(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記給水栓は、前記第1パネルの上端側に取り付けられる上部給水栓と、前記第1パネルの下端側に取り付けられる下部給水栓とを備えることを特徴とする請求項1又は2記載の水栓柱。
更に、前記本体部の第1の収納空間において前記給水管に接触状態で配設され、前記本体部の設置場所の地表面の気温に応じて前記給水管を凍結防止可能な温度で加温する給水管加温用の電気系統部材を備えることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載の水栓柱。
前記照明部は、前記本体部に対応する筒状をなして前記本体部の上端に取り付けられ、前記本体部の上端側から前記第1パネルの給水栓及び前記第2パネルのコンセントに向けて発光して当該給水栓及びコンセントを照明自在であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項記載の水栓柱。
前記第1パネルは、下端から所定距離上方の位置に水抜き孔を形成し、前記第1の収納空間に水が進入した場合においてその水位が当該水抜き孔の高さ位置に達したときに、その水を第1パネルの外部に排水自在であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項記載の水栓柱。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明を実施するための形態(以下、実施の形態という)を説明する。なお、各実施の形態を通じ、同一の部材、要素または部分には同一の符号を付して、その説明を省略する。
【0012】
実施の形態
[全体構成]
本発明に係る水栓柱は、庭園や一般家庭の駐車場等、散水や給水を必要とする所定の設置場所に立設固定して使用されるものであり、「ガーデンポール」とも呼ばれている。
図1に示すように、水栓柱は、略三角形の外形(輪郭)となる所定長さ(所定高さ)の柱状の本体部100の上端部に、同一の略三角形の外形となる所定長さの短い柱状の照明部200を一体的に固着した構成である。水栓柱は、
図2に示すように、略三角形の外形となる略三角形の3つの面のうちの1つの面(
図2に示す面)を正面として配置した状態で使用される。かかる本体部100の正面には、本体部100の上端付近の所定高さ位置に主給水栓としての上部給水栓UTが取り付けられ、高さ方向中央付近の所定高さ位置には補助給水栓としての下部給水栓LTが取り付けられている。また、水栓柱は、
図3に示すように、略三角形の外形となる略三角形の3つの面のうちの前記正面以外の2つの面を、それぞれ、正面に対して傾斜状となる右背面(
図3(a)に示す面)及び左背面(
図3(b)に示す面)として配置した状態で使用される。かかる本体部100の背面の左側面には、本体部100の上端付近の所定高さ位置(前記上部水栓UTの取付高さ位置より若干下方の高さ位置)に防水型の100VコンセントC1が取り付けられ、また、本体部100の上端付近の所定高さ位置(前記100Vコンセントボックスの取付高さ位置と同一の高さ位置)に電気自動車(EV)充電用のコンセント口(プラグ差し込み口)を備える防水型の200VコンセントC2が取り付けられている。
図4(a)の平面図及び
図4(b)の底面図に示すように、水栓柱の外形となる略三角形状は、詳細には、正三角形の頂点を(対向する辺と平行な面となるよう)面取りした異形の六角形状である。以下、説明の便宜上、本体部100の外形となる異形の六角形状を「異形六角形状」といい、同異形六角形状のうち上記正三角形の辺を構成する部分の外側面を「主外側面」といい、同異形六角形状のうち上記正三角形の頂点部分の面取部の外側面を「副外側面」ということがある。
【0013】
[本体部の筺体]
図16に示すように、本体部100は、フレーム構造として、第1パネル110、第2パネル120及び第3パネル130、並びに、芯材140を備えている。
図15に示すように、芯材140に対して合計3枚の第1〜第3パネル110,120,130を嵌合(スナップフィット)により組み付けることにより、本体部100のフレーム構造乃至本体部100の筺体を完成するようにしている。
【0014】
<第1〜第3パネル>
詳細には、
図16及び
図17に示すように、第1パネル110は、全体として、本体部100と同一高さの略帯板状乃至縦長の略長方形板状をなしている。また、第1パネル110は、
図15に示すように、幅方向中央部となる所定幅の帯板状乃至縦長の長方形板状をなす支持部111と、支持部111の幅方向両端から内側(芯材140側)に向かって所定角度で屈曲して延びる左右一対の嵌合部112とから構成され、断面略チャンネル状(凹状)をなしている。左右一対の嵌合部112は同一幅とされると共に、それぞれ、支持部111と同一高さを有して支持部111の全長に沿って延びる幅狭帯板状をなしている。また、
図15に示すように、各嵌合部112の先端部には、内面側に向かって突出する係止部113が一体形成されている。以上が、第1パネル110の係止部113を含む全体構造であり、第2パネル120及び第3パネル130も、同様の全体構造を有している。即ち、第2パネル120は、第1パネル110と同一高さの略帯板状をなすと共に、第1パネル110の支持部111及び嵌合部112と同様の構成となる支持部121及び左右一対の嵌合部122から構成された断面略チャンネル状をなしている。また、第2パネル120の嵌合部122の先端部には、第1パネル110の係止部113と同様の構成の、内面側に向かって突出する係止部123が一体形成されている。同様に、第3パネル130は、第1パネル110と同一高さの略帯板状をなすと共に、第1パネル110の支持部111及び嵌合部112と同様の構成となる支持部131及び左右一対の嵌合部132から構成された断面略チャンネル状をなしている。また、第3パネル130の嵌合部132の先端部には、第1パネル110の係止部113と同様の構成の、内面側に向かって突出する係止部133が一体形成されている。
【0015】
<芯材>
芯材140は、
図15に示すように、略半円筒状をなす保持機能付き区画壁141と、第1の係合機能付き区画壁142及び第2の係合機能付き区画壁143と、第3の係合機能付き区画壁144とからなる異形の断面形状を有し、この断面形状で、本体部100の全長(高さ方向全体)に連続的に延びている。以下、保持機能付き区画壁141と、第1の係合機能付き区画壁142及び第2の係合機能付き区画壁143と、第3の係合機能付き区画壁144との相互の位置関係乃至配置態様を、芯材140に対して第1〜第3パネル110,120,130を組み付けて本体部100のフレーム構造を完成した状態における本体部100との位置関係を利用して説明する。
【0016】
<保持機能付き区画壁>
まず、第1〜第3パネル110,120,130を組み付けて本体部100のフレーム構造を完成したときに、保持機能付き区画壁141は、その周方向の中央位置が、
図15に示す本体部100の平面方向の中心点O(実際に本体部100に設けられる部分乃至要素ではなく、説明の便宜上のための仮想の中心点)に対して、本体部100の後端側の副外側面100F寄りに配置され、その中央から左右に延びる左右一対の四分円弧状部分が、当該本体部100の中心点Oを包囲するように、本体部100の正面側にある右側の副外側面100D及び左側の副外側面100Eに向かってそれぞれ湾曲して延びている。また、このとき、保持機能付き区画壁141の左右の両先端は、本体部100の中心点Oを超えて第1パネル110に近づく位置まで延びている。詳細には、本体部100に立上り管150を組み付けたときに、保持機能付き区画壁141の左右両端が、立上り管150の左右に延びる直径方向の延長線(仮想線)上にほぼ位置するよう、保持機能付き区画壁141の延出長さ(即ち、半円状の周長)が設定されている。また、半円状の保持機能付き区画壁141の直径(乃至半径)は、保持機能付き区画壁141の内周面と本体部100内に組み付けた立上り管150の外周面との間に、所定間隔の円筒状の空間が形成されるよう、設定されている。即ち、保持機能付き区画壁141の直径は、その周方向中央位置と本体部100内に組み付けた立上り管150の外周面との間の間隔のほぼ中央位置に、前記本体部100の中心点Oが来るように設定されている。
【0017】
次に、第1の係合機能付き区画壁142は、保持機能付き区画壁141の周方向一端(左端)から、本体部100の正面側の第1パネル110の右端位置(即ち、第1パネル110と第2パネル120との接合境界位置であって、正面右側の副外側面100Dの幅方向中央位置)へ向かって、右方に傾斜して延びている。また、第2の係合機能付き区画壁143は、保持機能付き区画壁141の周方向他端(左端)から、本体部100の正面側の第1パネル110の左端位置(即ち、第1パネル110と第3パネル130との接合境界位置であって、正面左側の副外側面100Eの幅方向中央位置)へ向かって、左方に傾斜して延びている。更に、第3の係合機能付き区画壁144は、保持機能付き区画壁141の周方向中央位置から、本体部100の背面側の第2パネル120と第3パネル130との接合境界位置(即ち、背面側の副外側面100Fの幅方向中央位置)へと後方に(保持機能付き区画壁141の周方向中央位置と)直交して延びている。ここで、第1の係合機能付き区画壁142及び第2の係合機能付き区画壁143は、保持機能付き区画壁141の左右両側に設けられる点を除き、その寸法及び各部の構成ともに同様の構成を備えている。また、第3の係合機能付き区画壁144は、保持機能付き区画壁141の後側に設けられる点と、第1の係合機能付き区画壁142及び第2の係合機能付き区画壁143よりも全長が大きい点を除き、第1の係合機能付き区画壁142及び第2の係合機能付き区画壁143と同様の構成を備えている。
【0018】
<係合機能付き区画壁>
詳細には、第1の係合機能付き区画壁142は、
図15中の一点鎖線で描く右下側の円内に拡大して示すように、所定長さで直線状に延びる帯板状をなす基部142aと、基部142aの先端に一体形成されて基部142aの一側に開口する断面C字状の筒状をなすビス孔部142bと、ビス孔部142bの先端に一体形成されて副外側面100Dの幅方向中央位置まで直線的に延びる(前記基部142aより相当幅狭の)帯板状をなす境界画定部142cと、境界画定部142cの幅方向略中央位置で境界画定部142cと略直交する方向に張り出して一体形成される左右一対のリップ状をなす係合部142d,142e,142fとからなる。同様に、第2の係合機能付き区画壁143は、
図15中の一点鎖線で描く左下側の円内に拡大して示すように、前記第1の係合機能付き区画壁142の基部142aと同様の基部143aと、前記ビス孔部142bと同様のビス孔部143bと、前記境界画定部142cと同様の境界画定部143cと、前記係合部142d,142e,142fと同様の係合部143d,143e,143fとからなる。同様に、第3の係合機能付き区画壁144は、
図15中の一点鎖線で描く上側の円内に拡大して示すように、前記第1の係合機能付き区画壁142の基部142aより幅広とされた以外は同様の構成となる帯板状の基部144aと、前記ビス孔部142bと同様のビス孔部144bと、前記境界画定部142cと同様の境界画定部144cと、前記係合部142d,142e,142fと同様の係合部144d,144e,144fとからなる。
【0019】
<空間の区画及び収納空間>
ここで、第1の係合機能付き区画壁142は、右側の副外側面100Dの幅方向中央位置から本体部100の中心点Oに向かって延びている(即ち、本体部100の異形六角形を構成する頂点を面取りした正三角形の頂点位置から中心点O乃至対向する主外側面100Cの幅方向中央に向かって延びている)。また、第2の係合機能付き区画壁143は、左側の副外側面100Eの幅方向中央位置から本体部100の中心点Oに向かって延びている(即ち、前記三角形の頂点位置から中心点O乃至対向する主外側面100Bの幅方向中央に向かって延びている)。更に、第3の係合機能付き区画壁144は、後側の副外側面100Fの幅方向中央位置から本体部100の中心点Oに向かって延びている(即ち、前記三角形の頂点位置から中心点O乃至対向する主外側面100Aの幅方向中央に向かって延びている)。そして、第1の係合機能付き区画壁142は、保持機能付き区画壁141の右半部と協働して、本体部100内の空間を正面側の第1の空間と右背面側の第2の空間とに区画する。また、第2の係合機能付き区画壁143は、保持機能付き区画壁141の左半部と協働して、本体部100内の空間を正面側の第1の空間と左背面側の第3の空間とに区画する。更に、第3の係合機能付き区画壁144は、単体で、本体部100内の空間を右背面側の第2の空間と左背面側の第3の空間とに区画する。これにより、本実施の形態では、保持機能付き区画壁141の右半部と第1の係合機能付き区画壁142とからなる区画壁部分、保持機能付き区画壁141の左半部と第2の係合機能付き区画壁143とからなる区画壁部分、及び、第3の係合機能付き区画壁144により、上記の(正三角形の頂点を面取りした)異形六角形に対応する断面形状の本体部100内の空間が、(当該正三角形の頂点と中心とを結ぶ3つの線により当該正三角形を区画した、各々が二等辺三角径の両角部を面取りした断面形状となるような断面形状の)3つの所定断面積及び所定容積(背面側の2つの空間は同一断面積及び同一容積)を有する空間に区画される。この3つの空間のうち、正面側の空間は、前記立上り管150を収容する給水構造用の収納空間となり、右背面側の空間は、前記100VコンセントC1の取付器具の内部構造や100V電源の配線としての電線W1等を収容する100V給電構造用の収納空間となり、左背面側の空間は、前記200VコンセントC2の取付器具の内部構造や200V電源の配線としての電線W2等を収容する200V給電構造用の収納空間となる。
【0020】
<ビス止め構造>
第1の係合機能付き区画壁142のビス孔部142bは、その内径に対応する所定径の(締結手段としての)ビスを螺入して固定自在であり、第2の係合機能付き区画壁143のビス孔部143bは、その内径に対応する所定径のビスを螺入して固定自在であり、第3の係合機能付き区画壁144のビス孔部144bは、その内径に対応する所定径のビスを螺入して固定自在である。そして、後述するように、照明部200の台座210側の3個のビス乃至ねじを、それぞれ、ビス孔部142b、ビス孔部143b及びビス孔部144bに螺入締結して、照明部200を本体部100に固定するようになっている。
【0021】
<副外側面の境界線>
第1の係合機能付き区画壁142の境界画定部142cは、第1パネル110の右側の嵌合部112の先端面と第2パネル120の左側の嵌合部122の先端面との間に、その先端部が挟持されると共にその先端面が露出して、副外側面100Dの幅方向中央で第1パネル110と第2パネル120との間の境界線を表し、これにより、独特の意匠的効果等を発揮するようになっている。同様に、第2の係合機能付き区画壁143の境界画定部143cは、第1パネル110の左側の嵌合部112の先端面と第3パネル130の右側の嵌合部132の先端面との間で、その先端部が挟持されると共にその先端面が露出して、副外側面100Eの幅方向中央で第1パネル110と第3パネル130との間の境界線を表し、これにより、独特の意匠的効果等を発揮するようになっている。同様に、第3の係合機能付き区画壁144の境界画定部144cは、第2パネル120の右側の嵌合部122の先端面と第3パネル130の左側の嵌合部132の先端面との間で、その先端部が挟持されると共にその先端面が露出して、副外側面100Fの幅方向中央で第2パネル120と第3パネル130との間の境界線を表し、これにより、独特の意匠的効果等を発揮するようになっている。
【0022】
<パネルの嵌合構造>
第1の係合機能付き区画壁142の係合部は、基端側から先端側に向かって、係合凹部142d、案内部142e及び弾性部142fを連続的に一体形成したリップ状をなしている。具体的には、係合凹部142dは、案内部142eの基端と境界画定部142cの(係合部よりも)先端側部分の厚さ方向側面との間で、前記第1パネル110の係止部113や第2パネルの係止部123を密嵌して係止自在な凹部状をなしている。また、案内部142eは、その外側面を弾性部142fから係合凹部142dに向かって外方に傾斜する傾斜状の案内面とし、第1パネル110の右側の嵌合部112や第2パネル120の左側の嵌合部122を第1の係合機能付き区画壁142に嵌合するときに、係止部113や係止部113の内面側を当接させて案内して係合凹部142d内への嵌合を容易にするようになっている。更に、弾性部142fは、係合凹部142dに係止部113や係止部123を嵌合して係止した状態で、第1パネル110の嵌合部112や第2パネル120の嵌合部122の内側面から若干離間した位置に配置されて嵌合部112や嵌合部122の内側面との間にドライバー等の棒状の操作具等を挿入して操作自在な隙間空間を形成し、第1パネル110や第2パネル120を芯材140から取り外す必要がある場合に、当該隙間空間に操作具等を挿入し、弾性部142fを本体部100の内側(第1パネル110や第2パネル120から更に離間する方向)に押圧して弾性変形させ、これに伴って案内部142e及び係合凹部142dを本体部100の内側に移動させることにより、係合凹部142dを係止部113や係止部123から離脱させて、係止部113や係止部123の係合を解除することができるようにしている。
【0023】
同様に、第2の係合機能付き区画壁143の係合部は、前記第1の係合機能付き区画壁142の係合凹部142d、案内部142e及び弾性部142fと同様の構成の係合凹部143d、案内部143e及び弾性部143fからなり、案内部143eにより第1パネル110の係止部113や第3パネル130の係止部133の内側面を摺動により移動案内した後、係合凹部143dにより第1パネル110の係止部113や第3パネル130の係止部133を密嵌して係止し、必要に応じて、弾性部143fにより第1パネル110や第2パネル120の芯材140からの取り外しを許容するようになっている。同様に、第3の係合機能付き区画壁144の係合部は、前記第1の係合機能付き区画壁142の係合凹部142d、案内部142e及び弾性部142fと同様の構成の係合凹部144d、案内部144e及び弾性部144fからなり、案内部144eにより第2パネル120の係止部123や第3パネル130の係止部133の内側面を摺動により移動案内した後、係合凹部144dにより第2パネル120の係止部123や第3パネル130の係止部133を密嵌して係止し、必要に応じて、弾性部144fにより第2パネル120や第3パネル130の芯材140からの取り外しを許容するようになっている。
【0024】
上記のように、芯材140に第1〜第3パネル110,120,130を嵌合して組み付けることにより本体部100の筺体が完成するが、このとき、第1〜第3パネル110,120,130は、その材質(例えばアルミ材)の有する弾性により、各々についての各一対の鉤状の係止部113,123,133が、互いに対向する方向(即ち、芯材140の係合凹部142d,143d,144dとの対向面に当接する内側方向)に付勢されているため、第1〜第3パネル110,120,130の係止部113,123,133を芯材140の係合凹部142d,143d,144dに一旦嵌合して組み付けると、係止部113,123,133が係合凹部142d,143d,144dに対して強固に固定され、意図して取り外そうとする外力及び操作を加えない限り、第1〜第3パネル110,120,130が芯材140から離脱することはない。このように、本体部100の筺体は、その組み立てのための接着やねじ止め等の手間を省くことができ、作業性を向上することができる。また、上記のとおり、本体部100の筺体は、その材質(アルミ材等)による応力等を利用して構成部品としての第1〜第3パネル110,120,130と芯材140とを相互に完全密着状態で組み立てることができるため、第1〜第3パネル110,120,130が意図せずに自然に芯材140から外れるということはなく、また、第1〜第3パネル110,120,130と芯材140とが互いに上下に位置ずれする等の不具合も発生し難く、第1〜第3パネル110,120,130と芯材140との組み立て状態を堅固に安定した状態で維持することができる一方、人の手による所定の操作(例えば、上記したような操作具を使用した操作)により、第1〜第3パネル110,120,130を芯材140から取り外すことも容易である。
【0025】
<材料等>
上記の第1パネル110、第2パネル120、第3パネル130及び芯材140は、それぞれ、上記の形状(断面形状及び外観形状)となるよう、所定材料(好ましくはアルミニウム材等の耐食性・耐候性の金属材料)により、所定の成形方法(押出成形等)を使用して一体成形される。なお、芯材140は、本実施の形態では、上記の持機能付き区画壁141、第1の係合機能付き区画壁142、第2の係合機能付き区画壁143及び第3の係合機能付き区画壁144からなる異形の断面形状で、本体部100の全長にわたって連続的に延びるよう構成されているが、必要に応じて、保持機能付き区画壁141、第1の係合機能付き区画壁142、第2の係合機能付き区画壁143、第3の係合機能付き区画壁144のいずれか一以上の長さ方向の一部を切除する等して、部分的に異なる断面形状とすることも可能である。
【0026】
また、本体部100の正面側の主外側面100A、右背面側の主外側面100B及び左背面側の主外側面100Cを構成する第1パネル110の外側面、第2パネル120の外側面及び第3パネル130の外側面は、それぞれ、その成形加工時の加工処理(例えば、押出成形に伴う凹凸形成処理)によって、縦縞状乃至縦ストライプ状の細かな凹凸面とされ、当該ストライプ状の凹凸面により本体部100の主外側面100A,100B,100Cに独特の意匠的効果を付与している。
【0027】
[本体部の外部構造及び内部構造]
<第1パネルと立上り管>
一方、
図11、
図12、
図16及び
図17に示すように、第1パネル110は、支持部111の上端付近に所定高さ位置(前記上部給水栓UTの取付位置)に上部給水栓取付孔111aを穿設し、支持部111の高さ方向中央付近の所定高さ位置(前記下部給水栓LTの取付高さ位置)に下部給水栓取付孔111bを穿設し、支持部111の下端から所定距離だけ上方の位置となる所定高さ位置に配管取付孔111cを穿設している。また、支持部111の内面側の幅方向中央に沿って、
図17に示す立上り管150が上下方向に立設して配設される。この立上り管150は、(上流側となる)下部給水管151及び(下流側となる)上部給水管152と、下部配管継手153及び(高さ方向中央部で給水栓継手となる)分岐継手154及び上部給水栓継手155とからなる。下部配管継手153は、その上端側(下流側)の取付口が下部給水管151の下端に水密に接合されると共に、その下端側(上流側)の取付口が第1パネル110の支持部111の内部側から配管取付孔111cに嵌合又は挿通して外部に露出されて外部配管の先端を水密に連結するようになっている。また、分岐継手154は、その下端側(上流側)の取付口及び上端側(下流側)の取付口に、それぞれ、下部給水管151及び上部給水管152を水密に連結すると共に、中央側の取付口が第1パネル110の支持部111の内部側から下部給水栓取付孔111bに嵌合又は挿通して外部に露出されて前記下部給水栓LTの基端の給水口を第1パネル110の支持部111の外部側から水密に連結するようになっている。更に、上部給水栓継手155は、その下端側(上流側)の取付口が上部給水管152の上端に水密に接合されると共に、その上端側(下流側)の取付口が第1パネル110の支持部111の内部側から上部給水栓取付孔111aに嵌合又は挿通して外部に露出されて前記上部給水栓UTの基端の給水口を第1パネル110の支持部111の外部側から水密に連結するようになっている。
【0028】
なお、立上り管150には、上記のように、水栓柱の上端付近の上部給水栓継手155に対して上部給水栓取付孔111aを介して主給水栓UTが取り付けられて(従来の給水栓と同様の)給水・散水機能を発揮するが、これ以外に、水栓柱の高さ方向中央付近の分岐継手153に対して下部給水栓取付孔111bを介して補助給水栓LTが接続されて、水栓柱の高さ方向中央部付近で(主給水栓UTによる給水・散水機能以外に)任意の補助的な(或いは、使用者の要望に応じた多種多様な用途の)給水機能を発揮することができる。即ち、屋外における給水栓の用途は様々な用途があり、単一の給水栓だけでは使用者の要望にこたえることができず、給水機能のみを考えた場合でも水栓柱としての機能が不足する場合があるが、本実施の形態の水栓柱は、1本の立上り管150に、上部の主給水栓UT及び下部の補助給水栓LTを設置しているため、使用者の多種多様な用途に対応して、その利便性を大きく向上することができる。
【0029】
<立上り管と電熱線>
前記立上り管150は、特に寒冷地仕様の場合の好適な構成として、その管長のほぼ全体に沿って加熱手段乃至加温手段としての電熱線160を密接配置すると共に、少なくとも下部給水管151及び上部給水管152を断熱材170により完全に包囲して覆っている。詳細には、電熱線160は、下部給水管151の露出部分の長さ(即ち、分岐継手154と下部配管継手153との間で露出する部分の長さ)とほぼ同一の長さを有する下部加熱部161と、分岐継手154の長さとほぼ同一の長さを有する中央加熱部162と、上部給水管152の露出部分の長さ(即ち、分岐継手154と上部給水管継手155との間で露出する部分の長さ)とほぼ同一の長さを有する上部加熱部163とからなる。かかる電熱線160は、立上り管150の後側中央(第1パネル110の支持部111から離間する後側部分の中央)に沿って上下方向に配設される。ここで、中央加熱部162は、下部給水管151と上部給水管152との間での分岐継手154の膨出分乃至突出分に対応して、下部加熱部161及び上部加熱部162間で後方(第1パネル110の支持部111から離間する方向)に退避する略チャンネル状(凹状)をなしている。これにより、電熱線160は、立上り管150に対して、下部加熱部161が下部給水管151を、上部加熱部162が上部給水管152を、中央加熱部163が分岐継手154部分を、それぞれ密接状態乃至略密接状態で加熱することになり、立上り管150内の原水を効果的に加温して(少なくとも凍結温度以上の)所定温度となるよう確実に温度維持することができる。更に、図示はしないが、特に寒冷地で本実施の形態の水栓柱を使用する場合(即ち、仕様の水栓柱の場合)、電熱線160は、サーモスタット等の温度検知センサーを備えるオンオフ制御部を介して電源(通常は100V電源)に接続することが好ましい。この場合、温度検知センサーは、水栓柱の周囲の気温が所定気温以下となったか否かをモニターし、水栓柱の周囲の気温が所定気温以下となったときに、オンオフ制御部が電熱線160をオンして電熱線160に100V電源からの給電を行い、電熱線160による立上り管150の加熱を行わせるよう制御する。
【0030】
なお、本実施の形態の水栓柱は、立上り管150内の原水の凍結防止用に電熱線160を設けているが、電熱線160を設けない場合でも、断熱材170により立上り管150の断熱を行った外気温(冷気)による立上り管150内部の原水の凍結をある程度防止することができ、特に、寒冷地以外では、断熱材170のみによって十分な凍結防止効果を発揮することができる。
【0031】
<立上り管と断熱材>
前記断熱材170は、下部給水管151の露出部分の長さとほぼ同一の長さを有する下部断熱部171と、上部給水管152の露出部分の長さとほぼ同一の長さを有する上部断熱部172とからなる。そして、断熱材170は、電熱線160を立上り管150の後側に沿って配置した状態で、下部断熱部171を下部給水管151に外嵌すると共に、上部断熱部172を上部給水管152に外嵌し、これにより、少なくとも下部給水管151及び上部給水管152を断熱材170により完全に包囲して立上り管150に対する断熱作用を発揮する。なお、断熱材170は、
図18に示す(下部給水管151及び上部給水管152の外周面に密接する内径を有すると共に、所期の断熱効果を発揮するために必要な厚みを有する)円筒状となるように、予め下部断熱部171及び上部断熱材172を所定の断熱材料(例えば、発泡ウレタン等の断熱性合成樹脂)により成形することもできるが、後述するように、芯材140に対して合計3枚の第1〜第3パネル110,120,130を組み付けてフレーム構造を完成した後、第1パネル110と芯材140との間に立上り管150及び電節線160を配設し、その後、立上り管150と芯材140との間の空間(円筒状の空間乃至空隙)に発泡ポリウレタン等の発泡断熱材を注入充填して固化してもよい。この場合も、充填による断熱材は、電熱線160を立上り管150の後側に沿って配置した状態で、下部給水管151から上部給水管152に至るまでの全長範囲を完全に覆うよう(詳細に、下部配管継手153及び上部給水栓継手155をも完全に覆うよう用)立上り管150を完全に包囲して、立上り管150に対する断熱作用をより効果的に発揮する。また、この場合、予め成形した下部断熱部171及び上部断熱部172を下部給水管151及び上部給水管152に外嵌する場合と比較して、立上り管150の外周面との密接度合いを高くすることができ(立上り管150との間の隙間を実質的になくすことができ)、断熱作用をより効果的に発揮すると共に、電熱線160との間の隙間をも実質的になくすことができ、電熱線160による加温効果をより促進することができる。
【0032】
<電熱線と断熱材>
上記のように、本実施の形態の水栓柱では、電熱線160は、寒冷地仕様品として給水管としての立上り管150の外周に(立上り管150に沿って)配設される。このとき、電熱線160は、
図5(a)、
図5(b)、
図6(a)、
図6(b)及び
図7(a)に示すように、立上り管150の後側中央に沿って上下方向に配設したり、或いは、立上り管150に(下方から上方へと)らせん状に巻き回して配設することもできる。また、電熱線160は、サーモスタット等の温度検知センサーを備えるオンオフ制御部により(地表近くの温度を検知して)外気温に応じてオンオフ制御され、(配管の凍結が懸念されるような寒冷時の)必要時にのみ、立上り管150等の給水管の凍結を防止する。なお、従来の寒冷地仕様の水栓柱は、給水管に水抜き機能を付加して対応する(凍結防止を図る)ものがほとんどであるが、使用者が毎日水抜きを忘れないように水抜き機能を活用するのは手間である。一方、本実施の形態の水栓柱によれば、上記サーモスタット等の温度検知センサーを備えるオンオフ制御部付きの電熱線160を設けるため、自動で給水管の凍結防止機能を実行することができ、使用者の手間を省くことができる。また、オンオフ制御部付きの電熱線160は、季節の変わり目の急な温度変化に対応することができる。更に、本実施の形態では、給水管に対する断熱効果を高めるため、(電熱線160を配設又は巻き回した)立上り管150の周囲に発泡ウレタン等の断熱材170を充填し(即ち、図示の例では立上り管150の主要部である下部給水管151及び上部給水管152の外周の全体を完全に包囲して充填し)、特に寒冷地以外の地域(即ち、上記寒冷地仕様の電熱線160を設けない場合)における給水管についても、必要十分な凍結防止機能を発揮することができる。
【0033】
<水抜き孔>
図1、
図2、
図11、
図12、
図16、
図17に示すように、第1パネル110の支持部111には、更に、前記下部給水栓取付孔111bと下部配管取付孔111cとの間のほぼ中間の高さ位置となる所定高さ位置に、水抜き孔111dが穿設されている。水抜き孔111dは、前記第1パネル110の上部給水栓取付孔111a等より小径の円形等をなす貫通孔であり、本体部100の内部において特に第1パネル110の内側の水を本体部100の外部に迅速に排出するためのものである。水抜き孔111dは、所定の設置箇所に設置された水栓柱の本体部100の下端側部分において当該設置箇所への埋設部分上端位置(即ち、水栓柱の接地箇所の地面の位置、例えば、
図22~
図24の接地面GLの位置)の近傍位置、または、当該埋設部分上端位置より所定距離だけ上方の位置に設けられている。水抜き孔111dは、本体部100の内部において例えば立上り管150等からの漏水や外部から本体内部に進入した雨水等により、本体部100の内部において水抜き孔111dよりも上方の位置まで水が滞留したときに、その水を本体部100の外部に排出するようになっている。また、図示はしないが、第1パネル110の内部において支持部111の水抜き孔111dの裏面側には、一方向にのみ水の流通を許容する一方で、反対方向への水等の流通は阻止する弁装置として、結露排水弁等の一方向弁装置を装着することが好ましい。なお、位置方向弁装置として本実施の形態で好適に使用することができる結露排水弁は、典型的には、建築物の開口部(窓や引き戸等の)のサッシに装着されて、サッシの結露を室外に排出する一方で、室外からの異物や雨水等の室内への進入を阻止する構造を備えている。本実施の形態では、第1パネル110の内部の水を水抜き孔111dを介して外部に排出する方向にのみ水の流通を許容する状態で、支持部111の裏面に装着されている。これにより、第1パネル110の外部から水抜き孔111dを介して虫等の異物や雨水等の水が内部に進入することを結露排水弁により確実に防止することができる。
【0034】
<第2パネルと100Vコンセント>
図13(a)、
図18(b)及び
図19(b)に示すように、第2パネル120は、支持部121の上端付近の所定高さ位置(前記100Vコンセントの取付高さ位置)にコンセント取付孔121aを穿設し、支持部121の外部側から、コンセント取付孔121aを介して前記100VコンセントC1を取り付けるようになっている。また、第2パネル120の支持部121においてコンセント取付口121aの上方及び下方に若干の距離をおいた位置には、それぞれ、100VコンセントC1の締結手段としての木ねじやタッピンねじ等のねじSを螺入するためのねじ孔121bが形成されている。より詳細には、
図2の一点鎖線の円形内(右側)に拡大して示すように、100VコンセントC1は、防水ブッシング125を介して、第2パネル120の支持部121のコンセント取付孔121aに取り付けられる。即ち、防水ブッシング125は、100VコンセントC1の取付面の外形乃至輪郭に対応する外形乃至輪郭の平板形状(図の例では長方形状乃至矩形状)をなすホルダ部126と、ホルダ部126の内面中央部から直交して突出する所定長の通線部127とからなる。通線部127は、基端側の所定長部分を構成する係止円筒部127aと、先端側の所定長部分を構成する単純円筒部127bとからなる。通線部127の係止円筒部127aは、支持部121のコンセント取付孔121aの直径より若干大径となるひだ状乃至フランジ状の係止片を軸方向に離間して多数突設したものである一方、単純円筒部127は、支持部121のコンセント取付孔121aの直径と略同一又は若干小径の単純円筒状をなす。なお、この防水ブッシング125は、ホルダ部126を100VコンセントC1とほぼ同一の外形寸法を有する矩形状としているが、防水ブッシングとしては、
図20中及び
図24中の右側に別例として(分解図にて)示すように、ホルダ部126Aを100VコンセントC1より小さい外形寸法の矩形状とした防水ブッシング125Aを使用してもよい。
【0035】
そして、100VコンセントC1を第2パネル120の支持部121に取り付けるには、前記防水ブッシング125の通線部127を支持部121のコンセント取付孔121aに外部側から内部側へと挿通して所定長突出させると共に、ホルダ部126の内側面を支持部121のコンセント取付孔121aの周囲に密接させ、前記係止円筒部127aを支持部121のコンセント取付孔121aの内周縁に弾接させて係止することで、防水ブッシング125を支持部121に仮止めする。その後、防水ブッシング125のホルダ部126を介装した状態で、支持部121のコンセント取付孔121a部分に100VコンセントC1を配置し、当該100VコンセントC1固定用のねじSをねじ孔121bに螺入することで、支持部121の外側面の所定位置に100VコンセントC1を固定することができる。このとき、
図10(a)及び
図10(b)に示すように、防水ブッシング125を介して、100VコンセントC1への給電用の100V電源の電線W1を、通線部127の先端の開口から内部に挿通した後、通線部127の基端においてホルダ部126を貫通する開口を通過させて、100VコンセントC1の内部の電線接続部に電気的に接続し、電線を介して100VコンセントC1へ100V電源からの給電を行うようになっている。これにより、防水型の100VコンセントC1と第2パネル120との間においても防水ブッシング125による防水機能を発揮することができる。一方、支持部121の下端部付近の所定高さ位置には、電線挿通口121cが穿設され、
図10(c)に示すように、外部の100V電源からの電線W1を、第2パネル120の外部から電線挿通口121cを介して内部に挿通し、第2パネル120に沿って上方に延設して、上記のように、防水ブッシング125を介して100VコンセントC1内に引き込むようになっている。
【0036】
<第3パネルと200Vコンセント>
図13(b)、
図18(a)及び
図19(a)に示すように、第3パネル130は、第2パネル120のコンセント取付孔121aと同様のコンセント取付孔131a、ねじ孔121bと同様のねじ孔131a、電線挿通口121cと同様の電線挿通口131cを、同様の高さ位置に穿設している。そして、第2パネル120の場合と同様、200VコンセントC2用の防水ブッシング135を支持部131のコンセント取付孔131aに仮止めした後、200VコンセントC2を防水ブッシング135を介して第3パネルの所定高さ位置に固定するようになっている。ここで、防水ブッシング135は、前記防水ブッシング125とほぼ同様の構成である。即ち、防水ブッシング135は、200VコンセントC2の取付面の外形乃至輪郭に対応する外形乃至輪郭の平板形状(図の例では長方形状乃至矩形状)をなすホルダ部136と、ホルダ部136の内面中央部から直交して突出する所定長の通線部137とからなる。通線部137は、基端側の所定長部分を構成する係止円筒部137aと、先端側の所定長部分を構成する単純円筒部137bとからなる。通線部137の係止円筒部137aは、支持部131のコンセント取付孔131aの直径より若干大径となるひだ状乃至フランジ状の係止片を軸方向に離間して多数突設したものである一方、単純円筒部137は、支持部131のコンセント取付孔131aの直径と略同一又は若干小径の単純円筒状をなす。なお、この防水ブッシング135は、ホルダ部136を200VコンセントC2とほぼ同一の外形寸法を有する矩形状としているが、防水ブッシングとしては、
図20中及び
図24中の左側に別例として(分解図にて)示すように、ホルダ部136Aを200VコンセントC2より小さい外形寸法の矩形状とした防水ブッシング135Aを使用してもよい。
【0037】
そして、200VコンセントC2を第3パネル130の支持部131に取り付けるには、前記防水ブッシング135の通線部137を支持部131のコンセント取付孔131aに外部側から内部側へと挿通して所定長突出させると共に、ホルダ部136の内側面を支持部131のコンセント取付孔131aの周囲に密接させ、前記係止円筒部137aを支持部131のコンセント取付孔131aの内周縁に弾接させて係止することで、防水ブッシング135を支持部131に仮止めする。その後、防水ブッシング135のホルダ部136を介装した状態で、支持部131のコンセント取付孔131a部分に200VコンセントC2を配置し、当該200VコンセントC2固定用のねじSをねじ孔131bに螺入することで、支持部131の外側面の所定位置に200VコンセントC2を固定することができる。このとき、
図10(a)及び
図10(b)に示すように、防水ブッシング135を介して、200VコンセントC2への給電用の200V電源の電線W2を、通線部137の先端の開口から内部に挿通した後、通線部137の基端においてホルダ部136を貫通する開口を通過させて、200VコンセントC2の内部の電線接続部に電気的に接続し、電線を介して200VコンセントC2へ200V電源からの給電を行うようになっている。これにより、防水型の200VコンセントC2と第3パネル130との間においても防水ブッシング135による防水機能を発揮することができる。一方、支持部131の下端部付近の所定高さ位置には、電線挿通口131cが穿設され、
図10(c)に示すように、外部の200V電源からの電線W2を、第3パネル130の外部から電線挿通口131cを介して内部に挿通し、第3パネル130に沿って上方に延設して、上記のように、防水ブッシング135を介して200VコンセントC2内に引き込むようになっている。
【0038】
[100Vコンセント]
ここで、屋外環境は、天候により雨水や(給水栓による)散水等による水の飛散が屋内よりも多く発生する(即ち、電源設備が水に曝される機会が多い)ことが想像される環境であることから、一般的に、屋外における100Vコンセントの設置数は少数である場合が多く、屋内よりも圧倒的にその設置数が少なくなる反面、屋外で電力を使用する機会は多く、例えば、100V商用電源を、高圧洗浄機や車内清掃用の掃除機等への電力供給のために一時的に使用したり、屋外灯等への電力供給のために永続的に使用したりする等、100Vコンセントの用途は幅広い。また、通常、屋外のコンセントは、家屋の外壁面に設置する場合が主流である。一方、本実施の形態の水栓柱は、設置箇所が駐車場近傍となることも多いと推測される。そこで、本実施の形態の水栓柱は、高圧洗浄機や車内清掃用の掃除機の使用等を可能にして、より使用目的乃至必要性に応じた機能として、屋外コンセントとしての100VコンセントC1を水栓柱に設置している。
【0039】
[200Vコンセント]
また、200VコンセントC2は、近年の環境保護に対する要請の高まりに伴い現在ますます普及しているハイブリッドカー(動力源としてガソリンエンジンと電気モーターとを併用して走行するタイプの自動車)のうち、その(電気モーターへの給電装置としての)バッテリーに200V電源からの(使用者等が所定の200V電源給電用のプラグ及びコンセント等の給電装置を使用した)直接充電が可能なプラグインハイブリッドカー(PHV)や、PHVと同様にして200V電源からの直接充電が可能で今後の大きな普及が期待される電気自動車(EV)に対して、家庭での(バッテリー装置への)充電を可能にするものである。即ち、現状では、PHVやEVへの嗜好がますます高まる傾向にある一方で、PHVやEVへの充電方法は、専用の200Vの商用電源(100Vの商用電源の場合もある)と専用プラグや専用コンセント等の専用給電設備が必要であり、一般的ではない。その一方、PHVやEVのより一層の普及を目指して、専用の充電設備(専用電源、専用プラグ、専用コンセント等を備える充電スタンド等)が屋外に設置されている。そこで、本実施の形態の水栓柱は、PHVやEV等の自動車への充電設備乃至充電装置を、当該自動車の駐停車スペースの近傍に配設することが容易な水栓柱に付加すべく、200VコンセントC2を設けている。逆にいえば、本実施の形態の水栓柱の設置場所は、200VコンセントC2によるPHVやEVへの充電を可能とするよう、駐車場やその他の自動車へのアクセスが可能な場所(駐停車スペースから電源コードの延設が可能な場所)とすることが望ましい。
【0040】
[照明部]
図8、
図9に示すように、照明部200は、カバー部210と、カバー部210を載置して固定するベース部220と、カバー部210の上端開口に着脱されて開閉するキャップ部230とからなる照明部200用の筺体と、キャップ部230に装着されるLEDモジュール240とから構成される。カバー部210は、平面視で、本体部100用の筺体の外形と同一の外形である異形六角形状(正三角形の頂点を面取りした形状)の外形乃至輪郭を有する。また、
図14に示すように、カバー部210は、所定厚みを有し、前記異形六角形状に対応する異形六角形の略筒状をなす。なお、カバー部210は、アクリルプレートやポリカーボネートプレート等の板状の透明または半透明(有色透明を含む)の合成樹脂材料(好ましくは乳白色や乳半色等の半透明材料、及び/又は、表面の凹凸加工等により光拡散機能を付与したもの)により、前記異形六角形状の略筒状に一体形成されている。より詳細には、
図8及び
図21に示すように、カバー部210は、カバー部210の主要部を構成する異形六角形筒状の透光部211と、透光部211の下端に設けられた係止部212とを備える。カバー部210の透光部211は、本体部100の主外側面110A,110B,110Cに対応して、その異形六角形状を構成する(元の正三角形の)幅広の3辺をそれぞれ主外側面210A,210B,210Cとすると共に、本体部100の副外側面110D,110E,110Fに対応して、その異形六角形状を構成する(元の正三角形の頂点を面取りした)幅狭の3辺をそれぞれ副外側面210D,210E,210Fとしている。一方、前記係止部212は、カバー部210をベース部220に係止して着脱自在に固着するものであり、例えば、
図8及び
図21に示すように、透光部211の主外側面210Aの下端部の幅方向中央部から若干下方に延設するよう一体形成される外向きの爪状をなし、その下端部外側面が外方に若干膨出乃至突出する突部乃至突条となるよう構成することができる。この例の場合、係止部212の突部乃至突条は、透光部211の下端縁から下方に延設した部分の外側面から(
図8に示す程度の若干距離だけ)外方に突出するよう一体形成される。なお、カバー部210をベース部220に着脱自在に固着する構成としては、カバー部210をベース部220に着脱自在に固着できる限りにおいて、前記係止部212の構成に限定されることなく、その他の任意の構成を採用することができる。
【0041】
<ベース部>
ベース部220は、本体部100の筺体の上端に外嵌状態で載置して装着される異形六角形状の略平板状をなしている。詳細には、ベース部220は、
図14(b)に示すように、本体部100用の筺体の外形(即ち、カバー部210の外形)を若干大きくした相似形状の外形(即ち、若干大きな異形六角形状)乃至輪郭を有する略平板状であり、基部221、カバー部側嵌合部222、当接支持部223及び本体部側嵌合部224からなる。基部221は、カバー部210の外形より若干小さな相似形状の異形六角形状の平板状をなしている。
図14及び
図21に示すように、カバー部側嵌合部222は、かかる基部221の外周縁の全周乃至全長に沿って一体形成されると共に、
図8に示すように、基部221の上面から直交して上方に延びる突起状乃至突条となっており、カバー部210の透光部211の下端部を外嵌して嵌合により係止自在となるよう、透光部211の下端の内側面形状に対応する(略同一寸法の)外側面形状を有している。また、当接支持部223は、カバー部側嵌合部222を間に挟んで、基部221と同一平面上に、当該基部221から外方にフランジ状に延出するよう一体形成される平面異形六角形状(基部221の異形六角形状に対応する異形六角形状)をなす環状の板状部分であり、カバー部210の透光部211の下端部をベース部220のカバー部側嵌合部222に外嵌して(内方への移動不能な状態で)係止したときに、当接支持部223が透光部211の下端を当接支持するようになっている。
【0042】
なお、前記カバー部210をベース部220に着脱自在に固着する構成として前記係止部212を採用した場合、
図8中の一点鎖線の円形中の拡大図(及び
図21中の仮想線)に示すように、カバー部210の主外側面210Aに対応するベース部220の外側面(
図21中の左下側の外側面)側において、当接支持部223の内周縁部の幅方向中央部に、前記カバー部210の係止部212を挿通して係合自在な形状の挿通孔223aを貫通形成する。このベース部220の挿通孔223aは、カバー部210の係止部212を挿通自在なように係止部212部分の厚みより若干大きな幅を有しており、また、挿通孔223aと当接支持部223(挿通孔223aが形成されない外周側の残りの部分)との間の部分が、挿通孔223aに挿通したカバー部210の係止部212の突部乃至突条を係止する突部として機能するようになっている。そして、上記構成のベース部220にカバー部210を装着するには、カバー部210の透光部211の下端部をベース部220のカバー部側嵌合部222に外嵌して係止すると共に、カバー部210の主外側面210A側の係止部212をベース部220の挿通孔223aに挿通し(このとき、係止部212を若干内方に押圧して弾性変形し、挿通孔223aへの挿通を容易にすることが望ましい)、カバー部210の係止部212の突部乃至突条をベース部220の挿通孔223aの外周側の当接支持部223の下面により係止する。なお、カバー部210をベース部220から取り外すには、カバー部210の係止部212をベース部220の挿通孔223aから上方に抜き取り(このとき、係止部212を若干内方に押圧して弾性変形し、挿通孔223aから抜き取りを容易にすることが望ましい)、カバー部210の全体をベース部220のカバー部側嵌合部222から取り外す。
【0043】
更に、ベース部220の本体部側嵌合部224は、当接支持部223の外周縁から下方に直交して延びるよう一体形成され、本体部100の筺体の上端に外嵌して嵌合により係止されることで、(カバー部210を装着した)ベース部220を介して、照明部200の全体を本体部100に着脱自在に固着するようになっている。詳細には、特に、
図8中の一点鎖線の円形中の拡大図に示すように、本体部側嵌合部224は、当接係止部223の外周縁の全周乃至全長に沿って一体形成されると共に、当接係止部223の下面から直交して下方に延びる突起状乃至突条となっており、本体部100の筺体の上端部を外嵌して嵌合により係止自在となるよう、本体部100の筺体の上端の外側面形状に対応する(略同一寸法の)内側面形状を有している。一方、
図14(b)に示すように、ベース部220の基部221の中央には、(基部221の主要面積を占める)大径の円形の流通開口221aが穿設されている。ベース部220の流通開口221aは、ベース部220を介して照明部200を本体部100に取り付けたときに、照明部200の内部空間と本体部100の内部空間とを連通して相互に流通自在とするものである。また、基部221の異形六角形状の3つの幅狭の辺の中央近傍には、それぞれ、木ネジやビス挿通用のビス孔221bが穿設され、木ネジやビス等のねじ(図示略)を挿通するようになっている。このねじ挿通用のビス孔221bは、基部221において、照明部200を本体部100に嵌合した状態で本体部100の芯材140のビス孔部142b,143b,144bにそれぞれ整合及び一致する位置に配置されており、照明部200を本体部100に嵌合した状態で、基部221のビス孔221bを介して本体部100のビス孔部142b,143b,144bにそれぞれねじを螺入して締め付けることにより、照明部200を本体部100に強固に(ねじを取り外さない限り取り外し不能となるよう)装着することができる。
【0044】
<キャップ部>
図14(a)及び
図21に示すように、キャップ部230は、カバー部210の透光部211の上端に載置して装着される異形六角形状の平板状をなしている。詳細には、キャップ部230は、カバー部210の透光部211の上端と同一寸法で同一外形の異形六角形状の平板状をなす遮蔽支持部231と遮蔽支持部231の下面において遮蔽支持部231の外周縁の若干内側において下方に突出する係止突条232とからなる。
図9中の一点鎖線の円形中の拡大図に示すように、キャップ部230の遮蔽支持部231を、カバー部210の透光部211の上端開口を完全に覆うように、当該透光部211に完全に製造させたその上端に載置すると、係止突条232が透光部211の上端部の内側面を係止し、キャップ部230をカバー部210に着脱自在に装着することができる。また、LEDモジュール240は、LED基板241と、LED基板241の一側面(装着時の下面)に固着された所定色で所定発光能力のLED素子(チップLED)242とから構成される。LEDモジュール240は、合計2枚が、前記キャップ部230の一側面(カバー部210への装着時の下面)の所定位置に、所定の間隔を置いた状態で、離脱不能となるよう予め(ねじ止め等により)固定されている。そして、キャップ部230をカバー部210に装着したときに、LEDモジュール240のLEDチップ242が、照明部200の(カバー部210、ベース部220及びキャップ部230により形成される)内部空間に所定色の発光を行い、カバー部210がLEDチップ242の発光を外部に透過することで、照明部200の全体が所定の照明機能を発揮するようになっている。
【0045】
<EEスイッチ>
図示はしないが、照明部200には、EE(Electronic Eye)スイッチ(自動点灯・消灯切換スイッチ)が設けられている。EEスイッチは、LEDモジュール240に電気的に接続され、照明部200の外部空間の照度に応じて、LEDモジュール240の発光駆動をオン又はオフするようになっている。ここで、本実施の形態の水栓柱は、夜間における使用も十分想定されるため、その際の使用(主給水栓UTや副給水栓LT、100VコンセントC1や200VコンセントC2の使用)を容易にするため、照明部200が有効に機能する。即ち、照明部200は、(照度が所定値以下となった)夜間にEEスイッチの制御によりLEDモジュール240のLEDチップ242を自動的に点灯させ、カバー部210の透光部211からの光により本体部100の周囲の所定空間を効果的に照明する。特に、このとき、LEDモジュール240がキャップ部230の下面に固定されているため、LEDチップ242の光が下方に(当該LEDチップ242固有の指向特性に応じた角度範囲で)進行して透光部211の内面に照射され、透光部211により(透光部211の固有の光拡散特性に応じた拡散角度で)拡散されて、照明部200の外部における下方向にのみ放射されるため、照明を行いたい所望部位としての(照明部200の下方に位置する)本体部100の周辺部のみに、LEDモジュール240からの光を集中して照射することができ、照明効率を向上することができる。したがって、本実施の形態では、照明部200により、水栓柱の主給水栓UT等を夜間においても安全に使用できるような十分な明るさで照明することができる。また、EEスイッチにより夜間にのみ照明部200を選択的に点灯することができ、(昼間等の照明が不要な時間帯に)無駄な照明を行うことがなく、必要時にのみ照明を行うことができ、近年の省エネの要請や節電に対する需要についても効果的に対応することができる。
【0046】
[本体部の内部構造]
ここで、上記のように、本体部100の筺体の内部空間は、第1〜第3パネル110,120,130により上記異形六角形状の断面形状となるよう形成される一方で、芯材140により3つの収納空間に区画されている。即ち、本実施の形態の水栓柱は、通常の水栓柱の機能以外に多くの機能を有しており、かかる多機能化に伴い、水栓柱の特に本体部100の内部は、非常に多くの部品等が混在することになる。このため、本実施の形態の水栓柱は、本体部100の内部空間を、大きく電気系統用の2つの収納空間と水道系統用の1つの収納空間とからなる3つの収納空間に区画し、更に、各部品や配線等も整理して収納できるよう本体部100の筺体の構造を設計している。これにより、本実施の形態の水栓柱は、安全性、利便性、耐久性等を大きく高めている。より詳細には、上記のとおり、本体部100の筺体の外側面を構成する第1〜第3パネル110,120,130には、それぞれ、異なる機能部材(、、200Vコンセント)が配設されており、正面となる第1パネル110には主給水栓UT及び副給水栓LTが取り付けられて、その内側の空間は水道系統用の区画乃至収納空間となる。また、右背面となる第2パネル120には100VコンセントC1が取り付けられて、その内側の空間は第1の電気系統用(100V電源給電用)の区画乃至収納空間となる。更に、左背面となる第3パネル130には200VコンセントC2が取り付けられて、その内側の空間は第2の電気系統用(200V電源給電用)の区画乃至収納空間となる。
【0047】
<第1の収納空間>
前記第1の収納空間は、給水管としての立上り管150等の給水系統部品を配設する区画であるが、上記のとおり、立上り管150の軸心(中心)は、本体部100の筺体の中心点O(異形六角形状の元となる正三角形の中心)とは一致せず、第2の収納空間と第3の収納空間との境界となる芯材140の第3の係合機能付き区画壁144の延長線(仮想線)上に位置する。詳細には、立上り管150は、その中心が、芯材140の(半円筒状の)保持機能付き区画壁141の中心と一致するよう第1の収納空間に配設される。このとき、例えば、保持機能付き係合部141の内径は、立上り管150の下部給水管151及び上部給水管152の直径(塩ビ管の場合、典型的には、最大直径が約24mm)に対して8/3〜2倍の範囲内の所定比率となる寸法(好ましくは、約7/3倍の所定比率となる寸法(給水管151,152の外径が約24mmの場合、56mm))とし、給水管151,152の外周面と保持機能付き係合部141の内周面との間に、保持機能付き係合部141の内径と同一の外径で、かつ、給水管151,152の外径と同一の内径の円筒状の空間(例えば、保持機能付き係合部141の内径が56mmで給水管151,152の外径が24mmの場合、厚みが16mmとなる円筒状の空隙)が形成されるようにする。そして、この円筒状の空隙部分を利用して、立上り管150に沿って電熱線160を配設したり、立上り管150の外周の全体に(電熱線160を外部から被覆するように)断熱材を注入したり成形済みの断熱材170を外装して充填する。これにより、上記のように、給水管151,152の断熱性向上及び凍結防止と、電熱線160からの漏電防止とを図っている。なお、このとき、電熱線160の制御用のオンオフ制御部の温度検知センサ(典型的にはサーモスタット)が、(塩ビ管とうからなる)給水管151,152ではなく、接地面に配設され、当該部分の気温を感知して作動するため、外気温に応じた給水管151,152の凍結防止機能を確実に発揮することができる。また、このとき、第1のパネル110において、主給水栓UTは、使用者の立ちながらの使用に適した高さ位置(例えば、地面から約940mmの高さ位置)に配設される一方、補助給水栓LTは、立ちながらの使用に邪魔にならない高さ位置であって腰をかがめたり座ったりしたときの使用に適した高さ位置(例えば、地面から約280mmの高さ位置)に配設されるため、いずれか一方の給水栓を使用する際に他方の給水栓が邪魔になることはない。
【0048】
<給水管の支持構造>
図5〜
図7に示すように、給水管としての前記立上り管150は、本体部100の第1の収納空間において、給水管ホルダ181〜185により所定の立設状態に保持されている。詳細には、
図5(a)に示すように、本体部100の上部給水栓UTの高さ位置では、断熱材170の上部断熱部172から露出する上部給水管152の上端部分が、第1のホルダ部181により第1パネル110の支持部111に対して所定の位置に安定的に保持されている。第1のホルダ部181は、支持部111の上部給水栓取付孔111aに内嵌して着脱自在に固着される嵌合部181aと、嵌合部181aに一体形成されて上部給水管152の外周面形状に対応する半円筒状を有する保持部181bとからなり、第1の収納空間内に立上り管150を立設した状態で、保持部181bの内周面により上部給水管152を保持すると共に、嵌合部181aを支持部111の上部給水栓取付孔111aに圧入して内嵌することで、上部給水管152を保持するようになっている。
【0049】
また、
図5(b)に示すように、本体部100の100VコンセントC1及び200VコンセントC2の高さ位置では、上部給水管152を被覆する上部断熱部172が、第2のホルダ部182により第1パネル110の支持部111に対して所定の位置に安定的に保持されている。第2のホルダ部182は、その外部側の面(底面)が、支持部111の裏面の対応する高さ位置に粘着、接着又は単なる当接支持等により固着されると共に、その内部側の面(支持面)が、上部断熱材172の外周面形状に対応する半円筒状を有する保持凹部182aとなり、第1の収納空間内に立上り管150を立設した状態で、保持凹部182aの内周面により上部断熱部172を保持するようになっている。同様に、
図6(a)に示すように、本体部100の100VコンセントC1及び200VコンセントC2と下部給水栓LTとの間の中間高さ位置では、上部断熱部172が、第2のホルダ部182により第1パネル110の支持部111に対して所定の位置に安定的に保持されている。
【0050】
更に、
図6(b)に示すように、本体部100の下部給水栓LTの高さ位置では、断熱材170の上部断熱部172と下部断熱部172との間で露出する下部給水管151又は上部給水管152の部分が、第3のホルダ部183により第1パネル110の支持部111に対して所定の位置に安定的に保持されている。第3のホルダ部183は、支持部111の下部給水栓取付孔111bに内嵌して着脱自在に固着される嵌合部183aと、嵌合部183aに一体形成されて下部給水管151又は上部給水管152の外周面形状に対応する半円筒状を有する保持部183bとからなり、第1の収納空間内に立上り管150を立設した状態で、保持部183bの内周面により下部給水管151又は上部給水管152を保持すると共に、嵌合部183aを支持部111の上部給水栓取付孔111aに圧入して内嵌することで、下部給水管151又は上部給水管152を保持するようになっている。
【0051】
また、
図7(a)に示すように、本体部100の下部給水栓LTと下部配管取付孔111cとの間の中間高さ位置では、下部給水管151を被覆する下部断熱部171が、第4のホルダ部184により第1パネル110の支持部111に対して所定の位置に安定的に保持されている。第4のホルダ部184は、その外部側の面(底面)が、支持部111の裏面の対応する高さ位置に粘着、接着又は単なる当接支持等により固着されると共に、その内部側の面(支持面)が、下部断熱部171の外周面形状に対応する半円筒状を有する保持凹部184aとなり、第1の収納空間内に立上り管150を立設した状態で、保持凹部184aの内周面により下部断熱部171を保持するようになっている。更に、
図7(b)に示すように、本体部100の下部配管取付孔111cの高さ位置では、下部配管継手153が、第5のホルダ部185により第1パネル110の支持部111に対して所定の位置に安定的に保持されている。第5のホルダ部185は、支持部111の下部配管取付孔111cに内嵌して着脱自在に固着される嵌合部185aと、嵌合部185aに一体形成されて下部配管継手153の外周面形状に対応する半円筒状を有する保持部185bとからなり、第1の収納空間内に立上り管150を立設した状態で、保持部185bの内周面により下部配管継手153を保持すると共に、嵌合部185aを支持部111の下部配管取付孔111cに圧入して内嵌することで、下部配管継手153を保持するようになっている。
【0052】
<第2の収納空間>
100VコンセントC1は、屋外設置用の防水認定された電気部品であり、上記のとおり、本体部100の第2パネル120の所定高さ位置に設置されるが、この設置高さ位置は、前記上部給水栓UTの設置高さ位置と同様の高さ位置、即ち、使用者の立ちながらの使用に適した高さ位置(例えば、地面から約940mmの高さ位置)とされる。また、100VコンセントC1は、第2パネル120に設置される際は、第2パネル120に穿設した所定直径(例えば22mm)のコンセント取付孔121aに防水ブッシング125の通線部127を挿通して設置されるが、このとき、2本(上下一対)のねじ孔121bにそれぞれ木ネジ等のねじSを螺入することで第2パネル120に固定されるため、(表面にストライプ状の凹凸模様が形成された)第2パネル120の支持部121の外側面に対しても、100VコンセントC1を安定して設置固定することができる。一方、本体部100の筺体内の第2の収納空間には、かかる100VコンセントC1に給電するための配線として電線W1が、第2の収納空間内を軸方向に挿通して配設される。このとき、本体部100の異形六角形状の筺体は、外部からの水滴が進入しないよう設計されており、特に、筺体を構成する第1〜第3パネル110,120,130の相互の接合線乃至境界線(詳細には、それらの嵌合部112,122,132と芯部140の境界画定部142c,143c,144cとの間の接合線乃至境界線)から内部に水が進入しないよう設計されている。更に、本実施の形態の水栓柱は、万一、本体部100の第2の収納空間内に水が進入した場合に備えて、電気コード乃至電線W1としては、導体からなる芯線を絶縁体からなる被覆で完全に覆った絶縁電線が使用され、防水ブッシング125を通って100VコンセントC1の内部に配線されるまでは、電線W1の芯線が外部の水環境に直接曝されないようにしている。
【0053】
<第3の収納空間>
200VコンセントC2は、屋外設置用の防水認定された電気部品であり、上記のとおり、本体部100の第3パネル130の所定高さ位置に設置されるが、この設置高さ位置は、前記上部給水栓UTや100Vコンセントの設置高さ位置と同様に、使用者の立ちながらの使用に適した高さ位置(例えば、地面から約940mmの高さ位置)とされる。また、200VコンセントC2は、第3パネル130に設置される際は、第3パネル130に穿設した所定直径(例えば25mm)のコンセント取付孔131aに防水ブッシング135の通線部137を挿通して設置されるが、このとき、100VコンセントC1と同様、2本(上下一対)のねじ孔131bにそれぞれ木ネジ等のねじSを螺入することで第3パネル130に固定されるため、(表面にストライプ状の凹凸模様が形成された)第3パネル130の支持部131の外側面に対しても、200VコンセントC2を安定して設置固定することができる。一方、本体部100の筺体内の第3の収納空間には、かかる200VコンセントC2に給電するための配線として電線W2が、第3の収納空間内を軸方向に挿通して配設される。このとき、本体部100の異形六角形状の筺体は、上記のように、外部からの水滴が内部に進入しないよう設計されて。更に、本実施の形態の水栓柱は、万一、本体部100の第3の収納空間内に水が進入した場合に備えて、電気コード乃至電線W2としては、前記電W1と同様の絶縁電線が使用され、防水ブッシング135を通って200VコンセントC2の内部に配線されるまでは、電線W2の芯線が外部の水環境に直接さらされないようにしている。
【0054】
[本体部の外部構造]
本実施の形態の水栓柱は、上記のように多数の機能部品を配設して多機能化されているため、従来の水栓柱のように(給水栓のみを考慮した)単体構造乃至単一構造として完結することはできない。したがって、本実施の形態の水栓柱は、本体部100の外部構造として、上記のように、筺体を構成する芯材140に3か所のビス孔部142b,143b,144bを(例えばアルミ材を押し出して成形する際に)一体形成し、上記のとおり、照明部200のベース部220をねじTにより固定することで、照明部200を本体部100に固定するようにしている。このとき、本体部100と照明部200との境界部位となる本体部100の筺体の上端とベース部220の下端との間には、防水シートや防水シール材等を設けて防水機能を発揮させることが望ましい。同様に、照明部200自体においても、カバー部210とベース部220との間、並びに、カバー部210とキャップb230との間には、防水シートや防水シール材等を設けて防水機能を発揮させることが望ましい。また、本体部100において、給水系統部品を内装するために漏水等による電気部品等への影響が懸念される第1収納空間には、その内部に(許容できない水位まで)水が溜まった場合にその水を即座に外部に排出するための水抜き孔111dが、上記のように第1パネル110の支持部111の所定高さ位置に形成され、更に、(好ましくは)水抜き孔111dからの外部への一方向のみの排水を許容する(かつ、外部からの異物の侵入を阻止する)ための結露排水弁等の一方向弁装置が装着されている。
【0055】
加えて、水栓柱の外部から照明部200のLEDモジュール240への配線は、前記EEスイッチを経由してLEDモジュール240に接続されるが、このEEスイッチは、LEDモジュール240による照明部200のLED照明の照度センサー機能、タイマー機能、スイッチ機能を備えている。EEスイッチの照度センサー機能は、水栓柱の周辺が暗くなると(夕方になると)照度センサーがその照度低下を感知し、照明部200のスイッチをオンする(即ち、LEDモジュール240を点灯する)。一方、照度センサーは、水栓柱の周辺が明るくなるとその照度増加を感知し、照明部200のスイッチをオフする(即ち、LEDモジュール240を消灯する)。また、EEスイッチのタイマー機能は、内蔵したタイマーにより、照度センサーによってスイッチがオンとなった照明部200のLED照明を、当該スイッチがオンになってから所定時間(例えば、1時間等)経過後にオフにするかを設定することができる機能であり、水栓柱の周辺が明るくなるまで連続的に照明部200の照明をオンにしたくない場合等に活用できる。また、照明部200からの光は、水栓柱の取付部品を照明する主機能に加え、付随的に水栓柱の周辺を照明する機能をも備えることになるが、水栓柱の周囲に誰も人がいない場合にまで照明部200の照明を継続するのは、省エネの風潮にそぐわないことから、タイマー機能によって節電に貢献することができるという効果も発揮することができる。更に、EEスイッチのスイッチ機能は、手動により照明部200のLED照明をオン又はオフに切り換えることができる機能である。照明部200の照明制御機能として、上記照度センサー機能及びタイマー機能のみ付設した場合、旅行中等、照明部200の照明を付けたくない場合でも、照度センサーが自動的に照度を感知して照明をオンしてしまうが、本実施の形態では、手動のスイッチにより不要時は照明部200の照明を強制的にオフすることができる。また、主導のスイッチがない場合、水栓柱へ配線される電源装置そのものの電源をオフすることも可能ではあるが、この場合、100VコンセントC1や200VコンセントC2を利用したい場合等に対応ができなくなるため、やはり、照明部200のLED照明専用の手動スイッチを設けることが効果的である。
【0056】
[電線]
本実施の形態の水栓柱は、電気系統部品として、電熱線160、100VコンセントC1、200VコンセントC2及びLEDモジュール240の合計4点の給電が必要な電気系統部品を備えている。よって、本実施の形態の水栓柱は、これら合計4個の電気系統電部品にそれぞれ所定電圧の給電を行うため、合計4本の電線を配設する必要があり、本体部100の筺体の内部には、合計4本の電線が、前記第1〜第3収納空間内に区分して収納されて配線されている。具体的には、本体部100の第1収納空間には、電熱線160への給電用の電線(図示略)が、第1収納空間の下端付近から(例えば第1パネル110に設けた専用の電線挿通口を介して、或いは、
図4(a)の底面図に示すように第1収納空間の下端に形成される開口を介して)上方に挿通され、電熱線160に接続される。また、本体部100の第2収納空間には、100VコンセントC1への給電用の電線W1が、上記のように、第2パネル120の電線挿通口121cから上方に挿通され、100VコンセントC1に接続される。更に、本体部100の第3収納空間には、200VコンセントC2への給電用の電線W2が、上記のように、第3パネル130の電線挿通口131cから上方に挿通され、200VコンセントC2に接続される。ここで、電熱線160と100VコンセントC1とは、共に100Vの商用電源を使用するため、それらの電線を1本にまとめて兼用することができる。一方、照明部200のLED照明用の電線は、EEスイッチにより電源のオン・オフを制御しているため、他の電線と1本にまとまることはできない。また、200VコンセントC2用の電線W2も、他の電気系統部品と使用電圧が異なるため、他の電線と1本にまとめることはできない。
【0057】
[水栓柱の施工]
本実施の形態の水栓柱は、例えば、
図22〜
図24に示すように、本体部100の下端側の所定長さ部分(水抜き孔111dより下方となる部分)が、設置場所の設置面GLより下方となるよう設置場所の地中に埋設して固定する。このとき、水栓柱を強固に設置場所に固定するため、設置場所の埋設部分は、まず、水栓柱の埋設深さよりも更に下方の位置まで地面を掘削して埋設用凹部を形成し、その埋設用凹部の底面の上にクラッシャーラン(砕石)を敷き詰めて基礎層としての砕石層CRとした後、更に、その砕石層CRの上に空練りモルタル(加水せずにセメント及び骨材を混練したモルタル)からなるモルタル層MRを形成する。埋設用凹部におけるモルタル層MRの上面位置は、水栓柱の埋設深さ位置と同一とする。そして、水栓柱を埋設用凹部のモルタル層MRの中心に垂直に立設して設置し、その周囲にコンクリート材料を充填して固化することにより、コンクリート層CNを形成し、コンクリート層CNにより水栓柱を強固かつ安定的に支持する。なお、このとき、水栓柱の設置態様としては、例えば、本体部100の正面の第1パネル110を芯材140に組み付けると共に、第1の収納空間内に立上り管150を収納して設置した状態とする一方で、第1パネル110には上部給水栓UT及び下部給水栓LTは取付けていない状態とすることができる。そして、かかる水栓柱は、
図23に示すように、埋設用凹部へのコンクリートの充填前に、水栓柱の第1パネル110の配管取付孔111cから露出する下部配管継手153に外部の給水管WPを接続する。更に、(このときまでに第1パネル110に上部給水栓UT及び下部給水栓LTは取付けていない場合は)第1パネル110の上部給水栓取付孔111aから露出する上部給水管継手155に上部給水栓UTを取り付けると共に、第1パネル110の下部給水栓取付孔111bから露出する下部給水管継手153に下部給水栓LTを取り付ける。
【0058】
また、
図24に示すように、上記の埋設用凹部への砕石層CRの形成前に、前記100VコンセントC1用の電線W1と200VコンセントC2用の電線W2とをそれぞれの電源から延設すると共に所定位置(例えば、電源付近の位置)で地中に埋設して、その電線W1,W2の延設部分を埋設用凹部の内部まで引き込む。このとき、電線W1,W2の埋設用凹部への引き込み部分は、埋設用凹部の底面の所定位置(例えば、底面と側面との境界付近の位置)から上方に引き込み、その所定長部分を埋設用凹部から上方に露出させる。また、このとき、電線W1及び電線W2は、それぞれ、ケーブル保護管WC1及びWC2により外周を完全に被覆する。そして、埋設用凹部の底面に上記のようにして砕石を敷きつめて砕石層CRを形成する際にも、電線W1,W2を被覆したケーブル保護管WC1,WC2を砕石層CRの上面から上方に引き出しておき、更に、上記のようにしてモルタル層MRを形成する際にも、電線W1,W2を被覆したケーブル保護管WC1,WC2を上方に引き出しておく。その後、埋設用凹部のモルタル層MRに水栓柱を立設する際に、その水栓柱の本体部100の筺体の第2の収納空間及び第3の収納空間に電線W1及び電線W2を引き込んで、それぞれ、100VコンセントC1及び200VコンセントC2に上記のようにして接続する。このとき、本体部100の第2パネル120及び第3パネル130を芯材140から取り外した状態で、(第2パネル120及び第3パネル130を取り外した状態の)第2の収納空間及び第3の収納空間の下端から上方へと上記電線W1及び電線W2を敷設し、第2パネル120の裏面から突出する防水ブッシング125の通線部127及び第3パネルの裏面から突出する防水ブッシング135の通線部137に、それぞれ、電線W1及び電線W2の先端部を挿通し、第2パネル120の表面のホルダ部位126及び第3パネル130の表面のホルダ部136から外部に引き出す。
【0059】
また、このとき、電線W1及び電線W2を保護するケーブル保護管WC1及びケーブル保護管WC2の先端側の所定長部分を、本体部100の第2の収納空間及び第3の収納空間の下端から内部に(電線W1及び電線W2と共に)引き込み、ケーブル保護管WC1及びケーブル保護管WC2の先端(上端)が、本体部100内で所定高さ位置まで来るように設置する。このとき、ケーブル保護管WC1及びケーブル保護管WC2の上端の高さ位置は、第1パネル110の水抜き孔111dの高さ位置よりも所定距離だけ高い位置、例えば、水抜き孔111dの高さ位置の1.5倍程度の高さ位置とする(例えば、水抜き孔111dを設置面GLから上方に約100mmの高さ位置とした場合、ケーブル保護管WC1及びケーブル保護管WC2の上端の高さ位置は設置面GLから上方に約150mmの高さ位置とする)。こうすることで、万一、本体部100の内部に水が溜まった場合でも、その水は、ケーブル保護管WC1及びケーブル保護管WC2の上端に達する前に、水抜き孔111dから外部に排出され、ケーブル保護管WC1及びケーブル保護管WC2内の電線W1及び電線W2に接触することによる不具合を完全に防止することができる。その後、第2パネル120の表面のホルダ部位126及び第3パネル130の表面のホルダ部136から外部に引き出しておいた電線W1及び電線W2を、それぞれ、100VコンセントC1及び200VコンセントC2に引き込んで所定の電気的接続作業を行った後、その100VコンセントC1及び200VコンセントC2を、それぞれ、第2パネル120及び第3パネル130に上記のようにして固定する。なお、上記電線W1及び電線W2とその外周側のケーブル保護管WC1及びケーブル保護管WC2との間の空隙には、それぞれ、パテ等を充填する(パテ詰め等の処理を行う)。
【0060】
更に、このとき、水栓柱の本体部100の内部の下端側には、第1〜第3収納空間の全てに、川砂等の詰物PKを所定高さ位置まで充填する。その後、この状態の水栓柱の立設状態で、埋設用凹部のモルタル層MRの上に上記のようにしてコンクリート層CNを形成し、水栓柱を設置場所に完全に固定する。このとき、本体部100の下端側の内部空間の詰物PKは、本体部100の埋設部分の周囲のコンクリート層CNと協働して、水栓柱を一層強固に固定すべく機能する。また、水栓柱の設置後、本体部100の下端側の内部空間の詰物PKは、本体部100の内部空間に水が進入したり溜まったりした場合に、
図24中の白抜き矢印に示すように、その水を浸透させて下方に案内することで本体部100の下端から下方に排出する。更に、その水は、水栓柱の下端側の(透水性を有する)モルタル層MR及び(更に高い透水性を有する)砕石層CRを介して、下方に地中に排出されるため、本体部100の内部に水が溜まることを効果的に防止することができる。また、このとき、水栓柱の本体部100の内部空間において、前記詰物PKの上端面の高さ位置は、第1パネル110の水抜き孔111dの高さ位置よりも所定距離だけ低い位置、例えば、水抜き孔111dの高さ位置の0.8倍未満の高さ位置とする(例えば、水抜き孔111dを設置面GLから上方に約100mmの高さ位置とした場合、詰物PKの上端面の高さ位置は設置面GLから上方に約80mmの高さ位置とする)。こうすることで、詰物PKにより本体部100の内部の水を本体部100の下端側から下方に排出する一方で、詰物PKによる排水が間に合わず、本体部100の内部の水位が上昇した場合に、その水を水抜き孔111dから迅速に外部に排出することができ、やはり、本体部100の内部に水が溜まることを効果的に防止することができる。
【0061】
[多機能と収納性の両立]
上記のとおり、本実施の形態の水栓柱は、従来の水栓柱のように単一の給水栓のみからなる単機能ではなく、従来の給水栓に対応する主給水栓としての上部給水栓UTに加え、給水関連の部材乃至要素として副給水栓としての下部給水栓LTを備えることにより、上部給水栓UTによって通常の高さ位置で給水や散水に使用することができると共に、下部給水栓LTによってより低い高さ位置での給水機能が可能になり、利便性を高めることができる。また、本実施の形態の水栓柱は、これらの主たる給水機能(従来と同様の主機能)及び補助的給水機能(第1の追加機能)に加えて、100VコンセントC1及び200Vコンセントの各電気系統部品を設けたことにより、100VコンセントC1による100V電源(通常電源)の給電機能(第2の追加機能)と、200VコンセントCT2による電気自動車への充電機能等の200V電源の給電機能(第3の追加機能)とを提供することができ、より利便性を高めることができる。更に、本実施の形態の水栓柱は、LED照明機能を備える照明部200による(特に、給水栓やコンセント等の夜間操作を容易にするための)照明機能(第4の追加機能)、電熱線160による(特に寒冷地での冬季等の時期における)凍結防止機能(第5の追加機能)、及び、断熱材170による断熱機能(特に電熱線を省略した場合の凍結防止機能)(第6の追加機能)からなる合計6つの追加機能を備え、利便性を一層大きく向上している。一方、本実施の形態の水栓柱は、これらの追加機能を提供するための各種部品を追加的に設けたにもかかわらず、それらの部品を収納する本体部100及び照明部200の筺体構成を独特の構成とし、特に本体部100の筺体構成を、芯材140に第1〜第3のパネル110,120,130を組み付けることにより、給水系統部品や電気系統部品に最適な収納空間を構築して提供する構成(及び、分解可能な構成)とする独特の筺体構成としたことにより、それらの部品をコンパクトに収納することができると共に、それらの部品の固有の機能を十分に発揮することができるようになっている。
【0062】
[発明の範囲内での水栓柱の各構成の変更]
本発明の水栓柱は、上記実施の形態に記載した構成の各々について、本発明の課題を達成する課題解決手段を備える構成となる限りにおいて、本発明の範囲内で適宜変更することができる。例えば、上記実施の形態では、
図1〜図では、第2パネル120に電気関連部品乃至電気系統部品を構成する第1のコンセントとして100VコンセントC1を取り付け、第3パネル130に電気関連部品乃至電気系統部品を構成する第2のコンセントとして200VコンセントC2を取り付ける例が図示されると共に、これとは逆に、
図1〜図では、第2パネル120に第1のコンセントとして200VコンセントC2を取り付け、第3パネル130に第2のコンセントとして100VコンセントC1を取り付ける例が図示されているが、このように、水栓柱の外側面に取り付ける外部構成部品としての各種の部品については、水栓柱の本来の機能部品である給水栓を水栓柱の正面となる第1パネル110に取り付ける限りにおいて、第2パネル120及び第3パネル130に取り付ける電気関連部品としてのコンセントの種類は上記実施の形態の例に限定されるものではない。また、電気関連部品乃至電気系統部品として、上記100VコンセントC1や200VコンセントC2以外の電気関連部品を第2パネル120及び/又は第3パネル130に取り付けることもできる。
【0063】
更に、上記実施の形態では、芯材140の周囲に第1〜第3パネル110〜130を組み付けて本体部100の筺体を構成すると共に第1〜第3の収納空間を形成して本体部100の内部空間を合計3つの収納空間に区画しているが、本体部の内部空間を少なくとも2つ以上の収納空間に区画するよう芯材及び芯材に組み付けるパネルの構成を変更することもできる。例えば、本体部の内部空間を2つの収納空間に区画するよう芯材及び芯材に組み付けるパネルの構成を変更する場合、芯材は、本体部の内部空間を軸心方向に延び、当該本体部の内部空間を複数の収納空間に区画する2つの区画壁を備える一方で、パネルは第1パネル及び第2パネルからなり、第1パネルは、芯材の第1の一対の区画壁の先端間の間隙を閉塞して当該第1の一対の区画壁との間で第1の収納空間を形成し、当該第1の収納空間に前記給水関連部品を収納自在とし、第2パネルは、芯材の第2の一対の区画壁の先端間の間隙を閉塞して当該第2の一対の区画壁との間で第2の収納空間を形成し、当該第2の収納空間に前記コンセント用の給電関連部品を収納自在な構成とすることができる。或いは、本体部の内部空間を4つ以上の収納空間に区画するよう芯材及び芯材に組み付けるパネルの構成を変更することもできる。この場合、芯材は、本体部の内部空間を軸心方向に延び、当該本体部の内部空間を前記4つ以上の収納空間に区画する複数の区画壁を備える一方で、パネルは当該区画数に対応する複数のパネルからなり、各パネルは、芯材の対応する一対の区画壁の先端間の間隙を閉塞して当該一対の区画壁との間で(対応する関連部品を収納するための)収納空間を形成し、当該収納空間に当該関連部品を収納自在な構成とすることができる。
【0064】
しかし、本発明は、上記実施例のように、第1〜第3パネル110〜130と芯材140とにより第1〜第3の収納空間を本体部100の内部に区画して形成する構成とすると、本体部100の内部構造として、内部空間を区画した後の各収納空間の利用効率(収納対象となる関連部品の収納性や収納効率等)を最も上げることができ、また、上記のような給水関連部品や電機関連部品を第1〜第3パネル110〜130の3つの外側面に組み付けることで、各部品による使用者への利便性を最大限に高めることができ、更に、全体の外形状を上記異形六角形状という独特の形状として、そのデザイン性乃至意匠的効果を大きく高めることができる。特に、この場合、本体部100において給水系統部品としての立上り管150等を収納する第1の収納空間について、上記のように、芯材140の保持機能付き区画壁141により、管ホルダ180との間で、立上り管150等の給水管の中心を本体部100の中心点Oから第1パネル110側(本体部100の正面側)に所定距離だけ変位した位置に固定して保持することができるため、給水管の中心を本体部100の中心付近に配置する場合と比較して、第1の収納空間の容積を減少して、電熱線160による給水管の加温効果や断熱材170による給水管の断熱効果を高めるという効果等を期待でき、更に、本体部100において電気関連部品や給電関連部品としての電線等を収納する第2の収納空間及び第3の収納空間については、その分、容積を増大して、電気関連部品や給電関連部品からの発熱等による影響を効果的に抑制できるという効果等を期待できる。更にまた、本体部100の内部空間が第1〜第3の収納空間の3つに区画され、ベース部220の大径の流通開口221aを介して照明部200の内部空間に大面積で臨む構成となるため、特に、給水関連部品が空間中に占める割合が大きい第1の収納空間と比較して、関連部品の空間中に占める割合が小さい第2の収納空間及び第3の収納空間を利用して、照明部200の電気関連部品としてのLEDモジュール240への給電関連部品としての電線等を、ベース部220の流通孔221aを介して、本体部100の第2の収納空間又は第3の収納空間から、照明部200内部に引き込んでLEDモジュール240に接続することが容易となる。
【0065】
[発明の代表的な特徴的構成及び特有の効果]
本発明に係る水栓柱は、上記実施の形態の説明で述べた各種の特徴的な構成による特有の作用効果を発揮するが、このうち、特に、以下の特徴的に構成により下記のような特有の作用効果を発揮する。まず、本発明の水栓柱において、本体部100の外観意匠面となる正面及び背面を各々構成するパネル(上記実施の形態の例では、第1パネル110、第2パネル120、第3パネル130の3枚のパネル)は、全て、共通部品として同様の構造として(上記アルミ材による押出成形等によって)製作乃至製造されており、これにより、水栓柱全体の部品点数の削減とコストの削減とに貢献することができる。例えば、上記実施の形態の例では、第1パネル110、第2パネル120、第3パネル130の3枚のパネルは、全て、同一の断面形状(略チャンネル状)を有する同一高さ寸法のチャンネル板状をなしており、芯材140の3つの開口(3枚の係合機能付き区画壁142,143,144の先端間の間隙により形成される3つの縦長長方形状の開口)に嵌合されてそれら3つの開口をそれぞれ遮蔽することができ、上記実施の形態では、芯材140の正面側、右背面側及び左背面側の開口に対して、それぞれ、第1パネル110、第2パネル120及び第3パネル130が嵌合により装着されるが、第1〜第3パネル110〜130は、芯材140の他の面の開口に装着することもできる(通常はそのような態様で装着されることはないが、そのような装着方法も可能ではある)。また、本発明の水栓柱は、パネルにコンセントを付設しない場合を想定して、コンセント用の取付孔を形成しない(孔なしタイプの)タイプのパネルを共用部品として用意することができ、こうすることにより、適宜必要なタイプのパネル(孔あきタイプや孔なしタイプのパネル)を使用して、例えば、100VコンセントC1を1個だけ1つのパネルに付設する構成の水栓柱や、コンセントがいずれのパネルにも付設されない水栓柱等にも対応できるという利点がある。
【0066】
また、芯材140は、上記のとおり、半円筒状の保持機能付き区画壁141の位置関係を設定することにより、保持機能付き区画壁141に保持された給水関連部材(立上り管150及び断熱材170)の中心が、本体部100の筺体の中心Oから偏心するようにしているが、この特徴的構成について以下に更に詳細に説明する。即ち、
図25に示すように、(保持機能付き区画壁141及び第1〜第3の係合機能付き区画壁142〜144により構成される)芯材140は、中心から120度の間隔で略Y字型に3本乃至3枚の区画壁が延びる構成となる。即ち、保持機能付き区画壁141の左半部の四分円弧状部分とこれに連続する第1の係合機能付き区画壁142とからなる1枚の異形板状の区画壁が、本体部100の筺体の中心Oから正面の左端に向かって延び、保持機能付き区画壁141の右半部の四分円弧状部分とこれに連続する第2の係合機能付き区画壁143とからなる1枚の異形板状の区画壁が、本体部100の筺体の中心Oから正面の右端に向かって延び、第3の係合機能付き区画壁144が、本体部100の筺体の中心Oから背面の中央に向かって延びることになる。そして、芯材140における保持機能付き区画壁141の配置位置は、その断面半円形状内に給水管(立上り管150)を嵌合したときに、当該給水管の中心POが、本体部100の筺体の中心O(これは芯材140自体のの中心でもある)に対して所定距離CG(例えば、約13mm)だけ正面側に変位した位置に配置されるよう、意図的にずらした(変位した)位置に配設されている。これにより、保持機能付き区画壁141の正面側(給水管の保持側)と反対側である背面側に位置する第2の収納空間及び第3の収納空間のそれぞれの区画スペースを、前記変位分(所定距離CGの距離分)だけ広く確保することができる。
【0067】
ここで、本体部100の第2の収納空間及び第3の収納空間は、それぞれ、前記100VコンセントC1や200VコンセントC2の電線W1,W2等の電線を挿通して配設する空間として機能するが、実際の施工時には、電線(電線W1,W2のほか、LED照明用の電線を含むこともある)を保護管としてのPF管(蛇腹状の樹脂管)PF1,PF2に挿通した状態で第2の収納空間及び第3の収納空間内に配設することで、電線の破損等を防止してより安全性を確保している(例えば、
図24に示すようにケーブル保護管WC1,WC2としてのPF管により電線W1,W2を被覆保護した状態で、これらのPF管を本体部100の第2の収納空間及び第3の収納空間内に配設する)。なお、このとき、
図24に示すように、電線を保護するPF管を一層安全に使用するためには、本体部100の筺体の内部の下端から少なくとも所定距離だけ上方の位置(少なくとも、第1パネル110の水抜き穴111dより上方の位置)まで、PF管を進入させて立ち上げる必要がある。そして、この場合、
図25に示すように、水栓柱の寸法(即ち、本体部100の寸法)に合わせて設定されるPF管PF1,PF2の規格最小寸法(例えば、φ33.5mm)によれば、芯材140の保持機能付き区画壁141を上記のように変位しない場合、当該(蛇腹環状で外周面を波形状の凹凸面としている)PF管PF1,PF2は、その凸部分が本体部100の筺体内の収納空間内で内壁面に当接したり衝突したりして、当該収納空間内に円滑に挿通できない事態が想定されるが、本発明の水栓柱は、芯材140の保持機能付き区画壁141を上記のように(PF管の最小規格寸法の約35〜45%の距離、好ましくは、約40%の距離だけ)変位しているため、PF管PF1,PF2と第2及び第3の収納空間の内壁面との間には十分なスペース(所定の間隙)が確保されることになり、当該PF管PF1,PF2は、その凸部分が本体部100の筺体内の第2及び第3の収納空間内でそれぞれ内壁面に当接したり衝突したりすることはなく、PF管PF1,PF2を第2及び第3の収納空間内にそれぞれ円滑に挿通して配設することができる。また、このような芯材140の保持機能付き区画壁141の変位寸法によれば、本体部100の第1の収納空間内に給水関連部品(立上り管150等)を収納するスペースも最低限必要なだけ確保することができ、給水関連部品の配設上の不具合を生じることもない。
【0068】
更に、
図25に示すように、芯材140に第1〜第3パネル110〜130を組み付けて本体部100を組み立てた状態で、第1〜第3パネル110〜130同士の隙間乃至境界部分で、芯材140の境界画定部142c,143c,144cが、スリット状の境界線部BL1,BL2,BL3として表れ、本体部100の前記副外側面100D,100E,100Fの各々に置いてその幅方向中でスリット状の外観意匠を表現するようになっている。これにより、(外観意匠を構成するパネルが単色となる場合が一般的であるために)基本的に単色にならざるを得ない水栓柱というカテゴリの製品において、前記芯材140の色を第1〜第3パネル110〜の色と異なる色とすることにより、その境界画定部142c,143c,144cによるスリット状の境界線部BL1,BL2,BL3によって、本体部100の外側面の三方で異なる色からなるスリット状乃至幅狭線状の外観を表現することができ、水栓柱全体に独特の意匠的効果を付与することができ、また、かかる意匠的効果を発揮する構造により、水栓柱としての外観意匠の色展開(カラー展開)も一層自由に幅広く提供することができる。