特許第6043190号(P6043190)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6043190
(24)【登録日】2016年11月18日
(45)【発行日】2016年12月14日
(54)【発明の名称】燃料ノズル及び燃料ノズルの製造方法
(51)【国際特許分類】
   F23R 3/28 20060101AFI20161206BHJP
   F02C 7/00 20060101ALI20161206BHJP
   F01D 25/00 20060101ALI20161206BHJP
   B23K 9/00 20060101ALI20161206BHJP
   B23K 26/21 20140101ALI20161206BHJP
   B23K 20/12 20060101ALI20161206BHJP
   B23K 15/00 20060101ALI20161206BHJP
   F02C 7/232 20060101ALI20161206BHJP
   C22C 19/07 20060101ALN20161206BHJP
   C22C 19/05 20060101ALN20161206BHJP
   C22C 38/00 20060101ALN20161206BHJP
   C22C 38/60 20060101ALN20161206BHJP
【FI】
   F23R3/28 B
   F02C7/00 D
   F01D25/00 X
   B23K9/00 501E
   B23K26/21 N
   B23K20/12 G
   B23K15/00 505
   F02C7/232 B
   !C22C19/07 H
   !C22C19/05 C
   !C22C38/00 302Z
   !C22C38/60
【請求項の数】17
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2013-1449(P2013-1449)
(22)【出願日】2013年1月9日
(65)【公開番号】特開2013-142534(P2013-142534A)
(43)【公開日】2013年7月22日
【審査請求日】2015年12月28日
(31)【優先権主張番号】13/348,732
(32)【優先日】2012年1月12日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】390041542
【氏名又は名称】ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ
(74)【代理人】
【識別番号】100137545
【弁理士】
【氏名又は名称】荒川 聡志
(74)【代理人】
【識別番号】100105588
【弁理士】
【氏名又は名称】小倉 博
(74)【代理人】
【識別番号】100129779
【弁理士】
【氏名又は名称】黒川 俊久
(74)【代理人】
【識別番号】100113974
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 拓人
(72)【発明者】
【氏名】ビル・デイモン・ジョンストン
(72)【発明者】
【氏名】ダニエル・アンソニー・ノワク
(72)【発明者】
【氏名】スリカンス・チャンドルドゥ・コッティリンガム
【審査官】 山崎 孔徳
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−71640(JP,A)
【文献】 米国特許第6112971(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F23R 3/28
B23K 9/00
B23K 15/00
B23K 20/12
B23K 26/21
F01D 25/00
F02C 7/00
F02C 7/232
C22C 19/05
C22C 19/07
C22C 38/00
C22C 38/60
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃料ノズル端部カバーと、
燃料ノズルインサートと
を備える燃料ノズルであって、
前記燃料ノズルインサートが、ビーム溶接、固相溶接及びこれらの組合せからなる群から選択される溶接方法によって、前記燃料ノズル端部カバーに溶接され、前記燃料ノズルインサートが、第1の燃料ノズルインサート部及び第2の燃料ノズルインサート部を含んでいて、第1の燃料ノズルインサート部が前記燃料ノズル端部カバーの第2の円筒部に溶接され、第2の燃料ノズルインサート部が前記燃料ノズル端部カバーの第1の円筒部に溶接され、第1の円筒部と第2の円筒部の直径が異なり、第1の燃料ノズルインサート部が第1の所定の挿入方向に沿って挿入するように構成され、第2の燃料ノズルインサート部が第2の所定の挿入方向に沿って挿入するように構成され、第1の所定の挿入方向が第2の所定の挿入方向とは異なる、燃料ノズル。
【請求項2】
第2の燃料ノズルインサート部が、1の円筒部と2の円筒部との間の切頭円錐部にも溶接される、請求項載の燃料ノズル。
【請求項3】
前記燃料ノズルインサートが第3の燃料ノズルインサート部をさらに含む、請求項1又は請求項2記載の燃料ノズル。
【請求項4】
3の燃料ノズルインサート部が2の燃料ノズルインサート部に溶接される、請求項記載の燃料ノズル。
【請求項5】
3の燃料ノズルインサート部が前記燃料ノズル端部カバー外側のリップ領域を形成する、請求項記載の燃料ノズル。
【請求項6】
前記燃料ノズルインサートが1以上のクラッド肉盛り部を含む、請求項1乃至請求項5のいずれか1項記載の燃料ノズル。
【請求項7】
前記燃料ノズルインサートが第1の燃料ノズルインサート部及び第2の燃料ノズルインサート部を含んでおり、1の燃料ノズルインサート部が、前記燃料ノズル端部カバーに別個に溶接される、請求項1記載の燃料ノズル。
【請求項8】
前記燃料ノズルインサートが、2の燃料ノズルインサート部に溶接される第3の燃料ノズルインサート部をさらに含む、請求項記載の燃料ノズル。
【請求項9】
前記燃料ノズル端部カバーが、略円筒形キャビティを規定するステンレス鋼の基材を含み、前記燃料ノズル端部カバーが、第1の直径及び該第1の直径よりも小さい第2の直径、第1の深さ及び該第1の深さよりも大きい第2の深さ、及び該略円筒キャビティを分断する切頭円錐部を有する、請求項1記載の燃料ノズル。
【請求項10】
燃料ノズル端部カバーと、
燃料ノズルインサートと、
を備える燃料ノズルであって、
前記燃料ノズルインサートが第1の燃料ノズルインサート部及び第2の燃料ノズルインサート部を含んでおり、1の燃料ノズルインサート部が前記燃料ノズル端部カバーに別個に溶接され、第1の燃料ノズルインサート部が第1の所定の挿入方向に沿って挿入するように構成され、第2の燃料ノズルインサート部が第2の所定の挿入方向に沿って挿入するように構成され、第1の所定の挿入方向が第2の所定の挿入方向とは異なる、燃料ノズル。
【請求項11】
1の燃料ノズルインサート部が前記燃料ノズル端部カバーの第1の円筒部に溶接され、2の燃料ノズルインサート部が前記燃料ノズル端部カバーの第2の円筒部に溶接され、1の円筒部と2の円筒部の直径が異なる、請求項10記載の燃料ノズル。
【請求項12】
第2の燃料ノズルインサート部が、1の円筒部と2の円筒部との間の切頭円錐部にも溶接される、請求項11記載の燃料ノズル。
【請求項13】
前記燃料ノズルインサートが第3の燃料ノズルインサート部をさらに含む、請求項10記載の燃料ノズル。
【請求項14】
3の燃料ノズルインサート部が前記燃料ノズル端部カバー外側のリップ領域を形成する、請求項13記載の燃料ノズル。
【請求項15】
前記燃料ノズルインサートが1以上のクラッド肉盛り部を含む、請求項10記載の燃料ノズル。
【請求項16】
燃料ノズルを製造する方法であって、当該方法が、
燃料ノズル端部カバーを準備する段階と、
第1の燃料ノズルインサート部及び第2の燃料ノズルインサート部を準備する段階と、
第1の所定の挿入方向に沿って第1の燃料ノズルインサート部を挿入する段階と、
第1の燃料ノズルインサートを前記燃料ノズル端部カバーに溶接する段階と
第1の所定の挿入方向とは異なる第2の所定の挿入方向に沿って第2の燃料ノズルインサート部を挿入する段階と、
第2の燃料ノズルインサート部を前記燃料ノズル端部カバーに溶接する段階と、
を含んでおり、第1の燃料ノズルインサート部及び第2の燃料ノズルインサート部を前記燃料ノズル端部カバーに溶接する段階が、ビーム溶接、固相溶接及びこれらの組合せからなる群から選択される溶接方法による、方法。
【請求項17】
1の燃料ノズルインサート部及び第2の燃料ノズルインサート部が、前記燃料ノズル端部カバーに別個に溶接される、請求項16記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、燃料ノズル及び燃料ノズルの製造方法に関する。詳細には、本発明は、溶接された燃料ノズル及び溶接による燃料ノズルの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、ガスタービンは厳しい運転にさらされる。高温、厳しい環境、広範な環境での使用、及び長い使用時間により、ガスタービン及びその構成部品における課題がもたらされる。このような構成部品の耐用年数を延ばすこと及びこのような構成部品の補修可能性を改善することで、ガスタービンに関するコスト低減が可能になり、ガスタービンの運転状態を延ばすことができる。
【0003】
公知のガスタービンの燃料ノズル上の端部カバーは、該端部カバーにろう付けされたインサートを備える。一般に、このようなインサートは、インサートを端部カバー内に固定する4つのろう付け継手を有する。これらのろう付け継手は、故障の影響を受け、例えば、ろう付け継手の近くでの漏れにつながる。また、このようなろう付け継手は、頻繁な補修を必要という欠点に悩まされ場合がある。このような補修は、複雑で費用がかかる場合がある。さらに、このような補修を行う能力が制限される場合がある。
【0004】
公知の端部カバーの補修により、補修不能な更なる漏れにつながる場合がある。例えば、補修のためにインサートを取り外す場合、ろう付け継手は切り離される。ろう付け継手を繰り返して切り離すと、適切に補修できない漏れ等の望ましくない運転上の問題につながる可能性がある。公知の端部カバーは繰り返される補修が3回に制限されるという欠点に悩まされる。
【0005】
燃料ノズルインサートを燃料ノズル端部カバー内に固定するための他の手法は利用できない。特に、インサートの複雑な幾何学的形状、及びインサートが端部カバー内に配置される場合の燃料ノズル内の特定の部位へ手を伸ばす困難性は、ろう付け以外の手法の使用を妨げている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】米国特許第6112971号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本技術分野では、前述の1以上の欠点に悩まされない燃料ノズル及び燃料ノズルを製造する方法が望まれる。
【課題を解決するための手段】
【0008】
例示的な実施形態では、燃料ノズルは、燃料ノズル端部カバー及び燃料ノズルインサートを含む。燃料ノズルインサートは、ビーム溶接、固相溶接及びこれらの組合せからなる群から選択される溶接法で、燃料ノズル端部カバーに溶接される。
【0009】
他の例示的な実施形態では、燃料ノズルは、燃料ノズル端部カバー及び燃料ノズルインサートを含む。燃料ノズルインサートは、第1の燃料ノズルインサート部及び第2の燃料ノズルインサート部を含み、第1の燃料ノズルインサート部は、燃料ノズル端部カバーに別個に溶接される。
【0010】
他の例示的な実施形態では、燃料ノズルを製造する段階は、燃料ノズル端部カバーを準備する段階と、燃料ノズルインサートを準備する段階と、燃料ノズルインサートを燃料ノズル端部カバーに溶接する段階とを含む。燃料ノズルインサートの燃料ノズル端部カバーへの溶接は、ビーム溶接、固相溶接及びこれらの組合せからなる群から選択される溶接法による。
【0011】
本発明の他の特徴及び利点は、本発明の原理を例示する図面と併せて以下の好ましい実施形態の詳細な説明から明白になるはずである。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明のガスタービンの燃料ノズルの燃料ノズルインサート及び燃料ノズル端部カバーの一部を取り除いた断面斜視図。
図2】本発明の例示的な燃料ノズル端部カバー及び燃料ノズル端部カバー内に挿入されるように配置される第1の燃料ノズルインサート部の概略断面図。
図3】本発明の第1の燃料ノズルインサート部が燃料ノズル端部カバーに溶接される、例示的な燃料ノズル端部カバーの概略断面図。
図4】本発明の第1の燃料ノズルインサート部が燃料ノズル端部カバーに溶接され、第2の燃料ノズルインサート部が燃料ノズル端部カバー内に挿入されるように配置される、例示的な燃料ノズル端部カバーの概略断面図。
図5】第1の燃料ノズルインサート部及び第2の燃料ノズルインサート部が燃料ノズル端部カバー内に溶接される、例示的な燃料ノズル端部カバーの概略断面図。
図6】第1の燃料ノズルインサート部及び第2の燃料ノズルインサート部が燃料ノズル端部カバー内に溶接され、燃料ノズルインサートの第3の部分が燃料ノズル端部カバー内に挿入されるように配置される、例示的な燃料ノズル端部カバーの概略断面図。
図7】第1の燃料ノズルインサート部、第2の燃料ノズルインサート部、及び第3の燃料ノズルインサート部が燃料ノズル端部カバー内に溶接される、例示的な燃料ノズル端部カバーの概略断面図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
可能な限り、図面を通して同じ参照番号は同じ部品を示す。
【0014】
例示的な燃料ノズル及び燃料ノズルの製造方法を提供する。本開示の実施形態により、燃料ノズルを長期間にわたって使用でき、燃料ノズルを簡単な方法で補修することができ、より多くの回数で燃料ノズルを補修し(例えば、3回以上)、補修の運用コストを低減し、燃料ノズルの漏れを防止することを単独で又は組み合わせて行うことができる。
【0015】
図1を参照すると、一実施形態では、燃料ノズル100は、燃料ノズル端部カバー104及び燃料ノズルインサート102を含む。燃料ノズルインサート102は、例えば以下に図2−7を参照して示して説明する溶接方法によって、燃料ノズル端部カバー104に溶接される。燃料ノズルインサート102の燃料ノズル端部カバー104への溶接は、ビーム溶接(レーザビーム溶接及び/又は電子ビーム溶接等)及び/又は固相溶接 (摩擦溶接、摩擦かくはん溶接、爆発溶接、電磁パルス溶接、共押出溶接、冷間圧接拡散溶接、発熱性溶接、高周波溶接、高温圧接、誘導溶接、及びロール溶接等)による。
【0016】
燃料ノズルインサート102は、燃料ノズル端部カバー104内に取り外し可能に固定できる。燃料ノズル100は、任意の適切なシステムの一部とすることができる。一実施形態では、燃料ノズル100は、1以上の追加の燃料ノズル103と一緒に配置され、及び/又はガスタービンシステム101の一部である。
【0017】
図2を参照すると、燃料ノズル端部カバー104は、キャビティ110を規定する基材106を含む。基材106は、任意の適切な材料又は金属組成である。一実施形態では、基材106は、ステンレス鋼であるか又はこれを含有する。
【0018】
キャビティ110は任意の適切な幾何学的形状である。一実施形態では、キャビティ110は、基材106に穴あけされた実質的に円筒形の部分を含む。別の実施形態では、第1の円筒部112は、第2の円筒部114の第2の直径111(例えば、約2.3インチ)よりも大きな第1の直径109(例えば、約4インチ)を有し、第1の直径109は第2の直径111とは異なる。一実施形態では、第1の円筒部112は第1の深さ113(例えば、約1.4インチ)であり、第2の円筒部114は第2の深さ115(例えば、約2.3インチ)であり、第1の深さ113は第2の深さ115とは異なる。別の実施形態では、切頭円錐部116は、第1の円筒部112及び第2の円筒部114を分ける。
【0019】
一実施形態では、第1の燃料ノズルインサート部202は、第1の所定の挿入方向203に沿って、燃料ノズル端部カバー104の第2の円筒部114に隣接するが第1の円筒部112から離れた部位から燃料ノズル端部カバー104内に挿入するように構成される。一実施形態では、第1の燃料ノズルインサート部202は、ステンレス鋼であるか又はそれを含有する。一実施形態では、第1の燃料ノズルインサート部202は、実質的に第1の円筒部112の深さ113と同じ長さの第1の領域204を含む。一実施形態では、第1の領域204は実質的に第1の所定の挿入方向203に延在する第1の円筒形突起部205を備える円筒形である。また、第1の燃料ノズルインサート部202は、切頭円錐部116に対応する第2の領域206を含む。一実施形態では、第2の領域206は、燃料ノズル端部カバー104に溶接されるように構成及び配置される凹部207及び/又は突起部209を含む。また、第1の燃料ノズルインサート部202は、実質的に第2の円筒部114の深さ115と同じ長さの第3の領域208を含む。第3の領域208において、第1の燃料ノズルインサート部202は、クラッド肉盛り部210(例えば、ニッケル基クラッド)等の溶接領域を含む。一実施形態では、クラッド肉盛り部210は、第1の燃料ノズルインサート部202の第3の領域208の周りを円周方向に延在する。一実施形態では、クラッド肉盛り部210は円周方向に不連続である。
【0020】
図3を参照すると、一実施形態では、第1の燃料ノズルインサート部202の燃料ノズル端部カバー104への挿入は、第1の燃料ノズルインサート部202の第3の領域208のクラッド肉盛り部210の溶接、及び例えば切頭円錐部116と第2の円筒部114との間の燃料ノズル端部カバー104への突起部209の溶接を含む。
【0021】
図4を参照すると、一実施形態では、第2の燃料ノズルインサート部402は、第1の所定の挿入方向203(図2参照)とは逆方向の第2の所定の挿入方向403に、及び/又は燃料ノズル端部カバー104の第1の円筒部112に隣接するが第2の円筒部114から離れた部位から挿入するように構成される。一実施形態では、第2の燃料ノズルインサート部402はステンレス鋼であるか又はそれを含有する。一実施形態では、第2の燃料ノズルインサート部402は、実質的に第1の円筒部112の深さ113と同じ長さである。一実施形態では、第2の燃料ノズルインサート部402は、端部カバー104に挿入した状態で第1の円筒形突起部205と同心の第2の円筒形突起部405を含む。第2の燃料ノズルインサート部402は、例えば、外径(図示せず)を実質的に第1の直径109と等しくさせて端部カバー104に溶接されるように構成及び配置される広い領域406、及び端部カバー104及び/又は端部カバー104のキャビティ110内の何らかの他の特徴部上のクラッド肉盛り部210を含む。また、第2の燃料ノズルインサート部402は、例えば、クラッド肉盛り部210を有する領域を含むことで、第3の燃料ノズルインサート部602(図6参照)を受け入れるように構成及び配置される狭い領域408を含む。
【0022】
一実施形態では、図5は、燃料ノズル端部カバー104に挿入され、第1の燃料ノズルインサート部202の周りにある第2の燃料ノズルインサート部402を示す。第2の燃料ノズルインサート部402は、広い領域406が例えば第1の円筒部112内で及び/又は切頭円錐部116に当接して燃料ノズル端部カバー104に溶接される。
【0023】
図6を参照すると、一実施形態では、第3の燃料ノズルインサート部602は、例えば、第1の所定の挿入方向203(図2参照)とは逆方向の第2の所定の挿入方向403に、及び/又は燃料ノズル端部カバー104の第1の円筒部112に隣接するが第2の円筒部114から離れた部位から挿入するように構成される。一実施形態では、第3の燃料ノズルインサート部602はステンレス鋼であるか又はそれを含有する。一実施形態では、第3の燃料ノズルインサート部602は、第2の燃料ノズルインサート部402の周りで、及び/又は燃料ノズル端部カバー104から外に延在して、例えば、リップ領域604を形成するように、燃料ノズル端部カバー104に挿入されるように構成及び配置される。一実施形態では、第3の燃料ノズルインサート部602は、第2の燃料ノズルインサート部402のクラッド肉盛り部210に溶接されるように構成される挿入領域606を含む。
【0024】
図7を参照すると、一実施形態では、第3の燃料ノズルインサート部602の燃料ノズル端部カバー104への第2の燃料ノズルインサート部402の周りでの挿入は、第2の燃料ノズル挿入部402への及び/又は例えば切頭円錐部116から離れた第1の円筒部112内の燃料ノズル端部カバー104への挿入領域606の溶接を含む。
【0025】
溶接(第1の円筒部112、第2の円筒部114、切頭円錐部116、燃料ノズル端部カバー104、第1の燃料ノズルインサート部202、第2の燃料ノズルインサート部402、及び/又は第3の燃料ノズルインサート部602等への)は、直接的又は間接的である。例えば、一実施形態では、溶接は、クラッド肉盛り部210を用いて構成部品に施されるか又は各表面の間に直接施される前述のビーム溶接及び/又は固相溶接によって行う。別の実施形態では、溶接は、スリーブ、インサート、シム、他の溶化材、燃料ノズル端部カバー104上の特徴部、他の適切な中間材、又はこれらの組み合わせ等の中間材(図示せず)を介してビーム溶接及び/又は固相溶接によって行う。
【0026】
一実施形態では、1以上の中間材は、約10重量%のNi、約20重量%のCr、約15重量%のW、最大約3重量%のFe、約1.5重量%のMn、最大約0.4重量%のSi、約0.10重量%のC、不可避的不純物、及び残部Coの組成物を含有する。一実施形態では、少なくとも1つの特徴部108は、約0.005重量%のC、0.150重量%のMn、約0.005重量%のP、約0.002重量%のS、約0.03重量%のSi、約15.50重量%のCr、約16.0重量%のMo、約3.50重量%のW、約0.15重量%のV、約0.10重量%のCo、約6.00%のFe、不可避的不純物、及び残部Niの組成物を含有する。一実施形態では、少なくとも1つの特徴部108は、約0.015重量%のC、約0.48重量%のSi、約20重量%のCr、約1.85重量%のMn、約0.15重量%のP、最大約0.20重量%のCu、約0.10重量%のS、最大約0.60重量%のN、最大約0.50重量%のMo、約10.1重量%のNi、不可避的不純物、及び残部Feの組成物を含有する。
【0027】
再度、図2を参照すると、一実施形態では、1以上の中間材は、キャビティ110内に配置される特徴部108である。特徴部108は、1以上の第1の燃料ノズルインサート部202、第2の燃料ノズルインサート部402(図4参照)、及び第3の燃料ノズルインサート部602(図6参照)の取り外し可能な固定を容易にするように構成及び配置される。例えば、特徴部108は、キャビティ110内に延在して、1以上の第1の燃料ノズルインサート部202、第2の燃料ノズルインサート部402(図4参照)、及び第3の燃料ノズルインサート部602(図6参照)に対応する、同心リングを形成する。
【0028】
特徴部108は、任意の適切な構成で配置される。例えば、一実施形態では、1以上の特徴部108が第1の円筒部112及び第2の円筒部114の各々の中に配置される。他の実施形態では、1つの特徴部108だけが第1の円筒部112及び第2の円筒部114の各々の中に配置される。追加的に又は別の方法として、一実施形態では、1以上の特徴部108は、第1の円筒部112及び/又は第2の円筒部114を通ってキャビティ110の周りを円周方向に延在する。別の実施形態では、1以上の特徴部108は、キャビティ110内で円周方向に不連続である。
【0029】
特徴部108及び/又は他の中間材は、任意の適切な方法で基材106に固定される。特徴部108を基材106へ固定することにより、利用する溶接方法に基づく所定の微細構造(図示せず)がもたらされる。固定は、によって行われる。1以上のビーム溶接(レーザ及び/又は電子ビーム等の)、摩擦溶接、ガスタングステンアーク溶接(タングステン不活性ガス溶接等の)、及びガスメタルアーク溶接(金属不活性ガス溶接等の)によって行われる。ビーム溶接又は摩擦溶接による固定に関する実施形態等の一実施形態では、所定の微細構造は、所定の微細構造をもつ基材106に隣接する第1の熱影響域と、第1の熱影響域と融合域との間の第2の熱影響域と、第2の熱影響域と第3の熱影響域との間の融合域と、融合域と第4の熱影響域との間の第3の熱影響域と、第3の熱影響域と特徴部108の影響を受けない部分との間の第4の熱影響域とを含む。一実施形態では、各区域は異なる微細構造である。当業者であれば理解できるように、他の実施形態は、ろう付けに使用する技術と区別される特徴を含む。
【0030】
一実施形態では、特徴部108を基材106に固定することで、繰り返してインサート102を燃料ノズル端部カバー104に挿入すること及びそこから取り外すことができる。例えば、一実施形態では、インサート102は、例えば、3回以上、4回以上、5回以上、10回以上、又は任意の適切な回数以上といった少なくとも所定回数だけ、燃料ノズル100に殆ど又は全く損傷を与えることなく燃料ノズル端部カバー104 から取り外すことができる。
【0031】
本発明は、好ましい実施形態を参照して説明されるが、当業者であれば、発明の精神から逸脱することなく種々の変更を行うこと及び等物を構成要素と置換できることを理解できるはずである。さらに、本発明の本質的な範囲を逸脱することなく本発明手法に対する特定の状况又は材料に適用するように多くの変形を行うことができる。従って、本発明は、発明を実施するための最良の形態として開示される特定の実施形態に限定されるものではなく、本発明は、請求の範囲に含まれる全ての実施形態を含むことが意図される。
【符号の説明】
【0032】
100 燃料ノズル
101 ガスタービンシステム
102 燃料ノズルインサート
103 追加の燃料ノズル
104 燃料ノズル端部カバー
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7