(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の非空気入りタイヤでは、その組み立てに際し、複数の連結部材それぞれの両端部を、リング状体や取り付け体に各別に連結する必要があり、製造時間がかかるだけでなく、軽量化する上でも阻害要因となっていた。
【0005】
この発明は、このような事情を考慮してなされたもので、容易に組み立てることが可能で、重量も抑えることができる非空気入りタイヤを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するために、本発明は以下の手段を提案している。
本発明に係る非空気入りタイヤは、車軸に取り付けられる取り付け体と、該取り付け体に外装される内筒体、および該内筒体をタイヤ径方向の外側から囲繞する外筒体を備えるリング部材と、前記内筒体と前記外筒体との間にタイヤ周方向に沿って複数配設されるとともに、これらの両筒体同士を連結する連結部材と、を備え、少なくとも前記リング部材のうち一方および複数の前記連結部材は一体に形成され、
前記連結部材は、前記両筒体同士を連結する第1弾性連結板および第2弾性連結板を備え、前記第1弾性連結板は、一のタイヤ幅方向位置にタイヤ周方向に沿って複数配置されるとともに、前記第2弾性連結板は、前記一のタイヤ幅方向位置とは異なる他のタイヤ幅方向位置にタイヤ周方向に沿って複数配置され、前記リング部材は、タイヤ幅方向の一方側に位置する一方側分割リング部材と、タイヤ幅方向の他方側に位置する他方側分割リング部材と、に分割され、前記一方側分割リング部材は、前記第1弾性連結板と一体に形成され、前記他方側分割リング部材は、前記第2弾性連結板と一体に形成され、前記両筒体は、前記連結部材を形成する材料の導電率よりも高い導電率を具備する材料で形成された通電体を介して接続され
、前記通電体は、前記一方側分割リング部材および前記第1弾性連結板が一体に形成されてなる第1分割ケース体と、前記他方側分割リング部材および前記第2弾性連結板が一体に形成されてなる第2分割ケース体と、によりタイヤ幅方向に挟まれていて、前記通電体には、タイヤ径方向に延在し、タイヤ径方向の内側の端部が前記内筒体に接続されるとともにタイヤ径方向の外側の端部が前記外筒体に接続された本体部材が、タイヤ周方向に間隔をあけて複数備えられ、前記通電体は、前記一方側分割リング部材および前記他方側分割リング部材それぞれの前記内筒体におけるタイヤ幅方向の内側の端縁に連結されるとともに、前記本体部材のタイヤ径方向の内側の端部が連結された仲介部材を更に備え、前記通電体において前記外筒体に接続される部分である、前記本体部材のタイヤ径方向の外側の端部は、前記一方側分割リング部材および前記他方側分割リング部材それぞれの前記外筒体におけるタイヤ幅方向の内側の端縁に連結されており、前記外筒体の外周面に到達していて、前記本体部材のうち、タイヤ径方向の両端部の間に位置する中間部分と、前記第1弾性連結板および前記第2弾性連結板と、の間には、タイヤ幅方向の隙間が設けられていることを特徴とする。
【0007】
この発明では、少なくともリング部材のうち一方および複数の連結部材が一体に形成されているので、当該非空気入りタイヤの組み立てに際し、複数の連結部材それぞれの両端部を、内筒体および外筒体に各別に連結する場合に比べて、製造時間を短縮することができる。
また、少なくともリング部材のうち一方および複数の連結部材が一体に形成されていることから、例えば、連結部材の両端部それぞれと内筒体および外筒体とを、締結部材等を用いて連結する場合と比べて重量を抑えることができる。
さらに、両筒体が、前記通電体を介して接続されているので、この非空気入りタイヤの走行時に、取り付け体や内筒体の電荷を、通電体を介して路面に逃がすことが可能になり、この非空気入りタイヤに静電気が蓄積するのを抑制することができる。
またこのように、通電体により静電気の蓄積を抑制することができるので、静電気の蓄積を抑えつつ、連結部材を形成する材料として、例えば導電率が低い合成樹脂材料を採用するなど、連結部材を形成する材料の選択の幅を広げることができる。これにより、連結部材を形成する材料を多様な材料から採用することが可能になり、連結部材を形成する材料として、例えば成形容易な材料を採用することで製造時間を一層短縮したり、軽量な材料を採用することで重量を更に抑えたり等することができる。
また、本体部材がタイヤ周方向に間隔をあけて複数備えられているので、例えば通電体に本体部材が1つのみ備えられている場合に比べて、取り付け体や内筒体の電荷を路面に効果的に逃がすことができる。
また、通電体において外筒体に接続される部分が、外筒体の外周面に到達しているので、取り付け体や内筒体の電荷を通電体から路面に逃がし易くすることが可能になり、この非空気入りタイヤに静電気が蓄積するのを効果的に抑制することができる。
また、通電体が、第1分割ケース体と第2分割ケース体とによりタイヤ幅方向に挟まれているので、第1、第2分割ケース体により、通電体をタイヤ幅方向の外側から保護することが可能になり、取り付け体や内筒体の電荷を路面に確実に逃がすことができる。
さらに、第1分割ケース体が、一方側分割リング部材および第1弾性連結板が一体に形成されてなり、第2分割ケース体が、他方側分割リング部材および第2弾性連結板が一体に形成されてなるので、例えば、一方側分割リング部材と第1弾性連結板とが別体に形成されていたり、他方側分割リング部材と第2弾性連結板とが別体に形成されていたりする場合などに比べて、通電体を、第1分割ケース体と第2分割ケース体とにより容易に挟むことが可能になり、製造時間を確実に短縮することができる。
【0010】
また、複数の前記本体部材は、タイヤ軸を間に挟んだ反対側の位置を互いに避けるように配置されていてもよい。
【0011】
この場合、複数の本体部材が、タイヤ軸を間に挟んだ反対側の位置を互いに避けるように配置されているので、この非空気入りタイヤの柔軟性がタイヤ周方向の位置ごとにばらつくのを抑制することができる。
【0012】
また、前記本体部材は、複数の前記連結部材にタイヤ幅方向に並設されていてもよい。
【0013】
この場合、本体部材が、複数の連結部材にタイヤ幅方向に並設されているので、例えば本体部材を、タイヤ周方向に隣り合う連結部材同士の間に配置する場合などに比べて、連結部材の配置位置や形状、大きさに制約が生じるのを抑えることが可能になり、この非空気入りタイヤの設計の自由度を確保することができる。
【0014】
また、前記通電体は、このタイヤをタイヤ幅方向から見たタイヤ側面視で、タイヤ軸を基準に点対称に形成されていてもよい。
【0015】
この場合、通電体が、前記タイヤ側面視で、タイヤ軸を基準に点対称に形成されているので、通電体の重心をタイヤ軸上に位置させて良好なユニフォミティを確保することができる。
【0020】
また、前記第1弾性連結板のうち、前記外筒体に連結された一端部は、前記内筒体に連結された他端部よりもタイヤ周方向の一方側に位置し、前記第2弾性連結板のうち、前記外筒体に連結された一端部は、前記内筒体に連結された他端部よりもタイヤ周方向の他方側に位置していてもよい。
【0021】
この場合、第1弾性連結板のうち、外筒体に連結された一端部が、内筒体に連結された他端部よりもタイヤ周方向の一方側に位置し、第2弾性連結板のうち、外筒体に連結された一端部が、内筒体に連結された他端部よりもタイヤ周方向の他方側に位置しているので、この非空気入りタイヤに外力が作用したときに、第1弾性連結板および第2弾性連結板を弾性変形させ易くすることが可能になり、この非空気入りタイヤに柔軟性を具備させて良好な乗り心地性を確保することができる。
また前述のように、第1弾性連結板が、一のタイヤ幅方向位置にタイヤ周方向に沿って複数配置されるとともに、第2弾性連結板が、他のタイヤ幅方向位置にタイヤ周方向に沿って複数配置されているので、タイヤ周方向で隣り合う連結部材同士が干渉し合うのを抑えることが可能になり、その配設個数に制限が生ずるのを抑制することができる。
【0022】
また、1つの前記連結部材における第1弾性連結板および第2弾性連結板の各一端部は、前記外筒体の内周面において、タイヤ幅方向の位置を互いに異ならせて、タイヤ周方向における同一の位置に連結され、該連結部材は、このタイヤをタイヤ幅方向から見たタイヤ側面視で、タイヤ径方向に沿って延在し、かつ前記各一端部を通る仮想線に対して線対称に形成されていてもよい。
【0023】
この場合、連結部材が、前記タイヤ側面視で前記仮想線に対して線対称に形成されているので、この非空気入りタイヤにおけるタイヤ周方向の一方側に沿うばね定数と他方側に沿うばね定数とで差が生ずるのを抑えることが可能になり、良好な操縦性を具備させることができる。
【0024】
また、前記第1分割ケース体および前記第2分割ケース体はそれぞれ、
合成樹脂材料により一体に形成されていてもよい。
【0025】
前記非空気入りタイヤにおいて、第1分割ケース体および第2分割ケース体がそれぞれ、鋳造若しくは射出成形により一体に形成され
る場合、この非空気入りタイヤをより一層容易に形成することができる。
しかも、前述のように、各分割ケース体において、外筒体と内筒体との間には、両弾性連結板のうちの一方だけが配設されていることから、各分割ケース体を鋳造若しくは射出成形により一体に形成するに際し、溶湯や溶融樹脂を、型の内部の隅々にまで確実に到達させ易くすることが可能になるとともに、型の構造が複雑になるのを抑えることも可能になり、この非空気入りタイヤをより一層容易かつ確実に形成することができる。
【発明の効果】
【0026】
この発明によれば、容易に組み立てることが可能で、重量も抑えることができる。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本発明に係る非空気入りタイヤの一実施形態を
図1から
図5を参照しながら説明する。
この非空気入りタイヤ1は、図示されない車軸に取り付けられる取り付け体11と、取り付け体11に外装される内筒体12、および内筒体12をタイヤ径方向の外側から囲繞する外筒体13を備えるリング部材14と、内筒体12と外筒体13との間にタイヤ周方向に沿って複数配設されるとともに、これらの両筒体12、13同士を相対的に弾性変位自在に連結する連結部材15と、外筒体13の外周面側にその全周にわたって配設されたトレッド部材16と、を備えている。
【0029】
ここで、取り付け体11、内筒体12、外筒体13、およびトレッド部材16はそれぞれ、共通軸と同軸に配設されている。以下、この共通軸をタイヤ軸Oといい、このタイヤ軸Oに沿う方向をタイヤ幅方向Hといい、該タイヤ軸Oに直交する方向をタイヤ径方向といい、該タイヤ軸O回りに周回する方向をタイヤ周方向という。なお、取り付け体11、内筒体12、外筒体13、およびトレッド部材16は、タイヤ幅方向Hの中央部が互いに一致させられて配設されている。
【0030】
リング部材14のうち、外筒体13は内筒体12よりもタイヤ幅方向Hの大きさ、つまり幅が大きくなっている。また、内筒体12の内周面には、タイヤ径方向の内側に向けて突出するとともにタイヤ幅方向Hの全長にわたって延びる突条部12aが、タイヤ周方向に間隔をあけて複数配設されている。
【0031】
取り付け体11は、
図1および
図2に示されるように、前記車軸の先端部が装着される装着筒部17と、装着筒部17をタイヤ径方向の外側から囲繞する外リング部18と、装着筒部17と外リング部18とを連結する複数のリブ19と、を備えている。
装着筒部17、外リング部18、およびリブ19は例えばアルミニウム合金等の金属材料で一体に形成されている。装着筒部17および外リング部18はそれぞれ、円筒状に形成されタイヤ軸Oと同軸に配設されている。複数のリブ19は、タイヤ軸Oを基準とする点対称に配置されている。
【0032】
外リング部18の外周面には、タイヤ径方向の内側に向けて窪み、かつタイヤ幅方向Hに延びるキー溝部18aがタイヤ周方向に間隔をあけて複数形成されている。キー溝部18aは、外リング部18の外周面において、タイヤ幅方向Hの両端のうちの一方側にのみ開口し他方側は閉じている。これらのキー溝部18aに、リング部材14における内筒体12の突条部12aが各別に嵌合している。
なお、キー溝部18aを画成する壁面のうち、タイヤ周方向で互いに対向する一対の側壁面と底壁面とは直角をなしている。また、突条部12aの外表面のうち、内筒体12の内周面から立ち上がる一対の側壁面と、タイヤ径方向の内側を向く頂壁面と、は直角をなしている。突条部12aおよびキー溝部18aのタイヤ周方向の大きさは互いに同等になっている。
【0033】
ここで、外リング部18におけるタイヤ幅方向Hの一方側の端縁において、キー溝部18aと対応する位置に、タイヤ幅方向Hの他方側に向けて窪み、かつ板材28が嵌め込まれる凹部18bが形成されている。板材28には貫通孔が形成されていて、凹部18bを画成する壁面のうち、タイヤ幅方向Hの一方側を向く壁面に、該凹部18bに嵌め込まれた板材28の貫通孔に連通する雌ねじ部が形成されている。なお、これらの雌ねじ部および貫通孔はタイヤ周方向に間隔をあけて複数形成されている。
【0034】
そして、リング部材14は、内筒体12が取り付け体11に外嵌され、かつ突条部12aがキー溝部18aに嵌合された状態で、凹部18bに嵌め込んだ板材28の貫通孔を通してボルトを雌ねじ部にねじ込むことにより、取り付け体11に固定されている。この状態において、突条部12aは、板材28と、凹部18bを画成する壁面のうち、タイヤ幅方向Hの他端に位置して一方側を向く他端壁面と、によりタイヤ幅方向Hに挟み込まれている。
なお、外リング部18において、タイヤ周方向で隣り合うキー溝部18a同士の間に位置する部分には、タイヤ径方向に貫通する肉抜き孔がタイヤ幅方向Hに間隔をあけて複数配置されてなる孔列18cが、タイヤ周方向に間隔をあけて複数形成されている。また、リブ19にも、タイヤ幅方向Hに貫通する肉抜き孔19aが形成されている。
【0035】
トレッド部材16は円筒状に形成され、リング部材14の外筒体13の外周面側を全域にわたって一体に覆っている。トレッド部材16は、例えば、天然ゴムまたは/およびゴム組成物が加硫された加硫ゴム、あるいは熱可塑性材料等で形成されている。熱可塑性材料として、例えば熱可塑性エラストマー若しくは熱可塑性樹脂等が挙げられる。熱可塑性エラストマーとしては、例えばJIS K6418に規定されるアミド系熱可塑性エラストマー(TPA)、エステル系熱可塑性エラストマー(TPC)、オレフィン系熱可塑性エラストマー(TPO)、スチレン系熱可塑性エラストマー(TPS)、ウレタン系熱可塑性エラストマー(TPU)、熱可塑性ゴム架橋体(TPV)、若しくはその他の熱可塑性エラストマー(TPZ)等が挙げられる。熱可塑性樹脂としては、例えばウレタン樹脂、オレフィン樹脂、塩化ビニル樹脂、若しくはポリアミド樹脂等が挙げられる。なお、耐摩耗性の観点ではトレッド部材16を加硫ゴムで形成するのが好ましい。
【0036】
連結部材15は、リング部材14における内筒体12と外筒体13とを互いに連結する第1弾性連結板21および第2弾性連結板22を備えている。
連結部材15は、第1弾性連結板21が一のタイヤ幅方向Hの位置にタイヤ周方向に沿って複数配置され、かつ第2弾性連結板22が前記一のタイヤ幅方向Hの位置とは異なる他のタイヤ幅方向Hの位置にタイヤ周方向に沿って複数配置されるように、タイヤ周方向に沿って複数(図示の例では60個)設けられている。
すなわち、複数の第1弾性連結板21は、タイヤ幅方向Hにおける同一の位置にタイヤ周方向に沿って複数配置されるとともに、複数の第2弾性連結板22は、第1弾性連結板21からタイヤ幅方向Hに離れた同一のタイヤ幅方向Hの位置にタイヤ周方向に沿って複数配置されている。
【0037】
なお、複数の連結部材15は、リング部材14における内筒体12と外筒体13との間において、タイヤ軸Oを基準に互いに点対称となる位置に各別に配置されている。また、全ての連結部材15は互いに同形同大となっている。さらに、連結部材15の幅は外筒体13の幅より小さくなっている。
そして、タイヤ周方向で隣り合う第1弾性連結板21同士は互いに非接触とされ、タイヤ周方向で隣り合う第2弾性連結板22同士も互いに非接触となっている。さらに、タイヤ幅方向Hで隣り合う第1弾性連結板21および第2弾性連結板22同士も互いに非接触となっている。
なお、第1弾性連結板21および第2弾性連結板22それぞれの幅は互いに同等になっている。また、第1弾性連結板21および第2弾性連結板22それぞれの厚さも互いに同等になっている。
【0038】
ここで、第1弾性連結板21のうち、外筒体13に連結された一端部21aは、内筒体12に連結された他端部21bよりもタイヤ周方向の一方側に位置し、第2弾性連結板22のうち、外筒体13に連結された一端部22aは、内筒体12に連結された他端部22bよりもタイヤ周方向の他方側に位置している。
また、1つの連結部材15における第1弾性連結板21および第2弾性連結板22の各一端部21a、22aは、外筒体13の内周面において、タイヤ幅方向Hの位置を互いに異ならせて、タイヤ周方向における同一の位置に連結されている。
【0039】
図示の例では、第1弾性連結板21および第2弾性連結板22それぞれにおいて、一端部21a、22aと他端部21b、22bとの間に位置する中間部分21c、22cに、タイヤ周方向に湾曲する湾曲部21d〜21f、22d〜22fが、このタイヤ1をタイヤ幅方向Hから見たタイヤ側面視で、当該連結板21、22が延びる方向に沿って複数形成されている。両連結板21、22それぞれにおいて、複数の湾曲部21d〜21f、22d〜22fのうち、前述の延びる方向で互いに隣り合う各湾曲部21d〜21f、22d〜22fの湾曲方向は、互いに逆向きになっている。
【0040】
第1弾性連結板21に形成された複数の湾曲部21d〜21fは、タイヤ周方向の他方側に向けて突となるように湾曲した第1湾曲部21dと、第1湾曲部21dと一端部21aとの間に位置しかつタイヤ周方向の一方側に向けて突となるように湾曲した第2湾曲部21eと、第1湾曲部21dと他端部21bとの間に位置しかつタイヤ周方向の一方側に向けて突となるように湾曲した第3湾曲部21fと、を有している。
第2弾性連結板22に形成された複数の湾曲部22d〜22fは、タイヤ周方向の一方側に向けて突となるように湾曲した第1湾曲部22dと、第1湾曲部22dと一端部22aとの間に位置しかつタイヤ周方向の他方側に向けて突となるように湾曲した第2湾曲部22eと、第1湾曲部22dと他端部22bとの間に位置しかつタイヤ周方向の他方側に向けて突となるように湾曲した第3湾曲部22fと、を有している。
図示の例では、第1湾曲部21d、22dは、第2湾曲部21e、22eおよび第3湾曲部21f、22fよりも、前記タイヤ側面視の曲率半径が大きくなっている。なお、第1湾曲部21d、22dは、第1弾性連結板21および第2弾性連結板22の前記延びる方向における中央部に配置されている。
【0041】
さらに、両弾性連結板21、22の各長さは互いに同等とされるとともに、両弾性連結板21、22の各他端部21b、22bは、
図4に示されるように、前記タイヤ側面視で、内筒体12の外周面において前記各一端部21a、22aとタイヤ径方向で対向する位置からタイヤ軸Oを中心にタイヤ周方向における一方側および他方側にそれぞれ同じ角度(例えば20°以上135°以下)ずつ離れた各位置に各別に連結されている。また、第1弾性連結板21および第2弾性連結板22それぞれの第1湾曲部21d、22d同士、第2湾曲部21e、22e同士、並びに第3湾曲部21f、22f同士は互いに、タイヤ周方向に突となる向きが逆で、かつ大きさが同等になっている。
【0042】
これにより、各連結部材15の前記タイヤ側面視の形状は、
図4に示されるように、タイヤ径方向に沿って延在し、かつ両連結板21、22の各一端部21a、22aを通る仮想線Lに対して線対称となっている。
また、両弾性連結板21、22それぞれにおいて、前述した延びる方向の中央部から前記一端部21a、22aにわたる一端側部分は、該中央部から前記他端部21b、22bにわたる他端側部分よりも厚さが大きくなっている。これにより、連結部材15の重量の増大を抑えたり、連結部材15の柔軟性を確保したりしながら、第1、第2弾性連結板21、22において大きな負荷がかかり易い一端側部分の強度を高めることができる。なお、これらの一端側部分と他端側部分とは段差なく滑らかに連なっている。
【0043】
そして本実施形態では、リング部材14および複数の連結部材15は、一体に形成されている。
さらに本実施形態では、リング部材14は、
図1に示されるように、タイヤ幅方向Hの一方側に位置する一方側分割リング部材23と、タイヤ幅方向Hの他方側に位置する他方側分割リング部材24と、に分割されている。なお図示の例では、リング部材14はタイヤ幅方向Hの中央部で分割されている。
【0044】
一方側分割リング部材23は、第1弾性連結板21と一体に形成され、他方側分割リング部材24は、第2弾性連結板22と一体に形成されている。一方側分割リング部材23と第1弾性連結板21とは同一の合成樹脂材料で一体に形成され、他方側分割リング部材24と第2弾性連結板22とも同一の合成樹脂材料で一体に形成されている。以下、一方側分割リング部材23および第1弾性連結板21が一体に形成されたものを第1分割ケース体31といい、他方側分割リング部材24および第2弾性連結板22が一体に形成されたものを第2分割ケース体32という。第1、第2分割ケース体31、32は、同一の合成樹脂材料、例えば同一の熱可塑性樹脂などにより形成されている。
第1、第2分割ケース体31、32それぞれにおいて、第1、第2弾性連結板21、22のタイヤ幅方向Hの中央部と、外筒体13のタイヤ幅方向Hの中央部と、内筒体12のタイヤ幅方向Hの中央部と、は互いに一致し、内筒体12は、外筒体13よりも幅が小さく、かつ第1弾性連結板21および第2弾性連結板22の各幅と同等になっている。
【0045】
ここで、内筒体12および外筒体13は、通電体40を介して接続されている。通電体40は、連結部材15を形成する材料の導電率よりも高い導電率を具備する材料で形成されている。通電体40を形成する材料(以下、通電体材料という)は、リング部材14および複数の連結部材15を一体に形成する前述の合成樹脂材料の導電率よりも高い導電率を具備している。通電体材料の導電率は、例えば100(S/m)以上となっている。通電体材料としては、例えばFRPなどが挙げられる。このFRPは、例えば前述の合成樹脂材料と同一の合成樹脂材料をマトリックス樹脂とし、このマトリックス樹脂の導電率よりも高い導電率を具備する強化繊維を含有していてもよい。FRPとしては、例えば強化繊維としての炭素繊維を含有するCFRP等が挙げられる。
【0046】
通電体40は、第1分割ケース体31と第2分割ケース体32とによりタイヤ幅方向Hに挟まれている。図示の例では、通電体40は、第1、第2分割ケース体31、32に各別に設けられており、第1、第2分割ケース体31、32それぞれのタイヤ幅方向Hの内側に配設されている。
図5に示されるように、通電体40は、前記タイヤ側面視で、タイヤ軸Oを基準に点対称に形成されている。通電体40は、仲介部材41と、本体部材42と、を備えている。
仲介部材41は、タイヤ軸Oと同軸の環状に形成され、前記タイヤ側面視で内筒体12と同形同大に形成されている。仲介部材41は、第1、第2分割ケース体31、32の内筒体12におけるタイヤ幅方向Hの内側の端縁に、例えば溶着、融着若しくは接着等により連結されている。
【0047】
本体部材42は、タイヤ径方向に延在している。本体部材42の長さは、第1、第2弾性連結板21、22の各長さより小さい。本体部材42は、タイヤ周方向に間隔をあけて複数配置されている。複数の本体部材42は、タイヤ軸Oを間に挟んだ反対側の位置を互いに避けるように配置されている。図示の例では、複数の本体部材42は、互いに同形同大に形成されるとともに、タイヤ周方向に同等の間隔をあけて3つ配置されている。本体部材42は、取り付け体11の前記リブ19とタイヤ周方向に同等の位置に配置されていてもよく、異なる位置に配置されていてもよい。
【0048】
本体部材42は、複数の連結部材15にタイヤ幅方向Hに並設されており、複数の連結部材15に対してタイヤ幅方向Hの内側に配置されている。本体部材42は、表裏面がタイヤ幅方向Hを向くとともにタイヤ径方向に沿って延在する薄板状に形成されている。本体部材42は、第1、第2弾性連結板21、22よりも薄肉に形成されていてもよい。本体部材42は、タイヤ径方向の内側から外側に向かうに従い漸次、タイヤ周方向に拡幅している。本体部材42の前記タイヤ側面視の形状は、タイヤ径方向に沿って延在する図示しない対称軸を基準として線対称になっている。
【0049】
本体部材42のタイヤ径方向の内側の端部は、内筒体12に接続されている。本実施形態では、本体部材42のタイヤ径方向の内側の端部は、仲介部材41の外周縁に連結されており、この仲介部材41を介して内筒体12に接続されている。
本体部材42のタイヤ径方向の外側の端部(通電体において外筒体に接続される部分)は、外筒体13に接続されている。この外側の端部は、第1、第2分割ケース体31、32の外筒体13におけるタイヤ幅方向Hの内側の端縁に、例えば溶着、融着若しくは接着等により連結されており、外筒体13の外周面に到達している。本体部材42のタイヤ径方向の外端縁は、外筒体13の外周面に沿って延在している。
【0050】
前記本体部材42では、タイヤ径方向の外側の端部が、タイヤ径方向の内側の端部よりもタイヤ幅方向Hの内側に位置しており、本体部材42のうち、タイヤ径方向の両端部の間に位置する中間部分は、タイヤ径方向の内側から外側に向かうに従い漸次タイヤ幅方向Hの内側に向けて延在している。この中間部分と、第1、第2弾性連結板21、22と、の間には、タイヤ幅方向Hの隙間が設けられている。
【0051】
ここで第1、第2分割ケース体31、32はそれぞれ、鋳造若しくは射出成形により一体に形成されている。なお射出成形としては、第1、第2分割ケース体31、32それぞれの全体を各別に同時に成形する一般的な方法が挙げられる。この場合、内筒体12に形成された複数の突条部12aをゲート部分としてもよい。さらにこの場合、通電体40をインサート品として第1、第2分割ケース体31、32を射出成形するインサート成形をしてもよく、または、第1、第2分割ケース体31、32を射出成形した後、脱型された第1、第2分割ケース体31、32に通電体40を連結してもよい。
【0052】
そして前記非空気入りタイヤ1では、一方側分割リング部材23の外筒体13、および他方側分割リング部材24の外筒体13それぞれのタイヤ幅方向Hの端縁同士が、例えば溶着、融着若しくは接着等により、通電体40の本体部材42におけるタイヤ径方向の外側の端部を介して連結されている。なおこれらのうち、溶着の場合には例えば熱板溶着等を採用してもよい。
また、一方側分割リング部材23の内筒体12、および他方側分割リング部材24の内筒体12それぞれのタイヤ幅方向Hの端縁同士は、タイヤ幅方向Hに離れている。これにより、取り付け体11に外嵌される内筒体12の内周面にバリが生ずることが防止されている。なお図示の例では、両第1、第2分割ケース体31、32の各通電体40の仲介部材41同士も、タイヤ幅方向Hに離れている。
【0053】
第1分割ケース体31および第2分割ケース体32は、これら31、32を前述のように連結する前の状態では、
図3に示されるように互いに同形同大となっている。
そして、前述のように連結するに際し、各連結部材15が前記タイヤ側面視で前述のように線対称となるように、第1分割ケース体31および第2分割ケース体32それぞれのタイヤ周方向の位置を合わせつつ、これらの両分割ケース体31、32のタイヤ幅方向Hの向きを互いに逆向きにした状態で、第1分割ケース体31および第2分割ケース体32の各外筒体13のタイヤ幅方向Hの端縁同士を突き合わせて連結することにより、非空気入りタイヤ1が得られる。
【0054】
以上説明したように、本実施形態による非空気入りタイヤ1によれば、一方側分割リング部材23および第1弾性連結板21が一体に形成された第1分割ケース体31と、他方側分割リング部材24および第2弾性連結板22が一体に形成された第2分割ケース体32と、を備えているので、当該非空気入りタイヤ1の組み立てに際し、複数の連結部材15それぞれの両端部21a、22a、21b、22bを、内筒体12および外筒体13に各別に連結しなくても、第1、第2分割ケース体31、32を取り付け体11に装着すれば足りるため、製造時間を短縮することができる。
【0055】
また、第1、第2分割ケース体31、32を備えていることから、例えば、連結部材15の両端部21a、22a、21b、22bと内筒体12および外筒体13とを、締結部材等を用いて連結する場合と比べて重量を抑えることができる。
さらに、第1弾性連結板21が、一のタイヤ幅方向Hの位置にタイヤ周方向に沿って複数配置されるとともに、第2弾性連結板22が、他のタイヤ幅方向Hの位置にタイヤ周方向に沿って複数配置されているので、タイヤ周方向で隣り合う連結部材15同士が干渉し合うのを抑えることが可能になり、その配設個数に制限が生ずるのを抑制することができる。
【0056】
また、第1弾性連結板21のうち、外筒体13に連結された一端部21aが、内筒体12に連結された他端部21bよりもタイヤ周方向の一方側に位置し、第2弾性連結板22のうち、外筒体13に連結された一端部22aが、内筒体12に連結された他端部22bよりもタイヤ周方向の他方側に位置しているので、この非空気入りタイヤ1に外力が作用したときに、第1弾性連結板21および第2弾性連結板22を弾性変形させ易くすることが可能になり、この非空気入りタイヤ1に柔軟性を具備させて良好な乗り心地性を確保することができる。
【0057】
さらに、第1分割ケース体31および第2分割ケース体32それぞれにおいて、外筒体13と内筒体12との間には、第1弾性連結板21および第2弾性連結板22のうち、前記タイヤ側面視で、一定の方向に延びるいずれか一方だけが複数配設されていて、他の方向に延びる他方が配設されていないので、リング部材14および連結部材15を形成するに際し、まず、構造が簡素で容易に形成することができる第1、第2分割ケース体31、32を各別に形成することによって、リング部材14および連結部材15の全体が一体に形成されて構造が複雑なケース体を形成する場合と比べて、この非空気入りタイヤ1を容易かつ確実に形成することができる。
【0058】
また、第1、第2分割ケース体31、32がそれぞれ、鋳造若しくは射出成形により一体に形成されているので、この非空気入りタイヤ1をより一層容易に形成することができる。
しかも、前述のように、各分割ケース体31、32において、外筒体13と内筒体12との間には、両弾性連結板21、22のうちの一方だけが配設されていることから、各分割ケース体31、32を鋳造若しくは射出成形により一体に形成するに際し、溶湯や溶融樹脂を、型の内部の隅々にまで確実に到達させ易くすることが可能になるとともに、型の構造が複雑になるのを抑えることも可能になり、この非空気入りタイヤ1をより一層容易かつ確実に形成することができる。
【0059】
また、連結部材15が、前記タイヤ側面視で前記仮想線Lに対して線対称に形成されているので、この非空気入りタイヤ1におけるタイヤ周方向の一方側に沿うばね定数と他方側に沿うばね定数とで差が生ずるのを抑えることが可能になり、良好な操縦性を具備させることができる。
【0060】
さらに両筒体12、13が、前記通電体40を介して接続されているので、この非空気入りタイヤ1の走行時に、取り付け体11や内筒体12の電荷を、通電体40およびトレッド部材16を介して路面に逃がすことが可能になり、この非空気入りタイヤ1に静電気が蓄積するのを抑制することができる。
またこのように、通電体40により静電気の蓄積を抑制することができるので、静電気の蓄積を抑えつつ、連結部材15を形成する材料として、例えば導電率が低い合成樹脂材料を採用するなど、連結部材15を形成する材料の選択の幅を広げることができる。これにより、連結部材15を形成する材料を多様な材料から採用することが可能になり、連結部材15を形成する材料として、例えば成形容易な材料を採用することで製造時間を一層短縮したり、軽量な材料を採用することで重量を更に抑えたり等することができる。
【0061】
また、本体部材42がタイヤ周方向に間隔をあけて複数備えられているので、例えば通電体40に本体部材42が1つのみ備えられている場合に比べて、取り付け体11や内筒体12の電荷を路面に効果的に逃がすことができる。
さらに、複数の本体部材42が、タイヤ軸Oを間に挟んだ反対側の位置を互いに避けるように配置されているので、この非空気入りタイヤ1の柔軟性がタイヤ周方向の位置ごとにばらつくのを抑制することができる。
さらにまた、本体部材42が、複数の連結部材15にタイヤ幅方向Hに並設されているので、例えば本体部材42を、タイヤ周方向に隣り合う連結部材15同士の間に配置する場合などに比べて、連結部材15の配置位置や形状、大きさに制約が生じるのを抑えることが可能になり、この非空気入りタイヤ1の設計の自由度を確保することができる。
【0062】
また、通電体40が、前記タイヤ側面視で、タイヤ軸Oを基準に点対称に形成されているので、通電体40の重心をタイヤ軸O上に位置させて良好なユニフォミティを確保することができる。
さらに、通電体40において外筒体13に接続される部分である本体部材42のタイヤ径方向の外側の端部が、外筒体13の外周面に到達しているので、取り付け体11や内筒体12の電荷を通電体40から路面に逃がし易くすることが可能になり、この非空気入りタイヤ1に静電気が蓄積するのを効果的に抑制することができる。
【0063】
また、通電体40が、第1分割ケース体31と第2分割ケース体32とによりタイヤ幅方向Hに挟まれているので、第1、第2分割ケース体31、32により、通電体40をタイヤ幅方向Hの外側から保護することが可能になり、内筒体12の静電気を、通電体40を介して路面に確実に逃がすことができる。
さらに、第1分割ケース体31が、一方側分割リング部材23および第1弾性連結板21が一体に形成されてなり、第2分割ケース体32が、他方側分割リング部材24および第2弾性連結板22が一体に形成されてなるので、例えば、一方側分割リング部材23と第1弾性連結板21とが別体に形成されていたり、他方側分割リング部材24と第2弾性連結板22とが別体に形成されていたりする場合などに比べて、通電体40を、第1分割ケース体31と第2分割ケース体32とにより容易に挟むことが可能になり、製造時間を確実に短縮することができる。
【0064】
なお、本発明の技術的範囲は前記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
【0065】
例えば、第1弾性連結板21における湾曲部21d〜21fの湾曲方向、および第2弾性連結板22における湾曲部22d〜22fの湾曲方向は、前記実施形態に限らず適宜変更してもよい。
またトレッド部材16はなくてもよい。
【0066】
また、前記実施形態では、通電体40において外筒体13に接続される部分である本体部材42のタイヤ径方向の外側の端部が、外筒体13の外周面に到達しているものとしたが、これに限られない。例えば、本体部材のタイヤ径方向の外側の端部が、外筒体の外周面には到達しておらず、外筒体の内周面に連結された構成であってもよい。
【0067】
また、前記実施形態では、通電体40が、第1、第2分割ケース体31、32に各別に設けられているものとしたが、これに限られない。例えば、両分割ケース体の間に1つの通電体が設けられていてもよい。
さらに、前記実施形態では、第1分割ケース体31と第2分割ケース体32とによりタイヤ幅方向Hに挟まれているものとしたが、これに限られない。例えば、通電体が、両分割ケース体のタイヤ幅方向の外側に設けられていてもよい。
【0068】
また、前記実施形態では、通電体40は、前記タイヤ側面視で、タイヤ軸Oを基準に点対称に形成されているものとしたが、点対称に形成されていなくてもよい。
さらに、前記実施形態では、本体部材42は、複数の連結部材15にタイヤ幅方向Hに並設されているものとしたが、これに限られない。例えば、本体部材を、タイヤ周方向に隣り合う連結部材同士の間に配置してもよい。
さらにまた、前記実施形態では、複数の本体部材42は、タイヤ軸Oを間に挟んだ反対側の位置を互いに避けるように配置されているものとしたが、タイヤ軸を間に挟んだ反対側に配置してもよい。
【0069】
また、前記実施形態では、本体部材42は、タイヤ周方向に間隔をあけて複数備えられているものとしたが、これに限られない。例えば、本体部材が1つのみであってもよい。
さらに、前記実施形態では、通電体40に仲介部材41が備えられているものとしたが、仲介部材41はなくてもよい。この場合、本体部材のタイヤ径方向の内側の端部が、内筒体に直結されていてもよい。
【0070】
また、前記実施形態では、一方側分割リング部材23と第1弾性連結板21とが同一の合成樹脂材料で一体に形成され、他方側分割リング部材24と第2弾性連結板22とも同一の合成樹脂材料で一体に形成されているものとしたが、これに限られない。
例えば、リング部材と、複数の連結部材と、が互いに異なる合成樹脂材料で形成されていてもよい。この場合において、分割ケース体を射出成形するときには、第1、第2分割ケース体それぞれにおいて、一方側、他方側分割リング部材、および第1、第2弾性連結板のうちの一方をインサート品として他方を射出成形するインサート成形でもよいし、あるいはいわゆる二色成形等であってもよい。
【0071】
また、前記実施形態では、連結部材15として第1弾性連結板21および第2弾性連結板22をそれぞれ1つずつ備えた構成を示したが、これに代えて、1つの連結部材15に第1弾性連結板21および第2弾性連結板22がそれぞれ複数ずつ、互いのタイヤ幅方向Hの位置を異ならせて備えられた構成を採用してもよい。
また、連結部材15を、内筒体12と外筒体13との間にタイヤ幅方向Hに沿って複数設けてもよい。
【0072】
また、第1弾性連結板21および第2弾性連結板22それぞれの他端部21b、22bは、前記実施形態に代えて例えば、内筒体12の外周面においてタイヤ軸Oをタイヤ径方向で挟んで互いに反対となる各位置に各別に連結してもよいし、あるいは、内筒体12の外周面において、第1弾性連結板21および第2弾性連結板22の各一端部21a、22aにタイヤ径方向で対向する位置等に連結してもよい。
また、前記実施形態に代えて、両連結板21、22の各一端部21a、22aを、外筒体13の内周面にタイヤ周方向位置を互いに異ならせて連結してもよい。
【0073】
さらに、一方側分割リング部材23の内筒体12と、他方側分割リング部材24の内筒体12と、の間にタイヤ幅方向Hの隙間を設けなくてもよい。
また、リング部材14をタイヤ幅方向Hに3個以上分割してもよいし、分割しなくてもよい。
さらに、第1、第2分割ケース体31、32は、前記実施形態に限らず例えば、切削加工等で形成してもよい。
【0074】
また前記実施形態では、リング部材14の両筒体12、13および複数の連結部材15が一体に形成されているものとしたが、これに限られない。少なくともリング部材の両筒体のうちの一方と、複数の連結部材と、が一体に形成された他の構成に適宜変更してもよい。例えば、内筒体と複数の連結部材とが一体に形成され、この連結体と外筒体とが別体に形成されていてもよい。また、外筒体と複数の連結部材とが一体に形成され、この連結体と内筒体とが別体に形成されていてもよい。
【0075】
その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上記した実施の形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また、上記した変形例を適宜組み合わせてもよい。