特許第6043221号(P6043221)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社NTTドコモの特許一覧

特許6043221情報端末、操作領域制御方法及び操作領域制御プログラム
<>
  • 特許6043221-情報端末、操作領域制御方法及び操作領域制御プログラム 図000002
  • 特許6043221-情報端末、操作領域制御方法及び操作領域制御プログラム 図000003
  • 特許6043221-情報端末、操作領域制御方法及び操作領域制御プログラム 図000004
  • 特許6043221-情報端末、操作領域制御方法及び操作領域制御プログラム 図000005
  • 特許6043221-情報端末、操作領域制御方法及び操作領域制御プログラム 図000006
  • 特許6043221-情報端末、操作領域制御方法及び操作領域制御プログラム 図000007
  • 特許6043221-情報端末、操作領域制御方法及び操作領域制御プログラム 図000008
  • 特許6043221-情報端末、操作領域制御方法及び操作領域制御プログラム 図000009
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6043221
(24)【登録日】2016年11月18日
(45)【発行日】2016年12月14日
(54)【発明の名称】情報端末、操作領域制御方法及び操作領域制御プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/041 20060101AFI20161206BHJP
   G06F 3/0484 20130101ALI20161206BHJP
   G06F 3/0488 20130101ALI20161206BHJP
【FI】
   G06F3/041 595
   G06F3/0484 170
   G06F3/0488
【請求項の数】6
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2013-56608(P2013-56608)
(22)【出願日】2013年3月19日
(65)【公開番号】特開2014-182588(P2014-182588A)
(43)【公開日】2014年9月29日
【審査請求日】2014年8月12日
(73)【特許権者】
【識別番号】392026693
【氏名又は名称】株式会社NTTドコモ
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100121980
【弁理士】
【氏名又は名称】沖山 隆
(74)【代理人】
【識別番号】100128107
【弁理士】
【氏名又は名称】深石 賢治
(72)【発明者】
【氏名】吉田 恵梨子
(72)【発明者】
【氏名】岡本 行司
(72)【発明者】
【氏名】富田 圭
(72)【発明者】
【氏名】渡邉 真二
【審査官】 若林 治男
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−191445(JP,A)
【文献】 特開2010−282459(JP,A)
【文献】 特開2012−168943(JP,A)
【文献】 特開2010−039558(JP,A)
【文献】 特開2012−133745(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/041
G06F 3/0484
G06F 3/0488
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
タッチパネルを有する情報端末であって、
前記タッチパネルに対する入力操作に関する操作情報を取得する取得手段と、
前記取得手段により取得された前記操作情報に基づき、前記タッチパネルに対する第2の所定操作に引き続き第1の所定操作が行われた場合に、前記第1の所定操作が行われたこと及び操作量を判断する判断手段と、
前記判断手段により行われたことが判断された前記第1の所定操作における前記操作量に応じて前記タッチパネルにおける操作の受付が可能な操作領域を、縮小させ、前記判断手段により前記第2の所定操作が行われたことが判断された場合に、前記第1の所定操作を案内するための案内オブジェクトを前記タッチパネルに表示する、制御手段と、を含み、
前記判断手段は、前記操作情報における入力操作の操作開始位置を判断しない、
情報端末。
【請求項2】
前記制御手段は、アプリケーションにより設定された表示領域であって該アプリケーションから出力された表示内容を表示する表示領域を、前記操作領域と同様に縮小させる、
請求項1に記載の情報端末。
【請求項3】
前記制御手段は、前記判断手段により第3の所定操作がタッチパネルに対して行われたことが判断された場合、又は、当該情報端末が有するセンサにより所定の事象が検出された場合に、縮小された前記操作領域を元のサイズに戻す、
請求項1〜2のいずれか1項に記載の情報端末。
【請求項4】
前記操作領域は、タッチパネルの画面の全部又は一部に対してアプリケーションにより設定される領域であって、アプリケーションに対する入力を受け付ける領域である、
請求項1〜3のいずれか1項に記載の情報端末。
【請求項5】
タッチパネルを有する情報端末における、前記タッチパネルにおける操作の受付が可能な操作領域を制御する操作領域制御方法であって、
前記タッチパネルに対する入力操作に関する操作情報を取得する取得ステップと、
前記取得ステップにおいて取得された前記操作情報に基づき、前記タッチパネルに対する第2の所定操作に引き続き第1の所定操作が行われた場合に、前記第1の所定操作が行われたこと及び操作量を判断する判断ステップと、
前記判断ステップにおいて行われたことが判断された前記第1の所定操作における前記操作量に応じて前記タッチパネルにおける操作の受付が可能な操作領域を縮小させ、前記判断ステップにおいて前記第2の所定操作が行われたことが判断された場合に、前記第1の所定操作を案内するための案内オブジェクトを前記タッチパネルに表示する、制御ステップと、を有し、
前記判断ステップにおいて、前記操作情報における入力操作の操作開始位置を判断しない、
操作領域制御方法。
【請求項6】
タッチパネルを有する情報端末に、
前記タッチパネルに対する入力操作に関する操作情報を取得する取得機能と、
前記取得機能により取得された前記操作情報に基づき、前記タッチパネルに対する第2の所定操作に引き続き第1の所定操作が行われた場合に、前記第1の所定操作が行われたこと及び操作量を判断する判断機能と、
前記判断機能により行われたことが判断された前記第1の所定操作における前記操作量に応じて前記タッチパネルにおける操作の受付が可能な操作領域を、縮小させ、前記判断機能により前記第2の所定操作が行われたことが判断された場合に、前記第1の所定操作を案内するための案内オブジェクトを前記タッチパネルに表示する、制御機能と、を実現させ、
前記判断機能は、前記操作情報における入力操作の操作開始位置を判断しない、
操作領域制御プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報端末、操作領域制御方法及び操作領域制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
タッチパネルの機能を備えたディスプレイを有する情報端末が普及している。また、近年において、より多くの情報を表示するために、情報端末の画面が大型化している。このような情報端末において、画面に表示されたウインドウ等のオブジェクトの大きさを単に拡大及び縮小させる技術が知られている。(例えば、特許文献1、2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−169452号公報
【特許文献2】特開2005−100199号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
情報端末のユーザは、情報端末を一方の手で保持しながら、その手の指により種々の入力操作をする場合が多い。かかる態様での操作において、画面の大型化により、タッチパネルにおいて情報端末を保持した手の指が届かない部分が生じることがあり、操作性の悪化を招来していた。
【0005】
そこで、本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、タッチパネルを有する情報端末において、良好な操作性を提供できる情報端末、操作領域制御方法及び操作領域制御プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明の情報端末は、タッチパネルを有する情報端末であって、タッチパネルに対する入力操作に関する操作情報を取得する取得手段と、取得手段により取得された操作情報に基づき、タッチパネルに対する第2の所定操作に引き続き第1の所定操作が行われた場合に、第1の所定操作が行われたこと及び操作量を判断する判断手段と、判断手段により行われたことが判断された第1の所定操作における操作量に応じてタッチパネルにおける操作の受付が可能な操作領域を、縮小させ、判断手段により第2の所定操作が行われたことが判断された場合に、第1の所定操作を案内するための案内オブジェクトをタッチパネルに表示する、制御手段と、を含み、判断手段は、操作情報における入力操作の操作開始位置を判断しない。
【0007】
また、上記課題を解決するために、本発明の操作領域制御方法は、タッチパネルを有する情報端末における、タッチパネルにおける操作の受付が可能な操作領域を制御する操作領域制御方法であって、タッチパネルに対する入力操作に関する操作情報を取得する取得ステップと、取得ステップにおいて取得された操作情報に基づき、タッチパネルに対する第2の所定操作に引き続き第1の所定操作が行われた場合に、第1の所定操作が行われたこと及び操作量を判断する判断ステップと、判断ステップにおいて行われたことが判断された第1の所定操作における操作量に応じてタッチパネルにおける操作の受付が可能な操作領域を縮小させ、判断ステップにおいて第2の所定操作が行われたことが判断された場合に、第1の所定操作を案内するための案内オブジェクトをタッチパネルに表示する、制御ステップと、を有し、判断ステップにおいて、操作情報における入力操作の操作開始位置を判断しない。
【0008】
また、上記課題を解決するために、本発明の操作領域制御プログラムは、タッチパネルを有する情報端末に、タッチパネルに対する入力操作に関する操作情報を取得する取得機能と、取得機能により取得された操作情報に基づき、タッチパネルに対する第2の所定操作に引き続き第1の所定操作が行われた場合に、第1の所定操作が行われたこと及び操作量を判断する判断機能と、判断機能により行われたことが判断された第1の所定操作における操作量に応じてタッチパネルにおける操作の受付が可能な操作領域を、縮小させ、判断機能により第2の所定操作が行われたことが判断された場合に、第1の所定操作を案内するための案内オブジェクトをタッチパネルに表示する、制御機能と、を実現させ、判断機能は、操作情報における入力操作の操作開始位置を判断しない。
【0009】
本発明の情報端末、操作領域制御方法及び操作領域制御プログラムによれば、入力操作に関する操作情報に基づき、例えばドラッグ操作といった所定操作における操作量が判断され、タッチパネルにおける操作の受付が可能な操作領域が、判断された操作量に応じてタッチパネルの画面に対して縮小される。この縮小制御では、入力操作の操作開始位置が判断されないので、ユーザは、この操作を、ディスプレイにおける指の届く範囲で実施できる。そして、このように操作領域が縮小されることにより、操作領域において指が届かなかった部分を、指が届く領域に収めることが可能となる。これにより、良好な操作性が実現する。
また、第2の所定操作が行われたことが判断された場合に限り、操作領域の縮小を指示するための第1の所定操作が行われたこと及びその操作量が判断されるので、操作領域を縮小させるための操作と、操作領域を縮小させるための操作と同態様の操作による通常の入力操作との峻別が可能となる。これにより、操作領域の縮小を適切に実施できる。
また、第2の所定操作が行われた場合に第1の所定操作を案内するためのオブジェクトが表示されるので、ユーザは操作領域の縮小のための操作方法を認識できるので、ユーザに容易に操作領域の縮小を実施させることができる。
【0010】
また、本発明の情報端末では、制御手段は、アプリケーションにより設定された表示領域であって該アプリケーションから出力された表示内容を表示する表示領域を、操作領域と同様にタッチパネルの画面に対して縮小させる。
【0011】
上記構成によれば、操作領域と表示領域とが一体となって構成されるGUIにおいて、表示領域が操作領域と同様に縮小されるので、ディスプレイにおける操作位置を適切にユーザに提示でき、良好な操作性が担保される。
【0016】
また、本発明の情報端末では、制御手段は、判断手段により第3の所定操作がタッチパネルに対して行われたことが判断された場合、又は、当該情報端末が有するセンサにより所定の事象が検出された場合に、縮小された操作領域を元のサイズに戻す。
【0017】
上記構成によれば、第3の所定操作が実施されるまで、または所定の事象が検出されるまで、操作領域が縮小された状態が維持されるので、ユーザは所望の間だけ、縮小された操作領域に対する操作を継続できる。これにより、より良好な操作性が実現される。また、第3の所定操作等を実施することにより、操作領域が元のサイズに戻されるので、必要に応じた操作領域の縮小及び元のサイズへの復帰をさせることができる。
【0018】
また、本発明の情報端末では、操作領域は、タッチパネルの画面の全部又は一部に対してアプリケーションにより設定される領域であって、アプリケーションに対する入力を受け付ける領域である。
【0019】
上記構成によれば、操作領域の縮小制御は、アプリケーションにより設定された操作領域が当該情報端末の制御により縮小されるものであるので、アプリケーションは、操作領域のタッチパネルにおけるサイズの変更を認識する必要がない。従って、操作領域の縮小を実現するためにアプリケーションのカスタマイズを要さない。
【発明の効果】
【0020】
タッチパネルを有する情報端末において、良好な操作性を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】情報端末の構成を示す模式図である。
図2】情報端末の機能的構成を示すブロック図である。
図3】情報端末のハードブロック図である。
図4】操作領域の縮小のための操作及び縮小の例を模式的に示す図である。
図5】縮小された操作領域を元のサイズに戻すための操作及び操作領域のサイズの復帰の例を模式的に示す図である。
図6】操作領域及び表示領域の縮小及びサイズの復帰を示す図である。
図7】操作領域制御方法の処理内容を示すフローチャートである。
図8】操作領域制御プログラムの構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明に係る情報端末、操作領域制御方法及び操作領域制御プログラムの実施形態について図面を参照して説明する。なお、可能な場合には、同一の部分には同一の符号を付して、重複する説明を省略する。
【0023】
図1は、情報端末の構成を示す模式図である。情報端末1は、図1(a)に示すようにタッチパネルTを有する、例えば、スマートフォンといった端末装置であって、タッチパネルTにおける操作の受付が可能な操作領域を縮小する制御が可能である。また、情報端末1は、図1(b)に示すように、入力受付部21及び機能部Cを含む。入力受付部21は、例えば、静電センサといった装置により構成され、タッチパネルTに対する入力操作が行われた位置を示す座標情報を取得できる。機能部Cは、情報端末1における各種機能を実現するためのものであり、例えば、アプリケーションプログラムがロードされたCPUといった装置により実現される。
【0024】
図2は、情報端末1の機能的構成を示すブロック図である。図2に示すように、情報端末1は、機能的には、取得部11(取得手段)、判断部12(判断手段)及び制御部13(制御手段)を備える。また、情報端末1は、タッチパネルTにより構成される入力受付部21及び表示部22を含む。入力受付部21は、前述のとおり、タッチパネルTに対する入力操作が行われた位置を示す座標情報を取得でき、座標情報を含む操作情報を生成できる。表示部22は、各種のテキスト及び画像等を表示する部分であって、本実施形態では、例えば、制御部13の制御により各種画像等を表示する。
【0025】
図3は、情報端末1のハードウエア構成図である。情報端末1は、物理的には、図3に示すように、CPU101、主記憶装置であるRAM102及びROM103、データ送受信デバイスである通信モジュール104、ハードディスク、フラッシュメモリ等に例示される補助記憶装置105、入力デバイスであるタッチパネル及びキーボード等に例示される入力装置106、ディスプレイ等の出力装置107などを含むコンピュータシステムとして構成されている。図2に示した各機能は、図3に示すCPU101、RAM102等のハードウエア上に所定のコンピュータソフトウェアを読み込ませることにより、CPU101の制御のもとで通信モジュール104、入力装置106、出力装置107を動作させるとともに、RAM102や補助記憶装置105におけるデータの読み出し及び書き込みを行うことで実現される。再び、図2を参照し、情報端末1の各機能部について詳細に説明する。
【0026】
取得部11は、タッチパネルTに対する入力操作に関する操作情報を取得する部分である。具体的には、入力受付部21が、ユーザによるタッチパネルTに対する入力操作における入力位置の複数の座標情報を取得し、取得部11は、入力受付部21により取得された複数の入力位置の座標情報を取得する。
【0027】
判断部12は、取得部11により取得された操作情報に基づき、第1の所定操作が行われたこと及び操作量を判断する部分である。第1の所定操作は、操作領域の縮小を指示するための操作であって、例えば、予め情報端末1において設定されている。具体的には、第1の所定操作がドラッグ操作である場合には、判断部12は、ユーザによりタッチパネルTに対してドラッグ操作が行われると、操作情報に含まれる複数の座標情報に示される位置の軌跡に基づき、ユーザの入力操作に係る入力位置の移動量を操作量として判断する。この判断において、判断部12は、入力操作の捜査開始位置を判断しない。従って、ユーザは、本実施形態の操作領域の縮小制御のための入力操作を、タッチパネルTにおける指の届く範囲で実施できる。なお、第1の所定操作については、後に詳述する。
【0028】
制御部13は、判断部12により判断された第1の所定操作における操作量に応じて、操作領域を、タッチパネルの画面に対して縮小させる部分である。即ち、制御部13は、例えば、タッチパネルに対する第1の所定操作に基づき取得及び判断された操作量に応じて、タッチパネルの画面の全部又は一部に設定された操作領域を、タッチパネルに対して縮小させることができる。
【0029】
操作領域は、例えば、タッチパネルの画面の全部又は一部に対してアプリケーションAPにより設定される領域であって、アプリケーションAPに対する入力を受け付ける領域である。制御部13は、アプリケーションAPから出力された表示内容を表示部22に表示する制御を行うと共に、入力受付部21により受け付けられた入力操作に関する情報をアプリケーションAPに認識させる制御を行う。本実施形態の情報端末1では、アプリケーションの機能及び制御とは別個に、制御部13が操作領域の縮小を制御するので、アプリケーションAPは、操作領域の縮小等のサイズの変更を認識する必要がない。従って、本実施形態における操作領域の縮小を実現するために、アプリケーションのカスタマイズを行う必要がない。
【0030】
また、制御部13は、アプリケーションAPにより設定された表示領域であって当該アプリケーションから出力された表示内容を表示する表示領域を、操作領域と同様にタッチパネルの画面に対して縮小させる。このように表示領域を縮小させることにより、操作領域と表示領域とが一体となって構成されるGUIにおいて、タッチパネルTにおける操作位置を適切にユーザに提示でき、良好な操作性が担保される。
【0031】
また、判断部12は、タッチパネルに対する第2の所定操作に引き続き第1の所定操作が行われた場合に、第1の所定操作が行われたこと及び操作量を判断することとしてもよい。即ち、判断部12が、操作情報に基づき、タッチパネルに対する第2の所定操作に引き続き第1の所定操作が行われたことを判断した場合に、制御部13は、判断部12により判断された第1の所定操作における操作量に基づき、操作領域等を縮小させる。
【0032】
第2の所定操作は、例えば、タッチパネルTに対する任意の位置の長押しである。また、第2の所定操作は、タッチパネルTの画面領域外から、タッチパネルTの四辺のいずれかを横切り、タッチパネルTの画面内に至るように軌跡が描かれるドラッグ操作であってもよい。
【0033】
次に、図4を参照して、操作領域の縮小制御の例を具体的に説明する。図4は、操作領域の縮小のための操作及び縮小の例を模式的に示す図である。まず、図4(a)は、タッチパネルTの画面の全体に操作領域Rが設定されている状態を示す。このようなタッチパネルTに対して、図4(b)に示すように、符号Pに示されるように長押しの操作が行われ、引き続き符号Dに示されるようにドラッグ操作が行われると、取得部11は、符号P及び符号Dに表される入力操作に関する操作情報を取得する。
【0034】
続いて、判断部12は、操作情報に基づき、第2の所定操作としての長押しの操作が行われたことを判断し、かかる操作に引き続き第1の所定操作としてのドラッグ操作が行われたことを判断する。このとき、判断部12は、ドラッグ操作にかかる入力位置の移動軌跡の長さを第1の所定操作における操作量として判断する。そして、制御部13は、符号Dに示されるドラッグ操作における操作量に基づき、操作領域Rを移動させる。
【0035】
図4(b)に示す例では、操作領域の左下角を基点として縮小されることが予め設定されているものとして、符号Dに示されるドラッグ操作は、タッチパネルTにおける左下方向に向かって行われているので、制御部13は、操作領域Rに示されるように、操作領域Rを、タッチパネルTにおける下方向に、ドラッグ操作の操作量に応じた縮小率で縮小させる。なお、ドラッグ操作の軌跡の長さと縮小率との対応付けは予め設定されている。
【0036】
また、符号Dで示されるドラッグ操作の逆の方向にドラッグ操作が行われた場合に、制御部13は、その操作量に応じて、操作領域を拡大させることとしてもよい。
【0037】
また、図4(c)に示す例では、符号Pに示されるように長押しの操作が行われ、引き続き符号Dに示されるように、右回りの円を描くようにドラッグ操作が行われると、取得部11は、符号P及び符号Dに表される入力操作に関する操作情報を取得する。
【0038】
続いて、判断部12は、操作情報に基づき、第2の所定操作としての長押しの操作が行われたことを判断し、かかる操作に引き続き第1の所定操作としての右回りの円を描くようなドラッグ操作が行われたことを判断する。このとき、判断部12は、符号Dに示されるドラッグ操作の軌跡により円が描かれた回数を第1の所定操作における操作量として判断する。そして、制御部13は、符号Dに示されるドラッグ操作における操作量に基づき、操作領域Rを縮小させる。
【0039】
図4(c)に示す例では、タッチパネルTの中心を基点として縮小されることが予め設定されているものとして、符号Dに示されるドラッグ操作は、タッチパネルTにおける左下方向に向かって行われているので、制御部13は、操作領域Rに示されるように、操作領域Rを、符号Dに示されるドラッグ操作の軌跡により円が描かれた回数に応じた縮小率で縮小させる。なお、ドラッグ操作により円が描かれた回数と縮小率との対応付けは予め設定されている。
【0040】
また、符号Dで示されるドラッグ操作の逆の方向、即ち左回りにドラッグ操作により円が描かれた場合に、制御部13は、その操作量に応じて、操作領域を拡大させることとしてもよい。
【0041】
また、図4(c)に示す例では、符号Pに示されるように第2の所定操作としての長押しの操作が行われると、制御部13は、第1の所定操作を案内するための案内オブジェクトOをタッチパネルに表示する。具体的には、図4(c)に示すように、制御部13は、長押しの操作が行われた位置を基点として、下方向にドラッグ操作を行った場合に操作領域が縮小され、上方向にドラッグ操作を行った場合に操作領域が拡大されることを示すスケールの案内オブジェクトOをタッチパネルTに表示する。このような案内オブジェクトOが表示されることにより、ユーザは操作領域の縮小のための操作方法を認識できるので、ユーザに容易に操作領域の縮小を実施させることができる。
【0042】
なお、図4(c)では、案内オブジェクトO及び符号Pに示される操作の図示した際の視認性を確保するために、案内オブジェクトOと符号P及び符号Dに示される図形とがずらされて示されているが、実際は、符号P及び符号Dに示される図形は、案内オブジェクトOに重なる位置に位置する。
【0043】
ユーザにより、案内オブジェクトOの案内に従って、符号Dに示されるドラッグ操作が行われると、判断部12は、符号Dに示されるドラッグ操作の軌跡の長さを第1の所定操作における操作量として判断する。そして、制御部13は、操作領域Rに示されるように、タッチパネルTの中心を基点として、符号Dに示されるドラッグ操作における操作量に基づき操作領域Rを縮小させる。
【0044】
また、符号Dで示されるドラッグ操作の逆の方向、即ち上方向にドラッグ操作が行われた場合に、制御部13は、その操作量に応じて、操作領域を拡大させることとしてもよい。
【0045】
次に、縮小移動された操作領域を元のサイズに戻す制御について説明する。制御部13は、判断部12により第3の所定操作がタッチパネルに対して行われたことが判断された場合、又は、当該情報端末1が有するセンサにより所定の事象が検出された場合に、縮小された操作領域を元のサイズに戻す。図5は、縮小された操作領域を元のサイズに戻すための操作及びサイズの復帰の例を模式的に示す図である。
【0046】
第3の所定操作は、例えば、タッチパネルTにおける縮小された操作領域内の任意の位置の長押し及び引き続く所定方向(例えば、上方向)に向かうフリック操作である。図5(a)に示すように、符号Pに示されるように縮小された操作領域R内において長押しの操作が行われ、引き続き符号Dに示されるようにフリック操作が行われたことが判断部12により判断されると、制御部13は、操作領域Rに示されるように、縮小された操作領域Rを、元の位置に戻す。
【0047】
また、第3の所定操作は、タッチパネルTにおける縮小された操作領域外の位置におけるタップ操作であってもよい。図5(b)に示すように、符号Pに示されるように、縮小された操作領域R外においてタップ操作が行われたことが判断部12により判断されると、制御部13は、操作領域Rに示されるように、縮小された操作領域Rを、元の位置に戻す。
【0048】
また、情報端末1が加速度センサを有する場合に、加速度センサが、ユーザによる情報端末1を振る操作を検出した場合に、制御部13は、移動された操作領域を元の位置に戻すこととしてもよい。
【0049】
次に図6を参照して、操作領域及び表示領域の縮小の具体例を説明する。図6(a)は、操作領域等が縮小される前のタッチパネルTの画面例を示す図である。ユーザが情報端末1を左手により保持した状態では、例えば「設定」といったアイコンを左手の指で操作することは困難である。そこで、上述したような操作及び制御により、図6(b)に示すように、操作領域及び表示領域を縮小させると、左手の指により「設定」のアイコンを操作することが可能になる。そして、操作領域及び表示領域を元のサイズに戻す所定操作を行うことにより、図6(c)に示すように、操作領域及び表示領域が元のサイズに戻される。
【0050】
次に、図7を参照して、情報端末1における操作領域制御方法について説明する。図7は、操作領域制御方法の処理内容を示すフローチャートである。
【0051】
まず、情報端末1は、ユーザによるタッチパネルTに対する入力操作が行われたか否かを判定する(S1)。入力操作が行われたと判定された場合には、処理手順はステップS2に進められる。一方、入力操作が行われたと判定されなかった場合には、処理手順はステップS1に戻り、入力操作が行われたことが検出されるまでステップ1の処理が繰り返される。
【0052】
ステップ2において、取得部11は、タッチパネルTに対する入力操作に関する操作情報を取得する(S2)。続いて、判断部12は、操作情報に基づき、操作領域の縮小を指示するための第2の所定操作が行われたか否かを判断する(S3)。第2の所定操作が行われたと判断された場合には、処理手順はステップS4に進められる。一方、第2の所定操作が行われたと判断されなかった場合には、処理手順はステップS6に進められる。
【0053】
ステップS4において、判断部12は、第2の所定操作に引き続き行われた第1の所定操作における操作量を判断する(S4)。そして、制御部13は、第1の所定操作における操作量に基づき、操作領域を縮小させる(S5)。
【0054】
ステップS6において、制御部13は、操作領域等が既に縮小されていて、且つ、操作領域を元のサイズに戻すことを指示するための第3の所定操作が行われたか否かを判断する(S6)。第3の所定操作が行われたと判断された場合には、処理手順はステップS7に進められる。一方、第3の所定操作が行われたと判断されなかった場合には、処理手順はステップS1に戻る。
【0055】
ステップS7において、制御部13は、タッチパネルTにおいて縮小された操作領域等を元のサイズに戻す(S7)。
【0056】
次に、コンピュータを、本実施形態の情報端末1として機能させるための操作領域制御プログラムについて説明する。図8は、操作領域制御プログラム1mの構成を示す図である。
【0057】
操作領域制御プログラム1mは、操作領域制御処理を統括的に制御するメインモジュール10m、取得モジュール11m、判断モジュール12m及び制御モジュール13mを備えて構成される。そして、各モジュール11m〜13mにより、情報端末1における各機能部11〜13のための各機能が実現される。なお、操作領域制御プログラム1mは、通信回線等の伝送媒体を介して伝送される態様であってもよいし、図8に示されるように、記録媒体1dのプログラム格納領域1rに記憶される態様であってもよい。
【0058】
以上説明した本実施形態の情報端末1、操作領域制御方法及び操作領域制御プログラム1mでは、入力操作に関する操作情報に基づき、例えばドラッグ操作といった所定操作における操作量が判断され、タッチパネルにおける操作の受付が可能な操作領域が、判断された操作量に応じてタッチパネルの画面に対して縮小される。この縮小制御では、入力操作の操作開始位置が判断されないので、ユーザは、この操作を、ディスプレイにおける指の届く範囲で実施できる。そして、このように操作領域が縮小されることにより、操作領域において指が届かなかった部分を、指が届く領域に収めることが可能となる。これにより、良好な操作性が実現する。
【0059】
以上、本発明をその実施形態に基づいて詳細に説明した。しかし、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。本発明は、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変形が可能である。
【符号の説明】
【0060】
1…情報端末、11…取得部、12…判断部、13…制御部、1d…記録媒体、1m…操作領域制御プログラム、10m…メインモジュール、11m…取得モジュール、12m…判断モジュール、13m…制御モジュール、21…入力受付部、22…表示部、AP…アプリケーション、R…操作領域、T…タッチパネル。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8