも下流に配置され、前記解析手段と通信可能であり、前記青果物の反転時間経過時に該青果物を一方向から撮像して該青果物の画像データを生成する第二撮像部とを備えたことを特徴とする。
【0008】
(2)前記(1)の外観検査装置において、前記第一撮像部又は前記第二撮像部が、前記搬送経路の上方に設置された上部撮像カメラと、前記上部撮像カメラの撮像範囲の複数方向に設けられた側部撮像カメラとを備えたことを特徴とする。
【0009】
(3)また、本発明の青果物の外観検査方法は、青果物を準備するステップと、前記青果物を搬送するステップと、反転前の前記青果物を一方向から撮像して該青果物の画像データを生成するステップと、前記青果物の画像データから該青果物の反転時間を予測するステップと、前記青果物を搬送させながら反転させるステップと、前記反転時間経過時に前記青果物を一方向から撮像して該青果物の画像データを生成するステップとを備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
解析手段は、第一撮像部が生成した画像データから、青果物毎にその反転時間を予測する。そして、第二撮像部は、この反転時間経過時に青果物を撮像し、その画像データを生成する。このため、本発明の外観検査装置は、青果物のサイズの大小、形状に関わらず、青果物の上面だけでなく、下面の損傷、腐敗、変色を確実に検出することができる。
【0011】
また、側部撮像カメラを設けた本願発明は、青果物を複数方向から撮像し、各画像データに基づいて反転時間を予想することができる。そのため、青果物の種類、真球度、サイズのばらつきによらず的確に反転時の青果物を撮像できる。さらに、各画像データに基づいて外観を検査するため、損傷等の検出率を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の外観検査装置の全体構成を示す平面図である。
図2】本発明の外観検査装置の検査部を示す側面図である。
図3】反転後の青果物の位置を示す平面図である。
図4】(a)従来の検査装置を示す斜視図である。(b)支持ローラの正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面に従って、本発明の青果物の外観検査装置及び外観検査方法を説明する。なお、本明細書においては、各図にわたって示される同じ符号は同一または同様の部材や物を示す。
【0014】
図1に示す選別装置2は、生産者から持ち込まれた青果物3を等級毎に選別するものである。この選別装置2は、青果物の大きさ、表面の損傷、変色等を検査して等級を付与する検査部7と、この検査部7の下流に配置され、青果物3を等級毎に設けられた搬送装置4に排出する排出手段9を有する排出部11を備える。
【0015】
検査部7は、生産者から持ち込まれた青果物3を集荷する集荷部13に続いて設けられており、青果物3を搬送しながら反転させてその外観を検査し、その青果物3に等級を付与する。青果物3を搬送しながら反転させるための手段として、例えば、図1及び図2に示すように、複数の一対のホイール15と、キャリア17と、回転手段20と、制御手段19から構成された搬送反転手段を用いても良い。
【0016】
一対のホイール15は、互いの上底面を対向させて連結された2つの円錐台から成り、この一対のホイール15がエンドレスに連結される。搬送される青果物3は、一の一対のホイール15と他の一対のホイール15との谷間で支持される。ここで、支持される青果物が、この谷間又は2つの円錐台の間から抜け落ちないように、前記谷間及び2つの円錐台の間は最小の青果物3の直径よりも狭く形成される。この一対のホイール15は、搬送方向に伸びるレール16aに沿って移動する。ホイール15の外周面は、青果物3との接触抵抗を大きくして青果物を回転させるため、及び青果物3に損傷を与えないため、合成ゴムで覆われていてもよい。
【0017】
キャリア17は、皿状であり、一の一対のホイール15と他の一対のホイール15とに囲まれて形成された空間に設けられている。キャリア17は、搬送方向に伸びるレール16bに沿って移動する。
【0018】
回転手段20は、青果物3が第一撮像部21を通過してから第二撮像部23の撮像範囲を通過するまでの間、一対のホイール15を一定方向に回転させるものである。回転手段20としては、例えば、周回駆動される歯付ベルトを用いることができる。この歯付ベルトに一対のホイール15を沿わせることでこれを回転させることができる。他の回転手段20としては、各ホイール15に内蔵され、そのホイール15を回転させるモータ等を採用することができる。
【0019】
搬送反転手段の制御手段19は、一対のホイール15とキャリア17を一定方向に周回させるスプロケット18を駆動する駆動手段14、及び回転手段20を制御するものである。制御手段19により、一対のホイール15とキャリア17の周回速度の高低が制御され、一対のホイール15の回転速度の高低が制御される。
【0020】
集荷部13から受けた青果物3は、一対のホイール15と他の一対のホイール15の谷間で支持されて搬送される。そして、一対のホイール15の回転により青果物3は反転される。ここで、レール16aは、第一撮像部21において降下している。このため、一対のホイール15は降下し、キャリア17が青果物3を支持することとなる。これにより、第一撮像部21において、青果物3の一部が一対のホイール15に隠れることを防止している。なお、キャリア17をホイール15に対して上昇させても良い。
【0021】
検査部7において、青果物のサイズ、表面の損傷、変色等を検査して、青果物に等級を付与する手段として本発明の外観検査装置1及び外観検査方法が使用される。外観検査装置1は、図1に示すように、検査部7に配設されて青果物3を撮像する第一撮像部21及び第二撮像部23と、第一撮像部21と第二撮像部23から青果物3の画像データを取得する画像処理機25とから構成される。
【0022】
第一撮像部21は、図2に示すように、青果物3の搬送経路の上方に設置された上部撮像カメラ27を有する。この上部撮像カメラ27は、その撮像範囲に進入した青果物3を撮像し、その画像データを生成する。これにより、反転前の青果物3の一の表面(図2中において上部表面)の画像データが生成される。的確に青果物3の輪郭及び表面状態を撮像するために、この上部撮像カメラ27は、青果物3が上部撮像カメラ27の真下に来た場合に撮像することが好ましい。撮像カメラとしては、例えば、CCDイメージセンサやCMOSイメージセンサ等から構成されたカメラが使用される。上部撮像カメラ27は、画像処理機25の入出力インタフェース29に接続されている。
【0023】
第一撮像部21は複数の撮像カメラ27,31を有しても良い。この複数の撮像カメラ27,31は、上部撮像カメラ27と、複数方向に設置された側部撮像カメラ31から構成される。例えば、4台の側部撮像カメラ31を用いた場合、側部撮像カメラ31は、上部撮像カメラ27を通る鉛直線Vを中心として四方に、かつ上部撮像カメラ27の撮像範囲外に配置される。図1においては、4台の側部撮像カメラが鉛直線Vを中心として90度間隔で搬送経路の左右に設けられている。各側部撮像カメラ31は、上部撮像カメラ27の撮像範囲の中心に向けられており、青果物3の反転前の全側面の画像データを生成する。側部撮像カメラ31の使用数は4台に限られず、青果物3の形状に応じて増減してもよい。
【0024】
第一撮像部21は、さらに、各撮像カメラ27,31に設けられて各撮像カメラ27,31の撮像範囲を照明する光源(不図示)と、各撮像カメラ27,31及びその光源を内部に設け、搬送経路が通る暗室33を備えている。光源は、画像処理機25の入出力インタフェース29に接続されている。この光源としては、例えば、発光ダイオードを用いることができる。この様に構成された第一撮像部21は、暗室33内に進入してくる青果物3を光源で照明して撮像カメラ27,31で撮像する。これにより、撮像カメラ27,31の生成する画像データにおける青果物3の輪郭及び表面状態がより明瞭になる。
【0025】
第二撮像部23は、図2に示すように、第一撮像部21よりも下流に配置されており、搬送経路の上方に配置された上部撮像カメラ35を有する。この上部撮像カメラ35は、後述する画像処理機25の解析手段37から撮像指示を受けて青果物3を撮像する。これにより、反転後の青果物3の他の表面(図2中において下部表面)の画像データが生成される。ここで、青果物3の反転後の搬送位置及び反転時間は、そのサイズによって異なる。詳しくは、図3に示すように、反転後の青果物3a,3bの搬送位置は、そのサイズが小さい青果物3a程早く反転するため第一撮像部21寄りに位置し、そのサイズが大きくなるに従って反転に時間を要するため下流に位置する(青果物3b)。なお、第二撮像部23内の破線は上部撮像カメラ35の撮像範囲を示している。この第二撮像部23は、さらに上部撮像カメラ35の撮像範囲を照明する光源(不図示)と、上部撮像カメラ35及び光源を内部に設け、搬送経路が通る暗室41を備えている。
【0026】
画像処理機25は、図1に示すように、互いに通信可能な解析手段37、記憶手段43、及び制御手段39を有する。解析手段37は、入出力インタフェース29を介して第一撮像部21及び第二撮像部23と通信する。解析手段37は、第一撮像部21から取得した画像データに基づいて青果物3の反転時間を予測し、この予測に従って第二撮像部23に撮像指示を与える。そして、第二撮像部23から画像データを取得する。
【0027】
反転前後の青果物3の画像取得方法について説明する。
(1)解析手段37は、例えば第一撮像部21に設置されて青果物3の有無を検出する赤外線センサ(不図示)からの出力信号により、青果物3が第一撮像部21の撮像範囲に進入したことを検知し、第一撮像部21の撮像カメラ27,31に撮像の指示を与える。また、撮像カメラ27,31毎に光源が付随しているため、撮像指示と共に各光源の発光指示を与える。ここで、余計な光の写り込みを防止するため、各撮像カメラ27,31及び各光源に対して異なるタイミングの撮像及び発光の指示が与えられる。そして、撮像カメラ27,31により、反転前の青果物3の画像データが生成される。
(2)解析手段37は、第一撮像部21の撮像カメラ27,31から画像データを取得し、この画像データから青果物3のサイズを算出する。このサイズには、画像データ中の青果物3の面積、最大長、最小長、縦横比、側面高、真円度等の情報が含まれる。
(3)解析手段37は青果物3のサイズに基づいて青果物3の反転時間を予測する。予測方法としては、青果物3のサイズと反転時間の関係を一対のホイール15の回転速度毎に規定したテーブルを参照して行うことができる。例えば、テーブルを参照して、算出した青果物の面積に対応する反転時間を予測することができる。このテーブルは予め記憶手段43に保存されている。
(4)解析手段37は、予測結果に基づいて第二撮像部23に対して撮像の指示を与える。また、上部撮像カメラ35に光源が付随しているため、撮影指示と共に光源の発光指示も与える。これにより、上部撮像カメラ35が、青果物3を撮像し、反転後の青果物3の画像データが生成される。
(5)解析手段37は、第二撮像部23の上部撮像カメラ35から画像データを取得する。
【0028】
解析手段37は、第一撮像部21及び第二撮像部23の画像データから青果物3のサイズ、その表面の損傷、変色、及び腐食等の判定要素を検出し、各判定要素の程度により青果物3の等級を判定する。また、糖度計を設けて、前記サイズ等と組み合わせて等級を決定することも可能である。そして、解析手段37は、等級情報を記憶手段43に保存する。
【0029】
画像処理機の制御手段39は、入出力インタフェース45を介して排出部11の排出手段9と通信する。この制御手段39は、記憶手段43から青果物3の等級情報を取得し、等級に対応する排出手段9に対して青果物3の排出指示を与える。これにより青果物3が所定の位置に排出される。
【0030】
この画像処理機25は、青果物3の画像データ、サイズ、判定要素、等級毎の統計情報、搬送反転手段の周回速度及び一対のホイール15の回転速度を表示する表示部を備えても良い。
【0031】
本発明の解析手段37は、第一撮像部21の生成した画像データから、青果物3毎にその反転時間を予測する。そして、第二撮像部23は、この反転時間経過時に青果物3を撮像し、その画像データを生成する。このため、本発明の外観検査装置1は、青果物のサイズの大小、形状に関わらず、青果物3の上面だけでなく、下面の損傷、腐敗、変色を確実に検出することができる。
【0032】
また、本発明の側部撮像カメラ31は、青果物3を複数方向から撮像し、その画像データを上部撮像カメラ27の画像データと合わせて反転時間を予想することができる。そのため、青果物3の真球度やサイズのばらつきによらず的確に反転時の青果物3を撮像できる。また、その画像データに基づいて外観を検査するため、損傷等の検出率を高めることができる。
【0033】
さらに、第一撮像部21に側部撮像カメラ31を設けた場合には、解析手段37が、上部撮像カメラ27の画像データと共に側部撮像カメラ31の生成する画像データから反転時間を予測できるので、形状が歪な青果物3の反転時間を確実に予測して、青果物3の外観を的確に検査することができる。
【0034】
本発明の外観検査装置及び外観検査方法の他の態様として、図1の二点鎖線で示すように、画像処理機の制御手段39は、入出力インタフェース45を介して搬送反転手段の制御手段19と通信可能であり、一対のホイール15及びキャリア17の周回速度及び一対のホイールの回転速度を調節可能であっても良い。例えば、上述の画像取得の過程において、解析手段37は反転時間を予測した結果を画像処理機の制御手段39に通知する。この制御手段39は、反転時間経過時に青果物3が第二撮像部23の撮像範囲内にあるか否かを、上記周回速度及び回転速度に基づいて算出する。算出した結果、青果物3が第二撮像部23の撮像範囲内にないと制御手段39が判断した場合。搬送反転手段の制御手段19に周回速度及び/又は回転速度の加速又は減速の指示を与える。この様に画像処理機の制御手段39が周回速度及び回転速度を調整できるので、青果物3のサイズのばらつきによらず、確実に青果物3を第二撮像部23の撮像範囲内で反転させることができる。
【0035】
以上、本発明の青果物の外観検査装置及び外観検査方法について説明したが、本発明はその趣旨を逸脱しない範囲で、当業者の知識に基づき種々の改良、修正、変形を加えた態様で実施し得るものであり、これらの態様はいずれも本発明の範囲に属するものである。
【0036】
例えば、第一撮像部21に側部撮像カメラ31を設けているが、これに限られず、第二撮像部23に側部撮像カメラを設けてもよい。また、第一撮像部21及び第二撮像部23の両方に側部撮像カメラを設置してもよい。
【0037】
また、上記実施形態において、青果物3は搬送方向に直交する水平軸まわりに反転されているが、これに限られない。例えば、青果物3は搬送方向に直交する鉛直軸まわりに反転されてもよい。この場合、第一撮像部21及び第二撮像部23において、搬送経路の片側に側部撮像カメラが設けられる。これにより、第一撮像部21の側部撮像カメラの出力する画像データに基づいて、青果物3の反転時間を予測して、その反転時間経過時に第二撮像部23の側部撮像カメラで青果物3を撮像することができ、反転前後の青果物3の画像データを取得することができる。
【0038】
また、解析手段37は、第一撮像部21において、赤外線センサの出力信号により青果物3の進入を検出しているが、青果物の3の検出方法はこれに限られない。例えば、上部撮像カメラ27で撮像範囲を所定時間間隔で撮像して、撮像の都度、解析手段37が撮像データを解析して青果物3の有無を監視することにより行っても良い。
【0039】
また、青果物3の反転時間について、青果物3のサイズに応じてテーブルを参照することにより予測しているが、これに限られない。例えば、第一撮像部21の画像データから青果物3の外周径を計算し、この外周径と一対のホイール15の外周径及びその回転速度とから反転時間を算出してもよい。
【0040】
また、搬送反転手段は上記実施形態に限られない。例えば、回転手段20は第一撮像部21から第二撮像部23にかけて一対のホイール15を回転させているが、検査部7全体にわたって一対のホイール15を回転させてもよい。また、レール16aは第一撮像部21において降下しているが、これに限られず、降下しなくても良い。さらに、一対のホイール15とキャリア17の代わりに周回駆動され、回転駆動される円柱形状のローラを用いてもよい。
【符号の説明】
【0041】
1...外観検査装置
2...選別装置
3...青果物
7...検査部
9...排出手段
11...排出部
13...集荷部
15...ホイール
16a・16b...レール
17...キャリア
19...搬送反転手段の制御手段
20...回転手段
21...第一撮像部
23...第二撮像部
25...画像処理機
27・35...上部撮像カメラ
29・45...入出力インタフェース
31...側部撮像カメラ
33・41...暗室
37...解析手段
39...画像処理機の制御手段
43...記憶手段
図1
図2
図3
図4